説明

情報処理装置、および電力供給制御方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】GPSデバイスを有する機器における電力消費の低減、迅速な位置データの取得を可能とした構成を提供する。
【解決手段】GPSデバイスを有する情報処理装置、例えばビデオカメラなどの撮像装置において、撮影頻度を監視して使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する。本構成によりGPSデバイスにおける無駄な電力消費が防止され、バッテリの消費が抑えられる。また、GPSデバイスの間欠的な駆動によって、GPS衛星からの受信データである航法メッセージを有効期限内のデータに維持可能となり、新たなGPS衛星探索を行うことなく航法メッセージを利用した短時間での位置算出が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および電力供給制御方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、GPS(Grobal Positioning System)を適用した位置計測を実行する装置において、消費電力の低減を実現する情報処理装置、および電力供給制御方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型の情報処理装置や、撮像装置などにGPS(Grobal Positioning System)を備え、現在位置情報を取得可能として、取得した位置情報を摘要したデータ処理、例えばナビゲーションや、撮影画像の位置を撮影画像に対する属性データとして付与するなどの処理を行なうシステムが実現されている。
【0003】
しかし、このようなGPS技術の応用製品、例えばハンディ型GPSやカーナビゲーションなどの装置では、機器の利用中は、常にGPS受信モジュールに電源を供給し、継続的に衛星からの信号の受信、解析を行なう構成とするのが一般的である。しかし、携帯型の情報端末やビデオカメラや静止画撮影カメラなどの撮像装置においては、電池を電力供給源としており、消費電力をいかに抑制するかが重要な課題となっている。
【0004】
電池を電力供給源とし、GPS受信モジュールを搭載した機器において、GPS受信モジュールに対して継続的に電力を供給することは、過大な電力消費が発生し電池の消耗を早めるという問題がある。この電力消費の低減策の一つとして、GPS受信モジュールに対して、必要最小限の通電を行なう、例えば、間欠的に通電を行い間欠的に駆動を行なう方式が考えられる。しかし、間欠駆動を行なうとGPSモジュールの起動から位置情報の取得までの待ち時間が増大するという問題が発生する。
【0005】
位置取得までの待ち時間を減らすには、GPSモジュールが衛星から受信する航法データと呼ばれるGPS衛星が持つ航法メッセージ情報を有効的に活用し衛星捕捉、すなわち衛星からの電波の受信処理を短期間に終わらせる必要がある。しかし、航法メッセージには有効期限として設定される賞味期限(航法メッセージに含まれるアルマナックデータは3ヶ月、エフェメリスデータは2時間)がある。
【0006】
継続的に航法メッセージを受信する構成では、定常的なデータ更新が可能となり、有効期限内の航法メッセージ(アルマナックデータ、エフェメリスデータ)を記憶しておき、これらを適用して迅速な衛星補足が可能となる。しかし、前述の間欠駆動を行なう場合は、GPSモジュール内に記録されたデータが有効期限切れとなっている場合がある。この場合は、これらのデータを適用した効率的な衛星捕捉が実行できず、比較的長い処理時間を要する衛星捕捉プロセスを実行することが必要となり、結果としてGPSモジュールの起動から位置情報の取得までの時間が大幅に長くなり、タイムリーな位置情報が取得できなくなるという問題が発生する場合がある。
【0007】
例えばビデオカメラやあるいは静止画カメラなどにGPSモジュールを設け、撮影データの属性情報としてGPSモジュールから取得した位置情報を付加する処理を行なう構成の場合、ユーザが撮影を開始するタイミングにおいて、正確な位置情報が得られることが必要となるが、上述した間欠動作によって起動処理から位置情報までの時間が長くなると撮影データに対応する正確な位置情報の取得が不可能となるという問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、GPSモジュールを搭載した情報処理装置において、ユーザの情報処理装置の使用状況に応じて、GPSモジュールに対する電力供給の制御を行なう構成とすることで、消費電力を削減するとともに、ユーザの利用状況に応じてGPSモジュールからの位置情報取得処理の迅速化を図ることを可能とする情報処理装置、および電力供給制御方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、
情報処理装置であり、
衛星からの受信データに基づく位置算出処理を実行するGPS(Grobal Positioning System)デバイスと、
前記GPSデバイスに対する電力供給制御を実行する電源制御部と、
情報処理装置のユーザによる使用状況を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出し、算出した使用頻度が予め定めた閾値未満である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行させる制御を行う装置制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置にある。
