説明

患者位置決めアセンブリ

【課題】支持装置の位置及び配向を必要に応じて調整することができるような、支持装置の動作を制御する動的動作制御機構を含む患者位置決めアセンブリを提供する。
【解決手段】治療的放射線処置のためのロボット患者位置決めアセンブリは、処置中に患者を移動しかつ支持するためのロボット位置決め装置と、該ロボット位置決め装置の位置を検出するためのセンサ・システムと、及び該ロボット位置決め装置の位置データを受信するために該センサ・システムに動可可能に接続されかつ該ロボット位置決め装置の動作を制御するために該ロボット位置決め装置に動作可能に接続された制御装置とを含む。制御装置は、ように、該ロボット位置決め装置に装着された患者内の処置標的がs治療的放射線処置システムの放射線源と適切に位置合わせされるように、該センサ・システムから受信した該ロボット位置決め装置の位置を表す情報に応じて該ロボット位置決め装置の動作を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療手術に対する患者位置決めアセンブリに関し、特に、少なくとも5つの自由度における動作が可能である患者位置決めアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
用語「放射線外科(radiosurgery)」は、腫瘍状の細胞を破壊するかさもなければ標的部位を治療するために、強力かつ正確に照準が合わされた放射線線量が患者の標的部位に送達される処置を示す。用語「放射線療法(radiotherapy)」は、壊死よりも、治療のために放射線が標的部位に適用される処置を示す。放射線療法の処置(treatment)セッションで利用される放射線の量は、放射線外科セッション(期間)に用いられる量と比較して、典型的に約一桁小さい。便宜上、この出願における用語「放射線外科」は、以後、“放射線外科及び/又は放射線療法”を意味するものとする。放射線療法及び放射線外科の両方は、ここに“治療のため放射線処置”として示される。
【0003】
放射線外科では、処置機器の基準フレームに対して標的部位の場所(及び周辺の重要な構造物)を正確に決定することが必要である。また、放射線のビームが標的組織に正確に向けられると同時に周辺の健康な組織の(放射線)照射を最小化するように放射線源の位置を制御することも必要である。
【0004】
係るビーム位置制御をもたらすために、ロボットを用いて画像誘導放射線外科を実現する、フレームなし定位放射線外科システムが開発された。画像誘導ロボット・システムは、治療放射線の正確な送達に対して必要なビーム位置制御を供給すると同時に、硬性定位フレームに対する必要性を取り除く。係る画像誘導ロボット・システムは、処置ビーム発生装置、例えば、ロボットに取付けられた、処置X線源、及び制御装置を典型的に含む。処置X線源は、要求される放射線線量及び線量分布を供給すべく正確に成形された放射線ビームを提供する。前処置走査データ、並びに処置計画及び送達ソフトウェアを用いて、制御装置は、処置標的部位の前処置位置及び配向に関する情報を取得する。患者は、通常、カウチ又は台のような、支持装置上に載せられる。処置中に、撮像システムは、処置X線源に対する標的の位置及び配向を繰返し測定する。各送達サイトにおける放射線の送達の前に、制御装置は、撮像システムによって行なわれた測定に従って、ロボットに処置X線源の位置及び配向を調整するように命令して、処置ビームの必要な投与量を患者内の処置標的に供給することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、支持装置の位置及び配向を必要に応じて調整することができるような、支持装置の動作を制御する動的動作制御機構を含む患者位置決めアセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
治療的放射線処置システム、例えば、既存のガントリー・ベースのリニアック・システム又はロボット・ベースのリニアック・システム(例えば、Accuray Inc.によって開発されたCyberKnife)を用いて治療的放射線処置中に患者の位置を調整するロボット患者位置決めアセンブリが提供される。例示的ロボット・ベースの治療的放射線処置システムは、多関節アーム・アセンブリを有しているロボットと、アーム・アセンブリの一端に取付けられた処置X線源と、撮像システムと、及び患者位置決めサブシステムとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ロボット式患者位置決めアセンブリ(ロボット・カウチ・アセンブリ)は、1)処置中に患者を支持しかつ移動するための、ロボットによって制御される支持手段を含む、支持装置(ロボット・カウチ);及び2)ロボット・カウチの位置を検出するためのセンサ・システムを含む。ロボット式患者位置決めアセンブリは、ロボット式患者位置決めアセンブリの動作を制御するための制御装置(コントローラ)を更に含みうる。制御装置は、ロボット・カウチ・アセンブリのセンサ・システムに動作可能に接続されかつ(センサ・システムと)通信し、そしてセンサ・システムから受信したデータに基づき処置室又は他の所定の処置座標系に対してロボット・カウチの位置を計算するように構成されている。また、制御装置は、患者の組織内の処置標的が処置手順全体を通して処置ビーム源に関して適切に位置合せされたまま維持されるような方法でロボット・カウチの動作を制御するようにも構成されうる。
【0008】
一つの好適な形式では、制御装置は、また、治療的放射線処置システムにも接続されかつ(治療的放射線処置システムと)通信する。制御装置は、患者内の処置標的の一つ以上の前処理走査を表す前処理走査データを受信する。前処理走査は、前処置座標系に関する標的の位置及び配向を示す。制御装置は、標的の準リアルタイム画像を表す画像データを撮像システムから受信する。画像データは、処置座標系に関する標的の近接リアルタイム位置及び配向に関する情報を含む。処置座標系及び前処置座標系は、既知の変換パラメータによって関係付けられる。
【0009】
ロボット・カウチの位置を検出するためのセンサ・システムは、ロボット・カウチの動作を感知するための、ロボット・カウチに取付けられた、レゾルバ・ベース・センサ・システム、又は慣性センサ、或いは処置室又は他の処置座標系に対してロボット・カウチの位置を検出するための、処置室内に配置された、赤外線三角測量システム、又は走査レーザ・システム、又は光学追跡システムであるのが好ましい。相応して、制御装置は、制御コンピュータを含んでいるロボット・カウチ・アセンブリが常にロボット・カウチの位置が分かるように、センサ・システムから情報を受信しかつロボット・カウチの位置を計算するように構成されたソフトウェアが装填される。
【0010】
制御装置は、放射線処置源に関して標的を位置合せするためにロボット・カウチの修正動作を実現するための動作命令信号を生成する。本発明の好適な実施形態によるロボット・ベース線形加速器(リニアック)システムでは、ロボット・カウチの修正動作は、放射線外科装置が利用可能な作業空間を最大化するような方法で、処置X線源の動作と連携される。この実施形態では、処置X線源のロボット実現動作は、処置X線源とロボット・カウチとの間の相対動作が標的部位全体にわたり所望の放射線パターンの送達を確実にするように、ロボット・カウチの修正動作によって補足される。
【0011】
ロボット・カウチ・アセンブリの制御装置は、治療的放射線源に関してロボット・カウチ位置を自動的又は周期的に較正するようにプログラムされうる。
【0012】
別の実施形態では、ロボット・カウチの修正動作は、呼吸、咳、くしゃみ、しゃっくり、心拍、及び筋性転位(muscular shifting)のような、様々な患者の動作に適応する。
【0013】
制御装置は、一つ以上のユーザ−選択可能機能を実現することによって、ユーザがロボット・カウチの修正動作をインタラクティブに制御することができる少なくとも一つのユーザ・インターフェイス部を含む。
【0014】
ロボット・カウチは、少なくとも3つの自由度、具体的には3つの並進の自由度(x−、y−及びz−)で動作ができるように構成されている。好適には、ロボット・カウチは、6つ全ての自由度、具体的には3つの並進の自由度及び3つの回転の自由度(ロール−回転、ピッチ−回転、及びヨー−回転)で動作できるように構成されている。制御装置によって生成される、動作命令信号は、それゆえに少なくとも3つ、そして好ましくは6つの自由度でロボット・カウチの修正動作を制御する。本発明の一形式では、処置システムに関するロボット・カウチの位置は、知られており、そこで連携された動作がもたらされうる。例えば、ロボット・カウチ及び処置システムの両方は、共通(又は“室”)座標系に参照付けることができる。
【0015】
好適な実施形態では、ロボット・カウチは、動作中に、水平方法及び垂直方法で患者を載置又は非載置することができる、少なくとも二つの方向載置(directions loading)機構を備えている。ロボット・カウチは、垂直載置では、水平平面に対して斜めに、例えば水平平面に関して約110度に位置決めされるのが好ましい、支持台(台)を含む。患者が支持台に固定された後、ロボット・カウチは、患者を処置位置に位置決めする。一つの好適な形式では、支持台の上部表面は、患者の身体の曲線に適合(フィット)するように特注生産(カスタマイズ)される、患者特定型(モールド)を備えている。別の好適な形式では、支持台の一端は、垂直載置で患者の足を支持するための踏み板(フットプレート)を備えている。更に別の好適な実施形態では、ロボット・カウチは、椅子のような支持装置を備えていおり、かつロボット・カウチは、載置及び/又は非載置のための、及び/又は患者を処置するための座位を供給するように構成されている。
