説明

情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム

【課題】解答のどの箇所でどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させること。
【解決手段】データベース100には、書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、書き込み操作の所要時間および書き込み操作の画像情報と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されている。情報処理装置が、(1)データベース100から消去操作2を選択する。情報処理装置が、(2)消去操作2の領域と重複し、消去操作2に先行する消去操作1が出現するまで、消去操作1の領域と重複し、消去操作2に先行する書き込み操作をデータベースから特定する。情報処理装置が、特定された書き込み操作2の所要時間と特定された書き込み操作2の画像情報101とを消去操作2の領域に関連付けて出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習を支援する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペン入力の書き込み操作や消去操作が可能な携帯端末を用いたe−learningでの記述式問題の解答過程において、ペン入力が所定時間ない場合、その時間は生徒が考えている時間とする技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
また、ペン入力の書き込み操作や消去操作が可能な携帯端末を用いたe−learningでの記述式問題の解答過程において、ペン入力に時間のかかっている領域を理解されていない箇所として検出し、色づけして教師端末に表示する技術が知られている(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【0004】
また、e−learningでの採点において、解答に応じてあらかじめ準備されたコメントを自動的に表示する技術が知られている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
【0005】
また、チェックボックスを選択させる方法を用いたe−learningでの解答過程において、生徒の解答時間やチェックボックスの選択回数に基づいて生徒の理解状況を分析する技術が知られている(たとえば、下記特許文献4参照。)。
【0006】
また、生徒が問題を解答するための所要時間を、該問題を把握するのにかかった把握時間と該問題を解答するのにかかった解答時間とに分離し、該問題の解答の正誤に基づいて生徒の能力を推定する技術が知られている(たとえば、下記特許文献5参照。)
【0007】
また、プログラミングの学習の解答過程において、フラグにより編集時間、コンパイル回数などの累積を視覚化する技術が知られている(たとえば、下記特許文献6参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−271654号公報
【特許文献2】特開2007−322776号公報
【特許文献3】特開2001−249608号公報
【特許文献4】特開2005−55550号公報
【特許文献5】特開2007−271886号公報
【特許文献6】特開2006−227218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ペン入力の書き込み操作や消去操作が可能な携帯端末を用いたe−learningでの記述式問題の解答過程のログと解答のみでは、生徒が具体的にどの箇所で悩んでいるのかが曖昧であるという問題点があった。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、解答のどの箇所でどの程度長く試行錯誤したかを明確化させることができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、前記書き込み操作の所要時間および前記書き込み操作の書き込み内容と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されたデータベースから、一の消去操作を選択し、選択された一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する書き込み操作を、前記データベースから特定し、特定された書き込み操作の所要時間と前記特定された書き込み操作の書き込み内容とを、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によれば、解答のどの箇所でどの程度長く試行錯誤したかを明確化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一例を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明のシステム例を示す説明図である。
【図3】図3は、サーバ201のハードウェア例を示すブロック図である。
【図4】図4は、生徒端末203_zのハードウェア例を示す説明図である。
【図5】図5は、生徒端末203_zの表示領域例を示す説明図である。
【図6】図6は、記述領域502の座標例を示す説明図である。
【図7】図7は、システム200の機能例を示すブロック図である。
【図8】図8は、生徒による一連の操作例を示す説明図(その1)である。
【図9】図9は、生徒による一連の操作例を示す説明図(その2)である。
【図10】図10は、生徒による一連の操作例を示す説明図(その3)である。
【図11】図11は、生徒による一連の操作例を示す説明図(その4)である。
【図12】図12は、生徒端末203_zによる解答入力処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、解答操作ログ表1300の一例を示す説明図である。
【図14】図14は、サーバ201によるログ蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、ログ分析部703の詳細な機能例を示すブロック図である。
【図16】図16は、解答操作ログ表1300から消去操作を抽出する例を示す説明図である。
【図17】図17は、消去操作表1700の一例を示す説明図である。
【図18】図18は、思考作業の抽出例を示す説明図である。
【図19】図19は、思考作業表1900の一例を示す説明図である。
【図20】図20は、試行錯誤過程の抽出例を示す説明図である。
【図21】図21は、試行錯誤過程表2100の一例を示す説明図である。
【図22】図22は、試行錯誤過程のグループ化例を示す説明図である。
【図23】図23は、サーバ201による情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】図24は、図23で示した消去操作抽出処理(ステップS2301)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図25】図25は、図24で示した消去操作表登録処理(ステップS2405(ステップS2408))の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図26】図26は、図24で示した思考作業抽出処理(ステップS2302)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図27】図27は、図23で示した試行錯誤過程抽出処理(ステップS2303)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図28】図28は、図27で示した書出操作リスト抽出処理(ステップS2704)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図29】図29は、図27で示した思考作業検索処理(ステップS2707)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図30】図30は、図23で示した試行錯誤過程グループ化処理(ステップS2304)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図31】図31は、表示例を示す説明図である。
【図32】図32は、教師端末202による情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一例を示す説明図である。データベース100には、書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、書き込み操作の所要時間および書き込み操作の画像情報と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されている。画像情報は、書き込み操作の書き込み内容であり、書き込み操作時のスナップショットである。また、書き込み内容としては、画像情報に限定せず、画像情報のファイル名や画像情報のファイルの保存場所であってもよい。
【0016】
