説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び情報記憶媒体

【課題】ディスプレイに重ねて配置されているタッチセンサに対向して配置されるタッチセンサの検出位置に応じて、ディスプレイ内における、表示対象となる情報が表示されない領域を変えることができるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、ディスプレイと、ディスプレイに重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、を含んで構成されるタッチパネル12と、前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサ18と、制御部と、を備える。制御部は、背面タッチセンサ18による少なくとも1つの検出位置に基づいて、それぞれディスプレイの一部を占める左右に配置された2つの領域のうちの一方を禁止領域として特定し、表示対象となる情報を、ディスプレイ内の禁止領域外の領域に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置に対して操作入力を行う方法として様々なものが提案されている。特許文献1には、機器の両面にセンサを配置して、これら双方のセンサで操作入力を行えるようにした機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7088342号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザが、前面にディスプレイとタッチセンサが重ねて配置されている情報処理装置を左手で持って、右手の指で前面側のタッチセンサを操作した際に、表示対象となる情報がディスプレイの右下に表示されると、ユーザの手によってこの情報が隠れてしまい、ユーザにとってこの情報が見づらいものとなる可能性が高い。一方、ユーザが、上述の情報処理装置を右手で持って、左手の指で前面側のタッチセンサを操作した際には、表示対象となる情報がディスプレイの左下に表示されると、ユーザの手によってこの情報が隠れてしまい、ユーザにとってこの情報が見づらいものとなる可能性が高い。
【0005】
このように、ディスプレイ内におけるユーザが見づらい領域は、ユーザが情報処理装置を持つ手によって変わるものと考えられる。そのため、情報処理装置を持つ手によって、ディスプレイ内における情報が表示されない領域が変わるようになると便利である。
【0006】
また、情報処理装置の背面にタッチセンサを設けると、例えば、このタッチセンサによる検出位置を、ユーザが情報処理装置を右手で持っているのか左手で持っているのかの推定に活用することができると考えられる。このように、情報処理装置の背面のタッチセンサはディスプレイ内における情報が表示されない領域の制御に役立つものと思われる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的の1つは、ディスプレイに重ねて配置されているタッチセンサに対向して配置されるタッチセンサの検出位置に応じて、ディスプレイ内における、表示対象となる情報が表示されない領域を変えることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて、それぞれ前記表示部の一部を占める左右に配置された2つの領域のうちの一方を禁止領域として特定し、表示対象となる情報を、前記表示部内の前記禁止領域外の領域に表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、を備える情報処理装置の制御方法であって、前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて、それぞれ前記表示部の一部を占める左右に配置された2つの領域のうちの一方を禁止領域として特定し、表示対象となる情報を、前記表示部内の前記禁止領域外の領域に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、を備える情報処理装置に、それぞれ前記表示部の一部を占める、左右に配置された2つの禁止領域のうちの一方を、前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて特定する手順と、表示対象となる情報を、前記表示部内の特定された禁止領域外である領域に表示させる手順と、を実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、を備える情報処理装置に、それぞれ前記表示部の一部を占める、左右に配置された2つの禁止領域のうちの一方を、前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて特定する手順と、表示対象となる情報を、前記表示部内の特定された禁止領域外である領域に表示させる手順と、を実行させることを特徴とするプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0012】
本発明によれば、背面タッチセンサによる検出位置により特定される禁止領域外の領域に表示対象となる情報が表示されるので、ディスプレイに重ねて配置されているタッチセンサに対向して配置されるタッチセンサの検出位置に応じて、ディスプレイ内における、表示対象となる情報が表示されない領域を変えることができることとなる。
【0013】
