説明

情報共有制御装置、画像処理装置、情報共有制御プログラム

【課題】新旧制御装置の機能の差を是正して情報の共有化を図り、本構成を有しない場合に比べて、操作性向上を図る。
【解決手段】旧型制御装置18と新型制御装置40との間で、旧型UI36に表示される画像情報を新型制御装置40で受け取って、その画像を解析して(パターンマッチング処理して)、新型UI42の形態に併せて画像を生成して表示することで、リアルタイムに旧型UI36の表示状態を新型UI42の表示形態で確認する(UI画像転送)、並びに、新型UI42に表示されている画像に基づくタッチ操作を、旧型UI36に表示されている画像に基づくタッチ操作に互換する(エミュレート)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有制御装置、画像処理装置、情報共有制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置における制御装置では、コピー、プリンタ、FAXやスキャナといったサービス(以下、「既存サービス機能」という)以外に、周辺ネットワーク環境の多様化に伴い、ネットワーク経由でのサービス、セキュリティー、ユーザー毎のカスタマイズ等、様々な要求(以下、「ネットワークサービス機能」」という)を実現する必要がある。
【0003】
ここで、前記既存サービス機能は従来の制御装置で実現しつつ、前記ネットワークサービス機能は別の制御装置を介することで、全てを新規に開発するといったリスクを抑えつつソフトウェアの開発規模も抑えることが行われている。
【0004】
特許文献1には、従来の制御装置に新しい制御装置への画像制御情報を伝達するコマンドレベルで変換することで表示を行うことが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、ダイアログ定義を記述し、その記述を基にOS毎にレイアウトを構築することが記載されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、画像からオブジェクトを抽出するに際して、オブジェクトに関する情報とレイアウトを変更するためのレイアウト制御情報を付加した電子データを作成し、それら情報を利用して画像の再構築を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献3】特公平8−1624号公報
【特許文献3】特開2000−076051号公報
【特許文献3】特開2007−013550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、第1の制御装置、第2の制御装置、例えば、新旧制御装置の機能の差を是正して情報の共有化を図り、本構成を有しない場合に比べて、操作性向上を図ることができる情報共有制御装置、画像処理装置、情報共有制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、第1の制御装置の各機能を相互に接続するバスと、第2の制御装置の各機能を相互に接続するバスとの間を、情報送受信可能に接続するバス間接続手段と、前記第2の制御装置から前記第1の制御装置の機能が選択された場合に、前記バス間接続手段を介して第1の制御装置に設けられた第1のユーザーインターフェイスに表示される第1の画像情報を第2の制御装置へ転送する転送手段と、前記転送手段で転送される第1の画像情報に対して画像認識処理を実行して、当該第1の画像情報の内容を認識する認識手段と、前記認識手段で認識された第1の画像情報の内容に基づいて、前記第2の制御装置に設けられた第2のユーザーインターフェイスの表示形態に適合する第2の画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された第2の画像を、前記第2のユーザーインターフェイスに表示する表示制御手段と、前記表示制御手段で表示された第2のユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく入力操作を、前記第1のユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく前記第1の制御装置に対する入力操作として認識させる入力操作認識手段と、を有している。
【0010】
請求項2に記載の発明は、相対的に新旧の関係を持った一方である旧型制御装置の各機能を相互に接続するバスと、他方である新型制御装置の各機能を相互に接続するバスとの間を、情報送受信可能に接続するバス間接続手段と、前記新型制御装置から前記旧型制御装置の機能が選択された場合に、前記バス間接続手段を介して旧型制御装置に設けられた旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像情報を新型制御装置へ転送する転送手段と、前記転送手段で転送される旧画像情報に対して画像認識処理を実行して、当該旧画像情報の内容を認識する認識手段と、前記認識手段で認識された旧画像情報の内容に基づいて、前記新型制御装置に設けられた新型ユーザーインターフェイスの表示形態に適合する新画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された新画像を、前記新型ユーザーインターフェイスに表示する表示制御手段と、前記表示制御手段で表示された新型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく入力操作を、前記旧型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく前記旧型制御装置に対する入力操作として認識させる入力操作認識手段と、を有している。
