説明

情報処理装置及びその制御方法と印刷システム

【課題】フィニッシャにおける機能を、他のフィニッシャにより代替させる。
【解決手段】画像形成装置が有するフィニッシャにエラー等が生じて印刷後処理を実行することができない場合、そのフィニッシャで行わせるはずの後処理機能と同一の機能を持つフィニッシャを、フィニッシャプロファイル保存領域のフィニッシャ情報から検索する。もし見つかれば、該当するフィニッシャに後処理設定をしたジョブ制御情報を生成して、当該フィニッシャに送信する。そのフィニッシャは、受信したジョブ制御情報に従って後処理を遂行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば印刷後処理装置と通信を介して接続されているディジタル複写機等の画像形成装置に関し、特に後処理ユニットと一体に構成され、当該後処理ユニットを他の印刷後処理装置により代替させることができる画像形成装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず用語の説明をする。フィニッシャとは印刷後処理装置のことで、ポストプレスプロセス装置あるいは単に後処理装置とも呼ぶ。フィニッシャは、たとえば製本や裁断、ステープル、パンチ穿孔、丁合など種々の処理を行う。フィニッシャには複合的な機能を持つ装置もあれば単機能の装置もある。
【0003】
装置の特性情報とは装置の仕様を表す情報であり、当該装置の機能等の特性が記述され、プロパティ情報とも呼ばれる。フィニッシャの特性情報には、その装置が持つ機能のほか、たとえば用紙を取り込む順序や方向等を示す情報が含まれている。本実施形態では特性情報と能力情報とは同義である。
【0004】
印刷属性とは、印刷の仕方を特定するための情報であり、たとえば両面/片面印刷の指定や、フェースアップ/フェースダウンの指定、印刷部数、用紙サイズ、レイアウトなどが含まれる。本実施形態では印刷設定情報と同義である。印刷属性は、アプリケーションプログラムや、あるいはプリンタドライバが提供するユーザインターフェース画面から、印刷装置の有する機能の範囲内でユーザが変更することができる。
【0005】
さて従来、XMLデータを用いて印刷処理を実行するものとして、POD(オンデマンド印刷)或いはVP(バリアブル印刷)が一般的であった。POD或いはVP技術は、印刷内容や印刷機とその周辺機器に対する印刷指示をXMLデータ等によって記述するものである。例えば、特許文献1によると、コンテンツをXMLデータで示し、文字サイズや印刷部数など指示内容をスタイルシートで示し、スタイルシートを変更することで、様々な異なる条件の所望の書籍を作成することができる。
【0006】
また、印刷後処理のためにXMLが利用されている例もあった。フィニッシャを用いて印刷物の印刷後処理を行う場合、必要な機能が備えられていれば、画像形成装置にインラインで接続されたフィニッシャ(インラインフィニッシャ)を用いることが多い。この場合、ユーザは、プリンタドライバ等により提供されるユーザインターフェースを介して、コンピュータ等で後処理の設定を含めて、印刷設定を行う。コンピュータは、その印刷設定に基づいて、PDL(ページ記述言語)等で記述された印刷ジョブを作成し、それとともに後処理設定を含むジョブ制御情報を生成する。ここでジョブ制御情報は、XMLを用いて定義されているJDF(ジョブ定義フォーマット)などで記述される。印刷装置は、受信した印刷ジョブを遂行して印刷を行いつつ、ジョブ制御情報に従って印刷物の後処理を行う(特許文献2等参照)。
【0007】
また、従来他の画像形成処理装置に接続されているフィニッシャ装置を使用するものとしては、複数フィニッシャ装置を使用した分散排紙処理技術が一般的であった。分散排紙処理技術は、ネットワーク上に接続されているフィニッシャ装置から分散排紙処理を行う装置をユーザが選択してから、印刷ジョブを実行するものであった。(例えば、特許文献3参照。)
【特許文献1】特開2004-288096号公報
【特許文献2】特開2004-078449号公報
【特許文献3】特開2003-029482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、インラインフィニッシャによる後処理が停止した場合、後処理を再開できる状態にいたるまで印刷ジョブは停止され、後処理後の印刷物の出力は待たされる。たとえばステープルが後処理において行われる場合、ステープルの針の残量がなくなれば、針が再充填されるまで後処理は停止する。たとえばクライアントコンピュータや印刷装置が接続されたネットワークに、他の利用可能なフィニッシャ(ニアラインフィニッシャ)が接続されている場合であっても、やはり後処理は停止する。
【0009】
また、特許文献3には、予め分散先のフィニッシャ装置をユーザが選択し、分散排紙処理を実行することを指示することにより、後処理の効率化を図ることが記載されているが、分散先となるフィニッシャ装置は印刷処理を開始する前に設定しなければならず、上述したように印刷後処理が停止された場合に、分散処理を依頼することはできなかった。よって従来技術では、印刷ジョブの処理が開始した後、上述したようにフィニッシャにエラーが発生したことにより、印刷ジョブの処理が停止された場合、大幅なスケジュールの遅延につながる恐れがある。例えば、どのデバイスで何時からどのジョブを処理するかといった情報が、顧客から設定された納期に基づいて予めスケジューリングされている場合、該スケジュールが大幅に狂うことにより、現在処理中の印刷ジョブだけでなく、後続の印刷ジョブも遅延してしまい、顧客が設定した納期を守ることができなくなるといった問題が生じる。
【0010】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、印刷装置(画像形成装置)にインライン接続されたフィニッシャ(後処理装置)の利用ができない状態に至った場合、他のフィニッシャに後処理を振り替えることが可能な画像形成装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を備える。利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置であって、第1のフィニッシャにおける後処理の停止状態を検出する検出手段と、前記検出手段により前記第1のフィニッシャの停止が検出されると、前記第1のフィニッシャにて実行すべき処理を代替可能なフィニッシャを前記能力情報に基づいて検索する検索手段と、前記検索手段により検索された第2のフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
あるいは、利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置であって、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態を検出する検出手段と、前記検出手段により印刷ジョブを遂行できない状態が検出されると、前記印刷設定を置換するための後処理機能を有するフィニッシャを検索する検索手段と、前記検索手段により検索されたフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明により、フィニッシャが使用できない場合にもそれを他のフィニッシャにより代替できる。しかもその代替は画像形成装置により行われるために、印刷要求を出したクライアントに代替のための負荷がかからない。
【0014】
請求項5に係る発明により、画像形成にかかる機能が使用できない場合であっても、それをフィニッシャの機能を用いて代替できる。しかもその代替は画像形成装置により行われるために、印刷要求を出したクライアントに代替のための負荷がかからない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1実施形態]
本実施形態では、例えば、部数ごとにステープルを行う印刷ジョブ(およびジョブ制御情報)について説明する。ステープル処理では、用紙の四隅のどれかに一箇所のステープルを行う設定か、或いは四辺のどれかに二箇所のステープルを行う設定が一般的である。そして、画像形成装置にステープル機能を備えたインラインフィニッシャが装着されている場合、それを用いてステープルを行う設定を行うのも一般的である。印刷ジョブを処理中にインラインフィニッシャのステープル針がなくなったら、今までの画像形成装置ならばジョブは停止され、針の補充が行われないと印刷ジョブは再開されない。或いは、その印刷ジョブをキャンセルし、別の画像形成装置に対して再度ステープルを含めた印刷指示を行う必要がある。
【0016】
これに対して本実施形態における、ニアラインフィニッシャとネットワーク等を介して接続されている画像形成装置は、インラインフィニッシャの代替機能を持つニアラインフィニッシャを検索し、代替可能のニアラインフィニッシャがあれば、ジョブ制御情報からインラインフィニッシャでのステープル指定を削除し、画像形成装置においては印刷のみ実行するように設定を変更する。そしてニアラインフィニッシャに対して、該画像形成装置のインラインフィニッシャにて行うべきステープル設定を含むジョブ制御情報を送信して、インラインフィニッシャによるステープル処理を代替させる。こうして、ステープル針がなくなっても印刷ジョブの処理を停止させずに継続することが可能となる。以下、本実施形態の印刷システムを説明する。
【0017】
<システム構成>
図1は、本発明におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図である。図1のDTP(デスクトップパブリッシング)システムは、クライアントPC1801、画像形成装置(プリンタ)1803、画像形成装置1803にインラインで接続しているインラインフィニッシャ1803a、ネットワーク1809に接続されているニアラインフィニッシャ1804、ネットワーク1809に接続されていないオフラインフィニッシャ1802、フィニッシャシステム1807から構成されている。
【0018】
フィニッシャシステム1807は、1台あるいは複数台のフィニッシャ1805、1806と、コントローラ1811とをネットワーク1810に接続して制御できるように構成されている。ネットワークに接続された各デバイスは互いにネットワークによって通信が出来る。またプリンタ1803は画像スキャナを備えて、プリントのみならず、スキャンや複写、ファクシミリ通信機能、ファイリング機能等を有する多機能機である。このためプリンタ1803をMFP(マルチファンクションプリンタ)と呼ぶこともある。クライアントPC1801は、情報処理装置であるが、プリンタを制御する機能を有することから、その機能に着目して印刷制御装置と呼ぶ場合もある。
【0019】
ここでインラインフィニッシャ、オフラインフィニッシャ、ニアラインフィニッシャについて、フィニッシャに対する制御方法の観点から説明する。インラインフィニッシャとは、フィニッシャにおいて行う処理内容を画像形成装置から設定するものである。処理内容は、後処理設定情報によって示される。オフラインフィニッシャとは、フィニッシャにおいて行う処理内容をフィニッシャにおいて設定するものである。ニアラインフィニッシャとは、フィニッシャにおいて行う処理内容を、フィニッシャにおいてのみならず、ネットワークを介して別の機器からも設定できるようにしたものである。
【0020】
また、印刷出力物の搬送経路(紙パス)の観点から各フィニッシャの特徴を述べる。これは一般的な特徴であり、理解を助ける目的で記述するもので、この説明に限定されるものではない。インラインフィニッシャは、画像形成装置とフィニッシャとが物理的につながっている場合が多く、画像形成装置の印刷出力した紙が搬送経路(紙パス)を通ってフィニッシャに速やかに送られる場合が多い。オフラインフィニッシャは、画像形成装置とは物理的につながっていない場合が多く、画像形成装置の印刷出力した紙は台車やトレイ、ベルトコンベアなどで一旦バッファされ、その後にフィニッシャの入力部にセットされる場合が多い。ニアラインフィニッシャは、オフラインフィニッシャと同様に、一旦バッファされた後にその入力部にセットされる場合が多い。
