情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを記録した記録媒体
【課題】画像取得装置において、ディスプレイ上に配置された物理的な対象物の画像を取得可能なように支援する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
照射光の出射とともに画像を取得するスキャン装置200との間でデータの送受信を行う情報処理装置100であって、画面を有するディスプレイと、前記スキャン装置200が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部123と、前記スキャン装置200が取得した取得画像を、前記スキャン装置200から受信するスキャン画像受信部129と、を含む、情報処理装置100を提供する。
【解決手段】
照射光の出射とともに画像を取得するスキャン装置200との間でデータの送受信を行う情報処理装置100であって、画面を有するディスプレイと、前記スキャン装置200が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部123と、前記スキャン装置200が取得した取得画像を、前記スキャン装置200から受信するスキャン画像受信部129と、を含む、情報処理装置100を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像取得装置での画像の取得を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像取得装置の一つであるスキャン装置は、画像読み取り面に載置された紙原稿に光を照射し、原稿そのものを画像として読み取り、又は原稿内の文字及び図形などの情報を読み取るなどする。また、画像取得装置は、原稿上に付箋紙が添付されている場合には、原稿の情報のみならず付箋紙の情報も取得することが可能である。例えば、特許文献1には、原稿に付箋紙が添付されている場合に、付箋紙を検出する技術が開示されている。
【0003】
ここで、付箋紙は、紙などの原稿上に添付するだけでなく、情報が表示されたディスプレイ上に添付することも考えられる。例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置のディスプレイに、操作方法などが不明な画面が表示されたとする。ユーザは、メモを記した付箋紙をディスプレイに表示された画面上の不明な箇所に添付し、不明箇所について第三者に指示を求めたいと考える。このような場合、ユーザは、付箋紙が添付された状態が分かる画面のデータをメールに添付して第三者に送付したいと考える。そのため、例えば、ユーザは、付箋紙が添付された状態の画面を画像取得装置で読み取り、読み取ったデータを第三者に送付する。これにより、ユーザは第三者に画面上の不明箇所を的確に伝えて指示を受けることができる。特に高齢化社会が進んでいる今日において、情報処理装置の操作に不慣れな高齢者が、情報処理装置を操作する状況も多くなっており、このような状況が多く発生すると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-159065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像取得装置が紙原稿を読み取る場合は、紙原稿自体は光を出射せず、画像取得装置が紙原稿に対して照射光を出射する。一方、画像取得装置が、例えば付箋紙が添付されたディスプレイに対して読み取り処理を行う場合、画像取得装置がディスプレイに向かって照射光を出射するだけでなくディスプレイ自体も表示光を出射している。よって、画像取得装置が出射する照射光と、ディスプレイが出射する表示光と、が干渉し合い、画像の取得が有効に実行されない。つまり、画像取得装置が、ディスプレイ上の付箋紙を認識できなかったり、付箋紙に記載された情報を取得することができない。
【0006】
そこで、画像取得装置において、ディスプレイ上に配置された物理的な対象物の画像を取得可能なように支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行う情報処理装置であって、画面を有するディスプレイと、前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部と、前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部と、を含む、情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
画像取得装置において、ディスプレイ上に配置された物理的な対象物の画像を取得可能なように支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置の外観説明図。
【図2】スキャン装置及び情報処理装置の使用方法の一例示す模式図。
【図3】第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図の一例。
【図4A】情報処理装置がディスプレイに表示する画面の表示例。
【図4B】読み取りの対象物である付箋紙が画面に添付されている状態を示す説明図。
【図4C】スキャン装置がマウスポインタの画像を読み取る様子を示す説明図。
【図4D】スキャン装置が対象物である付箋紙の画像を取得する様子を示す説明図。
【図4E】スキャンバー領域において画面の表示が制御されている様子を示す説明図。
【図4F】スキャン装置から出射される照射光Bと、情報処理装置の画面から出射される表示光aと、の関係を示す説明図。
【図4G】スキャン装置が読み取ったスキャン画像から対処物画像を抽出する様子を示す説明図。
【図4H】画面と対象物画像とが合成されている様子を示す画面例。
【図5】第1実施形態例にかかる情報記憶装置及びスキャン装置の機能構成を示すブロック図の一例。
【図6】スキャン装置の検出処理の一例を示す説明図
【図7】スキャンバー領域の検出方法の一例を示す説明図。
【図8】第1実施形態例にかかる情報処理装置が実行する全体処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図9】第1実施形態例にかかるスキャン装置の検出処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図10】第1実施形態例にかかる光干渉制御A1の流れの一例を示すフローチャート。
【図11】第1実施形態例にかかる光干渉制御A2の流れの一例を示すフローチャート。
【図12】表示光と照射光との光干渉制御の組み合わせを示す表。
【図13】変形例1にかかる光干渉制御Bの流れの一例を示すフローチャート。
【図14】変形例3にかかるタッチパネルを備える情報処理装置とスキャン装置との関係を示す模式図。
【図15】タッチパネルを用いてスキャン装置の位置及び傾きを検出する方法を説明する模式図。
【図16】対象物が写真である場合の情報処理装置100による処理の概要を説明する説明図。
【図17】合成画像の利用例を示す画面例(1)。
【図18】合成画像の利用例を示す画面例(2)。
【図19】合成画像の利用例を示す画面例(3)。
【図20】対象物がセロハンである場合において、情報処理装置による第2実施形態例に係る処理の概要を説明する説明図。
【図21】第2実施形態例にかかる光干渉制御Cの流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、画像を取得する画像取得装置としてスキャン装置を例に挙げて説明する。なお、スキャン装置とは、読み取り対象に対して照射光を順次的に照射して読み取り対象の画像等を取得する装置を言う。
【0011】
また、第1実施形態例では、読み取り対象として透過性の低い物理的な対象物を例に挙げて説明する。透過性の低い物理的な対象物としては付箋紙を例に挙げる。また、第2実施形態例では、読み取り対象として透過性の高い物理的な対象物を例に挙げて説明する。透過性の高い物理的な対象物としてはセロハン紙を例に挙げる。なお、物理的な対象物とは、現実に存在する物体を意味するものとする。
【0012】
<第1実施形態例>
(1)外観構成
図1は、第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置の外観説明図である。
【0013】
情報処理装置100は、ディスプレイ101、マウス102、キーボード103及び各種処理を行うための基板等が格納された筐体115を含む。ディスプレイ101は、画像などの各種情報を表示するための画面101aを有する。また、ディスプレイ101は、画面101aに各種情報を表示する際に照明光を用いる。マウス102及びキーボード103は、ユーザからの入力を受け付ける。筐体115内には、後述のハードウェアを構成するCPU(Central Processing Unit)105、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107及び通信I/F(InterFace)108などの各種構成が組み込まれている。その他、情報処理装置100は、スピーカ、ヘッドホン及びカメラなどを備えていても良い。
【0014】
スキャン装置200は、スキャン機構201、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203を含む。スキャン機構201は、照射光を順次的に走査して画像を読み取る。スキャン機構201は、一例として、照射光を生成して出射する照射機構と、照射機構を移動させて照射光を順次的に走査する走査機構、画像を取得する画像取得機構などを有する。照射機構及び走査機構を含む機構を、以降ではスキャンバーと称する。
【0015】
操作ボタン202には、スキャン開始を受け付ける開始ボタン、スキャンの中止を受け付ける中止ボタン及びスキャンの各種設定を受け付ける設定ボタンなどが含まれる。設定ボタンには、例えば画面読み取りモード、原稿読み取りモードなどの各種モードごとのボタンが含まれる。本実施形態例では、一例として、ユーザが、画面読み取りモードの設定ボタンを選択すると、以下の処理が開始されるものとする。
【0016】
ディスプレイ203は、例えば現在の設定情報及びスキャンの手順を知らせる報知情報など各種情報を表示する。
【0017】
図2は、スキャン装置及び情報処理装置の使用方法の一例示す模式図である。ユーザは、図2に示すように情報処理装置100のディスプレイ101の画面101a上に、スキャン装置200を載置して使用する。ユーザは、この状態でスキャン装置200を駆動することで、所望の画像を取得する。
【0018】
(2)ハードウェア構成
図3は、第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図の一例である。
【0019】
(2−1)情報処理装置
情報処理装置100は、例えば、入出力機器コントローラ104、CPU105、ROM106、RAM107及び通信I/F108を有している。これらは、バス109を介して互いに接続されている。
【0020】
入出力機器コントローラ104は、ディスプレイ101、マウス102及びキーボード103などと接続されている。
【0021】
ROM106は、情報処理装置100が行う後述の各種制御に関わる各種制御プログラムを記憶している。
【0022】
RAM107は、ROM106内の各種制御プログラム及び画像などの情報を一時的に記憶する。また、RAM107は、各種制御プログラムの実行に応じて各種フラグなどの情報を一時的に記憶する。
【0023】
CPU105は、ROM106に記憶された各種制御プログラムをRAM107に展開し、各種制御を行う。例えば、CPU105は、入出力機器コントローラ104を介してディスプレイ101の画面101aに画像などの情報を表示させる。また、CPU105は、マウス102及びキーボード103などからユーザの入力操作を受け付け、入出力機器コントローラ104を介してユーザの入力を受信する。
【0024】
通信I/F108は、CPU105の制御に基づいて、例えばスキャン装置200との間でコマンド又はデータの送受信などの通信を行う。
【0025】
(2−2)スキャン装置
スキャン装置200は、例えば、入出力機器コントローラ204、CPU205、ROM206、RAM207及び通信I/F208を有している。これらは、バス209を介して互いに接続されている。
【0026】
入出力機器コントローラ204は、スキャン機構201、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203などと接続されている。
【0027】
ROM206は、スキャン装置200が行う各種制御プログラムを記憶している。
【0028】
RAM207は、ROM206内の各種制御プログラム、画像、各種フラグなどの情報を一時的に記憶する。
【0029】
通信I/F208は、CPU205の制御に基づいて、例えば情報処理装置100との間でコマンド、画像などのデータの送受信を行う。
【0030】
CPU205は、ROM206に記憶された各種制御プログラムをRAM207に展開し、各種制御を行う。例えば、CPU205は、操作ボタン202からの入力に応じてスキャン機構201を制御する。また、CPU205は、情報処理装置100からのコマンドを通信I/F208を介して受信し、コマンドに応じてスキャン機構201を制御する。また、CPU205は、スキャン機構201からスキャン画像及び照射光の走査位置などを取得し、通信I/F208を介して情報処理装置100に出力する。
【0031】
(3)処理の概要
図4A〜図4Gを用いて情報処理装置100による処理の概要を説明する。
【0032】
図4Aは、情報処理装置がディスプレイに表示する画面の表示例である。図4Aによると、情報処理装置100のディスプレイ101では、画面101aにマウスポインタ110及びウィンドウ111が表示されている。ここで、マウスポインタとは、マウス102の画面上での操作位置を示すためのマークである。ウィンドウとは、画面101a内の独立した小さな画面であり、各ウィンドウ内に画像や文書などを表示可能な画面である。ウィンドウ11では、一例として検索結果が表示されており、検索に用いた文字列等に関連する複数のURL(Uniform Resource Locator)が表示されている。
【0033】
ここで、ユーザは、ウィンドウ111に表示された検索結果を見ても、例えばどのURLにアクセスすれば良いのか分からず、また、アクセスしても問題がないかどうか分からないとする。そこで、図4Bに示すように、ユーザは、ウィンドウ111内の表示情報の不明箇所に対応するように、画面101a上に付箋紙112(112a、112b)を添付する。図4Bは、読み取りの対象物である付箋紙が画面に添付されている状態を示す説明図である。ここでは、URL3-CCCCの付近には、“これは見てみたいんだけど”とのコメントが記載された付箋紙112aが添付されている。また、URL5-EEEEの付近には、“分からない”とのコメントが記載された付箋紙112bが添付されている。本実施形態では、付箋紙112が画像読み取りの対象物である。
【0034】
次に、ユーザは、図4Cに示すように、付箋紙112とともにマウスポインタ110を読み取り可能なように、スキャン装置200を画面101a上に配置する。また、ユーザは、操作ボタン202のうち、画面読み取りモードの設定ボタンを選択する。図4Cは、スキャン装置がマウスポインタの画像を読み取る様子を示す説明図である。ここで、まず、画面101a上において、スキャン装置200がどの位置にどの傾きで配置されているかなどの情報を取得する必要がある。前記情報を取得する理由は、後述の通り、画面上のスキャンバー領域200bにおいて画面の表示を制御する必要があるからである。また、最終的に、付箋紙112の対象物画像のデータと、付箋紙112が添付された時の画面のみのデータと、を重畳して画面に表示するからである。ここで、スキャンバー領域200bとは、スキャンバー200aが画面101a上において走査される領域であり、つまりスキャン装置200が画面101a上において照射光を照射する照射領域である。また、スキャンバー200aとは、前述の通り、照射光を生成して出射する照射機構と、照射機構を移動させて照射光を順次的に走査する走査機構と、を含む機構を言う。
【0035】
情報処理装置100は、画面101a上でのスキャン装置200の位置及び傾きを取得するため、ここでは画面101aに表示するマウスポインタ110を用いる。そのため、スキャン装置200のスキャン領域200c内に、対象物である付箋紙112だけでなく、マウスポインタ110を位置させる必要がある。スキャン領域200c内にマウスポインタ110が位置していない場合、ユーザは、スキャン領域200c内にマウスポインタ110を移動する。なお、情報処理装置100が、スキャン領域200c内にマウスポインタ110を移動させるようにユーザに指示しても良い。ここで、スキャン領域200cとは、図4Cに示す通り、画面101aのうち、スキャン装置200に設けられた窓内においてスキャンバー200aが走査される領域である。
【0036】
図4Cに示すようにスキャン装置200が配置された後、スキャン装置200は、情報処理装置100からの走査指示コマンド(I)に基づいて、スキャンバー200aを走査する。これにより、スキャン装置200は、マウスポインタ110を含む画面101aを画像として読み取る。なお、走査指示コマンド(I)は、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを取得する際に出力される走査指示コマンドを言うものとする。一方、後述の走査指示コマンド(II)は、対象物の画像を読み取る際に出力される走査指示コマンドを言うものとする。
【0037】
情報処理装置100は、マウスポインタ110を明瞭に読み取るために、マウスポインタを黒色にするなど色を調節しても良い。情報処理装置100は、スキャン装置200が取得したスキャン画像からマウスポインタ110を検出し、画面101a上でのスキャン装置200の位置及び傾きを取得する。これについては後述する。
【0038】
次に、図4D、図4Eに示すように、スキャン装置200は、情報処理装置100からの走査指示コマンド(II)に基づいて、スキャンバー200aを再び走査する。図4Dは、スキャン装置が対象物である付箋紙の画像を取得する様子を示す説明図である。図4Eは、スキャンバー領域において画面の表示が制御されている様子を示す説明図である。情報処理装置100は、スキャン装置200がスキャンバー200aを走査するのに応じて、スキャンバー領域200bの画面の表示を一様な状態に制御する。画面の表示を一様な状態を制御するとは、例えば画面の色相、彩度、明度及び/又は輝度を一様に制御することにより画面を例えば一様に黒色状態又は白色状態などに制御することを言う。図4Eに示すように、画面101aのうちスキャンバー200a直下の領域、つまりスキャンバー領域200bの表示が一様な黒色状態に制御されている。これにより、スキャンバー領域200bからの表示光と、スキャン装置200からの照射光と、の光の干渉が抑制され、スキャン装置200は、対象物である付箋紙112を明瞭に読み取ることが可能となる。なお、情報処理装置100は、先に取得したスキャン装置200の位置及び傾きなどに基づいて、スキャンバー領域200bを把握している。また、情報処理装置100は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力するとともに、そのときに画面101aに表示されている表示情報を取得する。画面101aに表示されている表示情報とは、ここでは図4Aの画面101aに示される表示情報である。
【0039】
図4Fは、スキャン装置から出射される照射光Bと、情報処理装置の画面から出射される表示光aと、の関係を示す説明図である。情報処理装置100のディスプレイ101は、各種情報を表示する画面101aと、各種情報の表示に用いる照明光を生成する照明光生成部124bと、を含む。照明光生成部124bは、照明光Aを生成し、画面101aに提供する。照明光Aは、画面101aでの各種情報の表示の際に制御され、画面101aからは表示光aとして出射する。一方、スキャン装置200は、対処物の読み取りの際に照射光Bを出射する。よって、スキャン装置200が画面101aを読み取る場合、スキャン装置200から出射される照射光Bと、画面から出射される表示光aと、が干渉し、画面101a上の対象物の読み取りが困難となる。そこで、図4Dに示すように、情報処理装置100がスキャンバー領域200bの表示を一様な状態に制御することで、照射光Bと表示光aとの干渉を抑制する。結果的に、スキャン装置200により、対象物の読み取りが可能となる。なお、実際には、スキャン装置200は、対象物に照射光Bを照射し、対象物からの反射光bを読み取ることで対象物の画像を取得する。この反射光bもまた表示光aと干渉し得る。しかし、ここでは簡単のために、単に照射光と言うときには、照射光B及び反射光bを含むものとする。
【0040】
図4Gは、スキャン装置が読み取ったスキャン画像から対処物画像を抽出する様子を示す説明図である。情報処理装置100は、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像113を受信する。図4Gに示すように、スキャン画像113は、付箋紙112aに対応する部分以外の背景が黒色状態となっている。これは、図4Eに示すようにスキャンバー領域200bの表示が一様な黒色状態に制御されているためである。情報処理装置100は、スキャン画像113から対象物の画像である対象物画像を抽出する。ここでは、情報処理装置100は、スキャン画像113から付箋紙画像112a_image及び112b_imageを抽出する。例えば、情報処理装置100は、付箋紙画像112a_image及び112b_imageと、背景画像と、のコントラスト比に基づいて付箋紙画像112a_image及び112b_imageを抽出する。また、情報処理装置100は、付箋紙画像112a_image及び112b_imageがスキャン画像113内で占める相対位置を取得する。
【0041】
図4Hは、画面と対象物画像とが合成されている様子を示す画面例である。情報処理装置100は、予め、画面101aに表示されている表示情報を取得している。情報処理装置100は、この画面101aの表示情報と、対象物画像である付箋紙画像112a_image及び112b_imageと、を重畳し合成画像を生成する。このとき、情報処理装置100は、画面101a上でのスキャン装置200の位置及び傾きと、スキャン画像113内での付箋紙画像112a_image及び112b_imageの相対位置と、に基づいて重畳を行う。また、情報処理装置100は、ユーザからの入力に基づいて、図4Hに示すように、合成画像を用いて操作日記114を作成しても良い。
【0042】
(4)機能構成
次にスキャン装置及び情報処理装置の機能構成について説明する。
【0043】
図5は、第1実施形態例にかかる情報記憶装置及びスキャン装置の機能構成を示すブロック図の一例である。まずスキャン装置200の機能構成について説明する。
【0044】
(4−1)スキャン装置
スキャン装置200の各機能部による処理は、スキャン装置200の入出力機器コントローラ204、CPU205、ROM206、RAM207、通信I/F208等が相互に連携することにより実行される。
【0045】
スキャン装置200の機能部には、例えば、スキャン実行部210、照射光制御部211及び入力受付部212及び送受信部213などが含まれる。
【0046】
(4−1−1)送受信部
送受信部213は、情報処理装置100から入力される各種コマンドを受信し、各機能部に送信する。また、送受信部213は、スキャン機構201、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203等と、各機能部との間でデータを送受信する。
【0047】
(4−1−2)入力受付部
