説明

情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体

【課題】同じフォームであっても、異なるデータの入力や複数ユーザーで利用される共通データの入力を、ユーザーに負担をかけず簡易に行う。
【解決手段】第1情報処理装置200は、複数の属性情報を含む入力データを生成する生成手段202と、入力データを第2情報処理装置250に送信する送信手段206とを備え、第2情報処理装置は、送信された入力データを受信する受信手段251と、受信された入力データを識別する識別情報が複数表示される第1情報領域を含む情報表示領域と、属性情報を入力するための入力領域が複数表示される設定表示領域とを表示する表示手段253と、情報表示領域に表示された識別情報に基づいて選択された入力データに含まれる属性情報毎に、該属性情報に対応する入力領域を判定する判定手段257と、入力領域毎に、属性情報を入力する入力手段258とを備える情報処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び記録媒体に関し、さらに詳しく言えば、入力フォームに対して自動的に属性情報を入力する情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入力フォームへの入力によるユーザーの負担を軽減する情報処理装置や情報処理システムが提案されている。
【0003】
例えば、特表2002−535754号公報(特許文献1)には、利用者情報を一括管理するサーバが、オンラインショッピングに必要である標準的な属性を定義し、この属性と利用者情報とをサーバで管理することで、オンラインショッピングサイトは、サイト内の入力フォームに使われる属性とサーバで定義された属性とを関連付けてサーバに登録しておき、利用者は、希望に応じてサーバからフォームに入力する利用者情報を取得できる技術が開示されている。
【特許文献1】特表2002−535754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、ユーザーがWebページ(ショッピングサイト)などにある入力フォームに対して、ユーザー情報など決められた文字情報を自動で入力するものであり、同じフォームでも場合によっては入力したい情報が異なる場合は想定されていない。また、複数のユーザーで共有するようなデータについても想定されていない。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、同じフォームであっても、異なるデータの入力や複数ユーザーで利用される共通データの入力を、ユーザーに負担をかけず簡易に行うことができる情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面の情報処理システムは、ネットワークを介して接続された第1情報処理装置と第2情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記第1情報処理装置は、複数の属性情報を含む入力データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された入力データを前記第2情報処理装置に送信する送信手段とを備え、前記第2情報処理装置は、前記送信手段により送信された入力データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された入力データを識別する識別情報が複数表示される第1情報領域を含む情報表示領域と、前記属性情報を入力するための入力領域が複数表示される設定表示領域とを表示する表示手段と、前記情報表示領域に表示された識別情報に基づいて選択された入力データに含まれる属性情報毎に、該属性情報に対応する入力領域を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された入力領域毎に、前記属性情報を入力する入力手段とを備える。
【0007】
また、本発明の他の局面の情報処理方法は、ネットワークを介して接続された第1情報処理装置と第2情報処理装置とを備える情報処理システムにおける情報処理方法であって、前記第1情報処理装置において、複数の属性情報を含む入力データを生成する生成ステップと、前記生成ステップにより生成された入力データを前記第2情報処理装置に送信する送信ステップとを有し、前記第2情報処理装置において、前記送信ステップにより送信された入力データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信された入力データに関する情報が複数表示される第1情報領域を含む情報表示領域と、前記属性情報を入力するための入力領域が複数表示される設定表示領域とを表示する表示ステップと、前記情報表示領域から選択された入力データに含まれる属性情報毎に、該属性情報に対応する入力領域を判定する判定ステップと、前記判定ステップにより判定された入力領域毎に、前記属性情報を入力する入力ステップとを有する。
【0008】
