説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】センサを用いずに、タッチパネルへのユーザのタッチ情報に基づいて3D表示と2D表示の切り替えを可能にする技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置であって、画像を表示するための表示部と、前記表示部に、単一画像を用いた2D表示、または、右目用画像と左目用画像との視差画像を用いた3D表示を行わせる表示制御手段と、前記表示部の表面に設けられ、ユーザからのタッチ操作の入力を受け付けるタッチパネルと、前記タッチ操作に応じた処理を実行する処理手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示部で前記3D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、該表示部における表示を前記2D表示に切り替え、前記処理手段は、前記表示部で前記2D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作に応じた処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示部上で両眼視差による3D表示を行う表示装置が開発されている。タッチパネルを備えた表示部上で両眼視差による3D表示を行う表示装置に関して、ユーザがメニューを選択する時、あるいは画面に任意の絵を描く時は、ユーザは画面にタッチする必要がある。しかし、ユーザがタッチしたい3D画像上の位置と実際のタッチ面が異なることから、ユーザは立体視された3D画像にタッチしづらい。
特許文献1は、タッチパネルを備えた表示装置として、タッチ操作面への接近を検知するセンサを有し、センサの検知結果に基づいて3D表示と2D表示を切り替えるものを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−280496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が記載する構成では、タッチ操作面への接近を検知するセンサを機器に搭載しなければならない点で構成を簡素化できず、また、センサとタッチパネルとの動作を連携させなければならないという、制御上の負荷も増える。
これに対し本発明は、センサを用いずに、タッチパネルへのユーザのタッチ情報に基づいて3D表示と2D表示の切り替えを可能にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明は、情報処理装置であって、
画像を表示するための表示部と、
前記表示部に、単一画像を用いた2D表示、または、右目用画像と左目用画像との視差画像を用いた3D表示を行わせる表示制御手段と、
前記表示部の表面に設けられ、ユーザからのタッチ操作の入力を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチ操作に応じた処理を実行する処理手段と
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示部で前記3D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、該表示部における表示を前記2D表示に切り替え、
前記処理手段は、前記表示部で前記2D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作に応じた処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、3D表示された画面でユーザがタッチ操作する時の2D表示への切り替えを、センサを用いずにタッチパネルへのユーザのタッチ情報のみを用いて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】発明の実施形態に対応する情報処理装置の構成例を示すブロック図。
【図2】実施形態1にかかわる、表示部105に表示されるメニュー画面の一例を示す図。
【図3】実施形態1にかかわる処理の一例を示すフローチャート。
【図4】実施形態2にかかわる、表示部105に表示される画面の一例を示す図。
【図5】実施形態2にかかわる処理の一例を示すフローチャート。
【図6】実施形態2にかかわる2D表示から3D表示への切り替えを制御するための情報を登録するデータテーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は、本発明の各実施形態を適用可能な情報処理装置100の構成の一例を示す。図1に示されるように、情報処理装置100は、一般的なパーソナルコンピュータを用いて構成可能なものである。
【0009】
図1において、内部バス107に対してCPU101、ハードディスクドライブ(HDD)102、メモリ103、表示制御部104、タッチ入力部106が接続される。内部バス107に接続される各部は、内部バス107を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
【0010】
