説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム

【課題】操作性を損なうことなく複数の撮像装置の制御を行うことが可能な、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提案すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体に関する光学画像を撮像素子により電気信号に変換し、この電気信号を外部記憶媒体に格納する構成のデジタルカメラの大衆への普及が進んでいる。近年では、情報処理技術の発達に伴い、デジタルカメラに直接キーボードやマウスやプロジェクタ等のインターフェースを接続して、かかるインターフェースを介してデジタルカメラを操作することも可能となってきている(例えば、以下の特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−314863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スチルカメラやビデオカメラに代表される撮像装置のデジタル化は、大衆向けの撮像装置のみならず、業務用(放送用)の撮像装置においても進んでいる。業務用の撮像装置の場合、実際に被写体を撮像するカメラ本体に対してカメラ本体を遠隔で操作するためのリモートコントローラが設置されていることが多い。ユーザがリモートコントローラに設けられた各種のボタンやレバーやつまみ等を操作することによって、対応するカメラ本体の撮像条件が制御される。
【0005】
例えばテレビ放送用の番組を制作する際には、複数の業務用の撮像装置が用いられることが多いため、それに伴って、リモートコントローラの設置個数も増加することとなる。これら複数の撮像装置及びリモートコントローラの設定を一元管理するために、マスターセットアップユニットというハードウェアが用いられる。
【0006】
一方、情報処理技術の発達に伴い、ハードウェアであるマスターセットアップユニットの機能をソフトウェアとして実現し、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で実行させることで、カメラ本体やリモートコントローラをソフトウェア上で制御するという試みが検討されている。しかしながら、ソフトウェアを実行している情報処理装置に接続されたキーボードやマウス等の入力装置を操作してカメラ本体を制御することを考えた場合に、従来のユーザは、リモートコントローラというハードウェアを用いてカメラ本体を制御することに慣れているため、ソフトウェアの操作性に違和感を覚え、結果として操作性の低下が生じることが懸念される。そのため、パーソナルコンピュータのような外部機器を用いてカメラ本体を管理・制御する場合であっても、操作性を損なうことなくカメラ本体を制御することが可能な仕組みが希求されていた。
【0007】
そこで、本開示では、上記事情に鑑み、操作性を損なうことなく複数の撮像装置の制御を行うことが可能な、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更部を備える情報処理装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更することを含む情報処理方法が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、コンピュータに、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更機能を実現させるためのプログラムが提供される。
【0011】
また、本開示によれば、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、上記情報処理装置と、を含む情報処理システムが提供される。
【0012】
本開示によれば、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている対応関係情報が変更される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本開示によれば、操作性を損なうことなく複数の撮像装置の制御を行うことが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る情報処理システムの一例を示した説明図である。
【図2】同実施形態に係るリモートコントロールパネルの外観の一例を示した説明図である。
【図3】同実施形態に係るリモートコントロールパネルの構成を示したブロックッ図である。
【図4】同実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示したブロック図である。
【図5】同実施形態に係る情報処理装置の表示ウィンドウの一例を示した説明図である。
【図6】同実施形態に係る情報処理装置の表示ウィンドウの一例を示した説明図である。
【図7】同実施形態に係るカメラとリモートコントロールパネルとの間の対応関係を表す対応関係情報の一例を示した説明図である。
【図8】同実施形態に係るリモートコントロールパネルにおける制御処理の流れの一例を示した流れ図である。
【図9】同実施形態に係るリモートコントロールパネルにおける制御処理の流れの一例を示した流れ図である。
【図10】同実施形態に係る情報処理方法の流れの一例を示した流れ図である。
【図11】本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)第1の実施形態
(1−1)情報処理システムについて
(1−2)リモートコントロールパネルについて
(1−3)情報処理装置について
(1−4)リモートコントロールパネルにおける処理の流れについて
(1−5)情報処理方法について
(2)本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について
【0017】
(第1の実施形態)
<情報処理システムについて>
まず、図1を参照しながら、本開示の第1の実施形態に係る情報処理システム1について簡単に説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例を示した説明図である。なお、以下では、放送用の撮像装置から構成される撮像装置制御システムを例にとって、説明を行うものとする。
【0018】
本実施形態に係る情報処理システム1は、複数のカメラヘッド10と、複数のカメラコントロールユニット(CCU)20と、複数のリモートコントロールパネル(RCP)と、マスターセットアップユニット(MSU)40と、情報処理装置100と、を主に備える。
