説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体

【課題】印刷データ自体をページ単位で複製して、複製した各ページに異なる合成フォームを設定することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体を提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する情報制御部124と、キーワードが検出されたページデータを複製し、複製されたページデータに、予め定められたフォームデータを合成するデータ加工処理部130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションからの印刷指示を受けたプリンタドライバが、GDI(Graphics Device Interface)を介して印刷データを作成する過程で、プリンタドライバが生成したデータからキーワードを検索してそのキーワードに応じて自動的に印刷設定を変更する技術が提案されている。
【0003】
特許文献1では、フォームデータを印刷条件に対応して記憶させ、印刷データを解析して該印刷データの印刷条件を抽出し、印刷データと、印刷データの印刷条件に対応するフォームデータとを合成してフォームオーバレイ印刷を行う技術が提案されている。
【0004】
特許文献2では、文書データを所定のデータ形式の一時保管用データに変換し、文書データ内に印刷先の印刷装置の指定、章分け指定等を行う指定文字列が存在すると判断した場合に、意図する印刷内容の印刷を簡単かつ適切に行わせる技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2のように、印刷データからキーワードを検索してそのキーワードに応じて自動的に印刷設定を変更する技術では、出力機器側にページを複製する機能が搭載されていない限り、印刷データ自体はそのままであり、複写伝票のような同じページを複製する、または、複製した各ページに合成フォームを設定するといったことは実現できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷データ自体をページ単位で複製して、複製した各ページに異なる合成フォームを設定することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出部と、前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製部と、複製された前記ページデータに、前記キーワードに応じて予め定められたフォームデータを合成する合成部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出部と、前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製部と、複製された前記ページデータに、予め定められたフォームデータを合成する合成部と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0009】
また、本発明は、検出部が、文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出ステップと、複製部が、前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製ステップと、合成部が、複製された前記ページデータに、予め定められたフォームデータを合成する合成ステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法である。
【0010】
また、本発明は、コンピュータを、文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出部と、前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製部と、複製された前記ページデータに、予め定められたフォームデータを合成する合成部、として機能させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷データ自体をページ単位で複製して、複製した各ページに異なる合成フォームを設定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、情報処理装置を含むシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、プリンタドライバおよびデータ処理設定部の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、処理設定記憶部に記憶される印刷設定のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図5は、中間データの構造の一例を示す図である。
【図6】図6は、印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、複製処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、データの合成例を示す図である。
【図9】図9は、複製処理の後の中間データの一例を示す図である。
【図10】図10は、ページ単位でのマスク処理を含む複製処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、ページ単位での印刷設定変更処理を含む複製処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、処理内容設定画面の構成例を示す図である。
