説明

情報処理装置および印刷装置

【課題】他の機能に影響を及ぼすのを抑制しつつ表示機能用の信号線と他の機能用の信号線とを兼用して、信号線の本数を削減する。
【解決手段】FFC66の信号線66b,66c,66eが、LCDコントローラー61からVRAM72への表示データDAT0〜2の送信と、ボタン群28に接続されるP/S変換回路74およびLED群29に接続されるS/P変換回路76とSP通信コントローラー62との通信とに兼用される。そして、LCDコントローラー61は、1画面分の表示データを送信する際に、表示データを複数に分割して送信すると共に分割した表示データの送信の合間にSP通信コントローラー62がP/S変換回路74およびS/P変換回路76と通信するから、P/S変換回路74およびS/P変換回路76との定期的な通信に影響を及ぼすのを抑制しつつ信号線の本数を削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報処理装置としては、画像を表示する液晶モジュールと、液晶モジュールと一体的に設けられタッチ操作に応じた電圧を発生するタッチスクリーンと、発生した電圧をデジタル信号に変換するタッチスクリーンコントローラーと、そのデジタル信号に基づいてタッチ操作の位置を検出するI/Oコントローラーと、表示データを液晶モジュールに転送したりI/Oコントローラーの検出結果に基づいて液晶モジュールを制御したりする液晶コントローラーとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、液晶モジュールが新たな表示動作を行なう動作モードと休止する休止モードとを有する。そして、動作モードの場合にクロック信号を液晶モジュールに送信し休止モードの場合にクロック信号をタッチスクリーンコントローラーに送信するための信号線と、動作モードの場合に表示データを液晶モジュールに送信し休止モードの場合にI/Oコントローラーがデジタル信号を受信するための信号線とを備え、モードの切り替わりに応じて各信号線の接続先を切り替えることで、信号線を兼用してその本数を削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−49206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した装置では、信号線を兼用するために動作モードと休止モードとの切り替わりを必要とするから、動作モード中にタッチスクリーンがタッチ操作されたときには、信号線を兼用しないものに比して、タッチ操作の対応に時間を要することがある。このように、信号線の兼用により、画像表示以外の他の機能に影響を及ぼす場合が生じてしまう。
【0005】
本発明の情報処理装置および印刷装置は、他の機能に影響を及ぼすのを抑制しつつ表示機能用の信号線と他の機能用の信号線とを兼用して、信号線の本数を削減することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置および印刷装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の情報処理装置は、
1画面分の表示データを記憶可能なメモリーを有し該メモリーに記憶された表示データに基づいて画面を表示する表示機能部と、前記表示機能部とは異なり定期的な通信が必要な他の機能部とを備える表示パネルと、
該表示パネルに複数の信号線で接続され、前記信号線を介して前記表示機能部のメモリーに前記表示データを送信したり、前記信号線を介して前記他の機能部と通信したりする制御手段と、
を備え、
前記複数の信号線のうち少なくとも一部が、前記表示機能部のメモリーへの前記表示データの送信と、前記他の機能部との通信とに兼用され、
前記制御手段は、前記1画面分の表示データを送信する際に、前記表示データを複数に分割して送信すると共に該分割した表示データの送信の合間に前記他の機能部と通信する
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の情報処理装置では、表示パネルと制御手段とを接続する複数の信号線のうち少なくとも一部が、表示機能部のメモリーへの表示データの送信と、他の機能部との通信とに兼用されており、1画面分の表示データを送信する際に、表示データを複数に分割して送信すると共に分割した表示データの送信の合間に他の機能部と通信する。これにより、信号線を兼用するものとしても、他の機能部の定期的な通信が妨げられるのを抑制することができる。この結果、他の機能に影響を及ぼすのを抑制しつつ表示機能用の信号線と他の機能用の信号線とを兼用して、信号線の本数を削減することができる。
【0009】
こうした本発明の情報処理装置において、前記表示パネルは、前記他の機能部として、ユーザーからの指示の入力を受け付けて該受け付けた指示の情報を前記制御手段に送信する入力機能部を備えるものとすることもできる。こうすれば、ユーザーの指示に対する応答性が低下するのを抑制しつつ信号線の本数を削減することができる。
【0010】
この態様の本発明の情報処理装置において、前記表示パネルは、前記他の機能部として、前記制御手段からの出力指示の情報を入力してユーザーが認識可能な態様で出力する出力機能部をさらに備え、前記入力機能部は、クロック信号が送信されるクロック信号線と、該クロック信号に従って前記受け付けた指示の情報が送信される情報信号線と、ラッチ用のタイミング信号が送信されるタイミング信号線とを介して前記制御手段に接続され、前記出力機能部は、クロック信号が送信されるクロック信号線と、該クロック信号に従って前記出力指示の情報が送信される情報信号線と、ラッチ用のタイミング信号が送信されるタイミング信号線とを介して前記制御手段に接続され、前記タイミング信号線を除いた各信号線の少なくとも一部が、前記表示機能部のメモリーへの前記表示データの送信に兼用されてなるものとすることもできる。こうすれば、表示データの送信によりタイミング信号線に信号が送信されて、入力機能部や出力機能部が本来とは異なるタイミングでデータをラッチするのを防止することができる。