情報入力変換プログラム及び情報入力変換装置
【課題】従来の入力装置に新たなハードウェアを追加することなく、文字や図形の手書き入力に際して、文字や図形の線の太さを適宜変更可能な情報入力変換プログラム、及び、情報入力変換装置を提供することにある。
【解決手段】タッチパネル8が押圧された位置の軌跡を描画として第1表示部6に出力させるプログラムであって、タッチパネルが押圧された際に、押圧位置の座標データを形成し、前記座標データに対応させて描画パタンを表示手段に出力させ、前記座標データに基づいて、一定時間で押圧位置が移動した移動速度を算出し、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更するようにCPU15を機能させる情報入力変換プログラム。
【解決手段】タッチパネル8が押圧された位置の軌跡を描画として第1表示部6に出力させるプログラムであって、タッチパネルが押圧された際に、押圧位置の座標データを形成し、前記座標データに対応させて描画パタンを表示手段に出力させ、前記座標データに基づいて、一定時間で押圧位置が移動した移動速度を算出し、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更するようにCPU15を機能させる情報入力変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルへの入力軌跡を毛筆書体に変換して表示する情報入力変換プログラム、及び、情報入力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、文字や図形を電子的に手書き入力する1つの手段として、タッチパネル方式の入力装置が広く普及している。一般に、タッチパネル方式の入力装置は、押圧位置の座標を検出し、所定の処理を施すことによって、検出された座標に対応する表示画面上の箇所を点灯させる方式を採用しており、この方式によって、ユーザがタッチパネルに手書き入力した文字や図形の軌跡が表示部に表示される。しかしながら、従来のタッチパネル方式の入力装置を使用した場合、表示画面に描画される文字や図形の太さが一定に表示されるので、毛筆の手書き様式に見られるような、線の太さの違いを再現して表示することが出来ない。
【0003】
こうした問題を解決するために、種種の発明が提案されている。例えば、特許文献1に記載の発明では、ユーザによる入力地点を検出して座標位置情報を獲得するタブレットと、タブレットを押圧する圧力(即ち、ユーザの筆圧)を検出するための圧力センサを有するスタイラスペンを備えたタブレット装置について記載されている。このタブレット装置では、圧力センサによって検出された圧力レベルに応じて、描画される線の太さが調整される。
【特許文献1】特開平5−313815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、特許文献1に記載の発明では、描画される線の太さを調節することが可能であるが、ユーザによる筆圧を検出する圧力センサが必要となる。したがって、圧力センサを備えていないタブレット装置を使用する場合には、少なくともスタイラスペン側、若しくは、タブレット側に圧力センサを新たに設置する必要があり、タブレット装置の製造コストが嵩むという問題が発生する。
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来の入力装置に新たなハードウェアを追加することなく、文字や図形の手書き入力に際して、文字や図形の線の太さを適宜変更可能な情報入力変換プログラム、及び、情報入力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係るプログラムは、タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0007】
このプログラムによれば、一定時間で押圧位置が移動した際の移動速度に基づいて、描画パタンの大きさが変更されるので、押圧位置の軌跡が描画として表示手段に出力される際に、描画パタンの軌跡の太さ(描画される線の幅)を変更させることが出来る。したがって、該プログラムがインストールされた装置を使用することにより、描画される線の太さを圧力センサ等によって検出されたデータに基づいて変更して表現する場合に比して、新たなハードウェアの追加をすることなく、実際の手書き様式により忠実な、線の幅の異なる描画表示が可能となる。
【0008】
また、このプログラムによれば、移動速度が第1閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で拡大するので、押圧位置の移動速度が遅い場合に描画される線の太さを太くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0009】
また、このプログラムによれば、移動速度が第2閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速い場合に描画される線の太さを細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0010】
また、このプログラムによれば、移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを維持することが出来るので、押圧位置の移動速度が所定の範囲内にある場合に、描画される線の太さを維持することができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0011】
第2発明に係るプログラムは、第1発明に係るプログラムに於いて、前記描画パタン変更手段は、前記移動速度が前記第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを、前記第2閾値以上の場合に縮小する所定の割合よりも大きな割合で縮小させることを特徴とする。
【0012】
このプログラムによれば、移動速度が第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを第2閾値以上の場合に縮小した割合よりもさらに大きな割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速くなるにつれて描画される線の太さを2段階で細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0013】
第3発明に係るプログラムは、タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定の時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段であって、前記描画パタンの背景色とは異なる表示色で前記描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、前記描画パタンに前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも一つのラインを含ませる描画調整手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0014】
このプログラムによれば、描画パタンに表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、背景色と同一又は類似色の少なくとも一つのラインが含まれているので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【0015】
第4発明に係るプログラムは、第3発明に係るプログラムに於いて、前記描画パタンの大きさに応じて前記ラインの数を変更することを特徴とする。
【0016】
このプログラムによれば、描画パタンの大きさに応じて描画パタンに含まれるラインの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することができ、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0017】
第5発明に係るプログラムは、第3発明に係るプログラムに於いて、前記描画調整手段は、前記描画パタンに、前記背景色と同一色又は類似色のドットをさらに含ませることを特徴とする。
【0018】
このプログラムによれば、描画パタンに背景色と同一又は類似色のドットが含まれているので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0019】
第6発明に係るプログラムは、第5発明に係るプログラムに於いて、前記描画調整手段は、前記描画パタンの大きさに応じて前記ドットの数を変更することを特徴とする。
【0020】
このプログラムによれば、描画パタンの大きさに応じて描画パタンに含まれるドットの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することができ、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0021】
第7発明に係る情報入力変換システムは、押圧位置を検出するタッチパネルと、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて描画パタンを表示手段に出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段と、を備えることを特徴とする情報入力変換システム。
【0022】
この情報入力変換システムによれば、一定時間で押圧位置が移動した際の移動速度に基づいて、描画パタンの大きさが変更されるので、押圧位置の軌跡が描画として表示手段に出力される際に、描画パタンの軌跡の太さ(描画される線の幅)を変更させることが出来る。したがって、描画される線の太さを圧力センサ等によって検出されたデータに基づいて変更して表現する場合に比して、新たなハードウェアの追加をすることなく、実際の手書き様式により忠実な、線の幅の異なる描画表示が可能となる。
【0023】
また、この情報入力変換システムによれば、移動速度が第1閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で拡大するので、押圧位置の移動速度が遅い場合に描画される線の太さを太くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0024】
また、この情報入力変換システムによれば、移動速度が第2閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速い場合に描画される線の太さを細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0025】
また、この情報入力変換システムによれば、移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを維持するので、押圧位置の移動速度が所定の範囲内にある場合に、描画される線の太さを維持することができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0026】
第8発明に係る情報入力変換システムは、押圧位置を検出するタッチパネルと、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて、描画パタンを表示手段の画面に背景色とは異なる表示色で出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、前記描画パタンの大きさに応じて、前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも1つのラインを含ませる描画調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
この情報入力変換システムによれば、描画パタンに表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、背景色と同一又は類似色の少なくとも一つのラインが含まれているので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、従来の入力装置に新たなハードウェアを追加することなく、文字や図形の手書き入力に際して、文字や図形の太さを適宜変更することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(1)第1実施形態
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る情報入力変換システム1に関する概略構成図である。また、図2(a)は本実施形態に係る情報変換システム1に於ける電子機器2が閉じた状態の斜視図であり、図2(b)はタッチペン3と、情報入力変換システム1に於ける電子機器2が開いた状態の斜視図である。
【0030】
図1に図示されている通り、情報取得システム1は、電子機器2とタッチペン3とを備えている。図2(a)及び(b)に図示されている通り、電子機器2は、上部筐体2aと下部筐体2bで構成されている。また、電子機器2は、電源部4、操作キー5、第1表示部6、第2表示部7、タッチパネル8、スピーカ9、マイク10、メモリ11、インターフェイス12、リアルタイムクロック13、通信ユニット14、CPU15を備えており、これらはバス通信によって接続されている。
【0031】
電源部4は、充電式の電池等の蓄電手段と電気回路を含んで構成され、電子機器2の各部に所定の電圧を供給する。なお、電源部4はACアダプターを介して商用電源に接続される構成としてもよい。操作キー5は、図2(b)に図示されている通り、十字キーや上下左右キー等、複数の入力キーを有しており、ユーザからの入力を受け付けてCPU15に該入力結果を出力する。第1表示部6は、上部筐体2aに設置されたLCDや有機EL等で構成される表示画面であり、CPU15の制御によって所定の画像を出力する。第2表示部7は、下部筐体2bに設置されたLCDや有機EL等で構成される表示画面であり、CPU15の制御によって所定の画像を出力する。タッチパネル8は、第2表示部7上に設置された抵抗膜式の入力装置であり、一定の圧力以上で押圧された場合に押圧された位置を検出し、CPU15に該検出結果を出力する。スピーカ9は、CPU15の制御によって、所定の音声を出力する。マイク10は、外部音声に所定の処理を施してデジタル信号に変換し、CPU15に出力する。
【0032】
メモリ11は所定の情報を記憶する不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ)、所定の情報を一時的に記憶する揮発性メモリ(例えば、RAM)で構成されている。インターフェイス12は、記憶媒体12aを電子機器2に接続するための接続部であり、インターフェイス12を介して記憶媒体12aに記憶された情報をCPU15に出力する。リアルタイムクロック13は、時刻を計時する時計機能、年、月、日、曜日を計時するカレンダ機能、及び、所定時間を計測するカウンタ機能を備えている。通信ユニット14は、CPU15の制御により、インターネット等のネットワークに接続可能な通信装置である。CPU15は、操作キー5、タッチパネル8、記憶媒体12aからの出力を受け付けると共に、第1表示部6、第2表示部7、スピーカ9、マイク10、メモリ11、リアルタイムクロック13、通信ユニット14を制御する。
