説明

情報処理装置及び、その画面表示方法

【課題】 入力した数値や文字に誤入力がないかの確認を利用者に促すとともに、入力内容が間違っていないと確信を持つ利用者でも誤入力に気付きやすく、確認方法が視覚的にわかりやすい情報処理装置及び、その画面表示方法を提供する。
【解決手段】 所定の形式で入力欄210への入力を受け付ける入力画面200を表示装置102に表示し、入力欄210に金額などの数値や文字を入力した際に、入力した数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を、入力した入力欄210の近傍に表示される確認ウインドウ250内に表示するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の形式で入力欄への入力を受け付ける情報処理装置とその画面表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを通じて各種のサイトに接続し、これらサイトの入力画面に所定の情報を入力することで、各種の情報を取得することができる。これらのサービスは、単に情報の取得だけでなく、通信販売やインターネットバンキングなど広く普及している。
【0003】
これらサイトの入力画面は、サービスを提供するのに必要な情報を入力項目ごとに分離し、これら分離した入力項目の入力欄からの入力を受け付ける方式が一般的である。
【0004】
例えば、販売サイトの入力画面は、発注者の氏名と、品名と、金額と、納期などの入力欄が用意され、これら入力欄に所定の入力を行うことにより、これらの入力を受け付けるものである。これらの入力方法は、インターネットのサービスだけでなく、銀行のATM(現金預け入れ支払機)などの専用端末機だけでなく、パーソナルコンピュータの設定画面やこれら機器にインストール可能なソフトウエアーの入力画面でも広く普及している。
【0005】
一方、これら従来の入力画面では、各入力欄への誤入力を軽減するために各種の提案がなされている。例えば、数字入力装置の従来例では、入力された数字を所定の桁ごとに区切る区切り制御部と、この区切り制御部で所定の欄ごとに区切った位置にコンマあるいは読点を入力するコンマ読点入力部を設け、通常の漢数字変換と同時に所定桁ごとに区切りを行うとともに、区切った位置にコンマや読点を挿入する技術を採用している。
【0006】
また、文書作成支援装置の従来例では、数値及びその尺度を示す単位からなる文字列が入力されたときには、その数値が他の単位の値に換算され、その結果の値を示す数字と当該単位とを付属させた文字列がかな漢字変換結果における同音語の場合と同様に変換候補として扱う技術が開示されている。
【0007】
更には、一連の入力を入力画面で行った後に、入力した内容が間違っていないか確認を促すために、一連の入力内容を全て確認画面において一度に再表示するといった画面表示方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−246749号公報
【特許文献2】特開平6− 96064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の入力画面は、必要な情報を入力項目ごとに入力することができるから非常に便利である。しかし、金額や数量などの誤入力が大きな課題である。
【0010】
上記特許文献1に示される従来例によれば、所定の桁ごとにコンマや読点が付されるために、このコンマや読点の数をみれば誤入力をある程度軽減することができる。しかし、桁数が多くなると、この改善策にも課題が残る。例えば、「1000」を「1,000」に変換すれば誤入力を防ぐことができるものの、「1000000」を「1,000,000」に、さらに「10000000000」を「10,000,000,000」に変換するなど、桁数が多くなると、その後入力を認識しづらくなる。特に、高額の取り扱いに不慣れな利用者にはとても不安な入力方法である。
【0011】
また、上記特許文献2に示される従来例では、利用者が自ら数値を変換しない限り、誤入力があっても気付きにくいという点と、複数の入力候補から特定の候補を選択する煩わしさが課題である。しかも、この従来例は、そもそもあまり馴染みのない単位で長さや重さを入力する場合の入力方法であって、その目的は、度量衡換算を伴う文書作成にあたってのオペレータの作業負担を軽減することを目的とするものである。したがって、誤った入力に基づいて、なじみのない数値に変換されても、入力内容が誤っているか否かを判定することができない課題がある。
【0012】
