情報処理システム、情報処理装置、及びプログラム
【課題】会議で用いられた紙媒体上で、会議の進行と共に注目するべき場所を表示可能とすること。
【解決手段】面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知し、当該媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する。会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、媒体識別子に関係して取得した対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する。そして取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明する情報処理装置である。
【解決手段】面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知し、当該媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する。会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、媒体識別子に関係して取得した対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する。そして取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明する情報処理装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子化資料を共有するクライアントサーバ型の電子会議支援システムに用いられ、会議参加者のうち、発表者のクライアントコンピュータの画面に表示される会議資料にメモが記述されたとき、当該メモを資料に関連付けてサーバーに蓄積すると共に、当該サーバーを介して他のクライアントコンピュータに配信し、発表者以外の参加者によるコンピュータ画面上へのメモの記述は、それぞれが持つコンピュータ上にローカルに保存し、先に配信された発表者のメモとは別個に管理される技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−256165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
会議で用いられた紙媒体上で、紙媒体に記入された領域のうち、会議で用いられた資料と結びついている領域を表示可能とすること、およびその領域を指定することにより、前記資料を特定可能とすること
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、記憶装置と、情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記記憶装置は、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持し、前記情報処理装置は、前記記憶装置と通信する通信手段と、利用者を識別する手段と、紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、を含むこととしたものである。
【0005】
請求項2記載の発明は、情報処理装置であって、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続され、前記記憶装置と通信する通信手段と、利用者を識別する手段と、紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、を含むこととしたものである。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の情報処理装置であって、紙媒体上で利用者が記入操作を行った記入領域を表す記入領域情報を取得する手段と、前記取得した記入領域情報を表す情報を、当該記入操作の日時に関連づけて記憶する手段と、をさらに含み、前記領域情報取得手段は、前記見出した資料識別情報に関連づけられて前記記憶装置に記憶されている日時情報と領域情報とを取得するとともに、前記記入領域情報と記入操作の日時とを取得し、前記制御手段は、前記取得した日時情報及び領域情報と、前記記入領域情報及び記入操作の日時とを用い、指定された日時に対応する日時情報または記入操作の日時に関連した領域情報または記入領域情報を参照し、当該参照した領域情報または記入領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御することとしたものである。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の情報処理装置であって、前記制御手段は、前記領域情報と記入領域情報とのそれぞれに対応する領域を、それぞれ区別可能な態様で照明するよう前記選択照明手段を制御することとしたものである。
【0008】
請求項5記載の発明は、プログラムであって、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続されるコンピュータを、前記記憶装置と通信する通信手段と、利用者を識別する手段と、紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、として機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,2,5記載の発明によると、会議で用いられた紙媒体上で、会議の資料と結びついて記録された場所を表示可能とする。
【0010】
請求項3記載の発明によると、利用者が別途記入した場所を特定可能とする。
【0011】
請求項4記載の発明によると、会議の資料と結びついて記録された場所と、利用者が別途記入した場所とを区別可能に表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、図1に例示するように、情報処理装置1と、この情報処理装置1に対してネットワーク等の通信回線を介して接続される記憶装置2とを含む。
【0013】
ここで情報処理装置1は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、媒体検知部15と、通信部16とを有する。この情報処理装置1は、図2にその外観を例示するように、紙資料Pを載せて用いる。ここで紙資料は1枚だけのものであってもよいし、後に説明するように冊子状の資料であっても構わない。しかしながら、まずは簡単のため、紙資料Pは1枚だけであるものとして説明を行う。
【0014】
情報処理装置1は、紙資料Pの全体を支持可能なサイズの面Sを有している。この面Sは、操作部13として機能している。すなわち操作部13は、ここでは例えば表示部14に重ね合わせられた透明電極であり、紙資料Pを介して利用者の押圧操作(紙資料Pへの書き込みなど)が行われると、当該書き込みの位置を検知する。
【0015】
なお、操作部13は、押圧操作を検出する以外にも、電磁誘導パネルを用いてもよい。この場合、利用者が書き込み操作に使用するペンは電磁ペンとなる。
【0016】
さらに、表示部14である表示デバイスの各画素に対応する各素子に、操作部13となる光センサを配してもよい。このときには、ペン先近傍に発光素子を配したペンなどを用いて利用者に紙資料P上への文字などの記入を行わせ、操作部13が紙資料Pを介して透過した当該ペン先近傍に配した発光素子の光を検出する(そのために発光素子の光は変調されていてもよい)こととしてもよい。すなわち操作部13は、検出した光の位置により利用者のペンの位置を検出することになる。
【0017】
表示部14は、例えば図3に例示するように、少なくとも一枚の紙媒体である紙資料Pを仮想的に複数の領域(照明領域)に区切ったとき、各照明領域を単位として、紙資料Pを下部から照明可能な程度の解像度を有する。この照明領域の数Nは、例えばN=30程度(3×10個の領域に区切った場合)でもよい。つまり表示部14は、これら各照明領域ごとに発光素子(LED(Light Emission Diode)等)を配したものであってもよいし、また、表示部14は、一般的な液晶表示デバイスや有機EL(Electro-Luminescence)デバイスなどであってもよい。照明領域の数よりも高解像度の画素を有している場合、画素の点灯・消灯を制御して、対応する照明領域の照明を行うこととすればよい。この場合も、照明は、照明領域を単位として行えばよい。
【0018】
媒体検知部15は、面Sに支持された紙資料Pを識別する識別情報を取得する。この媒体検知部15の例については後に述べる。
【0019】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作している。この制御部11は、面Sに載せられ、支持された紙資料Pを識別する識別情報を、媒体検知部15から取得する。
【0020】
また制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pの面Sに対する相対的な位置(想定されている位置からのずれ、回転)を検出する処理や、紙資料Pへの書き込みが行われた時刻と領域とを特定する情報の生成・記録指示、記憶装置2において記録されている情報に基づく、紙資料P上の領域を照明する処理などを実行する。これらの制御部11の処理の内容については、後に述べる。
【0021】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)等のメモリ素子を備える。この記憶部12には制御部11によって実行されるプログラムが格納される。このプログラムは、例えばDVD−ROMなどのコンピュータ可読な記録媒体から読み取られて複写されたものであってもよい。さらにこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0022】
記憶部12にはまた、表示部14が個別に照明可能な各領域を画定する情報を記憶している。この情報は、例えば各領域の識別子と、各領域の頂点座標(領域が矩形の領域である場合、領域の左上座標と右下座標)とを関連づけたものでよい。
【0023】
通信部16は、例えば無線LAN(Local Area Network)インタフェースであり、ネットワーク等の通信回線を介し、制御部11からの指示に従って記憶装置2との間で情報の送受を行う。
【0024】
記憶装置2は、図4に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを含んで構成される。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作している。ここで制御部21は、情報処理装置1から受信される指示に従って資料情報を記録する。また、この制御部21は、情報処理装置1から受信する要求に応じて、資料情報の少なくとも一部を当該要求元の情報処理装置1へ送出する。この制御部21の動作については後に述べる。
【0025】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)等のメモリ素子やディスクデバイスなどを備える。この記憶部22には制御部21によって実行されるプログラムが格納される。このプログラムは、例えばDVD−ROMなどのコンピュータ可読な記録媒体から読み取られて複写されたものであってもよい。さらにこの記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。
【0026】
本実施の形態において、この記憶部22には、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報を格納している(図5(a))。また、この会議情報には、さらに、当該会議の開催日時(開始日時及び終了日時)が関連づけられていてもよい(図5(b))。
【0027】
また記憶部22は、会議を識別する情報と、会議で用いられる資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報を保持している(図6(a)、図6(b))。なお、図6(a)では領域情報として座標の範囲を表す情報を用いた例を示し、図6(b)では領域情報としてページの情報を用いた例を示している。
さらに本実施の形態では、領域情報としてページを表す情報と座標の範囲を表す情報とを組み合わせてもよい。
【0028】
通信部23は、情報処理装置1から受信する情報を制御部21に出力する。また、この通信部23は、制御部21から入力される指示に従って、指示された情報を情報処理装置1へ送信する。
【0029】
[資料情報の登録]
本実施の形態では、記憶部22には、予め、行われる予定の会議を識別する情報(会議識別情報)と、その参加予定の人物を特定する情報(参加者名など)とが関連づけて会議情報として格納される。
【0030】
またこの記憶装置2の制御部21は、会議の開催中に、資料の発表者のパーソナルコンピュータ等から、発表に用いている資料で注目するべき部分を表す情報を逐次的に受信することとしてもよい。
【0031】
すなわち、会議における資料発表者は、自分の発表用資料のうち、注目するべき部分を指示してから当該部分の発表を行う。例えば製品の販売状況を説明する資料であれば、当該製品の説明、販売時期、販売数量の推移…などという順に資料が作られ、当該資料に沿って発表が行われる。このとき発表者は製品の説明を行うときには当該部分を指定して注目するように述べ、それから当該部分の説明を行う。次いで、販売時期の部分を指定して注目するように述べ、当該部分の説明を行う…というようにする。
【0032】
発表者のパーソナルコンピュータ側では、資料の画像上で発表者が注目するように述べた部分を表す情報(注目するよう述べた部分を囲む矩形等を画定する座標情報など)を生成して、記憶装置2へ送信する。このようにするためには、例えば資料の画像上で、予め意味のある部分ごとの領域を表す情報を生成しておき、利用者がどの領域に注目するべきかをマウスなどで指定し、パーソナルコンピュータは、資料を特定する情報(当該資料が複数頁ある場合は、頁数の情報を含む)と、当該指定された領域を表す情報とを送信するというようにしておけばよい。
【0033】
記憶装置2の制御部21は、ネットワークなどの通信手段を介して、資料を特定する情報と領域を特定する情報との入力を受け入れると、受入元のパーソナルコンピュータの利用者(発表者)名を取得する。この利用者名の取得は、例えば事前に当該パーソナルコンピュータから利用者名等の認証情報を受け入れ、パーソナルコンピュータのネットワークアドレス等に関連づけて利用者名を記憶しておき、情報の送信元であるパーソナルコンピュータのネットワークアドレス等に関連づけられた利用者名を読出すこととすればよい。
【0034】
制御部21は、取得した利用者名に関連づけられた会議識別情報を会議情報から検索する。そして検索により見出された会議識別情報に関連づけて、資料を特定する情報(当該資料が複数頁ある場合は、頁数の情報を含む)と、上記指定された領域を表す領域情報と、情報を受け入れた日時(図示しない時計部から取得する)とを関連づけて、記憶部22に蓄積して記録する。なお、このとき制御部21は、当該資料の名称など資料の内容を表す情報を受け入れて、これらに関連づけて保持しても構わない。
【0035】
[媒体検知部の例]
次に、情報処理装置1における媒体検知部15の例について述べる。媒体検知部15は、紙資料Pを特定する識別情報を、無線タグ(RFID(Radio Frequency IDentification))や、紙媒体ごとに固有の繊維パターンに基づく情報や、紙媒体上に記録された情報(例えばバーコードなど)により、面Sに支持されている紙資料Pの識別情報を取得する。
【0036】
例えば、個々の紙資料Pに予め、固有の識別情報を記録した無線タグが付されている場合、本実施の形態に係る情報処理装置1は、面Sに載せられた紙資料Pに付された無線タグから識別情報を取得する。つまりこの場合の媒体検知部15は、無線タグの情報読み取り装置として機能する。さらに媒体検知部15としての無線タグの情報読み取り装置は複数あってもよい。
【0037】
また、紙の繊維の構造が、紙ごとに異なっていることを利用して、紙資料Pの予め定められた部分における紙繊維の構造に基づき、紙資料Pを識別する識別情報を生成してもよい。この場合、媒体検知部15は、上記予め定められた部分の紙繊維の構造を撮像するカメラとして機能する。
【0038】