【0033】
タッチペン3は、ユーザによる操作によって、タッチパネル8に入力するための樹脂製のペン型入力補助具である。なお、電子機器2の上部筐体2a、若しくは、下部筐体2bの何れかに、タッチペン3の不使用時に設置しておくホルダを設ける構造とし、タッチペン3を電子機器2の付属品としてもよい。
【0034】
[タッチパネルの構成]
図3(a)は、本実施形態に係る情報取得システム1に於けるタッチパネル8の模式図であり、図3(b)はタッチパネル8の断面図である。このタッチパネル8は、同時に複数の押圧位置を検出するのではなく、押圧位置を1つずつ検出する。
【0035】
本実施形態に於けるタッチパネル8は、アナログ方式の抵抗膜式タッチパネルであり、フィルム8a、ITO(Indium Tin Oxide)8b、絶縁層8c、FPC(Flexible Printed Circuit)8d、ドットスペーサ8e、ガラス8fで構成されており、第2表示部7の画面上に設置されている。
【0036】
フィルム8aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の素材で形成されたフィルムであり、ユーザによる押圧を受け付ける。ITO8bは、面状抵抗膜電極であり、押圧側のフィルム8aと非押圧側のガラス8f上に、絶縁層8cを介して一定の間隔を設けて対向するように設置されている。なお、上部のITO8bは、フィルム8aがユーザの所定の圧力以上の押圧を受け付けると、該フィルム8aと共に撓み、下部のITO8bに接触する。絶縁層8cは、フィルム8a及びガラス8f上に対向するように設置されたITO8bが常時接触することを防ぐために設けられた絶縁スペーサである。ドットスペーサ8eは、タッチパネル8への入力時以外に上下のITO8bが接触して誤作動を起こさないように、ガラス8f上に設置されたITO8b上に一定間隔で形成されている。FPC8dは、屈曲性のある回路基板であり、対向するように設置された上下のITO8bの接触によって発生する電位をタッチパネル8に接続された入力検出処理部(図示せず)に出力し、該電圧に所定の処理を施してデジタル信号化し、CPU15に出力する。なお、タッチパネル8は、直下に設けられた第2表示部7に出力された画像を視認出来るように、一定以上の透過率を有する。
【0037】
タッチパネル8による押圧位置の検出原理は、周知のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネルと同様である。タッチペン3がフィルム8a上に置かれ、一定以上の圧力で押下されると、絶縁層8cを介して上下に設置されたITO8bが接触し、上下ITO8b間に電位勾配が発生する。この時発生した電気信号をタッチパネル8に接続された入力検出処理部(図示せず)に於いて所定の演算を施すことにより、入力位置(座標)を算出する。
【0038】
[情報入力変換方法]
本実施形態に係る情報入力変換方法は、ユーザによるタッチパネル8への入力の軌跡を、文字、若しくは、図形を構成する線の軌跡(描画パタンの集合体)に変換して第1表示部6に出力させる情報入力変換方法に関し、CPU15によってメモリ11に記憶された該情報入力変換方法に関するプログラムを実行することによって機能する。
【0039】
図4は、本実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャートであり、図5は、図4のフローチャートの一部を詳細に図示したフローチャートである。また、図7(a)は、本実施形態に係るタッチパネル8上の押圧位置を示す図であり、図7(b)はタッチパネル8上の検出可能位置に関する座標(P11乃至Pmn)を示す表であり、図7(c)はタッチパネル8上で検出された押圧位置の座標データ(以後、押圧位置座標データと称す)であり、図7(d)はタッチパネル8上で検出された押圧位置の移動軌跡に関する座標データ(以後、押圧位置軌跡データと称す)である。また、図8(a)は、第1表示部6に出力される描画パタンの一例に関する図であり、図8(b)は、第1表示部6の表示ドットに対応する座標(D11乃至Dmn)に関する表であり、図8(c)は、第1表示部6の表示ドットに出力される描画パタンを座標に割り当てた座標データである。また、図9(a)乃至(d)は、押圧位置の移動速度に対応する描画パタンの移動軌跡を示す図である。
【0040】
図4のフローチャートに於けるステップS101に於いて、タッチパネル8がタッチペン3によって押圧されたか否かが検出される。タッチパネル8がタッチペン3によって押圧された場合には、ステップS102に移行し、押圧されていない場合には、ステップS101を繰り返す。例えば、図7(a)に図示されているように、タッチパネル8上の1つの点(黒塗り部分)が押圧された場合には、タッチパネル8によって該黒塗り部分が押圧位置として検出され、CPU15が図7(b)に図示されたタッチパネル8上の検出可能位置に対応する座標に押圧位置を割り当て、図7(c)に図示された押圧位置座標データを作成し、メモリ11に記憶させる。なお、図7(b)に図示されているように、タッチパネル8上の検出可能位置は、m行n列の座標に割り当てられており、P11乃至Pmnで表現される。この時、タッチパネル8に於いて検出可能な位置の最小の大きさは、タッチペン3がタッチパネル8と接触する先端部分の大きさよりも大きいものとする。また、図7(c)に図示された押圧位置座標データの「1」は押圧位置が存在することを示し、「0」は押圧位置が存在しないことを示す。図7(a)に図示された押圧位置の例では、7行7列(P77)が押圧位置として検出されており、該P77の値として「1」が割り当てられ、それ以外の座標には「0」が割り当てられる。
【0041】
また、押圧位置座標データは所定時間毎に作成され、少なくとも連続する異なる2つの時点に於ける座標データが常時メモリ11に記憶される。さらに、該押圧位置座標データ以外のデータとして、時系列に検出される押圧位置座標の変化(移動軌跡)に関するデータ、即ち、押圧位置軌跡データが作成され、メモリ11に記憶される。該押圧位置軌跡データは、図7(c)に示す座標データに於いて、新たに押圧された地点Pij(i=1・・・m、j=1・・・n)に割り当てられる値を「1」として上書きし、データを更新することによって作成される。例えば、図7(d)の例では、3行3列(P33)が新たに押圧位置として検出されており、該P33の値として「1」が割り当てられ、押圧位置軌跡データが形成される。
【0042】
図4のステップS102に於いて、CPU15はメモリ11に記憶された描画パタンに関するプログラムを制御して初期値を設定する。ここで、描画パタンについて説明をする。図8(a)は、本実施形態に於いて、第1表示部6に出力される描画パタンの一例に関する図であり、マトリクス状に分割されたそれぞれの矩形部分が1つの表示ドットを表している。図8(b)は、第1表示部6の表示ドットに対応する座標、即ち、描画パタンの出力位置の座標(D11乃至Dmn)に関する表である。図8(c)は、第1表示部6の表示ドットに出力される描画パタンを座標に割り当てた座標データ(以後、描画パタン座標データと称す)である。本実施形態に於いて、描画パタンの初期値として、縦12ドット、横12ドットの矩形領域内に描画される描画パタンが設定されており、該描画パタンは円を模した形状で描画される。図8(a)に図示されているように、黒塗り部分が初期値となる描画パタンを構成しており、第1表示部6に所定の色で出力される。なお、本実施形態に於いては、描画パタンの出力色は黒色に設定され、描画パタンの周囲の色(背景色)は白色に設定されている。描画パタンの色及び背景色は、黒色及び白色に限らず、描画パタンの色と背景色とが区別可能な色の組み合わせに適宜設定すれば良い。CPU15は、図8(b)に図示された第1表示部6の表示ドットに対応する座標に対して、表示パタンが出力される座標に「1」を割り当て、それ以外の座標に「0」を割り当てることによって、図8(c)に図示された描画パタン座標データを形成する。該描画パタン座標データに基づいて、第1表示部6に図8(a)に図示された円状の描画パタンが出力される。なお、矩形領域内に描画される円状の描画パタンは、CPU15がメモリ11に予め記憶された所定の演算式を実行させることによって描画される。そして、該演算式は、矩形領域内のそれぞれの表示ドットを所定の色で点灯させるか否かを決定するために使用される。また、本実施形態に於ける最小の描画パタンは縦8ドット、横8ドットの矩形領域内に描画される描画パタンであり、最大の描画パタンは縦48ドット、横48ドットの矩形領域内に描画される描画パタンである。本実施形態のように該演算式を用いて描画パタンを描画する代わりに、縦8ドット、横8ドットの矩形領域から、縦48ドット、横48ドットの矩形領域まで、縦8ドット、横8ドットの矩形領域に縦横1ドットずつを加算した41の異なる矩形領域内に描画される描画パタンをデータとしてメモリ11に記憶し、必要に応じて該データを読み出す方法を採用しても良い。
【0043】
図4のステップS102に於いて、CPU15によって縦12ドット、横12ドットの矩形領域内に形成された描画ドットが初期値として設定されると、ステップS103に於いて、描画パタン座標データに基づいて、該描画パタンが第1表示部6に出力され、ステップS104に移行する。
【0044】
ステップS104に於いて、CPU15は第1表示部6の画面切り替え回数(フィールド切り替え回数)のカウントを開始する。なお、本実施形態に於ける画面切り替えは60分の1秒間に1回実行される構成である。ステップS105に於いて、1フィールドの画面切り替えが所定回数(例えば2回)実行されると、ステップS106に移行し、反対に1フィールドの画面切り替えが所定回数実行されていなければ、ステップS105を繰り返す。なお、本実施形態に於いては、画面切り替え回数が所定回数実行された際にカウントをリセットする。
【0045】
ステップS106に於いて、CPU15はタッチパネル8を制御して、1フィールドの画面切り替えが実行された時点に於ける押圧位置を検出する。この時、ステップS101と同様の処理を行うことによって、CPU15は押圧位置に関する押圧位置座標データベースを形成し、メモリ11に記憶させる。
【0046】
ステップS107に於いて、CPU15は、ステップS101に於いて検出された押圧位置座標データと、ステップS106に於いて検出された押圧位置座標データに基づいて、2点間の移動速度を演算により算出し、ステップS108に移行する。この時、2つの押圧位置の移動速度は、2点間の距離をフィールドで割ることによって算出しても良いし、1フィールドの画面切り替えに対応する60分の1秒で割ることによって算出してもよい。
【0047】
ここで、図5を参照してステップS108について説明する。図5は、本実施形態に於ける情報入力変換方法に関するフローチャートのステップS108に関するサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS108aに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第1閾値未満である場合には、ステップS108bに移行する。なお、2つの押圧位置の移動速度が第1閾値未満である場合は、2つの押圧位置の移動速度がゼロの場合、即ち、2点が移動していない場合を含むものとする。
【0048】
ステップS108bに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更し、描画パタンの大きさを1段階拡大する。具体的には、縦横1ドットずつ描画パタンを描画する矩形領域を拡大し、該拡大された矩形領域に対応して描画パタンを拡大させ、ステップS109に移行する。
【0049】
反対に、ステップS108aに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第1閾値を超える場合には、ステップS108cに移行する。ステップS108cに於いて、移動速度が第2閾値未満の場合、即ち、移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満である場合には、ステップS108gに移行する。ステップS108gに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更しない。つまり、本実施形態に於いては、縦12ドット、横12ドットの矩形領域に描画された描画パタンの形状を維持し、ステップS109に移行する。
【0050】
反対に、ステップS108cに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第2閾値以上の場合には、ステップS108dに移行する。ステップS108dに於いて、該移動速度が第3閾値未満の場合、即ち、移動速度が第2閾値以上、且つ、第3閾値未満の場合には、ステップS108fに移行する。ステップS108fに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更し、描画パタンの大きさを1段階縮小する。具体的には、縦横1ドットずつ描画パタンを描画する矩形領域を縮小し、該縮小された矩形領域に対応して描画パタンを縮小し、ステップS109に移行する。
【0051】
反対に、ステップS108dに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第3閾値以上の場合には、ステップS108eに移行する。ステップS108eに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更し、大きさを2段階縮小する。具体的には、縦横2ドットずつ描画パタンを描画する矩形領域を縮小し、該縮小された矩形領域に対応して描画パタンを縮小し、ステップS109に移行する。なお、本実施形態に於いて、2つの押圧位置が1フィールドの画面切り替えが実行された時点で所定距離(例えば、描画パタン1つ分)以上移動した場合には、2点間の描画を補う為に、周知のアウトライン補完方法が使用され、描画パタンの軌跡を滑らかに表示することが出来る。
【0052】
図4に図示されたステップS109に於いて、1フィールドの画面切り替えが実行された時点で再設定された描画パタンが第1表示部6に出力され、ステップS110に移行する。
【0053】
ステップS110に於いて、タッチパネル8の押圧が解除されているか否かが判定され、押圧が解除されている場合には、メモリ11に記憶された押圧位置座標データがリセットされ、ステップS101に移行する。なお、この時、メモリ11に記憶された押圧位置軌跡データについてはリセットしないものとする。反対に、押圧が解除されていない場合には、ステップS105に移行する。
【0054】
