説明

情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 交通機関等の遅延情報に従ってアラームの鳴動時刻を変更する必要がある場合にのみアラームの鳴動時刻の変更を行い、アラーム鳴動時刻の変更の必要がない場合には、アラーム鳴動時刻の変更を行わない。
【解決手段】 携帯情報端末は、交通機関の遅延情報を受信すると、アラーム設定情報に従って、アラーム時刻の変更を行うか否かを判断する。アラーム時刻の変更をすると判断した場合には、アラーム時刻の変更を行う。携帯情報端末は、変更を行うか否かを判断する際には、例えば、携帯情報端末が登録された位置にあるか否かを判断し、登録された位置にないと判断した場合には、アラーム時刻の変更を行わないと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラーム時刻の変更に関し、特に公共交通機関の遅延情報を取得して、アラーム時刻の変更を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公共の交通機関の遅延情報に基づいて、アラームの鳴動時刻を変更することが可能な携帯端末が考えられている。例えば、特許文献1には、交通機関に遅延が発生した場合に、交通情報管理センターサーバからの遅延時間情報を携帯電話が取得すると、その遅延時間に応じて、アラームを鳴動させる時刻を変更するという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−92490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、アラームの鳴動時刻を交通機関の遅延情報を受信した際に、通常より早めにアラームを鳴動させるよう鳴動時刻の変更は可能であるが、鳴動時刻の変更の必要がない場合、例えば、既に起床し、行動を行っている場合(既に電車に乗車している等)にも、アラーム鳴動時刻の変更処理が行われてしまい、当該携帯端末のアラームが、ユーザが予期しない時間に鳴動してしまう虞がある。
【0005】
通常、公共の交通機関の事業者は、着信音などの音声が出ないよう、携帯電話をマナーモードに設定することを利用者に求めている。しかし、携帯電話のユーザが携帯電話をマナーモードが設定していても、アラームの鳴動をマナーモードの優先させる設定を行っている場合などには、アラーム時刻の予期せぬ変更により予期せぬタイミングでアラームが鳴動してしまい、周囲に迷惑をかけてしまう可能性は否定できない。
【0006】
本発明は、上記した課題に鑑み、交通機関等の遅延情報に従ってアラームの鳴動時刻を変更する必要がある場合にのみアラームの鳴動時刻の変更を行い、例えば、ユーザが既に行動を始めている場合など、アラーム鳴動時刻の変更の必要がない場合には、アラーム鳴動時刻の変更を行わない情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本願発明の情報処理システムは以下の構成を備える。即ち、管理サーバと、交通機関の遅延情報に応じて設定されているアラームの鳴動時刻を変更する携帯情報端末とを備える情報処理システムであって、前記管理サーバは、前記携帯情報端末から、交通機関情報を受け付ける受付手段と、前記交通機関情報が示す交通機関に遅延が発生した場合に、前記携帯情報端末に遅延情報の通知を行う通知手段を備え、 前記携帯情報端末は、遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、前記交通機関の遅延情報を前記管理サーバより受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記した目的を達成するために、本願発明の携帯情報端末は以下の構成を備える。即ち、 交通機関の遅延に応じて、登録されているアラーム鳴動時刻の設定変更を行う携帯情報端末であって、遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記した目的を達成するために、本願発明の情報処理方法は以下の構成を備える。即ち、 交通機関の遅延に応じて、登録されているアラーム鳴動時刻の設定変更を行う携帯情報端末によって行われる情報処理方法であって、遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を設定する設定工程と、前記設定工程で設定された交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記した目的を達成するために、本願発明のコンピュータプログラムは以下の構成を備える。即ち、携帯情報端末を、交通機関の遅延に応じて、登録されているアラーム鳴動時刻の設定変更を行う携帯情報端末として機能させるためのコンピュータプログラムであって、遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、交通機関の遅延が発生した場合に好適にアラームの鳴動時刻を変更することが可能となるとともに、不必要なアラーム鳴動時刻の変更を抑制することで、ユーザが予期せぬタイミングで公の場でのアラーム鳴動を好適に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る交通遅延連動アラームシステムのシステム構成図の一例を示す図である。