さらに、媒体検知部15は、表示部14または操作部13と同じ面に配列された複数の受光素子を備えてもよい。この場合、媒体検知部15は、紙資料Pが面Sに載せられると、当該紙資料Pの面S側の面全体を撮像することとなる。そこで、予め紙資料Pの面S側に向く面に、紙資料Pごとに異なる識別情報を表したコンピュータ可読な符号画像(バーコードなど)を形成しておいてもよい。このときには、媒体検知部15は、撮像した紙資料Pの面からこの符号画像を検出し、当該符号画像の表す識別情報を出力することになる。
【0039】
[紙資料の位置ずれの検知]
次に、制御部11による紙資料Pと面Sとの相対的位置のずれ検知の処理について述べる。この処理では、
(1)予め紙資料側に形成したマークを利用者にポイントさせ、又はなぞらせて、当該操作により位置ずれを検知する
(2)予め紙資料側に形成した欄に利用者に文字列などを記入させ、当該記入の操作により位置ずれを検知する
(3)予め紙資料の表裏対応する位置に、それぞれ利用者のポイント位置と、所定位置ずれ検出用の所定パターンとを形成しておき、利用者がポイント位置をポイントすると、それに対応して裏面側に形成された位置ずれ検出用の所定パターンを読み取って位置ずれを検知する
(4)無線タグを用いる
のいずれかの処理を行えばよい。以下、各処理について説明する。
【0040】
(1)マークをポイントまたはなぞらせる例
ここで紙資料P側に形成するマークは、例えば図7(a)に示すように、紙資料Pの辺に平行にならない線分上にある予め定められた複数の点(例えばM1,M2)に形成したX字状(または十字など中心点のわかる形状)のマークでよい。これらのマークは、例えば紙資料Pの左下の頂点を原点として、短辺の方向をX軸、長辺の方向をY軸として(M1x,M1y),(M2x,M2y)の座標を中心点として表すマークとして予め定められているものとする。
【0041】
制御部11は、利用者がこれらの予め定められた複数の位置で、その中心をペンなどでポイントする(記入を行う)と、その記入操作が行われた位置(面S上のM1,M2に対応する各座標μ1,μ2)を記入内容として操作部13によって検出する。そして当該検出した座標により、紙資料Pの面Sに対する相対位置を検知する。すなわち、制御部11は、紙資料P上の点(x,y)と、面S上の点(ξ,η)とを関連づけるパラメータを生成する。具体的に、紙資料Pと面Sとの位置ずれは、回転と平行移動との組み合わせであるものとすれば、座標M1(M1x,M1y),M2(M2x,M2y),μ1(μ1ξ,μ1η),μ2(μ2ξ,μ2η)と、回転角度θ、平行移動量(α,β)とを用いて、
【数1】
の2式をともに満足するθ,α,βを求めることで、紙資料P上の点(x,y)と面S上の点(ξ,η)とを関連づける変換式、
【数2】
を得る。
【0042】
また制御部11は、この変換式(便宜的に第1変換式と呼ぶ)を用いて、面S上の点(ξ,η)を紙資料P上の点(x,y)に変換する第2変換式を得ておく。
【0043】
制御部11は、この変換式を得た後、利用者が書き込みを行って、操作部13を押圧すると、操作部13の押圧位置から第2変換式を用いて、紙資料P上のどの領域内に書き込みをしているかを検知する。
【0044】
ここでは図8に示すように、紙資料P上に予め仮想的な領域を設定しておくものとする。各領域R1,R2…は、ここでは矩形であるものとし、領域Riの左上座標は、RiL(RiLx,RiLy)とし、右下座標はRiR(RiRx,RiRy)であるものとする。制御部11は、操作部13において押圧が検出されると、次に押圧が検出されずに予め定めた時間が経過するまで(利用者が押圧操作を中断するまで)の間に検出した押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を記録しておく。そしてこれら最小値、最大値を第2変換式を用いて、紙資料P上の点LT(xmin,ymin),RB(xmax,ymax)にそれぞれ変換する。そして、このLT,RBの座標を含む領域、すなわち
RiL<LT≦RiR(またはRiL≦LT<RiRでもよい)
RjL<RB≦RjR(またはRjL≦RB<RjRでもよい)
となるi,jを見いだす。これにより制御部11は、利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。制御部11は、また、操作部13において押圧が検出されていた時刻(押圧検出の開始時刻と、最後に押圧検出した終了時刻)とを図示しない時計部から読み出して記憶しておき、これら開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0045】
また、ここでは複数の互いに異なる位置で行われた記入内容に基づいて紙資料Pと面Sとの相対的位置を検知する例としたが、例えば図7(b)に示すように、紙資料Pの予め定められた位置Mにおいて、利用者に異方性のある図形などを記入させ、その記入内容に基づいて、紙資料Pと面Sとの相対位置を検知してもよい。
【0046】
ここで異方性のある図形とは、少なくとも回転・平行移動に対して非対称であるような図形である。一例として図7(b)ではV字状の例を示している。利用者がこの図形をなぞると、操作部13からの入力により、制御部11はV字を構成する線分の面Sに対する向き及び位置等を検出する。そしてその検出結果によって紙資料Pの面Sに対する回転角度と平行移動位置とを演算によって求める。
【0047】
この場合も制御部11は、第1、第2の変換式を得ることとなり、制御部11は、これらの変換式を用いて利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。そして、開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0048】
(2)利用者に文字列などを記入させ、当該記入の操作により位置ずれを検知する例
また本実施の形態において、紙資料Pには、図9に示すように予め定められた領域に、利用者に記入を行わせる欄Wを設けておいてもよい。そして制御部11が、この領域内において利用者がした記入の内容に基づいて紙資料Pと面Sとの相対位置を検知してもよい。
【0049】
すなわちこの例では制御部11は、利用者がこの欄Wのうちで記入した文字等に外接する矩形を画定する(図10)。そしてこの外接矩形の各辺が面Sの軸に対してどれだけ傾いているかによって回転を検出する。また、外接矩形の重心など外接矩形から求められる、外接矩形内外の点に基づいて平行移動量を推定する。例えば外接矩形の重心が欄Wの重心に一致すると仮定して、欄Wの重心を外接矩形の重心であると推定し、欄Wの重心(事前に定められている欄Wの位置から求めることができる)と、それに対応する面S上の座標とにより、制御部11は第1、第2の変換式を得ればよい。
【0050】
以下、先の例と同様に、制御部11は、これらの変換式を用いて利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。そして、開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0051】
さらに、このように利用者に文字列等を記入させる場合、紙資料ごとに異なる文字列等を記入させることとしてもよい。この場合、紙資料Pの予め定めた位置に、記入するべき文字列等の画像を予め形成しておく。そして利用者に当該画像に従って文字列等を記入させる。
【0052】
一方、例えば記憶装置2において、紙資料Pの識別情報と、記入された文字列等の特徴量とを関連づけるテーブルを記憶させておき、制御部11は、記入された文字列等の特徴量を抽出して、当該抽出した特徴量に関連づけられた識別情報を記憶装置2から取得する。これにより、記入内容から紙資料Pの識別情報を取得することとしてもよい。この場合、媒体検知部15は必ずしも必要ではない。
【0053】
(3)紙資料上に形成されたパターンを利用する例
この場合は、操作部13として光センサを用いる。操作部13は、面Sに置かれた紙資料の裏面側(利用者が記入をする面の裏側)を撮像する。また、紙資料の裏側の予め定めた位置に、傾き角度を検出可能なバーコードなどの符号画像を形成しておく。このような符号画像の例としては、例えばQRコードがある。制御部11は、操作部13が撮像した紙資料Pの裏面の映像からQRコードの位置及び傾きを検出する。そして、当該検出した傾きと位置とにより、上記第1、第2の変換式を得ればよい。
【0054】
以下、先の例と同様に、制御部11は、これらの変換式を用いて利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。そして、開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0055】
なお、この例のように符号画像を用いる場合は、符号画像が、紙資料Pの識別情報を記録したものであってもよい。このようにするときには、制御部11は、QRコードをデコードすることで識別情報を得ることができる。従って、このような場合、媒体検知部15は必ずしも必要ではない。
【0056】
なお、QRコードを紙資料Pの裏面全面から検出することが困難であるなどの場合は、QRコードの位置を利用者が特定するようにしてもよい。例えば、QRコードが形成されている位置に対応する表側の位置に、マークなどを形成しておき、利用者に、当該マークの位置で記入操作を行わせることとしてもよい。制御部11は、記入操作を受けて、当該記入操作が行われた位置を含む予め定めた範囲の領域からQRコードを検出してもよい。
【0057】
また、ここで述べたような液晶ディスプレイと光センサとを組み合わせたデバイスを用い、利用者に紙資料P上で予め定めた複数の点をペンなどで指し示させ、その面S上での座標を検出して、第1、第2の変換式を得ることとしてもよい。
【0058】
さらに、紙資料Pの表面(面S側とは反対の面)に形成された画像を紙資料Pを透かして認識できる場合は、操作部13である光センサは、当該紙資料Pの表側に形成されたQRコードなどの画像を撮像し、当該撮像した画像から相対位置や識別情報を検出してもよい。
【0059】
(4)無線タグを用いる例
さらに、無線タグを用いて紙資料Pの面Sに対する傾き及び位置(相対位置)を検出してもよい。この例では、紙資料Pの複数の位置(例えば紙資料の中央からやや右よりの上下)にそれぞれ無線タグQ,Rを配する。
【0060】
また、面Sの基準位置(予定されている位置)に紙資料Pが配されたときに、無線タグQ,Rがそれらの中心に位置することとなるよう、複数の無線タグリーダーをマトリクス状にして各位置に配する(図11(a)のAからD、及びEからH)。面Sの基準位置に紙資料Pが置かれると、図11(b)に示すように、無線タグQは、無線タグリーダーAからDにより形作られる2×2のマトリクス略中央に位置し、無線タグRは、無線タグリーダーEからHにより形作られる2×2のマトリクス略中央に位置する。従って、無線タグリーダーAからDは、無線タグQからの情報を略同強度で受信することとなる(A=B=C=D)。また無線タグリーダーEからHは、無線タグRからの情報を略同強度で受信することとなる(E=F=G=H)。
【0061】
しかし、紙資料Pが面Sに対して傾いて置かれると(図11(c))、各無線タグリーダーが無線タグから受信する情報の強度が変化する。図11(c)の例では、A>B>C>D、F>E>H>Gの順にそれぞれ無線タグQ,Rからの信号強度が弱くなる。
【0062】
また紙資料Pが面Sの基準位置に対して平行移動された位置に置かれた場合(図11(d))も同様に、各無線タグリーダーが無線タグから受信する情報の強度が変化する。そこで制御部11は、各無線タグリーダーが無線タグから受信する情報の強度と、無線タグリーダーの配置位置の情報とから、紙資料Pの傾きと平行移動量とを推定する。
【0063】
この例では、制御部11は、無線タグからの信号強度と無線タグリーダーからの距離との相関関係に基づいて、各無線タグリーダーでの受信信号強度に基づいて無線タグまでの距離を算出し、三角測量と同様の原理により面Sの座標系で表した、紙資料P上の無線タグの位置を取得し、これと、紙資料Pの座標系で表した無線タグの位置(予め定められている)との比較によって上記第1、第2の変換式を得てもよい。
【0064】
また、無線タグリーダーAからDの受信強度のうち、最大のものと最小のものとの差が予め定めたしきい値にないか、または、無線タグリーダーEからHの受信強度のうち、最大のものと最小のものとの差が予め定めたしきい値にない場合は、基準位置からのずれが大きいものと判定して、基準位置に紙資料Pを戻すよう警告する処理(音声を鳴動するなどの処理)を行ってもよい。後者の場合、利用者に対して紙資料Pを基準位置に配させることとなるので、変換式は不要となる。
【0065】
[紙資料上での書き込み位置の検知]
次に、制御部11による書き込み検知処理について説明する。制御部11は、過去に押圧の検出が終了した時点から予め定めた時間ΔTが経過した後、操作部13において押圧が検出されると、その時点での時刻の情報Tsを図示しない時計部から取得して記憶する。また制御部11は、最後に押圧が検出された時点の時刻の情報Teも時計部から取得して記憶する。制御部11は、押圧が検出されずに予め定めた時間ΔTが経過すると(利用者が押圧操作を中断すると)、時刻TsからTeまでの間に操作部13にて検出した押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を演算する。
【0066】
そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に得た第2変換式を用いて紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は、予め検知した紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻(会議開始からの経過時間でよい)の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に格納する(図12)。
【0067】
[ページ検知]
なお、複数の紙資料Pが面S上に置かれる場合、最上の紙資料Pの無線タグからの信号を識別するために、ここでの無線タグリーダー及び無線タグは、コリジョンフリー(衝突防止機能)対応のものとする。また紙資料Pは、頁順が変更されないように、少なくとも一カ所で綴じられているものとする。そして無線タグは、要求に応じて、紙資料Pの頁番号を表す情報を無線タグリーダーに送信する。
【0068】
利用者は、綴じられた紙資料Pをめくる場合、めくった頁の紙資料Pを、本実施の形態の情報処理装置1の裏側へ巻き込む(図13(a))。これにより、めくった頁の紙資料Pに付されている無線タグの情報が、無線タグリーダーに読み取られないようにする。ここでは図13(b)に例示するように、左側を綴じ位置Xとし、この綴じ位置Xで綴じられている紙資料Pの右側上部及び下部にそれぞれ無線タグQ,Rを配することとする。この場合、めくられた頁の無線タグTは、情報処理装置1の面Sの裏面側に回り込んでしまうので、面S上で、紙資料Pの右下端側に配された無線タグリーダーによって読み取られることがない。
【0069】
従って制御部11は、面S上にある少なくとも一つの紙資料Pの無線タグQ,Rの情報をそれぞれ読み取ることになる。そして頁をめくったことによって面S上で最上にある頁は、最も頁番号の小さい頁となるので、制御部11は、読み取った無線タグQ,Rのうち、最小の頁番号を送信する無線タグQ,Rが最上の紙資料Pに付された無線タグQ,Rであるとし、当該無線タグQ,Rの位置を無線タグリーダー群A,Bにより特定し、最上の紙資料Pの面Sに対する傾きと平行移動量とを推定する。
【0070】
この例では、制御部11は、無線タグからの信号強度と無線タグリーダーからの距離との相関関係に基づいて、各無線タグリーダーでの受信信号強度に基づいて無線タグまでの距離を算出し、三角測量と同様の原理により面Sの座標系で表した、最上の紙資料P上の無線タグの位置を取得し、これと最上の紙資料Pの座標系で表した無線タグの位置(予め定められている)との比較によって上記第1、第2の変換式を得てもよい。
【0071】
また、無線タグリーダー群A,Bに属する無線タグリーダーの受信強度のうち、最大のものと最小のものとの差が予め定めたしきい値にない場合は、基準位置からのずれが大きいものと判定して、基準位置に最上の紙資料Pを戻すよう警告する処理(音声を鳴動するなどの処理)を行ってもよい。後者の場合、利用者に対して最上の紙資料Pを基準位置に配させることとなるので、変換式は不要となる。
【0072】
さらに、本実施の形態のある例では、複数葉の紙資料Pが冊子状に綴じられて用いられる。この場合、冊子状に綴じられた紙資料Pを面Sに載せることになる。利用者は、面S上で、冊子状になった紙資料Pをめくって、必要なページを開くことになる。この例では図14に示すように、各頁の小口側(綴じられている辺と反対側の辺)上端部及び下端部に、頁を表す情報を送信する無線タグQ,Rをそれぞれ付す。小口側に配すると、背側に配するよりも見開きの各頁に付された無線タグ間の距離が大きくなる。
