説明

情報処理装置、監視プログラムおよび監視方法

【課題】メッシュ網の監視を容易にする。
【解決手段】経路情報記憶部1dは、メッシュ網2が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスと、仮想パスの一部であってメッシュ網2の内部のノード同士を接続する部分パスとを関連付けて示す経路情報を記憶する。構成情報記憶部1cは、部分パスと、部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報を記憶する。経路情報生成部1aは、構成情報記憶部1cに記憶されている構成情報に基づいてメッシュ網2を、メッシュ網2が有する部分パスを探索することにより仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、生成した経路情報を経路情報記憶部1dに記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報処理装置、監視プログラムおよび監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信サービスを提供する通信ネットワークおよび通信ネットワークを構成する機器を監視する監視システムが用いられている。このような監視システムでは、ネットワークの障害発生時には、その障害の影響を把握し、さらに通信サービスが停止する場合は、適切な対処を行う。
【0003】
従来の監視システムでは、一般的に、通信サービスが経由するパスの把握が容易かつ固定的なものを対象としている。そして、通信ネットワークに障害が発生した場合は、監視システムは、主原因である機器の部位、または機器と機器の接続情報(トレイル)を特定し、特定した障害箇所に応じてパスの影響を把握する。
【0004】
また、近年、通信ネットワークには、L(Layer)2レベルの機器やL3レベル機器の導入がされてきている。L2レベルの機器の場合、通信ネットワークの一部の機器により構成されたメッシュ網(mesh network)を含んで通信ネットワークが構成されているものも存在する。そして、通信サービスが経由する経路は、様々なプロトコル等でフレキシブルに変更され、サービスが停止しないように自動で迂回するものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−101042号公報
【特許文献2】特開2009−130421号公報
【特許文献3】特開平10−190731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、メッシュ網等の複雑な通信ネットワークの内部を、特に複数個所について故障や工事で停止する場合には、通信サービスの提供が停止される可能性がある。しかし、メッシュ網の場合、通信サービスが経由する経路は一般的に把握が容易でない場合が多い。このため、メッシュ網内の機器の故障により影響する通信サービスを特定するのが非常に困難な場合も生じ得る。
【0007】
これに対して、監視システムが、障害が発生したメッシュ網を経由する通信サービスへの影響を把握するためには、通信サービスがメッシュ網を経由し得るすべての経路の登録が行われていなければ把握できない。その一方、すべての経路を登録するのは、メッシュ網内の機器の増減の変更や、通信機器と通信機器間の接続変更により、全経路を変更/登録しなければならず、その工数は膨大なものとなるという問題点があった。
【0008】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、通信ネットワークの一部であるメッシュ網について、メッシュ網の内部の経路を探索して、メッシュ網において外部の機器同士を接続する仮想パスを構成するメッシュ網の内部の経路である部分パスを示す情報を生成することにより、メッシュ網の監視を容易にする情報処理装置、監視プログラムおよび監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために以下のような情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、メッシュ網を監視する。この情報処理装置では、経路情報記憶部は、メッシュ網が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスと、仮想パスの一部であってメッシュ網の内部のノード同士を接続する部分パスとを関連付けて示す経路情報を記憶する。
【0010】
構成情報記憶部は、部分パスと、部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報を記憶する。経路情報生成部は、構成情報記憶部に記憶されている構成情報に基づいてメッシュ網を、メッシュ網が有する部分パスについて探索することにより仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、生成した経路情報を経路情報記憶部に記憶させる。
【0011】
また、上記目的を達成するために以下のような監視プログラムが提供される。この監視プログラムは、メッシュ網を監視する。この監視プログラムでは、コンピュータを、構成情報記憶部に記憶されているメッシュ網が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスの一部であってメッシュ網の内部のノード同士を接続する部分パスと、部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報に基づいてメッシュ網を、メッシュ網が有する部分パスについて探索することにより仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、生成した仮想パスと、部分パスとを関連付けて示す経路情報を経路情報記憶部に記憶させる経路情報生成部として機能させる。
【0012】
また、上記目的を達成するために以下のような監視方法が提供される。この監視方法は、メッシュ網を監視する。この監視方法では、コンピュータが、構成情報記憶部に記憶されているメッシュ網が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスの一部であってメッシュ網の内部のノード同士を接続する部分パスと、部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報に基づいてメッシュ網を、メッシュ網が有する部分パスについて探索することにより仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、生成した仮想パスと、部分パスとを関連付けて示す経路情報を経路情報記憶部に記憶させる。
【発明の効果】
【0013】
開示の情報処理装置、監視プログラムおよび監視方法によれば、メッシュ網の内部の経路を探索して、メッシュ網において外部の機器同士を接続する仮想パスを構成するメッシュ網の内部の経路である部分パスを示す情報を生成することで、メッシュ網を容易に監視することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のメッシュ網の構成を示す図である。
【図3】第2の実施の形態の管理用情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態の管理用情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態のメッシュ網を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の通信ネットワークのメッシュ網の影響展開を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の構成テーブルを示す図である。
【図8】第2の実施の形態のメッシュ網の内部の部分パスの接続関係を示す図である。
【図9】第2の実施の形態のメッシュ網の内部の部分パスの接続関係を示す図である。
【図10】第2の実施の形態のメッシュ経路テーブルを示す図である。
【図11】第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時のメッシュ網を示す図である。
【図12】第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時のメッシュ網の内部の経路の状態を示す図である。
【図13】第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時のメッシュ網の内部の経路の状態を示す図である。
【図14】第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時の影響展開テーブルを示す図である。
【図15】第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時のメッシュ網を示す図である。
【図16】第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時のメッシュ網の内部の経路の状態を示す図である。
【図17】第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時のメッシュ網の内部の経路の状態を示す図である。
【図18】第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時の影響展開テーブルを示す図である。
【図19】第2の実施の形態の経路情報の生成の説明に用いるメッシュ網を示す図である。
【図20】第2の実施の形態の経路情報の生成における経路の探索を示す図である。