本発明の一態様では、前記表示部の短手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、前記表示部の長手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、によって、前記背面タッチセンサによる検出位置と、前記2つの領域のうちから特定される前記禁止領域と、の対応関係が逆転することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記制御部が、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が、前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在するか、前記前面タッチセンサの右半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在するか、に基づいて前記2つの領域のうちの一方を前記禁止領域として特定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在する場合に前記2つの領域のうちの左側の領域を前記禁止領域として特定し、そうでない場合に前記2つの領域のうちの右側の領域を前記禁止領域として特定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記表示部の方向を検出する方向検出部、をさらに備え、前記制御部は、前記方向検出部による検出結果に基づいて、前記表示部の長手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、前記表示部の短手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、を判定し、前記表示部の短手方向が鉛直方向に沿った方向であると判定される際には、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在する場合に前記2つの領域のうちの左側の領域を前記禁止領域として特定し、そうでない場合に前記2つの領域のうちの右側の領域を前記禁止領域として特定し、前記表示部の長手方向が鉛直方向に沿った方向であると判定される際には、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在する場合に前記2つの領域のうちの右側の領域を前記禁止領域として特定し、そうでない場合に前記2つの領域のうちの左側の領域を前記禁止領域として特定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記制御部は、前記前面タッチセンサによる検出位置に基づいて、前記2つの領域の位置を決定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記制御部は、前記前面タッチセンサによる検出位置の左下に位置する前記表示部内の領域を、前記2つの領域のうちの左側の領域として決定し、前記前面タッチセンサによる検出位置の右下に位置する前記表示部内の領域を前記2つの領域のうちの右側の領域として決定することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記制御部は、表示対象となる情報が複数存在し、当該複数の情報が順序付けられている場合に、前記表示部内の前記禁止領域外の領域を分割した複数の順序付けられた領域内に、前記順序付けられた複数の情報を、情報の順序と領域の順序とが対応するよう分割された各領域に表示させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図である。
【図1B】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図4A】ユーザが情報処理装置を横向きに左手で把持している様子の一例を示す図である。
【図4B】ユーザが情報処理装置を縦向きに左手で把持している様子の一例を示す図である。
【図4C】ユーザが情報処理装置を横向きに右手で把持している様子の一例を示す図である。
【図4D】ユーザが情報処理装置を縦向きに右手で把持している様子の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【図6A】平均座標法の説明図である。
【図6B】平均座標法の説明図である。
【図6C】ベクトル傾き法の説明図である。
【図6D】ベクトル外積法の説明図である。
【図6E】ベクトル外積法の説明図である。
【図7A】禁止領域及び優先領域の一例を示す図である。
【図7B】禁止領域及び優先領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の外観を示す斜視図であって、図1Aは情報処理装置1を前面側から見た様子を、図1Bは背面側から見た様子を、それぞれ示している。本実施形態に係る情報処理装置1は、例えば携帯型ゲーム機等の可搬型のデバイスであるものとする。
【0023】
これらの図に示されるように、情報処理装置1の筐体10は、全体として略矩形の平板状の形状をしている。以下では、筐体10の横方向(幅方向)をX軸方向、縦方向(高さ方向)をY軸方向とし、厚さ方向(奥行き方向)をZ軸方向とする。また、本実施形態では、筐体10の前面から見て左から右へ向かう方向がX軸正方向、筐体10の前面から見て下から上へ向かう方向がY軸正方向、筐体10の背面から前面へ向かう方向がZ軸正方向となっている。
【0024】
筐体10の前面にはタッチパネル12が設けられている。タッチパネル12は、略矩形の形状をしており、ディスプレイ14と前面タッチセンサ16とを含んで構成されている。ディスプレイ14は、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等、各種の画像表示デバイスであってよい。
【0025】
前面タッチセンサ16は、ディスプレイ14に重ねて配置されており、ディスプレイ14の表示面に対応する形状及び大きさの略矩形の検出面を備えている。そして、本実施形態では、前面タッチセンサ16は、所定の時間間隔で、この検出面上におけるユーザの指やスタイラス等の物体の接触を順次検出する。前面タッチセンサ16は、物体の接触を検出した場合は、その物体の接触位置を検出する。なお、前面タッチセンサ16は、必ずしも物体が検出面に接触した場合だけ物体の位置を検出するのではなく、検出面上の検出可能範囲内まで物体が近接した場合に、当該物体の検出面に対する位置を検出してもよい。また、前面タッチセンサ16は、例えば静電容量式や感圧式、光学式など、検出面上における物体の位置を検出可能なデバイスであれば、どのような方式のものであってもよい。なお、本実施形態では、前面タッチセンサ16は、複数箇所(例えば、最大8箇所)での物体の接触を検知可能な多点検知型タッチセンサであることとする。また、前面タッチセンサ16は、物体の検出面に接触している部分の面積(接触面積)や、物体が検出面を押圧する強さ(圧力)を検出可能なセンサであってもよい。