【0073】
本実施の形態の情報処理装置1の面Sの四隅には、図15に示すように、2×2のマトリクス状に配列した無線タグリーダー群(AからD)をそれぞれ配しておく。冊子状に綴じられた媒体において小口側の上下端部にそれぞれ配した無線タグが送信する情報を受信する。
【0074】
このように冊子状に綴じられた例では、紙資料Pの両面に印刷が行われるため、各紙資料Pに付された無線タグQ,Rは、頁数の情報として表裏両側の頁の数値(連続した二数)を送信することになる。また、この場合は、表裏各頁に個別に媒体識別情報を設定しておき、各頁の値に関連づけておく。
【0075】
情報処理装置1では、見開き左側の紙資料Pの無線タグQ,Rを読み取る無線タグリーダー群A,D(以下、左側リーダー群と呼ぶ)と、見開き右側の紙資料Pの無線タグQ,Rを読み取る無線タグリーダー群B,C(以下、右側リーダー群と呼ぶ)とが無線タグから読み取った頁数の情報を参照して、次の処理を行う。
【0076】
まず、情報処理装置1は、左側リーダー群で読み取った頁数の最大値PLmaxと、右側リーダー群で読み取った頁数の最大値PRmaxとを比較し、PLmax<PRmaxであれば、当該冊子は左から右へ読み進める(左から右へノンブルが増えていく)、左開きの冊子であると判定する。またPLmax>PRmaxであれば、情報処理装置1は、右開きの冊子であると判定する。
【0077】
情報処理装置1は、冊子が左開きであると判定すると、左側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最大のもの(PLmax)を、見開き左側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PLmaxに関連づけられた媒体識別情報を、見開き左側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDLとして取得する。また、このように冊子が左開きであると判定した場合、右側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最小のもの(PRmin)を、見開き右側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PRminに関連づけられた媒体識別情報を、見開き右側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDRとして取得する。
【0078】
そして情報処理装置1は、無線タグリーダー群A,Dに属する無線タグが、頁数PLmaxを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き左側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。また情報処理装置1は、無線タグリーダー群B,Cに属する無線タグが、頁数PRminを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き右側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。
【0079】
さらに情報処理装置1は、冊子が右開きであると判定すると、左側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最小のもの(PLmin)を、見開き左側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PLminに関連づけられた媒体識別情報を、見開き左側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDLとして取得する。また、このように冊子が右開きであると判定した場合、右側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最大のもの(PRmax)を、見開き右側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PRmaxに関連づけられた媒体識別情報を、見開き右側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDRとして取得する。
【0080】
このとき情報処理装置1は、無線タグリーダー群A,Dに属する無線タグが、頁数PLminを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き左側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。また情報処理装置1は、無線タグリーダー群B,Cに属する無線タグが、頁数PRmaxを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き右側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。
【0081】
このように、冊子状に綴じられている場合、見開き左側の最上の紙資料Pに対応する第1、第2の変換式と、見開き右側の最上の紙資料Pに対応する第1、第2の変換式とが規定される。
【0082】
本実施の形態では、書き込み位置の検知や、照明処理において用いられる紙資料Pの識別情報は、つねに最上の紙資料Pの識別情報であるとする。
【0083】
[紙媒体上での書き込み位置の検知]
次に、制御部11による書き込み検知処理について説明する。制御部11は、過去に押圧の検出が終了した時点から予め定めた時間ΔTが経過した後、操作部13において押圧が検出されると、その時点での時刻の情報Tsを図示しない時計部から取得して記憶する。また制御部11は、最後に押圧が検出された時点の時刻の情報Teも時計部から取得して記憶する。制御部11は、押圧が検出されずに予め定めた時間ΔTが経過すると(利用者が押圧操作を中断すると)、時刻TsからTeまでの間に操作部13にて検出した押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を演算する。
【0084】
そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に得た第2変換式を用いて最上の紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は、予め検知した最上の紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に蓄積させる(図12)。
【0085】
また、紙資料Pが冊子状に綴じられている場合、制御部11は、見開き左側と見開き右側のどちらの紙資料Pへ書き込みが行われたかを押圧位置から判断する。例えば、押圧位置の検出可能範囲が(0,0)から(Ξ,Η)までであるとすると、(0,0)から(Ξ/2,Η)までを仮想見開き左側頁範囲、(Ξ/2,0)から(Ξ,Η)までを仮想見開き右側頁範囲として、仮想見開き左側頁範囲を、見開き左側の最上の紙資料Pの傾き及び平行移動量に基づいてアフィン変換し、図16に示すように、推定見開き左側頁範囲の左上端座標(ΞLTL,ΗLTL),右上端座標(ΞRTL,ΗRTL),左下端座標(ΞLBL,ΗLBL),右下端座標(ΞRBL,ΗRBL)を得る。同様に仮想見開き左側頁範囲を、見開き左側の最上の紙資料Pの傾き及び平行移動量に基づいてアフィン変換し、推定見開き左側頁範囲の左上端座標(ΞLTR,ΗLTR),右上端座標(ΞRTR,ΗRTR),左下端座標(ΞLBR,ΗLBR),右下端座標(ΞRBR,ΗRBR)を得る。
【0086】
なお、図16では、左側見開き頁の右側辺上の頂点、右上端座標(ΞRTL,ΗRTL)及び右下端座標(ΞRBL,ΗRBL)と、右側見開き頁の左側辺上の頂点、左上端座標(ΞLTR,ΗLTR)及び左下端座標(ΞLBR,ΗLBR)とがそれぞれ一致していないが、これらは例えば、
(ΞLTR,ΗLTR)=(ΞRTL,ΗRTL)
(ΞLBR,ΗLBR)=(ΞRBL,ΗRBL)
と右側見開き頁の左側辺上の各頂点の座標を設定して一致させてもよい。なお、逆に、左側見開き頁の右側辺上の各頂点の座標を、推定右側見開き頁の左側辺上の対応する頂点の座標に設定しても構わない。
【0087】
制御部11は、書き込みのあった座標、すなわち押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)が、上記推定見開き左側頁範囲と、推定見開き右側頁範囲とのそれぞれに重なり合う部分の面積(重なり合わない場合、「0」とする)を算出する。そして、推定見開き左側頁範囲に重なり合う部分の面積ALと、推定見開き右側頁範囲に重なり合う部分の面積ARとを比較し、
AL>AR
であれば、見開き左側の頁に書き込みをしていると判断する。そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に見開き左側頁の紙資料Pについて得た第2変換式を用いて見開き左側の最上の紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は予め検知した見開き左側の最上の紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に蓄積させる(図12)。
【0088】
一方、
AL<AR
であれば、見開き右側の頁に書き込みをしていると判断する。そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に見開き右側頁の紙資料Pについて得た第2変換式を用いて見開き右側の最上の紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は予め検知した見開き右側の最上の紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に蓄積させる(図12)。
【0089】
なお、
AL=AR
である場合は、予め定めた左または右側のどちらかの頁に書き込みをしていると判断を行ってもよいし、エラーとして処理を中断してもよい。
【0090】
[紙資料と資料との関連付け]
情報処理装置1の制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pから検知した識別情報と、記憶装置2において格納されている資料識別情報とを関連づける処理を行う。制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pから識別情報を検知すると、図17に示す処理を開始し、制御部11は、記憶装置2と通信を行い(S1)、記憶装置2に格納されている会議情報のうち、参加予定の人物に当該利用者を含む会議情報を検索する(S2)。制御部11は、検索により見いだされた会議情報の数が「1」であるか否かを判断し(S3)、「1」であれば(会議情報が1つだけ見いだされた場合)、当該見いだされた会議情報に含まれる資料の数をカウントする(S4)。制御部11は、ここでカウントした資料の数が「1」であるか否かを判断し(S5)、資料の数が「1」であれば、面Sに置かれている紙資料Pの識別情報と、見いだした一つの資料の資料識別情報とを関連づけて、記憶部12に格納して(S6)、処理を終了する。なお、複数ページからなり、各ページの紙資料Pの識別情報が得られている場合は、そのすべてを関連づける。この場合、各紙資料Pの識別情報に対して、頁数の情報(何頁目の紙資料Pであるかを表す情報)をそれぞれ関連づけてもよい。
【0091】
一方、処理S5において、資料の数が「2」より大きければ(複数あれば)、利用者に対して資料の一覧を提示して、選択させる(S7)。このために記憶装置2において、資料の名称など資料の内容を表す情報が資料識別情報に関連づけて記録されていれば、制御部11は、当該資料の名称の一覧を提示してもよい(図18)。利用者は、この一覧から、面Sに置かれている紙資料Pに対応する資料を一つ選択する操作を行う。制御部11は、当該選択を受け入れて、選択された資料の資料識別情報と、面Sに置かれている紙資料Pの識別情報(複数ページからなり、各ページの紙資料Pの識別情報が得られている場合は、そのすべて)とを関連づけて、記憶部12に格納して(S8)、処理を終了する。
【0092】
さらに処理S3において、検索により見いだされた会議情報の数が「2」より多い場合、制御部11は、会議情報の一覧を利用者に提示して(図19)、選択させる(S9)。このために記憶装置2において、会議の名称など会議の内容を表す情報が会議を識別する情報に関連づけて会議情報に記録されていれば、当該会議の名称の一覧を提示してもよい。利用者は、この一覧から、参加する会議を一つ選択する。制御部11は、処理S4に移行して選択された会議情報に含まれる資料の数をカウントする。
【0093】
なお、利用者が会議に参加する場合、情報処理装置1は、利用者から会議に参加する旨の指示を受け入れてもよい。制御部11は、当該会議に参加する旨の指示を受け入れた場合、図示しない時計部からその時点の日時の情報を取得しておき、次のように処理を行ってもよい。
【0094】
すなわち制御部11は、開催日時に時計部から取得した日時を含む会議情報、または当該日時の後、予め定めた時間以内に開始日時のある会議情報を選択し、処理S4に移行して、当該選択した会議情報に含まれる資料の数をカウントすることとしてもよい。
【0095】
また、制御部11は、処理S9で提示する一覧を、開催日時に時計部から取得した日時に、開催日時または終了日時が近い順に会議情報を並べ替えて提供してもよい。
【0096】
さらに、処理S3や処理S5において、カウントした数が「0」である場合はエラーとしてもよいし、記憶装置2に格納されている資料情報のすべてや、会議情報のすべてを一覧として利用者に提示し、選択させてもよい。
【0097】
制御部11は、このようにして紙資料Pの識別情報と資料識別情報とを関連づける。そして、面Sに置かれた紙資料Pに関連する領域情報を記憶装置2から取得することになる。
【0098】
また紙資料Pの識別情報に、資料識別情報が含められていてもよい。この場合、制御部11は、上記処理を行うことなく、面Sに置かれた紙資料Pから検知した識別情報に含まれる資料識別情報を用いて、記憶装置2から面Sに置かれた紙資料Pに関わる領域情報を取得する。
【0099】
[照明処理]
次に、制御部11による照明処理について説明する。制御部11は、紙資料Pが面Sに置かれ、その識別情報が得られると、当該得られた識別情報に関連づけられている資料識別情報を取得する。既に述べた処理により、記憶部12に紙資料Pの識別情報と資料識別情報とを関連づけた情報が保持されている場合、制御部11は、当該情報を参照して、面Sに置かれた紙資料Pに関連する資料識別情報(対応資料識別情報)を取得する。
【0100】
また、紙資料Pの識別情報に、資料識別情報が含められている場合、制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pから検知した識別情報に含まれる資料識別情報を取得する。
【0101】
制御部11は、そして、取得した資料識別情報に関連づけられている(つまり、対応資料識別情報に一致する資料識別情報に関連づけられている)領域情報を記憶装置2に対して要求する。
【0102】
制御部11は、また、紙資料Pの面Sに対する相対位置を検知し、第1変換式を得ておく。制御部11は、記憶装置2から得た領域情報に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得る。
【0103】
そして、制御部11は、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させる。これにより利用者の過去の書き込みに対応する一部の照明領域が紙媒体の下部から選択的に照明される。
【0104】
より具体的に、制御部11は、図示しない時計部から処理の時点での日時の情報(現在日時)を取得し、記憶装置2において、面Sに置かれた紙資料Pに対応する資料識別情報に関連づけられている会議の開催日時の情報を参照する。制御部11は、参照した開催日時が現在日時を含む(会議の開始日時と終了日時との間に現在日時が入っている)場合、取得した資料識別情報に関連づけられている領域情報を記憶装置2に対して繰り返し要求する。
【0105】
そして制御部11は、要求に対して送信される領域情報のうち、現在日時の情報に最も近い日時の情報に関連づけられている領域情報を参照し、当該領域情報に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得て、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。
