説明

患者の体温を反復するシステム及び方法

患者の体温を反復するシステム、及び、抵抗型の患者体温センサからの患者体温情報を反復する方法が、1以上の医療機器が単一の患者体温センサを利用することを可能にする。一実施形態において、患者体温反復システム(10)は、入力コネクタ及び出力コネクタ(12,14)、マイクロプロセッサ(20)、光アイソレータ(22)、精密なデジタルポテンショメータ(26)に並列接続された粗いデジタルポテンショメータ(24)、電流検知抵抗器(28)、増幅器(30A,30B)、アナログ−デジタル変換器(32A,32B)、フィルタ(34)、ヒューズ(36)、不揮発性メモリ(38)及びリレー(40)を含む。動作において、マイクロプロセッサ(20)は、入力コネクタ(12)に接続された、抵抗型の患者体温センサ(16)の抵抗レベルを読み取り、出力コネクタ(14)に接続された医療機器(18)により見られる抵抗を、患者体温センサ(16)の抵抗に合致するように設定するために、適切な制御信号を、光アイソレータ(22)を通して、粗いデジタルポテンショメータ及び精密なデジタルポテンショメータ(24,26)に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、患者の体温のモニタリングに関し、特に、単一の患者体温センサから得られる患者体温に関する情報を医療機器に提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床医、及び、患者に医療を提供することに携わる他の人々は、しばしば、患者の体温を測定するために、患者体温のセンサの使用を必要とする多数の医療機器類を用いることを必要とする。しばしば、患者体温センサは、抵抗タイプのセンサ(すなわち、センサの抵抗レベルが、センサが配置された患者の体温に従って変化するセンサ、例えば、サーミスタ温度プローブ)である。患者の体温の情報を得るために、医療機器は、励起電圧又は励起電流を抵抗タイプの温度センサに供給し、それによりセンサの抵抗レベルを読み取る。そして、センサの抵抗レベルは、センサの規格に従って患者の体温と関連づけられる。しかし、このような抵抗タイプの患者体温センサの適切なアクセスを可能にする部位の数は限られている。一般に、鼻咽頭、膀胱、直腸又は食道用のセンサが、患者の体温を測定するために用いられる。また、特定の部位が、特定の治療のための最良の情報を提供し得る。例えば、鼻咽頭用センサは脳の温度を最良に示し得る。従って、特定の患者体温監視部位へのアクセスのために、多数の医療機器が同時に存在しなければならないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
適切な温度センサ部位の数が限られていることを克服する1つの方法は、単一の温度センサを複数の医療機器に接続することである。しかし、各医療機器は、一般に、センサの抵抗レベルを読み取るために固有の励起電圧又は励起電流をもたらし、各機器の励起電圧又は励起電流は異なり得る。従って、複数の機器を単一の温度センサに接続すると、1以上の機器がセンサから不正確な患者体温を読み取ることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、患者の体温を反復するシステム、及び、抵抗型の患者体温センサ(例えば、サーミスタ、抵抗温度装置など)からの患者体温情報を反復する方法であって、1以上の医療機器が単一の患者体温センサを利用することを可能にするシステム及び方法を提供する。本発明のシステム及び方法は、患者体温センサの抵抗レベルが、そしてそれにより患者体温の情報が、1以上の医療機器により、患者体温センサを医療機器に直接接続する必要なくアクセスされることを可能にする。本発明のシステム及び方法は、臨床医が単一の適切な部位から適時に且つ有効に患者体温情報を得る能力を高め、そしてまた、患者体温センサが不正確な温度情報を1以上の医療機器にもたらす可能性を低減する。
【0005】
本発明の一態様に従えば、抵抗型の患者体温センサにより出力される抵抗レベルを反復するための患者体温反復システムが、入力コネクタ、出力コネクタ、可変抵抗装置、及びコントローラを含む。本発明の患者体温反復システムは、1以上の医療機器が患者体温センサの抵抗レベルにアクセスすることを、患者体温センサが医療機器に直接接続されることを必要とせずに可能にする。この点に関し、入力コネクタは、患者体温センサが接続されるように構成され、出力コネクタは、1以上の医療機器が接続されるように構成されている。可変抵抗装置は、可変抵抗レベルを出力コネクタにもたらすように制御可能である。コントローラは、入力コネクタに接続された患者体温センサによりもたらされる抵抗レベルを得るように動作可能である。コントローラは、また、患者体温センサから得られた抵抗レベルに従って、可変抵抗装置により出力コネクタにもたらされる抵抗レベルを確立
するために可変抵抗装置を制御するように動作可能である。この点に関し、可変抵抗装置及びコントローラは、患者体温センサの抵抗レベルと同等の、許容可能な許容差レベル内(例えば、42℃で+/- 4.5オーム、10℃で+/- 21オーム)の抵抗レベルを出力コネクタにもたらすように動作可能であり得る。
【0006】
可変抵抗装置は、多数の異なる装置から構成され得る。例えば、可変抵抗装置は、1以上のポテンショメータを含み得る。この点に関し、可変抵抗装置は、1以上の精密なデジタルポテンショメータに並列接続された1以上の粗い(course)デジタルポテンショメータを含み得る。粗いポテンショメータは、例えば、100オーム(端子抵抗値)〜10Kオームの抵抗レベルを、39オームずつ増分してもたらすように制御可能であり、精密ポテンショメータは、例えば、100オーム〜10Kオームの抵抗レベルを9.8オームずつ増分してもたらすように制御可能であり得る。さらなる例として、可変抵抗装置は、1以上の電界効果トランジスタを含むことができ、この場合、コントローラは、電界効果トランジスタのドレイン−ソース間抵抗レベルを変えるために電界効果トランジスタのゲート−ソース間電圧を制御するように動作可能である。さらなる例において、可変抵抗装置は、並列接続及び直列接続された固定抵抗器とアナログスイッチとから成るネットワークを含み、これらの抵抗器とアナログスイッチは、異なる組合せのスイッチを閉じることが異なる抵抗レベルをもたらすように配置されている。別の例において、可変抵抗装置は、並列接続及び直列接続された固定抵抗器とリレーとから成るネットワークを含み、抵抗器とリレーは、異なる組合せのリレーを動作させることが異なる抵抗レベルをもたらすように配置されている。さらなる一例において、可変抵抗装置は、サーボモータに接続されたアナログポテンショメータを含み、この場合、コントローラは、アナログポテンショメータの抵抗レベルを制御するためにサーボモータを動作させるように動作可能である。
【0007】