更に、一連の入力内容を全て確認画面において一度に再表示する従来例では、利用者が自ら入力した数値や文字がそのまま表示されるために誤入力に気付きにくいという点と、自分が入力した内容に確信を持つ利用者が確認せずに入力を完了させてしまうという課題がある。
【0013】
そこで、この発明の目的とするところは、入力した数値や文字に誤入力がないかの確認を利用者に促すとともに、入力内容が間違ってないと確信を持つ利用者でも誤入力に気付きやすく、確認方法が視覚的にわかりやすい情報処理装置及び、その画面表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、この発明に係る情報処理装置及び、その画面表示方法では、所定の形式で入力欄への入力を受け付ける入力画面を表示装置に表示し、入力欄に金額などの数値や文字を入力した際に、入力した数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を、入力した入力欄の近傍に表示される確認ウインドウ内に表示するようにする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、数値や文字を入力した入力欄の近傍に、入力した数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を表示するので、意図した数値や文字と合っているかどうかの確認を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明に係る通信販売サービスシステムの概略構成図である。
【図2】この発明に係る通信販売サービスシステムの辞書DBのデータ構成図である。
【図3】この発明に係る通信販売サービスシステムの動作フロー図である。
【図4】この発明に係る通信販売サービスシステムの確認ウインドウの他の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から図4を参照して、本発明に係る情報処理装置及び、その入力画面の表示方法を具体的に説明する。以下の説明では、ネットワークを利用した通信販売サービスシステムに適用した実施例で説明するが、これに限定されるものではない。例えば、他のネットワークを利用したサービスシステムや各種の専用端末、あるいはパーソナルコンピュータ自身のシステムや、このシステムにインストールされる各種のソフトウエアーにも適用することができる。
【0018】
ここで、図1は、この発明に係る通信販売サービスシステムの概略構成図である。図2は、辞書DBのデータ構成図である。図3は、動作フロー図である。図4は、確認ウインドウの他の実施例である。
【0019】
先ず、図1を参照して、この発明を、ネットワークを利用した通信販売サービスシステムに適用した実施例で説明する。ここで、図1は、この発明に係る通信販売サービスシステムの概略構成図である。
【0020】
図1において、この通信販売サービスシステムは、この通信販売サービスシステムにネットワーク10を介して参加する利用者端末(データ処理装置)100と、この利用者端末100に各種の情報を提供する通販ホストサーバ(通信販売ホストサーバ)20とを含んで構成される。ここで、図1では、説明を簡略するために、利用者端末100を1個で図示しているが多数参加することができる。また、通販ホストサーバ20も説明を簡略するために1個で図示しているが、複数のサーバからなるシステムで構成することができる。
【0021】
利用者端末100は、端末本体101と、表示装置102と、キーボード103と、マウス104と、スピーカ105とを含んで構成される極一般的なパーソナルコンピュータで利用することができる。ここで、端末本体101は、ネットワーク10に接続可能な通信装置106と、各種の情報やプログラムを格納することができる記憶装置107と、この利用者端末100を統括的に制御する制御装置108を含んで構成される。もちろん、図1では、デスクトップ型のパーソナルコンピュータで図示しているが、デスクトップを表示画面上に表示可能な表示装置を備えたノート型のパーソナルコンピュータや、キーボードやマウスを必要としないモバイル端末でもこの通信販売サービスシステムに参加することができる。
【0022】
前記通販ホストサーバ20は、この通販ホストサーバ20を統括的に制御する販売管理サーバ21と、この通販ホストサーバ20をネットワーク10に接続するための通信装置22と、各種の情報を格納する記憶装置30とを含んで構成される。記憶装置30には、この通販ホストサーバ20を円滑に動作させるための各種のプログラムや情報が格納されている。例えば、顧客情報を管理するための顧客管理DB(データベース)31と、商品を管理するための在庫管理DB(データベース)32と、顧客との取引の履歴を格納する履歴DB(データベース)33と、発注画面(入力画面)の各入力欄ごとに設定される辞書DB(データベース)34とを含んで構成する。