【0019】
カメラヘッド10は、被写体を撮像するために用いられる放送用の撮像装置である。このカメラヘッド10は、カメラ用ペデスタル上に設置されるスタジオカメラのようなものであってもよく、カメラマンの肩に乗せて用いられるような、いわゆる肩乗せカメラであってもよい。カメラヘッド10は、トライアキシャルケーブルや光ファイバー等の接続ケーブルにより、後述するカメラコントロールユニット20に接続されている。
【0020】
カメラコントロールユニット(CCU)20は、カメラヘッド10の露出や画質等を遠隔で制御するための装置であり、カメラヘッド10で生成された被写体に関する画像データを、高品質で所望の装置へと伝送することができる。このCCU20には、当該CCU20が制御するカメラヘッド10を特定するための識別情報(例えば、ID番号等)が付与されている。CCU20は、ハブを介して後述するマスターセットアップユニット40や情報処理装置100に接続されることで、これらの機器と相互に通信を行うことが可能である。なお、CCU20は、マスターセットアップユニット40や情報処理装置100と、後述するリモートコントロールパネル30を介して間接的に接続されていてもよい。
【0021】
また、CCU20には、対応するカメラヘッド10の露出や画質を遠隔制御するためのリモートコントロールパネル30が、所定のケーブルにより直接接続されていてもよく、ハブを介して間接的に接続されていてもよい。
【0022】
リモートコントロールパネル(RCP)30は、カメラヘッド10を、例えばスタジオのオペレーティングルームのような遠隔地から遠隔操作するために用いられる機器である。通常、RCP30は、情報処理システム1内に存在する1台のカメラヘッド10(より詳細には、RCPが接続されているCCU20が制御しているカメラヘッド)に対応づけられており、対応づけられたカメラヘッド10の露出や画質を制御することができる。このRCP30には、当該RCP30を特定するための識別情報(例えば、ID番号等)が付与されている。
【0023】
マスターセットアップユニット(MSU)40は、システム1に接続されている複数のカメラヘッド10の露出や画質を、対応するCCU20を介して遠隔操作するために用いられるコントロールパネルである。このMSU40は、システム1に接続されている複数のカメラヘッド10やRCP30の動作状況を一元管理することが可能であり、いわゆるビデオエンジニアと呼ばれるユーザが、オペレーション時やメンテナンス時にカメラ画質を制御するために使用する。
【0024】
先だって述べたように、通常、RCP30は、接続ケーブル等により物理的に接続されたカメラヘッド10を制御することができる。例えば図1に示した例では、ID=1が付与されたRCP30は、ID=1が付与されたカメラヘッド10を制御することが可能であり、ID=2が付与されたRCP30は、ID=2が付与されたカメラヘッド10を制御することが可能である。しかしながら、物理的な接続を変更することなく、RCP30が制御可能なカメラヘッド10を変更するための仕組みがあれば、ユーザは、図1に示したようなシステムを効率良く利用することが可能となる。そこで、MSU40には、図1に示したような物理的な接続関係を維持したままで、RCP30が操作可能なカメラヘッド10を変更する機能(RCPアサインメント機能)が実装されている。
【0025】
このRCPアサインメント機能を用いることで、例えば図1において、ID=1が付与されたRCP30が遠隔操作可能なカメラヘッド10を、ID=2が付与されたカメラヘッド10へと変更することができる。その結果、ID=1が付与されたRCP30を用いてID=2が付与されたカメラヘッド10を操作することが可能となる。
【0026】
しかしながら、MSU40で実現されるRCPアサインメント機能は、物理的な接続を維持したまま、カメラヘッドとRCPとの対応関係を設定しなおすものであるため、例えば上記例においてID=2のカメラヘッド10に対応づけられているID=1のRCP30は、この設定が維持されている間は、ID=1のカメラヘッド10を操作することはできない。
【0027】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム1では、カメラヘッド10、CCU20、RCP30及びMSU40から構築される撮像処理システムに対し以下で説明するような情報処理装置100を導入する。この情報処理装置100の導入により、本実施形態に係る情報処理システム1では、情報処理装置10のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を操作することによって、カメラヘッド10とRCP30との対応関係を動的に変更することを可能とする。
【0028】
この情報処理装置100は、当該情報処理装置100の備えるCPU等が、複数のカメラヘッド10を管理・制御することが可能なMSU40の機能を実現したソフトウェア(以下、MSUソフトウェアとも称する。)を実行することで、MSUとして機能する装置である。この情報処理装置100は、MSU40の代わりにシステム全体を制御することも可能であるし、MSU40と連携しながらシステム全体を制御することも可能であるし、MSU40を補助しながらシステム全体を制御することも可能である。この情報処理装置100は、MSUソフトウェアを実行可能なものであれば、その形態や機能が問われるものではなく、デスクトップ型やノートブック型のパーソナルコンピュータ等の任意のコンピュータであってもよい。
【0029】
MSUの機能がソフトウェアとして実現されることにより、システム内のカメラヘッドの設定や動作状況といった各種情報を、情報処理装置100の表示画面に自由度の高いGUIを用いて一覧表示することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ハードウェアとして実現されているMSU40では、その処理能力がハードウェアに組み込まれているマイコンの処理能力に制限される。しかしながら、MSUの機能をソフトウェアとして実現することにより、情報処理装置100が有している豊富なCPUパワーを利用し、処理能力を向上させることが可能となる。
【0030】
また、このMSUソフトウェアが実行されている情報処理装置100は、上記のように、GUI操作によりカメラヘッド10とRCP30との対応関係を動的に変更し、ソフトウェア上の操作をRCP30というハードウェアに追随させる機能(以下、RCP Linkage機能とも称する。)を備えている。