【0021】
<画像形成装置の構成>
図2は本発明における画像形成装置1803のブロック図を示したものである。図2に示すように、画像形成装置(プリンタ)は、画像読み取りを行うスキャナ部とその画像データを画像処理するスキャナIP部とを含むスキャナ入力部1914と、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部1913と、ネットワークを利用して画像データや装置情報をコンピュータ等とやりとりするためのNIC(Network Interface Card)部1912と、他の画像形成装置などの外部デバイスとの情報交換を行う専用I/F部1911と、印刷データの送信元であるコンピュータ等とのUSBIF部1910とを備えている。そして、プリンタの使い方に応じてジョブ制御部1901で画像信号を一時保存したり、経路を決定したりする制御を行う。ジョブ制御部1901は、たとえば不図示のプロセッサおよびRAM、ハードディスク等を有し、所定のプログラムをプロセッサで実行することで実現することができる。ジョブ制御部1901は、さらに、スキャナ部1914からの画像データや、FAX部1913を介して入力されたファクシミリジョブの画像データや、NIC部1912を介して入力されたコンピュータ等の外部装置からの画像データや、I/F部1911を介して入力された他の画像形成装置からの画像データ等を処理可能である。それら画像データは、たとえばハードディスクに一時格納された後に読み出され、プリンタ部1905等の出力部に転送され、該プリンタ部によりプリント処理される。もちろん画像データといってもビットマップデータに限らず、画像を描写可能に記述されたデータを含む。たとえばPDLデータを受信すれば、PDL部1903により印刷可能な形式のデータに変換し、そのデータに画像処理部1904により必要な画像処理を施す。それがプリンタ部1905により印刷される。また、オペレータからの指示により、ハードディスクから読み出した画像データを、コンピュータや他の画像形成装置等の外部装置に転送可能に制御する。また、文書格納部1908に、圧縮伸張部1909で圧縮した文書を保存管理することもできる。さらに操作部1902により、使用可能なフィニッシャの設定等をオペレータが行うことが可能である。使用可能なフィニッシャには、プリンタ部1905にインラインに接続される後処理部1803a、すなわちインラインフィニッシャに加えて、NIC部1912を介して接続された(利用可能な)ニアラインフィニッシャがある。
【0022】
画像形成装置1803は、前述の通り、インラインフィニッシャとニアラインフィニッシャに対して、その機能を使うように設定することができる。各フィニッシャの機能を記述したフィニッシャプロファイル(後述)を、画像形成装置内に保持し、そのプロファイル情報を元に使用する機能の設定が行われる。設定操作は、プロファイルを読み出したコンピュータ1801により行われる。また、画像形成装置によるフィニッシャプロファイルの取得は、画像形成装置の出荷時点で接続され得る全ての種類のフィニッシャのプロファイルを、その画像形成装置内に保存しておくという方法が考えられる。この場合には、出荷後に新たに当該画像形成装置によってサポートされるフィニッシャが現れた場合は、その新しいフィニッシャがネットワークに接続になった時点で、画像形成装置がそのフィニッシャ内にあるプロファイル情報を取得する。更には、フィニッシャ内にプロファイル情報がない場合か、設置後に機能変更や追加などでプロファイル情報がアップデートされた場合などには、フィニッシャメーカのホームページなどからプロファイル情報を取得することもできる。したがって、出荷時点ではフィニッシャのプロファイルを持たなくても、使用時にそれを取得することができる。なおプロファイル情報は対応する装置の能力特性を記述した情報であり、能力情報あるいは特性情報ということもできる。
【0023】
画像形成装置は、このような方法で取得したフィニッシャプロファイルを共通DB部1907に保持する。次に取得したフィニッシャプロファイルを用いて、プリンタドライバなどの他の機器から利用できるように自画像形成装置において登録を行う。この詳細は後の章<フィニッシャとプロファイルの管理>に記述する。登録が終われば、他の機器はNIC部を介して画像形成装置に登録されているフィニッシャプロファイルを利用することができる。なお、図1のネットワークはIPネットワークであり、接続される機器はIPをサポートする。
【0024】
<コンピュータのハードウエア構成>
図3はクライアントコンピュータ1801の構成の一例を示すブロック図である。図3に示されているように、クライアントコンピュータ1801は処理部3010とこれに周辺装置を含めて装置全体が構成されている。クライアントコンピュータ1801の処理部3010は、制御プログラムに従ってホスト装置の全体制御を司るMPU3011、システム構成要素を互いに接続するバス3012、MPU3011が実行するプログラムやデータ等を記憶するRAM3013、システムバスとメモリバス、MPU3011を接続するブリッジ3014、例えば、CRTなどの表示装置3001にグラフィック情報を表示するための制御機能を備えたグラフィックアダプタ3015を含んでいる。
【0025】
さらに、処理部3010はHDD装置3002とのインタフェースを司るHDDコントローラ3016、キーボード3003とのインタフェースを司るキーボードコントローラ3017、ネットワーク1809との間の物理的レベルおよびリンクレベルのインタフェースである通信I/F3018を備えている。
【0026】
さらに、処理部3010には、グラフィックアダプタ3015を介して操作者にグラフィック情報等を表示する表示装置3001(この例では、CRT)が接続されている。更に、プログラムやデータが格納された大容量記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)装置3002、キーボード3003が、それぞれコントローラを介して接続されている。
【0027】
またHDD3002には、オペレーティングシステムやアプリケーション、プリンタドライバ等のプログラムファイルや、プリンタドライバ設定情報403、プロファイル情報404などのデータファイルが保存されている。プリンタドライバ設定情報403には、コンピュータ1801が利用可能なプリンタについて、現在の設定を示す値が保存されている。プロファイル情報404には、使用可能な周辺機器のプロファイル、本実施形態ではプリンタやインラインフィニッシャ、ニアラインフィニッシャ等のプロファイル情報が保存されている。プロファイル情報とは、当該機器の機能など、機器の特徴を示す情報である。具体的には、インラインフィニッシャやニアラインフィニッシャが持つ機能(たとえば製本機能や裁断機能)、およびその能力などがある。たとえば製本機能については、綴じ可能な位置やサイズ、積載重量、ステープル針の間隔など、製本機能に付随する能力がプロファイルで示される。また、裁断機能については、裁断可能な用紙サイズ(最大および最小)や厚さなど、裁断機能に付随する能力がプロファイルで示される。
【0028】
MPU3011は、オペレーティングシステムやプリンタドライバプログラムをはじめとするデバイスドライバ、アプリケーションプログラムなどを実行する。それらプログラムは、オペレータに対して、パラメータの設定や実行の指示など、介入を求めるためのUI画面をディスプレイに表示する場合がある。プリンタドライバは、プリンタ(複合機を含む。)の機種に応じて用意されており、オペレーティングシステムに対してプリンタの機能や構成等に関する情報を提供するとともに、プリンタの機種に応じた独自の機能を実現するための処理等を実行する。
【0029】
<ニアラインフィニッシャの構成>
フィニッシャには、その機能によって多種多様なフィニッシャがある。本実施形態では、インラインフィニッシャの一例として中綴じ製本機、オフラインフィニッシャの例として断裁機、ニアラインフィニッシャの例として無線綴じ機を用いた例を示す。
【0030】
図4はニアラインフィニッシャ1804、1805、1806の機能的な構成の一例を図示したものである。ニアラインフィニッシャは、後処理デバイス2200と、後処理デバイス2200を制御するコントローラ2100とを備える。コントローラ2100において、2101はホストコンピュータやMFPなどの他のネットワーク機器と通信を行うネットワーク部で、2102は一時的に情報を保管するDRAMのような一次記憶装置やHDDのような2次記憶装置である。2103はニアラインフィニッシャにおいてジョブの制御を行うプロセッサやメモリ等を有する制御部である。2104はユーザからのID入力などを受け付ける操作部である。2105は入力されたジョブ制御情報を解釈しデバイスを制御できる形式に変換するジョブ制御情報解釈部であり、2106は後処理デバイス2200を制御するデバイス制御部である。フィニッシャを制御するためのジョブ制御情報は、後処理設定情報とも呼ぶ。後処理デバイス2200は後処理(ポストプレス処理)を行う処理機構であり、たとえば無線綴じ機能を実現するためのハードウエアを有する。これらのモジュールによりインラインフィニッシャが構成されている。
【0031】
コントローラ2100は、制御プログラム実行機能と周辺装置制御機能とを兼ね備えた、フィニッシャ全体を制御するプロセッサ、制御部内部の各構成要素を接続するシステムバス、プロセッサが実行する制御プログラムや各種データ等を格納するROM、ジョブチケットなどを保存するRAMを備えている。プロファイル情報2102aはROM3112あるいはハードディスクなどの記憶装置2102に保存されるが、本例ではハードディスクに保存されている。このプロファイル情報2102aは画像形成装置1803により読み取られて(あるいはあらかじめ書き込まれて)、ニアラインフィニッシャが当該画像形成装置により利用可能となる。
【0032】
<コンピュータのソフトウエア構成>
図5はプリンタドライバを含むクライアントコンピュータ内部のソフトウエアの構成を示したものである。クライアントコンピュータ1801にはオペレーティングシステム(OS)402が搭載されている。プリンタドライバ405やアプリケーションプログラム408はこのOS402上にインストールされ、OS402により制御される。
【0033】
プリンタドライバ405は、ユーザI/Fの表示や設定の保存などを行うユーザI/Fドライバ406とアプリケーション408からOS402を通して指示される印刷描画命令を画像形成装置が解釈可能なコードに変換するグラフィックドライバ407から構成されている。ユーザI/Fドライバ406は、アプリケーション408からOS402を通してユーザに印刷設定を許す旨が指示されたとき、図16〜図18に示す印刷設定ダイアログ、プロパティシートを表示する。
【0034】
なお、OS402が管轄する保存領域内に、プリンタドライバの設定保存領域403があり、ユーザI/Fドライバにてユーザが設定した印刷属性はこのプリンタドライバ設定保存領域に保存される。また、MFP(プリンタ)1803等、使用可能なデバイスのプロファイル情報404も保存される。ユーザI/Fドライバ、グラフィックドライバ、アプリケーションプログラムはOSを介してこのプリンタドライバ設定保存領域にアクセスすることができ、ユーザが設定した印刷属性を読み取ることが可能である。
【0035】
さらに、クライアントコンピュータはクライアントコンピュータ側の通信I/F410とプリンタ1803側の通信I/F411とがネットワークなどの通信媒体で接続されている。もちろんフィニッシャ等、他のネットワークデバイスとも同様に接続されている。グラフィックドライバ407はOS402を介して画像形成装置に印刷データの送信が可能であり、また画像形成装置の構成情報やステータスなどをOS402を介して取得することも可能である。
【0036】
<プロファイルの内部構造>