【0106】
この場合、発表者が領域を選択し、当該選択した領域を表す領域情報が記憶装置2に蓄積されるごとに、情報処理装置1が当該領域情報を取得して、対応する紙資料P上の領域を照明することとなる。
【0107】
また利用者が会議後に、当該会議に関係する紙資料Pを面S上に置いたときには、制御部11は、記憶装置2において、面Sに置かれた紙資料Pに対応する資料識別情報に関連づけられている会議の開催日時の情報を参照しても、当該参照した開催日時が現在日時を含まないと判断することになる。
【0108】
この場合、制御部11は、取得した資料識別情報に関連づけられている領域情報を記憶装置2に対して要求するとともに、検知した紙資料Pの識別情報に関連づけて記憶部12に保持されている領域情報(利用者の書き込み領域を表す領域情報)を取得する。
【0109】
制御部11は、そして要求に対して記憶装置2から送信される領域情報に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得て、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させる。また、記憶部12から読み出した記憶領域に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得て、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させる。
【0110】
このとき制御部11は、記憶装置2から取得した領域情報(発表者が指定した情報など)に基づいて照明する領域と、記憶部12から読み出した領域情報(利用者が記入した領域の情報など)に基づいて照明する領域とで、その照明態様を変更してもよい。例えば一方を点滅させる、または互いに照明の色を異ならせるなどとしてもよい。
【0111】
また、このように会議後に照明処理を行う場合、制御部11は、処理開始からの経過時間τを用いて次のように処理してもよい。すなわち制御部11は、面S上の紙資料Pに対応する資料識別情報を含む会議情報から、会議の開催日時の情報を取得し、会議の開始日時の情報T0を得る。
【0112】
次に、制御部11は、記憶装置2から取得した領域情報に関連づけられた日時の情報を参照する。以下、日時の早い順に並べ替えたときのi番目の領域情報に関連する日時の情報をTiとする。制御部11は、Ti−T0<τ<Ti+1−T0となると(但しTi+1がない場合は終了日時Tfを用い、Ti−T0<τ<Tfとなると)、i番目の領域情報に基づく照明処理を行う。
【0113】
また、このとき、記憶部12に格納されている領域情報については、Ts<τ<Teとなるような領域情報があれば、時刻τにおいては、当該領域情報に基づく照明処理を行う。
【0114】
なお、τは、必ずしもここで説明したような実時間でなければならないものではなく、実際の時刻の進行に対して指定された倍率を乗じるなどして、進行を遅速させてもよい。また進行を逆転させてもよい。さらに指定した時刻に設定されてもよい。
【0115】
さらに、記憶部12に格納されている領域情報については、書き込みが開始、または終了した時刻の情報Ts,Teが記録されているときには、例えば書き込みの開始時刻Tsをキーとして、記憶装置2から得た領域情報を並べ替え、並べ替え後のi番目(例えば当初は「i=1」などとしておく)の領域情報に対応する照明領域(第1変換式を適用して面Sでの座標に変換した後の領域)を点灯させてもよい。このときには、操作部13が利用者からiをデクリメント、またはインクリメントさせる指示を受け入れ、制御部11がデクリメントまたはインクリメント後のi番目の対象領域情報に対応する照明領域(第1変換式を適用して面Sでの座標に変換した後の領域)を点灯させてもよい。
【0116】
また利用者が時刻の情報を操作部13を介して入力し、制御部11が、入力された時刻Tが、Ts≦T≦Teであるような時刻情報に関連づけられた対象領域情報に対応する照明領域(第1変換式を適用して面Sでの座標に変換した後の領域)を点灯させてもよい。
【0117】
なお、紙資料Pが複数の頁からなる場合であって、記憶装置2から取得した領域情報に頁数の情報が含まれているときには、当該頁数に対応する紙資料Pを表示するよう利用者に通知し(表示部に指示の文字列を表示してもよいし、音声などで通知してもよい)、そのうえで、第1変換式を得て、次いで照明処理を行ってもよい。このとき、最上の紙資料Pの識別情報が当該頁に対応するものであるかを確認してもよい。
【0118】
[領域情報記録の別例]
ここまでの説明では、紙資料Pに対して書き込みが行われた領域を表す領域情報や発表者が指定した領域の情報を記録して、これらに対応する領域を照明する処理を行う例について述べたが、照明を行う領域の例は、これに限られるものではない。
【0119】
例えば、紙媒体に対して資料の文字列等を印刷し、紙資料とするときに、当該紙資料の識別情報を検出しておく。また、印刷する文字列等から予め定めた条件に合致する部分(例えばハイパーリンクを表すURL(Uniform Resource Locators)の文字列など)が印刷される領域を検出し、当該検出した領域を表す領域情報を生成して、識別情報に関連づけて記憶装置2に蓄積しておいてもよい。
【0120】
この例によると、情報処理装置1が記憶装置2に対して識別情報に関連づけられた領域情報を要求したときに、記憶装置2が印刷された文字列等の部分に対応する識別情報を送信する。
【0121】
そして記憶装置2から当該要求に応じて送信される領域情報を受信した情報処理装置1が、受信した領域情報(紙資料Pの座標系で表されている)を、変換式ペアの一方によって面Sの座標系に変換する。そして当該変換した座標系で表される面Sの範囲に対応する部分を表示部14を制御して照明させる。これにより、予め定めた条件に合致する文字列部分が照明されることになる。
【0122】
[照明の他の例]
なお、表示部14による照明方法は、単に点灯・消灯するだけに留まらず、一例として表示部14が多色LEDを備えている場合や、カラー液晶表示デバイスである場合であって、紙資料Pの識別情報に関連づけられた対象領域情報が複数ある場合には、各対象領域情報に対応する照明領域を互いに異なる色で点灯するようにしてもよい。ここでさらに対象領域情報について時刻の情報が関連づけられているときには、時刻の情報に応じて(例えばより早い時刻ほど明るい色とするなど)点灯色を制御してもよい。また、点灯態様を点滅パターンで異ならせてもよい。
【0123】
さらに本実施の形態において、冊子状に綴じられた紙資料Pなど、複数の紙資料Pを重ねて面S上に配する場合、複数の紙資料Pを透かして下面側から一部を照射することが困難な場合もある。そこで表示部14は、例えば図20に例示するように、点光源31と、レンズ系32と、液晶シャッター33と、投影レンズ34とを含んで構成されてもよい。この表示部14は、紙資料Pを上側から照射する。すなわちこの表示部14を用いる場合、制御部11は、液晶シャッター33上で、照射したい照明領域に対応する画素を暗転(光を透過させない状態)にしておく。点光源31が放射した光は、レンズ系32によって平行光とされ、液晶シャッター33に照射される。液晶シャッター33では、暗転されていない画素以外の部分で光が透過される。液晶シャッター33にて、少なくとも一部を透過された光は、投影レンズ34を介して、紙資料P上に照射される。
【0124】
[紙媒体を固定する例]
さらに本実施の形態において、情報処理装置1は、図21(a)に概要を示すように、面S上での紙資料Pの位置を固定するために、紙資料Pを面Sとの間で挟み込み、紙資料Pの移動を規制するクリップ41を備えてもよい。このようにしておくと、一度、紙資料Pと面Sとの各座標系を変換する変換式ペアができあがった後は、このクリップ41が開かれるまで、変換式ペアを再演算する必要がない。なお、この場合も利用者の明示的な指示により、クリップ41が開かれなくても変換式ペアを再演算するようにしても構わない。
【0125】
すなわちこの場合、制御部11は、クリップ41が開かれて閉じられると、面Sに対する最上の紙資料Pの傾き及び平行移動量を推定し、変換式ペアを演算する処理を行う。
【0126】
また、図21(b)に示すように、一部を開閉可能なリング42(図21(c)に例示するように、略半円状の一対のリング部材を向き合わせ、一端側を軸を介して回動可能に固定し、他端側を閉じたり開いたりできるようにしたもの)を設け、紙資料Pに開けた穴を通して紙資料Pの面S上での移動範囲を規制するようにしてもよい。
【0127】
これらのように紙資料Pが面S上で移動可能な範囲を規制する手段を備えている場合、書き込みの際、及び照明の際にその傾きや平行移動量を推定する処理や、推定された傾きや平行移動量に基づいて変換式を生成する処理は必ずしも必要でない。
【0128】
[その他の例]
また、ここまでの説明では、利用者が記入した領域の情報は、紙資料Pの座標への座標変換の後、記憶部12に格納することとしているが、これに限らず、例えば記憶装置2へ送信して蓄積させてもよい。この場合、照明処理の際には制御部11は、検知した紙資料Pの識別情報に対応する領域情報を、記憶装置2から取得する。
【0129】
さらに本実施の形態では、図18に例示した資料一覧を提示する際に、図18に例示したものに代えて、例えば各資料の資料識別情報に関連付けられた領域情報及び日時情報を参照し、日時情報を一例として横軸にとり、この軸上に資料を特定する情報(資料名など)を配して表示してもよい(図22)。すなわち各資料に関する日時の情報のうち、最先の日時の情報に対応する軸上の位置に各資料を表示する。利用者は、この軸上に配列された資料の群から、目的の資料を選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システム及び情報処理装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の外観例を表す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置によって照明される照明領域の設定例を表す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る記憶装置の構成例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る記憶装置が保持する会議情報の内容例を表す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る記憶装置が保持する資料の情報の内容例を表す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用者に行わせる記入操作、記入内容の例を表す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る情報処理装置における照明領域の座標設定の例を表す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用者に行わせる記入操作の対象となる領域を表す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が記入操作の内容に基づいて相対位置を検知する処理の例を表す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が無線タグを用いて相対位置を検知する例を表す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る情報処理装置により記録される情報のひとつの例を表す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用される紙媒体と、情報処理装置の使用態様とを表す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用される紙媒体の例を表す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が冊子状に綴じられた紙媒体の相対位置を検知する例を表す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る情報処理装置における冊子状に綴じられた紙媒体の相対位置を検出する処理の例を表す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の処理の例を表すフローチャート図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が提供する資料の一覧の例を表す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が提供する会議の一覧の例を表す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の表示部の別例を表す概要図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の別例を表す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が提供する資料の一覧の別の例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0131】
1 情報処理装置、2 記憶装置、11,21 制御部、12,22 記憶部、13 操作部、14 表示部、15 媒体検知部、16,23 通信部、31 点光源、32 レンズ系、33 液晶シャッター、34 投影レンズ、41 クリップ、42 リング。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子化資料を共有するクライアントサーバ型の電子会議支援システムに用いられ、会議参加者のうち、発表者のクライアントコンピュータの画面に表示される会議資料にメモが記述されたとき、当該メモを資料に関連付けてサーバーに蓄積すると共に、当該サーバーを介して他のクライアントコンピュータに配信し、発表者以外の参加者によるコンピュータ画面上へのメモの記述は、それぞれが持つコンピュータ上にローカルに保存し、先に配信された発表者のメモとは別個に管理される技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−256165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
会議で用いられた紙媒体上で、紙媒体に記入された領域のうち、会議で用いられた資料と結びついている領域を表示可能とすること、およびその領域を指定することにより、前記資料を特定可能とすること
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、記憶装置と、情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記記憶装置は、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持し、前記情報処理装置は、前記記憶装置と通信する通信手段と、利用者を識別する手段と、紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、を含むこととしたものである。
【0005】
請求項2記載の発明は、情報処理装置であって、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続され、前記記憶装置と通信する通信手段と、利用者を識別する手段と、紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、を含むこととしたものである。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の情報処理装置であって、紙媒体上で利用者が記入操作を行った記入領域を表す記入領域情報を取得する手段と、前記取得した記入領域情報を表す情報を、当該記入操作の日時に関連づけて記憶する手段と、をさらに含み、前記領域情報取得手段は、前記見出した資料識別情報に関連づけられて前記記憶装置に記憶されている日時情報と領域情報とを取得するとともに、前記記入領域情報と記入操作の日時とを取得し、前記制御手段は、前記取得した日時情報及び領域情報と、前記記入領域情報及び記入操作の日時とを用い、指定された日時に対応する日時情報または記入操作の日時に関連した領域情報または記入領域情報を参照し、当該参照した領域情報または記入領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御することとしたものである。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の情報処理装置であって、前記制御手段は、前記領域情報と記入領域情報とのそれぞれに対応する領域を、それぞれ区別可能な態様で照明するよう前記選択照明手段を制御することとしたものである。