このように、ステップS105乃至S110の処理を繰り返すことにより、1フィールド毎の押圧位置の軌跡が異なる大きさの描画パタンによって描画される。具体的な描画パタンの軌跡については、図9(a)乃至(d)に図示されているように、4種類に分類することが出来る。つまり、(1)押圧位置の移動速度が第1閾値以上で第2閾値以下の場合には、図9(a)に図示されたような直線状の線が描画され、(2)押圧位置の移動速度が第1閾値未満の場合には、図9(b)に図示されたような徐々に太くなる線が描画され、(3)押圧位置の移動速度が第2閾値を超える場合には、図9(c)に図示されたような徐々に細くなる線が描画され、(4)押圧位置の移動速度が第3閾値を超える場合には、図9(d)に図示されたような、図9(c)の線よりもさらに鋭角の角度で細くなる線が描画される。これら4種類の描画パタンの軌跡の組み合わせによって、文字の「とめ」、「はね」、「はらい」についても、特別な設定を設けることなく表現することが出来る。
【0055】
[作用効果]
本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、一定時間で押圧位置が移動した際の移動速度に基づいて、描画パタンの大きさが変更されるので、押圧位置の軌跡が描画として表示手段に出力される際に、描画パタンの軌跡の太さ(描画される線の幅)を変更させることが出来る。したがって、描画される線の太さを圧力センサ等によって検出されたデータに基づいて変更して表現する場合に比して、新たなハードウェアの追加をすることなく、実際の手書き様式により忠実な、線の幅の異なる描画表示が可能となる。
【0056】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第1閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で拡大するので、押圧位置の移動速度が遅い場合に描画される線の太さを太くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0057】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第2閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速い場合に描画される線の太さを細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0058】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを第2閾値以上の場合に縮小した割合よりもさらに大きな割合で縮小することが出来るので、押圧位置の移動速度が速くなるにつれて描画の線の太さを2段階で細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0059】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第1閾値以上であり、且つ、第2閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを維持することが出来るので、押圧位置の移動速度が所定に範囲内にある場合には描画される線の太さを維持することができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0060】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、描画される線を構成する描画パタンが略円形であるので、描画される文字、または、図形を構成する線を滑らかに表現することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、タッチパネルを押圧するための補助具として、タッチペン8を使用することによって、押圧をより確実にすることが出来る。また、該補助具の形状がペン型であるので、あたかもユーザがペンで書類に描画する場合と同様に入力装置に入力することが出来る。
【0062】
[変形例]
(a)上述の第1実施形態の例では、CPU15がタッチパネル8の押圧位置に対応させて第1表示部6に描画パタンを出力する構成であるが、第2表示部7に描画パタンを出力する構成としても良い。この場合、第2表示部7の鉛直方向上方にタッチパネル8が設置されているので、ユーザがタッチパネル8を押圧した地点に対応する下方の第2表示部7の出力箇所を点灯させることによって、あたかも実際に毛筆を用いて用紙に描画しているかのような効果をユーザにもたらすことができ、より現実に即した入力を実現することが可能となる。
【0063】
(b)また、上述の第1実施形態の例では、2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標データを取得する際に、CPU15が第1表示部6のフィールド切り替え回数のカウントを開始し、フィールド切り替えが所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定することによって異なる時点を計測する構成としたが、CPU15が画面切り替え回数をカウントする代わりに、リアルタイムクロック13を制御して時間を計測させ、所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを判定することによって2つの異なる時点を計測する構成としても良い。なお、CPU15は、所定時間経過後に押圧位置の座標データを取得した時点で、リアルタイムクロック13のカウンタをリセットし、時間を再計測させる構成としても良いし、リアルタイムクロック13が最初に押圧位置を検出した時点から継続して時間を計測させ、設定された所定時間に於いてタッチパネル8に押圧位置を検出させる構成としても良い。
【0064】
(c)また、上述の第1実施形態の例では、押圧位置座標データ、及び、押圧位置軌跡データは、全押圧位置の座標(P11乃至Pmn)に「0」又は「1」を割り当てる構成としたが、該押圧位置座標データに於いて「1」が割り当てられる押圧位置の座標のみを抽出し、該抽出された座標を押圧位置座標データとしてメモリ11に記憶させる構成としてもよい。この時、抽出された2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標を用いて、2つの押圧位置の移動速度を算出する。
【0065】
(d)また、上述の第1実施形態の例では、2つの押圧位置間の移動速度に応じて描画パタンの大きさを変更する際に、該移動速度が第1閾値未満であれば、描画パタンの大きさを所定の倍率で拡大する構成とした。この時、2つの押圧位置が同一、即ち、2つの異なる時点で押圧位置が移動しない場合と、押圧位置は移動されたが第1閾値未満である場合の何れの場合であっても、所定の倍率で拡大される。該構成の代わりに、2つの押圧位置が移動しない場合と、2つの押圧位置が移動し、且つ、第1閾値以下である場合とを区別して、異なる描画パタンの大きさに変更する構成としても良い。
【0066】
ここで該変形例について具体的に説明する。該変形例に於ける情報入力変換方法に関するフローチャートは第1実施形態に於ける情報入力変換方法に関するフローチャート(図4参照)と略同一である。しかし、ステップS108のサブルーチンが第1実施形態に於けるステップS108のサブルーチン(図5参照)とは異なるので、ここでは同一部分については説明を省略し、相違点について説明する。図6は、該変形例に係る情報入力方法に関するフローチャートに於けるステップS108のサブルーチンを示すフローチャートであり、図5と同一内容については同一符号を付与している。
【0067】
図6のステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロの場合、即ち、2つの押圧位置間が移動していない場合には、ステップS108iに移動し、描画パタンの大きさを2段階拡大し、ステップS109に移行する。具体的には、移動前の押圧位置に対応させて出力された描画パタンの矩形領域を縦2ドット、横2ドットずつ拡大し、該拡大された矩形領域に対応するように描画パタンの大きさを設定し、ステップS109に移行する。反対に、ステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロではない場合、即ち、押圧位置が移動する場合には、ステップS108aに移行する。なお、ステップS108a乃至S108gについては、第1実施形態のステップS108に関するサブルーチン(図5参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0068】
実際に毛筆を用いて用紙に文字を書く場合、若しくは、図形を描く場合、毛筆が移動せずに同一地点に固定されている場合には、毛筆が吸収した墨汁が用紙に染み出て描画される点の大きさが拡大する。また、毛筆を同一地点に押しつける場合と、用紙上を移動させる場合では、毛筆が吸収した墨汁が染み出る度合いが異なる。したがって、該変形例のように、2つの押圧位置が移動した場合と移動していない場合について、出力する描画パタンを変更することによって、より現実の毛筆を用いた描画に近い状態を実現することが可能となる。
【0069】
(2)第2実施形態
[全体構成]
本実施形態に係る情報入力変換装置1に関する全体構成は、前述の第1実施形態に係る情報入力装置1に関する全体構成(図1及び図2参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0070】
[タッチパネルの構成]
本実施形態に係る情報入力変換装置1に於けるタッチパネル8に関する構成は、前述の第1実施形態に係る情報入力装置1に於けるタッチパネル8に関する全体構成(図3参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】
[情報入力変換方法]
本実施形態に係る情報入力変換方法は、ユーザによるタッチパネル8への入力の軌跡を、文字、若しくは、図形を構成する線の軌跡(描画パタンの集合体)に変換して第1表示部6に出力させる情報入力変換方法に関し、CPU15によってメモリ11に記憶された該情報入力変換方法に関するプログラムの実行より機能する。
【0072】
図10は、本実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャートであり、図5、及び、図11は、図10のフローチャートの一部を詳細に図示したフローチャートである。なお、図5に図示されたフローチャートは前述の第1実施形態に係る情報入力方法と同一であり、図10に図示されたフローチャートは、前述の第1実施形態に係る情報入力方法(図4参照)と略同一であるので、同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。本実施形態に係る情報入力変換方法が、前述の第1実施形態に係る情報入力方法と異なる点は、描画パタンの大きさを変更するステップ(図4のステップS108参照)の後に、描画パタンを掠れモードに変更するステップが追加されている点である。本実施形態に於いては、描画パタンの軌跡をあたかも掠れたように表現するために、第1実施形態の描画パタンとは異なる描画パタンを設定する。
【0073】
図10に於いて、ステップS201乃至S208の処理については、上述の第1実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャート(図4参照)に図示されたステップS101乃至S108と同一であるので、説明を省略する。
【0074】
ここで、図10に図示されたステップS209の処理について、図11乃至13を参照して説明する。図11は、図10に図示されたステップS209のサブルーチンを示すフローチャートである。図12(a)乃至(d)、及び、図13(a)乃至(d)は、本実施形態に於いて第1表示部6に出力される掠れモードの描画パタンの一例に関する図である。また、図14(a)乃至(d)は、本実施形態に於ける掠れモードの描画パタンの軌跡を示す図である。
【0075】
図10のステップS208に於いて、描画パタンの大きさが決定されると、ステップS209に移行する。図11のステップS209aに於いて、CPU15は描画パタンの大きさが閾値以下か否かを判定する。本実施形態に於いては、閾値として、縦10ドット、横10ドットの矩形領域に描画される描画パタンを設定している。ステップS209aに於いて、描画ドットが閾値以下の場合には、ステップS209bに移行する。ステップS209bに於いて、描画パタンを描画する表示ドットの内、縦横1ドットライン分の色が背景色と同一色又は類似色に変更され、ステップS209cに移行する。なお、該背景色の類似色とは、描画パタンを描画する表示ドットの色と背景色の2色を両極とした場合に背景色側に分類される色であり、描画パタンの移動軌跡に於いて、該類似色で点灯した表示ドットと描画パタンを表示する表示ドットの色との色の差異によって、掠れた効果を表現可能な色を意味する。
【0076】
例えば、図12(a)に図示されているように、描画パタンが縦8ドット、横8ドットの矩形領域内に描画される描画ドットであり、背景色が白色、描画パタンが黒色に設定されている場合に於いては、描画パタンの大きさが閾値以下(縦10ドット、横10ドットの矩形領域以下)であるので、図12(b)に図示されているように、斜線部分で図示した縦横1ドットライン分が白色又は白色の類似色に設定される。なお、縦横1ドットライン分の配置に関しては、メモリ11に記憶された所定のプログラムに従って、描画パタンが描画される矩形領域が上下左右の4つの領域に分割され、縦のドットラインが左右2つの領域の何れかに配置され、横のドットラインが上下2つの領域の何れかに配置されるように、ランダムに設定される。
【0077】
図11のステップS209cに於いて、描画パタンを描画する表示ドットの内、所定数の描画ドットが背景色と同一色に変更され、図9に図示されたステップS210に移行する。例えば、図12(c)の例では、斜線部分で図示されたドットが白色又は白色の類似色に設定され、最終的に描画パタンは図12(d)に図示された状態に設定される。本実施形態に於いては、背景色と同一色に変更される描画ドットの数は4つに設定されており、それらの配置はランダムに決定される。
【0078】
反対に、図11のステップS209aに於いて、描画ドットが閾値よりも大きい場合には、ステップS209dに移行する。ステップS209dに於いて、描画パタンを描画する表示ドットの内、縦横2ドットライン分が背景色と同一色に変更され、ステップS209eに移行する。例えば、図13(a)に図示されているように、描画パタンが縦12ドット、横12ドットの矩形領域内に描画される描画ドットであり、背景色が白色、描画パタンが黒色に設定されている場合に於いては、描画パタンの大きさが閾値より大きい(縦10ドット、横10ドットの矩形領域を超える)ので、図13(b)に図示されているように、斜線部分で図示した縦横2ドットライン分が白色に設定される。なお、縦横2ドットライン分の配置に関しては、メモリ11に記憶された所定のプログラムに従って、描画パタンが描画される矩形領域が上下左右の4つの領域に分割され、縦のドットライン2本が左右2つの領域のそれぞれの領域に1本ずつ配置され、横のドットライン2本が上下2つの領域のそれぞれの領域に1本ずつ配置されるように、ランダムに設定される。また、本実施形態に於いては、縦のドットラインが、上下2つの領域を分割して隣接するラインに配置されないように設定され、且つ、横のドットラインが、左右2つの領域を分割して隣接するラインに配置されないように設定され、ドットラインの配置に関するプログラムが構築されている。上下2つの領域を分割して隣接するライン、及び、左右2つの領域を分割して隣接するラインの少なくとも何れかの状態でドットラインが配置された場合、描画パタン内に於いて連続配置される背景色又は背景色の類似色を有するドット面積が大きくなるので、描画パタンの掠れ度合いが過度になる。具体的には、描画パタンの大きさが一定で上下(左右)方向に描画パタンが移動する場合に於いては、縦のドットライン(横のドットライン)は常に背景色又は背景色の類似色が出力され続けるので、該縦のドットライン(横のドットライン)の面積が大きい場合には掠れ度合いが過度になる。したがって、このプログラムによって、描画パタンの掠れ度合いが過度になることを防止することが出来る。