【0016】
更なる好適な実施形態では、支持台は、患者が支持台を通して撮像することができるように放射線透過性物質で作られている。位置決めアセンブリで用いることができる例示的な撮像装置システムは、二つのX線撮像源、各X線撮像源に関連付けられた電源、二つ以上の撮像検出器、及び制御コンピュータを含むリニアック・システムである。X線源は、角度を形成して離れて、好適には約90度離れて、公称的に取付けられ、かつ検出器に向けてアイソセンター(治療中心)(患者)を通して狙いが定められる。しかしながら、二つの位置の間で移動される単一の発生源を用いることもできる。各X線源によって照射される単一の大きな検出器を用いうる。単一検出器撮像システムでは、二つのX線源は、単一検出器表面に両方の画像を保持するために90度以下の角度で離間して配置されうる。検出器は、アイソセンターの下方、例えば床の上、支持台の上部表面上、又は支持台の真下に配置され、かつX線源は、画像の倍率、従って検出器の要求される大きさを最小化するために、アイソセンターの上方、例えば処置室の天井に配置されるのが好ましい。代替形式では、X線源及び検出器の位置は、逆、例えばX線源をアイソセンターの下方にかつ検出器をアイソセンターの上方にすることができる。別の好適な実施形態では、処置システムのガントリーの制約された旋回により、かつ倍率効果を低減するために、検出器は、ガントリーが撮像システムを妨害しないように位置決めされると同時に検出器が撮像のための位置に移動するように構成されうるし、そして治療的ビームの送達中にその場から移動する。
【0017】
検出器は、画像情報を生成しかつそれを制御装置に送信する。制御装置は、所望の処置位置に関して患者の位置を決定しかつ少なくとも5つの自由度に対する修正を生成するために全ての撮像計算を実行する。修正は、患者を自動的に位置合せするために患者位置決めシステムに自動的に適用し、及び/又はユーザが治療的放射線源に対して患者の位置を手動で調整するようにユーザ・インターフェイスに送信することができる。
【実施例】
【0018】
医療手術中に患者位置及び配向を調整するための、ロボット患者位置決めアセンブリ(ロボット・カウチ・アセンブリ)を提供する。本発明による患者位置決めアセンブリは、既存のガントリー・ベース(アイソーセントリック)処置システム、又はAccuray Inc.によって開発されたCyberKnifeシステムのような、フレームなしの、画像誘導型ロボット・ベース治療的放射線処置システム、或いはその他の種類の医療手術システムで使用するように構成されている。
【0019】
図1は、この技術分野で知られているCyberKnife放射線外科システム10を概略的に示す。概観において、放射線外科システム10は、多関節アーム・アセンブリ13を有しているロボットと、アーム・アセンブリロボット12;治療的放射線を選択的に放射するための、多関節アーム・アセンブリ13の遠位端に取付けられた、治療的放射線源14;X線撮像システム;及び制御装置18を含む。図示した実施形態では、治療的放射線源14は、X線線形加速器(“リニアック”)である。X線撮像システムは、標的の一つ以上の準リアルタイム画像を表す画像データを生成する。X線撮像システムは、一対の診断用X線源17と、それぞれがX線源17の関連付けられた一つに対向して配置された一対のX線画像検出器(又はカメラ)21とを含む。患者支持装置(又は処置台19は、処置中に患者を支持し、かつ二つのX線カメラ21とそれらのそれぞれの診断用X線源17との間に位置決めされる。
【0020】
撮像システムは、準リアルタイムで、処置座標フレームにおける標的の位置及び配向を示しているX線画像を生成する。制御装置18は、前処置走査データCT(及び/又はMRIデータ、PETデータ、超音波走査データ、及び/又は透視撮像データ)に応答する、処置計画及び送達ソフトウェアと、及びそれぞれが固定された一組の処置位置又はノードのそれぞれにおける関連付けられた線量率及び継続時間を有している、一連の所望のビーム経路で構成されている処置計画を生成するために、ユーザ入力とを含む。制御装置の命令に応じて、X線リニアック14が制御装置18によって命令されたように必要な線量を送達すると同時に、ロボット12は、ノードのそれぞれを通して逐次的かつ連続的にX線リニアック14を移動しかつ配向する。前処置走査データは、例えば、CT走査データ、MRI走査データ、PET走査データ、超音波走査データ、及び/又は透視撮像データを含みうる。
【0021】
CyberKnifeで患者に処置を実行する前に、CyberKnifeのX線撮像システム16によって設定された基準系内の患者の位置及び配向は、処置を計画するために用いられた画像を供給したCT(又はMRI又はPET又は透視)スキャナの基準系内で患者が有していた位置及び配向に一致するように調整されなければならない。この位置合せが6つの自由度全てに対して1ミリメートルの数十分の1及び1自由度の数十分の1内で実行されることが望ましい。
【0022】
ロボット・ベースの放射線外科システムが上記説明で詳細に説明されかつロボット患者位置決めシステムで用いるための例として用いられるが、当業者は、本発明もまた既存のガントリー・ベース(アイソ−セントリック)処置システムで用いることができるということを理解すべきである。本発明によるロボット患者位置決めアセンブリは、他の医療アプリケーションに、例えば、手術室(OR)台として、又はCTスキャニング又はMRI処理における支持装置、等として、用いることができるということも理解すべきである。
【0023】
図2は、本発明の一つの好適な実施形態による、放射線処置中に、コンピュータ制御下で患者位置を調整するロボット患者位置決めアセンブリ100の概略ブロック図を示す。概観において、ロボット患者位置決めアセンブリ(ロボット・カウチ・アセンブリ)100は、1)処置中に患者を支持するための、ロボット114によって制御された支持手段112を含む、支持装置(ロボット・カウチ)110;及びロボット・カウチ110の位置を検出するためのセンサ・システム150を含む。ロボット・カウチ・アセンブリ100は、制御コンピュータを含んでいる制御装置(コントローラ)130を更に含みうる。制御装置130は、ロボット・カウチ・アセンブリ100のセンサ・システム150に動作可能に接続されかつセンサ・システム150と通信し、かつセンサ・システム150から受信したデータに基づき処置室又は他の所定の処置座標系に対するロボット・カウチ110の位置を計算するように構成されている。また、制御装置130は、患者の組織内の処置目標が処置手順全体を通して処置ビーム源に関して適切に位置合せされたまま残るような方法で支持装置110の動作を制御するように構成されうる。一つの好適な形式では、制御装置130は、また、治療的処置システムに接続されかつそれを制御する。
【0024】
他の実施形態では、(椅子又は長椅子のような)他の種類の支持装置を用いうるが、図示した実施形態では、支持手段112は、処置台である。支持台112は、少なくとも3つの自由度、具体的には3つの並進自由度(x−、y−及びz−)における動作が可能である。好適には、台は、6つの自由度全て、具体的には3つの並進自由度プラス3つの回転自由度(ロール−回転、ピッチ−回転、及びヨー−回転)における動作が可能である。制御装置130によって生成された、動作命令信号は、それゆえに、少なくとも3つ、そして好適には6つの自由度における台の修正動作を制御する。
【0025】
一つの好適な実施形態では、支持装置110は、図3に示すように、水平の方法で、及び図4、図5及び図6に示すように垂直の方法で、患者を、動作中に、載置又は非載置することができる載置機構を備えている。システムが患者を垂直な方法で載置する場合に、台112の支持面(上部表面)は、水平平面に対して傾斜させて、例えば図4に示すように水平平面に関して約110度で、位置決めされるのが好ましい。患者が支持面に固定された後、ロボット114は、処置位置に患者を位置決めする。一つの好適な形式では、ロボット制御型台112の支持面は、患者の身体の曲線に適合するように特注される、患者特定型を備えている。別の好適な形式では、支持台の一端は、垂直の載置方法で患者の足を支持するための踏み板を備えている。代替的に、支持装置110は、また、図7に示すような超低載置/非載置位置、座位載置/非載置位置、及び特定の患者の利便性に対して設定される他の載置/非載置位置も備えうる。図8は、処置台112の通常の処置位置を示す。
【0026】
ロボット114は、制御装置130からの命令に従って、台112を移動するための一つ以上の台動作アクチュエータ160を含む。制御装置130及びセンサ・システム150は、台の動作中に台が障害物と衝突しないことを確実にする。
【0027】
