情報収集システム
【課題】電力消費を抑えつつ有用な情報収集を行う。
【解決手段】無線携帯端末10が、1又は複数の種別のセンサ(24,26,28)と、利用者の利用者属性を検出する利用者識別手段16と、を有し、配信サーバ50が、特定のエリア内に存在する無線携帯端末から取得した利用者属性と、各無線携帯端末が保有するセンサの種別とに基づいて、エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する収集方法設定手段58を有しており、無線携帯端末10は、収集方法設定手段58にて決定されたセンサを用いて情報収集を行う。このように、存在エリアや端末利用者の情報(利用者属性)に基づいて決定されるセンサを用いることで適切な数の有用な情報を、電力消費を抑えつつ収集することができる。
【解決手段】無線携帯端末10が、1又は複数の種別のセンサ(24,26,28)と、利用者の利用者属性を検出する利用者識別手段16と、を有し、配信サーバ50が、特定のエリア内に存在する無線携帯端末から取得した利用者属性と、各無線携帯端末が保有するセンサの種別とに基づいて、エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する収集方法設定手段58を有しており、無線携帯端末10は、収集方法設定手段58にて決定されたセンサを用いて情報収集を行う。このように、存在エリアや端末利用者の情報(利用者属性)に基づいて決定されるセンサを用いることで適切な数の有用な情報を、電力消費を抑えつつ収集することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境調査においては、気温、湿度、気圧などの各種環境に関する値を各種センサを用いて測定し、分析するのが一般的であった。このような環境調査では、調査対象とするエリアごとにセンサを設置し、所定期間ごとに各センサの設置場所を巡回して測定結果を取得していた。
【0003】
これに対し、特許文献1には、予め決められた場所へセンサ等を設置しなくても、即座に任意の場所での環境測定を行うことが可能な環境測定システム及び方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−341053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムは、任意の場所を指定してその地域内の基地局に属する携帯電話端末から測定データを取得することで、即座に環境測定を行うことを可能にするものである。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、情報収集したい環境情報の種別を如何にして決定するのかが不明である(特許文献1の段落(0025))。また、制御部は、指定した基地局の配下にある携帯電話端末の全てから、環境情報を取得する(特許文献1の段落(0028),(0029))。このため、必要以上の数の環境情報を収集してしまい、結果的に、携帯電話端末の電力を必要以上に消費させる可能性がある。また、これにより、無線通信の使用可能帯域が圧迫され、重要度の高い情報配信に悪影響を及ぼすおそれもある。
【0007】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、情報収集を適切に行うことが可能な情報収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に記載の情報収集システムは、1又は複数の種別のセンサと、利用者の利用者属性を検出する属性検出手段と、を有する情報収集端末と、特定のエリア内に存在する情報収集端末から取得される当該情報収集端末を利用する利用者の利用者属性と、前記情報収集端末が保持するセンサの種別の情報と、に基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する決定装置と、を備え、前記情報収集端末は、前記決定装置にて決定されたセンサを用いて、情報収集を行うことを特徴とする情報収集システムである。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載の情報収集システムは、情報収集を適切に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る情報収集システムの構成及び設置状況を概略的に示す図である。
【図2】図2(a)は、無線携帯端末の制御系を示すブロック図であり、図2(b)は、配信サーバの制御系を示すブロック図である。
【図3】図3(a)は、無線携帯端末の斜視図であり、図3(b)は、無線携帯端末の断面図である。
【図4】無線携帯端末10が利用者に情報を提供したり、環境情報を取得したりする処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
【図5】図5(a)は、図4のステップS12の利用者登録処理における無線携帯端末10の処理を示すフローチャートであり、図5(b)は、利用者登録処理における配信サーバ50の処理を示すフローチャートである。
【図6】図4のステップS16の処理を示すフローチャートである。
【図7】図4のステップS20の処理を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)は、図4のステップS24の利用者登録解除処理における無線携帯端末10の処理を示すフローチャートであり、図8(b)は、利用者登録解除処理における配信サーバ50の処理を示すフローチャートである。
【図9】無線携帯端末管理テーブルを示す図である。
【図10】搭載センサ情報テーブルを示す図である。
【図11】利用者管理テーブルを示す図である。
【図12】センサ駆動条件テーブルを示す図である。
【図13】駆動センサ優先選定順位テーブルを示す図である。
【図14】収集方法設定手段による、環境情報収集方法の設定処理を示すフローチャートである。
【図15】エリアID:3のエリアがレントゲン室であり、他のエリアからエリアID:3のエリアに端末ID:T5の端末が移動してきた状態を示す図である。
【図16】無線携帯端末管理テーブルが更新された状態を示す図(その1)である。
【図17】無線携帯端末管理テーブルが更新された状態を示す図(その2)である。
【図18】第2の実施形態における工場の状態を模式的に示す図である。
【図19】第2の実施形態における搭載センサ情報テーブルを示す図である。
