説明

情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、情報処理方法

【課題】実カメラで撮像した画像と仮想モデルとを用いて、多様な表現をする。
【解決手段】2つの撮像部を有する外側撮像部を用いて、左目用実画像と右目用実画像とを取得する。実空間に存在するマーカを各実画像から検出し、当該マーカ上にマーカ座標系を設定するとともに、マーカに対する各撮像部の位置および姿勢をそれぞれ算出する。各撮像部の位置および姿勢に対応させて左右の仮想カメラを設定する。マーカ座標系に平板状の仮想モデルを配置し、左目用実画像および右目用画像から、当該仮想モデルに対応する領域を、左テクスチャ領域および右テクスチャ領域としてそれぞれ設定する。仮想モデルを変形させた変形オブジェクトに、左右のテクスチャ領域の画像をテクスチャとして適用して左右の仮想カメラでそれぞれ撮像し、撮像した2つの画像を2つの実画像に重ね合わせて、上側LCDに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオカメラによって撮像された画像と、仮想オブジェクトとを用いて立
体視画像を生成する情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、情
報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視の技術を用いてより現実空間と仮想空間との融合した表現を行う技術が存
在する。例えば、特許文献1に記載の装置では、左右の撮像部で撮像した実写画像に、C
G用のモデルを左右の仮想カメラで撮像したCG画像を重ね合わせることにより、現実空
間と仮想空間とを融合させた立体映像を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−20559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、現実空間を撮像した画像と上記CG画像とは別々の画
像であり、これらを融合させて多様な表現を行うという点では、不十分であった。すなわ
ち、現実空間を撮像した画像に重ね合わされるCG画像は、予め用意されたモデルを仮想
カメラで撮像したものであり、当該モデル自体の表示には多様性がなく、表現の幅が限ら
れていた。
【0005】
それ故、本発明の目的は、実カメラで撮像した画像と仮想モデルとを用いて、多様な表
現をすることが可能な情報処理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。
【0007】
本発明は、実空間を撮像する左実カメラおよび右実カメラと、立体視画像を表示可能な
表示手段とに接続される情報処理装置のコンピュータを、実画像取得手段、仮想カメラ設
定手段、左テクスチャ領域設定手段、右テクスチャ領域設定手段、左仮想カメラ画像取得
手段、右仮想カメラ画像取得手段、および、表示制御手段として機能させる。実画像取得
手段は、前記左実カメラにより撮像された左目用実画像、および、前記右実カメラにより
撮像された右目用実画像を取得する。仮想カメラ設定手段は、前記実空間における前記左
実カメラの位置および姿勢と前記実空間における前記右実カメラの位置および姿勢とに応
じた配置となるように、仮想空間内に左仮想カメラおよび右仮想カメラを設定する。左テ
クスチャ領域設定手段は、前記仮想カメラ設定手段によって設定された左仮想カメラから
見た場合の、前記仮想空間における所定の仮想モデルに対応する領域を前記左目用実画像
から左テクスチャ領域として設定する。右テクスチャ領域設定手段は、前記仮想カメラ設
定手段によって設定された右仮想カメラから見た場合の、前記仮想空間における前記仮想
モデルに対応する領域を前記右目用実画像から右テクスチャ領域として設定する。左仮想
カメラ画像取得手段は、前記左テクスチャ領域設定手段によって設定された左テクスチャ
領域に含まれる画像を、前記仮想モデルと同一のまたは前記仮想モデルと所定の関係を有
する描画用モデルに適用して、当該描画用モデルを前記左仮想カメラで撮像した左仮想カ
メラ画像を取得する。右仮想カメラ画像取得手段は、前記右テクスチャ領域設定手段によ
って設定された右テクスチャ領域に含まれる画像を、前記描画用モデルに適用して、当該
描画用モデルを前記右仮想カメラで撮像した右仮想カメラ画像を取得する。表示制御手段
は、ユーザの左目に前記左仮想カメラ画像を、該ユーザの右目に前記右仮想カメラ画像を
視認させるようにして、前記表示手段に前記左仮想カメラ画像および前記右仮想カメラ画
像を表示させる。
【0008】
なお、仮想カメラ設定手段は、実空間に存在する所定の対象物と上記左目用実カメラと
の相対的な位置および姿勢に基づいて、左仮想カメラを設定してもよい。すなわち、実空
間の所定の対象物を基準とした左実カメラの位置および姿勢に基づいて左仮想カメラが設
定されてもよいし、左実カメラを基準とした実空間の所定の対象物の位置および姿勢に基
づいて左仮想カメラが設定されてもよい。また、絶対的な位置を検出する手段(例えば、
GPS)や姿勢検出手段(例えば、角速度センサや加速度センサ、地磁気を検出する手段
等)によって検出された左実カメラの絶対的な位置および姿勢に基づいて左仮想カメラが
設定されてもよい。同様に、実空間に存在する上記所定の対象物と上記右実カメラとの相
対的な位置および姿勢に基づいて右仮想カメラが設定されてもよいし、右実カメラの絶対
的な位置および姿勢に基づいて右仮想カメラが設定されてもよい。
【0009】
上記によれば、左右の実画像をそれぞれテクスチャとして仮想モデルに適用ことができ
、仮想モデルを立体的に表示するとともに、取得した実画像に応じてその表示態様を多様
にすることができる。また、左右の実画像をそれぞれテクスチャとして用いるため、一方
の実画像のみを用いる場合よりも解像度を低下させずに、左右の仮想カメラ画像を生成し
て表示することができる。
【0010】
また、本発明の他の構成では、前記左テクスチャ領域設定手段は、前記仮想モデルを前
記左仮想カメラで撮像した場合のレンダリング画像上での当該仮想モデルの位置および輪
郭に対応する領域を左テクスチャ領域として設定してもよい。また、前記右テクスチャ領
域設定手段は、前記仮想モデルを前記右仮想カメラで撮像した場合のレンダリング画像上
での当該仮想モデルの位置および輪郭に対応する領域を右テクスチャ領域として設定して
もよい。
【0011】
上記によれば、各仮想カメラで仮想モデルを撮像した場合において、撮像される画像に
おける仮想モデルの位置および輪郭に対応する領域を各テクスチャ領域として設定するこ
とができる。
【0012】
また、本発明の他の構成では、上記情報処理プログラムは、上記左目用実画像と上記左
仮想カメラ画像とを重ね合わせた左目用重畳画像と、上記右目用実画像と上記右仮想カメ
ラ画像とを重ね合わせた右目用重畳画像とを生成する重畳画像生成手段、として上記コン
ピュータを更に機能させてもよい。そして、上記表示制御手段は、上記左目用重畳画像お
よび上記右目用重畳画像を上記表示手段に表示させる。
【0013】
上記によれば、仮想モデルを撮像した左右の仮想カメラ画像と左右の実画像とを重畳し
て表示することができる。
【0014】
また、本発明の他の構成では、上記情報処理プログラムは、上記仮想モデルを変形した
変形オブジェクトを生成し、上記仮想空間に設定する変形オブジェクト設定手段、として
上記コンピュータを更に機能させてもよい。上記左仮想カメラ画像取得手段は、上記左テ
クスチャ領域設定手段によって設定された左テクスチャ領域に含まれる画像を上記変形オ
ブジェクトにテクスチャとして適用した上記変形オブジェクトを上記左仮想カメラで撮像
した左仮想カメラ画像を取得する。上記右仮想カメラ画像取得手段は、上記右テクスチャ
領域設定手段によって設定された右テクスチャ領域に含まれる画像をテクスチャとして適
用した上記変形オブジェクトを上記右仮想カメラで撮像した右仮想カメラ画像を取得する

【0015】
上記によれば、実空間を撮像した画像に立体的な変化を与えることができる。例えば、
平面上の仮想モデルを変形させることによって、実空間の平面が変形したような画像を表
示することができる。
【0016】
また、本発明の他の構成では、上記仮想モデルは、平面または曲面状の仮想モデルであ
って、上記実空間の平面または曲面に沿うようにして上記仮想空間内に設定されてもよい
。上記変形オブジェクト設定手段は、上記平面または曲面状の仮想モデルを変形した変形
オブジェクトを生成して、上記仮想空間に設定する。
【0017】
上記によれば、実空間の平面や曲面が立体的に変化する様子を表示することができる。
【0018】
また、本発明の他の構成では、上記変形オブジェクト設定手段は、上記仮想モデルの端
部を除く部分を変形して上記変形オブジェクトを生成してもよい。
【0019】
上記によれば、実画像と仮想カメラ画像とが重ね合わされた場合に、変形オブジェクト
の境界部分において違和感のない画像にすることができる。
【0020】
また、本発明の他の構成では、上記情報処理プログラムは、上記仮想空間内に上記変形
オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを当該変形オブジェクトと所定の位置関係で設
定する第2オブジェクト設定手段として、上記コンピュータを更に機能させてもよい。上
記左仮想カメラ画像取得手段は、上記変形オブジェクトおよび上記第2オブジェクトを上
記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得する。上記右仮想カメラ画像取得手段
は、上記変形オブジェクトおよび上記第2オブジェクトを上記右仮想カメラで撮像した右
仮想カメラ画像を取得する。
【0021】
上記によれば、変形オブジェクトと所定の位置関係で第2オブジェクトを仮想空間に設
定し、実空間が変形された画像と仮想空間の第2オブジェクトの画像とが重ね合わされて
、表示される。このため、第2オブジェクトが実空間の変形された部分と所定の位置関係
で実在しているように見える。例えば、実空間の平面を変形させることで波打つ水面と、
水中に存在する魚とを表示することができる。
【0022】
また、本発明の他の構成では、上記第2オブジェクトは、上記左仮想カメラおよび上記
右仮想カメラの撮像方向に関して上記変形オブジェクトよりも遠方に配置されてもよい。
上記情報処理プログラムは、上記変形オブジェクトの端部に上記第2オブジェクトをマス
クする所定のマスクオブジェクトを設定するマスクオブジェクト設定手段として、上記コ
ンピュータを更に機能させる。
【0023】
上記によれば、変形オブジェクトを介して上記第2オブジェクトが見えない位置に仮想
カメラが設定される場合(斜めから第2オブジェクトを撮像した場合)、第2オブジェク
トをマスクすることができる。
【0024】
また、本発明の他の構成では、上記左実カメラおよび右実カメラは実空間上に配置され
た所定の平板状のマーカをそれぞれ撮像してもよい。また、上記仮想カメラ設定手段は、
上記マーカの位置および姿勢を基準として、左実カメラの位置および姿勢と上記右実カメ
ラの位置および姿勢とに応じた配置となるように、仮想空間内に左仮想カメラおよび右仮
想カメラを設定する。上記仮想モデルは、上記マーカを基準に設定されたマーカ座標系に
おいて、上記マーカが載置される平面上に配置された板状のモデルである。また、上記情
報処理プログラムは、上記仮想モデルを変形した変形オブジェクトを生成し、上記仮想空
間に設定する変形オブジェクト設定手段として、上記コンピュータを更に機能させる。上
記左仮想カメラ画像取得手段は、上記左テクスチャ領域設定手段によって設定された左テ
クスチャ領域に含まれる画像をテクスチャとして適用した上記変形オブジェクトを上記左
仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得する。上記右仮想カメラ画像取得手段は、
上記右テクスチャ領域設定手段によって設定された右テクスチャ領域に含まれる画像をテ
クスチャとして適用した上記変形オブジェクトを上記右仮想カメラで撮像した右仮想カメ
ラ画像を取得する。
【0025】
上記によれば、マーカが載置された実空間の平面が変化する様子を立体的に表示するこ
とができる。これにより、例えば、実空間の平面を水面として、当該水面が波打つような
様子を表示することができる。
【0026】
また、本発明の他の構成では、上記仮想カメラ設定手段は、上記左目用実画像に含まれ
る特定対象物を検出し、当該検出結果に基づいて、上記左実カメラと上記実空間に存在す
る上記特定対象物との相対的な位置および姿勢を取得し、当該取得した位置および姿勢に
基づいて、前記左仮想カメラを設定してもよい。また、上記仮想カメラ設定手段は、上記
右目用実画像に含まれる上記特定対象物を検出し、当該検出結果に基づいて、上記右実カ
メラと上記実空間に存在する上記特定対象物との相対的な位置および姿勢を取得し、当該
取得した位置および姿勢に基づいて、前記右仮想カメラを設定する。
【0027】
上記によれば、上記特定対象物を撮像することにより、左右の実カメラ以外の構成を用
いなくても、当該左右の実カメラの実空間における位置および姿勢に対応させて左右の仮
想カメラを配置できる。
【0028】
また、本発明の他の構成では、上記仮想モデルは、上記実空間における上記特定対象物
の位置に対応する、上記仮想空間における位置を基準として配置されてもよい。
【0029】
上記によれば、上記特定対象物の位置に仮想モデルが配置されるため、上記特定対象物
が撮像される場合は、必ず仮想モデルを仮想カメラで撮像することができる。
【0030】
また、本発明では、上記各手段を実現した情報処理装置であってもよい。また、本発明
では、上記各手段を実現する複数の要素が相互に動作することによって、1つの情報処理
システムとして構成されてもよい。当該情報処理システムは、1つの装置によって構成さ
