情報入力装置
【課題】車両の旋回時であっても、直進時と同様な車載機器への操作情報の入力を行うことができる情報入力装置を提供する。
【解決手段】車両を操舵する操舵部60を運転者が叩いて入力した情報を検出し、入力した情報に基づいて被制御機器70に対して操作情報を出力する情報入力装置1であって、操舵部60に発生した振動を測定する振動測定部10RU,10LU,10RD,10LDと、操舵部60の回転角度を測定する回転角測定部20と、振動測定部10RU,10LU,10RD,10LDの測定信号、および、回転角測定部20の測定信号に基づいて、運転者を基準とする操舵部60を叩いた部分である叩き位置を算出する演算部40と、算出された叩き位置に対応する操作情報に係る制御信号を被制御機器70に出力する制御部45と、が設けられていることを特徴とする。
【解決手段】車両を操舵する操舵部60を運転者が叩いて入力した情報を検出し、入力した情報に基づいて被制御機器70に対して操作情報を出力する情報入力装置1であって、操舵部60に発生した振動を測定する振動測定部10RU,10LU,10RD,10LDと、操舵部60の回転角度を測定する回転角測定部20と、振動測定部10RU,10LU,10RD,10LDの測定信号、および、回転角測定部20の測定信号に基づいて、運転者を基準とする操舵部60を叩いた部分である叩き位置を算出する演算部40と、算出された叩き位置に対応する操作情報に係る制御信号を被制御機器70に出力する制御部45と、が設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力装置に関し、特に、車両の操舵に用いられるステアリングに設けられて好適な情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの車両には、カーステレオや、カーナビゲーションシステムなどの搭載される車載機器の種類が増加するとともに、これら車載機器を操作する情報の入力方法も複雑化しつつある。例えば、車載機器に対する操作の種類に応じた複数のボタンが設けられている場合には、車載機器を操作する車両の運転者は、操作の順序に沿って複数のボタンを順に押下する必要があり、運転者への負担が大きいという問題があった。さらに、運転者の一方の手は車載機器への操作情報の入力に用いられ、他方の手は車両の操舵に用いられるという状況が長く続くことにもなり、運転者への負担が更に大きくなるという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、運転者がステアリングホイールから手を離すことなく、車載機器に対する操作情報を入力することができる情報入力装置が提案されている(例えば、特許文献1から3まで参照)。
【0004】
特許文献1および2には、ステアリングホイールの把持部(運転者が握る部分)内に圧電センサが設けられたステアリング入力装置が開示されている。このステアリング入力装置では、ステアリングホイールに対する荷重のかけ方や、ステアリングホイールにかける荷重の大きさに基づいて入力される操作の情報を区別し、車載機器へ複数の操作情報を出力することができる。
【0005】
特許文献3には、ステアリングホイールを伝わる音波を検出する音波検出手段が設けられた情報入力装置が開示されている。この情報入力装置では、ステアリングホールを右回りに伝わる音波が検出されるタイミング、および、左回りに伝わる音波が検出されるタイミングの時間差に基づいて、ステアリングホイールにおける叩かれた(タップされた)位置を求めることができる。そして、ステアリングホイールをタップした位置と、車載機器へ出力する操作情報とを予め対応付けておくことにより、特許文献3の情報入力装置は、車載機器へ所望の操作情報を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−228126号公報
【特許文献2】特開2000−182464号公報
【特許文献3】特開2009−262710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1から3までに記載のステアリング入力装置では、ステアリングホイールにおける荷重をかけた位置や、叩いた位置と、車載機器への所望の操作情報とを対応付けることにより、入力可能な操作情報の数や種類を増やす技術が開示されている。
【0008】
しかしながら、ステアリングホイールの位置と、所望の操作情報とを対応付ける方法では、以下に述べる問題があった。
つまり、車両を旋回させるためにステアリングホイールを回転させると、所望の操作情報と対応付けられたステアリングホイールの位置も同時に回転する。すると、運転者は所望の操作情報を入力するために、ステアリングホイールのどの位置に荷重をかける、または、どの位置を叩けばよいのか、直ちに把握することができないという問題があった。
【0009】
言い換えると、ステアリングホイールを回転させる際に、運転者はステアリングホイールを持ち替える場合が多い。ステアリングホイールを持ち替えると、ステアリングホイールを握る運転者の手と、所望の操作情報と対応付けられたステアリングホイールの位置と、の相対位置の関係が変わり、運転者は所望の操作情報と対応付けられたステアリングホイールの位置を、見失いやすくなるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、車両の旋回時であっても、直進時と同様な車載機器への操作情報の入力を行うことができる情報入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の情報入力装置は、回転軸まわりに回転させることにより車両を操舵する操舵部を運転者が叩いて入力した情報を検出し、該入力した情報に基づいて、被制御機器に対して操作情報を出力する情報入力装置であって、前記運転者が叩いたことにより前記操舵部に発生した振動を測定する少なくとも2つ以上の振動測定部と、前記操舵部の回転角度を測定する回転角測定部と、前記振動測定部の測定信号、および、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記運転者を基準とする前記操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出する演算部と、前記叩き位置に対応する前記操作情報が予め記憶されているとともに、前記演算部により算出された前記叩き位置に対応する前記操作情報を、前記予め記憶された対応に基づいて選択し、選択した前記操作情報に係る制御信号を前記被制御機器に出力する制御部と、が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の情報入力装置によれば、演算部において運転者を基準とする操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出し、この叩き位置に基づいて、予め定められた対応する操作情報に係る制御信号が被制御機器に出力される。そのため、運転者は自らの上下左右の方向を基準として、所望の操作情報に対応する操舵部の部分の位置を叩くことによって、所望の操作情報を入力することができる。
【0013】
例えば、操舵部の上下左右方向を基準とする操舵部を叩いた部分に基づいて、対応する操作情報に係る制御信号を被制御機器に出力する場合には、操舵部の回転に応じて所望の操作情報に対応する操舵部の部分も回転移動する。すると、運転者は、所望の操作情報に対応する操舵部の部分を把握することが困難となり、所望の操作情報を入力することが難しくなる。
【0014】
これに対して、本発明の情報入力装置は、操舵部の回転によって所望の操作情報に対応する操舵部の部分が回転移動することがないため、運転者は、所望の操作情報に対応する操舵部の部分を容易に把握することができ、所望の操作情報を容易に入力することができる。
【0015】
上記発明において前記演算部は、前記振動測定部の測定信号に基づいて、前記操舵部を基準とする前記操舵部が叩かれた位置である検出位置を算出し、その後、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記検出位置を前記叩き位置に変換することが望ましい。
【0016】
このように、演算部において叩き位置を算出する際に、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換することにより、叩き位置を直接に算出する方法と比較して、叩き位置を算出する演算処理が容易となる。
【0017】
つまり、操舵部の上下左右の方向を基準とした検出位置を、操舵部の回転とともに回転する振動測定部から出力される測定信号に基づいて算出する際の演算処理は、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。さらに、検出位置を叩き位置に変換する演算処理も、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。そのため、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換することにより、叩き位置を算出する演算処理が容易となり、叩き位置をより迅速に求めることができる。
【0018】
上記発明において前記演算部には、前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置の関係を定めたテーブルが予め記憶され、前記テーブル、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を求めることが望ましい。
【0019】
このように、操舵部の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めたテーブルを用いることにより、これら三者の関係を定めた関係式を用いる方法と比較して、検出位置から叩き位置への変換の際に必要される演算処理の量が少なくなる。
【0020】
上記発明において前記演算部には、前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置との関係を定める関係式が予め記憶され、前記関係式、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を算出することが望ましい。
【0021】
このように、操舵部の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めた関係式を用いることにより、これら三者の関係を定めたテーブルを用いる方法と比較して、関係式を記憶させるのに必要な容量を少なくすることができる。
【0022】
上記発明において前記回転角測定部は、前記操舵部における前記回転軸の回転角度を測定する回転角センサであることが望ましい。
このように、操舵部の回転を車両の前輪等に伝える回転軸の回転角度を測定する回転角センサを回転角測定部とすることにより、他の測定手段を回転角測定部とする場合と比較して、操舵部の回転角度をより正確に測定することができる。
【0023】
上記発明において前記回転角測定部は、前記操舵部を回転させた際に前記操舵部に働く反力を測定し、測定された前記反力の大きさに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることが望ましい。
【0024】
このように、操舵部を回転させた際に、操舵部を元の位置に戻す方向に働く反力の大きさを測定することにより、操舵部の回転角度を推定することができる。一般に、車両は旋回走行状態から直進走行状態に戻る際に、前輪を直進走行状態に戻しやすくなるようにホイールアライメントが調整されている。言い換えると、旋回方向に向けられた前輪には、直進方向に向ける力が働き、この力が反力として操舵部に伝えられる。反力の大きさは、前輪における旋回方向への回転角度、言い換えると操舵部の回転角度に応じて変化する。そのため、反力の大きさを測定することにより、操舵部の回転角度を推定することができる。
【0025】
上記発明において前記回転角測定部は、前記操舵部を撮影すると共に、前記操舵部の画像データに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることが望ましい。
このように、操舵部を撮影した画像データに基づいて、画像解析などの演算処理を行うことにより、操舵部の回転角度を推定することができる。操舵部を撮影する手段としては、車室内の状況を撮影するセキュリティ用のカメラなど、他の用途に用いられるカメラを共用してもよいし、操舵部を主に撮影する専用のカメラを用いてもよい。
【0026】
上記発明において前記回転角測定部は、前記運転者の動きを測定し、測定した前記運転者の動きから前記操舵部の回転角度を推定するものであることが望ましい。
このように、運転者の動きをモーションセンサなどの手段を用いて測定し、測定した運転者の動きの中から操舵部を回転させる動きを特定することにより、操舵部の回転角度を推定することができる。運転者の動きを測定する手段としては、他の用途に用いられるモーションセンサを共用してもよいし、回転角測定部にのみ用いられる専用のモーションセンサを用いてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の情報入力装置によれば、演算部において運転者を基準とする操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出し、この叩き位置に基づいて、予め定められた対応する操作情報に係る制御信号を被制御機器に出力するため、運転者は自らの上下左右の方向を基準として、所望の操作情報に対応する操舵部の部分の位置を叩くことによって、所望の操作情報を入力することができる。言い換えると、車両の旋回時であっても、直進時と同様な車載機器への操作情報の入力を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報入力装置の概略を説明する模式図である。