【0079】
図11のステップS209eに於いて、描画パタンを描画するドットの内、所定数の描画ドットが背景色と同一色に変更され、図9に図示されたステップS210に移行する。例えば、図13(c)の例では、斜線部分で図示されたドットが白色又は白色の類似色に設定され、最終的に描画パタンは図13(d)に図示された状態に設定される。本実施形態に於いては、背景色又は背景色の類似色に変更される描画ドットは6つであり、それらの配置はランダムに決定される。
【0080】
図10のステップS210乃至S211については、前述の第1実施形態に係る情報入力変換方法(図4参照)に図示されたステップS109乃至S110と同一であるので、説明を省略する。
【0081】
なお、本実施形態に於ける掠れモードに於いて、描画パタンが縦方向、横方向、斜め方向に移動した際の軌跡は、図14(b)乃至(d)に図示した通りである。図14(a)は、縦8ドット、横8ドットの矩形領域内に描画された掠れモードの描画パタンに関する図である。図14(a)の描画パタンが横方向に第1閾値以上、第2閾値未満の移動速度で移動した場合には、図14(b)のように、白色部分が掠れ効果を表現する。また、図14(a)の描画パタンが縦方向に第1閾値以上、第2閾値未満の移動速度で移動した場合には、図14(c)のように、白色部分が掠れ効果を表現する。また、図14(a)の描画パタンが斜め方向に第1閾値以上、第2閾値未満の移動速度で移動した場合には、図14(d)のように、白色部分が掠れ効果を表現する。このように、描画パタンの移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満の場合、若しくは、第1閾値未満の場合には、移動する描画パタンが重なり合う部分が多くなるので、掠れ度合いが弱くなるように表現されるが、描画パタンの移動速度が第2閾値以上の場合には、描画パタンの大きさが小さく変更され、移動する描画パタンが重なり合う部分が少なくなるので、掠れ度合いが強くなるように表現される。
【0082】
[作用効果]
本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、前述の第1実施形態に係る情報入力変換システムと同様の効果を奏する。
【0083】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、第1表示部6、又は、第2表示部7の画面の垂直方向、及び、水平方向のそれぞれに沿って、描画パタンに於いて描画パタンの表示色と異なる色(背景色又は背景色の類似色)を有するドットラインが描画されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【0084】
また、本実施形態に係る情報変換システム1によれば、描画パタンの大きさに応じて、描画パタンに描画されるラインの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【0085】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、描画パタンを描画するドットに於いて、所定個数のドットの表示色が、描画パタンの表示色と異なる色(背景色又は背景色の類似色)を有するので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0086】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、描画パタンの大きさに応じて描画パタンに含まれるドットの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することができ、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0087】
[変形例]
(a)上述の第2実施形態の例では、CPU15がタッチパネル8の押圧位置に対応させて第1表示部6に描画パタンを出力する構成であるが、第2表示部7に描画パタンを出力する構成としても良い。この場合、第2表示部7の鉛直方向上方にタッチパネル8が設置されているので、ユーザがタッチパネル8を押圧した地点に対応する下方の第2表示部7の出力箇所を点灯させることによって、あたかも実際に毛筆を用いて用紙に描画しているかのような効果をユーザにもたらすことができ、より現実に即した入力を実現することが可能となる。
【0088】
(b)また、上述の第2実施形態の例では、2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標データを取得する際に、CPU15が第1表示部6のフィールド切り替え回数のカウントを開始し、フィールド切り替えが所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定することによって異なる時点を計測する構成としたが、CPU15が画面切り替え回数をカウントする代わりに、リアルタイムクロック13を制御して時間を計測させ、所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを判定することによって2つの異なる時点を計測する構成としても良い。なお、CPU15は、所定時間経過後に押圧位置の座標データを取得した時点で、リアルタイムクロック13のカウンタをリセットし、時間を再計測させる構成としても良いし、リアルタイムクロック13が最初に押圧位置を検出した時点から継続して時間を計測させ、設定された所定時間に於いてタッチパネル8に押圧位置を検出させる構成としても良い。
【0089】
(c)また、上述の第2実施形態の例では、押圧位置座標データ、及び、押圧位置軌跡データは、全押圧位置の座標(P11乃至Pmn)に「0」又は「1」を割り当てる構成としたが、該押圧位置座標データに於いて「1」が割り当てられる押圧位置の座標のみを抽出し、該抽出された座標を押圧位置座標データとしてメモリ11に記憶させる構成としてもよい。この時、抽出された2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標を用いて、2つの押圧位置の移動速度を算出する。
【0090】
(d)また、上述の第2実施形態の例では、2つの押圧位置間の移動速度に応じて描画パタンの大きさを変更する際に、該移動速度が第1閾値未満であれば、描画パタンの大きさを所定の倍率で拡大する構成とした。この時、2つの押圧位置が同一、即ち、2つの異なる時点で押圧位置が移動しない場合と、押圧位置は移動されたが第1閾値未満である場合の何れの場合であっても、所定の倍率で拡大される。該構成の代わりに、2つの押圧位置が移動しない場合と、2つの押圧位置が移動し、且つ、第1閾値未満である場合とを区別して、異なる描画パタンの大きさに変更する構成としても良い。
【0091】
ここで該変形例について具体的に説明する。該変形例に於ける情報入力変換方法に関するフローチャートは第2実施形態に於ける情報入力変換方法に関するフローチャート(図10参照)と略同一である。しかし、ステップS208のサブルーチンが第2実施形態に於けるステップS208のサブルーチン(図5参照)とは異なるので、ここでは同一部分については説明を省略し、相違点について説明する。図6は、該変形例に係る情報入力方法に関するフローチャートに於けるステップS208のサブルーチンを示すフローチャートであり、図5と同一内容については同一符号を付与している。
【0092】
図6のステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロの場合、即ち、2つの押圧位置間が移動していない場合には、ステップS108iに移動し、描画パタンの大きさを2段階拡大し、ステップS209に移行する。具体的には、移動前の押圧位置に対応させて出力された描画パタンの矩形領域を縦2ドット、横2ドットずつ拡大し、該拡大された矩形領域に対応するように描画パタンの大きさを設定し、ステップS209に移行する。反対に、ステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロではない場合、即ち、押圧位置が移動する場合には、ステップS108aに移行する。なお、ステップS108a乃至S108gについては、第2実施形態のステップS208に関するサブルーチン(図5参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0093】
実際に毛筆を用いて用紙に文字を書く場合、若しくは、図形を描く場合、毛筆が移動せずに同一地点に固定されている場合には、毛筆が吸収した墨汁が用紙に染み出て描画される点の大きさが拡大する。また、毛筆を同一地点に押しつける場合と、用紙上を移動させる場合では、毛筆が吸収した墨汁が染み出る度合いが異なる。したがって、該変形例のように、2つの押圧位置が移動した場合と移動していない場合について、出力する描画パタンを変更することによって、より現実の毛筆を用いた描画に近い状態を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に関する概略構成図。
【図2】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に関する概略斜視図。
【図3】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於けるタッチパネル8の模式図。
【図4】第1実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャート。
【図5】第1実施形態(第2実施形態)に係る情報入力変換方法に於けるステップS108(S208)に関するサブルーチンを示すフローチャート。
【図6】変形例に係る情報入力変換方法に於けるステップS108(S208)に関するサブルーチンを示すフローチャート。
【図7】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於ける、タッチパネル8上の押圧位置を示す図、押圧位置座標データ及び押圧位置軌跡データに関する図。
【図8】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於ける描画パタンに関する図、及び、描画パタン座標データに関する図。
【図9】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於ける描画パタンの移動軌跡に関する図。
【図10】第2実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャート。
【図11】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於けるステップS209に関するサブルーチンを示すフローチャート。
【図12】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於ける掠れモード時の描画パタンの一例に関する図。
【図13】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於ける掠れモード時の描画パタンの一例に関する図。
【図14】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於ける掠れモード時の描画パタンの移動軌跡に関する図。
【符号の説明】
【0095】
1 情報入力変換システム
2 電子機器
2a 上部筐体
2b 下部筐体
3 タッチペン
4 電源部
5 操作キー
6 第1表示部
7 第2表示部
8 タッチパネル
8a フィルム
8b ITO
8c 絶縁層
8d FPC
8e ドットスペーサ
8f ガラス
9 スピーカ
10 マイク
11 メモリ
12 インターフェイス
12a 記憶媒体
13 リアルタイムクロック
14 通信ユニット
15 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルへの入力軌跡を毛筆書体に変換して表示する情報入力変換プログラム、及び、情報入力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、文字や図形を電子的に手書き入力する1つの手段として、タッチパネル方式の入力装置が広く普及している。一般に、タッチパネル方式の入力装置は、押圧位置の座標を検出し、所定の処理を施すことによって、検出された座標に対応する表示画面上の箇所を点灯させる方式を採用しており、この方式によって、ユーザがタッチパネルに手書き入力した文字や図形の軌跡が表示部に表示される。しかしながら、従来のタッチパネル方式の入力装置を使用した場合、表示画面に描画される文字や図形の太さが一定に表示されるので、毛筆の手書き様式に見られるような、線の太さの違いを再現して表示することが出来ない。
【0003】
こうした問題を解決するために、種種の発明が提案されている。例えば、特許文献1に記載の発明では、ユーザによる入力地点を検出して座標位置情報を獲得するタブレットと、タブレットを押圧する圧力(即ち、ユーザの筆圧)を検出するための圧力センサを有するスタイラスペンを備えたタブレット装置について記載されている。このタブレット装置では、圧力センサによって検出された圧力レベルに応じて、描画される線の太さが調整される。
【特許文献1】特開平5−313815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、特許文献1に記載の発明では、描画される線の太さを調節することが可能であるが、ユーザによる筆圧を検出する圧力センサが必要となる。したがって、圧力センサを備えていないタブレット装置を使用する場合には、少なくともスタイラスペン側、若しくは、タブレット側に圧力センサを新たに設置する必要があり、タブレット装置の製造コストが嵩むという問題が発生する。
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来の入力装置に新たなハードウェアを追加することなく、文字や図形の手書き入力に際して、文字や図形の線の太さを適宜変更可能な情報入力変換プログラム、及び、情報入力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係るプログラムは、タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0007】
