説明

情報処理装置

【課題】ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティを向上させることができるようにする。
【解決手段】本発明の情報処理装置においては、マルチメディア制御部はメディアコンテンツを再生し、入力部はロックまたはロック解除の実行時に用いられる1または複数の認証要素からなる認証情報を入力し、記憶部は認証情報と、認証情報の入力のタイミングに対応するメディアコンテンツの特徴量とを対応付けて記憶し、制御部は、ロックまたはロック解除を実行する場合におけるメディアコンテンツの再生中に、認証情報の入力のタイミングに対応するメディアコンテンツの特徴量を抽出し、ロックまたはロック解除の実行時に入力された認証情報および抽出されたメディアコンテンツの特徴量と、記憶されている認証情報およびメディアコンテンツの特徴量とが一致するか否かを判定し、判定結果に基づいてロックまたはロック解除の実行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に係り、特に、ロック機能が搭載された情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置としての携帯電話機には、単なる通話による通信機能だけでなく、アドレス帳機能、インターネットなどのネットワークを介したメール機能や、Webページなどを閲覧することが可能なブラウザ機能などの種々の機能が搭載されるようになってきている。
【0003】
それに伴い、携帯電話機にはユーザに関する種々のデータが保存されるようになってきている。例えば携帯電話機に保存されているデータの中には、電話帳やメールなどのような個人情報が含まれる以外にも、携帯電話機の多機能化および高性能化に伴って重要なデータも含まれる可能性がある。そのため、近年、携帯電話機のセキュリティに対する重要性が高まっている。このような状況下、個人情報保護および重要な情報の漏洩防止のために、これらのデータが知らないうちに他人に見られたり、盗用されたりしないように、携帯電話機に予めロック(セキュリティロックやオートロックなど)をかけることが可能なロック機能が搭載されるようになってきている。ロック機能によって携帯電話機にロックがかけられると、携帯電話機のキー操作は無効となり、ロックを解除しない限り、携帯電話機のキー操作を有効とすることができなくなる。
【0004】
携帯電話機をロックする技術として、例えば指紋や顔の形状などの生体情報を用いてロックまたはロック解除を行う技術も知られている。また、これ以外にも、例えば音楽を利用してロックまたはロック解除を行う技術も知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に提案されている技術によれば、音楽再生時にキー操作または開閉操作を行って作成したリズムパターンと、携帯電話機に記憶されているリズムパターンとを比較判定し、その判定結果と適切なロック解除の種類を通知することができる。これにより、短い時間で暗証情報を入力することができ、かつ、より短い時間で暗証情報が入力された場合、限られた動作を行わせる個人認証処理を行うことができる。
【特許文献1】特開2007−235867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯電話機の場合、一般的にパーソナルコンピュータと比べて文字入力しづらく、そのため、携帯電話機をロックまたはロック解除する際には文字入力ではなく数字入力が用いられる。特にセキュリティ上の観点から、携帯電話機をロックまたはロック解除する際に複数桁(例えば4桁など)の数字入力が用いられる。しかしながら、複数桁の数字入力を用いる場合、ロック・ロック解除のコードとして使用可能な組み合わせの数には少なからず制限(n桁の場合、10通りの制限)がある。また、ユーザはロック・ロック解除のコードを誕生日などに基づいて設定することが多く、このようなコードは例えば免許証や健康保険証などに記載されている誕生日から容易に類推することができてしまう。そのため、複数桁の数字入力を用いる場合、携帯電話機のセキュリティ面で問題があった。勿論、複数桁の数字入力を用いる場合であっても、数字入力の桁数を増やせばその桁数の増加に伴ってセキュリティ面は向上するが、反面、桁数の増加によってロック・ロック解除のコードを管理することが難しくなってしまう。すなわち、意味をもたせづらい数字列をロック・ロック解除のコードとして用いてしまうと、その数字列をユーザが正しく記憶しておくことができるかどうかが問題となり、仮に数字列をメモ帳などに記録しておいてロック・ロック解除のコードの使用の際に数字列を確認することもできるが、ロック・ロック解除における利便性が損なわれてしまう。このような問題は、特許文献1に提案されている技術によっても解決することはできない。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティを向上させることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、メディアコンテンツを再生する再生手段と、ロックまたはロック解除の実行時に用いられる1または複数の認証要素からなる認証情報を入力する入力手段と、認証情報と、認証情報の入力のタイミングに対応する、再生手段により再生されるメディアコンテンツの特徴量とを対応付けて記憶する記憶手段と、ロックまたはロック解除を実行する場合における再生手段によるメディアコンテンツの再生中に、認証情報の入力のタイミングに対応する、再生手段により再生されるメディアコンテンツの特徴量を抽出し、ロックまたはロック解除の実行時に入力された認証情報および抽出されたメディアコンテンツの特徴量と、記憶手段により記憶されている認証情報およびメディアコンテンツの特徴量とが一致するか否かを判定するとともに、判定結果に基づいて、ロックまたはロック解除の実行を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機1の外観の構成を表している。なお、図1(A)は、携帯電話機1を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図1(B)は、携帯電話機1を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0010】