入力受付部212は、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203等からのユーザの入力を送受信部213を介して受け付ける。入力受付部212は、受け付けた入力をスキャン実行部210及び/又は情報処理装置100に出力する。例えば、入力受付部212は、画面読み取りモードの設定ボタンから入力を受け付けると、情報処理装置100に出力する。このとき、情報処理装置100は、画面読み取りモードの入力を受け付けると、後述の走査指示コマンド(I)及び(II)などのコマンドを生成し、スキャン実行部210に出力する。
【0048】
(4−1−3)スキャン実行部
スキャン実行部210は、入力受付部212からの入力及び/又は情報処理装置100からのコマンドに基づいて、画像の読み取りを実行する。例えば、スキャン実行部210は、情報処理装置100が生成した走査指示コマンド(I)及び(II)を受信し、スキャン機構201を制御して画面101a上の読み取りを開始する。また、スキャン実行部210は、読み取ったスキャン画像を情報処理装置100に送信する。
【0049】
スキャン実行部210は、情報処理装置100がスキャン装置200位置及び傾きを取得できるように、スキャンバー200aの走査位置を情報処理装置100に出力する。なお、スキャンバー領域200bは、画面101aのうちスキャンバー200a下の領域である。
【0050】
スキャンバー200aの走査位置は、例えば図4Cに示すスキャンバー200a内のいずれかの座標S(α1、β0)で表される。ここでは、一例として、スキャンバー200aの右隅の座標S(α1、β0)を用いた。また、座標S(α1、β0)は、例えば、図4Cに示すように、スキャンバー200a内の右隅を原点座標S(α0,β0)としたときの相対座標である。以下では、スキャン領域200cについて、スキャン装置200側を基準とした座標系を、スキャン座標系と言うものとする。また、Sはスキャン座標系に基づく座標であることを示す添え字である。なお、スキャン座標系の座標軸のα方向は、図4Cに示すように、スキャンバー200aが原点座標S(α0,β0)から終点座標S(αE、βE)に進行する方向である。また、スキャン座標系の座標軸のβ方向は、α方向と概ね直交する方向である。
【0051】
(4−1−4)照射光制御部
照射光制御部211は、スキャン実行部210の制御に基づいて、画像の読み取りの際に出射する照射光を制御する。あるいは、照射光制御部211は、照射光を制御する照射光制御コマンドを受信し、照射光制御コマンドに応じて照射光を制御する。
【0052】
(4−2)情報処理装置
情報処理装置100の各機能部による処理は、情報処理装置100の入出力機器コントローラ104、CPU105、ROM106、RAM107、通信I/F108等が相互に連携することにより実行される。
【0053】
情報処理装置100の機能部には、以下の構成が含まれる。
【0054】
(4−2−1)送受信部
送受信部120は、スキャン装置200と情報処置装置100との間で各種データ及びコマンドの送受信を行う。例えば、送受信部120は、スキャン装置200から各種データを受け取り、情報処理装置100内の各機能部に送信する。また、送受信部120は、情報処理装置100からスキャン装置200に各種コマンドを出力する。
【0055】
(4−2−2)入力受付部
入力受付部121は、マウス102及びキーボード103等からのユーザの入力を送受信部120を介して受け付ける。例えば、入力受付部121は、ユーザによるマウス102の移動を受け付け、表示管理部124に出力する。これにより、表示管理部124は、マウスポインタ110をマウス102の移動に追随して画面101aに表示する。その他、例えば入力受付部121は、ユーザから各種処理の起動を受け付け、表示管理部124に前述の図4Hに示すような操作日記114を作成させても良い。
【0056】
(4−2−3)指示制御部
指示制御部122は、スキャン装置200及び情報処理装置100を制御するための各種コマンドを生成し、処理の全体を制御する。
【0057】
例えば、指示制御部122は、スキャン装置200の入力受付部212が画面読み取りモードを受け付けると、まずスキャン装置200の検出処理を開始させるため、スキャン装置200に走査指示コマンド(I)を出力する。また、指示制御部122は、スキャン装置200の検出処理を指示するスキャン装置検出コマンドをスキャン装置検出部126に出力する。スキャン装置200の検出処理とは、画面101aに対するスキャン装置200の位置及び傾きを取得する処理である。本実施形態では、スキャン装置200は、走査指示コマンド(I)に基づいて、前述の図4Cに示すように、画面101aに表示されたマウスポインタ110を含む画像を取得する。なお、指示制御部122は、マウスポインタ110を明瞭に読み取るために、マウスポインタを黒色にするなど色を調節するように表示管理部124に指示しても良い。
【0058】
ここで、指示制御部122は、スキャン装置200の位置及び傾きを検出できなかった場合には、ユーザに対する警告を画面101aに表示するように表示管理部124に指示する。例えば、表示管理部124は、マウスポインタ110をスキャン領域200c内に移動するように指示する警告メッセージを画面101aに表示する。
【0059】
次に、スキャン装置200の検出処理の後、指示制御部122は、対象物である付箋紙112の画像を取得するため、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。このとき、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aのうちスキャンバー領域200bにおいて、その表示を一様な状態に制御させる。これにより、図4D及び図4Eに示すように、スキャン装置200が付箋紙112を読み取る場合、スキャンバー領域200bが例えば黒色状態に制御される。
【0060】
また、指示制御部122は、走査指示コマンド(II)を出力するとともに、画面取得コマンドを画面取得部134に出力し、抽出部132に抽出コマンドを出力する。画面取得コマンドとは、画面101aの画面データ、つまり画面101aに表示されている表示情報を取得するように指示するコマンドである。画面101aの画面データとは、ここでは図4Aに示される表示情報である。抽出コマンドとは、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像から対象物の画像を抽出するように指示するコマンドである。
【0061】
また、指示制御部122は、スキャン画像の判定結果を画像判定部131から取得すると、判定結果に応じて、再び走査指示コマンド(II)及び光干渉制御コマンドを出力しても良い。これにより、スキャン装置200は、再び画面101aの表示が制御された状態で画像の読み取りを行う。
【0062】
(4−2−4)画面取得部、画面DB
画面取得部134は、指示制御部122から画面取得コマンドを受信すると、そのとき画面101aを構成している画面データを表示管理部124から取得する。あるいは、画面取得部134は、画面101aをいわゆる画面キャプチャ機能により取得しても良い。
【0063】
画面取得部134は、取得した画面データを画面DB135に格納する。
【0064】
(4−2−5)スキャン画像受信部、スキャン画像DB
スキャン画像受信部129は、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像を受信し、スキャン画像DB130に格納する。ここで、スキャン画像には、走査指示コマンド(I)に対応するマウスポインタ110を含むスキャン画像と、走査指示コマンド(II)に対応する付箋紙112の対象物画像を含むスキャン画像と、が含まれる。
【0065】
(4−2−6)マウスポインタ情報DB
マウスポインタ情報DB125は、マウスポインタ110の形状、色等のマウスポインタ情報を記憶している。また、マウスポインタ情報DB125は、表示管理部124からマウスポインタ110の現在の座標I(X1、Y1)を取得し記憶する。座標I(X1、Y1)は、図4Cに示すように例えばマウスポインタ110の先端の座標である。座標I(X1、Y1)は、例えば、図4Cに示すように、画面101a内の右隅を原点座標I(0,0)としたときの相対座標である。以下では、画面101aについて、情報処理装置100側を基準とした座標系を、画面座標系と言うものとする。また、Iは画面座標系に基づく座標であることを示す添え字である。なお、画面座標系の座標軸のX方向は図4Cにおいて原点座標I(0,0)から左に向かう方向であり、Y方向は原点座標I(0,0)から下に向かう方向である。
【0066】
(4−2−7)スキャン装置情報DB
スキャン装置情報DB128は、予めスキャン領域200cの幅W1及び長さL1などのスキャン領域情報と、スキャンバー200aの幅W2及び長さL2などのスキャンバー情報と、を記憶している。また、スキャン装置情報DB128は、スキャン装置200のスキャン実行部210からスキャンバー200aの現在の走査位置を示す座標を取得し記憶する。
【0067】
(4−2−8)スキャン装置検出部
スキャン装置検出部126は、指示制御部122からスキャン装置検出コマンドを受信すると、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。つまり、画面座標系におけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。そのため、スキャン装置検出部126は、スキャン画像DB130にアクセスし、マウスポインタ110を含むスキャン画像を、スキャンバー200aが順次的に走査されるのに応じて取得する。また、これと並行して、スキャン装置検出部126は、スキャン座標系で特定されるスキャンバー200aの走査位置を、スキャン装置情報DB128から順次的に取得する。
【0068】
さらに、スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110を検出する。例えば、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ情報DB125からマウスポインタ情報を取得し、マウスポインタ情報と、スキャン画像と、を比較してマウスポインタ110を検出する。つまり、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ情報が示すマウスポインタの形状と同様の形状をスキャン画像から検出する。ここでは、スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aが走査開始地点からマウスポインタ110の先端まで走査されたときのスキャン画像に基づいて、スキャン画像からマウスポインタ110を検出する。
【0069】
次に、スキャン装置検出部126は、画面座標系で特定される、画面101aでのマウスポインタ110の先端の座標をマウスポインタ情報から取得する。
【0070】
以上の処理により、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110の先端を検出したときのスキャン座標系でのスキャンバー200aの走査位置と、画面座標系でのマウスポインタ110の先端の座標と、を取得している。スキャン装置検出部126は、これらの情報に基づいて、画面座標系でのスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。
【0071】
スキャン装置200の検出処理の一例について、図6を用いて具体的に説明する。図6は、スキャン装置の検出処理の一例を示す説明図である。また、図6は、前述の図4Cにおいて、スキャン装置200がマウスポインタ110の読み取りを行っている様子に対応している。
【0072】
図6では、スキャンバー200aは、スキャン座標系の原点座標S(α0,β0)から座標S(α1、β0)まで移動している。よって、スキャン画像DB130は、原点座標S(α0,β0)から座標S(α1、β0)までのスキャン画像を記憶している。なお、座標S(α1、β0)で特定されるスキャンバー200aは、マウスポインタ110の先端上に位置しているものとする。
【0073】
スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110の先端を検出すると、そのときのスキャンバー200aの座標S(α1、β0)をスキャン装置情報DB128から取得する。前述の通り、座標S(α1、β0)は、スキャン座標系の右隅を原点座標S(α0,β0)としたときの相対座標である。スキャン装置検出部126は、座標S(α1、β0)と、マウスポインタ110の先端と、のスキャン画像における位置関係から、スキャン座標系でのマウスポインタ110先端の座標S(α1、β1)を算出する。例えば、スキャン装置検出部126は、座標S(α1、β0)と、マウスポインタ110の先端と、の距離bに基づいて、座標S(α1、β1)を算出する。ここで、β1=β0+bの関係にある。
【0074】
また、スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110の先端を検出すると、画面座標系でのマウスポインタ110の先端の座標I(X1、Y1)を、マウスポインタ情報DB125から取得する。前述の通り、座標I(X1、Y1)は、画面座標系の右隅を原点座標I(0,0)としたときの相対座標である。これにより、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110の先端座標について、スキャン座標系での座標S(α1、β1)と、画面座標系での座標I(X1、Y1)と、の座標の対応関係を取得する。つまり、スキャン座標系の座標と画面座標系の座標との対応関係を取得する。
【0075】
次に、スキャン装置検出部126は、先に取得したスキャンバー200aの座標S(α1、β0)を、前記座標の対応関係に基づいて、画面座標系での座標に変換する。座標S(α1、β0)は座標I(X2、Y2)に変換される。同様に、スキャン装置検出部126は、スキャン座標系の原点座標S(α0,β0)を、画面座標系での座標I(X0、Y0)に変換する。座標I(X0、Y0)と座標I(X2、Y2)とにより、スキャンバー200aの画面101aに対する走査方向αを取得することができる。スキャン装置検出部126は、この走査方向αと、画面101aでの水平方向と、のなす角Δθを、スキャン装置200の画面101aでの傾きΔθとする。
【0076】
また、スキャン装置検出部126は、座標I(X0、Y0)、傾きΔθ、スキャン領域200cの幅W1及び長さL1等に基づいて、スキャン領域200cの四隅の座標を取得する。四隅の座標とは、座標I(X0、Y0)、座標I(X3、Y3)、座標I(X4、Y4)及び座標I(X5、Y5)である。これにより、スキャン装置検出部126は、画面101aに対するスキャン領域200cの位置を把握し、画面101aに対するスキャン装置200の位置を把握する。
【0077】
スキャン装置検出部126は、取得したスキャン装置200の位置及び傾きΔθ、又は、スキャン座標系と画面座標系との前記座標の対応関係を合成画像生成部133及びスキャンバー領域検出部127に出力する。
【0078】
また、スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aによる読み取りが終了しても、スキャン画像からマウスポインタ110を検出できなかった場合には、指示制御部122にその旨を出力する。これにより指示制御部122は、表示管理部124によりユーザへの警告メッセージを画面101aに表示させる。
【0079】
なお、上記では、マウスポインタ110の先端の座標を用いてスキャン装置200の位置及び傾きΔθを算出したが、マウスポインタ110の位置を特定可能な座標であればこれに限定されない。
【0080】
(4−2−9)スキャンバー領域検出部
図7はスキャンバー領域の検出方法の一例を示す説明図である。
【0081】
スキャン装置200が、画面101aに対してどの位置にどの傾きΔθで読み取りを行うかによって、画面101a上におけるスキャンバー領域200bも異なる。よって、スキャンバー領域検出部127は、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きと、順次的に移動するスキャンバー200aの走査位置と、に基づき、次のようにしてスキャンバー領域200bを取得する。
【0082】
スキャンバー領域検出部127は、現在のスキャンバー200aの座標S(α2、β0)と、スキャンバー200aの幅W2及び長さL2と、をスキャン装置情報DB128から取得する。また、スキャンバー領域検出部127は、座標S(α2、β0)と、幅W2及び長さL2と、に基づいて、スキャン座標系おけるスキャンバー領域200bの四隅の座標を取得する。スキャン座標系における四隅の座標は、座標S(α2、β0)、座標S(α2、β0+L2)、座標S(α2+W2、β0)及び座標S(α2+W2、β0+L2)である。なお、スキャン領域200cの長さL1とスキャンバー領域200bの長さL2とは同じである。
【0083】
次に、スキャン装置検出部126が求めた、スキャン座標系と画面座標系との前記座標の対応関係に基づいて、スキャンバー200aのスキャン座標系における四隅の座標を、画面座標系の座標に変換する。なお、スキャンバー領域検出部127は、スキャン装置検出部126からスキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得し、これに基づいて座標の変換を行うこともできる。スキャン座標系における四隅の座標は、それぞれ、画面座標系における座標I(X6、Y6)、座標I(X7、Y7)、座標I(X8、Y8)及び座標I(X9、Y9)に変換される。これにより、スキャンバー領域検出部127は、画面101aにおけるスキャンバー領域200bを検出でき、検出結果を光干渉制御部123に出力する。
【0084】
(4−2−10)画像判定部
画像判定部131は、対象物画像を含むスキャン画像をスキャン画像DB130から読み出し、対象物の画像が明瞭に読み取られているかなどの判定を行う。例えば、画像判定部131は、対象物である付箋紙112と、付箋紙112以外の部分と、のコントラスト比が所定値以上であるかを判定する。画像判定部131は、コントラスト比が所定値以上の場合には、付箋紙112のエッジを検出できたと判定し、逆にコントラスト比が所定値未満の場合には、付箋紙112のエッジを検出できなかったと判定する。付箋紙112のエッジとは、付箋紙112の輪郭であり、付箋紙112とそれ以外との境界である。
【0085】
画像判定部131は、判定結果を指示制御部122及び抽出部132に出力する。
【0086】
(4−2−11)光干渉制御部
光干渉制御部123は、指示制御部122から光干渉制御コマンドを受信し、スキャンバー領域検出部127から画面座標系でのスキャンバー領域200bの座標を取得する。これに基づいて、光干渉制御部123は、画面101a全体のうちスキャンバー領域200bの画面について、その画面の表示を一様な状態に制御するように表示管理部124に指示する。
【0087】
画面の表示を一様な状態を制御するとは、例えば画面の色相、彩度、明度及び/又は輝度を一様に制御することにより画面を例えば一様に黒色状態又は白色状態などに制御することを言う。例えば、付箋紙が白色の用紙であり、画面が黒色状態に制御された場合、付箋紙の背景色が黒色状態となることで、対象物と画面との差を明確にできる。なお、黒色状態には黒色だけでなく、暗い灰色、明るい灰色など黒色に近い色も含まれる。同様に、白色状態には、白色だけでなく、明度又は輝度などが明るい白色に近い、例えば黄色、明るい緑なども含まれる。また、画面の表示は、例えば画面から出射される表示光の出射量を調節することで制御され得る。あるいは、画面に白色を出力するように制御するなど、画面の表示色を制御して、画面の表示を一様に制御することもできる。
【0088】
よって、例えば、光干渉制御部123は、スキャンバー領域200bが黒色状態になるように、スキャンバー領域200bでの表示光の出射量を抑えるか、あるいは、スキャンバー領域200bに黒色を出力するように表示管理部124に指示する。また、光干渉制御部123は、スキャンバー領域200bが白色状態になるように、スキャンバー領域200bの表示光の出射量を高めるか、あるいは、スキャンバー領域200bに白色を出力するように表示管理部124に指示する。
【0089】
このような制御により、対象物の読み取りの際にスキャン装置200から出射される照射光と、情報処理装置100の画面101aから出射される表示光と、の干渉を抑制することができる。よって、対象物がディスプレイ101の画面101a上に配置されていても、スキャン装置200は対象物を読み取ることが可能となる。
【0090】
なお、画面101a全体の表示を通常の表示状態から一様な状態に制御すると、瞬時に画面の状態が変化するため、情報処理装置100のユーザに強い刺激を与える。このような変化は、例えば、ユーザに大きな驚きを与え、また情報処理装置100が誤作動したとユーザに誤認させるなどする。スキャンバー領域200bにおいてのみ表示を制御することで、画面101a全体の表示が制御される場合に比べてユーザに与える刺激を抑制することができる。
【0091】
なお、光干渉制御部123は、スキャン領域200cの位置をスキャン装置検出部126から取得し、スキャン領域200cについて表示を制御しても良い。また、光干渉制御部123は、スキャン装置200の位置などに関係なく画面101a全体について、表示を制御しても良い。
【0092】
また、光干渉制御部123は、画像判定部131での判定結果に応じて、スキャンバー領域200bの画面の表示を制御しても良い。例えば、画像判定部131がスキャン画像において付箋紙112のエッジを検出できなかったと判定した場合には、光干渉制御部123は、指示制御部122から新たな光干渉制御コマンドを受信する。光干渉制御部123は、新たな光干渉制御コマンドに応じて表示管理部124を制御し、画面の表示状態を変更する。例えば、黒色状態から白色状態に画面の表示状態を変更する。スキャン装置200は、指示制御部122からの走査指示コマンドに応じて、画面の表示状態が変更された状態で、再び対象物の読み取りを実行する。このように画面101aの表示を様々に調節することで、スキャン装置200が対象物の画像をより鮮明に取得できるように調節できる。
【0093】
(4−2−12)表示管理部
表示管理部124は、表示制御部124a、照明光生成部124b及び画像信号生成部124cを含む。照明光生成部124bは、画面101aに明度又は輝度を与える照明光を生成する。画像信号生成部124cは、画面101aに画像などの情報を表示するための画像信号を生成する。画面はRGBなどの色を決定する複数の画素から構成されており、画像信号生成部124cは、例えば各画素ごとに画像信号を生成している。表示制御部124aは、照明光及び/又は画像信号を用いて画面101aに画像などの情報を表示している。また、表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、照明光及び/又は画像信号を制御し、画面101aのうちスキャンバー領域200bの表示を一様な状態に制御する。
【0094】
画面の表示は、画面からの表示光の出射量を調節するか、あるいは画面の表示色を制御するなどして制御することができる。
【0095】
まず、表示光の出射量を調節することで画面の表示を制御する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、スキャンバー領域100b内において、照明光の遮断量を調節し、最終的に表示光として画面から出射される量を調節する。
【0096】