【図13】図13は、ページ設定画面の構成例を示す図である。
【図14】図14は、マスク設定画面の構成例を示す図である。
【図15】図15は、この例でのマスク前およびマスク後の口座番号の値の表示結果の一例を表す図である。
【図16】図16は、情報処理装置のハードウェア構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体の一実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態にかかる情報処理装置100を含むシステムの構成例を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の情報処理装置100は、プリンタ10とネットワーク20を通じて間接的に接続されている。なお、情報処理装置100は、ケーブル等によりプリンタ10と直接接続されていてもよい。プリンタ10の代わりに、プリンタ機能の他にコピー機能やファクシミリ機能、およびスキャナー機能を装備した複合機を用いてもよい。また、情報処理装置100上では、任意のアプリケーションからプリンタドライバを通してプリンタ10に対して印刷することができる。
【0017】
図2は、情報処理装置100の機能構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、アプリケーション101と、GDI102と、プリンタドライバ110と、データ処理設定部120と、スプーラ103と、を備えている。
【0018】
アプリケーション101は、図示しないOS上に搭載されている文書作成ソフトウェア、図形作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、およびデータベースソフトウェア等である。文書データの印刷命令が、アプリケーション101に対して行われると、GDI102を介して、プリンタドライバ110から事前に取得した印刷設定内容と文書データとをプリンタドライバ110に渡す。
【0019】
GDI102は、OSに搭載されているプログラムの1つであり、受け取った印刷設定内容と文書データとをプリンタドライバ110に渡す。
【0020】
プリンタドライバ110は、文書データを、対応するプリンタ10が処理可能なデータ、すなわち、いわゆるプリンタ言語(PDL)などのデータに変換するドライバである。
【0021】
データ処理設定部120は、プリンタドライバ110が出力する中間データを受け取り、ページの複製などの処理を行い、更新した中間データをプリンタドライバ110に出力する。データ処理設定部120の詳細な機能は後述する。
【0022】
スプーラ103は、プリンタ10に送信する印刷データを一時的に蓄積する。
【0023】
図3は、プリンタドライバ110およびデータ処理設定部120の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【0024】
プリンタドライバ110は、前半および後半の2段階の中間データ制御部111、112を備えている。なお、1つの中間データ制御部として機能ブロックを構成することも可能である。
【0025】
前段階の中間データ制御部111は、GDI102から受け取った文書データを、印刷設定や印刷レイアウトを反映した一時保管用データである中間データに変換する。中間データ制御部111が変換した中間データは、アプリケーション101で作成された文書データから、文書データを印刷するためのデータである印刷データに変換する前のデータであって、任意のデータ形式に変更可能なデータ形式のデータである。
【0026】
後段階の中間データ制御部112は、データ処理設定部120から渡された中間データを出力先のプリンタ10に適した印刷データに変換して、それぞれ対応するスプーラ103に渡す。中間データ制御部111、112およびスプーラ103は、全体として、印刷処理内容を組み込んだ印刷データを生成する印刷データ生成および送信手段として機能している。
【0027】
データ処理設定部120は、処理内容設定部121と、処理設定記憶部122と、インターフェイス部123と、情報制御部124と、合成用データ生成部125と、合成用データ記憶部126と、マスクパターン記憶部127と、データ加工処理部130と、を備えている。
【0028】
処理内容設定部121は、情報処理装置100の表示部(図示せず)の画面上に表示された処理内容設定画面(後述の図12参照)でユーザによって設定された印刷設定を処理設定記憶部122に記憶させる。処理内容設定画面は、印刷処理を行う前に表示して事前に設定を行ってもよいし、印刷処理時にプリンタドライバ110により制御が渡ってきたときに表示して設定を行ってもよい。
【0029】
図4は、処理設定記憶部122に記憶される印刷設定のデータ構造の一例を示す図である。図4は、INIファイル形式で印刷設定を保存する例を示している。印刷設定は、ページの複製に関する設定([PAGECOPY])、ページ設定([PAGECOPY_SETTING_ID_n])、および、マスク設定([MASK_SETTING_ID_n])などをセクションに分けて管理する。ページの複製に関する設定としては、例えばページの複製を行うか否かを表す「PAGECOPY」、複製するか否かを判定するためのキーワードを表す「KEYWORD」などが含まれる。なお、印刷設定のデータ構造はこれに限られるものではない。
【0030】
図3に戻り、インターフェイス部123は、プリンタドライバ110との間の中間データ等の各種データを入出力する。