【図21】第2の実施の形態の経路情報生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】第2の実施の形態の経路情報生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】第2の実施の形態の障害影響展開処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】第2の実施の形態の障害影響展開処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】第2の実施の形態の判定結果表示画面を示す図である。
【図26】第2の実施の形態の影響展開表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。本実施の形態の情報処理装置1は、メッシュ網2を監視するために、経路情報生成部1a、影響展開情報生成部1b、構成情報記憶部1c、経路情報記憶部1d、影響展開情報記憶部1eを有する。
【0016】
経路情報生成部1aは、構成情報記憶部1cに記憶されている構成情報に基づいて、メッシュ網2が有する部分パスについて探索することにより仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、生成した経路情報を経路情報記憶部1dに記憶させる。
【0017】
影響展開情報生成部1bは、メッシュ網2の障害発生経路2xにおける障害の発生を検出し、検出した障害の発生に応じて影響を受ける部分パスである障害発生経路2xを特定し、経路情報に基づいて仮想パスに対する影響を示す影響展開情報を生成し、生成した影響展開情報を影響展開情報記憶部1eに記憶させる。
【0018】
構成情報記憶部1cは、部分パスと、部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報を記憶する。構成情報は、情報処理装置1によってメッシュ網2を管理する管理者により、メッシュ網2の構成に基づいて設定され、構成情報記憶部1cに記憶される。
【0019】
経路情報記憶部1dは、メッシュ網2が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスと、仮想パスの一部であってメッシュ網2の内部のノード同士を接続する部分パスとを関連付けて示す経路情報を記憶する。
【0020】
影響展開情報記憶部1eは、メッシュ網2の障害発生経路2xにおける障害の発生による影響を受けている仮想パスを示す影響展開情報を記憶する。
メッシュ網2は、端末装置3a,3b等の外部の機器や図示しない他のメッシュ網等の通信ネットワークを互いに接続して通信を可能にすることにより、通信サービスを提供する。メッシュ網2は、ノード2a,2b,2c,2d,2eを有している。メッシュ網2では、端末装置3aとノード2aとが接続されており、端末装置3bとノード2dとが接続されている。
【0021】
また、ここでは、端末装置3aと接続されているノード2aを、メッシュ網2の起点とし、端末装置3bと接続されているノード2dを、メッシュ網2の終点とし、ノード2a,2dを、メッシュ網200の端点とする。また、ノード2a〜2eは、図1に示すような経路で接続されていると共に、ノード2aとノード2dとの間の経路は、障害が発生している障害発生経路2xであり通信が不可能であるものとする。
【0022】
このように、情報処理装置1は、メッシュ網2において、端末装置3aと接続されているメッシュ網2の起点であるノード2aから、端末装置3bと接続されているメッシュ網2の終点であるノード2dまでの経路を探索し、経路情報を生成する。すなわち、情報処理装置1は、メッシュ網2の外部の機器である端末装置3aと端末装置3bとを接続する仮想パスを構成する、メッシュ網2の内部の経路である部分パスを示す経路情報を生成する。これにより、メッシュ網2の内部における障害の発生による通信サービスに対する影響の把握等、メッシュ網2の管理を容易にすることが可能となる。
【0023】
[第2の実施の形態]
次に、情報処理装置1を、通信ネットワークが有するメッシュ網の構成に基づいてメッシュ網の内部の経路である部分パスを探索し、探索結果に基づいてメッシュ網内部の障害発生時に仮想パスによる外部の機器同士のデータ通信を提供する通信サービスへの影響を判断する管理用情報処理装置100に適用した実施の形態を、第2の実施の形態として説明する。
【0024】
図2は、第2の実施の形態のメッシュ網の構成を示す図である。図2の通信ネットワーク10は、メッシュ網200を有する通信ネットワークである。メッシュ網200は、スイッチ51(ノードA)、スイッチ52(ノードB)、スイッチ53(ノードC)、スイッチ54(ノードD)、スイッチ55(ノードE)の間が物理パスによって接続されている。
【0025】
通信ネットワーク10は、メッシュ網200を有すると共に、通信ネットワーク10の経路で接続されたユーザの使用する端末装置41,42間でデータの送受信を行えるように、複数のL2レベルのノードであってメッシュ網200を構成するスイッチ51,52,53,54,55が、データを転送することにより、データ通信を提供する。
【0026】
スイッチ51〜55は、データをフレーム形式で転送するL2スイッチである。スイッチ51〜55のそれぞれの間は、1つ以上の物理リンク(例えば、SONET(Synchronous Optical NETwork:同期光伝送網)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy:同期デジタル・ハイアラーキ))で接続されている。スイッチ51〜55は、転送するフレームに含まれるアドレスに従って、送信元であるユーザの端末装置(例えば、端末装置41)から送信先であるユーザの端末装置(例えば、端末装置42)まで、フレームを中継する。
【0027】
スイッチ51〜55は、詳しくは後述するが、図2に示すように1つ以上の物理リンクで接続されている。スイッチ同士を接続する経路を部分パスとする。また、部分パスにより、端末装置41および端末装置42を接続するように構成した経路を、仮想パスとする。仮想パスは、必ずしも1つとは限らず、メッシュ網200の構成によっては複数存在する場合もある。また、本実施の形態では、部分パスは、1つ以上の物理リンクで接続されているが、これに限らず、1つ以上の論理リンクで接続されていてもよく、1つ以上の物理リンクと1つ以上の論理リンクとを使用して接続されていてもよい。
【0028】
また、スイッチ51〜55のそれぞれと管理用情報処理装置100との間は、1つ以上の物理リンクまたは論理リンクによって接続されている。また、スイッチ51〜55は、すべて同様に構成されており、同等の機能を有する。
【0029】
なお、本実施の形態では、L2レベルのスイッチにより通信ネットワーク10を構成するが、L3レベルのスイッチを含めて構成してもよく、L3レベルのスイッチのみで構成してもよい。
【0030】
管理用情報処理装置100は、通信システムの管理者がNMS(Network Management System)による通信システムの保守に使用する。管理用情報処理装置100は、スイッチ51〜55および通信ネットワーク10の保守や管理のために、スイッチ51〜55と接続されている。管理用情報処理装置100は、通信ネットワーク10の構成を示す構成情報を有していると共に構成情報に基づいて、メッシュ網200の内部の部分パスを探索し、メッシュ経路情報(図10において後述)を生成する。そして、管理用情報処理装置100は、スイッチ51〜55から各スイッチの障害の発生およびスイッチ間の部分パスの障害の発生を検出し、メッシュ経路情報に基づいて、スイッチ51〜55の障害の発生またはスイッチ間の部分パスの障害の発生により影響を受ける顧客の通信サービスを特定することにより、通信ネットワーク10を管理する。
【0031】
端末装置41,42は、ユーザが使用する端末装置である。通信ネットワーク10は、端末装置41,42の間のデータ通信を提供する。
図3は、第2の実施の形態の管理用情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。管理用情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0032】
RAM102は、管理用情報処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0033】
バス108に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
【0034】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、管理用情報処理装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0035】
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。モニタ11としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0036】
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス13は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0037】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク14に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク14は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク14には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0038】