【0010】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記装置制御部は、情報処理装置のユーザによる使用頻度が予め定めた閾値以上である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行う構成であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記装置制御部は、撮像装置における撮影頻度を算出し、算出した撮影頻度が予め定めた閾値未満である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行させ、算出した撮影頻度が予め定めた閾値以上である場合は、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行う構成であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記装置制御部は、定期的にGPSデバイスにおいて取得済み航法メッセージの有効期限検証を行い、取得済み航法メッセージの有効期限が切れている場合には、GPSデバイスに対して航法データの更新処理を実行させる制御を行う構成であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記装置制御部は、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間におけるGPSデバイスに対する電力供給再開タイミングを、装置制御部がGPSデバイスから位置情報を入力するタイミングに一致させたタイミングとして設定する制御を行なう構成であることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記装置制御部は、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間において、航法メッセージの有効期限未満の時間をGPSデバイスの電源OFFの最長時間とする設定とした制御を行なう構成であることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の第2の側面は、
GPS(Grobal Positioning System)デバイスを有する情報処理装置における電力供給制御方法であり、
情報処理装置のユーザによる使用状況を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出する使用頻度算出ステップと、
算出使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する電力供給制御制御ステップと、
を有することを特徴とする電力供給制御方法にある。
【0016】
さらに、本発明の電力供給制御方法の一実施態様において、前記電力供給制御ステップは、さらに、情報処理装置のユーザによる使用頻度が予め定めた閾値以上である場合は、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行うことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の電力供給制御方法の一実施態様において、前記電力供給制御ステップは、撮像装置における撮影頻度を算出し、算出した撮影頻度が予め定めた閾値未満である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行させ、算出した撮影頻度が予め定めた閾値以上である場合は、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行うステップであることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の電力供給制御方法の一実施態様において、前記電力供給制御方法において、さらに、定期的にGPSデバイスにおいて取得済み航法メッセージの有効期限検証を行い、取得済み航法メッセージの有効期限が切れている場合には、GPSデバイスに対して航法データの更新処理を実行させる制御を行うステップを有することを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の電力供給制御方法の一実施態様において、前記電力供給制御ステップは、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間におけるGPSデバイスに対する電力供給再開タイミングを、装置制御部がGPSデバイスから位置情報を入力するタイミングに一致させたタイミングとして設定する制御を行なうことを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の電力供給制御方法の一実施態様において、前記電力供給制御ステップは、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間において、航法メッセージの有効期限未満の時間をGPSデバイスの電源OFFの最長時間とする設定とした制御を行なう構成であることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明の第3の側面は、
GPS(Grobal Positioning System)デバイスを有する情報処理装置における電力供給制御を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
情報処理装置のユーザによる使用状況を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出する使用頻度算出ステップと、
算出使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する電力供給制御制御ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0022】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施例構成によれば、GPS(Grobal Positioning System)デバイスを有する情報処理装置、例えばビデオカメラなどの撮像装置において、情報処理装置のユーザによる使用状況、例えば撮像装置における撮影頻度を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出し、使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する構成としたので、GPSデバイスにおける無駄な電力消費が防止され、バッテリの消費が抑えられる。また、GPSデバイスの間欠的な駆動によって、GPS衛星からの受信データである航法メッセージを有効期限内の航法メッセージに維持することが可能となり、新たなGPS衛星探索を行うことなく航法メッセージを利用した短時間での位置算出が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の情報処理装置、および電力供給制御方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0026】
