情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム
【課題】UIの変化とユーザの操作との関係が理解し易く、直感的に操作することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、を備える。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、直感的で使いやすいユーザインタフェース(以下、「UI」ともいう。)を実現可能であることから、従来から交通機関の発券機や銀行のATM等に使用されていた。近年では、タッチパネルはユーザの動作を検出することも可能となり、従来のボタン操作にはない機器の操作を実現することができるようになった。これにより、近年、携帯電話機やゲーム機器などの携帯機器にタッチパネルが多く用いられるようになっている。例えば特許文献1には、タッチパネルを用いたUIにより、複数の画像を効率よく確認でき、さらに確認操作が簡便かつ直感的にできるようにした情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−55455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のタッチパネルでは、タッチパネルによって検知可能な指の情報は、接触している指の状態のみであった。このため、指がタッチパネルに接触するまでは機器を操作することができず、また、指をタッチパネルに接触させることによりどのような処理が実行されるのか、ユーザは指をタッチパネルに接触させるまで認識することができなかった。
【0005】
また、複数の画面を効率よく確認するために、コンテンツをブラウズする上で俯瞰性を向上させ、迅速に全体上を把握することができるUIとして、サムネイル表現は有効である。その一方で、サムネイル表現を用いると、コンテンツが大量に存在する場合に、関連のあるコンテンツのまとまりを把握し難く、コンテンツ階層的な俯瞰をすることができないという問題もある。あるいは、複数のコンテンツを群として扱い、フォルダやサムネイル表現に集約することで、マクロでの俯瞰性を向上することができる。しかし、コンテンツ群の集約表現を用いた場合には、個々のコンテンツを俯瞰することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、UIの変化とユーザの操作との関係が理解し易く、直感的に操作することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
表示変更部は、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離より大きいときには、オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約されたオブジェクトを展開して表示するようにしてもよい。
【0009】
このとき、表示変更部は、表示面に対して直交する方向における操作体の移動速度に応じて、オブジェクト群を構成するオブジェクトの展開の程度を変化させてもよい。
【0010】
また、表示変更部は、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離より大きいときには、オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約されたオブジェクトを、各オブジェクトが重複しないように整列して表示するようにしてもよい。
【0011】
表示変更部は、検出部により表示面と操作体との距離が小さくなるほど、オブジェクト群を展開してオブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを小さくし、検出部により表示面と操作体との距離が大きくなるほど、オブジェクト群を集約してオブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを大きくするようにしてもよい。
【0012】
表示変更部は、オブジェクト群が展開されたとき、各オブジェクトを選択可能にしてもよい。
【0013】
また、検出部による検出結果より、操作体によるかき混ぜ動作が検出されたとき、表示変更部は、オブジェクト群を構成する各オブジェクトをランダムに移動させるようにしてもよい。
【0014】
ここで、オブジェクト群が展開されたときにオブジェクト群を構成するオブジェクトのうち1のオブジェクトへの操作体の接触が検出部の検出結果より認識されたとき、表示制御部は、操作体が接触したオブジェクトに対応するコンテンツの実行を決定するようにしてもよい。
【0015】
また、オブジェクト群には、当該オブジェクト群を含む判定領域が設定されており、表示変更部は、検出部の検出結果より操作体が判定領域内に位置するとき、当該判定領域に対応するオブジェクト群を操作対象としてもよい。
【0016】
このとき、表示変更部は、コンテンツ群の展開の程度に応じて、コンテンツ群を含むように判定領域を変更するようにしてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出部により検出するステップと、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更するステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0018】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部検出部に、近接距離を検出させる検出部制御部と、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、を備える、情報処理装置として機能させるためのコンピュータプログラムが提供される。
【0019】
プログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記情報処理装置として機能させることができる。また、プログラムが記録された、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどである。磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、UIの変化とユーザの操作との関係が理解し易く、直感的に操作することが可能な情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る情報処理装置による、操作体と表示面との近接距離に応じたオブジェクトの表示形態を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】同実施形態に係るオブジェクト群の表示形態の変更処理を示すフローチャートである。
【図6】指の位置の位置に応じたオブジェクト群の表示形態を示す説明図である。
【図7】判定領域の一例を示す説明図である。
【図8】判定領域の他の一例を示す説明図である。
【図9】コンテンツパイルリストにおける表示変更処理を示す説明図である。
【図10】地図情報とこれに関連するコンテンツ群の表示例を示す説明図である。
【図11】近接距離に応じてコンテンツ群の広がりの変化させるときの表示例を示す説明図である。
【図12】近接領域内の指の位置に応じて表示形態を変化させる一例を示す説明図である。
【図13】近接方向における指の移動速度が小さいときのコンテンツ群の表示例を示す説明図である。
【図14】近接方向における指の移動速度が大きいときのコンテンツ群の表示例を示す説明図である。
【図15】コンテンツ群のかき混ぜ表示の一例を示す説明図である。
【図16】コンテンツ群のかき混ぜ表示の他の例を示す説明図である。
【図17】コンテンツ群展開後のインタラクションの一例を示す説明図である。
【図18】コンテンツ群展開後のインタラクションの他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.情報処理装置の構成とこれによるコンテンツ群の表示変更処理
2.バリエーション
【0024】
<1.情報処理装置の構成とこれによるコンテンツ群の表示変更処理>
[情報処理装置のハードウェア構成例]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0025】
本実施形態に係る情報処理装置100は、表示装置の表示面上における操作体の接触位置を検出可能であり、かつ、表示装置の表示面と当該表示面の上方にある操作体との近接距離を検出可能な検出部を備える装置である。情報処理装置100としては、例えば、テレビやパーソナルコンピュータのディスプレイ等の大型の表示装置を備える機器や、携帯情報端末やスマートフォンのような小型の表示装置を備える機器等、機器の機能やサイズによらず、様々な機器を想定している。
【0026】
本実施形態に係る情報処理装置100は、図1に示すように、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、不揮発性メモリ103と、表示装置104と、近接タッチセンサ105とを備える。
【0027】
CPU101は、上述したように、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置100内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。RAM102は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。不揮発性メモリ103は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。不揮発性メモリ103は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を用いることができる。
【0028】
表示装置104は、情報を出力する出力装置の一例である。表示装置104として、例えば液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置などを用いることができる。近接タッチセンサ105は、ユーザが情報を入力する入力装置の一例であって、情報を入力ための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。
【0029】
本実施形態に係る情報処理装置100において、近接タッチセンサ105は、図2に示すように、表示装置104の表示面に積層して設けられる。これにより、ユーザが表示面に指等を近づけたときに、近接タッチセンサ105によって表示面に対する指までの距離を検出することが可能となる。
【0030】
[情報処理装置への操作情報の入力]
このような情報処理装置100に対して、ユーザは、表示装置104の表示面に指等の操作体を近づけると、近接タッチパネル105によって表示面と操作体との間の近接距離が検出される。情報処理装置100は、この近接距離に応じて、表示装置104に表示されている情報の表示形態を変化させる。これにより、ユーザは、情報の表示形態の変化より、表示面に操作体を接触させる前に、その後に実行される処理や実行可能な処理等を推測することが可能となる。
【0031】
特に、本実施形態の情報処理装置100では、コンテンツと対応付けられたアイコンやサムネイル等のオブジェクトが複数表示されている際に、オブジェクトのまとまりを分かりやすくユーザに提示するとともに、個々のオブジェクトを俯瞰できるようにする。例えば、表示装置104に、各コンテンツと対応付けられたパイル状のオブジェクト(以下、「コンテンツパイル」と称する。)210を表示させる。このとき、情報処理装置100は、コンテンツのジャンルや作成日時等の関連性のあるコンテンツパイル210を集め、関連性のあるコンテンツパイル210からなるコンテンツ群200を形成する。コンテンツ群200は、例えば図3上図に示すように、複数のコンテンツパイル210が重なり合うように纏まった形態(集約形態)で表示される。これにより、ユーザは、コンテンツ群200によってマクロでの俯瞰を行うことができる。
【0032】
ここで、コンテンツ群200が集約形態で表示されているときには、コンテンツパイル210が重なり合っているため、個々のコンテンツパイル210に記載された内容をユーザは視認することができない。また、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210から所望のコンテンツに関連付けられたコンテンツパイル210を探し出し、選択することも困難である。そこで、本実施形態に係る情報処理装置100では、近接タッチセンサ105を用いて、操作体(例えば、指F)と表示装置104の表示面との近接距離に応じてコンテンツ群200の表示形態を変化させる。変化する表示形態により、ユーザは、操作体を表示面に接触させるまでに、その後に実行される処理や、可能な操作を認識することが可能となり、快適かつ安心に操作を行うことができる。
【0033】
指Fが表示装置104の表示面に近づいたときのコンテンツ群200の表示形態の変化としては、例えば、図3下図に示すように、集約状態から、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210が略円状に広がった形態(プレビュー状態)となること等がある。重なり合ったコンテンツパイル210が広がることで、コンテンツパイル210に記載された情報をユーザは視認できるようになる。
【0034】