ハードディスク102は、画像データやその他のデータ、CPU101が動作するための各種プログラムなどが格納される。当該プログラムには、本実施形態に対応する処理プログラムも含まれる。メモリ103は、例えばRAMからなるCPU101は、例えばハードディスク102に格納されるプログラムに従い、メモリ103をワークメモリとして用いて、この情報処理装置100の各部を制御する。なお、CPU101が動作するためのプログラムは、ハードディスク102に格納されるのに限られず、例えば図示されないROMに予め記憶しておいてもよい。
【0011】
表示制御部104は、表示部105に対して画像を表示させるための表示信号を出力する。例えば、表示制御部104に対して、CPU101がプログラムに従い生成した表示制御信号が供給される。表示制御部104は、この表示制御信号に基づき表示信号を生成して表示部105に対して出力する。例えば、表示制御部104は、CPU101が生成する表示制御信号に基づき、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面を表示部105に対して表示させる。
【0012】
タッチ入力部106はタッチパネルを有し、ユーザのタッチ操作を受け付け、操作に応じた制御信号を生成し、CPU101に供給する。なお、タッチパネルは、例えば平面的に構成された入力部に対して接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。CPU101は、入力デバイスに対してなされたユーザ操作に応じてタッチ入力部106で生成され供給される制御信号に基づき、プログラムに従いこの情報処理装置100の各部を制御する。これにより、情報処理装置100に対し、ユーザ操作に応じた動作を行わせることができる。
【0013】
なお、タッチ入力部106と表示部105とを一体的に構成することができる。例えば、タッチパネルを光の透過率が表示部105の表示を妨げないように構成し、表示部105の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネルにおける入力座標と、表示部105上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが表示部105上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。
【0014】
CPU101はタッチパネルへの以下の操作を検出できる。
・タッチダウン:タッチパネルへの指やペンによる接触
・タッチオン:タッチパネルへの指やペンによる接触が継続している状態
・ムーブ:タッチパネルへの指やペンによる接触を維持したまま、接触位置が移動すること
・タッチアップ:タッチパネルへの指やペンによる接触の解除
・タッチオフ:タッチパネルに何も接触していない状態
これらの操作や、タッチパネル上に指やペンが触れている位置座標は内部バス107を通じてCPU101に通知され、CPU101は通知された情報に基づいてタッチパネル上にどのような操作が行なわれたかを判定する。ムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向につき、位置座標の変化に基づいてタッチパネル上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。
【0015】
またタッチパネル上をタッチダウンから一定のムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作を「フリック」と呼ぶ。フリックは、タッチパネル上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でムーブしたことが検出された場合はドラッグが行なわれたと判定するものとする。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。
【0016】
[実施形態1]
実施形態1では、図2(a)及び(b)に示すような表示の切り替えを行う場合を説明する。なお、図2に示す表示内容は、あくまで一例であって発明の実施形態が図2に示す内容に限定されるものではない。図2は説明の簡単のために、あえて分かりやすいメニュー画面を例として記載したものである。
【0017】
図2(a)に示されるように、ユーザが表示部105を視認する段階では、複数のボタンで構成されるメニュー画面を立体視差画像を使って3D表示する。なお、3D画像の表示方法は右目用画像と左目用画像とを重ねて表示することで観察者に視差を与える、といった公知の技術を用いればよい。そして、ユーザがタッチ操作する段階では、図2(b)のようにメニュー画面を2D表示に切り替える。2D表示への切り替えは、3D表示用の右目用画像及び左目用画像のうち、いずれか一方のみを表示するようにすることで実施できる。CPU101はタッチ入力部106からの情報に基づいて表示形式を3D表示または2D表示に決定し、表示制御部104を制御する。
【0018】
次に、実施形態1における表示部105おける画面の表示形式の2D-3D切替処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。当該フローチャートに対応する処理は、ハードディスクに格納された対応する処理プログラムをメモリ103に読み出してCPU101が実行し、表示制御部104を制御することで実現できる。