通信インタフェース107は、通信ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース107は、通信ネットワーク10を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0039】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図4は、第2の実施の形態の管理用情報処理装置の機能を示すブロック図である。本実施の形態の管理用情報処理装置100は、メッシュ網200が有するスイッチ51〜55と接続されている。管理用情報処理装置100は、メッシュ経路情報生成部111、通信部112、影響展開情報生成部113、出力部114、構成情報記憶部151、メッシュ経路情報記憶部152、影響展開情報記憶部153を有する。また、出力部114には、モニタ11が接続されている。
【0040】
メッシュ経路情報生成部111は、構成情報記憶部151に記憶されている構成情報に基づいてメッシュ網200を、メッシュ網200が有する部分パスについて探索することにより、仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、生成した経路情報をメッシュ経路情報記憶部152に記憶させる。
【0041】
通信部112は、メッシュ網200が有するスイッチ51〜55と通信することにより、スイッチ51〜55の状態やスイッチ51〜55同士を接続する経路の状態、スイッチ51〜55や経路の障害の発生を検出する。
【0042】
影響展開情報生成部113は、メッシュ網200における障害の発生を検出し、検出した障害の発生に応じて影響を受ける部分パスを特定し、特定した部分パスと経路情報とに基づいて、仮想パスが特定した部分パスを有するか否かについて判定する。そして、影響展開情報生成部113は、すべての仮想パスが少なくとも1つの特定した部分パスを含む場合には、端点であるノード同士の通信が障害の発生の影響を受ける旨を示す影響展開情報を生成する。一方、影響展開情報生成部113は、少なくともいずれか1つの仮想パスが特定した部分パスを1つも含まない場合には、端点であるノード同士の通信が障害の発生の影響を受けない旨を示す影響展開情報を生成する。次に、影響展開情報生成部113は、生成した影響展開情報を影響展開情報記憶部153に記憶させる。
【0043】
出力部114は、影響展開情報記憶部153に記憶されている影響展開情報を出力する。モニタ11は、出力部114から出力された影響展開情報に基づいて、図26において後述する影響展開表示画面を表示する。
【0044】
構成情報記憶部151は、部分パスと、部分パスによって接続されるメッシュ網200のノードであるスイッチ51〜55とを関連付けて示す構成情報を記憶する。ここで、構成情報は、管理用情報処理装置100によってメッシュ網200を管理する管理者により、メッシュ網200の構成に基づいて設定され、構成情報記憶部151に記憶される。
【0045】
メッシュ経路情報記憶部152は、メッシュ網200が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスと、仮想パスの一部であってメッシュ網200の内部のノード同士を接続する部分パスとを関連付けて示す経路情報を記憶する。
【0046】
影響展開情報記憶部153は、メッシュ網200における障害の発生による影響を受けている仮想パスを示す影響展開情報を記憶する。
メッシュ網200は、端末装置41,42等の外部の機器や図示しない他のメッシュ網等の通信ネットワークを互いに接続して通信を可能にすることにより、通信サービスを提供する。メッシュ網200は、スイッチ51〜55を有している。
【0047】
図5は、第2の実施の形態のメッシュ網を示す図である。本実施の形態では、上記のように通信ネットワーク10を介して端末装置41(ノードX)および端末装置42(ノードY)の間のデータ通信が提供される。ここでは、通信ネットワーク10が有するメッシュ網200について図5に従って説明する。メッシュ網200は、上記のようにスイッチ51(ノードA)、スイッチ52(ノードB)、スイッチ53(ノードC)、スイッチ54(ノードD)、スイッチ55(ノードE)により構成されている。
【0048】
メッシュ網200には、ユーザが使用する端末装置41,42が接続されている。メッシュ網200では、端末装置41とスイッチ51とが接続されている。また、端末装置42とスイッチ54とが接続されている。端末装置41,42間のメッシュ網200を介したデータ通信において、スイッチ51およびスイッチ54が、メッシュ網200のデータ通信の出入り口である端点のノードとなる。
【0049】
メッシュ網200では、スイッチ51は、スイッチ52,54と接続されている。スイッチ52は、スイッチ51,53と接続されている。スイッチ53は、スイッチ52,54,55と接続されている。スイッチ54は、スイッチ51,53,55と接続されている。スイッチ55は、スイッチ53,54と接続されている。
【0050】
ここで、前述したように、メッシュ網200の内部のスイッチ51〜55同士を接続する経路を、部分パスとする。また、メッシュ網200の内部の部分パスで構成される仮想経路であって、端末装置41と端末装置42とを接続する経路を、仮想パスとする。
【0051】
図6は、第2の実施の形態の通信ネットワークのメッシュ網の影響展開を示す図である。本実施の形態では、メッシュ網200における障害の発生時の影響展開を正確に行うために、管理用情報処理装置100により各セクション配下の物理パスに収容される仮想的な経路のトレイル(接続情報)を用いてメッシュ網200を管理する。ここで、仮想的な経路は、上記仮想パスの他、仮想パスの上位パスであって物理パスの配下のパスも含むものとする。1つの経路が複数の物理パスを経由する場合、それらのパスの組み合わせを1つのトレイルとして定義する。そして、トレイルは、物理パスに収容されるように管理用情報処理装置100が有するメッシュ経路情報に登録される。
【0052】
図6は、図5のメッシュ網200の構成について、トレイルを用いて示している。図6
では、端末装置41,42間のデータ通信であるX−Yサービスは、X−Y回線に収容される。また、X−Y回線は、端末装置41とスイッチ51とを接続するX−A間セクション、スイッチ51〜55を有するメッシュ網200、スイッチ54と端末装置42とを接続するD−Y間セクションに収容される。また、メッシュ網200は、スイッチ51とスイッチ52とを接続するA−B間セクション、スイッチ52とスイッチ53とを接続するB−C間セクション、スイッチ53とスイッチ54とを接続するC−D間セクション、スイッチ54とスイッチ51とを接続するD−A間セクション、スイッチ54とスイッチ55とを接続するD−E間セクション、スイッチ53とスイッチ55とを接続するC−E間セクションに収容される。
【0053】
図7は、第2の実施の形態の構成テーブルを示す図である。図7に示す構成テーブル151aは、メッシュ網200の管理者によって、構成情報記憶部151として機能するHDD103に設定される。構成テーブル151aは、メッシュ網200が外部と接続する端点であるノード同士(例えば、ノードAとノードD)を接続する経路である仮想パスの一部であって、メッシュ網200の内部のスイッチ51〜55同士を接続する経路である部分パスと、部分パスによって接続されるメッシュ網200の内部のスイッチ51〜55とを関連付けて示す構成情報を格納するテーブルである。
【0054】
構成テーブル151aには、項目として“経路”、“ノード1”、“ノード2”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、構成情報を構成する。
【0055】
経路は、部分パスを一意に特定するために付された名称を示す情報が設定される項目である。
ノード1およびノード2は、部分パスによって接続されるメッシュ網200の内部のノードを示す情報が設定される項目である。
【0056】
すなわち、経路で示されるメッシュ網200の部分パスにより、ノード1で示されるノードとノード2で示されるノードとが接続されていることが示される。具体的には、経路“A−B”により、ノード1“ノードA”とノード2“ノードB”が接続されている。
【0057】
図8および図9は、第2の実施の形態のメッシュ網の内部の部分パスの接続関係を示す図である。本実施の形態の管理用情報処理装置100は、図21および図22において後述する経路情報生成処理によって、メッシュ網200の内部の部分パスの接続関係を探索する。管理用情報処理装置100によるメッシュ網200の内部の部分パスの探索については、詳しくは図19および図20において後述する。ここでは、図8に従って、管理用情報処理装置100の探索により取得されるメッシュ網200の接続関係を説明する。管理用情報処理装置100は、経路情報生成処理により、メッシュ網200を、部分経路について、メッシュ網200の端点のノードを起点とした仮想的な経路において同一の経路内で同一のノードを通過しないように探索する。
【0058】
図8に示すように、メッシュ網200についてノードA(スイッチ51)を起点とすると共にメッシュ網200の他のノードに到達する仮想パスは、ノードAとノードB(スイッチ52)との間の“ルートA→B”、ノードAとノードC(スイッチ53)との間の“ルートA→C”、ノードAとノートD(スイッチ54)との間の“ルートA→D”、ノードAとノードE(スイッチ55)との間の“ルートA→E”が存在する。
【0059】
ここで、ルートA→Bは、図8に示すように、“A−B”(ノードAとノードBとを接続する部分パスとする。以下同様とする。)で実現することができる。また、ルートA→Bは、“D−A”、“C−D”および“B−C”を経由することにより実現することもできる。さらに、ルートA→Bは、“D−A”、“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由することにより実現することもできる。このように、ルートA→Bを実現する物理パスの組み合わせは、複数存在する場合がある。本実施の形態では、同一の仮想的な経路を実現する部分パスの組み合わせが複数存在する場合には、いずれか1つの部分パスの組み合わせについて、障害が発生していない通信可能な状態であれば、仮想的な経路によるデータ通信が可能であり、端末装置41,42間の通信サービスが適用可能であるものとする。