【図2】図1のステアリング部の構成およびセンサ部の配置を説明する模式図である。
【図3】図3のセンサ部の配置状態を説明する模式図である。
【図4】スポークに対するセンサ部の取り付け状態を説明する断面視図である。
【図5】図1の情報入力装置における車載機器の制御を説明するフローチャートである。
【図6】図5の叩き推定処理における処理内容を説明するフローチャートである。
【図7】入力用センサ部から演算部に入力される測定信号の時間変化を説明するグラフである。
【図8】ステアリングホイールが叩かれた位置と、入力用センサ部が振動を測定した時間差との関係を説明するテーブルの図である。
【図9】叩き位置認識の処理内容を説明するフローチャートである。
【図10】ステアリングホイールの回転角度および検出位置と、運転者を基準とした叩き位置との関係を説明するテーブルの図である。
【図11】車載機器制御の処理内容を説明するフローチャートである。
【図12】叩き位置と、制御対象および制御量との対応を説明するテーブルの図である。
【図13】図5の制御対象切替処理における車載機器の切替えを説明する図である。
【図14】図5の設定内容変更処理における処理内容を説明するフローチャートである。
【図15】図2のステアリング部の別の実施例を説明する模式図である。
【図16】本実施形態の情報入力装置における叩き位置認識の処理内容を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係る情報入力装置1について、図1から図14を参照して説明する。本実施形態の情報入力装置1は、図1の概略構成を説明する模式図に示すように、車両の操舵に用いられるステアリング部(操舵部)60に設けられたものであり、車両のさまざまな車載機器(被制御機器)70の操作に用いられるものである。
【0030】
情報入力装置1には、操作情報の入力に用いられる入力用センサ部(振動測定部)10RU,10LU,10RD,10LDと、ステアリング部60の回転角度を測定する回転角センサ部(回転角測定部)20と、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDおよび回転角センサ部20から出力された信号の処理を行う信号処理部30と、処理された信号に基づいて運転者を基準としたステアリング部60の叩き位置を算出する演算部40と、算出された叩き位置に対応する操作情報を判別し、車載機器70へ制御信号を出力する制御部45と、車載機器の動作状態を運転者に伝える表示部50と、が主に設けられている。
【0031】
ステアリング部60には、軸線まわりに回転可能に支持されたステアリングシャフト(回転軸)61と、円環状に形成された把持部であるステアリングホイール62と、ステアリングシャフト61およびステアリングホイール62をつなぐ接続部であるスポーク63と、が主に設けられている。本実施形態では、ステアリング部60の構成を説明する図2(a)および図3に示すように、スポーク63がπの字型に4本設けられたステアリング部60に情報入力装置1が設けられている例に適用して説明する。
【0032】
ステアリングホイール62は運転者が把持するものであり、ステアリングホイール62をステアリングシャフト61まわりに回転させることにより車両の操舵を行うものである。図2(a)に示すように、ステアリングホイール62には、周方向に並ぶ8つの区間が定められており、上端から右回りに(時計回りに)区間A,区間B,区間C,区間D,区間E,区間F,区間G,区間Hが定められている。これら区間Aから区間Hまでは、ステアリングホイール62を基準とした位置である、言い換えると、ステアリングホイール62そのものに直接に割り当てられたものである。そのため、ステアリングホイール62が回転すると、その回転に従って区間Aから区間Hまでもステアリングホイール62の回転に従って回転する(図2(b)参照)。
【0033】
その一方で、運転者からステアリングホイール62を見た場合、運転者を基準として、周方向に並ぶ8つの領域が定められており、上端から右回りに(時計回りに)「上」領域、「右上」領域、「右」領域、「右下」領域、「下」領域、「左下」領域、「左」領域、「左上」領域が定められている。これら「上」領域から「左上」領域までは、運転者を基準とした領域であり、ステアリングホイール62が回転しても、これら領域の位置は回転移動しない(図2(b)参照)。
【0034】
ステアリングホイール62やスポーク63は、その断面における中心に鉄などの金属製の骨組みが配置され、骨組みの周囲にウレタンなどの弾力性を有する材料が配置され、外面にカバーが配置されている。ステアリングホイール62の回転は、スポーク63によりステアリングシャフト61に伝えられ、ステアリングシャフト61から、車両の操舵機構(図示せず)に伝達される。
【0035】
入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDは、振動を電気信号に変換する圧電素子を用いたものであり、図1に示すように、変換した電気信号を測定信号として信号処理部30へ出力するものである。
【0036】
入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDは、図1および図2に示すように、ステアリング部60のスポーク63のそれぞれに設けられたものであり、ステアリングホイール62からスポーク63に伝わる振動を測定するものである。そのため、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDは、スポーク63のうち、ステアリングホイール62とつながる部分の近傍に配置されていることが望ましい。
【0037】
スポーク63に対する入力用センサ部10RUの取り付け状態を説明する図4に示すように、振動の測定感度を高めることを目的として、入力用センサ部10RUはスポーク63における骨組み64の上面に配置されている。そのため、入力用センサ部10RUは、カバー65等に覆われて外部から目視することができない。なお、図4では入力用センサ部10RUのみを例示しているが、その他の入力用センサ部10LU,10RD,10LDについても同様に配置されている。
【0038】
本実施形態では運転者から見て、右横に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10RUが配置され、左横に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10LUが配置され、右下に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10RDが配置され、左下に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10LDが配置されている例に適用して説明する。
【0039】
回転角センサ部20は、図1に示すように、ステアリング部60のステアリングシャフト61に設けられたものであり、ステアリングシャフト61の回転角度、言い換えるとステアリング部60の回転角度を測定するものである。なお、本実施形態の回転角センサ部20として利用できるものとしては、錘を利用した角度センサや、光電方式のロータリエンコーダや、磁気方式のロータリエンコーダや、静電容量の変化を捉えるロータリエンコーダや、電気的導通を捉えるロータリエンコーダ等の公知のセンサを例示することができる。
【0040】
信号処理部30は、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDおよび回転角センサ部20から出力された測定信号を、制御部45に入力できる形式の信号に処理するものである。信号処理部30には、図1に示すように、測定信号の振幅を増幅させる増幅部31と、アナログ信号である測定信号をデジタル信号に変換するA/D変換部32と、が設けられている。増幅部31およびA/D変換部32としては、公知のものを用いることができ、その種類を特に限定するものではない。
【0041】
演算部40および制御部45は、内蔵された記憶装置に書き込まれた各種のプログラムを読み込み、実行することにより各種の情報の演算処理を行う演算処理装置である。
演算部40は、運転者がステアリングホイール62を叩いた際に、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力された測定信号に基づいて、運転者を基準とするステアリングホイール62の叩き位置、言い換えると図2(a)および図2(b)における「上」領域から「左上」領域までのいずれかを算出するものである。なお、叩き位置の算出方法については後述する。
【0042】
制御部45は、演算部40により算出された叩き位置に対応する操作情報を特定し、特定した操作情報に係る制御信号を車載機器70に出力するものである。さらに、制御部45は、制御信号を出力した車載機器70から動作状態を示す信号を受け取り、当該動作状態を運転者に知らせる制御信号を表示部50に出力するものである。
【0043】
制御部45には、上述の信号処理部30の他に、フットレストスイッチ46から信号が入力されている。
フットレストスイッチ46は、車載機器70に対する操作の内容を、動作の制御および設定の変更の間で選択するスイッチである。運転者がフットレストスイッチ46を足で踏むことにより、車載機器70における動作の制御を行うモード、または、設定の変更を行うモードに切り替える選択信号が制御部45に出力される。例えば、フットレストスイッチ46を踏む毎に、動作の制御を行うモードおよび設定の変更を行うモードに交互に切り替わる。
【0044】
さらに、制御部45と車載機器70との間には制御用バス47が設けられ、制御部45から出力される制御信号を車載機器70に伝えるとともに、車載機器70から出力される動作状態を示す信号を制御部45に伝えることが可能とされている。
【0045】
表示部50は、運転者に対して種々の情報を伝達するものであり、制御部45から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、車載機器70の動作状態を画像として表示するものである。なお、車載機器70の動作状態を運転者に伝達する方法としては、上述の画像などの視覚を介した伝達方法のほかに、音声などの聴覚を介した伝達方法や、振動などの触覚を介した伝達方法を用いてもよく、特に限定するものではない。
【0046】
本実施形態における車載機器70には、図1に示すように、エアコン71や、カーステレオ72や、電子音源73や、ナビ74や、方向指示器75や、AT(Automatic Transmission)シフト76や、ACC(Adaptiv Cruise Control)77が含まれる。なお、ここに列記したものは例示であって、これら全てを含む必要はない。さらに、ここに列記したもの以外のものが含まれていてもよい。
【0047】
次に、本実施形態に係る情報入力装置1における車載機器70の制御方法について説明する。図5は、図1の情報入力装置1における車載機器70の制御を説明するフローチャートである。
【0048】
まず、情報入力装置1に対して電力が供給されているか否かを判定し(S11)、電力が供給されていない場合(NOの場合)には、電力が供給されるまで待機し続ける。情報入力装置1に対して電力が供給されると(YES)、制御部45は、その時点における操作対象、言い換えると制御部45から制御信号が出力される車載機器70を、表示部50に表示させる制御信号を出力する。同時に制御部45は、操作対象の車載機器70における動作状態に係る信号を車載機器70から受け取り、当該動作状態を表示部50に表示させる制御信号を出力する(S12)。
【0049】
例えば、操作対象の車載機器70がエアコン71の場合には、表示部50に操作対象がエアコン71であることを示す表示と、エアコン71の動作状態を示す表示がされる(エアコン_温度25℃_風量弱)。
【0050】
その後、制御部45は、フットレストスイッチ46が操作される(ONされる)ことにより車載機器70に対する操作の内容を選択する選択信号が入力されたか否かを判定する(S13)。フットレストスイッチ46が操作されていない場合(NOの場合)には、制御部45は、叩き推定処理を開始する(S14)。
【0051】
図6に示す叩き推定処理での処理内容を表すフローチャートのように、制御部45は、入力用センサ部10RUから測定信号が入力されたか否かの判定(S101)を行い、入力用センサ部10RUから測定信号が入力されていた場合(YESの場合)には、当該測定信号の波形を記憶部(図示せず)に記憶させる(S102)。波形の記憶とは、振動が測定された時刻と、振動の振幅を記憶することである。
【0052】
同様に、入力用センサ部10LU,10RD,10LDから、測定信号が入力されたか否かの判定(S103,S105,S107)を行い、入力用センサ部10LU,10RD,10LDから測定信号が入力されていた場合(YESの場合)には、当該測定信号の波形を記憶部(図示せず)に記憶させる(S104,S106,S108)。
【0053】
次に、制御部45は、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDの全てから測定信号が入力されているか否かを判定する(S109)。全ての入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから測定信号が入力されていない場合(NOの場合)には、制御部45は、S101に戻り、叩き推定処理を繰り返し行う。
【0054】
S109において、全ての入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから測定信号が入力されている場合(YESの場合)には、制御部45は、演算部40において、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから入力された測定信号に基づいて、叩かれた区間である検出位置の識別を行う処理を実行させる(S110)。