【0008】
請求項5記載の発明は、プログラムであって、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続されるコンピュータを、前記記憶装置と通信する通信手段と、利用者を識別する手段と、紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、として機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,2,5記載の発明によると、会議で用いられた紙媒体上で、会議の資料と結びついて記録された場所を表示可能とする。
【0010】
請求項3記載の発明によると、利用者が別途記入した場所を特定可能とする。
【0011】
請求項4記載の発明によると、会議の資料と結びついて記録された場所と、利用者が別途記入した場所とを区別可能に表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、図1に例示するように、情報処理装置1と、この情報処理装置1に対してネットワーク等の通信回線を介して接続される記憶装置2とを含む。
【0013】
ここで情報処理装置1は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、媒体検知部15と、通信部16とを有する。この情報処理装置1は、図2にその外観を例示するように、紙資料Pを載せて用いる。ここで紙資料は1枚だけのものであってもよいし、後に説明するように冊子状の資料であっても構わない。しかしながら、まずは簡単のため、紙資料Pは1枚だけであるものとして説明を行う。
【0014】
情報処理装置1は、紙資料Pの全体を支持可能なサイズの面Sを有している。この面Sは、操作部13として機能している。すなわち操作部13は、ここでは例えば表示部14に重ね合わせられた透明電極であり、紙資料Pを介して利用者の押圧操作(紙資料Pへの書き込みなど)が行われると、当該書き込みの位置を検知する。
【0015】
なお、操作部13は、押圧操作を検出する以外にも、電磁誘導パネルを用いてもよい。この場合、利用者が書き込み操作に使用するペンは電磁ペンとなる。
【0016】
さらに、表示部14である表示デバイスの各画素に対応する各素子に、操作部13となる光センサを配してもよい。このときには、ペン先近傍に発光素子を配したペンなどを用いて利用者に紙資料P上への文字などの記入を行わせ、操作部13が紙資料Pを介して透過した当該ペン先近傍に配した発光素子の光を検出する(そのために発光素子の光は変調されていてもよい)こととしてもよい。すなわち操作部13は、検出した光の位置により利用者のペンの位置を検出することになる。
【0017】
表示部14は、例えば図3に例示するように、少なくとも一枚の紙媒体である紙資料Pを仮想的に複数の領域(照明領域)に区切ったとき、各照明領域を単位として、紙資料Pを下部から照明可能な程度の解像度を有する。この照明領域の数Nは、例えばN=30程度(3×10個の領域に区切った場合)でもよい。つまり表示部14は、これら各照明領域ごとに発光素子(LED(Light Emission Diode)等)を配したものであってもよいし、また、表示部14は、一般的な液晶表示デバイスや有機EL(Electro-Luminescence)デバイスなどであってもよい。照明領域の数よりも高解像度の画素を有している場合、画素の点灯・消灯を制御して、対応する照明領域の照明を行うこととすればよい。この場合も、照明は、照明領域を単位として行えばよい。
【0018】
媒体検知部15は、面Sに支持された紙資料Pを識別する識別情報を取得する。この媒体検知部15の例については後に述べる。
【0019】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作している。この制御部11は、面Sに載せられ、支持された紙資料Pを識別する識別情報を、媒体検知部15から取得する。
【0020】
また制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pの面Sに対する相対的な位置(想定されている位置からのずれ、回転)を検出する処理や、紙資料Pへの書き込みが行われた時刻と領域とを特定する情報の生成・記録指示、記憶装置2において記録されている情報に基づく、紙資料P上の領域を照明する処理などを実行する。これらの制御部11の処理の内容については、後に述べる。
【0021】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)等のメモリ素子を備える。この記憶部12には制御部11によって実行されるプログラムが格納される。このプログラムは、例えばDVD−ROMなどのコンピュータ可読な記録媒体から読み取られて複写されたものであってもよい。さらにこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0022】
記憶部12にはまた、表示部14が個別に照明可能な各領域を画定する情報を記憶している。この情報は、例えば各領域の識別子と、各領域の頂点座標(領域が矩形の領域である場合、領域の左上座標と右下座標)とを関連づけたものでよい。
【0023】
通信部16は、例えば無線LAN(Local Area Network)インタフェースであり、ネットワーク等の通信回線を介し、制御部11からの指示に従って記憶装置2との間で情報の送受を行う。
【0024】
記憶装置2は、図4に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを含んで構成される。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作している。ここで制御部21は、情報処理装置1から受信される指示に従って資料情報を記録する。また、この制御部21は、情報処理装置1から受信する要求に応じて、資料情報の少なくとも一部を当該要求元の情報処理装置1へ送出する。この制御部21の動作については後に述べる。
【0025】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)等のメモリ素子やディスクデバイスなどを備える。この記憶部22には制御部21によって実行されるプログラムが格納される。このプログラムは、例えばDVD−ROMなどのコンピュータ可読な記録媒体から読み取られて複写されたものであってもよい。さらにこの記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。
【0026】
本実施の形態において、この記憶部22には、会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報を格納している(図5(a))。また、この会議情報には、さらに、当該会議の開催日時(開始日時及び終了日時)が関連づけられていてもよい(図5(b))。
【0027】
また記憶部22は、会議を識別する情報と、会議で用いられる資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報を保持している(図6(a)、図6(b))。なお、図6(a)では領域情報として座標の範囲を表す情報を用いた例を示し、図6(b)では領域情報としてページの情報を用いた例を示している。
さらに本実施の形態では、領域情報としてページを表す情報と座標の範囲を表す情報とを組み合わせてもよい。
【0028】
通信部23は、情報処理装置1から受信する情報を制御部21に出力する。また、この通信部23は、制御部21から入力される指示に従って、指示された情報を情報処理装置1へ送信する。
【0029】
[資料情報の登録]
本実施の形態では、記憶部22には、予め、行われる予定の会議を識別する情報(会議識別情報)と、その参加予定の人物を特定する情報(参加者名など)とが関連づけて会議情報として格納される。
【0030】
またこの記憶装置2の制御部21は、会議の開催中に、資料の発表者のパーソナルコンピュータ等から、発表に用いている資料で注目するべき部分を表す情報を逐次的に受信することとしてもよい。
【0031】
すなわち、会議における資料発表者は、自分の発表用資料のうち、注目するべき部分を指示してから当該部分の発表を行う。例えば製品の販売状況を説明する資料であれば、当該製品の説明、販売時期、販売数量の推移…などという順に資料が作られ、当該資料に沿って発表が行われる。このとき発表者は製品の説明を行うときには当該部分を指定して注目するように述べ、それから当該部分の説明を行う。次いで、販売時期の部分を指定して注目するように述べ、当該部分の説明を行う…というようにする。
【0032】
発表者のパーソナルコンピュータ側では、資料の画像上で発表者が注目するように述べた部分を表す情報(注目するよう述べた部分を囲む矩形等を画定する座標情報など)を生成して、記憶装置2へ送信する。このようにするためには、例えば資料の画像上で、予め意味のある部分ごとの領域を表す情報を生成しておき、利用者がどの領域に注目するべきかをマウスなどで指定し、パーソナルコンピュータは、資料を特定する情報(当該資料が複数頁ある場合は、頁数の情報を含む)と、当該指定された領域を表す情報とを送信するというようにしておけばよい。
【0033】
記憶装置2の制御部21は、ネットワークなどの通信手段を介して、資料を特定する情報と領域を特定する情報との入力を受け入れると、受入元のパーソナルコンピュータの利用者(発表者)名を取得する。この利用者名の取得は、例えば事前に当該パーソナルコンピュータから利用者名等の認証情報を受け入れ、パーソナルコンピュータのネットワークアドレス等に関連づけて利用者名を記憶しておき、情報の送信元であるパーソナルコンピュータのネットワークアドレス等に関連づけられた利用者名を読出すこととすればよい。
【0034】
制御部21は、取得した利用者名に関連づけられた会議識別情報を会議情報から検索する。そして検索により見出された会議識別情報に関連づけて、資料を特定する情報(当該資料が複数頁ある場合は、頁数の情報を含む)と、上記指定された領域を表す領域情報と、情報を受け入れた日時(図示しない時計部から取得する)とを関連づけて、記憶部22に蓄積して記録する。なお、このとき制御部21は、当該資料の名称など資料の内容を表す情報を受け入れて、これらに関連づけて保持しても構わない。
【0035】
[媒体検知部の例]
次に、情報処理装置1における媒体検知部15の例について述べる。媒体検知部15は、紙資料Pを特定する識別情報を、無線タグ(RFID(Radio Frequency IDentification))や、紙媒体ごとに固有の繊維パターンに基づく情報や、紙媒体上に記録された情報(例えばバーコードなど)により、面Sに支持されている紙資料Pの識別情報を取得する。
【0036】
例えば、個々の紙資料Pに予め、固有の識別情報を記録した無線タグが付されている場合、本実施の形態に係る情報処理装置1は、面Sに載せられた紙資料Pに付された無線タグから識別情報を取得する。つまりこの場合の媒体検知部15は、無線タグの情報読み取り装置として機能する。さらに媒体検知部15としての無線タグの情報読み取り装置は複数あってもよい。
【0037】
また、紙の繊維の構造が、紙ごとに異なっていることを利用して、紙資料Pの予め定められた部分における紙繊維の構造に基づき、紙資料Pを識別する識別情報を生成してもよい。この場合、媒体検知部15は、上記予め定められた部分の紙繊維の構造を撮像するカメラとして機能する。
【0038】
さらに、媒体検知部15は、表示部14または操作部13と同じ面に配列された複数の受光素子を備えてもよい。この場合、媒体検知部15は、紙資料Pが面Sに載せられると、当該紙資料Pの面S側の面全体を撮像することとなる。そこで、予め紙資料Pの面S側に向く面に、紙資料Pごとに異なる識別情報を表したコンピュータ可読な符号画像(バーコードなど)を形成しておいてもよい。このときには、媒体検知部15は、撮像した紙資料Pの面からこの符号画像を検出し、当該符号画像の表す識別情報を出力することになる。
【0039】
[紙資料の位置ずれの検知]
次に、制御部11による紙資料Pと面Sとの相対的位置のずれ検知の処理について述べる。この処理では、
(1)予め紙資料側に形成したマークを利用者にポイントさせ、又はなぞらせて、当該操作により位置ずれを検知する
(2)予め紙資料側に形成した欄に利用者に文字列などを記入させ、当該記入の操作により位置ずれを検知する
(3)予め紙資料の表裏対応する位置に、それぞれ利用者のポイント位置と、所定位置ずれ検出用の所定パターンとを形成しておき、利用者がポイント位置をポイントすると、それに対応して裏面側に形成された位置ずれ検出用の所定パターンを読み取って位置ずれを検知する
(4)無線タグを用いる
のいずれかの処理を行えばよい。以下、各処理について説明する。
【0040】
(1)マークをポイントまたはなぞらせる例
ここで紙資料P側に形成するマークは、例えば図7(a)に示すように、紙資料Pの辺に平行にならない線分上にある予め定められた複数の点(例えばM1,M2)に形成したX字状(または十字など中心点のわかる形状)のマークでよい。これらのマークは、例えば紙資料Pの左下の頂点を原点として、短辺の方向をX軸、長辺の方向をY軸として(M1x,M1y),(M2x,M2y)の座標を中心点として表すマークとして予め定められているものとする。
【0041】
制御部11は、利用者がこれらの予め定められた複数の位置で、その中心をペンなどでポイントする(記入を行う)と、その記入操作が行われた位置(面S上のM1,M2に対応する各座標μ1,μ2)を記入内容として操作部13によって検出する。そして当該検出した座標により、紙資料Pの面Sに対する相対位置を検知する。すなわち、制御部11は、紙資料P上の点(x,y)と、面S上の点(ξ,η)とを関連づけるパラメータを生成する。具体的に、紙資料Pと面Sとの位置ずれは、回転と平行移動との組み合わせであるものとすれば、座標M1(M1x,M1y),M2(M2x,M2y),μ1(μ1ξ,μ1η),μ2(μ2ξ,μ2η)と、回転角度θ、平行移動量(α,β)とを用いて、
【数1】
の2式をともに満足するθ,α,βを求めることで、紙資料P上の点(x,y)と面S上の点(ξ,η)とを関連づける変換式、
【数2】
を得る。
【0042】
また制御部11は、この変換式(便宜的に第1変換式と呼ぶ)を用いて、面S上の点(ξ,η)を紙資料P上の点(x,y)に変換する第2変換式を得ておく。
【0043】
制御部11は、この変換式を得た後、利用者が書き込みを行って、操作部13を押圧すると、操作部13の押圧位置から第2変換式を用いて、紙資料P上のどの領域内に書き込みをしているかを検知する。
【0044】
ここでは図8に示すように、紙資料P上に予め仮想的な領域を設定しておくものとする。各領域R1,R2…は、ここでは矩形であるものとし、領域Riの左上座標は、RiL(RiLx,RiLy)とし、右下座標はRiR(RiRx,RiRy)であるものとする。制御部11は、操作部13において押圧が検出されると、次に押圧が検出されずに予め定めた時間が経過するまで(利用者が押圧操作を中断するまで)の間に検出した押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を記録しておく。そしてこれら最小値、最大値を第2変換式を用いて、紙資料P上の点LT(xmin,ymin),RB(xmax,ymax)にそれぞれ変換する。そして、このLT,RBの座標を含む領域、すなわち
RiL<LT≦RiR(またはRiL≦LT<RiRでもよい)
RjL<RB≦RjR(またはRjL≦RB<RjRでもよい)
となるi,jを見いだす。これにより制御部11は、利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。制御部11は、また、操作部13において押圧が検出されていた時刻(押圧検出の開始時刻と、最後に押圧検出した終了時刻)とを図示しない時計部から読み出して記憶しておき、これら開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0045】
また、ここでは複数の互いに異なる位置で行われた記入内容に基づいて紙資料Pと面Sとの相対的位置を検知する例としたが、例えば図7(b)に示すように、紙資料Pの予め定められた位置Mにおいて、利用者に異方性のある図形などを記入させ、その記入内容に基づいて、紙資料Pと面Sとの相対位置を検知してもよい。
