説明

情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラム

【課題】入庫時刻と出庫時刻の両方に関連した駐車件数が表示される駐車件数情報を生成するようにする。
【解決手段】図10は、入庫時刻と出庫時刻の両方に関連した駐車件数が表示される駐車件数情報の表示例である。駐車件数情報の表示画面は、1時間毎の区間に区切られている入庫時刻軸201、1時間毎の区間に区切られている出庫時刻軸202、及び入庫時刻軸201上の区間と出庫時刻軸202の区間とに対応する欄203から構成されている。入庫時刻軸201上の区間と、出庫時刻軸202上の区間とに対応する欄203に、入庫時刻軸201の区間の時間帯に入庫して出庫時刻軸202上の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた駐車件数表示204が示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムに関する。特に、駐車場の利用状況把握に適用するのが好ましい情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、時間貸駐車場では、駐車場における集金情報や入出庫情報が、通信システムを介して、管理センターの管理装置に集められるようになされている(例えば、特許文献1参照)。管理センターでは、管理装置に集められた各種情報に基づいて、日報等の管理情報が生成される。生成された管理情報は、例えば、駐車場のオーナーであるユーザに、適宜、提供される。
【0003】
例えば、ユーザに提供される日報には、ある日の売上金額や出庫件数が、時間毎に示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−174047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の各種情報は、入庫件数、出庫件数、売上金額などそれぞれ個別の情報であり、それらの情報から駐車料金をどのように設定するかなど、駐車場の効果的な運用を検討するには、充分とは言えない情報となっている。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、駐車場の効果的運用を容易に検討することができる情報を、生成することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、所定の期間中に所定の駐車場に入庫又は出庫した車両についての入庫時刻及び出庫時刻を取得する取得手段と、期間中に駐車場に入庫又は出庫した車両の数が集計される駐車件数情報を生成する生成手段とを備える情報処理装置において、駐車件数情報に基づく表示画面は、少なくとも、所定の時間帯の区間に区切られている入庫時刻軸と、所定の時間帯の区間に区切られている出庫時刻軸とを有して構成され、入庫時刻軸上の区間と、出庫時刻軸上の区間とに対応する表示画面上の位置に、入庫時刻軸の区間の時間帯に入庫して出庫時刻軸の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた表示が示されることを特徴とする。
【0008】
このような駐車件数情報に基づく表示画面には、入庫時刻軸のそれぞれの区間について、入庫時刻軸上の区間と、入庫時刻軸のその区間の時間帯と同じ時間帯の出庫時刻軸の区間とに対応する位置に、入庫時刻軸の区間の時間帯に対応する表示が示されるようにすることができる。
【0009】
本発明の情報処理方法及びプログラムは、所定の期間中に所定の駐車場に入庫又は出庫した車両についての入庫時刻及び出庫時刻を取得する取得ステップと、期間中に駐車場に入庫又は出庫した車両の数が集計される駐車件数情報を生成する生成ステップとを含む情報処理において、駐車件数情報に基づく表示画面は、少なくとも、所定の時間帯の区間に区切られている入庫時刻軸と、所定の時間帯の区間に区切られている出庫時刻軸とを有して構成され、入庫時刻軸上の区間と、出庫時刻軸上の区間とに対応する表示画面上の位置に、入庫時刻軸の区間の時間帯に入庫して出庫時刻軸の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた表示が示されることを特徴とする。
【0010】