【0026】
さらに、本実施形態では、筐体10の背面側に、前面タッチセンサ16と対向するように、背面タッチセンサ18が配置されている。また、本実施形態では、背面タッチセンサ18は、筐体10の正面から見て、背面タッチセンサ18の左半分が前面タッチセンサ16の左半分に対向し、背面タッチセンサ18の右半分が前面タッチセンサ16の右半分に対向するように配置されている。この背面タッチセンサ18は、前面タッチセンサ16よりもX軸方向の長さが長く、前面タッチセンサ16よりもY軸方向の長さが短い、略矩形の検出面を備えており、前面タッチセンサ16と同様に、所定の時間間隔で、検出面上における物体の位置を検出する。すなわち、ディスプレイ14の表示面、前面タッチセンサ16の検出面、及び背面タッチセンサ18の検出面は、それぞれ筐体10のXY平面と平行な向きに配置され、筐体10の厚さ方向(Z軸方向)に沿って直線状に並んでいる。本実施形態では、背面タッチセンサ18は、前面タッチセンサ16と同様に、複数箇所での物体の接触を検知可能な多点検知型タッチセンサであることとする。背面タッチセンサ18は、前面タッチセンサ16と同様に各種の方式のものであってよい。なお、前面タッチセンサ16と背面タッチセンサ18とは、互いに対向して配置されていれば、上述のように、背面タッチセンサ18が前面タッチセンサ16よりもX軸方向の長さが長い必要も、背面タッチセンサ18が前面タッチセンサ16よりもY軸方向の長さが短い必要もない。例えば、前面タッチセンサ16と背面タッチセンサ18とが、互いに略同型、略同サイズであっても構わない。
【0027】
また、本実施形態に係る情報処理装置1の前面及び上側面には、ボタン20が設けられている。本実施形態では、情報処理装置1の前面については、ディスプレイ14の左側にそれぞれが上下左右のいずれかの方向に対応付けられる4つのボタン20(方向ボタン群)が設けられており、ディスプレイ14の右側には4つのボタン20が設けられている。また、情報処理装置1の上側面には、左右に2つのボタン20が配置されている。
【0028】
図2は、図1A及び図1Bに示す情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す構成図である。図2に示すように、情報処理装置1は、既に説明した、ディスプレイ14、前面タッチセンサ16、背面タッチセンサ18、ボタン20、の他に、制御部22、記憶部24、通信部26、光ディスク読み取り部28、スピーカ30、入力インタフェース32、方向検出部34、を含んで構成されている。そして、本実施形態では、ディスプレイ14、制御部22、記憶部24、通信部26、光ディスク読み取り部28、スピーカ30、入力インタフェース32が、内部バス36を介して接続されている。
【0029】
制御部22は、例えばCPU等であって、記憶部24に格納されているプログラムに従って、各種の情報処理を実行する。記憶部24は、例えばRAMやROM等のメモリ素子や、ディスクデバイスなどであって、制御部22によって実行されるプログラムや各種のデータを格納する。また、記憶部24は、制御部22のワークメモリとしても機能する。通信部26は、例えば、ネットワークインタフェースなど(具体的には、例えば、無線LANモジュール)であり、制御部22から入力される指示に従って、他の情報処理装置1や、インターネット上のサーバ(図示せず)などへ情報を送信する。また、この通信部26は、受信される情報を制御部22に出力する。光ディスク読み取り部28は、制御部22からの指示に従って、光ディスクに記憶されたプログラムやデータを読み取る。なお、情報処理装置1は、光ディスク以外の他のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータを読み取り可能に構成してもよい。スピーカ30は、制御部22から受け付ける指示に従って、音声を外部に出力する。方向検出部34は、筐体10の向きを検出するセンサである。本実施形態では、方向検出部34は、例えば、重力加速度の向きを検出することができる3軸加速度センサであり、方向検出部34によって筐体10が鉛直方向に対してどのような向きになっているかを検出することができる。方向検出部34は、本実施形態では、所定の時間間隔で、筐体10が鉛直方向に対してどのような向きになっているかを検出する。
【0030】
また、本実施形態では、入力インタフェース32には、前面タッチセンサ16、背面タッチセンサ18、方向検出部34、ボタン20が接続される。そして、前面タッチセンサ16、背面タッチセンサ18、方向検出部34、又は、ボタン20と、制御部22と、の間のデータの授受は入力インタフェース32を介して行われる。
【0031】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置1で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る情報処理装置1は、検出結果受付部40と、把持手判定部42と、左右フラグ保持部44と、ディスプレイ方向判定部46と、領域特定部48と、表示処理実行部50と、を含むものとして機能する。左右フラグ保持部44は、記憶部24を主として実現される。検出結果受付部40は、制御部22、前面タッチセンサ16、背面タッチセンサ18、方向検出部34、を主として実現される。その他の要素は制御部22を主として実現される。これらの要素は、コンピュータである情報処理装置1にインストールされたプログラムを、情報処理装置1の制御部22で実行することにより実現されている。このプログラムは、例えば、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ可読な情報伝達媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信ネットワークを介して情報処理装置1に供給される。
【0032】
