患者位置決めプレート
【課題】一方では患者の安定した快適な位置決めを確実にしつつ、他方では位置決めプレート上に横たわる患者のレントゲン撮影を殆ど妨げない患者位置決めプレートを提供する。
【解決手段】充填剤物質が充填された中空部を囲む外側シェルを備え、シェルがタブ状の上側部分36及びタブ状の下側部分38で構成され、上側部分36及び下側部分38がプレートの上側と下側とを形成するタブ床面40,42をそれぞれ備え、タブ床面40,42が内角を90°よりも大きくしたタブ縁部44,46を形成し、二つの部分36,38のタブ床面40,42を互いに平面にし、かつ、シェルの中空部をタブ床面40,42で囲むように、上側部分36と下側部分38とが互いに嵌合される。
【解決手段】充填剤物質が充填された中空部を囲む外側シェルを備え、シェルがタブ状の上側部分36及びタブ状の下側部分38で構成され、上側部分36及び下側部分38がプレートの上側と下側とを形成するタブ床面40,42をそれぞれ備え、タブ床面40,42が内角を90°よりも大きくしたタブ縁部44,46を形成し、二つの部分36,38のタブ床面40,42を互いに平面にし、かつ、シェルの中空部をタブ床面40,42で囲むように、上側部分36と下側部分38とが互いに嵌合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填剤物質(filler material)が充填された中空部を囲む外側シェル(outer shell)を備えたレントゲン撮影可能な患者位置決めプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、整形外科用の手術台は、テーブルの支持構造に固く接続された患者を位置決めするためのプレートを備えている。これらプレート自体のデザインあるいは手術台の支持構造への締結により、問題はこれらのプレートを照射する間、部分的に生じ続ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある課題は、上述の種類のレントゲン撮影可能な患者位置決めプレートにおいて、一方では患者の安定した快適な位置決めを確実にしつつ、他方では位置決めプレート上に横たわる患者のレントゲン撮影を殆ど妨げないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、シェルをタブ状(tub-like)の上側部分及びタブ状の下側部分で構成し、上側部分及び下側部分がプレートの上側と下側とを形成するタブ床面(tub floor)をそれぞれ備え、タブ床面が内角を90°よりも大きくしたタブ縁部(tub margin)を形成し、二つの部分のタブ床面を互いに平面にし、かつ、シェルの中空部をタブ床面で囲むように、上側部分と下側部分とを互いに嵌合させることで解決される。したがって、上側部分は下側部分の周囲に到達すると共に、そのタブ縁部の内面は下側部分のタブ縁部の外面に位置される。したがって、患者位置決めプレートは、断面視で屋根のような傾斜平面縁部を備えており、一方では患者の位置決めの際に快適性をあたえると共に、他方では患者位置決めプレートのレントゲン撮影の際に部材の増大(material buildup)を防ぐ。
【0005】
プレートの全領域において、シェル部材内部のX線が走る経路は、実質的にシェルの壁厚さの二倍に等しくなる。シェルを平らな直方体ボックス(cuboid box)で形成した場合、シェル部材内部のX線が走る経路は、レントゲン画像に明確な影を与える板厚のシェルの縁部領域に一致される。
【0006】
患者位置決めプレートが骨盤位置決めプレートとして用いられる場合、プレートは略正三角形状に形成され、患者の脚が三角形の頂部に向けて横たわる時に、三角形の広範な基盤で患者の骨盤を支持することができる。
【0007】
患者位置決めプレートは、容易に取り替え可能に構成されている。このため、患者位置決めプレートの縁部には、支持側材に配置された保持要素(holding elements)を受容する凹部が設けられている。患者位置決めプレートが、金属製の固着要素(fastening elements)を配置することなく手術台の支持構造の支持側材から吊り下げられるように、凹部は例えば、その内部にヘッドボルト係合として形成される保持要素を有する溝で構成することができる。
【0008】
好ましくは、シェル部分、すなわち上側部分及び下側部分は、例えば炭素繊維強化プラスチック(carbon fiber-reinforced plastic)で形成される一方、シェルの中空部は、例えば高耐性の発泡体(high-resistance foam)で満たされている。このような方法で、レントゲン撮影が可能で、かつ、容易に取り替えることができる安定した形状と高剛性の位置決めプレートとを得ることができる。
【0009】