本実施形態では、フィニッシャプロファイル(フィニッシャプロファイル情報と同じ。)をXML形式で記述する。フィニッシャは、製本機、裁断機、折機など種類が多様であり、それぞれの種類ごとに機能が大きく異なる。また、新規機能の追加などにより情報の変化が激しい。そのため、それらに適切に対応できるタグ形式で記述したXMLを用いてプロファイルを記述する。もちろん、新規機能追加等に対して適応的に記述できる形式であればどのようなものであっても問題はない。
【0037】
図6は製本機のフィニッシャプロファイルを記述した例、図7は裁断機のフィニッシャプロファイルを記述した例である。「FINISHING」タグにおいて、「FinishingType」は製本機、裁断機などの種類を、「Manufacturer」は製造したメーカ名を、「ProductName」は型式を表している。図6は、「ABC社が製造した11ABCという型式の製本機(Type:Bookbinding)」を表している。図7は、「XYZ社が製造した10XYZという型式の裁断機(Type:Cutting)」を表している。図6の「Booklet」や図7の「Cutting」といったタグは、それぞれの機種(製本機や裁断機)に固有の能力を記述したタグである。このように各フィニッシャの固有の機能に対しては、それぞれ個別にタグで定義することでプロファイルとしての記述が可能となる。
【0038】
たとえば図6の製本機には、「Booklet」タグにおいては、タイプ名として「中とじ折」「平とじ」「コーナーとじ」「二つ折り」「平とじ折」「コーナーとじ折」が定義されている。また、「Medium」タグにおいては、メディアタイプとして、「Plain」「Fine」が、メディア重量として最小値が「60Kg」、最大値が「120Kg」と定義されている。さらに、「StapleSpaceInterval」タグには、ステープル間隔を調整不能(「False」)であり、間隔は100mmであることが定義されている。
【0039】
また図7においては、「Cutting」タグにおいて、最大入力寸法(MaxInputDimensions)が縦横(X,Y)それぞれ360mmであることが記述されている。また、最大出力寸法(MaxOutputDimensions)が、縦横(X,Y)それぞれ310mmであること、最小出力寸法(MinOutputDimensions)が、横(X)が80mm、縦(Y)が150mmであることが記述されている。また、最大厚み(MaxThickness)が70mmであることが記述されている。
【0040】
このように、フィニッシャのプロファイル情報には、機能の種類(機種)、メーカ名、形式名、機能毎の性能(たとえば寸法やとじ位置など)が定義されている。このプロファイル情報は、たとえばフィニッシャの記憶装置2102に保存されており、画像形成装置に読み出されて収集される。
【0041】
<画像形成装置によるフィニッシャプロファイルの管理>
図8は画像形成装置1803内のフィニッシャプロファイルに関連するモジュールを説明する図である。画像形成装置1803は外部との通信を行うための通信I/F(NIC)1912、フィニッシャプロファイルの管理及び外部からの取得要求に対してプロファイルの送信などを行うフィニッシャプロファイル制御部901、フィニッシャの名称や対応するフィニッシャプロファイル名、接続状況などを管理するフィニッシャ管理テーブル902、フィニッシャプロファイルの実体(たとえば図6、図7に示すプロファイル情報)を保存するフィニッシャプロファイル保存領域903を有する。なお、画像形成装置に接続可能なフィニッシャは、そのフィニッシャ名称などの情報がフィニッシャ管理テーブル902に保存され、それぞれのフィニッシャに対応するプロファイル情報はフィニッシャプロファイル保存領域903に保存されている。フィニッシャプロファイル制御部901は、ジョブ制御部1901の機能の一部であり、フィニッシャ管理テーブル902、およびフィニッシャプロファイル保存領域903は、共通データベース1907に含まれる。なお、フィニッシャ管理テーブル902は、フィニッシャプロファイルのリストによって実現することもできる。この場合にはフィニッシャ管理テーブル902を特別に設ける必要はない。
【0042】
図9は、フィニッシャ管理テーブル902の内容の一例を示す。このテーブル902には画像形成装置に接続可能なフィニッシャの情報が格納されている。本実施形態ではテーブル902の項目として、管理番号1002(変数型はUnsigned Short)、フィニッシャ名称1003(変数型はString)、メーカ名称1004(変数型はString)、対応するプロファイルのファイル名称1005(変数型はString)、フィニッシャの接続状況1006(変数型はBooleanで、falseの場合は未接続、trueの場合は接続を示す)が含まれている。例えば、管理番号#5の欄は、フィニッシャ名称が「Finisher−X」、メーカ名称が「XYZ」社、対応するプロファイルのプロファイル名称は「finisher−x−of−xyz.xml」である。また接続状況は「true」であるため接続されていることを示している。また他の欄については同様に解釈することができるが、この表では管理番号#5のフィニッシャ以外は未接続状態となっている。
【0043】
<ニアラインフィニッシャと画像形成装置との接続>
図10(A)は画像形成装置において対応するニアラインフィニッシャからフィニッシャプロファイルを獲得する際のフローを示している。すなわち、フィニッシャ管理テーブルにあらたなフィニッシャを追加登録する際の手順である。ユーザが操作パネル上の「オプション」あるいは「ユーザモード」などを指定して、ニアラインフィニッシャ設定画面に遷移することによりこのフローが開始される。
【0044】
まずステップS2501において、ジョブ制御部1901は、ユーザにより入力されたニアラインフィニッシャのIPアドレスを認識して、画像形成装置内に保持する。次に、ステップS2502において、ジョブ制御部1901は、画像形成装置が接続可能なフィニッシャのリストを表示する。これはあらかじめ画像形成装置内に記憶されているため、ジョブ制御部1901が該リストが保持されている記憶部を参照することに実現可能である。これによりユーザに対して、ニアラインフィニッシャのメーカや型番の一覧からS2501において入力されたIPアドレスと該当するフィニッシャを選択させて、対応プロファイルを指定させる。ステップS2503においては、ジョブ制御部1901は、ユーザに対してS2502の指定が正しいかどうかを確認する表示画面を出力し、該指定が正しい旨を示す「確認」が入力がされた場合には、ステップS2504へ進む。S2504において、ジョブ制御部1901は、S2501において入力されたIPアドレスのフィニッシャに対してプロファイル情報を要求し、それを受信して保存する。保存されたフィニッシャプロファイルに対応するフィニッシャは、フィニッシャ管理テーブル902に追加される。変更されたフィニッシャ管理テーブルを2次記憶装置もしくは不揮発性メモリに記録する。また別の実施形態としてニアラインフィニッシャからメーカや型番がわかるIDを取得できる場合は、ユーザがIPアドレスを入力した段階で、ジョブ制御部1901は、該当IPアドレスに対してIDの取得要求を発行してニアラインフィニッシャからそのIDを取得し、そのIDに対応するフィニッシャを、接続されたフィニッシャとしてプロファイルを取得してフィニッシャ管理テーブルを書き替えることも可能である。フィニッシャプロファイルは、入力されたIPアドレスのフィニッシャに対して要求し、取得する。IPアドレスとプロファイル情報とは関連づけて保存される。
【0045】
次に図10(B)の流れ図を元に、登録されたニアラインフィニッシャを画像形成装置に接続する手順を説明する。ここで接続するニアラインフィニッシャは、XYZ社のFinisher−Yである。ユーザは新しいニアラインフィニッシャを設置し、画像形成装置とニアラインフィニッシャを通信媒体で接続しておく。図10(B)はフィニッシャプロファイル制御部により実行される。すなわちプロセッサにより実行される。
【0046】
ステップS1101において、フィニッシャプロファイル制御部901は、ユーザによる接続操作のために、ユーザインターフェースを表示する。その画面でユーザは接続操作を行う。そして、ステップS1102において、フィニッシャプロファイル制御部901は、ユーザによる接続操作を認識することにより、フィニッシャ管理テーブル902における、接続されたフィニッシャの接続状態を、「接続(true)」に変更する。この操作を図11〜図13を用いて説明する。図11〜図13はステップS1101における操作画面を示す。
【0047】
図11は、画像形成装置本体の操作パネルの初期状態を示したものである。ユーザはニアラインフィニッシャの接続設定を行うために、まずOptionsボタン1201を押下する。このボタンは画像形成装置のオプション設定を行うためのものであり、このボタン押下により図12の画面が表示される。ユーザはさらに「Finisher Registration」ボタン1301を押下する。このボタン押下により、図13のフィニッシャ接続登録画面が表示される。この画面は登録可能なニアラインフィニッシャの一覧が表示されるとともに、各ニアラインフィニッシャの接続登録を行うことができる。図13のフィニッシャ一覧画面は、フィニッシャ管理テーブル902を、対応プロファイル名1005を除いてそのまま可視化したものである。すなわち、フィニッシャの一覧は、フィニッシャ名称1401、メーカ名称1402、接続状況1403から構成される。この一覧表は一度に7個のフィニッシャが表示されているが、この7個の前後のリストされるフィニッシャを閲覧するには、表示リストを上下するボタン1404または1405を押下することにより行う。また接続登録あるいは接続登録の解除は、対象のフィニッシャの行のどこかの部分をタッチすることにより選択状態として、そのフィニッシャを接続登録する場合は、「Connect」ボタン1409、接続登録を解除する場合は「Disconnect」ボタン1408にタッチする。ここでは、XYZ社のFinisher−Yを接続登録するため、行1407のどこかの部分にタッチしてFinisher−Yを選択状態とする。次にこの状態で「Connect」ボタン1409にタッチしてこのフィニッシャを接続登録する。最後にこの設定を有効にして、画像形成装置本体の操作パネルの初期画面に戻るため、「OK」ボタン1411にタッチする。なお、この登録作業を破棄する場合は、「Cancel」ボタン1410にタッチすれば、この画面で操作した内容はすべて破棄され、後述する画像形成装置のフィニッシャ管理テーブルの更新作業は行われない。
【0048】
次に画像形成装置1803がフィニッシャ管理テーブル902を更新する方法(図10(B)のステップS1102)を説明する。図13のフィニッシャ接続登録画面において、ユーザによりXYZ社のFinisher−Yが接続登録されたので、画像形成装置1803はフィニッシャ管理テーブル902を更新する。図14は、この更新が行われた後のフィニッシャ管理テーブル902である。つまり、フィニッシャプロファイル制御部901が図13の画面においてユーザが行った上述の設定を順次認識することにより、図14の欄1601に示すように#6のFinisher−Yの接続状態はtrueに変更されることとなる。
【0049】
以上の手順で、画像形成装置におけるフィニッシャの接続登録が完了する。なお本実施形態では、フィニッシャ接続後にユーザが画像形成装置の操作パネルでニアラインフィニッシャの接続設定を行ったが、フィニッシャ管理テーブルが更新できれば他の方法でも実施が可能である。例えば画像形成装置とニアラインフィニッシャは通信媒体で接続されているため、接続時のプロトコルを定義して、画像形成装置とニアラインフィニッシャ同士がそのプロトコルに基づき通信することにより、画像形成装置がニアラインフィニッシャを自動的に接続登録する方法なども可能である。
【0050】
画像形成装置はさらに、接続されたニアラインフィニッシャに対してフィニッシャプロファイルの取得要求を送信し、それに応じてニアラインフィニッシャが送信するフィニッシャプロファイルを受信する工程を実行する。受信したフィニッシャプロファイルはフィニッシャプロファイル保存領域903に保存される。また、受信したフィニッシャプロファイルの名称は、フィニッシャ管理テーブル902のフィニッシャプロファイル名1005に登録される。また、フィニッシャプロファイルに関連づけて、フィニッシャのアドレスが登録される。