本発明の情報処理装置及び情報処理方法、並びにプログラムにおいては、所定の期間中に所定の駐車場に入庫又は出庫した車両についての入庫時刻及び出庫時刻が取得され、期間中に駐車場に入庫又は出庫した車両の数が集計される駐車件数情報が生成される。そして、駐車件数情報に基づく表示画面は、少なくとも、所定の時間帯の区間に区切られている入庫時刻軸と、所定の時間帯の区間に区切られている出庫時刻軸とを有して構成され、入庫時刻軸上の区間と、出庫時刻軸上の区間とに対応する表示画面上の位置に、入庫時刻軸の区間の時間帯に入庫して出庫時刻軸の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた表示が示される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、駐車場の効果的運用を容易に検討することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用した駐車場管理システムの構成例を示す図である。この駐車場管理システムは、出庫阻止装置1、精算機2、ネットワーク3及び中央管理装置4から構成されている。
【0014】
出庫阻止装置1は、車室(例えば、駐車場内の白線で囲まれた領域)毎に設けられている。なお図1には1個の車室1Aが示されているが、実際には、駐車場内に複数設けられており、その各車室には、それぞれ出庫阻止装置1が設けられている。
【0015】
出庫阻止装置1は、駆動機構11、ロック板12、車両感知器13、及び制御装置14から構成されている。
【0016】
駆動機構11は、制御装置14からの指令に応じて、ロック板12を開閉駆動させる。ロック板12が図1に示すように閉じているとき、車両の入庫が可能となり、開いているとき、出庫できない機構となっている。
【0017】
車両感知器13は、ループセンサ等から構成されており、地中内に埋設されている。車両感知器13は、車室に車両があることを検知し、その検知結果を示す信号(以下、車両検知信号という)を制御装置14に送信する。
【0018】
制御装置14は、駆動機構11の筐体内に設定され、車両感知器13から送信されてきた車両検知信号に応じて、駆動機構11を制御して、ロック板12を駆動させる。制御装置14はまた、精算機2と、通信可能に接続されており、車両感知器13から車両検知信号が送信されてきたとき、その車両検知信号を、精算機2に送信する。
【0019】
精算機2は、各出庫阻止装置1(の制御装置14)から送信されてきた入車両検知信号に基づいて、車室への入庫時刻及び車室からの出庫時刻(以下、個々に区別する必要がない場合、入出庫情報という)を決定する。
【0020】
精算機2は、利用者の入力(例えば、車室番号の入力等)を受け付け、その入力と、入出庫情報に基づいて、精算処理を実行する。
【0021】
精算機2は、入出庫情報や、精算処理の結果得られた精算料金等の情報(以下、入出庫情報や、精算料金等の情報を、個々に区別する必要がない場合、まとめて利用情報という)を、例えば電話回線等のネットワーク3を介して中央管理装置4に送信する。
【0022】
中央管理装置4は、例えば駐車場の管理者に駐車場の効果的な運用をアドバイスし、また駐車場の設備をメンテナンスするメンテナンス業者の施設内に配置される。この中央管理装置4は、精算機2から送信されてきた利用情報を受信し、それを後述するように解析し、後述するような管理情報を生成する。生成された管理情報は、例えば他のネットワークを介して、駐車場の管理者(即ち、駐車場管理システムのユーザとなる駐車場のオーナー)のパーソナルコンピュータ(図示せぬ)に送信されたり、記録媒体に記録されて、ユーザに提供される。なお、精算機2が生成した利用情報を、中央管理装置4へ送信すると同時に、直接、駐車場の管理者に送信するようにしてもよい。また中央管理装置4は、メンテナンス業者の施設内ではなく、他のサービス業者、駐車場の管理者自身の施設内など他の場所に設定されてもよい。
【0023】
図2は、出庫阻止装置1の制御装置14のハードウエア構成例を示す図である。CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)23には、CPU21が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU21、ROM22、及びRAM23は、バス24により相互に接続されている。
【0024】
CPU21にはまた、バス24及びインタフェース25を介して、通信部26が接続されている。通信部26は、ロック板12を開閉駆動させるための制御信号を駆動機構11に送信したり、車両検知信号を精算機2に送信する。
【0025】
図3は、制御装置14の機能的構成例を示している。この機能は、図2のCPU21がROM22に記憶されている所定のプログラムを実行することより実現される。
【0026】