【図20】第2の実施形態における駆動センサ優先選定順位テーブルを示す図である。
【図21】第2の実施形態におけるセンサ駆動条件テーブルを示す図である。
【図22】第2の実施形態における利用者管理テーブルを示す図である。
【図23】第2の実施形態における無線携帯端末管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
≪第1の実施形態≫
以下、情報収集システムの第1の実施形態について、図1〜図17に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、情報収集システム100の構成、設置状況が模式的に示されている。この図1に示すように、情報収集システム100は、ある施設(本実施形態では、病院とする)内に設置されるものである。情報収集システム100は、情報収集端末としての複数台の無線携帯端末10と、配信サーバ50と、無線携帯端末10と配信サーバ50との間の通信を行うアクセスポイントAP1〜APnと、を備える。アクセスポイントAP1〜APnは、病院内に設定された無線エリア(エリアID:1〜n)それぞれに対応して設けられている。すなわち、各無線エリアは、アクセスポイントAP1〜APnそれぞれとの通信が可能な範囲により、規定されている。
【0013】
図2(a)には、無線携帯端末10の制御系がブロック図にて示されている。この図2(a)に示すように、無線携帯端末10は、制御手段12と、無線通信手段14と、属性検出手段としての利用者識別手段16と、表示手段18と、記憶手段20と、電源管理手段22と、各種センサ(24,26,28)と、を有する。なお、無線携帯端末10は、図3(a)の斜視図に示すように、無線携帯端末10の外殻を構成する筐体30を有し、その一部に表示手段18が設けられている。また、筐体30には、利用者のIDが記録されたIC(integrated circuit)カード40を挿入するためのカード挿入口30aが形成されている。更に、無線携帯端末10の各手段及び各センサは、図3(b)の断面図において模式的に示すような配置で、筐体30内に収容されている。
【0014】
制御手段12は、制御手段12に接続されている各手段、各センサの動作を統括的に制御する。無線通信手段14は、アクセスポイントAP1〜APnを介して配信サーバ50と無線での通信を行う。この無線通信手段14は、無線携帯端末10が施設(病院)内のどの位置にあっても、配信サーバ50との無線通信を常時確保するために、アクセスポイントを適宜切り替えるハンドオーバ機能を有している。なお、無線エリアが交わっている環境で、無線携帯端末が無線エリアが交わっている箇所にある場合には、このハンドオーバ機能によって選定したAPに所属しているものとする。利用者識別手段16は、無線携帯端末10の利用者を識別するために用いられるものであり、ここでは、ICカード40の情報を読み取ることが可能なRFリーダが用いられる。利用者識別手段16は、図3に示すように、ICカード40が挿入されるカード挿入口30a近傍に設けられている。なお、利用者識別手段16としては、RFリーダに代えて、又はこれとともに利用者の指紋や声紋、目の角膜等の生体情報を読み取ることが可能な生体認証手段を採用しても良い。
【0015】
表示手段18は、無線携帯端末10の各利用者に対して病院の案内情報や、呼び出し情報などを表示する。記憶手段20は、制御手段12等において必要な端末設定情報等を格納している。
【0016】
電源管理手段22は、無線携帯端末10自体の電源管理を行う。各種センサ(24,26,28)は、病院内の環境情報を取得するためのセンサであり、温度センサ24、照度センサ26、放射線センサ28を含んでいる。各センサ24,26,28による検出値は、制御手段12に送られる。なお、図2(a)では、各種センサとして、温度センサ24、照度センサ26、放射線センサ28が設けられている場合について説明したが、これは一例であって、無線携帯端末の端末種別によって異なる。具体的には、図10に示すように、端末種別ごとに、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、放射線センサ、ガスセンサが様々な組み合わせで、設けられる。
【0017】
図2(b)には、配信サーバ50の制御系がブロック図にて示されている。この図2(b)に示すように、配信サーバ50は、無線端末管理手段52と、利用者管理手段54と、環境情報管理手段56と、決定装置としての収集方法設定手段58と、無線通信手段60と、制御手段62と、を有する。
【0018】
無線端末管理手段52は、無線携帯端末10の状態(例えば、充電池残量など)を管理する。ここで、無線端末管理手段52が管理している情報には、図9に示す無線携帯端末管理テーブルや、図10に示す搭載センサ情報テーブルがある。図9の無線携帯端末管理テーブルは、各無線携帯端末10(端末ID;T1,T2…)の利用者を把握することができるテーブルである。また、無線携帯端末管理テーブルによれば、利用者が利用する無線携帯端末10の情報(端末の機種情報、現在位置しているエリア(通信に用いているアクセスポイント)、充電池残量、センサの稼動状態)などを把握することもできる。一方、図10の搭載センサ情報テーブルは、各利用者が利用する端末と、その端末が有するセンサの種別とを示したテーブルである。
【0019】
利用者管理手段54は、無線携帯端末10の利用者の情報(利用者の属性など)を管理する。具体的には、利用者管理手段54は、図11に示す利用者管理テーブルを有している。この利用者管理テーブルは、利用者の利用者属性に関するテーブルである。このテーブルを用いれば、利用者IDから、利用者属性を取得することができる。
【0020】
環境情報管理手段56は、無線携帯端末10のセンサを用いて収集した環境情報を管理する。収集方法設定手段58は、無線端末管理手段52及び利用者管理手段54が管理する情報を用いて、無線携帯端末10の環境情報収集方法を設定する。なお、この環境情報収集方法を設定する際には、収集方法設定手段58自身が保有している、図12に示すセンサ駆動条件テーブル及び図13に示す駆動センサ優先選定順位テーブルも用いられる。
【0021】
