説明

情報処理装置、画面表示方法、制御プログラムおよび記録媒体

【課題】入力部および表示部を備えた情報処理装置において、優れた操作性を実現する。
【解決手段】本発明のタブレット端末100は、表示部12の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する接触情報生成部21と、接触情報生成部21によって取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、表示部12上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定部28と、余白選択判定部28によって選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出部23と、関連項目抽出部23によって抽出された関連項目に対応するアイコンを表示部12に表示する操作画面処理部24とを備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力部および表示部を備える情報処理装置のユーザインターフェース技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレットPCなどの、いわゆるタブレット端末が急速に普及している。タブレット端末は、平板状の外形を有しており、表示部および入力部としてのタッチパネルを備えている。このタッチパネルに表示されたオブジェクトを、指やペン等でタッチすることにより、ユーザは、タブレット端末本体への各種操作を行うことができる。
【0003】
タブレット端末は、タッチパネルによってユーザの画面上での様々な接触動作を判別することができ、その接触動作に合わせたオブジェクト表示を行うことができる。例えば、接触動作には、画面に表示されたオブジェクトを、指(ペン)でタップする(軽くたたく)、フリックする(はじく、はらう)、ピンチする(指でつまむ)、ドラッグするなどの様々な動作がある。タブレット端末は、そうしたさまざまな接触動作を判別し、判別結果に応じて、オブジェクトの選択/移動、リストのスクロール、画像などの拡大/縮小を行う。タブレット端末は、上述のようにタッチパネルによってより直感的な操作を実現し、多くの人から支持されている。
【0004】
また、タブレット端末にかかわらず、また、装置の大小を問わず、多機能な情報処理装置一般において、メニュー、画像およびアイコンなどの表示対象物を表示し選択を受け付けるというユーザインターフェース技術は非常によく用いられている。この技術によれば、情報処理装置は、ユーザが所望の項目を選択可能なように表示対象物を表示し、ユーザの選択を受け付ける。これにより、ユーザは所望の項目を選択することで装置を操作することができる。
【0005】
表示対象物(例えば、メニュー)を表示させる方法としては、例えば、メニューを呼び出す機能を割り当てられた呼出ボタンが、物理的に、あるいは、タッチ画面上に設けられ、そのボタンを押下することによってメニューを呼び出すということが一般に行われている。具体的には、リモコンに予め設けられたメニューボタンが押されるとテレビにメニューが表示されたり、携帯電話に設けられたファンクションキーが押されると携帯電話の表示画面に機能リストが表示されたりすることなどが行われている。
【0006】
さらに、特許文献1、2には、ユーザの利便性およぶ操作性を向上させることを目的として、メニュー、画像およびアイコンなどの表示対象物の表示を実現する情報処理装置が開示されている。
【0007】
特許文献1には、表示画面に重なる入力領域を有するタッチ入力部を備えた表示装置が開示されている。この表示装置は、タッチによるユーザの指示操作入力を受け付ける。そして、受け付けたタッチ位置を中心としてほぼ環状に配置された複数のメニュー項目を含む円形メニューを表示画面上に表示する。
【0008】
特許文献2には、メニュー表示制御装置およびこれを適用した電子黒板システムが開示されている。具体的には、メニュー表示制御装置は、ユーザが座標入力面に指先で線などを描くことによって装置に入力される、複数の座標に関する入力履歴を認識する。メニュー表示制御装置は、入力履歴に基づいて処理メニューを表示すべきか否かを判断し、処理メニューを表示する。より具体的には、メニュー表示制御装置は、ユーザが人差し指で座標入力面に円を描いた後に、人差し指を画面にタッチしたまま、中指で座標入力面をタッチすると、中指がタッチされた付近に処理メニューを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−139615号公報(2006年6月1日公開)
【特許文献2】特開2001−265475号公報(2001年9月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
タブレット端末の操作性の良さは、いかに簡易な接触動作で且ついかに少ない動作数でユーザの目的である最終結果物を表示させるかということ、および、いかにユーザの直感に反しない自然な流れで、該接触動作に基づく結果物の表示を行うかということにかかっている。
【0011】
こうした操作性の向上は、ユーザの目的、ユーザの状態、ユーザの傾向を適正に把握することによって実現される。タブレット端末は、例えば、ユーザは今何をどうしたいのか、その次に何がしたいのか、ユーザは今どうやって操作しているのか、今どこにいるのか、ユーザの動きに対してどのように表示することが自然であるのか、など、ユーザの意図をあらゆる観点から「察する」ことが求められている。
【0012】
上述の特許文献1、2の各装置の構成では、ユーザの意図を察するには必ずしも十分とは言えない。
【0013】
より具体的には、特許文献1には、メニューを表示させる位置をユーザがタッチ位置に応じて任意に決定できることが開示されている。しかしながら、ユーザは、他のオブジェクトを選択したくて画面にタッチしたのかも知れず、ユーザが特定のオブジェクトとは関係がないメニューを呼び出す意図で画面をタッチしたのか否かを正確に判別することができない。
【0014】
また、特許文献2には、ユーザが意図的にメニューを呼び出すための操作として、特殊なジェスチャが割り当てられているが、特殊なジェスチャは、煩雑であり、メニューを呼び出すために、ユーザは、苦労してその操作を習得しなければならない。
【0015】
結果として、ユーザ操作、そしてそれに伴う、結果物(メニュー、画像、アイコンなど)の表示、結果物の選択のためのユーザ操作、・・・最終結果物の表示、という一連の処理を、簡易な接触動作、少ない動作数、および、直感的で自然な接触動作で装置に行わせるということができないという問題がある。
【0016】
上述の操作性の問題は、携帯性に優れた小型のタブレット端末のみならず、タッチパネル式の表示部兼入力部を備えた、あらゆるサイズの情報処理装置(例えば、大型のタッチパネルを備えた電子黒板など)、ならびに、タッチパネルに限定されずあらゆる形態の表示部および入力部を備えた情報処理装置に共通して生じる問題である。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力部および表示部を備えた情報処理装置において、優れた操作性を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の情報処理装置は、上記課題を解決するために、表示部の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する軌跡取得手段と、上記軌跡取得手段によって取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記表示部上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定手段と、上記余白選択判定手段によって上記選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出手段と、上記関連項目抽出手段によって抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する画面処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、本発明の情報処理装置は、情報が何もない余白領域を選択するという選択動作をユーザから受け付ける。情報処理装置において、「余白領域を選択する」というユーザの選択動作には、目的の表示対象物(ここでは、1または複数のアイコン)を呼び出す(表示する)という機能が割り当てられている。情報処理装置は、余白領域がユーザによって選択された場合には、その事象に予め関連付けられている関連項目を抽出し、各関連項目に対応する画像を表示する。
【0020】
より詳細には、軌跡取得手段が上記選択動作を受け付けることにより、指示体(例えば、ユーザの指、ペン、あるいは、カーソルなど)の移動の軌跡が得られる。余白選択判定手段は、この軌跡によって特定される領域(すなわち、ユーザによって選択された選択領域)が、余白領域であるのか否かを判定する。選択領域が、表示部上の何も情報が表示されていない余白領域に含まれていれば、余白選択判定手段は、上記選択領域によって余白領域が選択されたと判定する。すなわち、「ユーザによって余白領域が選択される」という事象が、当該情報処理装置において生じ、この事象が生じたことが、当該情報処理装置において認識されたことになる。
【0021】
このように、「ユーザによって余白領域が選択される」という事象が生じたことが余白選択判定によって認識されると、次に、関連項目抽出手段は、「余白領域が選択された」という事象に関連付けられている関連項目を関連情報記憶部から抽出する。関連情報記憶部は、「余白領域が選択された」という事象に関連付けて、1以上の項目を関連項目として記憶するものである。
【0022】
続いて、画面処理手段は、抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する。関連項目が複数抽出された場合には、関連項目の各々に対応するアイコンを表示部に表示すればよい。
【0023】
このように、本発明の情報処理装置は、情報が何も表示されてない「余白領域」を「選択する」という選択動作をユーザに行わせて、その選択動作に対して、目的の表示対象物(ここでは、アイコン)を呼び出す機能を割り当てている。すなわち、何かの情報や領域を選択するという通常のユーザの選択動作と、情報が何もない「余白領域」とが結び付けられており、この選択動作に、余白領域が選択されたときの画像を呼び出すという機能が割り当てられているのである。ここで、「余白領域が選択された」という事象に関連付けて記憶しておく画像を、特定の表示内容(オブジェクト)に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の画像とすることができる。
【0024】
上述のように、「情報が何も表示されていない余白領域を選択する」という能動的な動作からは、容易に、「特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物(アイコン)」を所望していることが連想される。
【0025】
つまり、「情報を何も選択しない」あるいは「特定の内容に依存しない表示対象物を所望する」という情報を、ユーザに意図的に能動的に、当該情報処理装置に入力させることが可能となる。これにより、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性のアイコンを所望するという、ユーザの意図をより正確に察することができる。
【0026】
なおかつ、余白領域を選択する動作は、通常、何かの情報(ファイルなどのオブジェクト)を選択するときに行われる一般的な選択動作と同じであってよく、余白領域を選択するために特殊なジェスチャは含まれない。よって、ユーザに操作を習得するための苦労を強いることが無い。ユーザは、情報が表示されていない(空いている)領域を、通常何かの情報を選択するときと同じように選択するだけで、特定の内容に依存しない画像を呼び出すことが可能となる。
【0027】
これにより、ユーザ操作、そしてそれに伴う最終結果物(アイコン)の表示、という一連の処理を、簡易な動作、少ない動作数、および、直感的で自然な動作により、情報処理装置において実現することが可能になる。結果として、表示部および入力部を備えた情報処理装置において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【0028】
本発明の情報処理装置では、上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、上記関連項目抽出手段は、上記余白領域が選択された事象に関連する、抽出すべき関連項目の数を、上記選択領域の大きさに応じて決定してもよい。
【0029】
上記構成によれば、上記関連項目抽出手段は、ユーザが行った選択動作の大きさ、つまり、ユーザが選択した選択領域がどのくらい大きいのかに応じて、抽出する関連項目数を調整する。これにより、画面処理手段によって表示部に表示される最終的なアイコンの数も、選択領域の大きさに応じて可変となる。
【0030】
例えば、ユーザによって選択された選択領域が小さい場合には、それに合わせて、表示されるアイコン数を少なくし、選択領域が大きい場合には、それに合わせて、表示されるアイコン数を多くすることなどが考えられる。
【0031】
このように、ユーザが実際に行った選択動作と、表示部に表示される最終結果物とが連動しているので、ユーザは、より直感的で自然な動作によって、本発明の情報処理装置を操作することができる。
【0032】
あるいは、本発明の情報処理装置では、上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、上記画面処理手段は、上記関連項目に対応するアイコンの大きさ、または、該アイコンを表示するための画像表示領域の大きさを、上記選択領域の大きさに応じて決定してもよい。
【0033】
上記構成によれば、上記画面処理手段は、ユーザが行った選択動作の大きさ、つまり、ユーザが選択した選択領域がどのくらい大きいのかに応じて、表示するアイコンの大きさ、または、1または複数のアイコンを表示するための画像表示領域の大きさを調整する。これにより、表示部に表示される1以上のアイコンが表示される範囲が、上記選択領域の大きさに応じて可変となる。
【0034】
例えば、ユーザによって選択された選択領域が小さい場合には、それに合わせて、アイコンが表示される範囲を小さくし、選択領域が大きい場合には、それに合わせて、アイコンが表示される範囲を大きくすることなどが考えられる。
【0035】
このように、ユーザが実際に行った選択動作と、表示部に表示される最終結果物とが連動しているので、ユーザは、より少ない動作数で目的の画像を意図どおりに呼び出すことができ、より直感的で自然な動作によって、本発明の情報処理装置を操作することができる。
【0036】
さらに、本発明の情報処理装置では、上記画面処理手段は、余白領域を選択していると判定された上記選択領域に、上記アイコンを表示することが好ましい。
【0037】
上記構成によれば、上記画面処理手段は、ユーザが行った選択動作が生じた位置にアイコンを表示させることができる。
【0038】
このように、ユーザが実際に行った選択動作と、表示部に表示される最終結果物とが連動しているので、ユーザは、より少ない動作数で目的のアイコンを意図どおりに呼び出すことができ、より直感的で自然な動作によって、本発明の情報処理装置を操作することができる。
【0039】
さらに、本発明の情報処理装置では、上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、上記画面処理手段は、1または複数のアイコンを環の輪郭線上に並べて配置して、上記表示部に表示するものであり、該画面処理手段は、上記環の大きさを、上記選択領域の大きさに応じて決定してもよい。
【0040】
上記構成によれば、上記画面処理手段は、アイコンを配置するための環を定義し、その環の輪郭線上にアイコンを配置して、表示部に表示する。
【0041】
ここで、上記画面処理手段は、ユーザが行った選択動作の大きさ、つまり、ユーザが選択した選択領域がどのくらい大きいのかに応じて、上記環の大きさを調整する。これにより、アイコンの環の表示範囲が、上記選択領域の大きさに応じて可変となる。
【0042】
例えば、ユーザによって選択された選択領域が小さい場合には、それに合わせて、環を小さくしてアイコンが表示される範囲を小さくし、選択領域が大きい場合には、それに合わせて、環を大きくしてアイコンが表示される範囲を大きくすることなどが考えられる。
【0043】
このように、ユーザが実際に行った選択動作と、表示部に表示される最終結果物とが連動しているので、ユーザは、より少ない動作数で目的の画像を意図どおりに呼び出すことができ、より直感的で自然な動作によって、本発明の情報処理装置を操作することができる。
【0044】
あるいは、本発明の情報処理装置は、さらに、画像を処理して上記表示部に表示する画像処理手段を備え、上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、上記画像処理手段は、上記画面処理手段によって表示された画像処理のアイコンが選択されたことにより起動し、上記画像を表示するための画像表示領域の大きさを、上記選択領域の大きさに応じて決定し、上記画像の拡縮またはトリミングを実行してもよい。
【0045】
上記構成によれば、上記画面処理手段は、画像の大きさを変更する画像処理を実行してから画像を表示部に表示する。
【0046】
ここで、上記画面処理手段は、ユーザが行った選択動作の大きさ、つまり、ユーザが選択した選択領域がどのくらい大きいのかに応じて、画像の大きさを調整する。より具体的には、画像を拡大したり、縮小したり、等倍の場合には画像をトリミングしたりする。
【0047】
これにより、表示される画像の大きさが、上記選択領域の大きさに応じて可変となる。
【0048】
例えば、ユーザによって選択された選択領域が小さい場合には、それに合わせて、画像を縮小したり、トリミングしたりして表示する画像を小さくし、選択領域が大きい場合には、それに合わせて、画像を拡大して表示する画像を大きくすることなどが考えられる。
【0049】
このように、ユーザが実際に行った選択動作と、表示部に表示される最終結果物とが連動しているので、ユーザは、より少ない動作数で目的の画像を意図どおりに表示することができ、より直感的で自然な動作によって、本発明の情報処理装置を操作することができる。
【0050】
あるいは、本発明の情報処理装置では、当該情報処理装置が上記表示部に表示している画面に応じて、当該情報処理装置の画面表示状態を判定する状態判定手段を備え、上記関連情報記憶部には、上記余白領域が選択された事象に関連する関連項目が、さらに、画面表示状態ごとに関連付けて記憶されており、上記関連項目抽出手段は、上記状態判定手段によって判定された、上記余白選択判定手段によって上記選択領域が余白領域を選択していると判定されたときの当該情報処理装置の画面表示状態に関連付けられている関連項目を抽出してもよい。
【0051】
上記構成によれば、本発明の情報処理装置は、当該情報処理装置がどのような画面を表示している状態か(すなわち、情報処理装置の画面表示状態)を考慮し、その場面に最適な関連項目のアイコンをユーザに提示できる。
【0052】
したがって、余白領域をユーザに選択させることにより、「特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の画像」を所望していることを、ユーザに意図的に能動的に当該情報処理装置に入力させることができ、これに応じて、情報処理装置は、特定の内容に依存しないアイコン(またはアイコン群)をユーザに提示することができる。加えて、上記情報処理装置は、余白領域が選択されたときの当該情報処理装置の画面表示状態を考慮して、各場面に応じた最適なアイコンをユーザに提示することができるので、ユーザの意図をより正確に反映した最終結果物をユーザに提供することが可能となる。
【0053】
あるいは、本発明の情報処理装置は、上記余白選択判定手段は、上記表示部の画面を分割した複数の分割領域を定義する分割情報を参照して、上記軌跡に基づいて、余白領域を選択する上記選択領域が含まれる分割領域を特定し、上記関連情報記憶部には、上記余白領域が選択された事象に関連する関連項目が、さらに、分割領域ごとに関連付けて記憶されており、上記関連項目抽出手段は、上記余白選択判定手段によって特定された上記選択領域が含まれる分割領域に関連付けられている関連項目を抽出してもよい。
【0054】
上記構成によれば、本発明の情報処理装置は、表示部のどの位置(分割領域)で、余白領域が選択されたのかを考慮し、その操作状況において最適な関連項目のアイコンをユーザに提示できる。
【0055】
「特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の」表示対象物(アイコン)は、無数に存在することが想定される。
【0056】
無数に存在するアイコンは、ユーザが頻繁に呼び出すアイコン、お気に入りのアイコン、仕事のときによく呼び出すアイコン、遊びのときによく呼び出すアイコン、在宅時両手で使用するときによく呼び出すアイコン、外出・移動時に片手で使用するときによく呼び出すアイコンなど、ユーザごとに様々なグループ分けができるであろう。