車両検知信号入力部31は、通信部26により受信された車両検知器13からの車両検知信号を入力し、それを制御部33に出力する。駆動機構制御部32は、制御部33からの指令に応じて通信部26を制御して、駆動機構11に、ロック板12を開閉させるための制御信号を出力させる。
【0027】
制御部33は、車両検知信号入力部31から入力された車両検知信号を、通信部26を制御して精算機2に送信させる。
【0028】
図4は、精算機2のハードウエア構成例を示すブロック図である。CPU51は、ROM52又は記憶部58に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM53には、CPU51が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU51、ROM52、及びRAM53は、バス54により相互に接続されている。
【0029】
CPU51にはまた、バス54を介して入出力インタフェース55が接続されている。入出力インタフェース55には、車室番号等を入力するための各種ボタンなどよりなる入力部56、ディスプレイ、スピーカなどの1つ又は複数よりなる出力部57が接続されている。CPU51は、入力部56から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU51は、処理の結果、得られた情報や音声等の1つ又は複数を出力部57に出力する。
【0030】
入出力インタフェース55に接続されている通信部59は、出庫阻止装置1(の制御装置14)から送信されてきた車両検知信号を受信したり、ネットワーク3を介して利用情報等を中央管理装置4に送信する。
【0031】
図5は、精算機2の機能的構成例を示している。この機能は、図4のCPU51が記憶部58に記憶されている所定のプログラムを実行することより実現される。
【0032】
車両検知信号受信部61は、出庫阻止装置1(の制御装置14)から送信されてきた車両検知信号を受信し、入出庫情報決定部62にその旨を通知する。
【0033】
入出庫情報決定部62は、車両検知信号受信部61からの車両検知信号を受信した旨の通知に基づいて、入出庫情報を決定し、精算処理部63及び制御部64に供給する。
【0034】
精算処理部63は、入力部56からの利用者の入力(例えば、車室番号の入力等)と、入出庫情報決定部62から供給された入出庫情報に基づいて、精算処理を実行し、その結果得られた精算料金等の情報を、制御部64に供給する。
【0035】
制御部64は、入出庫情報決定部62から供給された入出庫情報、及び精算処理部63から供給された精算料金等(即ち利用情報)を、通信部59を介して、中央管理装置4に送信する。
【0036】
図6は、中央管理装置4のハードウエア構成例を示すブロック図である。CPU71は、ROM72又は記憶部78に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM73には、CPU71が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU71、ROM72、及びRAM73は、バス74により相互に接続されている。
【0037】
CPU71にはまた、バス74を介して入出力インタフェース75が接続されている。入出力インタフェース75には、キーボード、マウス、マイクロフォンなどの1つ又は複数よりなる入力部76、ディスプレイ、スピーカなどの1つ又は複数よりなる出力部77が接続されている。CPU71は、入力部76から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU71は、処理の結果、得られた画像や音声等の1つ又は複数を出力部77に出力する。
【0038】
入出力インタフェース75に接続されている記憶部78は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU71が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部79は、ネットワーク3を介して精算機2と通信したり、管理情報の1つとして生成された後述する駐車件数情報を、例えば駐車場の管理者のパーソナルコンピュータ(図示せぬ)に送信する。
【0039】
入出力インタフェース75に接続されているドライブ80は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア81が装着されたとき、それらを駆動し、そこにデータ(例えば、後述する駐車件数情報)を記憶させたり、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部78に転送され、記憶される。
