説明

情報処理装置及び画像形成装置

【課題】画像形成装置に記憶されている機器管理データをUSBメモリに書き込む場合に機器管理データのセキュリティを確保する。
【解決手段】画像形成装置1は、サービスマンを認証する認証部605と、認証部605でサービスマンの認証がされることによって、サービスマンが画像形成装置1をメンテナンスする操作ができるサービスマン用メンテナンスモードを実行する第1の制御部607と、第1の制御部607によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データを、USBメモリ501に書き込む命令の入力を受け付ける第1の入力受付部と、第1の入力受付部により書き込む命令が入力された場合に、書き込む命令を実行する第2の制御部609と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば画像形成装置のような情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から画像形成装置のメンテナンスには、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の携帯型外部記憶装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。画像形成装置のメンテナンスをするサービスマンは、トナー消費量、紙詰まり発生等の画像形成装置に記録されているデータをUSBメモリに書き込む操作をし、またUSBメモリに記憶されている画像形成装置のプログラムのバージョンアップデータ等を画像形成装置に書き込む操作をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−79693号公報(段落0029〜0031、0040〜0043、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば紙詰まりのような画像形成装置で発生した異常の状況を記録したデータ等の機器管理データは、画像形成装置のメーカにとって、各社独自の情報であることが多く、機密性を高める必要がある。したがって、機器管理データを携帯型外部記憶装置に書き込むことについては、十分なセキュリティを確保する必要がある。
【0005】
本発明は情報処理装置に記憶されている機器管理データを携帯型外部記憶装置に書き込む場合に機器管理データのセキュリティを確保することができる情報処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の一の局面に係る情報処理装置は、携帯型外部記憶装置と接続可能な情報処理装置であって、前記情報処理装置で発生した異常データや、動作状態に関するデータ等を含む機器管理データを収集する収集部と、前記収集部で収集された機器管理データを記憶する第1の記憶部と、予め定められた認証データを基にしてサービスマンを認証する認証部と、前記認証部でサービスマンの認証がされることによって、サービスマンが前記情報処理装置をメンテナンスする操作ができるサービスマン用メンテナンスモードを実行する第1の制御部と、前記第1の制御部によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、前記第1の記憶部に記憶されている機器管理データを、前記情報処理装置に接続されている前記携帯型外部記憶装置に書き込む命令の入力を受け付ける第1の入力受付部と、前記第1の入力受付部により前記書き込む命令が入力された場合に、前記書き込む命令を実行する第2の制御部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、機器管理データを携帯型外部記憶装置に書き込むことをサービスマン用メンテナンスモードにおいて可能としている。サービスマン用メンテナンスモードでの操作はサービスマンの認証を必要とするので、機器管理データを携帯型外部記憶装置に書き込む場合に機器管理データのセキュリティを確保することができる。
【0008】
上記構成において、表示部と、ID入力を受け付ける第2の入力受付部と、予め定められたIDがそれぞれ付与されたサービスマン用メンテナンスモードの複数の操作画面のデータを記憶している第2の記憶部と、前記第1の制御部によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、前記第2の入力受付部に入力されたIDに対応する操作画面のデータを前記第2の記憶部から取り出して前記表示部に表示させる制御をする第3の制御部と、を備えており、前記第1の入力受付部により前記書き込む命令が入力された場合に、前記第2の制御部は前記表示部に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する前記機器管理データを、前記情報処理装置に接続されている前記携帯型外部記憶装置に書き込む制御をするようにすることができる。
【0009】
この構成によれば、表示部に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する機器管理データだけが携帯型外部記憶装置に書き込まれ、情報処理装置で発生した異常データ(機器管理データ)を一括して携帯型外部記憶装置に書き込むことができないので、機器管理データを携帯型外部記憶装置に書き込む場合に機器管理データのセキュリティをより高めることができる。
【0010】
上記構成において、前記第2の制御部は、前記第1の入力受付部により前記書き込む命令が入力された場合に、前記第1の記憶部に記憶されている機器管理データを、予め定められた復号キーで開けることができる暗号化処理をして前記携帯型外部記憶装置に書き込む制御をするようにすることができる。
【0011】