【0011】
請求項3に記載の発明は、少なくとも前記画像読取装置及び画像形成装置による処理を制御する機能を持つ旧型制御装置と、前記旧型制御装置を介して、前記画像読取装置及び画像形成装置に対して処理の実行を指示する、並びに、画像読取装置及び画像形成装置に関する情報を表示する旧型ユーザーインターフェイスと、前記旧型制御装置によって制御され、少なくとも原稿画像を読み取って画像情報を取得する画像読取装置と、前記旧型制御装置によって制御され、画像情報に基づいて記録用紙へ画像を形成する画像形成装置と、前記旧型制御装置よりも多機能な新型制御装置と、前記旧型ユーザーインターフェイスに代り、前記新型制御装置を介して、前記画像読取装置及び画像形成装置に対して処理の実行を指示する、並びに、画像読取装置及び画像形成装置に関する情報を表示する新型ユーザーインターフェイスと、前記旧型制御装置の各機能を相互に接続するバスと、前記新型制御装置の各機能を相互に接続するバスとの間を情報送受信可能に接続するバス間接続手段と、前記バス間接続手段を介して旧型制御装置に設けられた旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像情報を新型制御装置へ転送する転送手段と、前記転送手段で転送される旧画像情報に対して画像認識処理を実行して、当該旧画像情報の内容を認識する認識手段と、前記認識手段で認識された旧画像情報の内容に基づいて、前記新型制御装置に設けられた新型ユーザーインターフェイスの表示形態に適合する新画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された新画像を、前記新型ユーザーインターフェイスに表示する表示制御手段と、前記表示制御手段で表示された新型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく入力操作を、前記旧型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく前記旧型制御装置に対する入力操作として認識させる入力操作認識手段と、を有している。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記入力操作認識手段において、前記旧型制御装置に対する入力操作として認識される機能が、少なくとも、前記画像読取装置による画像読取機能、前記画像形成装置による画像形成機能、前記画像読取装置で読み取った画像を前記画像形成装置により記録用紙へ画像を形成する画像複写機能、前記画像読取機能で読み取った画像を専用回線を介して指定された外部装置へ送信する画像送信機能、並びに外部装置から専用回線を介して受け取った画像を受信する画像受信機能、を含む。
【0013】
請求項5に記載の発明は、それぞれ情報を入力かつ情報を表示するためのユーザーインターフェイスが備えられ、相対的に旧型制御装置、並びに当該旧型制御装置よりも後に追加され、かつ旧型制御装置よりも多機能の新型制御装置を備え、前記新型制御装置が制御する新型ユーザーインターフェイスの操作によって、前記旧型制御装置及び新型制御装置の双方に対して、画像処理機能を指示するための情報共有制御プログラムであって、前記旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像を画像認識処理により認識し、前記認識手段で認識された旧画像に基づいて、前記新型制御装置に予め格納された情報群により前記新型制御装置に対応した新画像の表示形態を生成し、前記生成手段で生成された新画像を、前記新型ユーザーインターフェイスに表示し、前記新型ユーザーインターフェイスに表示される新画像に対する入力操作を認識し、かつ前記旧型制御装置の旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像に対する入力操作に互換することをコンピュータに実行させる情報共有制御プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項5記載の発明によれば、第1の制御装置、第2の制御装置、例えば、新旧制御装置の機能の差を是正して情報の共有化を図り、本構成を有しない場合に比べて、操作性向上を図ることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、新型制御装置側から旧型制御装置への制御対象を明確とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図2】本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の概略を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る新型制御装置を搭載した画像処理装置の概略図であり(A)は新型制御装置を画像処理装置壁面に取り付けた場合の外観、(B)は新型制御装置を画像処理装置に設けた設置台に設置した場合の外観を示す。
【図4】新型制御装置と旧型制御装置のそれぞれの制御系の詳細を示すブロック図である。
【図5】(A)は旧型UI上にコピー指定画面を表示した場合の正面図、(B)は図5(A)の解析結果のデータ図表(スクリプト)、(C)は新型UIに図5(B)の解析結果に基づいてコピー指定画面を表示した場合の正面図である。
【図6】新型UI上にメニュー画面を表示した場合の正面図である。