【0040】
図7は、中央管理装置4の機能的構成例を示している。この機能は、CPU71が記憶部78等に記憶されている所定のプログラムを実行することより実現される。
【0041】
取得手段としての利用情報入力部101は、通信部79により受信された精算機2から送信されてきた利用情報を入力し、制御部103に供給する。
【0042】
入力制御部102は、入力部76に対する操作により入力された情報を、制御部103に通知する。
【0043】
生成手段としての制御部103(の定期情報生成部111)は、利用情報入力部101から入力された利用情報を解析し、日報、週報、又は月報等の1つ又は複数の情報(以下、定期情報という)を生成する。制御部103(の駐車件数情報生成部112)は、入力された利用情報を解析し、駐車場に入庫若しくは出庫した車両の数、又は入庫及び出庫した車両の数を集計した駐車件数情報を生成する。定期情報及び駐車件数情報の詳細については後述する。
【0044】
制御部103は、生成した定期情報や駐車件数情報を、出力制御部104を介して、例えば記憶部78に供給して記憶する。記憶部78に記憶された定期情報や駐車件数情報は、適宜、通信部79を介して、ユーザとなる駐車場のオーナーの装置に送信されたり、ドライブ80を介してリムーバブルメディア81に記録される。
【0045】
次に、定期情報の詳細について説明する。
【0046】
図8は、定期情報としての月報の表示例を示す図である。なお定期情報は、中央管理装置4の出力部77や、定期情報が提供されたユーザのパーソナルコンピュータの表示部に表示される。
【0047】
この月報は、ある駐車場Aにおける2007年10月分の利用情報に基づいて生成されたものである。
【0048】
図8の例の場合、10月の、売上金額、出庫件数、受領金額、及び別納金額の合計を表す数値とともに、それらの日毎の小計が示されている(図中、上側)。また売上金額及び出庫件数の日毎の推移が表されている(図中、下側)。図中、棒状の矩形が売上金額の推移を表し、曲線が出庫件数の推移を表している。
【0049】
図9は、他の月報の表示例を示す図である。この月報も、駐車場Aにおける2007年10月分の利用情報に基づいて生成されたものである。
【0050】
図9の例の場合、売上金額、出庫件数、受領金額、及び別納金額の日毎の小計が、所謂カレンダー形式で表されている。
【0051】
即ち売上金額、出庫件数、受領金額、及び別納金額の小計が、曜日毎に配列されている。またこの月報には、売上金額については曜日毎及び週毎に、また出庫件数、受領金額、及び別納金額については週毎にそれぞれ小計が示されている。
【0052】
即ちこの月報によれば、例えば、曜日毎又は週毎の、売上金額、出庫件数、受領金額、又は別納金額の傾向を把握することができる。
【0053】
次に、駐車件数情報の詳細について説明する。
【0054】
図10は、駐車件数情報の表示例を示す図である。なお駐車件数情報は、中央管理装置4の出力部77や、定期情報が提供されたユーザのパーソナルコンピュータの表示部に表示される。
【0055】
駐車件数情報に基づく表示画面は、この例の場合、縦軸となる1時間毎の区間に区切られている入庫時刻軸201、横軸となる1時間毎の区間に区切られている出庫時刻軸202、及び入庫時刻軸201上の区間と出庫時刻軸202の区間とに対応する欄203から構成されている。なお図10及び後述する図11から図14においては、簡単のために、1つの欄にのみ符号が付されており、他の欄についての符号は省略されている。
【0056】
また入庫時刻軸201上の区間と、出庫時刻軸202上の区間とに対応する欄203には、入庫時刻軸201の区間の時間帯に入庫して出庫時刻軸202上の区間の時間帯に出庫した車両の数(即ちそのような形態での駐車の件数)に応じた表示(以下、駐車件数表示204と称する)が示される。例えば所定の1時間の間の駐車件数が、「1件」のときは、黒塗りの三角印が、「2件から10件」の範囲のときは、黒塗りの菱形印が、「11件から20件」の範囲のときは、黒塗りの丸印が、「21件から50件」の範囲のときは、二重丸の印が、そして「51件以上」のときは、黒塗りの星印が、それぞれ駐車件数表示204として示される。
【0057】
なお後述する図11から図14においては、簡単のために、駐車件数表示204の符号は省略されている。
【0058】
図10の例では、入庫時刻軸201上の「7時」(=7時〜7時59分59秒)の区間と、出庫時刻軸202上の「18時」(=18時〜18時59分59秒)の区間とに対応する欄203に、駐車件数が「21件から50件」の範囲であることを示す二重丸の印が駐車件数表示204として示されている。