このプログラムによれば、一定時間で押圧位置が移動した際の移動速度に基づいて、描画パタンの大きさが変更されるので、押圧位置の軌跡が描画として表示手段に出力される際に、描画パタンの軌跡の太さ(描画される線の幅)を変更させることが出来る。したがって、該プログラムがインストールされた装置を使用することにより、描画される線の太さを圧力センサ等によって検出されたデータに基づいて変更して表現する場合に比して、新たなハードウェアの追加をすることなく、実際の手書き様式により忠実な、線の幅の異なる描画表示が可能となる。
【0008】
また、このプログラムによれば、移動速度が第1閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で拡大するので、押圧位置の移動速度が遅い場合に描画される線の太さを太くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0009】
また、このプログラムによれば、移動速度が第2閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速い場合に描画される線の太さを細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0010】
また、このプログラムによれば、移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを維持することが出来るので、押圧位置の移動速度が所定の範囲内にある場合に、描画される線の太さを維持することができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0011】
第2発明に係るプログラムは、第1発明に係るプログラムに於いて、前記描画パタン変更手段は、前記移動速度が前記第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを、前記第2閾値以上の場合に縮小する所定の割合よりも大きな割合で縮小させることを特徴とする。
【0012】
このプログラムによれば、移動速度が第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを第2閾値以上の場合に縮小した割合よりもさらに大きな割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速くなるにつれて描画される線の太さを2段階で細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0013】
第3発明に係るプログラムは、タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定の時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段であって、前記描画パタンの背景色とは異なる表示色で前記描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、前記描画パタンに前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも一つのラインを含ませる描画調整手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0014】
このプログラムによれば、描画パタンに表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、背景色と同一又は類似色の少なくとも一つのラインが含まれているので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【0015】
第4発明に係るプログラムは、第3発明に係るプログラムに於いて、前記描画パタンの大きさに応じて前記ラインの数を変更することを特徴とする。
【0016】
このプログラムによれば、描画パタンの大きさに応じて描画パタンに含まれるラインの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することができ、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0017】
第5発明に係るプログラムは、第3発明に係るプログラムに於いて、前記描画調整手段は、前記描画パタンに、前記背景色と同一色又は類似色のドットをさらに含ませることを特徴とする。
【0018】
このプログラムによれば、描画パタンに背景色と同一又は類似色のドットが含まれているので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0019】
第6発明に係るプログラムは、第5発明に係るプログラムに於いて、前記描画調整手段は、前記描画パタンの大きさに応じて前記ドットの数を変更することを特徴とする。
【0020】
このプログラムによれば、描画パタンの大きさに応じて描画パタンに含まれるドットの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することができ、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0021】
第7発明に係る情報入力変換システムは、押圧位置を検出するタッチパネルと、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて描画パタンを表示手段に出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段と、を備えることを特徴とする情報入力変換システム。
【0022】
この情報入力変換システムによれば、一定時間で押圧位置が移動した際の移動速度に基づいて、描画パタンの大きさが変更されるので、押圧位置の軌跡が描画として表示手段に出力される際に、描画パタンの軌跡の太さ(描画される線の幅)を変更させることが出来る。したがって、描画される線の太さを圧力センサ等によって検出されたデータに基づいて変更して表現する場合に比して、新たなハードウェアの追加をすることなく、実際の手書き様式により忠実な、線の幅の異なる描画表示が可能となる。
【0023】
また、この情報入力変換システムによれば、移動速度が第1閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で拡大するので、押圧位置の移動速度が遅い場合に描画される線の太さを太くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0024】
また、この情報入力変換システムによれば、移動速度が第2閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速い場合に描画される線の太さを細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0025】
また、この情報入力変換システムによれば、移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを維持するので、押圧位置の移動速度が所定の範囲内にある場合に、描画される線の太さを維持することができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0026】
第8発明に係る情報入力変換システムは、押圧位置を検出するタッチパネルと、所定の時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、前記座標データに対応させて、描画パタンを表示手段の画面に背景色とは異なる表示色で出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、前記描画パタンの大きさに応じて、前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも1つのラインを含ませる描画調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
この情報入力変換システムによれば、描画パタンに表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、背景色と同一又は類似色の少なくとも一つのラインが含まれているので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、従来の入力装置に新たなハードウェアを追加することなく、文字や図形の手書き入力に際して、文字や図形の太さを適宜変更することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(1)第1実施形態
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る情報入力変換システム1に関する概略構成図である。また、図2(a)は本実施形態に係る情報変換システム1に於ける電子機器2が閉じた状態の斜視図であり、図2(b)はタッチペン3と、情報入力変換システム1に於ける電子機器2が開いた状態の斜視図である。
【0030】
図1に図示されている通り、情報取得システム1は、電子機器2とタッチペン3とを備えている。図2(a)及び(b)に図示されている通り、電子機器2は、上部筐体2aと下部筐体2bで構成されている。また、電子機器2は、電源部4、操作キー5、第1表示部6、第2表示部7、タッチパネル8、スピーカ9、マイク10、メモリ11、インターフェイス12、リアルタイムクロック13、通信ユニット14、CPU15を備えており、これらはバス通信によって接続されている。
【0031】
電源部4は、充電式の電池等の蓄電手段と電気回路を含んで構成され、電子機器2の各部に所定の電圧を供給する。なお、電源部4はACアダプターを介して商用電源に接続される構成としてもよい。操作キー5は、図2(b)に図示されている通り、十字キーや上下左右キー等、複数の入力キーを有しており、ユーザからの入力を受け付けてCPU15に該入力結果を出力する。第1表示部6は、上部筐体2aに設置されたLCDや有機EL等で構成される表示画面であり、CPU15の制御によって所定の画像を出力する。第2表示部7は、下部筐体2bに設置されたLCDや有機EL等で構成される表示画面であり、CPU15の制御によって所定の画像を出力する。タッチパネル8は、第2表示部7上に設置された抵抗膜式の入力装置であり、一定の圧力以上で押圧された場合に押圧された位置を検出し、CPU15に該検出結果を出力する。スピーカ9は、CPU15の制御によって、所定の音声を出力する。マイク10は、外部音声に所定の処理を施してデジタル信号に変換し、CPU15に出力する。
【0032】
メモリ11は所定の情報を記憶する不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ)、所定の情報を一時的に記憶する揮発性メモリ(例えば、RAM)で構成されている。インターフェイス12は、記憶媒体12aを電子機器2に接続するための接続部であり、インターフェイス12を介して記憶媒体12aに記憶された情報をCPU15に出力する。リアルタイムクロック13は、時刻を計時する時計機能、年、月、日、曜日を計時するカレンダ機能、及び、所定時間を計測するカウンタ機能を備えている。通信ユニット14は、CPU15の制御により、インターネット等のネットワークに接続可能な通信装置である。CPU15は、操作キー5、タッチパネル8、記憶媒体12aからの出力を受け付けると共に、第1表示部6、第2表示部7、スピーカ9、マイク10、メモリ11、リアルタイムクロック13、通信ユニット14を制御する。
【0033】
タッチペン3は、ユーザによる操作によって、タッチパネル8に入力するための樹脂製のペン型入力補助具である。なお、電子機器2の上部筐体2a、若しくは、下部筐体2bの何れかに、タッチペン3の不使用時に設置しておくホルダを設ける構造とし、タッチペン3を電子機器2の付属品としてもよい。
【0034】
[タッチパネルの構成]
図3(a)は、本実施形態に係る情報取得システム1に於けるタッチパネル8の模式図であり、図3(b)はタッチパネル8の断面図である。このタッチパネル8は、同時に複数の押圧位置を検出するのではなく、押圧位置を1つずつ検出する。
【0035】
本実施形態に於けるタッチパネル8は、アナログ方式の抵抗膜式タッチパネルであり、フィルム8a、ITO(Indium Tin Oxide)8b、絶縁層8c、FPC(Flexible Printed Circuit)8d、ドットスペーサ8e、ガラス8fで構成されており、第2表示部7の画面上に設置されている。
【0036】
フィルム8aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の素材で形成されたフィルムであり、ユーザによる押圧を受け付ける。ITO8bは、面状抵抗膜電極であり、押圧側のフィルム8aと非押圧側のガラス8f上に、絶縁層8cを介して一定の間隔を設けて対向するように設置されている。なお、上部のITO8bは、フィルム8aがユーザの所定の圧力以上の押圧を受け付けると、該フィルム8aと共に撓み、下部のITO8bに接触する。絶縁層8cは、フィルム8a及びガラス8f上に対向するように設置されたITO8bが常時接触することを防ぐために設けられた絶縁スペーサである。ドットスペーサ8eは、タッチパネル8への入力時以外に上下のITO8bが接触して誤作動を起こさないように、ガラス8f上に設置されたITO8b上に一定間隔で形成されている。FPC8dは、屈曲性のある回路基板であり、対向するように設置された上下のITO8bの接触によって発生する電位をタッチパネル8に接続された入力検出処理部(図示せず)に出力し、該電圧に所定の処理を施してデジタル信号化し、CPU15に出力する。なお、タッチパネル8は、直下に設けられた第2表示部7に出力された画像を視認出来るように、一定以上の透過率を有する。
【0037】
タッチパネル8による押圧位置の検出原理は、周知のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネルと同様である。タッチペン3がフィルム8a上に置かれ、一定以上の圧力で押下されると、絶縁層8cを介して上下に設置されたITO8bが接触し、上下ITO8b間に電位勾配が発生する。この時発生した電気信号をタッチパネル8に接続された入力検出処理部(図示せず)に於いて所定の演算を施すことにより、入力位置(座標)を算出する。
【0038】
[情報入力変換方法]
本実施形態に係る情報入力変換方法は、ユーザによるタッチパネル8への入力の軌跡を、文字、若しくは、図形を構成する線の軌跡(描画パタンの集合体)に変換して第1表示部6に出力させる情報入力変換方法に関し、CPU15によってメモリ11に記憶された該情報入力変換方法に関するプログラムを実行することによって機能する。
【0039】