情報処理装置が、(1)データベース100から消去操作2を選択する。情報処理装置が、(2)消去操作2の領域と重複し、消去操作2に先行する消去操作1が出現するまで、消去操作1の領域と重複し、消去操作2に先行する書き込み操作をデータベースから特定する。情報処理装置が、(3)特定された書き込み操作2の所要時間と特定された書き込み操作2の画像情報101とを消去操作2の領域に関連付けて出力する。
【0017】
(システム例)
図2は、本発明のシステム例を示す説明図である。システム200では、サーバ201と教師端末202と生徒端末203_1〜203_iとを有している。具体的には、たとえば、各生徒端末203は、ペン入力が可能なタブレット型のPCである。各生徒端末203が問題を解答し、ログをサーバ201へ送信する。サーバ201が、各生徒端末203から送信されるログを生徒端末203ごとに分析する。教師端末202は分析結果を表示する。本実施の形態では、1生徒端末203_z(z=1〜i)を例に挙げる。本実施の形態では、情報処理装置の一例として、サーバ201を挙げている。
【0018】
(サーバ201のハードウェア例)
図3は、サーバ201のハードウェア例を示すブロック図である。図3において、サーバ201は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、ディスプレイ308と、I/F(Interface)309と、キーボード310と、マウス311と、スキャナ312と、プリンタ313と、を備えている。また、各部はバス300によってそれぞれ接続されている。
【0019】
ここで、CPU301は、サーバ201の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0020】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0021】
ディスプレイ308は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ308は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0022】
I/F309は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク314に接続され、このネットワーク314を介して他の装置に接続される。そして、I/F309は、ネットワーク314と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F309には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0023】
キーボード310は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス311は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0024】
スキャナ312は、画像を光学的に読み取り、情報処理装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ312は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ313は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ313には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0025】
また、ここでは、教師端末202のハードウェアについては、サーバ201のハードウェア例と同一であるとし、詳細な説明は省略する。
【0026】
(生徒端末203_zのハードウェア例)
図4は、生徒端末203_zのハードウェア例を示す説明図である。生徒端末203_zは、CPU401と、ディスプレイ402と、センサ403と、I/F404と、RAM406と、ROM407と、フラッシュROM408と、を有している。生徒端末203_zは、フラッシュROMコントローラ409と、フラッシュROM410と、VRAM(Video RAM)411と、を有している。また、各部はバス400によってそれぞれ接続されている。
【0027】
ここで、CPU401は、生徒端末203_zの全体の制御を司る。ディスプレイ402は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ402は、たとえば、TFT液晶ディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ402とセンサ403が連動して動作することにより、ペン入力を検出する。
【0028】
I/F404は、通信回線を通じてLAN、WAN、インターネットなどのNET(ネットワーク)405に接続され、NET405を介して他の装置に接続される。そして、I/F404は、NET405と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F404には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。生徒端末203_z、I/F404を用いてNET405を介して図3で示したNET314に接続され、サーバ201と接続される。具体的には、たとえば、NET405とNET314は同一ネットワークである。
【0029】
VRAM411は、ディスプレイ402へ表示する画像情報を記録している。RAM406は、CPU401のワークエリアとして使用される。ROM407は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。フラッシュROM408は、OSなどのシステムソフトウェアやアプリケーションのプログラムを記憶している。RAM406はフラッシュROM408よりもCPU401からのアクセス速度が速い。
【0030】
フラッシュROMコントローラ409は、CPU401の制御に従ってフラッシュROM410に対するデータのリード/ライトを制御する。フラッシュROM410は、フラッシュROMコントローラ409の制御で書き込まれたデータを記憶する。フラッシュROM410は、たとえば、メモリカード、SDカードなどを採用することができる。
【0031】
(表示領域例)
図5は、生徒端末203_zの表示領域例を示す説明図である。生徒端末203_zのディスプレイ402の表示領域500は、問題領域501と、記述領域502と、解答領域503と、を有している。問題領域501には、問題が表示される。図5では、問題の一例として、小学校の算数での文章題が挙げられている。記述領域502には、問題の解答過程が生徒のペン入力によって記入される。解答領域503には、記述領域502に解答過程が記入された後で、答えが生徒のペン入力によって記入される。
【0032】
図6は、記述領域502の座標例を示す説明図である。記述領域502については、横方向がx座標であり、縦方向がy座標であり、各座標は座標(x,y)で表記される。記述領域502のうちの左上の座標が座標(0,0)である。ここでは、たとえば、各操作のペン座標は中心座標を示し、ペンのサイズがx方向とy方向にそれぞれ10ドットとする。ある操作のペン座標が座標(100,100)の場合、該操作のペンの矩形領域の4点の座標のうち、左上の座標は座標(95,95)であり、右下の座標は座標(105,105)である。
【0033】
(システム200の機能例を示すブロック図)
図7は、システム200の機能例を示すブロック図である。システム200において、生徒端末203_zは、問題表示解答入力部701を有している。システム200において、サーバ201は、ログ蓄積部702と、ログ分析部703を有している。システム200において、教師端末202は、解答分析結果表示部704を有している。
【0034】
まず、問題表示解答入力部701は、ディスプレイ402の問題領域501へ問題を表示する。問題表示解答入力部701は、生徒からのペン入力を受け付け、受け付けたペン入力ごとにログとディスプレイ402に表示される画像情報を取得する。ここでは、たとえば、キャプチャーソフトがVRAM411に記憶されているディスプレイ402へ表示させるデータを画像情報として順次フラッシュROM408に記憶させる。取得されたログは、RAM406などの記憶装置に記憶される。ここでは、操作時刻、操作種別、ペン種別、ペン状態、ペン座標を併せて一つのログとしている。操作時刻、操作種別、ペン種別、ペン状態、ペン座標の詳細については、後述する。画像情報は操作時刻と関連付けられて記憶される。問題表示解答入力部701は、取得したログと画像情報をサーバ201へ送信する。
【0035】
(一連の操作)
図8〜図11は、生徒による一連の操作例を示す説明図である。図8〜図11では、ある生徒がある問題の解答を導出するまでの一連の操作と各操作にかけた時間を示している。まず、生徒が、解答を開始すると、(1)考え(100秒)、(2)解答過程を記述領域502に書く(30秒)。ここで、考えているとは、無操作であることを示している。ここで、書き込みとは、ペン入力操作が行われていることである。
【0036】
生徒が、(3)考え(10秒)、(4)記述領域502に書かれた解答過程を消し(10秒)、(5)考え(60秒)、(6)解答過程を記述領域502に書く(20秒)。生徒が、(7)解答過程を記述領域502に書き(30秒)、(8)考え(30秒)、(9)解答過程を記述領域502に書き(30秒)、(10)消し(10秒)、(11)解答過程を記述領域502に書き(10秒)、(12)考える(30秒)。
【0037】