図6〜図8は、ガントリー・ベース・リニアック処置システム202と一緒にロボット・カウチ・アセンブリの例示的実施形態を示す。図6〜図8に示すように、ロボット114は、ベース210、プレート部材212、第1のアーム214、及び第2のアーム216を含む。ベース210は、処置中に処置室の床に固定される。プレート部材212は、ベース210に回転自在に取付けられる。第1のアーム214の第1の端は、プレート部材214に回転自在に接続される。第2のアーム216の第1の端は、第1のアーム214の第2の端に回転自在に接続される。処置代112は、処置台112が少なくとも一つ、好適には3つの直交軸の回りに回転させられるように処置台112のほぼ中間部分で第2のアーム216の第2の端に回転自在に取付けられる。ベース210、プレート部材212、第1のアーム214、及び第2のアーム216の構成は、処置台112に6つの自由度を供給する。ロボット・カウチ・アセンブリ100は、所望の処置部位のあらゆる場所において処置台に患者を位置決めすることができかつ特定の患者に対してあらゆる載置/非載置位置を供給することができる。
【0028】
図11及び図12は、CyberKnife放射線外科システムと一緒にロボット・カウチ・アセンブリの別の例示的実施形態を示す。図11及び図12のロボット・カウチ・アセンブリは、図11及び図12のロボット・カウチ・アセンブリでは、ベース210が床に回転自在に取付けられるか、又は代替的に、ベース210が、床に、又は床の内又は下に固定される、台座(plinth)に回転自在に取付けられること以外は、図6〜図8に示したロボット・カウチ・アセンブリと実質的に同じである。
【0029】
ロボット・カウチのより柔軟性及びより大きなリーチを得るために、より回転可能及び/又は摺動可能なセクション(部分)、例えば、第3のアームを、ロボット・カウチ・アセンブリに追加することができる、ということを当業者は理解すべきである。代替的に、ロボット・カウチ・アセンブリは、例えば、二つのアームではなくたった一つのアームを含んでいる、図6〜図8及び図11及び図12に示したロボット・カウチ・アセンブリよりも少ないセクション(部分)を含むことができる。これらの特定の形式は、本発明と同等であると考えられるべきである。ロボット・カウチ・アセンブリの回転及び他の動き(動作)は、手動で及び/又はコンピュータ制御装置によって制御することができる。
【0030】
支持装置110の位置を検出するためのセンサ・システム150は、レゾルバ・ベース・センサ・システム、又はロボット・カウチの動作を感知するための、ロボット・カウチに取付けられた慣性センサ、又は赤外線三角測量システム、又はレーザ・スキャニング・システム、又は処置室又は他の処置座標系に対する支持装置110の位置を検出するための、処置室内に配置された光学追跡システムであるのが好ましい。例示的レーザ・スキャニング・システムは、ロボット・カウチ110の位置を決定するために概ね60x/秒で処置室を走査しうる。レーザ・スキャニング・システムは、単一平面スキャニング、又は二平面スキャニング、又は多平面スキャニングを実行する装置を含みうる。相応して、制御装置130は、センサ・システム150から情報を受信しかつロボット・カウチ110の位置を計算するように構成されたソフトウェアが載置され、そこで制御コンピュータを含んでいるロボット・カウチ・アセンブリ100は、ロボット・カウチ110の位置が常に分かる。制御装置130は、治療的放射線源でロボット・カウチを自動的又は定期的に較正するようにプログラムされうる。代替実施形態では、センサ・システム150は、処置座標系に対して支持装置110の位置を追跡するための磁気追跡システムを含む。磁気追跡システムは、支持装置110に取付けられた少なくとも一つのトランスデューサ(変換器)を含むのが好ましい。
【0031】
制御装置130と(支持装置110及びセンサ・システム150を含んでいる)ロボット・カウチ・アセンブリ100との間の通信リンクは、信頼性がありかつ適時な通信を維持するために必要な帯域幅を有する、有線リンク又は無線リンクでありうる。
【0032】
一実施形態では、患者位置決めアセンブリ100は、ユーザ又はオペレータが支持装置110の動作を制御することにインタラクティブに(対話形式で)関与することができる一つ以上のユーザ・インターフェイス部を含んでいる、少なくとも一つのユーザ・インターフェイス140を更に含む。
【0033】
制御装置130は、1)標的の前処置走査を表す前処置走査データ、及び2)標的の準リアルタイム画像を表す準リアルタイム画像データを受信するための入力モジュールを含みうる。前処置走査は、前処置座標系に関する標的の位置及び配向を示す。制御装置の命令の下で撮像システムによって撮られた準リアルタイム画像は、処置座標系に関する標的の位置及び配向を示す。処置座標系及び前処置座標系は、既知の変換パラメータによって関係付けられる。制御装置は、前処置走査データ、準リアルタイム画像データ、及び前処置座標系と処置座標系との間の変換パラメータを用いて、処置座標系における標的の位置及び配向を計算するTLS(標的位置決めシステム)処理部を含む。
【0034】
制御装置130を含んでいるロボット・カウチ・アセンブリ100は、センサ・システム150を通して支持装置110の位置及び準リアルタイム画像データを通して処置標的の位置が分かり、そしてまたリニアック・システムのアイソ−センターの位置が分かるので、ロボット・カウチ・アセンブリ100は、一つの好適な形式で、リニアックのアイソ−センターに処置標的の位置を自動的に又は定期的に調整するように構成されている。一つの好適な形式では、制御装置130を含んでいるロボット・カウチ・アセンブリ100は、処置標的の位置をリニアック・システムのアイソ−センターと比較することによって患者の動きによってもたらされたリニアック・システムのアイソ−センターに対する処置標的の位置ずれを検出し、かつ標的をリニアック・システムのアイソ−センターに位置合せするように処置標的の位置を調整するように構成されている。
【0035】
処置中、患者の呼吸の動作は、治療的放射線処置システムの放射線源又はアイソ−センターからの処置標的の変位をもたらしうる。更なる好適な形式では、ロボット・カウチ・アセンブリ100は、ロボット・カウチの動作を患者の呼吸動作と逆同期(リバース・シンクロナイズ)することによって患者の呼吸の動作によってもたらされたであろう処置システムのアイソ−センターからの処置標的の変位を補償するようにプログラムされ、それにより処置システムのアイソ−センターに位置合せされた標的を維持する。
【0036】
一実施形態では、制御装置130によって生成された動作命令信号によって実施される、支持台112の修正動作は、処置中に患者が経験しうる様々な患者の動作を補償する。これらの患者の動作は、それらに限定されないが、以下のものを含みうる:呼吸運動;患者の心臓の心拍出運動;くしゃみ、咳、又はしゃっくり;及び患者の一つ以上の組織部位の筋性転位。
【0037】
別の好適な実施形態では、制御装置130を含んでいるロボット・カウチ・アセンブリ100は、準リアルタイム画像を前処置画像と比較しかつ患者又は放射線源を再配置(リポジション)するか、或いはロボット・カウチ及び放射線源の位置を再配置(リアレンジ)するように処置計画を調整することによって組織変形によってもたらされうる腫瘍の幾何学における変化を検出しかつ許容するように構成されている。
【0038】
一実施形態では、ロボット・ベース処置システムにおいて、制御装置130は、処置X線源14の動作、並びに支持台112の動作を制御する。換言すると、制御装置130は、処置X線源14のロボット実行動作に関して、支持台112の相対動作を制御する。このようにして、制御装置130からの動作命令信号によって実行される、台の修正動作は、ロボット12によって実行される処置X線源の一つ以上の動作を補償する。一実施形態では、支持台112の動作及びX線リニアック14の動作の組合せは、治療的放射線処置システムに利用可能な作業空間を最大化するように、動的に調整されかつ制御される。
【0039】
更なる好適な実施形態では、台112は、患者が台112を通して撮像されうるように放射線透過物質で作られている。患者位置決めアセンブリ及びリニアック・システムで用いることができる例示的撮像システムは、二つのX線撮像源と、各X線撮像源に関連付けられた電源と、一つ以上の撮像検出器と、及び制御コンピュータとを含む。X線源は、角度を付けて離され、好適には約90度離されて公称的に取付けられ、かつ検出器に向けてアイソ−センター(患者)を通して照準が定められる。各X線源によって照射される単一の大きな検出器を用いうる。単一検出器撮像システムでは、二つのX線源は、単一検出器表面に両方の画像を保持するために90度よりも小さな角度で離れて位置決めされうる。検出器は、アイソ−センターの下、例えば、床の上、支持台112の上、又は支持台112の直下に配置され、そしてX線源は、画像の倍率、従って検出器の必要な大きさを最小化するために、アイソ−センターの上、例えば、処置室の天井に配置されるのが好ましい。代替の形式では、X線源及び検出器の位置は、例えば、X線源をアイソ−センターの下に、そして検出器をアイソ−センターの上に、のように逆にすることができる。別の好適な実施形態では、処置システムのガントリーの制約された旋回により、かつ倍率の影響を低減するために、検出器は、ガントリーが撮像システムを妨害しないように配置されると同時に検出器が撮像するための位置に移動し、そして治療的ビームの送達中に行く手を開けるような方法で構成されうる。
【0040】
検出器は、画像情報を生成しかつそれを制御コンピュータ(制御装置130)に送信する。制御コンピュータは、所望の処置位置に関して患者の位置を決定しかつ少なくとも5つの自由度に対する修正を生成するために全ての撮像計算を実行する。修正は、患者を自動的に位置合せするように患者位置決めシステムに自動的に適用されうるか、又は治療的放射線源に対して患者の位置を手動で調整するようにユーザ・インターフェイス140に自動的に送信されうる。