【0057】
一方、ユーザごとに、また、ユースシーンごとに、選択動作が頻繁に行われる画面位置(分割領域)には偏りが生じるはずである。例えば、片手で使用するユーザもいれば、両手で使用するユーザもいるし、右利きのユーザもいれば、左利きのユーザもいる。また、右手(片手)で頻繁に操作する人は、例えば、一例として当該情報処理装置がタッチパネルを備えている場合、タッチパネルの画面右下のあたりに接触動作が集中するはずである。
【0058】
ここで、例えば、上記関連情報記憶部に記憶されているデータの構造を、接触動作が最も多く生じる「画面右下」の分割領域に、そのユーザが最も頻繁に利用する関連項目の上位いくつかを関連付けておく構造とすることができる。
【0059】
したがって、本発明の情報処理装置によれば、最もよく触られる、「画面右下」において、ユーザによる余白領域の選択が行われた場合には、ユーザが最もよく利用する関連項目のアイコンをユーザに提示することが可能となる。
【0060】
以上のことから、余白領域をユーザに選択させることにより、「特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物(アイコン)」を所望していることを、ユーザに意図的に能動的に情報処理装置に入力させることができる。そして、該情報処理装置は、上記の入力に応じて、特定の内容に依存しないアイコンをユーザに提示することができる。加えて、余白領域が選択されたときの軌跡の位置(選択領域がどの分割領域に含まれるか)を考慮して、利用状況を推定し、推定した状況と連動して最適なアイコン(またはアイコン群)をユーザに提示することができるので、ユーザの意図をより正確に反映した最終結果物をユーザに提供することが可能となる。
【0061】
あるいは、本発明の情報処理装置では、上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、該選択領域を、大きさに基づく複数の区分のいずれかに分類し、上記関連情報記憶部には、上記余白領域が選択された事象に関連する関連項目が、さらに、選択領域の大きさの区分ごとに関連付けて記憶されており、上記関連項目抽出手段は、上記余白選択判定手段によって分類された上記選択領域の大きさの区分に関連付けられている関連項目を抽出してもよい。
【0062】
「特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の」表示対象物(アイコン)は、無数に存在することが想定される。そして、上述したとおり、ユーザごとに様々なグループ分けができるであろう。
【0063】
一方、例えば、当該情報処理装置がタッチパネルを備えている場合、大きい接触動作の行い易さと、小さい接触動作の行い易さとは、異なっていると考えられる。例えば、円を描くように領域を「囲う」接触動作の場合、小さい円ほど容易に描き易い。画面いっぱい大きい円を描くには、両手操作でないと難しい場合もある。
【0064】
ここで、例えば、上記関連情報記憶部に記憶されているデータ構造を、最も行い易い接触動作が生じたと推測される、選択領域の大きさの区分「小」に、そのユーザが最も頻繁に利用する関連項目を関連付けておく構造とすることができる。
【0065】
したがって、本発明の情報処理装置によれば、最も容易に行われる接触動作の大きさ(すなわち、区分「小」の大きさ)にて、ユーザによる余白領域の選択が行われた場合には、ユーザが最もよく利用する関連項目の画像をユーザに提示することが可能となる。
【0066】
あるいは、別の例を挙げると、大きい接触動作が行われた場合、比較的困難な接触動作をユーザが意図的に行ったことから、「内容に依存しない一般的な」表示対象物を表示させたいというユーザの意志はより強いと推定することができる。
【0067】
このような場合には、例えば、関連情報記憶部に記憶されているデータの構造を、最も行い難い接触動作が生じたと推測される選択領域の大きさの区分「大」に、そのユーザが、特定の場合(在宅時、移動時など)によく使う関連項目を関連付けておく構造とすることができる。
【0068】
したがって、本発明の情報処理装置によれば、最も行い難い接触動作の大きさ(すなわち、区分「大」の大きさ)にて、ユーザによる余白領域の選択が行われた場合には、ユーザが、特殊な状況で利用する関連項目の画像をユーザに提示するということも可能となる。
【0069】
以上のとおり、余白をユーザに選択させることにより、「特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物(アイコン)」を所望していることを、ユーザに意図的に能動的に情報処理装置に入力させることができる。そして、当該情報処理装置は、上記入力にしたがって、特定の内容に依存しないアイコンをユーザに提示することができる。加えて、余白が選択されたときの余白領域の面積を考慮して、操作状況を推定し、推定した操作状況と連動して最適なアイコンをユーザに提示することができるので、ユーザの意図をより正確に反映した最終結果物をユーザに提供することが可能となる。
【0070】
本発明の情報処理装置では、上記余白選択判定手段は、選択可能なオブジェクトが表示されているオブジェクト領域を非余白領域、選択可能なオブジェクトが表示されていない領域を余白領域として認識してもよい。
【0071】
さらに、本発明の情報処理装置では、上記余白選択判定手段は、上記選択領域に、上記オブジェクト領域が含まれていない場合には、上記選択領域が余白領域を選択していると判定し、上記選択領域に、上記オブジェクト領域の少なくとも一部が含まれている場合には、上記選択領域と重なる上記オブジェクト領域が、該選択領域において占める割合を求め、上記割合が閾値未満であれば、上記選択領域が余白領域を選択していると判定し、記割合が上記閾値以上であれば、上記選択領域がオブジェクト領域を選択していると判定することが好ましい。
【0072】
上記構成によれば、余白選択判定手段は、選択領域にオブジェクト領域が含まれていなければ、ただちに余白領域が選択されたと判定することができる。一方、余白選択判定手段は、選択領域にオブジェクト領域が含まれている場合には、ただちにオブジェクトが選択されたと判定せずに、その選択領域において、オブジェクト領域が占める割合を求め、オブジェクト領域が含まれている割合が所定の閾値未満であれば、余白領域が選択されたと判定することができる。
【0073】
これにより、ユーザが、余白を選択しようとして、意図せずオブジェクトを部分的に選択してしまった場合などに、余白選択判定手段が誤ってオブジェクトが選択されたと判定することを回避することができる。
【0074】
よって、余白選択判定手段の正しい判定に基づいて、適切な関連項目が抽出され、アイコンが表示される。
【0075】
さらに、本発明の情報処理装置は、上記余白選択判定手段によって上記選択領域がオブジェクト領域を選択していると判定された場合、上記選択領域に少なくとも一部が重なるオブジェクトを、ユーザによって選択されたオブジェクトとして特定するオブジェクト特定手段を備え、上記関連情報記憶部には、さらに、オブジェクトと該オブジェクトに関連する項目とが対応付けて記憶されており、上記関連項目抽出手段は、上記関連情報記憶部を参照して、上記オブジェクト特定手段によって特定されたオブジェクトに対応付けられた項目を関連項目として抽出してもよい。
【0076】
上記構成によれば、画面処理手段は、余白領域が選択された場合と、オブジェクトが選択された場合とで、異なるアイコン(群)をユーザに提示することが可能となる。つまり、余白領域が選択された場合には、特定の内容に依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の関連項目に対応するアイコンを表示し、一方、オブジェクトが選択された場合には、その選択されたオブジェクトに特化した関連項目に対応するアイコンを表示することができる。
【0077】
このような異なる結果をもたらす情報処理装置においても、ユーザが行う選択動作は、余白を選択するときもオブジェクトを選択するときも同種の選択動作であってよく、余白領域を選択するために、別途特殊なジェスチャを学習する必要がない。ユーザは、同じ選択動作を行って、特定の内容に依存しないアイコンを呼び出すのか、特定のオブジェクトに特化したアイコンを呼び出すのかを指示し分けることが容易に行える。
【0078】
本発明の情報処理装置において、当該情報処理装置が備える入力部および上記表示部はタッチパネルを構成するものであり、上記軌跡取得手段は、上記タッチパネル上を移動した上記指示体の移動の軌跡を取得してもよい。
【0079】
上記構成によれば、ユーザがオブジェクトを選択するために行う接触動作と、その動作に応じて得られる結果物との関連性を高めることが可能となり、ユーザの直感に反しない自然な流れで操作画面を提供することができる。結果として、タッチパネルを備えた情報処理装置において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【0080】
あるいは、本発明の情報処理装置において、当該情報処理装置が備える入力部は、上記表示部に表示される、上記指示体としてのカーソルを移動させる指示を当該情報処理装置に入力するものであり、上記軌跡取得手段は、上記カーソルの移動の軌跡を取得してもよい。
【0081】
上記構成によれば、ユーザが、入力部を操作して、オブジェクトを選択するために行う入力動作と、その動作に応じて得られる結果物との関連性を高めることが可能となり、ユーザの直感に反しない自然な流れで操作画面を提供することができる。結果として、表示部と入力部とを備えた情報処理装置において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【0082】
本発明の画面表示方法は、上記課題を解決するために、情報処理装置における画面表示方法であって、表示部の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する軌跡取得ステップと、上記軌跡取得ステップにて取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記表示部上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定ステップと、上記余白選択判定ステップにて上記選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出ステップと、上記関連項目抽出ステップにて抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する画面処理ステップとを含むことを特徴としている。
【0083】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0084】
本発明の情報処理装置は、上記課題を解決するために、表示部の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する軌跡取得手段と、上記軌跡取得手段によって取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記表示部上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定手段と、上記余白選択判定手段によって上記選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出手段と、上記関連項目抽出手段によって抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する画面処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0085】
本発明の画面表示方法は、上記課題を解決するために、情報処理装置における画面表示方法であって、表示部の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する軌跡取得ステップと、上記軌跡取得ステップにて取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記表示部上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定ステップと、上記余白選択判定ステップにて上記選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出ステップと、上記関連項目抽出ステップにて抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する画面処理ステップとを含むことを特徴としている。
【0086】
結果として、入力部および表示部を備えた情報処理装置において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態におけるタブレット端末の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるタブレット端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるタブレット端末の外観を示す平面図である。
【図4】タブレット端末をユーザが把持および操作するときの様子を説明する図であり、(a)は、タブレット端末が片手で把持され、その手で操作される様子を説明する図であり、(b)は、タブレット端末が一方の手で把持され、もう一方の手で操作される様子を説明する図である。
【図5】(a)は、ユーザが、余白を選択することを意図して、余白領域を「囲う」という接触動作を行ったことを示す図であり、(b)は、同図の(a)に示す接触動作に伴って、接触情報生成部が生成した接触情報の一例を示す図であり、(c)は、接触が検知された期間に表示部に表示された映像フレームのマップ情報の一例を示す図である。
【図6】タブレット端末の関連情報記憶部に記憶される関連情報の一例を示す図である。
【図7A】タブレット端末のアイコン記憶部に記憶されるアイコン画像の具体例を示す図である。
【図7B】タブレット端末のアイコン記憶部に記憶されるアイコン画像の具体例を示す図である。
【図8】タブレット端末の操作画面処理部がアイコンを配置するときの、配置例を示す図である。
【図9】タブレット端末の操作画面処理部が実行した操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。
【図10】タブレット端末による操作画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態におけるタブレット端末の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図12】他の実施形態におけるタブレット端末の関連情報記憶部に記憶される関連情報の一例を示す図である。
【図13】他の実施形態における操作画面処理部によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。
【図14】(a)は、タブレット端末が「写真アプリ画面」を表示している状態のときに、ユーザが、余白領域を選択することを意図して「囲う」接触動作を行ったことを示す図であり、(b)は、接触が検知された期間に表示部に表示された映像フレームのマップ情報と、上記「囲う」接触動作によって特定された選択領域とを示す図である。
【図15】上記「写真アプリ画面」における、アイコンの表示可能領域と、アイコンの配置例とを示す図である。
【図16】上記他の実施形態における操作画面処理部によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。
【図17】上記他の実施形態におけるタブレット端末による操作画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】フレームマップ記憶部に記憶されている、分割情報を含むマップ情報の具体例を示す図である。
【図19】(a)は、ユーザが、余白領域を選択することを意図して「囲う」接触動作を行ったことを示す図であり、(b)は、分割情報を含むマップ情報と、上記「囲う」接触動作によって特定された選択領域とを示す図である。
【図20】本発明のさらに他の実施形態における関連情報記憶部に記憶される関連情報の一例を示す図である。
【図21】上記さらに他の実施形態における操作画面処理部によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。
【図22】ユーザが、余白領域を選択することを意図して、さまざまな大きさの「囲う」接触動作を行ったときの、軌跡のいくつかの例を示す図である。
【図23】さらに他の実施形態における関連情報記憶部に記憶される関連情報の一例を示す図である。
【図24】(a)は、所定の大きさの接触動作が生じたときに、上記操作画面処理部によって作成された操作画面の具体例を示す図であり、(b)は、同図の(a)の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、上記操作画面処理部によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【図25】本発明のさらに他の実施形態におけるタブレット端末の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図26】上記さらに他の実施形態における関連情報記憶部に記憶される関連情報の一例を示す図である。
【図27】所定の大きさの接触動作が生じたときに、上記さらに他の実施形態における操作画面処理部によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【図28】図27の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、上記操作画面処理部によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【図29】図27および図28の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、上記操作画面処理部によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【図30】関連情報記憶部に記憶される、「余白面積」と「配置アイコン数」との対応テーブルの具体例を示す図である。
【図31】本発明のさらに他の実施形態におけるタブレット端末の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図32】上記さらに他の実施形態における関連情報記憶部に記憶される関連情報の一例を示す図である。
【図33】登録画像記憶部に記憶されている登録画像のデータベースの一例を示す図である。
【図34】タブレット端末がホーム画面表示時において、所定の位置に所定の大きさの接触動作が生じたときに、登録画像処理部によって作成された壁紙表示画面の具体例を示す図である。
【図35】(a)は、ホーム画面表示時において、図34の場合とは異なる所定の位置および大きさの接触動作が生じたときに、登録画像処理部によって作成された壁紙表示画面の具体例を示す図であり、(b)は、ホーム画面表示時において、図34および図35の(a)の場合とは異なる所定の位置および大きさの接触動作が生じたときに、登録画像処理部によって作成された壁紙表示画面の具体例を示す図である。
【図36】(a)は、タブレット端末が「スケジュールアプリ画面」を表示しているときに、ユーザが、余白領域を選択することを意図して「囲う」接触動作を行ったことを示す図であり、(b)は、接触が検知された期間に表示部に表示された映像フレームのマップ情報と、上記「囲う」接触動作によって特定された選択領域とを示す図である。
【図37】本発明のさらに他の実施形態における操作画面処理部によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
≪実施形態1≫
本発明の実施形態について、図1〜図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0089】
以下で説明する実施形態では、一例として、本発明の情報処理装置を、タブレット端末に適用した場合について説明する。本実施形態では、一例として、上記タブレット端末は、片手で操作することが可能な、小型で携帯性に優れたスマートフォンなどで実現される。
【0090】
しかし、本発明の情報処理装置は、上記の例に限定されず、あらゆるサイズの情報処理装置(例えば、大型のタッチパネルを備えた電子黒板など)に、本発明の情報処理装置を適用してもよい。
【0091】
〔タブレット端末のハードウェア構成〕
図2は、本実施形態におけるタブレット端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。タブレット端末100は、図2に示すとおり、少なくとも、制御部10、入力部11、表示部12および記憶部19を備えている。さらに、タブレット端末100は、本来備わっている機能を実現するために、操作部13、外部インターフェース14、通信部15、無線通信部16、音声出力部17、音声入力部18を備えていてもよい。