ユーザは、本実施形態に係る情報処理装置1の、前面タッチセンサ16や背面タッチセンサ18の検出面上に自分の指を接触させたり、これらの検出面上に指を接触させた状態で指を動かしたりすることによって、情報処理装置1に対する操作入力を行う。また、ユーザは、ボタン20を押下する行うことでも、情報処理装置1に対する操作入力を行うことができるようになっている。
【0033】
また、一般的に、ユーザは、片手又は両手で本実施形態に係る情報処理装置1を把持して、上述の操作入力を行うこととなる。また、ユーザは、情報処理装置1で実行されているアプリケーションプログラムの種類等によっては、本実施形態に係る情報処理装置1を、横向きに把持(短手方向に沿った縁を把持)することもあれば、縦向きに把持(長手方向に沿った縁を把持)することもあると考えられる。また、ユーザは、情報処理装置1を片手で把持するにあたって、左手で把持することもあれば、右手で把持することもあると考えられる。
【0034】
図4Aに、ユーザが情報処理装置1を横向きに左手で把持している様子の一例を示す。図4Bに、ユーザが情報処理装置1を縦向きに左手で把持している様子の一例を示す。図4Cに、ユーザが情報処理装置1を横向きに右手で把持している様子の一例を示す。図4Dに、ユーザが情報処理装置1を縦向きに右手で把持している様子の一例を示す。
【0035】
そして、本実施形態に係る情報処理装置1では、図4A、図4B、図4C、及び、図4Dに示されているように、ユーザは、情報処理装置1を把持していない方の手の指で前面タッチセンサ16をタッチして、操作入力を行うことができるようになっている。図4A、図4B、図4C、及び、図4Dでは、ユーザは、指で情報処理装置1に対する操作入力を行っているが、スタイラス等で情報処理装置1に対して操作入力を行ってももちろん構わない。そして、本実施形態に係る情報処理装置1では、例えば、ユーザが前面タッチセンサ16をタッチすると、そのタッチされた位置に応じた情報(例えば、タッチされた位置に表示されているアイコンから指を離すことにより実行される処理内容を表す情報)が、そのタッチされた位置に対応付けられるディスプレイ14上の位置に表示されるようになっている。そして、図4A及び図4Bに示すように、情報処理装置1がユーザの左手で把持されている場合には、前面タッチセンサ16のタッチされた位置に対応付けられるディスプレイ14上の位置を基準として、左上の領域に表示対象となる情報が表示されることとなる。一方、図4C及び図4Dに示すように、情報処理装置1がユーザの右手で把持されている場合には、前面タッチセンサ16のタッチされた位置に対応付けられるディスプレイ14上の位置を基準として、右上の領域に表示対象となる情報が表示されることとなる。
【0036】
本実施形態に係る情報処理装置1では、所定の時間間隔で、上述のように背面タッチセンサ18の検出面上における物体の位置を検出するとともに、背面タッチセンサ18により検出された位置に基づいて、ユーザが情報処理装置1を左手で把持しているか右手で把持しているかを推定する。そして、情報処理装置1は、表示すべき情報が存在する際に、その情報をその推定結果に応じたディスプレイ14内の領域に表示する。
【0037】
ここで、本実施形態に係る情報処理装置1で、所定の時間間隔で行われる、ユーザが情報処理装置1を把持している手の判定処理の流れの一例を、図5に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0038】
まず、検出結果受付部40が、方向検出部34から鉛直方向を表すデータを受け付けるとともに、背面タッチセンサ18から検出された少なくとも1つの位置の座標値(X座標値及びY座標値)を受け付ける(S101)。そして、把持手判定部42が、Y座標値が小さいものから順にS101に示す処理で受け付けた位置の座標値を並べたリストを生成する(S102)。そして、把持手判定部42は、S101に示す処理で受け付けた座標値の数を確認する(S103)。
【0039】
そして、S103に示す処理で確認された座標値の数が1、又は、5以上である場合は、把持手判定部42は、後述する平均座標法により、左右フラグ保持部44に保持される左右フラグの値(「右」又は「左」)を決定する(S104)。S103に示す処理で確認された座標値の数が2である場合は、把持手判定部42は、後述するベクトル傾き法により、左右フラグ保持部44に保持される左右フラグの値を決定する(S105)。S103に示す処理で確認された座標値の数が3又は4である場合は、把持手判定部42は、後述するベクトル外積法により、左右フラグ保持部44に保持される左右フラグの値を決定する(S106)。
【0040】
そして、把持手判定部42は、S104〜S106のいずれかの処理で決定された値が設定された左右フラグを位置座標の検出日時に関連付けて左右フラグ保持部44に保持させる(S107)。
【0041】
なお、本処理例では、S103に示す処理で確認された座標値の数が0である場合は、左右フラグは判定不可であると決定する(S108)。この場合は、左右フラグ保持部44に左右フラグが保持されない。
【0042】
そして、S107又はS108に示す処理が終了したら、把持手判定部42は、左右フラグ保持部44に保持されている左右フラグのうちから、関連付けられている判定日時が新しいものから順に所定数(例えば、15個)を抽出して、設定されている値が「左」である左右フラグが、設定されている値が「右」である左右フラグよりも多い場合は、ユーザにより情報処理装置1が把持されている手を左と判定し、そうでない場合は、ユーザにより情報処理装置1が把持されている手を右と判定する(S109)。
【0043】
このようにして、本実施形態では、所定の時間間隔で、情報処理装置1が把持されている手が左であるか右であるかの推定が行われる。
【0044】
ここで、上述のS104〜S106に示した左右フラグの値の判定方法の詳細について説明する。
【0045】
まず、上述のS104に示した平均座標法の詳細について説明する。図6Aは、S103に示す処理で確認された座標値の数が1である場合における平均座標法の説明図である。図6Bは、S103に示す処理で確認された座標値の数が5以上(図6Bの例では5)である場合における平均座標法の説明図である。
【0046】