まず、図1を参照して、本発明の情報処理装置の実行する処理の概要について説明する。図1には、本発明の情報処理装置の例として撮像装置を示している。図に示す主として動画撮影を行なうビデオカメラ110、静止画撮影を行なうスチルカメラ120である。これらの撮像装置は、機器にGPSモジュール111,121を備えている。
【0027】
GPSモジュール111,121は、GPS電波を受信するアンテナ部、受信した電波の信号変換部、位置情報の計算部、計算結果の一時記憶部、情報処理装置(撮像装置)本体側の制御部(CPU)との通信を実行する通信部を有する例えばパッケージ化されたモジュールによって構成される。
【0028】
各撮像装置のGPSモジュール111,121は、宇宙空間に位置しGPS位置情報を送信するGPS衛星130a,130b,130c・・からの電波を受信し、地球上における現在の緯度経度座標、および受信時刻を取得する。この受信原理については一般のGPS受信方式と同等である。
【0029】
宇宙空間に位置する複数のGPS衛星の各々からは、宇宙空間のGPS衛星の位置を表す位置情報および時間情報を含む航法メッセージが送信されている。GPSモジュール111,121は、この航法メッセージから位置情報を割り出す。宇宙空間のGPS衛星の送信する航法メッセージには、衛星の位置情報としての天体暦データ(アルマナック(軌道暦)およびエフェメリス(衛星暦))および信号送信時刻情報が含まれる。
【0030】
GPSモジュール111,121は、位置情報としてGPSモジュール111,121の3次元的な位置(x、y、z)を求める。次元的な位置を求めるためには、少なくとも3個のGPS衛星の捕捉処理が必要である。すなわち、位置が確認された少なくとも3個のGPS衛星から航法メッセージを受信することが必要となる。そして、これら少なくとも3個のGPS衛星からの受信情報(航法メッセージ)を用いて、GPSモジュール111,121位置を、三角測量法を適用して決定する。
【0031】
三角測量法を用いてGPS受信機の現在の位置を決定するステップは、
[ステップ1]GPS衛星捕捉処理
GPSモジュール111,121において航法メッセージを受信可能な少なくとも3個のGPS衛星からのデータ受信を行い各GPS衛星の位置を確認する。
[ステップ2]GPSモジュール位置決定処理
GPSモジュール111,121から各GPS衛星までの距離を算出し、地球の中心に対するGPSモジュールの位置を、三角測量法に基づいて算出する。
【0032】
上述したステップ中、ステップ2の処理は、GPSモジュール内の演算処理によって実行可能である。一方、ステップ1の処理、すなわち、航法メッセージを受信可能な少なくとも3個のGPS衛星からのデータを受信して各GPS衛星の位置を確認する処理は、予め、おおよそのGPS衛星の位置情報を取得し、これを適用することが処理時間の短縮のために有効である。
【0033】
前述したように、GPS衛星の送信する航法メッセージには、衛星の位置情報としての天体暦データ(アルマナックおよびエフェメリス)が含まれており、GPSモジュールが継続的あるいは間欠的にデータ受信を行なっている場合、過去に受信済みのデータを利用することで衛星の現在位置を推測することができる。過去に受信済みのデータが利用できれば短時間でGPS衛星の捕捉、すなわちGPS衛星からのデータ受信を効率的に行なうことが可能となる。すなわち、上述のステップ1のGPS衛星捕捉処理を迅速に行なうことが可能となる。
【0034】
しかし、航法メッセージには有効期限として設定される賞味期限(アルマナックデータは3ヶ月、エフェメリスデータは2時間)がある。有効期限内のデータを保持している場合は、過去に受信済みのデータを利用することで衛星の現在位置を推測可能となり、効率的に短時間に上記ステップ1〜3の処理を実行でき、GPSモジュール111,121の位置算出を迅速に行なうことが可能となるが、有効期限内のデータを保持していない場合は、取得済みデータを適用した効率的なGPS位置推測が不可能となり、ゼロからのGPS衛星位置探索を行うことが必要となる。このような位置探索を行なうと、ステップ1の処理時間を短縮することができず、結果として、GPSモジュール111,121を適用した位置算出に時間を要することになる。
【0035】
GPSモジュール111,121を、常時、動作させて継続的に航法メッセージを受信すれば、常に有効期限内の航法メッセージを保持することができ、効率的なGPS衛星の捕捉が可能となる。しかし、このためには、GPSモジュールに継続的に電力を供給して、GPSモジュールを駆動させておかなければならない。一方、撮像装置110,120に設けられたGPSモジュール111,121は、その動作電力を撮像装置110,120の電池(バッテリ)から供給されており、電池の消耗は、できるだけ抑えることが要請される。
【0036】
本発明の情報処理装置の一例としての撮像装置110,120は、このような要請に対応するものであり、ユーザの情報処理装置(撮像装置110,120)の使用状況に応じて、GPSモジュール111,121に対する電力供給の制御を行なう構成とすることで、消費電力を削減するとともに、ユーザの利用状況に応じてGPSモジュールからの位置情報取得処理を迅速化することを可能とする。
【0037】
次に、図2〜図4を参照して、本発明の情報処理装置の一実施例としての撮像装置において実行するデータ処理例を説明する。まず、図2を参照して画像撮影時の処理例について説明する。図に示すように、撮像装置200は、モードとして動画あるいは静止画の撮影を実行する撮影モードと、撮影されたデータの再生を実行する再生モードとを有する。