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図2のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
【0011】
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
【0012】
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられたメインディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
【0013】
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じてメインディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
【0014】
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
【0015】
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。さらに、第1の筐体12には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー16が設けられている。
【0016】
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0017】
一方、第2の筐体13には、その正面にメインディスプレイ17が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図2のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバ(図示せず)より受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図2のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、メインディスプレイ17の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)18が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ18以外の音声出力部としてのスピーカ(図2のスピーカ50)も設けられている。
【0018】
また、第1の筐体12と第2の筐体13の内部の所定の位置には、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ19a、19b、19c、および19dが設けられる。なお、メインディスプレイ17は、例えば有機ELにより構成されるディスプレイでもよいし、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)でもよい。
【0019】
図2は、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0020】
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調整された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0021】
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
【0022】
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ18により出力される。
【0023】
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ17に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ17に表示させることも可能である。
【0024】
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ17に表示させる。
【0025】
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン15に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0026】
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
【0027】
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
【0028】
また、携帯電話機1は、外部メモリインタフェース45を備えている。この外部メモリインタフェース45は、メモリカード46を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード46は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。さらに、携帯電話機1には、現在の正確な現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)47が設けられている。
【0029】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0030】
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
【0031】
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。また、地上波ディジタルワンセグ受信部48は、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波に基づくTS(Transport Stream)信号を地デジ処理部49に供給する。地デジ処理部49は、地上波ディジタルワンセグ受信部48にて地上波ディジタルワンセグ放送波が受信された場合、地上波ディジタルワンセグ受信部48からの地上波ディジタルワンセグ放送波に基づくTS信号から、音声データと映像データに関するES(Elementary Stream)にそれぞれ分離し、分離された音声データを地デジ処理部49内の音声デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードするとともに、分離された映像データを地デジ処理部49内の映像デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードし、デコード後のディジタル音声信号とディジタル動画像信号を制御部41に供給する。
【0032】
発光素子52は、例えばLED(Light Emitting Diode)などからなり、LED制御部51の制御に従い、メールの着信時や着呼時などに、ユーザにその旨を通知するために所定の発光パターンで発光する。バイブレータ54は、バイブレータ制御部53の制御に従い、メールの着信時や着呼時などに、ユーザにその旨を通知するために所定の振動パターンで振動する。
【0033】
マルチメディア制御部55は、例えば音楽制御機能を有する音楽プレイヤや、動画像再生に関するアプリケーションプログラムを実行することにより実現される動画像プレイヤ、あるいは、地上波ディジタルワンセグ放送波を受信する際のアプリケーションプログラムを実行することにより実現される地上波ディジタルワンセグプレイヤなどの各種のメディアプレイヤを制御する。マルチメディア制御部55は、音楽制御機能を有する音楽プレイヤを実行し、記憶部47に記憶されているオーディオデータの再生動作および一時停止動作や、巻戻し機能、早送り機能、音量ダウン動作、音量アップ動作などの実行を制御する。オーディオデータに基づく音声は、スピーカ50やイヤフォン(図示せず)などから出力される。
【0034】
また、マルチメディア制御部55は、動画像プレイヤを実行し、多重分離処理、ビデオデコード処理、およびオーディオデコード処理を行う。すなわち、制御部41は、動画像の再生に関するアプリケーションプログラムを実行し、オーディオデータと動画像データが多重化された多重化データをメディアごとに分離する(多重分離処理)とともに、分離後の動画像データを所定の復号化方式(例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定の符号化方式)にて復号し、復号後のディジタル動画像信号を生成する(ビデオデコード処理)。このとき、制御部41は、分離後のオーディオデータを所定の復号化方式にて復号し、復号後のディジタルオーディオ信号を生成する(オーディオデコード処理)。制御部41は、復号処理により得られたディジタルオーディオ信号をPCMコーデック38に供給する。PCMコーデック38は、制御部41から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号をスピーカ50に出力する。このアナログオーディオ信号は、増幅された後、スピーカ50により出力される。そして、制御部41は、生成されたディジタル動画像信号を表示駆動部(図示せず)のビデオRAMに記憶(格納)させる。このビデオRAMへのディジタル動画像信号の描画は、1秒間に、再生する画像コンテンツに関して定められた描画回数ずつ行われる。次に、図示せぬ表示駆動部は、メインディスプレイ17を駆動し、表示駆動部に内蔵されたビデオRAMに記憶されているディジタル動画像信号に基づいて、メインディスプレイ17のウィンドウAに表示される表示画面の書き換えを、1秒間に、予め設定された所定の回数ずつ行う。
【0035】
本発明の実施形態においては、携帯電話機1に搭載されるマルチメディア再生機能を、携帯電話機1のロック・ロック解除と組み合わせるようにする。これにより、ユーザの操作キー14などの操作数を抑え、ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティを向上させることができる。以下、この方法を用いたロック・ロック解除設定処理について説明する。
【0036】
図3のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1におけるロック・ロック解除設定処理について説明する。
【0037】