【0019】
S301(ステップ1)で、新たな画面切り替えによって表示形式の判定が開始されると、S302では表示制御部104は、右目用画像と左目用画像とを用いて図2(a)のような3D画像を表示部105に表示させる。3D画像が表示部105に表示されると、S303でディスプレイオフ用タイマがリセットされ、ディスプレイオフ用タイマが開始される。ディスプレイオフとは、省電のために、表示部105の表示機能を停止することを意味する。CPU101は、S304でディスプレイオフ用タイマが所定時間経過したか否かを判定する。S304でディスプレイオフ用タイマが所定時間経過したと判定された場合、S305でディスプレイオフ用のタイマを停止し、S306で表示部105の表示を消しディスプレイオフを行う。S302からS306の流れは、表示部105に3D表示が行われていたものの、所定時間内においてユーザからのタッチ操作(タッチダウン)が無かったので、省電力のために表示部105における表示を消した、というものである。ディスプレイオフ後は、S307でタッチダウンの検知を行う。S307でタッチダウンが検知されると、再びS302に戻り、表示制御部104によって3D画像が表示部105に表示される。即ち、表示部105における表示が停止している場合でも、タッチパネルに触れるだけで表示を再開できる。
【0020】
一方S304でディスプレイオフ用タイマが所定時間経過していないと判断される場合は、S308でCPU101はタッチダウンの検知を行う。S308でタッチダウンが検知されない場合には、再びS304の判定を行う。S308でタッチダウンが検知されると、S309でディスプレイオフ用のタイマを停止する。これは、タッチダウンが行われた場合にはユーザからの入力を受け付けることになるので、入力途中で表示が消えるのを防止するためである。なお、S308における判定では、タッチパネル上のどの位置でタッチダウンが行われたかは考慮しなくてよい。3D表示状態で、タッチパネル上のいずれかの位置で接触が検知されればタッチダウンがあったと判定する。S310では表示制御部104によって、単一画像を表示して図2(b)のような2D画像が表示部105に表示される。2D表示のための単一画像には、右目用画像と左目用画像とのいずれかを用いればよい。
【0021】
2D画像が表示部105に表示されると、CPU101はS311でタッチアップを判定する。タッチアップを検知すると、CPU101はS312で3D切り替え用タイマをリセットし、3D切り替え用タイマを開始する。3D切り替え用タイマが開始されると、CPU101はS313でタッチオンの判定を行う。ここでのタッチオンの判定には、タッチダウンの判定も含まれる。即ち、タッチダウンが検出された後、連続してタッチダウンが検出されている場合にタッチオンと判定できる。タッチオンが検知されると、S314で3D切り替え用タイマを停止し、S315でタッチ位置に応じた処理を行う。即ち、ここではタッチパネル上のどの位置でタッチが検出されたかを考慮する。S315で実行される処理には、例えば、メニュー画面に表示されたいずれかのボタンの選択、及び、選択されたボタンに割り当てられた機能の実行等が含まれる。ボタンに割り当てられる機能には、所定のアプリケーションプログラムの実行が含まれる。これにより例えば、カメラ、電子メール、メモ作成、音楽やムービー、写真の再生、ウェブブラウザを介したネットワークへの接続などの機能を実行できる。その他、ムーブが検出されている場合には、ムーブに併せて、例えば表示されているムービーの早送り、巻戻しをしたり、表示されている写真を切り替えたりしてもよい。以上の例に限らず、S315で実行される処理には、タッチパネル上で行ったユーザ操作と関連づけが可能な機能の実行であれば、どのようなものを含んでもよい。
【0022】
また、S316でCPU101はタッチアップの判定を行い、タッチアップが検知されるまで処理を繰り返す。タッチアップが検知されると、S317でCPU101は、S315での処理によって画面が切り替わったか否かを判定する。この画面の切替は、アプリケーションの起動、終了、メニュー画面の表示などに基づいて判定することができる。例えばS315の処理において所定のアプリケーションを実行するボタンが選択され、当該アプリケーションが実行されたことに起因する場合が考えられる。
【0023】
画面が切り替わった場合には、新たに切り替わった画面において、S302で表示制御部104が3D画像を表示部105に表示する。画面が切り替わっていない場合には、S312で再び3D切り替え用タイマ時間をリセットし、3D切り替え用タイマを開始する。
【0024】
S313でタッチオンが検出されない場合、CPU101はS318で3D切り替え用タイマが一定時間経過したかどうかの判定を行う。3D切り替え用タイマが一定時間経過していない場合は、CPU101は再びS313でタッチオンの判定を行う。3D切り替え用タイマが一定時間経過している場合は、再びS302で表示制御部104によって図2(a)のような3D画像が表示部105に表示される。3D切り替え用のタイマを用いることで、タッチしていない状態でも一定時間2D表示されるため、操作中に画面が頻繁に切り替わることを防ぐことができる。なお、ディスプレイオフ用タイマと3D切り替え用タイマとに設定される時間は、実施の形態に応じてそれぞれ独立に設定することができる。ディスプレイオフ用タイマは3D表示下で用いられ、3D切り替え用タイマは2D表示下で用いられるので、互いに同一時間であっても異なっていても、発明の実施に大きな影響を与えるものではない。