図4は、本実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャートであり、図5は、図4のフローチャートの一部を詳細に図示したフローチャートである。また、図7(a)は、本実施形態に係るタッチパネル8上の押圧位置を示す図であり、図7(b)はタッチパネル8上の検出可能位置に関する座標(P11乃至Pmn)を示す表であり、図7(c)はタッチパネル8上で検出された押圧位置の座標データ(以後、押圧位置座標データと称す)であり、図7(d)はタッチパネル8上で検出された押圧位置の移動軌跡に関する座標データ(以後、押圧位置軌跡データと称す)である。また、図8(a)は、第1表示部6に出力される描画パタンの一例に関する図であり、図8(b)は、第1表示部6の表示ドットに対応する座標(D11乃至Dmn)に関する表であり、図8(c)は、第1表示部6の表示ドットに出力される描画パタンを座標に割り当てた座標データである。また、図9(a)乃至(d)は、押圧位置の移動速度に対応する描画パタンの移動軌跡を示す図である。
【0040】
図4のフローチャートに於けるステップS101に於いて、タッチパネル8がタッチペン3によって押圧されたか否かが検出される。タッチパネル8がタッチペン3によって押圧された場合には、ステップS102に移行し、押圧されていない場合には、ステップS101を繰り返す。例えば、図7(a)に図示されているように、タッチパネル8上の1つの点(黒塗り部分)が押圧された場合には、タッチパネル8によって該黒塗り部分が押圧位置として検出され、CPU15が図7(b)に図示されたタッチパネル8上の検出可能位置に対応する座標に押圧位置を割り当て、図7(c)に図示された押圧位置座標データを作成し、メモリ11に記憶させる。なお、図7(b)に図示されているように、タッチパネル8上の検出可能位置は、m行n列の座標に割り当てられており、P11乃至Pmnで表現される。この時、タッチパネル8に於いて検出可能な位置の最小の大きさは、タッチペン3がタッチパネル8と接触する先端部分の大きさよりも大きいものとする。また、図7(c)に図示された押圧位置座標データの「1」は押圧位置が存在することを示し、「0」は押圧位置が存在しないことを示す。図7(a)に図示された押圧位置の例では、7行7列(P77)が押圧位置として検出されており、該P77の値として「1」が割り当てられ、それ以外の座標には「0」が割り当てられる。
【0041】
また、押圧位置座標データは所定時間毎に作成され、少なくとも連続する異なる2つの時点に於ける座標データが常時メモリ11に記憶される。さらに、該押圧位置座標データ以外のデータとして、時系列に検出される押圧位置座標の変化(移動軌跡)に関するデータ、即ち、押圧位置軌跡データが作成され、メモリ11に記憶される。該押圧位置軌跡データは、図7(c)に示す座標データに於いて、新たに押圧された地点Pij(i=1・・・m、j=1・・・n)に割り当てられる値を「1」として上書きし、データを更新することによって作成される。例えば、図7(d)の例では、3行3列(P33)が新たに押圧位置として検出されており、該P33の値として「1」が割り当てられ、押圧位置軌跡データが形成される。
【0042】
図4のステップS102に於いて、CPU15はメモリ11に記憶された描画パタンに関するプログラムを制御して初期値を設定する。ここで、描画パタンについて説明をする。図8(a)は、本実施形態に於いて、第1表示部6に出力される描画パタンの一例に関する図であり、マトリクス状に分割されたそれぞれの矩形部分が1つの表示ドットを表している。図8(b)は、第1表示部6の表示ドットに対応する座標、即ち、描画パタンの出力位置の座標(D11乃至Dmn)に関する表である。図8(c)は、第1表示部6の表示ドットに出力される描画パタンを座標に割り当てた座標データ(以後、描画パタン座標データと称す)である。本実施形態に於いて、描画パタンの初期値として、縦12ドット、横12ドットの矩形領域内に描画される描画パタンが設定されており、該描画パタンは円を模した形状で描画される。図8(a)に図示されているように、黒塗り部分が初期値となる描画パタンを構成しており、第1表示部6に所定の色で出力される。なお、本実施形態に於いては、描画パタンの出力色は黒色に設定され、描画パタンの周囲の色(背景色)は白色に設定されている。描画パタンの色及び背景色は、黒色及び白色に限らず、描画パタンの色と背景色とが区別可能な色の組み合わせに適宜設定すれば良い。CPU15は、図8(b)に図示された第1表示部6の表示ドットに対応する座標に対して、表示パタンが出力される座標に「1」を割り当て、それ以外の座標に「0」を割り当てることによって、図8(c)に図示された描画パタン座標データを形成する。該描画パタン座標データに基づいて、第1表示部6に図8(a)に図示された円状の描画パタンが出力される。なお、矩形領域内に描画される円状の描画パタンは、CPU15がメモリ11に予め記憶された所定の演算式を実行させることによって描画される。そして、該演算式は、矩形領域内のそれぞれの表示ドットを所定の色で点灯させるか否かを決定するために使用される。また、本実施形態に於ける最小の描画パタンは縦8ドット、横8ドットの矩形領域内に描画される描画パタンであり、最大の描画パタンは縦48ドット、横48ドットの矩形領域内に描画される描画パタンである。本実施形態のように該演算式を用いて描画パタンを描画する代わりに、縦8ドット、横8ドットの矩形領域から、縦48ドット、横48ドットの矩形領域まで、縦8ドット、横8ドットの矩形領域に縦横1ドットずつを加算した41の異なる矩形領域内に描画される描画パタンをデータとしてメモリ11に記憶し、必要に応じて該データを読み出す方法を採用しても良い。
【0043】
図4のステップS102に於いて、CPU15によって縦12ドット、横12ドットの矩形領域内に形成された描画ドットが初期値として設定されると、ステップS103に於いて、描画パタン座標データに基づいて、該描画パタンが第1表示部6に出力され、ステップS104に移行する。
【0044】
ステップS104に於いて、CPU15は第1表示部6の画面切り替え回数(フィールド切り替え回数)のカウントを開始する。なお、本実施形態に於ける画面切り替えは60分の1秒間に1回実行される構成である。ステップS105に於いて、1フィールドの画面切り替えが所定回数(例えば2回)実行されると、ステップS106に移行し、反対に1フィールドの画面切り替えが所定回数実行されていなければ、ステップS105を繰り返す。なお、本実施形態に於いては、画面切り替え回数が所定回数実行された際にカウントをリセットする。
【0045】
ステップS106に於いて、CPU15はタッチパネル8を制御して、1フィールドの画面切り替えが実行された時点に於ける押圧位置を検出する。この時、ステップS101と同様の処理を行うことによって、CPU15は押圧位置に関する押圧位置座標データベースを形成し、メモリ11に記憶させる。
【0046】
ステップS107に於いて、CPU15は、ステップS101に於いて検出された押圧位置座標データと、ステップS106に於いて検出された押圧位置座標データに基づいて、2点間の移動速度を演算により算出し、ステップS108に移行する。この時、2つの押圧位置の移動速度は、2点間の距離をフィールドで割ることによって算出しても良いし、1フィールドの画面切り替えに対応する60分の1秒で割ることによって算出してもよい。
【0047】
ここで、図5を参照してステップS108について説明する。図5は、本実施形態に於ける情報入力変換方法に関するフローチャートのステップS108に関するサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS108aに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第1閾値未満である場合には、ステップS108bに移行する。なお、2つの押圧位置の移動速度が第1閾値未満である場合は、2つの押圧位置の移動速度がゼロの場合、即ち、2点が移動していない場合を含むものとする。
【0048】
ステップS108bに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更し、描画パタンの大きさを1段階拡大する。具体的には、縦横1ドットずつ描画パタンを描画する矩形領域を拡大し、該拡大された矩形領域に対応して描画パタンを拡大させ、ステップS109に移行する。
【0049】
反対に、ステップS108aに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第1閾値を超える場合には、ステップS108cに移行する。ステップS108cに於いて、移動速度が第2閾値未満の場合、即ち、移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満である場合には、ステップS108gに移行する。ステップS108gに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更しない。つまり、本実施形態に於いては、縦12ドット、横12ドットの矩形領域に描画された描画パタンの形状を維持し、ステップS109に移行する。
【0050】
反対に、ステップS108cに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第2閾値以上の場合には、ステップS108dに移行する。ステップS108dに於いて、該移動速度が第3閾値未満の場合、即ち、移動速度が第2閾値以上、且つ、第3閾値未満の場合には、ステップS108fに移行する。ステップS108fに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更し、描画パタンの大きさを1段階縮小する。具体的には、縦横1ドットずつ描画パタンを描画する矩形領域を縮小し、該縮小された矩形領域に対応して描画パタンを縮小し、ステップS109に移行する。
【0051】
反対に、ステップS108dに於いて、2つの押圧位置の移動速度が第3閾値以上の場合には、ステップS108eに移行する。ステップS108eに於いて、CPU15は描画パタンの設定を変更し、大きさを2段階縮小する。具体的には、縦横2ドットずつ描画パタンを描画する矩形領域を縮小し、該縮小された矩形領域に対応して描画パタンを縮小し、ステップS109に移行する。なお、本実施形態に於いて、2つの押圧位置が1フィールドの画面切り替えが実行された時点で所定距離(例えば、描画パタン1つ分)以上移動した場合には、2点間の描画を補う為に、周知のアウトライン補完方法が使用され、描画パタンの軌跡を滑らかに表示することが出来る。
【0052】
図4に図示されたステップS109に於いて、1フィールドの画面切り替えが実行された時点で再設定された描画パタンが第1表示部6に出力され、ステップS110に移行する。
【0053】
ステップS110に於いて、タッチパネル8の押圧が解除されているか否かが判定され、押圧が解除されている場合には、メモリ11に記憶された押圧位置座標データがリセットされ、ステップS101に移行する。なお、この時、メモリ11に記憶された押圧位置軌跡データについてはリセットしないものとする。反対に、押圧が解除されていない場合には、ステップS105に移行する。
【0054】
このように、ステップS105乃至S110の処理を繰り返すことにより、1フィールド毎の押圧位置の軌跡が異なる大きさの描画パタンによって描画される。具体的な描画パタンの軌跡については、図9(a)乃至(d)に図示されているように、4種類に分類することが出来る。つまり、(1)押圧位置の移動速度が第1閾値以上で第2閾値以下の場合には、図9(a)に図示されたような直線状の線が描画され、(2)押圧位置の移動速度が第1閾値未満の場合には、図9(b)に図示されたような徐々に太くなる線が描画され、(3)押圧位置の移動速度が第2閾値を超える場合には、図9(c)に図示されたような徐々に細くなる線が描画され、(4)押圧位置の移動速度が第3閾値を超える場合には、図9(d)に図示されたような、図9(c)の線よりもさらに鋭角の角度で細くなる線が描画される。これら4種類の描画パタンの軌跡の組み合わせによって、文字の「とめ」、「はね」、「はらい」についても、特別な設定を設けることなく表現することが出来る。
【0055】
[作用効果]
本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、一定時間で押圧位置が移動した際の移動速度に基づいて、描画パタンの大きさが変更されるので、押圧位置の軌跡が描画として表示手段に出力される際に、描画パタンの軌跡の太さ(描画される線の幅)を変更させることが出来る。したがって、描画される線の太さを圧力センサ等によって検出されたデータに基づいて変更して表現する場合に比して、新たなハードウェアの追加をすることなく、実際の手書き様式により忠実な、線の幅の異なる描画表示が可能となる。
【0056】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第1閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で拡大するので、押圧位置の移動速度が遅い場合に描画される線の太さを太くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0057】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第2閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを所定の割合で縮小するので、押圧位置の移動速度が速い場合に描画される線の太さを細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0058】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、描画パタンの大きさを第2閾値以上の場合に縮小した割合よりもさらに大きな割合で縮小することが出来るので、押圧位置の移動速度が速くなるにつれて描画の線の太さを2段階で細くすることができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0059】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、移動速度が第1閾値以上であり、且つ、第2閾値未満の場合に、描画パタンの大きさを維持することが出来るので、押圧位置の移動速度が所定に範囲内にある場合には描画される線の太さを維持することができ、手書きの毛筆書体により忠実な描画表示が可能となる。
【0060】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、描画される線を構成する描画パタンが略円形であるので、描画される文字、または、図形を構成する線を滑らかに表現することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、タッチパネルを押圧するための補助具として、タッチペン8を使用することによって、押圧をより確実にすることが出来る。また、該補助具の形状がペン型であるので、あたかもユーザがペンで書類に描画する場合と同様に入力装置に入力することが出来る。
【0062】
[変形例]
(a)上述の第1実施形態の例では、CPU15がタッチパネル8の押圧位置に対応させて第1表示部6に描画パタンを出力する構成であるが、第2表示部7に描画パタンを出力する構成としても良い。この場合、第2表示部7の鉛直方向上方にタッチパネル8が設置されているので、ユーザがタッチパネル8を押圧した地点に対応する下方の第2表示部7の出力箇所を点灯させることによって、あたかも実際に毛筆を用いて用紙に描画しているかのような効果をユーザにもたらすことができ、より現実に即した入力を実現することが可能となる。
