説明

情報処理装置とその制御方法及び印刷装置とその制御方法

【課題】複数のユーザが出力対象を一緒に見ながら出力予約を行う場合において、出力後に、出力された物をユーザ毎に仕分ける作業を不要とすること。
【解決手段】複数のユーザを分類し、分類された複数のユーザによりばらばらに選択された複数の出力対象を、ユーザごとに選択された出力対象としてまとめ、そのまとめられた出力対象をユーザごとに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、特に、画像データ等を印刷可能なプリンタ等の印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、印刷装置はキーやタッチパネル等のユーザ操作手段を備え、ユーザが印刷についての各種の設定、および印刷データの入力操作等が行えるものが登場してきている。例えばタッチパネルを用いる場合、印刷装置は、画面上にソフトキーや各種のメニューなどグラフィカルユーザインターフェース(以下、「GUI」と言う)を表示する。そしてユーザがそのGUIにタッチすることにより、それに対応する各種機能の実行や文字、数値の入力が可能となってきている。また印刷しようとする出力対象が複数存在する場合、印刷装置は印刷対象を順次表示することや、その対象の一覧の表示を行う。またユーザが印刷を希望する対象に直接触れることなどにより、ユーザはその対象を印刷対象とするように指定(以下、「印刷予約」と言う)することが可能になっている。
【0003】
特許文献1には、複数のユーザから発行された印刷ジョブを同一ユーザの印刷ジョブが連続して実行されるように並び替えることで、同一ユーザの印刷物の間に他のユーザの印刷物が混在するのを防止する技術が開示されている。
【0004】
また特許文献2には、複数の利用者の印刷ジョブが蓄積手段に蓄積されている場合、同一の利用者の印刷ジョブが連続して印刷されるように蓄積手段の印刷ジョブの印刷順を変更し印刷する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、画像データと共にメモリに記憶されているプリントジョブの設定により、ジョブ間に間仕切り紙を挿入する技術や排紙するビンを変更する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−212888号公報
【特許文献2】特開2008−090385号公報
【特許文献3】特開2001−270163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら従来の構成では、画面上に印刷対象を順次または一覧表示し、複数のユーザが印刷対象を一緒に見ながら各々のユーザが印刷予約を行う場合、どのユーザがどの印刷対象に対して印刷予約をしたか特定することができなかった。そのため、各ユーザが印刷予約した印刷対象が混在した状態で印刷され、印刷後にあらためて、どのユーザがどの印刷対象に対して印刷予約をしたかを確認しながら印刷された物を仕分ける作業が必要であった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複数のユーザが出力対象の出力予約を行う場合において、これまで必要としていた出力後に出力された対象をユーザ毎に仕分ける作業を不要とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明の情報処理装置は1つまたは複数の出力対象を表示する表示手段と、表示手段に表示された出力対象を選択する指示入力を受け付ける入力手段と、入力手段で受け付けた指示入力に基づいて、指示入力の分類を判定する判定手段と、指示入力により選択された出力対象を、判定手段によって判定された分類に対応付けて登録する登録手段と、登録手段で登録された出力対象を、分類ごとにまとめて出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の情報処理装置の制御方法は、1つまたは複数の出力対象を表示手段が表示する表示工程と、前記表示手段に表示された出力対象を選択する指示入力入力手段が受け付ける入力工程と、前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定手段が判定する判定工程と、前記指示入力により選択された出力対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録手段が登録する登録工程と、前記登録手段で登録された出力対象を、前記分類ごとにまとめて出力手段が出力する出力工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の印刷装置は、1つまたは複数の印刷対象を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された印刷対象を選択する指示入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定する判定手段と、前記指示入力により選択された印刷対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録する登録手段と、 