情報処理装置、画像処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体
【課題】クライアント端末及びプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうこと。
【解決手段】印刷出力を決定するアプリケーション104と、オーバーレイ印刷を決定するオーバーレイ指定部151と、画像形成装置2〜4に関する機器情報を取得し、取得した機器情報に基づいてクライアント装置1及び画像形成装置2〜4のいずれかを重畳処理端末として決定する処理機器判断部152とを有することを特徴とする。
【解決手段】印刷出力を決定するアプリケーション104と、オーバーレイ印刷を決定するオーバーレイ指定部151と、画像形成装置2〜4に関する機器情報を取得し、取得した機器情報に基づいてクライアント装置1及び画像形成装置2〜4のいずれかを重畳処理端末として決定する処理機器判断部152とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体に関し、特に印刷出力対象の情報に予め登録された定形情報を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ、書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。このような複合機において、オーバーレイ印刷機能を有するものがある。オーバーレイ印刷機能とは、印刷出力の実行に際して、予め登録されたページの情報を呼び出し、出力ページの情報に重ねて印刷出力を実行する機能である。
【0003】
従来、上述したようなオーバーレイ印刷機能は、プリンタ側で処理されることが多かった。即ち、プリンタに対してクライアント端末が印刷ジョブを送信する際、印刷ジョブ中にオーバーレイ印刷を実行する命令を含む。オーバーレイ印刷の命令を含む印刷ジョブを受信したプリンタは、印刷ジョブに含まれる出力ページと指定されたオーバーレイページとを重ねて印刷を実行する。これにより、オーバーレイ印刷が実行される。
【0004】
このように、オーバーレイ印刷機能がプリンタに依存する場合、オーバーレイ印刷機能のないプリンタではオーバーレイ印刷を実行することができない。このような課題に対して、プリンタに印刷ジョブを入力するクライアント端末側でオーバーレイ印刷に関する処理を実行し、通常の印刷ジョブ(オーバーレイ印刷の命令を含まない印刷ジョブ)としてプリンタに入力する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、印刷ジョブの生成に際して、オーバーレイページと出力ページとをメモリ上に頂上展開して印刷ジョブを生成している。
【0005】
他方、特許文献1に開示されているような方法とオーバーレイ印刷機能を有するプリンタとの両方が使用可能である場合もあり得る。このような場合に、クライアント端末及びプリンタの資源情報に基づき、オーバーレイ処理を実行する端末をクライアント端末及びプリンタのいずれか一方に決定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参章)。特許文献2に開示された技術によれば、オーバーレイ印刷が指示された際に、クライアント端末及びプリンタの資源情報を取得し、取得した資源情報を比較してオーバーレイ処理をクライアント端末及びプリンタのいずれにおいて実行するかを決定する。
【特許文献1】特開2000−99300号公報
【特許文献2】特開2006−259996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示された方法において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合、どのプリンタを比較対象としてオーバーレイ処理の実行端末を判断するかの決定が困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、クライアント端末及びプリンタの両方でオーバーレイ処理が可能である場合において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合に、クライアント端末及び複数のプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理装置であって、前記定形情報を指定し、指示された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部とを有し、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、予め登録された画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、対応するプリンタドライバのインストールされた画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置において、前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を一括して送信することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置において、前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を個別に送信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記機器情報を記憶している機器情報記憶部を更に有し、前記機器情報取得部は、前記機器情報記憶部から前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得し、前記機器情報記憶部は、前記機器情報取得部が取得した前記機器情報を記憶することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置の情報処理能力に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記取得した画像形成装置の情報処理能力に関する情報と前記情報処理装置の情報処理能力とに基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置が実行中の処理に関する情報及び実行予定である処理に関する情報のうち少なくとも一方を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記重畳処理端末決定部は、前記機器情報として前記画像形成装置が単位時間当たりに印刷出力可能な用紙枚数に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記重畳処理端末決定部が前記情報処理装置を前記重畳処理端末として決定した場合に前記重畳処理を実行する重畳処理部を更に有することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13に記載の発明は、印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷を実行可能な画像処理システムであって、前記対象情報の印刷出力を指示する情報処理装置と、前記情報処理装置の指示に応じて前記印刷出力を実行する画像形成装置とを有し、前記情報処理装置は、前記対象情報の印刷出力を決定する印刷出力指示部と、前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記対象情報が描画する画像に前記定形情報が描画する画像を重畳する処理を実行する重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部と、前記印刷出力を前記画像形成装置に実行させるための印刷出力実行命令を生成する実行命令生成部とを有し、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定し、前記実行命令生成部は、前記重畳処理端末決定部の決定結果に応じた前記印刷出力実行命令を生成し、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて前記重畳処理を実行する重畳処理部と、前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて印刷出力を実行する印刷出力部とを有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項14に記載の発明は、印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記対象情報によって描画される画像に前記定形情報によって描画される情報を重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理方法であって、前記対象情報の印刷出力を決定し、前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定し、前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する情報であって前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、前記取得した情報に基づき、前記指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする。
【0022】
また、請求項15に記載の発明は、情報処理プログラムであって、請求項14に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0023】
また、請求項16に記載の発明は、記録媒体であって、請求項15に記載の情報処理プログラムを情報処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、クライアント端末及びプリンタの両方でオーバーレイ処理が可能である場合において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合に、クライアント端末及び複数のプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施形態に係る画像処理システムの運用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システムは、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現されるクライアント装置1と、クライアント装置1から入力される印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行する画像形成装置2〜4とを有する。
【0026】
次に、本実施形態に係るクライアント装置1について説明する。図2は、本実施形態に係るクライアント装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るクライアント装置1は、PC等の情報処理装置を構成する上で一般的に用いられるハードウェア構成を有し、演算部として機能するCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置として情報を処理する領域となるDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ(以下、メモリ)、ROM(Read Only Memory)や不揮発性メモリ並びにHDD(Hard Disk Drive)や光学ディスク等の不揮発性記憶装置及びその他の集積回路等を有する。
【0027】
これらのハードウェア構成において、ROM等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、メモリにロードされ、CPUの制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このように構成されたクライアント装置1は、図2に示すように、コントローラ100、ディスプレイモニタ110、入力デバイス120、フォーム記憶部130及びネットワークI/F140を有する。また、コントローラ100は、表示制御部101、操作制御部102、記憶装置制御部103、アプリケーション104、プリンタドライバ105及び入出力制御部106を有する。更に、プリンタドライバ105は、オーバーレイ指定部151、処理機器判断部152、オーバーレイ処理部153及びコマンド生成部154を有する。
【0028】
ディスプレイモニタ110は、クライアント装置1において情報を表示する表示装置であり、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)モニタ等、既存の表示装置によって実現可能である。入力デバイス120は、キーボードやマウス等、ユーザがクライアント装置1に対して命令を与え、操作するためのユーザインタフェースである。
【0029】
フォーム記憶部130は、オーバーレイ印刷において印刷対象データに重ね合わせるオーバーレイページのフォームの情報、即ち定形情報を記憶している記憶媒体であり、HDD等の不揮発性記憶装置によって構成される。フォーム記憶部130には、複数のオーバーレイページのフォーム情報と夫々のフォーム情報を識別するフォームIDとが関連付けられて記憶されている。即ち、フォーム記憶部130は、定形情報記憶部として機能する。ネットワークI/F140は、クライアント装置1が他の機器と通信する際のインタフェースであり、本実施形態においては、画像形成装置2〜4と通信する際のインタフェースとなる。本実施形態に係るネットワークI/F140は、Ethernet(登録商標)回線のインタフェースやUSB(Univaersal Serial Bus)回線のインタフェースによって構成される。
【0030】
コントローラ100は、上述したようにメモリにロードされてCPUの制御に従って動作するソフトウェアとハードウェアとによって構成される。コントローラ100は、クライアント装置1の動作を制御する制御部として機能する。アプリケーション104は、文書情報を生成、編集するテキストエディタや画像情報を生成、編集する画像編集機能を有するソフトウェア並びに文書情報や画像情報を閲覧するビューワ等である。本実施形態においては、入力デバイス120を介して入力されたユーザの操作情報に基づくアプリケーション104の動作が処理開始のきっかけとなる。即ち、アプリケーション104によって参照される情報が印刷出力すべき対象の情報(対象情報)となり、アプリケーション104は、印刷出力指示部として機能する。
【0031】