このうち、図12のセンサ駆動条件テーブルは、各アクセスポイントAP1〜APnの配置されたエリアにおいて、複数の無線携帯端末が存在した場合に、どのような条件でセンサを設定するかを定めたテーブルである。より具体的には、図12のテーブルは、温度センサ、照度センサ、放射線センサを利用する場合の例を示しており、各アクセスポイントでの各センサの駆動台数の上限や、計測周期が定められている。図12では、温度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が2台で計測周期が1分とされている。また、照度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が3台で、計測周期が5分とされている。これに対し、放射線センサについては、アクセスポイント毎に、台数上限や計測周期が様々な値に設定されている。図12は、レントゲン室がアクセスポイントAP3のエリアに存在している場合を例示しており、当該レントゲン室を含むエリアを、放射線センサの台数を多くし、計測周期を小さくするエリアと定めている。このようにしたのは、レントゲン室を含むエリアでは、放射線の情報収集の頻度や信頼性を高めるために、その地点での情報収集台数や頻度を上げる必要があるからである。なお、このセンサ駆動条件テーブルは、施設の通信エリア、及び、着眼すべき環境情報や貸与する無線携帯端末の台数等を考慮して、事前に作成しておく必要がある。
【0022】
一方、図13の駆動センサ優先選定順位テーブルは、環境情報収集方法を設定するにあたり、どのセンサを優先的に設定するかを定めたものである。図13では、各センサ種別に対する利用者属性の関連度も示している。関連度の指標としては、「1」、「0」を用いており、関連がある場合に「1」、関連がない場合に「0」を用いることとしている。
【0023】
図2(b)に戻り、無線通信手段60は、アクセスポイントAP1〜APnを介して各無線携帯端末10と無線通信を行う。無線通信手段60は、各無線携帯端末10がどのアクセスポイントの通信エリアに存在するかを把握する機能を有している。制御手段62は、各手段の動作を統括的に制御する。
【0024】
上述した配信サーバ50では、環境情報管理手段56において管理されている環境情報を、随時、施設監視システム等に提供したり、施設監視システム等からの要求に応じて提供したりする。施設監視システムでは、提供された環境情報を分析して、病院内の状況(環境状態)を把握し、その結果を元に空調や照明などを制御して病院内の快適な環境を実現する。また、環境状態の異常を検知したときには、施設監視システムは、警報を発するなどして病院内の安全を確保する。
【0025】
次に、無線携帯端末10が利用者に情報を提供したり、環境情報を取得したりする処理について、図4のフローチャート、及び図4のフローチャートのサブルーチンを示す図5〜図8に基づいて説明する。この処理の前提として、利用者(医師や看護師、患者など)は、病院に来場した際に、施設の受付や入口等で、無線携帯端末10を貸与されるものとする。ただし、これに限らず、例えば医師や看護師などは、貸与を受けずに、個人で所有する無線携帯端末を用いることとしても良い。
【0026】
まず、図4のステップS10では、ユーザからの入力に基づいて、電源管理手段22が、無線携帯端末10の電源をONにする。ここで、無線携帯端末10に電源ボタンが設けられている場合には、当該電源ボタンへの利用者からの入力に基づいて、電源をONにする。また、無線携帯端末10へのICカード40の挿入と電源とを連動させる場合には、ICカード40の挿入に基づいて、電源をONにする。なお、ICカード40は、医師や看護師であれば、身分証明書を兼ねていても良いし、患者であれば、診察券などを兼ねていても良い。
【0027】
次いで、ステップS12では、利用者登録処理のサブルーチンを実行する。本サブルーチンでは、図5(a)の処理(無線携帯端末10の処理)と図5(b)の処理(配信サーバ50の処理)が同時並行的に進行する。そして、図5(b)の処理が終了した時点で、図4のステップS14に移行する。
【0028】
まず、図5(a)の処理について説明する。まず、図5(a)のステップS120では、無線携帯端末10の制御手段12が、カード挿入口30aにICカード40が挿入されたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS120を繰り返すことで、ICカードが挿入されるまで待機する。そして、ステップS120の判断が肯定されると、ステップS122に移行し、制御手段12は、利用者識別手段16を起動し、それを用いて、利用者のICカード40から利用者IDを取得する。次いで、ステップS124では、制御手段12が、無線通信手段14を用いて、利用者登録要求を配信サーバ50に対して通知する。ここで、無線通信手段14は、利用者登録要求を通知する際に、前述したステップS122において取得した利用者IDと、端末自身のID(端末ID)とを紐付けした状態で送信する。
【0029】
次に、図5(b)の処理について説明する。まず、図5(b)のステップS126では、配信サーバ50の制御手段62が、利用者登録要求を受信したか否かを判断する。すなわち、前述したステップS124が無線携帯端末10側で実行されるまで待機する。そして、ステップS126の判断が肯定されると、ステップS128において、無線端末管理手段52を起動し、これを用いて、利用者登録を実行する。この利用者登録では、図9に示す無線携帯端末管理テーブルに登録されている無線携帯端末10の端末IDに対して、利用者IDを対応付けて登録する。
【0030】
以上のようにして、図5(a)、図5(b)の利用者登録処理のサブルーチンが実行されると、図4のステップS14に戻る。ステップS14では、受信情報があるか否かを判断する。ここで、本実施形態では、受信情報には、(a)状態通知要求、(b)環境情報収集方法通知、(c)利用者への提供情報通知の3種類があるものとする。このステップS14の判断が肯定された場合には、ステップS16の受信情報解析処理サブルーチンに移行し、否定された場合には、ステップS18に直接移行する。
【0031】
ステップS16では、図6に示すフローチャートが実行される。この図6では、まずステップS160において、無線携帯端末10の制御手段12が、受信情報が状態通知要求であった否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS162において、制御手段12が、無線携帯端末10の状態を取得する。この場合における無線携帯端末10の状態とは、無線携帯端末10の充電残存量等を意味する。そして、次のステップS164では、制御手段12は、無線通信手段14を介して、状態通知の要求元である配信サーバ50に無線携帯端末10の状態を通知する。
【0032】