以下、図4〜図18に基づいて、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成とこれによる表示処理について、詳細に説明していく。
【0035】
[機能構成]
まず、図4に基づいて、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成について説明する。なお、図4は、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置100は、図4に示すように、入力表示部110と、距離算出部120と、位置算出部130と、表示変更部140と、設定記憶部150と、メモリ160とを備える。
【0036】
入力表示部110は、情報を表示するとともに情報を入力するための機能部であって、検出部112と、表示部114とを備える。検出部112は、図1の近接タッチセンサ105に対応し、例えば静電式タッチパネル等を用いることができる。この場合、検出部112は、操作体と表示部114の表示面との間の近接距離に応じて変化する静電容量の値を検出する。操作体が表示面に所定距離以上近接すると、検出部112により検出される静電容量が増加し、さらに近接するにつれて静電容量は増加する。そして、操作体が表示面に接触すると、検出部112により検出される静電容量が最大となる。このような検出部112に検出された静電容量の値に基づいて、後述する距離算出部120は、表示部114の表示面に対する操作体の近接距離を算出することができる。検出部112は、検出した静電容量の値を検出結果として距離算出部120へ出力する。
【0037】
また、検出部112の検出結果より表示部114の表示面上における操作体の位置を特定するため、当該検出結果は、後述する位置算出部130へも出力される。
【0038】
表示部114は、図1の表示装置104に対応する、情報を表示する出力装置である。表示部114には、例えばコンテンツパイル210や、コンテンツパイル210に関連付けられたコンテンツの内容等が表示される。また、表示変更部140によりコンテンツ群200の表示形態の変更された場合には、表示変更部140より変更後のコンテンツ群200の表示情報が表示部114に通知され、表示部114に変更後の表示形態でコンテンツ群200が表示される。
【0039】
距離算出部120は、検出部112から入力された検出結果に基づいて、操作体と表示部114の表示面との間の近接距離を算出する。上述したように、検出部112が検出した静電容量の値が大きいほど操作体と表示面とは近接しており、操作体が表示面に接触したときに静電容量の値は最大となる。静電容量の値と近接距離との対応関係は、後述する設定記憶部150に予め記憶されている。距離算出部120は、検出部112から入力された静電容量の値より、設定記憶部150を参照して、操作体と表示面との近接距離を算出する。算出された近接距離は、表示変更部140へ出力される。
【0040】
位置算出部130は、検出部112から入力された検出結果に基づいて、表示部114の表示面上における操作体の位置を特定する。詳細は後述するが、コンテンツ群200の表示形態の変更処理は、当該オブジェクト210に対して設定された判定領域内に操作体が位置する場合に実行される。位置算出部130は、コンテンツ群200の表示形態の変更処理を実行するか否かを判定するために、換言すれば、操作体が判定領域内に位置するか否かを判定するために、表示面上における操作体の位置を算出する。
【0041】
例えば、検出部112がx座標及びy座標の検出を行う静電検出用グリッドが形成された静電センサ基板によって構成されているとする。このとき、検出部112は、操作体の接触に応じた各グリッドの静電容量の変化から、基板上における(すなわち、表示面における)操作体の接触座標を特定することができる。位置算出部130は、特定した操作体の位置を表す位置情報を表示変更部140に出力する。
【0042】
表示変更部140は、操作体と表示面との近接距離に応じて、表示部114に表示されているオブジェクト210の表示形態を変更する。表示変更部140は、距離算出部120から入力された近接距離に基づいて、操作体が表示面との近接距離が所定の距離以下の領域である近接領域にあるか否かを判定する。また、表示変更部140は、位置算出部130から入力された操作体の位置情報に基づいて、表示面上において操作体が判定領域内に位置するか否かを判定する。表示変更部140は、近接領域内かつ判定領域内に操作体が位置する場合に、近接距離に応じてコンテンツ群200の表示形態を変更する。
【0043】
コンテンツ群200の表示形態としては、例えば、複数のコンテンツパイル210が重なり合って纏まっている集約状態、コンテンツパイル210が集約状態から広がり、各コンテンツパイル210に記載された情報が確認できるプレビュー状態等がある。なお、表示変更部140によるコンテンツ群200の表示形態の変更処理については後述する。表示変更部140は、コンテンツ群200の表示形態を変更すると判定した場合には、変更後のコンテンツ群200の表示形態とする画像を生成し、表示部114へ出力する。
【0044】
設定記憶部150は、操作体と表示面との近接距離の算出や、表示面上における操作体の位置情報の生成、その他、コンテンツ群200の表示形態の変更処理に際して用いられる情報を設定情報として記憶する。設定記憶部150には、例えば、静電容量の値と近接距離との対応関係を記憶しており、距離算出部120は、かかる対応関係を参照して、検出部112から入力された静電容量の値に対応する近接距離を算出することができる。また、設定記憶部150には、表示形態の変更処理を実行するか否かの判定に用いる、各コンテンツ群200にそれぞれ設定された判定領域を記憶する。位置算出部130は、設定記憶部150に記憶された判定領域を参照して、検出部112の検出結果より特定された操作体の位置情報がいずれかのコンテンツ群200の判定領域内に位置するか否かを判定する。
【0045】
さらに、設定記憶部150には、操作体と表示面との近接距離に応じて決定された近接領域を記憶することもできる。例えば、操作体と表示面との近接距離が閾値距離以下の領域を第1の近接領域として、第1の近接領域内に操作体が位置したときにコンテンツ群200の表示形態を変化させる等のように、設定した近接領域を表示形態の変更処理の実行可否の判定に利用できる。近接領域は、複数設定することができる。
【0046】
メモリ160は、コンテンツ群200の表示形態の変更処理等において必要な情報を一時的に記憶する記憶部である。メモリ160は、例えば操作体と表示面との近接距離の履歴や、コンテンツ群200の表示形態の変更履歴等を記憶する。メモリ160は、表示変更部140だけでなく、距離算出部120や位置算出部130等の他の機能部も参照、アクセスできるようにしてもよい。
【0047】
[コンテンツ群の表示形態の変更処理]
このような機能構成を有する情報処理装置100では、上述したように、操作体と表示面との近接距離に応じて、操作体が表示面に接触する前に、コンテンツ群200の表示形態を変化させる。このコンテンツ群200の表示形態の変更処理について、以下、図5〜図8に基づいて説明する。なお、図5は、本実施形態に係るコンテンツ群200の表示形態の変更処理を示すフローチャートである。図6は、指の位置の位置に応じたコンテンツ群200の表示形態を示す説明図である。図7は、判定領域220の一例を示す説明図である。図8は、判定領域220の他の一例を示す説明図である。
【0048】
情報処理装置100によるコンテンツ群200の表示形態の変更処理は、図5に示すように、まず、表示変更部140は、操作体である指Fが、近接領域内に位置するか否かを判定する(S100)。本実施形態では、表示部114の表示面から所定の距離だけ鉛直上方に離隔した位置までの領域を近接領域とする(図6参照)。近接領域を規定する所定の距離は、検出部112により検出可能な最大距離以下とし、デバイスの仕様やユーザの好みに応じて適宜設定することができる。表示変更部140は、距離算出部120が検出部112の検出結果に基づき算出した近接距離と、所定の距離とを比較して、近接距離が所定の距離以下であった場合には、指Fが近接領域内にあると判定し、ステップS110の処理を実行する。一方、近接距離が所定の距離より大きい場合には、指Fは近接領域外にあると判定し、ステップS100の処理を繰り返す。
【0049】
指Fが近接領域内にあると判定すると、表示変更部140は、次いで、指Fが判定領域内に位置するか否かを判定する(S110)。判定領域は、上述したように、各コンテンツ群200に対応してそれぞれ設定される領域であり、コンテンツ群200の表示形態の変更処理を実行するか否かの判定の際に用いられる。判定領域は、対応するコンテンツ群200を含むように設定される。
【0050】
例えば、図7に示すように、コンテンツ群200の周囲に矩形状の判定領域220を設定することができる。判定領域220内に指Fが位置していない場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は変化せず、コンテンツパイル210は重なり合った状態のままとする。一方、指Fが判定領域220内に位置した場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は、図7右図のようにコンテンツパイル210が広がり、各コンテンツパイル210に記載された情報が確認可能な状態に変化する。その後、指Fが判定領域220外に移動された場合には、広がったコンテンツパイル210は1か所に集まり、再び集約状態となる。
【0051】
また、判定領域220を、例えば図8に示すように、コンテンツ群200を含む略円形状の領域に設定することもできる。この場合にも図7の例と同様に、判定領域220内に指Fが位置していない場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は変化せず、コンテンツパイル210は重なり合った状態のままとする。一方、指Fが判定領域220内に位置した場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は、図8右図のようにコンテンツパイル210が広がり、各コンテンツパイル210に記載された情報が確認可能な状態に変化する。その後、指Fが判定領域220外に移動された場合には、広がったコンテンツパイル210は1か所に集まり、再び集約状態となる。
【0052】
なお、判定領域220の形状、サイズ等は、図7、図8に示す例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、図8右図に示すように、コンテンツパイル210が広がった状態で表示されているときには、判定領域220を拡大するようにしてもよい(拡大された判定領域220a)。判定領域220のサイズを固定としたとき、コンテンツパイル210の広がりを判定領域220内に収めるように設定した場合には、十分な判定領域220をとっておかなければ、コンテンツパイル210が広がってもコンテンツパイル210の重なりが残ってしまう可能性がある。そうすると、各コンテンツパイル210に記載された情報を十分に確認することができない。また、判定領域220を大きく設定し過ぎると、指Fがコンテンツ群200から離れた位置にあっても判定領域220内に位置してしまう可能性があり、操作し難くなる。
【0053】
仮に、コンテンツパイル210の広がりを判定領域220外にも許容すると、コンテンツパイル210が広がった際に判定領域220からコンテンツパイル210がはみ出すことも想定される。このとき、判定領域220外に位置するコンテンツパイル210をユーザが選択しようとすると、指Fが判定領域220外に位置して、コンテンツパイル210を選択する前にコンテンツパイル210が集約状態となり、コンテンツパイル210の選択ができないという問題もある。そこで、コンテンツパイル210の広がりに応じて判定領域220のサイズを変更するようにして、これらの問題を解決するようにしてもよい。
【0054】
図5の説明に戻り、ステップS110にて、指Fが設定されたコンテンツ群200の判定領域220内に位置すると判定した場合、表示変更部140は、コンテンツ群200の表示形態の変更を決定する(S120)。指Fが近接領域内に位置し、かつ判定領域220内に位置するとき、ユーザは指Fを表示面に近づけて、コンテンツパイル120の選択を行おうとしていると考えられる。そこで、例えば図6に示すように、ユーザが所望のコンテンツパイル210を視認できるように、重なり合った集約状態から、コンテンツパイル210同士の重なりを小さくし、各コンテンツパイル210に記載された情報を視認できる程度にコンテンツパイル210を広げて表示する。なお、ステップS110にて、指Fが判定領域220内に位置していない場合には、コンテンツ群200の表示形態は変化させず、ステップS100からの処理を繰り返す。
【0055】
ステップS120にてコンテンツ群200の表示形態をコンテンツパイル210が広がった状態に変化させると、表示変更部140は、さらに、指Fが表示面に接触したか否かを判定する(S130)。表示変更部140は、検出部112の検出結果である静電容量の値が接触時に想定される静電容量の値以上であったとき、指Fが表示面に接触したものと推定する。このとき、指Fが接触した位置にコンテンツパイル210があるときには、表示変更部140は、当該コンテンツパイル210に関連付けられた処理を実行する(S140)。例えば、コンテンツパイル210にコンテンツが関連付けられているとき、当該コンテンツパイル210が選択されるとコンテンツが実行されるようになる。