表示制御部101は、コントローラ100において、ディスプレイモニタ110を制御してアプリケーション104の状態及びクライアント装置1の状態を表示させる。操作制御部102は、入力デバイス120からユーザによって入力される操作情報をアプリケーション104若しくはプリンタドライバ105に入力する。記憶装置制御部103は、アプリケーション104の動作に基づき、フォーム記憶部130へのオーバーレイページのフォーム情報の記憶若しくはフォーム記憶部130からの情報の読み出しを制御する。入出力制御部106は、ネットワークI/F140を制御してクライアント装置1と他の機器との通信を実行する。
【0032】
プリンタドライバ105は、クライアント装置1においてアプリケーション104から画像形成装置2を動作させるための処理を実行する。オーバーレイ指定部151は、アプリケーション104によって印刷出力対象とされた出力ページに対してオーバーレイ印刷を行なうことを指定する。即ち、オーバーレイ指定部151は、重畳印刷決定部として機能する。オーバーレイ指定部151は、アプリケーション104若しくは操作制御部102から入力される情報に基づき、プリンタドライバ105による印刷ジョブの生成においてオーバーレイ印刷の指定情報を含める。オーバーレイ印刷の指定に際しては、フォーム記憶部130から読み出されたオーバーレイページのフォーム情報が重ね合わせる対象のページとして指定される。
【0033】
処理機器判断部152は、オーバーレイ指定部151によってオーバーレイ印刷が指定された場合に、出力ページとオーバーレイページとを重ね合わせる処理(以降、オーバーレイ処理とする)をクライアント装置1において実行するか、プリンタ2〜4のうち実際に印刷を実行する機器で行なうかを判断する。処理機器判断部152は、上記判断において、入出力制御部106を介して画像形成装置2〜4の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてオーバーレイ処理を実行する機器を判断する。
【0034】
オーバーレイ処理部153は、アプリケーション104によって出力対象とされた出力ページとフォーム記憶部130から読み出されたオーバーレイページとのオーバーレイ処理を実行する。即ち、オーバーレイ処理部153は、重畳処理部として機能する。オーバーレイ処理部153は、処理機器判断部152による判断によって、クライアント装置1がオーバーレイ処理を実行する端末として指定された場合に、上記オーバーレイ処理を実行する。コマンド生成部154は、クライアント装置1が画像形成装置2に対して印刷ジョブを送信する際に、画像形成装置2が認識可能な形式の情報(以降、ラスタデータとする)を生成する。図2に示すように、コマンド生成部154は複数設けられる。これは、画像形成装置2〜4の夫々に対応して設けられるためである。
【0035】
次に、本実施形態に係る画像形成装置2について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置2の構成を示すブロック図である。尚、図3においては、画像形成装置2を例として説明するが、画像形成装置3、4においても同様である。本実施形態に係る画像形成装置2は、クライアント装置1と同様に、CPU、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及びその他の集積回路等、一般的な情報処理装置を構成する上で用いられるハードウェア構成を有する。これらのハードウェア構成とメモリにロードされて動作するプログラムとの連動によって図3に示す各ブロックが実現される。本実施形態に係る画像形成装置2は、コントローラ200、ディスプレイパネル201、フォーム記憶部202、給紙テーブル203、プリントエンジン204、排紙トレイ205及びネットワークI/F206を有する。また、コントローラ200は、主制御部211、エンジン制御部212、画像処理部213、オーバーレイ処理部214、記憶装置制御部215、操作表示制御部216及び入出力制御部217を有する。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
【0036】
ディスプレイパネル201は、画像形成装置2の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置2を直接操作する際の入力インタフェースでもある。フォーム記憶部202は、オーバーレイ印刷において印刷対象データに重ね合わせるオーバーレイページのフォームの情報を記憶している記憶媒体であり、HDD等の不揮発性記憶装置によって構成される。
【0037】
ネットワークI/F206は、画像形成装置2が他の機器と通信する際のインタフェースであり、本実施形態においては、クライアント装置1と通信する際のインタフェースとなる。画像形成装置2のネットワークI/F206は、クライアント装置1と同様に、Ethernet回線のインタフェースやUSB回線のインタフェースによって構成される。コントローラ200は、上述した通りソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。コントローラ100は、画像形成装置2全体を制御する制御部として機能する。
【0038】
主制御部211は、コントローラ200に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ200の各部に命令を与える。エンジン制御部212は、プリントエンジン204を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部217は、ネットワークI/F206を介して入力される印刷ジョブを主制御部211に入力し、若しくはネットワークI/F206を介してクライアント装置1に情報を送信する。操作表示制御部216は、ディスプレイパネル201からユーザによって入力される操作情報を主制御部211に入力し、若しくは主制御部111の命令に従ってディスプレイパネル201に情報表示を行なう。
【0039】
画像処理部213は、主制御部211の制御に従い、印刷ジョブに含まれる情報や図示しないHDDに格納されている蓄積文書等に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、プリントエンジン204が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報であり、ビットマップ情報等が用いられる。オーバーレイ処理部214は、画像形成装置2に入力された印刷ジョブにおいて、オーバーレイ指定が成されている場合、指定されたオーバーレイ処理を実行する。記憶装置制御部215は、主制御部211の制御に従い、フォーム記憶部202への情報の格納及びフォーム記憶部202からの情報の読み出しを制御する。また、記憶装置制御部215は、フォーム記憶部202の他、図示しないHDDへの情報の格納及び読み出しも制御する。
【0040】
画像形成装置2が通常のプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部217がネットワークI/F206を介して印刷ジョブを受信する。主制御部211は、入出力制御部217から印刷ジョブを受信し、画像処理部213に画像処理を実行させる。画像処理部213が主制御部211の命令に従い、印刷ジョブに含まれる画像情報やHDD110に格納されている蓄積文書等に基づいて描画情報を生成する。画像処理部213によって生成された描画情報は、順次図示しないHDDにスプールされる。
【0041】
エンジン制御部212は、主制御部211の制御に従い、給紙テーブル203を駆動して印刷用紙をプリントエンジン204に搬送する。また、エンジン制御部212は、HDDにスプールされた描画情報を読み出し、プリントエンジン204に入力する。プリントエンジン204は、エンジン制御部212から受信した描画情報に基づき、給紙テーブル203から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン204が画像形成部として動作する。プリントエンジン204の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン204によって画像形成が施された文書は排紙トレイ205に排紙される。
【0042】
このような画像処理システムにおいて、本実施形態は、処理機器判断部152によるオーバーレイ処理の実行端末の判断に特徴を有する。以下、図4を参照して本実施形態に係るクライアント装置1及び画像形成装置2が、オーバーレイ処理を伴う印刷出力を実行する動作について説明する。図4は、クライアント装置1において、アプリケーション104によって印刷出力が指示され、オーバーレイ指定を経て印刷ジョブが生成されるまでの動作を示すフローチャートである。
【0043】
アプリケーション104において印刷出力が指示されると(S401)、プリンタドライバ105が起動する(S402)。プリンタドライバ105が起動すると、オーバーレイ指定部151は、オーバーレイ印刷の指定(以降、オーバーレイ指定とする)を実行する(S403)。オーバーレイ指定部151は、アプリケーション104からオーバーレイ指定部151に入力される情報若しくは操作制御部102から入力されるユーザによる操作情報に基づいてオーバーレイ印刷の指定を実行する。オーバーレイ印刷の指定に際しては、フォーム記憶部130に記憶されているオーバーレイページのフォーム情報を識別するフォームIDが指定される。
【0044】
オーバーレイ指定が実行されると、次に処理機器判断部152が、印刷出力の実行候補となる画像形成装置2〜4の機器情報を取得する(S404)。即ち、処理機器判断部152が聴き情報取得部として機能する。処理機器判断部152は、図5に示すように、印刷出力の実行候補となる画像形成装置2〜4夫々のIPアドレスを記憶している。S404における機器情報の取得に際しては、図5に示すIPアドレスを参照し、SOAP(Simple Object Access Protocol)等の通信プロトコルを用いて情報を取得する。ここで、処理機器判断部152は、上記機器情報の取得に際して、S403において指定されたフォームIDを各画像形成装置2〜4に通知し、各画像形成装置2〜4に指定されたフォームが図3において説明したフォーム記憶部202に記憶されているか否かの情報を取得する。尚、印刷出力の実行候補となる画像形成装置とは、夫々の画像形成装置に対応するコマンド生成部154を構成するプログラムがインストールされていることを示す。
【0045】
S404において、クライアント装置1からの情報取得命令を受けた画像形成装置2〜4は、当該命令を入出力制御部217がネットワークI/F206を介して取得し、主制御部211に入力する。主制御部211は、記憶装置制御部215を制御して指定されたフォームがフォーム記憶部202に記憶されているか否かを確認すると共に、コントローラ200を制御しているCPUの周波数やメモリの容量、並びに画像処理部213やオーバーレイ処理部214の実行中若しくは待機中処理の有無を確認する。これらの情報を確認すると、主制御部211は、上記確認結果を機器情報として生成し、入出力制御部217を制御してクライアント装置1に送信する。これにより、クライアント装置1が機器情報を取得する。
【0046】
ここで、処理機器判断部152がS404において取得する機器情報に含まれる情報の例を図6に示す。図6に示すように、処理機器判断部152が取得する機器情報には、画像形成装置を識別する画像形成装置ID、指定されたフォームが記憶されているか否か(指定フォームの有無)、各画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行するオーバーレイ処理部214を制御するCPUの周波数、オーバーレイ処理の作業領域となるメモリ容量、各画像形成装置において現在実行されている印刷出力処理やスキャン処理等の実行中処理の有無、各画像形成装置において実行すべき処理として待機している処理の有無及びpps(page per second)によって示される印刷出力の出力効率に関する情報が含まれる。
【0047】
処理機器判断部152は、図6に示すような機器情報を取得すると、図6に示す“指定フォームの有無”に関する情報を参照し、印刷出力の実行候補となる画像形成装置のうちに指定フォームが記憶されている画像形成装置があるか否かを判断する(S405)。指定フォームを有する画像形成装置がある場合(S405/YES)、処理機器判断部152は、クライアント装置1においてオーバーレイ処理を実行するか、S405において指定フォームを記憶していることが判明した画像形成装置にオーバーレイ処理を実行させるかを判断する(S406)。即ち、処理機器判断部152が、重畳処理端末決定部として機能する。
【0048】
S406における判断においては、S404において取得した図6に示す機器情報を参照し、処理を効率的に完了可能なようにオーバーレイ処理を実行する端末を決定する。例えば、指定フォームを有する画像形成装置が他の処理を実行中か否か若しくは待機中の処理がないか否かを参照し、実行中の処理若しくは待機中の処理が無ければ画像形成装置にオーバーレイ処理を実行させる。これは、対象の画像形成装置において実行中の処理若しくは待機中の処理がある場合、その実行中の処理若しくは待機中の処理が完了した後で処理を開始することとなるため、オーバーレイ処理を完了した状態で印刷ジョブを入力した方が処理を効率化できるためである。
【0049】
他の例としては、クライアント装置1のCPU周波数及びメモリ容量と画像形成装置のCPU周波数及びメモリ容量とを比較し、夫々の端末のパフォーマンスに基づいてオーバーレイ処理を実行する端末を決定する。これは、CPU周波数が高い方が若しくはメモリ容量が大きい方がオーバーレイ処理を高速に完了可能であり、処理を効率化できるからである。更には、出力ページ若しくはオーバーレイページの情報量を参照し、情報量が所定の閾値以上である場合にのみ、CPU周波数やメモリ容量等のパフォーマンスが高い端末にオーバーレイ処理を実行させるようにしても良い。オーバーレイ処理において処理する情報量が少なければ、パフォーマンスの高い端末に処理を実行させても大きな効果が得られないからである。
【0050】
S407の判断の結果、クライアント装置1においてオーバーレイ処理を実行するように判断された場合(S407/YES)、オーバーレイ処理部153がオーバーレイ処理を実行する(S408)。オーバーレイ処理部153は、オーバーレイ処理として、アプリケーション104によって印刷出力が指示された出力ページとオーバーレイページとして指定されたフォームとを重畳し、1つの画像を生成する。尚、出力ページが複数ページである場合は、複数ページに亘って上記重畳を実行し、複数のページ画像を生成する。