例えば、ディスプレイ101が液晶表示装置の場合は、表示制御部124aが画像信号を各画素の画素電極に印加すると、液晶は画像信号に応じて傾く。この液晶の傾きの程度によって、照明光の遮断量が制御され、ひいては画面101aから出射する表示光の出射量が制御される。よって、表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、スキャンバー領域100b内の各画素の画像信号を制御し、スキャンバー領域100bから出射される表示光の出射量を調節する。例えば、照明光の出射量を少なくすることで、画面の表示を一様な黒色状態とすることができる。また、照明光の出射量を多くすることで、画面の表示を一様な白色状態に近くすることができる。
【0097】
その他、表示光の出射量を制御する方法としては、照明光生成部124bでの照明光の生成量を調節することなどが挙げられる。この方法は、ディスプレイ101がCRT(Cathode Ray Tube)などの場合に適用可能である。
【0098】
次に、画面の表示色を調節することで画面の表示を制御する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。ここで、画像信号が各画素に印加されることで、各画素のRGBが決定され、画面の表示色が決定される。よって、表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、スキャンバー領域100b内の画素に対応する画像信号を制御し、スキャンバー領域100b内の表示色を制御する。
【0099】
その他、表示管理部124は、マウス102の移動に応じてマウスポインタ110を画面101aに表示し、マウスポインタ110の現在の座標I(X1、Y1)をマウスポインタ情報DB125に格納する。また、表示管理部124は、入力受付部121が受け付けた各種処理の実行に基づいて、合成画像生成部133からの合成画像を処理し、前述の図4Hに示すような操作日記114を作成しても良い。
【0100】
(4−2−13)抽出部
抽出部132は、指示制御部122から抽出コマンドを受信すると次の処理を開始する。
【0101】
抽出部132は、付箋紙112のエッジの判定結果を画像判定部131から取得する。また、抽出部132は、スキャン画像DB130から対象物を含むスキャン画像を読み出し、エッジに基づいてスキャン画像から付箋紙112の画像を抽出するとともに、スキャン画像に対する付箋紙112の相対位置を取得する。抽出部132は、対象物である付箋紙112の画像と、スキャン画像に対する相対位置と、を合成画像生成部133に出力する。
【0102】
(4−2−14)合成画像生成部
合成画像生成部133は、スキャン装置検出部126からスキャン領域200cの位置を取得する。なお、合成画像生成部133は、スキャン座標系と画面座標系との前記座標の対応関係をスキャン装置検出部126から取得し、これに基づいてスキャン領域200cを把握しても良い。
【0103】
また、合成画像生成部133は、付箋紙112の画像及びスキャン画像に対する相対位置を抽出部132から取得し、画面101aに表示されている画面データを画面DB135から取得する。最後に、合成画像生成部133は、画面101a上でのスキャン領域200cと、スキャン画像に対する付箋紙112の相対位置と、に基づいて、画面101aの画面データに付箋紙112の画像を合成し合成画像を生成する。
【0104】
合成画像生成部133は、合成画像を表示管理部124に出力し、画面101aに合成画像を表示させる。
【0105】
(5)処理の流れ
(5−1)全体処理
図8は、第1実施形態例にかかる情報処理装置が実行する全体処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS1:指示制御部122は、スキャン装置200から画面読み取りモードを受け付けると、以下の処理を実行する。
【0107】
ステップS2:指示制御部122は、まずスキャン装置200の検出処理を開始させるため、スキャン装置200に走査指示コマンド(I)を出力する。また、指示制御部122は、スキャン装置検出部126にスキャン装置検出コマンドを出力する。スキャン装置検出部126は、スキャン装置200の検出処理を実行する。
【0108】
ステップS3:次に、指示制御部122は、対象物である付箋紙112の画像を取得するため、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aの表示を制御する。なお、光干渉制御部123は、画像判定部131でのスキャン画像の判定結果に応じて画面101aの表示を制御しても良い。
【0109】
このとき、画面取得部134は、指示制御部122から画面取得コマンドを受信しており、画面101aの画面データを取得し、画面DB135に格納している。
【0110】
ステップS4:抽出部132は、指示制御部122から抽出コマンドを受信すると、スキャン装置200が取得したスキャン画像から、対象物の画像を抽出する。具体的には、抽出部132は、対象物のエッジの判定結果を画像判定部131から取得し、スキャン画像DB130から対象物を含むスキャン画像を読み出す。次に、抽出部132は、エッジに基づいてスキャン画像から対象物の画像を抽出するとともに、スキャン画像に対する対象物画像の相対位置を取得する。抽出部132は、対象物の画像と、スキャン画像に対する対象物画像の相対位置と、を合成画像生成部133に出力する。
【0111】
ステップS5:合成画像生成部133は、スキャン装置検出部126からスキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得する。また、合成画像生成部133は、対象物画像と、対象物画像のスキャン画像に対する相対位置と、を抽出部132から取得し、画面101aの画面データを画面DB135から取得する。合成画像生成部133は、これら取得した情報に基づいて、画面101aの画像に対象物の画像を合成し合成画像を生成する。表示管理部124は、画面101aに合成画像を表示する。
【0112】
(5−2)スキャン装置の検出処理
図9は、第1実施形態例にかかるスキャン装置の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下に、前述の全体処理のうち、スキャン装置の検出処理の流れについて説明する。
【0113】
ステップS2a:指示制御部122は、まずスキャン装置200の検出処理を開始させるため、スキャン装置200に走査指示コマンド(I)を出力する。また、指示制御部122は、スキャン装置検出部126にスキャン装置検出コマンドを出力する。
【0114】
ステップS2b:スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110を検出すると、ステップS2cに進む。ここでは、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110のうちその先端を検出する。一方、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110を検出しなかった場合、ステップS2iに進む。
【0115】
ステップS2c:スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110の先端を検出すると、そのときのスキャンバー200aの座標S(α1、β0)をスキャン装置情報DB128から取得する。スキャン装置検出部126は、この座標S(α1、β0)に基づいて、マウスポインタ110先端のスキャン座標系での座標S(α1、β1)を取得する。
【0116】
ステップS2d:スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110の先端について、画面101a内での画面座標系の座標I(X1、Y1)を、マウスポインタ情報DB125から取得する。
【0117】
ステップS2e:スキャン装置検出部126は、座標S(α1、β1)と、座標I(X1、Y1)と、に基づいてスキャン座標系の座標と画面座標系の座標との対応関係を取得する。
【0118】
ステップS2f:次に、スキャン装置検出部126は、前記座標の対応関係を用いて、スキャンバー200aの画面101aに対する走査方向αを取得する。
【0119】
ステップS2g:スキャン装置検出部126は、この走査方向αと、画面101aでの水平方向と、のなす角Δθを、スキャン装置200の画面101aでの傾きΔθとして算出する。
【0120】
ステップS2h:また、スキャン装置検出部126は、スキャン座標系の原点座標S(α0,β0)を、画面座標系の座標I(X0、Y0)に変換する。また、スキャン装置検出部126は、座標I(X0、Y0)、傾きΔθ、スキャン領域200cの幅W1及び長さL1等に基づいて、画面101aに対するスキャン領域200cの位置を把握する。これにより、スキャン装置200の画面101aに対する位置が把握できる。
【0121】
ステップS2i:スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aがスキャン領域200cの終点に到達したかどうかを判断する。スキャンバー200aが終点に到達している場合は、ステップS2jに進む。そうでない場合は、ステップS2bに戻り、スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aの走査とともにスキャン装置200から順次的に送信されるスキャン画像からマウスポインタ110の検出を行う。
【0122】
ステップS2j:表示管理部124は、ユーザへの警告メッセージを画面101aに表示する。
【0123】
(5−3)光干渉制御
以下に、前述の全体処理のうち、光干渉制御の流れについて説明する。以下では、光干渉制御A1及びA2についてそれぞれ説明する。
【0124】
光干渉制御A1では、画面101aのうちスキャンバー領域200bの表示を黒色状態又は白色状態に制御する。
【0125】
光干渉制御A2では、画面101a全体の表示を黒色状態又は白色状態に制御する。
【0126】
(5−3−1)光干渉制御A1
図10は、第1実施形態例にかかる光干渉制御A1の流れの一例を示すフローチャートである。
【0127】
ステップS31a:指示制御部122は、対象物の画像を取得するため、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aのうちスキャンバー領域200bの表示制御を開始させる。
【0128】
ステップS31b:スキャンバー領域検出部127は、現在のスキャンバー200aの座標S(α2、β0)などをスキャン装置情報DB128から取得する。
【0129】
ステップS31c:スキャンバー領域検出部127は、現在のスキャンバー200aの座標S(α2、β0)などに基づいて、スキャン座標系おけるスキャンバー領域200bの四隅の座標を取得する。次に、スキャンバー領域検出部127は、前記四隅の座標を画面座標系の座標に変換し、画面101aにおけるスキャンバー領域200bを検出する。
【0130】
ステップS31d:光干渉制御部123は、スキャンバー領域200bの表示を黒色状態に制御する。
【0131】
ステップS31e:スキャン画像受信部129は、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像を受信し、スキャン画像DB130に格納する。
【0132】
ステップS31f:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了すればステップ31gに進み、終了していなければステップS31bに戻る。
【0133】
ステップS31g:画像判定部131は、スキャン画像において対象物のエッジが検出できるか否かの判定を行う。対象物のエッジが検出できなかった場合はステップ31hに進む。対象物のエッジが検出できた場合は処理を終了する。
【0134】
ステップS31h〜31j:指示制御部122は、再び走査指示コマンド(II)及び光干渉制御コマンドを出力する(S31h)。スキャンバー領域検出部127は、ステップS31b及びS31cと同様にスキャンバー領域200bを検出する(S31i、S31j)。
【0135】
ステップS31k:光干渉制御部123は、前記スキャンバー領域200bの表示を黒色状態から白色状態に変更する。
【0136】
ステップS31l:スキャン画像受信部129は、スキャン画像を受信しスキャン画像DB130に格納する。
【0137】
ステップS31m:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了していなければステップS31iに戻る。読み取りが終了していれば処理を終了する。
【0138】
(5−3−2)光干渉制御A2
図11は、第1実施形態例にかかる光干渉制御A2の流れの一例を示すフローチャートである。画面全体が黒色状態又は白色状態に制御される点が、光干渉制御A1と異なる。
【0139】
ステップS32a:指示制御部122は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101a全体の表示制御を開始させる。
【0140】
ステップS32b:光干渉制御部123は、画面101a全体の表示を黒色状態に制御する。
【0141】
ステップS32c、S32d:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0142】
ステップS32e、32f:画像判定部131がスキャン画像において対象物のエッジを検出できなかった場合は(S32e)、指示制御部122は、再び走査指示コマンド(II)及び光干渉制御コマンドを出力する(S31f)。対象物のエッジが検出できた場合は処理を終了する。
【0143】
ステップS32g:光干渉制御部123は、画面101a全体の表示を黒色状態から白色状態に変更する。
【0144】
ステップS32h、S32i:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0145】
上記光干渉制御A1及びA2では、黒色状態から白色状態に表示を変更しているが、白色状態から黒色状態への変更でも良い。さらに、画面101a上に配置された対象物の対象物画像を取得できれば良く、表示の制御は黒色状態又は白色状態に限定されない。
【0146】
(6)作用効果
上述の通り、画面101aの表示を一様に制御することで、画像の取得の際にスキャン装置200から出射される照射光と、情報処理装置100の画面101aから出射される表示光と、の干渉を抑制することができる。これにより、対象物がディスプレイ101の画面101a上に配置されていても、スキャン装置200により対象物を読み取ることが可能となる。
【0147】
また、照射光が照射されているスキャンバー領域200bのみ表示を制御することで、画面101aの全体の表示が制御される場合に比べてユーザに与える刺激を抑制することができる。
【0148】
(7)変形例
(7−1)変形例1
上記実施形態では、画面101aの表示を制御することで、画面101aからの表示光とスキャン装置200からの照射光との干渉を抑制している。本変形例では、情報処理装置100は、画面101aの表示を制御するだけでなく、さらにスキャン装置200の照射光を制御しても良い。
【0149】
図12は、表示光と照射光との光干渉制御の組み合わせを示す表である。図12では、画面101aの表示は、画面101aからの表示光の出射量の違いにより複数段階で調節される。さらに、スキャン装置200からの照射光は出射量の違いにより複数段階で調節される。ここでは、一例として、制御1から制御9の9段階の光干渉制御レベルが用意されている。
【0150】
図13は、変形例1にかかる光干渉制御Bの流れの一例を示すフローチャートである。次に、本変形例の光干渉制御Bについて説明する。
【0151】
ステップS33a:指示制御部122は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aの表示制御を開始させる。本変形例の場合、指示制御部122は、さらにスキャン装置200に光干渉制御コマンドを出力し、照射光の制御を開始させる。ここで、光制御コマンドには、例えば図12の制御1から制御9のいずれを実行するかを指示する情報が含まれているものとする。
【0152】
ステップS33b、S33c:前述の光干渉制御A1のステップS31b、S31cと同様に、スキャンバー領域検出部127は、画面101aにおけるスキャンバー領域200bを検出する。
【0153】
ステップS33d:光干渉制御部123は、前記スキャンバー領域200bの表示を、光干渉制御コマンドに応じて制御する。一方、スキャン装置200の照射光制御部211は、情報処理装置100から光干渉制御コマンドを受信すると、光干渉制御コマンドに応じて照射光の出射量を調節する。
【0154】
例えば、光干渉制御コマンドにおいて制御6が指定されている場合は、光干渉制御部123は、画面101aから出射する表示光の出射量がレベル3となるように制御する。また、スキャン装置200の照射光制御部211は、照明光の出射量がレベル2となるように制御する。
【0155】
ステップS33e、S33f:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0156】
ステップS33g:画像判定部131は、スキャン画像において対象物のエッジが検出できるか否かの判定を行う。対象物のエッジが検出できなかった場合はステップ33hに進む。対象物のエッジが検出できた場合は処理を終了する。
【0157】
ステップS33h:指示制御部122は、全ての組み合わせについて光干渉制御が終了しているか否かを判定する。光干渉制御が終了していない場合には、指示制御部122は、ステップS33aに戻る。なお、ステップS33aでは、指示制御部122は、図12のうち実行されていない制御を指定した光干渉制御コマンドを生成し、各機能部に出力する。
【0158】
なお、本変形例では、表示光の出射量を調節することで画面101aの表示を制御しているが、画面101aの表示色を制御することで画面101aの表示を制御しても良い。
【0159】
(7−2)変形例2
上記実施形態例の画像判定部131は、対象物の画像が明瞭であるかを判断するために、スキャン画像において対象物のエッジを検出できたか否かを判定している。画像判定部131は、さらに色味、彩度、色相などに基づいて対象物の画像が明瞭であるかどうかを判定しても良い。
【0160】
また、画像判定部131が、色味、彩度、色相などに基づいて対象物が明瞭でないと判断した場合は、情報処理装置100は、上記実施形態例と同様に画面101aの表示状態を変更しても良い。又は、上記変形例1と同様に、情報処理装置100は、色味、彩度、色相などが最良の状態となるまで、表示光及び照射光を制御しても良い。
【0161】
(7−3)変形例3
上記実施形態では、情報処理装置100は、スキャン画像からマウスポインタ110を検出して、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。しかし、本変形例では、画面101a上にタッチパネル140によりスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。
【0162】
図14は、変形例3にかかるタッチパネルを備える情報処理装置とスキャン装置との関係を示す模式図である。情報処理装置100のディスプレイ101は、画面101a上にタッチパネル140を備える。タッチパネル140は、例えば各画素に対応して静電容量センサを配置し、押圧による容量変化に基づいて押圧位置を検知する装置である。一方、スキャン装置200は、背面に突起220a及び220bが例えば対角線上に対向する2隅に設けられている。スキャン装置200がタッチパネル140上に配置され、突起220a及び220bがタッチパネル140を押圧すると、スキャン装置検出部126は画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。その検出方法を次に説明する。
【0163】
図15は、タッチパネルを用いてスキャン装置の位置及び傾きを検出する方法を説明する模式図である。
【0164】
スキャン装置検出部126は、スキャン装置200の突起220a及び220bによるタッチパネル140の押圧位置を検出する。例えば、突起220aによる押圧位置がI(X10、Y10)であり、突起220bによる押圧位置がI(X11、Y11)であるとする。
【0165】
ここで、スキャン装置検出部126は、スキャン領域200cの対角線方向の基本ベクトルV1を予め保持しているものとする。なお、画面101aの座標軸とスキャン装置200の座標軸とが概ね一致するように配置されている場合に、図15中の破線で示されるスキャン領域200cは、基本ベクトルV1を有する。基本ベクトルV1は、座標I(X10、Y10)と座標I(X12、Y12)とにより表される。このとき、スキャンバー200aの長さ方向が画面座標系のY方向に概ね平行であり、スキャンバー200aは画面座標系のX方向に向かって走査される。
【0166】
次に、スキャン装置検出部126は、突起220a及び220bによる押圧位置I(X10、Y10)及びI(X11、Y11)に基づいて、傾きのベクトルV2を算出する。スキャン装置検出部126は、ベクトルの内積に基づいて次式(1)によりスキャン装置200の傾きΔθを算出する。
【0167】
【数1】
【0168】
スキャン装置検出部126は、座標I(X10、Y10)、座標I(X11、Y11)及び傾きΔθに基づいて、残りの2隅の座標を求めることで、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。
【0169】
その他、スキャン装置200の背面の4隅に突起220を設け、画面101aに対するスキャン装置200の位置及び傾きを検出しても良い。
【0170】
(7−4)変形例4
上記実施形態では、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出するために、マウスポインタ110ではなく、テキスト間の入力位置を示すために用いられるキャレットを用いることもできる。検出方法はマウスポインタと同様である。
【0171】
(7−5)変形例5
上記実施形態では、情報処理装置100は、スキャンバー領域200bの表示を制御するため、表示の制御の前に画面101aに対するスキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得した。しかし、例えば画面101aの全体の表示を制御する場合には、画面101aと対象物画像とを合成するまでに、スキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得すれば良い。
【0172】
(7−6)変形例6
上記実施形態では、透過性の低い物理的な対象物として付箋紙を例に挙げたが、対象物としてはその他例えば写真などであっても良い。
【0173】
図16は、対象物が写真である場合の情報処理装置100による処理の概要を説明する説明図である。対象物が異なるのみで基本的には上記処理と同様であるので簡単に以下に説明する。なお、ユーザは、画面101aに表示された写真Aと、実際の写真B及び写真Cと、により合成画像を生成しようとしている。
【0174】
同図(a)に示すように、画面101aにマウスポインタ110及びウィンドウ111が表示されている。ウィンドウ111では、一例として写真の画像Aが表示されている。
【0175】
同図(b)に示すように、ユーザは、ウィンドウ111内の写真の画像Aに対して、対象物である写真B及び写真Cを画面101a上に配置する。
【0176】
同図(c)に示すように、この状態でスキャン装置200により対象物である写真B及び写真Cを含む画像を読み取る。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200が読み取りを行うのに伴い、画面101aの表示を制御する。また、情報処理装置100は、対象物の読み取りに先だって、対象物の読み取りと同時、あるいは対象物の読み取り後に、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きΔθを取得する。