【0031】
情報制御部124は、インターフェイス部123から受け取った中間データから文字列情報を抽出する。また、中間データの構造を解析して、データ要素毎に管理する。図5は、中間データの構造の一例を示す図である。
【0032】
図5に示すように、中間データは、ジョブの開始と全体の設定を定義するジョブヘッダー部、ジョブ全体の印刷設定を定義する印刷設定データ部、ページの印刷設定を定義するページヘッダー部、ページの開始を示すページ開始部、描画データ、および、ページの終了を示すページ終了部を含む。ページヘッダー部からページ終了部までをページデータと呼ぶ。各ページ分、ページデータが存在する。
【0033】
印刷設定データ部には、例えば、部数、ページ数、印刷用紙サイズ、および、両面、集約、パンチ、ステープルなどの仕上げの設定等の、ジョブ全体の印刷設定が記述される。ページヘッダー部には、例えば、各ページの原稿サイズ、原稿方向、解像度、給紙トレイ、および排紙トレイ等のページ単位の印刷設定が記述される。
【0034】
なお、この印刷設定は一例であり、これらに限られるものではない。例えば、ジョブ全体の印刷設定で例示したパンチ、ステープル、および集約などの印刷設定を、ページ単位の印刷設定として指定するように構成してもよい。また、ジョブ全体およびページ単位の両方で同一の印刷設定を指定できるように構成してもよい。この場合、例えば、ページ単位の印刷設定をジョブ全体の印刷設定より優先するように構成することができる。
【0035】
また、情報制御部124は、ページデータごとに、抽出した文字列情報に処理設定記憶部122の印刷設定で指定されたキーワード(KEYWORD)が含まれるか否かを検出する検出部として機能する。
【0036】
図3に戻り、合成用データ生成部125は、中間データに合成するための合成用データを生成する。例えば、合成用データ生成部125は、マスクパターン記憶部127から取得したマスクパターンで塗りつぶした矩形イメージを合成用データとして生成する。
【0037】
合成用データ記憶部126は、予め作成された合成用データ、または、合成用データ生成部125より生成された合成用データを記憶する。
【0038】
データ加工処理部130は、ページデータの複製(複製部としての機能)、印刷データと1以上の合成用データとの合成(合成部としての機能)、印刷設定データの変更(変更部としての機能)、および、ページヘッダーの変更などの中間データの加工を行う。
【0039】
マスクパターン記憶部127は、黒塗りパターンなどの予め定められたマスクパターンを記憶する。
【0040】
次に、このように構成された本実施形態にかかる情報処理装置100による印刷処理について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態における印刷処理の全体の流れを示すフローチャートである。図6は、主にプリンタドライバ110およびデータ処理設定部120が実行する処理の流れを表している。
【0041】
まず、プリンタドライバ110は、アプリケーション101からの描画依頼を受け取る(ステップS101)。プリンタドライバ110は、解析可能な中間データを作成し(ステップS102)、データ処理設定部120のインターフェイス部123に中間データを渡す。
【0042】
情報制御部124は、インターフェイス部123を介して受け取った中間データを解析し(ステップS103)、印刷設定データ部を検索して、ページ数(以下、総ページ数Nとする)を取得する(ステップS104)。情報制御部124は、処理設定記憶部122よりキーワードを取得し、中間データのページデータに、取得したキーワードが含まれるか否かを判断する(ステップS105)。より具体的には、情報制御部124は、ページデータ内のページ開始部とページ終了部とを利用して描画データを特定し、特定した描画データ内にキーワードが含まれるか否かを検索する。
【0043】
描画データ内にキーワードが見つかった場合(ステップS105:Yes)、データ加工処理部130が、そのページの複製処理を行う(ステップS106)。複製処理の詳細については後述する。
【0044】
複製処理の後、または、描画データ内にキーワードが含まれない場合(ステップS105:No)、データ加工処理部130は、すべてのページを処理したか否かを判断し(ステップS107)、処理していない場合は(ステップS107:No)、ステップS105に戻り処理を繰り返す。
【0045】
すべてのページを処理した場合(ステップS107:Yes)、データ加工処理部130は、総ページ数N(複製処理が実行された場合は、複製処理により増加したページ数が加算された総ページ数N)を印刷設定データ部のページ数に設定する(ステップS108)。情報制御部124は、インターフェイス部123を介して、中間データをプリンタドライバ110に送信する(ステップS109)。
【0046】
次に、ステップS106の複製処理の詳細について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態における複製処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0047】
まず、データ加工処理部130は、中間データからページデータを抽出する(ステップS201)。データ加工処理部130は、情報制御部124にて取得した総ページ数Nを1減算する(ステップS202)。データ加工処理部130は、処理設定記憶部122から複製するページ数m(例えば図4の「PAGE_COUNT」の値)を取得する(ステップS203)。
【0048】