また、この態様の本発明の情報処理装置において、前記入力機能部と前記出力機能部とは、前記クロック信号線が兼用されると共に前記タイミング信号線が兼用され、前記制御手段は、前記表示機能部のメモリーへの前記表示データの送信から前記入力機能部および前記出力機能部との通信に切り替わった場合には、前記クロック信号を送信しながら前記出力機能部に前記出力指示の情報を送信し、該出力指示の情報の送信終了に伴って前記タイミング信号を送信し、該タイミング信号の送信後に前記クロック信号を送信しながら前記入力機能部から前記受け付けた指示の情報を入力する手段であるものとすることもできる。ここで、表示機能部のメモリーへの表示データの送信から入力機能部および出力機能部との通信に切り替わった場合に、ラッチ用のタイミング信号を送信すると出力機能部に不要な信号が入力されるおそれがある。本発明では、ラッチ用のタイミング信号の送信前に出力機能部に出力指示の情報を送信すると共にラッチ用のタイミング信号の送信後に入力機能部から指示の情報を入力するから、そのようなおそれを防止することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置において、前記制御手段は、前記表示データを分割する際に画素のラインを区切りとして分割し、該分割の単位となるライン数を変更可能な手段であるものとすることもできる。こうすれば、他の機能部が必要とする定期的な通信の頻度に応じて、表示データを容易に分割することができる。
【0012】
この態様の本発明の情報処理装置において、前記表示機能部に表示される画面として、画面が切り替わってから該画面に対応して前記他の機能部の機能が働く第1の画面と、画面が切り替え中であっても前記他の機能部の機能が働く第2の画面とを有し、前記制御手段は、前記表示機能部に表示される画面が切り替え中のときには、切り替え後の画面が前記第1の画面の場合に前記第2の画面の場合に比して、前記分割の単位となるライン数が大きくなるよう変更する手段であるものとすることもできる。こうすれば、他の機能部との通信の必要性が高くないときには、表示データの送信を優先させて、表示データを効率よく送信することができる。また、これらの態様の本発明の情報処理装置において、前記制御手段は、前記表示機能部に表示される画面が切り替え中ではないときには、切り替え中に比して、前記分割の単位であるライン数が小さくなるよう変更する手段であるものとすることもできる。これにより、画面が切り替え中でなく表示データの送信の優先度が低い場合には、他の機能部との通信を優先させることができる。ここで、画面の切り替えとは、切り替え前後で異なる画面に変化することをいう。
【0013】
本発明の印刷装置は、上述したいずれかの態様の本発明の情報処理装置と、筐体内に収容される印刷機構と、を備え、前記表示パネルは、前記筐体に対して可動するよう該筐体に取り付けられ、前記制御手段は、前記筐体内に収容され、画像データに基づく画像が印刷されるよう前記印刷機構を制御する手段であり、前記複数の信号線は、前記筐体と前記表示パネルとに亘って配設されてなるものとすることできる。また、可動する表示パネルと筐体とに亘って複数の信号線が配設される印刷装置においては、信号線の取り回しやその配設スペースに制約が多くなることから、本発明を適用する意義が高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プリンター20の外観を示す外観斜視図。
【図2】プリンター20の操作パネル26のチルトの様子を示す説明図。
【図3】プリンター20の構成の概略を示す構成図。
【図4】メインコントローラー50と操作パネル26との接続の詳細図。
【図5】Gnt解放設定処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図6】Gnt解放の様子を示す説明図。
【図7】通信時のタイミングチャートの一例を示す説明図。
【図8】xLD信号の出力タイミングを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるプリンター20の外観を示す外観斜視図であり、図2は、プリンター20の操作パネル26のチルトの様子を示す説明図であり、図3は、プリンター20の構成の概略を示す構成図である。
【0016】
本実施形態のプリンター20は、図1に示すように、印刷機構40(図3参照)やメインコントローラー50(図3参照)が内蔵された本体21と、本体21の前面に取り付けられた操作パネル26とを備え、L判サイズやハガキサイズなどの用紙に写真などの印刷を行なうフォトプリンターとして構成されている。本体21は、上面に設けられた取っ手22と、背面にセットされた用紙を自動給紙するオートシートフィーダー23と、印刷機構40により印刷された用紙を受ける排紙トレイ24と、前面に設けられた赤外線通信ポート25(受光部)とを備える。このプリンター20では、赤外線通信ポート25に発光部30aを向けてリモートコントロール装置30を操作することにより、プリンター20を遠隔操作できるようになっている。リモートコントロール装置30は、電源をオンオフする電源ボタン31と、印刷動作を中止したり印刷枚数や写真選択を解除するストップ/設定クリアボタン32と、印刷モードやスライドショーモードなどの各種モードを選択可能なトップ画面を表示するトップ画面ボタン33と、印刷枚数を設定する印刷枚数設定ボタン34と、項目や設定値を選択する上下左右ボタン35と、項目を決定したり次の画面に進むOKボタン36と、一つ前の画面に戻る戻るボタン37と、印刷を開始する印刷ボタン38と、各種項目を設定可能な設定画面を表示する設定ボタン39などを備える。
【0017】
操作パネル26は、トップ画面や設定画面などの各種画面や写真画像を表示する機能を有する液晶ディスプレイ(LCD)27と、プリンター20を操作するための複数のボタンが設けられてユーザーの指示を入力する機能を有するボタン群28と、複数のLEDランプが設けられてプリンター20の状態をユーザーに報知する機能を有するLEDランプ群29とを備える。この操作パネル26は、本体21に対して上下方向にスライドするスライド機構とチルトする(図2参照)チルト機構とを備えており、可動範囲内で上下位置と角度とを調整できるようになっている。また、LCD27は、本実施形態では、320ドット×240ドットの画素により構成されており、320ドット分の画素データにより1ラインが形成され、240ライン分のラインデータにより1フレーム(1画像)が形成される。そして、ボタン群28としては、リモートコントロール装置30が備えるボタンのうちのいくつかが配置されており、例えば、電源ボタンやストップ/設定クリアボタン,トップ画面ボタン,上下左右ボタン,OKボタンなどが設けられている。また、LEDランプ群29としては、電源が正常にオンされたときに点灯する電源ランプや印刷可能な状態のときに点灯する印刷可能ランプ,印刷中などの動作中に点滅する動作中ランプ,紙詰まりなどのエラーが生じたときに動作中ランプよりも早い間隔で点滅するエラー表示ランプなどが設けられている。