【0051】
なお、インラインフィニッシャについては、画像形成装置に、そのフィニッシャプロファイルが初期的に格納されている。そして実際にインラインフィニッシャが接続されれば、接続されている旨を示す信号がジョブ制御部1901に入力されるため、それをトリガにしてインラインフィニッシャが接続されている旨をしめすフラグ等をセットする。すなわち、本実施形態では、インラインフィニッシャに関しては、特に登録や接続をしたことを示す操作は必要ない。
【0052】
<フィニッシャプロファイルの取得>
プリンタドライバが画像形成装置からインラインフィニッシャおよびニアラインフィニッシャのフィニッシャプロファイルを取得、保存する手順を説明する。
【0053】
図5の構成において、記憶領域404はプリンタドライバ405が画像形成装置から取得したフィニッシャプロファイルを保存するOS内の記憶領域(プロファイル保存領域)である。プリンタドライバ405は、OSのAPI(Application Programming Interface)を通して、画像形成装置からフィニッシャプロファイルを取得し、プロファイル保存領域404に保存する。また、フィニッシャプロファイルの要求や送信を行うために、ホストコンピュータ側の通信I/F410と画像形成装置側の通信I/F411間で、通信媒体が使用される。なお通信に用いるプロトコルは、プリンタドライバからのフィニッシャプロファイル取得の要求、及びフィニッシャプロファイルの実体の送信が行えれば、プロトコルの指定はない。次に、流れ図を元にプリンタドライバが画像形成装置からフィニッシャプロファイルを取得する方法を説明する。図15はこの手順を示す流れ図である。図15の処理は、たとえばコンピュータの電源投入時に行われたり、印刷処理の指示がユーザによりされた場合に行われたり、あるいはユーザによる明示的な指示に応じて行われる。なお、図15のドライバが処理すべき各ステップはホストコンピュータ内のMFP3011によって処理され、画像形成装置1803が処理すべき各ステップはジョブ制御部1901によって処理される。
【0054】
はじめにステップS1501において、プリンタドライバ405は、画像形成装置1803に対して、当該画像形成装置に接続登録されているフィニッシャプロファイルの取得を要求する。このプリンタドライバからの取得要求に応じて、画像形成装置1803は、保存しているプリンタドライバにフィニッシャプロファイルを送信する。
【0055】
要求を受信した画像形成装置1803(図15ではMFP)は、まずステップS1511において、該画像形成装置内の共通データベース1907に保持されているフィニッシャ管理テーブルを上から順に閲覧し、各フィニッシャの接続状態を確認する。図14は画像形成装置が保持するフィニッシャ管理テーブルであり、画像形成装置1803は、ステップS1511で、識別番号1の行の「Finisher−A」の接続状態を確認する。画像形成装置1803は、図14のフィニッシャ管理テーブルではフィニッシャの接続状態は「false」となっていることを確認する。続いてステップS1512にて、画像形成装置1803は、接続状態の条件判断を行う。すなわち、現在条件判断処理の対象となっている「Finisher−A」は接続状態が「false」であるため、画像形成装置1803はステップS1514に進む。ステップS1505において、画像形成装置1803は、フィニッシャ管理テーブルに保持されるすべてのフィニッシャについて確認したかどうか判断する。S1514の判断により、フィニッシャ管理テーブルにおけるすべてのフィニッシャの確認をしていなければステップS1511に戻る。このステップを「Finisher−B」「Finisher−C」「Binder−ABC」と、フィニッシャ管理テーブルに保持されているフィニッシャに対して同様に繰り返す。
【0056】
次に、ステップS1511にて、画像形成装置1803は、次のエントリである「Finisher−X」の接続状態を確認する。画像形成装置1803は、「Finisher−X」の接続状態がtrueであることを認識すると、次のステップS1512の条件判断ではステップS1513に進む。ステップS1513においては、画像形成装置1803は、対応するフィニッシャ(すなわちフィニッシャ管理テーブル上で現在着目しているフィニッシャ(現状はFinisher−X))のフィニッシャプロファイルをプリンタドライバ405に送信する。そのために画像形成装置1803は、フィニッシャ管理テーブル902から、対応するフィニッシャプロファイル名称(本ステップではFinisher−Xを対象としているため「finisher−x−of−xyz.xml」)を読む。そしてフィニッシャプロファイル保存領域905からこのファイル名のファイルを取り出し、プリンタドライバ405に送信する(S1513)。次にステップS1514において、画像形成装置1803は、フィニッシャ管理テーブルに記述されているすべてのフィニッシャについて確認したかどうか判断し、まだすべてのフィニッシャの確認をしていければステップS1511に戻る。次の「Finisher−Y」も接続状態が「true」であるため、画像形成装置1803は、「Finisher−X」と同様の処理を実行し、ステップS1513において、現在処理対象としているFinisher−Xのプロファイル名称を「finisher−y−of−xyz.xml」を読む。そして、画像形成装置1803は、フィニッシャプロファイル保存領域から、Finisher−Xのフィニッシャプロファイルを取り出しプリンタドライバ405に送信する(S1513)。画像形成装置1803は、以上のステップをフィニッシャ管理テーブルに登録されているフィニッシャすべてに対して繰り返す。画像形成装置1803は、フィニッシャ管理テーブルの最後のフィニッシャの確認が終わると、ステップS1515においてすべての確認が終了したことを示す情報をプリンタドライバ405に送信して、画像形成装置1803が処理すべき流れ図の処理(S1511〜S1515)は終了する。
【0057】
一方、プリンタドライバ405は、画像形成装置1803から応答を受信し(S1502)、その内容が、「終了」でないか判定する(S1503)。プリンタドライバ405は、S1503の判定により「終了」でないことを判定した場合、S1502において画像形成装置1803から受信したデータはフィニッシャプロファイルであるから、それをプロファイル保存領域404に保存する(1504)。このようにして、プリンタドライバ405は、画像形成装置1803から接続状態にあるニアラインフィニッシャのフィニッシャプロファイルを取得する。
【0058】
なお、インラインフィニッシャのプロファイルもニアラインフィニッシャと同様に取得できる。またインラインフィニッシャについては、画像形成装置に接続可能なものが限られているために、すべてのインラインフィニッシャのプロファイルをあらかじめ画像形成装置1803に保存しておいても良い。
この場合、実際に接続されたインラインフィニッシャのプロファイルに活性化フラグ等が関連づけられて、その接続が示される。したがって、フィニッシャの設定等における処理では、活性化されたインラインフィニッシャが利用可能なフィニッシャということになる。
【0059】
<プリンタドライバのユーザインターフェース>
図16〜図18はプリンタドライバにより提供されるユーザインターフェース画面(以下、プリンタドライバ画面とも呼ぶ。)の一例を示す図である。尚、図16〜図18を用いて説明する各動作、制御も本発明の一部として包含される。プリンタドライバ405は、本システムのMFPやプリンタ等の画像形成装置によるプリント動作等の出力動作を指示するのに好適な表示画面構造のGUIを表示できる。アプリケーションの操作画面等から、ユーザがキー操作により印刷指示したときにコンピュータのディスプレイに表示させる印刷設定用のGUIが表示される。そのGUIには「プリンタ」に関するプロパティの表示指示するための欄があり、その欄をユーザが操作した場合に、印刷設定の表示や変更のためのGUIがさらに表示される。図16はそのGUIの一例を示している。
【0060】
さて、図16乃至図18のGUI上において、ユーザは所望の設定パラメータ(印刷出力処理条件データ)を設定するための操作を行うことが出来る。プリンタドライバは、入力された印刷設定情報に従って、指定された画像等のデータからプリンタなどの送信先(出力先とも呼ぶ)に応じた印刷データを生成する。生成された印刷データは、オペレーティングシステムによりネットワーク等を介して送信先の機器に送信される。
【0061】
図16において、101はプリンタドライバのウィンドウである。このプリンタドライバのウィンドウ101内の設定項目において、102はターゲットとなる出力先を選択する送信先の選択カラムである。このように画面上に表示させる選択カラム102を介してユーザにより本システムの所望の出力先デバイスを選択可能とする。
【0062】
103はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラムである。このカラム103によりクライアントコンピュータ上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像イメージにおいて出力すべきページを設定することができる。このように画面上に表示させるページ設定カラム103を介して本システムの画像形成装置等のデバイスにて印刷出力させるべきページをユーザにより選択可能とする。ユーザは、全ページ印刷させることも、全ページ印刷させることなく特定のページを印刷させることも可能である。
【0063】
104は本システムの画像形成装置にて印刷出力すべきジョブの出力部数を指定する部数設定カラムである。カーソルをカラム104の位置に移動させ、図示の矢印(スクロールバーの矢印)をクリックすることで、部数の増減が設定できる。また、107は前記送信先選択カラム102にて選択された送信先デバイスに関する詳細設定を行うためのプロパティキーである。ユーザによりキー107がキー入力されたことに応答し、プリンタドライバは、コンピュータのディスプレイ上に図17、図18に示す各種の詳細画面を表示させるよう制御する。
【0064】
そして、図16〜図18の各種の操作画面を介してユーザによる所望の設定が済んだ上で、OKキー105をキー入力すれば、ユーザの所望の設定に従った印刷を開始させることが出来る。当該処理を取り消す場合には、キャンセルキー106をユーザが押下することで、これを受け、制御部は印刷を取りやめて、画面101の表示を終了させる。
【0065】
図17、図18は、図16に示した操作画面上のプロパティキー107がユーザによりクリックされたことに応答し、該クライアントコンピュータ画面上に表示される操作画面(GUI)である。
【0066】
この画面には、例えば「ページ設定」、「仕上げ」、「給紙」、「印刷品質」等のシートと各シートを選択するためのタブが設けられている。それらタブをユーザがクリック(図示しないクライアントコンピュータが具備するポインティングデバイス等の操作部で指示)することにより、クリックされたタブに応じて「ページ設定」に関する設定、「仕上げ」に関する設定、「給紙」に関する設定、「印刷品質」に関する設定等の異なる各種詳細な印刷出力条件の設定を行うことができる。
【0067】
図17は、「ページ設定」タブが押下された場合に表示させる操作画面(ページ設定シート)例である。該画面は、用紙サイズ設定部201、面付けレイアウト設定部202、紙の向き設定部203、部数設定部204等を含む。用紙サイズ設定部201は、印刷処理すべきジョブの記録紙の用紙サイズをユーザにより設定可能させるための欄である。面付けレイアウト設定部202は、1枚の記録紙の同一面上に複数ページ分の原稿画像データを配列形成させるレイアウトモードを選択する為の指示を入力するための欄である。面付けレイアウト設定部202では、レイアウトモードにて1枚の記録紙の同一面上に何ページ分の画像を配列形成させるかを複数の候補の中から選択する為の欄でもある。紙の向き設定部203は、印刷される用紙の向きを、ポートレイトやランドスケープ等の複数の選択候補の中からユーザに選択させるための欄である。部数設定部204は、処理対象となるジョブの印刷部数をユーザにより設定させる為の欄である。ユーザインターフェース画面の各設定項目部(各欄)にて、ユーザは所望の印刷設定を入力することが出来る。