【0177】
同図(d)に示すように、情報処理装置100は、同図(c)において取得したスキャン画像から、エッジに基づいて写真B及び写真Cの対象物画像を抽出するとともに、スキャン画像に対する対象物画像の位置を取得する。
【0178】
同図(e)に示すように、情報処理装置100は、同図(a)の画面101aと、抽出した写真B及び写真Cの対象物画像と、を合成して画面101aに表示する。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きと、スキャン画像に対する対象物画像の位置と、に基づいて合成を行う。
【0179】
その他、対象物としては例えば葉書などであっても良い。
【0180】
(8)利用例
以下に、上記実施形態例及び変形例により形成された合成画像の利用例を説明する。
【0181】
図17〜図19は、合成画像の利用例を示す画面例である。
【0182】
図17では、前述の図4Hで作成された合成画像を、パソコン操作日記として保存している例が示されている。パソコン操作日記とは、例えば、パソコンでの操作を記録として保存するアプリケーションを言うものとする。各日付をクリックすることで、操作日記が図17のように示される。また、“メールに添付”のボタンをクリックすることで、表示されている操作日記をメールに添付して送信することができる。
【0183】
図18は、パソコン操作日記がメールに添付されて送信された様子を示している。このようにメールに添付してパソコン操作日記を送信することで、送信者はパソコンでの操作内容を相手方に即座かつ的確に伝えることができる。そのため、送信者は、相手方から所望の回答を引き出すことも可能となる。
【0184】
図19は、例えばシニアクラブが運営する掲示板などに、パソコン操作日記を投稿している様子を示している。このように掲示板にパソコン操作日記を投稿することで、第三者にパソコンでの操作内容を即座かつ的確に伝えることができる。また、図19に示すように、投稿者は、第三者から所望のコメントを受け取ることも可能となる。
【0185】
本実施形態により合成画像を生成し、上述のような利用形態を提供することで、情報処理装置100の利用に不慣れな例えば高齢者などに情報処理装置100の利用を促進することができる。
【0186】
<第2実施形態例>
以下の第2実施形態例では、読み取り対象として透過性の高い物理的な対象物を例に挙げて説明する。また、透過性の高い物理的な対象物としてセロハン紙を例に挙げて説明する。セロハン紙とは、例えばセルロースを原材料とする透過性の高い薄膜状のシートを言う。
【0187】
外観構成及びハードウェア構成は第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。また、機能構成及びその処理は、光干渉制御の方法が異なるのみで、以下の点を除き第1実施形態例と同様であるので簡単に説明する。
【0188】
(1)処理の概要
図20は、対象物がセロハンである場合において、情報処理装置による第2実施形態例に係る処理の概要を説明する説明図である。なお、ユーザは、画面101aに表示された写真Aと、実際のセロハン紙112cと、を重畳した合成画像を生成しようとしている。
【0189】
同図(a)に示すように、画面101aにマウスポインタ110及びウィンドウ111が表示されている。ウィンドウ111では、一例として写真の画像Aが表示されている。
【0190】
同図(b)に示すように、ユーザは、ウィンドウ111内の写真の画像A上に、対象物であるセロハン紙112cを配置する。
【0191】
同図(c)に示すように、この状態でスキャン装置200により対象物であるセロハン紙112cを含む画像を読み取る。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りに伴い、画面101aの表示を制御する。スキャン装置200は、照射光を画面101a及びセロハン紙112cに照射して読み取りを行う。また、情報処理装置100は、対象物の読み取りに先だって、対象物の読み取りと同時、あるいは対象物の読み取り後に、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きΔθを取得する。
【0192】
同図(d)に示すように、情報処理装置100は、同図(c)において取得したスキャン画像から、セロハン紙112cのエッジを検出するとともに、スキャン画像に対するエッジの相対位置を取得する。
【0193】
同図(e)に示すように、情報処理装置100は、スキャン装置200において照射光を出射しないように制御する。スキャン装置200は、画面101aから出射される表示光を用いて、読み取りを行う。このとき、画面101aのセロハン紙112cが重畳された領域では、画面101aからの表示光がセロハン紙112cを介して出射される。よって、スキャン装置200は、セロハン紙112cが重畳された領域では、セロハン紙112cを介して出射される光を読み取ることとなる。
【0194】
同図(f)に示すように、情報処理装置100は、スキャン画像から、エッジで特定されるセロハン紙112c内の均一色味情報を取得する。ここで、均一色味情報とは、所定の領域内において最も支配的な色を言うものとする。
【0195】
同図(g)に示すように、情報処理装置100は、同図(a)の画面101aと、セロハン紙112cの均一色味情報と、を合成して画面101aに表示する。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きと、スキャン画像に対するエッジの位置と、に基づいて合成を行う。
【0196】
(2)処理の流れ
以下に、第2実施形態例の特徴である光干渉制御の流れについて説明する。図21は、第2実施形態例にかかる光干渉制御Cの流れの一例を示すフローチャートである。
【0197】
セロハン紙112cは透過性が高いため、情報処理装置100は、スキャン画像からセロハン紙のエッジを取得するのが困難である。また、情報処理装置100は、一度の読み取りで取得したスキャン画像から、セロハン紙が有する均一色味情報と、セロハン紙のエッジと、を同時に取得することが困難である。そこで、情報処理装置100は、まずエッジの検出に焦点を当て、画面101aの表示を制御する。エッジを検出した後、情報処理装置100は、セロハン紙が有する均一色味情報に焦点を当て、スキャン装置200から出射される照射光の制御を行う。以下に、光干渉制御Cの流れを説明する。
【0198】
ステップS34a:情報処理装置100は、上記第1実施形態例の光干渉制御A1、A2及びBのうちいずれかを実行し、対象物であるセロハン紙112cの画像を含むスキャン画像を取得する。この処理は、スキャン画像においてセロハン紙112cのエッジを検出するために行われる。
【0199】
ステップS34b:画像判定部131は、スキャン画像から対象物であるセロハン紙112cのエッジを検出する。画像判定部131は、スキャン画像におけるエッジの位置を抽出部132及び合成画像生成部133に出力する。
【0200】
ステップS34c:指示制御部122は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。
【0201】
ステップS34d:また、指示制御部122は、スキャン装置200に光干渉制御コマンドを出力し、照射光の制御を開始させる。ここで、光制御コマンドには、スキャン装置200からの照射光の出射を停止させるように指示する情報が含まれているものとする。これにより、スキャン装置200の照射光制御部211は、画像の読み取りにおいて照射光の出射を停止する。なお、セロハン紙112c内の均一色味情報を取得出来れば良く、照射光の出射を完全に停止しなくても良い。
【0202】
ステップS34e、S34f:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0203】
ステップS34g:抽出部132は、画像判定部131が検出したエッジに基づいて、エッジで特定されるセロハン紙112c内の均一色味情報を取得する。例えば、抽出部132は、エッジ内の画像の各画素の色味を検出し、色味ごとに画素数を算出する。抽出部132は、最も多い画素数の色味を均一色味情報として取得する。抽出部132は、検出した均一色味情報を合成画像生成部133に出力する。
【0204】
以上の処理の後、合成画像生成部133は、画面101a上でのスキャン領域200c、スキャン画像に対するセロハン紙112cのエッジの位置に基づいて、画面101aの画像にセロハン紙112cの均一色味情報を合成し合成画像を生成する。
【0205】
なお、情報処理装置100は、ステップS34bにおいてエッジを検出できない場合は、上記第1実施形態例の変形例1のように様々な光干渉制御を行っても良い。
【0206】
その他、第1実施形態例の各種変形例も第2実施形態例に取り込み可能である。
【0207】
<その他の実施形態例>
上記実施形態では、ユーザが、スキャン装置200の操作ボタン202のうち、画面読み取りモードの設定ボタンを選択すると、その選択情報が情報処理装置100に出力される。情報処理装置100は、画面読み取りモードが選択されたことに基づいて、上記の各種処理を行う。しかし、ユーザが画面読み取りモードを選択しなくても、情報処理装置100が、最初に取得したスキャン画像に基づいて読み取り対象が画面101aであると判断した場合、上記各種処理を行うようにしても良い。例えば、情報処理装置100が、スキャン画像が鮮明でないと判断した場合、読み取り対象が画面101aであると判断する。
【0208】
上記実施形態では、画像取得装置としてスキャン装置を例に挙げたが、画像取得装置は対象に対して照射光を照射して画像を取得する装置であれば特に限定されず、例えばカメラなどの撮像装置であっても良い。
【0209】
また、前述の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、USBメモリ、半導体メモリなどを挙げることができる。前記コンピュータプログラムは、前記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0210】
以上の実施形態及びその他の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0211】
<付記>
(付記1)
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行う情報処理装置であって、
画面を有するディスプレイと、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部と、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部と、
を含む、情報処理装置。
【0212】
物理的な対象物とは、例えば添付可能な付箋紙であり、メモ書きされた付箋紙がディスプレイの画面上の所望の場所に添付されているとする。画像取得装置が画面上の付箋紙の画像を取得する場合、上記情報処理装置は画面の表示を一様な状態に制御する。画面の表示を一様な状態を制御するとは、例えば画面の色相、彩度、明度及び/又は輝度を一様に制御することにより画面を例えば一様に黒色状態又は白色状態などに制御することを言う。また、画面の表示は、例えば画面から出射される表示光の出射量を調節することで制御され得る。例えば、ディスプレイが液晶表示装置の場合には、情報処理装置は、画素電極に印加する画像信号を制御して液晶の傾きを制御し、これにより画面から出射する表示光の出射量を調節する。あるいは、ディスプレイに輝度又は明度を与える照明光、液晶表示装置の場合にはバックライト光を制御して、画面からの表示光の出射量を調節しても良い。また、例えば、ディスプレイがCRT(Cathode Ray Tube)の場合には、ディスプレイ背面での照明光の出射量を制御することで、画面からの表示光の出射量を調節する。その他、情報処理装置は、画面全体に白色を出力するように制御するなど、画面の表示色を制御して、画面の表示を一様に制御することもできる。
【0213】
このように画面の表示を一様に制御することで、画像の取得の際に画像取得装置から出射される照射光と、情報処理装置のディスプレイから出射される表示光と、の干渉を抑制することができる。これにより、対象物がディスプレイの画面上に配置されていても、画像取得装置により対象物を読み取ることが可能となる。
【0214】
(付記2)
前記光干渉制御部は、前記画面の表示を黒色状態又は白色状態に制御する、付記1に記載の情報処理装置。
【0215】
光干渉制御部は、画像取得装置が対象物の画像を取得する際に画面を例えば一様な黒色状態に制御する。対象物が白色の用紙である場合、対象物の背景色が黒色状態となることで、対象物と画面との差が明確になり、画像取得装置により画面上の対象物を読み取り可能となる。これにより、情報処理装置の画面から出射される表示光と、画像取得装置から出射される照射光と、が干渉し合い、対象物の画像取得を困難にするなどの悪影響を抑制することができる。
【0216】
なお、黒色状態には黒色だけでなく、暗い灰色、明るい灰色など黒色に近い色も含まれる。同様に、白色状態には、白色だけでなく、明度又は輝度などが明るい白色に近い、例えば黄色、明るい緑なども含まれる。
【0217】
(付記3)
前記画面に明度又は輝度を与える照明光を生成する照明光生成部と、
前記画面に画像を表示するための画像信号を生成する画像信号生成部と、
前記照明光及び前記画像信号に基づいて、前記ディスプレイの画面に画像を表示する表示制御部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記画像信号を制御することにより前記画面の表示を一様な状態に制御する、付記1又は2のいずれかに記載の情報処理装置。
【0218】
画面はRGBなどの色を決定する複数の画素から構成されており、画像信号生成部は、例えば各画素ごとに画像信号を生成している。ディスプレイが液晶表示装置の場合は、情報処理装置が画像信号を各画素の画素電極に印加すると、液晶は画像信号に応じて傾く。光干渉制御部は、この画像信号を制御することで液晶の傾きを制御し、照明光を遮断する量を制御し、ひいては画面から出射する表示光の出射量を調節する。
【0219】
(付記4)
前記画面に明度又は輝度を与える照明光を生成する照明光生成部と、
前記照明光を用い、前記ディスプレイの画面に画像を表示する表示制御部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記画像の表示に用いる前記照明光の出射量を制御することにより前記画面の表示を一様な状態に制御する、付記1又は2のいずれかに記載の情報処理装置。
【0220】
情報処理装置は、ディスプレイが液晶表示装置の場合、照明光であるバックライト光を制御して、画面からの表示光の出射量を調節し画面の表示を一様な状態に制御する。また、例えば、ディスプレイがCRTの場合には、ディスプレイ背面での照明光の出射量を制御することで、画面からの表示光の出射量を調節する。
【0221】
情報処理装置は、例えば、照明光の出射量を少なくすることで、画面の表示を一様な黒色状態とすることができる。また、情報処理装置は、照明光の出射量を多くすることで、画面の表示を一様な白色状態に近くすることができる。
【0222】
(付記5)
前記画像取得装置からの前記取得画像において、前記対象物と前記対象物以外とのコントラスト比が所定値以上であることに基づいて、前記対象物のエッジを検出する画像判定部をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記画像判定部が前記コントラスト比が前記所定値未満であると判定した場合、前記画面の一様な状態を別の一様な状態に制御する、付記1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0223】
例えば、情報処理装置は、まず、画面を一様な黒色状態に制御し、画像取得装置から取得画像を受信する。ここで、取得画像には、対象物と、対象物の背景である画面と、が含まれる。この取得画像において、対象物と対象物以外とのコントラスト比が所定値未満である場合、情報処理装置は、画面を一様な黒色状態から一様な白色状態に変更し、画像取得装置に再び画像を取得させる。情報処理装置が画面の表示を様々に調節することで、画像取得装置は対象物の画像をより鮮明に取得することができる。
【0224】
(付記6)
前記画像取得装置が前記照射光を走査することにより画像を取得するのに伴って、前記光干渉制御部は、前記画面のうち、前記走査に応じて前記照射光が照射されている照射領域の表示を制御する、付記1〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0225】
例えば、情報処理装置が、全画面の表示を通常状態から一様な状態に制御すると、瞬時に画面の状態が変化するため、情報処理装置のユーザに強い刺激を与える。このような変化は、例えば、ユーザに大きな驚きを与え、また情報処理装置が誤作動したとユーザに誤認させるなどする。照射光が照射されている限定された照射領域のみ表示を制御することで、全画面の表示が制御される場合に比べてユーザに与える刺激を抑制することができる。例えば、画像取得装置が、スキャンバー領域下に対してスキャン光を出射し、スキャンバーを順次的に走査して画像を取得するスキャン装置であるとする。この場合、情報処理装置は、画面のうちスキャンバー領域下でのみ画面の表示を一様な状態に制御する。
【0226】
(付記7)
前記取得画像に基づいて、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きを検出する画像取得装置検出部と、
前記画像取得装置における前記照射光の走査位置を前記画像取得装置から取得し、取得した前記照射光の走査位置と、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きと、に基づいて、前記画面に対する前記照射領域を検出する照射領域検出部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記照射領域検出部が検出した前記照射領域の表示を制御する、付記6に記載の情報処理装置。
【0227】
画像取得装置が、情報処理装置の画面に対してどの位置にどの傾きで読み取りを行うかによって、画面上における照射光の照射領域も異なる。よって、情報処理装置は、画像取得装置の画面に対する位置及び傾きなどを取得する必要がある。さらに、照射光の走査位置は順次的に移動するため、画像取得装置における照射光の走査位置も取得する必要がある。情報処理装置は、これら取得した情報に基づいて、画面に対して照射光が走査されている照射領域を取得する。
【0228】
なお、例えば、情報処理装置は、マウスによる操作位置を示すポインタ、又は、テキスト間の入力位置を示すために用いられるキャレットなどの画像を画像取得装置から取得する。取得画像に例えばポインタが含まれていれば、情報処理装置は、取得画像内におけるポインタの座標と、画面内におけるポインタの座標とに基づいて、画像取得装置が画面内のどの位置にあるのかを把握できる。ただし、情報処理装置は、ポインタの表示を制御しているため、画面内におけるポインタの座標を認識している。また、照射光の走査方向と、画面上の水平方向と、のなす角により画像取得装置が画面に対してどの程度傾いているのかを把握することができる。
【0229】
(付記8)
前記光干渉制御部は、前記画像取得装置での前記対象物の画像の取得に伴って、前記画像取得装置が出射する照射光をさらに制御する、付記1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0230】
画像取得装置による画像の取得時には、画面から出射される表示光と、画像取得装置が出射する照射光と、が干渉し合う。そこで、光干渉制御部は、画面の表示を一様な状態に制御するだけでなく、画像取得装置から出射される照射光をさらに制御する。これにより、表示光と照射光との干渉を抑制し、対象物の画像取得を困難にするなどの悪影響を抑制することができる。
【0231】
(付記9)
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御ステップと、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信ステップと、
を含む、情報処理方法。
【0232】
(付記10)
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部、及び
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部、
として前記情報処理装置を機能させる情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0233】
100:情報処置装置
101:ディスプレイ
101a:画面
110:マウスポインタ
112c:セロハン紙
112a、112b:付箋紙
122:指示制御部
123:光干渉制御部
124:表示管理部
124a:表示制御部
124b:照明光生成部
124c:画像信号生成部
125:マウスポインタ情報DB
126:スキャン装置検出部
127:スキャンバー領域検出部
128:スキャン装置情報DB
129:スキャン画像受信部
130:スキャン画像DB
131:画像判定部
132:抽出部
133:合成画像生成部
134:画面取得部
135:画面DB
140:タッチパネル
200:スキャン装置
200a:スキャンバー
200b:スキャンバー領域
200c:スキャン領域
201:スキャン機構
202:操作ボタン
203:操作ディスプレイ
210:スキャン実行部
211:照射光制御部
212:入力受付部
220a、220b:突起
【技術分野】
【0001】
画像取得装置での画像の取得を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像取得装置の一つであるスキャン装置は、画像読み取り面に載置された紙原稿に光を照射し、原稿そのものを画像として読み取り、又は原稿内の文字及び図形などの情報を読み取るなどする。また、画像取得装置は、原稿上に付箋紙が添付されている場合には、原稿の情報のみならず付箋紙の情報も取得することが可能である。例えば、特許文献1には、原稿に付箋紙が添付されている場合に、付箋紙を検出する技術が開示されている。
【0003】
ここで、付箋紙は、紙などの原稿上に添付するだけでなく、情報が表示されたディスプレイ上に添付することも考えられる。例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置のディスプレイに、操作方法などが不明な画面が表示されたとする。ユーザは、メモを記した付箋紙をディスプレイに表示された画面上の不明な箇所に添付し、不明箇所について第三者に指示を求めたいと考える。このような場合、ユーザは、付箋紙が添付された状態が分かる画面のデータをメールに添付して第三者に送付したいと考える。そのため、例えば、ユーザは、付箋紙が添付された状態の画面を画像取得装置で読み取り、読み取ったデータを第三者に送付する。これにより、ユーザは第三者に画面上の不明箇所を的確に伝えて指示を受けることができる。特に高齢化社会が進んでいる今日において、情報処理装置の操作に不慣れな高齢者が、情報処理装置を操作する状況も多くなっており、このような状況が多く発生すると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-159065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像取得装置が紙原稿を読み取る場合は、紙原稿自体は光を出射せず、画像取得装置が紙原稿に対して照射光を出射する。一方、画像取得装置が、例えば付箋紙が添付されたディスプレイに対して読み取り処理を行う場合、画像取得装置がディスプレイに向かって照射光を出射するだけでなくディスプレイ自体も表示光を出射している。よって、画像取得装置が出射する照射光と、ディスプレイが出射する表示光と、が干渉し合い、画像の取得が有効に実行されない。つまり、画像取得装置が、ディスプレイ上の付箋紙を認識できなかったり、付箋紙に記載された情報を取得することができない。
