説明

情報処理端末とその制御方法

【課題】複数のディスプレイを有する情報処理端末において利便性の高い画面表示を実現する技術を提供する。
【解決手段】情報処理端末は表示部と制御部を有している。表示部は、複数のディスプレイを有する。制御部は、ディスプレイへの表示形態が異なる複数の表示モードでディスプレイに画面を表示することが可能である。そして、制御部は、画面内に表示モード切り替えスイッチを表示し、該表示モード切り替えスイッチが指定されると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみのリストを、各表示モードを指定できるように表示する。更に、制御部は、1つの表示モードが指定されると、選択された該表示モードで画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のタッチパネルディスプレイを備えた情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末、パーソナルコンピュータなどの情報処理端末の中には2つのディスプレイを備えたものがある。また多くの情報処理端末はブラウザを有し、インターネット等のネットワーク上のWebページを閲覧することができる。
【0003】
また、画面が小さいという携帯型の情報処理端末の欠点を補うために、携帯型の情報処理端末に適したブラウザの機能や動作も提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術は、新たなWebページを開いたり、元のWebページに戻ったりする際の利便性を向上させる技術である。特許文献1の携帯情報端末は、Webページのリンク先ページ情報を取得して仮想画面に展開し、その一部をリンクオブジェクト近傍に開いた一時窓に表示することで、リンク先への移行を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−237776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は複数のディスプレイを備えた構成の情報処理端末を考慮したものでないため、複数のディスプレイを有効に利用するものとは言えない。
【0006】
本発明の目的は、複数のディスプレイを有する情報処理端末において利便性の高い画面表示を実現する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理端末は、
複数のディスプレイを有する表示部と、
前記ディスプレイへの表示形態が異なる複数の表示モードで前記ディスプレイに画面を表示することが可能であり、画面内に表示モード切り替えスイッチを表示し、該表示モード切り替えスイッチが指定されると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみのリストを、各表示モードを指定できるように表示し、1つの表示モードが指定されると、選択された該表示モードで画面を表示する制御部と、を有している。
【0008】
本発明の制御方法は、複数のディスプレイを有し、前記ディスプレイへの表示形態が異なる複数の表示モードで前記ディスプレイに画面を表示することが可能な情報処理端末の制御方法であって、
画面内に表示モード切り替えスイッチを表示し、
該表示モード切り替えスイッチが指定されると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみのリストを、各表示モードを指定できるように表示し、
1つの表示モードが指定されると、選択された該表示モードで画面を表示するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のディスプレイを有する情報処理端末において利便性の高い画面表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態による情報処理端末の正面図である。
【図2】第1の実施形態による情報処理端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】1画面表示モードの表示の一例を示す図である。
【図4】2画面表示モードの表示の一例を示す図である。
【図5】2画面表示モードの表示の他の例を示す図である。
【図6】全画面表示モードの表示の一例を示す図ある。
【図7】表示モード切り替えスイッチ25がタッチされたときの表示例を示す図である。
【図8】ユーザの選択によって各種設定を行う設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態による情報処理端末の正面図である。本実施形態の情報処理端末10は一例として通信機能を備えた携帯情報端末であり、開閉可能に接続された2つの筐体13、14からなり、各筐体13、14のそれぞれにディスプレイ11、12を備えている。2つのディスプレイ11、12は、筐体13と筐体14を開いた状態で表示面が同じ方向を向き、ユーザの視界に同時に入るように配置されている。
【0013】
図2は、第1の実施形態による情報処理端末の機能的な構成を示すブロック図である。図2を参照すると、情報処理端末10は表示部15および制御部16を有している。表示部15はディスプレイ11、12を有している。
【0014】
ディスプレイ11、12は、それぞれに画面を表示する機能と、ユーザの指やペンによるタッチ操作を検出する機能とを有するタッチパネル式の表示入力装置である。ディスプレイ11、12は、制御部16からの制御で画面を表示し、ユーザがタッチした位置を示すタッチ入力情報を制御部16に通知する。