【図7】本実施の形態に係る、新型制御装置の新型UIの操作制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図7のステップ108において実行される、旧型制御装置側での機能呼出処理制御ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成サービスを実行する画像形成装置12と、原稿画像を読み取る画像読取サービスを実行する画像読取装置14とを備えている。なお、画像処理装置10のサービス機能として、ファクシミリ通信機能16を備えていてもよい。
【0018】
画像処理装置10は、制御装置18を備えており、画像形成装置12を制御する画像形成制御部20、画像読取装置14を制御する画像読取制御部22を総合的に制御して、画像読取サービス、画像形成サービス(複写サービス、プリントサービス)、ファクシミリ送受信サービスの各サービスを実行する。
【0019】
画像形成装置12は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、顕像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0020】
画像読取装置14は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0021】
図2に示される如く、制御装置18は、CPU24、RAM26、ROM28、I/O(入出力部)30、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス32を有している(ここでは、概略を示し、詳細は図4参照)。
【0022】
I/O30には、UI制御回路34を介してUI36が接続されている。また、I/O30には、ハードディスク(HDD)38が接続されている。CPU24は、ROM28やハードディスク38等に記録されているプログラムに基づいて動作し、制御装置18の機能を実現する。
【0023】
I/O30には、画像読取装置14を制御する画像読取制御装置22、画像形成装置12を制御する画像形成制御装置20が接続されている。
【0024】
ここで、前記制御装置18は、前記画像処理装置10の製造時から設けられているものであり、UI36からの指示に基づいて、前記画像読取装置14及び画像形成装置12を制御し、前記サービス(画像読取サービス、複写サービス、プリントサービス、ファクシミリ送受信サービス)を実行するが、この既存の画像処理装置10に対して、新たなサービスを追加する必要が生じる場合がある。
【0025】
例えば、新たなサービスとは、周辺ネットワーク環境の多様化に伴う、ネットワーク経由での新サービスや、セキュリティー体制の向上、ユーザー毎の設定等がある。
【0026】
このような新たなサービスを実行可能とするためには、前記制御装置18では、能力不足であるため、当該制御装置18よりも高性能なCPUやメモリ、高速なバスが必要となる。
【0027】
そこで、本実施の形態では、図3(A)に示される如く、既存の制御装置(以下、既存の制御装置を「旧型制御装置18という。)における、既存のサービスの制御を維持しつつ、別途新たな制御装置(以下、新たな制御装置を「新型制御装置40」という。)を、例えば、図3(A)は、既存の画像処理装置10の側面(背面でもよい)に取り付けることで、新たなサービスに関しては、当該新型制御装置40を介して処理を実行する構成とした画像処理装置10Aを示している。この画像処理装置10Aは、旧型制御装置18に対応するUI(以下、「旧型UI36」という)によって、新型制御装置40に付加されたサービスの操作指示ができない。このため、新型制御装置40に対応するUI(以下、「新型UI42」という)が、旧型UI36に重なるように設置されている。結果として、旧UI36は隠蔽されることになる。
【0028】
本実施の形態では、旧型制御装置18は、画像記述スクリプトを基に画面を表示する機能を持たない装置であり、一方、新型制御装置40は、画像記述スクリプトを基に画面を表示する機能を持った装置である。
【0029】
なお、新型制御装置40及び新型UI42の設置構成において、図3(B)に示される如く、画像処理装置10の傍らに(例えば、側面)に設置台44を設け、当該設置台44に、新型制御装置40を載せて、ケーブル46を介して、旧型制御装置18と接続する構成としてもよい。この場合、新型制御装置40のモニタ40Mを新型UI42としての役目(すなわち、タッチパネル機能)を持たせるようにしてもよい。
【0030】
上記構成(図3(A)又は(B)に示す新型制御装置40を付加した構成)の画像処理装置10Aでは、新型UI42によって、従前のサービスを含み、全てのサービスの実行を指示するようになっている。
【0031】
このため、本実施の形態では、旧型制御装置18と新型制御装置40との間で以下のような情報送受信の形態を実現した。
(形態1) 旧型UI36に表示される画像情報を新型制御装置40で受け取って、その画像を解析して(パターンマッチング処理して)、新型UI42の形態に併せて画像を生成して表示することで、リアルタイムに旧型UI36の表示状態を新型UI42の表示形態で確認する(UI画像転送)。
(形態2) 新型UI42に表示されている画像に基づくタッチ操作を、旧型UI36に表示されている画像に基づくタッチ操作に互換する(エミュレート)。
【0032】
図4は、旧型制御装置18と、新型制御装置40との制御系ハード構成の接続状態を示すブロック図である。
【0033】
図4には、一対のバス32、48が設けられ、下段が旧型制御装置18のバス32であり、上段が新型制御装置40のバス48である。
【0034】