【0023】
この通信販売サービスシステムに参加する利用者端末100はネットワーク10を介してネットワーク10上に開設する通信ホストサーバ10が開設する通販サイトに接続することができる。そして、利用者端末100は、この通販サイトから例えば図1に示す発注画面(入力画面)200を取得することができる。
【0024】
この発注画面200は、利用者端末100の要求に基づいて、販売管理サーバ21が生成して利用者端末100に提供するものであり、発注に必要な情報を複数の分割された入力欄210を通じて入力することができる。例えば、この発注画面200では、発注者の入力欄210として、「姓」入力欄212と「名」入力欄213が準備され、品名は「品名」入力欄214が準備され、金額は「金額」入力欄215が準備され、納期として、「年」入力欄216、「月」入力欄217、「日」入力欄218がそれぞれ準備されている。
【0025】
利用者は、キーボード103やマウス104を利用してカーソルを各入力欄210に移動させて、キーボード103を用いて必要な情報を入力することができる。そして、OKボタン201を操作することにより、これらの入力内容が通販ホストサーバ20に送信され、発注手続を行うことができる。
【0026】
そして、この通信販売サービスシステムの大きな特徴の1つは、入力欄210に金額などの数値や文字を入力した際に、入力した数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を、入力した入力欄210の近傍に表示される確認ウインドウ250内に同時に表示することで、利用者が意図した数値や文字と合っているか否かの確認を促す「誤入力防止のための入力確認サービス」を採用した点にある。
【0027】
例えば、図1に示す発注画面200では、「金額」入力欄215にカーソル201がセットされ、「1000000」を入力した状態を示している。この実施例の「金額」入力欄215では、「1」を入力した後に「0」を6個入力する。しかし、桁数の少ない金額であれば誤入力の可能性が少ないが、この入力例のように「0」の個数が多くなると、利用者は、この入力した金額に不安を抱くことになる。特に、高額の入力に不慣れな利用者には大きな不安となる。
【0028】
従来技術においては、3桁ごとにコンマを付す技術が知られているが、コンマを付しても、このコンマの数が多くなれば、多数の「0」の数と同じ課題がある。
【0029】
そこで、この実施例に係る通信販売サービスシステムの「誤入力防止のための入力確認サービス」では、「金額」「日付」「時間」などの属性情報が設定される複数の入力欄210を備えた入力画面(発注画面)200と、前記属性情報に対応した辞書DB34と、この誤入力防止のための入力確認サービスを動作させるためのプログラムDBを準備する。そして、このプログラムDBを実行する制御部が、入力画面(発注画面)200上のカーソル位置から入力中または入力済の入力欄210を判定して、この入力欄210の近傍に確認ウインドウ250を表示し、この入力欄210に入力された金額などの数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を、この属性に対応した辞書DB34から抽出し、その抽出した表現を確認ウインドウ250内に表示するように動作する。
【0030】
このプログラムDBを実行する制御部は、通販ホストサーバ20の販売管理サーバ21または利用者端末100の制御装置108で独自に動作させたり、あるいは両制御部で分担して動作させることができる。
【0031】
例えば、販売管理サーバ21が実行する場合は、「誤入力防止のための入力確認サービス」の入力画面(発注画面)200を販売管理サーバ21内で動作させ、この動作内容を利用者端末でモニタしながら操作指示する手法と、利用者端末100に提供した入力画面(発注画面)200を販売管理サーバ21が常に監視して動作させる手法などがある。
【0032】
また、例えば、利用者端末100の制御装置108で動作させる場合は、利用者端末100が通販ホストサーバ20にアクセスした際に、少なくとも辞書DBとプログラムDBをダウンロードさせる手法や、プログラムDBを作成した制作会社のサービスサイトにネットワーク10を介して接続してプログラムDBをダウンロードしたり、あるいは、このプログラムDBを格納した記録媒体を購入してインストールする手法がある。
