説明

情報処理システムおよび情報処理装置

【課題】それぞれ入力手段と表示手段とを内蔵する情報処理装置で構成され、内蔵する情報処理手段と外部接続される情報処理手段との間で入力手段と表示手段とを選択的に使用することのできる情報処理システムを提供する。
【解決手段】ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する情報処理手段と、入力された画面情報を表示する表示手段とを筐体内に有する情報処理装置であって、さらに、入力手段の出力する操作情報を、情報処理手段と筐体外とに選択的に出力するよう接続する入力切換手段と、情報処理手段の出力する画面情報と筐体外から入力される画面情報とを選択的に表示手段に出力するよう接続する表示切換手段とを有する情報処理装置を有するよう情報処理システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ表示手段と入力手段とを有する情報処理装置で構成される情報処理システムおよび入力手段の情報出力先と表示手段の情報入力元をそれぞれ切換可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイを1台しか設置できない環境での複数のパーソナルコンピュータの使用や、1台のキーボードやマウスのような入力機器を複数のパーソナルコンピュータでの使用が求められる場合がある。複数のパーソナルコンピュータのディスプレイ出力コネクタとキーボード/マウス入力コネクタからそれぞれケーブル接続し、スイッチで切り替えてディスプレイとキーボード/マウスにそれぞれ接続するキーボード切替器を用いると、このような使用方法を実現することができる。
【0003】
特許文献1には、省スペースパーソナルコンピュータの大画面デジタルLCDに、省スペースパーソナルコンピュータの出力と、接続したサブノートパーソナルコンピュータの出力とを選択的に表示可能なパーソナルコンピュータのディスプレイの代替表示方式が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−229503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方式では、デスクトップ型の省スペースパーソナルコンピュータに対してサブノートパーソナルコンピュータの映像出力を表示させている。しかし、近年、ノート型パーソナルコンピュータの普及が著しく、ノート型パーソナルコンピュータを専ら使用し、デスクトップ型パーソナルコンピュータを保有していない利用者も増えてきている。
【0006】
従来技術のノート型パーソナルコンピュータと外部機器との接続例を図2に示す。従来技術のノート型パーソナルコンピュータ3は、CPU(Central Processing Unit)とDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで構成される情報処理手段30にユーザの操作を伝えるためのキーボードやタッチパッドなどで構成される入力手段32を有し、情報処理手段30の処理結果を表示する液晶ディスプレイパネルなどで構成される表示手段31とを有している。
【0007】
従来技術のノート型コンピュータでは、入力手段32とは別の、マウスなどの入力装置5を接続して情報処理手段30にユーザ操作を伝え、表示手段31とは別の、外付けディスプレイやプロジェクタなどの表示装置4を接続して情報処理手段30の処理結果を表示することができる。
【0008】
しかし、図2からも明らかなように、従来技術のノート型パーソナルコンピュータは、通常は映像出力端子を備えているものの、映像入力端子は備えていないため、ノート型パーソナルコンピュータを主として使用している利用者は、そのノート型パーソナルコンピュータのディスプレイに、他のパーソナルコンピュータの出力画面も選択的に表示するような使い方をすることができない。そのため、ノート型パーソナルコンピュータと他のパーソナルコンピュータを別々に操作しなければならず、使い勝手を損っていた。
【0009】
そこで、本発明は、それぞれ入力手段と表示手段とを内蔵する情報処理装置で構成され、内蔵する情報処理手段と外部接続される情報処理手段との間で入力手段と表示手段とを選択的に使用することのできる情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報処理システムは、ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する第1の入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する第1の情報処理手段と、入力された画面情報を表示する第1の表示手段とを第1の筐体内に有する第1の情報処理装置と、ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する第2の入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する第2の情報処理手段と、入力された画面情報を表示する第2の表示手段とを第2の筐体内に有する第2の情報処理装置とからなる情報処理システムであって、第1の情報処理装置は、第1の入力手段の出力する操作情報を第1の情報処理手段と第1の筐体外とに選択的に出力するよう接続する第1の入力切換手段と、第1の情報処理手段の出力する画面情報と第1