生徒が、(13)消し(10秒)、(14)解答過程を記述領域502に書き(100秒)、(15)考え(30秒)、(16)解答過程を記述領域502に書き(10秒)、(17)解答領域503に答えを書く(5秒)。生徒が、(18)考え(1秒)、(19)消し(10秒)、(20)解答過程を記述領域502に書き(20秒)、(21)考え(30秒)、終了する。
【0038】
(生徒端末203_zによる解答入力処理手順)
図12は、生徒端末203_zによる解答入力処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、生徒端末203_zが、ディスプレイ402へ問題を提示し(ステップS1201)、生徒からの解答操作の入力がある、または解答が終了であるか否かを判断する(ステップS1202)。
【0039】
生徒端末203_zが、生徒からの解答操作がなく、解答が終了でないと判断した場合(ステップS1202:No)、ステップS1202へ戻る。生徒端末203_zが、生徒からの解答操作の入力があると判断した場合(ステップS1202:操作)、ログと画像情報を取得する(ステップS1203)。
【0040】
生徒端末203_zが、ログと画像情報をサーバ201へ送信し(ステップS1204)、ステップS1202へ戻る。ステップS1202において、生徒端末203_zが、解答が終了であると判断した場合(ステップS1202:終了)、一連の処理を終了する。
【0041】
図7に戻って、ログ蓄積部702は、生徒端末203_zからログと画像情報を受信する。ログ蓄積部702は、受信したログを解答操作ログ表1300に登録し、ログ蓄積部702は、画像情報群705にログの操作時刻と関連付けて画像情報を記録する。
【0042】
(解答操作ログ表1300)
図13は、解答操作ログ表1300の一例を示す説明図である。図13において、解答操作ログ表1300は、操作時刻、操作種別、ペン種別、ペン状態およびペン座標のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることで、各ログ(たとえば、ログ1301_1〜ログ1301_m)がレコードとして記憶されている。解答操作ログ表1300では、ログが時系列に並んでいる。
【0043】
操作時刻は操作を行った時刻である。操作種別は操作の種別である。ペンを画面におろした場合、「DOWN」であり、ペンを画面から離した場合、「UP」であり、ペンを移動させた場合、「MOVE」であり、ペン種別を設定する場合、「SET」である。ペン種別はペン操作時の種別であり、「ペン」または「消しゴム」のいずれかである。
【0044】
ペン状態は、操作後のペン状態である。ペンが下りている場合、「UP」である。ペンが画面から離れている場合、「DOWN」である。ペン座標は、解答画面を座標で表した際のペンの操作後の位置である。解答操作ログ表1300は、たとえば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0045】
ここで、本実施の形態では、消去操作を、ペン種別が「消しゴム」である時間的に連続する操作群とする。本実施の形態では、書き込み操作を、ペン種別が「ペン」である時間的に連続する操作群とする。
【0046】
(サーバ201によるログ蓄積処理手順)
図14は、サーバ201によるログ蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。サーバ201が、生徒端末203_zからのログと画像情報を受け取り(ステップS1401)、ログを解答操作ログ表1300に格納する(ステップS1402)。サーバ201が、ログの操作時刻に画像情報を関連付けて格納し(ステップS1403)、一連の処理を終了する。
【0047】
図7に戻って、ログ分析部703は、解答操作ログ表1300に登録されたログと、画像情報に基づいて、生徒端末203_zを操作した生徒の解答過程を分析する。分析の開始は、たとえば、教師端末202から分析要求があった際に行ってもよいし、ある時刻になったら開始させることとしてもよく、特に限定していない。図15によりログ分析部703の詳細な機能例を説明する。
【0048】
図15は、ログ分析部703の詳細な機能例を示すブロック図である。ログ分析部703は、抽出部1501と、選択部1502と、特定部1503と、所要時間算出部1504と、思考時間算出部1505と、判断部1506と、出力部1507と、を有している。抽出部1501〜出力部1507は情報処理プログラムにコーディングされ、該情報処理プログラムは、ROM302、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。たとえば、CPU301が、該記憶装置にアクセスして該情報処理プログラムを読み出し、該情報処理プログラム内にコーディングされている処理を実行する。これにより、抽出部1501〜出力部1507の処理がCPU301により実行される。
【0049】
抽出部1501は、解答操作ログ表1300のログのペン種別に基づいて消去操作と該消去操作が行われた領域を抽出する。たとえば、抽出結果は消去操作表1700に登録され、消去操作表1700はRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶される。
【0050】
選択部1502は、消去操作表1700から一の消去操作を選択する。特定部1503は、選択部1502により選択された一の消去操作の領域と重複し、一の消去操作に先行する他の消去操作が出現するまで、一の消去操作の領域と重複し、一の消去操作に先行する書き込み操作を、解答操作ログ表1300から特定する。所要時間算出部1504は、特定部1503により特定された書き込み操作の所要時間を解答操作ログ表1300の操作時刻に基づいて算出する。出力部15071507は、所要時間算出部1504により算出された所要時間と特定された書き込み操作の書き込み内容とを、一の消去操作の領域に関連付けて出力する。
【0051】
また、選択部1502は、領域が重複する消去操作群を選択してもよい。特定部1503は、選択部1502により選択された消去操作群の消去操作ごとに消去操作群の消去操作の領域と重複し、消去操作群の消去操作に先行する書き込み操作を、解答操作ログ表1300から特定する。所要時間算出部1504は、消去操作群の消去操作ごとに特定部1503により特定された書き込み操作の所要時間を解答操作ログ表1300の操作時刻に基づいて算出する。出力部1507は、特定部1503により消去操作群の消去操作ごとに所要時間算出部1504により算出された所要時間と特定された書き込み操作の書き込み内容とを、消去操作群で重複する領域に関連付けて出力する。
【0052】
また、思考時間算出部1505は、特定部1503により特定された書き込み操作の終了時刻から一の消去操作の開始時刻までの一の思考時間を算出する。判断部1506は、思考時間算出部1505により算出された一の思考時間が所定時間以上であるか否かを判断する。
【0053】
出力部1507は、判断部1506により一の思考時間が所定時間以上であると判断された場合、一の思考時間と特定された書き込み操作の所要時間と特定された書き込み操作の書き込み内容とを一の消去操作の領域に関連付けて出力する。また、出力部1507は、判断部1506により一の思考時間が所定時間以上であると判断された場合、一の思考時間と所要時間算出部1504により算出された所要時間とを一の消去操作の領域に関連付けて出力してもよい。
【0054】
また、思考時間算出部1505は、特定された書き込み操作が複数ある場合、特定された複数の書き込み操作のうちの一の書き込み操作の時刻と特定された複数の書き込み操作のうちの他の書き込み操作の時刻との他の思考時間を算出する。判断部1506は、思考時間算出部1505により算出された他の思考時間が所定時間以上であるか否かを判断する。
【0055】
出力部1507は、判断部1506により他の思考時間が所定時間以上であると判断された場合、一の思考時間と他の思考時間と特定された書き込み操作の書き込み内容とを一の消去操作の領域に関連付けて出力する。また、出力部1507は、判断部1506により他の思考時間が所定時間以上であると判断された場合、一の思考時間と他の思考時間と所要時間算出部1504により算出された所要時間とを一の消去操作の領域に関連付けて出力してもよい。また、出力部1507は、一の思考時間と他の思考時間と所要時間算出部1504により算出された所要時間との合計値を一の消去操作の領域に関連付けて出力してもよい。以上を踏まえて詳細に説明する。
【0056】
図16は、解答操作ログ表1300から消去操作を抽出する例を示す説明図である。具体的には、たとえば、CPU301が、解答操作ログ表1300から消去操作を抽出する。上述したように消去操作とは、ペン種別が「消しゴム」である時間的に連続する操作群である。たとえば、CPU301が、解答操作ログ表1300のログを先頭から順に操作Aとして選択し、操作Aの次のログを操作Bとして選択する。
【0057】
たとえば、CPU301が、操作Aの操作時刻から操作Bの操作時刻までの時間が所定時間以上であるか否かを判断する。たとえば、CPU301が、操作Aの操作時刻から操作Bの操作時刻までの時間が所定時間以上であると判断した場合、消去操作リストLから消去操作データDを作成する。図16において、消去操作データDは、開始時刻、終了時刻、消去領域のフィールドを有する。開始時刻は、消去操作のうちの最初の操作の操作時刻である。終了時刻は、消去操作のうちの最後の操作の操作時刻である。消去領域は、消去操作により消去された矩形領域の左上座標と右下座標との座標データである。