【0055】
例えば、図2(a)に示す状態のステアリングホイール62の上端、言い換えると区間Aが叩かれた場合には、図7に示すように、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから、振動の測定信号が演算部40に入力される。
【0056】
区間Aを叩かれることにより発生したステアリングホイール62の振動は、ステアリングホイール62を右回りおよび左回りに伝わり、叩かれてからt1時間後に、区間Aから等しい距離にある左右の入力用センサ部10RU,10LUに最初かつ同時に測定される。さらにステアリングホイール62を伝わった振動は、叩かれてからt2時間後に、左下および右下の入力用センサ部10RD,10LDに同時に測定される。
【0057】
演算部40は、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDの間の振動が測定された時間の差、言い換えると、振動を測定した順番に基づいて、ステアリングホイール62におけるどの区間が叩かれたのか推定する処理を実行する。
【0058】
演算部40には、図8に示すようなステアリングホイール62が叩かれた位置と、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDが振動を測定した時間差、言い換えると、振動を測定した順番との関係を表すテーブルが、予め記憶されている。上述のように、最初に左右の入力用センサ部10RU,10LUで振動が測定されてから、次に左下および右下の入力用センサ部10RD,10LDで振動が測定された場合には、演算部40は、区間Aが叩かれたと推定する。
【0059】
演算部40において、ステアリングホイール62における叩かれた位置である検出位置が求められると、図6に示すように、演算部40が検出位置を正しく識別したか否かが判別される(S111)。判別は、演算部40に予め記憶された図8のテーブルの内容と、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力された測定信号と、を比較することにより行われる。
【0060】
なお、上述のように入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDが振動を測定した時間差に基づいて検出位置を推定してもよいし、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDにより測定された振幅の大きさに基づいて検出位置を推定してもよく、特に限定するものではない。
【0061】
比較により、S110において識別した検出位置、例えば区間Aが、正しく識別されていなかったと演算部40において判別された場合(NOの場合)には、演算部40によって、エラー表示を行う処理が実行される(S112)。エラー表示としては、例えば、ステアリングホイール62の叩き位置を正しく認識できなかったことを運転者に伝える情報が、表示部50に表示される。
【0062】
その一方で、S110において識別した検出位置、例えば区間Aが、正しく識別されたと演算部40において判別された場合(YESの場合)には、演算部40は、最大振幅を測定する処理を実行する(S113)。具体的には、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから入力された測定信号の中から、振動の振幅が最も大きい測定信号を選択し、振動の最大振幅を求める処理を実行する。
【0063】
その後、演算部40は、ステアリングホイール62の上下左右方向を基準とした検出位置から、運転者の上下左右方向を基準とした叩き位置を認識する処理を実行する(S114)。具体的には、図9に示す叩き位置認識の処理内容を表すフローチャートのように、回転角センサ部20から出力されたステアリングホイール62の回転角度の情報である測定信号を取得する(S121)。
【0064】
回転角センサ部20から回転角度に係る測定信号が入力された演算部40は、角度に係る測定信号、および、S110において識別した検出位置(例えば、区間A)から、運転者を基準とした叩き位置を選択する処理を実行する(S122)。演算部40には、図10に示すように、ステアリングホイール62の回転角度、および、検出位置と、運転者を基準とした叩き位置との関係を予め定めたテーブルが記憶されている。
【0065】
ステアリングホイール62の回転角度は、図2(a)に示す状態、言い換えると、車両が直進する状態を0°として、右回転の角度を「+」の角度、左回転の角度を「−」の角度で表している。例えば、図2(b)は、ステアリングホイール62が、+90°の回転角度だけ回転された状態を示している。
【0066】
まず、ステアリングホイール62が図2(a)に示す状態の場合に行われるS122の処理について説明し、次に図2(b)に示す状態の場合に行われる処理について説明する。
【0067】
ステアリングホイール62が図2(a)に示す状態の場合に、運転者がステアリングホイール62の一番上の部分を叩くと、演算部40では、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDの測定信号に基づいて、検出位置が区間Aであると推定する。また、回転角センサ部20からステアリングホイール62の回転角度が0°であるとの測定信号(角度情報)が演算部40に入力される。
【0068】
演算部40は、これらの検出位置(区間A)および回転角度(0°)と、図10に示すテーブルとに基づいて、対応する運転者を基準とした叩き位置を選択する処理を行う。この場合では、検出位置「A」の行と、ステアリングホイール62の回転角度「−22.5°〜22.5°」の列とが交差する「上」領域が選択される。
【0069】
また、ステアリングホイール62が図2(b)に示す状態の場合に、運転者がステアリングホイール62の一番上の部分を叩くと、演算部40では、検出位置が区間Gであると推定する。また、回転角センサ部20からステアリングホイール62の回転角度が90°であるとの測定信号が演算部40に入力される。演算部40は、これらの検出位置(区間G)および回転角度(90°)と、図10に示すテーブルとに基づいて、検出位置「G」の行と、ステアリングホイール62の回転角度「−67.5°〜112.5°」の列とが交差する「上」領域を、運転者を基準とした叩き位置として選択する。
【0070】
上述のように演算部40において叩き位置を選択する処理が完了すると、図6に戻り、制御部45による車載機器を制御する処理が行われる(S115)。車載機器制御処理は、図11に示すフローチャートに従って実行されるものである。まず、制御部45は、演算部40において推定された叩き位置、および、図6のS113において記憶された最大振幅幅の判別を行い、車載機器70に対して出力する制御内容、および、制御量の選択を行う(S131)。
【0071】
制御部45には、図12に示すような叩き位置と、制御対象および制御量との対応を定めたテーブル(表)が予め記憶されている。制御部45は、推定された叩き位置、および、図13のテーブルに基づいて、制御対象を選択する。更に制御部45は、選択された制御対象の制御量がonやoff以外の程度を指定するもの(音量など)の場合には、S113で測定された振幅の最大値に応じた制御量を定める。
【0072】
具体的には、カーステレオ(図12では「カーステ」と表記されている。)72を制御する場合には、アルバムの選曲や、曲の変更や、音量の変更が制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)ことが制御量となっている。ACC77を制御する場合には、車両の走行速度を上げる(スピードUPする)ことや、走行速度を落とす(スピードDOWNする)ことが制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)ことが制御量となっている。方向指示器75を制御する場合には、右折を意味するウインカの点滅や、左折を意味するウインカの点滅や、ハザードを意味する左右のウインカの同時点滅などが制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)こと、停止する(off)ことが制御量となっている。
【0073】
エアコン71を制御する場合には、空調された空気の吹き出し口の変更や、車室内の目標温度の変更や、吹き出される空気の風量の変更などが制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)ことが制御量となっている。ナビ74を制御する場合には、表示される画像(例えば地図画像)のスクロール方向(上、下、右、左等)が制御対象であり、制御対象の動作を行う(スクロールする)ことが制御量となっている。
【0074】
電子音源73を制御する場合には、合いの手(特願2010−049324参考)や、各音源(音源A,音源B,…,音源G)が制御対象であり、合いの手を入れる、入れない(on,off)や、各音源の音量が制御量となっている。音量はステアリングホイール62を叩く強さ、言い換えると各センサ部により測定される振動の振幅の大きさに基づいて制御される。
【0075】
ATシフト76を制御する場合には、変速機であるトランスミッションの変速段であるシフトが制御対象であり、変速段を減速比の低い段に変更(シフトUP)する、減速比の高い段に変更(シフトDOWN)する、が制御量となっている。この場合、ステアリングホイール62の回転角度に関わらず、ステアリングホイール62の右側である「右上」、「右」、「右下」領域を運転者が叩くと、シフトUPが対応し、左側である「左上」、「左」、「左下」領域を運転者が叩くと、シフトDOWNが対応している。
【0076】
その後、制御部45は、選択された制御内容および制御量に係る制御信号を生成し、生成した制御信号を対応する車載機器70に向けて出力する(S132)。なお、この制御信号のみでは、車載機器70は動作を実行することがなく、後述する制御の実行に係る制御信号が入力されて、初めて、車載機器70は制御内容を実行する。
【0077】
図5に戻り、制御部45は、制御状況の更新処理を実行する(S15)。具体的には、制御部45は、それまで出力していた制御信号に基づいて、車載機器70の動作を開始させる制御信号を出力する。
【0078】
当該制御信号を出力すると、制御部45は、情報入力装置1の電源がOFFになっているか否かの判定を行う(S16)。電源がOFFされている場合(YESの場合)には、S11に戻り、上述の処理を繰り返して行う。電源がOFFされていない場合(NOの場合)には、S12に戻り、上述の処理を繰り返して行い、S12では、更新された車載機器70の動作状況が表示部50に表示される。これにより、運転者に操作情報の入力結果がフィードバックされる。
【0079】
上述のS13における判定において、フットレストスイッチ46が操作されている場合(YESの場合)における処理について説明する。この場合、制御部45は、制御対象の切替え処理を開始する(S17)。
【0080】
例えば、左横に延びるスポーク63が運転者によって叩かれると、制御部45には叩かれたことにより発生した振動を測定した測定信号が入力用センサ部10LUから入力される。すると、制御部45は、図13に示す車載機器70の切替え順序に従って、制御信号が入力される度に制御の対象である車載機器70を変更していく。図13では、上側に記載された車載機器70から下側に記載された車載機器70へ、制御の対象が変わる例が示されている。また、図13では、ユーザが制御対象を設定できるユーザ設定1およびユーザ設定2も設けられている。
【0081】
制御対象である車載機器70が切り替えられると、制御部45は、制御対象である車載機器70の設定の変更を行うか否かの判定を行う(S18)。例えば、右横に延びるスポーク63が運転者によって叩かれたか否かにより判定が行われる。設定の変更が行われない場合(NOの場合)には、S12に戻り、上述の制御が繰り返される。
【0082】
その一方で、設定の変更が行われた場合(YESの場合)には、さらに制御部45は、車両が停車中であるか否かの判定を行う(S18)。例えば、制御部45は、車速センサから出力される測定信号に基づいて、車両が停車しているのか、走行しているのかを判定する。車両が走行していると判定された場合(NOの場合)には、制御部45は、表示部50にエラーを表示させる制御信号を出力する(S19)。そして、S13に戻って上述の処理を繰り返し行う。
【0083】
車両が停車していると判定された場合(YESの場合)には、制御部45は設定内容変更処理を開始する(S20)。設定内容変更処理とは、ステアリングホイール62における運転者を基準とした各領域(上、下、右、左、右上、右下、左上、左下)に割り当てられた制御対象を変更する処理である。
【0084】
図14に示す設定内容変更処理における処理内容を表すフローチャートのように、制御部45は、運転者により叩かれたステアリングホイール62の部分を推定するホイール叩き推定処理を開始する(S141)。なお、ここで行われる処理は、S14で行われたステアリングホイール叩き推定処理におけるS101からS115までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0085】
S141の処理でステアリングホイール62の叩かれた部分である叩き位置が推定されると、制御部45は、表示部50に推定された叩き位置を表示する制御信号を出力し、運転者に確認を求める。運転者は表示部50に表示された叩き位置が正しければ、その叩き位置を選択する操作情報を制御部45に入力する(S142)。
【0086】