【0006】
そこで、画像取得装置において、ディスプレイ上に配置された物理的な対象物の画像を取得可能なように支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行う情報処理装置であって、画面を有するディスプレイと、前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部と、前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部と、を含む、情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
画像取得装置において、ディスプレイ上に配置された物理的な対象物の画像を取得可能なように支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置の外観説明図。
【図2】スキャン装置及び情報処理装置の使用方法の一例示す模式図。
【図3】第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図の一例。
【図4A】情報処理装置がディスプレイに表示する画面の表示例。
【図4B】読み取りの対象物である付箋紙が画面に添付されている状態を示す説明図。
【図4C】スキャン装置がマウスポインタの画像を読み取る様子を示す説明図。
【図4D】スキャン装置が対象物である付箋紙の画像を取得する様子を示す説明図。
【図4E】スキャンバー領域において画面の表示が制御されている様子を示す説明図。
【図4F】スキャン装置から出射される照射光Bと、情報処理装置の画面から出射される表示光aと、の関係を示す説明図。
【図4G】スキャン装置が読み取ったスキャン画像から対処物画像を抽出する様子を示す説明図。
【図4H】画面と対象物画像とが合成されている様子を示す画面例。
【図5】第1実施形態例にかかる情報記憶装置及びスキャン装置の機能構成を示すブロック図の一例。
【図6】スキャン装置の検出処理の一例を示す説明図
【図7】スキャンバー領域の検出方法の一例を示す説明図。
【図8】第1実施形態例にかかる情報処理装置が実行する全体処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図9】第1実施形態例にかかるスキャン装置の検出処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図10】第1実施形態例にかかる光干渉制御A1の流れの一例を示すフローチャート。
【図11】第1実施形態例にかかる光干渉制御A2の流れの一例を示すフローチャート。
【図12】表示光と照射光との光干渉制御の組み合わせを示す表。
【図13】変形例1にかかる光干渉制御Bの流れの一例を示すフローチャート。
【図14】変形例3にかかるタッチパネルを備える情報処理装置とスキャン装置との関係を示す模式図。
【図15】タッチパネルを用いてスキャン装置の位置及び傾きを検出する方法を説明する模式図。
【図16】対象物が写真である場合の情報処理装置100による処理の概要を説明する説明図。
【図17】合成画像の利用例を示す画面例(1)。
【図18】合成画像の利用例を示す画面例(2)。
【図19】合成画像の利用例を示す画面例(3)。
【図20】対象物がセロハンである場合において、情報処理装置による第2実施形態例に係る処理の概要を説明する説明図。
【図21】第2実施形態例にかかる光干渉制御Cの流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、画像を取得する画像取得装置としてスキャン装置を例に挙げて説明する。なお、スキャン装置とは、読み取り対象に対して照射光を順次的に照射して読み取り対象の画像等を取得する装置を言う。
【0011】
また、第1実施形態例では、読み取り対象として透過性の低い物理的な対象物を例に挙げて説明する。透過性の低い物理的な対象物としては付箋紙を例に挙げる。また、第2実施形態例では、読み取り対象として透過性の高い物理的な対象物を例に挙げて説明する。透過性の高い物理的な対象物としてはセロハン紙を例に挙げる。なお、物理的な対象物とは、現実に存在する物体を意味するものとする。
【0012】
<第1実施形態例>
(1)外観構成
図1は、第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置の外観説明図である。
【0013】
情報処理装置100は、ディスプレイ101、マウス102、キーボード103及び各種処理を行うための基板等が格納された筐体115を含む。ディスプレイ101は、画像などの各種情報を表示するための画面101aを有する。また、ディスプレイ101は、画面101aに各種情報を表示する際に照明光を用いる。マウス102及びキーボード103は、ユーザからの入力を受け付ける。筐体115内には、後述のハードウェアを構成するCPU(Central Processing Unit)105、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107及び通信I/F(InterFace)108などの各種構成が組み込まれている。その他、情報処理装置100は、スピーカ、ヘッドホン及びカメラなどを備えていても良い。
【0014】
スキャン装置200は、スキャン機構201、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203を含む。スキャン機構201は、照射光を順次的に走査して画像を読み取る。スキャン機構201は、一例として、照射光を生成して出射する照射機構と、照射機構を移動させて照射光を順次的に走査する走査機構、画像を取得する画像取得機構などを有する。照射機構及び走査機構を含む機構を、以降ではスキャンバーと称する。
【0015】
操作ボタン202には、スキャン開始を受け付ける開始ボタン、スキャンの中止を受け付ける中止ボタン及びスキャンの各種設定を受け付ける設定ボタンなどが含まれる。設定ボタンには、例えば画面読み取りモード、原稿読み取りモードなどの各種モードごとのボタンが含まれる。本実施形態例では、一例として、ユーザが、画面読み取りモードの設定ボタンを選択すると、以下の処理が開始されるものとする。
【0016】
ディスプレイ203は、例えば現在の設定情報及びスキャンの手順を知らせる報知情報など各種情報を表示する。
【0017】
図2は、スキャン装置及び情報処理装置の使用方法の一例示す模式図である。ユーザは、図2に示すように情報処理装置100のディスプレイ101の画面101a上に、スキャン装置200を載置して使用する。ユーザは、この状態でスキャン装置200を駆動することで、所望の画像を取得する。
【0018】
(2)ハードウェア構成
図3は、第1実施形態例に係る、スキャン装置及び情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図の一例である。
【0019】
(2−1)情報処理装置
情報処理装置100は、例えば、入出力機器コントローラ104、CPU105、ROM106、RAM107及び通信I/F108を有している。これらは、バス109を介して互いに接続されている。
【0020】
入出力機器コントローラ104は、ディスプレイ101、マウス102及びキーボード103などと接続されている。
【0021】
ROM106は、情報処理装置100が行う後述の各種制御に関わる各種制御プログラムを記憶している。
【0022】
RAM107は、ROM106内の各種制御プログラム及び画像などの情報を一時的に記憶する。また、RAM107は、各種制御プログラムの実行に応じて各種フラグなどの情報を一時的に記憶する。
【0023】
CPU105は、ROM106に記憶された各種制御プログラムをRAM107に展開し、各種制御を行う。例えば、CPU105は、入出力機器コントローラ104を介してディスプレイ101の画面101aに画像などの情報を表示させる。また、CPU105は、マウス102及びキーボード103などからユーザの入力操作を受け付け、入出力機器コントローラ104を介してユーザの入力を受信する。
【0024】
通信I/F108は、CPU105の制御に基づいて、例えばスキャン装置200との間でコマンド又はデータの送受信などの通信を行う。
【0025】
(2−2)スキャン装置
スキャン装置200は、例えば、入出力機器コントローラ204、CPU205、ROM206、RAM207及び通信I/F208を有している。これらは、バス209を介して互いに接続されている。
【0026】
入出力機器コントローラ204は、スキャン機構201、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203などと接続されている。
【0027】
ROM206は、スキャン装置200が行う各種制御プログラムを記憶している。
【0028】
RAM207は、ROM206内の各種制御プログラム、画像、各種フラグなどの情報を一時的に記憶する。
【0029】
通信I/F208は、CPU205の制御に基づいて、例えば情報処理装置100との間でコマンド、画像などのデータの送受信を行う。
【0030】
CPU205は、ROM206に記憶された各種制御プログラムをRAM207に展開し、各種制御を行う。例えば、CPU205は、操作ボタン202からの入力に応じてスキャン機構201を制御する。また、CPU205は、情報処理装置100からのコマンドを通信I/F208を介して受信し、コマンドに応じてスキャン機構201を制御する。また、CPU205は、スキャン機構201からスキャン画像及び照射光の走査位置などを取得し、通信I/F208を介して情報処理装置100に出力する。
【0031】
(3)処理の概要
図4A〜図4Gを用いて情報処理装置100による処理の概要を説明する。
【0032】
図4Aは、情報処理装置がディスプレイに表示する画面の表示例である。図4Aによると、情報処理装置100のディスプレイ101では、画面101aにマウスポインタ110及びウィンドウ111が表示されている。ここで、マウスポインタとは、マウス102の画面上での操作位置を示すためのマークである。ウィンドウとは、画面101a内の独立した小さな画面であり、各ウィンドウ内に画像や文書などを表示可能な画面である。ウィンドウ11では、一例として検索結果が表示されており、検索に用いた文字列等に関連する複数のURL(Uniform Resource Locator)が表示されている。
【0033】
ここで、ユーザは、ウィンドウ111に表示された検索結果を見ても、例えばどのURLにアクセスすれば良いのか分からず、また、アクセスしても問題がないかどうか分からないとする。そこで、図4Bに示すように、ユーザは、ウィンドウ111内の表示情報の不明箇所に対応するように、画面101a上に付箋紙112(112a、112b)を添付する。図4Bは、読み取りの対象物である付箋紙が画面に添付されている状態を示す説明図である。ここでは、URL3-CCCCの付近には、“これは見てみたいんだけど”とのコメントが記載された付箋紙112aが添付されている。また、URL5-EEEEの付近には、“分からない”とのコメントが記載された付箋紙112bが添付されている。本実施形態では、付箋紙112が画像読み取りの対象物である。
【0034】
次に、ユーザは、図4Cに示すように、付箋紙112とともにマウスポインタ110を読み取り可能なように、スキャン装置200を画面101a上に配置する。また、ユーザは、操作ボタン202のうち、画面読み取りモードの設定ボタンを選択する。図4Cは、スキャン装置がマウスポインタの画像を読み取る様子を示す説明図である。ここで、まず、画面101a上において、スキャン装置200がどの位置にどの傾きで配置されているかなどの情報を取得する必要がある。前記情報を取得する理由は、後述の通り、画面上のスキャンバー領域200bにおいて画面の表示を制御する必要があるからである。また、最終的に、付箋紙112の対象物画像のデータと、付箋紙112が添付された時の画面のみのデータと、を重畳して画面に表示するからである。ここで、スキャンバー領域200bとは、スキャンバー200aが画面101a上において走査される領域であり、つまりスキャン装置200が画面101a上において照射光を照射する照射領域である。また、スキャンバー200aとは、前述の通り、照射光を生成して出射する照射機構と、照射機構を移動させて照射光を順次的に走査する走査機構と、を含む機構を言う。
【0035】
情報処理装置100は、画面101a上でのスキャン装置200の位置及び傾きを取得するため、ここでは画面101aに表示するマウスポインタ110を用いる。そのため、スキャン装置200のスキャン領域200c内に、対象物である付箋紙112だけでなく、マウスポインタ110を位置させる必要がある。スキャン領域200c内にマウスポインタ110が位置していない場合、ユーザは、スキャン領域200c内にマウスポインタ110を移動する。なお、情報処理装置100が、スキャン領域200c内にマウスポインタ110を移動させるようにユーザに指示しても良い。ここで、スキャン領域200cとは、図4Cに示す通り、画面101aのうち、スキャン装置200に設けられた窓内においてスキャンバー200aが走査される領域である。
【0036】
図4Cに示すようにスキャン装置200が配置された後、スキャン装置200は、情報処理装置100からの走査指示コマンド(I)に基づいて、スキャンバー200aを走査する。これにより、スキャン装置200は、マウスポインタ110を含む画面101aを画像として読み取る。なお、走査指示コマンド(I)は、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを取得する際に出力される走査指示コマンドを言うものとする。一方、後述の走査指示コマンド(II)は、対象物の画像を読み取る際に出力される走査指示コマンドを言うものとする。
【0037】
情報処理装置100は、マウスポインタ110を明瞭に読み取るために、マウスポインタを黒色にするなど色を調節しても良い。情報処理装置100は、スキャン装置200が取得したスキャン画像からマウスポインタ110を検出し、画面101a上でのスキャン装置200の位置及び傾きを取得する。これについては後述する。
【0038】
次に、図4D、図4Eに示すように、スキャン装置200は、情報処理装置100からの走査指示コマンド(II)に基づいて、スキャンバー200aを再び走査する。図4Dは、スキャン装置が対象物である付箋紙の画像を取得する様子を示す説明図である。図4Eは、スキャンバー領域において画面の表示が制御されている様子を示す説明図である。情報処理装置100は、スキャン装置200がスキャンバー200aを走査するのに応じて、スキャンバー領域200bの画面の表示を一様な状態に制御する。画面の表示を一様な状態を制御するとは、例えば画面の色相、彩度、明度及び/又は輝度を一様に制御することにより画面を例えば一様に黒色状態又は白色状態などに制御することを言う。図4Eに示すように、画面101aのうちスキャンバー200a直下の領域、つまりスキャンバー領域200bの表示が一様な黒色状態に制御されている。これにより、スキャンバー領域200bからの表示光と、スキャン装置200からの照射光と、の光の干渉が抑制され、スキャン装置200は、対象物である付箋紙112を明瞭に読み取ることが可能となる。なお、情報処理装置100は、先に取得したスキャン装置200の位置及び傾きなどに基づいて、スキャンバー領域200bを把握している。また、情報処理装置100は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力するとともに、そのときに画面101aに表示されている表示情報を取得する。画面101aに表示されている表示情報とは、ここでは図4Aの画面101aに示される表示情報である。
【0039】
図4Fは、スキャン装置から出射される照射光Bと、情報処理装置の画面から出射される表示光aと、の関係を示す説明図である。情報処理装置100のディスプレイ101は、各種情報を表示する画面101aと、各種情報の表示に用いる照明光を生成する照明光生成部124bと、を含む。照明光生成部124bは、照明光Aを生成し、画面101aに提供する。照明光Aは、画面101aでの各種情報の表示の際に制御され、画面101aからは表示光aとして出射する。一方、スキャン装置200は、対処物の読み取りの際に照射光Bを出射する。よって、スキャン装置200が画面101aを読み取る場合、スキャン装置200から出射される照射光Bと、画面から出射される表示光aと、が干渉し、画面101a上の対象物の読み取りが困難となる。そこで、図4Dに示すように、情報処理装置100がスキャンバー領域200bの表示を一様な状態に制御することで、照射光Bと表示光aとの干渉を抑制する。結果的に、スキャン装置200により、対象物の読み取りが可能となる。なお、実際には、スキャン装置200は、対象物に照射光Bを照射し、対象物からの反射光bを読み取ることで対象物の画像を取得する。この反射光bもまた表示光aと干渉し得る。しかし、ここでは簡単のために、単に照射光と言うときには、照射光B及び反射光bを含むものとする。
【0040】
図4Gは、スキャン装置が読み取ったスキャン画像から対処物画像を抽出する様子を示す説明図である。情報処理装置100は、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像113を受信する。図4Gに示すように、スキャン画像113は、付箋紙112aに対応する部分以外の背景が黒色状態となっている。これは、図4Eに示すようにスキャンバー領域200bの表示が一様な黒色状態に制御されているためである。情報処理装置100は、スキャン画像113から対象物の画像である対象物画像を抽出する。ここでは、情報処理装置100は、スキャン画像113から付箋紙画像112a_image及び112b_imageを抽出する。例えば、情報処理装置100は、付箋紙画像112a_image及び112b_imageと、背景画像と、のコントラスト比に基づいて付箋紙画像112a_image及び112b_imageを抽出する。また、情報処理装置100は、付箋紙画像112a_image及び112b_imageがスキャン画像113内で占める相対位置を取得する。
【0041】
図4Hは、画面と対象物画像とが合成されている様子を示す画面例である。情報処理装置100は、予め、画面101aに表示されている表示情報を取得している。情報処理装置100は、この画面101aの表示情報と、対象物画像である付箋紙画像112a_image及び112b_imageと、を重畳し合成画像を生成する。このとき、情報処理装置100は、画面101a上でのスキャン装置200の位置及び傾きと、スキャン画像113内での付箋紙画像112a_image及び112b_imageの相対位置と、に基づいて重畳を行う。また、情報処理装置100は、ユーザからの入力に基づいて、図4Hに示すように、合成画像を用いて操作日記114を作成しても良い。
【0042】
(4)機能構成
次にスキャン装置及び情報処理装置の機能構成について説明する。
【0043】
図5は、第1実施形態例にかかる情報記憶装置及びスキャン装置の機能構成を示すブロック図の一例である。まずスキャン装置200の機能構成について説明する。
【0044】
(4−1)スキャン装置
スキャン装置200の各機能部による処理は、スキャン装置200の入出力機器コントローラ204、CPU205、ROM206、RAM207、通信I/F208等が相互に連携することにより実行される。
【0045】
スキャン装置200の機能部には、例えば、スキャン実行部210、照射光制御部211及び入力受付部212及び送受信部213などが含まれる。
【0046】
(4−1−1)送受信部
送受信部213は、情報処理装置100から入力される各種コマンドを受信し、各機能部に送信する。また、送受信部213は、スキャン機構201、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203等と、各機能部との間でデータを送受信する。
【0047】
(4−1−2)入力受付部
入力受付部212は、操作ボタン202及び操作ディスプレイ203等からのユーザの入力を送受信部213を介して受け付ける。入力受付部212は、受け付けた入力をスキャン実行部210及び/又は情報処理装置100に出力する。例えば、入力受付部212は、画面読み取りモードの設定ボタンから入力を受け付けると、情報処理装置100に出力する。このとき、情報処理装置100は、画面読み取りモードの入力を受け付けると、後述の走査指示コマンド(I)及び(II)などのコマンドを生成し、スキャン実行部210に出力する。
【0048】
(4−1−3)スキャン実行部
スキャン実行部210は、入力受付部212からの入力及び/又は情報処理装置100からのコマンドに基づいて、画像の読み取りを実行する。例えば、スキャン実行部210は、情報処理装置100が生成した走査指示コマンド(I)及び(II)を受信し、スキャン機構201を制御して画面101a上の読み取りを開始する。また、スキャン実行部210は、読み取ったスキャン画像を情報処理装置100に送信する。
【0049】
スキャン実行部210は、情報処理装置100がスキャン装置200位置及び傾きを取得できるように、スキャンバー200aの走査位置を情報処理装置100に出力する。なお、スキャンバー領域200bは、画面101aのうちスキャンバー200a下の領域である。
【0050】
スキャンバー200aの走査位置は、例えば図4Cに示すスキャンバー200a内のいずれかの座標S(α1、β0)で表される。ここでは、一例として、スキャンバー200aの右隅の座標S(α1、β0)を用いた。また、座標S(α1、β0)は、例えば、図4Cに示すように、スキャンバー200a内の右隅を原点座標S(α0,β0)としたときの相対座標である。以下では、スキャン領域200cについて、スキャン装置200側を基準とした座標系を、スキャン座標系と言うものとする。また、Sはスキャン座標系に基づく座標であることを示す添え字である。なお、スキャン座標系の座標軸のα方向は、図4Cに示すように、スキャンバー200aが原点座標S(α0,β0)から終点座標S(αE、βE)に進行する方向である。また、スキャン座標系の座標軸のβ方向は、α方向と概ね直交する方向である。
【0051】
(4−1−4)照射光制御部
照射光制御部211は、スキャン実行部210の制御に基づいて、画像の読み取りの際に出射する照射光を制御する。あるいは、照射光制御部211は、照射光を制御する照射光制御コマンドを受信し、照射光制御コマンドに応じて照射光を制御する。
【0052】
(4−2)情報処理装置
情報処理装置100の各機能部による処理は、情報処理装置100の入出力機器コントローラ104、CPU105、ROM106、RAM107、通信I/F108等が相互に連携することにより実行される。
【0053】
情報処理装置100の機能部には、以下の構成が含まれる。
【0054】
(4−2−1)送受信部
送受信部120は、スキャン装置200と情報処置装置100との間で各種データ及びコマンドの送受信を行う。例えば、送受信部120は、スキャン装置200から各種データを受け取り、情報処理装置100内の各機能部に送信する。また、送受信部120は、情報処理装置100からスキャン装置200に各種コマンドを出力する。
【0055】
(4−2−2)入力受付部