本発明のシステムは、また、可変抵抗装置を出力コネクタとの接続から外すように動作可能な1以上の装置(例えば、リレー、アナログスイッチなど)を含み得る。これは、システムが、医療機器に、開いた回路状態を提示し、それにより、障害が生じていること又は入力温度センサの接続が外れたことを示すことを可能にする。例えば、センサが故障し、又はセンサが入力コネクタとの接続から外れたためにコントローラが患者体温センサから抵抗レベルを得られない場合、リレーが開かれることができる。リレーは、また、患者体温センサからコントローラにより得られる抵抗レベルが、システムがキャリブレートされるべき温度範囲外の温度に対応するならば、開かれることができる。
【0008】
本発明のシステムの一実施形態において、コントローラはマイクロプロセッサを含み得る。この点に関し、マイクロプロセッサは、温度センサの抵抗レベルを周期的に得るように、且つ、可変抵抗装置によりもたらされる抵抗レベルを、患者体温センサから周期的に得られる抵抗レベルに従って周期的に確立するように動作可能であり得る。例えば、マイクロプロセッサは、患者体温センサの抵抗レベルを得て、可変抵抗装置の抵抗レベルを、毎秒少なくとも1回確立し得る。別の実施形態において、コントローラは、例えば、マッピングハードウェア、例えば、FPGA、EPROM又はフラッシュメモリを含み得る。
【0009】
本発明のシステムは、さらに、マイクロプロセッサにより引き出し可能な、可変抵抗装置の制御に用いるための情報を記憶するメモリを含み得る。本発明のシステムは、また、可変抵抗装置によりもたらされた抵抗レベルに関する情報をマイクロプロセッサにもたらすための1以上のフィードバックループを含み得る。フィードバックループは、例えば、第1のアナログ−デジタル変換器と直列に接続された第1の増幅器、及び、第2のアナログ−デジタル変換器と直列に接続された第2の増幅器を含み、第1増幅器は、可変抵抗装置を横切る電圧レベルを増幅し、第2増幅器は、可変抵抗装置を流れる電流を増幅する。入力コネクタ及びマイクロプロセッサが、可変抵抗装置、出力コネクタ、第1増幅器及び第2増幅器並びに第1アナログ−デジタル変換器及び第2アナログ−デジタル変換器から
電気的に絶縁されるようにシステムを構成することが望ましいであろう。この点に関し、望ましい電気絶縁は、複数の光アイソレータ及び/若しくは絶縁変圧器、並びに/又は類似の適切な装置をシステムに含むことによりもたらされ得る。さらに、さらなる安全性をもたらすために、システムは、第1増幅器及び第2増幅器の出力部に接続された第2のプロセッサを含み得る。第2プロセッサは、フィードバックループを第1プロセッサに接続するのではなく、フィードバックループからの情報を処理する。
【0010】
本発明の別の態様に従えば、抵抗型の患者体温センサにより出力される抵抗レベルを反復する方法が、患者体温センサの抵抗レベルを監視するステップを含む。監視された抵抗レベルに基づいて、制御信号が発生される。次いで、制御信号は可変抵抗装置に送信される。制御信号に応答して、可変抵抗装置の設定が確立され、この設定が、患者体温センサの監視された抵抗レベルに対応する出力抵抗レベルを医療機器にもたらす。この点に関し、可変抵抗装置の設定は、患者体温センサの抵抗レベルと同等の、許容可能な許容差範囲内(例えば、42℃で+/- 4.5オーム、10℃で+/- 21オーム)の出力抵抗をもたらすように確立され得る。本発明の一実施形態において、患者体温センサの抵抗レベルを監視するステップ、制御信号を発生するステップ、信号を伝達するステップ、及び、可変抵抗装置の設定を確立するステップは、周期的に(例えば、少なくとも毎秒1回)実行される。これらのステップを周期的に行うことは、デジタル部品(例えばデジタルマイクロプロセッサ及びデジタルポテンショメータ)を用いた方法の実行に特に好適である。別の実施形態において、本発明の方法のステップは、連続的に(例えば、この方法を全てアナログ式に実行する場合に)行われ得る。
【0011】
一実施形態において、本発明の方法は、また、制御信号発生ステップにて用いるために用いられ得るフィードバック信号を可変抵抗装置から発生するさらなるステップを含み得る。可変抵抗装置からのフィードバックは、可変抵抗装置の設定を適切に確立するために、制御信号を必要に応じて最適化するために用いられることができ、この最適化によって、出力抵抗レベルを、患者体温センサの監視された抵抗レベルに、より正確に合致させる。理解されるように、フィードバックは必ずしも必要ではなく、本発明の方法は、可変抵抗装置のオープンループ制御により実行されることもできる。
【0012】
本発明の方法の一実施形態において、可変抵抗装置は、精密なデジタルポテンショメータに並列接続された粗いデジタルポテンショメータを含む。この点に関し、発生された制御信号は、粗いポテンショメータの設定のみを確立させるように、若しくは精密ポテンショメータの設定のみを確立させるように、又は、粗いポテンショメータ及び精密ポテンショメータの両方の設定を確立させるように構成され得る。これは、粗いポテンショメータの設定を確立するための第1の部分、及び、精密ポテンショメータの設定を確立するための第2の部分を含む制御信号を発生することにより達成され得る。
【0013】
制御信号を発生するステップは、粗いポテンショメータ及び精密ポテンショメータのために記憶されている設定を、監視された抵抗レベルに関連して引き出すステップを含み得る。この点に関し、本発明の方法は、また、粗いポテンショメータ及び精密ポテンショメータのための複数の設定を、監視された複数の異なる抵抗レベルに関連して導くためのキャリブレーションプロセスを行うステップと、この設定を後に引き出すために記憶するステップとを含み得る。キャリブレーションプロセスは、予め決められたキャリブレーション範囲内の患者体温(例えば、10℃〜42℃)に対応する抵抗レベルのために行われ得る。理解されるように、予め決められたキャリブレーション範囲内の患者体温に対応する抵抗レベルは、キャリブレーションプロセスが行われようとする患者体温センサのモデルによって異なり得る。キャリブレーションプロセスは、予め決められた抵抗レベルに基づいた少なくとも1つのテスト信号を発生するステップと、可変抵抗装置の初期設定を確立するためにテスト信号を可変抵抗装置に送信するステップと、可変抵抗装置の抵抗レベル
を監視するステップと、許容可能な許容差範囲内(例えば、42℃で+/- 4.5オーム、10℃で+/- 21オーム)の抵抗レベルをもたらす、可変抵抗装置の最終設定を確認するために、可変抵抗装置の設定を調節するステップとを含み得る。
【0014】
本発明のこれら及び他の態様及び利点は、以下の詳細な説明を、添付図面と共に参照することにより明らかになるであろう。