【0041】
好適な実施形態では、患者の身体とリニアック・ガントリー又は他の移動部分との間の衝突をもたらしうる配向に患者が配置されないことを確実にするために衝突防止モデルがコンピュータに組み込まれうる。
【0042】
制御装置130は、支持装置110との信頼できる通信インターフェイスを確立しかつ維持するためのソフトウェアを含む。ソフトウェアは、支持装置110用に開発されたインターフェイス仕様を用いる。制御装置130は、撮像システムから台の動作(motion)能力の6つの自由度の適切な動作(movement)の装置に患者位置及び配向情報を変換するためのソフトウェアを更に含む。制御装置は、患者を位置決めするために台の動作を監視しかつ始動するように、処置システム・ユーザ・コンソールにユーザ・インターフェイスを供給するためのソフトウェアを更に含む。制御装置は、通信又は台のソフトウェア制御における誤りを検出し、報告しかつ処理するためのソフトウェアを更に含む。
【0043】
ユーザ・インターフェイス140は、ロボット制御型台112の6つの自由度のコンピュータ制御に影響を及ぼす。特定の実施形態では、ユーザ・インターフェイス140は、台100を処置システム主要なワークステーションに接続するためのバス・インターフェイス;テーブルの移動をインタラクティブに制御するようにユーザに制御装置とインターフェイスさせるための少なくとも一つのユーザ・インターフェイス装置;及び処置システムE−ストップ(緊急停止)回路へのハードウェア・インターフェイスを含む。バス・インターフェイスは、処置システム主要ワークステーションに接続することができるイサーネット・バス・インターフェイスでありうる。E−ストップ回路へのハードウェア・インターフェイスは、E−ストップが連動された(engaged)場合、コンピュータ制御テーブル動作をディスエーブル(使用不能に)する。
【0044】
E−ストップ機構は、台112のコンピュータ制御された動作を停止するように動作可能である。一実施形態では、“システムE−ストップ”は、一部及び全ての放射線、及び一部及び全ての動作を閉鎖することができるように構成された、緊急ロックアウト機構である。換言すると、“システムE−ストップ”は、少なくとも以下のものを閉鎖する:1)処置X線源による治療的X線ビームの生成;2)処理X線源及び/又はロボットのあらゆる動作;3)台のあらゆる動作;及び4)撮像システム。
【0045】
ユーザ・インターフェイスは、一つ以上のユーザ選択可能機能を実行することによって、ユーザ又はオペレータを台の動作を制御することにインタラクティブに関与させる。これらのユーザ選択可能機能は、限定されないが、以下のものを含む:1)ロボット・カウチの位置の取得を始動することができるように、ユーザに台をパワー・オンさせる機能;2)標的の準リアルタイム画像の取得を始動することができるように、ユーザにX線撮像システムを起動させる機能;3)ユーザに台を、所望の方法で台への患者の載置を容易にする、一つ以上の予めプログラムされた載置位置に移動させるための機能;4)ユーザに台を、デフォルト処置位置である、予めプログラムされた“TREAT”位置に移動させるための機能;5)準リアルタイム画像からの情報に従って、標的位置を調整するために必要な台修正動作に対応している3つの並進及び3つの回転をユーザに表示するための機能;6)ユーザに並進及び回転を各並進及び回転に対するそれぞれの予め特定された限度と比較させるための機能;7)ユーザに予め特定された限度の一つ以上を変更させるための機能;及び8)ユーザに並進及び回転が予め特定された限度以下であることを確認させ、かつその結果処置送達を始動するように処置X線源を起動させるための機能。
【0046】
特定の実施形態では、ユーザ・インターフェイス装置は、支持装置110の動作の遠隔制御に対する遠隔制御機能をユーザに提供する遠隔制御装置である。図9は、遠隔制御機能を有する、ハンドヘルド・ユーザ・インターフェイス装置200の概略図である。図示した実施形態では、ユーザ・インターフェイス装置200は、ハンドヘルド・ペンダントであり、かつこれらのユーザ選択可能機能にそれぞれ関連付けられた多数のボタン・アイコンを含む。ハンドヘルド遠隔制御装置200は、患者の位置を手動で調整するための制御、及び台の動作に関する状態表示装置を供給する。
【0047】
図示した実施形態では、ハンドヘルド遠隔制御部200は、動作スイッチを含む:6組の軸動作制御スイッチ210A〜210F、3つの載置位置スイッチ220A、220B、220C、及び処置スイッチ230。軸動作制御スイッチは、押しボタンを介して各自由度の二方向(双方向)手動制御を供給する。軸動作制御スイッチは、スイッチが押し下げられたまま保持されかつ動作がディスエーブルされる限り、所望の方向における所望の軸の動作(3つの並進軸:左/右(210A)、後方向/前方向(210B)、下方向(足に向って)/上方向(頭部に向って)(210C);3つの回転軸:ロール左/右(210D);ヘッド下/上(210E);ヘッド左/右(210F))をもたらす。載置スイッチ220A、220B、及び220Cは、それぞれ、動作がイネーブルされたならば、更なるオペレータのアクションなしで完全に引っ込んだ、完全に下げられた載置位置に台を自動的に移動させる、プログラムされた動作を始動する。好適には、3つの予めプログラムされた載置位置が図3〜図5に示された位置である。代替実施形態では、制御装置は、3つの予めプログラムされた載置位置よりも多くを有しうるし、かつ代替的に、ユーザは、ハンドヘルド・ユーザ・インターフェイス200又は図10に示したコンピュータ・インターフェイス300を通して患者に対する載置位置を手動で設定しうる。制御装置は、更なる処置に対して特定の患者に対する載置位置を記憶しうる。処置スイッチ230は、動作がイネーブルされたならば、処置コンピュータによって画定されかつ台に先にダウンロードされた位置に台を移動させる、プログラムされた動作を始動する。
【0048】
また、遠隔制御装置200は、一対の動作イネーブル・スイッチも含む。両方のスイッチを押し下げることは、全ての動作スイッチ(軸動作制御、載置位置、及び処置)をイネーブルし、かつ、台E−ストップ・スイッチをオーバーライド(無効に)しないが、システムE−ストップを、もし存在するならば、オーバーライドする。プログラムされた動作が発生している間にイネーブル・スイッチの一つ又は両方を解放することは、その動作を停止させる。
【0049】
また、遠隔制御装置200は、動作がイネーブルされかつ受け容れられているかどうかの表示を供給するLEDs(発光ダイオード)である、一対の状態表示装置240及び242も含む。図示した実施形態では、E−ストップLED240は、システムE−ストップがアサート(アクティブな状態に)された場合には、黄色であり、イネーブル・スイッチによってオーバーライドされた場合には、緑色であり、そしてシステムE−ストップがアサートされない場合には、オフである。MOVE LED242は、スイッチが押されかつ動作がイネーブルされる場合にはいつでも、緑色であり、プログラムされた動作が発生している場合には、点滅している緑色であり、そして台E−ストップが連動された(engaged)場合には、黄色である。
【0050】
また、遠隔制御装置200は、ユーザに記憶された場所へアクセスさせるGotoスイッチ(図示省略)も含みうる。また、遠隔制御装置200は、例えば、ユーザに3つの並進及び3つの回転を表示するための、又はユーザに情報メッセージを表示するための、表示機能(図示省略)も含みうる。更に、遠隔制御装置200は、絶対及び相対位置表示/入力モード(図示省略)も含みうる。別の好適な形式では、遠隔制御装置200は、また、ロボット・カウチの位置を検出することを始動すべくセンサ・システム150を起動するためのスイッチも含みうる。
【0051】
主要なCyberKnifeワークステーションのユーザ制御機器上の一つ以上のユーザ・インターフェイス画面は、患者を位置決めすべくユーザに台の動作を点検、始動、及びインタラクティブに制御させる。図10は、主要ワークステーションの処置送達画面400に立ち上げられた、例示的ユーザ・インターフェイス画面300を示す。図示した実施形態では、ユーザ・インターフェイス画面300は、統合台位置表示、及び台動作制御機能をユーザに供給する。ユーザ・インターフェイス画面300は、並進だけ、又は回転だけ或いは一緒に利用可能な6つの自由度の全てを調整するためのサブ−オプションを供給する。
【0052】
一実施形態では、ユーザ・インターフェイス画面300は、ロボット・カウチの位置を検出するためにユーザにセンサ・システム150を起動させるボタン・アイコンを含む。
【0053】
図示した実施形態では、処置送達画面400のALGN COUCHボタンは、ユーザ・インターフェイス画面300を立ち上げる。ユーザ・インターフェイス画面300は、異なる機能を有する、多数のフィールドを含む。これらのフィールドは、制御装置のTLS装置によって戻された台修正動作で最初に充たされる、並進及び回転フィールドを含む。有効台修正動作が利用可能でない場合には、これらのフィールドは、空白のまま残される。並進及び回転フィールドは、編集可能である。
【0054】