【0058】
また、たとえば、CPU301が、操作Aのペン種別が「消しゴム」であり、かつ操作Bのペン種別が「ペン」である場合、消去操作リストLから消去操作データDを作成する。また、たとえば、CPU301が、操作Aのペン種別と操作Bのペン種別がともに「消しゴム」の場合、操作Bを消去操作リストLに追加する。また、たとえば、CPU301が、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Bのペン種別が「消しゴム」である場合、操作Bを消去操作リストLに追加する。
【0059】
たとえば、操作Aがログ1301_1であり、操作Bがログ1301_2である場合、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Bのペン種別が「ペン」であるため、消去操作リストLに操作Bは登録されない。
【0060】
たとえば、操作Aがログ1301_nであり、操作Bがログ1301_n+1である場合、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Bのペン種別が「消しゴム」であるため、操作Bが消去操作リストLに登録される。また、ログ1301_n+2〜ログ1301_mまでのペン種別が「消しゴム」であるため、ログ1301_n+2〜ログ1301_mが消去操作リストLに登録される。
【0061】
たとえば、操作Aがログ1301_mであり、操作Bがログ1301_m+1である場合、操作Aのペン種別が「消しゴム」であり、操作Bのペン種別が「ペン」であるため、消去操作データDが作成される。図16では、消去操作リストLにログ1301_n+1〜ログ1301_mが登録されている。つぎに、消去操作データDの作成を詳細に説明する。
【0062】
たとえば、CPU301が、消去操作データDの開始時刻を消去操作リストLの先頭の要素の操作時刻に設定する。ここでは、先頭の要素であるログ1301_n+1の操作時刻が消去操作データDの開始時刻に設定されるため、消去操作データDの開始時刻が9時02分40秒100となる。
【0063】
たとえば、CPU301が、消去操作リストLの要素を先頭から順に要素Eとして選択する。まずは、ログ1301_n+1が要素Eである。たとえば、CPU301が、要素Eの操作時刻を消去操作データDの終了時刻に設定する。ここでは、ログ1301_n+1の操作時刻が消去操作データDの終了時刻に設定されるため、消去操作データDの終了時刻が9時02分40秒100となる。
【0064】
たとえば、CPU301が、要素Eのペン種別が「消しゴム」であり、かつ要素Eのペン状態が「DOWN」であるか否かを判断する。要素Eのペン種別が「消しゴム」であり、かつ要素Eのペン状態が「DOWN」である場合、CPU301が、消去操作データDの消去領域に要素Eの座標データに基づき1「消しゴム」操作で消去される領域を追加する。ここでは、上述したように1「消しゴム」操作で消去される領域の大きさは、幅10ドット、高さ10ドットを一例として挙げる。
【0065】
たとえば、要素Eとしてログ1301_n+2が選択されると、ログ1301_n+2の操作時刻が消去操作データDの終了時刻に設定されることにより、消去操作データDの終了時刻が9時02分20秒300となる。ログ1301_n+2のペン種別が「消しゴム」であり、ログ1301_n+2のペン状態が「DOWN」であるため、消去操作データDの消去領域にログ1301_n+2のペン座標に基づく「消しゴム」の領域が登録される。たとえば、ログ1301_n+2のペン座標が座標(105,109)であるため、消去操作データDの消去領域には、座標(100,104)−座標(110,114)が登録される。座標(100,104)が消去領域の左上の座標であり、座標(110,114)が消去領域の右下の座標である。
【0066】
たとえば、CPU301が、消去操作リストLの要素から未選択な要素がない場合、消去操作データDを消去操作表1700に追加する。つぎに、図17を用いて、すべての消去操作が登録された消去操作表1700の例を示す。
【0067】
(消去操作表1700)
図17は、消去操作表1700の一例を示す説明図である。図17において、消去操作表1700は、開始時刻、終了時刻および消去領域のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることで、各消去操作(たとえば、消去操作1701_1)がレコードとして記憶されている。
【0068】
消去操作表1700の開始時刻、終了時刻、消去領域については、それぞれ消去操作データDの開始時刻、終了時刻、消去領域と同一であるため、詳細な説明を省略する。消去操作表1700は、たとえば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0069】
図18は、思考作業の抽出例を示す説明図である。つぎに、思考作業の抽出について詳細に説明する。たとえば、CPU301が、解答操作ログ表1300の先頭のログから順に操作Aとして選択し、操作Aの次のログを操作Bとして選択する。
【0070】
たとえば、CPU301が、操作Aの操作時刻から操作Bの操作時刻までの時間を算出する。CPU301が、算出した時間が所定時間以上であるか否かを判断する。CPU301が、算出した時間が所定時間以上であれば、操作Aの操作時刻を思考作業表1900の開始時刻に登録し、操作Bの操作時刻を思考作業表1900の終了時刻に登録することにより、1思考作業が思考作業表1900に登録される。CPU301が、操作Bを操作Aとし、新たな操作Aの次のログを操作Bとし、思考作業表1900への登録処理を繰り返し、解答操作ログ表1300を順に辿る。
【0071】
たとえば、ログ1301_nが操作Aであり、ログ1301_n+1が操作Bの場合、ログ1301_nの操作時刻が9時02分30秒000であり、ログ1301_n+1の操作時刻が9時02分40秒100である。ログ1301_nの操作時刻からログ1301_n+1の操作時刻までは10[秒]である。よって、ログ1301_nの操作時刻が思考作業表1900の開始時刻に登録され、ログ1301_n+1の操作時刻が思考作業表1900の終了時刻へ登録される。
【0072】
たとえば、ログ1301_m+1が操作Aであり、ログ1301_m+2が操作Bの場合、ログ1301_m+1の操作時刻が9時02分50秒300であり、ログ1301_m+2の操作時刻が9時03分50秒300である。ログ1301_m+1の操作時刻からログ1301_m+2の操作時刻までは60[秒]である。よって、ログ1301_m+1の操作時刻が思考作業表1900の開始時刻へ登録され、ログ1301_m+2の操作時刻が思考作業表1900の終了時刻へ登録される。
【0073】
(思考作業表1900)
図19は、思考作業表1900の一例を示す説明図である。思考作業表1900は、開始時刻、終了時刻のフィールドを有している。各フィールドに情報が設定されることで、思考作業(たとえば、思考作業1901_1〜1901_2)がレコードとして記憶されている。
【0074】
開始時刻は生徒が考える作業を開始した時刻である。具体的には、たとえば、開始時刻は、操作時刻間が所定時間以上ある2つの操作のうち、先の操作の操作時刻である。終了時刻は生徒が思考作業を終了した時刻である。具体的には、たとえば、終了時刻は、操作時刻間が所定時間以上ある2つの操作のうち、後ろの操作の操作時刻である。思考作業表1900は、たとえば、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0075】
図20は、試行錯誤過程の抽出例を示す説明図である。具体的には、たとえば、CPU301が、消去操作表1700の先頭の消去操作を対象の消去操作データDとして選択する。試行錯誤工程Pは、試行錯誤過程ID、対象領域、画面情報、書出操作時間、消去操作時間、思考作業時間、試行錯誤時間を設定可能な情報である。
【0076】
試行錯誤過程IDは、本明細書において説明上用いる各試行錯誤過程の識別子である。対象領域は、消去操作で消された領域である。画面情報は、消去操作に先行する書き込み操作の終了時の画像情報に関する情報である。画面情報とは、具体的には、たとえば、ディスプレイに表示された画像情報のファイル名や画像情報の保存場所である。
【0077】
書出操作時間は、消去操作の領域と重複し、消去操作に先行する書き込み操作の所要時間である。消去操作時間は、消去操作の所要時間である。思考作業時間は、消去操作から、該消去操作よりも前に行われた書き込み操作までの無操作の時間や該書き込み操作が複数ある場合、書き込み操作間の無操作の時間である。試行錯誤時間は、書出操作時間と、消去操作時間と、思考作業時間と、の合計値である。
【0078】
たとえば、CPU301が、消去操作データDの開始時刻から消去操作データDの終了時刻までの時間を試行錯誤過程Pの消去操作時間に設定する。たとえば、CPU301が、消去操作データDより以前に行われた消去操作に関する前段階消去操作リストMを作成する。ここで選択されている消去操作データDは消去操作表1700の先頭の消去操作1701_1であるため、前段階消去操作リストMは空である。
【0079】
たとえば、CPU301が、解答操作ログ表1300から、消去操作データDの開始時刻と一致する操作時刻を有するログを検索する。ここでは、ログ1301_n+1が検索される。たとえば、CPU301が、検索されたログ1301_n+1より時間的に1前のログ1301_nを操作Aとして選択する。