平均座標法では、まず、ディスプレイ方向判定部46が、上述のS101に示す処理で方向検出部34から受け付けたデータが表す鉛直方向をXY平面の射影した方向と、X軸方向と、がなす鋭角の角度を特定する。そして、ディスプレイ方向判定部46は、この角度が45度以上である場合に、情報処理装置1が横向きに把持されていると判定し、そうでない場合に、情報処理装置1が縦向きに把持されていると判定する。なお、図6A及び図6Bの例では、情報処理装置1が横向きに把持されていると判定されたこととする。
【0047】
図4B又は図4Dに示すように、情報処理装置1が縦向きに把持されている場合は、X軸方向が鉛直方向を向く可能性が高い。逆に、図4A又は図4Cに示すように、情報処理装置1が横向きに把持されている場合は、Y軸方向が鉛直方向を向く可能性が高い。このことから、上述のように、本実施形態における平均座標法では、鉛直方向とX軸方向とのなす角度に基づいて、情報処理装置1が縦向きに把持されているか横向きに把持されているかが判定されることとなる。
【0048】
そして、把持手判定部42は、S103に示す処理で確認された座標値の数が1(図6Aの例では、座標値は(x0,y0))である場合には、その座標値のうちのX座標値x0と、背面タッチセンサ18の中心(座標値は(xc,yc))のX座標値xcとの差分(x0−xc)が0又は正であるか、負であるかを判定する。
【0049】
また、把持手判定部42は、S103に示す処理で確認された座標値の数が5以上(図6Bの例では、それぞれの座標値は(x0,y0)、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4))である場合には、それらの座標値が表す位置群の重心(座標値は(xa,ya)。なお、xa=(x0+x1+x2+x3+x4)/5,ya=(y0+y1+y2+y3+y4)/5))のX座標値xaと、背面タッチセンサ18の中心のX座標値xcとの差分(xa−xc)が0又は正であるか、負であるかを判定する。
【0050】
そして、把持手判定部42は、情報処理装置1が横向きに把持されていると判定された際に、(x0−xc)の値や(xa−xc)の値が0又は正である場合は、上述の左右フラグの値を「右」と特定し、負である場合は、上述の左右フラグの値を「左」と特定する。一方、把持手判定部42は、情報処理装置1が縦向きに把持されていると判定された際に、(x0−xc)の値や(xa−xc)の値が0又は正である場合は、上述の左右フラグの値を「左」と特定し、負である場合は、上述の左右フラグの値を「右」と特定する。図6Aの例では、(x0−xc)の値は負であるので、上述の左右フラグの値は「左」と特定される。図6Bの例では、(xa−xc)の値は正であるので、上述の左右フラグの値は「右」と特定される。
【0051】
上述のように、本実施形態では、平均座標法において、検出された位置、又は、検出された位置の重心の位置が、筐体10の正面から見て背面タッチセンサ18の中心よりも左にあるか右にあるかにより、左右フラグの値を特定している。
【0052】
また、本実施形態における平均座標法では、情報処理装置1が横向きに把持されている場合には、情報処理装置1が左手で把持されると、図4Aに示すように、検出された位置、又は、検出された位置の重心の位置が、筐体10の正面から見て背面タッチセンサ18の中心よりも左にある可能性が高いという考えのもと、(x0−xc)や(xa−xc)が負である場合に左右フラグの値が「左」であると判定される。一方、右手で把持されると、図4Cに示すように、検出された位置、又は、検出された位置の重心の位置が、筐体10の正面から見て背面タッチセンサ18の中心よりも右にある可能性が高いという考えのもと、(x0−xc)や(xa−xc)が0又は正である場合に左右フラグの値が「右」であると判定される。
【0053】
逆に、情報処理装置1が縦向きに把持されている場合には、情報処理装置1が左手で把持されると、図4Bに示すように、検出された位置、又は、検出された位置の重心の位置が、背面タッチセンサ18の中心よりも右にある可能性が高いという考えのもと、(x0−xc)や(xa−xc)が0又は正である場合に左右フラグの値が「左」であると判定される。一方、情報処理装置1が右手で把持されると、図4Dに示すように、検出された位置、又は、検出された位置の重心の位置が、背面タッチセンサ18の中心よりも左にある可能性が高いという考えのもと、(x0−xc)や(xa−xc)が負である場合に左右フラグの値が「左」であると判定される。
【0054】
次に、上述のS105に示したベクトル傾き法について説明する。図6Cは、ベクトル傾き法の説明図である。
【0055】
ここでは、上述のS102に示す処理で生成されたリストを構成する2つの座標値を、それぞれ、(x0,y0)、(x1,y1)とする(y0<y1)。ベクトル傾き法では、把持手判定部42は、x1−x0の値が正又は0である場合に、上述の左右フラグの値を「右」と特定し、そうでない場合に、上述の左右フラグの値を「左」と特定する。図6Cの例では、x1−x0の値は負となるので、上述の左右フラグの値は「左」と特定される。
【0056】
本実施形態におけるベクトル傾き法では、情報処理装置1が左手で把持されると、検出された2つの位置が筐体10の正面から見て左上から右下に向かって並ぶ可能性が高い(特に、人差し指が、上側面のボタン20に触れている場合にはその可能性が高い)という考えのもと、x1−x0の値が負である場合に左右フラグの値が「左」であると判定される。逆に、情報処理装置1が右手で把持されると、検出された2つの位置が筐体10の正面から見て右上から左下に向かって並ぶ可能性が高い(特に、人差し指が、上側面のボタン20に触れている場合にはその可能性が高い)という考えのもと、x1−x0の値が0又は正である場合に左右フラグの値が「右」であると判定される。
【0057】
次に、上述のS105に示したベクトル外積法について説明する。図6Dは、S103に示す処理で確認された座標値の数が3である場合におけるベクトル外積法の説明図である。図6Eは、S103に示す処理で確認された座標値の数が4である場合におけるベクトル外積法の説明図である。
【0058】