ステップS1において、制御部41は、操作キー14が押下されたことを検出すると、ロック・ロック解除設定要求が受け付けられたか否かを判定し、ロック・ロック解除設定要求が受け付けられたと判定するまで待機する。ステップS1において制御部41が、ロック・ロック解除設定要求が受け付けられたと判定した場合、制御部41はステップS2で、メインディスプレイ17を制御し、ロック・ロック解除に用いられるマルチメディアコンテンツを選択するための選択画面(マルチメディアコンテンツ選択画面)を表示させる。メインディスプレイ17は、制御部41の制御に従い、例えば図4に示されるように、マルチメディアコンテンツ選択画面を表示する。図4の場合、マルチメディアコンテンツ選択画面上には、マルチメディアコンテンツリストとしてコンテンツ1乃至3が表示されており、現在選択が可能なコンテンツ1がフォーカスされている(反転表示されている)。そして、制御部41が、操作キー14のうちの例えば確定キーが押下されたことを検出することで、リストアップされているコンテンツ1乃至3の中からいずれかのコンテンツを選択する。なお、このマルチメディアコンテンツには、例えば音楽プレイヤによって実行されるオーディオデータや、動画像プレイヤによって実行されるオーディオデータと動画像データが多重化された多重化データ(あるいは、動画像データのみ)などの種々のコンテンツが含まれる。
【0038】
ステップS3において、制御部41は、操作キー14が押下されたことを検出することにより、ロック・ロック解除に用いられるマルチメディアコンテンツの選択をマルチメディアコンテンツ選択画面上にて受け付ける。例えば図4の場合、マルチメディアコンテンツ選択画面上にてコンテンツ1がフォーカスされているときに制御部41が操作キー14のうちの確定キーの押下を検出すると、ロック・ロック解除に用いられるマルチメディアコンテンツとしてコンテンツ1の選択を確定する。ステップS4において、マルチメディア制御部55は、制御部41の制御に従い、選択が受け付けられたマルチメディアコンテンツの再生を開始する。
【0039】
例えば選択が受け付けられたマルチメディアコンテンツが動画像データである場合、図5に示されるように、動画像データに含まれるフレーム1乃至フレーム7の再生が時系列的に開始される。動画像データには、Iフレーム、Pフレーム、およびBフレームが含まれているが、図5の場合、説明を簡便にするためにIフレームに対応する画像のみが示されている。なお、このとき、メインディスプレイ17には、選択が受け付けられたマルチメディアコンテンツが表示される。また、図5には、各Iフレームの再生位置(再生時刻)が示されており、例えばフレーム1の場合再生位置はtであり、フレーム2の場合再生位置はtである。
【0040】
ステップS5において、制御部41は、操作キー14が押下されたことを検出すると、マルチメディアコンテンツの再生中にロック・ロック解除コードが入力されてロック・ロック解除コードの入力イベントが受信されたか否かを判定する。ステップS5において制御部41が、ロック・ロック解除コードが入力されてロック・ロック解除コードの入力イベントが受信されたと判定した場合、制御部41はステップS6で、ロック・ロック解除コードの入力イベントが受信された時刻(マルチメディアコンテンツの再生時刻に対応する時刻)に基づいて、ロック・ロック解除コードの入力時のマルチメディアコンテンツの特徴量を抽出する。
【0041】
具体的には、図5に示されるように、操作キー14のうちの「1」に割り当てられたキーがフレーム2の再生位置である時刻tから±α(ms)の時間帯で押下され、ロック・ロック解除コードとして「1」が入力された場合、時刻tに再生されるマルチメディアコンテンツの「フレーム2」に対応して、「フレーム2」の識別情報(例えば「フレーム2」の識別コードや識別番号など)がフレームの再生位置である時刻t±α(ms)とともにロック・ロック解除コードの入力時のマルチメディアコンテンツの特徴量として抽出される。また、操作キー14のうちの「0」に割り当てられたキーがフレーム3の再生位置である時刻tから±α(ms)の時間帯で押下され、ロック・ロック解除コードとして「0」が入力された場合、時刻tに再生されたマルチメディアコンテンツの「フレーム3」に対応して、「フレーム3」の識別情報がフレームの再生位置である時刻t±α(ms)とともに、ロック・ロック解除コードの入力時のマルチメディアコンテンツの特徴量として抽出される。以下、同様である。
【0042】
なお、ロック・ロック解除コードのうちのすべての数字についてマルチメディアコンテンツの特徴量を抽出しなくてもよく、例えば最初と最後の数字に関してのみマルチメディアコンテンツの特徴量を抽出するようにしてもよい。
【0043】
なお、マルチメディアコンテンツの特徴量として、動画像の色彩や輪郭などの情報を抽出するようにしてもよい。
【0044】
また、再生位置を基準とした±α(ms)の数値はユーザの好みに合わせて適宜変更するようにしてもよい。すなわち、αの数値が小さい値ほど、対応するIフレームの識別情報が特徴量として抽出される時間帯が狭くなることから、携帯電話機1のロック・ロック解除時におけるセキュリティが向上する。但し、図5の場合、αの値は各Iフレームの再生位置の中間点に基づいて設定されている。さらに、特徴量として抽出されるフレーム識別情報を有するフレームはIフレームに限られず、PフレームやBフレームであってもよい。
【0045】