【0033】
更に、販売管理サーバ21と利用者端末100が分担して行う場合は、利用者端末100が販売管理サーバ21にアクセスした際、または、入力画面(発注画面)200を利用者端末100に提供する際に、データ量の小さい簡単な辞書DBとプログラムDBを提供し、基本的な入力確認サービスは利用者端末100の制御装置108で動作させ、複雑な入力確認サービスについてはプログラムDBの動作指示に従って販売管理サーバ21にアクセスさせて販売管理サーバ21が行う手法などがある。
【0034】
この発明に係る「誤入力防止のための入力確認サービス」は、前記何れの手法でも適用することができる。以下の説明では、販売管理サーバ21と利用者端末100が分担して行う事例で説明するが、前記したように、これに限定されるものではない。
【0035】
さて、この「誤入力防止のための入力確認サービス」の基本的な入力確認サービスでは、例えば、「金額」入力欄215に「1000000」と入力したら、入力した「金額」入力欄215の近傍に「100万円」と表記した確認ウインドウ250を表示させることができる。また、「年」入力欄216に「2010」と入力したら、確認ウインドウ250に「平成22年」または「去年」と表示させたりすることができる。
【0036】
更に、例えば、「時間」の入力欄210に「16」と入力したら、入力した入力欄210の近傍に「午後4時」と表記される確認ウインドウ250を表示させることができる。
【0037】
また、例えば、ローマ字で入力する「姓」入力欄212に「watanabe」と入力したら、確認ウインドウ250に「渡辺」と表示させたりすることができる。
【0038】
これらの確認ウインドウ250に表示される内容は、入力欄210に入力された金額などの数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現内容で表示され、その目的は、入力された数値や文字が誤っているか否かの確認を行うための確認表示である。したがって、実際に入力される内容は、あくまで入力欄210に入力された内容となる。更に、入力欄210の入力内容と確認ウインドウ250の表示内容は、同期しているので、入力欄210の入力内容を修正すれば、確認ウインドウ250の表示内容も修正される。
【0039】
また、入力される入力欄210の近傍に表示される確認ウインドウ250に表記されるものは数値や文字に限定されるものではない。
【0040】
例えば、図4(a)図示しない「日付」の入力欄210に、「2011/02/08」と入力したら、「2011/02/08」が選択されたカレンダー220を表記させることもできる。更に、(b)図に示すように、「25000」の表記に代えて、「25000」に対応するお札などの絵221で表記させることができる。同様に、(c)図に示すように、「時間」の入力欄210に、「16」と入力したらアナログ時計の絵222を表示することができる。更に、(d)図に示すように。硬貨(紙幣)のタワー224を表示して、入力欄210の入力内容に合わせて、入力欄210またはタワー224を移動させて、棒グラフのように図示すようにしてもよい。
【0041】
また、この通信販売サービスシステムの大きな特徴の他の1つは、確認ウインドウ250に表示される内容に補足情報を表示することができる。
【0042】
例えば、図示しない「日付」の入力欄210に、「2010/01/01」と入力したら、「平成22年1月1日」に加えて「曜日」を補足情報として表示することができる。
【0043】
また、この通信販売サービスシステムの大きな特徴の他の1つは、確認ウインドウ250においても数値や文字を入力することを可能にした点にある。即ち、入力欄210と確認ウインドウ250の2つの入力エリア内に表示されている数値や文字が、一方の入力内容の変化に応じて同期して変化する。
【0044】
例えば、図示しない、「時間」の確認ウインドウ250の表記内容を「午後4時」から「午後6時」に修正した場合は、対応する図示しない「時間」の入力欄210の数値は「16」から「18」に同期して修正される。
【0045】
また、この通信販売サービスシステムの大きな特徴の他の1つは、確認ウインドウ250に、同じ意味ではない補助情報を表示するようにした点である。
【0046】
例えば、図示しないオークションの入力画面の「金額」入力欄215に「10000」円と入力したら、確認ウインドウ250に、入力した内容と同じ意味の「1万円」に加えて、「最高入札額より1000円高い」との補助情報を表示させることができる。この事例の補足情報では、プログラムDBに辞書DB34の検索時に販売管理サーバ21に検索指示を行う動作フローが設定されている。この検索指示に基づいて販売管理サーバ21が履歴DB33から抽出した内容を追加して確認ウインドウ250に表示する。