【図2】図1に示す管理サーバ102に適用可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示す携帯情報端末101のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】携帯情報端末101及び管理サーバ102によって行われる交通遅延通知登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】管理サーバ102によって行われる、交通機関の遅延発生時の通知処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】管理サーバ102から交通機関の遅延発生通知を受信した際に携帯情報端末によって行われるアラーム鳴動時刻変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】アラーム登録処理行う際に携帯電話の表示部に表示される設定情報入力画面の一例を示す図である。
【図8】管理サーバ102に記憶管理されている遅延通知情報の一例を示す図である。
【図9】携帯情報端末101に記憶管理されているアラーム設定情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。図1は本発明の交通遅延連動アラームシステムのシステム構成の一例を示す図である。図中、101−1、101−2、及び101−3は、例えば、携帯電話等の携帯情報端末であって(以下まとめて携帯情報端末101とする)、指定した時刻に指定された音を鳴動させるアラーム機能を有した携帯情報端末である。102は管理サーバであって、携帯情報端末101からの交通遅延通知要求を受け付けるとともに、不図示の交通機関サーバより交通機関遅延情報を受け付けた場合に、後述する通知要求情報に登録されている当該交通機関を利用しているユーザの携帯情報端末101に対して交通機関の遅延情報の通知を行う。103は、携帯情報端末101、及び管理サーバ102をそれぞれ通信可能に接続する携帯電話網等のネットワークである。
【0014】
次に、図2を参照して、図1の管理サーバ102に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。
【0015】
CPU201は、システムバス204に接続される後述の各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0016】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードやポインティングデバイス等で構成される入力装置209からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ装置210等の表示装置への表示を制御する。ディスプレイ装置は、例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等で構成される。
【0017】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0018】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0019】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0020】
本発明のクライアント装置102−1の各種処理を実行するために用いられるプログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。
【0021】
次に、図3を参照して、図1の携帯情報端末101に適用可能な携帯情報端末のハードウェア構成の一例について説明する。図中301は制御部であって、システムバス307を介して接続されている各デバイスを統合的に制御する。302は記憶部であって、制御部301の主メモリ、ワークエリアとして機能する。また、記憶部302には、携帯情報端末に後述する各処理を実行させるためのプログラムや、各処理を行う際に用いられる各種のデータが記憶されている。
【0022】
303は入力部であって、例えば、キーボードやタッチパネル等から構成され、制御部301に対して各種の情報を入力するために用いられる。304は出力部であって、各種の情報を表示するために用いられる。例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されている。305は通信部であって、他の携帯情報端末や管理サーバ102等と無線通信を行うためのものである。例えば、通話やSMS(Short Message Service)、GPSによる位置情報取得、その他各種のデータ通信を行う機能部である。306は音声出力部であって、例えば受話音声やアラーム音等の各種の音声出力を行う機能部である。
【0023】
次に、図4を参照して、図1の携帯情報端末101と、管理サーバ102によって行われる交通遅延通知登録処理の一例について説明する。本処理を行う際には、図7に示すアラーム設定情報入力画面700が携帯情報端末101の表示部304に表示されている。
【0024】