一方、ステップS160の判断が否定されると、ステップS166に移行し、制御手段12は、受信情報が、環境情報収集方法であるか否かを判断する。ここでの判断が肯定されると、ステップS168に移行する。ステップS168では、制御手段12は、環境情報収集方法の設定を変更する。無線携帯端末10は、それ以降は、変更後の環境情報収集方法で、環境情報収集を実施する。なお、配信サーバ50における、環境情報収集方法の設定方法の詳細な内容については、後述する。
【0033】
これに対し、ステップS166の判断が否定されると、受信情報が、利用者への提供情報通知であると判断できるので、制御手段12は、ステップS170において、表示手段18に利用者への情報提供を表示する。ここで、提供される情報としては、例えば、患者の所持する無線携帯端末であれば、病院内の案内情報や、その利用者の病院内におけるスケジュール等の情報、あるいは呼出情報等が想定される。また、医師や看護師の所持する無線携帯端末であれば、ナースコールがあった旨の情報及びその詳細な情報等が、提供される情報として想定される。
【0034】
以上、ステップS164、S168、S170のいずれかの処理を実行すると、図6の全処理を終了し、図4のステップS18に移行する。
【0035】
図4のステップS18では、無線携帯端末10の制御手段12が、環境情報を収集するか否かを判断する。ここでは、配信サーバ50から通知されている環境情報収集方法(ステップS168で設定された収集方法)を参照して、環境情報を収集するか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS20に移行し、否定された場合には、ステップS22に移行する。
【0036】
ステップS20に移行した場合には、図7に示す環境情報収集処理のサブルーチンを実行する。図7のサブルーチンでは、ステップS200において、無線携帯端末10の制御手段12は、通知された環境情報収集方法に基づき、自己が有するセンサを用いて、環境情報を収集する。次いで、ステップS202では、制御手段12は、無線通信手段14を介して、配信サーバ50に対し、収集した環境情報を通知する。その後は、図4のステップS22に戻る。
【0037】
図4のステップS22では、無線携帯端末10の制御手段12が、利用者から、施設での滞在を終了する旨の入力があったか否かを判断する。この場合における、滞在を終了する旨の入力は、電源ボタンをOFFにしたり、ICカードを引き抜いたりすることで行われる。ここでの判断が否定された場合には、ステップS14に戻るが、判断が肯定されると、ステップS24に移行する。なお、ステップS14に戻った場合には、上記ステップS14〜S22を繰り返す。
【0038】
一方、ステップS24に移行した場合には、利用者登録解除処理のサブルーチンを実行する。本サブルーチンでは、図8(a)の処理(無線携帯端末10の処理)と図8(b)の処理(配信サーバ50の処理)が同時並行的に進行する。そして、図8(b)の処理が終了した時点で、図4のステップS26に移行する。
【0039】
まず、図8(a)の処理について説明する。図8(a)のステップS240において、無線携帯端末10の制御手段12が、カード挿入口30aからICカード40が引き抜かれたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS240を繰り返すことで、ICカード40が引き抜かれるまで待機する。そして、ステップS240の判断が肯定されると、ステップS242に移行し、制御手段12は、無線通信手段14を用いて、利用者登録解除要求を配信サーバ50に対して通知する。ここで、無線通信手段14は、利用者登録解除要求を通知する際に、利用者IDも一緒に送信する。
【0040】
次に、図8(b)の処理について説明する。図8(b)のステップS244では、配信サーバ50の制御手段62が、利用者登録解除要求を受信したか否かを判断する。すなわち、前述したステップS242が無線携帯端末10側で実行されるまで待機する。そして、ステップS244の判断が肯定されると、ステップS246において、制御手段62は、無線端末管理手段52を起動し、これを用いて、利用者登録解除を実行する。ここで、配信サーバ50では、無線携帯端末管理テーブル(図9参照)から通知された利用者IDと端末IDとの紐付け情報を削除するために、通知された利用者IDについてのデータを削除する。
【0041】
図4に戻り、ステップS26では、制御手段12が電源管理手段22を用いて、電源をオフにする。これにより、図4の全工程が終了する。
【0042】
次に、図14のフローチャートに沿って、配信サーバ50の収集方法設定手段58において実行される、環境情報収集方法の設定処理について、詳細に説明する。
【0043】
まず、図14のステップS302では、収集方法設定手段58は、複数あるエリアを示すエリア番号(I)を「1」に設定し、アクセスポイントAP1のエリアに着目する。次いで、ステップS304では、収集方法設定手段58は、そのエリア(エリアID:1)で、直近の状況と比べて、無線携帯端末の台数などの状態、無線携帯端末の利用者属性等が変化したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS336に移行し、Iを1インクリメントした後、ステップS338でIがIの最大値nを超えたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS304に戻る。一方、ステップS338の判断が肯定された場合には、全てのエリアにおいて状況が変化していないため、環境情報収集方法を変更する必要が無いので、ステップS340において、終了か否かを判断する。ここでの判断が否定される場合には、ステップS302に戻り、1番目のエリアから、状況が変化したかを再度判断する。
【0044】
なお、本実施形態では、図15に示すように、端末T5を所持する利用者が、アクセスポイントAP2のエリア(エリアID:2)からアクセスポイントAP3のエリア(エリアID:3)にハンドオーバしたものとする。この場合、エリア3の状況の変化を判断したときに、ステップS304の判断が肯定されたものとする。なお、図15では、エリアIDが3のエリア内にレントゲン室が存在している。
【0045】
図14に戻り、次のステップS306では、収集方法設定手段58が、優先選定順位(J)を1に設定する。次いで、ステップS308では、収集方法設定手段58が、優先選定順位Jと、図13に示す駆動センサ優先選定順位テーブルとに基づいて、設定対象センサ種別を設定する。この場合、優先選定順位J=1の「放射線センサ」が設定されることになる。