【0038】
撮影モードにおいては、図2に示すように、撮像装置本体における撮像処理により画像データ201が取得され、さらに、GPSモジュールによってGPSモジュールの位置情報(緯度,経度)202が取得される。撮像装置内の撮影データ処理制御部211はこれらの情報を対応付けて撮影コンテンツ記憶部212に格納する。すなわち、各画像データに対応する属性データとして、GPSモジュールの取得した位置情報(緯度,経度)202が設定されて撮影コンテンツ記憶部212に格納される。
【0039】
次に、図3を参照して、撮影されたデータの再生を実行する再生モードにおける処理例について説明する。図3には、再生モードにおいて撮像装置のモニタに表示される4つの表示データ例(a)〜(d)を示している。これらの表示データ(a)〜(d)は、撮像装置内の表示制御部221の制御によって生成される。表示制御部221は、撮影コンテンツ記憶部212内のデータ、すなわち画像データおよび画像データの属性データとして記録された位置情報と、さらに、緯度経度情報に対応付けられたデータとしての地図、住所、撮影スポット情報などのデータを含む地図情報データベース222の情報、さらにGPSモジュール223から入力する位置情報を取得して表示データを生成する。
【0040】
例えば表示データ(a)は、地図情報をモニタに表示して、現在の位置情報をユーザに提示する表示例である。この表示は、GPSモジュール223から現在の位置情報を入力して、入力位置情報に従って地図上に現在位置を明示する情報を表示したものである。これは一般的なナビゲーション情報の表示例に相当する。
【0041】
表示データ(b)は、撮影コンテンツ記憶部212に格納された撮影済み画像データを表示するとともに、属性データとして画像データに対応付けて記録された位置情報に基づいて、地図情報データベース222から取得した地図データや、スポット情報に基づいて、撮影場所を文字表示した例である。
【0042】
表示データ(c)は、撮影コンテンツ記憶部212に格納された撮影済み画像データを撮影シーケンス順に並べ、地図上での撮影位置の遷移を示す表示を行なった表示例である。撮影データは、地図上にサムネイル画像として表示される。
【0043】
表示データ(d)は、撮影データと地図データとを併せて表示した例であり、撮影データの属性データとして記録された位置情報に基づいて、その位置情報に対応する
領域の地図をモニタの一部に表示した例である。
【0044】
さらに、撮影モードにおいては、図4に示すように、撮影データに対応する属性データとしての位置情報に基づいて、撮影コンテンツを撮影場所に対応するフォルダにまとめて格納する処理が可能である。例えば、撮影画像に対応する属性情報として取得される緯度経度情報に基づいて、撮影データ処理制御部211が、ある一定の緯度経度範囲にあるデータを1つのフォルダ、例えば[フランス2006夏]というタイトルを設定したフォルダに格納するといった処理によって、特定の領域に対応する撮影データを1つのファイルに集めて格納することができる。なお、撮影データには属性情報として撮影日時データも付与されており、この時間情報に基づく分類も可能である。
【0045】
撮像装置において実行可能なデータ処理例について説明したが、この他にも様々な処理が可能である。たとえば、撮影モード時でもGPSモジュールからの位置情報に基づいてユーザ撮影を補助することが可能である。例えば、現在撮影中の場所でGPS電波が受信可能かどうかをモニタ上に表示することや、カーナビゲーションのように現在位置を画面地図上で図示する処理や、あるいは撮影画面中に現在位置の地名情報を表示するなどの処理を行なうことが可能である。これらは、撮影時において、図3を参照して説明した表示制御部221の処理を実行させることで実現可能である。
【0046】
次に、図5を参照して、本発明の情報処理装置としての撮像装置の構成について説明する。図5には、GPSモジュールを有する撮像装置の構成部を、撮像装置本体310、電源制御部320、GPSモジュール330、電源(バッテリ)350に分けて示している。
【0047】
撮像装置本体310は、ビデオカメラあるいはスチルカメラとしての機能を有し、撮像処理および撮影データの再生処理機能を持ち、メイン制御部(ホストCPU)311、撮影データ等を記録するデータ記憶部(フラッシュメモリ)312、一次的なデータ記憶を行なうメモリ(SDRAM)314、表示部(モニタ)313を有する。
【0048】
電源制御部320は、例えばフロントパネルシステムによって構成され、フロントバネル制御部321、電源スイッチなどの各種スイッチからなる入力部322、撮影情報の表示などを行なう出力部323を有する。GPSモジュール330は、GPSデバイス340と、電源電圧コンバータ331を有する。GPSデバイス340は、電源電圧コンバータ331を介して所定電圧に変換された電力を入力して駆動する。GPSデバイス340は、衛星捕捉、航法メッセージ取得処理を実行し、航法データ記録、位置算出処理等を実行するデータ処理部341、取得した航法データや算出した位置データを記憶するメモリ(SRAM)342を有する。
【0049】
電源(バッテリ)350は、撮像装置本体310、電源制御部320、GPSモジュール330にそれぞれ電力を供給する。ただし、後述するように、GPSモジュール330に対する電力供給は、ユーザの撮像処理の実行状態に応じて制御される。なお、撮像装置本体310のメモリ(SDRAM)314、およびGPSデバイス340のメモリ(SRAM)342に対しては、セルフリフレッシュ処理用の電力が供給される。
【0050】
GPSデバイス340の駆動用電力の供給制御について説明する。GPSデバイス340の駆動用電力は、電源電圧コンバータ331を介してGPSデバイス340に入力される。この駆動用電力は、撮像装置本体310のメイン制御部(ホストCPU)311において計測されるユーザによる撮影の実行状況に基づいて制御される。
【0051】