ステップS7において、制御部41は、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされたか否かを判定する。例えば携帯電話機1をロックまたはロック解除する際に4桁の数字入力が用いられる場合には、4桁の数字入力がない限り、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされていないと判定される。ステップS7において制御部41が、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされていないと判定した場合、処理はステップS5に戻り、ステップS5以降の処理が繰り返し実行される。
【0046】
ステップ7において制御部41が、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされたと判定した場合、制御部41は、入力されたロック・ロック解除コードと、マルチメディアコンテンツの特徴量とを対応付けて記憶部42に記憶させる。具体的には、図5の場合、ロック・ロック解除コードとして「1048」が入力されるとともに、そのロック・ロック解除コード「1048」に対応してそれぞれ抽出されたマルチメディアコンテンツの特徴量が「フレーム2」の識別情報および再生位置である時刻t±α(ms)(「1」に対応する特徴量)、「フレーム3」の識別情報および再生位置である時刻t±α(ms)(「0」に対応する特徴量)、「フレーム5」の識別情報および再生位置である時刻t±α(ms)(「4」に対応する特徴量)、および「フレーム7」の識別情報および再生位置である時刻t±α(ms)(「8」に対応する特徴量)であることから、ロック・ロック解除コード「1048」とマルチメディアコンテンツの「フレーム2」の識別情報と再生位置である時刻t、「フレーム3」の識別情報と再生位置である時刻t、「フレーム5」の識別情報と再生位置である時刻t、および「フレーム7」の識別情報と再生位置である時刻tがそれぞれ対応付けられて記憶される。その後、ロック・ロック解除設定処理は終了する。
【0047】
なお、ロック・ロック解除コード「1048」を、ロックまたはロック解除の実行時に用いられる認証情報と定義するとともに、ロック・ロック解除コード「1048」を構成する「1」、「0」、「4」、および「8」をロック・ロック解除の実行時に用いられる認証情報に含まれる認証要素と定義する。また、認証要素には、例えば数字や文字、記号などが含まれる。さらに、本発明の実施形態においては、ロック・ロック解除コードとして例えば4つの認証要素からなる「1048」を用いたが、このような場合に限られず、3以下または5つ以上の認証要素からなる認証情報を用いるようにしてもよい。
【0048】
一方、ステップS5において制御部41が、ロック・ロック解除コードが入力されてロック・ロック解除コードの入力イベントが受信されていないと判定した場合、制御部41はステップS9で、選択が受け付けられたマルチメディアコンテンツの再生が終了したか、あるいは、操作キー14が操作されることによりロック・ロック解除設定処理のキャンセル要求が受け付けられたか否かを判定する。ステップS9において制御部41が、マルチメディアコンテンツの再生が終了していないし、かつ、ロック・ロック解除設定処理のキャンセル要求が受け付けられていないと判定した場合、処理はステップS5に戻り、ステップS5以降の処理が繰り返し実行される。
【0049】
ステップS9において制御部41が、マルチメディアコンテンツの再生が終了したか、あるいは、ロック・ロック解除設定処理のキャンセル要求が受け付けられたと判定した場合、制御部41はステップS10で、ロック・ロック解除設定が失敗したと認識し、処理はステップS1に戻る。
【0050】
次に、図6のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1におけるロック・ロック解除実行処理について説明する。
【0051】
ステップS21において、制御部41は、操作キー14が押下されたことを検出すると、ロック・ロック解除実行要求が受け付けられたか否かを判定し、ロック・ロック解除実行要求が受け付けられたと判定するまで待機する。ステップS21において制御部41が、ロック・ロック解除実行要求が受け付けられたと判定した場合、制御部41はステップS22で、記憶部42に記憶されているロック・ロック解除コードとともに、ロック・ロック解除コードに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツを読み出す。図5の場合、ロック・ロック解除コードとしての「1048」が読み出されるとともに、ロック・ロック解除コードに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツとして「コンテンツ1」が読み出される。
【0052】
ステップS23において、マルチメディア制御部55は、制御部41の制御に従い、読み出された、ロック・ロック解除コードに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツの再生を開始する。例えば図5の場合、動画像データに含まれるフレーム1乃至フレーム7の再生が開始される。このとき、ステップS24において、マルチメディアコンテンツの再生が開始されるときとほぼ同時に、制御部41は、メインディスプレイ17を制御し、ロック・ロック解除コードを入力するためのロック・ロック解除コード入力画面を表示させる。メインディスプレイ17は、制御部41の制御に従い、ロック・ロック解除コードを入力するためのロック・ロック解除コード入力画面を表示する。例えば図7(A)に示されるようなロック・ロック解除コード入力画面がロック・ロック解除時に表示される。これにより、ユーザは、マルチメディアコンテンツの再生中にロック・ロック解除コードを入力することができる。
【0053】