【0059】
このように駐車件数情報には、入庫時刻と出庫時刻の両方に関連した駐車件数が示されているので、この情報を参照することにより、駐車場の管理者は、例えば何時頃に入庫した車両は何時頃に出庫するのか、又は何時頃に入庫した車両は、何時間駐車するのか等を容易に把握することができる。
【0060】
図10の駐車件数情報からは、例えば、7時台に入庫し18時台に出庫した駐車件数が「21件から50件」の範囲の数だけあったことを、把握することができる。また7時台に入庫した車両は、10時間から12時間駐車していたことを把握することができる。
【0061】
駐車件数情報に基づく表示画面にはまた、入庫時刻軸201のそれぞれの区間について、入庫時刻軸201上の区間と、入庫時刻軸201のその区間の時間帯に対応する出庫時刻軸202の区間とに対応する位置に、入庫時刻軸201の区間の時間帯に対応する表示(以下、入庫時刻対応表示205と称する)が示される。
【0062】
図10の例では、点線内の表示が入庫時刻対応表示205である。例えば入庫時刻軸201上の「7時」の区間と、出庫時刻軸202上の「7時」の区間とに対応する位置に、「7時→」の表示が、入庫時刻対応表示205として示されている。
【0063】
即ち入庫時刻対応表示205は、出庫時刻軸202から見れば駐車の開始時刻を示すものであり、また駐車件数表示204は、出庫時刻軸202から見れば駐車の終了時刻を示すものであるので、駐車件数情報の表示上の入庫時刻対応表示205から駐車件数表示204までの距離が、駐車時間に対応する長さとなる。従ってその距離から駐車時間を直観的に把握することができる。
【0064】
なお、図10では、右端側に、入庫時刻に対応した入庫車両の数と、その車両が支払った金額とが数値で表示されている。図10に示す例では、「7時」(=7時台)に入庫した車両数が35台であることが示され、それぞれの車両が支払った金額が合計10,500円であること、並びに「0時」から「23時」までの合計の入庫車両が35台であることが示されている。図10の下端には、出庫時刻に対応した出庫車両の数が数値によって示されている。図10の例では、出庫時刻「18時」に35台の車両が出庫したことが示されている。
【0065】
以上のように、中央管理装置4では、入庫時刻と出庫時刻の両方に関連した駐車件数が容易に把握できる駐車件数情報が生成され、中央管理装置4に表示されるので、メンテナンス業者は、駐車場のオーナーに駐車場の効果的運用をアドバイスできる。また生成された駐車数情報を、駐車場管理システムのユーザに提供するようにすると、駐車場管理システムのユーザは、それを参照することにより、入庫時刻と出庫時刻の両方に関連した駐車件数を容易に把握することができる。
【0066】
次に、図11及び図12を参照して、駐車件数情報の利用例を説明する。
【0067】
図11は、ある駐車場Cにおける2007年9月分の利用情報に基づいて生成された駐車件数情報の表示例を示している。
【0068】
この駐車場Cは、駅前に立地されている駐車場である。即ちこの立地条件によれば、電車を利用して通勤する人であって、自宅から車を運転して駅まで来る人による利用が予想されるので、例えば朝に入庫し、帰宅するまでの間駐車するような利用態様(以下、通勤客利用態様という)での利用が期待できる。
【0069】
例えば、図11の例における枠T内に示される件数を、通勤客利用態様による駐車件数として注目すると、その利用態様による最大の駐車件数は「2件から10件」の範囲であり、また駐車件数表示204が示されていない欄203の数(即ちその態様での利用がなかった時間帯の数)が枠T内の半分となる3個あり、通勤客利用態様での利用はあまり多くない。しかも「7時」、「8時」の入庫車両のうち、かなりの車両が1時間前後で出庫し、さらに、枠T内以外で出庫する車両も散見される。これらのことが図11から容易に把握できる。
【0070】
この駐車件数情報によれば、入庫時刻と出庫時刻の両方に関連した駐車件数が示されているので、通勤客利用態様での駐車件数がどの程度あるかを容易に把握することができる。このように利用態様による駐車状況を把握することができれば、メンテナンス業者又は駐車場管理システムのユーザは、例えば料金設定を変更するなどの対策を打つことができる。
【0071】
図11の例の場合、通勤客利用態様にかかる時間帯についての料金設定を変更することができる。例えば「12時間駐車料金=700円」であった料金設定を、「8:00から18:00までの駐車料金=500円」とすることができる。
【0072】