【0080】
たとえば、CPU301が、操作Aの操作種別が「MOVE」であり、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Aのペン状態が「DOWN」であり、かつ操作Aのペン座標が消去操作データDの消去領域に含まれるか否かを判断する。ここでは、ログ1301_nである操作Aの操作種別が「UP」であり、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Aのペン状態が「UP」であるため、CPU301が、ログ1301_nの時間的に一つ前のログ1301_n−1を新たな操作Aとして選択する。
【0081】
たとえば、ログ1301_5が操作Aの場合、操作Aの操作種別が「MOVE」であり、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Aのペン状態が「DOWN」であり、かつ操作Aのペン座標が消去操作データDの消去領域に含まれる。たとえば、CPU301が、操作Aのペン座標が前段階消去操作リストMに含まれる消去操作のいずれの消去領域にも含まれないか否かを判断する。ここでは、前段階消去操作リストMは空であるため含まれない。
【0082】
たとえば、CPU301が、選択可能なログがない場合、書出操作リストの各ログの操作時刻により書き込み操作の所要時間を算出する。たとえば、CPU301が、算出した書き込み操作の所要時間を試行錯誤過程Pの書出操作時間に設定する。
【0083】
たとえば、CPU301が、思考作業表1900から終了時刻が消去操作データDの開始時刻と一致する思考作業を検索する。ここでは、思考作業1701_1が検索される。たとえば、CPU301が、思考作業1701_1の開始時刻から思考作業1701_1の終了時刻までの時間を算出する。ここでは、算出結果が10秒である。たとえば、CPU301が、試行錯誤過程Pの思考作業時間に設定する。
【0084】
たとえば、CPU301が、試行錯誤過程Pの消去操作データDの直前の時刻の画面の状態を画像情報として、試行錯誤過程Pの画面情報に設定する。たとえば、CPU301が、試行錯誤過程Pの書出操作時間と試行錯誤過程Pの思考作業時間と試行錯誤過程Pの消去操作時間との合計時間を算出する。たとえば、CPU301が、算出した合計時間を試行錯誤過程Pの試行錯誤時間に設定する。
【0085】
たとえば、CPU301が、消去操作データDの消去領域に含まれる座標を包含する最小の領域の左上の座標と右下の座標を試行錯誤過程Pの対象領域に設定する。たとえば、CPU301が、試行錯誤過程Pを試行錯誤過程表に追加する。
【0086】
(試行錯誤過程表2100)
図21は、試行錯誤過程表2100の一例を示す説明図である。試行錯誤過程表2100は、試行錯誤過程ID、対象領域、画面情報、書出操作時間、消去操作時間、思考作業時間、試行錯誤時間のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることで、各エントリがレコードとして記憶されている。
【0087】
試行錯誤過程IDは、本明細書において説明上用いる各試行錯誤過程の識別子である。対象領域は、消去操作の領域である。画面情報は、消去操作の直前の時刻の画面の状態の画像情報に関する情報である。画面情報とは、具体的には、たとえば、画像情報のファイル名や画像情報の保存場所である。書出操作時間は、消去操作に先行する書き込み操作の所要時間である。消去操作時間は、消去操作の所要時間である。
【0088】
思考作業時間は、消去操作と消去操作に先行する書き込み操作との間での思考時間である。さらに、思考作業時間は、消去操作に先行する書き込み操作が複数ある場合、複数の書き込み操作のうちの一の書き込み操作と他の書き込み操作との間での思考時間も含まれる。試行錯誤時間は、書出操作時間と、消去操作時間と、思考作業時間と、の合計値である。試行錯誤過程表2100は、たとえば、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0089】
図22は、試行錯誤過程のグループ化例を示す説明図である。具体的には、たとえば、CPU301が、試行錯誤過程表2100を複製する。CPU301が、複製した試行錯誤過程表2210のエントリおよび試行錯誤過程グループ表2200のエントリのすべての組み合わせに対して、対象領域の重複する重複領域の面積を計算する。試行錯誤過程グループ表2200は空であるため、複製した試行錯誤過程表2210のエントリの組み合わせに対して、対象領域の重複する重複領域の面積を計算する。試行錯誤過程グループ表2200の詳細については後述する。
【0090】
たとえば、エントリの組み合わせとしては、エントリ2211_1とエントリ2211_2の組み合わせと、エントリ2211_1とエントリ2211_3の組み合わせと、エントリ2211_1とエントリ2211_4の組み合わせと、がある。たとえば、エントリの組み合わせとしては、エントリ2211_2とエントリ2211_3の組み合わせと、エントリ2211_2とエントリ2211_4の組み合わせと、エントリ2211_3とエントリ2211_4の組み合わせと、がある。対象領域が重複するエントリの組み合わせは、エントリ2211_1とエントリ2211_4の組み合わせとエントリ2211_2とエントリ2211_3の組み合わせである。
【0091】
エントリ2211_1とエントリ2211_4の組み合わせにおいて、重複する重複領域の面積は下記である。
(800−110)×(300−110)
=690×190
=131100
【0092】
エントリ2211_2とエントリ2211_3において、重複する重複領域の面積は下記である。
(920−800)×(510−420)
=120×90
=10800
【0093】
たとえば、CPU301が、算出した面積が最も大きいエントリの組み合わせを、重複領域の最も大きい組み合わせとして選択する。ここでは、エントリ2211_1とエントリ2211_4の組み合わせが選択される。たとえば、CPU301が、新たに試行錯誤過程グループを作成し、試行錯誤過程グループ表2200に選択した組み合わせを追加する。
【0094】
ここで、試行錯誤過程グループ表2200は、グループID、グループに含まれる試行錯誤過程ID、操作領域、試行錯誤時間のフィールドを有している。各フィールドに情報が設定されることで、各エントリがレコードとして記憶される。
【0095】
グループIDは、作成された試行錯誤過程グループを識別する識別子である。グループに含まれる試行錯誤過程IDは、作成された試行錯誤過程グループに属する試行錯誤過程IDである。操作領域は、作成された試行錯誤過程グループに属する試行錯誤過程IDが示すエントリのすべての対象領域を包含可能な最小領域である。試行錯誤時間は、試行錯誤過程グループに属する試行錯誤過程IDが示すエントリのすべての試行錯誤時間の合計値である。試行錯誤過程グループ表2200は、たとえば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0096】
図22において、試行錯誤過程グループ表2200のグループIDにG1が登録され、グループに含まれる試行錯誤過程IDにはエントリ2211_1のT1とエントリ2211_4のT4が登録される。操作領域には座標(100,100)−座標(900,330)が登録され、試行錯誤時間には、エントリ2211_1の試行錯誤時間である50とエントリ2211_4の試行錯誤時間である30との合計値である80が登録される。
【0097】
たとえば、CPU301が、複製した試行錯誤過程表2210からエントリ2211_1とエントリ2211_4を削除する。たとえば、CPU301が、複製した試行錯誤過程表2210のエントリおよび試行錯誤過程グループ表2200のエントリのすべての組み合わせに対して、重複領域の面積を計算する。ここでは、エントリの組み合わせは、エントリ2201_1とエントリ2211_2の組み合わせと、エントリ2201_1とエントリ2211_3の組み合わせと、エントリ2211_2とエントリ2211_3の組み合わせである。
【0098】
エントリ2201_1とエントリ2211_2の組み合わせと、エントリ2201_1とエントリ2211_3とは、それぞれ重複領域がない。エントリ2211_2とエントリ2211_3の組み合わせの重複領域の面積は、上述のように10800である。たとえば、CPU301が、新たに試行錯誤過程グループを作成し、試行錯誤過程グループ表2200にエントリ2211_2とエントリ2211_3の組み合わせに対応するエントリを追加する。
【0099】
図22において、試行錯誤過程グループ表2200のグループIDにG2が登録され、グループに含まれる試行錯誤過程IDにはエントリ2211_2のT2とエントリ2211_3のT3とが登録される。操作領域には座標(100,400)−座標(930,600)が登録され、試行錯誤時間には、エントリ2211_2の試行錯誤時間である20とエントリ2211_3の試行錯誤時間である30との合計値である70が登録される。
【0100】
たとえば、CPU301が、複製した試行錯誤過程表2210からエントリ2211_2とエントリ2211_3を削除する。たとえば、CPU301が、複製した試行錯誤過程表2210のエントリが空であるため、グループ化の処理を終了する。
【0101】
(サーバ201による情報処理手順)