【0018】
印刷機構40は、図3に示すように、左右方向(主走査方向)にループ状に架け渡されたキャリッジベルト43により駆動されガイド42に沿って左右に往復動するキャリッジ41と、キャリッジ41にシアン・マゼンタ・イエロー・ブラック等の各色のインクを供給するインクカートリッジ44と、各インクカートリッジ44から供給された各インクに圧力をかけてノズルから用紙Sに向けてインクを吐出する印刷ヘッド45と、主走査方向に直交する方向に用紙Sを搬送する搬送ローラー46とを備える。
【0019】
メインコントローラー50は、図3に示すように、CPU52や各種コントローラーなどが1チップ上に集積されたSOC51と、各種データの読み書きが可能なSDRAM59と、各種データや各種テーブルなどを記憶したROM60とを備え、プリンター全体の制御を司るものである。このメインコントローラー50のSOC51に集積される各種コントローラーとしては、印刷機構40を制御するプリンターASIC53と、赤外線通信ポート25を介して入力した赤外線信号を操作信号として処理する赤外線通信コントローラー54と、メモリーカードスロット55aに挿入されたメモリーカードMCに対するデータの読み書きを制御するメモリーカードコントローラー55と、SDRAM59へのデータの読み書きを制御するSDRAMコントローラー56と、CPU52を介さずに各種コントローラーとSDRAM59(SDRAMコントローラー56)との間のデータのやり取りを可能とするダイレクトメモリーアクセスコントローラー(DMAC)57と、メモリーカードコントローラー55を介してメモリーカードMCから読み出された画像データに表示用の画像処理を施して表示データを生成したり印刷用の画像処理を施して印刷データを生成したりする画像処理コントローラー58と、LCD27に表示データを出力するLCDコントローラー61と、ボタン群28の各ボタンになされたユーザーの操作を操作信号として入力したりLEDランプ群29の各LEDランプに対する点灯信号や点滅信号などを出力したりするシリアルパラレル(SP)通信コントローラー62とを備え、これらはバス51aを介して互いに電気的に接続されている。
【0020】
メインコントローラー50(SOC51)のLCDコントローラー61とSP通信コントローラー62とは、フレキシブルフラットケーブル(FFC)66を介して操作パネル26に接続されている。図4は、メインコントローラー50と操作パネル26との接続の詳細図である。なお、図4では、図3に示したSOC51の構成の一部を省略する。ここで、本実施形態のプリンター20は、詳細については後述するが、FFC66の各信号線(信号線が接続される図示しない出力端子を含む)のうち、LCDコントローラー61と操作パネル26とを繋ぐ信号線と、SP通信コントローラー62と操作パネル26とを繋ぐ信号線との一部を兼用する。このため、SOC51には、図3に示した構成に加えて、図4に示すように、操作パネル26との通信においてLCDコントローラー61とSP通信コントローラー62との調停を行なうアービターユニット63と、LCDコントローラー61からの信号とSP通信コントローラー62からの信号とを入力していずれかを選択的に出力する3つのマルチプレクサー64a〜64cを有するマルチプレクサーユニット64と、6つのバッファー65a〜65fを有するI/Oバッファー群65とを備える。
【0021】
LCDコントローラー61は、FFC66の信号線の使用を求めるReq1信号をアービターユニット63に出力し、アービターユニット63から使用を許可するGnt1信号が入力されているときに、データの書き込みを指示するxWE信号や表示データを3線シリアル転送するためのDAT0信号やDAT1信号,DAT2信号を操作パネル26側に出力する。
【0022】
SP通信コントローラー62は、FFC66の信号線の使用を求めるReq2信号をアービターユニット63に出力し、アービターユニット63から使用を許可するGnt2信号が入力されているときに、データの読み出しのタイミングを定めるCLK信号に従って、データの読み込みを指示するxLD信号やシリアルデータのSDO信号を操作パネル26側に出力する。また、シリアルデータのSDI信号を操作パネル26側から入力する。
【0023】
アービターユニット63は、LCDコントローラー61からのReq1信号やSP通信コントローラー62からのReq2信号を入力すると、これらの要求を調停して、LCDコントローラー61へのGnt1信号かSP通信コントローラー62へのGnt2信号のいずれかを出力する。このアービターユニット63は、先になされたReq信号が継続して入力されている場合にはそれに対するGnt信号を出力し、Req信号の入力が停止されるとそれに対するGnt信号の出力を停止する。また、一方にGnt信号を出力しているときに他方からReq信号が入力されても、他方に対するGnt信号は出力しない。なお、Gnt2信号は、マルチプレクサーユニット64の各マルチプレクサー64a〜64cにも出力される。
【0024】
マルチプレクサー64aは、値0の信号と値1の信号とを入力し、Gnt2信号が入力されないときには値0の信号をバッファー65eに出力し、Gnt2信号が入力されるときには値1の信号をバッファー65eに出力する。なお、バッファー65eは、LCDコントローラー61のDAT2信号を入力し、マルチプレクサー64aから値0の信号が入力されるときにはDAT2信号を出力し、マルチプレクサー64aから値1の信号が入力されるときにはDAT2信号を出力しないよう構成されている。マルチプレクサー64bは、LCDコントローラー61のDAT0信号とSP通信コントローラー62のCLK信号とを入力し、Gnt2信号が入力されないときにはDAT0信号をバッファー65bに出力し、Gnt2信号が入力されるときにはCLK信号をバッファー65bに出力する。マルチプレクサー64cは、LCDコントローラー61のDAT1信号とSP通信コントローラー62のSDO信号とを入力し、Gnt2信号が入力されないときにはDAT1信号をバッファー65cに出力し、Gnt2信号が入力されるときにはSDO信号をバッファー65cに出力する。なお、バッファー65fは、バッファー65eと逆並列接続されており、出力側がSP通信コントローラー62のSDI信号線に接続される。