旧型制御装置18のバス32には、バスブリッジ50が接続されており、このバスブリッジ50には、CPU24、VRAM52、SDRAM54が接続されている。また、バス32には、旧型UI36、IOT(画像形成制御部)20、IIT(画像読取制御部22)、FAX(ファクシミ通信制御部)56が接続されている。
【0035】
一方、新型制御装置40のバス48には、バスブリッジ58が接続されており、このバスブリッジ58には、CPU60、VRAM62、SDRAM64が接続されている。また、バス32には、新型UI42、ネットワークI/F66が接続されている。
【0036】
ここで、旧型制御装置18側のバス32と、新型制御装置40側のバス48とは、PCIコントローラ68を介して、相互に接続されている。PCIコントローラ68は、高速DMA転送可能なデバイスであり、本実施の形態では、旧型制御装置18のVRAM52から画像情報を取得して、新型制御装置40のSDRAM64へ当該取得した画像情報を転送する役目を有している(図4の(1)で示す鎖線参照)。
【0037】
なお、PCIコントローラ68は、旧型制御装置18又は新型制御装置40の何れに設けてもよいが、旧型制御装置18を既存の状態で維持するためには、PCIコントローラ68は、新型制御装置40に組み込むことが好ましい。
【0038】
また、VRAM52からPCIコントローラ68への転送においては、PCIバスから該当する領域が読み書きできるようにバスブリッジを制御する必要があるが、新型UI42が接続されており、そのためにその領域を開放しているために、ソフトウェアでそれを制御する必要は一切ない。
【0039】
新規制御装置40では、SDRAM64に一時記憶された画像情報を、CPU60で解析して、パターンマッチングにより認識するようになっている(図4の(2)で示す鎖線参照)。すなわち、新型制御装置40で画面を構築するための画面記述スクリプトを蓄積しているスクリプトデータベースに基づいて、互換を実行する。
【0040】
画像記述スクリプトにより、新型制御装置40は画像を生成し、生成した画像を新型UI42上に表示する(図4の(3)で示す鎖線参照)。
【0041】
また、バス32にはシリアルI/F70が接続され、バス48にはシリアルI/F72が接続されており、この2つのシリアルI/F70、72が互いに、バス32、48を介さずに、直接接続されている。すなわち、シリアルI/F70、72間は専用の通信回線であり、例えば、バス32、48がアーミストレーション等によって調停処理が実行されたとしても、これに関係なく、リアルタイムに情報を送受信可能である。
【0042】
本実施の形態では、新型制御装置40側の新型UI42から、旧型制御装置18への操作指示があった場合に(図4の(4)で示す鎖線参照)、バス48に接続されたシリアルI/F72から、バス32に接続されたシリアルI/F70へ当該操作指示情報を送信するようになっている(図4の(5)で示す鎖線参照)。
【0043】
旧型制御装置18では、このシリアルI/F70で受けた操作指示情報をCPU24へ送信することで、CPU24では、旧型UI36の操作指示を受けたと同等の処理が実行される。すなわち、新型制御装置40が旧型制御装置18の旧型UI36を擬似的に操作したことになる(エミュレート操作)。
【0044】
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
【0045】
上記構成により、画像処理装置10Aは、以下の動作を実行する。
【0046】
新規制御装置40では、SDRAM64に一時記憶された画像情報を、パターンマッチングにより認識する。すなわち、旧型制御装置18の旧型UI36の画面自体(図5(A)参照)を認識する。
【0047】
想定される画面すべてに対して、その画面にあるパラメータ入力部品の位置情報を蓄積しているパラメータ部品データベースと、想定される画面すべてと、それに対応する新型制御装置40で画面を構築するための画面記述スクリプトを蓄積しているスクリプトデータベースを保持する。
【0048】
画像記述スクリプト74(図5(B)参照)により、新型制御装置40は画像を生成し、生成した画像を新型UI42上に表示する(図5(C)参照)。
【0049】
ユーザーが、この新型UI42に表示された画像に対してタッチ操作すると、ポインティングエミュレート機能により、そのタッチ操作(操作指示)に基づいてパラメータ部品データベースを参照し、旧型制御装置18の該当するパラメータ入力部品を操作するようにシリアルI/F72、70を介して、旧型制御装置18へコマンドを送信する。これにより、旧型制御装置18の旧型UI36が擬似的に操作される。
【0050】
図7及び図8は、上記構成の画像処理装置10A(旧型制御装置18に対して、新型制御装置40が付加された構成の画像処理装置)において、新型制御装置40が管理する新型UI42から、旧型制御装置18の制御の操作指示を行う場合の操作手順を示すフローチャートである。
【0051】
図7は、新型制御装置40の新型UI42の操作制御ルーチンであり、ステップ100では、メニュー選択されたか否かが判断される。例えば、新型UI42には、図6に示すようなメニュー画面76が表示されており、ユーザーは、コピー指示領域78、FAX指示画像80、スキャン指示画像82、高度なジョブ1画像84、高度なジョブ2画像86の何れかをタッチ操作する。
【0052】
なお、このメニュー画面76において、コピー指示領域78、FAX指示画像80、スキャン指示画像82の何れかがタッチされた場合のサービスは、旧型制御装置18が実行対象となり、高度なジョブ1画像84、高度なジョブ2画像86の何れかがタッチ操作された場合のサービスは、新型制御装置40が実行対象となる。