【0046】
ここで異方性のある図形とは、少なくとも回転・平行移動に対して非対称であるような図形である。一例として図7(b)ではV字状の例を示している。利用者がこの図形をなぞると、操作部13からの入力により、制御部11はV字を構成する線分の面Sに対する向き及び位置等を検出する。そしてその検出結果によって紙資料Pの面Sに対する回転角度と平行移動位置とを演算によって求める。
【0047】
この場合も制御部11は、第1、第2の変換式を得ることとなり、制御部11は、これらの変換式を用いて利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。そして、開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0048】
(2)利用者に文字列などを記入させ、当該記入の操作により位置ずれを検知する例
また本実施の形態において、紙資料Pには、図9に示すように予め定められた領域に、利用者に記入を行わせる欄Wを設けておいてもよい。そして制御部11が、この領域内において利用者がした記入の内容に基づいて紙資料Pと面Sとの相対位置を検知してもよい。
【0049】
すなわちこの例では制御部11は、利用者がこの欄Wのうちで記入した文字等に外接する矩形を画定する(図10)。そしてこの外接矩形の各辺が面Sの軸に対してどれだけ傾いているかによって回転を検出する。また、外接矩形の重心など外接矩形から求められる、外接矩形内外の点に基づいて平行移動量を推定する。例えば外接矩形の重心が欄Wの重心に一致すると仮定して、欄Wの重心を外接矩形の重心であると推定し、欄Wの重心(事前に定められている欄Wの位置から求めることができる)と、それに対応する面S上の座標とにより、制御部11は第1、第2の変換式を得ればよい。
【0050】
以下、先の例と同様に、制御部11は、これらの変換式を用いて利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。そして、開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0051】
さらに、このように利用者に文字列等を記入させる場合、紙資料ごとに異なる文字列等を記入させることとしてもよい。この場合、紙資料Pの予め定めた位置に、記入するべき文字列等の画像を予め形成しておく。そして利用者に当該画像に従って文字列等を記入させる。
【0052】
一方、例えば記憶装置2において、紙資料Pの識別情報と、記入された文字列等の特徴量とを関連づけるテーブルを記憶させておき、制御部11は、記入された文字列等の特徴量を抽出して、当該抽出した特徴量に関連づけられた識別情報を記憶装置2から取得する。これにより、記入内容から紙資料Pの識別情報を取得することとしてもよい。この場合、媒体検知部15は必ずしも必要ではない。
【0053】
(3)紙資料上に形成されたパターンを利用する例
この場合は、操作部13として光センサを用いる。操作部13は、面Sに置かれた紙資料の裏面側(利用者が記入をする面の裏側)を撮像する。また、紙資料の裏側の予め定めた位置に、傾き角度を検出可能なバーコードなどの符号画像を形成しておく。このような符号画像の例としては、例えばQRコードがある。制御部11は、操作部13が撮像した紙資料Pの裏面の映像からQRコードの位置及び傾きを検出する。そして、当該検出した傾きと位置とにより、上記第1、第2の変換式を得ればよい。
【0054】
以下、先の例と同様に、制御部11は、これらの変換式を用いて利用者が書き込みをした範囲の左上端を含む領域Riと、右下端を含む領域Rjとを見いだす。そして、開始時刻及び終了時刻を含む時刻情報と、上記見いだした領域Riと領域Rjとを特定する情報(領域情報)と、紙資料Pの識別情報とを関連づけて記憶するよう、記憶装置2に対して指示を送信する。
【0055】
なお、この例のように符号画像を用いる場合は、符号画像が、紙資料Pの識別情報を記録したものであってもよい。このようにするときには、制御部11は、QRコードをデコードすることで識別情報を得ることができる。従って、このような場合、媒体検知部15は必ずしも必要ではない。
【0056】
なお、QRコードを紙資料Pの裏面全面から検出することが困難であるなどの場合は、QRコードの位置を利用者が特定するようにしてもよい。例えば、QRコードが形成されている位置に対応する表側の位置に、マークなどを形成しておき、利用者に、当該マークの位置で記入操作を行わせることとしてもよい。制御部11は、記入操作を受けて、当該記入操作が行われた位置を含む予め定めた範囲の領域からQRコードを検出してもよい。
【0057】
また、ここで述べたような液晶ディスプレイと光センサとを組み合わせたデバイスを用い、利用者に紙資料P上で予め定めた複数の点をペンなどで指し示させ、その面S上での座標を検出して、第1、第2の変換式を得ることとしてもよい。
【0058】
さらに、紙資料Pの表面(面S側とは反対の面)に形成された画像を紙資料Pを透かして認識できる場合は、操作部13である光センサは、当該紙資料Pの表側に形成されたQRコードなどの画像を撮像し、当該撮像した画像から相対位置や識別情報を検出してもよい。
【0059】
(4)無線タグを用いる例
さらに、無線タグを用いて紙資料Pの面Sに対する傾き及び位置(相対位置)を検出してもよい。この例では、紙資料Pの複数の位置(例えば紙資料の中央からやや右よりの上下)にそれぞれ無線タグQ,Rを配する。
【0060】
また、面Sの基準位置(予定されている位置)に紙資料Pが配されたときに、無線タグQ,Rがそれらの中心に位置することとなるよう、複数の無線タグリーダーをマトリクス状にして各位置に配する(図11(a)のAからD、及びEからH)。面Sの基準位置に紙資料Pが置かれると、図11(b)に示すように、無線タグQは、無線タグリーダーAからDにより形作られる2×2のマトリクス略中央に位置し、無線タグRは、無線タグリーダーEからHにより形作られる2×2のマトリクス略中央に位置する。従って、無線タグリーダーAからDは、無線タグQからの情報を略同強度で受信することとなる(A=B=C=D)。また無線タグリーダーEからHは、無線タグRからの情報を略同強度で受信することとなる(E=F=G=H)。
【0061】
しかし、紙資料Pが面Sに対して傾いて置かれると(図11(c))、各無線タグリーダーが無線タグから受信する情報の強度が変化する。図11(c)の例では、A>B>C>D、F>E>H>Gの順にそれぞれ無線タグQ,Rからの信号強度が弱くなる。
【0062】
また紙資料Pが面Sの基準位置に対して平行移動された位置に置かれた場合(図11(d))も同様に、各無線タグリーダーが無線タグから受信する情報の強度が変化する。そこで制御部11は、各無線タグリーダーが無線タグから受信する情報の強度と、無線タグリーダーの配置位置の情報とから、紙資料Pの傾きと平行移動量とを推定する。
【0063】
この例では、制御部11は、無線タグからの信号強度と無線タグリーダーからの距離との相関関係に基づいて、各無線タグリーダーでの受信信号強度に基づいて無線タグまでの距離を算出し、三角測量と同様の原理により面Sの座標系で表した、紙資料P上の無線タグの位置を取得し、これと、紙資料Pの座標系で表した無線タグの位置(予め定められている)との比較によって上記第1、第2の変換式を得てもよい。
【0064】
また、無線タグリーダーAからDの受信強度のうち、最大のものと最小のものとの差が予め定めたしきい値にないか、または、無線タグリーダーEからHの受信強度のうち、最大のものと最小のものとの差が予め定めたしきい値にない場合は、基準位置からのずれが大きいものと判定して、基準位置に紙資料Pを戻すよう警告する処理(音声を鳴動するなどの処理)を行ってもよい。後者の場合、利用者に対して紙資料Pを基準位置に配させることとなるので、変換式は不要となる。
【0065】
[紙資料上での書き込み位置の検知]
次に、制御部11による書き込み検知処理について説明する。制御部11は、過去に押圧の検出が終了した時点から予め定めた時間ΔTが経過した後、操作部13において押圧が検出されると、その時点での時刻の情報Tsを図示しない時計部から取得して記憶する。また制御部11は、最後に押圧が検出された時点の時刻の情報Teも時計部から取得して記憶する。制御部11は、押圧が検出されずに予め定めた時間ΔTが経過すると(利用者が押圧操作を中断すると)、時刻TsからTeまでの間に操作部13にて検出した押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を演算する。
【0066】
そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に得た第2変換式を用いて紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は、予め検知した紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻(会議開始からの経過時間でよい)の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に格納する(図12)。
【0067】
[ページ検知]
なお、複数の紙資料Pが面S上に置かれる場合、最上の紙資料Pの無線タグからの信号を識別するために、ここでの無線タグリーダー及び無線タグは、コリジョンフリー(衝突防止機能)対応のものとする。また紙資料Pは、頁順が変更されないように、少なくとも一カ所で綴じられているものとする。そして無線タグは、要求に応じて、紙資料Pの頁番号を表す情報を無線タグリーダーに送信する。
【0068】
利用者は、綴じられた紙資料Pをめくる場合、めくった頁の紙資料Pを、本実施の形態の情報処理装置1の裏側へ巻き込む(図13(a))。これにより、めくった頁の紙資料Pに付されている無線タグの情報が、無線タグリーダーに読み取られないようにする。ここでは図13(b)に例示するように、左側を綴じ位置Xとし、この綴じ位置Xで綴じられている紙資料Pの右側上部及び下部にそれぞれ無線タグQ,Rを配することとする。この場合、めくられた頁の無線タグTは、情報処理装置1の面Sの裏面側に回り込んでしまうので、面S上で、紙資料Pの右下端側に配された無線タグリーダーによって読み取られることがない。
【0069】
従って制御部11は、面S上にある少なくとも一つの紙資料Pの無線タグQ,Rの情報をそれぞれ読み取ることになる。そして頁をめくったことによって面S上で最上にある頁は、最も頁番号の小さい頁となるので、制御部11は、読み取った無線タグQ,Rのうち、最小の頁番号を送信する無線タグQ,Rが最上の紙資料Pに付された無線タグQ,Rであるとし、当該無線タグQ,Rの位置を無線タグリーダー群A,Bにより特定し、最上の紙資料Pの面Sに対する傾きと平行移動量とを推定する。
【0070】
この例では、制御部11は、無線タグからの信号強度と無線タグリーダーからの距離との相関関係に基づいて、各無線タグリーダーでの受信信号強度に基づいて無線タグまでの距離を算出し、三角測量と同様の原理により面Sの座標系で表した、最上の紙資料P上の無線タグの位置を取得し、これと最上の紙資料Pの座標系で表した無線タグの位置(予め定められている)との比較によって上記第1、第2の変換式を得てもよい。
【0071】
また、無線タグリーダー群A,Bに属する無線タグリーダーの受信強度のうち、最大のものと最小のものとの差が予め定めたしきい値にない場合は、基準位置からのずれが大きいものと判定して、基準位置に最上の紙資料Pを戻すよう警告する処理(音声を鳴動するなどの処理)を行ってもよい。後者の場合、利用者に対して最上の紙資料Pを基準位置に配させることとなるので、変換式は不要となる。
【0072】
さらに、本実施の形態のある例では、複数葉の紙資料Pが冊子状に綴じられて用いられる。この場合、冊子状に綴じられた紙資料Pを面Sに載せることになる。利用者は、面S上で、冊子状になった紙資料Pをめくって、必要なページを開くことになる。この例では図14に示すように、各頁の小口側(綴じられている辺と反対側の辺)上端部及び下端部に、頁を表す情報を送信する無線タグQ,Rをそれぞれ付す。小口側に配すると、背側に配するよりも見開きの各頁に付された無線タグ間の距離が大きくなる。
【0073】
本実施の形態の情報処理装置1の面Sの四隅には、図15に示すように、2×2のマトリクス状に配列した無線タグリーダー群(AからD)をそれぞれ配しておく。冊子状に綴じられた媒体において小口側の上下端部にそれぞれ配した無線タグが送信する情報を受信する。
【0074】
このように冊子状に綴じられた例では、紙資料Pの両面に印刷が行われるため、各紙資料Pに付された無線タグQ,Rは、頁数の情報として表裏両側の頁の数値(連続した二数)を送信することになる。また、この場合は、表裏各頁に個別に媒体識別情報を設定しておき、各頁の値に関連づけておく。
【0075】
情報処理装置1では、見開き左側の紙資料Pの無線タグQ,Rを読み取る無線タグリーダー群A,D(以下、左側リーダー群と呼ぶ)と、見開き右側の紙資料Pの無線タグQ,Rを読み取る無線タグリーダー群B,C(以下、右側リーダー群と呼ぶ)とが無線タグから読み取った頁数の情報を参照して、次の処理を行う。
【0076】
まず、情報処理装置1は、左側リーダー群で読み取った頁数の最大値PLmaxと、右側リーダー群で読み取った頁数の最大値PRmaxとを比較し、PLmax<PRmaxであれば、当該冊子は左から右へ読み進める(左から右へノンブルが増えていく)、左開きの冊子であると判定する。またPLmax>PRmaxであれば、情報処理装置1は、右開きの冊子であると判定する。
【0077】
情報処理装置1は、冊子が左開きであると判定すると、左側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最大のもの(PLmax)を、見開き左側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PLmaxに関連づけられた媒体識別情報を、見開き左側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDLとして取得する。また、このように冊子が左開きであると判定した場合、右側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最小のもの(PRmin)を、見開き右側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PRminに関連づけられた媒体識別情報を、見開き右側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDRとして取得する。
【0078】
そして情報処理装置1は、無線タグリーダー群A,Dに属する無線タグが、頁数PLmaxを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き左側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。また情報処理装置1は、無線タグリーダー群B,Cに属する無線タグが、頁数PRminを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き右側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。
【0079】
さらに情報処理装置1は、冊子が右開きであると判定すると、左側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最小のもの(PLmin)を、見開き左側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PLminに関連づけられた媒体識別情報を、見開き左側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDLとして取得する。また、このように冊子が右開きであると判定した場合、右側リーダー群で無線タグから読み取る頁数のうち最大のもの(PRmax)を、見開き右側で最上の紙資料Pの頁であると判定し、当該PRmaxに関連づけられた媒体識別情報を、見開き右側で最上の紙資料Pの媒体識別情報IDRとして取得する。
【0080】
このとき情報処理装置1は、無線タグリーダー群A,Dに属する無線タグが、頁数PLminを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き左側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。また情報処理装置1は、無線タグリーダー群B,Cに属する無線タグが、頁数PRmaxを送信する無線タグQ,Rから受ける信号の強度に基づいて見開き右側の紙資料Pの、面Sに対する傾きや平行移動量を推定する。