【0060】
また、ルートA→Cは、“A−B”および“B−C”を経由することによって実現することもでき、“D−A”および“C−D”を経由することによっても実現でき、“D−A”、“D−E”および“C−E”を経由することによっても実現できる。
【0061】
また、ルートA→Dは、“A−B”、“B−C”および“C−D”を経由することによって実現することもでき、“A−B”、“B−C”および“C−D”を経由することによっても実現でき、“A−B”、“B−C”、“C−E”および“D−E”を経由することによっても実現でき、“D−A”によっても実現できる。
【0062】
また、ルートA→Eは、“A−B”、“B−C”および“C−E”を経由することによって実現することもでき、“A−B”、“B−C”、“C−D”および“D−E”を経由することによっても実現でき、“A−D”および“D−E”を経由することによっても実現でき、“D−A”、“C−D”および“C−E”を経由することによっても実現できる。
【0063】
同様に、図9に示すように、メッシュ網200についてノードDを起点とすると共にメッシュ網200の他のノードに到達する仮想的な経路は、重複する図8において示したルートA→Dを除外すると、ノードDとノードBとの間の“ルートD→B”、ノードDとノードCとの間の“ルートD→C”、ノードDとノートEとの間の“ルートD→E”が存在する。
【0064】
ルートD→Bは、“D−A”および“A−B”を経由することによって実現することもでき、“C−D”および“B−C”を経由することによっても実現でき、“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由することによっても実現できる。
【0065】
また、ルートD→Cは、“D−A”、“A−B”および“B−C”を経由することによって実現することもでき、“C−D”によっても実現でき、“D−E”および“C−E”を経由することによっても実現できる。
【0066】
また、ルートD→Eは、“D−E”によって実現することもでき、“C−D”および“C−E”を経由することによっても実現でき、“D−A”、“A−B”、“B−C”および“C−E”を経由することによっても実現できる。
【0067】
図10は、第2の実施の形態のメッシュ経路テーブルを示す図である。図10に示すメッシュ経路テーブル152aは、メッシュ経路情報生成部111によって作成および管理されると共に、メッシュ経路情報記憶部152として機能するHDD103に格納されている。メッシュ経路テーブル152aは、メッシュ網200の内部の起点となるノードから終点となるノードまでの仮想パスのトレイルを示すメッシュ経路情報を格納するテーブルである。
【0068】
メッシュ経路テーブル152aには、項目として“起点ノード”、“終点ノード”、“経路番号”、“接続順”、“上位トレイル”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、メッシュ経路情報を構成する。
【0069】
起点ノードは、メッシュ網200の仮想パスの端点の一方であり、起点となるノードを示す情報が設定される項目である。終点ノードは、メッシュ網200の仮想パスの他端であり、終点となるノードを示す情報が設定される項目である。起点ノードおよび終点ノードは、共に端末装置41,42等のメッシュ網200の外部の機器または他のメッシュ網と接続されているノードである。
【0070】
経路番号は、メッシュ網200の仮想パスを特定する情報が設定される項目である。同一の経路番号を有するメッシュ経路情報は、同一の仮想パスを構成する。接続順は、経路番号が示す仮想パスについて、後述する上位トレイルで示された部分パスの接続順序を示す情報が設定される項目である。同一の経路番号のメッシュ経路情報において、接続順が最も小さいメッシュ経路情報は、上位トレイルで示された部分パスが起点ノードを含む。接続順が最も大きいメッシュ経路情報は、上位トレイルで示された部分パスが終点ノードを含む。
【0071】
上位トレイルは、経路番号が示す経路を収容する部分パスを示す情報が設定される項目である。上位トレイルが示す部分パスを、経路番号ごとに、接続順が示す順序に接続すると、起点ノードから終点ノードまでの経路となる。
【0072】
図11は、第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時のメッシュ網を示す図である。図6において前述したように、本実施の形態のメッシュ網200は、通信サービスとして端末装置41,42間のデータ通信を提供するために、スイッチ51(ノードA)、スイッチ52(ノードB)、スイッチ53(ノードC)、スイッチ54(ノードD)、スイッチ55(ノードE)によって内部の経路が構成されている。
【0073】
ここで、図11に示すように、メッシュ網200のノードAとノードBとの間の部分パスで障害が発生し、ノードAとノードBとの間のデータ通信が不可能となっている場合、管理用情報処理装置100は、メッシュ網200の各ノードから障害の発生の通知を受けて、図23において後述する障害影響展開処理により、メッシュ網200の仮想パスにより提供される通信サービスの障害による影響の有無を判定する。
【0074】
図12および図13は、第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時のメッシュ網の内部の経路の状態を示す図である。図11に示すように、例えば、メッシュ網200においてノードAとノードBとの間の“ルートA→B”で障害が発生した場合、管理用情報処理装置100は、メッシュ網200の各ノードから各ノードおよびノード間の部分パスの状態を取得し、図23において後述する障害影響展開処理により、メッシュ網200により提供される通信サービスの障害による影響の有無を判定する。このときの管理用情報処理装置100による判定の様子を、図12および図13に従って説明する。
【0075】
ルートA→Bは、図12において“×”を付して示す(以下同様とする)ように“A−B”で障害が発生していることにより、“A−B”の部分パスが通信不可能な停止状態となる。一方、ルートA→Bは、“D−A”、“C−D”および“B−C”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由する仮想的な経路によれば、通信可能である。
【0076】
ここで、上記のように、本実施の形態では、同一の仮想的な経路を実現する部分パスの組み合わせが複数存在する場合には、いずれか1つの部分パスの組み合わせについて、障害が発生していない通信可能な状態であれば、仮想的な経路の間のデータ通信が可能であり、通信サービスが適用可能であるものとする。従って、ルートA−Bは、“D−A”、“C−D”および“B−C”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0077】
また、ルートA→Cは、“A−B”で障害が発生していることにより、“A−B”および“B−C”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートA→Cは、“D−A”および“C−D”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“D−E”および“C−E”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0078】
また、ルートA→Dは、“A−B”で障害が発生していることにより、“A−B”、“B−C”および“C−D”を経由する仮想的な経路ならびに“A−B”、“B−C”および“C−D”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートA→Dは、“D−A”の部分パスにより通信可能である。また、これにより、ノードAとノードDとの間の通信サービスの提供は維持可能である。
【0079】
また、ルートA→Eは、“A−B”で障害が発生していることにより、“A−B”、“B−C”および“C−E”を経由する仮想的な経路ならびに“A−B”、“B−C”、“C−D”および“D−E”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートA→Eは、“D−A”および“D−E”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“C−D”および“C−E”を経由する仮想的な経路により通信可能である。
【0080】
同様に、図13に示すように、ルートD→Bは、“A−B”で障害が発生していることにより、“D−A”および“A−B”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートD→Bは、“C−D”および“B−C”を経由する仮想的な経路ならびに“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0081】
また、ルートD→Cは、“A−B”で障害が発生していることにより、“D−A”、“A−B”および“B−C”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートD→Cは、“C−D”の仮想的な経路ならびに“D−E”および“C−E”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0082】