【0056】
一方、ステップS130にて、表示面への接触が検知されない場合には、ステップS110からの処理を繰り返す。その後、例えば、指Fが表示面から離隔され、近接領域内に位置しなくなると、表示変更部140は、広がったコンテンツパイル210を図6右図に示すように再び1か所に集め、集約状態で表示する。このように、本実施形態に係る情報処理装置100は、指Fと表示面との近接距離に応じて、コンテンツ群200の表示形態を変更する。
【0057】
以上、本実施形態に係る情報処理装置100によるコンテンツ群200の表示形態の変更処理について説明した。かかる処理によって、表示面の指の位置を変更させるだけで、ユーザは、コンテンツ群200の選択と、選択したコンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210に記載された情報の閲覧とを行うことができる。さらには、所望のコンテンツパイル210に指Fを接触させることで、コンテンツパイル210の選択と当該コンテンツパイル210に関連付けられた処理を実行することも可能となる。
【0058】
例えば図9に示すように、複数のコンテンツ群200A〜200Dがコンテンツパイルリストとして表示部114に表示されているときに、ユーザがコンテンツ群200Aの上方に指Fをかざし、指Fをコンテンツ群200Aが表示されている表示面に近接させる(図9の上段)。指Fが近接領域内に位置するようになると、集約状態であったコンテンツ群200Aのコンテンツパイル210Aは、コンテンツパイル210Aの記載が視認できるように広がって表示される(図9の中段)。この状態で、ユーザは、コンテンツ群200Aを構成するコンテンツパイル210Aのうち1つを選択して、そのコンテンツパイル210Aに関連付けられた処理を実行することが可能となる。
【0059】
その後、ユーザが指Fを近接領域内に保持したまま紙面右方向へ移動させたとする。指Fがコンテンツ群200Aの判定領域220A内に位置する間は、コンテンツ群200Aはコンテンツパイル210Aが広がった状態で表示される。指Fがコンテンツ群200Aの判定領域220A内から外れると、コンテンツ群200Aはコンテンツパイル210Aが1か所に集約した状態で表示される。そして、さらに指Fが紙面右方向へ移動され、コンテンツ群200Bに対応する判定領域220B内に位置すると、コンテンツ群200Bを構成するコンテンツパイル210Bは、コンテンツパイル210Bの記載が視認できるように広がって表示される(図9の下段)。
【0060】
なお、このようなコンテンツパイルリストとしてコンテンツ群200A〜200Dが表示部114に表示されている場合には、例えば、コンテンツパイルリストのうち1つのコンテンツ群のみを指Fの近接によって展開するようにしてもよい。例えば、指Fの位置がコンテンツ群200Aと200Bとにまたがって検出された場合には、各コンテンツ群200A、200Bに対応する判定領域220A、220Bで検出された近接距離が最小となる位置が含まれる判定領域に対応するコンテンツ群を展開する。これにより、複数のコンテンツ群が展開されて、表示が煩雑になったり、ユーザがコンテンツパイル210の属するグループを認識し難くなったりするのを防止することができる。
【0061】
また、指Fが近接領域に位置することによってコンテンツ群200を展開した後、指Fが近接領域または判定領域220のいずれかから外れた場合であっても、他のコンテンツ群200が展開されるまで、現在展開されているコンテンツ群200を閉じないようにしてもよい。
【0062】
このように、本実施形態に係る情報処理装置100は、指Fと表示面との近接距離に応じて、コンテンツ群200の表示形態を変更する。これにより、コンテンツパイル210を集約してコンテンツ群200として表現することによって、マクロでの俯瞰性を高めるとともに、指Fの近接状態によってコンテンツ群200を展開し、コンテンツパイル210に記載の情報を確認することができるので、ミクロの俯瞰性も高めることができる。
【0063】
<2.バリエーション>
情報処理装置100は、上述のコンテンツ群200の表示形態の変更処理を基本処理として、様々な状況に適用し、また応用、発展させることができる。以下、図10〜図18に基づいて、コンテンツ群200の表示形態の変更処理の応用例について説明していく。
【0064】
[コンテンツ群の表示例(地図上での表示)]
コンテンツと対応付けられたコンテンツパイル210からなるコンテンツ群200は、コンテンツの内容等、関連性のあるものの集合体である。コンテンツ群200は、その関連性を表す1つの大きなオブジェクトでもあり、ユーザば、コンテンツ群200を見て、そのコンテンツ群200がどのようなコンテンツパイル210の集まりであるかを認識することができる。そこで、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210の共通する情報を、表示装置104に表示される他の情報と関連付けて、情報を視覚的に分かりやすく提供することができる。
【0065】
例えば、図10に示すように、表示装置104に表示される他の情報を地図情報とする。そして、地図情報に付帯されているコンテンツをコンテンツパイル210によって表し、所定の規則に基づきコンテンツパイル210をグループ化してコンテンツ群200が作成される。コンテンツ群200は、情報処理装置100によって所定の規則に従って自動的にコンテンツパイル210を分類して作成することもでき、ユーザがコンテンツパイル210を分類し作成することもできる。地図情報に付帯されるコンテンツとしては、例えば、地名(位置情報)に関する映像や、音楽、写真、あるいは、店舗や施設等のタウン情報等がある。これらの情報を位置情報でグループ化してコンテンツ群200を作成し、図10上図に示すように、表示装置104に表示された地図情報の対応する位置に表示させる。
【0066】
図10では、表示されている地図情報の2つの位置にコンテンツ群200A、200Bが表示されている。コンテンツ群200A、200Bは、その表示されている位置に関するコンテンツを関連付けたコンテンツパイル210A、210Bによって構成されている。ユーザは、情報を取得したい位置に表示されているコンテンツ群、例えばコンテンツ群200Aに指Fを近接させると、コンテンツ群200Aが広がって展開され、これを構成するコンテンツパイル210Aに記載された情報を視認できるようになる。
【0067】
ユーザは、地図情報上に表示されたコンテンツ群200を必要に応じて展開することで、位置情報に関連付けられた情報を効果的に閲覧することができる。また、地図情報とコンテンツ群200とを同一画面上に表示したい場合、表示スペースを有効に活用することもできる。
【0068】
[コンテンツ群の展開]
(近接距離に応じたコンテンツ群の展開)
図5〜図8に基づくコンテンツ群200の表示形態の変更処理では、操作体と表示面との近接距離が所定距離以下となったとき、すなわち、操作体が近接領域に位置するときであって、判定領域220内に位置するときに、コンテンツ群200を展開した。このとき、コンテンツ群200の展開の程度は一律であったが、例えば、近接距離に応じてコンテンツ群200の展開の程度を変化させるようにすることもできる。
【0069】
例えば、図11に示すように、指Fが近接領域に位置しない場合には、コンテンツ群200は、コンテンツパイル210が重なり合った集約状態で表示されるとする。その後、指Fが近接領域に入ると、徐々にコンテンツ群200が広がり、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりが大きくなるようにする。このように、近接距離に応じてコンテンツ群200の広がりを変化させることにより、ユーザは、指Fと表示面との近接距離との因果関係を容易に理解することができる。
【0070】
なお、図11に示す例では、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりを大きくするようにしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、指Fが表示面に近接する程、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210が集約するようにしてもよい。あるいは、近接領域において、表示面から所定距離だけ離れた位置を境界位置として設定する。そして、指Fが近接領域に侵入後、境界位置に到達するまでは、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりを大きくする。境界位置を超えてさらに指Fが表示面に近接すると、指Fが表示面に近接する程コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210を集約させる。
【0071】
このようなコンテンツ群200の展開は、ユーザが指Fを近接させる動作によって行われる最終的な操作に応じて決定してもよい。例えば、最終的にコンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210の1つに関連付けられたコンテンツを実行させる場合には、個々のコンテンツパイル210を視認して選択できるようにするのがよいので、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群299の広がりを大きくする。一方、例えば、最終的にコンテンツ群200という1つのまとまりを選択する場合には、コンテンツ群200をまとまりとして選択できるようにするのがよい。この場合、指Fが表示面に接触する状態ではコンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210が集約されるようにする。
【0072】
(コンテンツパイルの配列)
図11に基づき、指Fと表示面との近接距離に応じてコンテンツ群200の広がりの程度を変化させる場合を説明したが、近接領域をさらに区分し、各区分領域に応じてコンテンツ群200の表示形態を変化させるようにすることもできる。例えば図12に示すように、近接領域を展開領域と選択表示領域との2つに区分したとする。この例では、表示面から所定距離離隔した位置までを選択表示領域とし、選択表示領域よりもさらに表示面から離隔した位置を展開領域としている。展開領域は、指Fが当該領域に位置する場合に、図11に基づき説明したように、指Fと表示面との近接距離に応じてコンテンツ群200の広がりを大きくする変化処理が行われる領域である。また、選択表示領域は、指Fが当該領域に位置する場合に、展開されたコンテンツ群200のコンテンツパイル210をユーザが選択し易いように表示する処理が行われる領域である。
【0073】
図12に示すように、指Fが近接領域外にある場合には、コンテンツ群200は、コンテンツパイル210が重なり合った集約状態で表示される。その後、指Fが近接領域に入ると、展開領域に指Fが位置する間は、徐々にコンテンツ群200が広がり、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりが大きくなるようにする。さらに、指Fが表示面に近接し、展開領域から選択表示領域に位置するようになると、表示変更部140は、コンテンツ群200を構成する個々のコンテンツパイル210をユーザが選択し易くなるように、コンテンツパイル210の表示位置を変化させる。
【0074】
例えば、図12の右上に示すように、指Fが選択表示領域に位置する場合には、コンテンツパイル210を十分に広がらせて、個々の選択を容易にすることが考えられる。展開領域において、コンテンツパイル210は、集約状態の中心位置を広がりの中心として環状に広がっていく。これに対して、指Fが選択表示領域に位置する場合には、環状に配列されていたコンテンツパイル210がさらに選択し易くなるように、バラバラにして個々の間隔が十分とれるように、コンテンツパイル210を配置する。あるいは、図12の右下に示すように、指Fが選択表示領域に位置する場合には、環状に配列されていたコンテンツパイル210がさらに選択し易くなるように、コンテンツパイル210を整列させて表示するようにしてもよい。こうして、個々のコンテンツパイル210の選択を容易にすることができる。
【0075】
(移動速度に応じたコンテンツ群の展開)
本実施形態に係る情報処理装置100のように、操作体と表示面との近接距離を検出可能な場合、その距離変化に応じて、すなわち、操作体の移動速度に応じて、コンテンツ群200の表示形態を変化させるようにすることもできる。例えば、操作体の移動速度に基づく疑似風圧表現により、コンテンツ群200の表示形態を変化させることができる。
【0076】
操作体である指Fの移動速度が基準速度より小さい場合には、指Fは緩やかに移動していることから、表示面に表示されているコンテンツ群200が指Fから擬似的に受ける風圧は小さいと考えられる。したがって、図13に示すように、指Fが近接領域に侵入し、表示面に接近してきたときのコンテンツ群200の広がりは小さい。一方、指Fの移動速度が基準速度より大きい場合には、指Fは素早く移動していることから、表示面に表示されているコンテンツ群200が指Fから擬似的に受ける風圧は大きいと考えられる。したがって、図14に示すように、指Fが近接領域に侵入し、表示面に接近してきたときのコンテンツ群200の広がりは大きくなる。
【0077】