データ加工処理部130は、ページデータを複製する(ステップS204)。具体的には、データ加工処理部130は、中間データから抽出したページデータ(複製元ページデータ)を複製元とし、複製するページ数分のページデータ(複製後ページデータ)を複製する。以下の処理は、複製したページデータ(複製後ページデータ)それぞれに対して実行される。
【0049】
データ加工処理部130は、複製したページデータに含まれる描画データに、mページ目に適用すべき合成用データを結合する(ステップS205)。なお、描画データに合成用データを結合するとは、中間データ内の描画データの後方に、合成用データを付加することを意味する。本実施形態では、このように結合された描画データと合成用データを含む中間データを印刷することにより、両者に対応する画像が1つに合成された画像として印刷されるものとする。したがって、中間データ内で描画データに合成用データを結合することは、描画データと合成用データとを合成することに相当する。
【0050】
中間データ内の描画データの後方に合成用データを付加するのではなく、描画データと合成用データとから、描画データの画像と合成用データの画像とを合成した画像に対応する1つのデータを合成する中間データを用いてもよい。
【0051】
まず、データ加工処理部130は、複製した各ページに対する合成データ情報(例えば図4の「OVERLAY_FILE」の値など)を処理設定記憶部122から取得する。データ加工処理部130は、合成データ情報を用いて、合成用データ記憶部126から該当する合成用データを取得して、ページデータと結合する。
【0052】
図8は、データの合成例を示す図である。図8は、描画データにキーワード「請求書」が含まれる場合に、ページデータ(の描画データ)801と合成用データ802とが合成され、合成後のデータ803が生成される例を示している。
【0053】
図7に戻り、データ加工処理部130は、ページデータと合成用データとを結合して生成されたデータを、中間データに結合する(ステップS206)。データ加工処理部130は、総ページ数Nに1を加算する(ステップS207)。
【0054】
データ加工処理部130は、複製したページ数が、ページ数mより小さいか否かを判断し(ステップS208)、小さい場合は(ステップS208:Yes)、ステップS204に戻り処理を繰り返す。複製したページ数がページ数mより小さくない場合(ステップS208:No)、複製処理を終了する。
【0055】
図9は、複製処理の後の中間データの一例を示す図である。図9は、中間データ901に対して複製処理を実行することにより得られる中間データ902の例を示している。中間データ902は、中間データ901内のページデータを3ページ分複製して得られる、それぞれ合成用データ1、2、3が結合されたページデータ1、2、3を含む。
【0056】
なお、図9の例では、中間データ901に含まれる複製前のページデータは残されず、複製後のページデータ1、2、3のみを含む中間データ902が生成される。これに対し、複製前のページデータを中間データ902に残すように構成してもよい。この場合、例えば、図9の中間データ901の後に、中間データ902に含まれるページデータ1、2、3が結合されるように構成する。これにより、複製前のページデータが残ったままで、複製処理などを行ったページデータを別に含む中間データが作成される。
【0057】
複製前のページデータを残さずに削除する場合には、各ページデータの分析および複製などが終了した都度削除する方法と、全てのページデータの分析および複製を終えた後でオリジナルを削除する方法などを適用できる。前者の方法の場合、例えば複製処理(図7、図10、図11)内のループ(ステップS208)が終了後に、ページデータの削除処理のステップを追加すればよい。また、後者の場合、例えば、印刷処理(図6)内のループ(ステップS107)が終了後、任意のタイミングでページデータの削除処理のステップを追加すればよい。
【0058】
本実施形態では、所定の合成用データを合成するだけでなく、所定のマスクパターンによるマスク処理を行うこともできる。図10は、ページ単位でのマスク処理を含む複製処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0059】
ページ単位でのマスク処理は、図7で示した複製処理に、ステップS205−1〜ステップS205−5のマスク設定変更処理を追加することで実現できる。これ以外の処理(ステップS201〜ステップS205、ステップS206〜ステップS208)は、図7と同様であるため説明を省略する。
【0060】
マスク設定変更処理では、データ加工処理部130は、処理設定記憶部122から、マスクするか否かの印刷設定(例えば図4の「MASK」の値)を取得する。データ加工処理部130は、取得した印刷設定がマスクする設定になっているか否かを判断する(ステップS205−1)。マスクする設定になっていない場合(例えば、図4の「MASK」の値が0の場合)は(ステップS205−1:No)、ステップS206に遷移する。
【0061】
マスクする設定になっている場合(ステップS205−1:Yes)、データ加工処理部130は、マスク用のキーワードがページデータ(描画データ)内に存在するか否かを判断する(ステップS205−2)。マスク用のキーワードが存在しなければ(ステップS205−2:No)、データ加工処理部130は、ページデータと合成用データとを結合して生成されたデータを、中間データに結合する(ステップS206)。
【0062】