本発明がより完全に理解され、より有利であるように、以下に、詳細な説明を、図面を参照しつつ記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1を参照すると、患者の体温を反復するシステム10の一実施形態のブロック線図が示されている。患者体温反復システム10は、入力コネクタ12及び出力コネクタ14を含む。入力コネクタ12は、抵抗型温度センサ16を患者体温反復システム10に接続するように構成されている。この点に関し、入力コネクタ12は、プラグを受け入れるように構成されたプラグタイプのコネクタであることができ、例えば、ワイ・エス・アイ社(YSI Incorporated)から入手可能なYSI−400シリーズのサーミスタプローブのプラグを受け入れる。出力コネクタ14は、医療機器18を患者体温反復システム10に接続するように構成されている。この点に関し、出力コネクタ14は、医療機器18に接続されたケーブルのプラグを受け入れるためのプラグタイプのコネクタであり得る。出力コネクタ14は、複数の医療機器が容易にスイッチオン/オフされることを可能にし、これは、単に、1つの機器18のプラグコネクタを外し、別の機器18のプラグコネクタを出力コネクタ14に挿入することにより行われる。別の実施形態において、出力コネクタ14は、複数の医療機器18が出力コネクタ14に同時に接続されるように構成され得る。この点に関し、システム10は、例えば、複数の医療機器18の同時の接続を可能にする複数のリピータ回路(図示せず)を組み込み得る。
【0016】
患者体温反復システム10は、入力コネクタ12にて温度センサ16から温度データを受け取り、受け取った温度データを出力コネクタ14にて伝送する。この点に関し、入力コネクタ12にて供給される温度データは、温度センサ16により検知された抵抗値の形態であり得る。温度反復システム10は、出力コネクタ14にて見られる抵抗を、温度センサ16により検知される抵抗に合致するように制御し、これにより、入力コネクタ12にて温度センサ16によりもたらされる抵抗と同じ抵抗が、出力コネクタ14にて医療機器18に見られる。この点に関し、温度反復システム10は、温度センサ16により検知された抵抗を、許容可能な許容差範囲内で(例えば、42℃の場合+/- 4.5オーム、10℃の場合+/- 21オーム)合致させる。例えば、YSI−400シリーズのサーミスタプローブは、37℃の患者体温に対して1355オームの抵抗値をもたらし得るが、この場合、温度反復システム10は、出力コネクタ14にて医療機器18により見られる抵抗を、抵抗値が1355オーム+/- 5.5オームであるように制御する。温度反復システム10が複数の出力コネクタ14を含む実施形態においては、各出力コネクタ14にて見られる抵抗が、入力コネクタ12にて温度センサ16によりもたらされる抵抗に合致するように制御される。
【0017】
図2を参照すると、温度反復システム10の一実施形態の、より詳細なブロック線図が示されている。温度反復システム10は、入力コネクタ12及び出力コネクタ14に加えて、マイクロプロセッサ20、光アイソレータ22、精密なデジタルポテンショメータ26と並列に配置された粗い(coarse)デジタルポテンショメータ24、電流検知抵抗器28、1対の増幅器30A,30B、1対のアナログ−デジタル(A/D)変換器32A,32B、フィルタ34、ヒューズ36、及び不揮発性メモリデバイス38並びにリレー40を含む。マイクロプロセッサ20は、温度データを入力コネクタ12から受信すると、出力コネクタ14にて見られる抵抗を適切な値に設定するために、適切な制御信号を、光ア
イソレータ22を通して粗いデジタルポテンショメータ24及び精密デジタルポテンショメータ26に送る。この点に関し、粗いデジタルポテンショメータ24と精密デジタルポテンショメータ26は並列に配置されているため、出力コネクタ14にて見られる抵抗は、並列抵抗のための以下の式により得られる。
={(R×R)/(R+R)}+RCSR+RFILTER
式中、Rは、粗いデジタルポテンショメータ24によりもたらされる抵抗であり、Rは、精密デジタルポテンショメータ26によりもたらされる抵抗であり、RCSRは、電流検知抵抗器28によりもたらされる抵抗であり、RFILTERは、フィルタ34によりもたらされる抵抗であり、Rは、出力コネクタ14における抵抗である。粗いポテンショメータ24がもたらす抵抗値設定範囲の1段階は、精密ポテンショメータ26によりもたらされる設定の1段階の範囲よりも大きくてよい。例えば、粗いポテンショメータ24は、100オーム〜10Kオームの抵抗値を、1段階につき39オームの増分でもたらすことができ、精密ポテンショメータは、100オーム〜10Kオームの抵抗値を、1段階につき9.8オームの増分でもたらすことができる。さらに、精密調節ポテンショメータ26は、粗いデジタルポテンショメータ24よりも高いベース抵抗を有し得る。これは、精密デジタルポテンショメータ26が変化されるときに、より小さい(すなわち、より精密な)効果を出力抵抗Rにもたらすためである。例として、1355オームの出力抵抗Rをもたらすために、粗いポテンショメータ24は、1254.9オームの抵抗をもたらすように設定されることができ、精密ポテンショメータ26は、4692オームの抵抗をもたらすように設定されることができる(RCSRとRFILTERの合計を約365オームとする)。
【0018】
医療機器18は、並列接続のポテンショメータ24,26によりもたらされる出力抵抗Rを読むことができ、これは、例えば、既知の電流信号を出力コネクタ14に送信し、出力コネクタ14の端子間の電圧降下を読むことにより行われ、又は、出力コネクタ14の端子間の既知の電圧降下を確立し、一方の端子から、並列接続のポテンショメータ24,26を通って出力コネクタ14の他方の端子に流れる電流を読むことにより行われる。また、医療機器18はディバイダを形成するための電圧及び抵抗をセンサ16に設けることにより、出力抵抗Rを得ることができる。
【0019】
粗いデジタルポテンショメータ24及び精密なデジタルポテンショメータ26は、リレー40、フィルタ34及びヒューズ36を介して出力コネクタ14に接続されるだけでなく、フィードバック構成にて、マイクロプロセッサ20にも、増幅器30A,30B、A/D変換器32A,32B及び光アイソレータ22を介して接続されている。一方の増幅器30Aは、並列接続のポテンショメータ24,26を横切って印加される電圧を増幅し、他方の増幅器30Bは、並列接続のポテンショメータ24,26を通って流れる全電流を、精密抵抗器である電流検知抵抗器28を横切る電圧を測定することにより増幅する。A/D変換器32A,32Bは、増幅器30A,30Bからのアナログの電圧信号及び電流信号をデジタル信号に変換する。デジタル化された電圧信号及び電流信号は,光アイソレータ22を通してマイクロプロセッサ20に送信される。マイクロプロセッサ20は、デジタル化された電圧信号及び電流信号に基づいて、ポテンショメータ24,26によりもたらされた出力抵抗Rを決定する。出力抵抗Rが温度センサ16の抵抗と十分に合致していないならば、マイクロプロセッサ20は、所望の出力抵抗Rを得るために精密デジタルポテンショメータ26を、また、必要であれば粗いデジタルポテンショメータ24を調節し得る。また、マイクロプロセッサ20は、反復されるセンサ抵抗値が有効でないことをユーザに警告し始め得る。