【0031】
以下で詳述するように、このRCP Linkage機能は、あるRCP30を当該機能に予め関連づけておき、ソフトウェアのGUI上で操作するカメラヘッド10を選択した場合に、RCP Linkage機能に関連づけられたRCP30が、GUI上で選択されたカメラヘッド10を操作可能とする機能である。例えば図1において、ID=4のRCP30がRCP Linkage機能に関連づけられており、情報処理装置100のGUI上でID=1のカメラヘッド10が選択された場合、ID=4のRCP30でカメラヘッド10を操作することが可能になる。その後引き続いて、情報処理装置100のGUI上でID=3のカメラヘッド10が選択されると、ID=4のRCP30でID=3のカメラヘッド10を操作することが可能になる。
【0032】
このようなRCP Linkage機能が実現されることで、情報処理装置100の近傍に位置する任意のRCP30をRCP Linkage機能に対応づけておけば、情報処理装置100のGUI上で操作したいカメラヘッド10を選択するだけで、手近にあるRCP30で操作を希望するカメラヘッド10を操作することができる。これにより、ユーザは、操作を希望するカメラヘッド10を遠隔操作可能なRCP30の場所まで移動してカメラヘッド10を操作する、という動きをすることなく、効率良くカメラヘッド10の制御を行うことが可能となる。更に、ユーザは、RCP30という、カメラヘッド10の制御に適したボタン類を有する使い慣れたハードウェアを使用することができるため、システムの操作性を維持・向上させることができる。
【0033】
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1について簡単に説明した。
【0034】
<リモートコントロールパネルについて>
続いて、本実施形態に係る情報処理装置100について説明するに先立ち、リモートコントロールパネル30について、図2及び図3を参照しながら簡単に説明する。図2は、本実施形態に係るリモートコントロールパネル30の外観の一例を示した説明図であり、図3は、本実施形態に係るリモートコントロールパネル30の構成を示したブロック図である。
【0035】
リモートコントロールパネル(RCP)30は、カメラヘッド10の露出や画質を制御するために用いられるハードウェアである。RCP30には、図2にその外観の一例を示したように、カメラヘッド10の露出や画質を制御するための各種のボタンやつまみ等が複数配置されている。
【0036】
RCP30には、例えば図2に示したように、ホワイトバランス、ブラックバランス、フレアバランス等といった画質を決定する条件を制御するための画質調整用操作部31と、カメラヘッド10のアイリス(絞り)等といった露出を決定する条件を制御するための露出調整用操作部33と、を少なくとも備えている。これらの操作部には、様々な機能を選択するための各種のボタン35や、設定値を変更するための各種つまみ37や、設定されているパラメータを表示する表示パネル39等が配置されている。
【0037】
ユーザは、表示パネル39に表示されている内容(例えば、操作可能なカメラヘッド10の番号や、設定されているアイリスの値など)を参照しながら、ボタン35やつまみ37を操作して、カメラヘッド10の露出や画質を制御することができる。
【0038】
このRCP30は、例えば図3に示したように、カメラ制御部301と、ユーザ操作情報取得部303と、表示制御部305と、記憶部307と、を主に備える。
【0039】
カメラ制御部301は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。カメラ制御部301は、RCP30の備えるカメラヘッド制御機能を実現している処理部である。
【0040】
カメラ制御部301は、MSU40や後述する情報処理装置100等に格納されているカメラヘッド10とRCP30との間の対応関係に関する対応関係情報を定期的に参照して、自装置がどのカメラヘッド10を操作可能であるかを把握し、自装置が操作可能なカメラヘッド10に関する情報を、後述する記憶部307等に格納されているカメラ設定データに反映する。
【0041】
また、カメラ制御部301は、後述するユーザ操作情報取得部303から通知された、ユーザが図2に示した各種ボタン等に対して実施したユーザ操作の内容を表す情報に基づいてユーザ操作に対応する制御信号を生成する。その後、カメラ制御部301は、生成した制御信号を、自装置に対応づけられているカメラヘッド10に対して出力する。これにより、RCP30は、自装置に対応づけられているカメラヘッド10の露出や画質等を制御することが可能となる。
【0042】
更に、カメラ制御部301は、後述する記憶部307等に格納されているカメラ設定データを参照して、自装置に対応づけられているカメラヘッド10の様々な条件設定を、表示制御部305を介して表示パネル39に表示させる。
【0043】
ユーザ操作情報取得部303は、例えば、CPU、ROM、RAM、入力装置等により実現される。ユーザ操作情報取得部303は、ユーザがRCP30の各種ボタン35やつまみ37に対して実施した操作(ユーザ操作)を特定して、当該ユーザ操作に関するユーザ操作情報を生成する。その後、ユーザ操作情報取得部303は、生成したユーザ操作情報を、カメラ制御部301へと出力する。
【0044】
表示制御部305は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置等により実現される。表示制御部305は、RCP30に設けられた表示パネル39の表示内容を制御する。例えば表示制御部305は、カメラ制御部301から通知された、カメラヘッド10の様々な条件設定等を示したデータを表示パネル39に表示させる。これにより、RCP30のユーザ(操作者)は、RCP30に対応づけられているカメラヘッド10に設定されている各種条件を把握することができる。
【0045】
記憶部307は、RCP30が備えるRAMやストレージ装置により実現される。記憶部307には、RCP30に対応づけられているカメラヘッド10を表した識別情報や、当該カメラヘッド10の設定データ等を含むカメラ設定データが格納される。また、記憶部307には、本実施形態に係るRCP30が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。この記憶部307は、カメラ制御部301、ユーザ操作情報取得部303、表示制御部305等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0046】