また、ルートD→Eは、“A−B”で障害が発生していることにより、“D−A”、“A−B”、“B−C”および“C−E”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートD→Eは、“D−E”の部分パスならびに“C−D”および“C−E”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0083】
図14は、第2の実施の形態のノードA−ノードB間で障害が発生している時の影響展開テーブルを示す図である。図14に示す影響展開テーブル153aは、影響展開情報生成部113によって作成および管理されると共に、影響展開情報記憶部153として機能するHDD103に格納されている。影響展開テーブル153aは、メッシュ網200における図11に示す“A−B”の障害の発生時に管理用情報処理装置100によって生成された、メッシュ網200の内部の起点となるノードからメッシュ網200の内部の他のノードまでの部分経路や仮想的な経路に対する影響の有無を示す影響展開情報を格納するテーブルである。
【0084】
影響展開テーブル153aには、項目として“起点ノード”、“内部ノード”、“影響”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、影響展開情報を構成する。
【0085】
起点ノードは、メッシュ網200の内部の経路の端点の一方であり、起点となるノードを示す情報が設定される項目である。内部ノードは、メッシュ網200の内部の経路の他端となる他のノードを示す情報が設定される項目である。起点ノードは、上記のように端末装置41,42等のメッシュ網200の外部の機器または他のメッシュ網と接続されているノードである。一方、内部ノードは、メッシュ網200の外部の機器または他のメッシュ網と接続されているノードであってもよく、メッシュ網200の内部の他のノードのみと接続されているノードであってもよい。
【0086】
影響は、始点ノードと内部ノードで示される経路が通信可能な状態であるか通信不可能な停止状態であるかを示す情報が設定される項目である。
影響展開テーブル153aに格納されている影響展開情報によれば、図11に示す“A−B”の障害の発生時において、ノードAとメッシュ網200の内部の他のノードとの間の経路およびノードDとメッシュ網200の内部の他のノードとの間の経路については、いずれも通信可能な状態であることが示されている。また、これにより、“A−B”の障害の発生時において、メッシュ網200による端末装置41と端末装置42との間のデータ通信の通信サービスは提供可能であることがわかる。
【0087】
図15は、第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時のメッシュ網を示す図である。
次に、図15に示すように、メッシュ網200のノードAとノードBとの間の部分パスおよびノードAとノードDとの間の部分パスで障害が発生し、ノードAとノードBとの間およびノードAとノードDとの間のデータ通信が不可能となっている場合、図11と同様に、管理用情報処理装置100は、メッシュ網200の各ノードから障害の発生の通知を受けて、図23において後述する障害影響展開処理により、メッシュ網200により提供される通信サービスの障害による影響の有無を判定する。
【0088】
図16および図17は、第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時のメッシュ網の内部の経路の状態を示す図である。図15に示すように、例えば、メッシュ網200においてノードAとノードBとの間の“ルートA→B”およびノードAとノードDとの間のルートA→Dで障害が発生した場合、管理用情報処理装置100は、メッシュ網200の各ノードから各ノードおよびノード間の部分パスの状態を取得し、図23において後述する障害影響展開処理により、メッシュ網200により提供される通信サービスの障害による影響の有無を判定する。このときの管理用情報処理装置100による判定の様子を、図16および図17に従って説明する。
【0089】
ルートA→Bは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“A−B”の部分パス、“D−A”、“C−D”および“B−C”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。これにより、ルートA→Bは、すべての経路が停止状態となる。
【0090】
また、ルートA→Cは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“A−B”および“B−C”を経由する仮想的な経路、“D−A”および“C−D”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“D−E”および“C−E”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。これにより、ルートA→Cは、すべての経路が停止状態となる。
【0091】
また、ルートA→Dは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“A−B”、“B−C”および“C−D”を経由する仮想的な経路、“A−B”、“B−C”、“C−E”および“D−E”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”の部分パスが通信不可能な停止状態となる。これにより、ルートA→Dは、すべての経路が停止状態となり、ノードX(端末装置41)とノードY(端末装置42)との間の通信サービスの提供は停止される。
【0092】
また、ルートA→Eは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“A−B”、“B−C”および“C−E”を経由する仮想的な経路、 “A−B”、“B−C”、“C−D”および“D−E”を経由する仮想的な経路、“D−A”および“D−E”を経由する仮想的な経路ならびに“D−A”、“C−D”および“C−E”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。これにより、ルートA→Eは、すべての経路が停止状態となる。
【0093】
同様に、図17に示すように、ルートD→Bは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“D−A”および“A−B”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートD→Bは、“C−D”および“B−C”を経由する仮想的な経路ならびに“D−E”、“C−E”および“B−C”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0094】
また、ルートD→Cは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“D−A”、“A−B”および“B−C”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートD→Cは、“C−D”の部分パスならびに“D−E”および“C−E”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0095】
また、ルートD→Eは、“A−B”および“D−A”で障害が発生していることにより、“D−A”、“A−B”、“B−C”および“C−E”を経由する仮想的な経路が通信不可能な停止状態となる。一方、ルートD→Eは、“D−E”の部分パスならびに“C−D”および“C−E”を経由する仮想的な経路のいずれかにより通信可能である。
【0096】
図18は、第2の実施の形態のノードA−ノードB間およびノードA−ノードD間で障害が発生している時の影響展開テーブルを示す図である。図18に示す影響展開テーブル153bは、影響展開テーブル153aと同様、影響展開情報生成部113によって作成および管理されると共に、影響展開情報記憶部153として機能するHDD103に格納されている。影響展開テーブル153bは、メッシュ網200における図15に示す“A−B”および“D−A”の障害の発生時に管理用情報処理装置100によって生成された、メッシュ網200の内部の起点となるノードからメッシュ網200の内部の他のノードまでの経路に対する影響の有無を示す影響展開情報を格納するテーブルである。
【0097】
影響展開テーブル153bには、影響展開テーブル153aと同様、項目として“起点ノード”、“内部ノード”、“影響”が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、影響展開情報を構成する。
【0098】
影響展開テーブル153bに格納されている影響展開情報によれば、図15に示す“A−B”および“D−A”の障害の発生時において、ノードAとメッシュ網200の内部の他のノードとの間の経路については、通信が不可能な停止状態であること、およびノードDとメッシュ網200の内部の他のノードとの間の経路については、いずれも通信可能な状態であることが示されている。また、これにより、“A−B”および“D−A”の障害の発生時において、ノードAとノードDとの間のデータ通信が不可能な停止状態であるため、メッシュ網200による端末装置41と端末装置42との間のデータ通信の通信サービスは停止されることがわかる。
【0099】
図19は、第2の実施の形態の経路情報の生成の説明に用いるメッシュ網を示す図である。図20は、第2の実施の形態の経路情報の生成における経路の探索を示す図である。次に、図19および図20を用いて本実施の形態の管理用情報処理装置100のメッシュ網の経路情報の生成について説明する。
【0100】
本実施の形態の管理用情報処理装置100では、図21および図22において後述する経路情報生成処理によってメッシュ網の経路情報を生成することによりメッシュ網の内部の経路の構成を管理する。管理用情報処理装置100による経路情報の生成について、図19に示すメッシュ網201に基づいて説明する。