また、本発明の情報処理システム及び情報処理方法は、コンピュータとプログラムにより実現することができ、プログラムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせて実現することも可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、同じフォームであっても、異なるデータの入力や複数ユーザーで利用される共通データの入力を、ユーザーに負担をかけず簡易に行うことができる情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
<システムの概略ハードウェア構成について>
まず、本発明に係るシステムの概略ハードウェア構成について説明する。図1は、本発明に係るシステムの概略ハードウェア構成の一例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本発明に係るシステムは、ネットワークを介して情報処理装置100と、情報処理装置110と、情報処理装置120とが接続され、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、ネットワークI/F104、入力部105、表示部106を含んで構成される。なお、情報処理装置110、120も情報処理装置100と同様の構成を成す。
【0013】
CPU101は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。CPU101は、RAM102に記憶されたプログラムを実行する演算装置で、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0014】
RAM102は、CPU101が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0015】
HDD103は、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0016】
ネットワークI/F104は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する情報処理装置110、120と当該情報処理装置のインタフェースである。
【0017】
入力部105や表示部106は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、情報処理装置100が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0018】
情報処理装置100、110、120は、例えば、PC(Personal Computer)などであり、図1に示す例において情報処理装置3つが接続されているが、3つに限らず複数接続されるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0019】
以上のように構成されたシステムにおいて、情報処理装置100は、入力フォームに入力されたデータを他の情報処理装置110、120に送信し、他の情報処理装置110、120は、同じ入力フォームにデータを入力する場合は、受信したデータを用いて入力フォームの入力領域に簡易に入力できるよう構成されている。
【0020】
<実施例1に係る情報処理装置の主要機能構成について>
図2は、実施例1に係る情報処理装置200、250の主要機能構成を示すブロック図である。まずは、入力データを生成し、生成した入力データを送信する情報処理装置200について説明する。
【0021】
図2に示すように、情報処理装置200は、生成判定手段201、生成手段202、暗号化手段203、付加手段204、記憶手段205、送受信手段206を含んで構成される。
【0022】
生成判定手段201は、入力フォームに属性情報を入力する(入力データを生成する)ユーザーが、入力フォームに属性情報を入力する権限を有しているか否かを判定する。この判定は、当該情報処理装置200にログインしたユーザーのユーザー情報と、記憶手段205に記憶され、後述する入力フォーム毎の付加情報に含まれる管理者情報とが一致するか否かで行なわれる。
【0023】
一致した場合は、作成権限ありと判断してユーザーに入力フォームへの入力を許可する。一致しなかった場合は、作成権限がないとしてこのユーザーによる入力フォームへの入力を禁止する。なお、管理者情報には何も記述されていない、又は、皆を意味する情報が記述されていた場合は、全てのユーザーが入力フォームに入力することできる。
【0024】
生成手段202は、入力フォームに入力された複数の属性情報に基づいて入力データを生成する。ここで、図3を用いて入力フォームについて説明する。図3は、入力フォームの一例を示す図である。図3は、会社情報を入力する例である。
【0025】
図3に示すように、表示画面300に表示される入力フォームA(会社情報)301には、属性情報として「会社名」、「Tel」、「FAX」、「メモ」が入力される。これらの属性情報を含んで入力データが生成される。
【0026】
図2に戻り、暗号化手段203は、生成手段202により生成された入力データに含まれる属性情報を暗号化して暗号化データを生成する。例えば、属性情報として個人情報が入力されるときなどはプライバシーを保護するため暗号化する。なお、暗号化手段203は、入力されるデータに応じてユーザーにより暗号化するか否かを選択させてもよい。よって、暗号化手段203は、実施例1に係る情報処理システムにとって必ずしも必要となる構成要素ではない。