【0046】
次いで、ステップS310では、収集方法設定手段58が、図10の搭載センサ情報テーブルに基づいて、設定対象センサを有する端末機種を抽出する。ここでは、収集方法設定手段58は、放射線センサを有する端末種別としてC1、C2を抽出し、更に、アクセスポイントAP3のエリアに存在する端末機種C1、C2の端末を抽出する。図15では、アクセスポイントAP3のエリアには、端末T1、T2,T3,T4,T5が存在しているため、これらの中から、端末機種C1、C2を抽出する。ここでは、図9の無線携帯端末管理テーブルより、端末機種C2として、端末ID:T1、T4,T5の3台の端末が抽出されることになる。
【0047】
次いで、ステップS312では、収集方法設定手段58が、設定可能端末数に余剰があるか否かを判断する。ここでは、図12のセンサ駆動条件テーブルに示すように、アクセスポイントAP3では、放射線センサの駆動台数上限が2台と定められている。このため、抽出された端末台数(3台)は、駆動台数上限(2台)に対して余剰があるので、ステップS312の判断は肯定され、ステップS316に移行する。なお、ステップS312の判断が否定された場合(余剰が無かった場合)には、ステップS314において、収集方法設定手段58が、抽出された全端末を選定する。すなわち、これ以降、アクセスポイントAP3のエリアにおける、放射線センサを利用した環境情報の取得は、抽出された全端末の放射線センサを用いることとする。
【0048】
抽出された端末に余剰があった場合(ステップS312の判断が肯定された場合)には、その中から、実際に環境情報の取得に用いる端末を選択する必要がある。この選択は、充電池残量などの様々な要素を総合的に考慮して行う。具体的には、まず、ステップS316において、収集方法設定手段58は、設定端末の番号を示すKを1に設定する。そして、ステップS318では、収集方法設定手段58は、端末IDの小さいほうからK番目(ここでは、1番目)の端末の評価値F(x)を、次式(1)に基づいて算出する。
F(x)=A×[充電池残量]
+B×[対象センサに対する利用者属性の関連度]
−C×[環境情報収集設定済対象センサ種別の数] …(1)
【0049】
なお、A、B、Cは予め設定した定数(重み付け係数)である。また、充電池残量は、図9の無線携帯端末管理テーブルから取得したものであり、対象センサに対する利用者属性の関連度は、K番目の端末の利用者の属性に基づいて、図13の駆動センサ優先選定順位テーブルから取得した値である。更に、環境情報収集設定済対象センサ種別の数は、K番目の端末に設けられたセンサのうち、既に環境情報の測定に用いているセンサ数である。なお、ステップS318の後、ステップS320では、Kを1インクリメントし、ステップS322では、Kが抽出数を示す数Nを超えたか否かを判断する。そして、ここでの判断が否定された場合には、ステップS318に戻り、肯定された場合には、ステップS324に移行する。これらステップS318、S320、S322を繰り返すことにより、抽出された全端末の評価値を算出することができる。
【0050】
ここで、例えば、対象センサにおける評価値の定数Aが「10」、定数B、定数Cが「5」であるとすると、端末IDがT1の評価値F(x)は40(=10×4+5×0−5×0)となる。また、T4の評価値F(x)は55(=10×5+5×1−5×0)となり、T5の評価値F(x)は45(=10×4+5×1−5×0)となる。
【0051】
その後、ステップS324に移行すると、収集方法設定手段58は、評価値F(x)の高い順に、必要台数分(駆動台数上限分)の端末を選定する。ここでは、評価値の高い2台の端末T4、T5がそのエリア(エリアID:3)において放射線センサを用いる環境情報収集端末に選定される。図16の無線携帯端末管理テーブルのハッチング部分には、放射線センサを用いる環境情報収集端末として、端末ID:T4、T5の端末が設定された状態が示されている。
【0052】
次いで、ステップS326では、収集方法設定手段58が、選定端末のセンサ稼動条件を設定する。ここでは、図12のセンサ駆動条件テーブルに基づいて、端末ID:T4、T5の端末の放射線センサの計測周期を1(分)に設定する(図16のハッチング部分参照)。
【0053】
次いで、ステップS328では、収集方法設定手段58が、Jを1インクリメントした後、ステップS330において、JがM(Mは、優先選定順位として定められている最大数)を超えたか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS308に戻り、ステップS308〜S326を実行することで、優先順位が2番目のセンサに関する環境情報収集端末の選定を、上記と同様にして実行する。ここでは、優先順位が2番目である温度センサ(図13参照)について環境情報収集端末の選定が行われる。この場合、エリアID:3のエリアに存在する端末のうち、温度センサが搭載されている端末は、図10の搭載センサ情報テーブルより、端末ID:T1、T2、T3、T4、T5の端末である。したがって、ここでは、それらの端末に対して、温度センサにおける評価値F(x)を上式(1)を用いて算出する。この場合、端末ID:T1の端末の評価値F(x)は45(=10×4+5×1−5×0)となり、T2の端末の評価値は35(=10×3+5×1+5×0)となる。また、T3の端末の評価値は25(=10×2+5×1−5×0)となり、T4の端末の評価値は50(=10×5+5×1−5×1)となり、T5の端末の評価値は40(=10×4+5×1−5×1)となる。したがって、ここでは、評価値F(x)の高い2台の端末(端末ID:T1、T4)が、温度センサにおける環境情報収集端末に選定される(図17のハッチング部分参照)。
【0054】
その後、全ての種別のセンサについて環境情報収集端末が選定されると、ステップS330の判断が肯定されて、ステップS332に移行する。ステップS332では、収集方法設定手段58は、エリアI=3における上記設定処理において、センサ稼動条件が変更されたか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合、すなわち、いずれかのセンサにおける環境情報収集端末が変更された場合には、ステップS334に移行する。ステップS334では、収集方法設定手段58が、変更に関わる全ての端末にセンサ稼動条件を通知し、ステップS336に移行する。なお、ステップS334の通知が行われた場合には、図4のステップS14の判断が肯定され、ステップS16において、図6のサブルーチンのステップS168が実行されることになる。