【0101】
メッシュ網201には、メッシュ網200と同様、ユーザが使用する端末装置41,42が接続されている。端末装置41,42間のメッシュ網201を介したデータ通信において、スイッチ51およびスイッチ54が、メッシュ網201の仮想パスによるデータ通信の出入り口である端点のノードとなる。
【0102】
また、メッシュ網201は、メッシュ網200と同様にスイッチ51(ノードA)、スイッチ52(ノードB)、スイッチ53(ノードC)、スイッチ54(ノードD)、スイッチ55(ノードE)を有すると共に、メッシュ網200に加えてスイッチ61(ノードF)を有する。
【0103】
メッシュ網201では、スイッチ61は、スイッチ51と接続されている。スイッチ51は、スイッチ52,54,61と接続されている。また、メッシュ網200と同様、スイッチ52は、スイッチ51,53と接続されている。スイッチ53は、スイッチ52,54,55と接続されている。スイッチ54は、スイッチ51,53,55と接続されている。スイッチ55は、スイッチ53,54と接続されている。上記のように各スイッチ間は部分パスで接続されているものとする。
【0104】
図20に、管理用情報処理装置100による経路情報生成処理におけるメッシュ網201の内部の経路の探索の様子を示す。ここでは、管理用情報処理装置100は、ノードA(スイッチ51)を起点とし、ノードD(スイッチ54)を終点とする仮想パスを構成する部分パスについて、メッシュ網200を探索するものとする。
【0105】
管理用情報処理装置100は、1回目の経路抽出により、起点のノードであるノードAと部分パスで直接接続されている対向ノードとを接続する部分パスを抽出する。これにより、メッシュ網201の内部の部分パスのうち、ノードAとノードB(スイッチ52)とを接続する部分パス、ノードAとノードDとを接続する部分パスおよびノードAとノードF(スイッチ61)とを接続する部分パスが抽出される。
【0106】
ここで、ノードAとノードBとを接続する部分パスは、ノードAの対向ノードがノードBであって終点のノードであるノードDでないため、管理用情報処理装置100は、ノードAとノードBとを接続する部分パスに接続されている部分パスから引き続き部分パスの抽出を行う。このとき、同一の仮想的な経路に同一のノードが再び含まれないように、起点であるノードAから当該抽出までに一度抽出された部分パスで接続されたノードを接続する部分パスは除外して新たな部分パスが抽出される。
【0107】
また、ノードAとノードDとを接続する部分パスは、ノードAの対向ノードが終点のノードであるノードDあるため、管理用情報処理装置100は、メッシュ経路情報に登録する。また、メッシュ経路情報に登録された部分パスについては、これに続く部分パスの抽出を終了する。
【0108】
また、ノードAとノードFとを接続する部分パスは、ノードAの対向ノードがノードFであって終点のノードであるノードDでないため、管理用情報処理装置100は、ノードAとノードFとを接続する部分パスに接続されている部分パスから引き続き部分パスの抽出を行う。
【0109】
次に、管理用情報処理装置100は、2回目の経路抽出により、1回目の経路抽出で抽出された部分パスにおけるノードAの対向ノードであって抽出が終了していない、ノードBと部分パスで直接接続されている対向ノードとを接続する部分パスおよびノードFと部分パスで直接接続されている対向ノードとを接続する部分パスを抽出する。これにより、メッシュ網201の内部の部分パスのうち、ノードAとノードBとを接続する部分パスに続く部分パスとして、ノードBとノードC(スイッチ53)とを接続する部分パスが抽出される。
【0110】
ここで、ノードBとノードCとを接続する部分パスは、ノードBの対向ノードがノードCであって終点のノードであるノードDでないため、管理用情報処理装置100は、ノードBとノードCとを接続する部分パスに接続されている部分パスから引き続き部分パスの抽出を行う。
【0111】
また、ノードAとノードFとを接続する部分パスに続く部分パスは、ノードFに対向するノードであって一度も到達していないノードがなく、終点であるノードDに到達できないため、管理用情報処理装置100は、部分パスを登録せずに抽出を終了する。
【0112】
次に、管理用情報処理装置100は、3回目の経路抽出により、2回目の経路抽出で抽出された部分パスにおけるノードBの対向ノードであって抽出が終了していない、ノードCと部分パスで直接接続されている対向ノードとを接続する部分パスを抽出する。これにより、メッシュ網201の内部の部分パスのうち、ノードBとノードCとを接続する部分パスに続く部分パスとして、ノードCとノードE(スイッチ55)とを接続する部分パスおよびノードCとノードD(スイッチ54)とを接続する部分パスが抽出される。
【0113】
ここで、ノードCとノードEとを接続する部分パスは、ノードCの対向ノードがノードEであって終点のノードであるノードDでないため、管理用情報処理装置100は、ノードCとノードEとを接続する部分パスに接続されている部分パスから引き続き部分パスの抽出を行う。
【0114】
また、ノードCとノードDとを接続する部分パスは、ノードCの対向ノードが終点のノードであるノードDあるため、管理用情報処理装置100は、メッシュ経路情報に登録し、ノードCとノードDとを接続する部分パスに続く部分パスの抽出を終了する。
【0115】
次に、管理用情報処理装置100は、4回目の経路抽出により、3回目の経路抽出で抽出された部分パスにおけるノードCの対向ノードであって抽出が終了していない、ノードEと部分パスで直接接続されている対向ノードとを接続する部分パスを抽出する。これにより、メッシュ網201の内部の部分パスのうち、ノードCとノードEとを接続する部分パスに続く部分パスとして、ノードEとノードDとを接続する部分パスが抽出される。
【0116】
ここで、ノードEとノードDとを接続する部分パスは、ノードEの対向ノードが終点のノードであるノードDあるため、管理用情報処理装置100は、メッシュ経路情報に登録し、ノードCとノードDとを接続する部分パスに続く部分パスの抽出を終了する。また、これによりメッシュ網201におけるノードAを起点のノードとし、ノードDを終点のノードとするすべての部分パスの抽出が終了する。
【0117】
図21および図22は、第2の実施の形態の経路情報生成処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の管理用情報処理装置100は、監視対象のメッシュ網200の内部の経路の接続関係を探索し、メッシュ網200の内部の接続関係を示すメッシュ経路情報を生成する経路情報生成処理を実行する。経路情報生成処理では、管理用情報処理装置100は、メッシュトレイルを構成するノード(例えば、メッシュ網200のスイッチ51〜55)を示す情報を取得する。次に、管理用情報処理装置100は、経路情報生成処理により、端点のノードを特定し、特定した端点のノードを起点とした経路を、同一の経路内で同一のノードを通過しないように探索する。以下では、図21および図22に示す経路情報生成処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。
【0118】
[ステップS11]メッシュ経路情報生成部111は、メッシュ網200を構成するノードから、メッシュ網200の外部の機器や他のメッシュ網と接続される端点のノードを抽出する。なお、本実施の形態のメッシュ網200が有する端点のノードの個数は、ノードAおよびノードDの2つであるが、これに限らず、メッシュ網が有する端点のノードの個数は、3つ以上であってもよい。
【0119】
この場合、管理用情報処理装置100には、メッシュ網200の管理者等により、メッシュ網200の構成情報が入力されるものとする。メッシュ網200の構成情報は、メッシュ網200における端点を特定可能な情報を含むものとする。また、管理用情報処理装置100は、通信部112でメッシュ網200の各ノードと通信することにより、メッシュ網200の構成情報を収集し、メッシュ網200の端点のノードを抽出してもよい。
【0120】
[ステップS12]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS11で抽出した端点のノードについて、起点のノードと終点のノードとの組み合わせを設定する。このとき、起点のノードと終点のノードとの組み合わせの設定において、起点と終点とを入れ替えたもの同士は同一の組み合わせとして一方の組み合わせが排除される。ステップS11で2つの端点が抽出された場合には、起点のノードと終点のノードとの組み合わせは、1つ(例えば、ノードDを起点とし、ノードBを終点とする組み合わせ)である。3つ以上の端点が抽出された場合には、組み合わせの個数は端点の個数に基づく重複を持たない組み合わせ(combination)で求めることができる。
【0121】
[ステップS13]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS14においてすべての組み合わせが選択されており、未だ選択されていない組み合わせがないか否かを判定する。未だ選択されていない組み合わせがなければ(ステップS13 YES)、処理は終了する。一方、未だ選択されていない組み合わせがあれば(ステップS13 NO)、処理はステップS14に進められる。
【0122】
[ステップS14]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS12で抽出した起点のノードと終点のノードとの組み合わせにおいて、未だ選択されていない組み合わせのうち1つを選択する。
【0123】