撮像装置本体310のメイン制御部(ホストCPU)311は、ユーザの撮影頻度を計測し、予め定めた閾値以上の高い頻度での撮影が実行されていると判定された場合は、GPSデバイス340に対する継続的な電力供給を実行するように、フロントパネル制御部321に制御命令(コマンド)を出力し、フロントパネル制御部321は、GPSモジュール330の電源電圧コンバータ331を制御して、GPSデバイス340に対して継続的に電力供給を実行する。この継続的な電力供給期間は、GPSデバイス340において継続的な航法メッセージの受信、および位置算出処理が実行される。
【0052】
一方、撮像装置本体310のメイン制御部(ホストCPU)311において、ユーザの撮影頻度が予め定めた閾値未満の低い頻度での撮影が実行されていると判定した場合は、GPSデバイス340に対する継続的な電力供給を停止し、間欠的な電力供給を実行するように、フロントパネル制御部321に制御命令(コマンド)を出力する。フロントパネル制御部321は、GPSモジュール330の電源電圧コンバータ331を制御して、GPSデバイス340に対して間欠的に電力供給を実行する。この間欠的な電力供給期間は、GPSデバイス340において間欠的な航法メッセージの受信、および位置算出処理が実行される。
【0053】
すなわち、GPSデバイス340は、撮像装置本体の電源ON/OFF状態によらず、自立的に間欠的な測位動作を行う。電源制御部(フロントパネルシステム)320からのGPSデバイス340の電源ON指示が行われると電源電圧コンバータ331からGPSデバイスに電力が供給され、GPSデバイス340は測位動作を開始する。
【0054】
図5に示す構成図を参照して基本的な処理の流れについて説明する。まず、撮像装置本体310は、電源制御部(フロントパネルシステム)320の入力部322のユーザ操作により電源ONされると、電源制御部(フロントパネルシステム)322からの指令でGPSモジュール330内のGPSデバイス340も電源ON、すなわち電力が供給される。
【0055】
GPSデバイス340は、電力の供給が開始されると、まず、撮像装置本体310のデータ記憶部312からGPS衛星捕捉に必要な航法データのバックアップデータをロードし、GPS捕捉に利用する。すなわち、過去にGPSデバイス340によって取得された航法データ、すなわち、アルマナックおよびエフェメリスデータは、撮像装置本体310の不揮発性メモリとしてのデータ記憶部312に格納され、これらのデータを取得して、GPS衛星の捕捉を行なう。
【0056】
ただし、前述したように航法データは各々データ有効期間が設定されており、この有効期限が切れていた場合にはGPSデバイス340は、これらの取得済み航法メッセージを適用することができないため、ランダムにGPS衛星捕捉を行なうことが必要となる。
【0057】
GPSデバイス340によって、位置情報算出に必要なGPS衛星捕捉に成功すると、GPSデバイス340の取得した最新の航法データ、および算出した位置情報が撮像装置本体310に入力され、撮像装置本体310の制御部311は、電源制御部(フロントパネルシステム)320に対してGPSモジュール331を間欠駆動状態移行させるようにコマンドを出力する。その後、GPSモジュール331は、電源制御部(フロントパネルシステム)320からの指示で間欠駆動状態へと移行する。この後は、GPSデバイス340は、撮像装置本体310の電源ON/OFF状態の状態遷移とは自立して間欠的な測位動作を継続していく。
【0058】
この際に、GPSデバイス340のデータ処理部341において新規に取得された航法メッセージに基づく測位情報としての最新の位置情報はGPSデバイス340内のメモリ(SRAM)342に記憶される。撮像装置本体310が、次回、電源ONされた場合、撮像装置本体310上で動作するGPS制御アプリケーションによって、GPSデバイス340内のメモリ(SRAM)342に記憶された位置情報が読み出される。
【0059】
なお、このデータ読み出し時において、制御部311は、取得した位置情報および航法メッセージが撮像装置本体310の不揮発メモリであるデータ記憶部312に保管されたデータより新しいか否かを判定し、新しい場合には、その新しい取得データをデータ記憶部312に記憶し、データ更新を実行する。
【0060】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、本発明の情報処理装置としての撮像装置において実行されるGPSモジュールの電力供給制御シーケンスについて説明する。なお、このフローに従った処理制御は、撮像装置本体のメイン制御部(ホストCPU)の制御によって実行される処理である。まず、ユーザにより撮像装置に電源が投入されると、ステップS101において、GPSモジュールで稼動に必要な初期化設定が行われる。
【0061】
GPSモジュールの初期化が終わると、ステップS102において、撮像装置本体のメイン制御部(ホストCPU)の制御によって撮像装置側のアプリケーションが、GPSモジュールに対して、GPSモジュールがメモリに保持している最新の航法メッセージの有効期限を問い合わせ、取得済み航法メッセージの期限が有効期限ないであるかすでに期限切れであるかを判定する。
【0062】
すでに期限切れである場合には、ステップS121に進み、GPSデバイスを撮影行為のタイミングに関わらずに駆動させ、航法メッセージの更新を実行させる。これ以降、撮像装置側のアプリケーションは、ユーザの撮影頻度を監視する。撮像装置本体で実行するアプリケーションは、予め定めた撮影頻度閾値を保持し、この閾値と、実際にユーザによって行なわれている撮影処理状況を比較する。例えば静止画撮影処理においては、n枚/分、動画像撮影処理においては、nフレーム/分など、ユーザの撮影状況を監視し、撮影頻度データを取得して、取得した撮影頻度データと予め保持している閾値とを比較する。
【0063】
閾値との比較によって、ユーザの撮影頻度が低いと判定した場合(ステップS103:Yes)には、ステップS122に進み、消費電力を抑えるためにGPSデバイスを間欠的に駆動するように制御を実行する。すなわちGPSデバイスに対して間欠的な電力供給を実行し、間欠的に航法メッセージの受信、位置算出を実行させる。
【0064】