【0051】
オーバーレイ処理が完了すると、コマンド生成部154は、S408のオーバーレイ処理の結果生成された画像情報に基づき、画像形成装置に画像形成を実行させるためのコマンドを生成する(S409)。S409においてコマンド生成を実行するコマンド生成部154は、図2に示すように複数あるコマンド生成部154のうち、最終的に印刷出力を実行する画像形成装置に対応したコマンド生成部154である。即ち、コマンド生成部154は、S409におけるコマンド生成の実行に際して、印刷出力を実行する画像形成装置の画像処理部213若しくはオーバーレイ処理部214が認識可能な情報形式のコマンドを生成する。
【0052】
他方、S407において、画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行することが決定された場合(S407/NO)、処理機器判断部152からコマンド生成部154に情報が伝達され、コマンド生成部154は、オーバーレイ指定の付加されたコマンドを生成する(S410)。また、S405において、指定フォームを記憶している画像形成装置が存在しなかった場合(S405/NO)、処理機器判断部152は、クライアント装置1がオーバーレイ処理を実行することを決定し、オーバーレイ処理部153がオーバーレイ処理を実行する(S411)。S411における処理は、S408における処理と同様である。S411のオーバーレイ処理が完了すると、コマンド生成部154は、S411の処理の結果生成された画像情報に基づき、コマンド生成を実行する(S412)。
【0053】
S409、S410及びS412のいずれかの処理によりコマンドが生成されると、コマンド生成部154は、生成されたコマンドを含む印刷ジョブを生成し、送信する(S413)。ここで、図7(a)、(b)に、S413において生成される印刷ジョブに含まれる情報の例を示す。図7(a)は、S409若しくはS412のコマンド生成処理を経て生成された印刷ジョブを示す図である。図7(a)に示すように、S409若しくはS412を経て生成された印刷ジョブは、印刷ジョブであることを示すヘッダ情報及び画像形成装置が印刷出力すべき画像を示すコマンド情報を含む。図7(a)に示すコマンド情報は、印刷出力において描画されるテキスト情報、レイアウト情報及びグラフィック情報を含み、これらの情報に基づいて印刷出力する画像が描画される。また、コマンド情報によって描画される画像は、出力ページとオーバーレイページとが重畳された画像である。即ち、画像形成装置は、図7(a)に示す印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行することにより、オーバーレイ処理の完了した印刷出力を実行することができる。
【0054】
他方、図7(b)は、S410のコマンド生成処理を経て生成された印刷ジョブを示す図である。図7(b)に示すように、S410を経て生成された印刷ジョブは、ヘッダ情報、コマンド情報に加えてオーバーレイ指定情報を含む。図4に示すように、S410を経て生成された印刷ジョブは、S408若しくはS411のようにオーバーレイ処理が実行されていない。従って、図7(b)に示すコマンド情報によって描画される画像は、オーバーレイページが重畳される前の出力ページのみの情報である。図7(b)に示す印刷ジョブを受信した画像形成装置2〜4においては、オーバーレイ処理部214が印刷ジョブに含まれるオーバーレイ指定情報に基づいてオーバーレイ処理を実行した上で印刷出力が実行される。図7(b)に示すオーバーレイ指定情報には、オーバーレイページを指定するフォームIDの情報が含まれる。
【0055】
このような処理により、クライアント装置1において印刷ジョブが生成され、画像形成装置2〜4のいずれかに対して送信される。本実施形態においては、S405〜S407の処理を経て印刷出力を実行する画像形成装置が決定される。ここで、S407において画像形成装置にてオーバーレイ処理を実行すると判断された場合(S407/NO)は、オーバーレイ処理の実行端末として決定された画像形成装置において印刷出力が実行される。それ以外の場合(S405/NO、S407/YES)は、図4の処理の間では特に画像形成装置が決定されない。この場合、印刷ジョブを送信するまでの間に、ディスプレイモニタ110を介して印刷出力を実行すべき画像形成装置を指定するようにユーザに促すことにより、印刷出力を実行する画像形成装置を決定することができる。この他、S401における印刷出力の指示の時点で印刷出力対象の画像形成装置を指定しておき、S407の決定により印刷出力を実行する画像形成装置が変更される場合に、ユーザに通知するようにしても良い。
【0056】
オーバーレイページとして指定されているフォームが格納されていない画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行する場合、その画像形成装置に対してオーバーレイページのフォーム情報を送信する必要があり、ネットワーク負荷の増大や処理負荷の増大となるため、非効率である。このような課題に対し、本実施形態においては、オーバーレイ指定を含む印刷出力が実行される場合、印刷出力の実行候補となる画像形成装置にオーバーレイページとして指定されているフォームが記憶されていない場合、クライアント装置1側でオーバーレイ処理を実行した上で印刷ジョブを生成する。また、指定されたオーバーレイページを記憶している画像形成装置がある場合は、その画像形成装置とクライアント装置1との間でオーバーレイ処理の実行端末を決定する。これにより、画像形成装置側でオーバーレイ処理を実行する場合は、指定されたオーバーレイページが格納された画像形成装置で処理が実行されるため、上記課題を解決し、処理を効率化することが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、クライアント端末及びプリンタの両方でオーバーレイ処理が可能である場合において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合に、クライアント端末及び複数のプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうことが可能となる。
【0058】
尚、上記の説明においては、クライアント装置1においてオーバーレイ処理を実行する場合、図4のS408、S409若しくはS411、S412に示すように、オーバーレイ処理を実行した上でコマンド生成を実行する例を説明した。この他、オーバーレイ処理とコマンド生成とを同時に実行しても良い。即ち、コマンド生成部154は、コマンドを生成する際、出力ページの情報とオーバーレイページのフォーム情報とを参照し、出力ページ及びオーバーレイページ両方のテキスト情報、レイアウト情報及びグラフィック情報等を含むコマンドを生成する。これにより、印刷ジョブ生成までの処理を簡略化することが可能となる。
【0059】
また、上記の説明においては、図5に示すように、予め登録された画像形成装置の機器情報を取得する例を説明した。ここで、予め登録される画像形成装置は、典型的には同一のネットワークセグメント、即ち同一のルータに接続されている画像形成装置である。しかしながら、同一ネットワークセグメントに接続された画像形成装置に限らず、ルータを介して他のネットワークセグメントに接続された画像形成装置やインターネットを介して接続された画像形成装置であっても、同様に適用可能である。
【0060】
また、上記の説明においては、図6に示すように、オーバーレイページとして指定されたフォームが画像形成装置2〜4に記憶されているか否かの情報を取得する例を説明した。ここで、クライアント装置1や画像形成装置2〜4の構成によっては、クライアント装置1を操作するユーザに応じて画像形成装置2〜4に記憶されている情報へのアクセス制限が行なわれている場合がある。このような場合、処理機能判断部152は、オーバーレイページとして指定されたフォームが、クライアント装置1を操作しているユーザがアクセス可能な情報として記憶されているか否かを確認することが好ましい。
【0061】
尚、図4のS404における機器情報取得処理において、処理機器判断部152は、ブロードキャストにより複数の画像形成装置2〜4に対して情報取得命令を一括して送信し、画像形成装置2〜4の機器情報を一度に取得しても良いし、画像形成装置2〜4に対して個別に情報取得命令を送信し、順番に機器情報を取得するようにしても良い。ブロードキャストにより機器情報を取得する場合、複数の画像処理装置2〜4の機器情報を一括して取得することが可能である。しかしながら、この場合、複数の画像形成装置が指定されたフォームを記憶していると、後のS406、S407の処理において、複数の画像形成装置及びクライアント装置1からオーバーレイ処理を実行する端末を決定する必要がある。他方、登録されている画像形成装置2〜4に対して順番に情報取得命令を送信する場合、指定されたフォームを記憶している画像形成装置が見つかった時点でS406、S407の処理に進むようにすれば、その画像形成装置とクライアント装置1とのどちらか一方に決定すれば良く、処理を簡略化することが可能となる。
【0062】
尚、上記の説明においては、図4のS405〜S407に示すように、指定フォームを記憶している画像形成装置が見つかった場合、その画像形成装置とクライアント装置1のいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するか更に判断する例を説明した。この他、S405において指定フォームを記憶している画像形成装置が見つかった場合、S406の処理を行なうことなく、その画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行することを決定しても良い。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態1においては、図4に示すように、オーバーレイ指定部151によってオーバーレイ指定がされた場合に、処理機器判断部152が入出力制御部106の機能によりネットワークを介して夫々の画像形成装置2〜4から機器情報を取得する例を説明した。本実施形態においては、クライアント装置1内部に画像形成装置2〜4の機器情報を記憶するデータベースを設ける例を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
【0064】
図8は、本実施形態に係るクライアント装置1を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係るクライアント装置1は、概ね図2に示す実施の形態1の態様と同様の構成を有する。ここで本実施形態に係るクライアント装置1は、フォーム記憶部130に加えて機器情報記憶部150が設けられており、機器装置制御部103によって制御されるように接続されている。図9(a)、(b)を参照して、機器情報記憶部150に記憶されている情報について説明する。
【0065】
図9(a)、(b)は、本実施形態に係る機器情報記憶部150に記憶されている情報の例を示す図である。図9(a)は、画像形成装置2〜4のパフォーマンスに関する情報が記憶されたテーブルである。また、図9(b)は、画像形成装置2〜4のフォーム記憶部202に記憶されているフォームの一覧が記憶されたテーブルである。図9(a)、(b)に示すような情報が機器情報記憶部150に格納されていることにより、処理機器判断部152は、オーバーレイ処理を実行する端末の決定に際して、ネットワークを介して画像形成装置2〜4にアクセスすることなく、クライアント装置1内部で処理を完結することが可能となる。
【0066】
本実施形態に係るクライアント装置1が、オーバーレイ指定を伴う印刷出力を画像形成装置2〜4に実行させる際の動作は、実施の形態1の図4において説明した動作と概ね同様である。ここで、本実施形態においては、図4のS404における機器情報取得処理が実施の形態1とは異なる。実施の形態1においては、処理機器判断部152が入出力制御部106の機能により、ネットワークを介して画像形成装置2〜4の情報を取得した。本実施形態においては、上述したように、処理機器判断部152が記憶装置制御部103の機能により機器情報記憶部150に記憶された情報を取得する。これにより、ネットワーク負荷及び各画像形成装置2〜4の処理負荷を軽減することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係るクライアント装置1においては、オーバーレイ処理を実行する端末を決定するために画像形成装置の機器情報を取得する際のネットワーク負荷や画像形成装置の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0068】
尚、上記の説明においては、処理機器判断部152が機器情報記憶部150に記憶されている機器情報に基づいてオーバーレイ処理を実行する端末を決定する例を説明した。しかしながら、各画像形成装置2〜4による実行中処理の有無や待機中処理の有無は、リアルタイムで通信することによってのみ取得することが可能となる。従って、処理機器判断部152は、機器情報記憶部150から情報を取得するのみならず、ネットワークを介して画像形成装置2〜4からも情報を取得するようにしても良い。
【0069】
また、上記の説明においては、図9(a)、(b)に示すように、機器情報記憶部150に情報が記憶されている例を説明した。図9(a)、(b)に示す情報は、画像形成装置2〜4のパフォーマンス情報及びフォーム記憶部202に記憶されている情報に応じて、ユーザが予め機器情報記憶部150に登録しておくことができる。この他、クライアント装置1の運用開始当初においては、実施の形態1において説明したように、処理機器判断部152はネットワークを介して機器情報を取得し、取得した情報を機器情報記憶部150に記憶する、即ち、画像形成装置2〜4のパフォーマンス情報やフォーム記憶部202に記憶されている情報を学習するようにしても良い。これにより、ユーザが手動で機器情報記憶部150に情報を登録する手間を省くことが可能となる。
【0070】
また、処理機器判断部152が取得した機器情報を機器情報記憶部150に記憶する頻度、即ち、クライアント装置1が画像形成装置2〜4のパフォーマンス情報やフォーム記憶部202に記憶されている情報を学習する頻度は、処理機器判断部152が画像形成装置2〜4から情報を取得する度に毎回としても良いし、複数回毎に1回としても良い。また、処理機器判断部152が取得した情報の内容に応じて、機器情報記憶部150への情報記憶の有無を判断しても良い。このような設定は、入力デバイス120を介して情報を入力することにより、処理機器判断部152に対して実行することが可能である。
【0071】
実施の形態3.