【0025】
操作パネル26は、図4に示すように、LCD27に表示データを出力して画面表示させるLCD制御回路70と、ボタン群28に接続されるパラレル/シリアル(P/S)変換回路74と、LEDランプ群29に接続されるシリアル/パラレル(S/P)変換回路76とを備える。LCD制御回路70は、LCDコントローラー61から送信された表示データを1フレーム分記憶するVRAM72を有し、xWE信号やDAT0信号,DAT1信号,DAT2信号を入力してVRAM72に1フレーム分の表示データを書き込む。そして、データの読み出しのタイミングを定めるDCLK信号や水平/垂直同期信号(VSYNC信号,HSYNC信号)に従って、表示データとしてのDATA信号をVRAM72からLCD27に出力する。P/S変換回路74は、ボタン群28の操作により生じる信号をパラレルデータとして入力し、S/xL信号が入力されたタイミングで信号をラッチして、パラレルデータからシリアルデータに変換したQH信号をクロック信号としてのSCK信号に従って出力する。また、S/P変換回路76は、クロック信号としてのSCK信号に従って、LEDランプ群29への点灯指示や点滅指示を含むシリアルデータのSI信号を入力し、RCK信号が入力されたタイミングでSI信号をラッチして、シリアルデータからパラレルデータに変換した駆動信号をLEDランプ群29に出力する。なお、P/S変換回路74やS/P変換回路76は、ボタン群28になされた操作を速やかに処理に反映させたりLED群29の表示状態を最新の状態に更新したりするため、定期的な間隔(例えば、数msに1回など)で、SP通信コントローラー62と通信が必要となるものである。
【0026】
FFC66は、信号線66a〜66eの5本の信号線を有する。信号線66aは、バッファー65aを介してSP通信コントローラー62のxLD信号用の信号線(以下、xLD信号線とし、他の信号用の信号線も同様とする)に接続されると共にP/S変換回路74のS/xL信号線とS/P変換回路76のRCK信号線とに接続される。
【0027】
信号線66bは、バッファー65bを介してマルチプレクサー64bの出力線に接続されると共にLCD制御回路70のDAT0信号線とP/S変換回路74のSCK信号線とS/P変換回路76のSCK信号線とに接続される。上述したように、マルチプレクサー64bからは、LCDコントローラー61のDAT0信号か、SP通信コントローラー62のCLK信号かのいずれかが出力される。このように、信号線66bは、LCDコントローラー61のDAT0信号の送信と、SP通信コントローラー62のCLK信号(SCK信号)の送信とに兼用される。
【0028】
信号線66cは、バッファー65cを介してマルチプレクサー64cの出力線に接続されると共にLCD制御回路70のDAT1信号線とS/P変換回路76のSI信号線とに接続される。上述したように、マルチプレクサー64cからは、LCDコントローラー61のDAT1信号か、SP通信コントローラー62のSDO信号かのいずれかが出力される。このように、信号線66cは、LCDコントローラー61のDAT1信号の送信と、SP通信コントローラー62のSDO信号(SI信号)の送信とに兼用される。
【0029】
信号線66dは、バッファー65dを介してLCDコントローラー61のxWE信号線に接続されると共にLCD制御回路70のxWE信号線に接続される。
【0030】
信号線66eは、バッファー65eを介してLCDコントローラー61のDAT2信号線に接続され且つバッファー65eを逆並列接続でバイパスするバッファー65fを介してSP通信コントローラー62のSDI信号線に接続されると共にLCD制御回路70のDAT2信号線とP/S変換回路74のQH信号線とに接続される。上述したように、バッファー65eは、マルチプレクサー64aから値0の信号が入力されるときにDAT2信号を出力し値1の信号が入力されるときにDAT2信号を出力しないよう構成される。このように、信号線66eは、LCDコントローラー61のDAT2信号の送信と、SP通信コントローラー62のSDI信号(QH信号)の受信とに兼用される。
【0031】
このように、FFC66の3本の信号線66b,66c,66eを、LCDコントローラー61と操作パネル26とを繋ぐ信号線と、SP通信コントローラー62と操作パネル26とを繋ぐ信号線とに兼用するのである。これにより、信号線や出力端子の数を削減することができ、FFC66の取り回しを容易とすることができる。また、P/S変換回路74やS/P変換回路76とSP通信コントローラー62とを接続する信号線のうち、ラッチのタイミングを示すxLD信号(S/xL信号,RCK信号)用のxLD信号線(S/xL信号線,RCK信号線)に繋がる信号線66aを除いた信号線を兼用するから、LCDコントローラー61の表示データの送信によりP/S変換回路74やS/P変換回路76が本来とは異なるタイミングで信号をラッチするのを防止することができる。なお、本実施形態では、操作パネル26が本体21に対してスライド且つチルト可能に構成され、本体21と操作パネル26とに亘って配設されるFFC66は取り回しや配設スペースの制約が多いことから、信号線の兼用効果がより高いものとなる。
【0032】