本実施形態におけるベクトル外積法では、S103に示す処理で確認された座標値の数が3である場合は(ここでは、上述のS102に示す処理で生成されたリストを構成する3つの座標値を、それぞれ、(x0,y0)、(x1,y1)、(x2,y2)とする(y0<y1<y2)。)、把持手判定部42は、ベクトル(x1−x0,y1−y0)とベクトル(x2−x0,y2−y0)との外積の値が正又は0である場合に、上述の左右フラグの値を「左」と特定し、そうでない場合に、上述の左右フラグの値を「右」と特定する。図6Dの例では、ベクトル(x1−x0,y1−y0)とベクトル(x2−x0,y2−y0)との外積の値が正であるので、上述の左右フラグの値は「左」と特定される。
【0059】
S103に示す処理で確認された座標値の数が4である場合は(ここでは、上述のS102に示す処理で生成されたリストを構成する4つの座標値を、それぞれ、(x0,y0)、(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)とする(y0<y1<y2<y3)。)、把持手判定部42は、ベクトル((x1+x2)/2−x0,(y1+y2)/2−y0)とベクトル(x3−x0,y3−y0)との外積の値が正又は0である場合に、上述の左右フラグの値を「左」と特定し、そうでない場合に、上述の左右フラグの値を「右」と特定する。図6Eの例では、ベクトル((x1+x2)/2−x0,(y1+y2)/2−y0)とベクトル(x3−x0,y3−y0)との外積の値が負であるので、上述の左右フラグの値は「右」と特定される。
【0060】
本実施形態におけるベクトル外積法では、検出された位置が3つである場合は、情報処理装置1が左手で把持されると、これら3つの位置を上から順につなぐと、筐体10の正面から見て右に凸となる可能性が高いという考えのもと、ベクトル(x1−x0,y1−y0)とベクトル(x2−x0,y2−y0)との外積の値が正又は0である場合に左右フラグの値が「左」であると判定される。逆に、情報処理装置1が右手で把持されると、上述の3つの位置を上から順につなぐと、筐体10の正面から見て左に凸となる可能性が高いという考えのもと、ベクトル(x1−x0,y1−y0)とベクトル(x2−x0,y2−y0)との外積の値が負である場合に左右フラグの値が「右」であると判定される。
【0061】
また、本実施形態におけるベクトル外積法では、検出された位置が4つである場合は、情報処理装置1が左手で把持されると、一番上の位置、上から2番目の位置と3番目の位置の中点の位置、一番下の位置を上から順につなぐと、筐体10の正面から見て右に凸となる可能性が高いという考えのもと、ベクトル((x1+x2)/2−x0,(y1+y2)/2−y0)とベクトル(x3−x0,y3−y0)との外積の値が正又は0である場合に左右フラグの値が「左」であると判定される。逆に、情報処理装置1が右手で把持されると、一番上の位置、上から2番目の位置と3番目の位置の中点の位置、一番下の位置を上から順につなぐと、筐体10の正面から見て左に凸となる可能性が高いという考えのもと、ベクトル((x1+x2)/2−x0,(y1+y2)/2−y0)とベクトル(x3−x0,y3−y0)との外積の値が負である場合に左右フラグの値が「右」であると判定される。
【0062】
そして、本実施形態では、タッチパネル12に含まれるディスプレイ14に表示されている画像をユーザが指やスタイラスでタッチすると、前面タッチセンサ16によりその位置が検出されて、その画像に応じた情報(例えば、その画像が示す内容を表す情報)がディスプレイ14に表示される。このとき、情報が表示される位置は、前面タッチセンサ16による検出位置、及び、上述のS101〜S109に示す処理での最近の判定結果、に応じて変化する。
【0063】
ここで、本実施形態に係る情報処理装置1で行われる前面タッチセンサ16がタッチされた際の情報の表示処理について説明する。
【0064】
まず、領域特定部48が、前面タッチセンサ16から検出された位置の座標値(X座標値及びY座標値)を受け付ける。そして、領域特定部48は、その検出位置に重なるディスプレイ14上の位置の座標値(例えば、その検出位置と同一のX座標値及びY座標値)を特定する。ここでは、特定された位置の座標値を(xq,yq)とする。また、情報処理装置1が横向きに把持された場合における、ディスプレイ14の左下隅の座標値を(x0,y0)、ディスプレイ14の右下隅の座標値を(x1,y1)、ディスプレイ14の左上隅の座標値を(x2,y2)、ディスプレイ14の右上隅の座標値を(x3,y3)とする。
【0065】
そして、上述のS101〜S109に示した処理の最新の判定結果が左である場合には、領域特定部48は、座標値(x1,y1)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を禁止領域52として特定し、座標値(x2,y2)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を第1の優先領域54−1として特定し、座標値(x0,y0)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を第2の優先領域54−2として特定し、座標値(x3,y3)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を第3の優先領域54−3として特定する。図7Aに、上述のS101〜S109に示した処理の最新の判定結果が右である場合における禁止領域52及び優先領域54の一例を示す。図7Aでは、禁止領域52が斜線で示されている。
【0066】
一方、上述のS101〜S109に示した処理の最新の判定結果が右である場合には、領域特定部48は、座標値(x0,y0)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を禁止領域52として特定し、座標値(x3,y3)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を第1の優先領域54−1として特定し、座標値(x1,y1)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を第2の優先領域54−2として特定し、座標値(x2,y2)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域を第3の優先領域54−3として特定する。図7Bに、上述のS101〜S109に示した処理の最新の判定結果が左である場合における禁止領域52及び優先領域54の一例を示す。図7Bでは、禁止領域52が斜線で示されている。