【0053】
ステップ100で否定判定された場合は、このルーチンは終了し、新型UI42ではメニュー画面76の表示が継続される。
【0054】
また、ステップ100で肯定判定されると、ステップ102へ移行して、タッチ操作された機能を判別する。
【0055】
次のステップ104では、判別した機能の実行対象が旧型制御装置18であるか、新型制御装置40であるかを判定する。
【0056】
このステップ104で、実行対象が新型制御装置40と判定された場合は、ステップ106へ移行して、新型制御装置40の制御の下で処理が実行され、このルーチンは終了する。一方、ステップ104で、実行対象が旧型制御装置18と判定された場合は、ステップ108へ移行して、旧型制御装置18の制御の下で処理が実行され、このルーチンは終了する。
【0057】
図8は、図7のステップ108において実行される、旧型制御装置側での機能呼出処理制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0058】
ステップ110では、旧型制御装置18のVRAM52から、PCIコントローラ68を介して、旧型UI36の表示画像情報を取り込む。
【0059】
次のステップ112では、PCIコントローラ68によってDMA転送された前記旧型UI36の表示画像情報を、新型制御装置40のSDRAM64に一時保存し、ステップ114へ移行する。
【0060】
ステップ114では、前記SDRAM64に保存した画像を対象に、パターンマッチングにより画像解析を行い、次いで、ステップ116へ移行して新型UI用42の画像に置き換える入力画像部品を選択し、ステップ118へ移行する。
【0061】
ステップ118では、新型UI42に画像を表示する。この画像は、図5(C)に示される如く、新型制御装置40が管理する入力画像部品で構成され、図5(A)に示す旧型制御装置18が管理する入力画像部品で構成された画像とは異なるが、内容を同一となっている。
【0062】
次のステップ120では、前記新型UI42からの操作指示(タッチ操作)があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ122へ移行して操作指示情報を認識し、次いでステップ124へ移行して、シリアルI/F72、70を介して、旧型制御装置18のCPU24へ送信し、ステップ126へ移行する。この場合、CPU24は、旧型UI36からの操作指示として認識する。
【0063】
なお、前記ステップ120で否定判定された場合、ステップ126へ移行する。
【0064】
ステップ126では、旧型制御装置18でのサービス処理が終了したか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ110へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ126で工程判定された場合、このルーチンは終了する。
【符号の説明】
【0065】
10 画像処理装置
12 画像形成装置
14 画像読取装置
16 ファクシミリ通信機能
18 (旧型)制御装置
20 画像形成制御部
22 画像読取制御部
24 CPU
26 RAM
28 ROM
30 I/O
32 バス
34 UI制御回路
36 (旧型)UI
38 ハードディスク(HDD)
40 新型制御装置
42 新型UI
44 設置台
46 ケーブル
40M モニタ
48 バス
50 バスブリッジ
52 VRAM
54 SDRAM
56 FAX(ファクシミ通信制御部)
58 バスブリッジ
60 CPU
62 VRAM
64 SDRAM
66 ネットワークI/F
68 PCIコントローラ
70 シリアルI/F
72 シリアルI/F
74 画像記述スクリプト
76 メニュー画面
78 コピー指示領域
80 FAX指示画像
82 スキャン指示画像
84 高度なジョブ1画像
86 高度なジョブ2画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制御装置の各機能を相互に接続するバスと、第2の制御装置の各機能を相互に接続するバスとの間を、情報送受信可能に接続するバス間接続手段と、
前記第2の制御装置から前記第1の制御装置の機能が選択された場合に、前記バス間接続手段を介して第1の制御装置に設けられた第1のユーザーインターフェイスに表示される第1の画像情報を第2の制御装置へ転送する転送手段と、
前記転送手段で転送される第1の画像情報に対して画像認識処理を実行して、当該第1の画像情報の内容を認識する認識手段と、
前記認識手段で認識された第1の画像情報の内容に基づいて、前記第2の制御装置に設けられた第2のユーザーインターフェイスの表示形態に適合する第2の画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された第2の画像を、前記第2のユーザーインターフェイスに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段で表示された第2のユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく入力操作を、前記第1のユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく前記第1の制御装置に対する入力操作として認識させる入力操作認識手段と、
を有する情報共有制御装置。
【請求項2】
相対的に新旧の関係を持った一方である旧型制御装置の各機能を相互に接続するバスと、他方である新型制御装置の各機能を相互に接続するバスとの間を、情報送受信可能に接続するバス間接続手段と、