【0020】
光アイソレータ22を、マイクロプロセッサ20と、粗いデジタルポテンショメータ24,精密デジタルポテンショメータ26及びA/D変換器32A,32Bとの間に含むことが多くの利点をもたらす。例えば、光アイソレータ22は、医療機器18が患者又は操
作者に、温度反復システム10を介して危険をもたらすことを防止し、また、グラウンドループが模擬出力抵抗Rを歪めないことを保証する。この点に関し、操作者への危険は、例えば、入力コネクタ12に接続された温度センサ16に、入力コネクタ12のポートに主電圧を存在させるような欠陥があると大きくなることがある。光アイソレータ22によりもたらされる絶縁は、このような望ましくない電圧が、患者体温反復システム10内の多くの電子と接触することを防止する。粗いデジタルポテンショメータ24及び精密デジタルポテンショメータ26とフィルタ34との間のリレー40、リレー40とヒューズ36との間のフィルタ34、及び、フィルタ34と出力コネクタ14との間のヒューズ36も、幾つかの利点をもたらす。例えば、患者の体温の情報が温度センサ16の測定範囲外にある場合、又は、有効でない(例えば、温度センサ16が入力コネクタ12から外れており、若しくは動作不良である)場合、リレー40が、粗いデジタルポテンショメータ24及び精密デジタルポテンショメータ26を、出力コネクタ14との接続から外し、これにより、出力コネクタ14に開放回路状態をもたらすために用いられる。この点に関し、リレー40は、トランジスタ、アナログスイッチ、又は、マイクロプロセッサ20からの制御信号に応答して開閉するように動作可能な他の類似の装置であり得る。フィルタ34及びヒューズ36は、例えば、温度反復システム10の回路を、出力コネクタ14に接続された医療機器18の動作により生じる、外的干渉及び危険(例えば、過度の電流)から保護する。
【0021】
理解されるように、温度反復システム10は、図2に例示した上記の実施形態と異なるように構成され得る。例えば、ポテンショメータ24,26によりもたらされる出力抵抗Rに関するマイクロプロセッサ20へのフィードバックは必須ではない。この点に関し、増幅器30A,30B、及びA/D変換器32A,32Bが温度反復システム10に含まれる必要はなく、マイクロプロセッサ20は、ポテンショメータ24,26を、オープンループ制御技術を用いて簡単に設定することができる。他の実施形態において、出力抵抗Rは、並列に配置された粗いデジタルポテンショメータと精密ポテンショメータ以外の装置によりもたらされることができる。例えば、電界効果トランジスタ(FET)を用いることができ、FETのドレイン−ソース間抵抗が、ゲート−ソース間電圧を制御することにより変えられる。所望の出力抵抗Rをもたらすための別の方法は、複数のアナログスイッチ(例えば、BJT又はFETトランジスタ)及び固定抵抗器を、様々な組合せの「オン」スイッチが所望の出力抵抗Rをもたらすように並列及び直列に配置することである。また、サーボモータなどを用いてアナログポテンショメータの位置を調節することにより、所望の出力抵抗Rをもたらすことが可能である。さらに、粗いデジタルポテンショメータ24及び精密デジタルポテンショメータ26を、単一のデジタルポテンショメータに替えることが可能である。しかし、現在入手可能な典型的な10ビットデジタルポテンショメータの分解能限界により、図2に例示したような、並列接続の粗いポテンショメータ24,精密ポテンショメータ26は、典型的なサーミスタの非線形抵抗特性に、必要な範囲にわたって、より正確に適合できる利点を有する。
【0022】
図3A〜3Bを参照すると、図1及び図2の温度反復システム10を用いるための動作プロセス(100)の一実施形態を示すフローチャートが示されている。温度反復システム10を用いる前に、システム10はキャリブレーション(較正)されるべきである。この点に関し、温度反復システム10の、より費用効率的な実施形態が、より精密でない部品を用いて製造されることができ、それでも、キャリブレーションによって高い精度を得ることが可能である。温度反復システム10がキャリブレートされ得る方法の1つを、後に、図4A〜図4Cを参照しつつ説明する。キャリブレーションが行われたならば、温度反復システム10の動作が、温度センサ10を入力コネクタ12に接続し(102)、医療機器18を温度反復システム10の出力コネクタ14に接続する(104)ことにより開始する。次いで、マイクロプロセッサ20は、温度センサ16により測定される患者の体温を検査する(106)。この点に関し、マイクロプロセッサ20は、測定された患者
の体温を0.1℃単位に四捨五入し得る。次いで、マイクロプロセッサ20は、測定された患者の体温が温度反復システム10のキャリブレーション範囲にあるかどうかを決定する(108)。測定された患者体温がキャリブレーション範囲外であるならば、リレー40が開き(110)、プロセスがステップ(106)に戻る。測定された患者体温がキャリブレーション範囲内であるならば、マイクロプロセッサ20が、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26の適切な設定を不揮発性メモリ38から引き出す(112)。粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26の、様々な温度に対応する設定は、キャリブレーション中に不揮発性メモリ38に記憶されている。次いで、マイクロプロセッサ20は、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26を引き出された設定に調節する(114)ための適切な制御信号を送信する。
【0023】
粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26が、前記引き出された設定に調節された後、マイクロプロセッサは、フィードバック電流及び電圧レベルを、並列接続のポテンショメータから、増幅器30A,30B及びA/D変換器32A,32Bを介して受信する(116)。マイクロプロセッサは、フィードバック電流及び電圧レベルを用いて、並列接続のポテンショメータ24,26によりもたらされた出力抵抗を決定する(118)。次いで、出力抵抗が、測定された患者体温に対応する所望の抵抗値と比較される(120)。出力抵抗が所望の抵抗と等しい(許容可能な許容差範囲内にある)ならば、動作プロセスがステップ(106)に戻り、マイクロプロセッサ20が、温度センサ16により測定された患者の体温を再び検査する。ステップ(120)にて、出力抵抗が所望の抵抗と等しくない(許容可能な許容差範囲内でない)と決定されたならば、マイクロプロセッサ20は、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26のための、修正された設定を決定し(122)、且つ/又は、ユーザに警告をもたらす(124)。この点に関し、一般に、精密ポテンショメータ26の設定を修正することだけが必要であろう。修正された設定がマイクロプロセッサ20により決定されるならば、マイクロプロセッサ20は、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26を修正された設定に調節する(126)ための適切な制御信号を送信し、その後、動作プロセス(100)がステップ(106)に戻り、マイクロプロセッサ20は、温度センサ16により測定される患者の体温を再び検査する。