【0027】
付加手段204は、生成手段202により生成された入力データ、又は、暗号化手段203により生成された暗号化データに対して、管理者情報やデータの送信先リストを付加する。
【0028】
ここで、いかなる情報が付加されるかについて図4を用いて説明する。図4は、入力データに付加される付加情報の一例を示す図である。付加情報として、「SaveFolder」はデータの記憶先のフォルダ名、「FileName」は、データが記憶されるファイルのファイル名、「Right of Access」は、アクセス権限を有するユーザー名、「ShareMachineList」は、データを共有する情報処理装置のリスト(IPアドレスで記述)などがある。
【0029】
また、付加情報は図4に示すように記憶手段205に入力フォーム毎に記憶されてもよいし、1つの付加情報を記憶し、この付加情報を全ての入力データに付加するようにしてもよいし、入力フォームをグループ単位で記憶し、グループ毎に1つの付加情報を記憶するようにしてもよい。
【0030】
また、管理者情報や利用できるユーザーのユーザー情報(以下、利用者情報という)を付加情報とすることで、入力データに対するアクセスを制限することができ、データを作成、修正、削除できるユーザー(管理者)と、データを利用できるユーザー(利用者)とを明確に分けることができる。
【0031】
なお、実施例1に係る情報処理システムにおいて、いかなる入力データに対しても同じ管理者や同じ送信先であることを予め決定しておけば、付加手段204は、必ずしも必要となる構成要素ではない。
【0032】
記憶手段205は、生成手段202により生成された入力データ、又は、暗号化手段203により生成された暗号化データを記憶する。また、記憶手段205は、付加手段204により入力データに付加される付加情報がある場合は、付加情報を記憶する。
【0033】
送受信手段206は、記憶手段205に記憶される入力データ(又は、暗号化データ)、及び付加情報を情報処理装置250に送信する(以下、入力データ(又は、暗号化データ)と付加情報とをまとめて入力データという)。ここで、送信先については、付加情報に含まれる送信先リストに記述される送信先(情報処理装置)に対して、入力データが送信される。図2に示す例では、情報処理装置250に送信する場合を示している。
【0034】
次に、送受信手段206により送受信される入力データの例について説明する。図5は、入力データの一例を示す図である。図5に示す例では、会社情報の属性情報に付加情報が付加されており、暗号化が行われていない状態を示している。仮に、暗号化手段203により暗号化が行われていれば、「DataDetail」以下の属性情報が暗号化されることになる。暗号化に関しては入力データ全てにおいて行ってもよいが、ここでは、属性情報に関する部分のみを暗号化する。
【0035】
以上より、情報処理装置200で入力フォームに入力された属性情報を含む入力データを、送信先リストに記述された情報処理装置に送信することで、この入力データを他の情報処理装置と共有して用いることができる。
【0036】
次に、情報処理装置250について説明する。情報処理装置250は、送受信手段251、記憶手段252、表示手段253、選択手段254、アクセス権判定手段255、復号化手段256、領域判定手段257、入力手段258、編集手段259を含んで構成される。
【0037】
送受信手段251は、他の情報処理装置から送信される入力データ(付加情報を含む)を受信する。図2に示す例では、情報処理装置200から入力データを受信する例を示している。送受信手段251は、受信した入力データを記憶手段252に出力する。
【0038】
記憶手段252は、送受信手段251から取得した入力データを記憶する。記憶された入力データは適宜表示手段253、アクセス権判定手段255などから読み出される。
【0039】
表示手段253は、入力フォームを表示するようユーザーから指示された場合は、入力フォームを表示部106に表示する。
【0040】
また、表示手段253は、記憶手段252に記憶される1つ又は複数の入力データを入力フォームと合わせて表示部106に表示する。この場合、表示手段253は、他の情報処理装置から取得した入力データを表示する表示領域Aに、入力データを識別する識別情報を表示する。この識別情報としては、例えば、アイコンや入力データを識別できる文字列が書かれたボックスなどがある。
【0041】
選択手段254は、表示領域Aに表示された入力データの識別情報に対して、ユーザーからこの識別情報を選択される。識別情報の選択については、表示領域Aから入力フォームの表示領域Bに識別情報をドラッグアンドドロップすることで、識別情報が選択されたと判断する。選択手段254は、選択されたと判断した入力データをアクセス権判定手段255に出力する。
【0042】
図6は、識別情報をドラッグアンドドロップして選択する場合の一例を示す図である。
図6に示す例では、表示画面600に入力フォーム領域601(表示領域B)と、入力データの表示領域602とが表示されている。ここでは、表示領域602には、受信された入力データを表示する表示領域603(表示領域A)と自装置で生成された入力データを表示する表示領域604とが表示されている。なお、詳しくは後述するが、情報処理装置250にも生成手段202を備えていることとする。