こうして構成された本実施形態のプリンター20では、電源がオンされて起動すると、メインコントローラー50のLCDコントローラー61はROM60からトップ画面を読み出してVRAM72に送信し、LCD制御回路70によりLCD27にトップ画面が表示される。また、LEDランプ群29のうち電源ランプが点灯するようSP通信コントローラー62からS/P変換回路76に点灯指示が送信される。そして、トップ画面がLCD27に表示されている状態で、ユーザーが各種モードの選択をボタン群28を介して入力すると、P/S変換回路74がその操作信号をSP通信コントローラー62に送信する。SP通信コントローラー62を介して操作信号を受けたCPU52は、それに応じて印刷モードやスライドショーモードなどに切り替える。また、LCDコントローラー61は、必要に応じて、ROM60から設定画面などを読み出してVRAM72に送信したり、メモリーカードMCから読み出されて表示用の画像処理が施されてSDRAM59に記憶された写真画像の表示データを順次読み出してVRAM72に送信したりする。なお、本実施形態のプリンター20は、写真画像の表示データをLCD27に順次表示している場合には、ボタン群28(右ボタンなど)が操作されれば画面の切り替え中であっても切り替え中の写真画像の次の写真画像を表示し、トップ画面や設定画面などはその表示が完了しなければボタン群28の操作を有効なものとして受け付けないようになっている。
【0033】
次に、こうして構成された本実施形態のプリンター20の動作、特に、メインコントローラー50と操作パネル26との通信時の処理について、信号線66b,66c,66eの兼用により必要となる処理を中心に説明する。図5は、メインコントローラー50により実行されるGnt解放設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、プリンター20の電源がオンされている間に所定時間毎に実行される。
【0034】
このGnt解放設定処理ルーチンが実行されると、メインコントローラー50は、まず、LCD27の画面が切り替え中であるか否かを判定する(ステップS100)。切り替え中のときには、その画面が切り替え中にボタン群28の操作を受付可能な画面であるか否かを判定する(ステップS110)。ここでは、トップ画面や設定画面など(本発明の第1の画面に相当)に切り替え中であれば、ボタン群28の操作を受付不可の画面と判定し、写真画像の画面(本発明の第2の画面に相当)に切り替え中であれば、ボタン群28の操作を受付可能な画面と判定する。ステップS110で、切り替え中の画面がボタン群28の操作を受付可能なときには、Gnt解放ライン数Lgに予め定められたライン数Aを設定して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。
【0035】
ここで、Gnt解放ライン数Lgは、Req1信号を出力中のLCDコントローラー61がGnt1信号を受信してからReq1信号の出力を停止してFFC66の専有(以下、Gntという)を解放するまでの時間を、表示データの送信ライン数で定めるものである。LCDコントローラー61は、送信すべき表示データをSDRAM59からダイレクトメモリーアクセスにより入力すると、設定されたGnt解放ライン数Lg毎に分割し、分割したGnt解放ライン数Lg分の表示データをVRAM72に順次送信する。即ち、Gnt解放ライン数Lg分の表示データの送信が完了する度に、一旦Req1信号の出力を停止してGntを解放し、解放から所定時間が経過すると再びReq1信号を出力し、Gnt1信号を受信すると再びGnt解放ライン数Lg分の表示データ(中断前に送信した表示データの続き)を送信する。このように、ライン数を単位とするから、表示データを容易に分割することができる。なお、設定されるGnt解放ライン数Lgが多くなるほど、LCDコントローラー61による1回当たりの送信時間が長くなるから、1フレーム分の表示データを効率よく送信することができる。一方で、LCDコントローラー61の1回当たりの送信時間が長くなると、その間はFFC66(信号線66b,66c,66e)がLCDコントローラー61に専有されてSP通信コントローラー62は通信できない。このため、ボタン群28の操作信号を受信したりLED群29の駆動信号を送信したりすることができず、ボタン群28の応答性が低下したりすることになる。本実施形態では、このような表示データの効率的な送信と応答性の低下の抑制とのバランスを考慮した数がライン数Aに定められており、その詳細については後述する。
【0036】
一方、ステップS110で、切り替え中の画面がボタン群28の操作を受付不可のときには、Gnt解放ライン数Lgにライン数Aよりも多いライン数Bを設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。ボタン群28の操作を受付不可の画面に切り替えているときには、ボタン群28の操作信号を読み込んでも適切に対応することができない。このため、応答性の低下は問題とならないから、Gnt解放ライン数Lgを大きくして、表示データを優先的に送信することで、表示データを効率よく送信するのである。
【0037】
また、ステップS100で、LCD27の画面が切り替え中ではないときには、Gnt解放ライン数Lgにライン数Aよりも少ないライン数Cを設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。切り替え中でないときには、トップ画面や設定画面,写真画像などが表示されており、ユーザーによるボタン群28の操作を待つ状態にあり、LCDコントローラー61は同じ表示データをVRAM72に送信して表示させるいわゆるリフレッシュ状態にある。このため、表示データの送信時間が長くなっても大きな問題とはならないから、Gnt解放ライン数Lgを小さくして、応答性を向上させるのである。
【0038】
ここで、Gnt解放ライン数Lgに設定されるライン数Aの詳細について説明する。ここでは、一例として、SP通信コントローラー62が少なくとも5msに1回は通信できるようにライン数Aを定めるものを説明する。ここで、SP通信コントローラー62は、クロック周波数が1MHzでデータ量が32bitのシリアル通信を行なうものとし、このため1回の通信に要する時間は32μsとなる。また、上述したように、LCD27は、320ドット×240ドットの画素により構成されており、LCDコントローラー61は、RGB3色の各8bitの画素データをクロック周波数が24MHzの3線シリアル転送により送信するものとする。このため、1ライン(320ドット)当たりの送信時間Tlineは、次式(1)により、約107μs+αとなる(αは、SDRAM59へのダイレクトメモリーアクセスによるロス時間など)。なお、次式(2)により、仮に1フレーム分(240ライン分)の表示データを分割することなく送信した場合、それに要する送信時間Tframeは26ms程度となり、その間はSP通信コントローラー62が通信できないことになる。