ステップS25において、制御部41は、操作キー14が押下されたことを検出すると、マルチメディアコンテンツの再生中にロック・ロック解除コードが入力されてロック・ロック解除コードの入力イベントが受信されたか否かを判定する。ステップS25において制御部41が、ロック・ロック解除コードが入力されてロック・ロック解除コードの入力イベントが受信されたと判定した場合、制御部41はステップS26で、ロック・ロック解除コードの入力イベントが受信された時刻(マルチメディアコンテンツの再生時刻に対応する時刻)に基づいて、ロック・ロック解除コードの入力時のマルチメディアコンテンツの特徴量を抽出する。なお、マルチメディアコンテンツの特徴量の抽出方法は、図3のステップS6の抽出方法と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0054】
ステップS27において、制御部41は、ロック・ロック解除コード設定によって設定されたロック・ロック解除コードとそれに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツの特徴量とを読み出す。具体的には、図5の場合、ロック・ロック解除コード「1048」とマルチメディアコンテンツの「フレーム2」の識別情報と再生位置である時刻t±α(ms)、「フレーム3」の識別情報と再生位置である時刻t±α(ms)、「フレーム5」の識別情報と再生位置である時刻t±α(ms)、および「フレーム7」の識別情報と再生位置である時刻t±α(ms)がそれぞれ対応付けられて記憶されていることから、ロック・ロック解除コード「1048」に対応付けられて記憶されているこれらのマルチメディアコンテンツの特徴量が読み出される。
【0055】
ステップS28において、制御部41は、マルチメディアコンテンツの再生中に入力されたロック・ロック解除コード、およびロック・ロック解除コードの入力時のマルチメディアコンテンツの特徴量が、読み出されたロック・ロック解除コード「1048」およびこれに対応付けられて記憶されているこれらのマルチメディアコンテンツの特徴量と一致するか否かを判定する。
【0056】
例えば図7(B)に示されるように、操作キー14のうちの「4」に割り当てられたキーがフレーム5の再生位置である時刻tから±α(ms)の時間帯で押下され、4桁のロック・ロック解除コードの10の位として「4」が入力された場合、ロック・ロック解除コード「1048」中の10の位は「4」であり、「フレーム5」の識別情報および再生位置である時刻t±α(ms)が予めロック・ロック解除コード「1048」中の10の位である「4」に対応する特徴量として記憶されていることから、ロック・ロック解除コードおよびロック・ロック解除コードに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツの特徴量と一致すると判定される。なお、このとき、例えば一致したことを示す判定結果として「1」が付与される。
【0057】
一方、例えば図7(C)に示されるように、操作キー14のうちの「4」に割り当てられたキーがフレーム6の再生位置である時刻tから±α(ms)の時間帯で押下され、4桁のロック・ロック解除コードの10の位として「4」が入力された場合、4桁のロック・ロック解除コードの10の位の数字「4」とは一致するものの、ロック・ロック解除コード「1048」中の10の位である「4」に対応する特徴量として記憶されている「フレーム5」の識別情報および再生位置である時刻t±α(ms)と異なることから、ロック・ロック解除コードおよびロック・ロック解除コードに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツの特徴量に一致しないと判定される。なお、このとき、例えば一致しなかったことを示す判定結果として「0」が付与される。
【0058】
但し、マルチメディアコンテンツの再生中に入力されたロック・ロック解除コード自体が間違っている場合には、直ちにロック・ロック解除コードおよびロック・ロック解除コードに対応付けられて記憶されているマルチメディアコンテンツの特徴量に一致しないと判定される。なお、例えば最初と最後の数字に関してのみマルチメディアコンテンツの特徴量を抽出された上でロック・ロック解除コードと対応付けて記憶されている場合には、最初と最後の数字に関するマルチメディアコンテンツの特徴量が一致するか否かが判定され、これらに関して一致していればロック・ロック解除を実行するようにしてもよい。
【0059】
ステップS29において、制御部41は、この判定結果を順次RAMに一時的に記憶させる。ステップS30において、制御部41は、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされたか否かを判定する。ステップS30において制御部41が、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされていないと判定した場合、処理はステップS25に戻り、ステップS25降の処理が繰り返し実行される。
【0060】
一方、ステップS30において制御部41が、ロック・ロック解除コードの入力数が満たされていると判定した場合、制御部41はステップS31で、すべての判定結果が「1」であるか否かを判定する。ステップS31において制御部41が、すべての判定結果が「1」であると判定した場合、制御部41はステップS32で、ロック・ロック解除を実行する。
【0061】