【0024】
図4A〜図4Cを参照すると、図2の温度反復システムのためのキャリブレーションプロセス200を示すフローチャートが示されている。キャリブレーションプロセス200は、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26のための適切な設定を確認する。この適切な設定は、特定のキャリブレーション温度範囲内の様々な温度に対応して、適切な抵抗値を出力コネクタ14の端子間にもたらす。例えば、キャリブレーションプロセス(200)は、10.0℃〜42.0℃の範囲内の0.1℃ごとに対して(すなわち、10.0℃、10.1℃、10.2℃、・・・41.8℃、41.9℃、42.0℃に対して)許容可能な許容差レベル内で適切な設定が行われることを確認する。設定は、例えば、所望の温度から0.02℃の許容可能な許容差レベル内に調整され得る。マイクロプロセッサ20は、キャリブレーションプロセス(200)が実行されるように、そしてそれにより、温度反復システム10が現場で周期的にキャリブレーションされることを可能にするようにプログラミングされ得る。キャリブレーションプロセス(200)は、一般に、特定のモデルプローブ又は特定のクラスのプローブのために実行される。なぜなら、異なる患者体温に対応する適切な抵抗値は、異なるプローブモデル又はプローブクラス間で異なることがあるからである。
【0025】
キャリブレーションプロセス(200)は、キャリブレーションプロセスを開始すること(202)により始められる。キャリブレーションプロセスを開始するステップ(202)は、幾つかのサブステップを含み得る。これらのサブステップは、例えば、出力コネクタ14を入力コネクタ12に、例えば、プラグコネクタをいずれかの端に有するケーブ
ルを用いて接続すること、及び、キャリブレーションを必要とするプローブモデルのクラスを確認することを含む。次いで、マイクロプロセッサ20は、初期キャリブレーション温度(例えば、10.0℃〜42.0℃のキャリブレーション範囲に関しては10.0℃)を選択する(204)。次いで、精密ポテンショメータ26のための暫定的な抵抗値設定が、現在のキャリブレーション温度に基づいて選択される(206)。キャリブレーションプロセス(200)が開始された直後であれば、現在のキャリブレーション温度は、ステップ(204)にてマイクロプロセッサ20により選択された初期キャリブレーション温度となる。ステップ(206)にて、精密ポテンショメータ26が、現在のキャリブレーション温度がキャリブレーション範囲のどこにあてはまるかによって、多数(例えば6つ)の抵抗値の1つをもたらすように設定され得る。例えば、キャリブレーション範囲が10.0℃〜42.0℃である場合、10.0℃〜16.9℃のキャリブレーション温度に関して、精密ポテンショメータ26は8798オームの抵抗値をもたらすように設定され、17.0℃〜22.9℃のキャリブレーション温度には7820オームの抵抗値をもたらすように設定され、23.0℃〜27.9℃のキャリブレーション温度には6843オームの抵抗値をもたらすように、28.0℃〜32.9℃のキャリブレーション温度には5865オームの抵抗値をもたらすように、33.0℃〜39.9℃のキャリブレーション温度には4888オームの抵抗値をもたらすように、40.0℃〜42.0℃のキャリブレーション温度には4399オームの抵抗値をもたらすように設定され得る。
【0026】
精密ポテンショメータ26のための暫定的な抵抗値設定がステップ(206)にて選択された後、粗いポテンショメータ24のための抵抗値設定が計算される(208)。この点に関し、粗いポテンショメータ24のための抵抗値設定は、並列抵抗のための式から、ステップ(206)にて選択された、精密ポテンショメータ26のための暫定的な設定、及び、現在のキャリブレーション温度に対応する所望の出力抵抗を既知値として用いて計算され得る。粗いポテンショメータ24は、一般に、粗いポテンショメータ24を計算された正確な抵抗値に設定するための十分な分解能を有さないため、ステップ(208)において、計算された抵抗値は、典型的に、粗いポテンショメータ24により得られることができる最も近い抵抗値に四捨五入され得る。その後、精密ポテンショメータ26のための新しい抵抗値設定が計算される(210)。この点に関し、精密ポテンショメータ26のための抵抗値設定は、ステップ(208)にて得られた、粗いポテンショメータ26のための抵抗値設定、及び、現在のキャリブレーション温度に対応する所望の出力抵抗を既知値として用いて計算され得る。
【0027】
粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26のための抵抗値設定が計算された後、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26は、計算された抵抗値設定に調節される(212)。次いで、マイクロプロセッサ20は、出力コネクタ14の端子間にもたらされる出力抵抗を測定し(214)、測定された出力抵抗を、現在のキャリブレーション温度に対応する所望の出力抵抗と比較する。測定された出力抵抗が、現在のキャリブレーション温度に対応する所望の出力抵抗と、許容可能な許容差レベルより大きく異なるならば、一般に、粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26のための設定を、現在のキャリブレーション温度に対応する所望の出力抵抗(許容可能な許容差レベル内)をもたらす最終設定が決定されるまで、精密に調整することが必要であろう。
【0028】
精密な調整プロセスは、以下の方法で進行され得る。最初に、粗いポテンショメータ24を、測定された出力抵抗が粗いポテンショメータ24の分解能による望ましい出力抵抗に可能な限り近づくまで調節する(216)。例えば、測定された出力抵抗が所望の出力抵抗を超えている場合、粗いポテンショメータ24の設定を、粗いポテンショメータから得られる、より低い次の抵抗値に低減し、これにより、所望の出力抵抗により近い、測定される出力抵抗をもたらし得る。或いは、測定された出力抵抗が所望の出力抵抗よりも低