実施の形態1においては、図4及び図6に示すように、クライアント装置1が印刷ジョブを出力する際、印刷出力すべき画像の情報はコマンド情報に変換して印刷ジョブを生成する例を説明した。本実施形態においては、印刷ジョブ中に含まれる印刷出力すべき画像の情報が他の情報形式である場合について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
【0072】
実施の形態1においては、対応するコマンド生成部154がインストールされている画像形成装置を印刷出力の実行候補となる画像形成装置とし、これらの画像形成装置のフォーム記憶部202にオーバーレイページとして指定されたフォームが記憶されているか否かを確認する例を説明した。従って、実施の形態1の態様においては、クライアント装置1が印刷ジョブを出力する際、コマンド生成部154によってコマンドに変換された画像情報が印刷ジョブに含まれる。
【0073】
しかしながら、近年、夫々の画像形成装置に対応したプリンタドライバがインストールされていなくても、画像形成を実行可能な方法として、印刷出力すべき画像の情報を汎用の画像情報形式に変換して印刷ジョブに含める方法が提案されている。このような場合、印刷出力を実行すべき画像形成装置に対応したコマンド生成部154がインストールされている必要はなく、印刷出力すべき画像情報を汎用の画像情報形式に変換して印刷ジョブを生成できれば良い。本実施形態は、このような場合にオーバーレイ処理を実行すべき端末を好適に選択する態様を説明する。
【0074】
図10は、本実施形態に係るクライアント装置1を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態に係るクライアント装置1は、概ね図2に示す実施の形態1の態様と同様の構成を有する。ここで本実施形態に係るクライアント装置1は、プリンタドライバ105が形式変換部155を更に有する。形式変換部155は、アプリケーション104によって印刷出力対象とされた画像情報の形式を変換し、印刷ジョブに含める画像情報を生成する。本実施形態に係る形式変換部155が生成する画像情報の形式としては、例えば、JPEG形式、GIF形式、PNG形式、TIF形式及びPDF形式等が用いられる。
【0075】
次に、本実施形態に係るクライアント装置1がオーバーレイ指定を伴う印刷出力を画像形成装置2〜4若しくは他の画像形成装置に実行させる際の動作について説明する。図11は、本実施形態に係るクライアント装置1の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、本実施形態に係るクライアント装置1の動作は、実施の形態1の図4において説明した動作と概ね同様である。以下、本実施形態に係るクライアント装置1の動作について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0076】
まず、本実施形態においては、S1104における機器情報取得処理が実施の形態1とは異なる。実施の形態1において処理機器判断部152は、図5に示すように予め登録されている画像形成装置2〜4から機器情報を取得したが、本実施形態においては、登録されている画像形成装置2〜4のみではなく、ネットワークを介して接続されている画像形成装置であれば、登録の有無に関わらず情報を取得する(S1104)。尚、ネットワークを介して接続されている画像形成装置としては、同一のルータに接続された同一セグメントの画像形成装置のみでも良いし、異なるセグメントの画像形成装置でも良い。また、インターネット等を介して接続された画像形成装置でも良い。
【0077】
S1104において機器情報を取得した処理機器判断部152は、S1105において、登録されている画像形成装置2〜4に加え、登録されていない画像形成装置も含め、取得したすべての機器情報に基づいてオーバーレイページとして指定されたフォームを有する画像形成装置の有無を判断する。そして、S1106、S1107の判断の結果、処理機器判断部152が画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行すると決定した場合(S1107/NO)、その画像形成装置に送信する印刷ジョブの生成を行なう。ここで、オーバーレイ処理を実行する端末として決定された画像形成装置に対応するコマンド生成部154がある場合、即ち、決定された画像形成装置が登録された画像形成装置2〜4である場合(S1112/YES)、実施の形態1と同様に、対応するコマンド生成部154がオーバーレイ指定の付加されたコマンドを生成する(S1113)。
【0078】
他方、ここで、オーバーレイ処理を実行する端末として決定された画像形成装置に対応するコマンド生成部154がない場合、即ち、決定された画像形成装置が登録されていない画像形成装置である場合(S1112/NO)、形式変換部155がオーバーレイ指定の付加された汎用形式の画像情報を生成する(S1114)。その他の処理は、実施の形態1の図4において説明した処理を同様に実行される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理システムにおいては、予め登録されている画像形成装置以外の画像形成装置との間であっても、オーバーレイ処理を実行する端末の判断を好適に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムのネットワーク構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクライアント装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るクライアント装置に登録されている画像形成装置の情報を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る機器情報に含まれる情報の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る印刷ジョブに含まれる情報の例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る機器情報記憶部に記憶されている情報の例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るクライアント装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る印刷ジョブに含まれる情報の例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 クライアント装置
2、3、4 画像形成装置
100 コントローラ
101 表示制御部
102 操作制御部
103 記憶装置制御部
104 アプリケーション
105 プリンタドライバ
106 入出力制御部
110 ディスプレイモニタ
120 入力デバイス
130 フォーム記憶部
140 ネットワークI/F
150 機器情報記憶部
151 オーバーレイ指定部
152 処理機器判断部
153 オーバーレイ処理部
154 コマンド生成部
155 形式変換部
200 コントローラ
201 ディスプレイパネル
202 フォーム記憶部
203 給紙テーブル
204 プリントエンジン
205 排紙トレイ
206 ネットワークI/F
211 主制御部
212 エンジン制御部
213 画像処理部
214 オーバーレイ処理部
215 記憶装置制御部
216 操作表示制御部
217 入出力制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体に関し、特に印刷出力対象の情報に予め登録された定形情報を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ、書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。このような複合機において、オーバーレイ印刷機能を有するものがある。オーバーレイ印刷機能とは、印刷出力の実行に際して、予め登録されたページの情報を呼び出し、出力ページの情報に重ねて印刷出力を実行する機能である。
【0003】
従来、上述したようなオーバーレイ印刷機能は、プリンタ側で処理されることが多かった。即ち、プリンタに対してクライアント端末が印刷ジョブを送信する際、印刷ジョブ中にオーバーレイ印刷を実行する命令を含む。オーバーレイ印刷の命令を含む印刷ジョブを受信したプリンタは、印刷ジョブに含まれる出力ページと指定されたオーバーレイページとを重ねて印刷を実行する。これにより、オーバーレイ印刷が実行される。
【0004】
このように、オーバーレイ印刷機能がプリンタに依存する場合、オーバーレイ印刷機能のないプリンタではオーバーレイ印刷を実行することができない。このような課題に対して、プリンタに印刷ジョブを入力するクライアント端末側でオーバーレイ印刷に関する処理を実行し、通常の印刷ジョブ(オーバーレイ印刷の命令を含まない印刷ジョブ)としてプリンタに入力する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、印刷ジョブの生成に際して、オーバーレイページと出力ページとをメモリ上に頂上展開して印刷ジョブを生成している。
【0005】
他方、特許文献1に開示されているような方法とオーバーレイ印刷機能を有するプリンタとの両方が使用可能である場合もあり得る。このような場合に、クライアント端末及びプリンタの資源情報に基づき、オーバーレイ処理を実行する端末をクライアント端末及びプリンタのいずれか一方に決定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参章)。特許文献2に開示された技術によれば、オーバーレイ印刷が指示された際に、クライアント端末及びプリンタの資源情報を取得し、取得した資源情報を比較してオーバーレイ処理をクライアント端末及びプリンタのいずれにおいて実行するかを決定する。
【特許文献1】特開2000−99300号公報
【特許文献2】特開2006−259996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示された方法において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合、どのプリンタを比較対象としてオーバーレイ処理の実行端末を判断するかの決定が困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、クライアント端末及びプリンタの両方でオーバーレイ処理が可能である場合において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合に、クライアント端末及び複数のプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理装置であって、前記定形情報を指定し、指示された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部とを有し、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、予め登録された画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、対応するプリンタドライバのインストールされた画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置において、前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を一括して送信することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置において、前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を個別に送信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記機器情報を記憶している機器情報記憶部を更に有し、前記機器情報取得部は、前記機器情報記憶部から前記機器情報を取得することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得し、前記機器情報記憶部は、前記機器情報取得部が取得した前記機器情報を記憶することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置の情報処理能力に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記取得した画像形成装置の情報処理能力に関する情報と前記情報処理装置の情報処理能力とに基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置が実行中の処理に関する情報及び実行予定である処理に関する情報のうち少なくとも一方を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記重畳処理端末決定部は、前記機器情報として前記画像形成装置が単位時間当たりに印刷出力可能な用紙枚数に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11いずれか1項に記載の情報処理装置において、前記重畳処理端末決定部が前記情報処理装置を前記重畳処理端末として決定した場合に前記重畳処理を実行する重畳処理部を更に有することを特徴とする。