図示した実施形態では、ユーザ・インターフェイス画面300は、MOVEボタン310、“AUTO ALIGN”ボタン320、及び“CANCEL”ボタン330を含む。“MOVE”ボタン310は、示された並進及び回転の量でだけ台を移動する。“Apply rotation”フィールドがチェックされていないならば、台は、並進軸にだけ移動される。“AUTO ALIGN”ボタン320は、示された並進及び回転の量で台を最初に移動し、かつ予め特定された“Auto align limits”が満たされるまで自動的に画像及び修正台位置を取得するように進む。これは、並進及び回転が予め特定された限度以下であるか、又は示された数の画像が取得されるということを意味する。“Auto align limits”フィールドは、システム構成ファイルから充たされるが、編集することができる。“CANCEL”ボタン330は、Patient Alignment(患者位置合わせ)インターフェイスに戻る。
【0055】
一実施形態では、ユーザ・インターフェイス画面300は、撮像システムによって生成された撮像ビームにおけるX線の強度、エネルギー、及び継続時間のような、撮像パラメータ;取得されるべき準リアルタイム画像の数;基準の選択及び除外;及び剛体パラメータをユーザに調整させるボタン・アイコンを含む。
【0056】
動作中、患者に対する近似処置位置は、処置計画処理の一部として、計算される。処置計画が制御装置に装填された場合、近似処置位置は、処置台にダウンロードされる。オペレータは、台の上に患者を位置決めし、かつ拘束装置を適用する。次いでオペレータは、(図9に示す)ハンドヘルド・ユーザ・インターフェイス部200の“Treat(処置)”ボタンを押し、そして台は、その自由度の全てを格納された位置に持って行くように自動的に移動する。代替的に、“Treat(処置)”命令は、コンピュータ・インターフェイス画面からも発行されうる。同時に移動する軸の数は、パワー要求が超過しないこと及び患者が実行される多数の同時動作で快適であることを確実にするためにデザインによって制限されうる。
【0057】
次いでオペレータは、処置室を出て、ワークステーション又は専用制御パネルの(図10に示す)ユーザ・インターフェイス画面300を用いて、患者を所望の許容範囲(許容誤差)内に位置合わせするようにシステムに命令を出す。ユーザ・インターフェイス画面は、ユーザに、位置合わせ処理中に取るべき準リアルタイム画像の最大数、及び位置及び配向に対する所望の許容範囲のようなパラメータを入力させる。また、ユーザ・インターフェイス画面は、各画像に関連付けられたエラーを表示させる。
【0058】
満足できる位置合わせを取得した後、放射線外科システムは、処置を開始するように命令される。処置の一部として、準リアルタイム画像は、患者が処置中に動かないということを確実にするために、撮像システムによって定期的に取得される。もし患者が動いたなら、オペレータは、処置送達を一時停止させ、かつ台の適切な修正動作によって、患者を再位置合わせさせることができる。処置の終わりにあたり、オペレータは、処置室に再び入りかつ台を患者非載置の位置に戻すためにハンドヘルド・ユーザ・インターフェイス部の“Load Position(載置位置)”ボタンを用いる。代替的に、システムは、コンピュータ画面から最初の載置位置に戻るための命令を発行することができる。
【0059】
以下は、上述した患者位置決めアセンブリの動作のより詳細な説明である。
次の段階は、初期患者設定段階である。この段階中、処置室への患者の入室前に、処置計画ファイルがダウンロードされる。処置ファイルのダウンロード中、台の処置位置は、制御装置にダウンロードされる。台の処置位置は、a)選択されたビーム経路セットに対するデフォルト台位置;及びb)前回に同じ計画が用いられた、患者に対する処置位置、の一つである。患者が処置室へ入る前に、ハンドヘルド遠隔制御部の載置位置ボタンの一つが押されて、患者が台の上に載るための予め定められた快適な位置に台を位置決めする。次いで患者は、例えば、熱可塑性マスク及び/又は他の固定化装置を用いて、固定される。
【0060】
ハンドヘルド遠隔制御部の“TREAT(処置)”キーは、公称処置位置に台を位置決めするために用いられる。頭部処置に対して、又はこれが同じ計画による患者に対して2回目又はその後の処置であるならば、公称処置位置は、更なる自動位置決めに適しており、かつオペレータは、患者の自動位置決めのためにユーザ制御コンソールに進むことができる。さもなければ、台は、対象となる組織的標的部位が撮像視野内にあるように、ハンドヘルド遠隔制御部を用いて、更に手動で調整される。次いで、オペレータは、患者の自動位置決めに対して、ユーザ制御コンソールに進む。
【0061】
次の段階は、初期画像取得段階である。この段階中、オペレータは、(図10に示す)ユーザ・インターフェイス画面300の患者位置合わせ画面上のACQUIREボタンを用いて、画像を取得する。必要ならば、撮像パラメータを調整することが必要でありうる。これらのパラメータの例は、X線パラメータ;移動してしまったかさもなければ追跡することが難しい基準の除外;及び剛体パラメータの調整、である。
【0062】
本発明の一例示的形式では、次の段階は、一時的な台位置合わせ段階である。ユーザは、患者位置合わせ画面上の“AUTO COUCH”ボタンを選択する。これは、制御装置のTLS部から取得した初期修正を含む、カウチ調整(Couch Adjustment)インターフェイス画面を引き上げる(持ち出す)。TLSからの初期修正は、編集可能である。“MOVE”ボタンは、窓(ウィンドウ)に示された修正の量で台を移動する。回転修正をディスエーブル(使用不能に)するためのオプションが利用可能である。“AUTO ALIGN”ボタンは、第1の修正を実行し、そして自動位置合わせを終了することに進む。
【0063】
次の段階は、自動台位置合わせ段階である。カウチ調整(Couch Adjustment)インターフェイス画面の“AUTO ALIGN”ボタンは、自動位置合わせを実行する。Auto Alignは、カウチ調整(Couch Adjustment)インターフェイスにおいて初期修正を行なうことによって開始し、かつ更なる画像を取り、かつ以下の条件の一つに合致するまで、画像からの修正を実行することに進む:Auto Alignmentフェーズにおける所望の数の画像が取得され、及び/又は残留修正がAuto Alignmentインターフェイスで特定された限度以下になる。
【0064】
次の段階は、患者再位置合わせ段階である。患者再位置合わせは、システムが(オペラ−タ一時停止を含んでいる)修復可能なエラーに遭遇するときにはいつでも入力され、かつシステムは、この状態から再開される。患者再位置合わせは、患者位置合わせと同じ方法で取扱われる。換言すると、初期取得後、更なる調整は、カウチ調整(Couch Adjustment)インターフェイスの“AUTO ALIGN”ボタンを用いて自動的に行なうことができる。
【0065】
最終段階は、処置送達段階である。処置送達は、台に対する修正動作が、並進及び回転に対して予め特定された限度以下になる場合に始動される。ロボットにダウンロードされた修正動作は、並進及び特定された組の回転を含む。ロボットは、ノードに対する公称位置に移動し、特定された並進及び回転によって修正し、そしてX線ビーム発生装置をイネーブルする。ノートに対する線量送達の終了で、ロボットは、この公称位置における次のノードに進む。
【0066】
制御装置は、エラー検出、報告、及び修正のためのソフトウェアを含む。一実施形態では、エラー処理ソフトウェアは、“オペレータ一時停止”機能を含む。この機能は、ユーザに画像取得を停止させ、進行中である場合には、標的位置合わせ又は再位置合わせモードに戻る。また、ユーザは、台移動を停止することもでき、進行中である場合には、標的位置合わせ/再位置合わせモードに戻る。また、“自動位置合わせ”モードが進行中である場合には、ユーザは、それに続く画像取得及び台移動を停止することもできる。
【0067】
一実施形態では、エラー処理ソフトウェアは、また、TLS(標的位置決めシステム)エラーを処理するための機能も含む。ソフトウェア・アルゴリズム・エラー、及び/又はハードウェア・エラーに対するE−ストップのような、適切なTLSエラーは、報告される。エラーの確認により、制御装置は、位置合わせ又は再位置合わせ状態に戻ることができる。ユーザは、“自動位置合わせ”が進行中である場合には、その後に続く画像取得及び台移動を停止することができる。初期位置合わせ中に、“患者立ち入り禁止”エラーは、ディスエーブルされるが、“TREAT(処置)”ボタンは、患者が制限内にいるまでディスエーブルされる。
【0068】
一実施形態では、エラー処理ソフトウェアは、台インターフェイス・エラーを処理するための機能を含む。通信エラーのような台インターフェイス・エラーは、ユーザ確認を必要とする、ソフトウェア・エラーとして処理されるが、E−ストップと連動しない。一実施形態では、エラー処理ソフトウェアは、E−ストップを処理するための機能を含む。この実施形態では、E−ストップは、二重冗長機構を用いて、コンピュータ制御された台移動を停止する。制御装置ソフトウェアは、更なる動作命令信号を発生することを停止する。台制御装置ハードウェアは、E−ストップが連動される場合に台動作からディスエーブルされる。E−ストップが連動される場合でも、台は、ハンドヘルド・ユーザ・インターフェイス部を用いて移動することができるように構成されている。一時停止又は回復可能E−ストップからの再開により、E−ストップは、オペレータ・コンソールからのシステム・リセットによりクリアされ、次いで患者再位置合わせ状態になる。この段階で、ユーザは、患者位置を精緻化するためにauto-align(自動位置合わせ)を用いることができる。患者再位置合わせ画面上のRESUMEボタンは、処置送達の再開をイネーブルする。