【0055】
一方、ステップS332の判断が否定された場合には、ステップS336に直接移行する。その後は、エリアを順次変更しながら、同様の処理を行い、全てのエリアにおける処理が終了し(ステップS338が肯定され)、ステップS340において、終了と判断された時点で、図14の全処理を終了する。なお、ステップS340の判断が肯定される場合とは、配信サーバ50の電源がオフにされた場合などが挙げられる。
【0056】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、無線携帯端末10が、1又は複数の種別のセンサ(24,26,28)と、利用者の利用者属性を検出する利用者識別手段16と、を有しており、配信サーバ50が、特定のエリア内に存在する無線携帯端末10から取得した利用者属性と、センサの種別とに基づいて、エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する収集方法設定手段58を有している。そして、無線携帯端末10は、収集方法設定手段58にて決定されたセンサを用いて情報収集を行う。これにより、無線携帯端末10に設けられた全センサを用いて情報収集を行わなくても、存在エリアや端末利用者の情報(利用者属性)に基づいて決定されるセンサを用いることで、適切な数の有用な情報を収集することができる。これにより、電力消費を抑えつつ有用な情報収集を行うことが可能である。
【0057】
また、本実施形態によると、収集方法設定手段58は、特定のエリアのエリア属性(レントゲン室近くのエリアか否かなどの情報)にも基づいて、情報収集に用いるセンサを決定する。したがって、各エリアの情報収集に必要なセンサを各エリアの属性に応じて適切に決定することができる。
【0058】
また、本実施形態によると、収集方法設定手段58は、無線携帯端末10の電池残量を含む状態量にも基づいて、情報収集に用いるセンサを決定する。したがって、電池残量が多い無線携帯端末10を積極的に用いるようにすることができる。これにより、各端末における電池切れを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態によると、収集方法設定手段58は、特定のエリア内に存在する無線情報端末10が変化したときに、当該エリア内で情報収集に用いるセンサを設定し直すこととしている。これにより、エリア内の状況に応じて用いるセンサを適切に設定することができる。
【0060】
また、本実施形態によると、エリアは、配信サーバ50に接続されたアクセスポイントとの通信が可能な範囲で規定されている。このため、アクセスポイントとの通信の可否に応じて、各無線携帯端末10の存在エリアを確認することが可能である。これにより、各無線携帯端末で用いるセンサを適切に設定することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、利用者識別手段16は、利用者に配布されたICカードに記録された情報を読み取ることで、利用者属性を検出するので、簡易且つ短時間に利用者属性の検出を行うことが可能である。
【0062】
なお、上記実施形態では、病院内において情報収集システム100を運用した場合について説明したが、これに限られるものではない、例えば、アミューズメント施設など、人が集まる施設においても、運用することができる。また、工場などでも運用することができる。以下に説明する第2の実施形態は、情報収集システム100を工場に運用した場合の例である。
【0063】
≪第2の実施形態≫
次に、情報収集システムの第2の実施形態について、図18〜図23に基づいて説明する。本実施形態は、有害なガスを取り扱う工場の例であり、従業員や来訪者等が無線携帯端末10を利用するものとする。なお、情報収集システムの構成は、上記第1の実施形態と同一のものであるが、各種テーブルの内容が上記第1の実施形態とは異なっている。
【0064】
図18には、工場内の複数の無線エリアが模式的に示されている。この図18に示すように、本実施形態では、工場内には無線エリアが4つ(エリアID:1〜4)存在しており、各エリアには、アクセスポイントが設けられているものとする。また、エリアID:4のエリアは、ガス利用施設とされている。
【0065】
図19には、搭載センサ情報テーブルが示されている。また、図20には、駆動センサ優先選定順位テーブルが示されている。本実施形態では、駆動センサ優先選定順位テーブルの利用者属性として、危険エリア(ここでは、有害なガス利用施設のあるエリア)への立入があるか、ないかが設定されている。
【0066】
図21には、センサ駆動条件テーブルが示されている。この図21に示すように、本実施形態の工場内では、温度センサ、照度センサ、ガスセンサを用いることとしている。図21のセンサ駆動条件テーブルでは、温度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が2台で、計測周期が1分とされている。また、照度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が3台で、計測周期が5分とされている。これに対し、ガスセンサについては、アクセスポイント毎に、台数上限や計測周期が様々な値に設定されている。図21では、ガスセンサの台数が多く、計測周期が小さいエリアを、ガス利用施設及びその近傍のエリアとしている。このようにしたのは、ガス利用施設を含むエリア及びその近傍のエリアでは、ガスの情報収集の頻度や信頼性を高めるために、その地点での情報収集台数や頻度を上げる必要があるからである。
【0067】
図22には、利用者管理テーブルが示されている。この利用者管理テーブルでは、利用者IDとその利用者の属性(危険エリア(ここでは、有害なガス利用施設のあるエリア)への立入があるか、ないか)を管理している。図23は、第1の実施形態の図9と同様の、無線携帯端末管理テーブルである。
【0068】
本実施形態では、収集方法設定手段58は、上記各種テーブルを参照しつつ、図14のフローチャートの処理を実行する。そして、例えば、図18に示すように、端末ID:T1の端末がアクセスポイントAP2のエリアからAP3のエリアにハンドオーバして、アクセスポイントAP3のエリアの状況が変わると(ステップS304(肯定))、アクセスポイントAP3のエリアでの環境情報収集方法の見直しを実行する。