前記登録手段で登録された印刷対象を、前記分類ごとにまとめて印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の印刷装置の制御方法は、1つまたは複数の印刷対象を表示手段が表示する表示工程と、前記表示手段に表示された印刷対象を選択する指示入力を入力手段が受け付ける入力工程と、前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定手段が判定する判定工程と、前記指示入力により選択された印刷対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録手段が登録する登録工程と、前記登録手段で登録された印刷対象を、前記分類ごとにまとめて印刷手段が印刷する印刷工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
複数のユーザが出力対象の出力予約を行う場合において、これまで必要としていた出力後に出力された対象をユーザ毎に仕分ける作業を不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の目的を、タッチパネル手段を備え、ユーザがタッチパネルを通じて各種の指示や入力をすることができる情報処理装置で実現した。
<実施形態1>
本発明の情報処理装置の実施形態1における印刷装置を例に詳細を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例による印刷装置の外観の一例を示す斜視図である。
【0015】
図1において、印刷装置11は、タッチパネル(画面)12、キー操作部13、データ入力部14、給紙部15、排紙部16および印刷部17(図示せず)を備える。
【0016】
図2は、本発明の実施形態1による印刷装置が複数のユーザにより使用されている状況を示す図である。
【0017】
図2(a)は、複数のユーザが出力対象である印刷対象に対して指示入力を与えることで印刷予約を行う様子を示している。また図2(b)は、タッチパネル(画面)12上に印刷対象を表示し、表示された印刷対象に対して、複数のユーザがタッチパネル(画面)12に対してタッチ操作によって印刷予約を行う様子を示している。
【0018】
図3は、実施形態1における印刷装置の各構成ブロックのつながりを示す図である。
【0019】
図3には図示されていないが、印刷装置はCPU(Central Processing Unit)30を備え、以下の構成ブロック全体をコントロールしている。
【0020】
入力手段であるタッチパネル(画面)31は、メニュー選択、画面表示、印刷設定など、機器の操作を行う。またタッチパネル(画面)31は、タッチ操作を行ったユーザの指やペンの種類や座標の検知を行い、またタッチ操作を行ったユーザの分類を行う。 データ入力部32は、画像等のデータを入力するためのものである。データ入力部32は、メモリカードやCD−ROM等の記憶媒体を読み取るためのドライブ、デジタルカメラなどの撮像装置、あるいは、通信ラインを介して外部装置からデータを入力するための装置などから構成される。
【0021】
位置データ処理部33は、タッチパネル(画面)31上のユーザのタッチ操作を受けて、出力された指示位置データを処理しユーザを分類する。また、処理された位置データを画面表示や印刷等の動作における各種設定データとして出力する。
【0022】
登録手段34は、位置データ処理部33からの各ユーザの分類に対応付けて各種設定データを登録する。登録手段34には、ユーザ情報、各ユーザが印刷予約した印刷対象、印刷形式、印刷サイズなどの情報が保存される。また、タッチパネル操作の補助となる文字、ボタン、メニューなどのデータが予め保存されている。
【0023】
データ処理手段35は、位置データ処理部33からの指示位置に基づいて、登録手段34のデータを参照しながらデータ記憶部351の内容から必要なものを抽出して表示制御部36、印刷制御部37へデータを受け渡す。
【0024】
データ記憶部351は、データ入力部からの出力データを処理して保存する記憶部であり、ここには各種形式の画像や文書等のデータが保存される。
【0025】
表示手段は、表示制御部36と表示部38で構成される。表示制御部36は、CPU30の指示に基づきタッチパネル(画面)31に表示する信号を生成する。
【0026】
表示部38は、タッチパネル(画面)31の表示部であり、タッチパネルの背面に、ユーザ指示を受けるための画面を表示する。表示部38は、液晶表示装置などで構成され、データ記憶部351の記憶内容や、設定記憶部に予め組み込まれているタッチパネル操作の補助となる文字、ボタン、メニューなどが表示される。
【0027】
印刷制御部37は、印刷部39への出力を行う。
【0028】
またデータ処理手段35は、位置データ処理部33からの指示に基づいて、登録手段34のデータを参照しながらデータ記憶部351の内容から必要なものを抽出して表示制御部36、印刷制御部37へデータを受け渡す。
【0029】