【0043】
このとき、ユーザーは、表示領域603に表示されている「YYY(会社名)」のボックスをドラッグして、入力フォーム領域601内でドロップすると、「YYY」の入力データが選択されたことを意味する。
【0044】
また、入力フォームが1種類しか表示されていない場合の他の選択の仕方としては、識別情報がクリックされたり、ダブルクリックされたりしたときに、識別情報が選択されたと判断してもよい。
【0045】
図2に戻り、アクセス権判定手段255は、選択手段254から取得した入力データに対して、アクセスしてもよいか否かを判定する。ここで言うアクセスとは、入力データを利用するという意味である。つまり、情報処理装置250にログインしたユーザーが、表示領域Aに表示された入力データを利用して、入力フォームにデータを入力することができるか否かを判定する。
【0046】
この判定は、情報処理装置250にログインしたユーザーのユーザー情報と、選択された入力データの付加情報に含まれるアクセス情報とに基づいて行われる。具体的には、アクセス情報に記述された管理者情報及び/又は利用者情報とログインしたユーザーのユーザー情報とが一致したか否かで行なわれる。
【0047】
一致したと判定された場合は、このユーザーは、選択された入力データを利用することができ、一致しなかったと判定された場合は、このユーザーは、選択された入力データを利用することができない。
【0048】
アクセス権判定手段255は、アクセス可能であると判定した場合は、入力データが暗号化されている場合は入力データを復号化手段256に出力し、暗号化されていなければ入力データを領域判定手段257に出力する。
【0049】
ここで、アクセス情報としては、図4に示す「Right of Access」には、「ユーザーA、ユーザーB」としか記述されていないが、これを管理者と利用者とを明確に分けて記述するようにしてもよい。例えば、管理者(Administrator)が「ユーザーA、ユーザーB」であって、利用者(User)は、「ユーザーA〜K」などとしてもよい。
【0050】
アクセス権判定手段255によって、受信された入力データを利用できるユーザーを制限することができる。
【0051】
復号化手段256は、アクセス権判定手段255から入力データを取得すると、入力データに含まれる暗号化データを復号し、属性情報を得る。復号化手段256は、復号化して得られた属性情報を領域判定手段257に出力する。
【0052】
領域判定手段257は、アクセス権判定手段255から入力データを取得した場合は、取得した入力データに含まれる属性情報毎に、入力フォームの入力領域を判定する。
【0053】
また、復号化手段256から属性情報を取得した場合には、この属性情報毎に、入力フォームの入力領域を判定する。なお、入力領域の判定の方法としては、図4に示すようにXML形式でデータが記述されていれば、タグが一致するか否かで入力領域を判定することができる。
【0054】
入力手段258は、領域判定手段257により判定された入力フォームの入力領域に属性情報を入力する。なお、領域判定手段257と入力手段258とは必ずしも別構成とする必要はなく、1つの構成としてもよい。
【0055】
図7は、入力フォーム領域701の入力領域に属性情報が入力されている例を示す図である。図7は、図6に示すように、識別情報「YYY」がドラッグアンドドロップされたときに、入力領域に属性情報が自動的に入力されている例である。識別情報「YYY」の入力データを図5に示すデータとすると、図7に示すように、入力フォーム領域701の「会社名」に「YYY」、「Tel」に「03-XXXX-XXXX」、「FAX」に「03-XXXX-XXXX」、「メモ」に「今週中に返信必要」が自動的に入力される。
【0056】
これより、ユーザーは電話番号などを手入力する必要がなく、また、他の会社の情報を入力したいときであっても、表示領域602に表示される識別情報をドラッグアンドドロップするのみで容易に入力フォームに属性情報を入力することができるようになる。
【0057】
また、自動で入力された属性情報が誤っている場合や、古い情報の場合は、図2の編集手段259を用いてデータの編集(修正)を行う。
【0058】
編集手段259は、記憶手段252に記憶されている入力データの編集を行う。図8と図9とを用いて入力データの編集について説明する。
【0059】
図8は、入力データを編集する場合のGUIの一例を示す図である。図8に示す例では、表示画面800には、識別情報「YYY」に対して、編集ボタンと削除ボタンが表示されている例である。この編集ボタンと削除ボタンは、例えば、「YYY」上で右クリックすることで表示される。次に、カーソル801を編集ボタンの上にあわせ、クリックすることで編集画面を表示する。
【0060】
図9は、編集画面の一例を示す図である。図9に示す例では、図8に示す「YYY」の入力データを編集する場合を示している。表示画面900に表示される編集画面901には、「タイトル」と「形式」と「属性情報」が表示され、これらを直接編集できるようになる。
【0061】