の筐体外から入力される画面情報とを選択的に第1の表示手段に出力するよう接続する第1の表示切換手段とを有し、第2の情報処理装置は、第2の入力手段の出力する操作情報と第2の筐体外から入力される操作情報とを選択的に前記第2の情報処理手段に出力するよう接続する第2の入力切換手段と、第2の情報処理手段の出力する画面情報を第2の表示手段と第2の筐体外とに選択的に出力するよう接続する第2の表示切換手段とを有し、第1の入力切換手段の出力が第2の操作情報切換手段の入力に接続され、第2の表示切換手段の出力が第1の画面情報切換手段の入力に接続されることを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理装置は、ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する情報処理手段と、入力された画面情報を表示する表示手段とを筐体内に有する情報処理装置であって、さらに、入力手段の出力する操作情報を、情報処理手段と筐体外とに選択的に出力するよう接続する入力切換手段と、情報処理手段の出力する画面情報と筐体外から入力される画面情報とを選択的に表示手段に出力するよう接続する表示切換手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、それぞれ入力手段と表示手段とを内蔵する情報処理装置で構成され、内蔵する情報処理手段と外部接続される情報処理手段との間で入力手段と表示手段とを選択的に使用することのできる情報処理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。本実施形態は、内蔵する情報処理手段と外部接続される情報処理装置とを、内蔵する入力手段と表示手段で選択的に使用することのできるパーソナルコンピュータである。
【0014】
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。図1を参照すると、本実施形態の情報処理システムは、情報処理装置1と情報処理装置2を接続して構成される。情報処理装置1は、情報処理手段10、表示手段11、表示切換手段12、入力切換手段13および入力手段14を同一筐体内に有しており、情報処理装置2も同様に、情報処理手段20、表示手段21、表示切換手段22、入力切換手段23および入力手段24を同一筐体内に有している。
【0015】
情報処理装置1は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータである。情報処理装置2は、情報処理装置1と同様のノート型パーソナルコンピュータであってもよいし、ノート型パーソナルコンピュータよりも表示手段や入力手段が制限されたコンピュータ、例えばPDA(Personal Digital Assistant)のような機器であってもよい。
【0016】
情報処理手段10は、入力手段14から入力されるユーザ操作情報に基づいて情報処理を行い、画面情報を出力する。情報処理手段10は、具体的には、CPUとDRAMにより構成することができる。情報処理手段10は、ソフトウェアを実行することにより、後述する表示手段11に表示すべき画面情報を作成する表示制御部101や、後述する入力手段14から入力情報を受け取る入力制御部102などの機能を実現する。
【0017】
表示手段11は、表示すべき画面情報の入力を受けて、ユーザに視認可能に表示する。表示手段11は、具体的には、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成可能である。
【0018】
表示切換手段12は、表示手段11で出力すべき画面情報を入力された情報から選択して切り換える。表示切換手段12は、具体的には、複数系統の入力と1系統の出力とを有し、複数系統の入力のうちの1系統が出力に接続されるスイッチによって構成可能である。表示切換手段12の出力は、表示手段11に接続される。スイッチは、機械的に接続を切り換えるスイッチでもよいし、電子的なスイッチでもよい。
【0019】
入力切換手段13は、後述する入力手段14から入力されるユーザ操作情報を出力する先を選択して切り換える。入力切換手段13は、具体的には、1系統の入力と複数系統の出力とを有し、入力が複数系統の出力のうちの1系統に接続されるスイッチによって構成可能である。入力切換手段13の入力は、後述する入力手段14に接続される。スイッチが機械的でも電子的でもよいのは、表示切換手段12と同様である。
【0020】
入力手段14は、ユーザの操作を入力として受けて情報として出力する。入力手段14は、具体的にはキーボードやタッチパッドによって構成可能である。
【0021】
情報処理装置1に接続される情報処理装置2の構成は、表示切換手段22と入力切換手段23を除き情報処理装置1と同様であるので、共通する構成については説明を省略する。表示切換手段22は、情報処理手段20から入力される画面情報を出力する先を選択して切り換える。表示切換手段22は、具体的には、1系統の入力と複数系統の出力とを有し、入力が複数系統の出力のうちの1系統に接続されるスイッチによって構成可能である。
【0022】
入力切換手段23は、情報処理手段20に入力すべき操作情報を入力された情報から選択して切り換える。入力切換手段23は、具体的には、複数系統の入力と1系統の出力とを有し、複数系統の入力のうちの1系統が出力に接続されるスイッチによって構成可能である。