図23は、サーバ201による情報処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、サーバ201が、消去操作抽出処理を実行し(ステップS2301)、思考作業抽出処理を実行し(ステップS2302)、試行錯誤過程抽出処理を実行する(ステップS2303)。サーバ201が、試行錯誤過程グループ化処理を実行する(ステップS2304)。
【0102】
図24は、図23で示した消去操作抽出処理(ステップS2301)の詳細な説明を示すフローチャートである。サーバ201が、消去操作リストLを空にし(ステップS2401)、解答操作ログ表1300の先頭の操作を、操作Aとして選択する(ステップS2402)。サーバ201が、解答操作ログ表1300の操作Aの次の操作を操作Bとして選択する(ステップS2403)。サーバ201が、すべての操作を選択済であり、操作Bがないか否かを判断する(ステップS2404)。
【0103】
サーバ201が、操作Bがないと判断した場合(ステップS2404:Yes)、消去操作表登録処理を実行し(ステップS2405)、ステップS2302へ移行する。サーバ201が、操作Bがあると判断した場合(ステップS2404:No)、操作A、Bの操作時刻間が所定時間以上あるか否かを判断する(ステップS2406)。たとえば、所定時間は、5秒である。
【0104】
サーバ201が、操作A、Bの操作時刻間が所定時間以上あると判断した場合(ステップS2406:Yes)、消去操作表登録処理を実行し(ステップS2408)、消去操作リストLを空にし(ステップS2409)、ステップS2413へ移行する。サーバ201が、操作A、Bの操作時刻間が所定時間以上ないと判断した場合(ステップS2406:No)、操作Aのペン種別が「消しゴム」であり、操作Bのペン種別が「ペン」であるか否かを判断する(ステップS2407)。
【0105】
サーバ201が、操作Aのペン種別が「消しゴム」であり、かつ操作Bのペン種別が「ペン」であると判断した場合(ステップS2407:Yes)、ステップS2408へ移行する。サーバ201が、操作Aのペン種別が「消しゴム」でない、または操作Bのペン種別が「ペン」でないと判断した場合(ステップS2407:No)、操作A、Bがともにペン種別が「消しゴム」であるか否かを判断する(ステップS2410)。
【0106】
サーバ201が、操作A、Bのペン種別がともに「消しゴム」であると判断した場合(ステップS2410:Yes)、操作Bを消去操作リストLに追加し(ステップS2412)、ステップS2413へ移行する。サーバ201が、操作A、Bのペン種別がともに「消しゴム」であると判断した場合(ステップS2410:No)、操作Aのペン種別が「ペン」で、操作Bのペン種別が「消しゴム」であるか否かを判断する(ステップS2411)。
【0107】
サーバ201が、操作Aのペン種別が「ペン」で、操作Bのペン種別が「消しゴム」であると判断した場合(ステップS2411:Yes)、ステップS2412へ移行する。サーバ201が、操作Aのペン種別が「ペン」でない、または操作Bのペン種別が「消しゴム」でないと判断した場合(ステップS2411:No)、操作Bを次のループでの操作Aとし(ステップS2413)、ステップS2403へ戻る。
【0108】
図25は、図24で示した消去操作表登録処理(ステップS2405(ステップS2408))の詳細な説明を示すフローチャートである。サーバ201が、消去操作データDをクリアし(ステップS2501)、消去操作データDの開始時刻を消去操作リストLの先頭の要素の操作時刻に設定する(ステップS2502)。サーバ201が、消去操作リストLの先頭の要素Eを取り出し(ステップS2503)、消去操作リストLが空になり、要素Eが取り出せないか否かを判断する(ステップS2504)。
【0109】
サーバ201が、要素Eが取り出せると判断した場合(ステップS2504:No)、要素Eの操作時刻を、消去操作データDの終了時刻に設定する(ステップS2506)。サーバ201が、要素Eのペン種別が「消しゴム」、かつ要素Eのペン状態が「DOWN」であるか否かを判断する(ステップS2507)。サーバ201が、要素Eのペン種別が「消しゴム」、かつ要素Eのペン状態が「DOWN」である場合(ステップS2507:Yes)、消去操作データDの消去領域に、要素Eのペン座標から、「消しゴム」の大きさの領域を追加し(ステップS2508)、ステップS2504へ戻る。
【0110】
サーバ201が、要素Eのペン種別が「消しゴム」、または要素Eのペン状態が「DOWN」でない場合(ステップS2507:No)、ステップS2504へ戻る。サーバ201が、要素Eが取り出せないと判断した場合(ステップS2504:Yes)、消去操作データDを消去操作表1700に追加し(ステップS2505)、ステップS2302(ステップS2409)へ移行する。
【0111】
図26は、図24で示した思考作業抽出処理(ステップS2302)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、サーバ201が、解答操作ログ表1300の先頭の操作を、操作Aとして選択し(ステップS2601)、解答操作ログ表1300の操作Aの次のログを操作Bとして選択する(ステップS2602)。サーバ201が、すべての操作を選択済で操作Bがないか否かを判断する(ステップS2603)。
【0112】
サーバ201が、操作Bがあると判断した場合(ステップS2603:No)、操作A、Bの間が所定時間以上あるか否かを判断する(ステップS2604)。サーバ201が、操作A、Bの間が所定時間以上あると判断した場合(ステップS2604:Yes)、操作Aの開始時刻から操作Bの開始時刻までを、一つの考える作業として、思考作業表1900に登録する(ステップS2605)。
【0113】
サーバ201が、操作Bを操作Aとし(ステップS2606)、ステップS2602へ戻る。サーバ201が、操作A、Bの操作時刻間が所定時間以上でないと判断した場合(ステップS2604:No)、ステップS2606へ移行する。サーバ201が、すべての操作を選択済で操作Bがないと判断した場合(ステップS2603:Yes)、ステップS2303へ移行する。
【0114】
図27は、図23で示した試行錯誤過程抽出処理(ステップS2303)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、サーバ201が、消去操作表1700の先頭の消去操作を、対象の消去操作データDとして選択し(ステップS2701)、対象となる対象操作データDが残っているか否かを判断する(ステップS2702)。
【0115】
サーバ201が、対象となる対象操作データDが残っていると判断した場合(ステップS2702:Yes)、消去操作データDの開始時刻から終了時刻までの時間を消去操作の所要時間として、試行錯誤過程Pに設定する(ステップS2703)。サーバ201が、書出操作リスト抽出処理を実行し(ステップS2704)、抽出した書出操作リストにより、試行錯誤過程Pの書出操作時間を設定する(ステップS2705)。
【0116】
サーバ201が、消去操作データDの開始時刻に最も近い操作時刻である書出操作リストのうちの要素の画像情報を、試行錯誤過程Pの画面情報に設定する(ステップS2706)。サーバ201が、思考作業検索処理を実行し(ステップS2707)、検索した思考作業に基づき試行錯誤過程Pの書出操作時間を設定する(ステップS2708)。
【0117】
サーバ201が、書出操作時間と思考作業時間と消去操作時間の合計時間を試行錯誤過程Pの試行錯誤時間に設定する(ステップS2709)。サーバ201が、試行錯誤過程Pを試行錯誤過程表2100に追加し(ステップS2710)、消去操作表1700の次の作業を、新たな消去操作データDとして選択し(ステップS2711)、ステップS2702へ戻る。ステップS2702において、サーバ201が、対象作業Dが残っていないと判断した場合(ステップS2702:No)、ステップS2304へ移行する。
【0118】
図28は、図27で示した書出操作リスト抽出処理(ステップS2704)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、サーバ201が、書出操作リストをクリアし(ステップS2801)、対象になっている消去操作データDより、以前に行われた消去操作のリストを作成し、前段階消去操作リストMとする(ステップS2802)。
【0119】
サーバ201が、解答操作ログ表1300にて、対象になっている消去操作データDの最初の消しゴム操作であるログの一つ手前の操作Aをピックアップし(ステップS2803)、操作Aが残っているか否かを判断する(ステップS2804)。サーバ201が、操作Aが残っていると判断した場合(ステップS2804:Yes)、操作Aの操作種別が「MOVE」であり、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Aのペン状態が「DOWN」であり、かつ操作Aのペン座標が消去操作データDの消去領域に含まれるか否かを判断する(ステップS2805)。
【0120】
サーバ201が、操作Aの操作種別が「MOVE」であり、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Aのペン状態が「DOWN」であり、かつ操作Aのペン座標が消去操作データDの消去領域に含まれていると判断した場合(ステップS2805:Yes)、ステップS2806へ移行する。サーバ201が、操作Aのペン座標が前段階消去操作リストMに含まれる消去操作のいずれの消去領域にも含まれないか否かを判断する(ステップS2806)。