れてもよいし、複数の装置によって構成されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、実カメラで撮像した画像と仮想モデルとを用いて、多様な表現をする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】開状態におけるゲーム装置10の正面図
【図2】開状態におけるゲーム装置10の右側面図
【図3】閉状態におけるゲーム装置10の左側面図、正面図、右側面図および背面図
【図4】ゲーム装置10の内部構成を示すブロック図
【図5】本実施形態に係るゲーム処理が実行された場合において、実空間に予め配置されたマーカ61を外側撮像部23で撮像したときに上側LCD22に表示される画像の一例を示す図
【図6】ユーザが所定の操作を行った場合に、マーカ61が載置された平面が波打つ様子を示した図
【図7】マーカ座標系の定義を示す図
【図8】ゲーム装置10のRAMのメモリマップを示す図
【図9】本実施形態に係るゲーム処理の詳細を示すメインフローチャート
【図10】マーカ認識処理(ステップS3)の詳細を示すフローチャート
【図11】左仮想カメラ画像生成処理(ステップS7)の詳細を示すフローチャート
【図12】マーカ61と外側撮像部(左)23aとの位置関係を示す図
【図13】仮想モデル55を示す図
【図14】変形オブジェクト56を示す図
【図15】頂点P(i)のテクスチャ座標T(i)を示す図
【図16】ステップS35における処理を概念的に表す図であり、左目用実画像72Lから左テクスチャ領域の画像を切り取る様子を示す図
【図17】ステップS35における処理を概念的に表す図であり、図16に示す切り取られた左テクスチャ領域の画像aiを変形オブジェクト56に張り付ける様子を示す図
【図18】右目用実画像72Rから右テクスチャ領域の画像を切り取る様子を示す図
【図19】図18に示す切り取られた右テクスチャ領域の画像biを変形オブジェクト56に張り付ける様子を示す図
【図20】マスクオブジェクト57によって魚オブジェクト52がマスクされる場合を示す図
【図21】左テクスチャ領域の画像を用いて右仮想カメラ画像を生成した場合に画素情報が失われることを説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0033】
(ゲーム装置の構成)
以下、本発明の一実施形態に係るゲーム装置について説明する。図1〜図3は、ゲーム
装置10の外観を示す平面図である。ゲーム装置10は携帯型のゲーム装置であり、図1
〜図3に示すように折り畳み可能に構成されている。図1および図2は、開いた状態(開
状態)におけるゲーム装置10を示し、図3は、閉じた状態(閉状態)におけるゲーム装
置10を示している。図1は、開状態におけるゲーム装置10の正面図であり、図2は、
開状態におけるゲーム装置10の右側面図である。ゲーム装置10は、撮像部によって画
像を撮像し、撮像した画像を画面に表示したり、撮像した画像のデータを保存したりする
ことが可能である。また、ゲーム装置10は、交換可能なメモリカード内に記憶され、ま
たは、サーバや他のゲーム装置から受信したゲームプログラムを実行可能であり、仮想空
間に設定された仮想カメラで撮像した画像などのコンピュータグラフィックス処理により
生成された画像を画面に表示したりすることができる。
【0034】
まず、図1〜図3を参照して、ゲーム装置10の外観構成について説明する。図1〜図
3に示されるように、ゲーム装置10は、下側ハウジング11および上側ハウジング21
を有する。下側ハウジング11と上側ハウジング21とは、開閉可能(折り畳み可能)に
接続されている。本実施形態では、各ハウジング11および21はともに横長の長方形の
板状形状であり、互いの長辺部分で回転可能に接続されている。
【0035】
図1および図2に示されるように、下側ハウジング11の上側長辺部分には、下側ハウ
ジング11の内側面(主面)11Bに対して垂直な方向に突起する突起部11Aが設けら
れる。また、上側ハウジング21の下側長辺部分には、上側ハウジング21の下側面から
当該下側面に垂直な方向に突起する突起部21Aが設けられる。下側ハウジング11の突
起部11Aと上側ハウジング21の突起部21Aとが連結されることにより、下側ハウジ
ング11と上側ハウジング21とが、折り畳み可能に接続される。
【0036】
(下側ハウジングの説明)
まず、下側ハウジング11の構成について説明する。図1〜図3に示すように、下側ハ
ウジング11には、下側LCD(Liquid Crystal Display:液晶
表示装置)12、タッチパネル13、各操作ボタン14A〜14L(図1、図3)、アナ
ログスティック15、LED16A〜16B、挿入口17、および、マイクロフォン用孔
18が設けられる。以下、これらの詳細について説明する。
【0037】
図1に示すように、下側LCD12は下側ハウジング11に収納される。下側LCD1
2は横長形状であり、長辺方向が下側ハウジング11の長辺方向に一致するように配置さ
れる。下側LCD12は下側ハウジング11の中央に配置される。下側LCD12は、下
側ハウジング11の内側面(主面)に設けられ、下側ハウジング11に設けられた開口部
から当該下側LCD12の画面が露出される。ゲーム装置10を使用しない場合には閉状
態としておくことによって、下側LCD12の画面が汚れたり傷ついたりすることを防止
することができる。下側LCD12の画素数は、例えば、256dot×192dot(
横×縦)であってもよい。下側LCD12は、後述する上側LCD22とは異なり、画像
を(立体視可能ではなく)平面的に表示する表示装置である。なお、本実施形態では表示
装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescen
ce:電界発光)を利用した表示装置など、他の任意の表示装置を利用してもよい。また
、下側LCD12として、任意の解像度の表示装置を利用することができる。
【0038】
図1に示されるように、ゲーム装置10は、入力装置として、タッチパネル13を備え
ている。タッチパネル13は、下側LCD12の画面上に装着されている。なお、本実施
形態では、タッチパネル13は抵抗膜方式のタッチパネルである。ただし、タッチパネル
は抵抗膜方式に限らず、例えば静電容量方式等、任意の方式のタッチパネルを用いること
ができる。本実施形態では、タッチパネル13として、下側LCD12の解像度と同解像
度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル13の解像度と下側L
CD12の解像度が一致している必要はない。また、下側ハウジング11の上側面には挿
入口17(図1および図3(d)に示す点線)が設けられている。挿入口17は、タッチ
パネル13に対する操作を行うために用いられるタッチペン28を収納することができる
。なお、タッチパネル13に対する入力は通常タッチペン28を用いて行われるが、タッ
チペン28に限らずユーザの指でタッチパネル13に対する入力をすることも可能である

【0039】
各操作ボタン14A〜14Lは、所定の入力を行うための入力装置である。図1に示さ
れるように、下側ハウジング11の内側面(主面)には、各操作ボタン14A〜14Lの
うち、十字ボタン14A(方向入力ボタン14A)、aボタン14B、bボタン14C、
xボタン14D、yボタン14E、電源ボタン14F、セレクトボタン14J、HOME
ボタン14K、およびスタートボタン14Lが、設けられる。十字ボタン14Aは、十字
の形状を有しており、上下左右の方向を指示するボタンを有している。ボタン14B、ボ
タン14C、ボタン14D、ボタン14Eは、十字状に配置される。ボタン14A〜14
E、セレクトボタン14J、HOMEボタン14K、およびスタートボタン14Lには、
ゲーム装置10が実行するプログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。例えば、十字
ボタン14Aは選択操作等に用いられ、各操作ボタン14B〜14Eは例えば決定操作や
キャンセル操作等に用いられる。また、電源ボタン14Fは、ゲーム装置10の電源をオ
ン/オフするために用いられる。
【0040】
アナログスティック15は、方向を指示するデバイスであり、下側ハウジング11の内
側面の下側LCD12より左側領域の上部領域に設けられる。図1に示すように、十字ボ
タン14Aは下側LCD12より左側領域の下部領域に設けられるので、アナログスティ
ック15は、十字ボタン14Aの上方に設けられる。また、アナログスティック15、お
よび、十字ボタン14Aは、下側ハウジングを把持した左手の親指で操作可能な位置に設
計される。また、アナログスティック15を上部領域に設けたことにより、下側ハウジン
グ11を把持する左手の親指が自然と位置するところにアナログスティック15が配され
、十字ボタン14Aは、左手の親指を少し下にずらした位置に配される。アナログスティ
ック15は、そのキートップが、下側ハウジング11の内側面に平行にスライドするよう
に構成されている。アナログスティック15は、ゲーム装置10が実行するプログラムに
応じて機能する。例えば、3次元仮想空間に所定のオブジェクトが登場するゲームがゲー
ム装置10によって実行される場合、アナログスティック15は、当該所定のオブジェク
トを3次元仮想空間内で移動させるための入力装置として機能する。この場合において、
所定のオブジェクトはアナログスティック15のキートップがスライドした方向に移動さ
れる。なお、アナログスティック15として、上下左右および斜め方向の任意の方向に所
定量だけ傾倒することでアナログ入力を可能としたものを用いても良い。
【0041】
十字状に配置される、aボタン14B、bボタン14C、xボタン14D、yボタン1
4Eの4つのボタンは、下側ハウジング11を把持する右手の親指が自然と位置するとこ
ろに配置される。また、これらの4つのボタンと、アナログスティック15とは、下側L
CD12を挟んで、左右対称に配置される。これにより、ゲームプログラムによっては、
例えば、左利きの人が、これらの4つのボタンを使用して方向指示入力をすることも可能
である。
【0042】
また、下側ハウジング11の内側面には、マイクロフォン用孔18が設けられる。マイ
クロフォン用孔18の下部には後述する音声入力装置としてのマイク(図4参照)が設け
られ、当該マイクがゲーム装置10の外部の音を検出する。
【0043】
図3(a)は閉状態におけるゲーム装置10の左側面図であり、図3(b)は閉状態に
おけるゲーム装置10の正面図であり、図3(c)は閉状態におけるゲーム装置10の右
側面図であり、図3(d)は閉状態におけるゲーム装置10の背面図である。図3(b)
および(d)に示されるように、下側ハウジング11の上側面には、Lボタン14Gおよ
びRボタン14Hが設けられている。Lボタン14Gは、下側ハウジング11の上面の左
端部に設けられ、Rボタン14Hは、下側ハウジング11の上面の右端部に設けられる。
また、図3(a)に示されるように、下側ハウジング11の左側面には、音量ボタン14
Iが設けられる。音量ボタン14Iは、ゲーム装置10が備えるスピーカの音量を調整す
るために用いられる。
【0044】
図3(a)に示されるように、下側ハウジング11の左側面には開閉可能なカバー部1
1Cが設けられる。このカバー部11Cの内側には、ゲーム装置10とデータ保存用外部
メモリ45とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。データ保存
用外部メモリ45は、コネクタに着脱自在に装着される。データ保存用外部メモリ45は
、例えば、ゲーム装置10によって撮像された画像のデータを記憶(保存)するために用
いられる。なお、上記コネクタおよびそのカバー部11Cは、下側ハウジング11の右側
面に設けられてもよい。
【0045】
また、図3(d)に示されるように、下側ハウジング11の上側面には、ゲーム装置1
0とゲームプログラムを記録した外部メモリ44を挿入するための挿入口11Dが設けら
れ、その挿入口11Dの内部には、外部メモリ44と電気的に着脱自在に接続するための
コネクタ(図示せず)が設けられる。当該外部メモリ44がゲーム装置10に接続される
ことにより、所定のゲームプログラムが実行される。なお、上記コネクタおよびその挿入
口11Dは、下側ハウジング11の他の側面(例えば、右側面等)に設けられてもよい。
【0046】
また、図1および図3(c)に示されるように、下側ハウジング11の下側面にはゲー
ム装置10の電源のON/OFF状況をユーザに通知する第1LED16A、下側ハウジ
ング11の右側面にはゲーム装置10の無線通信の確立状況をユーザに通知する第2LE
D16Bが設けられる。ゲーム装置10は他の機器との間で無線通信を行うことが可能で
あり、第2LED16Bは、無線通信が確立している場合に点灯する。ゲーム装置10は
、例えば、IEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接
続する機能を有する。下側ハウジング11の右側面には、この無線通信の機能を有効/無
効にする無線スイッチ19が設けられる(図3(c)参照)。
【0047】
なお、図示は省略するが、下側ハウジング11には、ゲーム装置10の電源となる充電
式電池が収納され、下側ハウジング11の側面(例えば、上側面)に設けられた端子を介
して当該電池を充電することができる。
【0048】
(上側ハウジングの説明)
次に、上側ハウジング21の構成について説明する。図1〜図3に示すように、上側ハ
ウジング21には、上側LCD(Liquid Crystal Display:液晶
表示装置)22、外側撮像部23(外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23
b)、内側撮像部24、3D調整スイッチ25、および、3Dインジケータ26が設けら
れる。以下、これらの詳細について説明する。
【0049】