このように、表示変更部140は、表示面に対して鉛直方向(すなわち、z軸方向)に指Fが移動する速度に応じて、コンテンツパイル210が広がるように表示を変更する。これにより、ユーザは、明示的にコンテンツ群200の展開を行うことが可能となる。
【0078】
また、指Fの移動速度に応じて、指Fが表示面に接触したときに選択される選択対象を変化させることもできる。例えば、指Fの移動速度が基準速度より小さい場合に指Fが表示面に接触した場合には、コンテンツ群200を構成する個々のコンテンツパイル210が選択されるようにする。一方、指Fの移動速度が基準速度より大きい場合に指Fが表示面に接触した場合には、コンテンツ群200が選択されるようにする。このように、指Fの移動速度によって選択対象を決定することも可能である。
【0079】
本実施形態に係る情報処理装置100の検出部110は距離を取得することが可能であるが、指Fと表示面との近接の程度のみを検出可能なセンサであっても、同様の操作を可能とすることができる。例えば、指Fの近接の程度の変化の状態から、所定時間以上指Fをz軸方向にほとんど動かさず、待機している状態を認識し、その後指Fが表示面に接触された場合には、表示変更部140は、コンテンツ群200を構成する個々のコンテンツパイル210が選択されるようにする。一方、所定時間以上の指Fの待機状態が認識されずに指Fが表示面に接触された場合には、表示変更部140は、コンテンツ群200が選択されるようにする。このようにして、近接距離を取得できない場合であっても、選択モードを切り替えることができる。
【0080】
さらに、表示変更部140は、ユーザが動かしている指Fの移動速度から、個々のコンテンツパイル210が選択されるのか、あるいは、コンテンツ群200が選択されるのかを認識できるようにすることもできる。例えば、指Fの移動速度から、個々のコンテンツパイル210が選択されるモードであると判定した場合には、表示変更部140は、指Fが最も近接しているコンテンツパイル210をハイライト表示する。一方、指Fの移動速度から、コンテンツ群200が選択されるモードであると判定した場合には、表示変更部140は、コンテンツ群200をハイライト表示する。このように、いずれの選択モードになっているかをハイライト表示によって、ユーザに伝達することができる。
【0081】
[コンテンツパイルのかき混ぜ動作]
コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210には、当該コンテンツパイル210に関連付けられたコンテンツに関する情報が記載されている。しかし、指Fが近接領域にない場合には、コンテンツ群200は集約状態で表示されており、コンテンツパイル210は重なり合って表示されている。そうすると、前面にあるコンテンツパイル210以外のコンテンツパイル210の情報をユーザは視認することができない。そこで、本実施形態に係る情報処理装置100では、コンテンツ群200の近傍で表示面に近接する指Fの位置を動かしたときに、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210をシャッフルするように表示して、隠ぺいされたコンテンツパイル210を表示できるようにすることができる。
【0082】
例えば、検出部112が近接方向(z軸方向)の情報を検出することができない場合には、図15に示すように、指Fのxy平面上での動きを取得し、表示変更部140は、この動きに合わせてコンテンツパイル210をシャッフルして表示する。一方、検出部112が近接方向(z軸方向)の情報を検出することができる場合には、図16に示すように、3次元情報として指Fの動きベクトルを検出することができる。これより、ユーザが表示面の上方でコンテンツパイル210を3次元的にかき混ぜるようなジェスチャをすると、表示変更部140は、コンテンツパイル210を3次元的にシャッフルして表示する。これにより、重なり合って隠ぺいされていたコンテンツパイル210を表示させることが可能となる。
【0083】
なお、コンテンツパイル210のシャッフルは、指Fの動きに合わせて行うとしたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、指Fの動きとは関係なくランダムに動かすようにしてもよい。
【0084】
[コンテンツ群展開後のインタラクション]
これまで指Fが近接領域に位置したときにコンテンツ群200を展開して表示することで、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210の情報を視認できるように表示処理することを説明してきた。このようにコンテンツ群200を展開した後のインタラクションも様々に設定することができる。
【0085】
例えば、図17に示すように、ユーザがコンテンツ群200の上方に指Fをかざし、指Fをコンテンツ群200が表示されている表示面に近接させる。指Fが近接領域内に位置するようになると、集約状態であったコンテンツ群200のコンテンツパイル210は、コンテンツパイル210の記載が視認できるように広がって表示される。この状態で、ユーザは、表示面に指Fを接触させ、その後指Fを表示面から離隔させると、図17下図に示すように、コンテンツパイル210が整列して表示されるようにする。このようにコンテンツパイル210を整列させることで、コンテンツパイル210に表示された内容をユーザが確認し易くなるようにすることができる。
【0086】
コンテンツパイル210の整列は、例えば、コンテンツ群200を構成するいずれかのコンテンツパイル210上に指Fを接触させてタップした場合に実行してもよく、コンテンツ群200に対応する判定領域220に指Fを接触させてタップした場合に実行してもよい。また、表示面を指Fでタップすることでコンテンツパイル210を整列させる表示変更処理を実行したが、例えば、表示面に所定時間以上指Fを接触させた後離隔したときに、すなわち、長押し操作を行ったときに、当該表示変更処理を実行してもよい。
【0087】
また、指Fを近接領域内に位置させて、集約状態であったコンテンツ群200のコンテンツパイル210を展開して表示した後に、展開されたコンテンツ群200をさらに展開して、個々のコンテンツパイル210を直接選択できるようにすることもできる。
【0088】
例えば、図18に示すように、ユーザがコンテンツ群200の上方に指Fをかざし、指Fをコンテンツ群200が表示されている表示面に近接させる。指Fが近接領域内に位置するようになると、集約状態であったコンテンツ群200のコンテンツパイル210は、コンテンツパイル210の記載が視認できるように広がって表示される。この状態で、ユーザは、表示面に指Fを接触させ、その後指Fを表示面から離隔させると、図17と同様に、コンテンツパイル210が整列して表示される。
【0089】
一方、指Fが近接領域に位置することでコンテンツ群200が展開された後、図15、図16に示したように、指Fを表示面上方でコンテンツパイル210をかき混ぜるジェスチャを行い、展開されたコンテンツ群200をさらに展開させる。その後、1つのコンテンツパイル210に指を接触させタップすると、タップにより選択されたコンテンツパイル210に対応するコンテンツが実行される。このように、コンテンツ群200を展開状態に応じて、コンテンツパイル210がタップされたときに行われる表示変更処理を決定することで、ユーザの操作性を向上させることができる。なお、タップが行われたときに表示変更処理を実行したが、本例においても、例えば、表示面に所定時間以上指Fを接触させた後離隔したときに、すなわち、長押し操作を行ったときに、当該表示変更処理を実行してもよい。
【0090】
以上、本実施形態に係る情報処理装置100と、これによるコンテンツ群200の表示変更処理について説明した。かかる情報処理装置100では、表示部114の表示面に表示されたコンテンツ群200を、操作体と表示面との近接距離に基づき、表示形態を変更する。これにより、ユーザは、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210を選択する前に、その後に実行される処理や実行可能な処理等を推測することが可能となる。
【0091】
本実施形態に係る情報処理装置100のインタフェースでは、コンテンツの情報(例えば、サムネイル等)をコンテンツパイル210として表現し、関連のあるコンテンツのコンテンツパイル210をグループ化してコンテンツ群200として表現している。そして、コンテンツパイル210が集約して表示されているコンテンツ群200に指Fを近づけると、指Fが表示面に接触する前にコンテンツ群200が展開され、コンテンツパイル210に記載された情報を俯瞰することができる。これにより、ユーザは、コンテンツパイル210の情報を確認するためのブラウズモードに遷移することなく、コンテンツパイル210の情報を理解して操作することができ、操作ステップも削減することができる。
【0092】
また、指Fを表示面に近接させるというジェスチャを用いてコンテンツパイル210の表示を変化させることで、コンテンツ群200の表示の変更処理のみならず、コンテンツ群200やコンテンツパイル210の選択方法等、他の操作機能も一連の動作で行うことが可能となる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0094】
100 情報処理装置
110 入力表示部
112 検出部
114 表示部
120 距離算出部
130 位置算出部
140 表示変更部
150 設定記憶部
160 メモリ
200 コンテンツ群
210 コンテンツパイル
220 判定領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、直感的で使いやすいユーザインタフェース(以下、「UI」ともいう。)を実現可能であることから、従来から交通機関の発券機や銀行のATM等に使用されていた。近年では、タッチパネルはユーザの動作を検出することも可能となり、従来のボタン操作にはない機器の操作を実現することができるようになった。これにより、近年、携帯電話機やゲーム機器などの携帯機器にタッチパネルが多く用いられるようになっている。例えば特許文献1には、タッチパネルを用いたUIにより、複数の画像を効率よく確認でき、さらに確認操作が簡便かつ直感的にできるようにした情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−55455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のタッチパネルでは、タッチパネルによって検知可能な指の情報は、接触している指の状態のみであった。このため、指がタッチパネルに接触するまでは機器を操作することができず、また、指をタッチパネルに接触させることによりどのような処理が実行されるのか、ユーザは指をタッチパネルに接触させるまで認識することができなかった。
【0005】
また、複数の画面を効率よく確認するために、コンテンツをブラウズする上で俯瞰性を向上させ、迅速に全体上を把握することができるUIとして、サムネイル表現は有効である。その一方で、サムネイル表現を用いると、コンテンツが大量に存在する場合に、関連のあるコンテンツのまとまりを把握し難く、コンテンツ階層的な俯瞰をすることができないという問題もある。あるいは、複数のコンテンツを群として扱い、フォルダやサムネイル表現に集約することで、マクロでの俯瞰性を向上することができる。しかし、コンテンツ群の集約表現を用いた場合には、個々のコンテンツを俯瞰することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、UIの変化とユーザの操作との関係が理解し易く、直感的に操作することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
表示変更部は、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離より大きいときには、オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約されたオブジェクトを展開して表示するようにしてもよい。
【0009】
このとき、表示変更部は、表示面に対して直交する方向における操作体の移動速度に応じて、オブジェクト群を構成するオブジェクトの展開の程度を変化させてもよい。
【0010】
また、表示変更部は、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離より大きいときには、オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、検出部の検出結果より表示面と操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約されたオブジェクトを、各オブジェクトが重複しないように整列して表示するようにしてもよい。
【0011】
表示変更部は、検出部により表示面と操作体との距離が小さくなるほど、オブジェクト群を展開してオブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを小さくし、検出部により表示面と操作体との距離が大きくなるほど、オブジェクト群を集約してオブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを大きくするようにしてもよい。
【0012】
表示変更部は、オブジェクト群が展開されたとき、各オブジェクトを選択可能にしてもよい。
【0013】