【0068】
また、「仕上げ」タブがユーザによるキー操作により選択された場合、これを受けたプリンタドライバ405(すなわち制御部3010)は、複数のフィニッシャプロファイルを保持している場合には、その複数のフィニッシャの一つが選択される。本実施形態においては、インラインフィニッシャが画像形成装置に接続されている場合には、インラインフィニッシャが優先的に選択される。ニアラインフィニッシャのみが接続されている場合には、利用するフィニッシャをユーザに選択させても良い。フィニッシャが選択されると、選択されたフィニッシャのプロファイル情報に応じて図18のシート180に示すような操作画面を表示部に表示させる。
【0069】
図18の画面は、本システムが具備するデバイスのうちの図16の操作画面にて、ユーザにより選択されたデバイスに関わる固有の設定情報、例えばステープル処理の設定やソート処理の設定やパンチ処理の設定や穴あけ処理の設定や製本処理の設定などのフィニッシングの設定を含むシート処理の設定を行うための画面である。このほか、片面印刷するか両面印刷を実行させるかの設定や、プリンタによる色味などのパラメータを変更する画像処理関連のより細かい調整の設定等の各種の詳細設定をユーザにより実行可能な複数の設定部を具備し、ユーザにより上述のような各種の詳細設定が可能である。例えば、この表示例の設定により、図16の操作画面にてユーザにより選択された画像形成装置に、印刷対象となるジョブを、図18の操作画面の設定部301を介してクライアントにより設定された「両面印刷」モードに従って印刷処理させるよう制御する。さらに、設定部302を介して設定された該両面印刷モードにおける「長辺綴じ」設定に基づいた両面印刷処理を実行させるよう該画像形成装置を制御する。また、図18の操作画面の「標準に戻す」キー303をユーザが操作することで、図18の操作画面における印刷詳細設定を初期値へ戻すよう制御する。
【0070】
また、図示しないが、同様にして「印刷品質」タブでは、解像度やハーフトーン設定、などの選択を行うことができる。
【0071】
さらに、308はOKキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を有効にして、図16の画面に戻る。また、309はキャンセルキーで、このキーを押下(指示)すると、図18の設定画面におけるプロパティ設定を無効にして、図16の画面に戻る。
【0072】
以上、各種の詳細設定を含む印刷処理条件のうちのクライアントが所望の出力条件を図16〜図18の各種の印刷設定画面を介して設定した上で、該クライアントコンピュータからジョブの出力要求とそのジョブの上記印刷条件データとそのジョブの画像データを送出する。この処理により、クライアントが選択した画像形成装置を制御して、クライアントにより設定された出力設定に従って、クライアントが選択したデータの出力を行わせることができる。
【0073】
なお、フィニッシャ選択後に「仕上げ」シートに表示される項目は、図15の手順で画像形成装置から取得したフィニッシャプロファイルのうち選択されたもの、および画像形成装置自体のプリンタプロファイルに基づいて表示される。すなわち、選択されたフィニッシャ(たとえばインラインフィニッシャ)の機能に対応する項目が図18の「仕上げ」シート180に表示される。その項目には、あらかじめ定められたデフォルト値が与えられる。たとえば、図6のフィニッシャプロファイルを保持している場合、図18のユーザインターフェースの「ステープル位置指定」ボタン306がアクティブ化される。そして、「ステープル位置指定」ボタン306がオペレータにより押されると、とじ方法を選択するための選択メニュー欄が表示される。そのメニュー欄において、図6のプロファイルの「BookletType」タグで定義された6通りのとじ方法が選択候補として表示される。また、図7のプロファイルに含まれる裁断のサイズなどは、たとえば図18の「しあげ詳細」ボタン307を押すことで裁断後サイズを表示し、そこで設定するように構成できる。
【0074】
<ホストコンピュータにおける印刷処理>
次に、ユーザがプリンタドライバ上で印刷属性の設定を行い、印刷出力されるまでの流れを、図19のフローチャートおよび図16乃至図18のユーザインターフェース画面を参照して説明する。ホ図19の例では、印刷開始前に印刷設定をユーザが変更する場合を想定している。なお、図19の処理はホストコンピュータ内のMPUによって処理されることとなる。
【0075】
まず、ユーザはアプリケーションを用いて印刷するデータを作成した後、該データを印刷すべくプリンタドライバを呼び出すための操作を実行する。このユーザによる実効処理をプリンタドライバが認識することにより、プリンタドライバが呼び出されたことを認識する(ステップS2002)。プリンタドライバは、図16のプロパティボタン107を押下されたことを認識すると、印刷処理における設定を行わせるために詳細設定画面(図17、図18)を表示する(ステップS2003)。
【0076】
プリンタドライバは、印刷すべきデータに対してフィニッシング処理の設定を行うために、たとえば仕上げ詳細ボタン307等の押下に応じて詳細設定画面を表示する。この仕上げ詳細設定画面において、プリンタドライバが情報としてRAM3013などに保持しているサポート対象のフィニッシャの中から任意のフィニッシャが選択されると、そのフィニッシャが提供するフィニッシング機能に対応する設定画面を表示する(ステップS2004)。プリンタドライバがサポートする各フィニッシャの機能が保持されているため、プリンタドライバは、選択されたフィニッシャを認識することにより、該フィニッシャと対応するフィニッシャの機能情報を参照することでS2004の処理が実現される。そして、プリンタドライバはS2004で表示したフィニッシャの機能に対応する設定画面において、選択された機能を認識する(S2005)。詳細には、プリンタドライバは選択されたフィニッシャ機能を一時的にRAM3013などに保持する。
【0077】
プリンタドライバは以上の処理を、設定が完了したことを認識するまで繰り返す(ステップS2006)。プリンタドライバは、設定が完了し、図16のOKボタン105が押下されたことを認識すると印刷処理を実行する(ステップS2007)。印刷処理においては、プリンタドライバは画像形成装置に対して印刷時に必要となる情報(例えばジョブ制御情報および描画命令(印刷ジョブの内容))を出力する(ステップS2008)。詳細には、S2005において選択されたフィニッシャの機能情報などはRAM301に保持されているため、S2008の実行する際にRAM301を参照して読み出すことにより、選択された機能情報を反映したジョブ制御情報を送信することが可能となる。
【0078】
なお、プリンタドライバは選択されたフィニッシャがニアラインフィニッシャであればニアラインフィニッシャに対して、インラインフィニッシャであればインラインフィニッシャに対してジョブ制御情報を出力する。
【0079】
例えば、本実施形態であるステープルの設定のユーザインターフェースにおいて、図18のステープルの設定ボタン画面310やチェックボックス304、ステイプル位置指定ボタン306は、選択したフィニッシャが画像形成装置のインラインフィニッシャかニアラインフィニッシャかは区別されない。印刷ジョブが画像形成装置に送信されるときは、どのフィニッシャで処理を行うのか決定されていなければならないが、このステープルの設定における決定ルールは単純なものであり、インラインフィニッシャが設定された機能を持っていればそれが最優先され、なければニアラインフィニッシャの中から処理速度や処理コストなどの観点から選択される。なお、ニアラインフィニッシャにおいてステープル処理されることが選択されると、ユーザに注意を促す画面を表示するほうが望ましい。その画面の例はここでは省略する。以上の設定が行われると、画像形成装置のインラインフィニッシャにおいてステープル処理されると設定されて、印刷ジョブおよびジョブ制御情報が画像形成装置に送信される。ジョブ制御情報は印刷ジョブに含まれてともに送信されても良い。
【0080】
<ジョブ制御情報の構成例>
次に、図20においてジョブ制御情報の一例を示す。本実施形態においては、ジョブ制御情報はJDF(Job Definition Format)形式で記述された、ジョブチケットと呼ばれるものである。JDFはXMLを用いて定義されている。図20において、「JDF」タグ2600には、ジョブID等が記述されている。「SaddleStitchingParams」タグ2601はサドルスティッチに関するパラメータ設定であり、「CuttingParams」タグ2602は断裁に関するパラメータ設定である。これらタグは「ResourcePool」タグに記述され、使用される資源(機能)して記述されている。「ResourceLinkPool」タグ2603には、サドルスティッチを処理してから断裁を処理するという例が記述されている。この記述の形式はJDFとして定義されており、インラインフィニッシャの機能に応じて、実行すべき処理を記述することができる。もちろん図1のニアラインフィニッシャであるくるみ製本についても同様にJDFで記述出来る。なお図20におけるサドルスティッチおよび断裁機はともにニアラインフィニッシャとして画像形成装置に登録されている場合について説明した。
【0081】
このようにジョブ制御情報には、そのジョブ制御情報の宛先の装置において行われるべき印刷後処理(ポストプレス処理)の手順が記述されて、宛先に送信される。手順とは、フィニッシャにおいて動作の詳細を指定するため設定されるべきパラメータである。たとえばステープル位置や間隔、ステープルされるページ数、製本するページ数、部数、裁断するサイズ等を規定するパラメータである。フィニッシャは、ジョブ制御情報のタグで特定されるパラメータを、そのタグに対応する一定のメモリ領域に保存し、その値に従って後処理を遂行する。もちろんジョブ制御情報をそのまま保存して、タグをキーにして必要なパラメータを読み取っても良い。
【0082】
一例を説明すると、ジョブ制御情報は、プリンタドライバのユーザインターフェース画面、特に図18に示す「仕上げ」シート180で設定されたフィニッシング処理設定にしたがって記述される。ユーザインターフェースにおいてサドルステッチが指定されていれば、図20のタグ2601が記述される。これは他の印刷後処理設定についても同様であり、JDFの定義に従って記述される。このためには、プロファイル情報に記述されたタグと、設定項目の識別子と、ジョブ制御情報に記述されるタグとの対応を記述した、プリンタドライバが参照可能な対応表を用意する。プロファイル情報に含まれるタグに応じて、ユーザが設定可能な欄をユーザインターフェースに表示する。そして、設定が完了した場合には設定された項目(項目の識別子)に対応するタグをジョブ制御情報に追加することで、ジョブ制御情報を構成する。各タグの属性値はフィニッシャに送信されて読み取られ、動作パラメータとして設定される。これはもちろん一例であって、設定されたパラメータとタグとの関連づけがされればどのような方法であても採用することも出来る。
【0083】
<画像形成装置における印刷処理フロー>
画像形成装置に印刷ジョブが送信されると、画像情報が画像形成装置内で処理され印字される。また平行して、ジョブ制御情報が画像形成装置内で処理され、画像形成装置自身の持つフィニッシャプロファイルと照らし合わせて、どのフィニッシャでどのようなフィニッシング処理されるのか判断される。本実施形態においては、インラインフィニッシャに対するジョブ制御情報において、右上一箇所のステープル処理が行われる設定が記述されているものとする。画像形成装置は、ジョブ制御情報を解析して、たとえばタグの属性として記述された値を、タグに対応するフィニッシャの動作設定用のパラメータとして書き込む。もちろん値をそのまま書き込むとは限らず、フィニッシャに適合した値に変換することもあり得る。この後、この設定に従って印刷ジョブが処理され、印刷後処理が実行される。