【0092】
また、タブレット端末100がスマートフォンなどの多機能携帯通信端末である場合には、ここでは省略したが、タブレット端末100は、通話処理部、撮影を行う撮像部(レンズ・撮像素子など)、放送受像部(チューナ・復調部など)、GPS、および、センサ(加速度センサ、傾きセンサなど)他、スマートフォンが標準的に備えている各種部品を備えていてもよい。
【0093】
入力部11は、ユーザがタブレット端末100を操作するための指示信号を、タッチパネルを介して入力するためのものである。入力部11は、指示体(表示部12の画面位置を指示するもの、ここでは、例えば、指またはペンなど)の接触を受け付けるタッチ面と、指示体とタッチ面との間の接触/非接触(接近/非接近)、および、その接触(接近)位置を検知するためのタッチセンサとで構成されている。タッチセンサは、指示体とタッチ面との接触/非接触を検知できればどのようなセンサで実現されていてもかまわない。例えば、圧力センサ、静電容量センサ、光センサなどで実現される。
【0094】
表示部12は、タブレット端末100が情報処理するオブジェクト(アイコンなどのあらゆる表示対象物)、および、処理の結果物を表示したり、ユーザがタブレット端末100を操作するための操作画面をGUI(Graphical User Interface)画面として表示したりするものである。表示部12は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。
【0095】
本実施形態では、入力部11と表示部12とは一体に成形されており、これらがタッチパネルを構成している。したがって、このような実施形態では、ユーザが画面位置を指示するために動かす(操作する)対象、すなわち、操作体(ここでは、指またはペンなど)は、同時に、表示部12の画面上の位置を指示する指示体でもある。
【0096】
例えば、本発明のタブレット端末100のタッチパネルを投影型静電容量方式のタッチパネルで実現する場合、具体的には、上記タッチセンサは、ITO(Indium Tin Oxide)などによるマトリクス状の透明電極パターンを、ガラス、プラスチックなどの透明基板上に形成したものとなる。タッチセンサに指示体(ユーザの指またはペン等)が接触または接近すると、その付近の複数の透明電極パターンにおける静電容量が変化する。従って、制御部10は、上記透明電極パターンの電流または電圧の変化を検出することにより、上記指示体が接触または接近した位置を検出することができる。
【0097】
以下では、「接触を検知する」、「接触動作」、「接触位置」などというときの「接触」という用語は、指示体とタッチ面とが完全に接する(接している)状態のみならず、指示体とタッチ面とが、タッチセンサが検知可能な程度に接近する(接近している)状態も含んでいる。
【0098】
操作部13は、ユーザがタブレット端末100に指示信号を直接入力するためのものである。例えば、操作部13は、ボタン、スイッチ、キー、ジョグダイアルなどの適宜の入力機構で実現される。例えば、操作部13は、タブレット端末100の電源のオン/オフを行うスイッチである。
【0099】
外部インターフェース14は、外部の装置をタブレット端末100に接続するためのインターフェースである。外部インターフェース14は、例えば、これに限定されないが、外付けの記録媒体(メモリカードなど)を挿し込むためのソケット、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子、USB(Universal Serial Bus)端子などで実現される。タブレット端末100の制御部10は、外部インターフェース14を介して、外部の装置とデータの送受信を行うことができる。
【0100】
通信部15は、通信網を介して外部の装置と通信を行うものである。通信部15は、通信網を介して、各種通信端末に接続し、タブレット端末100と通信端末との間でのデータの送受信を実現する。さらに、タブレット端末100が、スマートフォンなどの携帯通信端末である場合には、通信部15は、携帯電話回線網を介して、音声通話データ、電子メールデータなどを、他の装置との間で送受信する。
【0101】
無線通信部16は、無線で外部の装置と通信を行うものである。無線通信部16は、特に限定されないが、IrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth通信、WiFi通信、非接触型ICカードのいずれかの無線通信手段を実現するものであってもよいし、これらの手段を複数実現するものであってもよい。タブレット端末100の制御部10は、無線通信部16を介して、タブレット端末100の周辺にある機器と通信し、それらの機器とデータの送受信を行うことができる。
【0102】
音声出力部17は、タブレット端末100が処理した音声データを、音声として出力するものであり、スピーカ、ヘッドフォン端子およびヘッドフォン等により実現される。
【0103】
音声入力部18は、タブレット端末100外部で発生した音声の入力を受け付けるものであり、マイク等により実現される。
【0104】
記憶部19は、タブレット端末100の制御部10が実行する(1)制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)制御部10が、タブレット端末100が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。あるいは、(5)制御部10が各種機能を実行する過程で演算に使用するデータおよび演算結果等を記憶するものである。例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、上記の(5)のデータは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶される。どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、タブレット端末100の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
【0105】
制御部10は、タブレット端末100が備える各部を統括制御するものである。制御部10は、例えば、CPU(central processing unit)などで実現され、タブレット端末100が備える機能は、制御部10としてのCPUが、ROMなどに記憶されているプログラムを、RAMなどに読み出して実行することで実現される。制御部10が実現する各種機能(特に、本発明の操作画面表示機能)については、別図を参照しながら後述する。
【0106】
〔タブレット端末の外観〕
図3は、タブレット端末100の外観を示す平面図である。図3に示すとおり、タブレット端末100は、タッチパネルとしての入力部11および表示部12を備えているものである。また、タブレット端末100には、これらは必須の構成ではないが、操作部13、外部インターフェース14、無線通信部16、音声出力部17、音声入力部18などが備えられている。例えば、無線通信部16が、赤外線通信手段で実現されている場合、タブレット端末100の側面には、無線通信部16として赤外線送受光部が設けられる。
【0107】
図4は、タブレット端末100をユーザが把持および操作するときの様子を説明する図である。より詳細には、図4の(a)は、タブレット端末100が片手で把持され、その手で操作される様子を説明する図であり、図4の(b)は、タブレット端末100が一方の手で把持され、もう一方の手で操作される様子を説明する図である。
【0108】
本実施形態では、タブレット端末100は、片手で把持可能な手のひらサイズの情報処理装置であり、図4の(a)に示すように、片手でタブレット端末100を把持したまま、その手の親指で入力部11のタッチ面を操作できるものである。そして、タブレット端末100は、例えば、親指が届かない位置に操作対象となるアイコンが存在する場合、フリック動作で、親指近辺にアイコンを引き寄せて、親指でアイコンを囲ったり、タップしたりすることにより、アイコンの選択を行うことができるものである。
【0109】
また、図4の(b)に示すように、ユーザは、一方の手でタブレット端末100を把持し、もう一方の手の指で入力部11のタッチ面を操作してもよい。あるいは、図示しないが、タブレット端末100を横長にして、その両脇を両手で把持し、両手の親指で入力部11のタッチ面を操作してもよい。
【0110】
〔タブレット端末の機能〕
次に、タブレット端末100の機能構成について説明する。図1は、本実施形態におけるタブレット端末100の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0111】
図1に示すとおり、本実施形態にかかるタブレット端末100の制御部10は、本発明の操作画面表示機能を実現するための機能ブロックとして、少なくとも、接触情報生成部21、余白選択判定部28、関連項目抽出部23、および、操作画面処理部24を備えている。そして、好ましくは、制御部10は、さらに、オブジェクト特定部22を備えていてもよい。
【0112】
上述した制御部10の各機能ブロックは、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された不揮発性記憶装置に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。
【0113】
また、記憶部19は、制御部10の上記の各部が操作画面表示機能を実行する際に、データの読み出しまたは書き込みを行うための記憶部として、具体的には、フレームマップ記憶部41、関連情報記憶部42およびアイコン記憶部43で構成されている。
【0114】
接触情報生成部21は、入力部11のタッチセンサから出力される信号を処理して、接触情報を生成するものである。接触情報とは、指示体(例えば指)の接触位置の座標位置を示す接触座標情報を少なくとも含んでいる。これにより、制御部10の各部は、上記接触情報から上記指示体の移動の軌跡を得ることができる。本実施形態では、さらに、上記軌跡を構成する各点に対して、接触が起こった時間を示す接触時間情報が必要に応じて対応付けられていてもよい。
【0115】
より詳細には、入力部11のタッチセンサが、タッチ面と指示体(本実施形態では、指)との接触を検知してから、その非接触を検知するまでの間、接触情報生成部21は、タッチセンサから出力される信号を取得する。この信号には、「接触」を検知した旨と、その接触位置を示す情報とが含まれており、接触情報生成部21は、この信号に基づいて、接触位置を座標で示す接触座標情報を生成する。
【0116】
さらに、接触情報生成部21は、必須ではないが、接触が検知されてからそれが非接触となるまでの間の時間を測定し、接触時間情報を接触座標情報に対応付けてもよい。接触情報生成部21は、タブレット端末100に搭載される時計部が保持する絶対的な時刻情報を取得して利用してもよいが、本実施形態では、接触情報生成部21は、接触が検知されてから計時を開始し、相対的な接触時間情報を得る。例えば、接触情報生成部21は、接触が最初に検知された時点(t0)を0.00秒として経過時刻を計測し、接触が最後に検知された時点(tn)まで、上記計測を継続させて、接触位置に対応する相対的な接触時間情報を取得すればよい。接触情報生成部21は、得られた接触時間情報を接触座標情報に対応付けて接触情報を生成する。
【0117】
本実施形態では、生成された接触情報は、余白選択判定部28に供給され、余白選択判定部28によって利用される。制御部10がオブジェクト特定部22を備える構成では、上記接触情報は、オブジェクト特定部22にも供給され、オブジェクト特定部22がオブジェクトを特定するために該接触情報を利用してもよい。
【0118】
余白選択判定部28は、表示部12に表示されている内容のうち、どの部分がユーザの接触動作によって選択されたのかを判定するものである。余白選択判定部28は、何らかの情報が表示されている非余白領域、および、何ら情報が表示されていない余白領域のいずれがユーザによって選択されたのかを判定する。特に、本実施形態では、余白選択判定部28は、選択されたのが、何らかのオブジェクトであるのか、あるいは、何のオブジェクトも選択されなかったのかを判定する。すなわち、オブジェクト領域(非余白領域)が選択されたのか、オブジェクトが表示されていない領域(余白領域)が選択されたのかを判定する。
【0119】
本実施形態では、タブレット端末100は、オブジェクトが選択されたのか、余白が選択されたのかに応じて、それぞれ異なる処理を実施する。本実施形態では、余白を選択するというユーザの操作に対して、メニュー(すなわち、操作画面)を表示するという機能(操作画面表示機能)を割り当てている。したがって、余白選択判定部28が、余白が選択されたと判定した場合には、制御部10の各部は、メニューを表示するための処理を実行する。特に、操作画面処理部24は、操作画面生成処理を実行する。一方、余白選択判定部28が、余白ではなく、何らかのオブジェクトが選択されたと判定した場合には、制御部10の各部は、選択されたオブジェクトに応じた処理(オブジェクト依存処理)を実行する。オブジェクト依存処理は、これには限定されないが、例えば、オブジェクト特定部22がオブジェクトを特定し、オブジェクト特定部22によって特定されたオブジェクトに対応付けられた各関連項目をメニューとして表示する処理などが挙げられる。この場合も、操作画面処理部24は、操作画面生成処理を実行することになる。
【0120】
より詳細には、余白選択判定部28は、接触情報生成部21によって生成された接触情報と、その接触が起こっている間に表示部12に表示されていた映像フレームのマップ情報とを対比する。
【0121】
フレームマップ記憶部41は、接触時の表示部12に出力されていた映像フレームのマップ情報を記憶するものである。マップ情報は、タッチパネルに表示されている映像フレームのレイアウトを示す情報である。具体的には、マップ情報は、表示されている各オブジェクトについて、それらを個々に識別する情報と、各オブジェクトの形状、大きさ、および、表示位置の情報を含む。つまり、マップ情報は、各オブジェクトをタッチパネルの座標系に対応させてプロットしたものである。
【0122】
余白選択判定部28は、フレームマップ記憶部41に記憶されているマップ情報を読み出して、上述の判定処理を実行する。
【0123】
図5は、余白選択判定部28の動作を説明する図である。より詳細には、図5の(a)は、ユーザが、余白を選択することを意図して、余白(オブジェクト以外の領域)を「囲う」という接触動作を行ったことを示す図である。図5の(b)は、同図の(a)に示す接触動作に伴って、接触情報生成部21が生成した接触情報の一例を示す図である。図5の(c)は、接触が検知されたt0〜tnの期間に表示部12に表示された映像フレームのマップ情報の一例を示す図である。
【0124】
図5の(a)に示すとおり、ユーザが、タブレット端末100のタッチパネルに表示されている余白領域(オブジェクトが何も示されていない領域)を「囲う」という接触動作を実行したとする。接触動作は、例えば、接触点が同図の破線の位置を通過するようにt0〜tnの期間に実行されたとする。
【0125】
余白選択判定部28は、接触情報生成部21から、図5の(b)に示すような接触情報を取得する。本実施形態では、接触情報の座標系は、タブレット端末100のタッチパネルの座標系に対応し、パネルの最左上端を原点とするものである。図5の(b)において、ユーザの「囲う」接触動作の軌跡のうち、始点をt0、終点をtnとして示しているが、その間の各点にも接触時間情報が関連付けられていてもよい。あるいは、本実施形態では、接触時間情報はなくてもよい。
【0126】
余白選択判定部28は、フレームマップ記憶部41から、図5の(c)に示されるマップ情報(すなわち、t0〜tnの期間において表示部12に表示された映像フレームのレイアウト)を取得する。図5に示す例では、タッチパネルの画面下部に3つのボタン(オブジェクト)が表示されている。したがって、図5の(c)に示されるマップ情報には、これらの3つのボタンに対応するオブジェクト領域A〜Cが示されている。
【0127】
余白選択判定部28は、上記接触情報と上記マップ情報とを対比して、ユーザの接触動作によって特定された選択領域に、オブジェクト領域が重なるのか否かを判断し、また、重なるのであればどの程度重なるのかを判断する。そして、上記選択領域によって、余白領域が選択されたのか、オブジェクトが選択されたのかを判定する。余白選択判定部28が上記選択領域を特定する方法としては、例えば、図5の(c)に示すとおり、接触情報から得られたユーザの指の軌跡によって囲われる領域内(太枠内斜線領域)を選択領域として特定してもよいし、または、上記軌跡の外接矩形領域内を選択領域として特定してもよい。
【0128】
余白選択判定部28は、軌跡によって特定された選択領域にオブジェクト領域が重なっていなければ、オブジェクトは選択されなかった、すなわち、余白領域が選択されたと判定する。あるいは、図5の(c)に示すとおり、選択領域(太枠斜線領域)にオブジェクト領域が一部重なっていても、重なっているオブジェクト領域が、選択領域のうちの所定閾値%(例えば、20%)未満しか占めていないような場合には、余白選択判定部28は、オブジェクトが選択されたと判定せずに、余白領域が選択されたと判定することができる。例えば、図5の(c)に示す選択領域は、オブジェクト領域Aおよびオブジェクト領域Bの一部と重なっている。しかし、この重なっているオブジェクト領域は、選択領域全体の10%にも満たない。すなわち、所定閾値の20%未満である。これにより、余白選択判定部28は、この「囲う」の接触動作によって選択されたのはオブジェクト領域Aでも領域Bでもなく、余白領域であると判定することができる。つまり、余白選択判定部28は、オブジェクト領域の選択領域と重なっている部分が、該選択領域において占める割合を考慮することにより、ユーザの意図をより正確に反映した、精度の高い判定を行うことができる。
【0129】
余白選択判定部28は、さらに、選択領域とオブジェクト領域との位置関係を考慮して、オブジェクトが選択されたのか、余白領域が選択されたのかを判定してもよい。この構成は、以下のような状況で特に有益である。
【0130】
すなわち、ユーザが選択したいと思っているオブジェクト領域が非常に小さい場合、ユーザは、その目的のオブジェクトを囲ったとしても、ユーザの「囲う」接触動作が、オブジェクトの大きさに対して、相対的に極端に大きくならざるを得ない状況が考えられる。そして、「囲う」接触動作の軌跡によって特定される選択領域に対して、小さいオブジェクトのオブジェクト領域は極端に小さくなり、該オブジェクト領域が、上記選択領域のうちの20%未満しか占めていない状況も起こり得る。この場合、ユーザは、その小さいオブジェクトを選択するつもりで軌跡を描いたにもかかわらず、余白選択判定部28が、余白領域が選択されたと誤判定してしまう不都合が生じる。
【0131】
そこで、このような不都合を解消するために、余白選択判定部28は、選択領域にオブジェクト領域が重なっている場合であって、重なっているオブジェクト領域が、選択領域のうちの所定閾値%未満しか占めていないような場合には、そこで、すぐに余白領域が選択されたと判定してしまわずに、さらに、選択領域とオブジェクト領域との位置関係を考慮する。
【0132】
具体的には、余白選択判定部28は、選択領域の中央付近に上記の非常に小さいオブジェクト領域が含まれている場合には、選択領域の面積に対してオブジェクト領域が小さい場合であっても、そのオブジェクト領域のオブジェクトが選択されたと判定してもよい。反対に、選択領域の中央付近に上記の非常に小さいオブジェクト領域が含まれていない場合には、余白選択判定部28は、依然として、余白領域が選択されたと判定してもよい。
【0133】
ユーザが余白を囲おうとして円を描いた場合には、円の端の方に意図せず小さいオブジェクトが含まれてしまうことは考えられるが、円の真ん中にオブジェクトが含まれるとは考えにくい。一方、ユーザは、目的のオブジェクトを選択する(例えば、「囲う」)場合には、円の大きさに関わらず、その目的のオブジェクトが略中心にくるように円を描くのが自然であると考えられる。
【0134】
したがって、上記構成によれば、ユーザが選択した選択領域がオブジェクトに対して極端に大きい状況であっても、このような状況に対して、余白選択判定部28は、すぐさま「余白領域が選択された」と判定せず、選択領域とオブジェクト領域との位置関係を考慮して、本当に余白領域が選択されたのか、やはりオブジェクト領域が選択されたのかについて、より詳細に検証することができる。これにより、余白選択判定部28は、ユーザの意図をより一層正確に反映した判定結果を出力することが可能となる。
【0135】
本実施形態では、余白選択判定部28は、余白領域が選択されたと判定した場合には、その判定結果を関連項目抽出部23に供給し、関連項目抽出部23に対して、余白が選択された場合の処理を実行するように促す。また、余白選択判定部28は、何らかのオブジェクトが選択されたと判定した場合には、その判定結果を、例えば、オブジェクト特定部22に供給し、オブジェクト特定部22に、選択されたオブジェクトを特定するように促す。オブジェクトが特定された後は、特定されたオブジェクトに対応付けられた適宜の処理が制御部10の各部(図示しない構成要素も含む)によって実行される。