編集手段259を用いることにより、入力データの編集をすることが可能となる。また、図8と図9に示す例では、記憶手段252に記憶される入力データを編集する場合について説明したが、図7などに示すような入力フォームの入力領域に入力された属性情報を直接修正できるようにしてもよい。
【0062】
このとき、修正された属性情報は記憶手段252に反映される(修正された属性情報で上書き)ようにしてもよいし、ユーザーに、反映させるか否かを選択させるようにしてもよい。
【0063】
また、編集手段259により編集された属性情報を、付加情報の送信先リストに記述された情報処理装置に送信し、編集された属性情報を受信した情報処理装置は、記憶手段に記憶されている入力データに対して、編集された属性情報を上書きするようにしてもよい。これより、入力データを共有している情報処理装置のいずれか一つが属性情報を編集した場合、入力データを共有している情報処理装置全てに対して、編集された属性情報を反映させることができるようになる。
【0064】
ここで、実施例1に係る情報処理システムの情報処理装置250において、情報処理装置200が前述したように付加手段204を構成していない場合は、アクセス権判定手段255は、必ずしも必要な構成ではない。
【0065】
また、情報処理装置200、情報処理装置250ともに、最低限の構成要素しか記載していないが、情報処理装置200は、情報処理装置250の構成要素をさらに備え、情報処理装置250は、情報処理装置200の構成要素をさらに備えているようしてもよい。このとき、自装置で生成した入力データと、受信した入力データとを区別できるように表示画面に表示するようにしてもよい(図6等参照)。
【0066】
これより、自装置で生成したデータと受信した入力データとを一目して識別することができ、受信して入力したデータの時には、属性情報の値に特に注意を払うことなどが可能となる。
【0067】
以上、情報処理装置250によれば、他の装置で入力フォームに入力された属性情報を含む入力データを受信して記憶しておき、入力フォームを表示する場合に、記憶してある入力データを同じ画面に表示することで、この入力データを用いて入力フォームに属性情報を簡易に入力することができる。
【0068】
<実施例1における入力データの生成、送信処理について>
実施例1における入力データの生成、送信処理について説明する。図10は、入力データの生成、送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
ステップ101において、生成判定手段201は、これから入力フォームに入力しようとするユーザーが、属性情報を入力する権限を有しているか否かを判定する。ステップ101の判定結果がNOであれば処理を終了する。
【0070】
ステップ101の判定結果がYESであればステップ102に進み、生成手段202は、入力フォームの入力領域に属性情報が入力された場合、入力された属性情報を含む入力データを生成する。生成手段202は、生成した入力データを暗号化手段203に出力する。
【0071】
ステップ102に続いてステップ103に進み、暗号化手段203は、生成手段202から取得した入力データを暗号化して暗号化データを生成し、生成した暗号化データを付加手段204に出力する。
【0072】
ステップ103に続いてステップ104に進み、付加手段204は、暗号化手段203から取得した暗号化データに、付加情報を付加する。付加情報とは、入力データの管理者情報、入力データの送信先リスト、送信先での記憶先情報などである。付加手段204は、付加情報が付加された暗号化データ(以下、入力データという)を記憶手段205に出力する。
【0073】
ステップ104に続いてステップ105に進み、記憶手段205は、付加手段204から入力データを取得し、取得した入力データを記憶する。
【0074】
ステップ105に続いてステップ106に進み、送受信手段206は、入力データに含まれる送信先リストを参照する。ステップ106に続いてステップ107に進み、送受信手段107は、送信先リストに記述されている情報処理装置に対し、入力データを送信する。
【0075】
以上より、情報処理装置200で入力フォームに入力された属性情報を含む入力データを、送信先リストに記述された情報処理装置に送信することで、この入力データを他の情報処理装置と共有して用いることができる。また、図10に示す処理では、暗号化手段203と付加手段204とを用いてステップ103とステップ104との処理を行わせたが、これらの処理は、前述した通り必ずしも必要としない。
【0076】
<実施例1における入力フォームへの自動入力について>
図11は、実施例1における入力フォームへの自動入力の処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
ステップ201において、送受信手段251は、情報処理装置200から入力データを受信し、受信した入力データを記憶手段252に出力する。また、送受信手段251は、情報処理装置200のみならず、その他の情報処理装置からも入力データを受信する。
【0078】
ステップ201に続いてステップ202に進み、記憶手段252は、送受信手段251が受信した入力データを記憶する。
【0079】
