説明

情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

【課題】視認性を向上させる。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、表示制御手段と、選択手段と、画像処理手段と、を備える。表示制御手段は、表示画面内に配置される複数の表示領域毎に、画像データを表示するよう制御する。選択手段は、複数の表示領域に表示される画像データから、1つの画像データを選択画像データとして選択する。画像処理手段は、選択画像データ以外の画像データに対しては行われない画像処理を、選択画像データに対して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像処理技術の向上と共に、複数の映像信号を一つの画面内に表示する技術が提案されていた。
【0003】
複数の映像を一つの画面内に表示する技術としては、例えばピクチャインピクチャなどが提案されている。これにより、例えば映画などの動画コンテンツを再生する際に、当該動画コンテンツに関する解説等を、表示画面内に設けられた表示領域内で行うことが可能となった。従来技術としては、複数の動画コンテンツを一つの表示画面内に表示する際に、一方の動画コンテンツを、他方の動画コンテンツにあわせるよう画像処理を行う技術などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−111936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、表示画面内に複数の動画コンテンツを表示する場合、これら複数の動画コンテンツの違い、又は表示領域の位置等を考慮しない場合が多い。かかる点を考慮せずに動画コンテンツに対して画像処理を行うと、動画コンテンツの視認性が低下するという問題が生じる場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示領域毎に画像データを表示する際に、適切な画像処理を行う情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、表示制御手段と、選択手段と、画像処理手段と、を備える。表示制御手段は、表示画面内に配置される複数の表示領域毎に、画像データを表示するよう制御する。選択手段は、複数の表示領域に表示される画像データから、1つの画像データを選択画像データとして選択する。画像処理手段は、選択画像データ以外の画像データに対しては行われない画像処理を、選択画像データに対して行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる情報処理装置の概要構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる情報処理装置で実行されるソフトウェア構成を示したブロック図である。
【図3】図3は、ピクチャインピクチャに従って表示される画面の例を示した図である。
【図4】図4は、従来の画像表示装置に表示される画面例とする。
【図5】図5は、第1実施形態にかかる画像表示装置が表示する画像処理の対象を選択するための選択画面の例を示した図である。
【図6】図6は、第1の実施形態にかかる画像表示装置において、マウスポインタで第2の表示領域が指示された場合に表示する画面例を示した図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態にかかる情報処理装置における、画質改善処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、モニタフラグの対応関係を説明した図である。
【図9】図9は、第1の実施形態の変形例の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2の実施形態にかかる情報処理装置で実行されるソフトウェア構成を示したブロック図である。
【図11】図11は、第3の実施形態にかかる情報処理装置で実行されるソフトウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる情報処理装置の概要構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理装置100は、CPU101と、各種データを記憶するメモリ部103と、外部記憶装置として機能するHDD104と、各種情報を表示するための画像表示装置102と、各種データを入力するためのキーボードなどの入出力装置105と、Blu-rayディスク、CD、又はDVDに記録されたデータを読み出す光学ディスクドライブ106と、これら各部間でデータを転送するためのバス109と、備えている。
【0010】
CPU101は、いわゆる汎用プロセッサであり、比較的高度な分岐予測や機能豊富な演算器を用いることにより、複雑な処理を高速に実行することが可能なプロセッサとする。
【0011】
メモリ部103は、各種データを不揮発的に記憶するROM107と、各種データを一時的に記憶し、ワーキングエリアを構成するRAM108と、を備えている。
【0012】