この構成によれば、携帯型外部記憶装置に記憶されている機器管理データをパソコンに表示させるのに、パスワード入力(復号キーで開ける)が必要となるので、携帯型外部記憶装置に記憶されている機器管理データのセキュリティを確保することができる。
【0012】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上記情報処理装置を備える。
【0013】
本発明は上記情報処理装置を画像形成装置に適用したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報処理装置に記憶されている機器管理データを携帯型外部記憶装置に書き込む場合に機器管理データのセキュリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造の概略を示す図である。
【図2】上記画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】記憶部に記憶されている機器管理データをUSBメモリに書き込む処理を説明するフローチャートである。
【図4】上記画像形成装置の表示部に表示されているコピーモードの初期画面を示す図である。
【図5】サービスマンの認証をするためのパスワード入力を受け付ける受付画面を示す図である。
【図6】サービスマン用メンテナンスモードにおいて、機器管理データをUSBメモリに書き込む処理をするための書込画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造の概略を示す図である。画像形成装置1は情報処理装置の一例である。画像形成装置1は例えば、コピー、プリンタ、スキャナ及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1は装置本体100、装置本体100の上に配置された原稿読取部200、原稿読取部200の上に配置された原稿給送部300及び装置本体100の上部前面に配置された操作部400を備える。
【0017】
原稿給送部300は自動原稿送り装置として機能し、原稿載置部301に置かれた複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送ることができる。
【0018】
原稿読取部200はCCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等を搭載したキャリッジ201、ガラス等の透明部材により構成された原稿台203、及び原稿読取スリット205を備える。原稿台203に載置された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿台203の長手方向に移動させながらCCDセンサにより原稿を読み取る。これに対して、原稿給送部300から給送された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿読取スリット205と対向する位置に移動させて、原稿給送部300から送られてきた原稿を、原稿読取スリット205を通してCCDセンサにより読み取る。CCDセンサは読み取った原稿を画像データとして出力する。
【0019】
装置本体100は用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留することができる用紙トレイ107を備える。用紙トレイ107に貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラ109の駆動により、用紙搬送路111へ向けて繰り出される。用紙は用紙搬送路111を通って、画像形成部103へ搬送される。
【0020】
画像形成部103は搬送されてきた用紙にトナー画像を形成する。画像形成部103は感光体ドラム113、露光部115、現像部117及び転写部119を備える。露光部115は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応する光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム113の周面に照射する。これにより、感光体ドラム113の周面には画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で感光体ドラム113の周面に現像部117からトナーを供給することにより、周面には画像データに対応するトナー画像が形成される。このトナー画像は転写部119によって先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。
【0021】
トナー画像が転写された用紙は定着部105に送られる。定着部105において、トナー画像と用紙に熱と圧力が加えられて、トナー画像を用紙に定着させる。用紙はスタックトレイ121又は排紙トレイ123に排紙される。
【0022】
操作部400は操作キー部401と表示部403を備える。表示部403はタッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザは画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
【0023】
操作キー部401にはハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的にはスタートキー405、テンキー407、ストップキー409、リセットキー411、コピー、プリンタ、スキャナ及びファクシミリを切り換えるための機能切換キー413等が設けられている。
【0024】
スタートキー405はコピー、ファクシミリ送信等の動作を開始させるキーである。テンキー407はコピー部数、ファクシミリ番号等の数字を入力するキーである。ストップキー409はコピー動作等を途中で中止させるキーである。リセットキー411は設定された内容を解除するキーである。
【0025】