【0067】
このようにして、本実施形態では、背面タッチセンサ18による検出位置に基づいて、座標値(x1,y1)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域、及び、座標値(x0,y0)で示される位置と座標値(xq,yq)で示される位置とを対角線上の互いに向かい合う頂点とする矩形領域、のうちの一方が、禁止領域52として特定されることとなる。
【0068】
そして、表示処理実行部50が、表示すべき情報を、ディスプレイ14の第1の優先領域54−1内に表示出力させる。なお、ここで、表示処理実行部50は、所定の規則に従って、第1の優先領域54−1に情報を表示させるか否かを判断するようにしてもよい。表示処理実行部50は、例えば、第1の優先領域54−1内に既に表示されている情報が存在する場合には、第1の優先領域54−1内に情報を表示しないと決定し、表示すべき情報を第2の優先領域54−2内に表示出力させるようにしてもよい。また、表示処理実行部50は、同様に、例えば、第2の優先領域54−2内にも既に表示されている情報が存在する場合には、情報を表示しないと決定し、表示すべき情報を第3の優先領域54−3内に表示出力させるようにしてもよい。また、表示処理実行部50は、表示すべき情報が複数存在する場合に、これらの情報を、それぞれ、第1の優先領域54−1内、及び、第2の優先領域54−2内に表示出力させるようにしてもよい。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、背面タッチセンサ18による検出位置に基づいて、情報処理装置1が左手で把持されていると判断された際には、前面タッチセンサ16を操作する右手によって隠れる可能性の高いディスプレイ14の右下の領域が禁止領域52として設定され、情報処理装置1が右手で把持されていると判断された際には、前面タッチセンサ16を操作する左手によって隠れる可能性の高いディスプレイ14の左下の領域が禁止領域52として設定される。そして、本実施形態では、ディスプレイ14内の禁止領域52外の領域に、表示対象の情報が表示されるので、ユーザにとって見えにくい位置に表示対象の情報が表示されることを防ぐことができることとなる。
【0070】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0071】
例えば、背面タッチセンサ18で検出された座標値の数と、左右フラグの値の判定方法との対応関係は上述のものには限定されない。例えば、把持手判定部42は、2つ以上の判定方法による判定結果の組合せに基づいて、左右フラグの値を決定するようにしてもよい。具体的には、例えば、背面タッチセンサ18で検出された座標値の数が2である場合に、把持手判定部42は、上述のベクトル傾き法により特定される左右フラグの値と、これら2つの座標値の中点がディスプレイ14の中心より左にあるか右にあるかに基づく上述の平均座標法により特定される左右フラグの値と、が一致する場合に、その値を左右フラグの値として決定し、そうでない場合は、判定不可であると決定するようにしてもよい。
【0072】
また、禁止領域52の設定方法は上述の実施形態には限定されない。例えば、ディスプレイ14内の所定の2つの領域が禁止領域52の候補として予め設定されていてもよい。より具体的には、例えば、ディスプレイ14の左下隅を中心とする所定の半径の四分の一円、及び、ディスプレイ14の右下隅を中心とする所定の半径の四分の一円、が禁止領域52の候補として予め設定されていてもよい。そして、領域特定部48は、上述のS101〜S109に示した処理の最新の判定結果が左である場合は、右側の禁止領域52の候補を禁止領域52として特定し、上述のS101〜S109に示した処理の最新の判定結果が右である場合は、左側の禁止領域52の候補を禁止領域52として特定するようにしてもよい。
【0073】
また、例えば、把持手判定部42は、背面タッチセンサ18で検出された座標値の数が6以上である場合は、情報処理装置1は、両手で把持されていると判定するようにしてもよい。このときは、領域特定部48が、ディスプレイ14内に禁止領域52を設定せず、ディスプレイ14を上中下の3つの領域に分割した各領域を上から順に、第1の優先領域54−1、第2の優先領域54−2、第3の優先領域54−3として特定するようにしてもよい。
【0074】
また、把持手判定部42は、左右フラグの値を背面タッチセンサ18で検出された座標値(又は、背面タッチセンサ18で検出された複数の位置の重心の座標値)に関連付けて左右フラグ保持部44に保持させるようにしてもよい。そして、情報処理装置1が、上述の平均座標法により左右フラグの値を判定する際に、値が「左」である左右フラグに関連付けられているX座標値の平均値が、値が「右」である左右フラグに関連付けられているX座標値の平均値よりも、小さい場合には、情報処理装置1が横向きに把持されていると判定し、そうでない場合には、情報処理装置1が縦向きに把持されていると判定するようにしてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態のように、把持手判定部42は、上述のS104〜S107での過去の判定結果の履歴に基づいて情報処理装置1が把持されている手を判定する必要はなく、背面タッチセンサ18の最新の検出位置に基づいて、情報処理装置1が把持されている手を判定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理装置、10 筐体、12 タッチパネル、14 ディスプレイ、16 前面タッチセンサ、18 背面タッチセンサ、20 ボタン、22 制御部、24 記憶部、26 通信部、28 光ディスク読み取り部、30 スピーカ、32 入力インタフェース、34 方向検出部、36 内部バス、40 検出結果受付部、42 把持手判定部、44 左右フラグ保持部、46 ディスプレイ方向判定部、48 領域特定部、50 表示処理実行部、52 禁止領域、54 優先領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、