【0069】
ここで、図20の駆動センサ優先選定順位テーブルに示すように、優先設定順位が1番のセンサは、ガスセンサであるため、本実施形態では、最初にガスセンサについての環境情報収集端末の設定を行う(ステップS308)。この場合、図19の搭載センサ情報テーブルより、ガスセンサは、端末種別C1とC3に設けられていることがわかる。したがって、収集方法設定手段58は、アクセスポイントAP3のエリアに存在している5台の端末(端末ID:T1〜T5)から、端末種別C1,C3に該当する3台の端末(端末ID:T1、T2、T3)を、図23の無線携帯端末管理テーブルに基づいて抽出する(ステップS310)。
【0070】
一方、アクセスポイントAP3のエリアにおけるガスセンサの駆動台数上限は、図21のセンサ駆動条件テーブルにおいて1台に設定されているため、設定可能端末数には余剰がある(ステップS312(肯定))。このため、各端末の評価値F(x)を算出する必要がある。なお、本実施形態においても、評価値F(x)は上式(1)を用いて算出するものとする。ここで、式(1)の定数Aを「10」、定数B及び定数Cを「5」とすると、端末ID:T1の端末の評価値は45(=10×4+5×1−5×0)、T2の端末の評価値は35(=10×3+5×1−5×0)となる。また、T3の端末の評価値は25(=10×2+5×1−5×0)となる(ステップS318)。したがって、収集方法設定手段58は、これらのうちで最も評価値の高い端末(端末ID:T1)を、アクセスポイントAP3のエリア内におけるガスセンサについての環境情報収集端末に選定する(ステップS324、図23のハッチング部分参照)。
【0071】
その後は、同様にして、他のセンサ(温度センサ、照度センサ)についても環境情報収集端末の再設定を行い、センサの駆動条件等が更新された端末に対しては、その旨を通知する(ステップS334)。
【0072】
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、情報収集システム100を工場内に設置した場合であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
なお、上記各実施形態では、評価値F(x)を、上式(1)を用いて求める場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、端末の状態量や利用者属性などを反映することが可能な別の式を用いて、F(x)を求めることとしても良い。
【0074】
上述した各実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 無線携帯端末(情報収集端末)
16 利用者識別手段(属性検出手段)
24 温度センサ(センサ)
26 照度センサ(センサ)
28 放射線センサ(センサ)
40 ICカード
58 収集方法設定手段(決定装置)
AP1〜APn アクセスポイント
【技術分野】
【0001】
本件は、情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境調査においては、気温、湿度、気圧などの各種環境に関する値を各種センサを用いて測定し、分析するのが一般的であった。このような環境調査では、調査対象とするエリアごとにセンサを設置し、所定期間ごとに各センサの設置場所を巡回して測定結果を取得していた。
【0003】
これに対し、特許文献1には、予め決められた場所へセンサ等を設置しなくても、即座に任意の場所での環境測定を行うことが可能な環境測定システム及び方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−341053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムは、任意の場所を指定してその地域内の基地局に属する携帯電話端末から測定データを取得することで、即座に環境測定を行うことを可能にするものである。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、情報収集したい環境情報の種別を如何にして決定するのかが不明である(特許文献1の段落(0025))。また、制御部は、指定した基地局の配下にある携帯電話端末の全てから、環境情報を取得する(特許文献1の段落(0028),(0029))。このため、必要以上の数の環境情報を収集してしまい、結果的に、携帯電話端末の電力を必要以上に消費させる可能性がある。また、これにより、無線通信の使用可能帯域が圧迫され、重要度の高い情報配信に悪影響を及ぼすおそれもある。
【0007】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、情報収集を適切に行うことが可能な情報収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に記載の情報収集システムは、1又は複数の種別のセンサと、利用者の利用者属性を検出する属性検出手段と、を有する情報収集端末と、特定のエリア内に存在する情報収集端末から取得される当該情報収集端末を利用する利用者の利用者属性と、前記情報収集端末が保持するセンサの種別の情報と、に基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する決定装置と、を備え、前記情報収集端末は、前記決定装置にて決定されたセンサを用いて、情報収集を行うことを特徴とする情報収集システムである。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載の情報収集システムは、情報収集を適切に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る情報収集システムの構成及び設置状況を概略的に示す図である。
【図2】図2(a)は、無線携帯端末の制御系を示すブロック図であり、図2(b)は、配信サーバの制御系を示すブロック図である。
【図3】図3(a)は、無線携帯端末の斜視図であり、図3(b)は、無線携帯端末の断面図である。
【図4】無線携帯端末10が利用者に情報を提供したり、環境情報を取得したりする処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
【図5】図5(a)は、図4のステップS12の利用者登録処理における無線携帯端末10の処理を示すフローチャートであり、図5(b)は、利用者登録処理における配信サーバ50の処理を示すフローチャートである。