図12は、このように料金設定を変更した後の駐車場Cにおける2007年10月分の利用情報に基づいて生成された駐車件数情報の表示例を示している。
【0073】
図12の例の枠T内の件数を見ると、最大の駐車件数は、「21件から50件」の範囲に増え、また駐車件数表示204が示されていない欄の数(即ちその態様での利用がなかった時間帯の数)は零となった。この効果をより詳細な数値で把握することも可能である。即ち図11の右端に示される入庫時刻「7時」と「8時」の合計台数は28台で合計金額が16,100円であるのに対し、図12では、対応する数値が60台と31,000円となっている。
【0074】
このように、駐車件数情報を参照することにより、通勤客利用態様による駐車状況を容易に把握することができるので、実態に応じた適切な対策を打つことができる。しかも、その効果把握も容易となる。
【0075】
なお上述した図10から図12の例は、駐車件数情報の一例であり、例えば、駐車時間、入庫時刻、又は出庫時刻等について制限を設けることができる。
【0076】
図13は、駐車時間を4時間未満に制限した場合の駐車件数情報の表示例である。即ち図13の例では、駐車時間が4時間未満となる駐車についてのみの駐車件数に対応する駐車件数表示204が示されている。
【0077】
図14は、入庫時刻を「7時から9時」の範囲に限定した場合の駐車件数情報の表示例である。即ち図14の例では、入庫時刻が7時台から9時台であった駐車についてのみの駐車件数に対応する駐車件数表示204が示されている。
【0078】
また上述した図10から図14の例では、入庫時刻軸201及び出庫時刻軸202を、1時間毎の区間に区分けするようにしたが、その区間の幅については特に制限はなく、自由に設定することができる。例えば、1秒単位としたり、30分単位としたり、15分単位としたり、2時間単位としたりしてもよい。
【0079】
また以上においては、一か月間の利用についての駐車件数情報を例として説明したが、その期間も任意である。
【0080】
また以上においては、駐車件数表示204は、件数に応じた印としたが、例えば件数を表す数値そのものとすることもできるし、また件数に応じて色分けした何らかの印とすることもできる。
【0081】
また以上においては、車室毎にロック板12によって入出庫を管理する場合を例として説明したが、ゲートによって駐車場への入場又は退場を管理する駐車場(所謂ゲート式駐車場)においても同様に本発明を適用することができる。この場合、駐車場への入場又は退場が入庫又は出庫として取り扱われる。
【0082】
また以上においては、複数の出庫阻止装置1に対して1個の精算機2が設けられている場合を例として説明したが、1個の出庫阻止装置1に対して1個の精算機2が設けられている場合においても本発明を適用することができる。
【0083】
また以上においては、駐車場を例として説明したが、駐輪場、レンタルルーム、マンガ喫茶、ビデオレンタルなどについても同様に適用することができる。即ち物や人の出入りなどを管理したい状況下であれば、基本的には上述した場合と同様にして本発明を適用することができる。
【0084】
また以上においては、中央管理装置4において駐車件数情報が生成される場合を例として説明したが、他の装置において生成させるようにすることができる。例えば精算機2は利用情報を有しているので、精算機2が駐車件数情報を生成するようにすることもできる。この場合、生成された駐車件数情報は、例えばネットワークを介して又は記録媒体に記録されてメンテナンス業者や駐車場管理システムのユーザとなる駐車場のオーナーに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明を適用した駐車場管理システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す制御装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す制御装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す精算機のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示す精算機の機能的構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す中央管理装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図7】図1に示す中央管理装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図8】図1に示す中央管理装置において表示される月報の表示例を示す図である。