図1に示すように、上側LCD22は上側ハウジング21に収納される。上側LCD2
2は、横長形状であり、長辺方向が上側ハウジング21の長辺方向に一致するように配置
される。上側LCD22は上側ハウジング21の中央に配置される。上側LCD22の画
面の面積は、下側LCD12の画面の面積よりも大きく設定される。また、上側LCD2
2の画面は、下側LCD12の画面よりも横長に設定される。すなわち、上側LCD22
の画面のアスペクト比における横幅の割合は、下側LCD12の画面のアスペクト比にお
ける横幅の割合よりも大きく設定される。
【0050】
上側LCD22の画面は、上側ハウジング21の内側面(主面)21Bに設けられ、上
側ハウジング21に設けられた開口部から当該上側LCD22の画面が露出される。また
、図2に示すように、上側ハウジング21の内側面は、透明なスクリーンカバー27によ
って覆われている。当該スクリーンカバー27は、上側LCD22の画面を保護するとと
もに、上側LCD22と上側ハウジング21の内側面と一体的にさせ、これにより統一感
を持たせている。上側LCD22の画素数は、例えば、640dot×200dot(横
×縦)であってもよい。なお、本実施形態では上側LCD22は液晶表示装置であるとし
たが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した
表示装置などが利用されてもよい。また、上側LCD22として、任意の解像度の表示装
置を利用することができる。
【0051】
上側LCD22は、立体視可能な画像(立体視画像、立体画像ともいう)を表示するこ
とが可能な表示装置である。また、本実施例では、実質的に同一の表示領域を用いて左目
用画像と右目用画像が表示される。具体的には、左目用画像と右目用画像が所定単位で(
例えば、1列ずつ)横方向に交互に表示される方式の表示装置である。または、左目用画
像と右目用画像とが交互に表示される方式の表示装置であってもよい。また、本実施例で
は、裸眼立体視可能な表示装置である。そして、横方向に交互に表示される左目用画像と
右目用画像とを左目および右目のそれぞれに分解して見えるようにレンチキュラー方式や
パララックスバリア方式(視差バリア方式)のものが用いられる。本実施形態では、上側
LCD22はパララックスバリア方式のものとする。上側LCD22は、右目用画像と左
目用画像とを用いて、裸眼で立体視可能な画像(立体画像)を表示する。すなわち、上側
LCD22は、視差バリアを用いてユーザの左目に左目用画像をユーザの右目に右目用画
像を視認させることにより、ユーザにとって立体感のある立体画像(立体視可能な画像)
を表示することができる。また、上側LCD22は、上記視差バリアを無効にすることが
可能であり、視差バリアを無効にした場合は、画像を平面的に表示することができる(上
述した立体視とは反対の意味で平面視の画像を表示することができる。すなわち、表示さ
れた同一の画像が右目にも左目にも見えるような表示モードである)。このように、上側
LCD22は、立体視可能な画像を表示する立体表示モードと、画像を平面的に表示する
(平面視画像を表示する)平面表示モードとを切り替えることが可能な表示装置である。
この表示モードの切り替えは、後述する3D調整スイッチ25によって行われる。
【0052】
外側撮像部23は、上側ハウジング21の外側面(上側LCD22が設けられた主面と
反対側の背面)21Dに設けられた2つの撮像部(23aおよび23b)の総称である。
外側撮像部(左)23aと外側撮像部(右)23bの撮像方向は、いずれも当該外側面2
1Dの外向きの法線方向である。また、これらの撮像部はいずれも、上側LCD22の表
示面(内側面)の法線方向と180度反対の方向に設計される。すなわち、外側撮像部(
左)23aの撮像方向および外側撮像部(右)23bの撮像方向は、平行である。外側撮
像部(左)23aと外側撮像部(右)23bとは、ゲーム装置10が実行するプログラム
によって、ステレオカメラとして使用することが可能である。また、プログラムによって
は、2つの外側撮像部(23aおよび23b)のいずれか一方を単独で用いて、外側撮像
部23を非ステレオカメラとして使用することも可能である。また、プログラムによって
は、2つの外側撮像部(23aおよび23b)で撮像した画像を合成してまたは補完的に
使用することにより撮像範囲を広げた撮像をおこなうことも可能である。本実施形態では
、外側撮像部23は、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bの2つの撮
像部で構成される。外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bは、それぞれ
所定の共通の解像度を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメー
ジセンサ等)と、レンズとを含む。レンズは、ズーム機構を有するものでもよい。
【0053】
図1の破線および図3(b)の実線で示されるように、外側撮像部23を構成する外側
撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bは、上側LCD22の画面の横方向と
平行に並べられて配置される。すなわち、2つの撮像部を結んだ直線が上側LCD22の
画面の横方向と平行になるように、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23
bが配置される。図1の破線で示す23aおよび23bは、上側ハウジング21の内側面
とは反対側の外側面に存在する外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bを
それぞれ表している。図1に示すように、ユーザが上側LCD22の画面を正面から視認
した場合に、外側撮像部(左)23aは左側に外側撮像部(右)23bは右側にそれぞれ
位置している。外側撮像部23をステレオカメラとして機能させるプログラムが実行され
ている場合、外側撮像部(左)23aは、ユーザの左目で視認される左目用画像を撮像し
、外側撮像部(右)23bは、ユーザの右目で視認される右目用画像を撮像する。外側撮
像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bの間隔は、人間の両目の間隔程度に設定
され、例えば、30mm〜70mmの範囲で設定されてもよい。なお、外側撮像部(左)
23aおよび外側撮像部(右)23bの間隔は、この範囲に限らない。
【0054】
なお、本実施例においては、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23はハ
ウジングに固定されており、撮像方向を変更することはできない。
【0055】
また、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bは、上側LCD22(上
側ハウジング21)の左右方向に関して中央から対称となる位置にそれぞれ配置される。
すなわち、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bは、上側LCD22を
左右に2等分する線に対して対称の位置にそれぞれ配置される。また、外側撮像部(左)
23aおよび外側撮像部(右)23bは、上側ハウジング21を開いた状態において、上
側ハウジング21の上部であって、上側LCD22の画面の上端よりも上方の位置の裏側
に配置される。すなわち、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bは、上
側ハウジング21の外側面であって、上側LCD22を外側面に投影した場合、投影した
上側LCD22の画面の上端よりも上方に配置される。
【0056】
このように、外側撮像部23の2つの撮像部(23aおよび23b)が、上側LCD2
2の左右方向に関して中央から対称の位置に配置されることにより、ユーザが上側LCD
22を正視した場合に、外側撮像部23の撮像方向をユーザの視線方向と一致させること
ができる。また、外側撮像部23は、上側LCD22の画面の上端より上方の裏側の位置
に配置されるため、外側撮像部23と上側LCD22とが上側ハウジング21の内部で干
渉することがない。従って、外側撮像部23を上側LCD22の画面の裏側に配置する場
合と比べて、上側ハウジング21を薄く構成することが可能となる。
【0057】
内側撮像部24は、上側ハウジング21の内側面(主面)21Bに設けられ、当該内側
面の内向きの法線方向を撮像方向とする撮像部である。内側撮像部24は、所定の解像度
を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等)と、レ
ンズとを含む。レンズは、ズーム機構を有するものでもよい。
【0058】
図1に示すように、内側撮像部24は、上側ハウジング21を開いた状態において、上
側ハウジング21の上部であって、上側LCD22の画面の上端よりも上方に配置され、
上側ハウジング21の左右方向に関して中央の位置(上側ハウジング21(上側LCD2
2の画面)を左右に2等分する線の線上)に配置される。具体的には、図1および図3(
b)に示されるように、内側撮像部24は、上側ハウジング21の内側面であって、外側
撮像部23の左右の撮像部(外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23b)の
中間の裏側の位置に配置される。すなわち、上側ハウジング21の外側面に設けられた外
側撮像部23の左右の撮像部を上側ハウジング21の内側面に投影した場合、当該投影し
た左右の撮像部の中間に、内側撮像部24が設けられる。図3(b)で示される破線24
は、上側ハウジング21の内側面に存在する内側撮像部24を表している。
【0059】
このように、内側撮像部24は、外側撮像部23とは反対方向を撮像する。内側撮像部
24は、上側ハウジング21の内側面であって、外側撮像部23の左右の撮像部の中間位
置の裏側に設けられる。これにより、ユーザが上側LCD22を正視した際、内側撮像部
24でユーザの顔を正面から撮像することができる。また、外側撮像部23の左右の撮像
部と内側撮像部24とが上側ハウジング21の内部で干渉することがないため、上側ハウ
ジング21を薄く構成することが可能となる。
【0060】
3D調整スイッチ25は、スライドスイッチであり、上述のように上側LCD22の表
示モードを切り替えるために用いられるスイッチである。また、3D調整スイッチ25は
、上側LCD22に表示された立体視可能な画像(立体画像)の立体感を調整するために
用いられる。図1〜図3に示されるように、3D調整スイッチ25は、上側ハウジング2
1の内側面および右側面の端部に設けられ、ユーザが上側LCD22を正視した場合に、
当該3D調整スイッチ25を視認できる位置に設けられる。また、3D調整スイッチ25
の操作部は、内側面および右側面の両方に突出しており、どちらからも視認および操作す
ることができる。なお、3D調整スイッチ25以外のスイッチは全て下側ハウジング11
に設けられる。
【0061】
3D調整スイッチ25は、図1および図2に示されるように、上側ハウジング21の正
面および右側面から視認可能に配置される。3D調整スイッチ25のスライダ25aは、
所定方向(上下方向)の任意の位置にスライド可能であり、当該スライダ25aの位置に
応じて上側LCD22の表示モードが設定されたり、立体画像の立体感が調整されてもよ
い。例えば、3D調整スイッチ25のスライダ25aの位置に応じて、後述する仮想カメ
ラ(仮想ステレオカメラ)のカメラ間距離が設定されてもよい。また、当該仮想ステレオ
カメラの左仮想カメラによって撮像された左目用画像と右仮想カメラによって撮像された
右目用画像との位置関係が調整されてもよい。具体的には、例えば、3D調整スイッチ2
5のスライダ25aが最上点(図1および図2では上方向)に存在する場合、上記左目用
画像と右目用画像との横方向(上側LCD22の画面の横方向;図1の左右方向)の位置
のずれが上限値に設定される。このように左目用画像と右目用画像の横方向のずれが上限
値に設定されると、2つの画像の視差がより大きくなる。このため、ユーザが視差バリア
を通して上側LCD22に表示された2つの画像を見ると、上側LCD22の画面から画
像がより手前方向に飛び出したように見える。このように、3D調整スイッチ25を用い
て、2つの画像の視差が調整されてもよい。
【0062】
3Dインジケータ26は、上側LCD22が立体表示モードか否かを示す。3Dインジ
ケータ26は、LEDであり、上側LCD22の立体表示モードが有効の場合に点灯する
。なお、3Dインジケータ26は、上側LCD22が立体表示モードになっており、かつ
、立体視画像を表示するプログラム処理が実行されているときに限り、点灯するようにし
てもよい。図1に示されるように、3Dインジケータ26は、上側ハウジング21の内側
面に設けられ、上側LCD22の画面近傍に設けられる。このため、ユーザが上側LCD
22の画面を正視した場合、ユーザは3Dインジケータ26を視認しやすい。従って、ユ
ーザは上側LCD22の画面を視認している状態でも、上側LCD22の表示モードを容
易に認識することができる。
【0063】
また、上側ハウジング21の内側面には、スピーカ孔21Eが設けられる。後述するス
ピーカ43からの音声がこのスピーカ孔21Eから出力される。
【0064】
(ゲーム装置10の内部構成)
次に、図4を参照して、ゲーム装置10の内部の電気的構成について説明する。図4は
、ゲーム装置10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、ゲーム装置1
0は、上述した各部に加えて、情報処理部31、メインメモリ32、外部メモリインター
フェイス(外部メモリI/F)33、データ保存用外部メモリI/F34、データ保存用