機能切換キー413はコピーキー及び送信キー等を備えており、コピー機能、送信機能等を相互に切り替えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリ送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。
【0026】
図2は図1に示す画像形成装置1の電気的な構成を示すブロック図である。画像形成装置1は装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、USBコネクタ500、制御部600及び通信部700がバスによって相互に接続された構成を有する。装置本体100、原稿読取部200及び原稿給送部300に関しては既に説明したので、説明を省略する。
【0027】
USBコネクタ500はUSBメモリ501が接続される接続部として機能する。これにより、USBメモリ501(携帯型外部記憶装置の一例)は画像形成装置1(情報処理装置の一例)に接続可能にされている。携帯型外部記憶装置としては、USBメモリ501以外にCD(compact disc)、SDメモリ(SD Memory)、外付けHDD(Hard disk drive)等でもよい。
【0028】
制御部600はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び画像メモリ等を備える。CPUは画像形成装置1を動作させるために必要な制御を、画像形成装置1を構成する上記ハードウェアに対して実行する。ROMは画像形成装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMはソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。画像メモリは画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)を一時的に記憶する。
【0029】
制御部600は収集部601、第1の記憶部603、認証部605、第1の制御部607、第2の制御部609、第2の記憶部611及び第3の制御部613を備える。収集部601は画像形成装置1で異常が発生した場合、その異常についてのデータ(機器管理データ)を収集し、機器管理データを第1の記憶部603に記憶させる。機器管理データとは例えば紙詰まりのような画像形成装置1で発生した異常の状況を記録したデータが代表的であるため、本実施形態では異常発生についてのデータを一例として用いる。
【0030】
認証部605は予め定められた認証データを基にして、画像形成装置1のサービスマンを認証する。本実施形態ではサービスマン用のパスワードが認証に用いられる。認証部605には認証データとしてサービスマン用のパスワードが記憶されている。サービスマンの認証にはIDカード、生体認証などの他の認証を用いてもよい。
【0031】
第1の制御部607は、認証部605でサービスマンの認証がされることによって、サービスマンが画像形成装置1をメンテナンスする操作ができるサービスマン用メンテナンスモードを実行する。
【0032】
第2の制御部609は、第1の入力受付部により書き込む命令が入力された場合に、その書き込む命令を実行する。書き込む命令とは、第1の制御部607によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データを、USBコネクタ500に接続されているUSBメモリ501に書き込む命令である。第2の制御部609は、第1の入力受付部により書き込む命令が入力された場合に、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データを、予め定められた復号キーで開けることができる暗号化処理をしてUSBメモリ501に書き込む制御をする。
【0033】
第2の記憶部611は、予め定められたIDがそれぞれ付与されたサービスマン用メンテナンスモードの複数の操作画面のデータを記憶している。
【0034】
第3の制御部613は、第1の制御部607によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、第2の入力受付部に入力されたIDに対応する操作画面のデータを第2の記憶部611から取り出して表示部403に表示させる制御をする。このように、サービスマン用メンテナンスモードにおいて、各操作画面を表示部403に表示されるのに、各操作画面に付与されたID入力が必要となる。したがって、サービスマンは自分が知っているIDの操作画面のみ表示部403に表示させることができる。
【0035】
第1の入力受付部により書き込む命令が入力された場合に、第2の制御部609は表示部403に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する機器管理データを、USBコネクタ500に接続されているUSBメモリ501に書き込む。
【0036】
操作部400は第1及び第2の入力受付部として機能する。第1の入力受付部は、第1の制御部607によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データを、USBコネクタ500に接続されているUSBメモリ501に書き込む命令の入力を受け付ける。
【0037】
第2の入力受付部は、ID入力を受け付ける。ここでのIDとは第2の記憶部611に記憶されているサービスマン用メンテナンスモードの複数の操作画面に予め付与されたIDである。
【0038】
通信部700はファクシミリ通信部701及びネットワークI/F部703を備える。ファクシミリ通信部701は相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリ通信部701は電話回線705に接続される。
【0039】