このような数十ms程度の時間は、ユーザーがボタン群28を操作してから何らの応答がなされない場合に、ユーザーが応答性の低下を感じられる時間である。そして、この例では、SP通信コントローラー62が5msに1回確実に通信できるようにするため、上述した通信時間(32μs)や通信の間隔,分割に伴う処理のオーバーヘッドなどを考慮して、ライン数Aを3ms程度で転送可能な量に定めるものとする。即ち、次式(3)により、3msで送信可能なライン数は、28ラインとなるため、ライン数Aは28ラインに定められる。Gnt解放ライン数Lg(ライン数A)が28ラインの場合のGnt解放の様子を図6に示す。なお、図6では、LCDコントローラー61の通信を実線で囲んだLCDで示し、SP通信コントローラー62の通信を実線で囲んだSPで示し、点線で囲んだSPはReq2信号が発生したもののGnt2信号の応答がなされなかった場合を示す。図示するように、当初は1ms間隔で行なわれていたSP通信コントローラー62の通信がLCD27の通信の開始により同じ間隔では行なわれなくなるが、LCD27の通信が約3msで一旦中断されるから、その合間にSP通信コントローラー62の通信が行なわれる。即ち、SP通信コントローラー62の通信の間隔を5ms以内とすることができるため、信号線66b,66c,66eを兼用するものとしても、ユーザーにボタン群28の操作に対する応答性の低下を感じさせるのを防止することができる。
【0039】
Tline=320×3×8bit/(3×24MHz)≒107μs+α・・・(1)
Tframe=(107μs+α)×240≒26ms・・・(2)
3ms/(107μs+α)≒28・・・(3)
【0040】
図7に、通信時のタイミングチャートの一例を示す。図示するように、時刻t1でLCDコントローラー61からReq1信号が出力されてアービターユニット63からLCDコントローラー61にGnt1信号が出力される(時刻t2)。また、時刻t3にSP通信コントローラー62からReq2信号が出力されるが、LCDコントローラー61にGnt1信号が出力されているため、SP通信コントローラー62にGnt2信号は出力されない。そして、時刻t4でLCDコントローラー61がGnt解放ライン数Lg分の表示データの送信が完了すると、req1信号の出力が停止されてGnt1信号も出力が停止される(時刻t5)。このため、Gnt2信号の出力が開始される(時刻t6)。なお、時刻t4から所定時間が経過した時刻t7で再びreq1信号が出力されるが、Gnt2信号が出力されているため、Gnt1信号は出力されない。そして、時刻t8でSP通信コントローラー62が通信を完了してReq2信号の出力が停止されると、Gnt2信号の出力も停止されて(時刻t9)、Gnt1信号の出力が開始される(時刻t10)。このため、LCDコントローラー61は、再びGnt解放ライン数Lg分の表示データを送信する。このように、LCDコントローラー61は、Gnt解放ライン数Lg分の表示データを送信する度にReq1信号の出力を停止して、Gntを一旦解放し、SP通信コントローラー62の通信を可能とするのである。
【0041】
また、LCDコントローラー61からSP通信コントローラー62にGntが切り替わる際には(図7中の時刻t6など)、信号線66b,66c,66eの兼用により不要な信号がS/P変換回路76に取り込まれたりしないよう、SP通信コントローラー62は信号をラッチさせるためのxLD信号の出力を次のようにしている。図8は、xLD信号の出力タイミングを説明する説明図である。図8(a)は、本実施形態の場合を示し、図8(b)は、比較形態として信号線を兼用しない場合を示す。まず、信号線を兼用しない場合には、図8(b)に示すように、(1)のタイミングでxLD信号を出力すると、その時点のボタン群28の信号がラッチされCLK信号に同期してP/S変換回路74からのSDI信号としてSP通信コントローラー62に取り込まれる。また、CLK信号に同期してSP通信コントローラー62から出力されるSDO信号は、(2)のタイミングでラッチされてS/P変換回路76に入力される。一方、本実施形態では、信号線66b,66c,66eが兼用されるために、図8(a)に示すように、図8(b)の(1)と同様なタイミングでxLD信号を出力してラッチすると、信号線66cに送信されていたDAT1信号がS/P変換回路76に入力されてしまう。このため、(1)のタイミングではxLD信号を出力することなく、CLK信号に同期してSDO信号を信号線66cに出力しておき、(2)のタイミングでxLD信号を出力してSDO信号をラッチさせるのである。これにより、正しい信号をS/P変換回路76に入力させることができる。また、(2)のタイミングでxLD信号を出力してボタン群28の信号をラッチさせることで、CLK信号に同期してP/S変換回路74からのSDI信号がSP通信コントローラー62に入力される。このように、xLD信号の出力のタイミングを、信号線を兼用しない場合とは異なり、SDO信号の出力後とすることで、ラッチのタイミングを適切なものとして不必要なデータがS/P変換回路76に入力されるのを防止するのである。なお、本実施形態の場合には、比較形態の場合よりも通信時間が長くなるが、ユーザーが感じられる程長くなるものではないから問題となることはない。また、図8(a)に示すように、CLK信号に同期して斜線で示す信号が流れることがあるが、それらの信号は無視するものとすればよい。
【0042】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のVRAM72が本発明の「メモリー」に相当し、液晶ディスプレイ(LCD)27とLCD制御回路70とが「表示機能部」に相当し、操作パネル26が「表示パネル」に相当し、信号線66a〜66eを有するFFC66が「複数の信号線」に相当し、LCDコントローラー61とSP通信コントローラー62とを備えるメインコントローラー50が「制御手段」に相当する。また、ボタン群28とP/S変換回路74とが「入力機能部」に相当し、LED群76とS/P変換回路76とが「出力機能部」に相当する。
【0043】