HDD104は、データを記憶する。例えば、HDD104は、CPU101が処理するプログラムコードを記憶する。そして、記憶されたプログラムコードは、情報処理装置100の起動時等に、RAM108に展開され、CPU101が当該プログラムコードを実行する。
【0013】
図2は、情報処理装置100で実行されるソフトウェア構成を示したブロック図である。図2に示す例では、情報処理装置100で実行されるソフトウェアの例として、AV(Audio Visual)アプリケーション200と、OS250と、を示している。
【0014】
図2に示すように、本実施形態にかかるOS250は、サウンドドライバ251と、ビデオドライバ252と、を備えている。また、本実施形態にかかるAVアプリケーション200は、デマックス部201と、プライマリデコーダ202と、セカンダリデコーダ203と、選択部204と、位置判定部205と、レンダラー206と、を備え、プライマリデコーダ202及びセカンダリデコーダ203によりデコードされた複数の動画像データのうち、少なくとも1つ以上を選択し、画質を改善するための画像処理を行うこととした。
【0015】
デマックス(demux)部201は、入力されたコンテンツを、音声データと、動画像データと、に分離する。このコンテンツは、光学ディスクドライブ106から読み出されたり、ネットワークを介して受信されたものとする。このコンテンツがピクチャインピクチャ形式などの複数の動画像データを含んでいる場合、デマックス部201は、それぞれを異なるデコーダに出力する。
【0016】
図3は、ピクチャインピクチャの場合に表示される画面構成面の例を示した図である。図3に示す例では、画像表示装置102は、表示画面に合わせた第1の表示領域301内に、第2の表示領域302を表示する。そして、第1の表示領域301及び第2の表示領域302には、それぞれ異なる動画像データが表示される。これら異なる表示領域に表示される動画データは、それぞれ異なるデコーダでデコードされる。
【0017】
図2に戻り、プライマリデコーダ202は、第1の表示領域301に表示する動画像データをデコードする。セカンダリデコーダ203は、第2の表示領域302に表示する動画像データをデコードする。
【0018】
ところで、従来技術では、複数の動画像データをデコードした後、ピクチャインピクチャの形式に従って、複数の動画像データを合成してから画像処理が行われる場合(例えば、DirectXのシェーダ言語によるプログラム)が多かった。さらに、近年、グラフィックベンダー等が画質改善を提案している手法として、アプリケーションとは異なるモジュールをレンダラーまでの間に挟み込んで、画像処理を行う技術が提案されていたが、この場合、複数の動画像データのうち、第1の表示領域に表示する動画像データに限って、画質を改善するための画像処理(例えば、シャープネス)が行われていた。このように従来技術では、画質の改善対象となる動画像データが予め選択されており、画像処理の対象となる動画像データを選択できなかった。
【0019】
しかしながら、各表示領域に表示される動画像データは、シーンやソースの解像度、出力するときの表示サイズが異なるため、動画像データ毎に異なる画像処理を行って、画質改善を処理した方が良い場合もある。そこで、本実施形態にかかる情報処理装置100では、ユーザにより選択された動画像データに対して、画像処理を行うことを可能とした。
【0020】
図4は、従来の画像表示装置が、表示画面の第1の表示領域に映画などの動画像データを表示し、第2の表示領域に解説している人物を表示した例とする。図4に示す画面401のように、第1の表示領域に表示される動画像データが暗いシーンの場合、第2の表示領域との境目が不明瞭になる可能性がある。
【0021】
このような場合に、第1の表示領域301及び第2の表示領域302の両方に対して明るさを上げるような画質処理を行ったとしても、境目を明確にすることはできない。また、第1の表示領域301に表示される動画像データの明るさを上げれば、第2の表示領域302との境目は明確になるが、第1の表示領域301に表示される動画像データの内容が制作者の意図と異なる表示になる可能性がある。
【0022】
そこで、本実施形態にかかる情報処理装置100では、画像処理を行う表示領域を選択可能とした。図5は、画像表示装置102が表示する画像処理の対象を選択するための選択画面の例を示した図である。図5に示す選択画面の例では、「画質改善なし」、「いずれか一方に画質改善」、及び「両方に画質改善」が選択項目として表示されている。
【0023】
「画質改善なし」は、第1の表示領域301及び第2の表示領域302に表示する両方の動画像データに対して、画像処理を行わないことを示す項目とする。また、「両方に画質改善」は、第1の表示領域301及び第2の表示領域302に表示する両方の動画像データに対して、画像処理を行うことを示す項目とする。また、「いずれか一方に画質改善」は、第1の表示領域301及び第2の表示領域302に表示する動画像データのいずれか一方に対して、画像処理を行うことを示す項目とする。
【0024】
「いずれか一方に画質改善」が選択された場合、第1の表示領域301及び第2の表示領域302に表示される動画像データのうち、どちらが画像処理の対象になるのかは、ユーザが操作するマウスポインタに従って決定される。