【0023】
表示切換手段12または入力切換手段13と接続されたことに対応して、表示切換手段22によって画面情報が筐体外部に出力されるようにし、入力切換手段23によって情報処理手段20に筐体外部から入力される操作情報が入力されるようにすると、情報処理装置2を混乱なく使用することができる。
【0024】
また、情報処理装置1と情報処理装置2とを信号線で接続するなどして表示切換手段12または入力切換手段13の切換状態を情報処理装置2にて検出可能にし、表示切換手段12または入力切換手段13が情報処理装置2の方に切り換えられたことに対応して、表示切換手段22によって画面情報が筐体外部に出力されるようにし、入力切換手段23によって情報処理手段20に筐体外部から入力される操作情報が入力されるようにすることもできる。このようにすると、ユーザはいずれの切換状態であっても情報処理装置2を使用することができる。
【0025】
また、本実施形態では、外部の情報処理装置2が1台のみ接続される構成で説明したが、本発明はかかる構成に限定されるものではなく、外部の情報処理装置が2台以上接続されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態の情報処理装置が外部の情報処理装置と接続された状態を示す図である。
【図2】従来技術のノート型パーソナルコンピュータと外部機器との接続状態を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 情報処理装置
2 情報処理装置
10 情報処理手段
11 表示手段
12 表示切換手段
13 入力切換手段
14 入力手段
20 情報処理手段
21 表示手段
22 表示切換手段
23 入力切換手段
24 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する第1の入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する第1の情報処理手段と、入力された画面情報を表示する第1の表示手段とを第1の筐体内に有する第1の情報処理装置と、ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する第2の入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する第2の情報処理手段と、入力された画面情報を表示する第2の表示手段とを第2の筐体内に有する第2の情報処理装置とからなる情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、前記第1の入力手段の出力する操作情報を前記第1の情報処理手段と前記第1の筐体外とに選択的に出力するよう接続する第1の入力切換手段と、前記第1の情報処理手段の出力する画面情報と前記第1の筐体外から入力される画面情報とを選択的に前記第1の表示手段に出力するよう接続する第1の表示切換手段とを有し、
前記第2の情報処理装置は、前記第2の入力手段の出力する操作情報と前記第2の筐体外から入力される操作情報とを選択的に前記第2の情報処理手段に出力するよう接続する第2の入力切換手段と、前記第2の情報処理手段の出力する画面情報を前記第2の表示手段と前記第2の筐体外とに選択的に出力するよう接続する第2の表示切換手段とを有し、
前記第1の入力切換手段の出力が前記第2の操作情報切換手段の入力に接続され、
前記第2の表示切換手段の出力が前記第1の画面情報切換手段の入力に接続されることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項2】
前記第1の入力切換手段が前記第1の入力手段の出力する操作情報を選択して前記第1の筐体外に出力するよう接続するときに、前記第2の入力切換手段が前記第2の筐体外から入力される操作情報を選択して前記第2の情報処理手段に出力するよう接続することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の表示切換手段が前記第1の情報処理手段の出力する画面情報を選択して前記第1の表示手段に出力するよう接続するときに、前記第2の表示切換手段が前記第2の情報処理手段の出力する画面情報を前記第2の筐体外に選択して出力するよう 接続することを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
ユーザによる操作を操作情報に変換して出力する入力手段と、入力された操作情報に基づいて演算を行い、表示すべき画面情報を出力する情報処理手段と、入力された画面情報を表示する表示手段とを筐体内に有する情報処理装置であって、
さらに、前記入力手段の出力する操作情報を、前記情報処理手段と前記筐体外とに選択的に出力するよう接続する入力切換手段と、前記情報処理手段の出力する画面情報と前記筐体外から入力される画面情報とを選択的に前記表示手段に出力するよう接続する表示切換手段とを有することを特徴とする、情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−79779(P2010−79779A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249597(P2008−249597)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】