一方、ステップS31において制御部41が、いずれかの判定結果が「0」であると判定した場合、制御部41はステップS33で、ロック・ロック解除が失敗したと認識し、その後処理はステップS21に戻る。これにより、すべての判定結果が「1」でない限り、携帯電話機1にてロック・ロック解除は実行されない。
【0062】
ステップS25において制御部41が、ロック・ロック解除コードが入力されてロック・ロック解除コードの入力イベントが受信されていないと判定した場合、制御部41はステップS34で、マルチメディアコンテンツの再生が終了したか、あるいは、ユーザにより操作キー14が操作されることによりロック・ロック解除実行処理のキャンセル要求が受け付けられたか否かを判定する。ステップS34において制御部41が、マルチメディアコンテンツの再生が終了していないし、かつ、ロック・ロック解除実行処理のキャンセル要求が受け付けられていないと判定した場合、処理はステップS25に戻り、ステップS25以降の処理が繰り返し実行される。
【0063】
ステップS34において制御部41が、マルチメディアコンテンツの再生が終了したか、あるいは、ロック・ロック解除実行処理のキャンセル要求が受け付けられたと判定した場合、処理はステップS33に進み、ロック・ロック解除設定が失敗したと認識され、処理はステップS21に戻る。
【0064】
本発明の実施形態においては、メディアコンテンツを再生し、ロックまたはロック解除の実行時に用いられる1または複数の認証要素からなる認証情報を入力し、認証情報と、認証情報の入力のタイミングに対応する、再生されるメディアコンテンツの特徴量とを対応付けて記憶し、ロックまたはロック解除を実行する場合におけるメディアコンテンツの再生中に、認証情報の入力のタイミングに対応する、再生されるメディアコンテンツの特徴量を抽出し、ロックまたはロック解除の実行時に入力された認証情報および抽出されたメディアコンテンツの特徴量と、記憶されている認証情報およびメディアコンテンツの特徴量とが一致するか否かを判定し、この判定結果に基づいてロックまたはロック解除の実行を制御することができる。
【0065】
これにより、認証情報以外にもその認証情報の入力のタイミングとコンテンツの再生位置の関係を考慮した上でロック・ロック解除を実行することができ、ユーザの操作キー14などの操作数を抑えつつ、ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティを向上させることができる。
【0066】
なお、本発明の実施形態においては、ロック・ロック解除設定処理時に選択が受け付けられたマルチメディアコンテンツが動画像データである場合について明示的に記載したが、このような場合に限られず、例えば音楽プレイヤによって実行されるオーディオデータや、動画像プレイヤによって実行されるオーディオデータと動画像データが多重化された多重化データなどの種々のコンテンツを用いるようにしてもよい。マルチメディアコンテンツとしてオーディオデータが設定された場合、マルチメディアコンテンツの特徴量として例えば周波数成分と振幅などの値が抽出されてロック・ロック解除コードと対応付けられて記憶される。また、マルチメディアコンテンツとして多重化データが設定された場合、マルチメディアコンテンツの特徴量としてIフレームおよびその再生位置に加えて、例えば周波数と振幅などの値が抽出されてロック・ロック解除コードと対応付けられて記憶される。さらに、ロック・ロック解除設定処理時に選択が受け付けられたマルチメディアコンテンツが複数の静止画像を用いたスライドショーとなるように構成してもよい。この場合、スライドショーを構成する複数の静止画像(例えば4つの静止画像)に対してロック・ロック解除コードが対応付けられて記憶される。
【0067】
また、ロック・ロック解除設定処理時において複数のマルチメディアコンテンツを選択しておき、それぞれ異なるタイミング(再生位置)で同一または異なるロック・ロック解除コードを入力し、これらを対応付けて記憶するようにしてもよい。このとき、ロック・ロック解除実行処理時には、例えばランダムにいずれか1つのマルチメディアコンテンツが再生されて、それに応じたロック・ロック解除コードが入力されるようにしもよい。勿論、1回のロック・ロック解除実行処理において複数のマルチメディアコンテンツを再生しそれぞれに対応するロック・ロック解除コードを入力するようにしてもよい。これにより、ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティをより向上させることができる。
【0068】
また、ロック・ロック解除実行時に、ユーザに複数のマルチメディアコンテンツの中から再生すべきマルチメディアコンテンツを選択させるようにしてもよい。
【0069】
なお、認証情報の入力のタイミングとコンテンツの再生位置が連動していることから、ロック・ロック解除の実行時におけるマルチメディアコンテンツの再生開始位置や再生速度をランダムに切り替えるようにしてもよい。具体的には、図5に示されるマルチメディアコンテンツの場合、マルチメディアコンテンツの再生開始位置を予め設定されたマルチメディアコンテンツの再生開始位置であるフレーム1から開始するのではなく、マルチメディアコンテンツの再生開始位置をずらして「フレーム5」から開始させた上で、「フレーム5」→「フレーム6」→「フレーム7」→「フレーム1」→「フレーム2」→「フレーム3」→「フレーム4」のように再生させ、入力するべき認証情報として「1048」を「4810」のようにユーザに対して要求するようにしてもよい。
【0070】
また、マルチメディアコンテンツの再生速度をランダムに切り替える場合、例えば再生速度を通常の再生速度の2倍や3倍、あるいは半分にするようにしてもよい。これにより、ロック・ロック解除における利便性を損なわずに、ロック・ロック解除のセキュリティをより向上させることができる。