入力受付部121は、マウス102及びキーボード103等からのユーザの入力を送受信部120を介して受け付ける。例えば、入力受付部121は、ユーザによるマウス102の移動を受け付け、表示管理部124に出力する。これにより、表示管理部124は、マウスポインタ110をマウス102の移動に追随して画面101aに表示する。その他、例えば入力受付部121は、ユーザから各種処理の起動を受け付け、表示管理部124に前述の図4Hに示すような操作日記114を作成させても良い。
【0056】
(4−2−3)指示制御部
指示制御部122は、スキャン装置200及び情報処理装置100を制御するための各種コマンドを生成し、処理の全体を制御する。
【0057】
例えば、指示制御部122は、スキャン装置200の入力受付部212が画面読み取りモードを受け付けると、まずスキャン装置200の検出処理を開始させるため、スキャン装置200に走査指示コマンド(I)を出力する。また、指示制御部122は、スキャン装置200の検出処理を指示するスキャン装置検出コマンドをスキャン装置検出部126に出力する。スキャン装置200の検出処理とは、画面101aに対するスキャン装置200の位置及び傾きを取得する処理である。本実施形態では、スキャン装置200は、走査指示コマンド(I)に基づいて、前述の図4Cに示すように、画面101aに表示されたマウスポインタ110を含む画像を取得する。なお、指示制御部122は、マウスポインタ110を明瞭に読み取るために、マウスポインタを黒色にするなど色を調節するように表示管理部124に指示しても良い。
【0058】
ここで、指示制御部122は、スキャン装置200の位置及び傾きを検出できなかった場合には、ユーザに対する警告を画面101aに表示するように表示管理部124に指示する。例えば、表示管理部124は、マウスポインタ110をスキャン領域200c内に移動するように指示する警告メッセージを画面101aに表示する。
【0059】
次に、スキャン装置200の検出処理の後、指示制御部122は、対象物である付箋紙112の画像を取得するため、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。このとき、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aのうちスキャンバー領域200bにおいて、その表示を一様な状態に制御させる。これにより、図4D及び図4Eに示すように、スキャン装置200が付箋紙112を読み取る場合、スキャンバー領域200bが例えば黒色状態に制御される。
【0060】
また、指示制御部122は、走査指示コマンド(II)を出力するとともに、画面取得コマンドを画面取得部134に出力し、抽出部132に抽出コマンドを出力する。画面取得コマンドとは、画面101aの画面データ、つまり画面101aに表示されている表示情報を取得するように指示するコマンドである。画面101aの画面データとは、ここでは図4Aに示される表示情報である。抽出コマンドとは、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像から対象物の画像を抽出するように指示するコマンドである。
【0061】
また、指示制御部122は、スキャン画像の判定結果を画像判定部131から取得すると、判定結果に応じて、再び走査指示コマンド(II)及び光干渉制御コマンドを出力しても良い。これにより、スキャン装置200は、再び画面101aの表示が制御された状態で画像の読み取りを行う。
【0062】
(4−2−4)画面取得部、画面DB
画面取得部134は、指示制御部122から画面取得コマンドを受信すると、そのとき画面101aを構成している画面データを表示管理部124から取得する。あるいは、画面取得部134は、画面101aをいわゆる画面キャプチャ機能により取得しても良い。
【0063】
画面取得部134は、取得した画面データを画面DB135に格納する。
【0064】
(4−2−5)スキャン画像受信部、スキャン画像DB
スキャン画像受信部129は、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像を受信し、スキャン画像DB130に格納する。ここで、スキャン画像には、走査指示コマンド(I)に対応するマウスポインタ110を含むスキャン画像と、走査指示コマンド(II)に対応する付箋紙112の対象物画像を含むスキャン画像と、が含まれる。
【0065】
(4−2−6)マウスポインタ情報DB
マウスポインタ情報DB125は、マウスポインタ110の形状、色等のマウスポインタ情報を記憶している。また、マウスポインタ情報DB125は、表示管理部124からマウスポインタ110の現在の座標I(X1、Y1)を取得し記憶する。座標I(X1、Y1)は、図4Cに示すように例えばマウスポインタ110の先端の座標である。座標I(X1、Y1)は、例えば、図4Cに示すように、画面101a内の右隅を原点座標I(0,0)としたときの相対座標である。以下では、画面101aについて、情報処理装置100側を基準とした座標系を、画面座標系と言うものとする。また、Iは画面座標系に基づく座標であることを示す添え字である。なお、画面座標系の座標軸のX方向は図4Cにおいて原点座標I(0,0)から左に向かう方向であり、Y方向は原点座標I(0,0)から下に向かう方向である。
【0066】
(4−2−7)スキャン装置情報DB
スキャン装置情報DB128は、予めスキャン領域200cの幅W1及び長さL1などのスキャン領域情報と、スキャンバー200aの幅W2及び長さL2などのスキャンバー情報と、を記憶している。また、スキャン装置情報DB128は、スキャン装置200のスキャン実行部210からスキャンバー200aの現在の走査位置を示す座標を取得し記憶する。
【0067】
(4−2−8)スキャン装置検出部
スキャン装置検出部126は、指示制御部122からスキャン装置検出コマンドを受信すると、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。つまり、画面座標系におけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。そのため、スキャン装置検出部126は、スキャン画像DB130にアクセスし、マウスポインタ110を含むスキャン画像を、スキャンバー200aが順次的に走査されるのに応じて取得する。また、これと並行して、スキャン装置検出部126は、スキャン座標系で特定されるスキャンバー200aの走査位置を、スキャン装置情報DB128から順次的に取得する。
【0068】
さらに、スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110を検出する。例えば、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ情報DB125からマウスポインタ情報を取得し、マウスポインタ情報と、スキャン画像と、を比較してマウスポインタ110を検出する。つまり、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ情報が示すマウスポインタの形状と同様の形状をスキャン画像から検出する。ここでは、スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aが走査開始地点からマウスポインタ110の先端まで走査されたときのスキャン画像に基づいて、スキャン画像からマウスポインタ110を検出する。
【0069】
次に、スキャン装置検出部126は、画面座標系で特定される、画面101aでのマウスポインタ110の先端の座標をマウスポインタ情報から取得する。
【0070】
以上の処理により、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110の先端を検出したときのスキャン座標系でのスキャンバー200aの走査位置と、画面座標系でのマウスポインタ110の先端の座標と、を取得している。スキャン装置検出部126は、これらの情報に基づいて、画面座標系でのスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。
【0071】
スキャン装置200の検出処理の一例について、図6を用いて具体的に説明する。図6は、スキャン装置の検出処理の一例を示す説明図である。また、図6は、前述の図4Cにおいて、スキャン装置200がマウスポインタ110の読み取りを行っている様子に対応している。
【0072】
図6では、スキャンバー200aは、スキャン座標系の原点座標S(α0,β0)から座標S(α1、β0)まで移動している。よって、スキャン画像DB130は、原点座標S(α0,β0)から座標S(α1、β0)までのスキャン画像を記憶している。なお、座標S(α1、β0)で特定されるスキャンバー200aは、マウスポインタ110の先端上に位置しているものとする。
【0073】
スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110の先端を検出すると、そのときのスキャンバー200aの座標S(α1、β0)をスキャン装置情報DB128から取得する。前述の通り、座標S(α1、β0)は、スキャン座標系の右隅を原点座標S(α0,β0)としたときの相対座標である。スキャン装置検出部126は、座標S(α1、β0)と、マウスポインタ110の先端と、のスキャン画像における位置関係から、スキャン座標系でのマウスポインタ110先端の座標S(α1、β1)を算出する。例えば、スキャン装置検出部126は、座標S(α1、β0)と、マウスポインタ110の先端と、の距離bに基づいて、座標S(α1、β1)を算出する。ここで、β1=β0+bの関係にある。
【0074】
また、スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110の先端を検出すると、画面座標系でのマウスポインタ110の先端の座標I(X1、Y1)を、マウスポインタ情報DB125から取得する。前述の通り、座標I(X1、Y1)は、画面座標系の右隅を原点座標I(0,0)としたときの相対座標である。これにより、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110の先端座標について、スキャン座標系での座標S(α1、β1)と、画面座標系での座標I(X1、Y1)と、の座標の対応関係を取得する。つまり、スキャン座標系の座標と画面座標系の座標との対応関係を取得する。
【0075】
次に、スキャン装置検出部126は、先に取得したスキャンバー200aの座標S(α1、β0)を、前記座標の対応関係に基づいて、画面座標系での座標に変換する。座標S(α1、β0)は座標I(X2、Y2)に変換される。同様に、スキャン装置検出部126は、スキャン座標系の原点座標S(α0,β0)を、画面座標系での座標I(X0、Y0)に変換する。座標I(X0、Y0)と座標I(X2、Y2)とにより、スキャンバー200aの画面101aに対する走査方向αを取得することができる。スキャン装置検出部126は、この走査方向αと、画面101aでの水平方向と、のなす角Δθを、スキャン装置200の画面101aでの傾きΔθとする。
【0076】
また、スキャン装置検出部126は、座標I(X0、Y0)、傾きΔθ、スキャン領域200cの幅W1及び長さL1等に基づいて、スキャン領域200cの四隅の座標を取得する。四隅の座標とは、座標I(X0、Y0)、座標I(X3、Y3)、座標I(X4、Y4)及び座標I(X5、Y5)である。これにより、スキャン装置検出部126は、画面101aに対するスキャン領域200cの位置を把握し、画面101aに対するスキャン装置200の位置を把握する。
【0077】
スキャン装置検出部126は、取得したスキャン装置200の位置及び傾きΔθ、又は、スキャン座標系と画面座標系との前記座標の対応関係を合成画像生成部133及びスキャンバー領域検出部127に出力する。
【0078】
また、スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aによる読み取りが終了しても、スキャン画像からマウスポインタ110を検出できなかった場合には、指示制御部122にその旨を出力する。これにより指示制御部122は、表示管理部124によりユーザへの警告メッセージを画面101aに表示させる。
【0079】
なお、上記では、マウスポインタ110の先端の座標を用いてスキャン装置200の位置及び傾きΔθを算出したが、マウスポインタ110の位置を特定可能な座標であればこれに限定されない。
【0080】
(4−2−9)スキャンバー領域検出部
図7はスキャンバー領域の検出方法の一例を示す説明図である。
【0081】
スキャン装置200が、画面101aに対してどの位置にどの傾きΔθで読み取りを行うかによって、画面101a上におけるスキャンバー領域200bも異なる。よって、スキャンバー領域検出部127は、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きと、順次的に移動するスキャンバー200aの走査位置と、に基づき、次のようにしてスキャンバー領域200bを取得する。
【0082】
スキャンバー領域検出部127は、現在のスキャンバー200aの座標S(α2、β0)と、スキャンバー200aの幅W2及び長さL2と、をスキャン装置情報DB128から取得する。また、スキャンバー領域検出部127は、座標S(α2、β0)と、幅W2及び長さL2と、に基づいて、スキャン座標系おけるスキャンバー領域200bの四隅の座標を取得する。スキャン座標系における四隅の座標は、座標S(α2、β0)、座標S(α2、β0+L2)、座標S(α2+W2、β0)及び座標S(α2+W2、β0+L2)である。なお、スキャン領域200cの長さL1とスキャンバー領域200bの長さL2とは同じである。
【0083】
次に、スキャン装置検出部126が求めた、スキャン座標系と画面座標系との前記座標の対応関係に基づいて、スキャンバー200aのスキャン座標系における四隅の座標を、画面座標系の座標に変換する。なお、スキャンバー領域検出部127は、スキャン装置検出部126からスキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得し、これに基づいて座標の変換を行うこともできる。スキャン座標系における四隅の座標は、それぞれ、画面座標系における座標I(X6、Y6)、座標I(X7、Y7)、座標I(X8、Y8)及び座標I(X9、Y9)に変換される。これにより、スキャンバー領域検出部127は、画面101aにおけるスキャンバー領域200bを検出でき、検出結果を光干渉制御部123に出力する。
【0084】
(4−2−10)画像判定部
画像判定部131は、対象物画像を含むスキャン画像をスキャン画像DB130から読み出し、対象物の画像が明瞭に読み取られているかなどの判定を行う。例えば、画像判定部131は、対象物である付箋紙112と、付箋紙112以外の部分と、のコントラスト比が所定値以上であるかを判定する。画像判定部131は、コントラスト比が所定値以上の場合には、付箋紙112のエッジを検出できたと判定し、逆にコントラスト比が所定値未満の場合には、付箋紙112のエッジを検出できなかったと判定する。付箋紙112のエッジとは、付箋紙112の輪郭であり、付箋紙112とそれ以外との境界である。
【0085】
画像判定部131は、判定結果を指示制御部122及び抽出部132に出力する。
【0086】
(4−2−11)光干渉制御部
光干渉制御部123は、指示制御部122から光干渉制御コマンドを受信し、スキャンバー領域検出部127から画面座標系でのスキャンバー領域200bの座標を取得する。これに基づいて、光干渉制御部123は、画面101a全体のうちスキャンバー領域200bの画面について、その画面の表示を一様な状態に制御するように表示管理部124に指示する。
【0087】
画面の表示を一様な状態を制御するとは、例えば画面の色相、彩度、明度及び/又は輝度を一様に制御することにより画面を例えば一様に黒色状態又は白色状態などに制御することを言う。例えば、付箋紙が白色の用紙であり、画面が黒色状態に制御された場合、付箋紙の背景色が黒色状態となることで、対象物と画面との差を明確にできる。なお、黒色状態には黒色だけでなく、暗い灰色、明るい灰色など黒色に近い色も含まれる。同様に、白色状態には、白色だけでなく、明度又は輝度などが明るい白色に近い、例えば黄色、明るい緑なども含まれる。また、画面の表示は、例えば画面から出射される表示光の出射量を調節することで制御され得る。あるいは、画面に白色を出力するように制御するなど、画面の表示色を制御して、画面の表示を一様に制御することもできる。
【0088】
よって、例えば、光干渉制御部123は、スキャンバー領域200bが黒色状態になるように、スキャンバー領域200bでの表示光の出射量を抑えるか、あるいは、スキャンバー領域200bに黒色を出力するように表示管理部124に指示する。また、光干渉制御部123は、スキャンバー領域200bが白色状態になるように、スキャンバー領域200bの表示光の出射量を高めるか、あるいは、スキャンバー領域200bに白色を出力するように表示管理部124に指示する。
【0089】
このような制御により、対象物の読み取りの際にスキャン装置200から出射される照射光と、情報処理装置100の画面101aから出射される表示光と、の干渉を抑制することができる。よって、対象物がディスプレイ101の画面101a上に配置されていても、スキャン装置200は対象物を読み取ることが可能となる。
【0090】
なお、画面101a全体の表示を通常の表示状態から一様な状態に制御すると、瞬時に画面の状態が変化するため、情報処理装置100のユーザに強い刺激を与える。このような変化は、例えば、ユーザに大きな驚きを与え、また情報処理装置100が誤作動したとユーザに誤認させるなどする。スキャンバー領域200bにおいてのみ表示を制御することで、画面101a全体の表示が制御される場合に比べてユーザに与える刺激を抑制することができる。
【0091】
なお、光干渉制御部123は、スキャン領域200cの位置をスキャン装置検出部126から取得し、スキャン領域200cについて表示を制御しても良い。また、光干渉制御部123は、スキャン装置200の位置などに関係なく画面101a全体について、表示を制御しても良い。
【0092】
また、光干渉制御部123は、画像判定部131での判定結果に応じて、スキャンバー領域200bの画面の表示を制御しても良い。例えば、画像判定部131がスキャン画像において付箋紙112のエッジを検出できなかったと判定した場合には、光干渉制御部123は、指示制御部122から新たな光干渉制御コマンドを受信する。光干渉制御部123は、新たな光干渉制御コマンドに応じて表示管理部124を制御し、画面の表示状態を変更する。例えば、黒色状態から白色状態に画面の表示状態を変更する。スキャン装置200は、指示制御部122からの走査指示コマンドに応じて、画面の表示状態が変更された状態で、再び対象物の読み取りを実行する。このように画面101aの表示を様々に調節することで、スキャン装置200が対象物の画像をより鮮明に取得できるように調節できる。
【0093】
(4−2−12)表示管理部
表示管理部124は、表示制御部124a、照明光生成部124b及び画像信号生成部124cを含む。照明光生成部124bは、画面101aに明度又は輝度を与える照明光を生成する。画像信号生成部124cは、画面101aに画像などの情報を表示するための画像信号を生成する。画面はRGBなどの色を決定する複数の画素から構成されており、画像信号生成部124cは、例えば各画素ごとに画像信号を生成している。表示制御部124aは、照明光及び/又は画像信号を用いて画面101aに画像などの情報を表示している。また、表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、照明光及び/又は画像信号を制御し、画面101aのうちスキャンバー領域200bの表示を一様な状態に制御する。
【0094】
画面の表示は、画面からの表示光の出射量を調節するか、あるいは画面の表示色を制御するなどして制御することができる。
【0095】
まず、表示光の出射量を調節することで画面の表示を制御する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、スキャンバー領域100b内において、照明光の遮断量を調節し、最終的に表示光として画面から出射される量を調節する。
【0096】
例えば、ディスプレイ101が液晶表示装置の場合は、表示制御部124aが画像信号を各画素の画素電極に印加すると、液晶は画像信号に応じて傾く。この液晶の傾きの程度によって、照明光の遮断量が制御され、ひいては画面101aから出射する表示光の出射量が制御される。よって、表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、スキャンバー領域100b内の各画素の画像信号を制御し、スキャンバー領域100bから出射される表示光の出射量を調節する。例えば、照明光の出射量を少なくすることで、画面の表示を一様な黒色状態とすることができる。また、照明光の出射量を多くすることで、画面の表示を一様な白色状態に近くすることができる。
【0097】
その他、表示光の出射量を制御する方法としては、照明光生成部124bでの照明光の生成量を調節することなどが挙げられる。この方法は、ディスプレイ101がCRT(Cathode Ray Tube)などの場合に適用可能である。
【0098】
次に、画面の表示色を調節することで画面の表示を制御する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。ここで、画像信号が各画素に印加されることで、各画素のRGBが決定され、画面の表示色が決定される。よって、表示制御部124aは、光干渉制御部123の制御に応じて、スキャンバー領域100b内の画素に対応する画像信号を制御し、スキャンバー領域100b内の表示色を制御する。
【0099】
その他、表示管理部124は、マウス102の移動に応じてマウスポインタ110を画面101aに表示し、マウスポインタ110の現在の座標I(X1、Y1)をマウスポインタ情報DB125に格納する。また、表示管理部124は、入力受付部121が受け付けた各種処理の実行に基づいて、合成画像生成部133からの合成画像を処理し、前述の図4Hに示すような操作日記114を作成しても良い。
【0100】
(4−2−13)抽出部
抽出部132は、指示制御部122から抽出コマンドを受信すると次の処理を開始する。
【0101】
抽出部132は、付箋紙112のエッジの判定結果を画像判定部131から取得する。また、抽出部132は、スキャン画像DB130から対象物を含むスキャン画像を読み出し、エッジに基づいてスキャン画像から付箋紙112の画像を抽出するとともに、スキャン画像に対する付箋紙112の相対位置を取得する。抽出部132は、対象物である付箋紙112の画像と、スキャン画像に対する相対位置と、を合成画像生成部133に出力する。
【0102】
(4−2−14)合成画像生成部
合成画像生成部133は、スキャン装置検出部126からスキャン領域200cの位置を取得する。なお、合成画像生成部133は、スキャン座標系と画面座標系との前記座標の対応関係をスキャン装置検出部126から取得し、これに基づいてスキャン領域200cを把握しても良い。
【0103】
また、合成画像生成部133は、付箋紙112の画像及びスキャン画像に対する相対位置を抽出部132から取得し、画面101aに表示されている画面データを画面DB135から取得する。最後に、合成画像生成部133は、画面101a上でのスキャン領域200cと、スキャン画像に対する付箋紙112の相対位置と、に基づいて、画面101aの画面データに付箋紙112の画像を合成し合成画像を生成する。
【0104】
合成画像生成部133は、合成画像を表示管理部124に出力し、画面101aに合成画像を表示させる。
【0105】
(5)処理の流れ
(5−1)全体処理
図8は、第1実施形態例にかかる情報処理装置が実行する全体処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS1:指示制御部122は、スキャン装置200から画面読み取りモードを受け付けると、以下の処理を実行する。