印刷部39は、印刷対象の印刷を実行する。印刷部39は、熱転写プリンタやインクジェットプリンタなどで構成され、登録手段34に格納されたユーザの設定に従ってデータ記憶部351の記憶内容を印刷する。
【0030】
図4は、実施形態1による印刷装置を複数のユーザが使用する際に、タッチパネル(画面)31に表示されるGUI画面の移行を示す図である。
【0031】
実施形態1では、タッチパネル(画面)31に順次表示される各画像(印刷対象)に対して2以上のユーザが印刷予約を行う。そして画像表示終了後に、各ユーザが印刷予約を行うことで、当該ユーザの印刷予約した印刷対象が印刷されると言うプロセスを経る(以下、「2以上のユーザによる印刷予約プロセス」と言う)。
【0032】
初期画面401において、CPU30により表示制御部36は初期画面を表示し、上述の「2以上のユーザによる印刷予約プロセス」に入ることをユーザに知らせる。初期画面401で、ユーザが「写真を見ながら印刷したい写真にタッチで印刷する」、2以上のユーザによる印刷予約プロセスに入る選択を行うと、画面402に移行する。
【0033】
画面402において、表示制御部36は、ユーザ全員が画面にタッチすることを促す画面を表示する。ユーザによる画面へのタッチ操作があって所定の時間(たとえば3秒など)が経過すると、タッチパネル(画面)31は画面403に移行する。
【0034】
画面403において、表示制御部36は、ユーザの画面タッチに基づき、それぞれのユーザが印刷対象に対して印刷予約するときにタッチすべき箇所を示す。所定箇所へのタッチ操作によって、位置データ処理部33は各ユーザの分類を行い、登録手段34は、ユーザごとの印刷予約を記憶する。なお、本発明の印刷装置が後述するような入力手段を別に有するときは、画面402と画面403は省略可能である。
【0035】
画面404において、「次へ」ボタンがタッチされるなどユーザによる所定の操作があったとき表示制御部36は、画面403から移行した画面、すなわち印刷対象の画像を表示する。本画面において、表示制御部36は、データ入力部32から読み取った画像データを表示するとともに、各ユーザが印刷予約するときタッチすべき箇所(画面403で表示したもの)を半透明効果などにより重畳して表示する。
【0036】
画面405と画面406において、表示制御部36は、「次へ」ボタンがタッチされるなどユーザによる所定の操作があったときに、画面404から順次移行する画面を表示する。この画面は、画面404と同様のものである。
【0037】
画面407において、CPU30の指示に基づき表示制御部36は、データ入力部32から読み取った画像データが終了するなど、画像の順次表示が終了した後にこの画面を表示し、印刷予約された印刷対象の印刷を促す。本画面において、各ユーザが印刷指示するためにタッチすべき箇所が表示される。当該箇所は画面404〜画面406で、各ユーザが印刷予約するときにタッチすべき箇所と同じである。すなわち、印刷予約を行ったユーザを分類する入力手段と、印刷指示を行ったユーザを分類する入力手段とを一致させている。これによって、印刷指示をしたユーザがそれぞれ何枚印刷したかをこの画面上で知ることができる。そしてユーザは印刷予約した印刷対象をユーザごとにまとめて印刷することができ、印刷後に印刷物を仕分ける作業が不要になる。データ処理部35は、各ユーザによりばらばらに予約された印刷対象をユーザごとに集めて処理する。
【0038】
印刷プログレス画面408において、ユーザの一人による印刷指示があったときに、CPU30は、当該印刷指示を受付け、そのユーザの分類に対応した印刷対象をまとめて出力する。また、表示制御部36は、当該ユーザが印刷予約した印刷対象を印刷している状態であること知らせるため「Aさんの写真を印刷中−−」などを画面に表示する。一般にこの画面は「印刷プログレス画面」と呼ばれる。印刷指示のあったユーザの印刷対象の印刷が終了すると、画面409へ移行する。
【0039】
画面409において、表示制御部36は、画面407の印刷指示に基づく印刷が終了したことを知らせる画面を表示する。他のユーザが印刷指示を行う場合も画面407と同様の操作が行なわれる。
【0040】
また、全てのユーザの印刷指示が終了し、「終了」ボタンがタッチされるなど、ユーザによる所定の操作があると、表示制御部36は初期画面401における初期画面の表示を行うか、画面表示を終了する。そして全ての印刷が完了したことをユーザに通知する。
【0041】
図5は、実施形態1の印刷装置における登録手段34へ関連データを保持するときのデータ構造を示す図である。すなわち、「2以上のユーザによる印刷予約プロセス」で各画像に対して2以上のユーザが印刷予約を行った際に、その印刷予約を画像データと関連したデータとして、図5に示すようなデータ構造で登録手段34に保持される。図5に示すように、データはXML(eXtensible Markup Language)形式で記述される構造を有する。
【0042】
図5(a)は、順次表示する印刷対象としての画像データがIMG_0001.JPG〜IMG_0010.JPGであることを表している。
【0043】
図5(b)は、画像データIMG_0001.JPGに対して印刷予約したユーザがAおよびBであることを表している。