【図9】図1に示す中央管理装置において表示される他の月報の表示例を示す図である。
【図10】図1に示す中央管理装置において表示される駐車件数情報の表示例を示す図である。
【図11】図1に示す中央管理装置において表示される他の駐車件数情報の表示例を示す図である。
【図12】図1に示す中央管理装置において表示される他の駐車件数情報の表示例を示す図である。
【図13】図1に示す中央管理装置において表示される他の駐車件数情報の表示例を示す図である。
【図14】図1に示す中央管理装置において表示される他の駐車件数情報の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 出庫阻止装置, 2 精算機, 4 中央管理装置, 11 駆動機構, 12 ロック板, 13 車両感知器, 14 制御装置, 101 利用情報入力部(取得手段), 102 入力制御部, 103 制御部(生成手段), 111 定期情報生成部, 112 駐車件数情報生成部, 104 出力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の期間中に所定の駐車場に入庫又は出庫した車両についての入庫時刻及び出庫時刻を取得する取得手段と、
上記期間中に上記駐車場に入庫又は出庫した車両の数が集計される駐車件数情報を生成する生成手段と
を備える情報処理装置において、
上記駐車件数情報に基づく表示画面は、少なくとも、所定の時間帯の区間に区切られている入庫時刻軸と、所定の時間帯の区間に区切られている出庫時刻軸とを有して構成され、上記入庫時刻軸上の区間と、上記出庫時刻軸上の区間とに対応する上記表示画面上の位置に、上記入庫時刻軸の区間の時間帯に入庫して上記出庫時刻軸の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた表示が示される
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記入庫時刻軸のそれぞれの区間について、前記入庫時刻軸上の区間と、前記入庫時刻軸のその区間の時間帯と同じ時間帯の前記出庫時刻軸の区間とに対応する位置に、前記入庫時刻軸の区間の時間帯に対応する表示が示される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
所定の期間中に所定の駐車場に入庫又は出庫した車両についての入庫時刻及び出庫時刻を取得する取得ステップと、
上記期間中に上記駐車場に入庫又は出庫した車両の数が集計される駐車件数情報を生成する生成ステップと
を含む情報処理方法において、
上記駐車件数情報に基づく表示画面は、少なくとも、所定の時間帯の区間に区切られている入庫時刻軸と、所定の時間帯の区間に区切られている出庫時刻軸とを有して構成され、上記入庫時刻軸上の区間と、上記出庫時刻軸上の区間とに対応する上記表示画面上の位置に、上記入庫時刻軸の区間の時間帯に入庫して上記出庫時刻軸の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた表示が示される
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
所定の期間中に所定の駐車場に入庫又は出庫した車両についての入庫時刻及び出庫時刻を取得する取得ステップと、
上記期間中に上記駐車場に入庫又は出庫した車両の数が集計される駐車件数情報を生成する生成ステップと
を含む情報処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
上記駐車件数情報に基づく表示画面は、少なくとも、所定の時間帯の区間に区切られている入庫時刻軸と、所定の時間帯の区間に区切られている出庫時刻軸とを有して構成され、上記入庫時刻軸上の区間と、上記出庫時刻軸上の区間とに対応する上記表示画面上の位置に、上記入庫時刻軸の区間の時間帯に入庫して上記出庫時刻軸の区間の時間帯に出庫した車両の数に応じた表示が示される
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−230630(P2009−230630A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77437(P2008−77437)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(593128530)株式会社サニカ (5)
【出願人】(508090701)株式会社創新 (3)
【Fターム(参考)】