以上説明した本実施形態のプリンター20によれば、FFC66の信号線65a〜65eのうち信号線66b,66c,66eが、LCDコントローラー61からVRAM72への表示データの送信と、ボタン群28に接続されるP/S変換回路74やLED群29に接続されるS/P変換回路76とSP通信コントローラー62との通信とに兼用される。そして、1画面分の表示データを送信する際に、LCDコントローラー61が表示データを複数に分割して送信すると共に分割した表示データの送信の合間にSP通信コントローラー62がP/S変換回路74やS/P変換回路76と通信するから、P/S変換回路74やS/P変換回路76との通信に影響を及ぼすのを抑制することができる。この結果、ボタン群28やLED群29の機能に影響を及ぼすのを抑制しつつ表示データ用の信号線と他の信号線とを兼用して、信号線の本数を削減することができる。
【0044】
また、P/S変換回路74やS/P変換回路76とSP通信コントローラー62とを接続する信号線のうち、xLD信号線に繋がる信号線66aを除いた信号線を兼用するから、表示データの送信によりP/S変換回路74やS/P変換回路76が本来とは異なるタイミングで信号をラッチするのを防止することができる。さらに、VRAM72への表示データの送信からP/S変換回路74やS/P変換回路76との通信に切り替わった際に、SP通信コントローラー62はxLD信号の送信前にS/P変換回路76へのSDO信号を送信するから、S/P変換回路76に不要な信号が入力されるのを防止することができる。そして、表示データを分割する単位をGnt解放ライン数Lgとしてライン数で定めるから、表示データを容易に分割することができる。また、ボタン群28の操作を受付不可の画面に切り替えているときには、Gnt解放ライン数Lgを大きくして表示データを効率よく送信することができる。さらに、画面が切り替え中ではないときには、Gnt解放ライン数Lgを小さくして応答性を向上させることができる。
【0045】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0046】
上述した実施形態では、xLD信号線に繋がる信号線66aを除いた信号線を兼用するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、例えば、S/P変換回路76を備えずにSP通信コントローラー62がP/S変換回路74と通信する構成においては、xLD信号線(S/xL信号線)に繋がる信号線を表示データの送信と兼用するものとしてもよい。なお、この場合、表示データの送信に伴って、P/S変換回路74はS/xL信号が入力されたとしてQH信号を送信することがある。このため、このQH信号が表示データの信号と衝突するのを防止するため、QH信号線に衝突防止抵抗などを組み込むことが望ましい。
【0047】
上述した実施形態では、操作パネル26がボタン群28とLEDランプ群29とを備えるものとしたが、これに限られず、いずれか一方のみを備えるものとしてもよい。LEDランプ群29を備えない場合には、前の段落で記載したように、S/P変換回路76を備えずにSP通信コントローラー62がP/S変換回路74と通信する構成とすればよい。また、操作パネル26を備えない場合には、P/S変換回路74を備えずにSP通信コントローラー62がS/P変換回路76と通信する構成とすればよい。この場合、本実施形態と同様に、RCK信号線に繋がる信号線66aを除いた信号線を兼用するものとすることができる。
【0048】
上述した実施形態では、ユーザーからの指示をボタン群28を介して受け付けるものとしたが、これに限られず、LCD27をタッチパネルとしてそのタッチパネルを介して指示を受け付けるものとしてもよいし、音声認識が可能な装置を設けてユーザーの音声を介して指示を受け付けるものなどとしてもよい。
【0049】
上述した実施形態では、LEDランプ群29を介してプリンター20の状態を出力するものとしたが、これに限られず、スピーカーを設けて音声を介して状態を出力するものなどとしてもよい。
【0050】
上述した実施形態では、表示データを分割する単位をGnt解放ライン数Lgとしてライン数で定めるものとしたが、これに限られず、画素数など他の単位を用いて表示データを分割するものとしてもよい。
【0051】
上述した実施形態では、表示データを分割する単位をLCD27の画面に応じて変更可能なものとしたが、これに限られず、ボタン群28の操作状況やLED群29の表示状況などに応じて任意に変更可能なものとしてもよい。また、変更可能なものに限られず、変更不能な固定の単位を用いるものとしてもよい。
【0052】
上述した実施形態では、図5のGnt解放設定処理ルーチンでLCD27の画面の切り替え中でないときには切り替え中に比してGnt解放ライン数Lgに小さなライン数を設定するものとしたが、これに限られず、切り替え中でないときにも切り替え中と同じライン数(例えば、ライン数A)を設定するものとしてもよい。また、LCD27の画面をボタン群28の操作を受付不可の画面に切り替えているときには、受付可能な画面に切り替えているときに比してGnt解放ライン数Lgを大きくするものとしたが、これに限られず、受付可能な画面に切り替えているときと同じGnt解放ライン数Lgとするものとしてもよい。あるいは、受付不可の画面に切り替えているときには、Gnt解放ライン数Lgを最大数(1フレーム分のライン数)に設定するものなどとしてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、LCD27が320ドット×240ドットの画素により構成されるものとしたが、これに限られず、より多くのドット数の画素により構成されるものなどとしてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、本発明を操作パネル26がLCD27を備えるプリンター20に適用して説明したが、これに限られず、操作パネル26がプラズマディスプレイや有機ELディスプレイなどを備えるプリンターに適用するものとしてもよい。あるいは、操作パネルを備える他の装置に適用するものとしてもよく、例えば、カーナビゲーション装置や携帯型の端末装置などに適用するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