【0044】
図6は、本発明の実施形態1の印刷装置における「2以上のユーザによる印刷予約プロセス」を実行する際の処理の流れを示すフロー図である。
【0045】
ステップS601:表示制御部36は、タッチパネル(画面)31に初期画面401を表示する。これにより、ユーザは印刷対象を出力する方法を、写真の上にタッチして選択する方法と写真の上に文字を書いて印刷する方法の中から選択する。この場合、タッチの方法が選ばれたとする。
【0046】
ステップS602:印刷装置のCPU30は、タッチの仕方の説明とタッチを促す画面402を表示する。ユーザが画面402上で、自分のタッチエリアを決めるためにタッチ操作を行う。
【0047】
ステップS603:約3秒後に複数のユーザが各々自分がタッチしたエリアを覚えるための画面403を表示する。ここでユーザの登録が完了する。
【0048】
ステップS604:表示制御部36は、ユーザにより画面403のOKボタンがタッチされると、タッチパネル(画面)31に、複数の印刷対象の画面を順番に表示する。まず画面404が表示される。複数のユーザは、この画面上の印刷対象が必要な場合、画面403で覚えた自分のエリアをタッチする。ユーザは選択が完了すると、次をタッチする。
【0049】
しかしながら、もし特定のユーザが印刷対象の出力を急ぐ場合、全ての印刷対象についてユーザが選択する前、すなわちこの時点において、ユーザが印刷へ移行するボタン(図示せず)をタッチすることにより、S609へ移行しても良い。
【0050】
ステップS605:「次へ」ボタンがタッチされるなどユーザによる所定の操作が行われると、CPU30は、ユーザにより印刷対象の選択があったか否かを判定する。
【0051】
もし選択されたと判断した場合、S606へ移行する。
【0052】
もし選択されていない場合は、S607へ移行する。
【0053】
ステップS606:位置データ処理部33は、ユーザがタッチしたタッチパネルのエリアから、この印刷対象を選択したユーザを判定する。
【0054】
ステップS607:CPU30は、その判定結果を登録手段34に登録する。
【0055】
ステップS608:CPU30は、ユーザへ表示する印刷対象がこれ以上ないか否かを判断する。もしこれ以上の印刷対象がない場合は、S608へ移行する。もしまだ印刷対象がある場合は、S604へ戻り、S604とS605のステップを繰り返す。これにより、画面405と画面406が表示され、それぞれの印刷対象を選択したユーザが登録される。
【0056】
ステップS609:表示制御部36は画面407を表示し、各ユーザの選択した印刷対象数をユーザに知らせ、印刷準備が完了したことをユーザに知らせる。
【0057】
ステップS610:ユーザAが、画面403で覚えた自分のエリアをタッチする。
【0058】
ステップS611:印刷制御部37は、ユーザAの選択した3枚の印刷対象を印刷する。それと並行して、表示制御部36は、表示部38に印刷の処理状況、例えば「Aさんの写真を印刷中−−」「1/3頁」などを示す画面408を表示する。
【0059】
ステップS611:印刷が完了すると、表示制御部36は、次のユーザに対して印刷対象の印刷を促す画面409を表示する。画面409では、ユーザAの印刷指示の実行が終了したことをチェックマークで示している。
【0060】
全てのユーザの印刷指示が終了し、「次へ」ボタンがタッチされるなど、ユーザによる所定の操作があったとき、CPU30は初期画面401の表示を行うか、画面表示を終了する。
【0061】
尚、この例では、印刷対象は1枚ごとに、タッチパネルに表示され、ユーザがタッチパネルの所定のエリアにタッチすることで、選択した。しかし、もし写真の上にユーザが文字を書いて印刷する方法を選択する方法を用いる場合、例えばタッチパネルの画面を4分割することで4枚の印刷対象を表示する。そして、ユーザはタッチパネルに表示された所望の印刷対象の上に文字を書くことで、印刷対象を選択することが可能となる。これにより、ユーザが選択する時間を節約できる。
【0062】
以上のように、予め各ユーザがタッチすべきタッチパネル上の位置を特定した上で、そのユーザが当該箇所にタッチして出力予約を行う場合、出力指示を行う場合もそのユーザがタッチすべき位置にタッチすることで、当該ユーザの出力が実行される。これによって、ユーザごとに出力することができ、出力物を管理することができる。また出力対象が写真で、フォトペーパーなどに印刷するとき、全ユーザの出力予約を一括して行うと各ユーザの出力物が混在し、ユーザが再度出力物を確認しなければならなかったという課題も解決することができる。
<実施形態2>
本発明の情報処理装置は、入力手段を備え、ユーザのタッチパネルを通じた各種の指示入力をユーザごとに分類することができる装置であればよい。
【0063】
図7は、実施形態2による情報処理装置の外観の一例を示す図である。
【0064】
情報処理装置71は、表示部73、タッチパネル72、制御部74、外部接続部75を備える。
【0065】
タッチパネル72は、制御部74に予め保存されている操作に必要な画面、文書等のドキュメント、音声・音楽、写真・動画等のデータを表示する。
【0066】