また、検出部による検出結果より、操作体によるかき混ぜ動作が検出されたとき、表示変更部は、オブジェクト群を構成する各オブジェクトをランダムに移動させるようにしてもよい。
【0014】
ここで、オブジェクト群が展開されたときにオブジェクト群を構成するオブジェクトのうち1のオブジェクトへの操作体の接触が検出部の検出結果より認識されたとき、表示制御部は、操作体が接触したオブジェクトに対応するコンテンツの実行を決定するようにしてもよい。
【0015】
また、オブジェクト群には、当該オブジェクト群を含む判定領域が設定されており、表示変更部は、検出部の検出結果より操作体が判定領域内に位置するとき、当該判定領域に対応するオブジェクト群を操作対象としてもよい。
【0016】
このとき、表示変更部は、コンテンツ群の展開の程度に応じて、コンテンツ群を含むように判定領域を変更するようにしてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出部により検出するステップと、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更するステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0018】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部検出部に、近接距離を検出させる検出部制御部と、検出部の検出結果に基づいて、オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、を備える、情報処理装置として機能させるためのコンピュータプログラムが提供される。
【0019】
プログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記情報処理装置として機能させることができる。また、プログラムが記録された、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどである。磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、UIの変化とユーザの操作との関係が理解し易く、直感的に操作することが可能な情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る情報処理装置による、操作体と表示面との近接距離に応じたオブジェクトの表示形態を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】同実施形態に係るオブジェクト群の表示形態の変更処理を示すフローチャートである。
【図6】指の位置の位置に応じたオブジェクト群の表示形態を示す説明図である。
【図7】判定領域の一例を示す説明図である。
【図8】判定領域の他の一例を示す説明図である。
【図9】コンテンツパイルリストにおける表示変更処理を示す説明図である。
【図10】地図情報とこれに関連するコンテンツ群の表示例を示す説明図である。
【図11】近接距離に応じてコンテンツ群の広がりの変化させるときの表示例を示す説明図である。
【図12】近接領域内の指の位置に応じて表示形態を変化させる一例を示す説明図である。
【図13】近接方向における指の移動速度が小さいときのコンテンツ群の表示例を示す説明図である。
【図14】近接方向における指の移動速度が大きいときのコンテンツ群の表示例を示す説明図である。
【図15】コンテンツ群のかき混ぜ表示の一例を示す説明図である。
【図16】コンテンツ群のかき混ぜ表示の他の例を示す説明図である。
【図17】コンテンツ群展開後のインタラクションの一例を示す説明図である。
【図18】コンテンツ群展開後のインタラクションの他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.情報処理装置の構成とこれによるコンテンツ群の表示変更処理
2.バリエーション
【0024】
<1.情報処理装置の構成とこれによるコンテンツ群の表示変更処理>
[情報処理装置のハードウェア構成例]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0025】
本実施形態に係る情報処理装置100は、表示装置の表示面上における操作体の接触位置を検出可能であり、かつ、表示装置の表示面と当該表示面の上方にある操作体との近接距離を検出可能な検出部を備える装置である。情報処理装置100としては、例えば、テレビやパーソナルコンピュータのディスプレイ等の大型の表示装置を備える機器や、携帯情報端末やスマートフォンのような小型の表示装置を備える機器等、機器の機能やサイズによらず、様々な機器を想定している。
【0026】
本実施形態に係る情報処理装置100は、図1に示すように、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、不揮発性メモリ103と、表示装置104と、近接タッチセンサ105とを備える。
【0027】
CPU101は、上述したように、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置100内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。RAM102は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。不揮発性メモリ103は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。不揮発性メモリ103は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を用いることができる。
【0028】
表示装置104は、情報を出力する出力装置の一例である。表示装置104として、例えば液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置などを用いることができる。近接タッチセンサ105は、ユーザが情報を入力する入力装置の一例であって、情報を入力ための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。
【0029】
本実施形態に係る情報処理装置100において、近接タッチセンサ105は、図2に示すように、表示装置104の表示面に積層して設けられる。これにより、ユーザが表示面に指等を近づけたときに、近接タッチセンサ105によって表示面に対する指までの距離を検出することが可能となる。
【0030】
[情報処理装置への操作情報の入力]
このような情報処理装置100に対して、ユーザは、表示装置104の表示面に指等の操作体を近づけると、近接タッチパネル105によって表示面と操作体との間の近接距離が検出される。情報処理装置100は、この近接距離に応じて、表示装置104に表示されている情報の表示形態を変化させる。これにより、ユーザは、情報の表示形態の変化より、表示面に操作体を接触させる前に、その後に実行される処理や実行可能な処理等を推測することが可能となる。
【0031】
特に、本実施形態の情報処理装置100では、コンテンツと対応付けられたアイコンやサムネイル等のオブジェクトが複数表示されている際に、オブジェクトのまとまりを分かりやすくユーザに提示するとともに、個々のオブジェクトを俯瞰できるようにする。例えば、表示装置104に、各コンテンツと対応付けられたパイル状のオブジェクト(以下、「コンテンツパイル」と称する。)210を表示させる。このとき、情報処理装置100は、コンテンツのジャンルや作成日時等の関連性のあるコンテンツパイル210を集め、関連性のあるコンテンツパイル210からなるコンテンツ群200を形成する。コンテンツ群200は、例えば図3上図に示すように、複数のコンテンツパイル210が重なり合うように纏まった形態(集約形態)で表示される。これにより、ユーザは、コンテンツ群200によってマクロでの俯瞰を行うことができる。
【0032】
ここで、コンテンツ群200が集約形態で表示されているときには、コンテンツパイル210が重なり合っているため、個々のコンテンツパイル210に記載された内容をユーザは視認することができない。また、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210から所望のコンテンツに関連付けられたコンテンツパイル210を探し出し、選択することも困難である。そこで、本実施形態に係る情報処理装置100では、近接タッチセンサ105を用いて、操作体(例えば、指F)と表示装置104の表示面との近接距離に応じてコンテンツ群200の表示形態を変化させる。変化する表示形態により、ユーザは、操作体を表示面に接触させるまでに、その後に実行される処理や、可能な操作を認識することが可能となり、快適かつ安心に操作を行うことができる。
【0033】
指Fが表示装置104の表示面に近づいたときのコンテンツ群200の表示形態の変化としては、例えば、図3下図に示すように、集約状態から、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210が略円状に広がった形態(プレビュー状態)となること等がある。重なり合ったコンテンツパイル210が広がることで、コンテンツパイル210に記載された情報をユーザは視認できるようになる。
【0034】
以下、図4〜図18に基づいて、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成とこれによる表示処理について、詳細に説明していく。
【0035】
[機能構成]
まず、図4に基づいて、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成について説明する。なお、図4は、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置100は、図4に示すように、入力表示部110と、距離算出部120と、位置算出部130と、表示変更部140と、設定記憶部150と、メモリ160とを備える。
【0036】
入力表示部110は、情報を表示するとともに情報を入力するための機能部であって、検出部112と、表示部114とを備える。検出部112は、図1の近接タッチセンサ105に対応し、例えば静電式タッチパネル等を用いることができる。この場合、検出部112は、操作体と表示部114の表示面との間の近接距離に応じて変化する静電容量の値を検出する。操作体が表示面に所定距離以上近接すると、検出部112により検出される静電容量が増加し、さらに近接するにつれて静電容量は増加する。そして、操作体が表示面に接触すると、検出部112により検出される静電容量が最大となる。このような検出部112に検出された静電容量の値に基づいて、後述する距離算出部120は、表示部114の表示面に対する操作体の近接距離を算出することができる。検出部112は、検出した静電容量の値を検出結果として距離算出部120へ出力する。
【0037】
また、検出部112の検出結果より表示部114の表示面上における操作体の位置を特定するため、当該検出結果は、後述する位置算出部130へも出力される。
【0038】
表示部114は、図1の表示装置104に対応する、情報を表示する出力装置である。表示部114には、例えばコンテンツパイル210や、コンテンツパイル210に関連付けられたコンテンツの内容等が表示される。また、表示変更部140によりコンテンツ群200の表示形態の変更された場合には、表示変更部140より変更後のコンテンツ群200の表示情報が表示部114に通知され、表示部114に変更後の表示形態でコンテンツ群200が表示される。
【0039】
距離算出部120は、検出部112から入力された検出結果に基づいて、操作体と表示部114の表示面との間の近接距離を算出する。上述したように、検出部112が検出した静電容量の値が大きいほど操作体と表示面とは近接しており、操作体が表示面に接触したときに静電容量の値は最大となる。静電容量の値と近接距離との対応関係は、後述する設定記憶部150に予め記憶されている。距離算出部120は、検出部112から入力された静電容量の値より、設定記憶部150を参照して、操作体と表示面との近接距離を算出する。算出された近接距離は、表示変更部140へ出力される。
【0040】
位置算出部130は、検出部112から入力された検出結果に基づいて、表示部114の表示面上における操作体の位置を特定する。詳細は後述するが、コンテンツ群200の表示形態の変更処理は、当該オブジェクト210に対して設定された判定領域内に操作体が位置する場合に実行される。位置算出部130は、コンテンツ群200の表示形態の変更処理を実行するか否かを判定するために、換言すれば、操作体が判定領域内に位置するか否かを判定するために、表示面上における操作体の位置を算出する。
【0041】
例えば、検出部112がx座標及びy座標の検出を行う静電検出用グリッドが形成された静電センサ基板によって構成されているとする。このとき、検出部112は、操作体の接触に応じた各グリッドの静電容量の変化から、基板上における(すなわち、表示面における)操作体の接触座標を特定することができる。位置算出部130は、特定した操作体の位置を表す位置情報を表示変更部140に出力する。
【0042】