内部メモリ35、無線通信モジュール36、ローカル通信モジュール37、リアルタイム
クロック(RTC)38、加速度センサ39、電源回路40、およびインターフェイス回
路(I/F回路)41等の電子部品を備えている。これらの電子部品は、電子回路基板上
に実装されて下側ハウジング11(または上側ハウジング21でもよい)内に収納される

【0065】
情報処理部31は、所定のプログラムを実行するためのCPU(Central Pr
ocessing Unit)311、画像処理を行うGPU(Graphics Pr
ocessing Unit)312等を含む情報処理手段である。本実施形態では、所
定のプログラムがゲーム装置10内のメモリ(例えば外部メモリI/F33に接続された
外部メモリ44やデータ保存用内部メモリ35)に記憶されている。情報処理部31のC
PU311は、当該所定のプログラムを実行することによって、後述する画像処理(図1
2)を実行する。なお、情報処理部31のCPU311によって実行されるプログラムは
、他の機器との通信によって他の機器から取得されてもよい。また、情報処理部31は、
VRAM(Video RAM)313を含む。情報処理部31のGPU312は、情報
処理部31のCPU311からの命令に応じて画像を生成し、VRAM313に描画する
。そして、情報処理部31のGPU312は、VRAM313に描画された画像を上側L
CD22及び/又は下側LCD12に出力し、上側LCD22及び/又は下側LCD12
に当該画像が表示される。
【0066】
情報処理部31には、メインメモリ32、外部メモリI/F33、データ保存用外部メ
モリI/F34、および、データ保存用内部メモリ35が接続される。外部メモリI/F
33は、外部メモリ44を着脱自在に接続するためのインターフェイスである。また、デ
ータ保存用外部メモリI/F34は、データ保存用外部メモリ45を着脱自在に接続する
ためのインターフェイスである。
【0067】
メインメモリ32は、情報処理部31(のCPU311)のワーク領域やバッファ領域
として用いられる揮発性の記憶手段である。すなわち、メインメモリ32は、上記画像処
理に用いられる各種データを一時的に記憶したり、外部(外部メモリ44や他の機器等)
から取得されるプログラムを一時的に記憶したりする。本実施形態では、メインメモリ3
2として例えばPSRAM(Pseudo−SRAM)を用いる。
【0068】
外部メモリ44は、情報処理部31によって実行されるプログラムを記憶するための不
揮発性の記憶手段である。外部メモリ44は、例えば読み取り専用の半導体メモリで構成
される。外部メモリ44が外部メモリI/F33に接続されると、情報処理部31は外部
メモリ44に記憶されたプログラムを読み込むことができる。情報処理部31が読み込ん
だプログラムを実行することにより、所定の処理が行われる。データ保存用外部メモリ4
5は、不揮発性の読み書き可能なメモリ(例えばNAND型フラッシュメモリ)で構成さ
れ、所定のデータを格納するために用いられる。例えば、データ保存用外部メモリ45に
は、外側撮像部23で撮像された画像や他の機器で撮像された画像が記憶される。データ
保存用外部メモリ45がデータ保存用外部メモリI/F34に接続されると、情報処理部
31はデータ保存用外部メモリ45に記憶された画像を読み込み、上側LCD22及び/
又は下側LCD12に当該画像を表示することができる。
【0069】
データ保存用内部メモリ35は、読み書き可能な不揮発性メモリ(例えばNAND型フ
ラッシュメモリ)で構成され、所定のデータを格納するために用いられる。例えば、デー
タ保存用内部メモリ35には、無線通信モジュール36を介した無線通信によってダウン
ロードされたデータやプログラムが格納される。
【0070】
無線通信モジュール36は、例えばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方
式により、無線LANに接続する機能を有する。また、ローカル通信モジュール37は、
所定の通信方式(例えば赤外線通信)により同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機
能を有する。無線通信モジュール36およびローカル通信モジュール37は情報処理部3
1に接続される。情報処理部31は、無線通信モジュール36を用いてインターネットを
介して他の機器との間でデータを送受信したり、ローカル通信モジュール37を用いて同
種の他のゲーム装置との間でデータを送受信したりすることができる。
【0071】
また、情報処理部31には、加速度センサ39が接続される。加速度センサ39は、3
軸(xyz軸)方向に沿った直線方向の加速度(直線加速度)の大きさを検出する。加速
度センサ39は、下側ハウジング11の内部に設けられる。加速度センサ39は、図1に
示すように、下側ハウジング11の長辺方向をx軸、下側ハウジング11の短辺方向をy
軸、下側ハウジング11の内側面(主面)に対して垂直な方向をz軸として、各軸の直線
加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ39は、例えば静電容量式の加速度セン
サであるとするが、他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。また、加速度セ
ンサ39は1軸又は2軸方向を検出する加速度センサであってもよい。情報処理部31は
、加速度センサ39が検出した加速度を示すデータ(加速度データ)を受信して、ゲーム
装置10の姿勢や動きを検出する。本実施形態では、情報処理部31は、加速度センサ3
9が検出した加速度に基づいて、ゲーム装置10の姿勢(傾き)を判定する。
【0072】
また、情報処理部31には、RTC38および電源回路40が接続される。RTC38
は、時間をカウントして情報処理部31に出力する。情報処理部31は、RTC38によ
って計時された時間に基づき現在時刻(日付)を計算する。電源回路40は、ゲーム装置
10が有する電源(下側ハウジング11に収納される上記充電式電池)からの電力を制御
し、ゲーム装置10の各部品に電力を供給する。
【0073】
また、情報処理部31には、I/F回路41が接続される。I/F回路41には、マイ
ク42およびスピーカ43が接続される。具体的には、I/F回路41には、図示しない
アンプを介してスピーカ43が接続される。マイク42は、ユーザの音声を検知して音声
信号をI/F回路41に出力する。アンプは、I/F回路41からの音声信号を増幅し、
音声をスピーカ43から出力させる。また、タッチパネル13はI/F回路41に接続さ
れる。I/F回路41は、マイク42およびスピーカ43(アンプ)の制御を行う音声制
御回路と、タッチパネルの制御を行うタッチパネル制御回路とを含む。音声制御回路は、
音声信号に対するA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声
データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号に基づ
いて所定の形式のタッチ位置データを生成して情報処理部31に出力する。タッチ位置デ
ータは、タッチパネル13の入力面において入力が行われた位置の座標を示す。なお、タ
ッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号の読み込み、および、タッチ位置デ
ータの生成を所定時間に1回の割合で行う。情報処理部31は、タッチ位置データを取得
することにより、タッチパネル13に対して入力が行われた位置を知ることができる。
【0074】
操作ボタン14は、上記各操作ボタン14A〜14Lからなり、情報処理部31に接続
される。操作ボタン14から情報処理部31へは、各操作ボタン14A〜14Iに対する
入力状況(押下されたか否か)を示す操作データが出力される。情報処理部31は、操作
ボタン14から操作データを取得することによって、操作ボタン14に対する入力に従っ
た処理を実行する。
【0075】
下側LCD12および上側LCD22は情報処理部31に接続される。下側LCD12
および上側LCD22は、情報処理部31(のGPU312)の指示に従って画像を表示
する。
【0076】
具体的には、情報処理部31は、上側LCD22のLCDコントローラ(図示せず)と
接続され、当該LCDコントローラに対して視差バリアのON/OFFを制御する。上側
LCD22の視差バリアがONになっている場合、情報処理部31のVRAM313に格
納された右目用画像と左目用画像とが、上側LCD22に出力される。より具体的には、
LCDコントローラは、右目用画像について縦方向に1ライン分の画素データを読み出す
処理と、左目用画像について縦方向に1ライン分の画素データを読み出す処理とを交互に
繰り返すことによって、VRAM313から右目用画像と左目用画像とを読み出す。これ
により、右目用画像および左目用画像が、画素を縦に1ライン毎に並んだ短冊状画像に分
割され、分割された右目用画像の短冊状画像と左目用画像の短冊状画像とが交互に配置さ
れた画像が、上側LCD22の画面に表示される。そして、上側LCD22の視差バリア
を介して当該画像がユーザに視認されることによって、ユーザの右目に右目用画像が、ユ
ーザの左目に左目用画像が視認される。以上により、上側LCD22の画面には立体視可
能な画像が表示される。
【0077】
外側撮像部23および内側撮像部24は、情報処理部31に接続される。外側撮像部2
3および内側撮像部24は、情報処理部31の指示に従って画像を撮像し、撮像した画像
データを情報処理部31に出力する。例えば、情報処理部31は外側撮像部23および内
側撮像部24のいずれか一方に対して撮像指示を行い、撮像指示を受けた撮像部が画像を
撮像して画像データを情報処理部31に送る。例えば、ユーザによるタッチパネル13を
用いたタッチ操作によって使用する撮像部が選択される。撮像部が選択されたことを情報
処理部31(CPU311)が検知し、情報処理部31が外側撮像部23または内側撮像
部24に対して撮像指示を行う。
【0078】
3D調整スイッチ25は、情報処理部31に接続される。3D調整スイッチ25は、ス
ライダ25aの位置に応じた電気信号を情報処理部31に送信する。
【0079】
また、3Dインジケータ26は、情報処理部31に接続される。情報処理部31は、3
Dインジケータ26の点灯を制御する。本実施形態では、情報処理部31は、上側LCD
22が立体表示モードである場合、3Dインジケータ26を点灯させる。以上がゲーム装
置10の内部構成の説明である。
【0080】
また、情報処理部31には、角速度センサ46が接続される。角速度センサ46は、各
軸(x軸、y軸、z軸)周りの角速度を検出する。ゲーム装置10は、角速度センサ46
が逐次検出する角速度に基づいて、実空間におけるゲーム装置10の姿勢を算出すること
ができる。具体的には、ゲーム装置10は、角速度センサ46によって検出された各軸周
りの角速度を時間で積分することによって、各軸周りのゲーム装置10の回転角を算出す
ることができる。
【0081】
(ゲーム処理の概要)
次に、本実施形態に係るゲーム装置10において実行されるゲームの概要について説明
する。本実施形態に係るゲームでは、実空間の平面(例えば、テーブル)上にマーカが載
置され、当該マーカを外側撮像部23を用いて撮像した場合に、釣りざおと仮想オブジェ
クトとしての魚とが、実空間を撮像した実画像に重畳されて上側LCD22に表示される
。そして、ユーザが所定の操作を行うと、釣り糸の先端部分が上記平面に接触し、実空間
の平面が波打つような様子が上側LCD22に表示される。以下では、まず、ゲーム装置
10に表示される画像について説明した後、実空間の平面が波打つような表示をさせるた
めの処理について、説明する。
【0082】
図5は、本実施形態に係るゲームが実行された場合において、実空間に予め配置された
マーカ61を外側撮像部23で撮像したときに上側LCD22に表示される画像の一例を
示す図である。
【0083】
図5に示すように、外側撮像部23の撮像方向の実空間の平面(テーブル等(図示せず
))上には、マーカ61が配置される。マーカ61は、長方形の紙であって、その中心に
矢印が描かれている。マーカ61の中心に描かれた矢印の方向は、マーカ61の長辺と平
行である。ゲーム装置10の情報処理部31(CPU311)は、外側撮像部23によっ
て撮像された画像に対して、例えばパターンマッチング等の画像処理を行うことによって
、当該画像に含まれるマーカ61を検出することができる。外側撮像部23によって撮像
された画像中にマーカ61が検出された場合、上側LCD22には、釣りざおオブジェク
ト51および魚オブジェクト52が表示される。具体的には、マーカ61が検出された場
合、上側LCD22には、外側撮像部23によって撮像された実画像(マーカ61と背景
を含む実空間を撮像した画像)に、釣りざおオブジェクト51および魚オブジェクト52
が重畳表示される。外側撮像部23によって撮像された画像中にマーカ61が検出されな
い場合は、上側LCD22にマーカ61が検出されていないことを示すメッセージが表示
されて、釣りざおオブジェクト51は表示されない。
【0084】
外側撮像部23は、ユーザの左目に視認される左目用実画像と、ユーザの右目に視認さ
れる右目用実画像とを撮像し、上側LCD22には、これら2つの画像が表示される。従
って、図5に示す上側LCD22に表示された画像は、立体視可能な画像(立体画像)で
ある。
【0085】
図5に示す画像が上側LCD22に表示された場合において、ユーザが所定の操作を行
うと、釣りざおオブジェクト51の釣り糸の先端部分が下方に移動して、マーカ61が載
置された平面と接触し、当該平面が波打つような画像が表示される。所定の操作としては
、例えば、ゲーム装置10の外側撮像部23をマーカ61に近づけたり、ゲーム装置10
をマーカ61が載置された平面に平行になるように傾けたりする操作である。
【0086】