ステップ202に続いてステップ203に進み、表示手段253が、ユーザーにより入力フォームを表示するよう指示された場合、入力フォームと入力データとを表示する。表示画面には、図6に示すように、入力フォームの表示領域、入力データの識別情報が表示された表示領域が表示される。
【0080】
ステップ203に続いてステップ204に進み、選択手段254は、ユーザーにより、入力データの識別情報が表示された表示領域から入力フォームの表示領域にドラッグアンドドロップされた識別情報を選択する。選択手段254は、選択した識別情報に対応する入力データをアクセス権判定手段255に出力する。
【0081】
ステップ204に続いてステップ205に進み、アクセス権判定手段255は、情報処理装置250を操作しているユーザーが、選択された入力データを利用できるか否かを判定する。判定方法としては、選択手段254から取得した入力データの付加情報に含まれる管理者情報及び/又は利用者情報と、情報処理装置250にログインされたユーザーのユーザー情報とが一致するか否かで判定される。ステップ205の判定結果がNOであれば処理を終了する。
【0082】
ステップ205の判定結果がYESであればステップ206に進み、復号化手段256は、アクセス権判定手段255から取得した入力データの暗号化データを復号化し、復号化して得られた属性情報を領域判定手段257に出力する。
【0083】
ステップ206に続いてステップ207に進み、領域判定手段257は、復号化して得られた属性情報毎に、どの入力領域にどの属性情報を入力すべきかを判定する。判定方法としては、例えば、入力データがXML形式で記述されている場合は、属性情報が記述されたタグと同じタグを有する入力領域かどうかを判定する。この判定を全ての属性情報に対して行なう。
【0084】
ステップ207に続いてステップ208に進み、入力手段258は、領域判定手段257により判定された入力領域に属性情報を入力する。入力手段258は、入力データの属性情報について、対応する入力領域がなかった場合は属性情報をどの入力領域にも入力しない。ステップ208の処理が終了すると、例えば、図7に示すように、入力領域に属性情報が入力されて表示画面に表示される。
【0085】
以上より、情報処理装置250は、他の装置で入力フォームに入力された入力データを受信して記憶しておき、入力フォームを表示する場合に、記憶してある入力データを同じ画面に表示することで、この入力データを用いて入力フォームに属性情報を簡易に入力することができる。
【0086】
また、入力データは暗号化されておらず、付加情報が付加されていない場合には、ステップ205とステップ206との処理を行う必要はない。
【0087】
以上、実施例1に係る情報処理システムによれば、同じフォームであっても、異なるデータの入力や複数ユーザーで利用される共通データの入力を、ユーザーに負担をかけず簡易に行うことができる。
【0088】
また、自装置で生成した入力データと、受信した入力データとを区別できるように表示画面に表示するようにしてもよい(図6等参照)。これより、自装置で生成したデータと受信した入力データとを一目して識別することができ、受信して入力したデータの時には、属性情報の値に特に注意を払うことなどが可能となる。
【0089】
また、編集手段259を備えることにより、記憶手段252に記憶された入力データの編集(修正、削除など)をすることが可能となる。
【0090】
また、入力データのうち、属性情報に係るデータを暗号化することにより、個人情報などを送信する場合には、第三者に容易にデータを盗難されることを防止することができる。このとき、付加情報については暗号化しないとすることにより、アクセス権の判定については、入力データを復号せずとも行うことができるようになる。
【0091】
また、アクセス権情報を付加情報に含めることにより、入力データを利用できるユーザーを制限することができる。このとき、アクセス権情報を、管理者情報と利用者情報とを分けることにより、入力データを作成、修正、削除できるユーザーと、入力データを利用できるユーザーとを明確に分けることができる。
【0092】
また、入力データの記憶先を示す情報を付加情報に含めることにより、一定のフォルダに入力データをまとめて記憶することができる。
【0093】
また、入力データの送信先リストを付加情報に含めることにより、入力データを共有したい情報処理装置にだけ送信することが可能となる。
【0094】
[変形例]
実施例1に係る情報処理システムの変形例について説明する。変形例に係る情報処理システムは、1つの入力フォームにおいて複数の入力データを簡易に入力することができる情報処理システムである。
【0095】
図12と図13とを用いて、変形例に係る情報処理システムの具体例について説明する。図12は、入力フォームと、入力データの識別情報が表示された表示領域とが表示画面に表示されている例を示す図である。図12と図6との違いは、図12では、会社情報の領域1201以外にも事業所情報の領域1202が表示されている。
【0096】
図12に示すように、入力フォームの入力領域がグループ化されている場合、グループ化されている領域毎に、領域602内に表示されている識別情報をドラッグアンドドロップして属性情報を入力することができる。
【0097】