以上、本実施形態に係るリモートコントロールパネル30の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0047】
<情報処理装置について>
続いて、図4〜図7を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置100について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理装置100の構成を示したブロック図である。図5及び図6は、本実施形態に係る情報処理装置100のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の一例を示した説明図である。図7は、本実施形態に係る対応関係情報の一例を示した説明図である。
【0048】
まず、図4を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
本実施形態に係る情報処理装置100は、図4に示したように、統括制御部101と、表示制御部103と、ユーザ操作情報取得部105と、カメラ・RCP制御部107と、対応関係情報変更部109と、記憶部111と、を主に備える。
【0049】
統括制御部101は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。統括制御部101は、MSU40の機能を実現したソフトウェアであるMSUソフトウェアを実行して、情報処理装置100のMSU40の機能を実現する。その上で、統括制御部101は、実現されたMSU40の機能を統括して制御する。
【0050】
図5は、統括制御部101がMSUソフトウェアを実行することによって、情報処理装置100のディスプレイ等の表示装置に出力されるGUIの一例を示した説明図である。
本実施形態に係る情報処理装置100が提供するMSUの機能は、主に、システムの俯瞰機能、システム構成機器の管理機能、システムの監視機能の3つに大別される。
【0051】
ここで、システムの俯瞰機能は、一つのカメラヘッド10に関する複数のパラメータを、例えば一画面で確認及び操作したり、複数個のカメラヘッド10に関する複数のパラメータを表形式で確認及び操作したりする機能である。また、システム構成機器の管理機能は、カメラヘッド10により撮像されたシーンファイルの内容確認や簡易編集をしたり、システムに含まれる全カメラヘッド10のパラメータをファイル化したり、システム構成機器の現在の設定値や、シーンファイルの内容や、自己診断結果を、CSV形式等の所定のファイル形式を有するファイルに変換したりする機能である。システムの監視機能は、システムのオプティカルレベルやシステム状態を一覧表示したり、システムを設定したり、システムの自己診断結果を一覧表示したりする機能である。
【0052】
本実施形態に係る情報処理装置100では、このような3種類の機能が表示ウィンドウ内に表示されたアイコン等の機能選択オブジェクト501の選択状態により切り替えられ、各機能に関するGUIが表示ウィンドウ内の機能表示領域503に表示される。
【0053】
例えば図5に示した例では、「Control Panel」オブジェクトが選択されることで、上記3つの機能のうち主にシステムの俯瞰機能(コントロールパネルモード)が提供される。また、「File Manage」オブジェクトが選択されることで、上記3つの機能のうち主にシステム構成機器の管理機能(ファイルマネージモード)が提供される。また、「System Manage」オブジェクトが選択されることで、上記3つの機能のうち主にシステムの監視機能(システムマネージモード)が提供される。
【0054】
コントロールパネルモードは、カメラヘッド一つずつのパラメータを確認したり、制御したりする機能を提供するとともに、カメラヘッド内の複数のパラメータをカテゴリ毎に一覧表示する機能を提供する。コントロールパネルモードは、カメラヘッドの基本的なパラメータを確認したり制御したりする機能と、カメラヘッドのペイント系のパラメータを確認したり制御したりする機能と、カメラヘッドのメンテナンス系のパラメータを確認したり制御したりする機能と、カメラヘッドの各種設定をする機能と、を提供する。
【0055】
ファイルマネージモードは、カメラヘッド10に関するファイルを管理する。このファイルマネージモードは、カメラのシーンファイルを管理する機能と、接続されている全カメラの現在の状態をファイル化したスナップファイルを生成する機能と、シーンファイル以外のファイルを管理する機能と、を提供する。
【0056】
システムマネージモードは、システムに接続されているカメラヘッドの状態を俯瞰する機能を提供する。このシステムマネージモードは、システムに接続されている全カメラヘッド10のパラメータを俯瞰して比較や制御を行う機能と、光電送機能を有するカメラヘッド10のオプティカルレベルやケーブル状態を俯瞰する機能と、RCP30に対して制御対象のカメラヘッド10やCCU20を対応づける機能と、自己診断結果や機種名やシリアル番号などのサービス情報を提供する機能と、を提供する。
【0057】
図5に示した例では、「システムマネージモード」が選択された場合のGUIが記載されている。システムマネージモードは、上記のような各種機能を提供するものであるが、図示の例は、RCPに対して制御対象のカメラヘッドやCCUを対応づける「RCP Assignment」の機能が選択された場合のGUIを示している。
【0058】
RCP Assignment機能では、図5に示したように、システム1に接続されているカメラヘッド10及びRCP30が一覧表示されており、どのRCP30にどのカメラヘッド10を対応づけるかを設定することができる。図示の例では、「カメラヘッド2」に「RCP2」が対応づけられており、「カメラヘッド3」に「RCP3」が対応づけられている。
【0059】
統括制御部101は、図5に示したようなGUIにおいて、ユーザ操作によりカメラヘッド10とRCP30とが対応づけられると、カメラヘッド10とRCP30との対応関係を示した対応関係情報を生成する。統括制御部101は、生成した対応関係情報を、後述する記憶部111に格納されているカメラ・RCP設定データの一部として格納してもよいし、情報処理装置100の外部に設けられた記憶部(例えば、MSU40に実装されているメモリ等)に格納してもよい。
【0060】
また、統括制御部101が生成する対応関係情報のデータ形式は限定されるものではなく、ルックアップテーブルのような形式であってもよく、データベースのような形式であってもよい。