【0047】
以下、図2から図3を参照して、この実施例に係る「誤入力防止のための入力確認サービス」を説明する。
【0048】
先ず、図2は、辞書DB34のデータ構成図の一例を示したものである。図2において、辞書DB34は、各入力欄210ごとの設定される属性に対応して設定されるデータの集合体である。この実施例では、属性情報50と、種別51と、表現候補52と、必要に設定される入力欄座標53とを含んで構成される。
【0049】
属性情報50は、例えば、金額、日付、年、月、日、等がある。種別51は、文字や、図などを含んで構成されるものであり、文字の場合は、確認ウインドウ250内に表示され、図の場合は、確認ウインドウ250を、図を構成する部品の1つとして取り扱う。表現候補52は、入力される数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現の複数の候補が格納されている。また、図の場合は、硬貨や紙幣、あるいはカレンダーなどが属性情報50に対応して格納されている。この実施例では、複数の候補があれば、優先順位が設定され、その優先順位に従って抽出される。また、図示しない設定画面に基づいて、選択される候補を設定することもできる。
【0050】
入力欄座標53は、この辞書DB34が特定の入力画面(発注画面)200専用に設定してあれば設定されるものである。この場合、属性情報50を省略することができる。
【0051】
次に、図3と図1を参照して、この実施例に係る「誤入力防止のための入力確認サービス」の動作フローを説明する。ここで、この説明では、前記したように基本的な動作は、利用者端末100の制御装置108が行い、必要により制御装置108が販売管理サーバ21に照会して必要な情報取得して、確認ウインドウ250内に表示する事例で説明するが、前記したように、これに限定されるものではない。
【0052】
先ず、利用者端末100の制御装置108は、キーボード103やマウス104による操作指示を受けて、ネットワーク10を介して、ネットワーク上に開設する通販ホストサーバ20のサイトに接続し、発注画面200の取得を要求する。
【0053】
販売管理サーバ21は前記要求に基づいて、発注画面200と、この発注画面200の動作に必要な辞書DB34と動作プログラムを記憶装置30から読み込んで利用者端末100に送信する。
【0054】
制御装置108は、販売管理サーバ21から取得した情報に基づいて発注画面200を表示装置102に表示し、取得した動作プログラムをロードして辞書DB34を参照しながら図3の動作フローを実行する。
【0055】
図3において、制御装置108は、表示装置102に発注画面200を表示すると、カーソルが入力欄210の何れかに移動したか否かを監視する(ステップ300)。発注画面200の各入力欄210は、この「誤入力防止のための入力確認サービス」が設定されているものについては、属性情報50が設定されている。制御装置108は、カーソルが入力欄210に移動すると、その入力欄210に属性情報50が設定されているかを判定し、設定されていなければ、この入力欄210への入力を受け付け(ステップ203)、ステップ320に移行する(ステップ302)。
【0056】
一方、ステップ302で、入力欄210に属性情報50が設定されている場合は、この入力欄210に入力されたか、あるいは入力されているかを監視する(ステップ304)。このステップ304において、入力されたか、あるいは入力されている場合は、販売管理サーバ21への問い合わせが必要か否かを判定する(ステップ306)。
【0057】
この実施例では、属性情報50に対応して販売管理サーバ21への問い合わせが必要か否かも設定されている。制御装置108は、このステップ306において、問い合わせが必要と設定されているものについては、属性情報50とともに入力内容を付加して販売管理サーバ21へ問い合わせを依頼する。そして、この依頼を受けた販売管理サーバ21は、記憶装置30に格納された情報から必要な情報を取得する(ステップ350)。例えば、販売管理サーバ21は、利用者の履歴DB33から入力内容に対応する情報を取得して、利用者端末100へ返信する。この返信を受けた制御装置108は、ステップ310に移行させる。
【0058】
なお、この実施例では、このサービスを、利用者端末100と通販ホストサーバ20とで分担する事例で説明しているために、前記フローとしているが、利用者端末100の記憶装置107に履歴DB33を作成して、利用者端末100内で完結してもよい。