マスク用のキーワードが存在する場合(ステップS205−2:Yes)、合成用データ生成部125は、マスクパターン記憶部127からマスクパターンを取得して、マスクパターンで塗りつぶした矩形のマスクイメージ(矩形イメージ)を生成する(ステップS205−3)。データ加工処理部130は、生成された矩形イメージと、マスク用キーワード検索の検索結果から取得されるマスク開始位置とマスク終了位置の位置情報より合成用データを作成して(ステップS205−4)、合成用データ記憶部126に保存する。
【0063】
データ加工処理部130は、ページデータの前面にマスク用合成データを結合する(ステップS205−5)。
【0064】
さらに、本実施形態では、合成用データを合成するだけでなく、ページ単位で印刷設定を変更する印刷設定変更処理を行うこともできる。図11は、ページ単位での印刷設定変更処理を含む複製処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0065】
ページ単位での印刷設定変更は、図7で示した複製処理に、ステップS204−1〜ステップS204−3の印刷設定変更処理を追加することで実現できる。これ以外の処理(ステップS201〜ステップS204、ステップS205〜ステップS208)は、図7と同様であるため説明を省略する。
【0066】
印刷設定変更処理では、データ加工処理部130は、処理設定記憶部122から各ページに対する印刷設定変更情報を取得する。印刷設定変更情報とは、印刷設定を変更するか否かを表す情報である。図4には、印刷設定変更情報は例示されていないが、例えば、ページ設定定義セクション(PAGECOPY_SETTING_ID_n)内に、値が「0」のときに変更することを表し、値が「1」のときに変更しないことを表す印刷設定変更情報を含むように構成すればよい。また、印刷設定を変更する指定の場合は、例えば、変更する印刷設定を特定する情報および変更する(変更後の)印刷設定の内容を特定する情報を処理設定記憶部122に記憶するように構成する。
【0067】
データ加工処理部130は、取得した印刷設定変更情報が、印刷設定を変更する設定となっているか否かを判断する(ステップS204−1)。印刷設定を変更する設定の場合(ステップS204−1:Yes)、データ加工処理部130は、ページヘッダー部を解析し(ステップS204−2)、該当する印刷設定を変更する(ステップS204−3)。印刷設定を変更する設定でない場合(ステップS204−1:No)、ステップS205に遷移する。
【0068】
図11のような処理により、例えば複製した各ページの給紙トレイおよび排紙トレイを切り替えることが可能となる。例えば、ページデータを元本と控えとで2ページ複製して出力する場合に、元本は元本用の紙で排紙し、控えは別トレイから排紙することが可能となる。
【0069】
なお、これまでは、ページ単位でのマスク処理(図10)とページ単位での印刷設定変更処理(図11)とを区別して説明したが、これらの処理を共に実行するように構成できる。この場合、マスク処理および印刷設定変更処理は任意の順序で実行できる。例えば、ページデータを複製後に、両者のうちいずれかを先に実行してもよいし、並列に実行してもよい。
【0070】
図12は、処理内容設定画面の構成例を示す図である。図12の処理内容設定画面の設定例では、ページにキーワード「請求書」が存在する場合、そのページを4ページ複製する。1ページ目には合成ファイル「file1.rpo」を合成し、2ページ目には合成ファイル「file2.rpo」を合成し、3ページ目には「file3.rpo」を合成する。4ページ目のように、ページは複製しても合成ファイルは合成しないことも可能である。各ページに対する合成の設定は、追加ボタン1201を押下して表示される図13のようなページ設定画面で実行する。図13は、ページ設定画面の構成例を示す図である。
【0071】
また、各ページに対するマスクの設定は、追加ボタン1202を押下して表示されるマスク設定画面で実行する。図14は、マスク設定画面の構成例を示す図である。
【0072】
図12の例では、ページ3にマスク設定を行っている。ページ3に対するマスク設定では、文字列「口座番号:」から始まるキーワードの6文字目から16文字目をパターン1でマスクする。例えば、パターン1が黒塗りの場合、「口座番号:1234567890」は、「1234567890」の矩形位置が黒塗りとなる。図15は、この例でのマスク前およびマスク後の口座番号の値の表示結果の一例を表している。
【0073】
次に、本実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成について図16を用いて説明する。図16は、本実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成を示す説明図である。
【0074】
本実施形態にかかる情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)51などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)52やRAM(Random Access Memory)53などの記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F54と、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)ドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、各部を接続するバス61を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0075】