【0107】
ステップS2:指示制御部122は、まずスキャン装置200の検出処理を開始させるため、スキャン装置200に走査指示コマンド(I)を出力する。また、指示制御部122は、スキャン装置検出部126にスキャン装置検出コマンドを出力する。スキャン装置検出部126は、スキャン装置200の検出処理を実行する。
【0108】
ステップS3:次に、指示制御部122は、対象物である付箋紙112の画像を取得するため、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aの表示を制御する。なお、光干渉制御部123は、画像判定部131でのスキャン画像の判定結果に応じて画面101aの表示を制御しても良い。
【0109】
このとき、画面取得部134は、指示制御部122から画面取得コマンドを受信しており、画面101aの画面データを取得し、画面DB135に格納している。
【0110】
ステップS4:抽出部132は、指示制御部122から抽出コマンドを受信すると、スキャン装置200が取得したスキャン画像から、対象物の画像を抽出する。具体的には、抽出部132は、対象物のエッジの判定結果を画像判定部131から取得し、スキャン画像DB130から対象物を含むスキャン画像を読み出す。次に、抽出部132は、エッジに基づいてスキャン画像から対象物の画像を抽出するとともに、スキャン画像に対する対象物画像の相対位置を取得する。抽出部132は、対象物の画像と、スキャン画像に対する対象物画像の相対位置と、を合成画像生成部133に出力する。
【0111】
ステップS5:合成画像生成部133は、スキャン装置検出部126からスキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得する。また、合成画像生成部133は、対象物画像と、対象物画像のスキャン画像に対する相対位置と、を抽出部132から取得し、画面101aの画面データを画面DB135から取得する。合成画像生成部133は、これら取得した情報に基づいて、画面101aの画像に対象物の画像を合成し合成画像を生成する。表示管理部124は、画面101aに合成画像を表示する。
【0112】
(5−2)スキャン装置の検出処理
図9は、第1実施形態例にかかるスキャン装置の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下に、前述の全体処理のうち、スキャン装置の検出処理の流れについて説明する。
【0113】
ステップS2a:指示制御部122は、まずスキャン装置200の検出処理を開始させるため、スキャン装置200に走査指示コマンド(I)を出力する。また、指示制御部122は、スキャン装置検出部126にスキャン装置検出コマンドを出力する。
【0114】
ステップS2b:スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110を検出すると、ステップS2cに進む。ここでは、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110のうちその先端を検出する。一方、スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110を検出しなかった場合、ステップS2iに進む。
【0115】
ステップS2c:スキャン装置検出部126は、スキャン画像からマウスポインタ110の先端を検出すると、そのときのスキャンバー200aの座標S(α1、β0)をスキャン装置情報DB128から取得する。スキャン装置検出部126は、この座標S(α1、β0)に基づいて、マウスポインタ110先端のスキャン座標系での座標S(α1、β1)を取得する。
【0116】
ステップS2d:スキャン装置検出部126は、マウスポインタ110の先端について、画面101a内での画面座標系の座標I(X1、Y1)を、マウスポインタ情報DB125から取得する。
【0117】
ステップS2e:スキャン装置検出部126は、座標S(α1、β1)と、座標I(X1、Y1)と、に基づいてスキャン座標系の座標と画面座標系の座標との対応関係を取得する。
【0118】
ステップS2f:次に、スキャン装置検出部126は、前記座標の対応関係を用いて、スキャンバー200aの画面101aに対する走査方向αを取得する。
【0119】
ステップS2g:スキャン装置検出部126は、この走査方向αと、画面101aでの水平方向と、のなす角Δθを、スキャン装置200の画面101aでの傾きΔθとして算出する。
【0120】
ステップS2h:また、スキャン装置検出部126は、スキャン座標系の原点座標S(α0,β0)を、画面座標系の座標I(X0、Y0)に変換する。また、スキャン装置検出部126は、座標I(X0、Y0)、傾きΔθ、スキャン領域200cの幅W1及び長さL1等に基づいて、画面101aに対するスキャン領域200cの位置を把握する。これにより、スキャン装置200の画面101aに対する位置が把握できる。
【0121】
ステップS2i:スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aがスキャン領域200cの終点に到達したかどうかを判断する。スキャンバー200aが終点に到達している場合は、ステップS2jに進む。そうでない場合は、ステップS2bに戻り、スキャン装置検出部126は、スキャンバー200aの走査とともにスキャン装置200から順次的に送信されるスキャン画像からマウスポインタ110の検出を行う。
【0122】
ステップS2j:表示管理部124は、ユーザへの警告メッセージを画面101aに表示する。
【0123】
(5−3)光干渉制御
以下に、前述の全体処理のうち、光干渉制御の流れについて説明する。以下では、光干渉制御A1及びA2についてそれぞれ説明する。
【0124】
光干渉制御A1では、画面101aのうちスキャンバー領域200bの表示を黒色状態又は白色状態に制御する。
【0125】
光干渉制御A2では、画面101a全体の表示を黒色状態又は白色状態に制御する。
【0126】
(5−3−1)光干渉制御A1
図10は、第1実施形態例にかかる光干渉制御A1の流れの一例を示すフローチャートである。
【0127】
ステップS31a:指示制御部122は、対象物の画像を取得するため、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aのうちスキャンバー領域200bの表示制御を開始させる。
【0128】
ステップS31b:スキャンバー領域検出部127は、現在のスキャンバー200aの座標S(α2、β0)などをスキャン装置情報DB128から取得する。
【0129】
ステップS31c:スキャンバー領域検出部127は、現在のスキャンバー200aの座標S(α2、β0)などに基づいて、スキャン座標系おけるスキャンバー領域200bの四隅の座標を取得する。次に、スキャンバー領域検出部127は、前記四隅の座標を画面座標系の座標に変換し、画面101aにおけるスキャンバー領域200bを検出する。
【0130】
ステップS31d:光干渉制御部123は、スキャンバー領域200bの表示を黒色状態に制御する。
【0131】
ステップS31e:スキャン画像受信部129は、スキャン装置200が読み取ったスキャン画像を受信し、スキャン画像DB130に格納する。
【0132】
ステップS31f:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了すればステップ31gに進み、終了していなければステップS31bに戻る。
【0133】
ステップS31g:画像判定部131は、スキャン画像において対象物のエッジが検出できるか否かの判定を行う。対象物のエッジが検出できなかった場合はステップ31hに進む。対象物のエッジが検出できた場合は処理を終了する。
【0134】
ステップS31h〜31j:指示制御部122は、再び走査指示コマンド(II)及び光干渉制御コマンドを出力する(S31h)。スキャンバー領域検出部127は、ステップS31b及びS31cと同様にスキャンバー領域200bを検出する(S31i、S31j)。
【0135】
ステップS31k:光干渉制御部123は、前記スキャンバー領域200bの表示を黒色状態から白色状態に変更する。
【0136】
ステップS31l:スキャン画像受信部129は、スキャン画像を受信しスキャン画像DB130に格納する。
【0137】
ステップS31m:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了していなければステップS31iに戻る。読み取りが終了していれば処理を終了する。
【0138】
(5−3−2)光干渉制御A2
図11は、第1実施形態例にかかる光干渉制御A2の流れの一例を示すフローチャートである。画面全体が黒色状態又は白色状態に制御される点が、光干渉制御A1と異なる。
【0139】
ステップS32a:指示制御部122は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101a全体の表示制御を開始させる。
【0140】
ステップS32b:光干渉制御部123は、画面101a全体の表示を黒色状態に制御する。
【0141】
ステップS32c、S32d:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0142】
ステップS32e、32f:画像判定部131がスキャン画像において対象物のエッジを検出できなかった場合は(S32e)、指示制御部122は、再び走査指示コマンド(II)及び光干渉制御コマンドを出力する(S31f)。対象物のエッジが検出できた場合は処理を終了する。
【0143】
ステップS32g:光干渉制御部123は、画面101a全体の表示を黒色状態から白色状態に変更する。
【0144】
ステップS32h、S32i:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0145】
上記光干渉制御A1及びA2では、黒色状態から白色状態に表示を変更しているが、白色状態から黒色状態への変更でも良い。さらに、画面101a上に配置された対象物の対象物画像を取得できれば良く、表示の制御は黒色状態又は白色状態に限定されない。
【0146】
(6)作用効果
上述の通り、画面101aの表示を一様に制御することで、画像の取得の際にスキャン装置200から出射される照射光と、情報処理装置100の画面101aから出射される表示光と、の干渉を抑制することができる。これにより、対象物がディスプレイ101の画面101a上に配置されていても、スキャン装置200により対象物を読み取ることが可能となる。
【0147】
また、照射光が照射されているスキャンバー領域200bのみ表示を制御することで、画面101aの全体の表示が制御される場合に比べてユーザに与える刺激を抑制することができる。
【0148】
(7)変形例
(7−1)変形例1
上記実施形態では、画面101aの表示を制御することで、画面101aからの表示光とスキャン装置200からの照射光との干渉を抑制している。本変形例では、情報処理装置100は、画面101aの表示を制御するだけでなく、さらにスキャン装置200の照射光を制御しても良い。
【0149】
図12は、表示光と照射光との光干渉制御の組み合わせを示す表である。図12では、画面101aの表示は、画面101aからの表示光の出射量の違いにより複数段階で調節される。さらに、スキャン装置200からの照射光は出射量の違いにより複数段階で調節される。ここでは、一例として、制御1から制御9の9段階の光干渉制御レベルが用意されている。
【0150】
図13は、変形例1にかかる光干渉制御Bの流れの一例を示すフローチャートである。次に、本変形例の光干渉制御Bについて説明する。
【0151】
ステップS33a:指示制御部122は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。また、指示制御部122は、光干渉制御部123に光干渉制御コマンドを出力し、画面101aの表示制御を開始させる。本変形例の場合、指示制御部122は、さらにスキャン装置200に光干渉制御コマンドを出力し、照射光の制御を開始させる。ここで、光制御コマンドには、例えば図12の制御1から制御9のいずれを実行するかを指示する情報が含まれているものとする。
【0152】
ステップS33b、S33c:前述の光干渉制御A1のステップS31b、S31cと同様に、スキャンバー領域検出部127は、画面101aにおけるスキャンバー領域200bを検出する。
【0153】
ステップS33d:光干渉制御部123は、前記スキャンバー領域200bの表示を、光干渉制御コマンドに応じて制御する。一方、スキャン装置200の照射光制御部211は、情報処理装置100から光干渉制御コマンドを受信すると、光干渉制御コマンドに応じて照射光の出射量を調節する。
【0154】
例えば、光干渉制御コマンドにおいて制御6が指定されている場合は、光干渉制御部123は、画面101aから出射する表示光の出射量がレベル3となるように制御する。また、スキャン装置200の照射光制御部211は、照明光の出射量がレベル2となるように制御する。
【0155】
ステップS33e、S33f:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0156】
ステップS33g:画像判定部131は、スキャン画像において対象物のエッジが検出できるか否かの判定を行う。対象物のエッジが検出できなかった場合はステップ33hに進む。対象物のエッジが検出できた場合は処理を終了する。
【0157】
ステップS33h:指示制御部122は、全ての組み合わせについて光干渉制御が終了しているか否かを判定する。光干渉制御が終了していない場合には、指示制御部122は、ステップS33aに戻る。なお、ステップS33aでは、指示制御部122は、図12のうち実行されていない制御を指定した光干渉制御コマンドを生成し、各機能部に出力する。
【0158】
なお、本変形例では、表示光の出射量を調節することで画面101aの表示を制御しているが、画面101aの表示色を制御することで画面101aの表示を制御しても良い。
【0159】
(7−2)変形例2
上記実施形態例の画像判定部131は、対象物の画像が明瞭であるかを判断するために、スキャン画像において対象物のエッジを検出できたか否かを判定している。画像判定部131は、さらに色味、彩度、色相などに基づいて対象物の画像が明瞭であるかどうかを判定しても良い。
【0160】
また、画像判定部131が、色味、彩度、色相などに基づいて対象物が明瞭でないと判断した場合は、情報処理装置100は、上記実施形態例と同様に画面101aの表示状態を変更しても良い。又は、上記変形例1と同様に、情報処理装置100は、色味、彩度、色相などが最良の状態となるまで、表示光及び照射光を制御しても良い。
【0161】
(7−3)変形例3
上記実施形態では、情報処理装置100は、スキャン画像からマウスポインタ110を検出して、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。しかし、本変形例では、画面101a上にタッチパネル140によりスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。
【0162】
図14は、変形例3にかかるタッチパネルを備える情報処理装置とスキャン装置との関係を示す模式図である。情報処理装置100のディスプレイ101は、画面101a上にタッチパネル140を備える。タッチパネル140は、例えば各画素に対応して静電容量センサを配置し、押圧による容量変化に基づいて押圧位置を検知する装置である。一方、スキャン装置200は、背面に突起220a及び220bが例えば対角線上に対向する2隅に設けられている。スキャン装置200がタッチパネル140上に配置され、突起220a及び220bがタッチパネル140を押圧すると、スキャン装置検出部126は画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。その検出方法を次に説明する。
【0163】
図15は、タッチパネルを用いてスキャン装置の位置及び傾きを検出する方法を説明する模式図である。
【0164】
スキャン装置検出部126は、スキャン装置200の突起220a及び220bによるタッチパネル140の押圧位置を検出する。例えば、突起220aによる押圧位置がI(X10、Y10)であり、突起220bによる押圧位置がI(X11、Y11)であるとする。
【0165】
ここで、スキャン装置検出部126は、スキャン領域200cの対角線方向の基本ベクトルV1を予め保持しているものとする。なお、画面101aの座標軸とスキャン装置200の座標軸とが概ね一致するように配置されている場合に、図15中の破線で示されるスキャン領域200cは、基本ベクトルV1を有する。基本ベクトルV1は、座標I(X10、Y10)と座標I(X12、Y12)とにより表される。このとき、スキャンバー200aの長さ方向が画面座標系のY方向に概ね平行であり、スキャンバー200aは画面座標系のX方向に向かって走査される。
【0166】
次に、スキャン装置検出部126は、突起220a及び220bによる押圧位置I(X10、Y10)及びI(X11、Y11)に基づいて、傾きのベクトルV2を算出する。スキャン装置検出部126は、ベクトルの内積に基づいて次式(1)によりスキャン装置200の傾きΔθを算出する。
【0167】
【数1】
【0168】
スキャン装置検出部126は、座標I(X10、Y10)、座標I(X11、Y11)及び傾きΔθに基づいて、残りの2隅の座標を求めることで、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出する。
【0169】
その他、スキャン装置200の背面の4隅に突起220を設け、画面101aに対するスキャン装置200の位置及び傾きを検出しても良い。
【0170】
(7−4)変形例4
上記実施形態では、画面101aにおけるスキャン装置200の位置及び傾きを検出するために、マウスポインタ110ではなく、テキスト間の入力位置を示すために用いられるキャレットを用いることもできる。検出方法はマウスポインタと同様である。
【0171】
(7−5)変形例5
上記実施形態では、情報処理装置100は、スキャンバー領域200bの表示を制御するため、表示の制御の前に画面101aに対するスキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得した。しかし、例えば画面101aの全体の表示を制御する場合には、画面101aと対象物画像とを合成するまでに、スキャン装置200の位置及び傾きΔθを取得すれば良い。
【0172】
(7−6)変形例6
上記実施形態では、透過性の低い物理的な対象物として付箋紙を例に挙げたが、対象物としてはその他例えば写真などであっても良い。
【0173】
図16は、対象物が写真である場合の情報処理装置100による処理の概要を説明する説明図である。対象物が異なるのみで基本的には上記処理と同様であるので簡単に以下に説明する。なお、ユーザは、画面101aに表示された写真Aと、実際の写真B及び写真Cと、により合成画像を生成しようとしている。
【0174】
同図(a)に示すように、画面101aにマウスポインタ110及びウィンドウ111が表示されている。ウィンドウ111では、一例として写真の画像Aが表示されている。
【0175】
同図(b)に示すように、ユーザは、ウィンドウ111内の写真の画像Aに対して、対象物である写真B及び写真Cを画面101a上に配置する。
【0176】
同図(c)に示すように、この状態でスキャン装置200により対象物である写真B及び写真Cを含む画像を読み取る。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200が読み取りを行うのに伴い、画面101aの表示を制御する。また、情報処理装置100は、対象物の読み取りに先だって、対象物の読み取りと同時、あるいは対象物の読み取り後に、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きΔθを取得する。
【0177】
同図(d)に示すように、情報処理装置100は、同図(c)において取得したスキャン画像から、エッジに基づいて写真B及び写真Cの対象物画像を抽出するとともに、スキャン画像に対する対象物画像の位置を取得する。
【0178】
同図(e)に示すように、情報処理装置100は、同図(a)の画面101aと、抽出した写真B及び写真Cの対象物画像と、を合成して画面101aに表示する。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きと、スキャン画像に対する対象物画像の位置と、に基づいて合成を行う。
【0179】
その他、対象物としては例えば葉書などであっても良い。
【0180】
(8)利用例
以下に、上記実施形態例及び変形例により形成された合成画像の利用例を説明する。
【0181】
図17〜図19は、合成画像の利用例を示す画面例である。
【0182】
図17では、前述の図4Hで作成された合成画像を、パソコン操作日記として保存している例が示されている。パソコン操作日記とは、例えば、パソコンでの操作を記録として保存するアプリケーションを言うものとする。各日付をクリックすることで、操作日記が図17のように示される。また、“メールに添付”のボタンをクリックすることで、表示されている操作日記をメールに添付して送信することができる。
【0183】
図18は、パソコン操作日記がメールに添付されて送信された様子を示している。このようにメールに添付してパソコン操作日記を送信することで、送信者はパソコンでの操作内容を相手方に即座かつ的確に伝えることができる。そのため、送信者は、相手方から所望の回答を引き出すことも可能となる。
【0184】
図19は、例えばシニアクラブが運営する掲示板などに、パソコン操作日記を投稿している様子を示している。このように掲示板にパソコン操作日記を投稿することで、第三者にパソコンでの操作内容を即座かつ的確に伝えることができる。また、図19に示すように、投稿者は、第三者から所望のコメントを受け取ることも可能となる。
【0185】
本実施形態により合成画像を生成し、上述のような利用形態を提供することで、情報処理装置100の利用に不慣れな例えば高齢者などに情報処理装置100の利用を促進することができる。
【0186】
<第2実施形態例>
以下の第2実施形態例では、読み取り対象として透過性の高い物理的な対象物を例に挙げて説明する。また、透過性の高い物理的な対象物としてセロハン紙を例に挙げて説明する。セロハン紙とは、例えばセルロースを原材料とする透過性の高い薄膜状のシートを言う。
【0187】
外観構成及びハードウェア構成は第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。また、機能構成及びその処理は、光干渉制御の方法が異なるのみで、以下の点を除き第1実施形態例と同様であるので簡単に説明する。
【0188】
(1)処理の概要
図20は、対象物がセロハンである場合において、情報処理装置による第2実施形態例に係る処理の概要を説明する説明図である。なお、ユーザは、画面101aに表示された写真Aと、実際のセロハン紙112cと、を重畳した合成画像を生成しようとしている。
【0189】
同図(a)に示すように、画面101aにマウスポインタ110及びウィンドウ111が表示されている。ウィンドウ111では、一例として写真の画像Aが表示されている。
【0190】
同図(b)に示すように、ユーザは、ウィンドウ111内の写真の画像A上に、対象物であるセロハン紙112cを配置する。
【0191】