【0084】
ここで、印刷ジョブを行う前、あるいは処理中に、フィニッシャが処理を継続できなくなった場合、本実施形態では例えばステープル針が切れてしまった場合を考える。通常は、ユーザに対して「針無し」警告を表示し、補充されるまで処理を中断する。これに対して、本実施形態の画像形成装置は、ジョブ制御情報で指定されたフィニッシャにおいて指定された後処理が行えないことを検知したら、その画像形成装置が持つ全てのフィニッシャプロファイルの中から、代替できる、すなわち指定された後処理に係る機能記述(タグ)と同一の機能記述(タグ)を持つフィニッシャプロファイルを探し出す。たとえば指定された後処理がステープルであれば、インラインフィニッシャのプロファイルにおける機能記述「ステープル」と同一の機能記述を持つ他のフィニッシャプロファイルを検索する。まず利用可能なフィニッシャプロファイルを走査して、「ステープル」の機能記述、すなわちステープルのタグを持つフィニッシャプロファイルを探す。プロファイルが複数個見つかった場合、その中から提供する機能や処理時間、処理コストなどの観点から判断し、ひとつに絞る。たとえば、フィニッシャプロファイルに記述された処理能力を互いに比較し、もっとも能力の高いフィニッシャプロファイルを選択する。選択されたフィニッシャプロファイルに対応するフィニッシャが代替フィニッシャとなる。もちろんひとつしか候補が存在しなければ、それが代替フィニッシャとなる。候補が一つもなければ、従来通り、後処理の中断をユーザに中止して、中断理由の解除を待つ。
【0085】
代替フィニッシャが決定されると、ジョブ制御情報で指定されたフィニッシャの処理機能を、そのインラインフィニッシャから代替フィニッシャ(本例ではニアラインフィニッシャ)に対して、後処理設定を振り替えた新しいジョブ制御情報を生成する。そして、印刷指示を行ったホストに対し、処理の振り替えを行った旨を通知し、更に、画像形成装置で印刷出力された出力物を代替フィニッシャで後処理するよう通知する。なお、本願では代替フィニッシャに対して後処理設定を振り替えた新しいジョブ制御情報を生成すると記載したが、これに限ることはなく、ジョブ制御情報を変更することも含まれる。
【0086】
印刷ジョブを処理する前、あるいは処理中にフィニッシャが処理を継続できなくなった場合の処理フローを図21に示す。図21は画像形成装置のジョブ制御部1901により実行される。
【0087】
画像形成装置の制御部1901は、印刷ジョブを処理する前、あるいは処理中にフィニッシャにエラーが発生したことを検知する(S2102)。なお、S2101の処理は、従来の画像形成装置において通常行われている用紙不足の検知やステイプル針が切れてしまった場合の検知方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。たとえば、インラインフィニッシャから、ステイプル針の残量が内旨の信号がプリンタ1905を介してジョブ制御部1901に入力される。
【0088】
画像形成装置の制御部1901は、ニアラインフィニッシャのプロファイルから印刷ジョブのフィニッシャ処理を代替することができるフィニッシャを検索する(S2103)。詳細には、画像形成装置に接続されているニアラインフィニッシャの機能を示すプロファイルは画像形成装置内の記憶部に保持されているため、画像形成装置の制御部は代替可能なフィニッシャを検索することが可能となる。ここでは、上述したとおり、指定された後処理に係る機能記述(タグ)を持つニアラインフィニッシャのプロファイルを検索する。
【0089】
S2102の検索により、画像形成装置の制御部は代替可能なニアラインフィニッシャが存在すると判定した場合(S2104−Yes)、代替可能と判定されたニアラインフィニッシャが使用可能か否かを判定する(S2105)。S2105における判定方法の一例として、S2103で代替可能と検索されたニアラインフィニッシャに対して、画像形成装置の制御部1901が、当該フィニッシャが現在使用可能か否かを問い合わせる方法が挙げられる。その他にも、画像形成装置の制御部が、一定の間隔でニアラインフィニッシャから現在の使用状況を受信するようにしても構わない。また、フィニッシャ管理テーブルにおいて接続欄が「true」となっているフィニッシャを利用可能と判断することもできる。さらに、フィニッシャのスケジュールがパーソナルコンピュータやフィニッシャ用のコントローラ等で管理されていれば、そのスケジュールを参照して使用されていないフィニッシャを見つけることが出来る。
【0090】
S2105の判定により、代替可能と判定されたニアラインフィニッシャを使用できると判定した場合(S2105−Yes)、画像形成装置の制御部1901は、代替可能と判定されたニアラインフィニッシャ用のジョブ制御情報を生成する(S2106)。詳細には、画像形成装置の制御部1901は、外部装置(例えばホストコンピュータ)から受信したジョブ制御情報を記憶部に保持している。画像形成装置の制御部1901は、インラインフィニッシャでは行わせようとしてエラーにより行えないと判定された後処理を、代替可能と判定されたニアラインフィニッシャで行わせるために、記憶されたジョブ制御情報からニアラインフィニッシャ用にて代替処理を実行させるためのジョブ制御情報を生成する。なお、上述したようにジョブ制御情報を新たに生成するのみならず、記憶部に保持されているジョブ制御情報を書き換える場合も考えられる。一例をあげて説明をすると、画像形成装置の制御部が外部装置から受信したジョブ制御情報には「画像形成装置のインラインフィニッシャを用いてページの右上にステイプル処理を行う」との情報が含まれているとする。しかし、画像形成装置のステイプル機能のエラーによりステイプル処理が行えなくなった場合、同様のステイプル機能を有するニアラインフィニッシャAにステイプル処理を代行させるため、画像形成装置の制御部は「ニアラインフィニッシャAを用いてページの右上にステイプル処理を行う」とジョブ制御情報を生成(または変更)する。それとともに、インラインフィニッシャに対するジョブ制御情報から、ステープルの設定を削除し、インラインフィニッシャの設定を変更する。
【0091】
画像形成装置の制御部1901は、S2106により生成されたジョブ制御情報を所定の条件に応じて代替可能と判定されたニアラインフィニッシャに送信する(S2107)。詳細には、画像形成装置の制御部は、S2106で新たに生成(または変更)されたジョブ制御情報を画像形成装置内の記憶部に保持しておき、それを、ニアラインフィニッシャからのジョブ制御情報の要求に応じて、記憶部に保持されているジョブ制御情報を送信することとなる。また、ジョブ制御情報は識別情報(例えばジョブID)と共に記憶部に保持することにより、ユーザがニアラインフィニッシャに入力したジョブIDと対応するジョブ制御情報をニアラインフィニッシャに送信するようにしても構わない。ジョブIDは、クライアントコンピュータに対して、フィニッシャの代替を行う旨の通知とともに、送信される。コンピュータではジョブIDが表示され、オペレータに知らされる。ジョブIDは画像形成装置の操作パネルに表示しても良い。代替フィニッシャの動作の詳細は、後述する図22を用いて説明する。
【0092】
一方、ステップS2105において選択されたフィニッシャが利用可能でないと判定されれば、他の候補のフィニッシャがあるか判定し、なければ代替せずに印刷ジョブを中断する。もし候補が他にあれば、ステップS2104から繰り返す。
【0093】
以上、図21の処理により、画像形成装置のインラインフィニッシャにおいてエラーが検知された場合であっても、フィニッシング処理を代行できるニアラインフィニッシャを検索し、ニアラインフィニッシャ用にジョブ制御情報を生成して、送信することで代替可能と判定されたニアラインフィニッシャは外部装置から要求されたフィニッシング処理を引き継ぐことができ、本来処理すべきフィニッシング装置にエラーが発生しても処理を止めることなく進めることが可能となる。
【0094】
画像形成装置においては、ステープル針が切れていても、ステープル処理が行われないため印刷は完了する。そして次節に述べるように、ステープル処理は代替フィニッシャにおいて行われるため、ユーザは所望の出力を得ることができる。
【0095】
<ニアラインフィニッシャにおけるポストプレス処理>
フィニッシャによる別の処理の例の流れを図22に示す。この例では、画像形成装置は、代替フィニッシャに対するジョブ制御情報を代替ニアラインフィニッシャに対して送信せず、要求があるまで保持している。そしてフィニッシャが画像形成装置に対してIDとともにジョブ制御情報を要求すれば、その要求に応じて画像形成装置はジョブ制御情報を代替フィニッシャに送信する。なお、図22の各ステップの処理は図22のフィニッシャに含まれる制御部が実行する。
【0096】
さて、本例においては、フィニッシャの制御部は、まずユーザからのジョブID入力を待つ(ステップS1701)。次にフィニッシャの制御部は、ジョブIDが入力されたか否かを判定する(S1702)。ユーザのジョブIDの入力方法としてはフィニッシャの操作部にジョブIDを直接入力する場合も考えられるし、ジョブIDの識別情報が描画された記録媒体をフィニッシャが有する読み込み装置に読み込ませる場合も考えられる。
フィニッシャの制御部がユーザからのジョブID入力を認識した場合、画像形成装置に対してジョブIDに対応したジョブ制御情報を要求して取得する(ステップS1703)。ジョブIDが入力されない場合は続けてジョブIDの入力を待つ。なお、S1703により取得された該ジョブIDに対応するジョブ制御情報はフィニッシャの記憶部に保存される。
【0097】
次にフィニッシャの制御部は、S1703において取得したジョブ制御情報の内容をもとに、従来では出力された手順書をもとにオペレータが手動で設定していた用紙幅などの印刷後処理時に必要となるパラメータを設定するS1704)。詳細には、取得したジョブ制御情報はフィニッシャの記憶部に保持されているいため、フィニッシャの制御部が記憶部を参照することにより、ジョブ制御情報の内容を解析し、設定することが可能となる。
【0098】
そして、S1704により設定されたパラメータを確認させるため、フィニッシャの制御部は設定情報(パラメータ情報)を表示し、問題ないか否かを判定する(S1706)。例えば、S1704により解析した設定内容をフィニッシャが有する表示部などに表示し、ユーザが該設定内容を認証するか否かの入力を認識することにより、S1706の判定処理を実行する。
【0099】
S1706の判定の結果、問題がなければステップS1707へと進み、フィニッシャの制御部はS1705において設定した内容をもとにフィニッシング処理を実行する。なお、S1706において問題があると判定された場合、フィニッシャの制御部は、問題部分を修正するためにユーザに手動設定を要求(S1708)し、その後で設定された内容をもとにフィニッシング処理を行う(S1707)。フィニッシャが複数台接続されている場合は次のフィニッシャに対して同様の処理を繰り返す。
【0100】
以上のようにして、本実施形態の画像形成装置によれば、選択されたフィニッシャにより遂行できない後処理については、他の利用可能なフィニッシャを選択してそのフィニッシャにより代替させることができる。このため、後処理の中断に起因する印刷ジョブ全体の中断を防止でき、生産性を向上させることができる。また、フィニッシャの稼働率を高めることができる。
【0101】
なお、上記実施形態では、インラインフィニッシャをニアラインフィニッシャで代替させているが、最初にニアラインフィニッシャを選択し、それによる後処理を他のニアラインフィニッシャで代替させることもできる。また、最初にニアラインフィニッシャを選択し、それによる後処理をインラインフィニッシャで代替させることもできる。また、複数のニアラインフィニッシャを組み合わせて後処理を実行することも考えられる。