添付図面に関連した以下の記載は、具体的な実施形態による本発明を説明する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、患者位置決めプレートにおいて、一方では患者の安定した快適な位置決めを確実にしつつ、他方では位置決めプレート上に横たわる患者のレントゲン撮影を殆ど妨げないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】整形外科用の手術台のための患者位置決めプレートの一部を示す模式的な概略図である。
【図2】図1中の符号Aで示された詳細構成の拡大図である。
【図3】図1中のIII−III線に沿った患者位置決めプレートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1中に符号10で示される患者位置決め表面は、交差支柱(cross brace)14により互いに結合された二本の支持側材(support stringer)12と、交差支柱14上の骨盤位置決めプレート16と、背部位置決めプレート18と、ヘッドプレート20とを備え構成されている。骨盤位置決めプレート16は、ほぼ正三角形状に形成されており、その底部を支持側材12に着脱自在に接続されている。このため、骨盤位置決めプレート16の底辺に隣接させてプレートの頂部22に向けて開口する二つのトラフ型凹部(trough-shaped recesses)24が設けられている。また、このトラフ型凹部24は、プレートの底部に向けて開口する受容溝26を備えている。
【0013】
図2に示すように、この受容溝26は、支持側材12のうちの一つに接続されてヘッドボルトのシャフト28に係合することができると共に、その頭部30は位置決めプレート22のトラフ(trough)24内に位置されている。図1に示すような折り上げられた位置では、骨盤位置決めプレート16は受容溝26によって二つのヘッドボルトのシャフト28上に押され、そして、背部プレート18と同一平面になるように折り倒される。支持側材12に設けられた二本の追加のボルト32は、骨盤位置決めプレート16の底部側面に設けられた開口部34と係合する。したがって、骨盤位置決めプレート16は、折り倒された状態で移動することができない。上述の記載は、緩めたり締めたりするロック手段を用いることなく、プレートを速く取り替えることができることを示している。
【0014】
患者位置決めプレート16の構造が図3に示されている。プレートは、互いに位置決めプレート16の外側シェルを形成するタブ形状の上側部分36と下側部分38とを含み構成されている。これらのタブ36,38はタブ床面40,42と、外向きに傾斜するタブ縁部44,46とを備えている。二つのタブ36,38は、これらのタブ床面40,42が互いに平面となり、かつ、タブ床面40,42が発泡部材を充填する中空部を囲むように、互いに嵌合されている。
【0015】
図3に示すように、係る骨盤位置決めプレート16の構造は、レントゲン撮影の際に、X線50が基本的にシェルの壁厚さのわずか二倍に一致する比較的密度の高いシェル材料(shell material)の内部の経路を移動することを意味している。このような方法で、プレートの全面にわたりX線の均一な減衰(attenuation)が得られる。
【符号の説明】
【0016】
10 患者位置決め表面
12 支持側材
14 交差支柱
16 骨盤位置決めプレート
18 背部位置決めプレート
20 ヘッドプレート
24 トラフ型凹部
26 受容溝
28 シャフト
36 上側部分
38 下側部分
40,42 タブ床面
44,46 タブ縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填剤物質(filler material)が充填された中空部を囲む外側シェル(outer shell)を備えたレントゲン撮影可能な患者位置決めプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、整形外科用の手術台は、テーブルの支持構造に固く接続された患者を位置決めするためのプレートを備えている。これらプレート自体のデザインあるいは手術台の支持構造への締結により、問題はこれらのプレートを照射する間、部分的に生じ続ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある課題は、上述の種類のレントゲン撮影可能な患者位置決めプレートにおいて、一方では患者の安定した快適な位置決めを確実にしつつ、他方では位置決めプレート上に横たわる患者のレントゲン撮影を殆ど妨げないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、シェルをタブ状(tub-like)の上側部分及びタブ状の下側部分で構成し、上側部分及び下側部分がプレートの上側と下側とを形成するタブ床面(tub floor)をそれぞれ備え、タブ床面が内角を90°よりも大きくしたタブ縁部(tub margin)を形成し、二つの部分のタブ床面を互いに平面にし、かつ、シェルの中空部をタブ床面で囲むように、上側部分と下側部分とを互いに嵌合させることで解決される。したがって、上側部分は下側部分の周囲に到達すると共に、そのタブ縁部の内面は下側部分のタブ縁部の外面に位置される。したがって、患者位置決めプレートは、断面視で屋根のような傾斜平面縁部を備えており、一方では患者の位置決めの際に快適性をあたえると共に、他方では患者位置決めプレートのレントゲン撮影の際に部材の増大(material buildup)を防ぐ。