表示変更部140は、操作体と表示面との近接距離に応じて、表示部114に表示されているオブジェクト210の表示形態を変更する。表示変更部140は、距離算出部120から入力された近接距離に基づいて、操作体が表示面との近接距離が所定の距離以下の領域である近接領域にあるか否かを判定する。また、表示変更部140は、位置算出部130から入力された操作体の位置情報に基づいて、表示面上において操作体が判定領域内に位置するか否かを判定する。表示変更部140は、近接領域内かつ判定領域内に操作体が位置する場合に、近接距離に応じてコンテンツ群200の表示形態を変更する。
【0043】
コンテンツ群200の表示形態としては、例えば、複数のコンテンツパイル210が重なり合って纏まっている集約状態、コンテンツパイル210が集約状態から広がり、各コンテンツパイル210に記載された情報が確認できるプレビュー状態等がある。なお、表示変更部140によるコンテンツ群200の表示形態の変更処理については後述する。表示変更部140は、コンテンツ群200の表示形態を変更すると判定した場合には、変更後のコンテンツ群200の表示形態とする画像を生成し、表示部114へ出力する。
【0044】
設定記憶部150は、操作体と表示面との近接距離の算出や、表示面上における操作体の位置情報の生成、その他、コンテンツ群200の表示形態の変更処理に際して用いられる情報を設定情報として記憶する。設定記憶部150には、例えば、静電容量の値と近接距離との対応関係を記憶しており、距離算出部120は、かかる対応関係を参照して、検出部112から入力された静電容量の値に対応する近接距離を算出することができる。また、設定記憶部150には、表示形態の変更処理を実行するか否かの判定に用いる、各コンテンツ群200にそれぞれ設定された判定領域を記憶する。位置算出部130は、設定記憶部150に記憶された判定領域を参照して、検出部112の検出結果より特定された操作体の位置情報がいずれかのコンテンツ群200の判定領域内に位置するか否かを判定する。
【0045】
さらに、設定記憶部150には、操作体と表示面との近接距離に応じて決定された近接領域を記憶することもできる。例えば、操作体と表示面との近接距離が閾値距離以下の領域を第1の近接領域として、第1の近接領域内に操作体が位置したときにコンテンツ群200の表示形態を変化させる等のように、設定した近接領域を表示形態の変更処理の実行可否の判定に利用できる。近接領域は、複数設定することができる。
【0046】
メモリ160は、コンテンツ群200の表示形態の変更処理等において必要な情報を一時的に記憶する記憶部である。メモリ160は、例えば操作体と表示面との近接距離の履歴や、コンテンツ群200の表示形態の変更履歴等を記憶する。メモリ160は、表示変更部140だけでなく、距離算出部120や位置算出部130等の他の機能部も参照、アクセスできるようにしてもよい。
【0047】
[コンテンツ群の表示形態の変更処理]
このような機能構成を有する情報処理装置100では、上述したように、操作体と表示面との近接距離に応じて、操作体が表示面に接触する前に、コンテンツ群200の表示形態を変化させる。このコンテンツ群200の表示形態の変更処理について、以下、図5〜図8に基づいて説明する。なお、図5は、本実施形態に係るコンテンツ群200の表示形態の変更処理を示すフローチャートである。図6は、指の位置の位置に応じたコンテンツ群200の表示形態を示す説明図である。図7は、判定領域220の一例を示す説明図である。図8は、判定領域220の他の一例を示す説明図である。
【0048】
情報処理装置100によるコンテンツ群200の表示形態の変更処理は、図5に示すように、まず、表示変更部140は、操作体である指Fが、近接領域内に位置するか否かを判定する(S100)。本実施形態では、表示部114の表示面から所定の距離だけ鉛直上方に離隔した位置までの領域を近接領域とする(図6参照)。近接領域を規定する所定の距離は、検出部112により検出可能な最大距離以下とし、デバイスの仕様やユーザの好みに応じて適宜設定することができる。表示変更部140は、距離算出部120が検出部112の検出結果に基づき算出した近接距離と、所定の距離とを比較して、近接距離が所定の距離以下であった場合には、指Fが近接領域内にあると判定し、ステップS110の処理を実行する。一方、近接距離が所定の距離より大きい場合には、指Fは近接領域外にあると判定し、ステップS100の処理を繰り返す。
【0049】
指Fが近接領域内にあると判定すると、表示変更部140は、次いで、指Fが判定領域内に位置するか否かを判定する(S110)。判定領域は、上述したように、各コンテンツ群200に対応してそれぞれ設定される領域であり、コンテンツ群200の表示形態の変更処理を実行するか否かの判定の際に用いられる。判定領域は、対応するコンテンツ群200を含むように設定される。
【0050】
例えば、図7に示すように、コンテンツ群200の周囲に矩形状の判定領域220を設定することができる。判定領域220内に指Fが位置していない場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は変化せず、コンテンツパイル210は重なり合った状態のままとする。一方、指Fが判定領域220内に位置した場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は、図7右図のようにコンテンツパイル210が広がり、各コンテンツパイル210に記載された情報が確認可能な状態に変化する。その後、指Fが判定領域220外に移動された場合には、広がったコンテンツパイル210は1か所に集まり、再び集約状態となる。
【0051】
また、判定領域220を、例えば図8に示すように、コンテンツ群200を含む略円形状の領域に設定することもできる。この場合にも図7の例と同様に、判定領域220内に指Fが位置していない場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は変化せず、コンテンツパイル210は重なり合った状態のままとする。一方、指Fが判定領域220内に位置した場合には、当該判定領域220に対応するコンテンツ群200の表示形態は、図8右図のようにコンテンツパイル210が広がり、各コンテンツパイル210に記載された情報が確認可能な状態に変化する。その後、指Fが判定領域220外に移動された場合には、広がったコンテンツパイル210は1か所に集まり、再び集約状態となる。
【0052】
なお、判定領域220の形状、サイズ等は、図7、図8に示す例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、図8右図に示すように、コンテンツパイル210が広がった状態で表示されているときには、判定領域220を拡大するようにしてもよい(拡大された判定領域220a)。判定領域220のサイズを固定としたとき、コンテンツパイル210の広がりを判定領域220内に収めるように設定した場合には、十分な判定領域220をとっておかなければ、コンテンツパイル210が広がってもコンテンツパイル210の重なりが残ってしまう可能性がある。そうすると、各コンテンツパイル210に記載された情報を十分に確認することができない。また、判定領域220を大きく設定し過ぎると、指Fがコンテンツ群200から離れた位置にあっても判定領域220内に位置してしまう可能性があり、操作し難くなる。
【0053】
仮に、コンテンツパイル210の広がりを判定領域220外にも許容すると、コンテンツパイル210が広がった際に判定領域220からコンテンツパイル210がはみ出すことも想定される。このとき、判定領域220外に位置するコンテンツパイル210をユーザが選択しようとすると、指Fが判定領域220外に位置して、コンテンツパイル210を選択する前にコンテンツパイル210が集約状態となり、コンテンツパイル210の選択ができないという問題もある。そこで、コンテンツパイル210の広がりに応じて判定領域220のサイズを変更するようにして、これらの問題を解決するようにしてもよい。
【0054】
図5の説明に戻り、ステップS110にて、指Fが設定されたコンテンツ群200の判定領域220内に位置すると判定した場合、表示変更部140は、コンテンツ群200の表示形態の変更を決定する(S120)。指Fが近接領域内に位置し、かつ判定領域220内に位置するとき、ユーザは指Fを表示面に近づけて、コンテンツパイル120の選択を行おうとしていると考えられる。そこで、例えば図6に示すように、ユーザが所望のコンテンツパイル210を視認できるように、重なり合った集約状態から、コンテンツパイル210同士の重なりを小さくし、各コンテンツパイル210に記載された情報を視認できる程度にコンテンツパイル210を広げて表示する。なお、ステップS110にて、指Fが判定領域220内に位置していない場合には、コンテンツ群200の表示形態は変化させず、ステップS100からの処理を繰り返す。
【0055】
ステップS120にてコンテンツ群200の表示形態をコンテンツパイル210が広がった状態に変化させると、表示変更部140は、さらに、指Fが表示面に接触したか否かを判定する(S130)。表示変更部140は、検出部112の検出結果である静電容量の値が接触時に想定される静電容量の値以上であったとき、指Fが表示面に接触したものと推定する。このとき、指Fが接触した位置にコンテンツパイル210があるときには、表示変更部140は、当該コンテンツパイル210に関連付けられた処理を実行する(S140)。例えば、コンテンツパイル210にコンテンツが関連付けられているとき、当該コンテンツパイル210が選択されるとコンテンツが実行されるようになる。
【0056】
一方、ステップS130にて、表示面への接触が検知されない場合には、ステップS110からの処理を繰り返す。その後、例えば、指Fが表示面から離隔され、近接領域内に位置しなくなると、表示変更部140は、広がったコンテンツパイル210を図6右図に示すように再び1か所に集め、集約状態で表示する。このように、本実施形態に係る情報処理装置100は、指Fと表示面との近接距離に応じて、コンテンツ群200の表示形態を変更する。
【0057】
以上、本実施形態に係る情報処理装置100によるコンテンツ群200の表示形態の変更処理について説明した。かかる処理によって、表示面の指の位置を変更させるだけで、ユーザは、コンテンツ群200の選択と、選択したコンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210に記載された情報の閲覧とを行うことができる。さらには、所望のコンテンツパイル210に指Fを接触させることで、コンテンツパイル210の選択と当該コンテンツパイル210に関連付けられた処理を実行することも可能となる。
【0058】
例えば図9に示すように、複数のコンテンツ群200A〜200Dがコンテンツパイルリストとして表示部114に表示されているときに、ユーザがコンテンツ群200Aの上方に指Fをかざし、指Fをコンテンツ群200Aが表示されている表示面に近接させる(図9の上段)。指Fが近接領域内に位置するようになると、集約状態であったコンテンツ群200Aのコンテンツパイル210Aは、コンテンツパイル210Aの記載が視認できるように広がって表示される(図9の中段)。この状態で、ユーザは、コンテンツ群200Aを構成するコンテンツパイル210Aのうち1つを選択して、そのコンテンツパイル210Aに関連付けられた処理を実行することが可能となる。
【0059】
その後、ユーザが指Fを近接領域内に保持したまま紙面右方向へ移動させたとする。指Fがコンテンツ群200Aの判定領域220A内に位置する間は、コンテンツ群200Aはコンテンツパイル210Aが広がった状態で表示される。指Fがコンテンツ群200Aの判定領域220A内から外れると、コンテンツ群200Aはコンテンツパイル210Aが1か所に集約した状態で表示される。そして、さらに指Fが紙面右方向へ移動され、コンテンツ群200Bに対応する判定領域220B内に位置すると、コンテンツ群200Bを構成するコンテンツパイル210Bは、コンテンツパイル210Bの記載が視認できるように広がって表示される(図9の下段)。
【0060】
なお、このようなコンテンツパイルリストとしてコンテンツ群200A〜200Dが表示部114に表示されている場合には、例えば、コンテンツパイルリストのうち1つのコンテンツ群のみを指Fの近接によって展開するようにしてもよい。例えば、指Fの位置がコンテンツ群200Aと200Bとにまたがって検出された場合には、各コンテンツ群200A、200Bに対応する判定領域220A、220Bで検出された近接距離が最小となる位置が含まれる判定領域に対応するコンテンツ群を展開する。これにより、複数のコンテンツ群が展開されて、表示が煩雑になったり、ユーザがコンテンツパイル210の属するグループを認識し難くなったりするのを防止することができる。
【0061】
また、指Fが近接領域に位置することによってコンテンツ群200を展開した後、指Fが近接領域または判定領域220のいずれかから外れた場合であっても、他のコンテンツ群200が展開されるまで、現在展開されているコンテンツ群200を閉じないようにしてもよい。
【0062】
このように、本実施形態に係る情報処理装置100は、指Fと表示面との近接距離に応じて、コンテンツ群200の表示形態を変更する。これにより、コンテンツパイル210を集約してコンテンツ群200として表現することによって、マクロでの俯瞰性を高めるとともに、指Fの近接状態によってコンテンツ群200を展開し、コンテンツパイル210に記載の情報を確認することができるので、ミクロの俯瞰性も高めることができる。
【0063】
<2.バリエーション>
情報処理装置100は、上述のコンテンツ群200の表示形態の変更処理を基本処理として、様々な状況に適用し、また応用、発展させることができる。以下、図10〜図18に基づいて、コンテンツ群200の表示形態の変更処理の応用例について説明していく。