制御部74は、制御手段としてのCPUと、制御プログラムや操作のために必要な画面やユーザの作成したデータなどを記憶する記憶手段と、タッチパネル72から入力された各データを記憶するメモリ(RAM)などから構成される。
【0067】
外部接続部75は、SDカード、ハードディスク、USBメモリ、CDなどの可搬記憶媒体、あるいは、電子メールや赤外線通信などの外部通信手段を介して、データの入力・出力を行う手段である。
【0068】
情報処理装置71は、タッチパネル72に、制御部74あるいは外部接続部75を介して取得される文書等のドキュメント、音声・音楽、写真・動画等のデータを順次表示する。表示される文書等のドキュメント、音声・音楽、写真・動画等のデータは、一般にコンテンツなどと呼ばれ、ユーザが希望する場合に出力の対象となる。本発明では上記出力の対象となる文書等のドキュメント、音声・音楽、写真・動画等のデータのことを「出力対象」と呼ぶ。
【0069】
タッチパネル72に表示された出力対象の出力を希望するユーザは、タッチパネル72へのタッチ操作により、出力予約を行うことができる。
【0070】
情報処理装置71は、入力手段(図示せず)を有しており、各ユーザのタッチ操作を分類することができるため、ユーザごとに出力予約を振り分けて管理することができる。自分の予約した出力対象の出力を希望するユーザが出力指示を行うと、情報処理装置71は出力を実行する。
【0071】
また、実施形態2における情報処理装置として、図8〜図11に示す形態とすることもできる。
【0072】
図8は、実施形態2による撮像装置の別の一例を示す図である。
【0073】
撮像装置81は、撮像装置81の内部に保存された画像・動画、あるいは、外部接続部を介し外部の記憶手段に保存された画像・動画等を出力対象としてタッチパネル82に順次表示する。表示される出力対象の出力を希望するユーザはタッチパネル82へタッチ操作を行うことにより、出力予約を行う。
【0074】
また撮像装置81は、図示しない入力手段によって、各ユーザの出力予約を分類することができ、ユーザごとに出力予約を振り分けて管理することができる。
【0075】
図9は、更に実施形態2における画像表示装置のもう一つの別の一例を示す図である。ここでいう画像表示装置とは、外部接続部等を介して取得した画像・動画を順次ディスプレーに表示することができる装置であり、デジタルフォトフレームなどと呼ばれるものである。
【0076】
画像表示装置91は、画像表示装置91の内部に保存された画像・動画、あるいは、外部接続部を介し外部の記憶手段に保存された画像・動画等を出力対象としてタッチパネル92に順次表示する。表示される出力対象の出力を希望するユーザはタッチパネル92へタッチ操作を行うことにより、出力予約を行う。
【0077】
また画像表示装置91は、図示しない入力手段によって、各ユーザの出力予約を分類することができ、ユーザごとに出力予約を振り分けて管理することができる。
【0078】
図10は、実施形態2における音楽再生装置の一例を示す外観図である。ここでいう音楽再生装置とは、外部接続部等を介して取得した画像・動画をディスプレーに表示したり、音楽ファイルを再生したりできる装置であり、音楽プレーヤーあるいはメディアプレーヤーなどと呼ばれるものである。
【0079】
音楽再生装置101は、音楽再生装置101の内部に保存された画像・動画・音楽ファイル、あるいは、外部接続部を介し外部の記憶手段に保存された画像・動画・音楽ファイル等を出力対象としてタッチパネル102に順次表示する。表示される出力対象の出力を希望するユーザはタッチパネル102へタッチ操作を行うことにより、出力予約を行う。音楽再生装置101は、入力手段(図示せず)によって、各ユーザの出力予約を分類することができ、ユーザごとに出力予約を振り分けて管理することができる。
【0080】
図11は、実施形態2における携帯電話の一例を示す図である。
【0081】
携帯電話111は、携帯電話111の内部に保存された画像・動画・音楽ファイル、あるいは、外部接続部を介し外部の記憶手段に保存された画像・動画・音楽ファイル等を出力対象としてタッチパネル112に順次表示する。表示される出力対象の出力を希望するユーザはタッチパネル112へタッチ操作を行うことにより、出力予約を行う。携帯電話111は、入力手段(図示せず)によって、各ユーザの出力予約を分類することができ、ユーザごとに出力予約を振り分けて管理することができる。
<実施形態3>
本発明の入力手段は実施形態1で説明したように、タッチパネル上においてあらかじめ各ユーザがタッチすべき箇所を特定した上で、そのユーザが当該箇所にタッチして出力予約や出力指示を行うものである。しかし、本発明の趣旨を逸脱しないで、次の形態に変更することも容易である。
【0082】
入力手段の一形態として、本発明の情報処理装置のタッチパネルに、特開2006−34514号公報に開示される画像取込み機能を備えた表示装置を用いることができる。
【0083】
当該表示装置によれば、画面へのタッチ操作時の画面スキャン画像から、ユーザの指紋パターンによる指紋認識、あるいは、画面に対する指の方向を特定することができ、2以上のユーザを分類することが可能である。