図13は、図12に示す入力フォームに属性情報が入力された一例を示す図である。図13に示す例では、会社情報の領域1201内には、識別情報「YYY」をドラッグアンドドロップし、事業所情報の領域1202内には、識別情報「B所」をドラッグアンドドロップした結果が表示されている。
【0098】
なお、図12、図13に示す例では、受信した入力データの識別情報を表示する表示領域603には、会社情報の入力データの識別情報が表示され、自装置で生成された入力データの識別情報を表示する表示領域604には、事業所情報の入力データの識別情報が表示されているが、これに限られない。例えば、表示領域603にも事業所情報の入力データの識別情報が表示されてもよい。
【0099】
以上、変形例に係る情報処理システムは、1つの入力フォームにおいて複数の入力データを簡易に入力することができる。
【0100】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、上記変形例以外にも種々の変形・変更が可能である。
【0101】
なお、実施例及び変形例において説明した処理内容をプログラムとし、このプログラムをコンピュータに実行させて前述した処理を各情報処理装置に実行させることも可能である。また、このプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムが記録された記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前述した処理を各情報処理装置に実行させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に係るシステムの概略ハードウェア構成の一例を示す図。
【図2】実施例1に係る情報処理装置の主要機能構成を示すブロック図。
【図3】入力フォームの一例を示す図。
【図4】入力データに付加される付加情報の一例を示す図。
【図5】入力データの一例を示す図。
【図6】識別情報をドラッグアンドドロップして選択する場合の一例を示す図。
【図7】入力フォームの入力領域に属性情報が入力されている例を示す図。
【図8】入力データを編集する場合のGUIの一例を示す図。
【図9】編集画面の一例を示す図。
【図10】入力データの生成、送信処理の一例を示すフローチャート。
【図11】実施例1における入力フォームへの自動入力の処理の一例を示すフローチャート。
【図12】入力フォームと、入力データの識別情報が表示された表示領域とが表示画面に表示されている例を示す図。
【図13】入力フォームに属性情報が入力された一例を示す図。
【符号の説明】
【0103】
100、110、120、200、250 情報処理装置
101 CPU
102 RAM
103 HDD
104 ネットワークI/F部
105 入力部
106 表示部
201 生成判定手段
202 生成手段
203 暗号化手段
204 付加手段
205、252 記憶手段
206、251 送受信手段
253 表示手段
254 選択手段
255 アクセス権判定手段
256 復号化手段
257 領域判定手段
258 入力手段
259 編集手段
300、600、700、800、1200 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された第1情報処理装置と第2情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記第1情報処理装置は、
複数の属性情報を含む入力データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された入力データを前記第2情報処理装置に送信する送信手段とを備え、
前記第2情報処理装置は、
前記送信手段により送信された入力データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された入力データを識別する識別情報が複数表示される第1情報領域を含む情報表示領域と、前記属性情報を入力するための入力領域が複数表示される設定表示領域とを表示する表示手段と、
前記情報表示領域に表示された識別情報に基づいて選択された入力データに含まれる属性情報毎に、該属性情報に対応する入力領域を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された入力領域毎に、前記属性情報を入力する入力手段とを備える情報処理システム。
【請求項2】
前記第2情報処理装置は、
複数の属性情報を含む入力データを生成する生成手段を備え、
前記情報表示領域は、
前記生成手段により生成された入力データに関する情報が表示される第2情報領域を含む請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2情報処理装置は、
前記情報表示領域から前記設定表示領域内にドラッグアンドドロップされた識別情報に対応する入力データを選択する選択手段を備え、
前記判定手段は、前記選択手段により選択された入力データに対して、前記入力領域の判定を行なう請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2情報処理装置は、
前記受信手段により受信された入力データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される入力データを編集する編集手段とを備える請求項1乃至3いずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1情報処理装置は、