【0069】
本発明は、その精神又は主要な特性から逸脱することなく他の特定の形式に組み込みうる。従って、本実施形態は、説明のためであり限定するためではないとして全ての形態において考えられるべきであり、本発明の適用範囲は、上述した説明によってではなく、添付した特許請求の範囲によって示されており、かつ特許請求の範囲の同等物の意味及び範囲内にある全ての変形は、従ってその中に包含されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】従来技術で知られた、CyberKnifeフレーム無し放射線外科システムを概略的に示す図である。
【図2】治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの概略ブロック図である。
【図3】水平方法でに患者を載置/非載置するアセンブリを示している、治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの斜視図である。
【図4】垂直方法で患者を載置/非載置するアセンブリを示している、治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの斜視図である。
【図5】別の垂直方法で患者を載置/非載置するアセンブリを示している、治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの斜視図である。
【図6】処置台の別の垂直の載置/非載置位置を示している、治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの斜視図である。
【図7】処置台の超低の載置/非載置位置を示している、治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの斜視図である。
【図8】処置台の通常の処置位置を示している、治療的放射線処置用の患者位置合せアセンブリの斜視図である。
【図9】リモート制御機能を有する、ハンドへルド・ユーザ・インターフェイス部の概略図である。
【図10】処置送達表示画面上に起動された、例示的なユーザ・インターフェイス画面を示す図である。
【図11】CyberKnife放射線外科システムと一緒の患者位置決めアセンブリの斜視図である。
【図12】CyberKnife放射線外科システムと一緒の患者位置決めアセンブリの斜視側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用放射線処置システムを用いて治療用放射線処置中に患者の位置を調整するための患者位置決めアセンブリであり、前記治療用放射線処置システムが少なくとも一つの治療用放射線ビームを生成するための治療用放射線源及び処置標的の少なくとも一つの画像を表す画像データを生成するための画像システムを含んでおり、前記画像データが処置座標系に関して前記処置標的の準リアルタイム位置に関する情報を含んでいる、該患者位置決めアセンブリであって、
装着された患者を支持しかつ移動するためのロボット位置決め装置を備え、
前記ロボット位置決め装置は、少なくとも5つの自由度で前記患者を移動することができるように構成されていることを特徴とする患者位置決めアセンブリ。
【請求項2】
前記ロボット位置決め装置は、前記処置座標系に対して前記ロボット位置決め装置の位置を検出するためのセンサ・システムと、前記ロボット位置決め装置の位置データを受信するために前記センサ・システムに動作可能に接続され、かつ前記処置標的の準リアルタイム画像データ及び前記治療用放射線源の位置を表す情報を受信するために前記治療用放射線処置システムに動作可能に接続された制御装置とを更に備え、
前記制御装置は、前記ロボット位置決め装置に動作可能に接続されかつ前記処置標的を前記治療用放射線源に位置合せするように前記ロボット位置決め装置の動作を制御するように構成されている、請求項1に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項3】
前記センサ・システムは、前記処置座標系に対して前記ロボット位置決め装置の位置を追跡するための磁気追跡システムを含み、
前記磁気追跡システムは、前記ロボット位置決め装置に取付けられた少なくとも一つのトランスデューサを含む、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項4】
前記センサ・システムは、レゾルバ・ベース・センサ・システムを備えている、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項5】
前記センサ・システムは、前記ロボット位置決めアセンブリに取付けられた少なくとも一つの慣性センサを備えている、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項6】
前記センサ・システムは、少なくとも一つの赤外線センサを備えている、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項7】
前記センサ・システムは、少なくとも一つのレーザ・スキャニング装置を備えている、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項8】
前記患者位置決めアセンブリは、前記処置標的を前記治療用放射線源に自動的に位置合せするようにプログラムされる、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項9】
前記患者位置決めアセンブリは、前記処置標的を前記治療用放射線源と位置合せされたまま維持するように前記処置標的の位置を定期的に調整するようにプログラムされる、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項10】
前記患者位置決めアセンブリは、呼吸動作がもたらした前記処置標的の動きを補償すべく前記患者の呼吸動作を逆同期するようにプログラムされ、それにより前記治療用放射線源に位置合せされた前記処理標的を維持する、請求項2に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項11】
前記ロボット位置決め装置は、前記患者を支持するための支持手段と、少なくとも5つの自由度に前記支持手段を移動するための、前記支持手段に接続されたロボットとを含む、請求項1に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項12】
前記支持手段は、椅子のような形状を有する、請求項11に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項13】
前記制御装置は、患者を装着及び/又は非装着するための、前記支持手段の少なくとも一つの実質的に水平な位置及び/又は少なくとも一つの実質的に垂直な位置がその中に予めプログラムされている、請求項11に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項14】
前記支持手段の前記実質的に垂直な位置は、水平平面に傾斜している、請求項13に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項15】
前記支持手段の前記実質的に垂直な位置は、水平平面に関して約110度の角度で該水平平面に傾斜している、請求項14に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項16】
前記支持手段は、放射線透過物質で作られている、請求項11に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項17】
前記支持手段は、患者の身体の曲線に適合するように成形された上部表面を含む、請求項11に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項18】
前記支持手段は、当該支持手段の一端に踏み板を含む、請求項11に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも5つの自由度は、6つの自由度を備え、前記6つの自由度は、それぞれ相互に直交するx−、y−、及びz−座標軸に沿った並進に対する3つの並進自由度と、ロール−、ピッチ−、及びヨー−軸の回りのロール−、ピッチ−、及びヨー−回転に対する3つの回転自由度とを備えている、請求項1に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項20】
前記ロボット位置決め装置は、
ベース部材;
前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
第1の端と第2の端との間に伸長しており、前記第1の端が前記プレート部材に回転自在に取付けられた、アーム;及び
前記アームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、その上に患者を支持するための支持手段、
を備えている請求項1に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項21】