具体的には、先に、図5を参照して説明したように、撮像装置本体310のメイン制御部(ホストCPU)311において、ユーザの撮影頻度が予め定めた閾値未満の低い頻度での撮影が実行されていると判定した場合は、GPSデバイス340に対する継続的な電力供給を停止し、間欠的な電力供給を実行するように、フロントパネル制御部321に制御命令(コマンド)を出力する。フロントパネル制御部321は、GPSモジュール330の電源電圧コンバータ331を制御して、GPSデバイス340に対して間欠的に電力供給を実行する。この間欠的な電力供給期間は、GPSデバイス340において間欠的な航法メッセージの受信、および位置算出処理が実行される。
【0065】
一方、閾値との比較によって、ユーザの撮影頻度が低くないと判定した場合(ステップS103:No)には、ステップS104に進み、撮影タイミングにできるだけ追従した精度高い位置情報を取得するために衛星捕捉を常に行うようGPS受信モジュールを制御する。すなわちGPSデバイスに対して継続的な電力供給を実行し、継続的に航法メッセージの受信、位置算出を実行させる。
【0066】
すなわち、撮像装置本体310のメイン制御部(ホストCPU)311は、GPSデバイス340に対する継続的な電力供給を実行するように、フロントパネル制御部321に制御命令(コマンド)を出力し、フロントパネル制御部321は、GPSモジュール330の電源電圧コンバータ331を制御して、GPSデバイス340に対して継続的に電力供給を実行する。この継続的な電力供給期間は、GPSデバイス340において継続的な航法メッセージの受信、および位置算出処理が実行される。
【0067】
その後、ステップS105において、ユーザによる撮影行為が継続されているか(一時的に電源OFFされた状態も含む)否かを判定し、継続的に撮影が実行されている場合は、ステップS102以下の処理、すなわち、再度航法メッセージの有効期限のチェックから処理を繰り返し実行する。すなわち、撮影処理の実行期間は、撮像装置本体の制御部は、ステップS102において、定期的にGPSデバイスにおいて取得済み航法メッセージの有効期限検証を行い、取得済み航法メッセージの有効期限が切れている場合には、ステップS121に進みGPSデバイスに対して航法データの更新処理を実行させる。
【0068】
ステップS105において、ユーザによる撮影行為が継続されていないと判定された場合、例えば、撮影機器の電源がOFFにされ、ある一定の長時間電源が再度投入されない場合には、撮像装置本体およびGPSモジュールに対する電力供給を停止して処理を終了する。
【0069】
GPSデバイスにおける電力消費量について、図7、図8を参照して説明する。図7は、GPSデバイスに対する電源ONを実行して、GPS衛星捕捉を実行して、その後継続的に航法メッセージを取得した場合のGPSデバイスにおける電力消費量の推移を示している。横軸に時間t(sec)、縦軸にGPSデバイス電力消費量に対応する電流量(mA)を示している。
【0070】
時間t0においてGPSデバイスに電力供給が開始される。この時点(t0)では、取得済みの航法メッセージが利用できない期限切れであったものと仮定する。この場合、GPSデバイスは、位置計測に必要となる複数のGPSデバイスの捕捉処理を実行する。すなわち、複数のGPSデバイスの探索を行い、探索の結果、発見したGPS衛星からの航法メッセージの受信を行なうことが必要となる。この処理には、ほぼ70mAの電流が消費される。
【0071】
その後、時間(t1)において、GPS衛星の捕捉に成功し、有効期限内の航法メッセージがメモリに記録されると、その後は、新たなGPS衛星の探索を行う必要がなくなり、既に捕捉済みのGPS衛星を追尾するトラッキングモードに移行することができる。このトラッキングモードでは、有効期限内にある航法メッセージを適用した追尾が可能であり、消費電流は、約30mAに低減する。GPSデバイスにおいて継続的に航法メッセージの受信を行なう場合、継続的にGPSデバイスに対して30mAの電流を供給することが必要となる。
【0072】
図8は、間欠モードで、GPSデバイスに対して電力供給を実行する場合の例を示している。図8(1)は、撮像装置本体側のアプリケーションが、GPSモジュールからの位置情報の取得を行なうタイミングを示している。ON状態で、GPSモジュールからの位置情報の取得を行なう。(2)は、GPSデバイスの電源ON/OFFの状態遷移を示している。本例の場合間欠モードであり、ON状態とOFF状態が、予め定めた間欠モードの制御タイミングに従って切り替えられる。(3)は、GPSモジュールにおける電力消費量の推移を示している。
【0073】
時間(ta)においてGPSデバイスに電力供給が開始される。この時点(ta)では、図7の時間(t0)と同様、取得済みの航法メッセージが利用できない期限切れであったものと仮定する。この場合、GPSデバイスは、位置計測に必要となる複数のGPSデバイスの捕捉処理を実行する。すなわち、複数のGPSデバイスの探索を行い、探索の結果、発見したGPS衛星からの航法メッセージの受信を行なうことが必要となる。この処理には、ほぼ70mAの電流が消費される。
【0074】
その後、時間(tb)において、GPS衛星の捕捉に成功し、有効期限内の航法メッセージがメモリに記録されると、その後は、新たなGPS衛星の探索を行う必要がなくなり、既に捕捉済みのGPS衛星を追尾するトラッキングモードに移行することができる。このトラッキングモードでは、有効期限内にある航法メッセージを適用した追尾が可能であり、消費電流は、約30mAに低減する。
【0075】
ここで、時間(tc)において、撮像装置側のアプリケーションの監視処理によって、ユーザによる撮影頻度が予め設定された閾値未満であると判定された場合、GPSデバイスに対する電力供給は間欠モードに設定され、GPSデバイスに対する電力供給は、一旦停止される。その後、時間tdにおいて、アプリケーションが、GPSデバイスに対する位置情報取得要求を実行するタイミングで、GPSデバイスに対する電力供給が再開され、この時点で、GPSデバイスの消費電力が発生する。
【0076】