前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて、それぞれ前記表示部の一部を占める左右に配置された2つの領域のうちの一方を禁止領域として特定し、
表示対象となる情報を、前記表示部内の前記禁止領域外の領域に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示部の短手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、前記表示部の長手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、によって、前記背面タッチセンサによる検出位置と、前記2つの領域のうちから特定される前記禁止領域と、の対応関係が逆転する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が、前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在するか、前記前面タッチセンサの右半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在するか、に基づいて前記2つの領域のうちの一方を前記禁止領域として特定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記背面タッチセンサによる1の検出位置が前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在する場合に前記2つの領域のうちの左側の領域を前記禁止領域として特定し、そうでない場合に前記2つの領域のうちの右側の領域を前記禁止領域として特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示部の方向を検出する方向検出部、をさらに備え、
前記制御部は、
前記方向検出部による検出結果に基づいて、前記表示部の長手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、前記表示部の短手方向が鉛直方向に沿った方向であるか、を判定し、
前記表示部の短手方向が鉛直方向に沿った方向であると判定される際には、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在する場合に前記2つの領域のうちの左側の領域を前記禁止領域として特定し、そうでない場合に前記2つの領域のうちの右側の領域を前記禁止領域として特定し、
前記表示部の長手方向が鉛直方向に沿った方向であると判定される際には、前記背面タッチセンサによる1の検出位置が前記前面タッチセンサの左半分に対向する前記背面タッチセンサ内の領域内に存在する場合に前記2つの領域のうちの右側の領域を前記禁止領域として特定し、そうでない場合に前記2つの領域のうちの左側の領域を前記禁止領域として特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記前面タッチセンサによる検出位置に基づいて、前記2つの領域の位置を決定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記前面タッチセンサによる検出位置の左下に位置する前記表示部内の領域を、前記2つの領域のうちの左側の領域として決定し、前記前面タッチセンサによる検出位置の右下に位置する前記表示部内の領域を前記2つの領域のうちの右側の領域として決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、表示対象となる情報が複数存在し、当該複数の情報が順序付けられている場合に、前記表示部内の前記禁止領域外の領域を分割した複数の順序付けられた領域内に、前記順序付けられた複数の情報を、情報の順序と領域の順序とが対応するよう分割された各領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて、それぞれ前記表示部の一部を占める左右に配置された2つの領域のうちの一方を禁止領域として特定し、
表示対象となる情報を、前記表示部内の前記禁止領域外の領域に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、を備える情報処理装置に、
それぞれ前記表示部の一部を占める、左右に配置された2つの禁止領域のうちの一方を、前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて特定する手順と、
表示対象となる情報を、前記表示部内の特定された禁止領域外である領域に表示させる手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
表示部と、前記表示部に重ねて配置されている、検出面上における物体の位置を検出する前面タッチセンサと、前記前面タッチセンサに対向して配置される、検出面上における物体の位置を検出する背面タッチセンサと、を備える情報処理装置に、
それぞれ前記表示部の一部を占める、左右に配置された2つの禁止領域のうちの一方を、前記背面タッチセンサによる少なくとも1つの検出位置に基づいて特定する手順と、
表示対象となる情報を、前記表示部内の特定された禁止領域外である領域に表示させる手順と、
を実行させることを特徴とするプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2012−243066(P2012−243066A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112157(P2011−112157)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】