図6は、ユーザが所定の操作を行った場合に、マーカ61が載置された平面が波打つ様
子を示した図である。図6に示すように、ユーザが所定の操作を行うと、上側LCD22
には、マーカ61が載置された実空間の平面が波打つような画像が表示される。具体的に
は、外側撮像部23によって左目用実画像と右目用実画像とが撮像され、当該撮像された
2つの画像がそれぞれ変形されるため、実空間の平面が立体的に波打つように表示される

【0087】
なお、マーカ61には、マーカ座標系が設定される。図7は、マーカ座標系の定義を示
す図である。図7に示すように、マーカ座標系は、マーカ61の中心を原点としたXYZ
座標系によって定義される。マーカ61の矢印と同じ方向(前方向)にZ軸、当該矢印の
方向を基準として右向きに(右方向)にX軸、マーカ61に対して垂直上向き(上方向)
にY軸が設定される。このように、実空間に配置されたマーカ61を基準として仮想空間
の座標系(マーカ座標系)が定義されることにより、実空間と仮想空間とを対応付けるこ
とができる。
【0088】
上記魚オブジェクト52は、マーカ座標系で定義された仮想空間に設定される。従って
、ゲーム装置10(外側撮像部23)の位置や姿勢を変化させると、魚オブジェクト52
の見え方も変化する。例えば、ユーザがマーカ61を中心としてゲーム装置10を90度
回転させると(Y軸周りにゲーム装置10を90度回転させると)、魚オブジェクト52
は90度回転して表示される。従って、ユーザは、魚オブジェクト52が実空間に存在す
るような感覚を得ることができる。なお、ゲーム装置10の位置を変化させても、釣りざ
おオブジェクト51は変化しない(ユーザが釣りざおオブジェクト51を把持しているよ
うに、ユーザの実空間における位置に応じて釣りざおオブジェクト51の仮想空間におけ
る位置も変化する)。
【0089】
以下、上述のような画像を表示するためにゲーム装置10において行われる処理につい
て、詳細に説明する。
【0090】
(ゲーム処理の詳細)
次に、図8から図11を参照して、本実施形態に係る表示処理の詳細について説明する
。まず、表示処理の際にメインメモリ32およびVRAM313(以下、これらを総称し
てRAMと呼ぶことがある)に記憶される主なデータについて説明する。図8は、ゲーム
装置10のRAMのメモリマップを示す図である。図8に示されるように、RAMには、
ゲームプログラム71、左目用実画像72L、右目用実画像72R、仮想モデル情報73
、変形オブジェクト情報74、左仮想カメラ情報75L、右仮想カメラ情報75R、左仮
想カメラ画像76L、右仮想カメラ画像76R、魚オブジェクト情報77、マスクオブジ
ェクト情報78等が記憶される。
【0091】
ゲームプログラム71は、後述するフローチャートに示されるゲーム処理を情報処理部
31(CPU311)に実行させるためのプログラムである。
【0092】
左目用実画像72Lは、外側撮像部(左)23aによって撮像された、実空間を撮像し
た画像である。
【0093】
右目用実画像72Rは、外側撮像部(右)23bによって撮像された、実空間を撮像し
た画像である。
【0094】
仮想モデル情報73は、後述する仮想モデル55(図13参照)に関連する情報である
。具体的には、仮想モデル情報73は、平板状のポリゴンを示すデータであり、頂点P(
i)(i=1〜n)を示す情報である。後述するように、仮想モデル55の各点Pは、マ
ーカ座標系の座標値で表される。
【0095】
変形オブジェクト情報74は、平板状の仮想モデル55を変形した変形オブジェクト5
6(図14参照)に関連する情報である。具体的には、変形オブジェクト情報74は、頂
点Q(i)(i=1〜n)および当該頂点Q(i)の法線ベクトルN(i)を示す情報で
ある。変形オブジェクト56の各点Qは、マーカ座標系の座標値で表される。
【0096】
左仮想カメラ情報75Lは、仮想空間のおける左仮想カメラ53a(図12参照)の位
置および姿勢を表す情報である。具体的には、左仮想カメラ情報75Lは、左目用実画像
72Lにおけるマーカ61の位置および姿勢に基づいて算出される行列である。
【0097】
右仮想カメラ情報75Rは、仮想空間のおける右仮想カメラ53b(図12参照)の位
置および姿勢を表す情報である。具体的には、右仮想カメラ情報75Rは、右目用実画像
72Rにおけるマーカ61の位置および姿勢に基づいて算出される行列である。
【0098】
左仮想カメラ画像76Lは、左仮想カメラ53aによって変形オブジェクト56を撮像
した画像である。
【0099】
右仮想カメラ画像76Rは、右仮想カメラ53bによって変形オブジェクト56を撮像
した画像である。
【0100】
魚オブジェクト情報77は、仮想空間に配置される魚オブジェクト52に関する情報で
あり、魚オブジェクト52の位置や形状を示す情報である。
【0101】
マスクオブジェクト情報78は、仮想空間に配置される魚オブジェクト52が所定の方
向から見えないようにマスクするためのマスクオブジェクト57(図20参照)に関する
情報である。
【0102】
(メインフローの説明)
次に、本実施形態に係るゲーム処理の詳細について、図9から図11を参照して説明す
る。図9は、本実施形態に係るゲーム処理の詳細を示すメインフローチャートである。ゲ
ーム装置10の電源が投入されると、ゲーム装置10の情報処理部31(CPU311)
は、図示しないROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってメインメ
モリ32等の各ユニットが初期化される。次に、不揮発性メモリ(外部メモリ44等;コ
ンピュータ読み取り可能な記憶媒体)に記憶されたゲームプログラムがRAM(具体的に
は、メインメモリ32)に読み込まれ、情報処理部31のCPU311によって当該プロ
グラムの実行が開始される。図9のフローチャートに示す処理は、以上の処理が完了した
後に情報処理部31(CPU311又はGPU312)によって行われる。
【0103】
なお、図9では、本発明に直接関連しない処理については記載を省略する。また、図9
では、外側撮像部23によって実空間に存在するマーカ61が撮像されたことを前提とし
て説明する。また、図9に示すステップS2〜ステップS10の処理ループは、1フレー
ム(例えば1/30秒又は1/60秒。フレーム時間という)毎に繰り返し実行される。
【0104】
まず、ステップS1において、情報処理部31は、仮想モデル55等を設定する。具体
的には、情報処理部31は、仮想モデル55を表す各点Pの座標(マーカ座標系における
座標)を予め定められた値に設定して、RAMに記憶する。具体的には、各点Pは、マー
カ座標系のXZ平面上に設定される。また、情報処理部31は、変形オブジェクト56を
表す各点Qの座標を予め定められた値(点Pと同じ値)に設定して、RAMに記憶する。
また、情報処理部31は、仮想モデル55の端部にマスクオブジェクト57を設定する。
【0105】
図13は、仮想モデル55を示す図である。図13に示すように、仮想モデル55は、
n個の頂点Pによって構成される平板状のポリゴンであり、マーカ座標系(XYZ座標系
)のXZ平面(実空間におけるマーカ61が載置された平面)上に配置される。ステップ
S1の後、情報処理部31は、次にステップS2の処理を実行する。
【0106】
ステップS2において、情報処理部31は、実カメラ画像を取得する。具体的には、情
報処理部31は、外側撮像部(左)23aによって撮像された左目用実画像72Lを取得
して、RAMに記憶する。また、情報処理部31は、外側撮像部(右)23bによって撮
像された右目用実画像72Rを取得して、RAMに記憶する。次に、情報処理部31は、
ステップS3の処理を実行する。
【0107】
ステップS3において、情報処理部31は、マーカ認識処理を実行する。マーカ認識処
理は、ステップS2で取得した左目用実画像72Lおよび右目用実画像72Rを用いて、
2つの画像に含まれるマーカ61を認識して、仮想カメラ(左仮想カメラ53aおよび右
仮想カメラ53b)を設定する処理である。ステップS3におけるマーカ認識処理の詳細
を、図10を参照して説明する。
【0108】
図10は、マーカ認識処理(ステップS3)の詳細を示すフローチャートである。
【0109】
ステップS21において、情報処理部31は、実カメラとマーカとの位置関係を算出す
る。具体的には、情報処理部31は、まず、パターンマッチング手法等によって左目用実
画像72Lに含まれるマーカを認識する。そして、情報処理部31は、左目用実画像72
Lに含まれるマーカの当該左目用実画像72Lにおける位置や大きさ、形状、および、マ
ーカの矢印の方向等に基づいて、外側撮像部(左)23aと実空間に存在するマーカ61
との位置関係を算出する。ここで、外側撮像部(左)23aとマーカ61との位置関係と
は、マーカ61および外側撮像部(左)23aの何れか一方を基準とした場合の他方の3
次元の位置および姿勢である。
【0110】
図12は、マーカ61と外側撮像部(左)23aとの位置関係を示す図である。図12
に示すように、上記位置関係は、マーカ61に対する外側撮像部(左)23aの相対的な
位置および姿勢である。同様に、情報処理部31は、右目用実画像72Rを用いて、外側
撮像部(右)23bと実空間に存在するマーカ61との位置関係を算出する。ここでは、
マーカ61を基準とした外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bの相対的
な位置および姿勢が行列としてそれぞれ算出される。
【0111】
より具体的には、ステップS21においては、マーカの認識結果に基づいて、マーカ座
標系が設定されるとともに、マーカ61と外側撮像部(左)23aとの位置関係が算出さ
れる(図12参照)。図12に示すように、マーカ座標系の原点は、マーカ61の中心に
設定される。また、マーカ座標系のZ軸は、マーカ61の矢印の方向と平行に設定され(
マーカ61の長辺と平行に設定され)、マーカ座標系のX軸は、当該矢印の方向と垂直で
あって、当該矢印の方向を基準として右向きに設定される(マーカ61の短辺と平行に設
定される)。また、Y軸は、マーカ61に対して垂直上向きに設定される(長方形のマー
カ61の上向きの法線方向に設定される)。マーカ座標系は、仮想空間を定義する座標系
であり、実空間と仮想空間とを対応付ける。すなわち、マーカ座標系における原点は、仮
想空間の原点であって、実空間におけるマーカ61の中心でもある。
【0112】
そして、マーカ61に対する外側撮像部(左)23aの相対的な位置および姿勢を表す
行列が算出される。図12に示すように、外側撮像部(左)23aの位置および姿勢を表
す行列は、仮想空間におけるマーカ座標系で表された座標を、外側撮像部(左)23aの
位置および姿勢を基準とした外側撮像部(左)座標系で表される座標へと変換するための
座標変換行列である。ステップS21においては、左目用実画像72Lに含まれるマーカ
に基づいて外側撮像部(左)23aの位置および姿勢を表す行列が算出され、右目用実画
像72Rに含まれるマーカに基づいて外側撮像部(右)23bの位置および姿勢を表す行
列が算出される。
【0113】
なお、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bは、これらの撮像方向が
平行で、かつ、撮像方向に対して回転しないようにして配設されている。すなわち、外側
撮像部(左)23aの姿勢と外側撮像部(右)23bの姿勢とは常に一致する。また、外
側撮像部(左)23aと外側撮像部(右)23bとは、所定の間隔で配置されている。こ
のため、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部(右)23bの取りつけ誤差が全くな
いと仮定すると、例えば、左目用実画像72Lに基づいて外側撮像部(左)23aの位置
および姿勢が算出されると、右目用実画像72Rを用いなくても、外側撮像部(右)23
bの位置および姿勢は算出可能である。また、外側撮像部(左)23aおよび外側撮像部
(右)23bの取りつけ誤差を考慮して、当該誤差を求めるために、左目用実画像72L
に基づいて外側撮像部(左)23aの位置および姿勢を算出し、右目用実画像72Rに基
づいて外側撮像部(右)23bの位置および姿勢を算出してもよい。例えば、一定期間、
左目用実画像72Lおよび右目用実画像72Rに基づいて、外側撮像部(左)23aおよ
び外側撮像部(右)23bの位置等をそれぞれ算出して上記誤差を算出してもよい。そし
て、左目用実画像72L(又は右目用実画像72R)を用いて外側撮像部(左)23aの
位置および姿勢を算出するとともに、当該算出した外側撮像部(左)23aの位置および
姿勢と上記誤差とに基づいて、外側撮像部(右)23bの位置および姿勢を算出してもよ
い。ステップS21の後、情報処理部31は、次にステップS22の処理を実行する。
【0114】
ステップS22において、情報処理部31は、左右の仮想カメラの位置および姿勢を決
定する。ここでは、左右の仮想カメラの位置および姿勢は、外側撮像部23の位置および
姿勢と一致する。すなわち、左仮想カメラ53aの仮想空間における位置および姿勢は、
外側撮像部(左)23aの位置および姿勢と一致するように設定される(図12参照)。
また、右仮想カメラ53bの仮想空間における位置および姿勢は、外側撮像部(右)23
bの位置および姿勢と一致するように設定される。具体的には、左仮想カメラ53aの位
置および姿勢は、行列(左ビュー行列)として表され、ステップS21で算出された外側
撮像部(左)23aの位置および姿勢を表す行列が、左仮想カメラ情報75LとしてRA
Mに保存される。同様に、右仮想カメラ53bの位置および姿勢は、行列(右ビュー行列
)として表され、ステップS21で算出された外側撮像部(右)23bの位置および姿勢
を表す行列が、右仮想カメラ情報75RとしてRAMに保存される。なお、上述のように
外側撮像部(左)23aの姿勢と外側撮像部(右)23bの姿勢とは常に一致するため、