い場合、粗いポテンショメータ24の設定を、粗いポテンショメータから得られる、より高い次の抵抗値に増大し、これにより、所望の出力抵抗により近い、測定される出力抵抗をもたらし得る。ステップ(216)において、最良の設定が確認されるまで、粗いポテンショメータ24の設定が何回も試される必要があり得る。そして、最良の設定は、ステップ(208)にて計算された設定になり得る。粗いポテンショメータ24が適切な設定に調節された後、精密ポテンショメータ26が、精密ポテンショメータ26の最良の設定のための範囲に画定されるまで、大きい幅を用いて調節される(218)。この点に関し、精密ポテンショメータ26の設定のための上限は、例えば、精密ポテンショメータ26の設定を、ステップ(210)にて計算された抵抗値から1段階98オーム(98オームずつ)増大することにより確立されることができ、これは、測定された出力抵抗と、所望の出力抵抗との差が増大し始めるまで行われる。同様に、精密ポテンショメータ26の設定のための下限は、例えば、精密ポテンショメータ26の設定を、ステップ(210)にて計算された抵抗値から98オームずつ低減することにより確立されることができ、これは、測定された出力抵抗と、所望の出力抵抗との差が増大し始めるまで行われる。次に、精密ポテンショメータ26を、ステップ(218)にて画定された範囲内で、小さい幅を用いて調節し、それにより、精密ポテンショメータ26の最良の設定のためのより狭い範囲を確立する(220)。この点に関し、精密ポテンショメータ26は、ステップ(218)にて確立された上限と下限の間で49オームずつ調節されて、新しい上限及び下限を、ステップ(218)と類似の方法で確認する。最後に、ステップ(220)にて確立された新しい上限と下限の間でリニアサーチを行う(222)ことにより、精密ポテンショメータ26のための最終設定が確立される。
【0029】
粗いポテンショメータ24及び精密ポテンショメータ26のための、現在のキャリブレーション温度に対応する最終抵抗値設定が確認されたならば、現在のキャリブレーション温度のための設定が一時的に記憶される(224)。次のステップは、現在のキャリブレーション温度を、キャリブレーションが必要な次の温度に調節することである。この点に関し、ステップ(204)にて選択された最初のキャリブレーション温度がキャリブレーション範囲の最低であるならば、現在のキャリブレーション温度を、単に、特定の量(例えば0.1℃)だけ上昇させればよい。キャリブレーションが必要な次の温度が、このような温度上昇とは異なるように得られることがあることが理解されよう。例えば、最初のキャリブレーション温度がキャリブレーション範囲の最高である場合には、現在のキャリブレーション温度を下げることにより次の温度が得られる。次いで、マイクロプロセッサ20は、現在のキャリブレーション温度が所望のキャリブレーション温度(キャリブレーションされるべき温度)範囲外かどうかを決定する(228)。現在のキャリブレーション温度が所望のキャリブレーション範囲の外にあれば、キャリブレーション温度の全範囲のための、一時的に記憶されている設定が、後に温度反復システム10の動作中にアクセスされるために記憶される(230)。この点に関し、設定は不揮発性メモリ38に記憶され得る。その後、キャリブレーションプロセス(200)は終了する。マイクロプロセッサ20が、現在のキャリブレーション温度がキャリブレーションを必要とする範囲内にあると決定すれば、現在のキャリブレーション温度がキャリブレーションを必要とする範囲外にあることがステップ(228)にて決定されるまで、ステップ(206)〜ステップ(228)が繰り返される。
【0030】
本発明の様々な実施形態を詳細に記載してきたが、当業者は、さらなる修正及び適合を考案し得る。しかし、このような修正及び適合が本発明の精神及び範囲内にあることは、明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による患者体温反復システムの一実施形態のブロック図。
【図2】患者体温反復システムの、より詳細なブロック図。
【図3A】患者体温反復システムを動作させるためのプロセスの一実施形態を示すフローチャート。
【図3B】患者体温反復システムを動作させるためのプロセスの一実施形態を示すフローチャート。
【図4A】患者体温反復システムのキャリブレーションのためのプロセスの一実施形態を示すフローチャート。
【図4B】患者体温反復システムのキャリブレーションのためのプロセスの一実施形態を示すフローチャート。
【図4C】患者体温反復システムのキャリブレーションのためのプロセスの一実施形態を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体温に従って抵抗レベルを変化させる患者体温センサから得られる抵抗レベルを反復するための患者体温反復システムであって、当該システムにより、患者体温センサの抵抗レベルが、少なくとも1つの医療機器により、患者体温センサを医療機器に直接接続せずにアクセス可能であり、前記システムが、
患者体温センサが接続されるように構成された入力コネクタと、
少なくとも1つの医療機器が接続されるように構成された出力コネクタと、
可変抵抗レベルを前記出力コネクタにもたらすように制御可能な可変抵抗装置と、
前記入力コネクタに接続された患者体温センサによりもたらされる抵抗レベルを得るように動作可能なコントローラとを含み、前記コントローラが、さらに、前記可変抵抗装置により前記出力コネクタにもたらされる抵抗レベルを、患者体温センサから得られた抵抗レベルに従って確立するために、前記可変抵抗装置を制御するように動作可能であるシステム。
【請求項2】
患者体温センサがサーミスタを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
患者体温センサが抵抗式温度測定装置を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記可変抵抗装置が少なくとも1つのポテンショメータを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記可変抵抗装置が、少なくとも1つの精密なデジタルポテンショメータに並列接続された少なくとも1つの粗いデジタルポテンショメータを含む請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記粗いポテンショメータが、100オーム〜10Kオームの抵抗レベルを、39オームずつ増分してもたらすように制御可能であり、前記精密ポテンショメータが、100オーム〜10Kオームの抵抗レベルを9.8オームずつ増分してもたらすように制御可能である請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記可変抵抗装置が、少なくとも1つの