【0025】
以上の実施形態1によれば、3D表示状態において任意の位置でタッチ操作が検出された場合には2D表示に切り替えて表示を行い、ユーザからのさらなるタッチ操作を受け付けて、受け付けたタッチ操作に応じた処理を実行することができる。また、2D表示から3D表示への復帰は、ユーザからのタッチ操作を受け付けない時間が一定時間を超えた場合に行われる一方、2D表示が行われている間は表示が停止されることはないので、ユーザはストレスなく操作入力を行うことができる。
【0026】
[実施形態2]
次に、実施形態2では、2D表示から3D表示に自動で切り替えるか否かの設定を、画面ごとに設定可能とする場合を説明する。さらに、2D表示から3D表示に自動で切り替える場合に、3D切り替え用のタイマの設定時間を画面ごとに設定可能とする場合を説明する。
【0027】
例えば、図4(a)のように動画や静止画を再生する画面では、3D表示に自動で切り替えることなく、2D表示を続ける。この時、ユーザ操作による3D表示への切り替え指示や、画面切り替えの指示を新たに受け付けると、3D表示に切り替わる。また、図4(b)のような操作ボタンが配列されたメニュー画面では、一定時間2D表示した後、3D表示に自動で切り替える。また、図4(c)は画像401上にユーザが指402によって任意の絵403を描く描画画面であるが、ここでは、ユーザが画面から指402を離して考える時間が必要であるため、3D切り替え用のタイマ時間を長く設定する。
【0028】
このように3D切り替え用タイマの設定時間を表示される内容の種別に応じて設定可能にすることで、ユーザが長い間2D表示する必要がある画面で頻繁に画面が切り替わることがなくなり、操作性の向上が図れ、ユーザに不要なストレスを与えることがなくなる。
【0029】
以下では、実施形態2における表示部105おける画面の表示形式の2D-3D切替処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。当該フローチャートに対応する処理は、ハードディスクに格納された対応する処理プログラムをメモリ103に読み出してCPU101が実行し、表示制御部104を制御することで実現できる。
【0030】
S501で、新たな画面切り替えによって表示形式の判定が開始されると、S502では表示制御部104は、3D画像を表示部105に表示させる。3D画像が表示部105に表示されると、CPU101はS503でタッチダウンの検知を行う。S503でタッチダウンが検知されると、S504で表示制御部104によって2D画像が表示部105に表示される。なお、S503における判定では、タッチパネル上のどの位置でタッチダウンが行われたかは考慮しなくてよい。3D表示状態で、タッチパネル上のいずれかの位置で接触が検知されればタッチダウンと判定する。また、図5では省略しているが、S503とS504の間に、図3のS303からS309に対応するステップを実行してもよい。
【0031】
2D画像が表示部105に表示されると、CPU101はS505でタッチアップの検知を行う。タッチアップが検知されると。CPU101はS506で、表示中の画面が3Dに自動で切り替える画面であるか否かを判定する。
【0032】
3D表示に自動で切り替える画面でない場合、CPU101はS507で3D表示に切り替える指示を受け付けたか否かの判定と、S508で画面切替指示を受け付けたか否かの判定を行う。3D表示への画面切替指示は、例えば画面上に切替ボタンを表示しておき、当該ボタンに対する操作を検出することで受け付けることができる。S507で3D表示に切り替える指示を受け付けた場合、S502に移行して再び表示制御部104によって3D画像が表示される。また、S507で3D表示に切り替える指示を受け付けない場合でも、S508で画面切り替えの指示を受け付けた場合、新たに切り替わった画面において、S502で表示制御部104が3D画像を表示部105に表示する。なお、画面の切り替えの指示には、例えば、そのときに実行されているアプリケーションの終了指示がある。当該終了指示を受け付けた場合には、メニュー画面を表示することができる。S506で3D表示に自動で切り替える画面であると判定された場合、CPU101はS509で3D切り替え用のタイマ時間を設定し、S510で3D切り替え用のタイマを開始する。
【0033】
S506およびS509では、CPU101はハードディスク102に保持されている、例えば図6のようなテーブル600を参照して、自動切り替え画面を判定し、タイマに設定する時間を決定する。即ちCPU101は、表示部105に2D表示されている画面の種別を判定し、対応する画面種別についてテーブル600から情報を取得し、表示制御部104を制御する。
【0034】