また別の入力手段の一形態として、本発明の情報処理装置のタッチパネルに、特開2003−345511号公報に開示されるタッチパネルを用いることができる。
【0084】
当該タッチパネルによれば、タッチパネルへの操作時に検出される検出点の面積を判断することができ、たとえば、ユーザごとに接触面積の異なる指示ペンを用いてタッチ操作を行うことで、2以上のユーザを分類することが可能である。
【0085】
さらに、本発明の情報処理装置のタッチパネルに、特開2008−171066号公報に開示されるタッチパネルを用いることができる。当該タッチパネルによれば、タッチパネルへの図形情報の入力、いわゆる手書きジェスチャー認識ができ、たとえば、ユーザごとに異なる手書きジェスチャー入力を行うことで、2以上のユーザを分類することが可能である。
【0086】
本発明の情報処理装置のユーザ分類はタッチパネルを介した手段に限定されず、音声認識等の手段を用いてもよい。特開2000−181292号公報に開示される音声認識手段によると、認識した音声が登録された単語と同一であるか否かを判定することができ、たとえば、名前などのユーザごとに異なる単語を用いることで、音声による2以上のユーザの分類が可能である。
【0087】
また、特開2007−241130号公報に開示される音声認識手段によると、声紋を利用することにより個人を特定することができ、2以上のユーザを分類することが可能である。
【0088】
図12は、実施形態3における情報処理装置の出力形態の例を説明する図である。
【0089】
図12の(a)に示すように、各ユーザ121の出力予約した出力対象の出力は、フォトペーパー122などの紙媒体への印刷が可能である。
【0090】
また外部接続手段を介して、電子データとして出力することも可能である。
【0091】
例えば、図12の(b)に示すように、本発明の印刷装置に電子メール送信手段を設け、登録したメールアドレスに電子メール123で出力できる。また、赤外線通信などの無線通信手段、通信ケーブルなどを介した外部接続手段を設け、PCなどの外部装置の記憶手段に出力することもできる。
【0092】
さらに図12の(c)に示すように、印刷装置にデータ出力部を設け、メモリカード、USBメモリ、CD、DVD等の可搬記憶媒体124に出力することもできる。また図12の(d)に示すように、これらの出力形態は一形態に限定されず、ユーザごとに出力形態を変えることもできる。
【0093】
以上説明したように、本発明によれば、入力手段によって各ユーザの出力予約が分類されるため、ユーザごとに出力予約を振り分けて管理することができる。
【0094】
尚、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0095】
この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0096】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0097】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0098】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施形態1による印刷装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1による印刷装置が使用されている状況の一例を示す使用状態例説明図である。
【図3】本発明の実施形態1による印刷装置の構成ブロックを示す図である。
【図4】本発明の実施形態1による印刷装置を利用する際のGUI画面の移行を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1による印刷装置の設定記憶部における保持用のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1の印刷装置を利用する際の処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態2による情報処理装置の外観の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2による撮像装置の外観の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2による画像表示装置の外観の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態2による音楽再生装置の外観の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態2による携帯電話の外観の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態3による情報処理装置の出力形態の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0100】
11 印刷装置
12 タッチパネル(画面)
13 キー操作部
14 データ入力部