【0020】
また、請求項13に記載の発明は、印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷を実行可能な画像処理システムであって、前記対象情報の印刷出力を指示する情報処理装置と、前記情報処理装置の指示に応じて前記印刷出力を実行する画像形成装置とを有し、前記情報処理装置は、前記対象情報の印刷出力を決定する印刷出力指示部と、前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記対象情報が描画する画像に前記定形情報が描画する画像を重畳する処理を実行する重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部と、前記印刷出力を前記画像形成装置に実行させるための印刷出力実行命令を生成する実行命令生成部とを有し、前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定し、前記実行命令生成部は、前記重畳処理端末決定部の決定結果に応じた前記印刷出力実行命令を生成し、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて前記重畳処理を実行する重畳処理部と、前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて印刷出力を実行する印刷出力部とを有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項14に記載の発明は、印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記対象情報によって描画される画像に前記定形情報によって描画される情報を重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理方法であって、前記対象情報の印刷出力を決定し、前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定し、前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する情報であって前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、前記取得した情報に基づき、前記指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする。
【0022】
また、請求項15に記載の発明は、情報処理プログラムであって、請求項14に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0023】
また、請求項16に記載の発明は、記録媒体であって、請求項15に記載の情報処理プログラムを情報処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、クライアント端末及びプリンタの両方でオーバーレイ処理が可能である場合において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合に、クライアント端末及び複数のプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施形態に係る画像処理システムの運用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システムは、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現されるクライアント装置1と、クライアント装置1から入力される印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行する画像形成装置2〜4とを有する。
【0026】
次に、本実施形態に係るクライアント装置1について説明する。図2は、本実施形態に係るクライアント装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るクライアント装置1は、PC等の情報処理装置を構成する上で一般的に用いられるハードウェア構成を有し、演算部として機能するCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置として情報を処理する領域となるDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ(以下、メモリ)、ROM(Read Only Memory)や不揮発性メモリ並びにHDD(Hard Disk Drive)や光学ディスク等の不揮発性記憶装置及びその他の集積回路等を有する。
【0027】
これらのハードウェア構成において、ROM等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、メモリにロードされ、CPUの制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このように構成されたクライアント装置1は、図2に示すように、コントローラ100、ディスプレイモニタ110、入力デバイス120、フォーム記憶部130及びネットワークI/F140を有する。また、コントローラ100は、表示制御部101、操作制御部102、記憶装置制御部103、アプリケーション104、プリンタドライバ105及び入出力制御部106を有する。更に、プリンタドライバ105は、オーバーレイ指定部151、処理機器判断部152、オーバーレイ処理部153及びコマンド生成部154を有する。
【0028】
ディスプレイモニタ110は、クライアント装置1において情報を表示する表示装置であり、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)モニタ等、既存の表示装置によって実現可能である。入力デバイス120は、キーボードやマウス等、ユーザがクライアント装置1に対して命令を与え、操作するためのユーザインタフェースである。
【0029】
フォーム記憶部130は、オーバーレイ印刷において印刷対象データに重ね合わせるオーバーレイページのフォームの情報、即ち定形情報を記憶している記憶媒体であり、HDD等の不揮発性記憶装置によって構成される。フォーム記憶部130には、複数のオーバーレイページのフォーム情報と夫々のフォーム情報を識別するフォームIDとが関連付けられて記憶されている。即ち、フォーム記憶部130は、定形情報記憶部として機能する。ネットワークI/F140は、クライアント装置1が他の機器と通信する際のインタフェースであり、本実施形態においては、画像形成装置2〜4と通信する際のインタフェースとなる。本実施形態に係るネットワークI/F140は、Ethernet(登録商標)回線のインタフェースやUSB(Univaersal Serial Bus)回線のインタフェースによって構成される。
【0030】
コントローラ100は、上述したようにメモリにロードされてCPUの制御に従って動作するソフトウェアとハードウェアとによって構成される。コントローラ100は、クライアント装置1の動作を制御する制御部として機能する。アプリケーション104は、文書情報を生成、編集するテキストエディタや画像情報を生成、編集する画像編集機能を有するソフトウェア並びに文書情報や画像情報を閲覧するビューワ等である。本実施形態においては、入力デバイス120を介して入力されたユーザの操作情報に基づくアプリケーション104の動作が処理開始のきっかけとなる。即ち、アプリケーション104によって参照される情報が印刷出力すべき対象の情報(対象情報)となり、アプリケーション104は、印刷出力指示部として機能する。
【0031】
表示制御部101は、コントローラ100において、ディスプレイモニタ110を制御してアプリケーション104の状態及びクライアント装置1の状態を表示させる。操作制御部102は、入力デバイス120からユーザによって入力される操作情報をアプリケーション104若しくはプリンタドライバ105に入力する。記憶装置制御部103は、アプリケーション104の動作に基づき、フォーム記憶部130へのオーバーレイページのフォーム情報の記憶若しくはフォーム記憶部130からの情報の読み出しを制御する。入出力制御部106は、ネットワークI/F140を制御してクライアント装置1と他の機器との通信を実行する。
【0032】
プリンタドライバ105は、クライアント装置1においてアプリケーション104から画像形成装置2を動作させるための処理を実行する。オーバーレイ指定部151は、アプリケーション104によって印刷出力対象とされた出力ページに対してオーバーレイ印刷を行なうことを指定する。即ち、オーバーレイ指定部151は、重畳印刷決定部として機能する。オーバーレイ指定部151は、アプリケーション104若しくは操作制御部102から入力される情報に基づき、プリンタドライバ105による印刷ジョブの生成においてオーバーレイ印刷の指定情報を含める。オーバーレイ印刷の指定に際しては、フォーム記憶部130から読み出されたオーバーレイページのフォーム情報が重ね合わせる対象のページとして指定される。
【0033】
処理機器判断部152は、オーバーレイ指定部151によってオーバーレイ印刷が指定された場合に、出力ページとオーバーレイページとを重ね合わせる処理(以降、オーバーレイ処理とする)をクライアント装置1において実行するか、プリンタ2〜4のうち実際に印刷を実行する機器で行なうかを判断する。処理機器判断部152は、上記判断において、入出力制御部106を介して画像形成装置2〜4の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてオーバーレイ処理を実行する機器を判断する。
【0034】
オーバーレイ処理部153は、アプリケーション104によって出力対象とされた出力ページとフォーム記憶部130から読み出されたオーバーレイページとのオーバーレイ処理を実行する。即ち、オーバーレイ処理部153は、重畳処理部として機能する。オーバーレイ処理部153は、処理機器判断部152による判断によって、クライアント装置1がオーバーレイ処理を実行する端末として指定された場合に、上記オーバーレイ処理を実行する。コマンド生成部154は、クライアント装置1が画像形成装置2に対して印刷ジョブを送信する際に、画像形成装置2が認識可能な形式の情報(以降、ラスタデータとする)を生成する。図2に示すように、コマンド生成部154は複数設けられる。これは、画像形成装置2〜4の夫々に対応して設けられるためである。
【0035】
次に、本実施形態に係る画像形成装置2について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置2の構成を示すブロック図である。尚、図3においては、画像形成装置2を例として説明するが、画像形成装置3、4においても同様である。本実施形態に係る画像形成装置2は、クライアント装置1と同様に、CPU、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及びその他の集積回路等、一般的な情報処理装置を構成する上で用いられるハードウェア構成を有する。これらのハードウェア構成とメモリにロードされて動作するプログラムとの連動によって図3に示す各ブロックが実現される。本実施形態に係る画像形成装置2は、コントローラ200、ディスプレイパネル201、フォーム記憶部202、給紙テーブル203、プリントエンジン204、排紙トレイ205及びネットワークI/F206を有する。また、コントローラ200は、主制御部211、エンジン制御部212、画像処理部213、オーバーレイ処理部214、記憶装置制御部215、操作表示制御部216及び入出力制御部217を有する。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