テーブル600は、画面種別601、3D自動切替602、タイマ時間603の情報が登録されている。画面種別601には、「再生画面」、「メニュー画面」、「お絵かき画面」の3種類の画面種別が登録されているが、登録すべき種別はこれらに限定されない。「再生画面」には、ムービーデータ、音楽データ、ゲームデータ、静止画(写真)データなどを再生する画面が含まれる。再生画面か否かの判定は、画面表示を行うために起動しているアプリケーションの種類によっても判定が可能である。即ち、ムービー、音楽、ゲームなどのコンテンツを再生あるいは実行するアプリケーションを起動している場合には、表示されている画面は再生画面と判定することができる。
【0035】
「メニュー画面」には、図4(b)に示すような操作ボタンが配列された画面が含まれる。例えば、画面上に所定の機能が割り当てられたボタンが配列表示されている場合に、メニュー画面と判定することができる。なお、上記のコンテンツを再生するアプリケーションにおいても、このようなメニュー画面が表示される場合には、メニュー画面と判定して3D表示への自動切替の対象画面としてもよい。
【0036】
「お絵かき画面」は、ユーザからの入力に従って、線、文字、図形、オブジェクトなどの描画入力を可能とするアプリケーションを実行した結果の描画画面(例えば、図4(c))である。なお、画面種別は、ユーザが新たに登録してもよい。例えば、特定のアプリケーションについてそれが実行されている間は、自動切替を行いたくない場合に、テーブル600に追加してもよい。
【0037】
画面種別601のそれぞれについて、3D自動切替を許可するか否かの情報(フラグ)が3D自動切替602に登録される。本実施形態では、再生画面では自動切替を許可せず、メニュー画面とお絵かき画面において自動切替を許可する。また、タイマ時間603は、自動切替を行う場合にタイマに設定される時間が登録される。本実施形態ではメニュー画面では10秒、お絵かき画面では30秒に設定されているが、これらの設定時間はユーザが任意に変更してもよい。
【0038】
図5の説明に戻ってS510で3D切り替え用タイマが始動すると、CPU101はS511でタッチオンの判定を行う。ここでのタッチオンの判定には、タッチダウンの判定も含まれる。即ち、タッチダウンが検出された後、連続してタッチダウンが検出されている場合にタッチオンと判定できる。タッチオンが検知されると、CPU101はS513で3D切り替え用タイマを停止し、S514でタッチ位置に応じた処理を行う。即ち、ここではタッチパネル上のどの位置でタッチが検出されたかを考慮する。S514で実行される処理は、例えば、メニュー画面が表示されている場合は、いずれかのボタンの選択受付、及び、選択されたボタンに割り当てられた機能の実行等が含まれる。また、お絵かき画面の場合には、お絵かき入力の受付と、受け付けた入力に対応する描画処理が含まれる。その他、実施形態1と同様にタッチパネル上で行ったユーザ操作と関連づけが可能な機能の実行であれば、どのようなものを含んでもよい。
【0039】
また、CPU101はS515でタッチアップの判定を行い、タッチアップが検知されるまで処理を繰り返す。タッチアップが検知されると、S516でCPU101は、S514での処理によって画面が切り替わったか否かを判定する。画面の切替は、アプリケーションの起動、終了、メニュー画面の表示などに基づいて判定することができる。例えばS514の処理において所定のアプリケーションを実行するボタンが選択され、当該アプリケーションが実行されたことに起因する場合が考えられる。画面が切り替わった場合には、新たに切り替わった画面において、S502で表示制御部104が3D画像を表示部105に表示する。画面が切り替わっていない場合には、S509で再び3D切り替え用タイマ時間を設定する。
【0040】
S511でタッチオンが検出されない場合、CPU101はS512で3D切り替え用タイマが一定時間経過したかどうかの判定を行う。3D切り替え用タイマが一定時間経過していない場合は、再びS511でタッチオンの判定を行う。3D切り替え用タイマが一定時間経過している場合は、S502で表示制御部104によって3D画像が表示される。
【0041】
なお、上述した各実施形態においては、情報処理装置100をパーソナルコンピュータとして実施した場合を例にして説明したが、発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置に適用してもよい。すなわち、メモリカードなどの、デジタルカメラが読み取り可能な記憶媒体に記憶された撮影画像を、デジタルカメラの有する背面液晶装置などのディスプレイにマルチ再生表示する際にも、本発明は適用可能である。さらに、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、プリンタ装置に設けられたディスプレイ、デジタルフォトフレームなど、表示部を備えた装置であれば、本発明は適用可能である。 (その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するための表示部と、
前記表示部に、単一画像を用いた2D表示、または、右目用画像と左目用画像との視差画像を用いた3D表示を行わせる表示制御手段と、
前記表示部の表面に設けられ、ユーザからのタッチ操作の入力を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチ操作に応じた処理を実行する処理手段と