【0025】
図2に戻り、位置判定部205は、入出力装置105を介して操作されたマウスポインタが指し示している、表示画面内の位置を判定する。本実施形態にかかる位置判定部205は、図5の選択画面で「いずれか一方に画質改善」が選択された場合に、マウスポインタが、第2の表示領域302内を指示しているのか否かを判定する。
【0026】
選択部204は、画質改善の処理の対象となる動画像データを選択する。本実施形態にかかる選択部204は、図5の選択画面で「いずれか一方に画質改善」が選択された場合、第2の表示領域302内を指示しているのか否かの判定結果に基づいて、画質改善の処理の対象となる動画像データを選択する。
【0027】
つまり、マウスポインタで第1の表示領域301が指示されている場合、第1の表示領域301に表示される動画像データが、画像処理の対象として、選択部204により選択される。また、マウスポインタで第2の表示領域302が指示されている場合、第2の表示領域302に表示される動画像データが、画像処理の対象として、選択部204により選択される。
【0028】
そして、選択部204が、第1の表示領域301に表示される動画像データを、画像処理の対象として選択した場合、当該動画像データを、第1の画質改善モジュール253に出力する。また、選択部204は、第1の表示領域301に表示される動画像データを、画像処理の対象として選択しなかった場合、当該動画像データを、レンダラー206内の合成部207に出力する。
【0029】
そして、選択部204が、第2の表示領域302に表示される動画像データを、画像処理の対象として選択した場合、当該動画像データを、第2の画質改善モジュール254に出力する。また、選択部204は、第2の表示領域302に表示される動画像データを、画像処理の対象として選択しなかった場合、当該動画像データを、レンダラー206内の合成部207に出力する。
【0030】
レンダラー206は、合成部207を備え、入力された動画像データを、画像表示装置102に対して表示するよう制御する。
【0031】
合成部207は、複数の動画像データが入力された場合、複数の動画像データを合成する。そして、レンダラー206は、合成した複数の動画像データを、出力タイミングに従って、画像表示装置102に対して出力する。
【0032】
これにより、レンダラー206は、画像表示装置102が表示する表示画面内に配置される第1の表示領域301及び第2の表示領域302のそれぞれに対して、動画像データを表示するよう制御している。
【0033】
OS250は、サウンドドライバ251と、ビデオドライバ252と、を備え、OS250は、コンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムである。OS250は、プログラムの起動、情報の読み込み制御、保存制御等を行う。
【0034】
サウンドドライバ251は、デマックス部201から入力された音声信号を、図示しないスピーカから出力する。
【0035】
ビデオドライバ252は、第1の画質改善モジュール253と、第2の画質改善モジュール254と、を備え、情報処理装置100内に備えられた(図示しない)ビデオカードを認識させるソフトウェアとする。そして、ビデオドライバ252は、認識されたビデオカードを介して接続された画像表示装置102に対して動画像データの表示を可能とする。
【0036】
第1の画質改善モジュール253は、第1の表示領域301に表示する動画像データが選択部204により選択された場合に、選択された動画像データ以外の動画像データに対しては行われない画像処理を、選択された動画像データに対して行う。第1の画質改善モジュール253が行う画像処理としては、例えば、記憶色(肌色)補正、シャープネス補正、高解像度化などがある。
【0037】
第2の画質改善モジュール254は、第2の表示領域302に表示する動画像データが選択部204により選択された場合に、選択された動画像データ以外の動画像データに対しては行われない画像処理を、選択された動画像データに対して行う。第2の画質改善モジュール254が行う画像処理としては、例えば、ガンマ補正、コントラスト補正などがある。このように第1の画質改善モジュール253が行う画像処理と、第2の画質改善モジュール254が行う画像処理と、を異ならせる。
【0038】
図6は、マウスポインタで第2の表示領域302が指示された場合に、画像表示装置102が表示する画面の例を示した図である。図6に示す画面例600では、表示領域302が、マウスポインタ601で指示されている場合に、第2の画質改善モジュール254が、第2の表示領域302に表示する動画像データに対して画像処理を行う。図6に示す例では、第2の表示領域302に表示する動画像データに対して、ガンマ補正により全体の明るさを向上させる処理を行う例とする。当該処理により、第2の表示領域302に表示される動画像データと、第1の表示領域301に表示する動画像データと、の境目が明確となっている。
【0039】
次に、本実施の形態にかかる情報処理装置100における、画質改善処理について説明する。図7は、本実施の形態にかかる情報処理装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0040】