電界効果トランジスタを含み、前記コントローラが、前記電界効果トランジスタのドレイン−ソース間抵抗レベルを変えるために前記電界効果トランジスタのゲート−ソース間電圧を制御するように動作可能である請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記可変抵抗装置が、固定抵抗器とアナログスイッチとから成るネットワークを含み、前記スイッチの異なる組合せを閉じることが異なる抵抗レベルをもたらす請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記可変抵抗装置が、固定抵抗器とリレーとから成るネットワークを含み、前記リレーの異なる組合せを動作させることが異なる抵抗レベルをもたらす請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記可変抵抗装置が、サーボモータに接続されたアナログポテンショメータを含み、前記コントローラが、前記アナログポテンショメータの抵抗レベルを制御するために前記サーボモータを動作させるように動作可能である請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記可変抵抗装置を前記出力コネクタとの接続から外すように動作可能な少なくとも1つの装置をさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記可変抵抗装置を前記出力コネクタとの接続から外すように動作可能な少なくとも1つ
の装置が、リレー及びアナログスイッチの一方を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラがマイクロプロセッサを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記マイクロプロセッサにより引き出し可能な、前記可変抵抗装置の制御に用いるための情報を記憶するように構成されることができるメモリをさらに含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記可変抵抗装置によりもたらされた抵抗レベルに関する情報を前記マイクロプロセッサにもたらす少なくとも1つのフィードバックループをさらに含む請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記フィードバックループが、第1のアナログ−デジタル変換器に直列に接続された第1の増幅器、及び、第2のアナログ−デジタル変換器に直列に接続された第2の増幅器を含み、前記第1増幅器が、前記可変抵抗装置を横切る電圧レベルを増幅し、前記第2増幅器が、前記可変抵抗装置を流れる電流を増幅する請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記フィードバックループが、アナログマルチプレクサ及びアナログ−デジタル変換器に直列に接続された、並列接続の第1の増幅器及び第2の増幅器を含み、前記第1増幅器が、前記可変抵抗装置を横切る電圧レベルを増幅し、前記第2増幅器が、前記可変抵抗装置を流れる電流を増幅する請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記フィードバックループが、多重化機能を含むハイブリッドアナログ−デジタル変換器に直列に接続された、並列接続の第1の増幅器及び第2の増幅器を含み、前記第1増幅器が、前記可変抵抗装置を横切る電圧レベルを増幅し、前記第2増幅器が、前記可変抵抗装置を流れる電流を増幅する請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記入力コネクタと前記マイクロプロセッサが、前記可変抵抗装置、前記出力コネクタ、及び前記フィードバックループから電気的に絶縁されており、且つ、前記マイクロプロセッサが前記入力コネクタから電気的に絶縁されている請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
電気的絶縁が、少なくとも1つの光アイソレータによりもたらされる請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
電気的絶縁が、少なくとも1つの変圧器によりもたらされる請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロプロセッサが、温度センサにより前記入力コネクタにもたらされる抵抗レベルを周期的に得るように動作可能であり、且つ、患者体温センサから周期的に得られる抵抗レベルに従って、前記可変抵抗装置により前記出力コネクタにもたらされる抵抗レベルを周期的に確立するように動作可能である請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記マイクロプロセッサが、患者体温センサの抵抗レベルを周期的に得て、前記可変抵抗装置の抵抗レベルを毎秒少なくとも1回周期的に確立する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラが、FPGA、EPROM及びフラッシュメモリの1つを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記可変抵抗装置及び前記コントローラが、患者体温センサの許容可能な許容差レベル範囲内の抵抗レベルを前記出力コネクタにもたらすように動作可能である請求項1に記載の
システム。
【請求項26】
許容可能な許容差レベルが、患者の体温が42℃での+/- 4.5オームから、患者の体温が10℃での+/- 21オームまで変化する請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記出力コネクタが、複数の医療機器が前記出力コネクタに同時に接続されるように構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
患者の体温に従って抵抗レベルを変化させる患者体温センサから得られる抵抗レベルを反復する方法であって、当該方法により、患者体温センサの抵抗レベルが、少なくとも1つの医療機器により、患者体温センサを医療機器に直接接続せずにアクセス可能であり、前記方法が、
患者の体温センサの抵抗レベルを監視するステップと、
監視された抵抗レベルに基づいて制御信号を発生するステップと、
制御信号を可変抵抗装置に伝達するステップと、
監視された抵抗レベルに対応する出力抵抗レベルを医療機器にもたらすために、可変抵抗装置の設定を、制御信号に応答して確立するステップとを含む方法。
【請求項29】