【0015】
制御部16は、ディスプレイ11、12への操作によるユーザの指示に従って処理を実行し、処理に応じた画面をディスプレイ11、12に表示する。一例としてブラウザについて述べれば、制御部16は、ブラウザ機能を有し、ディスプレイ11、12への操作に応じてWebページ等のブラウザ画面をディスプレイ11、12へ表示する。
【0016】
ディスプレイ11、12へのブラウザ画面の表示形態には、1画面表示モード、全画面表示モード、2画面表示モードという複数の表示モードがある。
【0017】
図3は1画面表示モードの表示の一例、図4は2画面表示モードの表示の一例、図5は2画面表示モードの表示の他の例、図6は全画面表示モードの表示の一例をそれぞれ示している。図3−6においては、左側にディスプレイ11の表示、右側にディスプレイ12の表示が描かれている。
【0018】
1画面表示モードは、いずれか一方のディスプレイにブラウザ画面を表示する表示モードである。図3に示した1画面表示モードの例では、右側のディスプレイ12に検索画面22が表示され、左側のディスプレイ11には、ブラウザ画面以外の画面の例として背景画面21が示されている。検索画面22はブラウザ画面の一種である。図3の検索画面22には、ツールバーに表示モード切り替えスイッチ25が含まれている。表示モード切り替えスイッチ25は、ブラウザ画面の表示モードを切り替えるためのスイッチである。ユーザが表示モード切り替えスイッチ25をタッチすると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードだけをリスト化したプルダウンメニューが表示される。ユーザがプルダウンメニューのリストのいずれかの表示モードをタッチすると、ブラウザ画面の表示がタッチされた表示モードに切り替わる。
【0019】
2画面表示モードは、ディスプレイ11、12のそれぞれに別個のブラウザ画面を表示する表示モードである。2画面表示モードには更に2つの表示モードが含まれる。
【0020】
第1の2画面表示モードは、一方のディスプレイにWebページや検索画面の画面を表示し、他方のディスプレイにお気に入りのアイコンを配置した画面を表示する表示モードである。図4に示した第1の2画面表示モードの例では、ディスプレイ11にお気に入りWebページを指定するお気に入りアイコン24を配置したお気に入り画面23が表示され、ディスプレイ12に検索画面22が表示されている。お気に入り画面23もブラウザ画面の一種である。
【0021】
第2の2画面表示モードは、両方のディスプレイのそれぞれに別々のWebページの画面や検索画面を表示する表示モードである。図5に示した第2の2画面表示モードの例では、ディスプレイ11とディスプレイ12のそれぞれに検索画面22が表示されている。
【0022】
図4のお気に入り画面23と、図4、5の検索画面22には、ツールバーに表示モード切り替えスイッチ25が含まれている。
【0023】
全画面表示モードは、ディスプレイ11、12にわたって1つのブラウザ画面を表示する表示モードである。図6に示した全画面表示モードの例では、ディスプレイ11とディスプレイ12にわたって1つの検索画面22が表示されている。図6の検索画面22には、ツールバーに表示モード切り替えスイッチ25が含まれている。
【0024】
制御部16は、上述したように、表示モード切り替えスイッチ25をブラウザ画面のツールバーに表示する。そして、制御部16は、表示モード切り替えスイッチ25がタッチされると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードを指定可能に表示する。具体的には、制御部16は、表示モード切り替えスイッチ25がタッチされると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみのリストをプルダウン表示する。現在の表示モードから現在の表示モードへは移行する操作は必要ないため、表示モードのリストから現在の表示モードは除かれる。
【0025】
図7は、表示モード切り替えスイッチ25がタッチされたときの表示例を示す図である。図7を参照すると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみをリスト化したプルダウンメニュー30が表示されている。プルダウンメニュー30では、タッチされた表示モード切り替えスイッチ25の下に、移行が可能な表示モードが縦に並べて表示される。プルダウンメニュー30のリストの何れかの表示モードをユーザがタッチすると、ブラウザ画面がその表示モードに切り替わる。
【0026】
また、制御部16は、ブラウザ画面の種類により特定の表示モードによる表示を禁止し、特定の表示モードが禁止されたブラウザ画面の表示モード切り替えスイッチ25が指定されると、プルダウンメニュー30には、その特定の表示モード以外の表示モードを指定可能に表示する。
【0027】
例えば、制御部16は、左寄せの表示と右寄せの表示の組が同一行に表示されるブラウザ画面に対して、全画面表示モードによる表示を禁止する。これは、全画面モードで表示することで左寄せの表示と右寄せの表示の間が広くなり過ぎてしまうのを防止するものである。例えば、図8の例では、OS(オペレーションシステム)等に対してユーザの選択によって各種設定を行う設定画面26では、設定項目27が左寄せで表示され、その設定項目に対するチェックボックスの入力領域28が右寄せで表示されている。その設定画面26が全画面表示モードで表示されると、設定項目27と入力領域28が遠くなって使いづらい。そのような種類のブラウザ画面については全画面表示モードを禁止するとよい。