【0121】
サーバ201が、操作Aのペン座標が前段階消去操作リストMに含まれる消去操作のいずれの消去領域にも含まれないと判断した場合(ステップS2806:Yes)、書出操作リストに操作Aを加える(ステップS2807)。サーバ201が、解答操作ログ表1300の時間的に一つ前のログを新たな操作Aとして選択し(ステップS2808)、ステップS2804へ戻る。
【0122】
サーバ201が、操作Aの操作種別が「MOVE」であり、操作Aのペン種別が「ペン」であり、操作Aのペン状態が「DOWN」であり、かつ操作Aのペン座標が消去操作データDの消去領域に含まれていないと判断した場合(ステップS2805:No)、ステップS2808へ移行する。サーバ201が、操作Aのペン座標が前段階消去操作リストMに含まれる消去操作のいずれの消去領域にも含まれないと判断しなかった場合(ステップS2806:No)、ステップS2808へ移行する。サーバ201が、操作Aが残っていないと判断した場合(ステップS2804:No)、ステップS2705へ移行する。
【0123】
図29は、図27で示した思考作業検索処理(ステップS2707)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、サーバ201が、対象となる消去操作データDの開始時刻を得て(ステップS2901)、思考作業表1900の中から、終了時刻が消去操作データDの開始時刻と同じものを検索する(ステップS2902)。
【0124】
サーバ201が、条件が合致する思考作業が検索できたか否かを判断し(ステップS2903)、検索できたと判断した場合(ステップS2903:Yes)、検索した思考作業を求める思考作業とする(ステップS2904)。サーバ201が、条件が合致する思考作業が検索できていないと判断した場合(ステップS2903:No)、求める思考作業は存在しないとし(ステップS2905)、ステップS2708へ移行する。
【0125】
図30は、図23で示した試行錯誤過程グループ化処理(ステップS2304)の詳細な説明を示すフローチャートである。まず、サーバ201が、エントリが空の試行錯誤過程グループ表2200を作成し(ステップS3001)、試行錯誤過程表2100を複製する(ステップS3002)。サーバ201が、複製した試行錯誤過程表2210のエントリと試行錯誤過程グループ表2200のエントリとのすべての組み合わせに対して、重複領域の面積を算出する(ステップS3003)。
【0126】
サーバ201が、すべての組み合わせで重複領域がないか否かを判断し(ステップS3004)、すべての組み合わせで重複領域がないと判断しなかった場合(ステップS3004:No)、重複領域の最も大きい組み合わせを選択する(ステップS3005)。サーバ201が、選択した組み合わせの2つのエントリが複製した試行錯誤過程表2210のエントリか否かを判断する(ステップS3006)。
【0127】
サーバ201が、選択した組み合わせの2つのエントリが複製した試行錯誤過程表2210のエントリであると判断した場合(ステップS3006:Yes)、新たに試行錯誤過程グループを作成する(ステップS3007)。サーバ201が、作成したグループに選択した組み合わせの2つのエントリを追加し(ステップS3008)、ステップS3011へ移行する。
【0128】
サーバ201が、選択した組み合わせの2つのエントリが複製した試行錯誤過程表2210のエントリでないと判断した場合(ステップS3006:No)、選択した組み合わせの一方のエントリが複製した試行錯誤過程表2210のエントリか否かを判断する(ステップS3009)。サーバ201が、選択した組み合わせの一方のエントリが複製した試行錯誤過程表2210のエントリであると判断した場合(ステップS3009:Yes)、複製した試行錯誤過程表2210の一方のエントリを選択した組み合わせの他方のエントリに追加する(ステップS3010)。
【0129】
サーバ201が、選択した組み合わせのエントリを複製した試行錯誤過程表2210から削除し(ステップS3011)、複製した試行錯誤過程表2210にエントリが残っているか否かを判断する(ステップS3012)。サーバ201が、複製した試行錯誤過程表2210にエントリが残っていると判断した場合(ステップS3012:Yes)、ステップS3003へ戻る。サーバ201が、複製した試行錯誤過程表2210にエントリが残っていないと判断した場合(ステップS3012:No)、一連の処理を終了する。
【0130】
ステップS3009において、サーバ201が、選択した組み合わせの一方のエントリが複製した試行錯誤過程表2210のエントリでないと判断した場合(ステップS3009:No)、ステップS3012へ移行する。
【0131】
ステップS3004において、サーバ201が、すべての組み合わせで重複領域がないと判断した場合(ステップS3004:Yes)、複製した試行錯誤過程表2210のエントリ数分の試行錯誤過程グループを新たに作成する(ステップS3013)。サーバ201が、作成したグループに複製した試行錯誤過程表2210のエントリを追加し(ステップS3014)、一連の処理を終了する。
【0132】
図7に戻って、解答分析結果表示部704は、試行錯誤過程グループ表22002200、試行錯誤過程表2100を取得し、試行錯誤過程グループ表22002200のエントリを最終回答画面情報の上に表示する。
【0133】
図31は、表示例を示す説明図である。たとえば、図31において、最終解答画面と解答過程の画面が、領域ごとに関連付けられて表示されている。最終回答画面には、エントリ2201_1の操作領域が枠で囲まれ、エントリ2201_1の試行錯誤時間が関連付けられて表示され(図中上側)、エントリ2201_2の操作領域にエントリ2201_2の試行錯誤時間が関連付けられて表示されている(図中下側)。
【0134】
さらに、エントリ2201_1に関する詳細表示として、エントリ2211_1の画面情報に基づく画面には、エントリ2211_1の対象領域にエントリ2211_1の思考錯誤時間が表示されている。エントリ2201_1に関する詳細表示として、エントリ2211_4の画面情報に基づく画面には、エントリ2211_4の対象領域にエントリ2211_4の思考錯誤時間が表示されている。
【0135】
さらに、エントリ2201_2に関する詳細表示として、エントリ2211_2の画面情報に基づく画面には、エントリ2211_2の対象領域にエントリ2211_2の思考錯誤時間が表示されている。エントリ2201_2に関する詳細表示として、エントリ2211_3の画面情報に基づく画面には、エントリ2211_3の対象領域にエントリ2211_3の思考錯誤時間が表示されている。
【0136】
(教師端末202による情報処理手順)
図32は、教師端末202による情報処理手順の一例を示すフローチャートである。教師端末202が、サーバ201から試行錯誤過程グループ表22002200、試行錯誤過程表2100を取得し(ステップS3201)、試行錯誤過程グループ表22002200のエントリを最終回答画面情報の上に表示する(ステップS3202)。教師端末202が、利用者から表示終了要求があったか否かを判断する(ステップS3203)。教師端末202が、利用者から表示終了要求がないと判断した場合(ステップS3203:No)、利用者から詳細表示要求があったか否かを判断する(ステップS3204)。
【0137】
教師端末202が、利用者から詳細表示要求があったと判断した場合(ステップS3204:Yes)、指定された試行錯誤過程グループのうち、最も作業時間が長い試行錯誤過程から順に表示し(ステップS3205)、ステップS3203へ戻る。ステップS3204において、教師端末202が、利用者から詳細表示要求がないと判断した場合(ステップS3204:No)、ステップS3203へ戻る。ステップS3203において、教師端末202が、利用者から表示終了要求があると判断した場合(ステップS3203:Yes)、一連の処理を終了する。
【0138】
以上説明したように、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムによれば、消去操作の発生した領域では試行錯誤していることとし、一の消去操作の領域と重複し、一の消去操作に先行する書き込み操作を特定する。特定された書き込み操作の所要時間と特定された書き込み操作の書き込み内容とを、一の消去操作の領域に関連付けて出力する。これにより、生徒が解答のどの箇所でどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させることができる。
【0139】
また、一の消去操作の領域と重複し、一の消去操作に先行する他の消去操作が出現するまで、一の消去操作の領域と重複し、一の消去操作に先行する書き込み操作を、特定する。これにより、一の消去操作によりどのような内容の書き込みが消去されたかをより正確にすることができる。
【0140】
また、領域が重複する消去操作ごとに消去操作をグループ化させる。これにより、最終解答結果をグループ化した消去操作の重複領域ごとに分割させることができ、最終解答結果から順に解答過程を辿るように階層的に表示させることを容易化させることができる。また、消去操作をグループ化させることにより、書いたり消したりをどの程度繰り返したかを表示させることができる。したがって、教師に生徒の理解度をより正確に把握させることを支援することができる。