左仮想カメラ53aの姿勢と右仮想カメラ53bの姿勢とも一致する。ステップS22の
処理の後、情報処理部31は、マーカ認識処理を終了する。
【0115】
図9に戻り、情報処理部31は、ステップS3の処理の後、ステップS4の処理を実行
する。
【0116】
ステップS4において、情報処理部31は、魚オブジェクト52を仮想空間に設定する
。具体的には、情報処理部31は、仮想モデル55よりもY軸負方向の位置に魚オブジェ
クト52を配置する。なお、魚オブジェクト52は、所定の規則に従って、仮想空間内を
移動する。次に、情報処理部31は、ステップS5の処理を実行する。
【0117】
ステップS5において、情報処理部31は、変形オブジェクトを変形させる。図14は
、変形オブジェクト56を示す図である。変形オブジェクト56は、上記仮想モデル55
を変形させたオブジェクトである。図14に示すように、変形オブジェクト56は、上記
仮想モデル55の各点Pをマーカ座標系の上下方向(Y軸正方向または負方向)に移動さ
せた場合に生成されるオブジェクトである。具体的には、情報処理部31は、変形オブジ
ェクト56の頂点Q(i)(i=1〜n)について、所定のパターンで上下方向に移動さ
せる。例えば、情報処理部31は、マーカ座標系の所定点から各頂点Qまでの距離に応じ
て、移動方向(Y軸正方向または負方向)および移動距離を示す移動ベクトルを頂点Q毎
に決定する。そして、情報処理部31は、現在の各頂点Qの座標に決定した各移動ベクト
ルを加えることにより、各頂点Qを移動させる(各頂点Qの座標値を更新して、RAMに
記憶する)。
【0118】
なお、ステップS5において、情報処理部31は、変形オブジェクト56の端部を除く
点のみを移動させる。すなわち、図14に示す変形オブジェクト56の境界(変形オブジ
ェクト56の外縁)の各頂点の座標は、変化しない。逆に、変形オブジェクト56の境界
を変形させた場合において、後述するステップS7やS8において変形オブジェクト56
を仮想カメラで撮像すると、当該仮想カメラで撮像した画像と実画像と重ね合わせた場合
に、境界部分の整合性が保たれないため、不自然な画像となることがある。具体的には、
境界部分が大きく変形すると、変形オブジェクト56の外側の境界部分近傍では変形せず
、変形オブジェクト56の境界部分が変形するため、当該境界部分において不連続となり
、違和感のある画像となる。しかしながら、本実施形態では、変形オブジェクト56の境
界を変形させないため、境界部分においても自然な画像となる。
【0119】
情報処理部31は、次にステップS6の処理を実行する。
【0120】
ステップS6において、情報処理部31は、各頂点Qの法線を算出する。ここでは、情
報処理部31は、ステップS5で更新した頂点Q(i)の法線ベクトルN(i)を算出し
、RAMに記憶する。情報処理部31は、次にステップS7の処理を実行する。
【0121】
ステップS7において、情報処理部31は、左仮想カメラ画像生成処理を実行する。ス
テップS7における左仮想カメラ画像生成処理の詳細を、図11を参照して説明する。
【0122】
図11は、左仮想カメラ画像生成処理(ステップS7)の詳細を示すフローチャートで
ある。
【0123】
まず、ステップS31において、情報処理部31は、変数iを0にセットしてRAMに
記憶する。次に、情報処理部31は、ステップS32の処理を実行する。
【0124】
ステップS32において、情報処理部31は、仮想モデル55の頂点P(i)のテクス
チャ座標T(i)を算出する。ここでは、仮想空間に配置された仮想モデル55の頂点P
(i)(マーカ座標系)の左目用実画像72Lにおける位置(T(i))が算出される。
【0125】
図15は、頂点P(i)のテクスチャ座標T(i)を示す図である。図15に示すよう
に、テクスチャ座標T(i)は、左目用実画像72L上の位置を示す座標である。具体的
には、情報処理部31は、マーカ座標系で表された仮想モデル55の頂点P(i)に、左
仮想カメラ53aの左ビュー行列(ステップS3で算出された行列;左仮想カメラ情報7
5L)、および、射影行列をかけることによって上側LCD22の表示上の座標(上側L
CD22の画面の左下を原点とする座標)を求める。そして、情報処理部31は、求めら
れた表示上の座標に所定の変換を行うことにより、左目用実画像72L上の座標T(i)
(左目用実画像72Lの左下を原点とした位置)を算出する。図15に示すように、左目
用実画像72Lは、上側LCD22の画面サイズよりも大きく設定されているため、表示
上の座標を左目用実画像72L上(TxTy座標系)の座標に変換することにより、テク
スチャ座標Tが求められる。次に、情報処理部31は、ステップS33の処理を実行する

【0126】
ステップS33において、情報処理部31は、変数iをインクリメントし、次に、ステ
ップS34の処理を実行する。
【0127】
ステップS34において、情報処理部31は、iがnと等しいか否かを判定し、判定結
果が肯定の場合は、次にステップS35の処理を実行する。判定結果が否定の場合は、情
報処理部31は、ステップS32の処理を再び実行する。ステップS32〜S34の処理
が繰り返し実行されることによって、仮想モデル55の全ての頂点Pについてテクスチャ
座標Tが求められる。
【0128】
ステップS35において、情報処理部31は、変形オブジェクト56に左目用実画像7
2Lの各テクスチャ座標に対応する領域の画像をテクスチャとして適用して、左仮想カメ
ラで撮像する。具体的には、情報処理部31は、変形オブジェクト56の頂点Q(i)に
テクスチャ座標T(i)を設定してテクスチャマッピングを行い、左仮想カメラ53aで
撮像する。そして、情報処理部31は、撮像した画像を左仮想カメラ画像76LとしてR
AMに記憶する。ここでの処理は、ステップS32〜S34の処理で算出したテクスチャ
座標Tに応じた左テクスチャ領域に含まれる画像を、左目用実画像72Lから切り取って
変形オブジェクト56に貼り付けることに対応する。以下、ステップS35における処理
の概要を図16および図17を用いて説明する。
【0129】
図16は、ステップS35における処理を概念的に表す図であり、左目用実画像72L
から左テクスチャ領域の画像を切り取る様子を示す図である。図16に示すように、テク
スチャ座標T(i)に対応する左テクスチャ領域の画像ai(テクスチャ座標T(i)を
含む平行四辺形の画像)が、左目用実画像72Lから切り取られる(コピーされる)。次
に、切り取られた各画像が変形オブジェクト56に貼り付けられる。
【0130】
図17は、ステップS35における処理を概念的に表す図であり、図16に示す切り取
られた左テクスチャ領域の画像aiを変形オブジェクト56に張り付ける様子を示す図で
ある。図17に示すように、切り取られた左テクスチャ領域の画像aiが変形オブジェク
ト56にテクスチャとして適用されて左仮想カメラ53aで撮像されると、当該画像ai
は、変形する(画像ai’)。このようにして、切り取られた各左テクスチャ領域の画像
が変形オブジェクト56に張り付けられる。
【0131】
ステップS35で生成される左仮想カメラ画像76Lは、左目用実画像72Lにおける
仮想モデル55に対応する領域(左目用実画像72Lのうち、仮想モデル55を左仮想カ
メラ53aで撮像した場合のレンダリング画像上の当該仮想モデル55の位置および輪郭
に対応する領域)が変形した画像である。上述のように仮想モデル55は、マーカ座標系
のXZ平面上に配置される(マーカ61が載置された実空間の平面(テーブル)上に配置
される)。このため、左仮想カメラ画像76Lは、XZ平面(実空間の平面)が変形した
ような画像となる。
【0132】
なお、ステップS35においては、変形オブジェクト56の形状に応じて、影が付され
る。上述のようにステップS6において変形オブジェクト56の各頂点Qの法線ベクトル
が算出されているため、仮想光源で変形オブジェクト56を照らしたときに生成される影
を計算することができる。また、ステップS35においては、魚オブジェクト52も左仮
想カメラ53aで撮像されるため、上記左仮想カメラ画像76Lには、魚オブジェクト5
2の画像も含まれる。
【0133】
以上のようにして、左仮想カメラ画像76Lを生成した後、情報処理部31は、左仮想
カメラ画像生成処理を終了する。
【0134】
図9に戻り、情報処理部31は、次にステップS8の処理を実行する。ステップS8に
おいて、情報処理部31は、右仮想カメラ画像生成処理を実行する。右仮想カメラ画像生
成処理は、ステップS7と同様の処理であるが、ステップS8では、右目用実画像72R
から切り取られたテクスチャ領域の画像が変形オブジェクト56にテクスチャとして適用
されて、右仮想カメラ53bで撮像される。
【0135】
ステップS8では、まず、情報処理部31は、右目用実画像72Rにおけるテクスチャ
座標Tを算出する。より具体的には、マーカ座標系で表された仮想モデル55の各頂点P
に、右仮想カメラ53bの右ビュー行列(ステップS3で算出された行列;右仮想カメラ
情報75R)、および、射影行列をかけて上側LCD22の表示上の座標を求め、右目用
実画像72R上のテクスチャ座標を求める。そして、情報処理部31は、変形オブジェク
ト56の各頂点にテクスチャ座標を設定してテクスチャマッピングを行い、右仮想カメラ
53bで撮像する(右目用実画像72Rから各右テクスチャ領域の画像を切り取って、変
形オブジェクト56に貼り付ける)。このようにして、情報処理部31は、右仮想カメラ
画像76Rを生成し、RAMに記憶する。なお、ステップS35と同様に、魚オブジェク
ト52も右仮想カメラ53bで撮像されるため、上記右仮想カメラ画像76Rには、魚オ
ブジェクト52の画像も含まれる。
【0136】
図18は、右目用実画像72Rから右テクスチャ領域の画像を切り取る様子を示す図で
ある。右目用実画像72Rと左目用実画像72Lとは視差があるため、右目用実画像72
Rは左目用実画像72Lとは異なる画像である。図16および図18に示すように、仮想
モデルの頂点P(i)の右目用実画像72R上の位置T(i)は、左目用実画像72L上
の位置T(i)とは異なる。従って、右目用実画像72Rから切り取られる右テクスチャ
領域の画像biは、左目用実画像72Lから切り取られる左テクスチャ領域の画像aiと
は異なる形状となる。例えば、右テクスチャ領域の画像biは、左テクスチャ領域の画像
aiよりも歪んだ形状となる(図16に示す画像aiと図18に示す画像biとを比較す
ると、画像aiの方が、画像biよりも正方形に近い形状となっている)。そして、右目
用実画像72Rから切り取られた各右テクスチャ領域の画像が、変形オブジェクト56に
テクスチャとして適用されて右仮想カメラ53bで撮像されるため、上記左テクスチャ領
域の画像と同様に、各右テクスチャ領域の画像は変形する。図19は、図18に示す切り
取られた右テクスチャ領域の画像biを変形オブジェクト56に張り付ける様子を示す図
である。図19に示すように、切り取られた右テクスチャ領域の画像biが変形オブジェ
クト56にテクスチャとして適用されて右仮想カメラ53bで撮像されると、当該画像b
iは、変形する(画像bi’)。このようにして、右目用実画像72Rから切り取られた
各右テクスチャ領域の画像が変形オブジェクト56に張り付けられる。
【0137】
ステップS8で生成される右仮想カメラ画像76Rは、ステップS7で生成された左仮
想カメラ画像76Lと同様、XZ平面(実空間の平面)が変形したような画像である。右
仮想カメラ画像76Rは、左仮想カメラ画像76Lとは異なる画像であり、これらの画像
には視差がある。
【0138】
ステップS8の後、情報処理部31は、次にステップS9の処理を実行する。
【0139】
ステップS9において、情報処理部31は、実画像と仮想カメラ画像とを重ね合わせて
、重畳画像を生成する。具体的には、情報処理部31は、ステップS2で取得した左目用
実画像72Lと、ステップS7で生成した左仮想カメラ画像76Lとを重ね合わせた左目
用重畳画像を生成する。また、情報処理部31は、ステップS2で取得した右目用実画像
72Rと、ステップS8で生成した右仮想カメラ画像76Rとを重ね合わせた右目用重畳
画像を生成する。次に、情報処理部31は、ステップS10の処理を実行する。
【0140】
ステップS10において、情報処理部31は、出力処理を実行する。出力処理が実行さ
れることによって、上側LCD22に立体視可能な画像が表示される。具体的には、情報
処理部31は、ステップS9で生成した2つの重畳画像を上側LCD22に出力する。上
側LCD22に表示された左目用重畳画像は視差バリアを介してユーザの左目で視認され
、右目用重畳画像は視差バリアを介してユーザの右目で視認される。これにより、ユーザ
は立体感のある画像を視認することができる。ステップS10の後、情報処理部31は、
ステップS2の処理を再び実行する。
【0141】
なお、上記ステップS7およびS8においては、仮想カメラの位置や姿勢に応じて、魚
オブジェクト52はマスクオブジェクト57によってマスクされて撮像されない場合があ
る。図20は、マスクオブジェクト57によって魚オブジェクト52がマスクされる場合
を示す図であり、仮想空間をマーカ座標系のX軸に平行な方向から見た場合において、魚
オブジェクト52と仮想カメラの位置関係を示す図である。マスクオブジェクト57は、
仮想モデル55(変形オブジェクト56)の端部に設定される面状の仮想的なオブジェク
トであり、魚オブジェクト52を非表示にする、上側LCD22には表示されないオブジ
ェクトである。図20に示すように、仮想カメラPc(左仮想カメラ又は右仮想カメラ)
の位置から魚オブジェクト52を見た場合、魚オブジェクト52は、マスクされず上側L
CD22に表示される。しかしながら、仮想カメラPc’の位置から魚オブジェクト52
を見た場合、魚オブジェクト52は、マスクオブジェクト57によってマスクされて、上
側LCD22には表示されない。マスクオブジェクト57が変形オブジェクト56の端部
に配置されない場合、仮想カメラPc’の位置から魚オブジェクト52を見ると、変形オ