20 プリンター、21 本体、22 取っ手、23 オートシートフィーダー、24 排紙トレイ、25 赤外線通信ポート、26 操作パネル、27 液晶ディスプレイ(LCD)、28 ボタン群、29 LEDランプ群、30 リモートコントロール装置、30a 発光部、31 電源ボタン、32 ストップ/設定クリアボタン、33 トップメニューボタン、34 印刷枚数設定ボタン、35 上下左右ボタン、36 OKボタン、37 戻るボタン、38 印刷ボタン、39 設定ボタン、40 印刷機構、41 キャリッジ、42 ガイド、43 キャリッジベルト、44 インクカートリッジ、45 印刷ヘッド、46 搬送ローラー、50 メインコントローラー、51 SOC、51a バス、52 CPU、53 プリンターASIC、54 赤外線通信コントローラー、55 メモリーカードコントローラー、55a メモリーカードスロット、56 SDRAMコントローラー、57 ダイレクトメモリーアクセスコントローラー(DMAC)、58 画像処理コントローラー、59 SDRAM、60 ROM、61 LCDコントローラー、62 シリアルパラレル(SP)通信コントローラー、63 アービターユニット、64 マルチプレクサーユニット、64a,64b,64c、マルチプレクサー、65 I/Oバッファー群、65a,65b,65c,65d,65e,65f バッファー、66 FFC、66a,66b,66c,66d,66e 信号線、70 LCD制御回路、72 VRAM、74 パラレル/シリアル(P/S)変換回路、76 シリアル/パラレル(S/P)変換回路、MC メモリーカード、S 用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画面分の表示データを記憶可能なメモリーを有し該メモリーに記憶された表示データに基づいて画面を表示する表示機能部と、前記表示機能部とは異なり定期的な通信が必要な他の機能部とを備える表示パネルと、
該表示パネルに複数の信号線で接続され、前記信号線を介して前記表示機能部のメモリーに前記表示データを送信したり、前記信号線を介して前記他の機能部と通信したりする制御手段と、
を備え、
前記複数の信号線のうち少なくとも一部が、前記表示機能部のメモリーへの前記表示データの送信と、前記他の機能部との通信とに兼用され、
前記制御手段は、前記1画面分の表示データを送信する際に、前記表示データを複数に分割して送信すると共に該分割した表示データの送信の合間に前記他の機能部と通信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、前記他の機能部として、ユーザーからの指示の入力を受け付けて該受け付けた指示の情報を前記制御手段に送信する入力機能部を備える請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理装置であって、
前記表示パネルは、前記他の機能部として、前記制御手段からの出力指示の情報を入力してユーザーが認識可能な態様で出力する出力機能部をさらに備え、
前記入力機能部は、クロック信号が送信されるクロック信号線と、該クロック信号に従って前記受け付けた指示の情報が送信される情報信号線と、ラッチ用のタイミング信号が送信されるタイミング信号線とを介して前記制御手段に接続され、
前記出力機能部は、クロック信号が送信されるクロック信号線と、該クロック信号に従って前記出力指示の情報が送信される情報信号線と、ラッチ用のタイミング信号が送信されるタイミング信号線とを介して前記制御手段に接続され、
前記タイミング信号線を除いた各信号線の少なくとも一部が、前記表示機能部のメモリーへの前記表示データの送信に兼用されてなる
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の情報処理装置であって、
前記入力機能部と前記出力機能部とは、前記クロック信号線が兼用されると共に前記タイミング信号線が兼用され、
前記制御手段は、前記表示機能部のメモリーへの前記表示データの送信から前記入力機能部および前記出力機能部との通信に切り替わった場合には、前記クロック信号を送信しながら前記出力機能部に前記出力指示の情報を送信し、該出力指示の情報の送信終了に伴って前記タイミング信号を送信し、該タイミング信号の送信後に前記クロック信号を送信しながら前記入力機能部から前記受け付けた指示の情報を入力する手段である
情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記表示データを分割する際に画素のラインを区切りとして分割し、該分割の単位となるライン数を変更可能な手段である請求項1ないし4いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の情報処理装置であって、
前記表示機能部に表示される画面として、画面が切り替わってから該画面に対応して前記他の機能部の機能が働く第1の画面と、画面が切り替え中であっても前記他の機能部の機能が働く第2の画面とを有し、
前記制御手段は、前記表示機能部に表示される画面が切り替え中のときには、切り替え後の画面が前記第1の画面の場合に前記第2の画面の場合に比して、前記分割の単位となるライン数が大きくなるよう変更する手段である
情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記表示機能部に表示される画面が切り替え中ではないときには、切り替え中に比して、前記分割の単位であるライン数が小さくなるよう変更する手段である請求項5または6記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか1項に記載の情報処理装置と、
筐体内に収容される印刷機構と、
を備え、
前記表示パネルは、前記筐体に対して可動するよう該筐体に取り付けられ、
前記制御手段は、前記筐体内に収容され、画像データに基づく画像が印刷されるよう前記印刷機構を制御する手段であり、
前記複数の信号線は、前記筐体と前記表示パネルとに亘って配設されてなる
印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−84062(P2013−84062A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222195(P2011−222195)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】