その後、制御部45には、選択された叩き位置に対して新しく割り当てる制御内容が入力される(S143)。例えば、運転者が対象である車載機器70における機能(制御内容)を選択するスイッチを押下することにより、新しく割り当てる制御内容が入力される。
【0087】
新しく割り当てられる制御内容が入力されると、制御部45は、選択された叩き位置に、入力された新たな制御内容を割り当て、叩き位置と制御内容との対応を定めた表(テーブル)の内容の更新を行う(S144)。さらに、制御部45は、更新された叩き位置と制御内容とを、表示部50に表示する制御信号を出力する(S145)。その後、図5に示すS12に戻り、上述の処理を繰り返し行う。
【0088】
上記の構成の情報入力装置1によれば、演算部40において運転者を基準とするステアリングホイール62を叩いた部分である叩き位置を算出し、この叩き位置に基づいて、予め定められた対応する操作情報に係る制御信号が車載機器70に出力される。そのため、運転者は自らの上下左右の方向を基準として、所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分の位置を叩くことによって、所望の操作情報を入力することができる。
【0089】
例えば、ステアリングホイール62の上下左右方向を基準とするステアリングホイール62を叩いた部分に基づいて、対応する操作情報に係る制御信号を車載機器70に出力する場合には、ステアリングホイール62の回転に応じて所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分も回転移動する。すると、運転者は、所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分を把握することが困難となり、所望の操作情報を入力することが難しくなる。
【0090】
これに対して、本実施形態の情報入力装置1は、ステアリングホイール62の回転によって所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分が回転移動することがないため、運転者は、所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分を容易に把握することができ、所望の操作情報を容易に入力することができる。言い換えると、車両の旋回時であっても、直進時と同様に、車載機器70に対する操作情報の入力を行うことができる。
【0091】
演算部40では、叩き位置を算出する際に、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換している。そのため、叩き位置を直接に算出する方法と比較して、叩き位置を算出する演算処理が容易となる。
【0092】
つまり、ステアリングホイール62の上下左右の方向を基準とした検出位置を、ステアリングホイール62の回転とともに回転する入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力される測定信号に基づいて算出する際の演算処理は、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。さらに、検出位置を叩き位置に変換する演算処理も、ステアリングホイール62の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めたテーブルを用いることにより行うことができるため、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。そのため、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換することにより、叩き位置を算出する演算処理が容易となり、叩き位置をより迅速に求めることができる。
【0093】
ステアリングホイール62の回転を車両の前輪等に伝えるステアリングシャフト61の回転角度を回転角センサ部20で測定することにより、下記の測定方法によってステアリングホイール62の回転角度を測定する場合と比較して、ステアリングホイール62の回転角度をより正確に測定することができる。
【0094】
なお、上述の実施形態のように、ステアリングホイール62の回転角度を回転角センサ部20により測定してもよいし、ステアリングホイール62を回転させた際にステアリング部60に働く反力を測定し、測定された反力の大きさに基づいてステアリングホイール62の回転角度を推定してもよい。
【0095】
一般に、車両は旋回走行状態から直進走行状態に戻る際に、前輪を直進走行状態に戻しやすくなるようにホイールアライメントが調整されている。言い換えると、旋回方向に向けられた前輪には、直進方向に向ける力が働き、この力が反力としてステアリングホイール62に伝えられる。反力の大きさは、前輪における旋回方向への回転角度、言い換えるとステアリングホイール62の回転角度に応じて変化する。そのため、反力の大きさを測定することにより、ステアリングホイール62の回転角度を推定することができる。
【0096】
また、ステアリングホイール62を撮影した画像データに基づいて、ステアリングホイール62の回転角度を推定してもよい。
つまり、ステアリングホイール62を撮影した画像データに対して画像解析などの演算処理を行うことにより、ステアリングホイール62の回転角度を推定することができる。ステアリングホイール62を撮影する手段としては、車室内の状況を撮影するセキュリティ用のカメラなど、他の用途に用いられるカメラを共用してもよいし、ステアリングホイール62を主に撮影する専用のカメラを用いてもよい。
【0097】
さらに、運転者の動きを測定して、この動きからステアリングホイール62の回転角度を推定してもよい。
つまり、運転者の動きをモーションセンサなどの手段を用いて測定し、測定した運転者の動きの中からステアリングホイール62を回転させる動きを特定することにより、ステアリングホイール62の回転角度を推定することができる。運転者の動きを測定する手段としては、他の用途に用いられるモーションセンサを共用してもよいし、ステアリングホイール62の回転角度を測定する専用のモーションセンサを用いてもよい。
【0098】
また、上述の実施形態では、ステアリング部60として、4本のスポーク63を備えたものに適用して説明したが、スポーク63の数は4本に限られることなく、図15に示すように3本のスポーク63を備えたものであってもよく、その本数を限定するものではない。図15に示すステアリング部60の場合には、左右の入力用センサ部10RU,10LUと、下の入力用センサ部10Dの3つのセンサが設けられている。
【0099】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図16を参照して説明する。
本実施形態の情報入力装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、演算部においてステアリングホイールを基準とした区間(検出位置)から、運転者を基準とした領域(叩き位置)への変換処理の内容が異なっている。よって、本実施形態においては、図16を用いて上述の変換処理についてのみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
【0100】
本実施形態において、情報入力装置1の演算部40は、第1の実施形態と同様に、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力された測定信号に基づいて、運転者を基準とするステアリングホイール62の叩き位置、言い換えると図2(a)および図2(b)における「上」領域から「左上」領域までのいずれかを算出するものである。なお、第1の実施形態とは、図10に示すテーブルが予め記憶される代わりに、検出位置から叩き位置を求める関係式が予め記憶されている点が異なっている。
【0101】
次に、本実施形態に係る情報入力装置1における車載機器70の制御方法について説明する。ここでは、第1の実施形態における処理とは異なる処理、つまり、演算部40における叩き位置認識処理(S114)についてのみ説明し、第1の実施形態における処理と同じ処理については、その説明を省略する。
【0102】
本実施形態の演算部40は、図16に示す叩き位置認識処理を示すフローチャートに従って演算処理を実行する(S114)。まず、演算部40は、回転角センサ部20から出力されたステアリングホイール62の回転角度の情報である測定信号を取得する(S121)。
【0103】
その後、演算部40は、角度に係る測定信号、および、S110において識別した検出位置(例えば、区間A)から、運転者を基準とした叩き位置を、以下に説明する予め記憶された関係式を用いて求める処理を実行する(S222)。
【0104】
【数1】
【0105】
上述式において、Dは叩き位置であり、Lは検出位置であり、Rはステアリングホイール62の回転角度(°)である。また、INTは小数点以下の数字を切り捨てる関数である。また、上述の式におけるLは、区間Aから区間Hまでを、それぞれ数字の1から8までに置き換えて入力されるものである。同様にDは、「上」領域から「左上」領域までを、それぞれ数字の1から8までに置き換えて出力されるものである。
【0106】
具体的には、区間Aは「1」に、区間Bは「2」に、区間Cは「3」に、区間Dは「4」に、区間Eは「5」に、区間Fは「6」に、区間Gは「7」に、区間Hは「8」に置き換えて入力される。また、「上」領域は「1」に、「右上」領域は「2」に、「右」領域は「3」に、「右下」領域は「4」に、「下」領域は「5」に、「左下」領域は「6」に、「左」領域は「7」に、「左上」領域は「8」に置き換えて出力される。
【0107】
例えば、ステアリングホイール62が図2(b)に示す状態の場合に、運転者がステアリングホイール62の一番上の部分を叩くと、演算部40では、検出位置が区間Gであると推定する。また、回転角センサ部20からステアリングホイール62の回転角度が90°であるとの測定信号が演算部40に入力される。演算部40は、上述の関係式におけるLに、区間Gに対応する数字である「7」を代入し、Rに「45」を代入してDを求める演算処理を行う。そして演算により得られた結果、D=1から叩き位置は「上」領域であると判定する。
【0108】
以下の演算部40および制御部45における処理の内容は、第1の実施形態における処理の内容と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、ステアリングホイール62の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めた関係式を用いることにより、これら三者の関係を定めたテーブルを用いる方法と比較して、関係式を記憶させるのに必要な容量は少なくて済む。
【0109】
なお、本実施形態で用いた関係式は、叩き位置が8つの領域である場合に適用させてものであり、叩き位置が8つよりも多い場合や、少ない場合には、関係式における数値を適宜変更して用いられるものである。
【符号の説明】
【0110】
1…情報入力装置、10RU,10LU,10RD,10LD…入力用センサ部(振動測定部)、20…回転角センサ部(回転角測定部)、40…演算部、45…制御部、60…ステアリング部(操舵部)、61…ステアリングシャフト(回転軸)、70…車載機器(被制御機器)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力装置に関し、特に、車両の操舵に用いられるステアリングに設けられて好適な情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの車両には、カーステレオや、カーナビゲーションシステムなどの搭載される車載機器の種類が増加するとともに、これら車載機器を操作する情報の入力方法も複雑化しつつある。例えば、車載機器に対する操作の種類に応じた複数のボタンが設けられている場合には、車載機器を操作する車両の運転者は、操作の順序に沿って複数のボタンを順に押下する必要があり、運転者への負担が大きいという問題があった。さらに、運転者の一方の手は車載機器への操作情報の入力に用いられ、他方の手は車両の操舵に用いられるという状況が長く続くことにもなり、運転者への負担が更に大きくなるという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、運転者がステアリングホイールから手を離すことなく、車載機器に対する操作情報を入力することができる情報入力装置が提案されている(例えば、特許文献1から3まで参照)。
【0004】
特許文献1および2には、ステアリングホイールの把持部(運転者が握る部分)内に圧電センサが設けられたステアリング入力装置が開示されている。このステアリング入力装置では、ステアリングホイールに対する荷重のかけ方や、ステアリングホイールにかける荷重の大きさに基づいて入力される操作の情報を区別し、車載機器へ複数の操作情報を出力することができる。
【0005】
特許文献3には、ステアリングホイールを伝わる音波を検出する音波検出手段が設けられた情報入力装置が開示されている。この情報入力装置では、ステアリングホールを右回りに伝わる音波が検出されるタイミング、および、左回りに伝わる音波が検出されるタイミングの時間差に基づいて、ステアリングホイールにおける叩かれた(タップされた)位置を求めることができる。そして、ステアリングホイールをタップした位置と、車載機器へ出力する操作情報とを予め対応付けておくことにより、特許文献3の情報入力装置は、車載機器へ所望の操作情報を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−228126号公報
【特許文献2】特開2000−182464号公報