【0102】
[第2実施形態]
本実施形態の画像形成装置は、互換の機能を持つフィニッシャによって後処理の代替を行うに止まらず、同一の結果をもたらす一定の機能(あるいは機能の組み合わせ)を見つけ、その機能(これを代替機能と呼ぶ。)によって当初の機能を代替させることができる。各装置やシステムの構成は第1実施形態と同様である。そして以下の説明のように、代替機能を特定し、特定された後処理機能を持つフィニッシャプロファイルを、図21の要領で検索してジョブ制御情報を生成する。したがって本実施形態において特徴的と言えるのは、代替機能の特定にある。それを図23を参照して説明する。
【0103】
例えば、A4用紙に印刷を行う印刷ジョブを処理するとき、画像形成装置においてA4用紙がなくなった場合を考える。普通の画像形成装置においては、用紙がなくなったらジョブは停止され、用紙の補充が行われないと印刷ジョブは再開されない。或いは、その印刷ジョブをキャンセルし、別の画像形成装置に対して再度A4用紙への印刷を指示する必要がある。しかし、裁断機能を持つフィニッシャプロファイルが登録された画像形成装置では、印刷ジョブを止めることなくジョブを継続することが可能である。この方法を具体的に述べる。
【0104】
A4用紙に印刷する指定をしているジョブ制御情報を処理する画像形成装置において、A4用紙がなくなった場合、その画像形成装置は自身が持つ全てのフィニッシャプロファイルを検索し、A3用紙を2等分する機能を持つ裁断機能を持つニアラインフィニッシを検出する。検出ができたら、自身の画像形成装置においてはA3用紙へ印刷処理を実行するよう設定し、また、検出したニアラインフィニッシャに対しては、A3用紙を2等分する裁断処理を設定する内容のジョブ制御情報を生成(または変更)し送信する。
【0105】
ここで、画像形成装置は、印刷出力を行う前に、印刷イメージの変更を行う必要がある。これを図23を用いて説明する。A4両面の出力を得る場合、1ページ分のA4イメージをA4用紙に割り当て、それを両面に印刷する場合が普通である。すなわち印刷ジョブ2301(模式的に示す。)が画像形成装置に送信される。この場合、画像形成装置からは出力物2302が出力される。
【0106】
しかし、画像形成装置にA4用紙が無く、A3用紙に印刷する場合、A3用紙を2枚のA4用紙が連続したものと見なして、A3用紙上に2ページ分のA4イメージを割り当て、それを両面に印刷して2等分することによってもA4両面の出力を得ることができる。しかも、裁断後に二山になった出力物を重ねて一山にするとき、一方の山の上に他方の山を重ねればそのままページ順に用紙が配置されるようにレイアウトすればソートの手間が掛からない。そこで、画像形成装置は、ソートの手間が掛からないようにページ順を入れ替えるべく印刷データをレンダリングし直す。このとき、画像形成装置において、受信したデータ及びジョブ制御情報に対応するA4の印刷データから、再RIP(Raster Image Processing)を行い、2303に対応するA3の印刷データを生成する。A3の印刷データの生成例として、画像形成装置は、A4用のPDLからA3用の解像度、座標位置等を設定した中間データを生成し、このA3用の中間データを再度展開処理することにより、A3の印刷データ(ビットマップデータ)を生成することが可能となる。また、RIP済みのA4用の印刷データをA3用に2面分貼り付けて印刷しても良い。
【0107】
画像形成装置で出力した図23の印刷物2304を、ニアラインフィニッシャにセットする。画像形成装置から送信されたジョブ制御情報により、ニアラインフィニッシャはA3用紙をA4用紙に裁断する。裁断されると2305になり、その後、2305のB山の上にA山を重ねることで、当初2302で要求した通りの2306出力物を得ることができる。
【0108】
すなわち、制御部1901は、A4両面の印刷の指定を含む印刷ジョブの処理前あるいは処理中にA4用紙切れの状態を検出した場合、A3用紙の有無を検出する。A3用紙があれば、次に利用可能なフィニッシャのフィニッシャプロファイルから、A3サイズ用紙を中央で裁断する裁断機能が記述されたプロファイルを検索する。この記述形式は、JDFでは規定されているので、規定されたタグ及び属性がフィニッシャプロファイルに含まれることを判定すればよい。該当するプロファイルがあれば、そのフィニッシャに送信するジョブ制御情報を生成(または変更)する。ジョブ制御情報には、A3サイズ用紙を中央で裁断する設定を記述する。そして、それ以降印刷されるページについては、ページ配置を図23のジョブ2303のように変更して印刷する。具体的には、印刷開始ページがPs(奇数とする。)、末尾のページがPeである場合、表面左にページ(Ps+2i−2)を、表面右にページ(((Pe−Ps+4)/4)*2+2i−1)を配置する。ただし「/」は、商の整数部を求める演算を表し、iは、A3の用紙の順序を示す数である。たとえば最初の用紙であればi=1である。また裏面には、裏面右(裏面を上にした場合)にはページ(Ps+2i−1)を、裏面左にはページ(((Pe−Ps+4)/4)*2+2i)を配置する。該当するページ番号のページがなければ、対応する欄は白紙にしておく。
【0109】
以上のようにページを配置し直してレンダリングし、それをニアラインフィニッシャにより裁断することで、A4両面印刷が実現できる。
【0110】
このように、本実施形態によれば、画像形成装置が、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態を検出すると、この印刷設定を置換するための後処理機能を有するフィニッシャを検索し、検索されたフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する。この処理により、当初の印刷ジョブと同等の出力結果を得ることが可能となり、たとえばA4両面印刷の設定がされた印刷ジョブを、A3の2イン1印刷および裁断後処理により代替して実行できる。また、複数のニアラインフィニッシャを組み合わせて後処理を代替して実行することも考えられる。このように実施例2では、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態が検出された場合、使用すべき用紙種別を変更して印刷処理を実行し、利用可能なフィニッシャを用いて処理することで当初の出力結果と同等の出力結果を得ることが可能となる。
【0111】
[第3実施形態]
例えば、A3を中綴じ製本し、A4のブックレット処理するとき、画像形成装置において中綴じ機能が壊れてしまい、その処理パスが使えなくなった場合を考える。普通の画像形成装置においては、機能が壊れるとジョブは停止され、機能が復旧されるまで印刷ジョブは再開されない。或いは、その印刷ジョブをキャンセルし、別の画像形成装置に対して再度印刷を指示する必要がある。しかし、ニアラインフィニッシャのプロファイルを持つ画像形成装置では、印刷ジョブを止めることなくジョブを継続することが可能である。この方法を具体的に述べる。
【0112】
図24を用いて説明する。2402のA4ブックレットの出力を得る場合、2401に示すようにA3用紙にA4の2ページのイメージを面付けし、A3の両面に印字する。なお「裏の頁番号」で示されている番号は、表側から見た場合の番号である。すなわち16ページの裏面には15ページが面付けされる。これをインラインフィニッシャにて中綴じ処理を行う必要がある。
【0113】
画像形成装置に接続しているインラインフィニッシャが壊れてしまい中綴じ処理ができなくなった場合、その画像形成装置が持つ全てのフィニッシャプロファイルの中から、代替手段を検索する。中綴じ機能がなくても、折り・裁断・製本機能を持つニアラインフィニッシャを見つけることができれば、処理時間がいくらか長く、処理コストがいくらか高く付いても、製本出力という当初予定していた最終成果物と同等の成果物を得ることができる場合がある。この場合、インラインフィニッシャの中綴じ機能を、ニアラインフィニッシャ折り・裁断・製本機能へ代替する。
【0114】
また、もともと、2401に示すようにA3サイズのイメージだったものを、2403に示すように、A1サイズにA4サイズのページを8面面付けしたイメージになるように再度RIPを行う。各ページの方向はページ番号と一致した方向である。そしてこのイメージを印刷する。そして、画像形成装置において8面の面付けがされたA1サイズの出力物を得ると、それを折り・裁断・製本機能を持つニアラインフィニッシャにセットし、処理を継続することができる。折りの順序は「谷1」を谷折りし、その後「山1」を山折りして「谷2」を谷折りする。なお、折りは図の右から左へ、下から上へとおるものとする。もちろん、紙の折り方は幾通りも考えられ、折り方に応じて面付けの順序も変わる。そのため、プロファイルの折り機能により示される折り方に応じて、再面付けは行われる。なお、ページレイアウトは、A1サイズ1枚分についてあらかじめ記憶してく(たとえば図24のレイアウト2403)。そして、A1サイズのシート1枚進む毎に、レイアウトされるページ番号に16ずつオフセット値を加え、レイアウトを行う。たとえば2枚目のシートであれば、レイアウト2403のページ番号には、それぞれ16が加算される。
【0115】
このようにして、2枚折りの製本印刷を、16面付け・折り・裁断・製本によって代替することが出来る。
【0116】
以上のように、あるフィニッシャにおいて何らかのエラーが発生しフィニッシング処理が実行できない時、他のフィニッシャにおいてその機能を代替させることで、印刷ジョブを止めることなく処理を行うことが可能となる。そして、フィニッシャを変更する時、必要に応じて画像形成装置において印刷データの再RIPを行い、出力イメージを変更することができることが特徴である。
【0117】
なお、第2実施形態および第3実施形態では、代替できる機能を限定しているが、このほかの機能を代替させることも出来る。それら機能はプログラムによって固定的に決めておいても良いが、たとえばテーブルで代替できる機能と、代替後の機能(あるいはその組み合わせ)とを対応付けたテーブル、および代替された場合に画像形成装置が行うべき面付けの方法を、画像形成装置に保存しておいてもよい。このようにすれば、代替機能をより幅広く、かつ柔軟に実現できる。また、複数のニアラインフィニッシャを組み合わせて後処理を代替して実行することも考えられる。
【0118】
ニアラインフィニッシャにより機能の代替を行わせる場合、代替するフィニッシャの特定方法の一例について説明する。ニアラインフィニッシャである裁断機の能力情報として、用紙サイズ変更機能を持つことが記述されている。そして、その詳細として、Am(例えばA3サイズ)サイズをAn(例えばA4サイズ)サイズに裁断すると記述されている(勿論、B系用紙の裁断能力も記述されているし、任意のサイズの裁断能力も記述されているが、この実施例には関係ない。)。A4が無い場合、用紙サイズに関する能力を持つニアラインフィニッシャを検索し、そのなかから裁断機を探し出す。あればその能力情報を検索して、A4がA3を2つに裁断することで得られることを判断する。したがって、A4用紙が無ければ、用紙サイズ変更機能を持つニアラインフィニッシャを探して、A3を裁断してA4をつくる代替機能を決定する。以上が代替するフィニッシャの特定方法の一例とである。
【0119】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体およびプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0120】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0121】
<実施形態に記載の発明の効果>
以上説明した各実施形態およびその変形例によれば、利用するニアラインフィニッシャに対しても、プリンタと同様にジョブ制御情報をプリンタドライバにより生成して送信することができる。これによって、利用者がフィニッシャの設定を手作業で行うことなく、フィニッシャの設定を行える。このため、印刷後処理工程の生産性が向上し、また設定の誤りを防止することができる。さらに、ニアラインフィニッシャ自身がプロファイル情報を有し、クライアントコンピュータが直接、あるいはプリンタを介してそのプロファイル情報を収集することで、新たに接続したニアラインフィニッシャに関する情報の入力作業を省力化できる。