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示部で前記3D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、該表示部における表示を前記2D表示に切り替え、
前記処理手段は、前記表示部で前記2D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作に応じた処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記タッチ操作のタッチパネル上でのタッチ位置にかかわらず、前記3D表示から前記2D表示への切り替えを行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記タッチ操作のタッチパネル上でのタッチ位置に応じて前記処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示部が前記2D表示を行っている場合であって、前記タッチパネルが一定時間を超えて前記タッチ操作を受け付けない場合に、前記表示部における表示を前記2D表示から前記3D表示へ切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理手段はさらに、前記表示部に前記2D表示されている画面の種別に基づいて、前記表示制御手段による前記2D表示から前記3D表示への切替を行わせるか否かを判定し、
前記表示制御手段は、前記処理手段が前記切替を行わせると判定した場合であって、前記タッチパネルが前記一定時間を超えて前記タッチ操作を受け付けない場合に、前記表示部に表示されている前記画面の表示を前記2D表示から前記3D表示へ切り替える
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記一定時間は、前記画面の種別に応じて異なることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画面の種別には、コンテンツの再生画面、メニュー画面、タッチ操作に応じた描画を行う描画画面とが含まれ、
前記処理手段は、前記メニュー画面と前記描画画面とについて前記切替を行わせると判定することを特徴とする請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示部が前記コンテンツの再生画面を表示している場合であって、前記タッチパネルに対する前記タッチ操作に基づく画面の切替指示が行われた場合に、前記表示制御手段は、前記表示部に表示されている前記コンテンツの再生画面の表示を前記2D表示から前記3D表示へ切り替えることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記表示部が前記3D表示を行っている場合であって、前記タッチパネルが所定時間を超えて前記タッチ操作を受け付けない場合に、前記表示部における表示を消すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記表示部が前記2D表示を行っている場合であって、前記表示部に表示されている画面が切り替った場合に、前記表示部における表示を前記2D表示から前記3D表示への切り替えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
画像を表示するための表示部と、前記表示部の表面に設けられ、ユーザからのタッチ操作の入力を受け付けるタッチパネルとを備える情報処理装置の制御方法であって、
前記表示部に、単一画像を用いた2D表示、または、右目用画像と左目用画像との視差画像を用いた3D表示を行わせる表示制御工程と、
前記タッチ操作に応じた処理を実行する処理工程と
を備え、
前記表示制御工程では、前記表示部で前記3D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、該表示部における表示を前記2D表示に切り替え、
前記処理工程では、前記表示部で前記2D表示が行われている間に前記タッチパネルが前記タッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作に応じた処理を実行する
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
画像を表示するための表示部と、前記表示部の表面に設けられユーザからのタッチ操作の入力を受け付けるタッチパネルとを備える情報処理装置を、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の前記表示制御手段と、前記処理手段とを備える情報処理装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−238176(P2012−238176A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106646(P2011−106646)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】