【特許文献3】特開2009−262710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1から3までに記載のステアリング入力装置では、ステアリングホイールにおける荷重をかけた位置や、叩いた位置と、車載機器への所望の操作情報とを対応付けることにより、入力可能な操作情報の数や種類を増やす技術が開示されている。
【0008】
しかしながら、ステアリングホイールの位置と、所望の操作情報とを対応付ける方法では、以下に述べる問題があった。
つまり、車両を旋回させるためにステアリングホイールを回転させると、所望の操作情報と対応付けられたステアリングホイールの位置も同時に回転する。すると、運転者は所望の操作情報を入力するために、ステアリングホイールのどの位置に荷重をかける、または、どの位置を叩けばよいのか、直ちに把握することができないという問題があった。
【0009】
言い換えると、ステアリングホイールを回転させる際に、運転者はステアリングホイールを持ち替える場合が多い。ステアリングホイールを持ち替えると、ステアリングホイールを握る運転者の手と、所望の操作情報と対応付けられたステアリングホイールの位置と、の相対位置の関係が変わり、運転者は所望の操作情報と対応付けられたステアリングホイールの位置を、見失いやすくなるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、車両の旋回時であっても、直進時と同様な車載機器への操作情報の入力を行うことができる情報入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の情報入力装置は、回転軸まわりに回転させることにより車両を操舵する操舵部を運転者が叩いて入力した情報を検出し、該入力した情報に基づいて、被制御機器に対して操作情報を出力する情報入力装置であって、前記運転者が叩いたことにより前記操舵部に発生した振動を測定する少なくとも2つ以上の振動測定部と、前記操舵部の回転角度を測定する回転角測定部と、前記振動測定部の測定信号、および、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記運転者を基準とする前記操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出する演算部と、前記叩き位置に対応する前記操作情報が予め記憶されているとともに、前記演算部により算出された前記叩き位置に対応する前記操作情報を、前記予め記憶された対応に基づいて選択し、選択した前記操作情報に係る制御信号を前記被制御機器に出力する制御部と、が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の情報入力装置によれば、演算部において運転者を基準とする操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出し、この叩き位置に基づいて、予め定められた対応する操作情報に係る制御信号が被制御機器に出力される。そのため、運転者は自らの上下左右の方向を基準として、所望の操作情報に対応する操舵部の部分の位置を叩くことによって、所望の操作情報を入力することができる。
【0013】
例えば、操舵部の上下左右方向を基準とする操舵部を叩いた部分に基づいて、対応する操作情報に係る制御信号を被制御機器に出力する場合には、操舵部の回転に応じて所望の操作情報に対応する操舵部の部分も回転移動する。すると、運転者は、所望の操作情報に対応する操舵部の部分を把握することが困難となり、所望の操作情報を入力することが難しくなる。
【0014】
これに対して、本発明の情報入力装置は、操舵部の回転によって所望の操作情報に対応する操舵部の部分が回転移動することがないため、運転者は、所望の操作情報に対応する操舵部の部分を容易に把握することができ、所望の操作情報を容易に入力することができる。
【0015】
上記発明において前記演算部は、前記振動測定部の測定信号に基づいて、前記操舵部を基準とする前記操舵部が叩かれた位置である検出位置を算出し、その後、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記検出位置を前記叩き位置に変換することが望ましい。
【0016】
このように、演算部において叩き位置を算出する際に、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換することにより、叩き位置を直接に算出する方法と比較して、叩き位置を算出する演算処理が容易となる。
【0017】
つまり、操舵部の上下左右の方向を基準とした検出位置を、操舵部の回転とともに回転する振動測定部から出力される測定信号に基づいて算出する際の演算処理は、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。さらに、検出位置を叩き位置に変換する演算処理も、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。そのため、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換することにより、叩き位置を算出する演算処理が容易となり、叩き位置をより迅速に求めることができる。
【0018】
上記発明において前記演算部には、前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置の関係を定めたテーブルが予め記憶され、前記テーブル、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を求めることが望ましい。
【0019】
このように、操舵部の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めたテーブルを用いることにより、これら三者の関係を定めた関係式を用いる方法と比較して、検出位置から叩き位置への変換の際に必要される演算処理の量が少なくなる。
【0020】
上記発明において前記演算部には、前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置との関係を定める関係式が予め記憶され、前記関係式、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を算出することが望ましい。
【0021】
このように、操舵部の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めた関係式を用いることにより、これら三者の関係を定めたテーブルを用いる方法と比較して、関係式を記憶させるのに必要な容量を少なくすることができる。
【0022】
上記発明において前記回転角測定部は、前記操舵部における前記回転軸の回転角度を測定する回転角センサであることが望ましい。
このように、操舵部の回転を車両の前輪等に伝える回転軸の回転角度を測定する回転角センサを回転角測定部とすることにより、他の測定手段を回転角測定部とする場合と比較して、操舵部の回転角度をより正確に測定することができる。
【0023】
上記発明において前記回転角測定部は、前記操舵部を回転させた際に前記操舵部に働く反力を測定し、測定された前記反力の大きさに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることが望ましい。
【0024】
このように、操舵部を回転させた際に、操舵部を元の位置に戻す方向に働く反力の大きさを測定することにより、操舵部の回転角度を推定することができる。一般に、車両は旋回走行状態から直進走行状態に戻る際に、前輪を直進走行状態に戻しやすくなるようにホイールアライメントが調整されている。言い換えると、旋回方向に向けられた前輪には、直進方向に向ける力が働き、この力が反力として操舵部に伝えられる。反力の大きさは、前輪における旋回方向への回転角度、言い換えると操舵部の回転角度に応じて変化する。そのため、反力の大きさを測定することにより、操舵部の回転角度を推定することができる。
【0025】
上記発明において前記回転角測定部は、前記操舵部を撮影すると共に、前記操舵部の画像データに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることが望ましい。
このように、操舵部を撮影した画像データに基づいて、画像解析などの演算処理を行うことにより、操舵部の回転角度を推定することができる。操舵部を撮影する手段としては、車室内の状況を撮影するセキュリティ用のカメラなど、他の用途に用いられるカメラを共用してもよいし、操舵部を主に撮影する専用のカメラを用いてもよい。
【0026】
上記発明において前記回転角測定部は、前記運転者の動きを測定し、測定した前記運転者の動きから前記操舵部の回転角度を推定するものであることが望ましい。
このように、運転者の動きをモーションセンサなどの手段を用いて測定し、測定した運転者の動きの中から操舵部を回転させる動きを特定することにより、操舵部の回転角度を推定することができる。運転者の動きを測定する手段としては、他の用途に用いられるモーションセンサを共用してもよいし、回転角測定部にのみ用いられる専用のモーションセンサを用いてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の情報入力装置によれば、演算部において運転者を基準とする操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出し、この叩き位置に基づいて、予め定められた対応する操作情報に係る制御信号を被制御機器に出力するため、運転者は自らの上下左右の方向を基準として、所望の操作情報に対応する操舵部の部分の位置を叩くことによって、所望の操作情報を入力することができる。言い換えると、車両の旋回時であっても、直進時と同様な車載機器への操作情報の入力を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報入力装置の概略を説明する模式図である。
【図2】図1のステアリング部の構成およびセンサ部の配置を説明する模式図である。
【図3】図3のセンサ部の配置状態を説明する模式図である。
【図4】スポークに対するセンサ部の取り付け状態を説明する断面視図である。
【図5】図1の情報入力装置における車載機器の制御を説明するフローチャートである。
【図6】図5の叩き推定処理における処理内容を説明するフローチャートである。
【図7】入力用センサ部から演算部に入力される測定信号の時間変化を説明するグラフである。
【図8】ステアリングホイールが叩かれた位置と、入力用センサ部が振動を測定した時間差との関係を説明するテーブルの図である。
【図9】叩き位置認識の処理内容を説明するフローチャートである。
【図10】ステアリングホイールの回転角度および検出位置と、運転者を基準とした叩き位置との関係を説明するテーブルの図である。
【図11】車載機器制御の処理内容を説明するフローチャートである。
【図12】叩き位置と、制御対象および制御量との対応を説明するテーブルの図である。
【図13】図5の制御対象切替処理における車載機器の切替えを説明する図である。
【図14】図5の設定内容変更処理における処理内容を説明するフローチャートである。
【図15】図2のステアリング部の別の実施例を説明する模式図である。
【図16】本実施形態の情報入力装置における叩き位置認識の処理内容を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係る情報入力装置1について、図1から図14を参照して説明する。本実施形態の情報入力装置1は、図1の概略構成を説明する模式図に示すように、車両の操舵に用いられるステアリング部(操舵部)60に設けられたものであり、車両のさまざまな車載機器(被制御機器)70の操作に用いられるものである。
【0030】
情報入力装置1には、操作情報の入力に用いられる入力用センサ部(振動測定部)10RU,10LU,10RD,10LDと、ステアリング部60の回転角度を測定する回転角センサ部(回転角測定部)20と、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDおよび回転角センサ部20から出力された信号の処理を行う信号処理部30と、処理された信号に基づいて運転者を基準としたステアリング部60の叩き位置を算出する演算部40と、算出された叩き位置に対応する操作情報を判別し、車載機器70へ制御信号を出力する制御部45と、車載機器の動作状態を運転者に伝える表示部50と、が主に設けられている。
【0031】
ステアリング部60には、軸線まわりに回転可能に支持されたステアリングシャフト(回転軸)61と、円環状に形成された把持部であるステアリングホイール62と、ステアリングシャフト61およびステアリングホイール62をつなぐ接続部であるスポーク63と、が主に設けられている。本実施形態では、ステアリング部60の構成を説明する図2(a)および図3に示すように、スポーク63がπの字型に4本設けられたステアリング部60に情報入力装置1が設けられている例に適用して説明する。
【0032】
ステアリングホイール62は運転者が把持するものであり、ステアリングホイール62をステアリングシャフト61まわりに回転させることにより車両の操舵を行うものである。図2(a)に示すように、ステアリングホイール62には、周方向に並ぶ8つの区間が定められており、上端から右回りに(時計回りに)区間A,区間B,区間C,区間D,区間E,区間F,区間G,区間Hが定められている。これら区間Aから区間Hまでは、ステアリングホイール62を基準とした位置である、言い換えると、ステアリングホイール62そのものに直接に割り当てられたものである。そのため、ステアリングホイール62が回転すると、その回転に従って区間Aから区間Hまでもステアリングホイール62の回転に従って回転する(図2(b)参照)。
【0033】