【0063】
(b)また、上述の第1実施形態の例では、2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標データを取得する際に、CPU15が第1表示部6のフィールド切り替え回数のカウントを開始し、フィールド切り替えが所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定することによって異なる時点を計測する構成としたが、CPU15が画面切り替え回数をカウントする代わりに、リアルタイムクロック13を制御して時間を計測させ、所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを判定することによって2つの異なる時点を計測する構成としても良い。なお、CPU15は、所定時間経過後に押圧位置の座標データを取得した時点で、リアルタイムクロック13のカウンタをリセットし、時間を再計測させる構成としても良いし、リアルタイムクロック13が最初に押圧位置を検出した時点から継続して時間を計測させ、設定された所定時間に於いてタッチパネル8に押圧位置を検出させる構成としても良い。
【0064】
(c)また、上述の第1実施形態の例では、押圧位置座標データ、及び、押圧位置軌跡データは、全押圧位置の座標(P11乃至Pmn)に「0」又は「1」を割り当てる構成としたが、該押圧位置座標データに於いて「1」が割り当てられる押圧位置の座標のみを抽出し、該抽出された座標を押圧位置座標データとしてメモリ11に記憶させる構成としてもよい。この時、抽出された2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標を用いて、2つの押圧位置の移動速度を算出する。
【0065】
(d)また、上述の第1実施形態の例では、2つの押圧位置間の移動速度に応じて描画パタンの大きさを変更する際に、該移動速度が第1閾値未満であれば、描画パタンの大きさを所定の倍率で拡大する構成とした。この時、2つの押圧位置が同一、即ち、2つの異なる時点で押圧位置が移動しない場合と、押圧位置は移動されたが第1閾値未満である場合の何れの場合であっても、所定の倍率で拡大される。該構成の代わりに、2つの押圧位置が移動しない場合と、2つの押圧位置が移動し、且つ、第1閾値以下である場合とを区別して、異なる描画パタンの大きさに変更する構成としても良い。
【0066】
ここで該変形例について具体的に説明する。該変形例に於ける情報入力変換方法に関するフローチャートは第1実施形態に於ける情報入力変換方法に関するフローチャート(図4参照)と略同一である。しかし、ステップS108のサブルーチンが第1実施形態に於けるステップS108のサブルーチン(図5参照)とは異なるので、ここでは同一部分については説明を省略し、相違点について説明する。図6は、該変形例に係る情報入力方法に関するフローチャートに於けるステップS108のサブルーチンを示すフローチャートであり、図5と同一内容については同一符号を付与している。
【0067】
図6のステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロの場合、即ち、2つの押圧位置間が移動していない場合には、ステップS108iに移動し、描画パタンの大きさを2段階拡大し、ステップS109に移行する。具体的には、移動前の押圧位置に対応させて出力された描画パタンの矩形領域を縦2ドット、横2ドットずつ拡大し、該拡大された矩形領域に対応するように描画パタンの大きさを設定し、ステップS109に移行する。反対に、ステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロではない場合、即ち、押圧位置が移動する場合には、ステップS108aに移行する。なお、ステップS108a乃至S108gについては、第1実施形態のステップS108に関するサブルーチン(図5参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0068】
実際に毛筆を用いて用紙に文字を書く場合、若しくは、図形を描く場合、毛筆が移動せずに同一地点に固定されている場合には、毛筆が吸収した墨汁が用紙に染み出て描画される点の大きさが拡大する。また、毛筆を同一地点に押しつける場合と、用紙上を移動させる場合では、毛筆が吸収した墨汁が染み出る度合いが異なる。したがって、該変形例のように、2つの押圧位置が移動した場合と移動していない場合について、出力する描画パタンを変更することによって、より現実の毛筆を用いた描画に近い状態を実現することが可能となる。
【0069】
(2)第2実施形態
[全体構成]
本実施形態に係る情報入力変換装置1に関する全体構成は、前述の第1実施形態に係る情報入力装置1に関する全体構成(図1及び図2参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0070】
[タッチパネルの構成]
本実施形態に係る情報入力変換装置1に於けるタッチパネル8に関する構成は、前述の第1実施形態に係る情報入力装置1に於けるタッチパネル8に関する全体構成(図3参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】
[情報入力変換方法]
本実施形態に係る情報入力変換方法は、ユーザによるタッチパネル8への入力の軌跡を、文字、若しくは、図形を構成する線の軌跡(描画パタンの集合体)に変換して第1表示部6に出力させる情報入力変換方法に関し、CPU15によってメモリ11に記憶された該情報入力変換方法に関するプログラムの実行より機能する。
【0072】
図10は、本実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャートであり、図5、及び、図11は、図10のフローチャートの一部を詳細に図示したフローチャートである。なお、図5に図示されたフローチャートは前述の第1実施形態に係る情報入力方法と同一であり、図10に図示されたフローチャートは、前述の第1実施形態に係る情報入力方法(図4参照)と略同一であるので、同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。本実施形態に係る情報入力変換方法が、前述の第1実施形態に係る情報入力方法と異なる点は、描画パタンの大きさを変更するステップ(図4のステップS108参照)の後に、描画パタンを掠れモードに変更するステップが追加されている点である。本実施形態に於いては、描画パタンの軌跡をあたかも掠れたように表現するために、第1実施形態の描画パタンとは異なる描画パタンを設定する。
【0073】
図10に於いて、ステップS201乃至S208の処理については、上述の第1実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャート(図4参照)に図示されたステップS101乃至S108と同一であるので、説明を省略する。
【0074】
ここで、図10に図示されたステップS209の処理について、図11乃至13を参照して説明する。図11は、図10に図示されたステップS209のサブルーチンを示すフローチャートである。図12(a)乃至(d)、及び、図13(a)乃至(d)は、本実施形態に於いて第1表示部6に出力される掠れモードの描画パタンの一例に関する図である。また、図14(a)乃至(d)は、本実施形態に於ける掠れモードの描画パタンの軌跡を示す図である。
【0075】
図10のステップS208に於いて、描画パタンの大きさが決定されると、ステップS209に移行する。図11のステップS209aに於いて、CPU15は描画パタンの大きさが閾値以下か否かを判定する。本実施形態に於いては、閾値として、縦10ドット、横10ドットの矩形領域に描画される描画パタンを設定している。ステップS209aに於いて、描画ドットが閾値以下の場合には、ステップS209bに移行する。ステップS209bに於いて、描画パタンを描画する表示ドットの内、縦横1ドットライン分の色が背景色と同一色又は類似色に変更され、ステップS209cに移行する。なお、該背景色の類似色とは、描画パタンを描画する表示ドットの色と背景色の2色を両極とした場合に背景色側に分類される色であり、描画パタンの移動軌跡に於いて、該類似色で点灯した表示ドットと描画パタンを表示する表示ドットの色との色の差異によって、掠れた効果を表現可能な色を意味する。
【0076】
例えば、図12(a)に図示されているように、描画パタンが縦8ドット、横8ドットの矩形領域内に描画される描画ドットであり、背景色が白色、描画パタンが黒色に設定されている場合に於いては、描画パタンの大きさが閾値以下(縦10ドット、横10ドットの矩形領域以下)であるので、図12(b)に図示されているように、斜線部分で図示した縦横1ドットライン分が白色又は白色の類似色に設定される。なお、縦横1ドットライン分の配置に関しては、メモリ11に記憶された所定のプログラムに従って、描画パタンが描画される矩形領域が上下左右の4つの領域に分割され、縦のドットラインが左右2つの領域の何れかに配置され、横のドットラインが上下2つの領域の何れかに配置されるように、ランダムに設定される。
【0077】
図11のステップS209cに於いて、描画パタンを描画する表示ドットの内、所定数の描画ドットが背景色と同一色に変更され、図9に図示されたステップS210に移行する。例えば、図12(c)の例では、斜線部分で図示されたドットが白色又は白色の類似色に設定され、最終的に描画パタンは図12(d)に図示された状態に設定される。本実施形態に於いては、背景色と同一色に変更される描画ドットの数は4つに設定されており、それらの配置はランダムに決定される。
【0078】
反対に、図11のステップS209aに於いて、描画ドットが閾値よりも大きい場合には、ステップS209dに移行する。ステップS209dに於いて、描画パタンを描画する表示ドットの内、縦横2ドットライン分が背景色と同一色に変更され、ステップS209eに移行する。例えば、図13(a)に図示されているように、描画パタンが縦12ドット、横12ドットの矩形領域内に描画される描画ドットであり、背景色が白色、描画パタンが黒色に設定されている場合に於いては、描画パタンの大きさが閾値より大きい(縦10ドット、横10ドットの矩形領域を超える)ので、図13(b)に図示されているように、斜線部分で図示した縦横2ドットライン分が白色に設定される。なお、縦横2ドットライン分の配置に関しては、メモリ11に記憶された所定のプログラムに従って、描画パタンが描画される矩形領域が上下左右の4つの領域に分割され、縦のドットライン2本が左右2つの領域のそれぞれの領域に1本ずつ配置され、横のドットライン2本が上下2つの領域のそれぞれの領域に1本ずつ配置されるように、ランダムに設定される。また、本実施形態に於いては、縦のドットラインが、上下2つの領域を分割して隣接するラインに配置されないように設定され、且つ、横のドットラインが、左右2つの領域を分割して隣接するラインに配置されないように設定され、ドットラインの配置に関するプログラムが構築されている。上下2つの領域を分割して隣接するライン、及び、左右2つの領域を分割して隣接するラインの少なくとも何れかの状態でドットラインが配置された場合、描画パタン内に於いて連続配置される背景色又は背景色の類似色を有するドット面積が大きくなるので、描画パタンの掠れ度合いが過度になる。具体的には、描画パタンの大きさが一定で上下(左右)方向に描画パタンが移動する場合に於いては、縦のドットライン(横のドットライン)は常に背景色又は背景色の類似色が出力され続けるので、該縦のドットライン(横のドットライン)の面積が大きい場合には掠れ度合いが過度になる。したがって、このプログラムによって、描画パタンの掠れ度合いが過度になることを防止することが出来る。
【0079】
図11のステップS209eに於いて、描画パタンを描画するドットの内、所定数の描画ドットが背景色と同一色に変更され、図9に図示されたステップS210に移行する。例えば、図13(c)の例では、斜線部分で図示されたドットが白色又は白色の類似色に設定され、最終的に描画パタンは図13(d)に図示された状態に設定される。本実施形態に於いては、背景色又は背景色の類似色に変更される描画ドットは6つであり、それらの配置はランダムに決定される。
【0080】
図10のステップS210乃至S211については、前述の第1実施形態に係る情報入力変換方法(図4参照)に図示されたステップS109乃至S110と同一であるので、説明を省略する。
【0081】
なお、本実施形態に於ける掠れモードに於いて、描画パタンが縦方向、横方向、斜め方向に移動した際の軌跡は、図14(b)乃至(d)に図示した通りである。図14(a)は、縦8ドット、横8ドットの矩形領域内に描画された掠れモードの描画パタンに関する図である。図14(a)の描画パタンが横方向に第1閾値以上、第2閾値未満の移動速度で移動した場合には、図14(b)のように、白色部分が掠れ効果を表現する。また、図14(a)の描画パタンが縦方向に第1閾値以上、第2閾値未満の移動速度で移動した場合には、図14(c)のように、白色部分が掠れ効果を表現する。また、図14(a)の描画パタンが斜め方向に第1閾値以上、第2閾値未満の移動速度で移動した場合には、図14(d)のように、白色部分が掠れ効果を表現する。このように、描画パタンの移動速度が第1閾値以上、且つ、第2閾値未満の場合、若しくは、第1閾値未満の場合には、移動する描画パタンが重なり合う部分が多くなるので、掠れ度合いが弱くなるように表現されるが、描画パタンの移動速度が第2閾値以上の場合には、描画パタンの大きさが小さく変更され、移動する描画パタンが重なり合う部分が少なくなるので、掠れ度合いが強くなるように表現される。
【0082】
[作用効果]
本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、前述の第1実施形態に係る情報入力変換システムと同様の効果を奏する。
【0083】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、第1表示部6、又は、第2表示部7の画面の垂直方向、及び、水平方向のそれぞれに沿って、描画パタンに於いて描画パタンの表示色と異なる色(背景色又は背景色の類似色)を有するドットラインが描画されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果を表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【0084】
また、本実施形態に係る情報変換システム1によれば、描画パタンの大きさに応じて、描画パタンに描画されるラインの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表現することが出来る。
【0085】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、描画パタンを描画するドットに於いて、所定個数のドットの表示色が、描画パタンの表示色と異なる色(背景色又は背景色の類似色)を有するので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することが出来るとともに、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0086】