【0136】
オブジェクト特定部22は、ユーザの接触動作によって選択されたオブジェクトを特定するものである。オブジェクト特定部22は、余白選択判定部28がユーザによって何らかのオブジェクトが選択されたと判定した場合に、その選択されたオブジェクトが何なのかを特定する。
【0137】
具体的には、オブジェクト特定部22は、接触情報生成部21によって生成された接触情報と、その接触が起こっている間に表示部12に表示されていた映像フレームのマップ情報とを対比する。これにより、オブジェクト特定部22は、接触動作から得られた軌跡によって特定される選択領域と重なるオブジェクト領域を特定し、そのオブジェクト領域に対応するオブジェクトが何であるのかを特定することができる。例えば、選択領域のほとんどが、図5の(c)のオブジェクト領域Aと重なっている場合には、オブジェクト特定部22は、オブジェクト領域Aに対応するボタンオブジェクトを特定し、これが上記選択領域によって選択されたと判断することができる。このボタンがメーラを起動する機能を割り当てられている場合には、図示しないメーラ機能がオブジェクト特定部22の特定結果に応じてメールのアプリケーションを立ち上げる。
【0138】
あるいは、オブジェクト特定部22は、特定したオブジェクトの情報を関連項目抽出部23に供給し、オブジェクトに関連する関連項目の抽出を関連項目抽出部23に促してもよい。
【0139】
なお、オブジェクトが選択された場合に、タブレット端末100が実行すべき処理が一意に定まる場合には、余白選択判定部28が何らかのオブジェクトが選択されたことを判定するだけで十分であるので、この場合、オブジェクト特定部22は制御部10に備えられていなくてもよい。
【0140】
関連項目抽出部23は、余白選択判定部28の判定結果に応じて関連項目を抽出するものである。例えば、余白選択判定部28が、余白領域が選択されたと判定した場合には、関連項目抽出部23は、「余白領域が選択された」という事象に関連付けられている関連項目を、関連情報記憶部42に記憶されている複数の関連項目の中から抽出する。
【0141】
なお、オブジェクト特定部22が備えられている場合には、関連項目抽出部23は、オブジェクト特定部22によって特定されたオブジェクト、すなわち、ユーザによって選択されたオブジェクトに関連する関連項目を抽出してもよい。オブジェクトが選択されたときに、その選択されたオブジェクトに関連性が深い項目が、関連項目抽出部23によって抽出されることになる。
【0142】
関連情報記憶部42は、「余白領域が選択された事象」と、メニューとして表示すべき項目との関連性を示す関連情報を記憶するものである。図6は、関連情報記憶部42に記憶される関連情報の一例を示す図である。さらに、関連情報記憶部42は、「オブジェクト」と、項目との関連性を示す関連情報を記憶しておいてもよい。
【0143】
関連情報は、図6に示すとおり、少なくとも、余白領域が選択された事象(以下、オブジェクト「無し」)に対応付けて、「関連項目」が対応付けられた情報である。関連情報は、この対応付けによって、「余白が選択された事象」と項目との関連性を示している。また、関連情報は、オブジェクトと項目との関連性を示す情報であってもよい。
【0144】
関連項目抽出部23は、余白選択判定部28が、「余白領域が選択された(オブジェクトの選択無し)」と判定すると、関連情報記憶部42に記憶されている関連情報を参照し、「オブジェクト無し」に関連付けられている項目を関連項目として抽出する。
【0145】
オブジェクト「無し」の事象においては、ユーザは、関心がある特定のオブジェクトを選択したのではなく、とにかくメニューを呼び出すためにとりあえず接触動作を行ったと考えられる。そこで、オブジェクト「無し」の事象に対しては、ユーザがよく実施する一般的な項目が、関連項目として関連付けられていることが好ましい。例えば、図6に示す関連情報においては、オブジェクト「無し」の事象に対しては、3つの関連項目、R1〜R3が関連付けられている。よって、関連項目抽出部23は、余白選択判定部28によって、余白領域が選択されたと判定された場合には、上記3つの関連項目R1〜R3を抽出する。
【0146】
オブジェクト「無し」の事象に関連付けられる項目は、図6に示す例のように予め決定されているとは限らない。例えば、最近ユーザが利用した機能、利用頻度の高い機能などの項目が常に動的にいくつか関連付けられるような構成であってもよい。
【0147】
また、関連項目抽出部23は、オブジェクト特定部22によってオブジェクトが特定された場合には、関連情報記憶部42に記憶されている関連情報を参照し、特定されたオブジェクトに関連付けられている項目を関連項目として抽出してもよい。
【0148】
例えば、特定されたオブジェクトが「写真」などのデータである場合、写真に対しては、「表示する」、「編集する」、「メールに添付して送信する」、「周辺機器(テレビなど)に転送する」、「印刷する」などの動作が実行されることが想定される。そこで、「動作対象」であるオブジェクトに対して実行される「動作」の関係にあたる項目がオブジェクトの関連項目として関連付けられてもよい(図6の関連項目R4〜R11)。
【0149】
あるいは、オブジェクトが「写真」などのデータである場合、その写真を特定の人に送ることが想定される。そこで、動作対象であるオブジェクトに対して動作が実行されるときの「動作相手」の関係にあたる項目が関連項目として抽出されてもよい。
【0150】
あるいは、オブジェクトが複数の写真またはその他のデータを含む「アルバム」または「フォルダ」である場合、そのオブジェクトに含まれる写真またはデータをユーザは所望していると考えられる。このように、オブジェクトの下位層に属する項目が関連項目として抽出されてもよい。
【0151】
関連項目抽出部23によって抽出された関連項目の情報は、操作画面処理部24に供給される。そして、抽出された関連項目は、余白領域が選択された事象(または、先に選択されたオブジェクト)に関連のある項目として、選択可能に(例えば、アイコンで)表示される。
【0152】
この構成には限定されないが、本実施形態では、図6に示すとおり、さらに「関連項目」ごとに、アイコンが割り当てられていてもよい。例えば、「オブジェクト無し」に関連付けられた、関連項目R1「テレビを起動する」には、アイコン「1:テレビ」が関連付けられている。アイコン「1:テレビ」は、例えば、テレビのイラストなどが描かれたアイコンであって、「テレビ見ること」を想起させる絵柄であることが好ましい。その他の関連項目についても、その関連項目の内容を想起させる相応しい絵柄のアイコンがそれぞれ割り当てられている。
【0153】
このような関連情報に基づいて、関連項目抽出部23は、抽出した関連項目のそれぞれに対応するアイコン(あるいは、アイコンの識別情報)を、操作画面処理部24に供給してもよい。これにより操作画面処理部24は、関連項目抽出部23によって指定されたアイコンを表示するべく処理を進めることができる。
【0154】
操作画面処理部24は、関連項目抽出部23によって抽出された関連項目(のアイコン)を、ユーザに選択可能に表示するための操作画面を生成する処理(操作画面生成処理)を行うものである。
【0155】
図7Aおよび図7Bは、アイコン記憶部43に記憶されるアイコン画像の具体例を示す図である。図7Aおよび図7Bに示すとおり、本実施形態では、各アイコン画像は、アイコン識別情報によって識別可能となっている。例えば、「1:テレビ」のアイコン識別情報には、テレビが描かれたアイコン画像が関連付けられている。また、図示していないが、よく通話する知人など、個人情報を表すアイコンとして、その人の似顔絵やアバターの画像が用いられてもよい。
【0156】
操作画面処理部24は、関連項目抽出部23によって抽出された関連項目に割り当てられたアイコン画像を、アイコン記憶部43から読み出して、これらが適切な位置および適切なタイミングで表示されるように操作画面を生成し、図示しない表示制御部を介して、表示部12に出力する。
【0157】
具体的には、本実施形態では、操作画面処理部24は、接触動作「囲う」によって選択された余白領域(または、オブジェクト)に関連する関連項目のアイコンを環状に表示させる機能を有している。
【0158】
図8は、操作画面処理部24の処理内容を説明する図であり、より詳細には、操作画面処理部24が実行する、関連項目のアイコン配置の一例を示す図である。
【0159】
本実施形態では、操作画面処理部24は、図8に示す破線のとおり、まず、抽出された関連項目のアイコンを配置するための環の形状および位置を特定する。そして、環の輪郭線に沿って、各アイコンを配置する。環の形状、環の位置、アイコンの配置をどのようにして決定するのかについては特に限定されないが、以下に一例を示す。
【0160】
例えば、本実施形態では、操作画面処理部24は、環の形状は円形または楕円形と予め定まっているものとする。そして、操作画面処理部24は、アイコンがより多くまたはより大きく表示されるように、アイコンを表示可能な領域に可能な限り大きい環を定義する。例えば、図5の(a)において、タッチパネルの画面の、電池情報、日付情報、その他のオブジェクトが既に表示されている領域以外を、アイコンを表示可能な領域とする。この場合、図8に示すとおり、操作画面処理部24は、アイコンを表示可能な領域(画像表示領域;同図の白地の領域)に可能な限り大きい環(円または楕円)を定義する。
【0161】
続いて、本実施形態では、操作画面処理部24は、定義した環の輪郭線上に、抽出された関連項目の各アイコンを配置する。図8は、関連項目が3個抽出された場合に、操作画面処理部24が、定義した楕円の環の輪郭線に沿って、3個のアイコンを均等な間隔で配置した例を示している。
【0162】
ここで、アイコンの配置位置を示す基準の「環」の形状について、これを楕円としたことは単なる一例であって、本発明の環の形状を限定する意図は無い。また、「環」とは、必ずしも曲線からなる形状を意味しない。例えば、操作画面処理部24は、環の形状を、円形、正方形、長方形、その他多角形で定義してもよいし、複雑な形状、いびつな形状、幾何学的でない形状であっても、内と外とを分離するような輪郭線を有している図形が環として定義される。また、「環」は、必ずしも閉曲線を意味しない。環の輪郭線の始点と終点が完全に一致しない場合であっても、内と外とを大方分離するような輪郭線が環として定義されてもよい。操作画面処理部24は、そのようにして定義されたあらゆる形状の環の輪郭線上にアイコンを配置する。
【0163】
なお、図8に示す、環の輪郭線を示す破線は、タブレット端末100が内部に情報として保持している環の形状であって、実際には、表示部12に表示されなくてもよい。これより以降に示す各図における環の輪郭線を示す破線も同様、実際には、表示部12に表示されなくてもよい。
【0164】
なお、アイコンを配置する順番は、本実施形態では特に限定されないが、例えば、関連項目抽出部23によって抽出された順に、環の真上から時計回りに配置することなどが考えられる。
【0165】
図9は、操作画面処理部24が実行した操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。図9に示す例は、図5の(a)に示すとおり、タブレット端末100のホーム画面(待ち受け画面)で余白領域が囲われたことに対して得られた操作画面の具体例である。
【0166】
関連項目抽出部23は、図6に示す関連情報を参照し、余白領域(オブジェクト「無し」)に関連付けられた関連項目R1〜R3を抽出する。本実施形態では、さらに、関連項目抽出部23は、関連項目R1〜R3にそれぞれ対応付けられた、アイコン識別情報、すなわち、「1:テレビ」、「13:Webブラウザアプリ」、および、「3:メール」を抽出してもよい。
【0167】
操作画面処理部24は、関連項目抽出部23によって抽出されたアイコン識別情報に基づいて、図7Aおよび図7Bに示すとおり、アイコン記憶部43から、対応するアイコン画像を読み出す。そして、アイコンを表示可能な領域に基づいて環を定義し、その輪郭線上に読み出したアイコン画像を配置する。図9に示す例では、「1:テレビ」、「13:Webブラウザアプリ」、および、「3:メール」の3つのアイコンが、輪郭線上に、抽出された順に時計回りにかつ等間隔に配置され、表示部12に表示される。
【0168】
〔操作画面表示フロー〕
次に、タブレット端末100が操作画面表示機能を実行したときの処理の流れについて説明する。図10は、タブレット端末100による操作画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0169】
入力部11によって、タッチパネルのタッチ面に指示体(ユーザの指など)が接触したことが検知されると(S101においてYES)、接触情報生成部21は、そのとき(t=t0)から、指の接触位置を示す接触座標情報の取得を開始し、これを経時的に取得する(S102)。この接触位置の追尾は、タッチ面と指との間の接触が検知されなくなるまで継続される(S103においてNO)。入力部11において、接触が非検知になると(S103においてYES)、接触情報生成部21は、t=t0からこのとき(t=tn)までの間取得した接触座標情報を含む接触情報を生成する(S104)。本実施形態では、接触時間情報は、接触情報に含まれていてもいなくてもどちらでもよい。
【0170】
余白選択判定部28は、S104において生成された接触情報(例えば、図5の(b)に示す軌跡)と、フレームマップ記憶部41に記憶されているマップ情報(例えば、図5の(c))とを比較して、ユーザによって余白が囲われた(余白領域が選択された)のか、オブジェクト領域が囲われた(何らかのオブジェクトが選択された)のかを判定する(S105)。
【0171】
図5の(c)に示す例では、上記軌跡によって特定される選択領域(図5の(c)の斜線の領域)には、オブジェクト領域はほぼ重なっていないことから、余白選択判定部28は、余白領域が選択されたと判定する(S105においてA)。
【0172】
この場合、関連項目抽出部23は、S105において特定された事象「(選択された)オブジェクト無し」に基づいて、関連情報記憶部42の関連情報(例えば、図6)を参照して、「オブジェクト無し」の関連項目を抽出する(S106)。あるいは、関連項目に割り当てられているアイコンの識別情報を抽出してもよい。
【0173】
操作画面処理部24は、S106において抽出された関連項目のアイコン画像を、アイコン記憶部43(例えば、図7Aおよび図7B)から取得する。そして、取得したアイコン画像を、自身が所定の規則に基づいて定義した環の輪郭線上に配置して操作画面を生成する(S107)。
【0174】
以上のようにして生成された操作画面の映像信号は、表示部12に出力される。そして、図9に示すように、上記操作画面は、タブレット端末100の表示部12に表示される。
【0175】
一方、S105において、上記軌跡によって特定される選択領域(図5の(c)の斜線の領域)のほとんどがオブジェクト領域と重なっている場合には、余白選択判定部28は、何らかのオブジェクトが選択されたと判定する(S105においてB)。
【0176】
この場合、余白選択判定部28の下流工程を担う各部は、オブジェクトが選択されたときの処理を実行する(S108)。なお、本発明を限定する意図はないが、その処理の一例を挙げると以下のとおりである。
【0177】
例えば、オブジェクト特定部22は、S104にて生成された接触情報から取得される軌跡に基づいて選択領域を特定し、この選択領域と、フレームマップ記憶部41に記憶されているマップ情報とを比較する。そして、上記選択領域とほとんど重なるオブジェクト領域を特定し、そのオブジェクト領域に対応するオブジェクトを、ユーザによって選択された(すなわち、選択領域が選択している)オブジェクトであると特定する(SS1)。関連項目抽出部23は、関連情報記憶部42に記憶されている関連情報(図6)を参照して、特定されたオブジェクトに関連付けられた関連項目を抽出する(SS2)。例えば、選択されたオブジェクトが「写真」であると特定された場合には、関連項目抽出部23は、関連項目R4〜R11を抽出する。そして、操作画面処理部24は、抽出された8個の関連項目それぞれに対応するアイコン画像を表示するための操作画面を生成する(SS3)。
【0178】
本発明の上記構成および方法によれば、タブレット端末100は、オブジェクトなどが何もない「余白領域」を「囲う」(選択する)という動作をユーザに行わせて、その動作には、目的の表示対象物(ここでは、アイコンなどのメニューリスト)を呼び出す機能が割り当てられている。より具体的には、タブレット端末100では、領域を「囲う」という、何かを指定したり選択したりする上で、極めて自然で簡易なユーザの接触動作と、あえて、オブジェクトなどが何もない「余白領域」とが結び付けられている。そして、余白領域と結び付けられた上記接触動作に、特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物(メニュー)を呼び出すという機能を割り当てている。
【0179】
上述のように、「オブジェクトが何も表示されていない余白領域を選択する」という能動的な動作からは、容易に、「特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物」を所望していることが連想される。
【0180】
つまり、「オブジェクトを何も選択しない」あるいは「特定オブジェクトに依存しない表示対象物を所望する」という情報を、ユーザに意図的に能動的にタブレット端末100に入力させることが可能となる。これにより、ユーザの意図をより正確に察することができる。
【0181】
なおかつ、「囲う」に代表されるような特定の領域を選択する動作は、何かを選択するときに行われる一般的な動作であって、特殊なジェスチャは含まれず、ユーザに操作を習得するための苦労を強いることが無い。ユーザは、オブジェクトが表示されていない(空いている)領域を選択するだけでよい。
【0182】
これにより、ユーザ操作、そしてそれに伴う最終結果物の表示、という一連の処理を、簡易な接触動作、少ない動作数、および、直感的で自然な接触動作により、タブレット端末100に実行させることが可能になる。結果として、タッチパネルを備えたタブレット端末100において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【0183】
≪実施形態2≫
本発明の情報処理装置に関する他の実施形態について、図11〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。
【0184】
上述の実施形態1では、タブレット端末100は、タブレット端末100がどのような画面を表示している状態か(画面表示状態)を考慮せずに、余白領域が選択された場合には、一律、特定の関連項目を抽出する構成であった。本実施形態のタブレット端末100は、タブレット端末100がどのような画面表示状態であるときに余白領域が選択されたのかに応じて、抽出する関連項目を異ならせる構成である。
【0185】
〔タブレット端末の機能〕
図11は、本実施形態におけるタブレット端末100の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0186】
本実施形態にかかるタブレット端末100は、実施形態1のタブレット端末100(図1)と比較して、さらに、制御部10が、機能ブロックとして、状態判定部29を備えている構成である。また、記憶部19が、さらに、状態記憶部47を備えている構成である。
【0187】
状態判定部29は、タブレット端末100の状態を監視し、タブレット端末100の現在の状態を判定するものである。特に、本実施形態では、状態判定部29は、タブレット端末100の画面表示状態を監視する。状態判定部29が判定した、タブレット端末100の現在の画面表示状態は、状態記憶部47に記憶される。
【0188】
画面表示状態とは、タブレット端末100が、どのような画面を表示部12に表示中の状態であるのかを示す情報である。
【0189】
例えば、図5の(a)に示すように、タブレット端末100の電源を入れたときに最初に表示されるホーム画面(いわゆる、待ち受け画面)が表示されているときは、状態判定部29は、タブレット端末100の画面表示状態を「ホーム画面」であると判定し、その判定結果、すなわち、「画面表示状態;ホーム画面」を状態記憶部47に格納する。状態記憶部47に記憶される画面表示状態は、表示部12の画面遷移に追従して常に最新の情報を示すように、状態判定部29によって維持されることが好ましい。
【0190】
図12は、本実施形態における関連情報記憶部42に記憶される関連情報の一例を示す図である。図12には、「オブジェクト無し」に関連付けられた関連項目の例のみを示しているが、図6に示す関連情報と同様に、本実施形態においても、「オブジェクト」と関連項目との関連性を示す関連情報がさらに記憶されていてもよい。
【0191】
図12に示す本実施形態の関連情報と、図6に示す実施形態1の関連情報との異なる点は、関連項目が、「オブジェクト」別に加えて、「画面表示状態」別に対応付けられている点である。
【0192】