【0061】
また、統括制御部101は、表示ウィンドウに図示されたGUIにおいて、どのようなパラメータが設定されているかを、設定画面状態データとして、後述する記憶部111に格納してもよい。
【0062】
図6に示した例では、「コントロールパネルモード」が選択された場合のGUIが記載されている。コントロールパネルモードが選択されると、統括制御部101は、図6に示したように、機能表示領域503に、カメラヘッドを選択するためのカメラセレクト用ウィンドウ505と、コントロールパネルモード用タブ507と、を表示させる。
【0063】
統括制御部101は、カメラセレクト用ウィンドウ505に、システムに接続されているカメラヘッド10の一覧を表示させる。また、統括制御部101は、コントロールパネルモード用タブ507に、コントロールパネルモード機能で実行できる各種機能を設定するために利用されるGUIを表示させる。なお、図6では、コントロールパネルモード用タブ507に表示されるGUIは省略している。
【0064】
コントロールパネルモード用タブ507に表示されているGUIがユーザにより操作されると、ユーザ操作に関する情報が後述するユーザ操作情報取得部105から統括制御部101に通知される。統括制御部101は、ユーザ操作に応じて表示ウィンドウに表示される内容を後述する表示制御部103を介して変更させるとともに、ユーザ操作に対応する制御内容を特定して、特定した制御内容を、後述するカメラ・RCP制御部107に出力する。後述するカメラ・RCP制御部107は、統括制御部101から通知されたユーザ操作に対応する制御内容に基づいて、カメラやRCPを制御するための制御信号を生成して、該当するカメラヘッドやRCPに通知する。これにより、該当するカメラヘッドやRCPが情報処理装置100により制御されることとなる。
【0065】
また、コントロールパネルモードでは、先だって説明したような「RCP Linkage機能」のON/OFF状態を設定できる。図6に例示したように、ユーザ操作によりRCP Linkage機能が「ON」に設定された場合、統括制御部101は、RCP Linkage機能に対応づけられたRCP30で、カメラセレクト用ウィンドウ505に表示されているカメラヘッドを制御できるようにさせる。例えば、図6に示した例では、統括制御部101は、ID=4が付与されたRCP30を、RCP Linkage機能に対応づける。
【0066】
RCP Linkage機能がONとなっている状態で、ユーザがカメラセレクト用ウィンドウ505においてカメラヘッドを選択すると、かかるユーザ操作が行われた旨を示す情報が後述するユーザ操作情報取得部105から統括制御部101に通知される。統括制御部101は、ユーザ操作情報に応じてどのカメラヘッドがユーザにより選択されたかを特定すると、カメラセレクト用ウィンドウ505に表示される内容を後述する表示制御部103を介して変更させる。また、統括制御部101は、後述する対応関係情報変更部109に対して、特定したカメラヘッドに関する情報を出力する。対応関係情報変更部109は、統括制御部101から通知されたカメラヘッドに関する情報に基づいて、RCP Linkage機能に対応づけられたRCPの対応付けを変更する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置100では、カメラセレクト用ウィンドウ505による選択結果に、RCP Linkage機能に対応づけられたRCP30が追随することとなる。
【0067】
このように、本実施形態に係る統括制御部101は、情報処理装置100のMSUとしての機能を統括する処理部である。
【0068】
再び図4に戻って、本実施形態に係る表示制御部103について説明する。
表示制御部103は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置等により実現される。表示制御部103は、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の表示装置や、情報処理装置10の外部に設けられたディスプレイ等の表示装置における表示画面の表示制御を行う。より詳細には、表示制御部109は、統括制御部101により実行されているMSUソフトウェアの実行画面を表示装置に表示する際の表示画面の制御を実施する。これにより、情報処理装置10のユーザは、統括制御部101により実行されているMSUソフトウェアが提供する各種機能の状態を容易に把握することが可能となる。
【0069】
ユーザ操作情報取得部105は、例えば、CPU、ROM、RAM、入力装置等により実現される。ユーザ操作情報取得部105は、ユーザが情報処理装置100に設けられているキーボードやマウスやタッチパネル等の入力装置に対して実施した操作(ユーザ操作)を特定して、当該ユーザ操作に関するユーザ操作情報を生成する。その後、ユーザ操作情報取得部105は、生成したユーザ操作情報を、統括制御部101へと出力する。これにより統括制御部101は、ユーザが情報処理装置100(より詳細には、実行しているMSUソフトウェア)に対してどのような操作を行ったのかを把握することが可能となり、ユーザ操作に対応する機能をユーザに提供することが可能となる。
【0070】
カメラ・RCP制御部107は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。カメラ・RCP制御部107は、統括制御部101から出力された、ユーザ操作に対応する制御内容に関する情報を取得して、ユーザ操作に対応する内容がどのようなものかを把握する。その後、カメラ・RCP制御部107は、把握した制御内容に基づいて、カメラヘッドやRCPを制御するための制御信号を生成し、該当するカメラヘッド10やRCP30に対して、生成した制御信号を出力する。これにより、該当するカメラヘッド10やRCP30に制御信号が通知されることとなり、カメラヘッド10やRCP30に対してユーザの求める動作を実行させることができる。
【0071】
なお、カメラ・RCP制御部107は、ユーザ操作に対応する制御信号を生成する際に、後述する記憶部111等に格納されている設定画面状態データや、カメラ・RCP設定データを随時参照することが可能である。
【0072】
対応関係情報変更部109は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。対応関係情報変更部109は、システムに接続されている複数のカメラヘッド10と複数のRCP30との間で互いに対応付けられている、あるカメラヘッド10とこのカメラヘッド10を操作可能なRCP30との対応関係を示した対応関係情報を、ユーザ操作に応じて変更する。