【0064】
[コンテンツ群の表示例(地図上での表示)]
コンテンツと対応付けられたコンテンツパイル210からなるコンテンツ群200は、コンテンツの内容等、関連性のあるものの集合体である。コンテンツ群200は、その関連性を表す1つの大きなオブジェクトでもあり、ユーザば、コンテンツ群200を見て、そのコンテンツ群200がどのようなコンテンツパイル210の集まりであるかを認識することができる。そこで、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210の共通する情報を、表示装置104に表示される他の情報と関連付けて、情報を視覚的に分かりやすく提供することができる。
【0065】
例えば、図10に示すように、表示装置104に表示される他の情報を地図情報とする。そして、地図情報に付帯されているコンテンツをコンテンツパイル210によって表し、所定の規則に基づきコンテンツパイル210をグループ化してコンテンツ群200が作成される。コンテンツ群200は、情報処理装置100によって所定の規則に従って自動的にコンテンツパイル210を分類して作成することもでき、ユーザがコンテンツパイル210を分類し作成することもできる。地図情報に付帯されるコンテンツとしては、例えば、地名(位置情報)に関する映像や、音楽、写真、あるいは、店舗や施設等のタウン情報等がある。これらの情報を位置情報でグループ化してコンテンツ群200を作成し、図10上図に示すように、表示装置104に表示された地図情報の対応する位置に表示させる。
【0066】
図10では、表示されている地図情報の2つの位置にコンテンツ群200A、200Bが表示されている。コンテンツ群200A、200Bは、その表示されている位置に関するコンテンツを関連付けたコンテンツパイル210A、210Bによって構成されている。ユーザは、情報を取得したい位置に表示されているコンテンツ群、例えばコンテンツ群200Aに指Fを近接させると、コンテンツ群200Aが広がって展開され、これを構成するコンテンツパイル210Aに記載された情報を視認できるようになる。
【0067】
ユーザは、地図情報上に表示されたコンテンツ群200を必要に応じて展開することで、位置情報に関連付けられた情報を効果的に閲覧することができる。また、地図情報とコンテンツ群200とを同一画面上に表示したい場合、表示スペースを有効に活用することもできる。
【0068】
[コンテンツ群の展開]
(近接距離に応じたコンテンツ群の展開)
図5〜図8に基づくコンテンツ群200の表示形態の変更処理では、操作体と表示面との近接距離が所定距離以下となったとき、すなわち、操作体が近接領域に位置するときであって、判定領域220内に位置するときに、コンテンツ群200を展開した。このとき、コンテンツ群200の展開の程度は一律であったが、例えば、近接距離に応じてコンテンツ群200の展開の程度を変化させるようにすることもできる。
【0069】
例えば、図11に示すように、指Fが近接領域に位置しない場合には、コンテンツ群200は、コンテンツパイル210が重なり合った集約状態で表示されるとする。その後、指Fが近接領域に入ると、徐々にコンテンツ群200が広がり、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりが大きくなるようにする。このように、近接距離に応じてコンテンツ群200の広がりを変化させることにより、ユーザは、指Fと表示面との近接距離との因果関係を容易に理解することができる。
【0070】
なお、図11に示す例では、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりを大きくするようにしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、指Fが表示面に近接する程、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210が集約するようにしてもよい。あるいは、近接領域において、表示面から所定距離だけ離れた位置を境界位置として設定する。そして、指Fが近接領域に侵入後、境界位置に到達するまでは、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりを大きくする。境界位置を超えてさらに指Fが表示面に近接すると、指Fが表示面に近接する程コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210を集約させる。
【0071】
このようなコンテンツ群200の展開は、ユーザが指Fを近接させる動作によって行われる最終的な操作に応じて決定してもよい。例えば、最終的にコンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210の1つに関連付けられたコンテンツを実行させる場合には、個々のコンテンツパイル210を視認して選択できるようにするのがよいので、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群299の広がりを大きくする。一方、例えば、最終的にコンテンツ群200という1つのまとまりを選択する場合には、コンテンツ群200をまとまりとして選択できるようにするのがよい。この場合、指Fが表示面に接触する状態ではコンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210が集約されるようにする。
【0072】
(コンテンツパイルの配列)
図11に基づき、指Fと表示面との近接距離に応じてコンテンツ群200の広がりの程度を変化させる場合を説明したが、近接領域をさらに区分し、各区分領域に応じてコンテンツ群200の表示形態を変化させるようにすることもできる。例えば図12に示すように、近接領域を展開領域と選択表示領域との2つに区分したとする。この例では、表示面から所定距離離隔した位置までを選択表示領域とし、選択表示領域よりもさらに表示面から離隔した位置を展開領域としている。展開領域は、指Fが当該領域に位置する場合に、図11に基づき説明したように、指Fと表示面との近接距離に応じてコンテンツ群200の広がりを大きくする変化処理が行われる領域である。また、選択表示領域は、指Fが当該領域に位置する場合に、展開されたコンテンツ群200のコンテンツパイル210をユーザが選択し易いように表示する処理が行われる領域である。
【0073】
図12に示すように、指Fが近接領域外にある場合には、コンテンツ群200は、コンテンツパイル210が重なり合った集約状態で表示される。その後、指Fが近接領域に入ると、展開領域に指Fが位置する間は、徐々にコンテンツ群200が広がり、指Fが表示面に近接するにつれてコンテンツ群200の広がりが大きくなるようにする。さらに、指Fが表示面に近接し、展開領域から選択表示領域に位置するようになると、表示変更部140は、コンテンツ群200を構成する個々のコンテンツパイル210をユーザが選択し易くなるように、コンテンツパイル210の表示位置を変化させる。
【0074】
例えば、図12の右上に示すように、指Fが選択表示領域に位置する場合には、コンテンツパイル210を十分に広がらせて、個々の選択を容易にすることが考えられる。展開領域において、コンテンツパイル210は、集約状態の中心位置を広がりの中心として環状に広がっていく。これに対して、指Fが選択表示領域に位置する場合には、環状に配列されていたコンテンツパイル210がさらに選択し易くなるように、バラバラにして個々の間隔が十分とれるように、コンテンツパイル210を配置する。あるいは、図12の右下に示すように、指Fが選択表示領域に位置する場合には、環状に配列されていたコンテンツパイル210がさらに選択し易くなるように、コンテンツパイル210を整列させて表示するようにしてもよい。こうして、個々のコンテンツパイル210の選択を容易にすることができる。
【0075】
(移動速度に応じたコンテンツ群の展開)
本実施形態に係る情報処理装置100のように、操作体と表示面との近接距離を検出可能な場合、その距離変化に応じて、すなわち、操作体の移動速度に応じて、コンテンツ群200の表示形態を変化させるようにすることもできる。例えば、操作体の移動速度に基づく疑似風圧表現により、コンテンツ群200の表示形態を変化させることができる。
【0076】
操作体である指Fの移動速度が基準速度より小さい場合には、指Fは緩やかに移動していることから、表示面に表示されているコンテンツ群200が指Fから擬似的に受ける風圧は小さいと考えられる。したがって、図13に示すように、指Fが近接領域に侵入し、表示面に接近してきたときのコンテンツ群200の広がりは小さい。一方、指Fの移動速度が基準速度より大きい場合には、指Fは素早く移動していることから、表示面に表示されているコンテンツ群200が指Fから擬似的に受ける風圧は大きいと考えられる。したがって、図14に示すように、指Fが近接領域に侵入し、表示面に接近してきたときのコンテンツ群200の広がりは大きくなる。
【0077】
このように、表示変更部140は、表示面に対して鉛直方向(すなわち、z軸方向)に指Fが移動する速度に応じて、コンテンツパイル210が広がるように表示を変更する。これにより、ユーザは、明示的にコンテンツ群200の展開を行うことが可能となる。
【0078】
また、指Fの移動速度に応じて、指Fが表示面に接触したときに選択される選択対象を変化させることもできる。例えば、指Fの移動速度が基準速度より小さい場合に指Fが表示面に接触した場合には、コンテンツ群200を構成する個々のコンテンツパイル210が選択されるようにする。一方、指Fの移動速度が基準速度より大きい場合に指Fが表示面に接触した場合には、コンテンツ群200が選択されるようにする。このように、指Fの移動速度によって選択対象を決定することも可能である。
【0079】
本実施形態に係る情報処理装置100の検出部110は距離を取得することが可能であるが、指Fと表示面との近接の程度のみを検出可能なセンサであっても、同様の操作を可能とすることができる。例えば、指Fの近接の程度の変化の状態から、所定時間以上指Fをz軸方向にほとんど動かさず、待機している状態を認識し、その後指Fが表示面に接触された場合には、表示変更部140は、コンテンツ群200を構成する個々のコンテンツパイル210が選択されるようにする。一方、所定時間以上の指Fの待機状態が認識されずに指Fが表示面に接触された場合には、表示変更部140は、コンテンツ群200が選択されるようにする。このようにして、近接距離を取得できない場合であっても、選択モードを切り替えることができる。
【0080】
さらに、表示変更部140は、ユーザが動かしている指Fの移動速度から、個々のコンテンツパイル210が選択されるのか、あるいは、コンテンツ群200が選択されるのかを認識できるようにすることもできる。例えば、指Fの移動速度から、個々のコンテンツパイル210が選択されるモードであると判定した場合には、表示変更部140は、指Fが最も近接しているコンテンツパイル210をハイライト表示する。一方、指Fの移動速度から、コンテンツ群200が選択されるモードであると判定した場合には、表示変更部140は、コンテンツ群200をハイライト表示する。このように、いずれの選択モードになっているかをハイライト表示によって、ユーザに伝達することができる。
【0081】
[コンテンツパイルのかき混ぜ動作]
コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210には、当該コンテンツパイル210に関連付けられたコンテンツに関する情報が記載されている。しかし、指Fが近接領域にない場合には、コンテンツ群200は集約状態で表示されており、コンテンツパイル210は重なり合って表示されている。そうすると、前面にあるコンテンツパイル210以外のコンテンツパイル210の情報をユーザは視認することができない。そこで、本実施形態に係る情報処理装置100では、コンテンツ群200の近傍で表示面に近接する指Fの位置を動かしたときに、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210をシャッフルするように表示して、隠ぺいされたコンテンツパイル210を表示できるようにすることができる。
【0082】
例えば、検出部112が近接方向(z軸方向)の情報を検出することができない場合には、図15に示すように、指Fのxy平面上での動きを取得し、表示変更部140は、この動きに合わせてコンテンツパイル210をシャッフルして表示する。一方、検出部112が近接方向(z軸方向)の情報を検出することができる場合には、図16に示すように、3次元情報として指Fの動きベクトルを検出することができる。これより、ユーザが表示面の上方でコンテンツパイル210を3次元的にかき混ぜるようなジェスチャをすると、表示変更部140は、コンテンツパイル210を3次元的にシャッフルして表示する。これにより、重なり合って隠ぺいされていたコンテンツパイル210を表示させることが可能となる。
【0083】
なお、コンテンツパイル210のシャッフルは、指Fの動きに合わせて行うとしたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、指Fの動きとは関係なくランダムに動かすようにしてもよい。
【0084】
[コンテンツ群展開後のインタラクション]