しかし、GPSデバイスに対する電力供給停止期間が、長期に至らない場合は、取得済みの航法メッセージが有効期限内に維持されることになり、新たなGPS衛星の探索を実行することなく、有効期限内の航法メッセージを適用したGPS衛星追尾が可能となる。すなわちトラッキングモードでの航法メッセージ受信が可能であり、低電力消費での処理が可能となる。この時間td〜teの期間で、新たな航法メッセージの取得に成功し、航法メッセージをメモリに格納して、算出した位置情報をアプリケーションに提供すると、GPSデバイスへの電力供給は停止され、消費電力は0となる。このような間欠モードでの処理を実行することで、消費電力が低減され、また、GPSデバイスに対する電力供給停止期間が、長期に至らない場合は、取得済みの航法メッセージが有効期限内に維持されることになり、有効期限内の航法メッセージを適用したGPS衛星からの新たな航法メッセージの取得が短時間で実行可能となる。
【0077】
なお、GPSデバイスに対する電力供給の再開タイミング[例えば図8の時間(td)]は、撮像装置本体の制御部によって制御されるタイミングである。図8に示した例では、撮像装置本体がGPSデバイスから位置情報を入力するタイミングに一致させて、GPSデバイスに対する電力供給の再開タイミングを設定した例を示しているが、この間欠制御におけるGPSデバイスに対する電源ON/OFFの間隔設定は様々な設定が可能である。例えば、一定の予め定めた時間間隔でON/OFFを繰り返す設定としてもよい。また、航法メッセージの有効期限未満の時間をGPSデバイスの電源OFFの最長時間とする設定としてもよい。このような設定とすることで、常に有効期限内の航法メッセージが利用可能な状態を維持することが可能となる。
【0078】
なお、上述した実施例では、GPSモジュールを撮像装置に内蔵した構成例を説明したが、例えばUSB接続などによって、外付けされたGPSシステムを適用する場合でも、電源が装置本体とGPSモジュール双方に共用されている場合には適用可能であり、電力削減効果、位置情報取得処理の迅速化が実現される。
【0079】
さらに、上述の実施例では、GPSモジュールと撮像装置本体の電源を共用する構成例を説明したが、電源をそれぞれ別に設定した構成であっても、GPSモジュールの電力消費を抑制する効果を実現可能であり、再起動速度の向上も図られ、位置情報取得処理の迅速化が実現される。
【0080】
また、上述の実施例では、撮像装置を例として説明したが、その他の様々なGPS搭載製品、例えば、カーナビゲーションやハンディ型GPS、携帯パソコン、携帯電話などの様々な情報処理装置においても本発明は適用可能である。
【0081】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0082】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0083】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0084】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0085】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上、説明したように、本発明の一実施例構成によれば、GPS(Grobal Positioning System)デバイスを有する情報処理装置、例えばビデオカメラなどの撮像装置において、情報処理装置のユーザによる使用状況、例えば撮像装置における撮影頻度を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出し、使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する構成としたので、GPSデバイスにおける無駄な電力消費が防止され、バッテリの消費が抑えられる。また、GPSデバイスの間欠的な駆動によって、GPS衛星からの受信データである航法メッセージを有効期限内の航法メッセージに維持することが可能となり、新たなGPS衛星探索を行うことなく航法メッセージを利用した短時間での位置算出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の情報処理装置の実行する処理の概要について説明する図である。
【図2】本発明の情報処理装置の一実施例としての撮像装置において実行するデータ処理例を説明する図である。
【図3】本発明の情報処理装置の一実施例としての撮像装置において実行するデータ処理例を説明する図である。
【図4】本発明の情報処理装置の一実施例としての撮像装置において実行するデータ処理例を説明する図である。
【図5】本発明の情報処理装置の一実施例としての撮像装置の構成について説明する図である。
【図6】本発明の情報処理装置の一実施例としての撮像装置において実行されるGPSモジュールの電力供給制御シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図7】GPSデバイスにおける電力消費量について説明する図である。
【図8】GPSデバイスにおける電力消費量について説明する図である。
【符号の説明】
【0088】
110 ビデオカメラ
111 GPSモジュール
120 スチルカメラ
121 GPSモジュール
130 GPS衛星
201 画像データ
202 位置情報
211 撮影データ処理制御部
212 撮影コンテンツ記憶部
221 表示制御部
222 地図情報データベース
223 GPSモジュール
310 撮像装置本体
311 メイン制御部(ホストCPU)
312 データ記憶部(フラッシュメモリ)
313 表示部(モニタ)
314 メモリ(SDRAM)
320 電源制御部320
321 フロントバネル制御部
322 入力部
323 出力部
330 GPSモジュール
331 電源電圧コンバータ
340 GPSデバイス
341 データ処理部
342 メモリ(SRAM)
350 電源(バッテリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であり、
衛星からの受信データに基づく位置算出処理を実行するGPS(Grobal Positioning System)デバイスと、