【0059】
さて、ステップ306において、販売管理サーバ21への問い合わせの設定がなければ、制御装置108は、入力欄210に入力された内容に該当する表現を辞書DB34から抽出して、これを変換する(ステップ308)。そして、入力欄210の近傍に確認ウインドウ250を表示して(ステップ310)、ステップ308で変換した表現を確認ウインドウ250内に表示する(ステップ312)。制御装置108は、これらのステップ310およびステップ312において、販売管理サーバ21からの返信の情報があれば、確認ウインドウ250内に合わせて表示する。
【0060】
そして、入力欄210に入力された内容が変化したか否か(ステップ314)、あるいは、カーソルが入力欄210から移動したか否か(ステップ316)を監視する。ここで、入力内容に変化、即ち入力内容が修正されればステップ306に移行させて、再度、入力内容の変換を行う。また、カーソルが入力欄210または確認ウインドウ250から移動すると、確認ウインドウ250を消去して(ステップ318)、OKボタン201が操作されたかを監視する(ステップ320)。ここで、OKボタン201が操作されないでカーソルが入力欄210に移動するとステップ300を実行する。
【0061】
また、OKボタン201が操作されると、予め設定された必須の入力欄210に入力がなされているかを判定し(ステップ322)。入力されていなければ、警告表示を行って(ステップ324)、ステップ300に移行させる。ステップ322において、必須の入力欄210に入力がなされていれば、制御装置108は、発注画面200の各入力欄210に入力された内容を通販ホストサーバ20に送信して(ステップ326)、この作業を終了する。
【0062】
次に、確認ウインドウ250の表示と消去するタイミングについて、更に説明する。
【0063】
図3の動作フローでは、入力欄210に数値や文字が入力されることによって確認ウインドウ250を表示し(ステップ310)、カーソルが入力欄210から移動することにより、確認ウインドウ250を消去する方式としたが、この動作に限定されるものではない。
【0064】
例えば、確認ウインドウ250を出現させる手法としては、最初から確認ウインドウ250を表示したり、入力欄210からカーソルが外れたタイミングで表示したりすることができる。
【0065】
また、金額の場合、1000(千円)までは認知しやすいが、10000(1万円)になると認知しにくくなるため、最初に入力した入力欄210に数値が4桁以上入力されたタイミングで表示することができる。これにより、確認ウインドウ250を必要な時にだけ表示させることができるから、不要な時の確認ウインドウ250の表示による煩わしさを軽減することができる。
【0066】
同様に、確認ウインドウ250による表示を行うか否かを、過去の入力履歴を参照して、入力された頻度が極端に少ないかどうかによって決めることができる。例えば、インターネットバンキングで振込みを行う際に、「1000000」以上振り込んだことが過去に1度もないにも関わらず、100万以上の金額を入力した場合に、「100万」が表記された確認ウインドウ250を表示させる。更に、このウインドウ250に、「今までで最高の金額」などの補足情報を追記表示してもよい。
【0067】
更に、確認ウインドウ250に表示される内容をあらかじめ設定することができる。例えば、一定の桁数以上入力されたら補助情報を出すなど、補助情報を出す数値の桁数をあらかじめ設定できる。
【0068】
また、確認ウインドウ250を消去するタイミングとしては、OKボタン201を操作することにより一括して表示させてもよい。この場合、OKボタン201の最初の操作では、入力内容を辞書DB34で一括して変換する操作として定義し、2回目のOKボタン201の操作で、入力内容を確定して送信する操作と定義する。この手法は、誤入力防止のための入力確認サービス」を販売管理サーバ21が実行するのに適している。
【0069】
この他、確認ウインドウ250を表示するかどうかを、過去の入力履歴を参照して、いつもと少しだけ違うかどうかによって決めることができる。例えば、いつも入力している携帯電話番号やクレジットカード番号を1桁だけ間違えた場合に、注意喚起の補足情報を追加して確認ウインドウ250を表示することができる。
【符号の説明】
【0070】