これまで指Fが近接領域に位置したときにコンテンツ群200を展開して表示することで、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210の情報を視認できるように表示処理することを説明してきた。このようにコンテンツ群200を展開した後のインタラクションも様々に設定することができる。
【0085】
例えば、図17に示すように、ユーザがコンテンツ群200の上方に指Fをかざし、指Fをコンテンツ群200が表示されている表示面に近接させる。指Fが近接領域内に位置するようになると、集約状態であったコンテンツ群200のコンテンツパイル210は、コンテンツパイル210の記載が視認できるように広がって表示される。この状態で、ユーザは、表示面に指Fを接触させ、その後指Fを表示面から離隔させると、図17下図に示すように、コンテンツパイル210が整列して表示されるようにする。このようにコンテンツパイル210を整列させることで、コンテンツパイル210に表示された内容をユーザが確認し易くなるようにすることができる。
【0086】
コンテンツパイル210の整列は、例えば、コンテンツ群200を構成するいずれかのコンテンツパイル210上に指Fを接触させてタップした場合に実行してもよく、コンテンツ群200に対応する判定領域220に指Fを接触させてタップした場合に実行してもよい。また、表示面を指Fでタップすることでコンテンツパイル210を整列させる表示変更処理を実行したが、例えば、表示面に所定時間以上指Fを接触させた後離隔したときに、すなわち、長押し操作を行ったときに、当該表示変更処理を実行してもよい。
【0087】
また、指Fを近接領域内に位置させて、集約状態であったコンテンツ群200のコンテンツパイル210を展開して表示した後に、展開されたコンテンツ群200をさらに展開して、個々のコンテンツパイル210を直接選択できるようにすることもできる。
【0088】
例えば、図18に示すように、ユーザがコンテンツ群200の上方に指Fをかざし、指Fをコンテンツ群200が表示されている表示面に近接させる。指Fが近接領域内に位置するようになると、集約状態であったコンテンツ群200のコンテンツパイル210は、コンテンツパイル210の記載が視認できるように広がって表示される。この状態で、ユーザは、表示面に指Fを接触させ、その後指Fを表示面から離隔させると、図17と同様に、コンテンツパイル210が整列して表示される。
【0089】
一方、指Fが近接領域に位置することでコンテンツ群200が展開された後、図15、図16に示したように、指Fを表示面上方でコンテンツパイル210をかき混ぜるジェスチャを行い、展開されたコンテンツ群200をさらに展開させる。その後、1つのコンテンツパイル210に指を接触させタップすると、タップにより選択されたコンテンツパイル210に対応するコンテンツが実行される。このように、コンテンツ群200を展開状態に応じて、コンテンツパイル210がタップされたときに行われる表示変更処理を決定することで、ユーザの操作性を向上させることができる。なお、タップが行われたときに表示変更処理を実行したが、本例においても、例えば、表示面に所定時間以上指Fを接触させた後離隔したときに、すなわち、長押し操作を行ったときに、当該表示変更処理を実行してもよい。
【0090】
以上、本実施形態に係る情報処理装置100と、これによるコンテンツ群200の表示変更処理について説明した。かかる情報処理装置100では、表示部114の表示面に表示されたコンテンツ群200を、操作体と表示面との近接距離に基づき、表示形態を変更する。これにより、ユーザは、コンテンツ群200を構成するコンテンツパイル210を選択する前に、その後に実行される処理や実行可能な処理等を推測することが可能となる。
【0091】
本実施形態に係る情報処理装置100のインタフェースでは、コンテンツの情報(例えば、サムネイル等)をコンテンツパイル210として表現し、関連のあるコンテンツのコンテンツパイル210をグループ化してコンテンツ群200として表現している。そして、コンテンツパイル210が集約して表示されているコンテンツ群200に指Fを近づけると、指Fが表示面に接触する前にコンテンツ群200が展開され、コンテンツパイル210に記載された情報を俯瞰することができる。これにより、ユーザは、コンテンツパイル210の情報を確認するためのブラウズモードに遷移することなく、コンテンツパイル210の情報を理解して操作することができ、操作ステップも削減することができる。
【0092】
また、指Fを表示面に近接させるというジェスチャを用いてコンテンツパイル210の表示を変化させることで、コンテンツ群200の表示の変更処理のみならず、コンテンツ群200やコンテンツパイル210の選択方法等、他の操作機能も一連の動作で行うことが可能となる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0094】
100 情報処理装置
110 入力表示部
112 検出部
114 表示部
120 距離算出部
130 位置算出部
140 表示変更部
150 設定記憶部
160 メモリ
200 コンテンツ群
210 コンテンツパイル
220 判定領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示変更部は、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離より大きいときには、前記オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約された前記オブジェクトを展開して表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示変更部は、前記表示面に対して直交する方向における前記操作体の移動速度に応じて、前記オブジェクト群を構成するオブジェクトの展開の程度を変化させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示変更部は、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離より大きいときには、前記オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約された前記オブジェクトを、各オブジェクトが重複しないように整列して表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示変更部は、
前記検出部により前記表示面と前記操作体との距離が小さくなるほど、前記オブジェクト群を展開して前記オブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを小さくし、
前記検出部により前記表示面と前記操作体との距離が大きくなるほど、前記オブジェクト群を集約して前記オブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを大きくする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示変更部は、
前記オブジェクト群が展開されたとき、前記各オブジェクトを選択可能にする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検出部による検出結果より、操作体によるかき混ぜ動作が検出されたとき、前記表示変更部は、前記オブジェクト群を構成する各オブジェクトをランダムに移動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクト群が展開されたときに前記オブジェクト群を構成するオブジェクトのうち1のオブジェクトへの操作体の接触が前記検出部の検出結果より認識されたとき、前記表示制御部は、操作体が接触した前記オブジェクトに対応するコンテンツの実行を決定する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記オブジェクト群には、当該オブジェクト群を含む判定領域が設定されており、
前記表示変更部は、前記検出部の検出結果より前記操作体が前記判定領域内に位置するとき、当該判定領域に対応する前記オブジェクト群を操作対象とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示変更部は、前記コンテンツ群の展開の程度に応じて、前記コンテンツ群を含むように前記判定領域を変更する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出部により検出するステップと、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記オブジェクト群の表示形式を変更するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部に、近接距離を検出させる検出部制御部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示変更部は、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離より大きいときには、前記オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約された前記オブジェクトを展開して表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示変更部は、前記表示面に対して直交する方向における前記操作体の移動速度に応じて、前記オブジェクト群を構成するオブジェクトの展開の程度を変化させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示変更部は、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離より大きいときには、前記オブジェクト群を構成するオブジェクトを集約して表示し、
前記検出部の検出結果より前記表示面と前記操作体との距離が所定距離以下であるとき、集約された前記オブジェクトを、各オブジェクトが重複しないように整列して表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示変更部は、
前記検出部により前記表示面と前記操作体との距離が小さくなるほど、前記オブジェクト群を展開して前記オブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを小さくし、
前記検出部により前記表示面と前記操作体との距離が大きくなるほど、前記オブジェクト群を集約して前記オブジェクト群を構成する各オブジェクトの重なりを大きくする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示変更部は、
前記オブジェクト群が展開されたとき、前記各オブジェクトを選択可能にする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検出部による検出結果より、操作体によるかき混ぜ動作が検出されたとき、前記表示変更部は、前記オブジェクト群を構成する各オブジェクトをランダムに移動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクト群が展開されたときに前記オブジェクト群を構成するオブジェクトのうち1のオブジェクトへの操作体の接触が前記検出部の検出結果より認識されたとき、前記表示制御部は、操作体が接触した前記オブジェクトに対応するコンテンツの実行を決定する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記オブジェクト群には、当該オブジェクト群を含む判定領域が設定されており、
前記表示変更部は、前記検出部の検出結果より前記操作体が前記判定領域内に位置するとき、当該判定領域に対応する前記オブジェクト群を操作対象とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示変更部は、前記コンテンツ群の展開の程度に応じて、前記コンテンツ群を含むように前記判定領域を変更する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出部により検出するステップと、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記オブジェクト群の表示形式を変更するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
コンテンツがそれぞれ関連付けられた複数のオブジェクトからなるオブジェクト群が表示される表示部の表示面と操作体との近接距離を検出する検出部に、近接距離を検出させる検出部制御部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記オブジェクト群の表示形式を変更する表示変更部と、
を備える、情報処理装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−32852(P2012−32852A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169103(P2010−169103)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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