【0141】
また、一の消去操作の領域と重複し、一の消去操作に先行する書き込み操作を特定する。特定された書き込み操作の操作時刻から一の消去操作の操作時刻までの時間が所定時間以上であれば、該時間に生徒は思考していたとする。該時間を思考時間とし、思考時間と特定された書き込み操作の書き込み内容とを、一の消去操作の領域に関連付けて出力する。これにより、生徒が解答のどの箇所でどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させることができる。
【0142】
また、特定された書き込み操作の所要時間と思考時間と書き込み操作の書き込み内容とを、一の消去操作の領域に関連付けて出力する。これにより、生徒が解答のどの箇所で、どのような操作時にどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させることができる。
【0143】
また、特定された書き込み操作の所要時間と思考時間との合計値と、書き込み操作の書き込み内容と、を一の消去操作の領域に関連付けて出力する。これにより、生徒が解答のどの箇所で、どの操作であるかに関わらずどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させることができる。
【0144】
また、特定された書き込み操作の所要時間と思考時間との合計値と、書き込み操作の書き込み内容と、を一の消去操作の領域に関連付けて出力する。これにより、生徒が解答のどの箇所で、どの操作であるかに関わらずどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させることができる。
【0145】
また、特定された書き込み操作が複数ある場合において、特定された複数の書き込み操作の操作時刻間の時間が所定時間以上であれば、思考時間とする。これにより、生徒が解答のどの箇所で、どのような操作時にどの程度長く悩んだかを分かり易く表示させることができる。
【0146】
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【符号の説明】
【0147】
201 サーバ
1300 解答操作ログ表
1501 抽出部
1502 選択部
1503 特定部
1504 所要時間算出部
1505 思考時間算出部
1507 出力部
1506 判断部
1700 消去操作表
1900 思考作業表
2100 試行錯誤過程表
2200 試行錯誤過程グループ表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、前記書き込み操作の所要時間および前記書き込み操作の書き込み内容と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されたデータベースから、一の消去操作を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する書き込み操作を、前記データベースから特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された書き込み操作の所要時間と前記特定された書き込み操作の書き込み内容とを、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、
前記一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する他の消去操作が出現するまで、前記一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する書き込み操作を、前記データベースから特定し、
前記出力手段は、
前記特定手段により特定された書き込み操作の所要時間と前記特定された書き込み操作の書き込み内容を、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、前記書き込み操作の所要時間および前記書き込み操作の書き込み内容と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されたデータベースから、領域が重複する消去操作群を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された消去操作群の消去操作ごとに前記消去操作群の消去操作の領域と重複し、前記消去操作群の消去操作に先行する書き込み操作を、前記データベースから特定する特定手段と、
前記特定手段により前記消去操作群の消去操作ごとに特定された書き込み操作の所要時間と前記書き込み操作の書き込み内容とを、前記消去操作群で重複する領域に関連付けて出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、前記書き込み操作の時刻および前記書き込み操作の書き込み内容と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と前記消去操作の時刻、が操作順に記録されたデータベースから、一の消去操作を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する書き込み操作を、前記データベースから特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された書き込み操作の終了時刻から前記一の消去操作の開始時刻までの一の思考時間を算出する思考時間算出手段と、
前記思考時間算出手段により算出された一の思考時間が所定時間以上であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記一の思考時間が前記所定時間以上であると判断された場合、前記一の思考時間と前記特定された書き込み操作の書き込み内容とを前記一の消去操作の領域に関連付けて出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段により特定された書き込み操作の時刻に応じて前記書き込み操作の所要時間を算出する所要時間算出手段を備え、
前記出力手段は、
前記所要時間算出手段により算出された所要時間と前記一の思考時間と前記書き込み操作の書き込み内容とを、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記一の思考時間と前記所要時間との合計値を前記一の消去操作の領域に関連付けて出力することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記思考時間算出手段は、
前記特定された書き込み操作が複数ある場合、前記特定された複数の書き込み操作のうちの一の書き込み操作の時刻と前記特定された複数の書き込み操作のうちの他の書き込み操作の時刻との他の思考時間を算出し、
前記判断手段は、
前記思考時間算出手段により算出された他の思考時間が前記所定時間以上であるか否かを判断し、
前記出力手段は、
前記判断手段により前記他の思考時間が前記所定時間以上であると判断された場合、前記一の思考時間と前記他の思考時間と前記書き込み操作の書き込み内容とを前記一の消去操作の領域に関連付けて出力することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定手段により特定された書き込み操作の時刻に応じて前記書き込み操作の所要時間を算出する所要時間算出手段を備え、
前記出力手段は、
前記所要時間算出手段により算出された所要時間と前記一の思考時間と前記他の思考時間と前記書き込み操作の書き込み内容とを、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定手段により特定された書き込み操作の時刻に応じて前記書き込み操作の所要時間を算出する所要時間算出手段を備え、
前記出力手段は、
前記所要時間算出手段により算出された所要時間と前記一の思考時間と前記他の思考時間との合計値と、前記書き込み操作の書き込み内容とを、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、前記書き込み操作の所要時間および前記書き込み操作の書き込み内容と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されたデータベースから、一の消去操作を選択し、
選択された一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する書き込み操作を前記データベースから特定し、
特定された書き込み操作の所要時間を、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
書き込み操作ごとに書き込み操作が行われた領域、前記書き込み操作の所要時間および前記書き込み操作の書き込み内容と、消去操作ごとに消去操作が行われた領域と、が操作順に記録されたデータベースから、一の消去操作を選択し、
選択された一の消去操作の領域と重複し、前記一の消去操作に先行する書き込み操作を前記データベースから特定し、
特定された書き込み操作の所要時間を、前記一の消去操作の領域に関連付けて出力する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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