実施形態1では、「オブジェクト無し」には、画面表示状態に拘わらずR1〜R3の各関連項目が関連付けられているが、本実施形態では、「オブジェクト無し」には、さらに、画面表示状態ごとに、異なる関連項目群が関連付けられている。
【0193】
関連項目抽出部23は、状態判定部29によって判定されたタブレット端末100の現在の画面表示状態に基づいて、関連項目を特定し抽出する。例えば、タブレット端末100が、図5の(a)に示すとおり、ホーム画面を表示している状態であり、このときに余白領域が選択されたとする。このとき、状態記憶部47には、「画面表示状態;ホーム画面」が格納されている。関連項目抽出部23は、「オブジェクト無し」に関連付けられている関連項目のうち、「画面表示状態;ホーム画面」に関連付けられている、関連項目群R1〜R5を抽出する。
【0194】
図13は、本実施形態の操作画面処理部24によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。上述の例のとおり、図5の(a)に示すホーム画面で余白領域が選択されると、関連項目抽出部23は、図12に示す関連情報から、R1〜R5の関連項目群を抽出する。本実施形態では、関連項目抽出部23は、さらに、抽出した各関連項目に関連付けられているアイコン識別情報を特定し、これを操作画面処理部24に供給してもよい。図12に示す例では、「23:電卓」、「24:カレンダー」、「25:通信接続設定」、「17:電話」、および、「26:カメラ」の各アイコン識別情報が操作画面処理部24に供給される。
【0195】
操作画面処理部24は、関連項目抽出部23によって抽出されたアイコン識別情報に基づいて、アイコン記憶部43に記憶されている各アイコン画像(例えば、図7Aおよび図7B)の中から、必要なアイコン画像を読み出す。そして、操作画面処理部24は、所定の規則に従って読み出したアイコンを配置する。所定の規則とは、例えば、既述のとおり、画像表示領域に定義された楕円の輪郭線上に各アイコンを等間隔に、抽出された順に時計回りに配置するといった規則である。この規則は一例であり、本発明を限定する意図はない。操作画面処理部24によって生成された操作画面は表示部12に出力され、図13に示すとおり、ユーザが視認および選択可能なように表示される。図13に示す例では、「23:電卓」、「24:カレンダー」、「25:通信接続設定」、「17:電話」、および、「26:カメラ」の各アイコンが表示部12に表示されている。
【0196】
一方、タブレット端末100が別の画面表示状態であるときの例を説明すると以下のとおりである。
【0197】
図14の(a)は、タブレット端末100が「写真アプリ画面」を表示している画面表示状態であるときに、ユーザが、余白領域を選択することを意図して「囲う」接触動作を行ったことを示す図である。図14の(b)は、接触が検知された期間に表示部12に表示された映像フレームのマップ情報と、上記「囲う」接触動作によって特定された選択領域とを示す図である。
【0198】
図14の(a)に示すとおり、タブレット端末100が写真アプリケーションを起動している間は、タブレット端末100の画面表示状態は、「写真アプリ画面」(表示中)の状態となる。このような場合、状態判定部29は、判定結果「画面表示状態;写真アプリ画面」を、状態記憶部47に格納する。
【0199】
ここで、ユーザによって、図14の(a)の破線に示すとおり、余白領域が選択されたとする。余白選択判定部28は、まず、上記破線で示された軌跡に基づいて選択領域を特定する。例えば、余白選択判定部28は、図14の(b)に示すとおり、軌跡によって囲われた内側の領域(太枠斜線領域)を選択領域として特定することができる。なお、選択領域は、軌跡の外接矩形によって特定されても構わない。
【0200】
余白選択判定部28は、選択領域に重なっているオブジェクト領域の有無に基づいて、その選択領域によって選択されているのが、余白領域なのかオブジェクト(領域)なのかを判定する。図14の(b)に示す例では、選択領域に重なるオブジェクト領域は無いので、余白選択判定部28は、ここでは、余白領域が選択されたと判定する。なお、選択領域がオブジェクト領域に重なる場合であっても、その重なっている領域の該選択領域において占める割合が所定閾値%未満であれば、余白選択判定部28は、選択領域とオブジェクト領域とは重なっていない(すなわち、選択領域によってオブジェクトは選択されていない)と判定してもよい。
【0201】
続いて、関連項目抽出部23は、状態記憶部47に格納されている「画面表示状態;写真アプリ画面」に基づいて、「オブジェクト無し」および「画面表示状態;写真アプリ画面」に関連付けられている関連項目を抽出する。図12に示す例では、関連項目抽出部23は、R6〜R9の関連項目群を抽出する。本実施形態では、関連項目抽出部23は、さらに、関連項目R6〜R9のそれぞれに対応付けられているアイコン識別情報を操作画面処理部24に供給する。
【0202】
操作画面処理部24は、供給されたアイコン識別情報に基づいて、「10:アルバム編集」、「27:ソート」、「28:家」および「26:カメラ」の各アイコン画像をアイコン記憶部43から読み出し、画像表示領域に各アイコンを配置し、操作画面を生成する。
【0203】
図15は、図14の(a)に示す写真アプリ画面における、アイコンの表示可能領域(画像表示領域)と、アイコンの配置例とを示す図である。例えば、操作画面処理部24は、図15の白地領域に示されているとおり、写真アプリ画面において何もオブジェクトが表示されていない領域を、画像表示領域として定義し、楕円とアイコン配置位置とを定義する。そして、操作画面処理部24は、楕円の輪郭線上に、等間隔に、読み出したアイコン画像を配置する。
【0204】
図16は、本実施形態の操作画面処理部24によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。図16に示す操作画面は、タブレット端末100が写真アプリ画面を表示している場合に余白領域が選択されたとき、表示される操作画面の一例である。写真アプリ画面が表示されているときは、ホーム画面が表示されているときよりも、より「写真」に関連が深い項目が関連項目として抽出される。したがって、写真アプリ画面表示時に余白領域が選択されたときは、写真に関連する関連項目のアイコンが表示される。例えば、図16に示すとおり、アルバムを新規作成するためのアイコン「10:アルバム編集」と、写真やアルバムを日付順にソートするためのアイコン「27:ソート」と、カメラを起動するためのアイコン「26:カメラ」とが表示されている。さらに、ホーム画面以外の画面表示状態のときには、すぐにホーム画面に戻るためのアイコン「28:家」が表示されていると、ユーザにとって便利であるので好ましい。
【0205】
〔操作画面表示フロー〕
次に、タブレット端末100が操作画面表示機能を実行したときの処理の流れについて説明する。図17は、タブレット端末100による操作画面表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0206】
入力部11によって、タッチパネルのタッチ面に指示体(ユーザの指など)が接触したことが検知されると(S201においてYES)、接触情報生成部21は、そのとき(t=t0)から、指の接触位置を示す接触座標情報の取得を開始し、これを経時的に取得する(S202)。この接触位置の追尾は、タッチ面と指との間の接触が検知されなくなるまで継続される(S203においてNO)。入力部11において、接触が非検知になると(S203においてYES)、接触情報生成部21は、t=t0からこのとき(t=tn)までの間取得した接触座標情報を含む接触情報を生成する(S204)。本実施形態では、接触時間情報は、接触情報に含まれていてもいなくてもどちらでもよい。
【0207】
余白選択判定部28は、S204において生成された接触情報(例えば、図5の(b)に示す軌跡)と、フレームマップ記憶部41に記憶されているマップ情報(例えば、図5の(c))とを比較して、ユーザによって余白が囲われた(余白領域が選択された)のか、オブジェクト領域が囲われた(何らかのオブジェクトが選択された)のかを判定する(S205)。
【0208】
図5の(c)または図14の(b)に示す例では、上記軌跡によって特定される選択領域(図5の(c)または図14の(b)の斜線の領域)には、オブジェクト領域はほぼ重なっていないことから、余白選択判定部28は、余白領域が選択されたと判定する(S205においてA)。
【0209】
この場合、関連項目抽出部23は、タブレット端末100の現在の画面表示状態を特定する(S206)。ここで得られる画面表示状態は、S206において、状態判定部29が判定したものであってもよいし、あらかじめ状態判定部29が状態記憶部47に格納しておいた判定結果を関連項目抽出部23が参照したものであってもよい。
【0210】
タブレット端末100の画面表示状態が特定された場合には(S207においてYES)、関連項目抽出部23は、「オブジェクト無し」に関連付けられた関連項目のうち、特定された画面表示状態に対応付けられた関連項目を抽出する(S208)。例えば、画面表示状態が「ホーム画面」と特定された場合には、図12に示す関連情報から、「ホーム画面」と対応付けられたR1〜R5の関連項目を抽出する。関連項目抽出部23は、抽出した関連項目の情報、または、抽出した関連項目に関連付けられているアイコン識別情報を操作画面処理部24に供給する。なお、S207において、あらかじめ定義されていないその他の画面が表示されていたり、状態記憶部47に判定結果が格納されていなかったりして、画面表示状態を特定できなかった場合には(S207においてNO)、関連項目抽出部23は、画面表示状態によらず、「不明またはその他の画面」に関連付けられているR17〜R19の関連項目を抽出する(S209)。あるいは、関連項目抽出部23は、「オブジェクト無し」に関連付けられている全ての関連項目を抽出してもよい。
【0211】
操作画面処理部24は、抽出された関連項目のアイコンを表示するための操作画面を生成する(S210)。操作画面は表示部12に表示される(例えば、図13または図16)。
【0212】
一方、S205において、上記軌跡によって特定される選択領域(図5の(c)の斜線の領域または図14の(b))のほとんどがオブジェクト領域と重なっている場合には、余白選択判定部28は、何らかのオブジェクトが選択されたと判定する(S205においてB)。
【0213】
この場合、余白選択判定部28の下流工程を担う各部は、オブジェクトが選択されたときの処理を実行する(S211)。なお、その処理の一例は、図10に基づいて説明したとおりであるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0214】
上記構成および方法によれば、本実施形態のタブレット端末100は、タブレット端末100がどのような画面を表示している状態か(画面表示状態)を考慮し、その場面に最適な関連項目のアイコンのリストをユーザに提示できる。したがって、余白をユーザに選択させることにより、「特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物」を所望していることを、ユーザに意図的に能動的にタブレット端末100に入力させることができ、特定のオブジェクトに依存しないメニューリストをユーザに提示することができる。加えて、余白を選択したときのタブレット端末100の画面表示状態を考慮して、場面場面に応じた最適なメニューリストをユーザに提示することができるので、ユーザの意図をより正確に反映した結果物をユーザに提供することが可能となる。
【0215】
≪実施形態3≫
本発明の情報処理装置に関する他の実施形態について、図18〜図21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、既述の各実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0216】
本実施形態では、タブレット端末100は、余白領域が選択された場合に、その選択された余白領域が画面のどの位置にあるのかに応じて、抽出する関連項目を異ならせる構成である。
【0217】
〔タブレット端末の機能〕
本実施形態におけるタブレット端末100の要部構成は、図1または図11に示す機能ブロック図によって表すことが可能である。
【0218】
本実施形態にかかるタブレット端末100は、既述の各実施形態におけるタブレット端末100と比較して以下の点で異なっている。
【0219】
第1に、本実施形態のフレームマップ記憶部41に記憶されているマップ情報が、さらに、タッチパネルの画面をいくつかのブロック(分割領域)に分割した分割情報を含んでいる点で異なっている。
【0220】
第2に、本実施形態の関連情報記憶部42に記憶されている関連情報において、「オブジェクト無し」に関連付けられている関連項目は、さらに、選択された余白領域のタッチパネル画面上での「分割領域」別に、関連付けられている点で異なっている。
【0221】
(マップ情報の分割情報について)
図18は、分割情報を含むマップ情報の具体例を示す図である。なお、図18に示す分割情報は、一例であって、本発明はこれに限定されない。タッチパネルは、4つよりも少ない分割領域に分割されてもよいし、これよりも多い分割領域に分割されてもよい。また、各分割領域の形状は四角形に限らずあらゆる形状を有していてもよいし、各分割領域がそれぞれ異なる形状を有していてもよい。
【0222】
図18には、説明を単純にするために、一例として、タッチパネルの画面を、縦横それぞれ均等に2分割し、合計4つの分割領域に分割した場合の分割情報の例を示している。
【0223】
本実施形態では、4つの各分割領域に、実際の位置と対応させて「左上」、「右上」、「左下」、「右下」の識別情報を付与し、タブレット端末100が識別することができるようになっている。
【0224】
本実施形態の余白選択判定部28は、軌跡によって特定した選択領域とマップ情報とを比較して、余白が選択されたのか否かを判定する。これに加えて、余白選択判定部28は、選択された余白領域(選択領域)が、分割情報によって定義されたいずれの分割領域に含まれるのかを判定する。
【0225】
図19の(a)は、ユーザが、余白領域を選択することを意図して「囲う」接触動作を行ったことを示す図である。図19の(b)は、分割情報を含む、接触が検知された期間のマップ情報と、上記「囲う」接触動作によって特定された選択領域とを示す図である。
【0226】
ここで、ユーザによって、図19の(a)の破線に示すとおり、余白領域が選択されたとする。余白選択判定部28は、まず、上記破線で示された軌跡に基づいて選択領域を特定する。例えば、余白選択判定部28は、図19の(b)に示すとおり、軌跡によって囲われた内側の領域(太枠斜線領域)を選択領域として特定することができる。
【0227】
そして、余白選択判定部28は、これまで述べてきたのと同様に、余白領域が選択されたのか、オブジェクトが選択されたのかを判定する。つまり、上記選択領域が、余白領域に属するのか非余白領域に属するのかを判定する。本実施形態では、さらに、余白選択判定部28は、余白領域が選択された(選択領域は余白領域である)と判定した場合には、その選択領域の位置に基づいて、選択領域がどの分割領域に含まれるのかを判定する。具体的には、余白選択判定部28は、特定した選択領域が、図18において定義された4つの分割領域のうち、どの分割領域に属しているのかを判定する。
【0228】
なお、選択領域が複数の分割領域に亘って重なっている場合には、重なるすべての分割領域を属する分割領域として特定してもよいし、選択領域との重なりが一番広い分割領域を属する分割領域として特定してもよい。本実施形態では、図19の(b)に示すとおり、選択領域は、「左上」の分割領域に最も広く重なっていることから、余白選択判定部28は、選択領域が「左上」の分割領域に含まれていると判定する。
【0229】
余白選択判定部28は、「余白領域が選択された」という内容と、「選択領域が『左上』の分割領域に属している」という内容とを併せて判定結果として関連項目抽出部23に伝達する。
【0230】
(関連情報の分割領域について)
図20は、本実施形態における関連情報記憶部42に記憶される関連情報の一例を示す図である。図20には、「オブジェクト無し」に関連付けられた関連項目の例のみを示しているが、図6に示す関連情報と同様に、本実施形態においても、「オブジェクト」と関連項目との関連性を示す関連情報がさらに記憶されていてもよい。
【0231】
図20に示す本実施形態の関連情報と、図6または12に示す、既述の各実施形態の関連情報との異なる点は、関連項目が、「オブジェクト」別に加えて、「分割領域」別に対応付けられている点である。
【0232】
本実施形態では、図20に示すとおり、「オブジェクト無し」には、さらに、分割領域ごとに、異なる関連項目群が関連付けられている。図18に示す例では、タッチパネルの画面は、「左上」、「右上」、「左下」および「右下」の4つの分割領域に分割されて定義されているので、この分割領域ごとに、異なる関連項目群が関連付けられている。
【0233】
関連項目抽出部23は、余白選択判定部28によって余白領域が選択された判定された場合には、余白選択判定部28が判定した上記選択領域が含まれている分割領域に基づいて、関連項目を抽出する。例えば、図19の(b)に示すとおり、余白選択判定部28が、選択領域が属する分割領域を「左上」と判定した場合には、関連項目抽出部23は、「オブジェクト無し」の「分割領域;左上」に関連付けられている関連項目R7〜R9を抽出する。関連項目抽出部23は、他の実施形態と同様に、これらの関連項目に関連付けられているアイコン識別情報をさらに抽出してもよい。ここでは、関連項目抽出部23は、「アプリ7のアイコン」、「アプリ8のアイコン」、「アプリ9のアイコン」の3つのアイコン識別情報を抽出し、操作画面処理部24に供給する。
【0234】
図21は、本実施形態の操作画面処理部24によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。図21に示す操作画面は、タッチパネル画面の「左上」の分割領域において余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。別の例では、例えば、分割領域の「右下」において、余白領域が選択されたときには、図20に示す関連情報の例にしたがえば、アプリケーション4〜6のアイコンが表示部12に表示されることになる。
【0235】
「特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の」アプリケーションとは言え、近年の多機能なタブレット端末100にはさまざまなアプリケーションが搭載されている。つまり、存在するアプリケーションの数だけ、表示すべき「オブジェクトに依存しない一般的な」アプリケーションのアイコンもまた無数に存在することになる。
【0236】
無数に存在するアプリケーションのアイコンは、ユーザが頻繁に選択するアイコン、お気に入りのアイコン、仕事のときに使うアイコン、遊びのときに使うアイコン、在宅時両手で使用するときに使うアイコン、外出・移動時に片手で使用するときに使うアイコンなど、ユーザごとに様々なグループ分けができるであろう。
【0237】
一方、ユーザごとに、また、ユースシーンごとに、接触動作が頻繁に行われる画面位置には偏りが生じるはずである。なぜなら、図4の(a)および(b)に示すように、片手で使用するユーザもいれば、両手で使用するユーザもいるし、右利きのユーザもいれば、左利きのユーザもいる。例えば、右手(片手)でタブレット端末100を頻繁に操作する人は、図18に示す画面位置「右下」に接触動作が集中するはずである。
【0238】
そこで、本実施形態によれば、例えば、図20に示す関連情報のデータ構造を、接触動作が最も多く生じる「画面位置;右下」に、そのユーザが最も頻繁に利用する関連項目(アイコン)の上位いくつか(例えば、図20のアプリケーション4〜6のアイコン)を関連付けておく構造とすることができる。
【0239】
したがって、本実施形態にかかるタブレット端末100によれば、最もよく触られる、画面位置「右下」において、ユーザによる余白領域の選択が行われた場合には、ユーザが最もよく利用するアプリケーションのアイコン(アプリケーション4〜6のアイコン)を、選択可能にユーザに提示することが可能となる。
【0240】
以上のことから、余白をユーザに選択させることにより、「特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物」を所望していることを、ユーザに意図的に能動的にタブレット端末100に入力させることができ、特定のオブジェクトに依存しないメニューリストをユーザに提示することができる。加えて、余白が選択されたときの余白領域の画面位置を考慮して、ユースシーンを推定し、推定したシーンと連動して最適なメニューリストをユーザに提示することができるので、ユーザの意図をより正確に反映した結果物をユーザに提供することが可能となる。
【0241】
≪実施形態4≫
本発明の情報処理装置に関する他の実施形態について、図22〜図24に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、既述の各実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0242】