まず、携帯情報端末101の制御部301は、アラーム設定情報入力画面に対するユーザ操作に従い、アラーム設定情報の入力を受け付ける(ステップS401)。ここで入力を受け付けるアラーム設定情報としては、アラーム名、アラーム鳴動時刻、アラームを鳴動させる曜日、アラーム音指定、有効/無効指定、交通遅延情報によるアラーム時刻変更を行うか否かの情報等がある。そして、アラーム設定情報として、交通遅延情報によるアラーム時刻変更を行うという入力を受け付けたと場合には(ステップS402の交通遅延によるアラーム時刻変更を行う?でYES)、CPU201は処理をステップS403に進め、図7の経路設定入力画面を表示部304に表示し、経路情報の入力を受け付ける(ステップS404。その後、位置情報入力を受け付ける(ステップS405)。位置情報は、例えば携帯情報端末101が有するGPS機能を用いて取得することになる。ステップS405では、携帯情報端末101の表示部304には、例えば図7の720に示す、位置情報取得画面が表示される。尚、図7の交通遅延情報によるアラーム時刻変更を行わない設定を行い、登録ボタン709の押下を受け付けた場合には、ステップS402の判断処理でCPU201は、NOと判断し、処理をステップS412に進める。
【0025】
ここで、図4のステップS401、ステップS404及びステップS405の入力受け付け時にそれぞれ携帯情報端末101の表示部304に表示される入力画面の一例について説明する。図7は、携帯情報端末に表示される入力画面の一例を示す図である。
【0026】
図4のステップS401では、図7のアラーム設定入力画面700が表示部304に表示される。このアラーム設定入力画面700には、アラーム名入力欄701、鳴動時刻入力欄702、曜日入力欄703、アラーム音指定欄704、有効/無効指定欄705、交通遅延情報によるアラーム鳴動時間変更機能の使用/不使用指定欄706、経路設定ボタン707、位置設定ボタン708、登録ボタン709が用意されている。
【0027】
携帯情報端末101を使用するユーザは、入力部303操作により、アラーム設定入力画面700の各入力欄に対して、情報の入力を行うことになる。また、交通遅延情報によるアラーム鳴動時間変更機能の使用/不使用指定部706の設定を「使用」と設定した場合には、経路設定ボタン707、位置設定ボタン708が有効になる。制御部301は、経路設定ボタン707の押下を受け付けると経路設定画面710を、位置設定ボタン708の押下を受け付けると位置情報設定画面720を表示部304に表示する。
【0028】
図4のステップS404では、図7の経路設定画面710が表示部304に表示される。この経路設定画面710には、利用路線入力欄711、乗車駅入力欄712、降車駅入力欄713、追加ボタン714、追加経路一覧表示部715、削除ボタン716、登録ボタン717が用意されている。
【0029】
携帯情報端末101を使用するユーザは、入力部303操作により、経路設定画面710の各入力欄に対して、情報の入力を行うことになる。利用路線入力欄711、乗車駅入力欄712、及び降車駅入力欄713に入力がされている状態で追加ボタン714の押下を受け付けると、追加経路一覧表示部715に入力内容が表示される。
【0030】
また、追加経路一覧表示部715に表示されている経路情報のうち、何れかの経路情報のチェックボタン718がチェック状態で削除ボタン716の押下を受け付けると、チェックボックスがチェック状態となっている経路情報を追加経路から削除する処理が行われる。
【0031】
登録ボタン717が押下されると、追加経路一覧表示部715に表示されている追加経路情報を確定し、本画面を閉じ、アラーム設定情報入力画面700に表示を戻す。
【0032】
図4の説明に戻る。図4のステップS405では、携帯情報端末101の表示部304には、図7の位置情報設定画面720が表示される。この位置情報設定画面720では、表示時に、721のようにGPSによる位置情報取得を行うか否かの入力を受け付けるためのメッセージボックスが表示される。はい722を指定した場合には、GPS機能を用いて位置情報の取得が行われることになる。いいえ723を指定した場合には、GPS機能による位置情報の取得は行われない。GPSによる位置情報の取得を行った後、アラーム設定情報入力画面に戻る。以上が、図7の説明である。
【0033】
アラーム設定情報、経路情報、及び位置情報の入力を受け付けた後、携帯情報端末101の制御部301は、通信部305を介して管理サーバ102に対して入力情報を送信する(ステップS406)。ここで管理サーバ102送信される入力情報としては、経路情報、曜日、アラーム設定時刻等であり、ステップS401、ステップS404、及びステップS405で入力された全ての情報を管理サーバ102に対して送信する必要はない。また、ステップS406では、入力情報に加えて、管理サーバ102が携帯情報端末101に対して交通機関の遅延情報を送信する際の宛先となる宛先情報も送られることになる。
【0034】
管理サーバ102のCPU201は、携帯情報端末101より送信された入力情報を受信すると(ステップS407)、受信した入力情報を遅延通知情報に登録する(ステップS408)。図8に管理サーバ102の外部メモリ211に記憶されている遅延通知情報の構成の一例を示す。
【0035】
図8は、管理サーバ102の外部メモリ211に記憶されている遅延通知情報の構成の一例を示す図である。図8に示すように、遅延通知情報800にはデータ項目として、ユーザID801、路線802、乗車駅803、降車駅804、曜日805、アラーム設定時刻806、通知先807が設定されている。
【0036】