前記生成手段により生成された入力データを暗号化して暗号化データを生成する暗号化手段を備え、
前記送信手段は、
前記暗号化手段により生成された暗号化データを送信し、
前記第2情報処理装置は、
前記受信手段により受信された暗号化データを復号化する復号化手段を備え、
前記入力手段は、
前記復号化手段により復号化されたデータを前記入力領域に入力する請求項1乃至4いずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1情報処理装置は、
前記生成手段により生成された入力データに、該入力データに対するアクセス権を示すアクセス権情報を付加する付加手段を備え、
前記送信手段は、前記アクセス権情報が付加された入力データを送信し、
前記第2情報処理装置は、
前記受信手段により受信された入力データに含まれるアクセス権情報に基づいて、前記入力データに対するアクセスの可否を判定するアクセス判定手段を備える請求項1乃至5いずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記アクセス権情報は、前記入力データに対する管理者を示す管理者情報を含む請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記アクセス権情報は、前記入力データの利用が許可されたユーザーのユーザー情報を含む請求項6又は7記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記付加手段は、
前記第2情報処理装置における前記入力データの記憶先を示す情報をさらに付加する請求項6乃至8いずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記付加手段は、
前記生成手段により生成された入力データを送信する情報処理装置のリストを付加し、
前記送信手段は、
前記リストに記述される情報処理装置に対して、前記リストが付加された入力データを送信する請求項6乃至9いずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2情報処理装置は、
前記編集手段により前記入力データが編集されて編集データが生成された場合、前記受信手段により受信された前記リストに記述される情報処理装置に対して、前記編集データを送信する送信手段を備え、
前記第1情報処理装置は、
前記第1情報処理装置から前記編集データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された編集データを記憶する記憶手段とを備える請求項10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記設定表示領域に表示される複数の入力領域がグループ化されている場合、
前記判定手段は、
前記グループ毎に選択された入力データの属性情報に対して、前記入力領域の判定を行なう請求項1乃至11いずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
ネットワークを介して接続された第1情報処理装置と第2情報処理装置とを備える情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記第1情報処理装置において、
複数の属性情報を含む入力データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された入力データを前記第2情報処理装置に送信する送信ステップとを有し、
前記第2情報処理装置において、
前記送信ステップにより送信された入力データを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された入力データに関する情報が複数表示される第1情報領域を含む情報表示領域と、前記属性情報を入力するための入力領域が複数表示される設定表示領域とを表示する表示ステップと、
前記情報表示領域から選択された入力データに含まれる属性情報毎に、該属性情報に対応する入力領域を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定された入力領域毎に、前記属性情報を入力する入力ステップとを有する情報処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載された情報処理方法をコンピュータに実行可能な情報処理プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載された情報処理プログラムを記録したコンピュータに読取可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−20698(P2010−20698A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182849(P2008−182849)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】