【0073】
具体的には、対応関係情報変更部109は、RCP Linkage機能がONに設定されており、図6に示したコントロールパネルモードのカメラセレクト用ウィンドウ505に対してカメラヘッドを選択するユーザ操作がなされた場合に、以下の処理を実施する。すなわち、ユーザがカメラセレクト用ウィンドウ505を操作して、あるカメラヘッド10を選択した場合、統括制御部101は、ユーザ操作情報取得部105から出力されたユーザ操作情報に基づいて、システムに接続されているどのカメラヘッド10が選択されたのかを特定し、特定結果を対応関係情報変更部109に出力する。対応関係情報変更部109は、後述する記憶部111等に格納されている設定画面状態データやカメラ・RCP設定データを参照して、RCP Linkage機能に関連付けられているRCP30を特定する。その後、対応関係情報変更部109は、特定したRCP30に対応づけられているカメラヘッド10を、統括制御部101から通知されたカメラヘッド10に変更する。
【0074】
図7は、本実施形態に係る対応関係情報の一例を示した説明図である。例えば図7に示したように、対応関係情報が、RCPに付与された識別情報(ID番号)と、このRCPが操作可能なカメラヘッドに付与された識別情報(ID番号)とが対応づけられたものであるとする。この際に、RCP ID=4が付与されているRCPがRCP Linkage機能に対応づけられているとすると、対応関係情報変更部109は、RCP ID=4のRCPに対応するカメラヘッドのIDを、カメラセレクトに関するユーザ操作に応じて動的に変更していく。これにより、RCP ID=4のRCPが操作可能なカメラヘッドがユーザ操作に応じて随時変化することとなり、RCP Linkage機能に対応づけられたRCP30を用いて、任意のカメラヘッド10を操作することが可能となる。
【0075】
ここで、対応関係情報変更部109は、ルックアップテーブルやデータベースの形式でMSU40や記憶部111等に格納されている対応関係情報を変更してもよいし、カメラヘッド10やCCU20やRCP30に格納されている、自装置に関する対応関係情報を、これらの装置にアクセスして直接変更してもよい。
【0076】
なお、RCP Linkage機能を用いて、あるRCP30をあるカメラヘッド10に対応づける場合に、1台のカメラヘッド10に対して、少なくとも一時的に複数のRCP30が対応づけられている状態が生じうる。この場合に、以前から対応づけられているRCP30と、RCP Linkage機能により対応づけられたRCP30との間で、どちらのRCPによる操作を優先させるかについては、システム内で適宜設定することが可能である。すなわち、対応するカメラヘッド10は、RCP Linkage機能により対応づけられたRCP30による制御を優先して受け付けてもよいし、制御内容に矛盾が生じない場合には双方のRCP30による制御を受け付けてもよい。また、RCPの優先順位に関する別途の優先順位情報に基づいて、複数のRCP間での制御の優先順位を決定してもよい。
【0077】
記憶部111は、情報処理装置100が備えるRAMやストレージ装置により実現される。記憶部111には、MSUソフトウェアの設定画面の状態を示した設定画面状態データや、カメラやRCPの設定が記載されたカメラ・RCP設定データ等が格納されている。また、このカメラ・RCP設定データの一部として上記対応関係情報が格納されていてもよいし、カメラ・RCP設定データとは別に上記対応関係情報が格納されていてもよい。また、記憶部111には、本実施形態に係る情報処理装置100が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。この記憶部111は、統括制御部101、表示制御部103、ユーザ操作情報取得部105、カメラ・RCP制御部107及び対応関係情報変更部109等が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0078】
以上、本実施形態に係る情報処理装置100の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0079】
なお、上述のような本実施形態に係る情報処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0080】
<リモートコントロールパネルにおける処理の流れについて>
続いて、図8及び図9を参照しながら、リモートコントロールパネル(RCP)30により実施される処理の流れの一例について、簡単に説明する。図8及び図9は、RCPにおける処理の流れの一例を示した流れ図である。
【0081】
[定常状態におけるRCPの処理の流れ]
まず、図8を参照しながら、RCP30に対してユーザ操作がなされていない状態である定常状態でのRCPの処理の流れの一例について、簡単に説明する。
定常状態では、RCP30のカメラ制御部301は、まず、情報処理装置100又はMSU40に対して問い合わせを実施し、自装置に対応づけられたカメラヘッド10のID(カメラID)を取得する(ステップS11)。その後、カメラ制御部301は、情報処理装置100又はMSU40から取得したカメラIDを、自装置に設けられたメモリやストレージ装置等により実現される記憶部307に格納する(ステップS13)。これにより、RCP30は、自らがカメラヘッドの制御信号を送信する送信先を特定することができる。
【0082】
その後、カメラ制御部301は、表示制御部305に対して、記憶部307に格納されたカメラIDを表示部(例えば、図2に示したような表示パネル39)に表示するように要請する。表示制御部305は、カメラ制御部301からの要請に応じて、記憶部307に格納されたカメラIDを表示部に表示させる(ステップS15)。これにより、RCP30の操作者は、どのRCPがどのカメラヘッドを操作可能であるかを容易に把握することができる。
【0083】
その後、カメラ制御部301は、カメラ制御の終了操作がユーザにより実施されたか否かを判断する(ステップS17)。ユーザにより終了操作が実施されていない場合には、カメラ制御部301は、ステップS11に戻って、処理を継続する。また、ユーザにより終了操作が実施された場合には、カメラ制御部301は、カメラ制御処理を終了する。
【0084】
[ユーザ操作が実施された場合の処理の流れ]