ユーザID801には、ユーザを一意に識別するための識別情報が登録される。路線802には、図4のステップS404で経路設定画面710を介して入力される路線情報が登録される。乗車駅803、降車駅804にはそれぞれ、ステップS404で経路設定画面710を介して入力される乗車駅、降車駅が登録される。曜日805には、図4のステップS401でアラーム設定情報画面700を介して入力される曜日情報が登録される。アラーム設定時刻806には、図4のステップS401でアラーム設定情報画面700を介して入力される時刻情報が登録される。通知先807には、当該レコードの路線情報、乗車駅情報、降車駅情報が示す区間の交通に影響を及ぼす交通機関の遅延が発生した場合に遅延情報の通知を行う通知先情報が登録される。以上が、図8の遅延通知情報の説明である。
【0037】
図4の説明に戻る。図4のステップS408の遅延通知情報登録が終了後、管理サーバ102のCPU201は、処理をステップS409に進め、登録結果を携帯情報端末101に対して送信する。携帯情報端末101側では、登録結果を受信するとその結果に応じて、経路の再設定を行うかを判断する(ステップS411)。例えば、登録に失敗した旨の結果を管理サーバ102より受信した場合には、CPU201は経路再設定が必要(ステップS411でYES)と判断し、処理をステップS403に進め、それ以降の処理を繰り返す。
【0038】
ステップS402でNOと判断した場合、及びステップS411でNOと判断した場合には、処理をステップS412に進め、アラーム設定情報登録を行う。以上が、図4の説明である。
【0039】
次に、図9を参照して、携帯情報端末101の記憶部302に記憶されるアラーム設定情報の構成について説明する。図9に示すように、アラーム設定情報900には、データ項目として、アラームID901、アラーム名902、曜日903、アラーム音904、時刻905、有/無(有効/無効)906、変更機能907、経路情報908、位置情報909が設定されている。
【0040】
アラームID901には、アラーム設定情報を一意に識別するための識別情報が登録される。アラーム名902、曜日903、アラーム音904、時刻905、有/無(有効/無効)906、変更機能907には、それぞれ、図4のステップS401で図7のアラーム設定情報画面700のアラーム名入力欄701、鳴動時間入力欄702、曜日入力欄703、アラーム音指定欄704、有効/無効指定欄705、交通遅延情報によるアラーム鳴動時間変更機能の使用/不使用指定欄706に入力された情報が登録されることになる。
【0041】
経路情報908には図4のステップS404で図7の経路設定画面710を介して入力された経路情報が、位置情報909には、図4のステップS405で取得した位置情報が登録される。以上が図9のアラーム設定情報の説明である。
【0042】
次に、図5を参照して、交通機関に遅延が発生した場合に、管理サーバ102が行う通知処理について説明する。この処理を管理サーバ102のCPU201に行わせるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、CPU201は、必要に応じて当該プログラムをRAM202にロードし、当該プログラムの制御に従って、本処理を行うことになる。
【0043】
CPU201は、まず、遅延情報を取得したかを判断する(ステップS501)。CPU201は、例えば、不図示の交通機関サーバより遅延通知情報を受けたり、ユーザの入力装置の操作に従って、遅延情報の入力を受け付けたりすることで、遅延情報を取得することになる。
【0044】
ステップS501でNOと判断した場合には、CPU201は引き続き遅延情報の取得待ち状態を継続する。一方、ステップS501の判断処理で遅延情報を取得したと判断した場合には、遅延情報に含まれる路線情報を取得する(ステップS502)。そして、不図示の影響路線テーブルからステップS502で取得した路線に遅延が発生した場合に、影響を被る路線情報である影響路線情報を取得する(ステップS503)。ここでいう、影響路線とは、ステップS502で取得した路線の乗客が代替の交通機関として選択することで、混雑による遅延が発生する路線や、ステップS502で取得した路線と相互接続をしている路線等である。そして、遅延情報に含まれる予想遅延時間を取得する(ステップS504)。
【0045】
そして、その後、外部メモリ211に記憶されている遅延通知情報から、ステップS502で取得した路線情報、及びステップS503で取得した影響路線情報が、路線802に設定されているレコードを取得する(ステップS505)。そしてその後、ステップS505で取得した全ての遅延通知情報に対してステップS506からS509の処理を行う。
【0046】
ステップS507において、処理対象の遅延通知情報に登録されている曜日に、遅延情報を取得した曜日が含まれているかを判断する。ステップS507の判断処理で、含まれている(即ち曜日条件が一致)と判断した場合には(ステップS507でYES)処理をステップS508に進め、処理対象の遅延通知情報の時刻のアラーム設定時刻に登録されている時刻がすでに経過しているかを判断する。まだアラーム設定時刻に到達していないと判断した場合には、当該遅延通知情報に含まれる通知先を交通機関の遅延の通知先として追加する(ステップS509)。
【0047】
ステップS507でNO、ステップS508でYESと判断した場合、及びステップS509の処理終了後、CPU201は処理をステップS506に戻し、次に処理対象とする遅延通知情報を取得し、ステップS507からのS509の処理を繰り返す。そして、ステップS505で取得した全ての遅延通知情報に対して、ステップS507からステップS509の処理が終了後、CPU201は、処理をステップS510に処理を進め、ステップS508で通知先に追加した全ての通知先に対して、遅延情報を送信する。以上が、管理サーバ102によって行われる通知処理の説明である。