本実施形態では、タブレット端末100は、余白領域が選択された場合に、その選択された余白領域の面積に応じて、抽出する関連項目を異ならせる構成である。
【0243】
〔タブレット端末の機能〕
本実施形態におけるタブレット端末100の要部構成は、図1または図11に示す機能ブロック図によって表すことが可能である。
【0244】
本実施形態にかかるタブレット端末100は、既述の各実施形態におけるタブレット端末100と比較して以下の点で異なっている。
【0245】
本実施形態の関連情報記憶部42に記憶されている関連情報において、「オブジェクト無し」に関連付けられている関連項目は、さらに、選択された余白領域の面積の大きさ、すなわち、「余白面積」別に関連付けられている点で異なっている。
【0246】
本実施形態の余白選択判定部28は、軌跡によって特定した選択領域とマップ情報とを比較して、余白が選択されたのか否かを判定する。これに加えて、本実施形態では、余白選択判定部28は、選択された余白領域の面積が、「大」、「中」および「小」のいずれの大きさに分類されるのかを判定する。なお、面積は、上述の3区分に限定されず、いくつの区分に分類されてもよい。
【0247】
図22は、ユーザが、余白領域を選択することを意図して、さまざまな大きさの「囲う」接触動作を行ったときの、軌跡のいくつかの例を示す図である。
【0248】
例えば、破線97aに沿ってユーザが指を動かして接触動作を行ったとする。余白選択判定部28は、破線97aから得られた軌跡に基づいて選択領域を特定し、マップ情報(図5の(c))と比較して、余白領域が選択されたと判定する。そして、上記選択領域の面積の大きさに基づいて、破線97aの余白面積を、「大」、「中」および「小」のいずれかに分類する。
【0249】
本実施形態では、余白面積を「大」と判定するための条件および閾値が、「タッチパネル全画面における選択領域の割合がm%以上」と予め設定されている。例えば、破線97aの軌跡から特定された選択領域の、タッチパネル全画面における占有面積の割合がm%以上である場合、余白選択判定部28は、この選択領域の余白面積を「大」と判定する。
【0250】
本実施形態では、余白面積を「中」と判定するための条件および閾値が、「上記割合がn%以上m%未満」と予め設定されている。例えば、破線97bの軌跡から特定された選択領域の、タッチパネル全画面における占有面積の割合がn%以上m%未満である場合、余白選択判定部28は、この選択領域の余白面積を「中」と判定する。
【0251】
本実施形態では、余白面積を「小」と判定するための条件および閾値が、「上記割合がn%未満」と予め設定されている。例えば、破線97cの軌跡から特定された選択領域の、タッチパネル全画面における占有面積の割合がn%未満である場合、余白選択判定部28は、この選択領域の余白面積を「小」と判定する。
【0252】
余白選択判定部28は、「余白領域が選択された」という内容と、「選択領域の面積が『(大、中、小のいずれか)』である」という内容とを併せて判定結果として関連項目抽出部23に伝達する。
【0253】
図23は、本実施形態における関連情報記憶部42に記憶される関連情報の一例を示す図である。図23には、「オブジェクト無し」に関連付けられた関連項目の例のみを示しているが、図6に示す関連情報と同様に、本実施形態においても、「オブジェクト」と関連項目との関連性を示す関連情報がさらに記憶されていてもよい。
【0254】
図23に示す本実施形態の関連情報と、図6、図12または図20に示す、既述の各実施形態の関連情報との異なる点は、関連項目が、「オブジェクト」別に加えて、「余白面積」別に対応付けられている点である。
【0255】
本実施形態では、図23に示すとおり、「オブジェクト無し」には、さらに、余白面積ごとに、異なる関連項目群が関連付けられている。図23に示す例では、余白面積の大きさは、「大」、「中」および「小」の3種類に分類されているので、この大きさごとに、異なる関連項目群が関連付けられている。
【0256】
関連項目抽出部23は、余白選択判定部28によって余白領域が選択された判定された場合には、余白選択判定部28が判定した上記余白領域の面積(余白面積)に基づいて、関連項目を抽出する。
【0257】
例えば、図22に示す破線97aの接触動作が生じた場合、余白選択判定部28によって余白面積は「大」と判定される。そこで、関連項目抽出部23は、「オブジェクト無し」の「余白面積;大」に関連付けられている関連項目R1〜R3を抽出する。関連項目抽出部23は、他の実施形態と同様に、これらの関連項目に関連付けられているアイコン識別情報をさらに抽出してもよい。ここでは、関連項目抽出部23は、「アプリ1のアイコン」、「アプリ2のアイコン」、「アプリ3のアイコン」の3つのアイコン識別情報を抽出し、操作画面処理部24に供給する。
【0258】
図24の(a)は、所定の大きさの接触動作が生じたときに、本実施形態の操作画面処理部24によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【0259】
図24の(b)は、同図の(a)の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、本実施形態の操作画面処理部24によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【0260】
本実施形態では、図21は、図24の(a)および(b)の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、本実施形態の操作画面処理部24によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【0261】
図24の(a)に示す操作画面は、図22の破線97aによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。破線97aによって選択された余白領域の面積は、余白選択判定部28が、上述のとおり「大」と判定する。したがって、図23に示す関連情報に基づいて、関連項目抽出部23によって「アプリ1のアイコン」、「アプリ2のアイコン」および「アプリ3のアイコン」が抽出される。操作画面処理部24は、図24の(a)に示すとおり、抽出されたこれらのアイコンを配置し、表示部12に表示する。
【0262】
図24の(b)に示す操作画面は、図22の破線97bの余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。破線97bによって選択された余白領域の面積は、余白選択判定部28が、上述のとおり「中」と判定する。したがって、図23に示す関連情報に基づいて、関連項目抽出部23によって「アプリ4のアイコン」、「アプリ5のアイコン」および「アプリ6のアイコン」が抽出される。操作画面処理部24は、図24の(b)に示すとおり、抽出されたこれらのアイコンを配置し、表示部12に表示する。
【0263】
図21に示す操作画面は、図22の破線97cの余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。破線97cによって選択された余白領域の面積は、余白選択判定部28が、上述のとおり「小」と判定する。したがって、図23に示す関連情報に基づいて、関連項目抽出部23によって「アプリ7のアイコン」、「アプリ8のアイコン」および「アプリ9のアイコン」が抽出される。操作画面処理部24は、図21に示すとおり、抽出されたこれらのアイコンを配置し、表示部12に表示する。
【0264】
「特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の」アプリケーションとは言え、近年の多機能なタブレット端末100にはさまざまなアプリケーションが搭載されている。つまり、存在するアプリケーションの数だけ、表示すべき「オブジェクトに依存しない一般的な」アプリケーションのアイコンもまた無数に存在することになる。
【0265】
無数に存在するアプリケーションのアイコンは、ユーザが頻繁に選択するアイコン、お気に入りのアイコン、仕事のときに使うアイコン、遊びのときに使うアイコン、在宅時両手で使用するときに使うアイコン、外出・移動時に片手で使用するときに使うアイコンなど、ユーザごとに様々なグループ分けができるであろう。
【0266】
一方、大きい接触動作の行い易さと、小さい接触動作の行い易さとは、異なっていると考えられる。例えば、「囲う」接触動作の場合、小さい円ほど容易に描き易い。画面いっぱい大きい円を描くには、両手操作でないと難しい場合もある。
【0267】
本実施形態によれば、例えば、図23に示す関連情報のデータ構造を、最も行い易い接触動作が生じたと推測される「余白面積;小」に、そのユーザが最も頻繁に利用する関連項目(アイコン)を関連付けておく構造とすることができる。
【0268】
したがって、本実施形態にかかるタブレット端末100によれば、最も容易に行われる接触動作の大きさ(すなわち、余白面積「小」)にて、ユーザによる余白領域の選択が行われた場合には、ユーザが最もよく利用するアプリケーションのアイコンを、選択可能にユーザに提示することが可能となる。
【0269】
反対に、大きい円が描かれた場合、比較的困難な接触動作をユーザが意図的に行ったことから、「オブジェクトに依存しない一般的な」表示対象物を表示させたいというユーザの意志はより強いと推定することができる。
【0270】
本実施形態によれば、例えば、図23に示す関連情報のデータ構造を、最も行い難い接触動作が生じたと推測される「余白面積;大」に、そのユーザが、特定の場合(在宅時、移動時など)によく使う関連項目(アイコン)を関連付けておく構造とすることができる。
【0271】
したがって、本実施形態にかかるタブレット端末100によれば、最も行い難い接触動作の大きさ(すなわち、余白面積「大」)にて、ユーザによる余白領域の選択が行われた場合には、ユーザが、特殊なケースで利用するアプリケーションのアイコンを、選択可能にユーザに提示することが可能となる。
【0272】
以上のとおり、余白をユーザに選択させることにより、「特定のオブジェクトに依存しない、多面的、汎用的、一般的、あるいは、無属性の表示対象物」を所望していることを、ユーザに意図的に能動的にタブレット端末100に入力させることができ、特定のオブジェクトに依存しないメニューリストをユーザに提示することができる。加えて、余白が選択されたときの余白領域の面積を考慮して、ユースシーンを推定し、推定したシーンと連動して最適なメニューリストをユーザに提示することができるので、ユーザの意図をより正確に反映した結果物をユーザに提供することが可能となる。
【0273】
≪実施形態5≫
本発明の情報処理装置に関する他の実施形態について、図25〜図30に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、既述の各実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0274】
上述の各実施形態では、タブレット端末100は、余白領域が選択された場合には、どのような接触動作が行われたのか(軌跡の位置または大きさ)を考慮せずに、一律、既定の方法でアイコンを配置し表示する構成であった。本実施形態のタブレット端末100は、軌跡の位置または大きさ、あるいは、その両方に応じて、アイコンの配置方法を異ならせる構成である。
【0275】
〔タブレット端末の機能〕
図25は、本実施形態におけるタブレット端末100の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0276】
本実施形態にかかるタブレット端末100は、各実施形態のタブレット端末100(図1、図11)と比較して、さらに、制御部10の操作画面処理部24が、機能ブロックとして、環形状決定部30を含む構成である。また、記憶部19が、接触情報記憶部44を含む構成である。
【0277】
接触情報記憶部44は、接触情報生成部21によって生成された接触情報を記憶するものである。既述の各実施形態では、接触情報は、余白選択判定部28またはオブジェクト特定部22が利用可能なように図示しない記憶部(キャッシュなど)に一時的に記憶されるものであった。本実施形態では、接触情報は、操作画面処理部24および操作画面処理部24の各部が、操作画面生成処理(アイコンを表示する処理を含む)を実行するときに利用可能なように、接触情報記憶部44に記憶される。接触情報記憶部44を不揮発性記憶装置で実現するか否か、すなわち、この接触情報を不揮発的に記憶するか否かは、操作画面処理部24が実行する操作画面表示機能の目的、想定利用環境、あるいは、タブレット端末100自体の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
【0278】
環形状決定部30は、操作画面処理部24が環の輪郭線上にアイコンを配置するときの、環の形状を決定するものである。上述の各実施形態では、操作画面処理部24は、所定の環形状に沿ってアイコンを配置する構成であった。例えば、所定位置および所定サイズの楕円形の輪郭線上にアイコンを配置する構成であった。本実施形態では、環形状決定部30は、接触情報記憶部44に記憶されている接触情報に基づいて、アイコンを配置するための環の形状を決定する。すなわち、環形状決定部30は、ユーザの接触動作(例えば、「囲う」)から得られた指の軌跡に基づいて、環形状を決定する。
【0279】
より具体的には、環形状決定部30は、軌跡(本実施形態では、接触動作「囲う」から得られた略円形の軌跡)の大きさに比例してアイコンを配置するための環の大きさを決定する。さらに、環形状決定部30は、軌跡が描かれたタッチパネルの画面位置に応じて環の位置を決定することが好ましい。
【0280】
あるいは、環形状決定部30は、環の大きさを決める手順として、まず、軌跡の大きさに基づいて画像表示領域の大きさを決定し、この決定した画像表示領域に収まるように環の大きさを定めてもよい。さらに、環形状決定部30は、すでに表示されているオブジェクトのオブジェクト領域と、軌跡の位置とに基づいて、画像表示領域の位置を決定し、この画像表示領域に収まるように環の位置を定めてもよい。
【0281】
環形状決定部30によって決定された環形状の情報(環の大きさと位置の情報)にしたがって、操作画面処理部24は、抽出されたアイコンを配置する。環形状決定部30によって決定される環形状の情報は、環の大きさの情報に加えてさらに環の位置の情報を含んでいてもよい。つまり、操作画面処理部24は、決定された大きさで、決定された位置に環を配置し、その環の輪郭線上にアイコンを配置することができる。
【0282】
また、本実施形態では、余白選択判定部28は、実施形態4の余白選択判定部28と同様に、軌跡によって余白が選択されたのか否かを判定するのに加えて、軌跡によって選択された余白領域の面積の大きさを分類する。本実施形態でも、余白選択判定部28は、選択された余白領域の面積が、「大」、「中」および「小」のいずれの大きさに分類されるのかを判定するものとする。
【0283】
さらに、本実施形態の関連情報記憶部42に記憶されている関連情報において、関連項目のそれぞれには、その関連項目のアイコンが表示されるための「条件」が関連付けられている点で、他の実施形態のデータ構造とは異なっている。
【0284】
図26は、本実施形態における関連情報記憶部42に記憶される関連情報の一例を示す図である。図26には、「オブジェクト無し」に関連付けられた関連項目の例のみを示しているが、図6に示す関連情報と同様に、本実施形態においても、「オブジェクト」と関連項目との関連性を示す関連情報がさらに記憶されていてもよい。
【0285】
図26に示す本実施形態の関連情報と、図6、図12、図20または図23に示す、既述の各実施形態の関連情報との異なる点は、関連項目の各々に、「条件」が対応付けられている点である。
【0286】
「条件」とは、その関連項目のアイコンが実際に表示部12に表示されるための条件を示している。例えば、「条件;『大、中、小』のとき」が関連付けられている、関連項目R1のアイコンは、余白選択判定部28によって判定された軌跡の大きさ(選択領域の面積)が「大、中、小」のいずれの場合でも表示される。一方、「条件;『大』のとき」が関連付けられている、関連項目R4のアイコンは、余白選択判定部28によって判定された軌跡の大きさ「大」の場合に限り表示される。つまり、関連項目R4のアイコンは、軌跡の大きさが「中」または「小」の場合には、表示部12に表示されないということを、「条件;『大』のとき」は意味している。
【0287】
関連項目抽出部23は、余白選択判定部28によって判定された軌跡の大きさと、各関連項目に関連付けられている条件とにしたがって、操作画面処理部24に供給すべき関連項目(またはアイコン識別情報)を抽出する。
【0288】
つまり、関連情報の上記のデータ構造によれば、「余白領域が選択された」という同じ事象においても、軌跡の大きさ(余白面積)に比例して、実際に表示部12に表示させるアイコンの数を調整することが可能となる。
【0289】
図26に示す例では、余白領域が選択された場合であって、選択された余白面積が「大」と判定された場合には、関連項目抽出部23は、「オブジェクト無し」に関連付けられているすべての関連項目のアイコン(R1〜R5の5個のアイコン)を抽出する。あるいは、余白面積が「中」と判定された場合には、関連項目抽出部23は、関連項目R1〜R3の3個のアイコンを抽出する。あるいは、余白面積が「小」と判定された場合には、関連項目抽出部23は、関連項目R1、R2の2個のアイコンを抽出する。
【0290】
結果として、ユーザが描いた軌跡の大きさが「大」の場合には、操作画面処理部24は、その軌跡に比例した大きさの環に5個のアイコンを配置して表示し、軌跡の大きさが「中」の場合には、その軌跡に比例した大きさの環に3個のアイコンを配置して表示し、軌跡の大きさが「小」の場合には、その軌跡に比例した大きさの環に2個のアイコンを配置して表示することが可能となる。
【0291】
図22は、ユーザが、余白領域を選択することを意図して、さまざまな大きさの「囲う」接触動作を行ったときの、軌跡の一例を示す図である。
【0292】
図27は、所定の大きさの接触動作が生じたときに、本実施形態の操作画面処理部24によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【0293】
図28は、図27の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、本実施形態の操作画面処理部24によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【0294】
図29は、図27および図28の場合とは異なる所定の大きさの接触動作が生じたときに、本実施形態の操作画面処理部24によって作成された操作画面の具体例を示す図である。
【0295】
図27に示す操作画面は、図22の破線97aによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。破線97aによって選択された余白領域の面積は、余白選択判定部28が、上述のとおり「大」と判定する。したがって、関連項目抽出部23は、図26に示す関連情報に基づいて、アプリケーション1〜5の5個のアイコン識別情報を操作画面処理部24に供給する。
【0296】
操作画面処理部24の環形状決定部30は、図27に示すとおり、破線97aから得られる接触情報に基づいて、環の大きさと環の位置とを決定する(図27の環98a)。操作画面処理部24は、環形状決定部30が決定した環98aの輪郭線上に、アプリケーション1〜5の5個のアイコンを配置して表示部12に表示する。
【0297】
図28に示す操作画面は、図22の破線97bによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。破線97bによって選択された余白領域の面積は、余白選択判定部28が、上述のとおり「中」と判定する。したがって、関連項目抽出部23は、図26に示す関連情報に基づいて、アプリケーション1〜3の3個のアイコン識別情報を操作画面処理部24に供給する。
【0298】
操作画面処理部24の環形状決定部30は、図28に示すとおり、破線97bから得られる接触情報に基づいて、環の大きさと環の位置とを決定する(図28の環98b)。操作画面処理部24は、環形状決定部30が決定した環98bの輪郭線上に、アプリケーション1〜3の3個のアイコンを配置して表示部12に表示する。
【0299】
図29に示す操作画面は、図22の破線97cによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される表示画面の一例である。破線97cによって選択された余白領域の面積は、余白選択判定部28が、上述のとおり「小」と判定する。したがって、関連項目抽出部23は、図26に示す関連情報に基づいて、アプリケーション1および2の2個のアイコン識別情報を操作画面処理部24に供給する。
【0300】
操作画面処理部24の環形状決定部30は、図29に示すとおり、破線97cから得られる接触情報に基づいて、環の大きさと環の位置とを決定する(図29の環98c)。操作画面処理部24は、環形状決定部30が決定した環98cの輪郭線上に、アプリケーション1、2の2個のアイコンを配置して表示部12に表示する。