続いて、図9を参照しながら、RCP30に対してユーザ操作が実施された場合におけるRCP30の処理の流れについて、簡単に説明する。
RCP30に設けられた各種のボタン35やつまみ37がユーザにより操作されると、ユーザ操作情報取得部303は、ユーザ操作の内容に対応するユーザ操作情報を生成し、カメラ制御部301に出力する。カメラ制御部301は、ユーザ操作情報に基づいて、ユーザ操作情報に対応するカメラ制御信号を生成する(ステップS21)。
【0085】
次に、カメラ制御部301は、生成したカメラ制御信号を、記憶部307に格納されたカメラIDに対応するカメラヘッドに出力する(ステップS23)。これにより、RCP30に対応づけられているカメラヘッド10において、ユーザ操作に応じた制御が行われることとなる。
【0086】
その後、カメラ制御部301は、新たなユーザ操作がなされたか否かを判断する(ステップS25)。ユーザにより新たなユーザ操作がRCP30に対して実施された場合、RCP30は、ステップS21に戻って処理を継続する。また、新たなユーザ操作が実施されなかった場合には、RCP30は、カメラ制御処理を終了する。
【0087】
このように、あるカメラヘッド10に対応づけられたRCP30では、ユーザ操作が実施されていない状態での制御と、ユーザ操作が実施された場合での制御という、2種類の処理の流れが存在している。
【0088】
<情報処理方法について>
続いて、図10を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置100において実施される情報処理方法(より詳細には、対応関係情報の変更処理方法)の流れについて説明する。図10は、本実施形態に係る情報処理方法の流れの一例を示した流れ図である。
【0089】
まず、情報処理装置100の統括制御部101は、例えば記憶部111に格納されている設定画面状態データを参照して、RCP Linkage機能のON/OFF状態を確認する(ステップS101)。統括制御部101は、RCP Linkage機能のON/OFF状態を判断し(ステップS103)、RCP Linkage機能がOFFになっている場合には、対応関係情報の変更処理を終了する。
【0090】
一方、RCP Linkage機能がONである場合、統括制御部101は、記憶部111等に格納されているカメラ・RCP設定データ等を参照して、RCP Linkage機能に対応付けられたRCPの識別情報(例えば、ID番号)を取得する(ステップS105)。
【0091】
統括制御部101は、ユーザによってカメラセレクト操作が実施されたか否かを判断する(ステップS107)。カメラセレクト操作が実施されたと判断される場合、統括制御部101は、ユーザ操作により選択されたカメラヘッドの識別情報(例えば、ID番号)を、対応関係情報変更部109に出力する。対応関係情報変更部109は、統括制御部101から出力された、ユーザ操作により選択されたカメラヘッドの識別情報に基づいて、RCP Linkage機能に対応づけられたRCPを、ユーザ操作により選択されたカメラヘッドに対応づける(ステップS109)。具体的には、例えば図7に示したような対応関係情報において、RCP Linkage機能に対応づけられたRCPに関連付けられているカメラヘッドの識別情報を、ユーザ操作によって選択されたカメラヘッドの識別情報に変更する。これにより、ユーザ操作によって選択されたカメラヘッドをRCP Linkage機能に対応づけられているRCPで制御することが可能となる。
【0092】
その後、統括制御部101は、ユーザ操作によって、RCP Linkage機能がOFFになったか否かを判断する(ステップS111)。RCP Linkage機能がOFFになっていない場合には、統括制御部101は、ステップS107に戻って処理を継続する。一方、RCP Linkage機能がOFFになった場合には、統括制御部101は、対応関係情報の変更処理を終了する。
【0093】
以上説明したような流れで処理が行われることにより、MSUソフトウェア上でユーザがカメラヘッドを選択すると、RCP Linkage機能に対応づけられているRCPに関して対応関係情報が変更されるため、RCPがMSUソフトウェアの設定を自動的に追尾して、ユーザにより選択されたカメラヘッドを制御できるようになる。これにより、情報処理装置100の近傍に設置されたRCPをRCP Linkage機能に対応づけることで、MSUソフトウェアのカメラセレクトにより選択した任意のカメラヘッドを、情報処理装置100の近傍に設置された1つのRCPで制御することが可能となる。その結果、本実施形態に係る情報処理装置及び情報処理方法では、操作性を損なうことなく複数のカメラヘッドの制御を行うことが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0094】
(ハードウェア構成について)
次に、図11を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成について、詳細に説明する。図11は、本開示の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0095】
情報処理装置100は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置100は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
【0096】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置100内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0097】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0098】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、情報処理装置100の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置100のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0099】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、情報処理装置100が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置100が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0100】