ブジェクト56によって実空間の平面が変形しない領域(すなわち、波が発生しない領域
)の奥方向に魚オブジェクト52が見え、違和感のある画像になることがある。また、現
実世界においては、水面を見る角度が小さいと(水面を垂直ではなく、水平に近い方向か
ら見ると)、光の反射によって水中の魚を見ることができない。このため、仮想モデル5
5(変形オブジェクト56)の端部にマスクオブジェクト57を配置して、仮想カメラP
c’からは魚オブジェクト52が見えないようにする。すなわち、仮想カメラと魚オブジ
ェクト52との間に変形オブジェクト56が存在しない場合(仮想カメラと魚オブジェク
ト52とを結ぶ直線上に変形オブジェクト56が存在しない場合)、当該魚オブジェクト
52を非表示にする。
【0142】
以上のように、本実施形態では、マーカ61上にマーカ座標系が設定される。当該マー
カ座標系のXZ平面(マーカ61が載置された平面)に平板状の仮想モデル55が配置さ
れ、左目用実画像72Lにおける当該仮想モデル55に対応する領域が左テクスチャ領域
として設定される(左テクスチャ領域の画像として切り出される)。そして、仮想モデル
55を変形した変形オブジェクト56に、左テクスチャ領域の画像がテクスチャとして適
用されて、左仮想カメラで撮像されることにより、左仮想カメラ画像が生成される。また
、右目用実画像72Rにおける仮想モデル55に対応する領域が右テクスチャ領域として
設定される(右テクスチャ領域の画像として切り出される)。そして、仮想モデル55を
変形した変形オブジェクト56に、右テクスチャ領域の画像がテクスチャとして適用され
て、右仮想カメラで撮像されることにより、右仮想カメラ画像が生成される。これにより
、実空間上の平面が変形したような画像を生成することができ、上記のようにあたかもマ
ーカ61が配置された実空間の平面が波打つような様子を表示することができる。
【0143】
また、本実施形態では、実空間に配置されたマーカ61上にマーカ座標系が設定され、
仮想カメラが実カメラの位置および姿勢に対応して設定される。これにより、仮想空間に
存在するオブジェクトがあたかも実空間に存在するような感覚(拡張現実感)を与えるこ
とができる。
【0144】
また、本実施形態では、左目用実画像72Lおよび右目用実画像72Rからそれぞれテ
クスチャ領域が設定されて(それぞれテクスチャ画像が切り出されて)、左仮想カメラ画
像および右仮想カメラ画像が生成される。このため、何れか一方の実画像からそれぞれ左
仮想カメラ画像および右仮想カメラ画像を生成する場合よりも、解像度の高い画像となる
。すなわち、例えば、左目用実画像72Lから左テクスチャ領域の画像が切り出されて、
当該左テクスチャ領域の画像を用いて右仮想カメラ画像を生成すると、左目用実画像72
Lおよび右目用実画像72Rは視差があるため、左テクスチャ領域の画像を大きく変形さ
せる必要があり、より多くの画素情報が失われる。
【0145】
図21は、左テクスチャ領域の画像を用いて右仮想カメラ画像を生成した場合に画素情
報が失われることを説明するための図である。図21に示すように、左テクスチャ領域の
画像を変形して左仮想カメラ画像を生成する場合、当該左テクスチャ領域の画像を変形す
る度合いは比較的小さい。また、同様に、右テクスチャ領域の画像を変形して右仮想カメ
ラ画像を生成する場合、当該左テクスチャ領域の画像を変形する度合いは比較的小さい。
しかしながら、左テクスチャ領域の画像を変形して右仮想カメラ画像を生成する場合、当
該左テクスチャ領域の画像を大きく変形させる必要がある。画像を伸縮させて変形させる
と、当該画像の解像度は低くなる。しかしながら、本実施形態では、左目用実画像72L
および右目用実画像72Rからそれぞれテクスチャ画像を切り取るため、このような解像
度の低下を防止することができる。
【0146】
また、本実施形態では、変形オブジェクト56の端部(境界)が変形しないため、実画
像と仮想カメラ画像とが重ね合わされた場合に境界において違和感のない画像にすること
ができる。すなわち、変形オブジェクト56の境界が変形すると、当該境界において不連
続な画像となることがあるため、実画像と仮想カメラで撮像した画像とを重ね合わせた場
合に違和感のある画像になる。また、例えば、変形しない仮想モデル55に実画像のテク
スチャを適用した仮想モデル画像と実画像とを重ね合わせると、重ね合わされた領域は一
致する。このため、実画像の一部領域(仮想モデルに対応する領域)が、仮想モデル画像
によって完全に遮られるため、重ね合わされた画像には違和感がない。しかしながら、仮
想モデル55を変形させた変形オブジェクト56が、その境界も含めて変形し、当該変形
オブジェクト56を撮像した変形オブジェクト画像を実画像に重ね合わせると、変形オブ
ジェクト画像によって遮られない実画像の領域が発生する。このため、実画像と変形オブ
ジェクト画像とを重ね合わせた画像には、同じ領域が二重に存在する場合があり、不自然
な画像となる(例えば、変形オブジェクトが仮想モデルよりも小さく変形した場合)。し
かしながら、本実施形態では、変形オブジェクト56の境界部分は変形しないため、この
ような変形オブジェクトによって遮られない領域は発生しないため、同じ領域が二重に表
示されることなく、自然な画像となる。
【0147】
また、左仮想カメラで変形オブジェクトを撮像するときは左目用実画像をテクスチャと
して適用し、右仮想カメラで変形オブジェクトを撮像するときは右目用実画像をテクスチ
ャとして適用することにより、境界における連続性をより保つことができる。すなわち、
例えば、左目用実画像から切り取られたテクスチャを変形オブジェクトに適用して右仮想
カメラで撮像した右仮想カメラ画像を、右目用実画像に重畳した場合、右目用実画像の背
景部分と、変形オブジェクトに対応する部分とがずれることがある(例えば、一方の実カ
メラからしか見えない領域が存在する場合など)。このため、一方の実画像から両方のテ
クスチャを生成すると、境界における連続性を保つことができない。しかしながら、本実
施形態では、両方の実画像からそれぞれテクスチャを生成するため、境界における連続性
を保つことができる。
【0148】
(変形例)
なお、本実施形態では、マーカ61が載置された平面に平板状の仮想モデルを配置して
、当該平面が波打つような表示を行った。他の実施形態では、仮想モデルは平面状ではな
く、曲面状であってもよい(立体物でもよい)。例えば、実空間に存在する立体物(コッ
プや人の顔でもよい)について、当該立体物に沿うように仮想モデルを配置し、仮想モデ
ルを変形させることによって、当該実空間上の立体物が変形する様子が表示されてもよい
。例えば、赤外線等で深度(カメラの奥方向の距離)を測定可能なカメラを用いて、実空
間に存在する立体物の形状を認識し、認識した形状の仮想モデルを仮想空間に設定するこ
とにより、立体物を変形させてもよい。あるいは、外側撮像部23によって撮像される2
つの画像の視差に基づいて、カメラの奥方向の距離を算出してもよい。また、上記方法を
用いて、実空間の壁が変形する様子を表示したり、カーテンが揺れる様子を表示したりし
てもよい。
【0149】
また、他の実施形態では、上述した方法を用いて、実空間の平面や曲面等(テーブルや
人の顔等)ではなく、実空間の一部の空間が変形する様子が表示されてもよい。
【0150】
また、本実施形態では、釣りゲームを例にして実空間の平面を水面のように変形させた
が、上述した処理はどのようなゲームにも適用可能である。
【0151】
また、本実施形態では、仮想モデルを変形した変形オブジェクトに左右の実画像から切
り出したテクスチャ領域の画像(テクスチャ画像)を張り付けた。他の実施形態では、仮
想モデルは変形しなくてもよい。すなわち、他の実施形態では、左目用実画像から取得し
た左テクスチャ画像を仮想モデルにテクスチャとして適用して左仮想カメラで撮像し、右
目用実画像から取得した右テクスチャ画像を仮想モデルにテクスチャとして適用して右仮
想カメラで撮像してもよい。このようにして、左右の実画像からテクスチャ画像をそれぞ
れ切り出すことにより、実カメラで撮像した画像を仮想モデルのテクスチャとして利用し
て、仮想モデルの立体視画像を生成することができる。仮想モデルとして表示することで
、仮想カメラによる撮影方向を変更したり、ライティングの色や方向を変更したりと言っ
た処理が可能となる。この場合において、本実施形態では左右の実画像からテクスチャ画
像をそれぞれ切り出してテクスチャとして適用する。このため、どちらか一方の画像から
テクスチャ画像を切り出し、当該切り出したテクスチャ画像をテクスチャとして適用して
左右の仮想カメラでそれぞれ撮像する場合に生じる解像度の低下を防止することができる

【0152】
また、本実施形態では、マーカ61を外側撮像部23で撮像することによって、外側撮
像部23とマーカ61との位置関係(相対的な位置および姿勢)を算出した。そして、算
出した位置関係に基づいて、仮想空間(マーカ座標系)を設定した。他の実施形態では、
マーカ61に限らず、他の物体を撮像画像から認識して、上記位置関係が算出されてもよ
い。例えば、実空間に存在する所定の物体(例えば、実空間に存在する椅子やテーブル等
でもよい)をパターンマッチング等の画像認識により検出し、上記位置関係が算出されて
、仮想空間が定義されてもよい。すなわち、他の実施形態では、実空間に存在する特定対
象物(上記マーカや所定の物体)を撮像画像から認識して、当該特定対象物と外側撮像部
23との位置関係が算出されてもよい。また、特定対象物は、実カメラによって撮像され
た画像に基づいて認識されず、他の認識手段(例えば、超音波センサ等でもよい)によっ
て認識されて、当該特定対象物と外側撮像部23との位置関係が算出されてもよい。
【0153】
また、他の実施形態では、GPSや加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ等によ
って、実カメラの位置および姿勢が検出されてもよい。そして、検出された位置および姿
勢に基づいて、仮想空間内の仮想カメラの位置および姿勢が設定され、実カメラで撮像し
た画像と仮想カメラで仮想空間を撮像した画像とを重畳してもよい。例えば、実空間に対
応した仮想空間の所定の位置に仮想オブジェクトが配置され、当該仮想空間の所定の位置
に対応する実空間の位置を所定の方向から実カメラで撮影してもよい。この場合、GPS
や姿勢検出手段(加速度センサや角速度センサ、地磁気センサ等)によって実カメラの位
置および姿勢を検出することができ、当該実カメラの位置および姿勢に一致するように仮
想空間に仮想カメラを設定することができる。
【0154】
また、本実施形態では、ビデオシースルー方式を用いて拡張現実感を実現した。すなわ
ち、本実施形態では、外側撮像部23によって撮像された画像と、仮想カメラ(左右の仮
想カメラ)によって撮像された画像とが重ね合わされて重畳画像が生成され、当該重畳画
像が上側LCD22に表示された。他の実施形態では、光学シースルー方式により拡張現
実感を実現してもよい。例えば、実空間に配置されたマーカを検出するためのカメラを備
えたヘッドマウンドディスプレイをユーザが装着し、ユーザはメガネのレンズ部分に相当
するディスプレイ部を通して実空間を視認できるようになっている。このディプレイ部は
、現実空間を透過してユーザの目に直接導くことが可能な素材によって構成されている。
さらに、このディスプレイ部にはコンピュータにより生成した仮想オブジェクトの画像を
表示させることができるようになっている。
【0155】
また、他の実施形態では、上述した撮影処理の方法は、ゲーム装置に限らず任意の電子
機器、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)や高
機能携帯電話、カメラ(装置としてのカメラ)等に適用されてもよい。
【0156】
また、本実施形態では、表示装置として裸眼で立体視画像を表示可能なLCDが用いら
れた。他の実施形態では、時分割方式や偏向方式、アナグリフ方式(赤青眼鏡方式)など
の眼鏡を用いて立体表示を行うような場合でも、本発明は適用可能である。
【0157】
また、他の実施形態では、有線や無線等で通信可能に接続された複数の情報処理装置が
各処理を分担して処理することにより、上述した表示処理方法を実現する表示処理システ
ムとして構築されてもよい。例えば、外側撮像部23が情報処理装置と分離された構成で
あって、外側撮像部23が情報処理装置に無線等で接続されてもよい。また、情報処理装
置と表示装置が分離された構成で、互いに接続されてもよい。また、外側撮像部23の位
置および姿勢が情報処理装置と分離した検出手段によって検出され、当該検出結果が情報
処理装置に送信されてもよい。
【0158】
また、上記実施形態においては、ゲーム装置10の情報処理部31が所定のプログラム
を実行することによって、上述したフローチャートによる処理が行われた。他の実施形態
においては、上記処理の一部又は全部は、ゲーム装置10が備える専用回路によって行わ
れてもよい。
【0159】
また、上記ゲームプログラム(情報処理プログラム)は、上記メモリに限らず、光ディ
スクや磁気ディスク等、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてゲーム装置1
0に提供されてもよい。また、例えば、ネットワーク上のサーバのRAMに上記プログラ
ムが記憶され、ゲーム装置10が当該ネットワークに接続されて、当該プログラムがゲー
ム装置10に提供されてもよい。
【符号の説明】
【0160】
10 ゲーム装置
11 下側ハウジング
12 下側LCD
13 タッチパネル
14 操作ボタン
15 アナログスティック
16 LED
21 上側ハウジング
22 上側LCD
23 外側撮像部
23a 外側撮像部(左)
23b 外側撮像部(右)
24 内側撮像部
25 3D調整スイッチ
26 3Dインジケータ
28 タッチペン
31 情報処理部
311 CPU
312 GPU