【0301】
上記構成によれば、ユーザの余白を選択するという接触動作に応じて、余白から連想される、特定オブジェクトに依存しない表示対象物(ここではアイコンリスト)をユーザに提示することができる。さらに、本実施形態のタブレット端末100は、ユーザによる接触動作の軌跡の大きさと位置とにしたがって、アイコンを配置する環の大きさと位置とを決定する。
【0302】
すなわち、ユーザは、目的の表示対象物(アイコンリスト)を呼び出すための1つの接触動作(例えば「囲う」)によって、表示対象物の影響が及ぶ範囲と位置(すなわち、アイコンリストの環の大きさと位置)までも、併せて指定することが可能となる。
【0303】
従来、所望の表示対象物(例えば、メニューリストなど)を呼び出す操作が、表示対象物を表示させる位置を指定する操作を兼ねているものが存在する(例えば、特許文献1および特許文献2など)。しかし、従来の技術では、表示対象物を呼び出すための1つ操作(本発明では、例えば、「囲う」という接触動作)が、表示対象物の表示位置に加えて表示範囲を指定する操作を兼ねるという構成は実現できなかった。また、従来の技術では、1つの操作が上記所望の表示対象物に含まれるサブ項目の数を指定する操作を兼ねるという構成は実現できなかった。
【0304】
メニューリストなどの表示対象物を呼び出すための操作に限らず、ある特定の機能を起動するためのトリガである1つの操作が、該機能の実行結果が影響をもたらす位置および範囲の両方を指定する操作も兼ねている構成が望ましい。本発明は、従来実現できなかったこの構成を実現するものである。
【0305】
上述のとおり本発明のタブレット端末100によれば、「オブジェクトを何も選択しない」あるいは「特定オブジェクトに依存しない表示対象物(ここではメニューリスト)を所望する」という情報を、ユーザに意図的に能動的にタブレット端末100に入力させることが可能となる上、この入力によって、表示対象物が表示される範囲と位置とを別途の操作を必要とすることなく、指定することが可能となる。
【0306】
接触動作の大きさと、最終結果物(ここでは、アイコンの環)の大きさとが一致していることは、ユーザにとって自然に理解され得る事象である。また、接触動作を行った位置と、最終結果物が表示される位置とが一致していることは、ユーザにとって自然に理解され得る事象である。
【0307】
以上のことから、ユーザ操作、そしてそれに伴う最終結果物の表示、という一連の処理を、簡易な接触動作、少ない動作数、および、直感的で自然な接触動作により、タブレット端末100に実行させることが可能になる。結果として、タッチパネルを備えたタブレット端末100において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【0308】
なお、上述の説明では、本実施形態の環形状決定部30が、環の位置および大きさを、両方とも、接触動作の軌跡の位置および大きさにほぼ一致させる構成であるとして説明した。この環形状決定部30の構成は、最も好ましい実施形態であるが、本発明の環形状決定部30は、これに限定されない。環形状決定部30は、軌跡の位置を考慮して、環の位置だけを決定する構成であってもよいし、軌跡の大きさを考慮して、環の大きさだけを決定する構成であってもよい。このような構成も本発明の範疇に入る。
【0309】
また、上述の説明では、軌跡の大きさに応じて、関連項目抽出部23が、抽出するアイコン数を調整する構成について説明した。しかし、抽出するアイコン数が一定である場合には、操作画面処理部24は、軌跡の大きさに応じて、環の大きさを調整するとともに、決定した環の大きさに応じて、配置するアイコン各々の大きさを拡縮することにより、見映えの良いアイコンリストを表示してもよい。
【0310】
(変形例5−1)
上述の説明では、本実施形態において、環形状決定部30が決定する環の大きさは、余白を選択するため接触動作の軌跡の大きさに応じて決定される構成であった。しかしながら、本発明のタブレット端末100の構成は、上記に限定されない。例えば、環形状決定部30は、関連項目抽出部23が抽出する関連項目(または、アイコン識別情報)の個数に応じて、環の大きさを決定してもよい。
【0311】
例えば、関連項目抽出部23がアイコンを6個以上抽出したときには、環形状決定部30は、環の大きさを、図21に示す破線のように決定し、関連項目抽出部23がアイコンを4または5個抽出したときには、環の大きさを、図27に示す破線のように決定し、関連項目抽出部23がアイコンを3個抽出したときには、環の大きさを、図28に示す破線のように決定し、関連項目抽出部23がアイコンを2または1個抽出したときには、環の大きさを、図29に示す破線のように決定してもよい。
【0312】
(変形例5−2)
上述の説明では、本実施形態において、関連項目抽出部23は、図26に示す関連情報において、関連項目ごとに設定されている「条件」に基づいて、所定個数の関連項目(アイコン)を抽出する構成であった。しかしながら、本発明のタブレット端末100の構成は、上記に限定されない。例えば、関連情報記憶部42に記憶されている関連情報が、「条件」のフィールドを含んでいない場合に、関連情報記憶部42は、代わりに、「余白面積」と「配置アイコン数」との対応テーブルを記憶していてもよい。
【0313】
図30は、関連情報記憶部42に記憶される、「余白面積」と「配置アイコン数」との対応テーブルの具体例を示す図である。
【0314】
図30に示すとおり、対応テーブルは、余白選択判定部28が判定する「余白面積」の分類ごとに、操作画面処理部24が環に配置すべきアイコンの数を示す「配置アイコン数」を対応付けたデータ構造を有している。
【0315】
図30に示す対応テーブルに従えば、関連項目抽出部23は、軌跡の大きさ(すなわち、余白面積)が「大」と判定された場合には、関連項目(または、アイコン)を5個抽出する。あるいは、「小」と判定された場合には、関連項目を2個に限定して抽出する。関連項目抽出部23は、関連項目の一部のみを限定的に抽出する場合には、各関連項目に付与されているID(例えば、「R1」など)の昇順(または降順)に抽出してもよいし、別途予め付与されている優先順にしたがって抽出してもよい。
【0316】
このような構成でも、関連項目抽出部23は、結果として、軌跡の大きさに比例して、最適な数のアイコンを操作画面処理部24に伝達することができる。
【0317】
≪実施形態6≫
本発明の情報処理装置に関する他の実施形態について、図31〜図35に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、既述の各実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0318】
上述の各実施形態では、タブレット端末100は、余白を選択する接触動作には、メニューリスト(アイコンの環)を呼び出す機能(操作画面表示機能)が割り当てられている構成について説明した。本実施形態では、余白を選択する接触動作には、さらに、所定の画像を背景に表示させる機能(以下、壁紙表示機能)において、その画像を表示させる位置または大きさなどを指定する機能が割り当てられている構成である。
【0319】
〔タブレット端末の機能〕
図31は、本実施形態におけるタブレット端末100の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0320】
本実施形態にかかるタブレット端末100は、各実施形態のタブレット端末100(図1、図11、図25)と比較して、制御部10が、機能ブロックとして、操作画面処理部24に加えて、さらに、登録画像処理部36を含む構成である。また、記憶部19が、さらに、登録画像記憶部48を含む構成である。
【0321】
また、本実施形態のタブレット端末100において、実施形態2(図11)と同様に、制御部10が、状態判定部29を含み、記憶部19が状態記憶部47を含む構成であってもよい。
【0322】
さらに、本実施形態のタブレット端末100において、実施形態5(図25)と同様に、記憶部19が接触情報記憶部44を含む構成である。
【0323】
また、本実施形態では、関連情報記憶部42は、関連情報において、「オブジェクト無し」に対応する関連項目として、少なくとも、「壁紙設定アプリケーション(を起動する)」を含むデータ構造を有している。
【0324】
図32は、本実施形態における関連情報記憶部42に記憶される関連情報の一例を示す図である。図32には、「オブジェクト無し」に関連付けられた関連項目の例のみを示しているが、図6に示す関連情報と同様に、本実施形態においても、「オブジェクト」と関連項目との関連性を示す関連情報がさらに記憶されていてもよい。
【0325】
図32に示すとおり、本実施形態では、「オブジェクト無し」には、少なくとも「壁紙設定アプリケーション(を起動する)」の関連項目R4が関連付けられている。なお、状態判定部29が備わっている構成では、「オブジェクト無し」かつ画面表示状態「ホーム画面」に対して、関連項目R4が関連付けられていてもよい。
【0326】
「壁紙設定アプリケーション」は、登録画像処理部36が上述の壁紙表示機能を実現するために実行するアプリケーションである。具体的には、登録画像処理部36が、ユーザなどによって指定された登録画像に対して適切な画像処理を行って、ホーム画面(待ち受け画面)などの背景に表示させる機能を実現するためのアプリケーションである。
【0327】
余白選択判定部28によって、余白領域が選択されたと判定されたとき、関連項目抽出部23は、まず、「オブジェクト無し」に関連付けられている関連項目を抽出する。図32に示す関連情報にしたがえば、関連項目抽出部23は、「壁紙設定アプリケーション」の関連項目R4を含む、関連項目群R1〜R4を抽出する。
【0328】
例えば、余白領域が選択された場合(例えば、タブレット端末100がホーム画面を表示している状態のときに余白領域が選択されたとき)には、関連項目抽出部23は、図32に示す、関連項目R1〜R4を抽出する。
【0329】
操作画面処理部24は、上述の実施形態と同様に、抽出された関連項目に対応するアイコンをアイコン記憶部43から読み出して、所定の規則に基づいてアイコンを配置し、タッチパネルの表示部12に表示する。ここでは、4つのアイコン、すなわち、「1:テレビ」、「13:Webブラウザアプリ」、「3:メール」、および、「*:壁紙設定アプリのアイコン」がアイコン記憶部43から読み出され、表示される。例えば、本実施形態で表示される操作画面は、図9に示す操作画面における3つのアイコンに加えて、「*:壁紙設定アプリのアイコン」が、環の輪郭線上に配置された操作画面である。
【0330】
ここで、操作画面に表示された「*:壁紙設定アプリのアイコン」がユーザによって選択されると、登録画像処理部36は、壁紙設定アプリケーションを起動する。
【0331】
登録画像処理部36は、壁紙設定アプリケーションを実行して、ユーザによって指定された登録画像を処理して表示部12に壁紙として表示させるものである。本実施形態では、まず、登録画像処理部36は、ユーザによって、「*:壁紙設定アプリのアイコン」がユーザによって選択されると、登録画像記憶部48から壁紙表示するための登録画像を読み出す。
【0332】
登録画像記憶部48は、登録画像処理部36の壁紙表示機能によって、壁紙として表示するために登録された登録画像を記憶するものである。図33は、登録画像記憶部48に記憶されている登録画像のデータベースの一例を示す図である。
【0333】
図33に示すとおり、データベースには、壁紙に使用される登録画像が、登録画像識別情報を付与された状態で1または複数格納されている。
【0334】
本実施形態では、登録画像処理部36は、登録画像記憶部48に複数の登録画像が格納されている場合には、壁紙表示すべき登録画像をユーザに選ばせるために、登録画像の一覧を、ユーザに選択可能に表示する。
【0335】
例えば、登録画像「xxxx.jpg」がユーザによって選択された場合には、登録画像処理部36は、登録画像識別情報「xxxx.jpg」に基づいて、ユーザによって選択された登録画像9を登録画像記憶部48から読み出す。
【0336】
そして、本実施形態では、登録画像処理部36は、選択された登録画像9を表示する際には、まず、接触情報記憶部44に記憶されている、接触情報生成部21によって生成された接触情報を参照する。そして、登録画像処理部36は、読み出した登録画像に対して、ユーザが描いた軌跡に応じた画像処理を施し、該軌跡に応じた位置に登録画像を配置する。これにより、登録画像9は、表示部12に表示される(ホーム画面の背景に登録画像9の壁紙が設定される)。登録画像処理部36のより詳細な動作を、図を参照しながら以下に説明する。
【0337】
図22は、ユーザが、余白領域を選択することを意図して、さまざまな位置にさまざまな大きさの「囲う」接触動作を行ったときの、軌跡の一例を示す図である。
【0338】
図34は、ホーム画面表示時において、所定の位置に所定の大きさの接触動作が生じたときに、登録画像処理部36によって作成された壁紙表示画面の具体例を示す図である。
【0339】
図35の(a)は、ホーム画面表示時において、図34の場合とは異なる所定の位置および大きさの接触動作が生じたときに、登録画像処理部36によって作成された壁紙表示画面の具体例を示す図である。
【0340】
図35の(b)は、ホーム画面表示時において、図34および図35の(a)の場合とは異なる所定の位置および大きさの接触動作が生じたときに、登録画像処理部36によって作成された壁紙表示画面の具体例を示す図である。
【0341】
図34に示す壁紙表示画面は、ホーム画面において、図22の破線97aによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される画面の一例である。登録画像処理部36は、破線97aに基づく選択領域の位置と大きさとを、接触情報記憶部44に記憶されている接触情報に基づいて特定することができる。登録画像処理部36は、登録画像記憶部48から読み出した登録画像の大きさと、選択領域の大きさとを比較し、登録画像の大きさに対して、選択領域が十分に大きいか否かを判断する。登録画像処理部36は、選択領域が登録画像より小さい場合でも、一定の許容範囲を設けて、面積の差がその許容範囲内に収まる場合には、「登録画像に対して、選択領域は十分に大きい」と判断してもよい。なお、ここでは、一例として、登録画像は、図33の登録画像9(xxxx.jpg)である。登録画像処理部36は、破線97aに基づく選択領域と、登録画像9とを比較して、「登録画像9に対して、選択領域は十分に大きい」と判断する。
【0342】
登録画像処理部36は、「選択領域は十分に大きい」と判断した場合、登録画像に対して縮小やトリミングなどの画像処理を行わず、登録画像を等倍のまま上記選択領域と同じ位置に配置してもよい。登録画像処理部36は、登録画像が選択領域からはみ出す場合でも、ほぼ重なる位置に登録画像を配置すればよい。あるいは、選択領域が登録画像9に対してかなり大きい場合には、登録画像処理部36は、登録画像9を拡大する画像処理を施してもよい。
【0343】
登録画像処理部36は、破線97a(図22)に基づいて、登録画像9の表示位置と表示範囲とを決定して、図34に示すとおり、登録画像9を壁紙とする壁紙表示画面を表示部12に出力する。
【0344】
図35の(a)に示す壁紙表示画面は、ホーム画面において、図22の破線97bによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される画面の一例である。登録画像処理部36は、破線97bの軌跡に基づいて、選択領域の位置と大きさとを特定する。登録画像処理部36は、登録画像9の大きさと選択領域の大きさとを比較する。ここでは、登録画像処理部36は、破線97bに基づく選択領域は、登録画像9と比較して小さいと判断したとする。
【0345】
この場合、登録画像処理部36は、登録画像9が選択領域と許容範囲内でほぼ重なるように、登録画像9に対して適切な画像処理を行う。図35の(a)に示す例では、登録画像処理部36は、登録画像9を選択領域と合うように縮小する画像処理を実施する。そして、登録画像処理部36は、縮小した登録画像9を、選択領域とほぼ重なる位置に配置する。結果として、図35の(a)に示すとおり、ユーザが描いた軌跡(破線97b)とほぼ一致する位置および範囲に、登録画像9が壁紙表示される。
【0346】
図35の(b)に示す壁紙表示画面は、ホーム画面において、図22の破線97cによって囲われる余白領域が選択されたとき、表示される画面の一例である。登録画像処理部36は、破線97cの軌跡に基づいて、選択領域の位置と大きさとを特定する。登録画像処理部36は、登録画像9の大きさと選択領域の大きさとを比較する。ここでは、登録画像処理部36は、破線97cに基づく選択領域は、登録画像9と比較して小さいと判断したとする。
【0347】
この場合、登録画像処理部36は、登録画像9が選択領域と許容範囲内でほぼ重なるように、登録画像9に対して適切な画像処理を行う。図35の(b)に示す例では、登録画像処理部36は、登録画像9を、選択領域と合うように、トリミングする画像処理を実施する。そして、登録画像処理部36は、トリミングした登録画像9を、選択領域とほぼ重なる位置に配置する。結果として、図35の(b)に示すとおり、ユーザが描いた軌跡(破線97c)とほぼ一致する位置および範囲に、トリミングされた登録画像9が壁紙表示される。
【0348】
上記構成によれば、ユーザの余白を選択するという接触動作に応じて、余白から連想される、特定オブジェクトに依存しない関連項目(ここでは、壁紙表示機能を呼び出すための壁紙設定アプリのアイコン)をユーザに選択可能に提供することができる。さらに、当該関連項目が、何らかの表示対象物(壁紙など)を表示する機能である場合には、その関連項目の機能を実行する表示処理部(上述の例では、登録画像処理部36)は、上述の接触動作によって余白領域が選択されたときの軌跡(すなわち、接触情報)を引き継ぐことができる。そして、上記表示処理部は、ユーザによる接触動作の軌跡の大きさと位置とにしたがって、表示対象物を配置する位置と範囲とを決定する。また、その決定された範囲に応じて表示対象物に対して適切な画像処理を施すことができる。
【0349】
すなわち、ユーザは、何らかの表示対象物を表示するという機能(例えば、壁紙表示機能)を呼び出すために行った1つの接触動作(例えば「囲う」)によって、表示処理部によって処理される表示対象物の影響が及ぶ範囲と位置(すなわち、壁紙画像の表示範囲と位置)までも、併せて指定することが可能となる。
【0350】
従来の技術では、表示対象物を呼び出すための1つ操作(本発明では、例えば、「囲う」という接触動作)が、表示対象物の表示位置に加えて表示範囲を指定する操作を兼ねるという構成は実現できなかった。
【0351】
メニューリストや壁紙画像などの表示対象物を呼び出すための操作に限らず、ある特定の機能を起動するためのトリガである1つの操作が、該機能の実行結果が影響をもたらす位置および範囲の両方を指定する操作も兼ねている構成が望ましい。本発明は、従来実現できなかったこの構成を実現するものである。
【0352】
上述のとおり本発明のタブレット端末100によれば、「オブジェクトを何も選択しない」という情報を、ユーザに意図的に能動的にタブレット端末100に入力させることが可能となる。その上、「何らかの表示対象物(ここでは壁紙画像)を表示する」という指示を行った場合には、先の上記入力によって、表示対象物が表示される範囲と位置とを別途の操作を必要とすることなく、指定することが可能となる。
【0353】
接触動作の大きさと、最終結果物(壁紙画像)の大きさとが一致していることは、ユーザにとって自然に理解され得る事象である。また、接触動作を行った位置と、最終結果物が表示される位置とが一致していることは、ユーザにとって自然に理解され得る事象である。
【0354】
以上のことから、ユーザ操作、そしてそれに伴う最終結果物の表示、という一連の処理を、簡易な接触動作、少ない動作数、および、直感的で自然な接触動作により、タブレット端末100に実行させることが可能になる。結果として、タッチパネルを備えたタブレット端末100において、優れた操作性を実現することが可能になるという効果を奏する。
【0355】
≪実施形態7≫
本発明の情報処理装置に関する他の実施形態について、図11、図12、図36および図37に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、既述の各実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0356】
上述の実施形態2では、画面表示状態を考慮してアイコン表示を行うタブレット端末100の構成について説明した。具体的には、画面表示状態が「ホーム画面」のときに余白が選択されたケースと、画面表示状態が「写真アプリ画面」のときに余白が選択されたケースとについて説明した。
【0357】
本実施形態では、タブレット端末100には、スケジュールを管理するための「スケジュールアプリケーション」の機能が搭載されている。そして、スケジュールアプリケーションの実行中に、タブレット端末100は、「スケジュールアプリ画面」を表示する状態に遷移する。本実施形態では、画面表示状態が「スケジュールアプリ画面」のときに余白が選択されたケースについてタブレット端末100の動作を説明する。