【0028】
なお、制御部16は、1画面表示モードから第2の2画面表示モードへの移行を禁止することにしてもよいし、許可することにしてもよい。1画面表示モードから第2の2画面表示モードへの移行を禁止する場合、制御部16は、1画面表示モードで表示されたブラウザ画面のプルダウンメニュー30に第2の2画面表示モードを含めない。1画面表示モードから第2の2画面表示モードへの移行を許可する場合、制御部16は、その指示を受けて新たに表示するブラウザ画面として、ブラウザ起動時に表示するホームページとして設定したWebページのブラウザ画面を表示してもよい。
【0029】
以上説明したように、本実施形態によれば、現在の表示モードから移行可能な表示モードを指定可能なリストにして表示するので、ディスプレイ11、12を有効に利用した様々な表示モードが可能な情報処理端末10において、ユーザが容易かつ迅速に所望の表示モードに切り替えることができる。
【0030】
また、本実施形態では、現在の表示モードから移行することが可能の表示モードのみのリストを表示するので、ユーザは移行が可能な表示モードを容易に把握することができるとともに、短い距離の指の動きで表示モードを切り替えることができる。
【0031】
また、本実施形態では、ブラウザ画面の種類によりユーザの視認性あるいは操作性が良くない表示モードが禁止されるので、ユーザは容易に視認性および操作性が良い表示モードを選択することができる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、情報処理端末10が2つのディスプレイ11、12を有する場合を例示したが、本発明がこの構成だけに限定されるものではない。他の実施形態として、情報処理端末10が3つ以上のディスプレイを有してもよい。その場合であっても、ブラウザ画面内の表示モード切り替えスイッチ25が指定されると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードを指定可能に表示し、1つの表示モードが指定されると、指定された該表示モードでブラウザ画面を表示するという制御部16の基本的な処理に違いは無い。
【0033】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 情報処理端末
11、12、12A、12B ディスプレイ
13、14 筐体
15 表示部
16 制御部
21 背景画面
22 検索画面
23 お気に入り画面
24 お気に入りアイコン
25 表示モード切り替えスイッチ
26 設定画面
27 設定項目
28 入力エリア
30 プルダウンメニュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディスプレイを有する表示部と、
前記ディスプレイへの表示形態が異なる複数の表示モードで前記ディスプレイに画面を表示することが可能であり、画面内に表示モード切り替えスイッチを表示し、該表示モード切り替えスイッチが指定されると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみのリストを、各表示モードを指定できるように表示し、1つの表示モードが指定されると、選択された該表示モードで画面を表示する制御部と、を有する情報処理端末。
【請求項2】
前記表示部のディスプレイは2つであり、
前記表示モードとして、いずれか1つのディスプレイに画面を表示する1画面表示モードと、2つのディスプレイにわたって1つの画面を表示する全画面表示モードと、2つのディスプレイのそれぞれに画面を表示する2画面表示モードとがある、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記制御部は、左寄せの表示と右寄せの表示の組が同一行に表示される画面に対して前記全画面表示モードによる表示を禁止する、請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示モード切り替えスイッチを前記画面のツールバーに表示する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項5】
複数のディスプレイを有し、前記ディスプレイへの表示形態が異なる複数の表示モードで前記ディスプレイに画面を表示することが可能な情報処理端末の制御方法であって、
画面内に表示モード切り替えスイッチを表示し、
該表示モード切り替えスイッチが指定されると、現在の表示モードから移行することが可能な表示モードのみのリストを、各表示モードを指定できるように表示し、
1つの表示モードが指定されると、選択された該表示モードで画面を表示する、情報処理端末の制御方法。
【請求項6】
前記ディスプレイは2つであり、
前記表示モードとして、いずれか1つのディスプレイに画面を表示する1画面表示モードと、2つのディスプレイにわたって1つの画面を表示する全画面表示モードと、2つのディスプレイのそれぞれに画面を表示する2画面表示モードとがある、請求項4に記載の情報処理端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−141903(P2012−141903A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−831(P2011−831)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】