ストレージ装置919は、情報処理装置100の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0101】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置100に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0102】
接続ポート923は、機器を情報処理装置100に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置100は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に直接各種のデータを提供したりする。
【0103】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
【0104】
以上、本開示の実施形態に係る情報処理装置100の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0105】
なお、本開示の実施形態に係るリモートコントロールパネル20、カメラコントロールユニット30及びマスターセットアップユニット40のハードウェア構成は、本開示の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成と同様であり、同様の効果を奏するものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更部
を備える、情報処理装置。
(2)
前記対応関係情報変更部は、前記対応関係情報において所定の前記コントローラに対応付けられている前記撮像装置を、ユーザ操作に応じて変更する、(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記複数の撮像装置は、放送用の撮像装置である、(1)又は(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記対応関係情報変更部は、前記対応関係情報が記載されたデータベースの内容を、ユーザ操作に応じて変更する、(2)又は(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記撮像装置及び前記コントローラを直接制御する制御部を更に備える、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(6)
前記コントローラは、前記対応関係情報で自装置に対応付けられている前記撮像装置におけるアイリスの状態及びカラーバランスの少なくとも何れかを制御する、(1)〜(5)の何れか1つに記載の情報処理装置。
(7)
複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更すること
を含む、情報処理方法。
(8)
コンピュータに、
複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更機能
を実現させるためのプログラム。
(9)
複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、
前記複数の撮像装置及び前記複数のコントローラ間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係変更部を備えた情報処理装置と、
を含む、情報処理システム。
【符号の説明】
【0108】
1 情報処理システム
10 カメラヘッド
20 カメラコントロールユニット(CCU)
30 リモートコントロールパネル(RCP)
40 マスターセットアップユニット(MSU)
100 情報処理装置
101 統括制御部
103 表示制御部
105 ユーザ操作情報取得部
107 カメラ・RCP制御部
109 対応関係情報変更部
111 記憶部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更部
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記対応関係情報変更部は、前記対応関係情報において所定の前記コントローラに対応付けられている前記撮像装置を、ユーザ操作に応じて変更する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の撮像装置は、放送用の撮像装置である、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対応関係情報変更部は、前記対応関係情報が記載されたデータベースの内容を、ユーザ操作に応じて変更する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記撮像装置及び前記コントローラを直接制御する制御部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記対応関係情報で自装置に対応付けられている前記撮像装置におけるアイリスの状態及びカラーバランスの少なくとも何れかを制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更すること
を含む、情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、の間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係情報変更機能
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置の少なくとも何れかを操作するために用いられる複数のコントローラと、
前記複数の撮像装置及び前記複数のコントローラ間で互いに対応付けられている、一の前記撮像装置と当該一の撮像装置を操作可能な前記コントローラとの対応関係を示した対応関係情報を変更する対応関係変更部を備えた情報処理装置と、
を含む、情報処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−51519(P2013−51519A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187752(P2011−187752)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】