前記監視するステップ、信号を発生するステップ、信号を伝達するステップ、及び、設定を確立するステップが周期的に実行される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記監視するステップ、信号を発生するステップ、信号を伝達するステップ、及び、設定を確立するステップが連続的に実行される請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記可変抵抗装置が、精密なデジタルポテンショメータに並列接続された粗いデジタルポテンショメータを含み、信号を発生する前記ステップにおいて、制御信号が、粗いポテンショメータの設定を確立すること及び精密ポテンショメータの設定を確立することの少なくとも1つをもたらすように構成される請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記信号を発生するステップにおいて、制御信号が、粗いポテンショメータの設定を確立するための第1の部分、及び、精密ポテンショメータの設定を確立するための第2の部分を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記制御信号を発生するステップが、
粗いポテンショメータ及び精密ポテンショメータのための記憶されている設定を、監視された抵抗レベルに関連して引き出すステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
粗いポテンショメータ及び精密ポテンショメータのための、複数の異なる監視された抵抗レベルに関連づけられる複数の設定を導くために、キャリブレーションプロセスを実行することと、
前記設定を後に引き出すために記憶することとを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
キャリブレーションプロセスが、予め決められた温度範囲内の患者体温のために行われる請求項34に記載の方法。
【請求項36】
キャリブレーションプロセスを実行する前記ステップが、
予め決められた抵抗レベルに基づいた少なくとも1つのテスト信号を発生するステップと、
テスト信号を可変抵抗装置に送信して、可変抵抗装置のための初期設定を確立するステップと、
可変抵抗装置の抵抗レベルを監視するステップと、
可変抵抗装置のための最終設定を確認するために可変抵抗装置の設定を調節するステップであって、可変抵抗装置が、許容可能な許容差範囲内の予め決められた抵抗レベルである抵抗レベルをもたらすステップとを含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
可変抵抗装置の抵抗レベルを監視する前記ステップが、出力抵抗レベルを入力部に戻し、可変抵抗装置の抵抗レベルを入力部から得ることを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
可変抵抗装置のための最終設定を確認するために可変抵抗装置の設定を調節する前記ステップにおいて、許容可能な許容差範囲が、患者の体温が42℃の場合の+/- 4.5オームから、患者の体温が10℃の場合の+/- 21オームまで変化する請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記制御信号を発生するステップにて使用するために用いられることができるフィードバック信号を可変抵抗装置から発生するステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項40】
さらに、前記フィードバック信号に基づいた警告信号を発生することを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
患者の体温に従って抵抗レベルを変化させる患者体温センサから得られる抵抗レベルを反復するためのシステムであって、当該システムにより、患者体温センサの抵抗レベルが、少なくとも1つの医療機器により、患者体温センサを医療機器に直接接続せずにアクセス可能であり、前記システムが、
患者体温センサが接続されるための入力手段と、
少なくとも1つの医療機器が接続されるための出力手段と、
可変抵抗レベルを前記出力手段にもたらすための可変抵抗手段と、
前記入力手段に接続された患者体温センサによりもたらされる抵抗レベルを得て、且つ、患者体温センサから得られた抵抗レベルに従って、前記可変抵抗手段により前記出力手段にもたらされる抵抗レベルを確立するための制御手段とを含むシステム。
【請求項42】
前記入力手段がプラグコネクタを含む請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記出力手段がプラグコネクタを含む請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記可変抵抗手段が少なくとも1つのポテンショメータを含む請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記可変抵抗手段が、精密なポテンショメータに並列接続された粗いポテンショメータを含む請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記可変抵抗手段が、少なくとも1つの電界効果トランジスタを含み、且つ、前記制御手段が、前記電界効果トランジスタのドレイン−ソース間抵抗レベルを変えるために前記電界効果トランジスタのゲート−ソース間電圧を制御するように動作可能である請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記可変抵抗手段が、固定抵抗器とアナログスイッチとから成るネットワークを含み、前記スイッチの異なる組合せを閉じることが異なる抵抗レベルをもたらす請求項41記載のシステム。
【請求項48】
前記可変抵抗手段が、固定抵抗器とリレーとから成るネットワークを含み、前記リレーの
異なる組合せを動作させることが異なる抵抗レベルをもたらす請求項41記載のシステム。
【請求項49】
前記制御手段が、FPGA、EPROM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含む請求項41に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2007−504929(P2007−504929A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533628(P2006−533628)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/018251
【国際公開番号】WO2004/112640
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(504326594)メディヴァンス インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】MEDIVANCE INCORPORATED
【Fターム(参考)】