【0005】
プレートの全領域において、シェル部材内部のX線が走る経路は、実質的にシェルの壁厚さの二倍に等しくなる。シェルを平らな直方体ボックス(cuboid box)で形成した場合、シェル部材内部のX線が走る経路は、レントゲン画像に明確な影を与える板厚のシェルの縁部領域に一致される。
【0006】
患者位置決めプレートが骨盤位置決めプレートとして用いられる場合、プレートは略正三角形状に形成され、患者の脚が三角形の頂部に向けて横たわる時に、三角形の広範な基盤で患者の骨盤を支持することができる。
【0007】
患者位置決めプレートは、容易に取り替え可能に構成されている。このため、患者位置決めプレートの縁部には、支持側材に配置された保持要素(holding elements)を受容する凹部が設けられている。患者位置決めプレートが、金属製の固着要素(fastening elements)を配置することなく手術台の支持構造の支持側材から吊り下げられるように、凹部は例えば、その内部にヘッドボルト係合として形成される保持要素を有する溝で構成することができる。
【0008】
好ましくは、シェル部分、すなわち上側部分及び下側部分は、例えば炭素繊維強化プラスチック(carbon fiber-reinforced plastic)で形成される一方、シェルの中空部は、例えば高耐性の発泡体(high-resistance foam)で満たされている。このような方法で、レントゲン撮影が可能で、かつ、容易に取り替えることができる安定した形状と高剛性の位置決めプレートとを得ることができる。
【0009】
添付図面に関連した以下の記載は、具体的な実施形態による本発明を説明する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、患者位置決めプレートにおいて、一方では患者の安定した快適な位置決めを確実にしつつ、他方では位置決めプレート上に横たわる患者のレントゲン撮影を殆ど妨げないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】整形外科用の手術台のための患者位置決めプレートの一部を示す模式的な概略図である。
【図2】図1中の符号Aで示された詳細構成の拡大図である。
【図3】図1中のIII−III線に沿った患者位置決めプレートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1中に符号10で示される患者位置決め表面は、交差支柱(cross brace)14により互いに結合された二本の支持側材(support stringer)12と、交差支柱14上の骨盤位置決めプレート16と、背部位置決めプレート18と、ヘッドプレート20とを備え構成されている。骨盤位置決めプレート16は、ほぼ正三角形状に形成されており、その底部を支持側材12に着脱自在に接続されている。このため、骨盤位置決めプレート16の底辺に隣接させてプレートの頂部22に向けて開口する二つのトラフ型凹部(trough-shaped recesses)24が設けられている。また、このトラフ型凹部24は、プレートの底部に向けて開口する受容溝26を備えている。
【0013】
図2に示すように、この受容溝26は、支持側材12のうちの一つに接続されてヘッドボルトのシャフト28に係合することができると共に、その頭部30は位置決めプレート22のトラフ(trough)24内に位置されている。図1に示すような折り上げられた位置では、骨盤位置決めプレート16は受容溝26によって二つのヘッドボルトのシャフト28上に押され、そして、背部プレート18と同一平面になるように折り倒される。支持側材12に設けられた二本の追加のボルト32は、骨盤位置決めプレート16の底部側面に設けられた開口部34と係合する。したがって、骨盤位置決めプレート16は、折り倒された状態で移動することができない。上述の記載は、緩めたり締めたりするロック手段を用いることなく、プレートを速く取り替えることができることを示している。
【0014】
患者位置決めプレート16の構造が図3に示されている。プレートは、互いに位置決めプレート16の外側シェルを形成するタブ形状の上側部分36と下側部分38とを含み構成されている。これらのタブ36,38はタブ床面40,42と、外向きに傾斜するタブ縁部44,46とを備えている。二つのタブ36,38は、これらのタブ床面40,42が互いに平面となり、かつ、タブ床面40,42が発泡部材を充填する中空部を囲むように、互いに嵌合されている。
【0015】