【0358】
本実施形態では、タブレット端末100は、スケジュールアプリケーションの実行中には、「スケジュールアプリ画面」で表示されるスケジュール帳において、予定が埋まっていることを表すバーをオブジェクトとして認識する構成である。そして、バーが何も表示されていない領域、すなわち、何も予定が入力されていない領域を余白領域として認識する構成である。
【0359】
図36の(a)は、タブレット端末100が「スケジュールアプリ画面」を表示している画面表示状態であるときに、ユーザが、余白領域を選択することを意図して「囲う」接触動作を行ったことを示す図である。図36の(b)は、接触が検知された期間に表示部12に表示された映像フレームのマップ情報と、上記「囲う」接触動作によって特定された選択領域とを示す図である。
【0360】
図36の(a)に示すとおり、タブレット端末100がスケジュールアプリケーションを起動している間は、タブレット端末100の画面表示状態は、「スケジュールアプリ画面」(表示中)の状態となる。このような場合、状態判定部29は、判定結果「画面表示状態;スケジュールアプリ画面」を、状態記憶部47に格納する。
【0361】
ここで、ユーザによって、図36の(a)の破線に示すとおり、余白領域(スケジュール帳において予定が埋まっていない領域)が選択されたとする。余白選択判定部28は、まず、上記破線で示された軌跡に基づいて選択領域を特定する。例えば、余白選択判定部28は、図36の(b)に示すとおり、軌跡によって囲われた内側の領域(太枠斜線領域)を選択領域として特定することができる。なお、図36の(a)に示すとおり、軌跡が、それ自身で交わらなかったり、また、始点と終点とが一致しなかったりして、閉じられた領域を特定できないような場合には、余白選択判定部28は、例えば、図36の(b)に示すとおり、軌跡の始点および終点を結ぶ線(例えば、直線など)を補って、選択領域を特定してもよい。一方、余白選択判定部28は、軌跡が閉曲線の場合、その軌跡によって囲われる領域内を軌跡領域として特定すればよい。
【0362】
あるいは、余白選択判定部28は、軌跡が閉曲線であってもそうでなくとも線状の上記軌跡の外接矩形内を軌跡領域として特定してもよい。余白選択判定部28は、軌跡に基づいて、上記の例に限定されない所定の規則に基づいて、選択領域を特定することができる。
【0363】
本実施形態では、フレームマップ記憶部41に記憶されている、スケジュールアプリ画面のマップ情報は、図36の(b)に示すとおり、予定が埋まっていることを表すバーが表示されている領域をオブジェクト領域として定義する。そして、スケジュール帳における、バーが表示されていない領域を余白領域として定義する。図36の(a)に示されるスケジュール帳のバー(オブジェクト)は、図36の(b)に示すとおり、マップ情報上では、オブジェクト領域99として定義される。
【0364】
余白選択判定部28は、選択領域に重なっているオブジェクト領域の有無に基づいて、余白領域が選択されたのか、オブジェクト領域が選択されたのかを判定する。オブジェクト領域とは、ここでは、図36の(a)における予定を表すバーのことであり、図36の(b)に示すオブジェクト領域99を指す。図36の(b)に示す例では、選択領域には、オブジェクト領域99が重なっているが、その重なっているオブジェクト領域の選択領域において占める割合が所定閾値未満(例えば、20%未満、など)であるため、余白選択判定部28は、余白領域が選択されたと判定する。
【0365】
続いて、関連項目抽出部23は、図12に示す関連情報を参照し、状態記憶部47に格納されている「画面表示状態;スケジュールアプリ画面」に基づいて、「オブジェクト無し」および「画面表示状態;スケジュールアプリ画面」に関連付けられている関連項目を抽出する。図12に示す例では、関連項目抽出部23は、R10〜R13の関連項目群を抽出する。本実施形態では、関連項目抽出部23は、さらに、関連項目R10〜R13のそれぞれに対応付けられているアイコン識別情報を操作画面処理部24に供給する。
【0366】
操作画面処理部24は、供給されたアイコン識別情報に基づいて、「23:電卓」、「1:テレビ」、「7:ゴミ箱」および「6:パレット」の各アイコン画像をアイコン記憶部43から読み出し、表示可能領域(画像表示領域)に各アイコンを配置し、操作画面を生成する。
【0367】
図37は、本実施形態の操作画面処理部24によって実行された操作画面生成処理の結果、得られた操作画面の具体例を示す図である。図37に示す操作画面は、タブレット端末100がスケジュールアプリ画面を表示している場合に空欄セルが選択されたとき、表示される操作画面の一例である。
【0368】
タブレット端末100がスケジュールアプリ画面を表示している場合に余白領域が選択されたとき、当然ユーザは、そのスケジュールが埋まっていない時間帯(余白領域)を、何らかの予定で埋めたいと希望していると推測できる。
【0369】
そこで、図12に示すとおり、関連情報において、「オブジェクト無し(ここでは、予定が埋まっていない時間帯のこと)」および「画面表示状態;スケジュールアプリ画面」に対して、予定の内容を示す関連項目と、その予定の内容を想起させるアイコンとを関連付けておく。このようなデータ構造によれば、関連項目抽出部23は、ユーザによってスケジュール帳の余白領域が選択された場合に、そこを埋めるための予定の候補を関連項目として抽出することができる。
【0370】
したがって、操作画面処理部24は、抽出された予定の内容を想起させるようなアイコン画像を環状に配置することができる。なお、画面が十分に広い場合には、その選択された余白領域を中央にして、その余白領域を囲むようにしてアイコン画像を環状に配置してもよい。図12および図37に示す例では、操作画面処理部24は、予定「R10;家計簿をつける」を表す「23:電卓」のアイコンと、予定「R11;テレビを見る」を表す「1:テレビ」のアイコンと、予定「R12;ごみ出しする」を表す「7:ゴミ箱」のアイコンと、予定「R13;趣味・習い事」を表す「6:パレット」のアイコンとを、環状に表示する。さらに、操作画面処理部24は、図37に示すとおり、予定の内容(図12の「関連項目」に記述されている内容)をアイコンに添えて表示してもよい。
【0371】
図37に示す操作画面が表示された後、例えば、ユーザが、希望の予定アイコンをドラッグして希望時間帯の余白領域上でリリースするという操作を行うことによって、希望の予定を希望の時間帯に入れることが容易に行えるユーザインターフェースを実現することができる。これにより、スケジュール管理する上で、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0372】
≪表示部と入力部とを別体で備える情報処理装置への適用≫
本発明の情報処理装置としてのタブレット端末100の構成、すなわち、指示体の移動の軌跡に基づいて、オブジェクトが選択されたのか、余白が選択されたのかに応じて、異なるアイコン群を配置して表示する構成について、これを、入力部11と表示部12とが別体として備わっている情報処理装置に適用してもよい。例えば、入力部11がマウスなどの入力装置で構成されており、表示部12が、LCDなどの表示装置で構成されている情報処理装置が考えられる。ここでは、表示部12に表示されているカーソルが、表示部12の画面上の位置を指示するものである。そして、ユーザがマウスを操作して入力動作を実施することによりカーソルが移動する。したがって、このような実施形態では、マウスが操作体であり、カーソルが指示体であって、操作体の移動に伴って表示部12に表示されている指示体が移動する。ユーザが、マウスを操作して表示部12の画面上のカーソルを動かすことにより、意図する領域を選択すると、情報処理装置は、内部であらかじめ保持しているカーソルの位置を上記マウスの動きと連動させて、そのカーソル(指示体)の移動の軌跡を保持する。そして、その軌跡によって特定される選択領域が、オブジェクト領域を含むのか否かを判定したり、選択領域におけるオブジェクト領域の占める割合を求めてオブジェクト領域が選択されたのか否かを判定したりする。これにより、情報処理装置は、オブジェクト領域が選択されたのか、余白領域が選択されたのかを判断し、その判断結果に応じて適切な関連項目を抽出し、そのアイコンを表示することができる。
【0373】
なお、表示部12と別体で構成される入力部11としては、上記のマウス以外にも、例えば、キーボード、ジョイスティック、ディジタイザ、タブレットとスタイラスペンなどの各種入力装置を採用することができる。
【0374】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0375】
なお、本発明の情報処理装置および画面表示方法は、以下のようにも表現され得る。
【0376】
タッチパネルを備えた情報処理装置において、上記タッチパネル上を移動した指示体の移動の軌跡を取得する軌跡取得手段と、上記軌跡取得手段によって取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記タッチパネル上の情報が表示されていない余白領域であるのか否かを判定する余白選択判定手段と、上記余白選択判定手段によって上記選択領域が余白領域であると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出手段と、上記関連項目抽出手段によって抽出された関連項目に対応するアイコンを上記タッチパネルに表示する画面処理手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【0377】
タッチパネルを備えた情報処理装置における画面表示方法において、上記タッチパネル上を移動した指示体の移動の軌跡を取得する軌跡取得ステップと、上記軌跡取得ステップにて取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記タッチパネル上の情報が表示されていない余白領域であるのか否かを判定する余白選択判定ステップと、上記余白選択判定ステップにて上記選択領域が余白領域であると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出ステップと、上記関連項目抽出ステップにて抽出された関連項目に対応するアイコンを上記タッチパネルに表示する画面処理ステップとを含むことを特徴とする画面表示方法。
【0378】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、タブレット端末100の各ブロック、特に、接触情報生成部21、オブジェクト特定部22、関連項目抽出部23、操作画面処理部24、余白選択判定部28、状態判定部29、環形状決定部30、登録画像処理部36は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0379】
すなわち、タブレット端末100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるタブレット端末100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記タブレット端末100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0380】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0381】
また、タブレット端末100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(High Data Rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0382】
本発明は、入力部および表示部を備える情報処理装置に広く適用することが可能である。例えば、これには限定されないが、入力部および表示部を備える、デジタルテレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットPC、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍リーダ、電子辞書、携帯用・家庭用ゲーム機、電子黒板などに好適に用いることができる。さらに、タッチパネルを備える情報処理装置に本発明を適用すれば、より一層優れた操作性を実現することができる。
【符号の説明】
【0383】
10 制御部
11 入力部(タッチパネル)
12 表示部(タッチパネル)
13 操作部
14 外部インターフェース
15 通信部
16 無線通信部
17 音声出力部
18 音声入力部
19 記憶部
21 接触情報生成部(軌跡取得手段)
22 オブジェクト特定部(オブジェクト特定手段)
23 関連項目抽出部(関連項目抽出手段)
24 操作画面処理部(画面処理手段)
28 余白選択判定部(余白選択判定手段)
29 状態判定部(状態判定手段)
30 環形状決定部(画面処理手段)
36 登録画像処理部(画像処理手段)
41 フレームマップ記憶部(分割情報記憶部)
42 関連情報記憶部
43 アイコン記憶部
44 接触情報記憶部
47 状態記憶部
48 登録画像記憶部
100 タブレット端末(情報処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する軌跡取得手段と、
上記軌跡取得手段によって取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記表示部上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定手段と、
上記余白選択判定手段によって上記選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出手段と、
上記関連項目抽出手段によって抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する画面処理手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、
上記関連項目抽出手段は、上記余白領域が選択された事象に関連する、抽出すべき関連項目の数を、上記選択領域の大きさに応じて決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、
上記画面処理手段は、上記関連項目に対応するアイコンの大きさ、または、該アイコンを表示するための画像表示領域の大きさを、上記選択領域の大きさに応じて決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記画面処理手段は、余白領域を選択していると判定された上記選択領域に、上記アイコンを表示することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、
上記画面処理手段は、1または複数のアイコンを環の輪郭線上に並べて配置して、上記表示部に表示するものであり、
該画面処理手段は、上記環の大きさを、上記選択領域の大きさに応じて決定することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
さらに、画像を処理して上記表示部に表示する画像処理手段を備え、
上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、
上記画像処理手段は、上記画面処理手段によって表示された画像処理のアイコンが選択されたことにより起動し、上記画像を表示するための画像表示領域の大きさを、上記選択領域の大きさに応じて決定し、上記画像の拡縮またはトリミングを実行することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
当該情報処理装置が上記表示部に表示している画面に応じて、当該情報処理装置の画面表示状態を判定する状態判定手段を備え、
上記関連情報記憶部には、上記余白領域が選択された事象に関連する関連項目が、さらに、画面表示状態ごとに関連付けて記憶されており、
上記関連項目抽出手段は、上記状態判定手段によって判定された、上記余白選択判定手段によって上記選択領域が余白領域を選択していると判定されたときの当該情報処理装置の画面表示状態に関連付けられている関連項目を抽出することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記余白選択判定手段は、上記表示部の画面を分割した複数の分割領域を定義する分割情報を参照して、上記軌跡に基づいて、余白領域を選択する上記選択領域が含まれる分割領域を特定し、
上記関連情報記憶部には、上記余白領域が選択された事象に関連する関連項目が、さらに、分割領域ごとに関連付けて記憶されており、
上記関連項目抽出手段は、上記余白選択判定手段によって特定された上記選択領域が含まれる分割領域に関連付けられている関連項目を抽出することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記余白選択判定手段は、余白領域を選択する上記選択領域の大きさを上記軌跡に基づいて特定し、該選択領域を、大きさに基づく複数の区分のいずれかに分類し、
上記関連情報記憶部には、上記余白領域が選択された事象に関連する関連項目が、さらに、選択領域の大きさの区分ごとに関連付けて記憶されており、
上記関連項目抽出手段は、上記余白選択判定手段によって分類された上記選択領域の大きさの区分に関連付けられている関連項目を抽出することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記余白選択判定手段は、選択可能なオブジェクトが表示されているオブジェクト領域を非余白領域、選択可能なオブジェクトが表示されていない領域を余白領域として認識することを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記余白選択判定手段は、
上記選択領域に、上記オブジェクト領域が含まれていない場合には、上記選択領域が余白領域を選択していると判定し、
上記選択領域に、上記オブジェクト領域の少なくとも一部が含まれている場合には、上記選択領域と重なる上記オブジェクト領域が、該選択領域において占める割合を求め、
上記割合が閾値未満であれば、上記選択領域が余白領域を選択していると判定し、
上記割合が上記閾値以上であれば、上記選択領域がオブジェクト領域を選択していると判定することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
当該情報処理装置は、さらに、
上記余白選択判定手段によって上記選択領域がオブジェクト領域を選択していると判定された場合、上記選択領域に少なくとも一部が重なるオブジェクトを、ユーザによって選択されたオブジェクトとして特定するオブジェクト特定手段を備え、
上記関連情報記憶部には、さらに、オブジェクトと該オブジェクトに関連する項目とが対応付けて記憶されており、
上記関連項目抽出手段は、
上記関連情報記憶部を参照して、上記オブジェクト特定手段によって特定されたオブジェクトに対応付けられた項目を関連項目として抽出することを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
当該情報処理装置が備える入力部および上記表示部はタッチパネルを構成するものであり、
上記軌跡取得手段は、上記タッチパネル上を移動した上記指示体の移動の軌跡を取得することを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
当該情報処理装置が備える入力部は、上記表示部に表示される、上記指示体としてのカーソルを移動させる指示を当該情報処理装置に入力するものであり、
上記軌跡取得手段は、上記カーソルの移動の軌跡を取得することを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置における画面表示方法であって、
表示部の画面の位置を指し示す指示体が移動した軌跡を取得する軌跡取得ステップと、
上記軌跡取得ステップにて取得された軌跡に基づいて特定された選択領域が、上記表示部上の情報が表示されていない余白領域を選択しているのか否かを判定する余白選択判定ステップと、
上記余白選択判定ステップにて上記選択領域が余白領域を選択していると判定された場合、余白領域が選択された事象に関連する項目を記憶する関連情報記憶部を参照して、上記事象に関連付けられている項目を関連項目として抽出する関連項目抽出ステップと、
上記関連項目抽出ステップにて抽出された関連項目に対応するアイコンを上記表示部に表示する画面処理ステップとを含むことを特徴とする画面表示方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から14までのいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2013−41333(P2013−41333A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176170(P2011−176170)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】