[ステップS15]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS16において、選択した起点のノードと起点のノードに対向する対向ノードとを接続するすべての部分パスが選択されており、未だ選択されていない部分パスがないか否かを判定する。未だ選択されていない部分パスがなければ(ステップS15 YES)、処理はステップS13に進められる。一方、未だ選択されていない部分パスがあれば(ステップS15 NO)、処理はステップS16に進められる。
【0124】
[ステップS16]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS14で選択した起点のノードに対向するノードのうち1つを選択し、起点のノードと対向ノードとを接続する部分パスを1つ選択する。
【0125】
[ステップS21]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS16において選択した部分パスの対向ノードは終点のノードであるか否かを判定する。部分パスの対向ノードが終点のノードであれば(ステップS21 YES)、処理はステップS22に進められる。一方、部分パスの対向ノードが終点のノードでなければ(ステップS21 NO)、処理はステップS23に進められる。
【0126】
[ステップS22]メッシュ経路情報生成部111は、選択した起点からステップS16において選択した部分パスの対向ノードまでの仮想パスを、メッシュ経路情報記憶部152に格納されているメッシュ経路テーブルに登録する。
【0127】
[ステップS23]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS16において選択した部分パスの対向ノードと、対向ノードにさらに対向するノードとを接続するすべての部分パスが選択されており、未だ選択されていない部分パスがないか否かを判定する。未だ選択されていない部分パスがなければ(ステップS23 YES)、処理はステップS25に進められる。一方、未だ選択されていない部分パスがあれば(ステップS23 NO)、処理はステップS24に進められる。
【0128】
[ステップS24]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS16において選択した部分パスの対向ノードと、対向ノードにさらに対向するノードとを接続する未選択の経路を1つ選択する。
【0129】
[ステップS25]メッシュ経路情報生成部111は、ステップS16において選択した部分パスの起点に近い側のノード(対向ノードでないノード)は、起点のノードであるか否かを判定する。起点に近い側のノードが起点のノードであれば(ステップS25 YES)、処理はステップS15に進められる。一方、起点に近い側のノードが起点のノードでなければ(ステップS25 NO)、処理はステップS26に進められる。
【0130】
[ステップS26]メッシュ経路情報生成部111は、現在選択されている部分パスから一段階起点に近い側の部分パスを選択されている経路とする。その後、処理はステップS23に進められる。
【0131】
図23および図24は、第2の実施の形態の障害影響展開処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態の管理用情報処理装置100は、メッシュ網200における障害の発生を検出すると、経路情報生成処理により生成されたメッシュ経路情報に基づいて、障害が発生した経路による通信サービスへの影響を判定する障害影響展開処理を実行する。このとき、管理用情報処理装置100は、通信部112でメッシュ網200のノードから送信される障害の発生を示す信号を受信することにより、メッシュ網200における障害の発生を検出する。以下では、図23および図24に示す障害影響展開処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。
【0132】
[ステップS31]影響展開情報生成部113は、メッシュ網200において障害が発生した部分パスを抽出する。なお、本実施の形態の障害影響展開処理では、図11から図14において前述したように、1つの部分パスで障害が発生した場合であってもよく、図15から図17において前述したように、同時に複数の部分パスで障害が発生した場合であってもよい。また、部分パスにおいて直接障害が発生した場合であってもよく、メッシュ網200を構成するノードにおいて障害が発生したことにより間接的に部分パスで障害が発生した場合であってもよい。これらの場合、管理用情報処理装置100は、通信部112で受信した障害の発生を示す信号により、メッシュ網200における障害が発生した部分パスを抽出する。
【0133】
[ステップS32]影響展開情報生成部113は、ステップS33において、ステップS31で抽出された障害が発生した部分パスのすべての配下の経路が選択されており、未だ選択されていない配下の経路がないか否かを判定する。未だ選択されていない配下の経路がなければ(ステップS32 YES)、処理は終了する。一方、未だ選択されていない配下の仮想的な経路があれば(ステップS32 NO)、処理はステップS33に進められる。
【0134】
ここで、配下の経路とは、ある経路に収容されている仮想的な経路であり、図6においてある経路と矢印で接続されていると共にある経路よりも下方向(矢印の向きと逆向き)に存在する仮想的な経路であって、仮想パスも含まれる。
【0135】
[ステップS33]影響展開情報生成部113は、ステップS31で抽出した部分パスの配下の経路において、未だ選択されていない経路のうち1つを選択する。
[ステップS34]影響展開情報生成部113は、ステップS33において選択した経路がサービスの経路であるか否かを判定する。選択した経路がサービスの経路であれば(ステップS34 YES)、処理はステップS41に進められる。一方、選択した経路がサービスの経路でなければ(ステップS34 NO)、処理はステップS32に進められる。ここで、サービスの経路とは、図6におけるX−Yサービスのように、ある通信サービスの提供に使用される経路を示す経路であり、1または複数の仮想パスによって実現される経路である。また、サービスの経路は、仮想パスの配下の経路である。
【0136】
[ステップS41]影響展開情報生成部113は、ステップS33において選択した経路の上位の経路が監視対象のメッシュ網(例えば、メッシュ網200)であるか否かを判定する。上位の経路がメッシュ網であれば(ステップS41 YES)、処理はステップS43に進められる。一方、上位の経路がメッシュ網でなければ(ステップS41 NO)、処理はステップS42に進められる。
【0137】
ここで、上位の経路とは、ある経路を収容している経路であり、図6においてある経路と矢印で接続されていると共にある経路よりも上方向(矢印の向き)に存在する経路である。
【0138】
[ステップS42]影響展開情報生成部113は、ステップS33において選択した経路の上位の経路がすべて障害の発生の影響を受けて停止している経路であり、通信サービスの起点から終点まで通信可能な経路が存在しないか否かを判定する。上位の経路がすべて停止している経路であれば(ステップS42 YES)、処理はステップS45に進められる。一方、上位の経路に通信サービスの起点から終点まで通信可能な経路があれば(ステップS42 NO)、処理はステップS32に進められる。
【0139】
[ステップS43]影響展開情報生成部113は、メッシュ網200の内部のサービスの経路の上位の仮想パスについて、影響の有無を判定する。ここで、影響展開情報生成部113は、判定対象の仮想パスが有する部分パスの少なくともいずれか1つで障害が発生していれば、その仮想パスを影響ありと判定する。一方、判定対象の仮想パスが有するすべての部分パスで障害が発生していなければ、その仮想パスを影響なしと判定する。
【0140】
[ステップS44]影響展開情報生成部113は、ステップS33において選択した経路の上位のサービス提供が可能な仮想パスのすべてに障害の発生の影響があるか否かを判定する。上位のサービス提供が可能な仮想パスのすべてに障害の発生の影響があれば(ステップS44 YES)、処理はステップS45に進められる。一方、上位のサービス提供が可能な仮想パスの少なくとも1つに障害の発生の影響がなければ(ステップS44 NO)、処理はステップS32に進められる。
【0141】
[ステップS45]影響展開情報生成部113は、ステップS33において選択したサービスの経路を、影響ありと判定する。また、このとき出力部114は、影響ありと判定されたサービスの経路を、図25および図26に示すように、モニタ11上に判定結果表示画面および影響展開表示画面として表示する。
【0142】
なお、本実施の形態では、管理用情報処理装置100は、通信部112でメッシュ網200のノードから障害の発生を示す信号を受信することにより、障害の発生の検出および障害が発生した部分パスを抽出するが、これに限らず、メッシュ網200の障害の発生を認識したメッシュ網200の管理者等により、メッシュ網200における障害の発生および障害が発生した部分パスを示す情報の入力を受け付け、入力された情報に基づいて障害影響展開処理を実行してもよい。
【0143】
図25は、第2の実施の形態の判定結果表示画面を示す図である。図25に示す判定結果表示画面11aは、メッシュ網200の管理者が操作する管理用情報処理装置100において、メッシュ網200で障害が発生した際に、管理者に障害の発生を報知するためにモニタ11上に表示される判定結果表示画面の一例である。
【0144】
判定結果表示画面11aには、判定結果表示領域11a1、判定結果選択領域11a2、確認入力ボタン11a3、影響展開表示ボタン11a4、終了ボタン11a5が設けられている。
【0145】
判定結果表示領域11a1は、メッシュ網200において発生した障害に関する情報を表示する領域である。判定結果表示領域11a1は、表示欄として“確認”欄、“発生時刻”欄、“種別”欄、“装置”欄、“イベント詳細”欄を有する。