図3に示すように、係る骨盤位置決めプレート16の構造は、レントゲン撮影の際に、X線50が基本的にシェルの壁厚さのわずか二倍に一致する比較的密度の高いシェル材料(shell material)の内部の経路を移動することを意味している。このような方法で、プレートの全面にわたりX線の均一な減衰(attenuation)が得られる。
【符号の説明】
【0016】
10 患者位置決め表面
12 支持側材
14 交差支柱
16 骨盤位置決めプレート
18 背部位置決めプレート
20 ヘッドプレート
24 トラフ型凹部
26 受容溝
28 シャフト
36 上側部分
38 下側部分
40,42 タブ床面
44,46 タブ縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填剤物質が充填された中空部を囲む外側シェルを備えたレントゲン撮影可能な患者位置決めプレートであって、
シェルがタブ状の上側部分(36)及びタブ状の下側部分(38)で構成され、
上側部分(36)及び下側部分(38)がプレートの上側と下側とを形成するタブ床面(40,42)をそれぞれ備え、
タブ床面(40,42)が内角を90°よりも大きくしたタブ縁部(44,46)を形成し、
二つの部分(36,38)のタブ床面(40,42)を互いに平面にし、かつ、シェルの中空部をタブ床面(40,42)で囲むように、上側部分(36)と下側部分(38)とが互いに嵌合されることを特徴とする患者位置決めプレート。
【請求項2】
プレートが骨盤位置決めプレートとして構成されると共に、正三角形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の患者位置決めプレート。
【請求項3】
患者位置決めプレートの縁部に、支持側材(12)に配置された保持部材(28,30)を受容する凹部(24,26)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の患者位置決めプレート。
【請求項4】
シェルの上側部分(36)及び下側部分(38)が繊維複合体で形成されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の患者位置決めプレート。
【請求項5】
充填剤物質が発泡体、特に高耐性のプラスチック発泡体で形成されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の患者位置決めプレート。
【請求項1】
充填剤物質が充填された中空部を囲む外側シェルを備えたレントゲン撮影可能な患者位置決めプレートであって、
シェルがタブ状の上側部分(36)及びタブ状の下側部分(38)で構成され、
上側部分(36)及び下側部分(38)がプレートの上側と下側とを形成するタブ床面(40,42)をそれぞれ備え、
タブ床面(40,42)が内角を90°よりも大きくしたタブ縁部(44,46)を形成し、
二つの部分(36,38)のタブ床面(40,42)を互いに平面にし、かつ、シェルの中空部をタブ床面(40,42)で囲むように、上側部分(36)と下側部分(38)とが互いに嵌合されることを特徴とする患者位置決めプレート。
【請求項2】
プレートが骨盤位置決めプレートとして構成されると共に、正三角形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の患者位置決めプレート。
【請求項3】
患者位置決めプレートの縁部に、支持側材(12)に配置された保持部材(28,30)を受容する凹部(24,26)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の患者位置決めプレート。
【請求項4】
シェルの上側部分(36)及び下側部分(38)が繊維複合体で形成されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の患者位置決めプレート。
【請求項5】
充填剤物質が発泡体、特に高耐性のプラスチック発泡体で形成されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の患者位置決めプレート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2012−166025(P2012−166025A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26205(P2012−26205)
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【出願人】(502163557)マッケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【出願人】(502163557)マッケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (27)
【Fターム(参考)】
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