【0036】
ディスプレイパネル201は、画像形成装置2の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置2を直接操作する際の入力インタフェースでもある。フォーム記憶部202は、オーバーレイ印刷において印刷対象データに重ね合わせるオーバーレイページのフォームの情報を記憶している記憶媒体であり、HDD等の不揮発性記憶装置によって構成される。
【0037】
ネットワークI/F206は、画像形成装置2が他の機器と通信する際のインタフェースであり、本実施形態においては、クライアント装置1と通信する際のインタフェースとなる。画像形成装置2のネットワークI/F206は、クライアント装置1と同様に、Ethernet回線のインタフェースやUSB回線のインタフェースによって構成される。コントローラ200は、上述した通りソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。コントローラ100は、画像形成装置2全体を制御する制御部として機能する。
【0038】
主制御部211は、コントローラ200に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ200の各部に命令を与える。エンジン制御部212は、プリントエンジン204を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部217は、ネットワークI/F206を介して入力される印刷ジョブを主制御部211に入力し、若しくはネットワークI/F206を介してクライアント装置1に情報を送信する。操作表示制御部216は、ディスプレイパネル201からユーザによって入力される操作情報を主制御部211に入力し、若しくは主制御部111の命令に従ってディスプレイパネル201に情報表示を行なう。
【0039】
画像処理部213は、主制御部211の制御に従い、印刷ジョブに含まれる情報や図示しないHDDに格納されている蓄積文書等に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、プリントエンジン204が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報であり、ビットマップ情報等が用いられる。オーバーレイ処理部214は、画像形成装置2に入力された印刷ジョブにおいて、オーバーレイ指定が成されている場合、指定されたオーバーレイ処理を実行する。記憶装置制御部215は、主制御部211の制御に従い、フォーム記憶部202への情報の格納及びフォーム記憶部202からの情報の読み出しを制御する。また、記憶装置制御部215は、フォーム記憶部202の他、図示しないHDDへの情報の格納及び読み出しも制御する。
【0040】
画像形成装置2が通常のプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部217がネットワークI/F206を介して印刷ジョブを受信する。主制御部211は、入出力制御部217から印刷ジョブを受信し、画像処理部213に画像処理を実行させる。画像処理部213が主制御部211の命令に従い、印刷ジョブに含まれる画像情報やHDD110に格納されている蓄積文書等に基づいて描画情報を生成する。画像処理部213によって生成された描画情報は、順次図示しないHDDにスプールされる。
【0041】
エンジン制御部212は、主制御部211の制御に従い、給紙テーブル203を駆動して印刷用紙をプリントエンジン204に搬送する。また、エンジン制御部212は、HDDにスプールされた描画情報を読み出し、プリントエンジン204に入力する。プリントエンジン204は、エンジン制御部212から受信した描画情報に基づき、給紙テーブル203から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン204が画像形成部として動作する。プリントエンジン204の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン204によって画像形成が施された文書は排紙トレイ205に排紙される。
【0042】
このような画像処理システムにおいて、本実施形態は、処理機器判断部152によるオーバーレイ処理の実行端末の判断に特徴を有する。以下、図4を参照して本実施形態に係るクライアント装置1及び画像形成装置2が、オーバーレイ処理を伴う印刷出力を実行する動作について説明する。図4は、クライアント装置1において、アプリケーション104によって印刷出力が指示され、オーバーレイ指定を経て印刷ジョブが生成されるまでの動作を示すフローチャートである。
【0043】
アプリケーション104において印刷出力が指示されると(S401)、プリンタドライバ105が起動する(S402)。プリンタドライバ105が起動すると、オーバーレイ指定部151は、オーバーレイ印刷の指定(以降、オーバーレイ指定とする)を実行する(S403)。オーバーレイ指定部151は、アプリケーション104からオーバーレイ指定部151に入力される情報若しくは操作制御部102から入力されるユーザによる操作情報に基づいてオーバーレイ印刷の指定を実行する。オーバーレイ印刷の指定に際しては、フォーム記憶部130に記憶されているオーバーレイページのフォーム情報を識別するフォームIDが指定される。
【0044】
オーバーレイ指定が実行されると、次に処理機器判断部152が、印刷出力の実行候補となる画像形成装置2〜4の機器情報を取得する(S404)。即ち、処理機器判断部152が聴き情報取得部として機能する。処理機器判断部152は、図5に示すように、印刷出力の実行候補となる画像形成装置2〜4夫々のIPアドレスを記憶している。S404における機器情報の取得に際しては、図5に示すIPアドレスを参照し、SOAP(Simple Object Access Protocol)等の通信プロトコルを用いて情報を取得する。ここで、処理機器判断部152は、上記機器情報の取得に際して、S403において指定されたフォームIDを各画像形成装置2〜4に通知し、各画像形成装置2〜4に指定されたフォームが図3において説明したフォーム記憶部202に記憶されているか否かの情報を取得する。尚、印刷出力の実行候補となる画像形成装置とは、夫々の画像形成装置に対応するコマンド生成部154を構成するプログラムがインストールされていることを示す。
【0045】
S404において、クライアント装置1からの情報取得命令を受けた画像形成装置2〜4は、当該命令を入出力制御部217がネットワークI/F206を介して取得し、主制御部211に入力する。主制御部211は、記憶装置制御部215を制御して指定されたフォームがフォーム記憶部202に記憶されているか否かを確認すると共に、コントローラ200を制御しているCPUの周波数やメモリの容量、並びに画像処理部213やオーバーレイ処理部214の実行中若しくは待機中処理の有無を確認する。これらの情報を確認すると、主制御部211は、上記確認結果を機器情報として生成し、入出力制御部217を制御してクライアント装置1に送信する。これにより、クライアント装置1が機器情報を取得する。
【0046】
ここで、処理機器判断部152がS404において取得する機器情報に含まれる情報の例を図6に示す。図6に示すように、処理機器判断部152が取得する機器情報には、画像形成装置を識別する画像形成装置ID、指定されたフォームが記憶されているか否か(指定フォームの有無)、各画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行するオーバーレイ処理部214を制御するCPUの周波数、オーバーレイ処理の作業領域となるメモリ容量、各画像形成装置において現在実行されている印刷出力処理やスキャン処理等の実行中処理の有無、各画像形成装置において実行すべき処理として待機している処理の有無及びpps(page per second)によって示される印刷出力の出力効率に関する情報が含まれる。
【0047】
処理機器判断部152は、図6に示すような機器情報を取得すると、図6に示す“指定フォームの有無”に関する情報を参照し、印刷出力の実行候補となる画像形成装置のうちに指定フォームが記憶されている画像形成装置があるか否かを判断する(S405)。指定フォームを有する画像形成装置がある場合(S405/YES)、処理機器判断部152は、クライアント装置1においてオーバーレイ処理を実行するか、S405において指定フォームを記憶していることが判明した画像形成装置にオーバーレイ処理を実行させるかを判断する(S406)。即ち、処理機器判断部152が、重畳処理端末決定部として機能する。
【0048】
S406における判断においては、S404において取得した図6に示す機器情報を参照し、処理を効率的に完了可能なようにオーバーレイ処理を実行する端末を決定する。例えば、指定フォームを有する画像形成装置が他の処理を実行中か否か若しくは待機中の処理がないか否かを参照し、実行中の処理若しくは待機中の処理が無ければ画像形成装置にオーバーレイ処理を実行させる。これは、対象の画像形成装置において実行中の処理若しくは待機中の処理がある場合、その実行中の処理若しくは待機中の処理が完了した後で処理を開始することとなるため、オーバーレイ処理を完了した状態で印刷ジョブを入力した方が処理を効率化できるためである。
【0049】
他の例としては、クライアント装置1のCPU周波数及びメモリ容量と画像形成装置のCPU周波数及びメモリ容量とを比較し、夫々の端末のパフォーマンスに基づいてオーバーレイ処理を実行する端末を決定する。これは、CPU周波数が高い方が若しくはメモリ容量が大きい方がオーバーレイ処理を高速に完了可能であり、処理を効率化できるからである。更には、出力ページ若しくはオーバーレイページの情報量を参照し、情報量が所定の閾値以上である場合にのみ、CPU周波数やメモリ容量等のパフォーマンスが高い端末にオーバーレイ処理を実行させるようにしても良い。オーバーレイ処理において処理する情報量が少なければ、パフォーマンスの高い端末に処理を実行させても大きな効果が得られないからである。
【0050】
S407の判断の結果、クライアント装置1においてオーバーレイ処理を実行するように判断された場合(S407/YES)、オーバーレイ処理部153がオーバーレイ処理を実行する(S408)。オーバーレイ処理部153は、オーバーレイ処理として、アプリケーション104によって印刷出力が指示された出力ページとオーバーレイページとして指定されたフォームとを重畳し、1つの画像を生成する。尚、出力ページが複数ページである場合は、複数ページに亘って上記重畳を実行し、複数のページ画像を生成する。
【0051】
オーバーレイ処理が完了すると、コマンド生成部154は、S408のオーバーレイ処理の結果生成された画像情報に基づき、画像形成装置に画像形成を実行させるためのコマンドを生成する(S409)。S409においてコマンド生成を実行するコマンド生成部154は、図2に示すように複数あるコマンド生成部154のうち、最終的に印刷出力を実行する画像形成装置に対応したコマンド生成部154である。即ち、コマンド生成部154は、S409におけるコマンド生成の実行に際して、印刷出力を実行する画像形成装置の画像処理部213若しくはオーバーレイ処理部214が認識可能な情報形式のコマンドを生成する。
【0052】
他方、S407において、画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行することが決定された場合(S407/NO)、処理機器判断部152からコマンド生成部154に情報が伝達され、コマンド生成部154は、オーバーレイ指定の付加されたコマンドを生成する(S410)。また、S405において、指定フォームを記憶している画像形成装置が存在しなかった場合(S405/NO)、処理機器判断部152は、クライアント装置1がオーバーレイ処理を実行することを決定し、オーバーレイ処理部153がオーバーレイ処理を実行する(S411)。S411における処理は、S408における処理と同様である。S411のオーバーレイ処理が完了すると、コマンド生成部154は、S411の処理の結果生成された画像情報に基づき、コマンド生成を実行する(S412)。
【0053】