その一方で、運転者からステアリングホイール62を見た場合、運転者を基準として、周方向に並ぶ8つの領域が定められており、上端から右回りに(時計回りに)「上」領域、「右上」領域、「右」領域、「右下」領域、「下」領域、「左下」領域、「左」領域、「左上」領域が定められている。これら「上」領域から「左上」領域までは、運転者を基準とした領域であり、ステアリングホイール62が回転しても、これら領域の位置は回転移動しない(図2(b)参照)。
【0034】
ステアリングホイール62やスポーク63は、その断面における中心に鉄などの金属製の骨組みが配置され、骨組みの周囲にウレタンなどの弾力性を有する材料が配置され、外面にカバーが配置されている。ステアリングホイール62の回転は、スポーク63によりステアリングシャフト61に伝えられ、ステアリングシャフト61から、車両の操舵機構(図示せず)に伝達される。
【0035】
入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDは、振動を電気信号に変換する圧電素子を用いたものであり、図1に示すように、変換した電気信号を測定信号として信号処理部30へ出力するものである。
【0036】
入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDは、図1および図2に示すように、ステアリング部60のスポーク63のそれぞれに設けられたものであり、ステアリングホイール62からスポーク63に伝わる振動を測定するものである。そのため、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDは、スポーク63のうち、ステアリングホイール62とつながる部分の近傍に配置されていることが望ましい。
【0037】
スポーク63に対する入力用センサ部10RUの取り付け状態を説明する図4に示すように、振動の測定感度を高めることを目的として、入力用センサ部10RUはスポーク63における骨組み64の上面に配置されている。そのため、入力用センサ部10RUは、カバー65等に覆われて外部から目視することができない。なお、図4では入力用センサ部10RUのみを例示しているが、その他の入力用センサ部10LU,10RD,10LDについても同様に配置されている。
【0038】
本実施形態では運転者から見て、右横に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10RUが配置され、左横に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10LUが配置され、右下に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10RDが配置され、左下に向かって延びるスポーク63に入力用センサ部10LDが配置されている例に適用して説明する。
【0039】
回転角センサ部20は、図1に示すように、ステアリング部60のステアリングシャフト61に設けられたものであり、ステアリングシャフト61の回転角度、言い換えるとステアリング部60の回転角度を測定するものである。なお、本実施形態の回転角センサ部20として利用できるものとしては、錘を利用した角度センサや、光電方式のロータリエンコーダや、磁気方式のロータリエンコーダや、静電容量の変化を捉えるロータリエンコーダや、電気的導通を捉えるロータリエンコーダ等の公知のセンサを例示することができる。
【0040】
信号処理部30は、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDおよび回転角センサ部20から出力された測定信号を、制御部45に入力できる形式の信号に処理するものである。信号処理部30には、図1に示すように、測定信号の振幅を増幅させる増幅部31と、アナログ信号である測定信号をデジタル信号に変換するA/D変換部32と、が設けられている。増幅部31およびA/D変換部32としては、公知のものを用いることができ、その種類を特に限定するものではない。
【0041】
演算部40および制御部45は、内蔵された記憶装置に書き込まれた各種のプログラムを読み込み、実行することにより各種の情報の演算処理を行う演算処理装置である。
演算部40は、運転者がステアリングホイール62を叩いた際に、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力された測定信号に基づいて、運転者を基準とするステアリングホイール62の叩き位置、言い換えると図2(a)および図2(b)における「上」領域から「左上」領域までのいずれかを算出するものである。なお、叩き位置の算出方法については後述する。
【0042】
制御部45は、演算部40により算出された叩き位置に対応する操作情報を特定し、特定した操作情報に係る制御信号を車載機器70に出力するものである。さらに、制御部45は、制御信号を出力した車載機器70から動作状態を示す信号を受け取り、当該動作状態を運転者に知らせる制御信号を表示部50に出力するものである。
【0043】
制御部45には、上述の信号処理部30の他に、フットレストスイッチ46から信号が入力されている。
フットレストスイッチ46は、車載機器70に対する操作の内容を、動作の制御および設定の変更の間で選択するスイッチである。運転者がフットレストスイッチ46を足で踏むことにより、車載機器70における動作の制御を行うモード、または、設定の変更を行うモードに切り替える選択信号が制御部45に出力される。例えば、フットレストスイッチ46を踏む毎に、動作の制御を行うモードおよび設定の変更を行うモードに交互に切り替わる。
【0044】
さらに、制御部45と車載機器70との間には制御用バス47が設けられ、制御部45から出力される制御信号を車載機器70に伝えるとともに、車載機器70から出力される動作状態を示す信号を制御部45に伝えることが可能とされている。
【0045】
表示部50は、運転者に対して種々の情報を伝達するものであり、制御部45から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、車載機器70の動作状態を画像として表示するものである。なお、車載機器70の動作状態を運転者に伝達する方法としては、上述の画像などの視覚を介した伝達方法のほかに、音声などの聴覚を介した伝達方法や、振動などの触覚を介した伝達方法を用いてもよく、特に限定するものではない。
【0046】
本実施形態における車載機器70には、図1に示すように、エアコン71や、カーステレオ72や、電子音源73や、ナビ74や、方向指示器75や、AT(Automatic Transmission)シフト76や、ACC(Adaptiv Cruise Control)77が含まれる。なお、ここに列記したものは例示であって、これら全てを含む必要はない。さらに、ここに列記したもの以外のものが含まれていてもよい。
【0047】
次に、本実施形態に係る情報入力装置1における車載機器70の制御方法について説明する。図5は、図1の情報入力装置1における車載機器70の制御を説明するフローチャートである。
【0048】
まず、情報入力装置1に対して電力が供給されているか否かを判定し(S11)、電力が供給されていない場合(NOの場合)には、電力が供給されるまで待機し続ける。情報入力装置1に対して電力が供給されると(YES)、制御部45は、その時点における操作対象、言い換えると制御部45から制御信号が出力される車載機器70を、表示部50に表示させる制御信号を出力する。同時に制御部45は、操作対象の車載機器70における動作状態に係る信号を車載機器70から受け取り、当該動作状態を表示部50に表示させる制御信号を出力する(S12)。
【0049】
例えば、操作対象の車載機器70がエアコン71の場合には、表示部50に操作対象がエアコン71であることを示す表示と、エアコン71の動作状態を示す表示がされる(エアコン_温度25℃_風量弱)。
【0050】
その後、制御部45は、フットレストスイッチ46が操作される(ONされる)ことにより車載機器70に対する操作の内容を選択する選択信号が入力されたか否かを判定する(S13)。フットレストスイッチ46が操作されていない場合(NOの場合)には、制御部45は、叩き推定処理を開始する(S14)。
【0051】
図6に示す叩き推定処理での処理内容を表すフローチャートのように、制御部45は、入力用センサ部10RUから測定信号が入力されたか否かの判定(S101)を行い、入力用センサ部10RUから測定信号が入力されていた場合(YESの場合)には、当該測定信号の波形を記憶部(図示せず)に記憶させる(S102)。波形の記憶とは、振動が測定された時刻と、振動の振幅を記憶することである。
【0052】
同様に、入力用センサ部10LU,10RD,10LDから、測定信号が入力されたか否かの判定(S103,S105,S107)を行い、入力用センサ部10LU,10RD,10LDから測定信号が入力されていた場合(YESの場合)には、当該測定信号の波形を記憶部(図示せず)に記憶させる(S104,S106,S108)。
【0053】
次に、制御部45は、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDの全てから測定信号が入力されているか否かを判定する(S109)。全ての入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから測定信号が入力されていない場合(NOの場合)には、制御部45は、S101に戻り、叩き推定処理を繰り返し行う。
【0054】
S109において、全ての入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから測定信号が入力されている場合(YESの場合)には、制御部45は、演算部40において、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから入力された測定信号に基づいて、叩かれた区間である検出位置の識別を行う処理を実行させる(S110)。
【0055】
例えば、図2(a)に示す状態のステアリングホイール62の上端、言い換えると区間Aが叩かれた場合には、図7に示すように、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから、振動の測定信号が演算部40に入力される。
【0056】
区間Aを叩かれることにより発生したステアリングホイール62の振動は、ステアリングホイール62を右回りおよび左回りに伝わり、叩かれてからt1時間後に、区間Aから等しい距離にある左右の入力用センサ部10RU,10LUに最初かつ同時に測定される。さらにステアリングホイール62を伝わった振動は、叩かれてからt2時間後に、左下および右下の入力用センサ部10RD,10LDに同時に測定される。
【0057】
演算部40は、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDの間の振動が測定された時間の差、言い換えると、振動を測定した順番に基づいて、ステアリングホイール62におけるどの区間が叩かれたのか推定する処理を実行する。
【0058】
演算部40には、図8に示すようなステアリングホイール62が叩かれた位置と、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDが振動を測定した時間差、言い換えると、振動を測定した順番との関係を表すテーブルが、予め記憶されている。上述のように、最初に左右の入力用センサ部10RU,10LUで振動が測定されてから、次に左下および右下の入力用センサ部10RD,10LDで振動が測定された場合には、演算部40は、区間Aが叩かれたと推定する。
【0059】
演算部40において、ステアリングホイール62における叩かれた位置である検出位置が求められると、図6に示すように、演算部40が検出位置を正しく識別したか否かが判別される(S111)。判別は、演算部40に予め記憶された図8のテーブルの内容と、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力された測定信号と、を比較することにより行われる。
【0060】
なお、上述のように入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDが振動を測定した時間差に基づいて検出位置を推定してもよいし、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDにより測定された振幅の大きさに基づいて検出位置を推定してもよく、特に限定するものではない。
【0061】
比較により、S110において識別した検出位置、例えば区間Aが、正しく識別されていなかったと演算部40において判別された場合(NOの場合)には、演算部40によって、エラー表示を行う処理が実行される(S112)。エラー表示としては、例えば、ステアリングホイール62の叩き位置を正しく認識できなかったことを運転者に伝える情報が、表示部50に表示される。
【0062】
その一方で、S110において識別した検出位置、例えば区間Aが、正しく識別されたと演算部40において判別された場合(YESの場合)には、演算部40は、最大振幅を測定する処理を実行する(S113)。具体的には、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから入力された測定信号の中から、振動の振幅が最も大きい測定信号を選択し、振動の最大振幅を求める処理を実行する。
【0063】
その後、演算部40は、ステアリングホイール62の上下左右方向を基準とした検出位置から、運転者の上下左右方向を基準とした叩き位置を認識する処理を実行する(S114)。具体的には、図9に示す叩き位置認識の処理内容を表すフローチャートのように、回転角センサ部20から出力されたステアリングホイール62の回転角度の情報である測定信号を取得する(S121)。
【0064】