【0146】
確認欄は、障害の発生が管理者によって確認済であるか未確認であるかを示す。管理者は、判定結果表示領域11a1で障害の発生を確認した場合、判定結果選択領域11a2で確認した障害を選択して確認入力ボタン11a3を操作することにより、確認欄の表示を確認済に変更することができる。発生時刻欄は、障害の発生時刻を示す。種別欄は、障害の種別を示す。装置欄は、障害の発生に関連する装置を示す。イベント詳細欄は、発生した障害の詳細を示す。
【0147】
確認入力ボタン11a3は、障害の発生を確認した場合に確認欄の表示を未確認から確認済に変更する操作を受け付ける。影響展開表示ボタン11a4は、図26において後述する影響展開表示画面を表示させる操作を受け付ける。終了ボタン11a5は、判定結果表示画面11aの表示を終了する操作を受け付ける。
【0148】
図26は、第2の実施の形態の影響展開表示画面を示す図である。図26に示す影響展開表示画面11bは、メッシュ網200の管理者が操作する管理用情報処理装置100において、メッシュ網200で障害が発生した際に、管理者に障害の発生によってメッシュ網200および提供される通信サービスに生じる影響を報知するためにモニタ11上に表示される影響展開表示画面の一例である。
【0149】
影響展開表示画面11bには、影響展開表示領域11b1、再検索ボタン11b3、終了ボタン11b5が設けられている。
影響展開表示領域11b1は、障害影響展開処理による、発生した障害のサービスの経路への影響の判定結果を表示する領域である。影響展開表示領域11b1は、表示欄として“サービス”欄、“現状”欄、“支障時間”欄を有する。
【0150】
サービス欄は、障害の発生により影響を受ける通信サービスを示す。現状欄は、通信サービスの現在の状況を示す。支障時間欄は、障害の発生による影響が通信サービスに生じている状態が継続している時間を示す。
【0151】
再検索ボタン11b3は、影響展開表示領域11b1に表示されているメッシュ網200において発生した障害の発生による通信サービスに対する現在の影響の状況を更新する操作を受け付ける。終了ボタン11a5は、影響展開表示画面11bの表示を終了する操作を受け付ける。
【0152】
このように、第2の実施の形態の管理用情報処理装置100は、端末装置41,42と接続されているメッシュ網200の起点であるスイッチ51から終点であるスイッチ54までの経路を探索し、メッシュ経路情報を生成する。すなわち、管理用情報処理装置100は、メッシュ網200の外部の機器である端末装置41と接続されているスイッチ51と、端末装置42と接続されているスイッチ54とを接続する仮想パスを構成する、メッシュ網200の内部の経路である部分パスを示すメッシュ経路情報を生成する。これにより、メッシュ網200の内部における障害の発生による通信サービスに対する影響の把握等、メッシュ網200の監視を容易にすることが可能となる。
【0153】
また、管理用情報処理装置100は、メッシュ網200における障害の発生を検出し、検出した障害の発生に応じて影響を受ける部分パスを特定し、特定した部分パスと経路情報とに基づいて仮想パスに対する影響を示す影響展開情報を生成する。これにより、障害の発生による仮想パスへの影響の有無及び影響を受ける仮想パスを把握することができる。
【0154】
また、管理用情報処理装置100は、すべての仮想パスが少なくとも1つの特定した部分パスを含む場合には、端点であるノード同士の通信が障害の発生の影響を受ける旨を示す影響展開情報を生成する。これにより、すべての仮想パスにおいて、少なくともいずれかの部分パスで障害の発生の影響を受けている場合には、影響展開情報により、メッシュ網200による通信サービスに障害の発生による影響が生じる旨が示される。
【0155】
また、管理用情報処理装置100は、少なくともいずれか1つの仮想パスが特定した部分パスを1つも含まない場合には、端点であるノード同士の通信が障害の発生の影響を受けない旨を示す影響展開情報を生成する。これにより、仮想パスが冗長構成であって、少なくともいずれか1つの仮想パスが障害の発生の影響を受けておらず、通信が可能である場合には、影響展開情報により、障害の発生の影響を受けずにメッシュ網200による通信サービスの提供が可能である旨が示される。
【0156】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、管理用情報処理装置100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0157】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0158】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0159】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0160】
1 情報処理装置
1a 経路情報生成部
1b 影響展開情報生成部
1c 構成情報記憶部
1d 経路情報記憶部
1e 影響展開情報記憶部
2 メッシュ網
2a,2b,2c,2d,2e ノード
2x 障害発生経路
3a,3b 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ網を監視する情報処理装置において、
メッシュ網が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスと、前記仮想パスの一部であって前記メッシュ網の内部のノード同士を接続する部分パスとを関連付けて示す経路情報を記憶する経路情報記憶部と、
前記部分パスと、前記部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報を記憶する構成情報記憶部と、
前記構成情報記憶部に記憶されている構成情報に基づいて前記メッシュ網を、前記メッシュ網が有する部分パスについて探索することにより前記仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、前記生成した経路情報を前記経路情報記憶部に記憶させる経路情報生成部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
メッシュ網における障害の発生による影響を受けている仮想パスを示す影響展開情報を記憶する影響展開情報記憶部と、
前記メッシュ網における障害の発生を検出し、前記検出した障害の発生に応じて影響を受ける部分パスを特定し、前記特定した部分パスと前記経路情報とに基づいて前記仮想パスに対する影響を示す影響展開情報を生成し、前記生成した影響展開情報を前記影響展開情報記憶部に記憶させる影響展開情報生成部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記影響展開情報生成部は、前記メッシュ網における障害の発生を検出し、前記検出した障害の発生に応じて影響を受ける部分パスを特定し、前記特定した部分パスと前記経路情報とに基づいて、すべての前記仮想パスが少なくとも1つの前記特定した部分パスを含む場合には、前記端点であるノード同士の通信が前記障害の発生の影響を受ける旨を示す影響展開情報を生成し、前記生成した影響展開情報を前記影響展開情報記憶部に記憶させることを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記影響展開情報生成部は、前記メッシュ網における障害の発生を検出し、前記検出した障害の発生に応じて影響を受ける部分パスを特定し、前記特定した部分パスと前記経路情報とに基づいて、少なくともいずれか1つの前記仮想パスが前記特定した部分パスを1つも含まない場合には、前記端点であるノード同士の通信が前記障害の発生の影響を受けない旨を示す影響展開情報を生成し、前記生成した影響展開情報を前記影響展開情報記憶部に記憶させることを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記影響展開情報記憶部に記憶されている影響展開情報を出力する出力部を有することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
メッシュ網を監視する監視プログラムにおいて、
コンピュータを、
構成情報記憶部に記憶されているメッシュ網が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスの一部であって前記メッシュ網の内部のノード同士を接続する部分パスと、前記部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報に基づいて前記メッシュ網を、前記メッシュ網が有する部分パスについて探索することにより前記仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、前記生成した前記仮想パスと、前記部分パスとを関連付けて示す経路情報を経路情報記憶部に記憶させる経路情報生成部として機能させることを特徴とする監視プログラム。
【請求項7】
メッシュ網を監視する監視方法において、
コンピュータが、
構成情報記憶部に記憶されているメッシュ網が外部と接続する端点であるノード同士を接続する仮想パスの一部であって前記メッシュ網の内部のノード同士を接続する部分パスと、前記部分パスによって接続されるノードとを関連付けて示す構成情報に基づいて前記メッシュ網を、前記メッシュ網が有する部分パスについて探索することにより前記仮想パスが有する部分パスを特定して経路情報を生成し、
前記生成した前記仮想パスと、前記部分パスとを関連付けて示す経路情報を経路情報記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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