S409、S410及びS412のいずれかの処理によりコマンドが生成されると、コマンド生成部154は、生成されたコマンドを含む印刷ジョブを生成し、送信する(S413)。ここで、図7(a)、(b)に、S413において生成される印刷ジョブに含まれる情報の例を示す。図7(a)は、S409若しくはS412のコマンド生成処理を経て生成された印刷ジョブを示す図である。図7(a)に示すように、S409若しくはS412を経て生成された印刷ジョブは、印刷ジョブであることを示すヘッダ情報及び画像形成装置が印刷出力すべき画像を示すコマンド情報を含む。図7(a)に示すコマンド情報は、印刷出力において描画されるテキスト情報、レイアウト情報及びグラフィック情報を含み、これらの情報に基づいて印刷出力する画像が描画される。また、コマンド情報によって描画される画像は、出力ページとオーバーレイページとが重畳された画像である。即ち、画像形成装置は、図7(a)に示す印刷ジョブに基づいて印刷出力を実行することにより、オーバーレイ処理の完了した印刷出力を実行することができる。
【0054】
他方、図7(b)は、S410のコマンド生成処理を経て生成された印刷ジョブを示す図である。図7(b)に示すように、S410を経て生成された印刷ジョブは、ヘッダ情報、コマンド情報に加えてオーバーレイ指定情報を含む。図4に示すように、S410を経て生成された印刷ジョブは、S408若しくはS411のようにオーバーレイ処理が実行されていない。従って、図7(b)に示すコマンド情報によって描画される画像は、オーバーレイページが重畳される前の出力ページのみの情報である。図7(b)に示す印刷ジョブを受信した画像形成装置2〜4においては、オーバーレイ処理部214が印刷ジョブに含まれるオーバーレイ指定情報に基づいてオーバーレイ処理を実行した上で印刷出力が実行される。図7(b)に示すオーバーレイ指定情報には、オーバーレイページを指定するフォームIDの情報が含まれる。
【0055】
このような処理により、クライアント装置1において印刷ジョブが生成され、画像形成装置2〜4のいずれかに対して送信される。本実施形態においては、S405〜S407の処理を経て印刷出力を実行する画像形成装置が決定される。ここで、S407において画像形成装置にてオーバーレイ処理を実行すると判断された場合(S407/NO)は、オーバーレイ処理の実行端末として決定された画像形成装置において印刷出力が実行される。それ以外の場合(S405/NO、S407/YES)は、図4の処理の間では特に画像形成装置が決定されない。この場合、印刷ジョブを送信するまでの間に、ディスプレイモニタ110を介して印刷出力を実行すべき画像形成装置を指定するようにユーザに促すことにより、印刷出力を実行する画像形成装置を決定することができる。この他、S401における印刷出力の指示の時点で印刷出力対象の画像形成装置を指定しておき、S407の決定により印刷出力を実行する画像形成装置が変更される場合に、ユーザに通知するようにしても良い。
【0056】
オーバーレイページとして指定されているフォームが格納されていない画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行する場合、その画像形成装置に対してオーバーレイページのフォーム情報を送信する必要があり、ネットワーク負荷の増大や処理負荷の増大となるため、非効率である。このような課題に対し、本実施形態においては、オーバーレイ指定を含む印刷出力が実行される場合、印刷出力の実行候補となる画像形成装置にオーバーレイページとして指定されているフォームが記憶されていない場合、クライアント装置1側でオーバーレイ処理を実行した上で印刷ジョブを生成する。また、指定されたオーバーレイページを記憶している画像形成装置がある場合は、その画像形成装置とクライアント装置1との間でオーバーレイ処理の実行端末を決定する。これにより、画像形成装置側でオーバーレイ処理を実行する場合は、指定されたオーバーレイページが格納された画像形成装置で処理が実行されるため、上記課題を解決し、処理を効率化することが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、クライアント端末及びプリンタの両方でオーバーレイ処理が可能である場合において、クライアント端末が複数のプリンタを使用可能である場合に、クライアント端末及び複数のプリンタのいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するかの判断を好適に行なうことが可能となる。
【0058】
尚、上記の説明においては、クライアント装置1においてオーバーレイ処理を実行する場合、図4のS408、S409若しくはS411、S412に示すように、オーバーレイ処理を実行した上でコマンド生成を実行する例を説明した。この他、オーバーレイ処理とコマンド生成とを同時に実行しても良い。即ち、コマンド生成部154は、コマンドを生成する際、出力ページの情報とオーバーレイページのフォーム情報とを参照し、出力ページ及びオーバーレイページ両方のテキスト情報、レイアウト情報及びグラフィック情報等を含むコマンドを生成する。これにより、印刷ジョブ生成までの処理を簡略化することが可能となる。
【0059】
また、上記の説明においては、図5に示すように、予め登録された画像形成装置の機器情報を取得する例を説明した。ここで、予め登録される画像形成装置は、典型的には同一のネットワークセグメント、即ち同一のルータに接続されている画像形成装置である。しかしながら、同一ネットワークセグメントに接続された画像形成装置に限らず、ルータを介して他のネットワークセグメントに接続された画像形成装置やインターネットを介して接続された画像形成装置であっても、同様に適用可能である。
【0060】
また、上記の説明においては、図6に示すように、オーバーレイページとして指定されたフォームが画像形成装置2〜4に記憶されているか否かの情報を取得する例を説明した。ここで、クライアント装置1や画像形成装置2〜4の構成によっては、クライアント装置1を操作するユーザに応じて画像形成装置2〜4に記憶されている情報へのアクセス制限が行なわれている場合がある。このような場合、処理機能判断部152は、オーバーレイページとして指定されたフォームが、クライアント装置1を操作しているユーザがアクセス可能な情報として記憶されているか否かを確認することが好ましい。
【0061】
尚、図4のS404における機器情報取得処理において、処理機器判断部152は、ブロードキャストにより複数の画像形成装置2〜4に対して情報取得命令を一括して送信し、画像形成装置2〜4の機器情報を一度に取得しても良いし、画像形成装置2〜4に対して個別に情報取得命令を送信し、順番に機器情報を取得するようにしても良い。ブロードキャストにより機器情報を取得する場合、複数の画像処理装置2〜4の機器情報を一括して取得することが可能である。しかしながら、この場合、複数の画像形成装置が指定されたフォームを記憶していると、後のS406、S407の処理において、複数の画像形成装置及びクライアント装置1からオーバーレイ処理を実行する端末を決定する必要がある。他方、登録されている画像形成装置2〜4に対して順番に情報取得命令を送信する場合、指定されたフォームを記憶している画像形成装置が見つかった時点でS406、S407の処理に進むようにすれば、その画像形成装置とクライアント装置1とのどちらか一方に決定すれば良く、処理を簡略化することが可能となる。
【0062】
尚、上記の説明においては、図4のS405〜S407に示すように、指定フォームを記憶している画像形成装置が見つかった場合、その画像形成装置とクライアント装置1のいずれにおいてオーバーレイ処理を実行するか更に判断する例を説明した。この他、S405において指定フォームを記憶している画像形成装置が見つかった場合、S406の処理を行なうことなく、その画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行することを決定しても良い。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態1においては、図4に示すように、オーバーレイ指定部151によってオーバーレイ指定がされた場合に、処理機器判断部152が入出力制御部106の機能によりネットワークを介して夫々の画像形成装置2〜4から機器情報を取得する例を説明した。本実施形態においては、クライアント装置1内部に画像形成装置2〜4の機器情報を記憶するデータベースを設ける例を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
【0064】
図8は、本実施形態に係るクライアント装置1を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係るクライアント装置1は、概ね図2に示す実施の形態1の態様と同様の構成を有する。ここで本実施形態に係るクライアント装置1は、フォーム記憶部130に加えて機器情報記憶部150が設けられており、機器装置制御部103によって制御されるように接続されている。図9(a)、(b)を参照して、機器情報記憶部150に記憶されている情報について説明する。
【0065】
図9(a)、(b)は、本実施形態に係る機器情報記憶部150に記憶されている情報の例を示す図である。図9(a)は、画像形成装置2〜4のパフォーマンスに関する情報が記憶されたテーブルである。また、図9(b)は、画像形成装置2〜4のフォーム記憶部202に記憶されているフォームの一覧が記憶されたテーブルである。図9(a)、(b)に示すような情報が機器情報記憶部150に格納されていることにより、処理機器判断部152は、オーバーレイ処理を実行する端末の決定に際して、ネットワークを介して画像形成装置2〜4にアクセスすることなく、クライアント装置1内部で処理を完結することが可能となる。
【0066】
本実施形態に係るクライアント装置1が、オーバーレイ指定を伴う印刷出力を画像形成装置2〜4に実行させる際の動作は、実施の形態1の図4において説明した動作と概ね同様である。ここで、本実施形態においては、図4のS404における機器情報取得処理が実施の形態1とは異なる。実施の形態1においては、処理機器判断部152が入出力制御部106の機能により、ネットワークを介して画像形成装置2〜4の情報を取得した。本実施形態においては、上述したように、処理機器判断部152が記憶装置制御部103の機能により機器情報記憶部150に記憶された情報を取得する。これにより、ネットワーク負荷及び各画像形成装置2〜4の処理負荷を軽減することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係るクライアント装置1においては、オーバーレイ処理を実行する端末を決定するために画像形成装置の機器情報を取得する際のネットワーク負荷や画像形成装置の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0068】
尚、上記の説明においては、処理機器判断部152が機器情報記憶部150に記憶されている機器情報に基づいてオーバーレイ処理を実行する端末を決定する例を説明した。しかしながら、各画像形成装置2〜4による実行中処理の有無や待機中処理の有無は、リアルタイムで通信することによってのみ取得することが可能となる。従って、処理機器判断部152は、機器情報記憶部150から情報を取得するのみならず、ネットワークを介して画像形成装置2〜4からも情報を取得するようにしても良い。
【0069】
また、上記の説明においては、図9(a)、(b)に示すように、機器情報記憶部150に情報が記憶されている例を説明した。図9(a)、(b)に示す情報は、画像形成装置2〜4のパフォーマンス情報及びフォーム記憶部202に記憶されている情報に応じて、ユーザが予め機器情報記憶部150に登録しておくことができる。この他、クライアント装置1の運用開始当初においては、実施の形態1において説明したように、処理機器判断部152はネットワークを介して機器情報を取得し、取得した情報を機器情報記憶部150に記憶する、即ち、画像形成装置2〜4のパフォーマンス情報やフォーム記憶部202に記憶されている情報を学習するようにしても良い。これにより、ユーザが手動で機器情報記憶部150に情報を登録する手間を省くことが可能となる。
【0070】
また、処理機器判断部152が取得した機器情報を機器情報記憶部150に記憶する頻度、即ち、クライアント装置1が画像形成装置2〜4のパフォーマンス情報やフォーム記憶部202に記憶されている情報を学習する頻度は、処理機器判断部152が画像形成装置2〜4から情報を取得する度に毎回としても良いし、複数回毎に1回としても良い。また、処理機器判断部152が取得した情報の内容に応じて、機器情報記憶部150への情報記憶の有無を判断しても良い。このような設定は、入力デバイス120を介して情報を入力することにより、処理機器判断部152に対して実行することが可能である。
【0071】
実施の形態3.