回転角センサ部20から回転角度に係る測定信号が入力された演算部40は、角度に係る測定信号、および、S110において識別した検出位置(例えば、区間A)から、運転者を基準とした叩き位置を選択する処理を実行する(S122)。演算部40には、図10に示すように、ステアリングホイール62の回転角度、および、検出位置と、運転者を基準とした叩き位置との関係を予め定めたテーブルが記憶されている。
【0065】
ステアリングホイール62の回転角度は、図2(a)に示す状態、言い換えると、車両が直進する状態を0°として、右回転の角度を「+」の角度、左回転の角度を「−」の角度で表している。例えば、図2(b)は、ステアリングホイール62が、+90°の回転角度だけ回転された状態を示している。
【0066】
まず、ステアリングホイール62が図2(a)に示す状態の場合に行われるS122の処理について説明し、次に図2(b)に示す状態の場合に行われる処理について説明する。
【0067】
ステアリングホイール62が図2(a)に示す状態の場合に、運転者がステアリングホイール62の一番上の部分を叩くと、演算部40では、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDの測定信号に基づいて、検出位置が区間Aであると推定する。また、回転角センサ部20からステアリングホイール62の回転角度が0°であるとの測定信号(角度情報)が演算部40に入力される。
【0068】
演算部40は、これらの検出位置(区間A)および回転角度(0°)と、図10に示すテーブルとに基づいて、対応する運転者を基準とした叩き位置を選択する処理を行う。この場合では、検出位置「A」の行と、ステアリングホイール62の回転角度「−22.5°〜22.5°」の列とが交差する「上」領域が選択される。
【0069】
また、ステアリングホイール62が図2(b)に示す状態の場合に、運転者がステアリングホイール62の一番上の部分を叩くと、演算部40では、検出位置が区間Gであると推定する。また、回転角センサ部20からステアリングホイール62の回転角度が90°であるとの測定信号が演算部40に入力される。演算部40は、これらの検出位置(区間G)および回転角度(90°)と、図10に示すテーブルとに基づいて、検出位置「G」の行と、ステアリングホイール62の回転角度「−67.5°〜112.5°」の列とが交差する「上」領域を、運転者を基準とした叩き位置として選択する。
【0070】
上述のように演算部40において叩き位置を選択する処理が完了すると、図6に戻り、制御部45による車載機器を制御する処理が行われる(S115)。車載機器制御処理は、図11に示すフローチャートに従って実行されるものである。まず、制御部45は、演算部40において推定された叩き位置、および、図6のS113において記憶された最大振幅幅の判別を行い、車載機器70に対して出力する制御内容、および、制御量の選択を行う(S131)。
【0071】
制御部45には、図12に示すような叩き位置と、制御対象および制御量との対応を定めたテーブル(表)が予め記憶されている。制御部45は、推定された叩き位置、および、図13のテーブルに基づいて、制御対象を選択する。更に制御部45は、選択された制御対象の制御量がonやoff以外の程度を指定するもの(音量など)の場合には、S113で測定された振幅の最大値に応じた制御量を定める。
【0072】
具体的には、カーステレオ(図12では「カーステ」と表記されている。)72を制御する場合には、アルバムの選曲や、曲の変更や、音量の変更が制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)ことが制御量となっている。ACC77を制御する場合には、車両の走行速度を上げる(スピードUPする)ことや、走行速度を落とす(スピードDOWNする)ことが制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)ことが制御量となっている。方向指示器75を制御する場合には、右折を意味するウインカの点滅や、左折を意味するウインカの点滅や、ハザードを意味する左右のウインカの同時点滅などが制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)こと、停止する(off)ことが制御量となっている。
【0073】
エアコン71を制御する場合には、空調された空気の吹き出し口の変更や、車室内の目標温度の変更や、吹き出される空気の風量の変更などが制御対象となり、制御対象の動作を行う(onする)ことが制御量となっている。ナビ74を制御する場合には、表示される画像(例えば地図画像)のスクロール方向(上、下、右、左等)が制御対象であり、制御対象の動作を行う(スクロールする)ことが制御量となっている。
【0074】
電子音源73を制御する場合には、合いの手(特願2010−049324参考)や、各音源(音源A,音源B,…,音源G)が制御対象であり、合いの手を入れる、入れない(on,off)や、各音源の音量が制御量となっている。音量はステアリングホイール62を叩く強さ、言い換えると各センサ部により測定される振動の振幅の大きさに基づいて制御される。
【0075】
ATシフト76を制御する場合には、変速機であるトランスミッションの変速段であるシフトが制御対象であり、変速段を減速比の低い段に変更(シフトUP)する、減速比の高い段に変更(シフトDOWN)する、が制御量となっている。この場合、ステアリングホイール62の回転角度に関わらず、ステアリングホイール62の右側である「右上」、「右」、「右下」領域を運転者が叩くと、シフトUPが対応し、左側である「左上」、「左」、「左下」領域を運転者が叩くと、シフトDOWNが対応している。
【0076】
その後、制御部45は、選択された制御内容および制御量に係る制御信号を生成し、生成した制御信号を対応する車載機器70に向けて出力する(S132)。なお、この制御信号のみでは、車載機器70は動作を実行することがなく、後述する制御の実行に係る制御信号が入力されて、初めて、車載機器70は制御内容を実行する。
【0077】
図5に戻り、制御部45は、制御状況の更新処理を実行する(S15)。具体的には、制御部45は、それまで出力していた制御信号に基づいて、車載機器70の動作を開始させる制御信号を出力する。
【0078】
当該制御信号を出力すると、制御部45は、情報入力装置1の電源がOFFになっているか否かの判定を行う(S16)。電源がOFFされている場合(YESの場合)には、S11に戻り、上述の処理を繰り返して行う。電源がOFFされていない場合(NOの場合)には、S12に戻り、上述の処理を繰り返して行い、S12では、更新された車載機器70の動作状況が表示部50に表示される。これにより、運転者に操作情報の入力結果がフィードバックされる。
【0079】
上述のS13における判定において、フットレストスイッチ46が操作されている場合(YESの場合)における処理について説明する。この場合、制御部45は、制御対象の切替え処理を開始する(S17)。
【0080】
例えば、左横に延びるスポーク63が運転者によって叩かれると、制御部45には叩かれたことにより発生した振動を測定した測定信号が入力用センサ部10LUから入力される。すると、制御部45は、図13に示す車載機器70の切替え順序に従って、制御信号が入力される度に制御の対象である車載機器70を変更していく。図13では、上側に記載された車載機器70から下側に記載された車載機器70へ、制御の対象が変わる例が示されている。また、図13では、ユーザが制御対象を設定できるユーザ設定1およびユーザ設定2も設けられている。
【0081】
制御対象である車載機器70が切り替えられると、制御部45は、制御対象である車載機器70の設定の変更を行うか否かの判定を行う(S18)。例えば、右横に延びるスポーク63が運転者によって叩かれたか否かにより判定が行われる。設定の変更が行われない場合(NOの場合)には、S12に戻り、上述の制御が繰り返される。
【0082】
その一方で、設定の変更が行われた場合(YESの場合)には、さらに制御部45は、車両が停車中であるか否かの判定を行う(S18)。例えば、制御部45は、車速センサから出力される測定信号に基づいて、車両が停車しているのか、走行しているのかを判定する。車両が走行していると判定された場合(NOの場合)には、制御部45は、表示部50にエラーを表示させる制御信号を出力する(S19)。そして、S13に戻って上述の処理を繰り返し行う。
【0083】
車両が停車していると判定された場合(YESの場合)には、制御部45は設定内容変更処理を開始する(S20)。設定内容変更処理とは、ステアリングホイール62における運転者を基準とした各領域(上、下、右、左、右上、右下、左上、左下)に割り当てられた制御対象を変更する処理である。
【0084】
図14に示す設定内容変更処理における処理内容を表すフローチャートのように、制御部45は、運転者により叩かれたステアリングホイール62の部分を推定するホイール叩き推定処理を開始する(S141)。なお、ここで行われる処理は、S14で行われたステアリングホイール叩き推定処理におけるS101からS115までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0085】
S141の処理でステアリングホイール62の叩かれた部分である叩き位置が推定されると、制御部45は、表示部50に推定された叩き位置を表示する制御信号を出力し、運転者に確認を求める。運転者は表示部50に表示された叩き位置が正しければ、その叩き位置を選択する操作情報を制御部45に入力する(S142)。
【0086】
その後、制御部45には、選択された叩き位置に対して新しく割り当てる制御内容が入力される(S143)。例えば、運転者が対象である車載機器70における機能(制御内容)を選択するスイッチを押下することにより、新しく割り当てる制御内容が入力される。
【0087】
新しく割り当てられる制御内容が入力されると、制御部45は、選択された叩き位置に、入力された新たな制御内容を割り当て、叩き位置と制御内容との対応を定めた表(テーブル)の内容の更新を行う(S144)。さらに、制御部45は、更新された叩き位置と制御内容とを、表示部50に表示する制御信号を出力する(S145)。その後、図5に示すS12に戻り、上述の処理を繰り返し行う。
【0088】
上記の構成の情報入力装置1によれば、演算部40において運転者を基準とするステアリングホイール62を叩いた部分である叩き位置を算出し、この叩き位置に基づいて、予め定められた対応する操作情報に係る制御信号が車載機器70に出力される。そのため、運転者は自らの上下左右の方向を基準として、所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分の位置を叩くことによって、所望の操作情報を入力することができる。
【0089】
例えば、ステアリングホイール62の上下左右方向を基準とするステアリングホイール62を叩いた部分に基づいて、対応する操作情報に係る制御信号を車載機器70に出力する場合には、ステアリングホイール62の回転に応じて所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分も回転移動する。すると、運転者は、所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分を把握することが困難となり、所望の操作情報を入力することが難しくなる。
【0090】
これに対して、本実施形態の情報入力装置1は、ステアリングホイール62の回転によって所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分が回転移動することがないため、運転者は、所望の操作情報に対応するステアリングホイール62の部分を容易に把握することができ、所望の操作情報を容易に入力することができる。言い換えると、車両の旋回時であっても、直進時と同様に、車載機器70に対する操作情報の入力を行うことができる。
【0091】
演算部40では、叩き位置を算出する際に、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換している。そのため、叩き位置を直接に算出する方法と比較して、叩き位置を算出する演算処理が容易となる。
【0092】
つまり、ステアリングホイール62の上下左右の方向を基準とした検出位置を、ステアリングホイール62の回転とともに回転する入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力される測定信号に基づいて算出する際の演算処理は、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。さらに、検出位置を叩き位置に変換する演算処理も、ステアリングホイール62の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めたテーブルを用いることにより行うことができるため、叩き位置を直接に算出する際の演算処理よりも容易である。そのため、先に検出位置を算出してから、この検出位置を叩き位置に変換することにより、叩き位置を算出する演算処理が容易となり、叩き位置をより迅速に求めることができる。
【0093】
ステアリングホイール62の回転を車両の前輪等に伝えるステアリングシャフト61の回転角度を回転角センサ部20で測定することにより、下記の測定方法によってステアリングホイール62の回転角度を測定する場合と比較して、ステアリングホイール62の回転角度をより正確に測定することができる。
【0094】
なお、上述の実施形態のように、ステアリングホイール62の回転角度を回転角センサ部20により測定してもよいし、ステアリングホイール62を回転させた際にステアリング部60に働く反力を測定し、測定された反力の大きさに基づいてステアリングホイール62の回転角度を推定してもよい。