10…ネットワーク、20…通販ホストサーバ(通信販売ホストサーバ)、21…販売管理サーバ、22…通信装置、30…記憶装置、31…顧客管理DB(データベース)、32…在庫管理DB(データベース)、33…履歴DB(データベース)、34…辞書DB(データベース)、50…属性情報、51…種別、52…表現候補、53…入力欄座標、100…利用者端末(データ処理装置)、101…端末本体、102…表示装置、103…キーボード、104…マウス、105…スピーカ、106…通信装置、107…記憶装置、108…制御装置、200…発注画面、201…OKボタン、210…入力欄、212…「姓」入力欄、213…「名」入力欄、214…「品名」入力欄、215…「金額」入力欄、216…「年」入力欄、217…「月」入力欄、218…「日」入力欄、220…カレンダー、221、223…絵、224…タワー、250…確認ウインドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と記憶装置と入力装置と制御装置とを備え、前記制御装置が所定の形式で入力欄への入力を受け付ける情報処理装置において、
制御部は、属性情報が設定される前記入力欄を備えた入力画面を前記表示装置に表示し、
前記入力装置の操作に基づいてカーソルが前記入力欄に移動したか否かを判定し、
カーソルが移動した前記入力欄に設定される属性情報に基づいて、前記入力欄に入力される数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を、前記記憶装置に格納される辞書データから抽出し、
前記入力欄の近傍に表示する確認ウインドウに表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記請求項1記載の情報処理装置において、
制御部は、前記確認ウインドウに表示される前記表現に関連する補足情報を前記記憶装置から呼び出して、前記確認ウインドウ内に追加表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記請求項2記載の情報処理装置において、
前記補足情報は、記憶装置に格納される履歴データから呼び出される
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記請求項1から3記載の何れかの情報処理装置において、
前記確認ウインドウに表示される前記表現は前記記憶装置に格納される図形である
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
表示装置と記憶装置と入力装置と制御装置とを備え、前記制御装置が所定の形式で入力欄への入力を受け付ける情報処理装置の画面表示方法において、
属性情報が設定される前記入力欄を備えた入力画面を前記表示装置に表示し、
カーソルが前記入力欄に移動したか否かを判定し、
カーソルが移動した前記入力欄に設定される属性情報に基づいて、前記入力欄に入力される数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を、前記記憶装置に格納される辞書データから抽出し、
前記入力欄の近傍に表示する確認ウインドウに表示する
ことを特徴とする情報処理装置の画面表示方法。
【請求項6】
前記請求項5記載の情報処理装置の画面表示方法において、
前記確認ウインドウに表示される前記表現に関連する補足情報を前記記憶装置から呼び出して、前記確認ウインドウ内に追加表示する
ことを特徴とする情報処理装置の画面表示方法。
【請求項7】
前記請求項6記載の情報処理装置の画面表示方法において、
前記補足情報は、記憶装置に格納される履歴データから呼び出される
ことを特徴とする情報処理装置の画面表示方法。
【請求項8】
前記請求項5から7記載の何れかの情報処理装置の画面表示方法において、
前記確認ウインドウに表示される前記表現は前記記憶装置に格納される図形である
ことを特徴とする情報処理装置の画面表示方法。
【請求項9】
所定の形式で入力欄への入力を受け付ける画面表示のプログラムにおいて、
属性情報が設定される入力欄を備えた入力画面を表示装置に表示させ、
カーソルが前記入力欄に移動したか否かを判定させ、
カーソルが移動した前記入力欄に設定される属性情報に基づいて、前記入力欄に入力される数値や文字と同じ意味だが視覚的に異なる表現を辞書データから抽出させ、
前記入力欄の近傍に表示する確認ウインドウに表示させる
ことを特徴とする画面表示のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−203482(P2012−203482A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65174(P2011−65174)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】