同図(c)に示すように、この状態でスキャン装置200により対象物であるセロハン紙112cを含む画像を読み取る。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りに伴い、画面101aの表示を制御する。スキャン装置200は、照射光を画面101a及びセロハン紙112cに照射して読み取りを行う。また、情報処理装置100は、対象物の読み取りに先だって、対象物の読み取りと同時、あるいは対象物の読み取り後に、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きΔθを取得する。
【0192】
同図(d)に示すように、情報処理装置100は、同図(c)において取得したスキャン画像から、セロハン紙112cのエッジを検出するとともに、スキャン画像に対するエッジの相対位置を取得する。
【0193】
同図(e)に示すように、情報処理装置100は、スキャン装置200において照射光を出射しないように制御する。スキャン装置200は、画面101aから出射される表示光を用いて、読み取りを行う。このとき、画面101aのセロハン紙112cが重畳された領域では、画面101aからの表示光がセロハン紙112cを介して出射される。よって、スキャン装置200は、セロハン紙112cが重畳された領域では、セロハン紙112cを介して出射される光を読み取ることとなる。
【0194】
同図(f)に示すように、情報処理装置100は、スキャン画像から、エッジで特定されるセロハン紙112c内の均一色味情報を取得する。ここで、均一色味情報とは、所定の領域内において最も支配的な色を言うものとする。
【0195】
同図(g)に示すように、情報処理装置100は、同図(a)の画面101aと、セロハン紙112cの均一色味情報と、を合成して画面101aに表示する。このとき、情報処理装置100は、スキャン装置200の画面101aに対する位置及び傾きと、スキャン画像に対するエッジの位置と、に基づいて合成を行う。
【0196】
(2)処理の流れ
以下に、第2実施形態例の特徴である光干渉制御の流れについて説明する。図21は、第2実施形態例にかかる光干渉制御Cの流れの一例を示すフローチャートである。
【0197】
セロハン紙112cは透過性が高いため、情報処理装置100は、スキャン画像からセロハン紙のエッジを取得するのが困難である。また、情報処理装置100は、一度の読み取りで取得したスキャン画像から、セロハン紙が有する均一色味情報と、セロハン紙のエッジと、を同時に取得することが困難である。そこで、情報処理装置100は、まずエッジの検出に焦点を当て、画面101aの表示を制御する。エッジを検出した後、情報処理装置100は、セロハン紙が有する均一色味情報に焦点を当て、スキャン装置200から出射される照射光の制御を行う。以下に、光干渉制御Cの流れを説明する。
【0198】
ステップS34a:情報処理装置100は、上記第1実施形態例の光干渉制御A1、A2及びBのうちいずれかを実行し、対象物であるセロハン紙112cの画像を含むスキャン画像を取得する。この処理は、スキャン画像においてセロハン紙112cのエッジを検出するために行われる。
【0199】
ステップS34b:画像判定部131は、スキャン画像から対象物であるセロハン紙112cのエッジを検出する。画像判定部131は、スキャン画像におけるエッジの位置を抽出部132及び合成画像生成部133に出力する。
【0200】
ステップS34c:指示制御部122は、スキャン装置200に走査指示コマンド(II)を出力する。
【0201】
ステップS34d:また、指示制御部122は、スキャン装置200に光干渉制御コマンドを出力し、照射光の制御を開始させる。ここで、光制御コマンドには、スキャン装置200からの照射光の出射を停止させるように指示する情報が含まれているものとする。これにより、スキャン装置200の照射光制御部211は、画像の読み取りにおいて照射光の出射を停止する。なお、セロハン紙112c内の均一色味情報を取得出来れば良く、照射光の出射を完全に停止しなくても良い。
【0202】
ステップS34e、S34f:情報処理装置100は、スキャン装置200による読み取りが終了するまでスキャン画像の取得及び格納を継続する。
【0203】
ステップS34g:抽出部132は、画像判定部131が検出したエッジに基づいて、エッジで特定されるセロハン紙112c内の均一色味情報を取得する。例えば、抽出部132は、エッジ内の画像の各画素の色味を検出し、色味ごとに画素数を算出する。抽出部132は、最も多い画素数の色味を均一色味情報として取得する。抽出部132は、検出した均一色味情報を合成画像生成部133に出力する。
【0204】
以上の処理の後、合成画像生成部133は、画面101a上でのスキャン領域200c、スキャン画像に対するセロハン紙112cのエッジの位置に基づいて、画面101aの画像にセロハン紙112cの均一色味情報を合成し合成画像を生成する。
【0205】
なお、情報処理装置100は、ステップS34bにおいてエッジを検出できない場合は、上記第1実施形態例の変形例1のように様々な光干渉制御を行っても良い。
【0206】
その他、第1実施形態例の各種変形例も第2実施形態例に取り込み可能である。
【0207】
<その他の実施形態例>
上記実施形態では、ユーザが、スキャン装置200の操作ボタン202のうち、画面読み取りモードの設定ボタンを選択すると、その選択情報が情報処理装置100に出力される。情報処理装置100は、画面読み取りモードが選択されたことに基づいて、上記の各種処理を行う。しかし、ユーザが画面読み取りモードを選択しなくても、情報処理装置100が、最初に取得したスキャン画像に基づいて読み取り対象が画面101aであると判断した場合、上記各種処理を行うようにしても良い。例えば、情報処理装置100が、スキャン画像が鮮明でないと判断した場合、読み取り対象が画面101aであると判断する。
【0208】
上記実施形態では、画像取得装置としてスキャン装置を例に挙げたが、画像取得装置は対象に対して照射光を照射して画像を取得する装置であれば特に限定されず、例えばカメラなどの撮像装置であっても良い。
【0209】
また、前述の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、USBメモリ、半導体メモリなどを挙げることができる。前記コンピュータプログラムは、前記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0210】
以上の実施形態及びその他の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0211】
<付記>
(付記1)
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行う情報処理装置であって、
画面を有するディスプレイと、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部と、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部と、
を含む、情報処理装置。
【0212】
物理的な対象物とは、例えば添付可能な付箋紙であり、メモ書きされた付箋紙がディスプレイの画面上の所望の場所に添付されているとする。画像取得装置が画面上の付箋紙の画像を取得する場合、上記情報処理装置は画面の表示を一様な状態に制御する。画面の表示を一様な状態を制御するとは、例えば画面の色相、彩度、明度及び/又は輝度を一様に制御することにより画面を例えば一様に黒色状態又は白色状態などに制御することを言う。また、画面の表示は、例えば画面から出射される表示光の出射量を調節することで制御され得る。例えば、ディスプレイが液晶表示装置の場合には、情報処理装置は、画素電極に印加する画像信号を制御して液晶の傾きを制御し、これにより画面から出射する表示光の出射量を調節する。あるいは、ディスプレイに輝度又は明度を与える照明光、液晶表示装置の場合にはバックライト光を制御して、画面からの表示光の出射量を調節しても良い。また、例えば、ディスプレイがCRT(Cathode Ray Tube)の場合には、ディスプレイ背面での照明光の出射量を制御することで、画面からの表示光の出射量を調節する。その他、情報処理装置は、画面全体に白色を出力するように制御するなど、画面の表示色を制御して、画面の表示を一様に制御することもできる。
【0213】
このように画面の表示を一様に制御することで、画像の取得の際に画像取得装置から出射される照射光と、情報処理装置のディスプレイから出射される表示光と、の干渉を抑制することができる。これにより、対象物がディスプレイの画面上に配置されていても、画像取得装置により対象物を読み取ることが可能となる。
【0214】
(付記2)
前記光干渉制御部は、前記画面の表示を黒色状態又は白色状態に制御する、付記1に記載の情報処理装置。
【0215】
光干渉制御部は、画像取得装置が対象物の画像を取得する際に画面を例えば一様な黒色状態に制御する。対象物が白色の用紙である場合、対象物の背景色が黒色状態となることで、対象物と画面との差が明確になり、画像取得装置により画面上の対象物を読み取り可能となる。これにより、情報処理装置の画面から出射される表示光と、画像取得装置から出射される照射光と、が干渉し合い、対象物の画像取得を困難にするなどの悪影響を抑制することができる。
【0216】
なお、黒色状態には黒色だけでなく、暗い灰色、明るい灰色など黒色に近い色も含まれる。同様に、白色状態には、白色だけでなく、明度又は輝度などが明るい白色に近い、例えば黄色、明るい緑なども含まれる。
【0217】
(付記3)
前記画面に明度又は輝度を与える照明光を生成する照明光生成部と、
前記画面に画像を表示するための画像信号を生成する画像信号生成部と、
前記照明光及び前記画像信号に基づいて、前記ディスプレイの画面に画像を表示する表示制御部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記画像信号を制御することにより前記画面の表示を一様な状態に制御する、付記1又は2のいずれかに記載の情報処理装置。
【0218】
画面はRGBなどの色を決定する複数の画素から構成されており、画像信号生成部は、例えば各画素ごとに画像信号を生成している。ディスプレイが液晶表示装置の場合は、情報処理装置が画像信号を各画素の画素電極に印加すると、液晶は画像信号に応じて傾く。光干渉制御部は、この画像信号を制御することで液晶の傾きを制御し、照明光を遮断する量を制御し、ひいては画面から出射する表示光の出射量を調節する。
【0219】
(付記4)
前記画面に明度又は輝度を与える照明光を生成する照明光生成部と、
前記照明光を用い、前記ディスプレイの画面に画像を表示する表示制御部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記画像の表示に用いる前記照明光の出射量を制御することにより前記画面の表示を一様な状態に制御する、付記1又は2のいずれかに記載の情報処理装置。
【0220】
情報処理装置は、ディスプレイが液晶表示装置の場合、照明光であるバックライト光を制御して、画面からの表示光の出射量を調節し画面の表示を一様な状態に制御する。また、例えば、ディスプレイがCRTの場合には、ディスプレイ背面での照明光の出射量を制御することで、画面からの表示光の出射量を調節する。
【0221】
情報処理装置は、例えば、照明光の出射量を少なくすることで、画面の表示を一様な黒色状態とすることができる。また、情報処理装置は、照明光の出射量を多くすることで、画面の表示を一様な白色状態に近くすることができる。
【0222】
(付記5)
前記画像取得装置からの前記取得画像において、前記対象物と前記対象物以外とのコントラスト比が所定値以上であることに基づいて、前記対象物のエッジを検出する画像判定部をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記画像判定部が前記コントラスト比が前記所定値未満であると判定した場合、前記画面の一様な状態を別の一様な状態に制御する、付記1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0223】
例えば、情報処理装置は、まず、画面を一様な黒色状態に制御し、画像取得装置から取得画像を受信する。ここで、取得画像には、対象物と、対象物の背景である画面と、が含まれる。この取得画像において、対象物と対象物以外とのコントラスト比が所定値未満である場合、情報処理装置は、画面を一様な黒色状態から一様な白色状態に変更し、画像取得装置に再び画像を取得させる。情報処理装置が画面の表示を様々に調節することで、画像取得装置は対象物の画像をより鮮明に取得することができる。
【0224】
(付記6)
前記画像取得装置が前記照射光を走査することにより画像を取得するのに伴って、前記光干渉制御部は、前記画面のうち、前記走査に応じて前記照射光が照射されている照射領域の表示を制御する、付記1〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0225】
例えば、情報処理装置が、全画面の表示を通常状態から一様な状態に制御すると、瞬時に画面の状態が変化するため、情報処理装置のユーザに強い刺激を与える。このような変化は、例えば、ユーザに大きな驚きを与え、また情報処理装置が誤作動したとユーザに誤認させるなどする。照射光が照射されている限定された照射領域のみ表示を制御することで、全画面の表示が制御される場合に比べてユーザに与える刺激を抑制することができる。例えば、画像取得装置が、スキャンバー領域下に対してスキャン光を出射し、スキャンバーを順次的に走査して画像を取得するスキャン装置であるとする。この場合、情報処理装置は、画面のうちスキャンバー領域下でのみ画面の表示を一様な状態に制御する。
【0226】
(付記7)
前記取得画像に基づいて、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きを検出する画像取得装置検出部と、
前記画像取得装置における前記照射光の走査位置を前記画像取得装置から取得し、取得した前記照射光の走査位置と、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きと、に基づいて、前記画面に対する前記照射領域を検出する照射領域検出部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記照射領域検出部が検出した前記照射領域の表示を制御する、付記6に記載の情報処理装置。
【0227】
画像取得装置が、情報処理装置の画面に対してどの位置にどの傾きで読み取りを行うかによって、画面上における照射光の照射領域も異なる。よって、情報処理装置は、画像取得装置の画面に対する位置及び傾きなどを取得する必要がある。さらに、照射光の走査位置は順次的に移動するため、画像取得装置における照射光の走査位置も取得する必要がある。情報処理装置は、これら取得した情報に基づいて、画面に対して照射光が走査されている照射領域を取得する。
【0228】
なお、例えば、情報処理装置は、マウスによる操作位置を示すポインタ、又は、テキスト間の入力位置を示すために用いられるキャレットなどの画像を画像取得装置から取得する。取得画像に例えばポインタが含まれていれば、情報処理装置は、取得画像内におけるポインタの座標と、画面内におけるポインタの座標とに基づいて、画像取得装置が画面内のどの位置にあるのかを把握できる。ただし、情報処理装置は、ポインタの表示を制御しているため、画面内におけるポインタの座標を認識している。また、照射光の走査方向と、画面上の水平方向と、のなす角により画像取得装置が画面に対してどの程度傾いているのかを把握することができる。
【0229】
(付記8)
前記光干渉制御部は、前記画像取得装置での前記対象物の画像の取得に伴って、前記画像取得装置が出射する照射光をさらに制御する、付記1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0230】
画像取得装置による画像の取得時には、画面から出射される表示光と、画像取得装置が出射する照射光と、が干渉し合う。そこで、光干渉制御部は、画面の表示を一様な状態に制御するだけでなく、画像取得装置から出射される照射光をさらに制御する。これにより、表示光と照射光との干渉を抑制し、対象物の画像取得を困難にするなどの悪影響を抑制することができる。
【0231】
(付記9)
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御ステップと、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信ステップと、
を含む、情報処理方法。
【0232】
(付記10)
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部、及び
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部、
として前記情報処理装置を機能させる情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0233】
100:情報処置装置
101:ディスプレイ
101a:画面
110:マウスポインタ
112c:セロハン紙
112a、112b:付箋紙
122:指示制御部
123:光干渉制御部
124:表示管理部
124a:表示制御部
124b:照明光生成部
124c:画像信号生成部
125:マウスポインタ情報DB
126:スキャン装置検出部
127:スキャンバー領域検出部
128:スキャン装置情報DB
129:スキャン画像受信部
130:スキャン画像DB
131:画像判定部
132:抽出部
133:合成画像生成部
134:画面取得部
135:画面DB
140:タッチパネル
200:スキャン装置
200a:スキャンバー
200b:スキャンバー領域
200c:スキャン領域
201:スキャン機構
202:操作ボタン
203:操作ディスプレイ
210:スキャン実行部
211:照射光制御部
212:入力受付部
220a、220b:突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行う情報処理装置であって、
画面を有するディスプレイと、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部と、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部と、
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記光干渉制御部は、前記画面の表示を黒色状態又は白色状態に制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像取得装置が前記照射光を走査することにより画像を取得するのに伴って、前記光干渉制御部は、前記画面のうち、前記走査に応じて前記照射光が照射されている照射領域の表示を制御する、請求項1〜2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得画像に基づいて、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きを検出する画像取得装置検出部と、
前記画像取得装置における前記照射光の走査位置を前記画像取得装置から取得し、取得した前記照射光の走査位置と、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きと、に基づいて、前記画面に対する前記照射領域を検出する照射領域検出部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記照射領域検出部が検出した前記照射領域の表示を制御する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記光干渉制御部は、前記画像取得装置での前記対象物の画像の取得に伴って、前記画像取得装置が出射する照射光をさらに制御する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御ステップと、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項7】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部、及び
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部、
として前記情報処理装置を機能させる情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行う情報処理装置であって、
画面を有するディスプレイと、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部と、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部と、
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記光干渉制御部は、前記画面の表示を黒色状態又は白色状態に制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像取得装置が前記照射光を走査することにより画像を取得するのに伴って、前記光干渉制御部は、前記画面のうち、前記走査に応じて前記照射光が照射されている照射領域の表示を制御する、請求項1〜2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得画像に基づいて、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きを検出する画像取得装置検出部と、
前記画像取得装置における前記照射光の走査位置を前記画像取得装置から取得し、取得した前記照射光の走査位置と、前記画面に対する前記画像取得装置の位置及び傾きと、に基づいて、前記画面に対する前記照射領域を検出する照射領域検出部と、をさらに含み、
前記光干渉制御部は、前記照射領域検出部が検出した前記照射領域の表示を制御する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記光干渉制御部は、前記画像取得装置での前記対象物の画像の取得に伴って、前記画像取得装置が出射する照射光をさらに制御する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御ステップと、
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項7】
照射光の出射とともに画像を取得する画像取得装置との間でデータの送受信を行い、画面を有するディスプレイを備える情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像取得装置が、前記画面上に配置された物理的な対象物の画像を取得するのに伴って前記画面の表示を一様な状態に制御する光干渉制御部、及び
前記画像取得装置が取得した取得画像を、前記画像取得装置から受信する画像受信部、
として前記情報処理装置を機能させる情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
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【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−108144(P2011−108144A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264765(P2009−264765)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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