まず、選択部204が、モニタフラグの初期値として‘0’を設定する(ステップS701)。図8は、モニタフラグの対応関係を説明した図である。図8に示すように、モニタフラグ‘0’は、第1の表示領域301が画質改善の対象となること示すフラグとする。モニタフラグ‘1’は、第2の表示領域302が画質改善の対象となることを示すフラグとする。モニタフラグ‘2’は、両方の表示領域が画質改善の対象になることを示すフラグとする。
【0041】
図7に戻り、選択部204が、表示対象となる動画像データに、再生すべきフレームがあるか否か判定する(ステップS702)。動画像データに再生すべきフレームが無いと判定した場合(ステップS702:No)、処理を終了する。
【0042】
一方、選択部204が、再生すべきフレームがあると判定した場合(ステップS702:Yes)、さらに、画質改善の設定がなされているか否か判定する(ステップS703)。画質改善の設定がなされていない(選択画面で「画質改善なし」が選択されている)場合(ステップS703:No)、画質改善のための処理を行わず、再びステップS702から処理を行う。
【0043】
一方、選択部204で、画質改善の設定がされていると判定した場合(ステップS703:Yes)、第1の表示領域301及び第2の表示領域302の両方が画質改善の処理の対象であるか否かを判定する(ステップS704)。次に、選択部204は、両方が画質改善の処理の対象と判定した(選択画面で「両方に画質改善」が選択されている)場合(ステップS704:Yes)、モニタフラグに‘2’を設定する(ステップS705)。
【0044】
そして、選択部204が、2つの表示領域の両方が画質改善の処理の対象ではないと判定した(選択画面で「いずれか一方に画質改善」が選択されている)場合(ステップS704:No)、位置判定部205が、マウスポインタの位置情報が入力されたか否かを判定する(ステップS706)。なお、マウスポインタの位置情報は、OS250等から入力されるものとする。位置が入力されていないと判定した場合(ステップS706:No)、すでに設定されているモニタフラグを用いるものとする。
【0045】
一方、位置判定部205が、マウスポインタの位置情報が入力された場合(ステップS706:Yes)、マウスポインタが第2の表示領域302内を指示しているか否かを判定する(ステップS707)。第2の表示領域302内を指示していない場合(ステップS707:No)、モニタフラグに‘0’を設定する(ステップS709)。一方、第2の表示領域302内を指示している場合(ステップS707:Yes)、モニタフラグに‘1’を設定する(ステップS708)。
【0046】
そして、選択部204が、設定されたモニタフラグに従って、画質改善を行う動画像データを選択する。そして、第1の画質改善モジュール253及び第2の画質改善モジュール254が、選択部204により選択された動画像データにおける、再生すべきフレームに対して画質を改善させるための画像処理を行う(ステップS710)。その後、再びステップS702から処理を行う。
【0047】
上述した処理手順により、ユーザが所望する表示領域に対して、画質改善のための処理を行うことができる。
【0048】
本実施形態では、動画像データを画像処理の対象としたが、動画像データに制限するものではない。例えば、情報処理装置で処理対象となるデータは、画像データ(静止画)など、画像表示装置102なども通常のモニタ等で表示できるデータであればよい。
【0049】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、マウスポインタの位置に従って、処理対象となる表示領域を選択した例について説明した。しかしながら、表示領域の選択手法は、マウスポインタで指示された場合に制限するものではなく、どのように選択しても良い。そこで、第1の実施形態の変形例として、ユーザの視線に従って、画質改善の対象を選択する例について説明する。
【0050】
図9は、第1の実施形態の変形例の情報処理装置900の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理装置900は、AVアプリケーション901と、OS250と、を備えている。そして、情報処理装置900のAVアプリケーション901は、上述した第1の実施の形態にかかる情報処理装置100のAVアプリケーション200とは、位置判定部205を削除すると共に、視認領域判定部902を追加した点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0051】
また、本実施形態にかかる情報処理装置900は、カメラ910と接続されている。カメラ910は、ユーザを含む外部環境の撮像を行っている。
【0052】
視認領域判定部902は、カメラ910が撮像した画像データを解析し、ユーザが見ている表示領域を判定する。本実施形態では、解析した画像データのユーザの目の位置に基づいて、ユーザが第2の表示領域302を見ているか否かを判定する。ユーザが第2の表示領域302を見ている場合には、画質改善の対象が、第2の表示領域302に表示される動画像データとなる。ユーザがそれ以外の箇所を視認している場合には、画質改善の対象が、第1の表示領域301に表示される動画像データとなる。それ以外の処理は第1の実施形態と同様とする。