【0048】
次に、図6を参照して、管理サーバ102より遅延通知情報を取得した場合に、携帯情報端末101で行われるアラーム時刻変更処理について説明する。
【0049】
携帯情報端末101の制御部301は、管理サーバ102より遅延通知情報を受信したかを判断する(ステップS601)。遅延情報を取得していないと判断した場合には(ステップS601でNO)、処理をステップS606に進める。一方、遅延通知情報を受信したと判断した場合には(ステップS5601でYES)、アラーム時刻の変更が必要であるかを判定するために以下の処理を行う。
【0050】
まず、アラーム設定情報900中で変更機能907に「使用」が登録されているレコードの有/無(有効/無効)906が有効となっているかを判断する(ステップS602)。無効となっていると判断した場合には(ステップS602でNO)、処理をステップS606に進める。一方、有効となっていると判断した場合には(ステップS602でYES)、処理をステップS603に進め、GPS機能を用いて位置情報を取得する。そして、ステップS603で取得した位置情報と、アラーム設定情報の位置情報909に登録されている位置情報とを比較し、携帯情報端末101が位置情報909に登録されている位置から予め指定された閾値が示す距離以内にあるかを判断する(登録位置にある:ステップS604)。
【0051】
ステップS604で登録位置にないと判断した場合(ステップS604でNO)、処理をステップS606に進める。一方、登録位置にあると判断した場合には(ステップS604でYES)、処理をステップS605に進め、アラーム設定情報に設定されているアラームの鳴動時刻の変更を行う。この際には、アラーム時刻を変更したアラームID、変更前のアラーム鳴動時刻を記憶部302に記憶しておく。
【0052】
本発明では、携帯情報端末101が、アラーム設定情報900の位置情報909に登録された位置に存在しない場合には、アラームの鳴動時刻の変更は行わない。その理由としては、携帯情報端末101の位置が移動しているということは、携帯情報端末101の所有者(ユーザ)は既に起床し行動を開始し、既に家から出ている可能性が高い。そのような場合に、アラームの鳴動時刻を変更することで、例えば電車の車内で予期せぬタイミングで携帯情報端末101のアラームが鳴動してしまうことを防ぐためである。
【0053】
制御部301はステップS606において、アラームの鳴動時刻に達したかを判定する。アラームの鳴動時刻に達したと判断した場合には(ステップS606でYES、指定されたアラーム音、音量でアラームの鳴動を行う(ステップS607)。
【0054】
制御部301は、ステップS608において、交通遅延によるアラーム鳴動時刻変更を行ったアラーム設定があるかを判断する。ここでは、ステップS605で変更されたアラーム設定の変更前の情報が記憶部302に記憶されているかを元に制御部301は判断することになる。
【0055】
ステップS608でYESと判断した場合には、その時点の時刻が、変更前のアラーム時刻を経過したかを判断する(ステップS609)。そして経過したと判断した場合には処理をステップS610に進めてアラームの鳴動時刻設定を変更前の時刻に戻す。以上の処理をユーザからの終了指示(例えば電源OFF)を受け付けるまで行うことになる。
【0056】
<その他の実施の形態>
図5を参照して説明した、管理サーバ102によって行われる遅延通知処理のうち、ステップS506からステップS509を行わず、ステップS505で取得した全ての遅延通知情報に含まれる宛先に対してステップS510で遅延情報を送信するようにしても構わない。その場合には、携帯情報端末101において、アラーム時刻の変更の必要があるか否かを判断するために、アラームの設定が有効であるか(ステップS602)、携帯情報端末101が位置情報909に登録されている位置にあるか(ステップS604)の判断に加えて、図9のアラーム設定情報の時刻905を経過しているか(当該時刻を経過している場合には、制御部301はアラーム時刻の変更の必要がないと判断)、また、遅延通知を受け付けた日の曜日が図9の曜日904と一致しているか(曜日が一致していない場合には、制御部301はアラーム時刻の変更の必要がないと判断)を合わせて判断することになる。
【0057】
本発明では、上記のような処理を行うことで、交通機関の遅延が発生した場合にアラームの鳴動時刻の変更を行えるとともに、交通機関の遅延が発生した場合であってもアラームの鳴動時刻設定の変更が必要ない場合には、例えば、携帯情報端末が登録された位置になく、既にユーザが移動をしていると想定される場合などには、変更処理を行わない。これにより、ユーザが予期せぬ時間にアラームが鳴動することを好適に防ぐことが可能となる。また、交通遅延によりアラーム時刻の変更が行われた場合に、変更前の時刻を経過後、ユーザがアラーム時刻の設定変更を元に戻すための処理を行わなくても、元のアラーム時刻設定に復元することが可能となる。