前記GPSデバイスに対する電力供給制御を実行する電源制御部と、
情報処理装置のユーザによる使用状況を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出し、算出した使用頻度が予め定めた閾値未満である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行させる制御を行う装置制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記装置制御部は、
情報処理装置のユーザによる使用頻度が予め定めた閾値以上である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行う構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記装置制御部は、
撮像装置における撮影頻度を算出し、算出した撮影頻度が予め定めた閾値未満である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行させ、算出した撮影頻度が予め定めた閾値以上である場合は、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行う構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記装置制御部は、
定期的にGPSデバイスにおいて取得済み航法メッセージの有効期限検証を行い、取得済み航法メッセージの有効期限が切れている場合には、GPSデバイスに対して航法データの更新処理を実行させる制御を行う構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記装置制御部は、
GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間におけるGPSデバイスに対する電力供給再開タイミングを、装置制御部がGPSデバイスから位置情報を入力するタイミングに一致させたタイミングとして設定する制御を行なう構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記装置制御部は、
GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間において、航法メッセージの有効期限未満の時間をGPSデバイスの電源OFFの最長時間とする設定とした制御を行なう構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
GPS(Grobal Positioning System)デバイスを有する情報処理装置における電力供給制御方法であり、
情報処理装置のユーザによる使用状況を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出する使用頻度算出ステップと、
算出使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する電力供給制御制御ステップと、
を有することを特徴とする電力供給制御方法。
【請求項8】
前記電力供給制御ステップは、さらに、
情報処理装置のユーザによる使用頻度が予め定めた閾値以上である場合は、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の電力供給制御方法。
【請求項9】
前記電力供給制御ステップは、
撮像装置における撮影頻度を算出し、算出した撮影頻度が予め定めた閾値未満である場合は、前記電源制御部に対して、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行させ、算出した撮影頻度が予め定めた閾値以上である場合は、GPSデバイスに対する継続的な電力供給を実行させる制御を行うステップであることを特徴とする請求項7に記載の電力供給制御方法。
【請求項10】
前記電力供給制御方法において、さらに、
定期的にGPSデバイスにおいて取得済み航法メッセージの有効期限検証を行い、取得済み航法メッセージの有効期限が切れている場合には、GPSデバイスに対して航法データの更新処理を実行させる制御を行うステップを有することを特徴とする請求項7に記載の電力供給制御方法。
【請求項11】
前記電力供給制御ステップは、
GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間におけるGPSデバイスに対する電力供給再開タイミングを、装置制御部がGPSデバイスから位置情報を入力するタイミングに一致させたタイミングとして設定する制御を行なうことを特徴とする請求項7に記載の電力供給制御方法。
【請求項12】
前記電力供給制御ステップは、
GPSデバイスに対する間欠的な電力供給の実行期間において、航法メッセージの有効期限未満の時間をGPSデバイスの電源OFFの最長時間とする設定とした制御を行なう構成であることを特徴とする請求項7に記載の電力供給制御方法。
【請求項13】
GPS(Grobal Positioning System)デバイスを有する情報処理装置における電力供給制御を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
情報処理装置のユーザによる使用状況を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出する使用頻度算出ステップと、
算出使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する電力供給制御制御ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−155577(P2007−155577A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353012(P2005−353012)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】