【0053】
このように、本変形例にかかる情報処理装置900では、ユーザの視線の先にある表示領域に基づいて、画質改善の対象を変更した場合でも第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ユーザが操作せずとも、ユーザの所望している表示領域に対して画像処理が行われるため、利便性を向上させることができる。
【0054】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、画像処理をビデオドライバで行う例について説明した。しかしながら、画像処理を行う構成をビデオドライバに制限するものではない。そこで、第2の実施形態では、AVアプリケーション内の構成で行う例とする。
【0055】
図10は、第2の実施形態にかかる情報処理装置1000で実行されるソフトウェア構成を示したブロック図である。図2に示す例では、情報処理装置1000で実行されるソフトウェアの例として、AV(Audio Visual)アプリケーション1001と、OS1050と、を示している。OS1050は、第1の実施形態のビデオドライバ252を含んでいない以外、第1の実施形態と同様とする。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0056】
AVアプリケーション1001は、上述した第1の実施の形態にかかるAVアプリケーション200とは、レンダラー206とは処理が異なるレンダラー1002に変更された構成とする。
【0057】
レンダラー1002は、第1の画質改善モジュール1003と、第2の画質改善モジュール1004と、合成部207と、を備えるものとする。
【0058】
第1の画質改善モジュール1003、及び第2の画質改善モジュール1004は、選択部204による選択結果に応じて、画質改善のための画像処理を行うか否かが切り替えられるものとする。なお、第1の画質改善モジュール1003、及び第2の画質改善モジュール1004が行う処理は、第1の実施形態の第1の画質改善モジュール253、及び第2の画質改善モジュール254と同様とする。
【0059】
第2の実施形態にかかる情報処理装置1000は、上述した構成を備える場合でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では画像処理をビデオドライバで行う例を、第2の実施形態では画像処理をAVアプリケーションで行う例を説明した。しかしながら、表示領域毎に行われる画像処理を、同一の構成で行うことに制限するものではない。そこで、第3の実施形態では、ビデオドライバ、AVアプリケーション内の構成で行う例とする。
【0061】
図11は、第3の実施形態にかかる情報処理装置1100で実行されるソフトウェア構成を示したブロック図である。図11に示す例では、情報処理装置1100で実行されるソフトウェアの例として、AV(Audio Visual)アプリケーション1101と、OS1150と、を示している。以下の説明では、上述した第1及び第2の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0062】
OS1150は、第1の実施形態のビデオドライバ252と構成が異なるビデオドライバ1151を備えていること以外、第1の実施形態と同様とする。ビデオドライバ1151は、プライマリデコーダ202から出力された動画像データに対して、画質改善のための画像処理を行う。
【0063】
AVアプリケーション1101は、上述した第2の実施の形態にかかるAVアプリケーション1001とは、レンダラー1002と処理が異なるレンダラー1102に変更された構成とする。
【0064】
レンダラー1102は、第2の画質改善モジュール1004と、合成部207と、を備えるものとする。そして、第2の画質改善モジュール1004は、セカンダリデコーダ203から出力された動画像データに対して、画質改善のための画像処理を行う。
【0065】
このように、第3の実施形態にかかる情報処理装置1100は、上述した構成を備える場合でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
なお、上述した実施形態では、第1の画質改善モジュールが実行する画像処理と、第2の画質改善モジュールが実行する画像処理と、を異ならせた例について説明した。しかしながら、実行する画像処理を必ず異ならせる必要があるものではなく、同一の画像処理を行うことにしても良い。
【0067】
上述した実施形態にかかる情報処理装置においては、ユーザの操作等に従って、表示領域に表示される画像データを選択し、選択された画像データに対して画像処理を行うことを可能とした。これにより、ユーザが所望する画像データに対して画質の改善等を行うことを可能とした。さらに、ユーザが選択した画像データに限り、画像処理を行うことで一画面に表示される画像データの違いが明確になり、視認性を向上させることが可能となった。
【0068】