【0081】
このように、冊子状に綴じられている場合、見開き左側の最上の紙資料Pに対応する第1、第2の変換式と、見開き右側の最上の紙資料Pに対応する第1、第2の変換式とが規定される。
【0082】
本実施の形態では、書き込み位置の検知や、照明処理において用いられる紙資料Pの識別情報は、つねに最上の紙資料Pの識別情報であるとする。
【0083】
[紙媒体上での書き込み位置の検知]
次に、制御部11による書き込み検知処理について説明する。制御部11は、過去に押圧の検出が終了した時点から予め定めた時間ΔTが経過した後、操作部13において押圧が検出されると、その時点での時刻の情報Tsを図示しない時計部から取得して記憶する。また制御部11は、最後に押圧が検出された時点の時刻の情報Teも時計部から取得して記憶する。制御部11は、押圧が検出されずに予め定めた時間ΔTが経過すると(利用者が押圧操作を中断すると)、時刻TsからTeまでの間に操作部13にて検出した押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を演算する。
【0084】
そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に得た第2変換式を用いて最上の紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は、予め検知した最上の紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に蓄積させる(図12)。
【0085】
また、紙資料Pが冊子状に綴じられている場合、制御部11は、見開き左側と見開き右側のどちらの紙資料Pへ書き込みが行われたかを押圧位置から判断する。例えば、押圧位置の検出可能範囲が(0,0)から(Ξ,Η)までであるとすると、(0,0)から(Ξ/2,Η)までを仮想見開き左側頁範囲、(Ξ/2,0)から(Ξ,Η)までを仮想見開き右側頁範囲として、仮想見開き左側頁範囲を、見開き左側の最上の紙資料Pの傾き及び平行移動量に基づいてアフィン変換し、図16に示すように、推定見開き左側頁範囲の左上端座標(ΞLTL,ΗLTL),右上端座標(ΞRTL,ΗRTL),左下端座標(ΞLBL,ΗLBL),右下端座標(ΞRBL,ΗRBL)を得る。同様に仮想見開き左側頁範囲を、見開き左側の最上の紙資料Pの傾き及び平行移動量に基づいてアフィン変換し、推定見開き左側頁範囲の左上端座標(ΞLTR,ΗLTR),右上端座標(ΞRTR,ΗRTR),左下端座標(ΞLBR,ΗLBR),右下端座標(ΞRBR,ΗRBR)を得る。
【0086】
なお、図16では、左側見開き頁の右側辺上の頂点、右上端座標(ΞRTL,ΗRTL)及び右下端座標(ΞRBL,ΗRBL)と、右側見開き頁の左側辺上の頂点、左上端座標(ΞLTR,ΗLTR)及び左下端座標(ΞLBR,ΗLBR)とがそれぞれ一致していないが、これらは例えば、
(ΞLTR,ΗLTR)=(ΞRTL,ΗRTL)
(ΞLBR,ΗLBR)=(ΞRBL,ΗRBL)
と右側見開き頁の左側辺上の各頂点の座標を設定して一致させてもよい。なお、逆に、左側見開き頁の右側辺上の各頂点の座標を、推定右側見開き頁の左側辺上の対応する頂点の座標に設定しても構わない。
【0087】
制御部11は、書き込みのあった座標、すなわち押圧位置(ξ,η)の最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)が、上記推定見開き左側頁範囲と、推定見開き右側頁範囲とのそれぞれに重なり合う部分の面積(重なり合わない場合、「0」とする)を算出する。そして、推定見開き左側頁範囲に重なり合う部分の面積ALと、推定見開き右側頁範囲に重なり合う部分の面積ARとを比較し、
AL>AR
であれば、見開き左側の頁に書き込みをしていると判断する。そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に見開き左側頁の紙資料Pについて得た第2変換式を用いて見開き左側の最上の紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は予め検知した見開き左側の最上の紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に蓄積させる(図12)。
【0088】
一方、
AL<AR
であれば、見開き右側の頁に書き込みをしていると判断する。そして最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を、事前に見開き右側頁の紙資料Pについて得た第2変換式を用いて見開き右側の最上の紙資料Pの座標系(x,y)に変換し、対応する最小値(xmin,ymin)、最大値(xmax,ymax)を得る。制御部11は予め検知した見開き右側の最上の紙資料Pの識別情報と、書き込みが開始された時刻の情報Tsと、終了した時刻の情報Teと、ここで得られた座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)(以下、領域情報と呼ぶ)とを関連づけて、記憶部12に蓄積させる(図12)。
【0089】
なお、
AL=AR
である場合は、予め定めた左または右側のどちらかの頁に書き込みをしていると判断を行ってもよいし、エラーとして処理を中断してもよい。
【0090】
[紙資料と資料との関連付け]
情報処理装置1の制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pから検知した識別情報と、記憶装置2において格納されている資料識別情報とを関連づける処理を行う。制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pから識別情報を検知すると、図17に示す処理を開始し、制御部11は、記憶装置2と通信を行い(S1)、記憶装置2に格納されている会議情報のうち、参加予定の人物に当該利用者を含む会議情報を検索する(S2)。制御部11は、検索により見いだされた会議情報の数が「1」であるか否かを判断し(S3)、「1」であれば(会議情報が1つだけ見いだされた場合)、当該見いだされた会議情報に含まれる資料の数をカウントする(S4)。制御部11は、ここでカウントした資料の数が「1」であるか否かを判断し(S5)、資料の数が「1」であれば、面Sに置かれている紙資料Pの識別情報と、見いだした一つの資料の資料識別情報とを関連づけて、記憶部12に格納して(S6)、処理を終了する。なお、複数ページからなり、各ページの紙資料Pの識別情報が得られている場合は、そのすべてを関連づける。この場合、各紙資料Pの識別情報に対して、頁数の情報(何頁目の紙資料Pであるかを表す情報)をそれぞれ関連づけてもよい。
【0091】
一方、処理S5において、資料の数が「2」より大きければ(複数あれば)、利用者に対して資料の一覧を提示して、選択させる(S7)。このために記憶装置2において、資料の名称など資料の内容を表す情報が資料識別情報に関連づけて記録されていれば、制御部11は、当該資料の名称の一覧を提示してもよい(図18)。利用者は、この一覧から、面Sに置かれている紙資料Pに対応する資料を一つ選択する操作を行う。制御部11は、当該選択を受け入れて、選択された資料の資料識別情報と、面Sに置かれている紙資料Pの識別情報(複数ページからなり、各ページの紙資料Pの識別情報が得られている場合は、そのすべて)とを関連づけて、記憶部12に格納して(S8)、処理を終了する。
【0092】
さらに処理S3において、検索により見いだされた会議情報の数が「2」より多い場合、制御部11は、会議情報の一覧を利用者に提示して(図19)、選択させる(S9)。このために記憶装置2において、会議の名称など会議の内容を表す情報が会議を識別する情報に関連づけて会議情報に記録されていれば、当該会議の名称の一覧を提示してもよい。利用者は、この一覧から、参加する会議を一つ選択する。制御部11は、処理S4に移行して選択された会議情報に含まれる資料の数をカウントする。
【0093】
なお、利用者が会議に参加する場合、情報処理装置1は、利用者から会議に参加する旨の指示を受け入れてもよい。制御部11は、当該会議に参加する旨の指示を受け入れた場合、図示しない時計部からその時点の日時の情報を取得しておき、次のように処理を行ってもよい。
【0094】
すなわち制御部11は、開催日時に時計部から取得した日時を含む会議情報、または当該日時の後、予め定めた時間以内に開始日時のある会議情報を選択し、処理S4に移行して、当該選択した会議情報に含まれる資料の数をカウントすることとしてもよい。
【0095】
また、制御部11は、処理S9で提示する一覧を、開催日時に時計部から取得した日時に、開催日時または終了日時が近い順に会議情報を並べ替えて提供してもよい。
【0096】
さらに、処理S3や処理S5において、カウントした数が「0」である場合はエラーとしてもよいし、記憶装置2に格納されている資料情報のすべてや、会議情報のすべてを一覧として利用者に提示し、選択させてもよい。
【0097】
制御部11は、このようにして紙資料Pの識別情報と資料識別情報とを関連づける。そして、面Sに置かれた紙資料Pに関連する領域情報を記憶装置2から取得することになる。
【0098】
また紙資料Pの識別情報に、資料識別情報が含められていてもよい。この場合、制御部11は、上記処理を行うことなく、面Sに置かれた紙資料Pから検知した識別情報に含まれる資料識別情報を用いて、記憶装置2から面Sに置かれた紙資料Pに関わる領域情報を取得する。
【0099】
[照明処理]
次に、制御部11による照明処理について説明する。制御部11は、紙資料Pが面Sに置かれ、その識別情報が得られると、当該得られた識別情報に関連づけられている資料識別情報を取得する。既に述べた処理により、記憶部12に紙資料Pの識別情報と資料識別情報とを関連づけた情報が保持されている場合、制御部11は、当該情報を参照して、面Sに置かれた紙資料Pに関連する資料識別情報(対応資料識別情報)を取得する。
【0100】
また、紙資料Pの識別情報に、資料識別情報が含められている場合、制御部11は、面Sに置かれた紙資料Pから検知した識別情報に含まれる資料識別情報を取得する。
【0101】
制御部11は、そして、取得した資料識別情報に関連づけられている(つまり、対応資料識別情報に一致する資料識別情報に関連づけられている)領域情報を記憶装置2に対して要求する。
【0102】
制御部11は、また、紙資料Pの面Sに対する相対位置を検知し、第1変換式を得ておく。制御部11は、記憶装置2から得た領域情報に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得る。
【0103】
そして、制御部11は、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させる。これにより利用者の過去の書き込みに対応する一部の照明領域が紙媒体の下部から選択的に照明される。
【0104】
より具体的に、制御部11は、図示しない時計部から処理の時点での日時の情報(現在日時)を取得し、記憶装置2において、面Sに置かれた紙資料Pに対応する資料識別情報に関連づけられている会議の開催日時の情報を参照する。制御部11は、参照した開催日時が現在日時を含む(会議の開始日時と終了日時との間に現在日時が入っている)場合、取得した資料識別情報に関連づけられている領域情報を記憶装置2に対して繰り返し要求する。
【0105】
そして制御部11は、要求に対して送信される領域情報のうち、現在日時の情報に最も近い日時の情報に関連づけられている領域情報を参照し、当該領域情報に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得て、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。
【0106】
この場合、発表者が領域を選択し、当該選択した領域を表す領域情報が記憶装置2に蓄積されるごとに、情報処理装置1が当該領域情報を取得して、対応する紙資料P上の領域を照明することとなる。
【0107】
また利用者が会議後に、当該会議に関係する紙資料Pを面S上に置いたときには、制御部11は、記憶装置2において、面Sに置かれた紙資料Pに対応する資料識別情報に関連づけられている会議の開催日時の情報を参照しても、当該参照した開催日時が現在日時を含まないと判断することになる。
【0108】
この場合、制御部11は、取得した資料識別情報に関連づけられている領域情報を記憶装置2に対して要求するとともに、検知した紙資料Pの識別情報に関連づけて記憶部12に保持されている領域情報(利用者の書き込み領域を表す領域情報)を取得する。
【0109】
制御部11は、そして要求に対して記憶装置2から送信される領域情報に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得て、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させる。また、記憶部12から読み出した記憶領域に含まれる座標の最小値(xmin,ymin)及び、最大値(xmax,ymax)を第1変換式によって変換し、面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)を得て、これら面Sでの座標で表した最小値(ξmin,ηmin)、最大値(ξmax,ηmax)で表される矩形に含まれる表示部14の照明領域に対応するLEDを点灯させる。
【0110】
このとき制御部11は、記憶装置2から取得した領域情報(発表者が指定した情報など)に基づいて照明する領域と、記憶部12から読み出した領域情報(利用者が記入した領域の情報など)に基づいて照明する領域とで、その照明態様を変更してもよい。例えば一方を点滅させる、または互いに照明の色を異ならせるなどとしてもよい。
【0111】
また、このように会議後に照明処理を行う場合、制御部11は、処理開始からの経過時間τを用いて次のように処理してもよい。すなわち制御部11は、面S上の紙資料Pに対応する資料識別情報を含む会議情報から、会議の開催日時の情報を取得し、会議の開始日時の情報T0を得る。
【0112】
次に、制御部11は、記憶装置2から取得した領域情報に関連づけられた日時の情報を参照する。以下、日時の早い順に並べ替えたときのi番目の領域情報に関連する日時の情報をTiとする。制御部11は、Ti−T0<τ<Ti+1−T0となると(但しTi+1がない場合は終了日時Tfを用い、Ti−T0<τ<Tfとなると)、i番目の領域情報に基づく照明処理を行う。
【0113】
また、このとき、記憶部12に格納されている領域情報については、Ts<τ<Teとなるような領域情報があれば、時刻τにおいては、当該領域情報に基づく照明処理を行う。
【0114】
なお、τは、必ずしもここで説明したような実時間でなければならないものではなく、実際の時刻の進行に対して指定された倍率を乗じるなどして、進行を遅速させてもよい。また進行を逆転させてもよい。さらに指定した時刻に設定されてもよい。
【0115】
さらに、記憶部12に格納されている領域情報については、書き込みが開始、または終了した時刻の情報Ts,Teが記録されているときには、例えば書き込みの開始時刻Tsをキーとして、記憶装置2から得た領域情報を並べ替え、並べ替え後のi番目(例えば当初は「i=1」などとしておく)の領域情報に対応する照明領域(第1変換式を適用して面Sでの座標に変換した後の領域)を点灯させてもよい。このときには、操作部13が利用者からiをデクリメント、またはインクリメントさせる指示を受け入れ、制御部11がデクリメントまたはインクリメント後のi番目の対象領域情報に対応する照明領域(第1変換式を適用して面Sでの座標に変換した後の領域)を点灯させてもよい。
【0116】
また利用者が時刻の情報を操作部13を介して入力し、制御部11が、入力された時刻Tが、Ts≦T≦Teであるような時刻情報に関連づけられた対象領域情報に対応する照明領域(第1変換式を適用して面Sでの座標に変換した後の領域)を点灯させてもよい。
【0117】
なお、紙資料Pが複数の頁からなる場合であって、記憶装置2から取得した領域情報に頁数の情報が含まれているときには、当該頁数に対応する紙資料Pを表示するよう利用者に通知し(表示部に指示の文字列を表示してもよいし、音声などで通知してもよい)、そのうえで、第1変換式を得て、次いで照明処理を行ってもよい。このとき、最上の紙資料Pの識別情報が当該頁に対応するものであるかを確認してもよい。