また、本実施形態に係る情報入力変換システム1によれば、描画パタンの大きさに応じて描画パタンに含まれるドットの数が変更されるので、描画パタンの連続表示、即ち、押圧位置の軌跡に於いて、掠れの効果をより適切に表現することができ、より手書きに忠実な描画として表示することが出来る。
【0087】
[変形例]
(a)上述の第2実施形態の例では、CPU15がタッチパネル8の押圧位置に対応させて第1表示部6に描画パタンを出力する構成であるが、第2表示部7に描画パタンを出力する構成としても良い。この場合、第2表示部7の鉛直方向上方にタッチパネル8が設置されているので、ユーザがタッチパネル8を押圧した地点に対応する下方の第2表示部7の出力箇所を点灯させることによって、あたかも実際に毛筆を用いて用紙に描画しているかのような効果をユーザにもたらすことができ、より現実に即した入力を実現することが可能となる。
【0088】
(b)また、上述の第2実施形態の例では、2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標データを取得する際に、CPU15が第1表示部6のフィールド切り替え回数のカウントを開始し、フィールド切り替えが所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定することによって異なる時点を計測する構成としたが、CPU15が画面切り替え回数をカウントする代わりに、リアルタイムクロック13を制御して時間を計測させ、所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを判定することによって2つの異なる時点を計測する構成としても良い。なお、CPU15は、所定時間経過後に押圧位置の座標データを取得した時点で、リアルタイムクロック13のカウンタをリセットし、時間を再計測させる構成としても良いし、リアルタイムクロック13が最初に押圧位置を検出した時点から継続して時間を計測させ、設定された所定時間に於いてタッチパネル8に押圧位置を検出させる構成としても良い。
【0089】
(c)また、上述の第2実施形態の例では、押圧位置座標データ、及び、押圧位置軌跡データは、全押圧位置の座標(P11乃至Pmn)に「0」又は「1」を割り当てる構成としたが、該押圧位置座標データに於いて「1」が割り当てられる押圧位置の座標のみを抽出し、該抽出された座標を押圧位置座標データとしてメモリ11に記憶させる構成としてもよい。この時、抽出された2つの異なる時点に於ける押圧位置の座標を用いて、2つの押圧位置の移動速度を算出する。
【0090】
(d)また、上述の第2実施形態の例では、2つの押圧位置間の移動速度に応じて描画パタンの大きさを変更する際に、該移動速度が第1閾値未満であれば、描画パタンの大きさを所定の倍率で拡大する構成とした。この時、2つの押圧位置が同一、即ち、2つの異なる時点で押圧位置が移動しない場合と、押圧位置は移動されたが第1閾値未満である場合の何れの場合であっても、所定の倍率で拡大される。該構成の代わりに、2つの押圧位置が移動しない場合と、2つの押圧位置が移動し、且つ、第1閾値未満である場合とを区別して、異なる描画パタンの大きさに変更する構成としても良い。
【0091】
ここで該変形例について具体的に説明する。該変形例に於ける情報入力変換方法に関するフローチャートは第2実施形態に於ける情報入力変換方法に関するフローチャート(図10参照)と略同一である。しかし、ステップS208のサブルーチンが第2実施形態に於けるステップS208のサブルーチン(図5参照)とは異なるので、ここでは同一部分については説明を省略し、相違点について説明する。図6は、該変形例に係る情報入力方法に関するフローチャートに於けるステップS208のサブルーチンを示すフローチャートであり、図5と同一内容については同一符号を付与している。
【0092】
図6のステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロの場合、即ち、2つの押圧位置間が移動していない場合には、ステップS108iに移動し、描画パタンの大きさを2段階拡大し、ステップS209に移行する。具体的には、移動前の押圧位置に対応させて出力された描画パタンの矩形領域を縦2ドット、横2ドットずつ拡大し、該拡大された矩形領域に対応するように描画パタンの大きさを設定し、ステップS209に移行する。反対に、ステップS108hに於いて、2つの押圧位置間の移動速度がゼロではない場合、即ち、押圧位置が移動する場合には、ステップS108aに移行する。なお、ステップS108a乃至S108gについては、第2実施形態のステップS208に関するサブルーチン(図5参照)と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0093】
実際に毛筆を用いて用紙に文字を書く場合、若しくは、図形を描く場合、毛筆が移動せずに同一地点に固定されている場合には、毛筆が吸収した墨汁が用紙に染み出て描画される点の大きさが拡大する。また、毛筆を同一地点に押しつける場合と、用紙上を移動させる場合では、毛筆が吸収した墨汁が染み出る度合いが異なる。したがって、該変形例のように、2つの押圧位置が移動した場合と移動していない場合について、出力する描画パタンを変更することによって、より現実の毛筆を用いた描画に近い状態を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に関する概略構成図。
【図2】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に関する概略斜視図。
【図3】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於けるタッチパネル8の模式図。
【図4】第1実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャート。
【図5】第1実施形態(第2実施形態)に係る情報入力変換方法に於けるステップS108(S208)に関するサブルーチンを示すフローチャート。
【図6】変形例に係る情報入力変換方法に於けるステップS108(S208)に関するサブルーチンを示すフローチャート。
【図7】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於ける、タッチパネル8上の押圧位置を示す図、押圧位置座標データ及び押圧位置軌跡データに関する図。
【図8】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於ける描画パタンに関する図、及び、描画パタン座標データに関する図。
【図9】第1実施形態に係る情報入力変換システム1に於ける描画パタンの移動軌跡に関する図。
【図10】第2実施形態に係る情報入力変換方法に関するフローチャート。
【図11】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於けるステップS209に関するサブルーチンを示すフローチャート。
【図12】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於ける掠れモード時の描画パタンの一例に関する図。
【図13】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於ける掠れモード時の描画パタンの一例に関する図。
【図14】第2実施形態に係る情報入力変換方法に於ける掠れモード時の描画パタンの移動軌跡に関する図。
【符号の説明】
【0095】
1 情報入力変換システム
2 電子機器
2a 上部筐体
2b 下部筐体
3 タッチペン
4 電源部
5 操作キー
6 第1表示部
7 第2表示部
8 タッチパネル
8a フィルム
8b ITO
8c 絶縁層
8d FPC
8e ドットスペーサ
8f ガラス
9 スピーカ
10 マイク
11 メモリ
12 インターフェイス
12a 記憶媒体
13 リアルタイムクロック
14 通信ユニット
15 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記描画パタン変更手段は、前記移動速度が前記第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを、前記第2閾値以上の場合に縮小する所定の割合よりも大きな割合で縮小させることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定の時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段であって、前記描画パタンの背景色とは異なる表示色で前記描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、
前記描画パタンに前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも一つのラインを含ませる描画調整手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
前記描画調整手段は、前記描画パタンの大きさに応じて前記ラインの数を変更することを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記描画調整手段は、前記描画パタンに、前記背景色と同一色又は類似色のドットをさらに含ませることを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記描画調整手段は、前記描画パタンの大きさに応じて前記ドットの数を変更することを特徴とする、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
押圧位置を検出するタッチパネルと、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて描画パタンを表示手段に出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段と、を備えることを特徴とする情報入力変換システム。
【請求項8】
押圧位置を検出するタッチパネルと、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて、描画パタンを表示手段の画面に背景色とは異なる表示色で出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、
前記描画パタンの大きさに応じて、前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも1つのラインを含ませる描画調整手段と、を備えることを特徴とする情報入力変換システム。
【請求項1】
タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記描画パタン変更手段は、前記移動速度が前記第2閾値よりも速い第3閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを、前記第2閾値以上の場合に縮小する所定の割合よりも大きな割合で縮小させることを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
タッチパネルの押圧位置の移動の軌跡を描画として表示手段に出力させるプログラムであって、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定の時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段であって、前記描画パタンの背景色とは異なる表示色で前記描画パタンを前記表示手段に出力させる出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、
前記描画パタンに前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも一つのラインを含ませる描画調整手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
前記描画調整手段は、前記描画パタンの大きさに応じて前記ラインの数を変更することを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記描画調整手段は、前記描画パタンに、前記背景色と同一色又は類似色のドットをさらに含ませることを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記描画調整手段は、前記描画パタンの大きさに応じて前記ドットの数を変更することを特徴とする、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
押圧位置を検出するタッチパネルと、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて描画パタンを表示手段に出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段であって、前記移動速度が第1閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で拡大させ、前記移動速度が第2閾値以上の場合に、前記描画パタンの大きさを所定の割合で縮小させ、前記移動速度が前記第1閾値以上、且つ、前記第2閾値未満の場合に、前記描画パタンの大きさを維持させる描画パタン変更手段と、を備えることを特徴とする情報入力変換システム。
【請求項8】
押圧位置を検出するタッチパネルと、
所定の時間を計測する時間計測手段と、
前記所定時間ごとに前記押圧位置の座標データを形成する座標データ形成手段と、
前記座標データに対応させて、描画パタンを表示手段の画面に背景色とは異なる表示色で出力させることにより、前記押圧位置の移動の軌跡を描画として前記表示手段に出力する出力手段と、
前記座標データ形成手段が前記所定時間ごとに形成する複数の座標データに基づいて、前記押圧位置の移動速度を算出する速度算出手段と、
前記移動速度に基づいて、前記描画パタンの大きさを変更する描画パタン変更手段と、
前記描画パタンの大きさに応じて、前記表示手段の画面の垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、前記背景色と同一色又は類似色の少なくとも1つのラインを含ませる描画調整手段と、を備えることを特徴とする情報入力変換システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−252141(P2006−252141A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67288(P2005−67288)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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