前記新型制御装置から前記旧型制御装置の機能が選択された場合に、前記バス間接続手段を介して旧型制御装置に設けられた旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像情報を新型制御装置へ転送する転送手段と、
前記転送手段で転送される旧画像情報に対して画像認識処理を実行して、当該旧画像情報の内容を認識する認識手段と、
前記認識手段で認識された旧画像情報の内容に基づいて、前記新型制御装置に設けられた新型ユーザーインターフェイスの表示形態に適合する新画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された新画像を、前記新型ユーザーインターフェイスに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段で表示された新型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく入力操作を、前記旧型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく前記旧型制御装置に対する入力操作として認識させる入力操作認識手段と、
を有する情報共有制御装置。
【請求項3】
少なくとも前記画像読取装置及び画像形成装置による処理を制御する機能を持つ旧型制御装置と、
前記旧型制御装置を介して、前記画像読取装置及び画像形成装置に対して処理の実行を指示する、並びに、画像読取装置及び画像形成装置に関する情報を表示する旧型ユーザーインターフェイスと、
前記旧型制御装置によって制御され、少なくとも原稿画像を読み取って画像情報を取得する画像読取装置と、
前記旧型制御装置によって制御され、画像情報に基づいて記録用紙へ画像を形成する画像形成装置と、
前記旧型制御装置よりも多機能な新型制御装置と、
前記旧型ユーザーインターフェイスに代り、前記新型制御装置を介して、前記画像読取装置及び画像形成装置に対して処理の実行を指示する、並びに、画像読取装置及び画像形成装置に関する情報を表示する新型ユーザーインターフェイスと、
前記旧型制御装置の各機能を相互に接続するバスと、前記新型制御装置の各機能を相互に接続するバスとの間を情報送受信可能に接続するバス間接続手段と、
前記バス間接続手段を介して旧型制御装置に設けられた旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像情報を新型制御装置へ転送する転送手段と、
前記転送手段で転送される旧画像情報に対して画像認識処理を実行して、当該旧画像情報の内容を認識する認識手段と、
前記認識手段で認識された旧画像情報の内容に基づいて、前記新型制御装置に設けられた新型ユーザーインターフェイスの表示形態に適合する新画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された新画像を、前記新型ユーザーインターフェイスに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段で表示された新型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく入力操作を、前記旧型ユーザーインターフェイスに表示された画像に基づく前記旧型制御装置に対する入力操作として認識させる入力操作認識手段と、
を有する画像処理装置。
【請求項4】
前記入力操作認識手段において、前記旧型制御装置に対する入力操作として認識される機能が、
少なくとも、前記画像読取装置による画像読取機能、前記画像形成装置による画像形成機能、前記画像読取装置で読み取った画像を前記画像形成装置により記録用紙へ画像を形成する画像複写機能、前記画像読取機能で読み取った画像を専用回線を介して指定された外部装置へ送信する画像送信機能、並びに外部装置から専用回線を介して受け取った画像を受信する画像受信機能、を含む請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
それぞれ情報を入力かつ情報を表示するためのユーザーインターフェイスが備えられ、相対的に旧型制御装置、並びに当該旧型制御装置よりも後に追加され、かつ旧型制御装置よりも多機能の新型制御装置を備え、前記新型制御装置が制御する新型ユーザーインターフェイスの操作によって、前記旧型制御装置及び新型制御装置の双方に対して、画像処理機能を指示するための情報共有制御プログラムであって、
前記旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像を画像認識処理により認識し、 前記認識手段で認識された旧画像に基づいて、前記新型制御装置に予め格納された情報群により前記新型制御装置に対応した新画像の表示形態を生成し、
前記生成手段で生成された新画像を、前記新型ユーザーインターフェイスに表示し、
前記新型ユーザーインターフェイスに表示される新画像に対する入力操作を認識し、かつ前記旧型制御装置の旧型ユーザーインターフェイスに表示される旧画像に対する入力操作に互換することをコンピュータに実行させる情報共有制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−44258(P2012−44258A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180985(P2010−180985)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】