【0071】
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の情報処理装置にも適用することができる。
【0072】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0073】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の外観の構成を示す図。
【図2】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図3】図2の携帯電話機におけるロック・ロック解除設定処理を説明するフローチャート。
【図4】図2のメインディスプレイに表示されるマルチメディアコンテンツ選択画面の表示例を示す図。
【図5】ロック・ロック解除コードと抽出されるマルチメディアコンテンツの特徴量との対応関係を示す図。
【図6】図2の携帯電話機におけるロック・ロック解除実行処理を説明するフローチャート。
【図7】図2のメインディスプレイに表示されるロック・ロック解除コード入力画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0075】
1…携帯電話機、11…ヒンジ部、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…メインディスプレイ、18…レシーバ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、31…アンテナ、32…アンテナ共用器(DUP)、33…受信回路(RX)、34…周波数シンセサイザ(SYN)、35…送信回路(TX)、36…CDMA信号処理部、37…圧縮伸張処理部、38…PCMコーデック、39…受話増幅器、40…送話増幅器、41…制御部、42…記憶部、43…電池、44…電源回路、45…外部メモリインタフェース、46…メモリカード、47…時計回路、48…地上波ディジタルワンセグ受信部、49…地デジ処理部、50…スピーカ、51…LED制御部、52…発光素子、53…バイブレータ制御部、54…バイブレータ、55…マルチメディア制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアコンテンツを再生する再生手段と、
ロックまたはロック解除の実行時に用いられる1または複数の認証要素からなる認証情報を入力する入力手段と、
認証情報と、認証情報の入力のタイミングに対応する、前記再生手段により再生される前記メディアコンテンツの特徴量とを対応付けて記憶する記憶手段と、
ロックまたはロック解除を実行する場合における前記再生手段による前記メディアコンテンツの再生中に、認証情報の入力のタイミングに対応する、前記再生手段により再生される前記メディアコンテンツの特徴量を抽出し、ロックまたはロック解除の実行時に入力された認証情報および抽出された前記メディアコンテンツの特徴量と、前記記憶手段により記憶されている認証情報および前記メディアコンテンツの特徴量とが一致するか否かを判定するとともに、前記判定結果に基づいてロックまたはロック解除の実行を制御する制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、認証情報に含まれる少なくとも1つ以上の認証要素と、その認証要素の入力のタイミングに対応する前記メディアコンテンツの特徴量とを対応付けて記憶し、
前記制御手段は、ロックまたはロック解除の実行時に入力された認証情報および抽出された前記メディアコンテンツの特徴量と、前記記憶手段により記憶されている認証情報および前記メディアコンテンツの特徴量とが認証要素単位で一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記記憶手段により記憶されている前記メディアコンテンツの特徴量といずれかの認証要素にて一致しないと判定した場合、ロックまたはロック解除を実行しないように制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記憶手段により記憶されている前記メディアコンテンツの特徴量と所定の認証要素にて一致すると判定した場合、ロックまたはロック解除を実行するように制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記メディアコンテンツには、オーディオデータ、動画像データ、およびオーディオデータと動画像データが多重化された多重化データが含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記メディアコンテンツが動画像データまたはオーディオデータと動画像データが多重化された多重化データである場合、前記メディアコンテンツの特徴量には、少なくともフレームの識別情報とその再生位置に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ロックまたはロック解除の実行時に用いられる認証情報を構成する認証要素は、数字、文字または記号であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−67220(P2010−67220A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235539(P2008−235539)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】