【0058】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0059】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0060】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0061】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0062】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0063】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0064】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0065】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0066】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0067】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0068】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
101−1、101−2、101−3 携帯情報端末
102 管理サーバ
103 携帯電話通信網
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/F(インターフェース)コントローラ
209 入力装置
210 ディスプレイ装置
211 外部メモリ
301 制御部
302 記憶部
303 入力部
304 表示部
305 通信部
306 音声出力部
307 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバと、交通機関の遅延情報に応じて設定されているアラームの鳴動時刻を変更する携帯情報端末とを備える情報処理システムであって、
前記管理サーバは、
前記携帯情報端末から、交通機関情報を受け付ける受付手段と、
前記交通機関情報が示す交通機関に遅延が発生した場合に、前記携帯情報端末に遅延情報の通知を行う通知手段を備え、
前記携帯情報端末は、
遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記交通機関の遅延情報を前記管理サーバより受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更手段と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
交通機関の遅延に応じて、登録されているアラーム鳴動時刻の設定変更を行う携帯情報端末であって、
遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更手段と
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
携帯情報端末の、基準位置情報を登録する登録手段と、
前記交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該携帯情報端末の現在位置情報を取得する取得手段と、をさらに備え、
前記判定手段は、前記基準位置情報と現在位置情報との差分距離が、予め設定されている閾値を超えるか否かにより前記アラーム時刻を変更するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記判定手段は、交通機関の遅延情報を受け付けた時刻がアラーム鳴動時刻に到達しているか否かにより前記アラーム時刻を変更するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記変更手段により変更された前記アラーム時刻を、変更前の状態に戻す復元手段
をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
交通機関の遅延に応じて、登録されているアラーム鳴動時刻の設定変更を行う携帯情報端末によって行われる情報処理方法であって、
遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
携帯情報端末を、
交通機関の遅延に応じて、登録されているアラーム鳴動時刻の設定変更を行う携帯情報端末として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
遅延が発生した際に鳴動時刻の変更を行う交通機関の情報を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された交通機関の遅延情報を受け付けた場合に、当該遅延情報に応じてアラームの鳴動時刻を変更するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段でアラーム鳴動時刻を変更すると判断した場合に、変更対象とするアラームの鳴動時刻の変更を行う変更手段と
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−128082(P2011−128082A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288424(P2009−288424)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】