ネットワークI/F部703はLAN(Local Area Network)707に接続される。ネットワークI/F部703はLAN707に接続されたパソコン等の端末装置との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
【0040】
本実施形態では第1の記憶部603に記憶されている機器管理データをUSBメモリ501に書き込むことについて、機器管理データの流出を防止して機器管理データのセキュリティを確保するために、サービスマン用メンテナンスモードで上記書き込みを許可している。
【0041】
以下、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データをUSBメモリ501に書き込む処理について説明する。図3はこの処理を説明するフローチャートである。図4は表示部403に表示されている初期画面の一例であり、コピーモードの初期画面11を示す図である。
【0042】
制御部600が初期画面11を表示部403に表示させた状態で(ステップS1)、サービスマンが操作部400を用いて、サービスマン用メンテナンスモードに切り換えるための画面を表示させる操作をすることにより、制御部600はサービスマン用メンテナンスモードに切り換えるための画面を表示部403に表示させる(ステップS3)。この画面は図5に示すように、サービスマンの認証をするためのパスワード入力を受け付ける受付画面13である。
【0043】
なお、サービスマン用メンテナンスモードに切り換えるための画面を表示させる操作をする場合は、後述するユーザ用メンテナンスモードを表示させている状態から移行するようにしてもよい。また、ユーザ用メンテナンスモードを表示する場合は、操作部及び表示部内のメンテナンス画面に移行するためのキー操作や、メンテナンスに使用するコード入力操作(例えば、初期画面11の状態でテンキーによる認証コードの入力)等によって表示されることとしてもよい。
【0044】
サービスマンの認証をするために、サービスマンが操作部400を操作して入力したパスワードが、認証部605に予め記憶されているサービスマン用のパスワードと一致するか否かについて、認証部605によって判断される(ステップS5)。認証部605がパスワードの一致を判断しなければ(ステップS5でNo)、制御部600はUSBメモリ501に機器管理データを書き込む処理を終了させる。
【0045】
認証部605がパスワードの一致を判断した場合(ステップS5でYes)、第1の制御部607によって画像形成装置1の操作モードがサービスマン用メンテナンスモードに移行される(ステップS7)。この際、サービスマン用のパスワード入力が所定時間内に行われなかった場合は、パスワードが一致したとしても、サービスマン用メンテナンスモードに移行されないようにしてもよい。
【0046】
サービスマンが操作部400を操作して、機器管理データをUSBメモリ501に書き込む処理をするための書込画面15を表示させる操作をすると、制御部600は書込画面15を表示部403に表示させる(ステップS9)。この書込画面15は図6に示すように、「はい」の文字を示すキー17(第1の入力受付部の一例)及び「閉じる」の文字を示すキー19を含む。キー19を操作すれば、書込画面15は閉じられて、前の画面が表示部403に表示される。
【0047】
サービスマンがキー17を操作すれば(書き込む命令の入力)、第2の制御部609は第1の記憶部603に記憶されている機器管理データを用いて、機器管理データのログを記録したファイル(機器管理データファイル)を生成し、USBメモリ501に書き込む(ステップS11)。
【0048】
第2の制御部609は、キー17が操作された場合に、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データを、予め定められた復号キー(パスワード)で開けることができる暗号化処理をしてUSBメモリ501に書き込む制御をしてもよい。これによれば、USBメモリ501に書き込まれた機器管理データのセキュリティを確保することができる。この場合はUSBメモリ501をパソコンに接続して、機器管理データファイルを開けるためのパスワードを入力することにより、機器管理データファイルを平文ファイルにすることができる。
【0049】
USBメモリ501に機器管理データを書き込む場合に、機器管理データのセキュリティを確保するために、USBメモリ501への機器管理データを書き込む条件として以下の条件を課してもよい。(1)図6に示すUSBメモリ501への機器管理データを書き込む処理をするための書込画面15を表示させるのにID入力を要求する。(2)図5に示すパスワード入力を複数回(例えば4桁を2回)要求して、所定時間内にパスワードを2回入力する操作がされる。
【0050】
本実施形態の主な効果は以下の通りである。
【0051】
(1)ステップS5,S7,S9,S11で説明したように、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データをUSBメモリ501へ書き込むことを、サービスマン用メンテナンスモードにおいて可能としている。サービスマン用メンテナンスモードにするためにはサービスマンの認証が必要となる。したがって、サービスマン以外の者は機器管理データをUSBメモリ501へ書き込みことができないので、機器管理データをUSBメモリ501に書き込む場合に機器管理データのセキュリティを確保することができる。よって、画像形成装置1のメーカにとって機密性の高い機器管理データを記録したファイルの流出を防止できる。
【0052】
(2)第1の記憶部603に記憶されている機器管理データをUSBメモリ501に書き込む処理を、ユーザ用メンテナンスモードでは禁止する。これによれば、ユーザ用メンテナンスモードにおいて図6に示す書込画面15が表示部403に表示されないので、ユーザに無関係な画面をユーザに見せないようにすることができる。また、ユーザに機器管理データをUSBメモリ501に書き込む操作をさせないようにすることができる。なお、ユーザ用メンテナンスモードとは、サービスマンの認証を必要とせず、ユーザ及びサービスマンによる画像形成装置1のメンテナンス操作を受け付けるモードである。