上述した実施形態にかかる情報処理装置においては、ピクチャインピクチャなどの、表示領域の境界が明確でない場合に、一方の表示領域の動画像データに対して画像処理を行い、画質の差をつけることを可能としている。これにより、境界の差を明確にすることができる。
【0069】
上述した実施形態の情報処理装置で実行されるAVアプリケーション及びビデオドライバは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0070】
また、上述した実施形態の情報処理装置で実行されるAVアプリケーション及びビデオドライバを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、 上述した実施形態の情報処理装置で実行される情報処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0071】
また、本実施形態のAVアプリケーション及びビデオドライバを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0072】
上述した実施形態の情報処理装置で実行されるAVアプリケーション及びビデオドライバは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU101が上記記憶媒体からAVアプリケーション及びビデオドライバを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、AVアプリケーション及びビデオドライバが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
100、900、1000、1100…情報処理装置、101…CPU、102…画像表示装置、103…メモリ部、104…HDD、105…入出力装置、106…光学ディスクドライブ、107…ROM、108…RAM、109…バス、200、901、1001、1101…AVアプリケーション、201…デマックス部、202…プライマリデコーダ、203…セカンダリデコーダ、204…選択部、205…位置判定部、206、1002、1102…レンダラー、207…合成部、250、1050、1150…OS、251…サウンドドライバ、252、1151…ビデオドライバ、253、1003…第1の画質改善モジュール、254、1004…第2の画質改善モジュール、902…視認領域判定部、910…カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面内に配置される複数の表示領域毎に、画像データを表示するよう制御する表示制御手段と、
前記複数の表示領域に表示される画像データから、1つの画像データを選択画像データとして選択する選択手段と、
前記選択画像データ以外の前記画像データに対しては行われない画像処理を、前記選択画像データに対して行う画像処理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記選択手段は、入力デバイスにより指示された表示領域を、選択表示領域として選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
撮像手段により撮像された撮像データから、ユーザが参照している表示領域を判定する判定手段を、さらに備え、
前記選択手段は、前記判定手段により判定された、ユーザが参照している表示領域に表示される画像データを、前記選択画像データとして選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像処理手段が、前記選択画像データに対して行う前記画像処理が、ガンマ補正、コントラスト補正、シャープネス、高解像度化処理のうち少なくとも1つ以上である、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
表示制御手段は、表示画面内に配置される複数の表示領域毎に、画像データを表示するよう制御する表示制御ステップと、
選択手段は、前記複数の表示領域に表示される画像データから、1つの画像データを選択画像データとして選択する選択ステップと、
画像処理手段は、前記選択画像データ以外の前記画像データに対しては行われない画像処理を、前記選択画像データに対して行う画像処理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
表示画面内に配置される複数の表示領域毎に、画像データを表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記複数の表示領域に表示される画像データから、1つの画像データを選択画像データとして選択する選択ステップと、
前記選択画像データ以外の前記画像データに対しては行われない画像処理を、前記選択画像データに対して行う画像処理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−12073(P2013−12073A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144791(P2011−144791)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】