前記ロボット位置決め装置は、
ベース部材;
前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
前記プレート部材に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第1のアーム;
前記第1のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第2のアーム;及び
前記第2のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、その上に患者を支持するための支持手段、
を備えている、請求項1に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項22】
前記ベース部材は、台座に回転自在に取付けられた、請求項21に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項23】
ベース部材;
前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
第1の端と第2の端との間に伸長しており、前記第1の端が前記プレート部材に回転自在に取付けられた、アーム;及び
前記アームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、その上に患者を支持するための支持手段を備え、それにより前記支持手段は、少なくとも5つの自由度で前記患者を移動することができるように構成されている患者位置決めアセンブリ。
【請求項24】
ベース部材;
前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
前記プレート部材に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第1のアーム;
前記第1のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第2のアーム;及び
前記第2のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、その上に患者を支持するための支持手段を備え、それにより前記支持手段は、少なくとも5つの自由度で前記患者を移動することができるように構成されている患者位置決めアセンブリ。
【請求項25】
前記ベース部材は、台座に回転自在に取付けられた、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項26】
前記患者位置決めアセンブリに動作可能に接続され、前記患者位置決めアセンブリの動作を制御するための制御装置を更に備えている、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項27】
前記制御装置は、患者を装着及び/又は非装着するための前記支持手段の少なくとも一つの実質的に水平な位置及び/又は少なくとも一つの実質的に垂直な位置をその中に予めプログラムする、請求項26に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項28】
前記患者位置決めアセンブリは、処置座標系に対して前記支持手段の位置を検出するためのセンサ・システムを更に備え、前記制御装置は、前記支持手段の位置データを受信するために前記センサ・システムに動作可能に接続される、請求項26に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項29】
前記センサ・システムは、前記処置座標系に対して前記支持手段の位置を追跡するための磁気追跡システムを含み、前記磁気追跡システムは、前記支持手段に取付けられた少なくとも一つのトランスデューサを含む、請求項28に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項30】
前記支持手段は、椅子のような形状を有する、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項31】
前記支持手段は、放射線透過物質で作られている、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項32】
前記支持手段は、患者の身体の曲線に適合するように成形された上部表面を含む、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項33】
前記少なくとも5つの自由度は、6つの自由度を備え、前記6つの自由度は、それぞれ相互に直交するx−、y−、及びz−座標軸に沿った並進に対する3つの並進自由度と、ロール−、ピッチ−、及びヨー−軸の回りのロール−、ピッチ−、及びヨー−回転に対する3つの回転自由度とを備えている、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項34】
治療的放射線処置システムを用いて治療的放射線処置中に患者の位置を調整するための患者位置決めアセンブリであり、前記治療的放射線処置システムが、少なくとも一つの治療的放射線ビームを生成するための治療的放射線源と、処置標的の少なくとも一つの画像を表す画像データを生成するための画像システムとを含んでおり、前記画像データが処置座標系に関して前記処置標的の準リアルタイム位置に関する情報を含んでいる、前記患者位置決めアセンブリであって、
ベース部材;
前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
前記プレート部材に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第1のアーム;
前記第1のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第2のアーム;及び
前記第2のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、その上に患者を支持するための支持手段を備え、それにより前記支持手段は、少なくとも5つの自由度で前記患者を移動することができるように構成されている患者位置決めアセンブリ。
【請求項35】
前記ベース部材は、台座に回転自在に取付けられている、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項36】
前記少なくとも5つの自由度は、6つの自由度を備え、前記6つの自由度は、それぞれ相互に直交するx−、y−、及びz−座標軸に沿った並進に対する3つの並進自由度と、ロール−、ピッチ−、及びヨー−軸の回りのロール−、ピッチ−、及びヨー−回転に対する3つの回転自由度とを備えている、請求項24に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項37】
前記患者位置決めアセンブリに動作可能に接続され、前記プレート部材、前記第1のアーム、前記第2のアーム、及び前記支持手段の動作を制御するための制御装置を更に備えている、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項38】
前記患者位置決めアセンブリは、処置座標系に対して前記支持手段の位置を検出するためのセンサ・システムを更に備え、前記制御装置は、前記支持手段の位置データを受信するために前記センサ・システムに動作可能に接続され、かつ前記処置標的の準リアルタイム画像データ及び前記治療的放射線源の位置を表す情報を受信するために前記治療的放射線処置システムに動作可能に接続され、前記制御装置は、前記センサ・システムからの前記位置データ及び前記処置システムからの前記準リアルタイム画像データに応じて前記処置標的を前記治療的放射線源に位置合せするように構成されている、請求項37に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項39】
前記センサ・システムは、前記処置座標系に対して前記ロボット位置決め装置の位置を追跡するための磁気追跡システムを含み、前記磁気追跡システムは、前記ロボット位置決め装置に取付けられた少なくとも一つのトランスデューサを含む、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項40】
前記センサ・システムは、レゾルバ・ベース・センサ・システムを備えている、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項41】
前記センサ・システムは、前記ロボット位置決めアセンブリに取付けられた少なくとも一つの慣性センサを備えている、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項42】
前記センサ・システムは、少なくとも一つの赤外線センサを備えている、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項43】
前記センサ・システムは、少なくとも一つのレーザ・スキャニング装置を備えている、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項44】
前記患者位置決めアセンブリは、前記処置標的を前記治療的放射線源に自動的に位置合せするようにプログラムされている、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項45】