15 給紙部
16 排紙部
17 印刷部(図示なし)
30 CPU(図示なし)
31 タッチパネル(画面)
32 データ入力部
33 位置データ処理部
34 データ処理部
341 設定記憶部
342 データ記憶部
35 表示制御部
36 印刷制御部
37 表示部
38 印刷部
71 情報処理装置
72 タッチパネル
73 表示部
74 制御部
75 外部接続部
81 撮像装置
82 タッチパネル
91 画像表示装置
92 タッチパネル
101 音楽再生装置
102 タッチパネル
111 携帯電話
112 タッチパネル
121 ユーザ
122 印刷物
123 電子メール
124 可搬記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の出力対象を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された出力対象を選択する指示入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定する判定手段と、
前記指示入力により選択された出力対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された出力対象を、前記分類ごとにまとめて出力する出力手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入力手段はタッチパネルを有し、
前記判定手段は、前記指示入力の前記タッチパネルへの指示位置により当該指示入力を分類することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記指示入力を行った指の指紋を認識する指紋認識手段を有し、
前記指紋認識手段により認識された指紋パターンに基づいて当該指示入力の分類を判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力手段は、タッチパネルを有し、
前記判定手段は、前記指示入力の前記タッチパネル上の指の方向を特定することにより当該指示入力を分類することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入力手段は、タッチパネル手段を有し、
前記判定手段は、前記指示入力の前記タッチパネル上の手書きジェスチャーにより当該指示入力を分類することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記分類ごとに異なる出力形態で出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
1つまたは複数の出力対象を表示手段が表示する表示工程と、
前記表示手段に表示された出力対象を選択する指示入力手段が受け付ける入力工程と、
前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定手段が判定する判定工程と、
前記指示入力により選択された出力対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録手段が登録する登録工程と、
前記登録手段で登録された出力対象を、前記分類ごとにまとめて出力手段が出力する出力工程と
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか1項記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
1つまたは複数の印刷対象を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された印刷対象を選択する指示入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定する判定手段と、
前記指示入力により選択された印刷対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された印刷対象を、前記分類ごとにまとめて印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
1つまたは複数の印刷対象を表示手段が表示する表示工程と、
前記表示手段に表示された印刷対象を選択する指示入力を入力手段が受け付ける入力工程と、
前記入力手段で受け付けた前記指示入力に基づいて、当該指示入力の分類を判定手段が判定する判定工程と、
前記指示入力により選択された印刷対象を、前記判定手段によって判定された分類に対応付けて登録手段が登録する登録工程と、
前記登録手段で登録された印刷対象を、前記分類ごとにまとめて印刷手段が印刷する印刷工程と
を備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−131947(P2010−131947A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312491(P2008−312491)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】