【0095】
一般に、車両は旋回走行状態から直進走行状態に戻る際に、前輪を直進走行状態に戻しやすくなるようにホイールアライメントが調整されている。言い換えると、旋回方向に向けられた前輪には、直進方向に向ける力が働き、この力が反力としてステアリングホイール62に伝えられる。反力の大きさは、前輪における旋回方向への回転角度、言い換えるとステアリングホイール62の回転角度に応じて変化する。そのため、反力の大きさを測定することにより、ステアリングホイール62の回転角度を推定することができる。
【0096】
また、ステアリングホイール62を撮影した画像データに基づいて、ステアリングホイール62の回転角度を推定してもよい。
つまり、ステアリングホイール62を撮影した画像データに対して画像解析などの演算処理を行うことにより、ステアリングホイール62の回転角度を推定することができる。ステアリングホイール62を撮影する手段としては、車室内の状況を撮影するセキュリティ用のカメラなど、他の用途に用いられるカメラを共用してもよいし、ステアリングホイール62を主に撮影する専用のカメラを用いてもよい。
【0097】
さらに、運転者の動きを測定して、この動きからステアリングホイール62の回転角度を推定してもよい。
つまり、運転者の動きをモーションセンサなどの手段を用いて測定し、測定した運転者の動きの中からステアリングホイール62を回転させる動きを特定することにより、ステアリングホイール62の回転角度を推定することができる。運転者の動きを測定する手段としては、他の用途に用いられるモーションセンサを共用してもよいし、ステアリングホイール62の回転角度を測定する専用のモーションセンサを用いてもよい。
【0098】
また、上述の実施形態では、ステアリング部60として、4本のスポーク63を備えたものに適用して説明したが、スポーク63の数は4本に限られることなく、図15に示すように3本のスポーク63を備えたものであってもよく、その本数を限定するものではない。図15に示すステアリング部60の場合には、左右の入力用センサ部10RU,10LUと、下の入力用センサ部10Dの3つのセンサが設けられている。
【0099】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図16を参照して説明する。
本実施形態の情報入力装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、演算部においてステアリングホイールを基準とした区間(検出位置)から、運転者を基準とした領域(叩き位置)への変換処理の内容が異なっている。よって、本実施形態においては、図16を用いて上述の変換処理についてのみを説明し、その他の構成等の説明を省略する。
【0100】
本実施形態において、情報入力装置1の演算部40は、第1の実施形態と同様に、入力用センサ部10RU,10LU,10RD,10LDから出力された測定信号に基づいて、運転者を基準とするステアリングホイール62の叩き位置、言い換えると図2(a)および図2(b)における「上」領域から「左上」領域までのいずれかを算出するものである。なお、第1の実施形態とは、図10に示すテーブルが予め記憶される代わりに、検出位置から叩き位置を求める関係式が予め記憶されている点が異なっている。
【0101】
次に、本実施形態に係る情報入力装置1における車載機器70の制御方法について説明する。ここでは、第1の実施形態における処理とは異なる処理、つまり、演算部40における叩き位置認識処理(S114)についてのみ説明し、第1の実施形態における処理と同じ処理については、その説明を省略する。
【0102】
本実施形態の演算部40は、図16に示す叩き位置認識処理を示すフローチャートに従って演算処理を実行する(S114)。まず、演算部40は、回転角センサ部20から出力されたステアリングホイール62の回転角度の情報である測定信号を取得する(S121)。
【0103】
その後、演算部40は、角度に係る測定信号、および、S110において識別した検出位置(例えば、区間A)から、運転者を基準とした叩き位置を、以下に説明する予め記憶された関係式を用いて求める処理を実行する(S222)。
【0104】
【数1】
【0105】
上述式において、Dは叩き位置であり、Lは検出位置であり、Rはステアリングホイール62の回転角度(°)である。また、INTは小数点以下の数字を切り捨てる関数である。また、上述の式におけるLは、区間Aから区間Hまでを、それぞれ数字の1から8までに置き換えて入力されるものである。同様にDは、「上」領域から「左上」領域までを、それぞれ数字の1から8までに置き換えて出力されるものである。
【0106】
具体的には、区間Aは「1」に、区間Bは「2」に、区間Cは「3」に、区間Dは「4」に、区間Eは「5」に、区間Fは「6」に、区間Gは「7」に、区間Hは「8」に置き換えて入力される。また、「上」領域は「1」に、「右上」領域は「2」に、「右」領域は「3」に、「右下」領域は「4」に、「下」領域は「5」に、「左下」領域は「6」に、「左」領域は「7」に、「左上」領域は「8」に置き換えて出力される。
【0107】
例えば、ステアリングホイール62が図2(b)に示す状態の場合に、運転者がステアリングホイール62の一番上の部分を叩くと、演算部40では、検出位置が区間Gであると推定する。また、回転角センサ部20からステアリングホイール62の回転角度が90°であるとの測定信号が演算部40に入力される。演算部40は、上述の関係式におけるLに、区間Gに対応する数字である「7」を代入し、Rに「45」を代入してDを求める演算処理を行う。そして演算により得られた結果、D=1から叩き位置は「上」領域であると判定する。
【0108】
以下の演算部40および制御部45における処理の内容は、第1の実施形態における処理の内容と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、ステアリングホイール62の回転角度、検出位置、および、叩き位置の三者の関係を定めた関係式を用いることにより、これら三者の関係を定めたテーブルを用いる方法と比較して、関係式を記憶させるのに必要な容量は少なくて済む。
【0109】
なお、本実施形態で用いた関係式は、叩き位置が8つの領域である場合に適用させてものであり、叩き位置が8つよりも多い場合や、少ない場合には、関係式における数値を適宜変更して用いられるものである。
【符号の説明】
【0110】
1…情報入力装置、10RU,10LU,10RD,10LD…入力用センサ部(振動測定部)、20…回転角センサ部(回転角測定部)、40…演算部、45…制御部、60…ステアリング部(操舵部)、61…ステアリングシャフト(回転軸)、70…車載機器(被制御機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸まわりに回転させることにより車両を操舵する操舵部を運転者が叩いて入力した情報を検出し、該入力した情報に基づいて、被制御機器に対して操作情報を出力する情報入力装置であって、
前記運転者が叩いたことにより前記操舵部に発生した振動を測定する少なくとも2つ以上の振動測定部と、
前記操舵部の回転角度を測定する回転角測定部と、
前記振動測定部の測定信号、および、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記運転者を基準とする前記操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出する演算部と、
前記叩き位置に対応する前記操作情報が予め記憶されているとともに、
前記演算部により算出された前記叩き位置に対応する前記操作情報を、前記予め記憶された対応に基づいて選択し、選択した前記操作情報に係る制御信号を前記被制御機器に出力する制御部と、
が設けられていることを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
前記演算部は、
前記振動測定部の測定信号に基づいて、前記操舵部を基準とする前記操舵部が叩かれた位置である検出位置を算出し、
その後、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記検出位置を前記叩き位置に変換することを特徴とする請求項1記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記演算部には、
前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置の関係を定めたテーブルが予め記憶され、
前記テーブル、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を求めることを特徴とする請求項2記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記演算部には、
前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置との関係を定める関係式が予め記憶され、
前記関係式、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を算出することを特徴とする請求項2記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記回転角測定部は、前記操舵部における前記回転軸の回転角度を測定する回転角センサであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記回転角測定部は、前記操舵部を回転させた際に前記操舵部に働く反力を測定し、測定された前記反力の大きさに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記回転角測定部は、前記操舵部を撮影すると共に、前記操舵部の画像データに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記回転角測定部は、前記運転者の動きを測定し、測定した前記運転者の動きから前記操舵部の回転角度を推定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項1】
回転軸まわりに回転させることにより車両を操舵する操舵部を運転者が叩いて入力した情報を検出し、該入力した情報に基づいて、被制御機器に対して操作情報を出力する情報入力装置であって、
前記運転者が叩いたことにより前記操舵部に発生した振動を測定する少なくとも2つ以上の振動測定部と、
前記操舵部の回転角度を測定する回転角測定部と、
前記振動測定部の測定信号、および、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記運転者を基準とする前記操舵部を叩いた部分である叩き位置を算出する演算部と、
前記叩き位置に対応する前記操作情報が予め記憶されているとともに、
前記演算部により算出された前記叩き位置に対応する前記操作情報を、前記予め記憶された対応に基づいて選択し、選択した前記操作情報に係る制御信号を前記被制御機器に出力する制御部と、
が設けられていることを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
前記演算部は、
前記振動測定部の測定信号に基づいて、前記操舵部を基準とする前記操舵部が叩かれた位置である検出位置を算出し、
その後、前記回転角測定部の測定信号に基づいて、前記検出位置を前記叩き位置に変換することを特徴とする請求項1記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記演算部には、
前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置の関係を定めたテーブルが予め記憶され、
前記テーブル、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を求めることを特徴とする請求項2記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記演算部には、
前記回転角測定部により測定された前記操舵部の回転角度、前記検出位置、および、前記叩き位置との関係を定める関係式が予め記憶され、
前記関係式、前記検出位置、および、前記操舵部の回転角度に基づいて、前記叩き位置を算出することを特徴とする請求項2記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記回転角測定部は、前記操舵部における前記回転軸の回転角度を測定する回転角センサであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記回転角測定部は、前記操舵部を回転させた際に前記操舵部に働く反力を測定し、測定された前記反力の大きさに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記回転角測定部は、前記操舵部を撮影すると共に、前記操舵部の画像データに基づいて前記操舵部の回転角度を推定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記回転角測定部は、前記運転者の動きを測定し、測定した前記運転者の動きから前記操舵部の回転角度を推定するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−28277(P2013−28277A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165629(P2011−165629)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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