実施の形態1においては、図4及び図6に示すように、クライアント装置1が印刷ジョブを出力する際、印刷出力すべき画像の情報はコマンド情報に変換して印刷ジョブを生成する例を説明した。本実施形態においては、印刷ジョブ中に含まれる印刷出力すべき画像の情報が他の情報形式である場合について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
【0072】
実施の形態1においては、対応するコマンド生成部154がインストールされている画像形成装置を印刷出力の実行候補となる画像形成装置とし、これらの画像形成装置のフォーム記憶部202にオーバーレイページとして指定されたフォームが記憶されているか否かを確認する例を説明した。従って、実施の形態1の態様においては、クライアント装置1が印刷ジョブを出力する際、コマンド生成部154によってコマンドに変換された画像情報が印刷ジョブに含まれる。
【0073】
しかしながら、近年、夫々の画像形成装置に対応したプリンタドライバがインストールされていなくても、画像形成を実行可能な方法として、印刷出力すべき画像の情報を汎用の画像情報形式に変換して印刷ジョブに含める方法が提案されている。このような場合、印刷出力を実行すべき画像形成装置に対応したコマンド生成部154がインストールされている必要はなく、印刷出力すべき画像情報を汎用の画像情報形式に変換して印刷ジョブを生成できれば良い。本実施形態は、このような場合にオーバーレイ処理を実行すべき端末を好適に選択する態様を説明する。
【0074】
図10は、本実施形態に係るクライアント装置1を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態に係るクライアント装置1は、概ね図2に示す実施の形態1の態様と同様の構成を有する。ここで本実施形態に係るクライアント装置1は、プリンタドライバ105が形式変換部155を更に有する。形式変換部155は、アプリケーション104によって印刷出力対象とされた画像情報の形式を変換し、印刷ジョブに含める画像情報を生成する。本実施形態に係る形式変換部155が生成する画像情報の形式としては、例えば、JPEG形式、GIF形式、PNG形式、TIF形式及びPDF形式等が用いられる。
【0075】
次に、本実施形態に係るクライアント装置1がオーバーレイ指定を伴う印刷出力を画像形成装置2〜4若しくは他の画像形成装置に実行させる際の動作について説明する。図11は、本実施形態に係るクライアント装置1の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、本実施形態に係るクライアント装置1の動作は、実施の形態1の図4において説明した動作と概ね同様である。以下、本実施形態に係るクライアント装置1の動作について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0076】
まず、本実施形態においては、S1104における機器情報取得処理が実施の形態1とは異なる。実施の形態1において処理機器判断部152は、図5に示すように予め登録されている画像形成装置2〜4から機器情報を取得したが、本実施形態においては、登録されている画像形成装置2〜4のみではなく、ネットワークを介して接続されている画像形成装置であれば、登録の有無に関わらず情報を取得する(S1104)。尚、ネットワークを介して接続されている画像形成装置としては、同一のルータに接続された同一セグメントの画像形成装置のみでも良いし、異なるセグメントの画像形成装置でも良い。また、インターネット等を介して接続された画像形成装置でも良い。
【0077】
S1104において機器情報を取得した処理機器判断部152は、S1105において、登録されている画像形成装置2〜4に加え、登録されていない画像形成装置も含め、取得したすべての機器情報に基づいてオーバーレイページとして指定されたフォームを有する画像形成装置の有無を判断する。そして、S1106、S1107の判断の結果、処理機器判断部152が画像形成装置においてオーバーレイ処理を実行すると決定した場合(S1107/NO)、その画像形成装置に送信する印刷ジョブの生成を行なう。ここで、オーバーレイ処理を実行する端末として決定された画像形成装置に対応するコマンド生成部154がある場合、即ち、決定された画像形成装置が登録された画像形成装置2〜4である場合(S1112/YES)、実施の形態1と同様に、対応するコマンド生成部154がオーバーレイ指定の付加されたコマンドを生成する(S1113)。
【0078】
他方、ここで、オーバーレイ処理を実行する端末として決定された画像形成装置に対応するコマンド生成部154がない場合、即ち、決定された画像形成装置が登録されていない画像形成装置である場合(S1112/NO)、形式変換部155がオーバーレイ指定の付加された汎用形式の画像情報を生成する(S1114)。その他の処理は、実施の形態1の図4において説明した処理を同様に実行される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理システムにおいては、予め登録されている画像形成装置以外の画像形成装置との間であっても、オーバーレイ処理を実行する端末の判断を好適に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムのネットワーク構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクライアント装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るクライアント装置に登録されている画像形成装置の情報を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る機器情報に含まれる情報の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る印刷ジョブに含まれる情報の例を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る機器情報記憶部に記憶されている情報の例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るクライアント装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る印刷ジョブに含まれる情報の例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 クライアント装置
2、3、4 画像形成装置
100 コントローラ
101 表示制御部
102 操作制御部
103 記憶装置制御部
104 アプリケーション
105 プリンタドライバ
106 入出力制御部
110 ディスプレイモニタ
120 入力デバイス
130 フォーム記憶部
140 ネットワークI/F
150 機器情報記憶部
151 オーバーレイ指定部
152 処理機器判断部
153 オーバーレイ処理部
154 コマンド生成部
155 形式変換部
200 コントローラ
201 ディスプレイパネル
202 フォーム記憶部
203 給紙テーブル
204 プリントエンジン
205 排紙トレイ
206 ネットワークI/F
211 主制御部
212 エンジン制御部
213 画像処理部
214 オーバーレイ処理部
215 記憶装置制御部
216 操作表示制御部
217 入出力制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理装置であって、
前記定形情報を指定し、指示された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、
前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部とを有し、
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機器情報取得部は、予め登録された画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機器情報取得部は、対応するプリンタドライバのインストールされた画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を一括して送信することを特徴とする、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置。
【請求項6】
前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を個別に送信することを特徴とする、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置。
【請求項7】
前記機器情報を記憶している機器情報記憶部を更に有し、
前記機器情報取得部は、前記機器情報記憶部から前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得し、
前記機器情報記憶部は、前記機器情報取得部が取得した前記機器情報を記憶することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置の情報処理能力に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記取得した画像形成装置の情報処理能力に関する情報と前記情報処理装置の情報処理能力とに基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする、請求項1乃至8いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置が実行中の処理に関する情報及び実行予定である処理に関する情報のうち少なくとも一方を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする、請求項1乃至9いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記重畳処理端末決定部は、前記機器情報として前記画像形成装置が単位時間当たりに印刷出力可能な用紙枚数に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする、請求項1乃至10いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記重畳処理端末決定部が前記情報処理装置を前記重畳処理端末として決定した場合に前記重畳処理を実行する重畳処理部を更に有することを特徴とする、請求項1乃至11いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷を実行可能な画像処理システムであって、
前記対象情報の印刷出力を指示する情報処理装置と、
前記情報処理装置の指示に応じて前記印刷出力を実行する画像形成装置とを有し、
前記情報処理装置は、
前記対象情報の印刷出力を決定する印刷出力指示部と、
前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、
前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部と、
前記印刷出力を前記画像形成装置に実行させるための印刷出力実行命令を生成する実行命令生成部とを有し、
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定し、
前記実行命令生成部は、前記重畳処理端末決定部の決定結果に応じた前記印刷出力実行命令を生成し、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて前記重畳処理を実行する重畳処理部と、
前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて印刷出力を実行する印刷出力部とを有することを特徴とする、画像処理システム。
【請求項14】
印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記対象情報によって描画される画像に前記定形情報によって描画される情報を重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理方法であって、
前記対象情報の印刷出力を決定し、
前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定し、
前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する情報であって前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、
前記取得した情報に基づき、前記指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする、情報処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理プログラムを情報処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理装置であって、
前記定形情報を指定し、指示された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、
前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部とを有し、
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機器情報取得部は、予め登録された画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機器情報取得部は、対応するプリンタドライバのインストールされた画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を一括して送信することを特徴とする、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置。
【請求項6】
前記機器情報取得部は、複数の画像形成装置に対して前記機器情報を取得するための信号を個別に送信することを特徴とする、請求項2乃至4いずれか1項に記載の情報処置装置。
【請求項7】
前記機器情報を記憶している機器情報記憶部を更に有し、
前記機器情報取得部は、前記機器情報記憶部から前記機器情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置と通信することにより前記機器情報を取得し、
前記機器情報記憶部は、前記機器情報取得部が取得した前記機器情報を記憶することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置の情報処理能力に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記取得した画像形成装置の情報処理能力に関する情報と前記情報処理装置の情報処理能力とに基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする、請求項1乃至8いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記機器情報取得部は、前記機器情報として前記画像形成装置が実行中の処理に関する情報及び実行予定である処理に関する情報のうち少なくとも一方を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする、請求項1乃至9いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記重畳処理端末決定部は、前記機器情報として前記画像形成装置が単位時間当たりに印刷出力可能な用紙枚数に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記取得した情報に基づいて前記重畳処理端末を決定することを特徴とする、請求項1乃至10いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記重畳処理端末決定部が前記情報処理装置を前記重畳処理端末として決定した場合に前記重畳処理を実行する重畳処理部を更に有することを特徴とする、請求項1乃至11いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷を実行可能な画像処理システムであって、
前記対象情報の印刷出力を指示する情報処理装置と、
前記情報処理装置の指示に応じて前記印刷出力を実行する画像形成装置とを有し、
前記情報処理装置は、
前記対象情報の印刷出力を決定する印刷出力指示部と、
前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定する重畳印刷決定部と、
前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記取得した機器情報に基づいて前記情報処理装置及び前記画像形成装置のいずれか一方を前記重畳処理端末として決定する重畳処理端末決定部と、
前記印刷出力を前記画像形成装置に実行させるための印刷出力実行命令を生成する実行命令生成部とを有し、
前記機器情報取得部は、前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、
前記重畳処理端末決定部は、前記重畳印刷決定部によって指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定し、
前記実行命令生成部は、前記重畳処理端末決定部の決定結果に応じた前記印刷出力実行命令を生成し、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて前記重畳処理を実行する重畳処理部と、
前記情報処理装置から受信した前記印刷出力実行命令に基づいて印刷出力を実行する印刷出力部とを有することを特徴とする、画像処理システム。
【請求項14】
印刷出力すべき対象情報が描画する画像に予め登録された定形情報が描画する画像を重畳して印刷出力を実行する重畳印刷の実行に際して前記対象情報によって描画される画像に前記定形情報によって描画される情報を重畳する処理を実行する重畳処理端末を決定する情報処理方法であって、
前記対象情報の印刷出力を決定し、
前記定形情報を指定して前記決定された印刷出力を前記重畳印刷とすることを決定し、
前記情報処理装置の命令に基づいて印刷出力を実行可能な画像形成装置に関する情報であって前記画像形成装置に記憶されている定形情報に関する情報を取得し、
前記取得した情報に基づき、前記指定された前記定形情報を記憶している画像形成装置を前記重畳処理端末として決定することを特徴とする、情報処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理プログラムを情報処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−169725(P2009−169725A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7825(P2008−7825)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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