【0122】
また、プリンタが、プリンタドライバから発行されるジョブ制御情報を仲介してニアラインフィニッシャに転送することで、プリンタドライバは、ニアラインフィニッシャ用のジョブ制御情報の生成及び送信を特別に行う必要がない。このため、プリンタドライバのプログラミング作業の簡易化が実現でき、コード量の削減やプログラムの誤りの減少に寄与する。
【0123】
また、複数のフィニッシャを利用可能な場合には、優先順位により指定されたフィニッシャを優先的に利用でき、利用者が優先順位を変更することで、使用するフィニッシャを指定することが出来る。
【0124】
また、インラインフィニッシャを優先的に使用することで、印刷装置から後処理装置までの印刷物の搬送作業を減少させることができ、省力化、生産性の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】画像形成装置のブロック図である。
【図3】コンピュータのブロック図である。
【図4】ニアラインフィニッシャの内部構成図である。
【図5】クライアントコンピュータのソフトウエア構成図である。
【図6】製本機のフィニッシャプロファイルを記述した例を示す図である。
【図7】裁断機のフィニッシャプロファイルを記述した例である
【図8】画像形成装置の内部モジュール図である。
【図9】フィニッシャ管理テーブルの一例を示す図である。
【図10】フィニッシャ接続手順を示す流れ図である。
【図11】画像形成装置操作パネルの初期画面の一例を示す図である。
【図12】画像形成装置操作パネルのOptions設定画面の一例を示す図である。
【図13】画像形成装置操作パネルのフィニッシャ登録画面の一例を示す図である。
【図14】更新されたフィニッシャ管理テーブルの一例を示す図である。
【図15】フィニッシャプロファイルの取得方法を示す流れ図である。
【図16】プリンタドライバダイアログの一例を示す図である。
【図17】プリンタドライバのページ設定プロパティシートの一例を示す図である。
【図18】プリンタドライバの仕上げプロパティシートの一例を示す図である。
【図19】ホストにおける処理の流れ図である。
【図20】ジョブ制御情報の一例を示す図である。
【図21】画像形成装置における機能代替の処理の流れを示す図である。
【図22】フィニッシャ側の処理の流れを記述した図である。
【図23】両面印刷を、面付け両面および裁断により代替する例を示す図である。
【図24】製本印刷を、面付け両面および折り、裁断、製本により代替する例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置であって、
第1のフィニッシャにおける後処理の停止状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記第1のフィニッシャの停止が検出されると、前記第1のフィニッシャにて実行すべき処理を代替可能なフィニッシャを前記能力情報に基づいて検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された第2のフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検索手段は、前記第1のフィニッシャにおける後処理に係る機能と互換の機能を持つフィニッシャを検索することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検索手段は、前記第1のフィニッシャにおける後処理を、当該後処理に係る機能以外の機能により置換し、置換後の機能を持つフィニッシャを検索することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記第1のフィニッシャにおける後処理の停止状態として、ステープル処理の停止状態を検出し、
前記検索手段は、ステープル機能を有するフィニッシャを、第2のフィニッシャとして検索することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置であって、
指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により印刷ジョブを遂行できない状態が検出されると、前記印刷設定を置換するための後処理機能を有するフィニッシャを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記検出手段により、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態が検出された場合、複数のフィニッシャを組み合わせることで前記印刷ジョブを遂行可能となるか否かを前記能力情報を用いて判断する判断手段を有し、
前記判断手段により複数のフィニッシャを組み合わせることで前記印刷ジョブが遂行可能であると判断された場合、前記生成手段は、前記複数のフィニッシャ用に後処理設定情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出手段により、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態が検出された場合、前記画像形成装置は、使用すべき用紙種別を変更して印刷処理を実行することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
接続されたフィニッシャの能力情報を収集する収集手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
生成された後処理設定情報をフィニッシャに送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1のフィニッシャは前記画像形成装置が備えるインラインフィニッシャであり、前記第2のフィニッシャは前記画像形成装置と接続可能なニアラインフィニッシャであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置の制御方法であって、
第1のフィニッシャにおける後処理の停止状態を検出する検出工程と、
前記検出工程により前記第1のフィニッシャの停止が検出されると、前記第1のフィニッシャにて実行すべき処理を代替可能なフィニッシャを前記能力情報に基づいて検索する検索工程と、
前記検索工程により検索された第2のフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成工程と
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
前記検索工程は、前記第1のフィニッシャにおける後処理に係る機能と互換の機能を持つフィニッシャを検索することを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記検索工程は、前記第1のフィニッシャにおける後処理を、当該後処理に係る機能以外の機能により置換し、置換後の機能を持つフィニッシャを検索することを特徴とする請求項11または12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記検出工程は、前記第1のフィニッシャにおける後処理の停止状態として、ステープル処理の停止状態を検出し、
前記検索工程は、ステープル機能を有するフィニッシャを、第2のフィニッシャとして検索することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の制御方法。
【請求項15】
利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置の制御方法であって、
指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態を検出する検出工程と、
前記検出工程により印刷ジョブを遂行できない状態が検出されると、前記印刷設定を置換するための後処理機能を有するフィニッシャを検索する検索工程と、
前記検索工程により検索されたフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成工程と
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項16】
前記検出工程により、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態が検出された場合、複数のフィニッシャを組み合わせることで前記印刷ジョブを遂行可能となるか否かを前記能力情報を用いて判断する判断工程を有し、
前記判断工程により複数のフィニッシャを組み合わせることで前記印刷ジョブが遂行可能であると判断された場合、前記生成工程は、前記複数のフィニッシャ用に後処理設定情報を生成することを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記検出工程により、指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態が検出された場合、前記画像形成装置は、使用すべき用紙種別を変更して印刷処理を実行することを特徴とする請求項15または16に記載の制御方法。
【請求項18】
接続されたフィニッシャの能力情報を収集する収集工程をさらに備えることを特徴とする請求項11乃至17のいずれかに記載の制御方法。
【請求項19】
生成された後処理設定情報をフィニッシャに送信する送信工程をさらに備えることを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載の制御方法。
【請求項20】
前記第1のフィニッシャは前記画像形成装置が備えるインラインフィニッシャであり、前記第2のフィニッシャは前記画像形成装置と接続可能なニアラインフィニッシャであることを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに記載の制御方法。
【請求項21】
利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
第1のフィニッシャにおける後処理の停止状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記第1のフィニッシャの停止が検出されると、前記第1のフィニッシャにて実行すべき処理を代替可能なフィニッシャを前記能力情報に基づいて検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された第2のフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項22】
利用可能なフィニッシャの能力情報を持つ画像形成装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
指定された印刷設定では印刷ジョブを遂行できない状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により印刷ジョブを遂行できない状態が検出されると、前記印刷設定を置換するための後処理機能を有するフィニッシャを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたフィニッシャに対する後処理設定情報を生成する生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−308692(P2006−308692A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128618(P2005−128618)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】