本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
【0076】
また、本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0077】
また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0078】
本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(処理内容設定部、情報制御部、合成用データ生成部、データ加工処理部等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU51(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上述した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0079】
10 プリンタ
20 ネットワーク
100 情報処理装置
101 アプリケーション
102 GDI
103 スプーラ
110 プリンタドライバ
111、112 中間データ制御部
120 データ処理設定部
121 処理内容設定部
122 処理設定記憶部
123 インターフェイス部
124 情報制御部
125 合成用データ生成部
126 合成用データ記憶部
127 マスクパターン記憶部
130 データ加工処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2003−237167号公報
【特許文献2】特開2009−146321号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出部と、
前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製部と、
複製された前記ページデータに、予め定められたフォームデータを合成する合成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記合成部は、さらに、複製された前記ページデータの予め定められた位置に、予め定められたマスクデータを合成すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複製された前記ページデータの印刷設定を、予め定められた印刷設定に変更する変更部をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記印刷設定は、前記ページデータを印刷する用紙の給紙トレイ、および前記ページデータを印刷した用紙の排紙トレイを含むこと、
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複製部は、前記キーワードが検出された前記ページデータを複数複製し、
前記合成部は、複製された前記ページデータそれぞれに、複製の順序に応じて予め定められたフォームデータを合成すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
検出部が、文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出ステップと、
複製部が、前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製ステップと、
合成部が、複製された前記ページデータに、予め定められたフォームデータを合成する合成ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
前記合成ステップは、複製された前記ページデータの予め定められた位置に、予め定められたマスクデータを合成すること、
を特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
変更部が、複製された前記ページデータの印刷設定を、予め定められた印刷設定に変更する変更ステップをさらに備えること、
を特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記印刷設定は、前記ページデータを印刷する用紙の給紙トレイ、および前記ページデータを印刷した用紙の排紙トレイを含むこと、
を特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記複製ステップは、前記キーワードが検出された前記ページデータを複数複製し、
前記合成ステップは、複製された前記ページデータそれぞれに、複製の順序に応じて予め定められたフォームデータを合成すること、
を特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
文書データを印刷するためのデータとして生成された印刷データのページデータごとに予め定められたキーワードを検出する検出部と、
前記キーワードが検出された前記ページデータを複製する複製部と、
複製された前記ページデータに、予め定められたフォームデータを合成する合成部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載されたプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−43217(P2012−43217A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184272(P2010−184272)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】