32 メインメモリ
51 釣りざおオブジェクト
52 魚オブジェクト
53a 左仮想カメラ
53b 右仮想カメラ
55 仮想モデル
56 変形オブジェクト
57 マスクオブジェクト
61 マーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間を撮像する左実カメラおよび右実カメラと、立体視画像を表示可能な表示手段と
に接続される情報処理装置のコンピュータを、
前記左実カメラにより撮像された左目用実画像、および、前記右実カメラにより撮像さ
れた右目用実画像を取得する実画像取得手段、
前記実空間における前記左実カメラの位置および姿勢と前記実空間における前記右実カ
メラの位置および姿勢とに応じた配置となるように、仮想空間内に左仮想カメラおよび右
仮想カメラを設定する仮想カメラ設定手段、
前記仮想カメラ設定手段によって設定された左仮想カメラから見た場合の、前記仮想空
間における所定の仮想モデルに対応する領域を前記左目用実画像から左テクスチャ領域と
して設定する左テクスチャ領域設定手段、
前記仮想カメラ設定手段によって設定された右仮想カメラから見た場合の、前記仮想空
間における前記仮想モデルに対応する領域を前記右目用実画像から右テクスチャ領域とし
て設定する右テクスチャ領域設定手段、
前記左テクスチャ領域設定手段によって設定された左テクスチャ領域に含まれる画像を
、前記仮想モデルと同一のまたは前記仮想モデルと所定の関係を有する描画用モデルに適
用して、当該描画用モデルを前記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得する左
仮想カメラ画像取得手段、
前記右テクスチャ領域設定手段によって設定された右テクスチャ領域に含まれる画像を
、前記描画用モデルに適用して、当該描画用モデルを前記右仮想カメラで撮像した右仮想
カメラ画像を取得する右仮想カメラ画像取得手段、および、
ユーザの左目に前記左仮想カメラ画像を、該ユーザの右目に前記右仮想カメラ画像を視
認させるようにして、前記表示手段に前記左仮想カメラ画像および前記右仮想カメラ画像
を表示させる表示制御手段、として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記左テクスチャ領域設定手段は、前記仮想モデルを前記左仮想カメラで撮像した場合
のレンダリング画像上での当該仮想モデルの位置および輪郭に対応する領域を左テクスチ
ャ領域として設定し、
前記右テクスチャ領域設定手段は、前記仮想モデルを前記右仮想カメラで撮像した場合
のレンダリング画像上での当該仮想モデルの位置および輪郭に対応する領域を右テクスチ
ャ領域として設定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記左目用実画像と前記左仮想カメラ画像とを重ね合わせた左目用重畳画像と、前記右
目用実画像と前記右仮想カメラ画像とを重ね合わせた右目用重畳画像とを生成する重畳画
像生成手段、として前記コンピュータを更に機能させ、
前記表示制御手段は、前記左目用重畳画像および前記右目用重畳画像を前記表示手段に
表示させる、請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記仮想モデルを変形した変形オブジェクトを生成し、前記仮想空間に設定する変形オ
ブジェクト設定手段、として前記コンピュータを更に機能させ、
前記左仮想カメラ画像取得手段は、前記左テクスチャ領域設定手段によって設定された
左テクスチャ領域に含まれる画像をテクスチャとして適用した前記変形オブジェクトを前
記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得し、
前記右仮想カメラ画像取得手段は、前記右テクスチャ領域設定手段によって設定された
右テクスチャ領域に含まれる画像をテクスチャとして適用した前記変形オブジェクトを前
記右仮想カメラで撮像した右仮想カメラ画像を取得する、請求項3に記載の情報処理プロ
グラム。
【請求項5】
前記仮想モデルは、平面または曲面状の仮想モデルであって、前記実空間の平面または
曲面に沿うようにして前記仮想空間内に設定され、
前記変形オブジェクト設定手段は、前記平面または曲面状の仮想モデルを変形した変形
オブジェクトを生成して、前記仮想空間に設定する、請求項4に記載の情報処理プログラ
ム。
【請求項6】
前記変形オブジェクト設定手段は、前記仮想モデルの端部を除く部分を変形して前記変
形オブジェクトを生成する、請求項4または5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記仮想空間内に前記変形オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを当該変形オブジ
ェクトと所定の位置関係で設定する第2オブジェクト設定手段として、前記コンピュータ
を更に機能させ、
前記左仮想カメラ画像取得手段は、前記変形オブジェクトおよび前記第2オブジェクト
を前記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得し、
前記右仮想カメラ画像取得手段は、前記変形オブジェクトおよび前記第2オブジェクト
を前記右仮想カメラで撮像した右仮想カメラ画像を取得する、請求項4から6のいずれか
に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記第2オブジェクトは、前記左仮想カメラおよび前記右仮想カメラの撮像方向に関し
て前記変形オブジェクトよりも遠方に配置され、
前記変形オブジェクトの端部に前記第2オブジェクトをマスクする所定のマスクオブジ
ェクトを設定するマスクオブジェクト設定手段として、前記コンピュータを更に機能させ
る、請求項7に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記左実カメラおよび右実カメラは実空間上に配置された所定の平板状のマーカをそれ
ぞれ撮像し、
前記仮想カメラ設定手段は、前記マーカの位置および姿勢を基準として、左実カメラの
位置および姿勢と前記右実カメラの位置および姿勢とに応じた配置となるように、仮想空
間内に左仮想カメラおよび右仮想カメラを設定し、
前記仮想モデルは、前記マーカを基準に設定されたマーカ座標系において、前記マーカ
が載置される平面上に配置された板状のモデルであり、
前記仮想モデルを変形した変形オブジェクトを生成し、前記仮想空間に設定する変形オ
ブジェクト設定手段として、前記コンピュータを更に機能させ、
前記左仮想カメラ画像取得手段は、前記左テクスチャ領域設定手段によって設定された
左テクスチャ領域に含まれる画像をテクスチャとして適用した前記変形オブジェクトを前
記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得し、
前記右仮想カメラ画像取得手段は、前記右テクスチャ領域設定手段によって設定された
右テクスチャ領域に含まれる画像をテクスチャとして適用した前記変形オブジェクトを前
記右仮想カメラで撮像した右仮想カメラ画像を取得する、請求項3に記載の情報処理プロ
グラム。
【請求項10】
前記仮想カメラ設定手段は、
前記左目用実画像に含まれる特定対象物を検出し、当該検出結果に基づいて、前記左
実カメラと前記実空間に存在する前記特定対象物との相対的な位置および姿勢を取得し、
当該取得した位置および姿勢に基づいて、前記左仮想カメラを設定し、
前記右目用実画像に含まれる前記特定対象物を検出し、当該検出結果に基づいて、前
記右実カメラと前記実空間に存在する前記特定対象物との相対的な位置および姿勢を取得
し、当該取得した位置および姿勢に基づいて、前記右仮想カメラを設定する、請求項1か
ら8の何れかに記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記仮想モデルは、前記実空間における前記特定対象物の位置に対応する、前記仮想空
間における位置を基準として配置される、請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
実空間を撮像する左実カメラおよび右実カメラと、立体視画像を表示可能な表示手段と
に接続される情報処理装置であって、
前記左実カメラにより撮像された左目用実画像、および、前記右実カメラにより撮像さ
れた右目用実画像を取得する実画像取得手段と、
前記実空間における前記左実カメラの位置および姿勢と前記実空間における前記右実カ
メラの位置および姿勢とに応じた配置となるように、仮想空間内に左仮想カメラおよび右
仮想カメラを設定する仮想カメラ設定手段と、
前記仮想カメラ設定手段によって設定された左仮想カメラから見た場合の、前記仮想空
間における所定の仮想モデルに対応する領域を前記左目用実画像から左テクスチャ領域と
して設定する左テクスチャ領域設定手段と、
前記仮想カメラ設定手段によって設定された右仮想カメラから見た場合の、前記仮想空
間における前記仮想モデルに対応する領域を前記右目用実画像から右テクスチャ領域とし
て設定する右テクスチャ領域設定手段と、
前記左テクスチャ領域設定手段によって設定された左テクスチャ領域に含まれる画像を
、前記仮想モデルと同一のまたは前記仮想モデルと所定の関係を有する描画用モデルに適
用して、当該描画用モデルを前記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得する左
仮想カメラ画像取得手段と、
前記右テクスチャ領域設定手段によって設定された右テクスチャ領域に含まれる画像を
、前記描画用モデルに適用して、当該描画用モデルを前記右仮想カメラで撮像した右仮想
カメラ画像を取得する右仮想カメラ画像取得手段と、
ユーザの左目に前記左仮想カメラ画像を、該ユーザの右目に前記右仮想カメラ画像を視
認させるようにして、前記表示手段に前記左仮想カメラ画像および前記右仮想カメラ画像
を表示させる表示制御手段とを備える、情報処理装置。
【請求項13】
実空間を撮像する左実カメラおよび右実カメラと、
立体視画像を表示可能な表示手段と、
前記左実カメラにより撮像された左目用実画像、および、前記右実カメラにより撮像さ
れた右目用実画像を取得する実画像取得手段と、
前記実空間における前記左実カメラの位置および姿勢と前記実空間における前記右実カ
メラの位置および姿勢とに応じた配置となるように、仮想空間内に左仮想カメラおよび右
仮想カメラを設定する仮想カメラ設定手段と、
前記仮想カメラ設定手段によって設定された左仮想カメラから見た場合の、前記仮想空
間における所定の仮想モデルに対応する領域を前記左目用実画像から左テクスチャ領域と
して設定する左テクスチャ領域設定手段と、
前記仮想カメラ設定手段によって設定された右仮想カメラから見た場合の、前記仮想空
間における前記仮想モデルに対応する領域を前記右目用実画像から右テクスチャ領域とし
て設定する右テクスチャ領域設定手段と、
前記左テクスチャ領域設定手段によって設定された左テクスチャ領域に含まれる画像を
、前記仮想モデルと同一のまたは前記仮想モデルと所定の関係を有する描画用モデルに適
用して、当該描画用モデルを前記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得する左
仮想カメラ画像取得手段と、
前記右テクスチャ領域設定手段によって設定された右テクスチャ領域に含まれる画像を
、前記描画用モデルに適用して、当該描画用モデルを前記右仮想カメラで撮像した右仮想
カメラ画像を取得する右仮想カメラ画像取得手段と、
ユーザの左目に前記左仮想カメラ画像を、該ユーザの右目に前記右仮想カメラ画像を視
認させるようにして、前記表示手段に前記左仮想カメラ画像および前記右仮想カメラ画像
を表示させる表示制御手段とを備える、情報処理システム。
【請求項14】
実空間を撮像する左実カメラにより撮像された左目用実画像、および、右実カメラによ
り撮像された右目用実画像を取得する実画像取得ステップと、
前記実空間における前記左実カメラの位置および姿勢と前記実空間における前記右実カ
メラの位置および姿勢とに応じた配置となるように、仮想空間内に左仮想カメラおよび右
仮想カメラを設定する仮想カメラ設定ステップと、
前記仮想カメラ設定ステップで設定された左仮想カメラから見た場合の、前記仮想空間
における所定の仮想モデルに対応する領域を前記左目用実画像から左テクスチャ領域とし
て設定する左テクスチャ領域設定ステップと、
前記仮想カメラ設定ステップで設定された右仮想カメラから見た場合の、前記仮想空間
における前記仮想モデルに対応する領域を前記右目用実画像から右テクスチャ領域として
設定する右テクスチャ領域設定ステップと、
前記左テクスチャ領域設定ステップで設定された左テクスチャ領域に含まれる画像を、
前記仮想モデルと同一のまたは前記仮想モデルと所定の関係を有する描画用モデルに適用
して、当該描画用モデルを前記左仮想カメラで撮像した左仮想カメラ画像を取得する左仮
想カメラ画像取得ステップと、
前記右テクスチャ領域設定ステップで設定された右テクスチャ領域に含まれる画像を、
前記描画用モデルに適用して、当該描画用モデルを前記右仮想カメラで撮像した右仮想カ
メラ画像を取得する右仮想カメラ画像取得ステップと、
ユーザの左目に前記左仮想カメラ画像を、該ユーザの右目に前記右仮想カメラ画像を視
認させるようにして、立体視画像を表示可能な表示手段に前記左仮想カメラ画像および前
記右仮想カメラ画像を表示させる表示制御ステップとを備える、情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−94102(P2012−94102A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7853(P2011−7853)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【出願人】(391041718)株式会社ハル研究所 (38)
【Fターム(参考)】