【0118】
[領域情報記録の別例]
ここまでの説明では、紙資料Pに対して書き込みが行われた領域を表す領域情報や発表者が指定した領域の情報を記録して、これらに対応する領域を照明する処理を行う例について述べたが、照明を行う領域の例は、これに限られるものではない。
【0119】
例えば、紙媒体に対して資料の文字列等を印刷し、紙資料とするときに、当該紙資料の識別情報を検出しておく。また、印刷する文字列等から予め定めた条件に合致する部分(例えばハイパーリンクを表すURL(Uniform Resource Locators)の文字列など)が印刷される領域を検出し、当該検出した領域を表す領域情報を生成して、識別情報に関連づけて記憶装置2に蓄積しておいてもよい。
【0120】
この例によると、情報処理装置1が記憶装置2に対して識別情報に関連づけられた領域情報を要求したときに、記憶装置2が印刷された文字列等の部分に対応する識別情報を送信する。
【0121】
そして記憶装置2から当該要求に応じて送信される領域情報を受信した情報処理装置1が、受信した領域情報(紙資料Pの座標系で表されている)を、変換式ペアの一方によって面Sの座標系に変換する。そして当該変換した座標系で表される面Sの範囲に対応する部分を表示部14を制御して照明させる。これにより、予め定めた条件に合致する文字列部分が照明されることになる。
【0122】
[照明の他の例]
なお、表示部14による照明方法は、単に点灯・消灯するだけに留まらず、一例として表示部14が多色LEDを備えている場合や、カラー液晶表示デバイスである場合であって、紙資料Pの識別情報に関連づけられた対象領域情報が複数ある場合には、各対象領域情報に対応する照明領域を互いに異なる色で点灯するようにしてもよい。ここでさらに対象領域情報について時刻の情報が関連づけられているときには、時刻の情報に応じて(例えばより早い時刻ほど明るい色とするなど)点灯色を制御してもよい。また、点灯態様を点滅パターンで異ならせてもよい。
【0123】
さらに本実施の形態において、冊子状に綴じられた紙資料Pなど、複数の紙資料Pを重ねて面S上に配する場合、複数の紙資料Pを透かして下面側から一部を照射することが困難な場合もある。そこで表示部14は、例えば図20に例示するように、点光源31と、レンズ系32と、液晶シャッター33と、投影レンズ34とを含んで構成されてもよい。この表示部14は、紙資料Pを上側から照射する。すなわちこの表示部14を用いる場合、制御部11は、液晶シャッター33上で、照射したい照明領域に対応する画素を暗転(光を透過させない状態)にしておく。点光源31が放射した光は、レンズ系32によって平行光とされ、液晶シャッター33に照射される。液晶シャッター33では、暗転されていない画素以外の部分で光が透過される。液晶シャッター33にて、少なくとも一部を透過された光は、投影レンズ34を介して、紙資料P上に照射される。
【0124】
[紙媒体を固定する例]
さらに本実施の形態において、情報処理装置1は、図21(a)に概要を示すように、面S上での紙資料Pの位置を固定するために、紙資料Pを面Sとの間で挟み込み、紙資料Pの移動を規制するクリップ41を備えてもよい。このようにしておくと、一度、紙資料Pと面Sとの各座標系を変換する変換式ペアができあがった後は、このクリップ41が開かれるまで、変換式ペアを再演算する必要がない。なお、この場合も利用者の明示的な指示により、クリップ41が開かれなくても変換式ペアを再演算するようにしても構わない。
【0125】
すなわちこの場合、制御部11は、クリップ41が開かれて閉じられると、面Sに対する最上の紙資料Pの傾き及び平行移動量を推定し、変換式ペアを演算する処理を行う。
【0126】
また、図21(b)に示すように、一部を開閉可能なリング42(図21(c)に例示するように、略半円状の一対のリング部材を向き合わせ、一端側を軸を介して回動可能に固定し、他端側を閉じたり開いたりできるようにしたもの)を設け、紙資料Pに開けた穴を通して紙資料Pの面S上での移動範囲を規制するようにしてもよい。
【0127】
これらのように紙資料Pが面S上で移動可能な範囲を規制する手段を備えている場合、書き込みの際、及び照明の際にその傾きや平行移動量を推定する処理や、推定された傾きや平行移動量に基づいて変換式を生成する処理は必ずしも必要でない。
【0128】
[その他の例]
また、ここまでの説明では、利用者が記入した領域の情報は、紙資料Pの座標への座標変換の後、記憶部12に格納することとしているが、これに限らず、例えば記憶装置2へ送信して蓄積させてもよい。この場合、照明処理の際には制御部11は、検知した紙資料Pの識別情報に対応する領域情報を、記憶装置2から取得する。
【0129】
さらに本実施の形態では、図18に例示した資料一覧を提示する際に、図18に例示したものに代えて、例えば各資料の資料識別情報に関連付けられた領域情報及び日時情報を参照し、日時情報を一例として横軸にとり、この軸上に資料を特定する情報(資料名など)を配して表示してもよい(図22)。すなわち各資料に関する日時の情報のうち、最先の日時の情報に対応する軸上の位置に各資料を表示する。利用者は、この軸上に配列された資料の群から、目的の資料を選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システム及び情報処理装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の外観例を表す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置によって照明される照明領域の設定例を表す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る記憶装置の構成例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る記憶装置が保持する会議情報の内容例を表す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る記憶装置が保持する資料の情報の内容例を表す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用者に行わせる記入操作、記入内容の例を表す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る情報処理装置における照明領域の座標設定の例を表す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用者に行わせる記入操作の対象となる領域を表す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が記入操作の内容に基づいて相対位置を検知する処理の例を表す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が無線タグを用いて相対位置を検知する例を表す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る情報処理装置により記録される情報のひとつの例を表す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用される紙媒体と、情報処理装置の使用態様とを表す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る情報処理装置において利用される紙媒体の例を表す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が冊子状に綴じられた紙媒体の相対位置を検知する例を表す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る情報処理装置における冊子状に綴じられた紙媒体の相対位置を検出する処理の例を表す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の処理の例を表すフローチャート図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が提供する資料の一覧の例を表す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が提供する会議の一覧の例を表す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の表示部の別例を表す概要図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の別例を表す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が提供する資料の一覧の別の例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0131】
1 情報処理装置、2 記憶装置、11,21 制御部、12,22 記憶部、13 操作部、14 表示部、15 媒体検知部、16,23 通信部、31 点光源、32 レンズ系、33 液晶シャッター、34 投影レンズ、41 クリップ、42 リング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、情報処理装置とを含み、
前記記憶装置は、
会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持し、
前記情報処理装置は、
前記記憶装置と通信する通信手段と、
利用者を識別する手段と、
紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、
前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、
当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、
前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続され、
前記記憶装置と通信する通信手段と、
利用者を識別する手段と、
紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、
前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、
当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、
前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
紙媒体上で利用者が記入操作を行った記入領域を表す記入領域情報を取得する手段と、
前記取得した記入領域情報を表す情報を、当該記入操作の日時に関連づけて記憶する手段と、
をさらに含み、
前記領域情報取得手段は、前記見出した資料識別情報に関連づけられて前記記憶装置に記憶されている日時情報と領域情報とを取得するとともに、前記記入領域情報と記入操作の日時とを取得し、
前記制御手段は、前記取得した日時情報及び領域情報と、前記記入領域情報及び記入操作の日時とを用い、指定された日時に対応する日時情報または記入操作の日時に関連した領域情報または記入領域情報を参照し、当該参照した領域情報または記入領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記領域情報と記入領域情報とのそれぞれに対応する領域を、それぞれ区別可能な態様で照明するよう前記選択照明手段を制御することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続されるコンピュータを、
前記記憶装置と通信する通信手段と、
利用者を識別する手段と、
紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、
前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、
当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、
前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
記憶装置と、情報処理装置とを含み、
前記記憶装置は、
会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持し、
前記情報処理装置は、
前記記憶装置と通信する通信手段と、
利用者を識別する手段と、
紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、
前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、
当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、
前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続され、
前記記憶装置と通信する通信手段と、
利用者を識別する手段と、
紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、
前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、
当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、
前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
紙媒体上で利用者が記入操作を行った記入領域を表す記入領域情報を取得する手段と、
前記取得した記入領域情報を表す情報を、当該記入操作の日時に関連づけて記憶する手段と、
をさらに含み、
前記領域情報取得手段は、前記見出した資料識別情報に関連づけられて前記記憶装置に記憶されている日時情報と領域情報とを取得するとともに、前記記入領域情報と記入操作の日時とを取得し、
前記制御手段は、前記取得した日時情報及び領域情報と、前記記入領域情報及び記入操作の日時とを用い、指定された日時に対応する日時情報または記入操作の日時に関連した領域情報または記入領域情報を参照し、当該参照した領域情報または記入領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記領域情報と記入領域情報とのそれぞれに対応する領域を、それぞれ区別可能な態様で照明するよう前記選択照明手段を制御することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
会議を識別する情報と、当該会議に参加予定である人物を識別する情報とを関連づける会議情報と、前記会議を識別する情報と、前記会議で使用された資料を識別する資料識別情報と、当該資料の一部を特定する領域情報と、当該資料の一部が利用された日時を特定する日時情報とを関連づけた資料情報とを保持する記憶装置に接続されるコンピュータを、
前記記憶装置と通信する通信手段と、
利用者を識別する手段と、
紙媒体を支持可能な面を有し、予め定められた紙媒体上の複数の領域のいずれかを選択的に照明する選択照明手段と、
前記面に支持された紙媒体を識別する媒体識別子を検知する検知手段と、
当該検知した媒体識別子に対応する、対応資料識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記通信手段を介して、前記記憶装置において識別した利用者が参加予定の人物として関連づけられている会議情報を見出し、当該会議情報における会議を識別する情報に関連づけられた資料識別情報のうち、前記媒体識別子に関係して取得した前記対応資料識別情報に一致する資料識別情報を見出し、当該見出した資料識別情報に関連づけられて記憶されている日時情報と領域情報とを取得する領域情報取得手段と、
前記取得した日時情報と領域情報とを用い、指定された日時に対応する日時情報に関連した領域情報を参照し、当該参照した領域情報に対応する領域を照明するよう前記選択照明手段を制御する制御手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−294847(P2009−294847A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146942(P2008−146942)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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