【0053】
本実施形態の変形例を説明する。変形例に係る画像形成装置1はサービスマン用メンテナンスモードにおいて、各操作画面に予め付与されたID入力をしなければ、そのIDに対応する操作画面が表示部403に表示されない機能を有する。USBメモリ501に機器管理データを書き込む場合に、表示部403に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する機器管理データを書き込む制御をする。この制御は以下の構成により実現できる。
【0054】
図2に示す第2の記憶部611は、予め定められたIDがそれぞれ付与されたサービスマン用メンテナンスモードの複数の操作画面のデータを記憶している。複数の操作画面として、例えば、駆動系設定の操作画面、給紙系設定の操作画面、現像系設定の操作画面、画像処理系設定の操作画面等がある。
【0055】
第2の入力受付部は上記ID入力を受け付ける。
【0056】
第3の制御部613は、第1の制御部607によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、サービスマンにより第2の入力受付部に入力されたIDに対応する操作画面のデータを第2の記憶部611から取り出してその操作画面を表示部403に表示させる制御をする。
【0057】
サービスマンにより第1の入力受付部を用いて、第1の記憶部603に記憶されている機器管理データをUSBメモリ501に書き込む命令が入力された場合に、第2の制御部609は表示部403に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する機器管理データを、USBコネクタ500に接続されているUSBメモリ501に書き込む。例えば、給紙系設定の操作画面においては、給紙に関する機器管理データ(紙詰まり等)がUSBメモリ501に書き込まれる。
【0058】
変形例によれば、表示部403に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する機器管理データだけがUSBメモリ501に書き込まれ、画像形成装置1で発生した機器管理データを一括してUSBメモリ501に書き込むことができないので、機器管理データをUSBメモリ501に書き込む場合に機器管理データのセキュリティをより高めることができる。
【0059】
以上、本実施形態における機器管理データは、異常発生時についてのデータを用いて説明したが、異常発生時についてのデータの他に、アプリケーションやOSの関連データ、画像形成装置の動作に関する設定データ、操作画面の表示データ等の情報処理装置または画像形成装置に関する情報も含むことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置(情報処理装置の一例)
11 初期画面
13 パスワード受付画面
15 書込画面
17 キー(第1の入力受付部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型外部記憶装置と接続可能な情報処理装置であって、
前記情報処理装置の機器管理についてのデータを収集する収集部と、
前記収集部で収集された機器管理データを記憶する第1の記憶部と、
予め定められた認証データを基にしてサービスマンを認証する認証部と、
前記認証部でサービスマンの認証がされることによって、サービスマンが前記情報処理装置をメンテナンスする操作ができるサービスマン用メンテナンスモードを実行する第1の制御部と、
前記第1の制御部によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、前記第1の記憶部に記憶されている機器管理データを、前記情報処理装置に接続されている前記携帯型外部記憶装置に書き込む命令の入力を受け付ける第1の入力受付部と、
前記第1の入力受付部により前記書き込む命令が入力された場合に、前記書き込む命令を実行する第2の制御部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
表示部と、
ID入力を受け付ける第2の入力受付部と、
予め定められたIDがそれぞれ付与されたサービスマン用メンテナンスモードの複数の操作画面のデータを記憶している第2の記憶部と、
前記第1の制御部によってサービスマン用メンテナンスモードにされている場合に、前記第2の入力受付部に入力されたIDに対応する操作画面のデータを前記第2の記憶部から取り出して前記表示部に表示させる制御をする第3の制御部と、を備えており、
前記第1の入力受付部により前記書き込む命令が入力された場合に、前記第2の制御部は前記表示部に表示された操作画面でメンテナンスできる機能に関する前記機器管理データを、前記情報処理装置に接続されている前記携帯型外部記憶装置に書き込む制御をする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の制御部は、前記第1の入力受付部により前記書き込む命令が入力された場合に、前記第1の記憶部に記憶されている機器管理データを、予め定められた復号キーで開けることができる暗号化処理をして前記携帯型外部記憶装置に書き込む制御をする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−216000(P2011−216000A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85086(P2010−85086)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】