前記患者位置決めアセンブリは、前記処置標的が前記治療的放射線源に位置合せされたまま維持されるべく前記処置標的の位置を定期的に調整するようにプログラムされる、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項46】
前記患者位置決めアセンブリは、呼吸動作がもたらした前記処置標的の動きを補償すべく前記患者の呼吸動作を逆同期するようにプログラムされ、それにより前記治療用放射線源に位置合せされた前記処理標的を維持する、請求項38に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項47】
前記制御装置は、患者を装着及び/又は非装着するための前記支持手段の少なくとも一つの実質的に水平な位置及び/又は少なくとも一つの実質的に垂直な位置をその中に予めプログラムする、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項48】
前記支持手段は、放射線透過物質で作られる、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項49】
前記支持手段は、患者の身体の曲線に適合するように成形された上部表面を含む、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項50】
前記支持手段は、当該支持手段の一端に踏み板を含む、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項51】
前記支持手段は、椅子のような形状を有する、請求項34に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項52】
治療的放射線処置システムを用いて治療的放射線処置中に患者の位置を調整するための患者位置決めアセンブリであり、前記治療的放射線処置システムが、少なくとも一つの治療的放射線ビームを生成するための治療的放射線源と、処置標的の少なくとも一つの画像を表す画像データを生成するための画像システムとを含んでおり、前記画像データが処置座標系に関して前記処置標的の準リアルタイム位置に関する情報を含んでいる、前記患者位置決めアセンブリであって、
処置中にロボット位置決め装置に装着された患者を支持しかつ移動するためのロボット位置決め装置であり、少なくとも5つの自由度に前記患者を移動することができるように構成された該ロボット位置決め装置と;
前記処置座標系に対して前記ロボット位置決め装置の位置を検出するためのセンサ・システムと;及び
前記ロボット位置決め装置の位置データを受信するために前記センサ・システムに動作可能に接続されかつ前記処置標的の準リアルタイム画像データ及び前記治療的放射線源の位置を表す情報を受信するために前記治療的放射線処置システムに動作可能に接続された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記ロボット位置決め装置に動作可能に接続されかつ前記処置標的を前記治療的放射線源に位置合せするように前記ロボット位置合せ装置の移動を制御するようにプログラムされる、患者位置決めアセンブリ。
【請求項53】
前記ロボット位置決め装置は、
ベース部材;
前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
前記プレート部材に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第1のアーム;
前記第1のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられた第1の端と、及び第2の端とを有している第2のアーム;及び
前記第2のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、その上に患者を支持するための支持手段を備え、それにより前記支持手段は、少なくとも5つの自由度で前記患者を移動することができるように構成されている、請求項52に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項54】
前記ベース部材は、台座に回転自在に取付けられる、請求項53に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項55】
治療的放射線処置システムに関して患者の組織内の標的を位置合せするための患者位置決めアセンブリであり、前記治療的放射線処置システムが処置ビーム発生装置と準リアルタイムで前記標的の一つ以上の画像を生成するための撮像システムとを含んでいる、該患者位置決めアセンブリであって、
a.処置中に患者を移動しかつ支持するためのロボット位置決め装置であり、前記患者を支持するための支持手段と、前記支持手段を移動するためのロボットとを備え、前記ロボットが少なくとも5つの自由度に前記支持手段を移動することができるように構成された該ロボット位置決め装置と;
b.前記支持手段の位置を検出し、かつ前記支持手段の位置を表すデータを生成するためのセンサ・システムと;及び
c.前記処置ビーム発生装置に関して前記標的を位置合せするために前記ロボット位置決め装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
(i)前記撮像システムが前記標的の少なくとも一つの準リアルタイム画像を表す画像データを生成するように該撮像システムを起動するための手段であり、該画像データが処置座標系に関する前記標的の準リアルタイム位置及び配向に関する情報を含んでいる、該手段と;
(ii)前記センサ・システムからの前記位置データ及び前記撮像システムからの前記画像データに応答し、前記ロボット位置決め装置の一つ以上の修正動作を実行するための少なくとも一つの動作命令信号を生成するための手段と、を備え、前記ロボット位置決め装置の前記修正動作は、前記標的を、当該標的の前記準リアルタイム画像データに示すように、前記処置ビーム発生装置と実質的に位置合せする、患者位置決めアセンブリ。
【請求項56】
ユーザを前記ロボット位置決め装置の動作を制御することにインタラクティブに関与させることができるユーザ・インターフェイス手段を更に備えている、請求項55に記載の患者位置決めアセンブリ。
【請求項57】
患者の標的を処置するための治療的放射線処置システムであって、
(i)a.治療的放射線を生成するための治療的放射線源;及び
b.前記標的の一つ以上の準リアルタイム画像を表す画像データを生成するための撮像システムであり、該画像データが処置座標系に関して前記標的の準リアルタイム位置に関する情報を含んでいる、該撮像システム;
を備えている治療的放射線処置装置と、
(ii)a.ベース部材;
b.前記ベース部材に回転自在に取付けられたプレート部材;
c.前記プレート部材に回転自在に取付けられた第1の端、及び第2の端を有している第1のアーム;
d.前記第1のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられた第1の端、及び第2の端を有している第2のアーム;及び
e.その上に前記患者を支持するための支持手段であり、前記支持手段は、第2のアームの前記第2の端に回転自在に取付けられ、それにより前記支持手段は、少なくとも5つの自由度で前記患者を移動することができるように構成されている、該支持手段
を備えている、処置中に患者を支持しかつ移動するための患者位置決め装置と、
(iii)前記患者位置決め装置の位置を感知し、かつ前記患者位置決め装置の位置を表すデータを生成するためのセンサ・システムと、及び
(iv)前記患者位置決め装置の位置データを受信するために前記センサ・システムに動作可能に接続され、かつ前記処置標的の準リアルタイム画像データ及び前記治療的放射線源の位置を表す情報を受信するために前記治療的放射線処置装置に動作可能に接続された制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記患者位置決め装置に動作可能に接続され、かつ前記処置標的を前記治療的放射線源に位置合わせすべく、前記センサ・システムからの前記位置データ、前記治療的放射線処置装置からの前記画像データ及び前記治療的放散線源の位置情報に応じて、前記患者位置決め装置の動作を制御するようにプログラムされる、治療的放射線処置システム。
【請求項58】
前記治療的放射線処置装置は、ガントリー・ベース処置システムである、請求項57に記載の治療的放射線処置システム。
【請求項59】
前記治療的放射線処置装置は、ロボット・ベース処置システムである、請求項57に記載の治療的放射線処置システム。
【請求項60】
前記ベース部材は、台座に回転自在に取付けられる、請求項57に記載の治療的放射線処置システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−532190(P2007−532190A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507427(P2007−507427)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/011469
【国際公開番号】WO2005/099578
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】