【図6】図4のステップS16の処理を示すフローチャートである。
【図7】図4のステップS20の処理を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)は、図4のステップS24の利用者登録解除処理における無線携帯端末10の処理を示すフローチャートであり、図8(b)は、利用者登録解除処理における配信サーバ50の処理を示すフローチャートである。
【図9】無線携帯端末管理テーブルを示す図である。
【図10】搭載センサ情報テーブルを示す図である。
【図11】利用者管理テーブルを示す図である。
【図12】センサ駆動条件テーブルを示す図である。
【図13】駆動センサ優先選定順位テーブルを示す図である。
【図14】収集方法設定手段による、環境情報収集方法の設定処理を示すフローチャートである。
【図15】エリアID:3のエリアがレントゲン室であり、他のエリアからエリアID:3のエリアに端末ID:T5の端末が移動してきた状態を示す図である。
【図16】無線携帯端末管理テーブルが更新された状態を示す図(その1)である。
【図17】無線携帯端末管理テーブルが更新された状態を示す図(その2)である。
【図18】第2の実施形態における工場の状態を模式的に示す図である。
【図19】第2の実施形態における搭載センサ情報テーブルを示す図である。
【図20】第2の実施形態における駆動センサ優先選定順位テーブルを示す図である。
【図21】第2の実施形態におけるセンサ駆動条件テーブルを示す図である。
【図22】第2の実施形態における利用者管理テーブルを示す図である。
【図23】第2の実施形態における無線携帯端末管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
≪第1の実施形態≫
以下、情報収集システムの第1の実施形態について、図1〜図17に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、情報収集システム100の構成、設置状況が模式的に示されている。この図1に示すように、情報収集システム100は、ある施設(本実施形態では、病院とする)内に設置されるものである。情報収集システム100は、情報収集端末としての複数台の無線携帯端末10と、配信サーバ50と、無線携帯端末10と配信サーバ50との間の通信を行うアクセスポイントAP1〜APnと、を備える。アクセスポイントAP1〜APnは、病院内に設定された無線エリア(エリアID:1〜n)それぞれに対応して設けられている。すなわち、各無線エリアは、アクセスポイントAP1〜APnそれぞれとの通信が可能な範囲により、規定されている。
【0013】
図2(a)には、無線携帯端末10の制御系がブロック図にて示されている。この図2(a)に示すように、無線携帯端末10は、制御手段12と、無線通信手段14と、属性検出手段としての利用者識別手段16と、表示手段18と、記憶手段20と、電源管理手段22と、各種センサ(24,26,28)と、を有する。なお、無線携帯端末10は、図3(a)の斜視図に示すように、無線携帯端末10の外殻を構成する筐体30を有し、その一部に表示手段18が設けられている。また、筐体30には、利用者のIDが記録されたIC(integrated circuit)カード40を挿入するためのカード挿入口30aが形成されている。更に、無線携帯端末10の各手段及び各センサは、図3(b)の断面図において模式的に示すような配置で、筐体30内に収容されている。
【0014】
制御手段12は、制御手段12に接続されている各手段、各センサの動作を統括的に制御する。無線通信手段14は、アクセスポイントAP1〜APnを介して配信サーバ50と無線での通信を行う。この無線通信手段14は、無線携帯端末10が施設(病院)内のどの位置にあっても、配信サーバ50との無線通信を常時確保するために、アクセスポイントを適宜切り替えるハンドオーバ機能を有している。なお、無線エリアが交わっている環境で、無線携帯端末が無線エリアが交わっている箇所にある場合には、このハンドオーバ機能によって選定したAPに所属しているものとする。利用者識別手段16は、無線携帯端末10の利用者を識別するために用いられるものであり、ここでは、ICカード40の情報を読み取ることが可能なRFリーダが用いられる。利用者識別手段16は、図3に示すように、ICカード40が挿入されるカード挿入口30a近傍に設けられている。なお、利用者識別手段16としては、RFリーダに代えて、又はこれとともに利用者の指紋や声紋、目の角膜等の生体情報を読み取ることが可能な生体認証手段を採用しても良い。
【0015】
表示手段18は、無線携帯端末10の各利用者に対して病院の案内情報や、呼び出し情報などを表示する。記憶手段20は、制御手段12等において必要な端末設定情報等を格納している。
【0016】
電源管理手段22は、無線携帯端末10自体の電源管理を行う。各種センサ(24,26,28)は、病院内の環境情報を取得するためのセンサであり、温度センサ24、照度センサ26、放射線センサ28を含んでいる。各センサ24,26,28による検出値は、制御手段12に送られる。なお、図2(a)では、各種センサとして、温度センサ24、照度センサ26、放射線センサ28が設けられている場合について説明したが、これは一例であって、無線携帯端末の端末種別によって異なる。具体的には、図10に示すように、端末種別ごとに、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、放射線センサ、ガスセンサが様々な組み合わせで、設けられる。
【0017】
図2(b)には、配信サーバ50の制御系がブロック図にて示されている。この図2(b)に示すように、配信サーバ50は、無線端末管理手段52と、利用者管理手段54と、環境情報管理手段56と、決定装置としての収集方法設定手段58と、無線通信手段60と、制御手段62と、を有する。
【0018】
無線端末管理手段52は、無線携帯端末10の状態(例えば、充電池残量など)を管理する。ここで、無線端末管理手段52が管理している情報には、図9に示す無線携帯端末管理テーブルや、図10に示す搭載センサ情報テーブルがある。図9の無線携帯端末管理テーブルは、各無線携帯端末10(端末ID;T1,T2…)の利用者を把握することができるテーブルである。また、無線携帯端末管理テーブルによれば、利用者が利用する無線携帯端末10の情報(端末の機種情報、現在位置しているエリア(通信に用いているアクセスポイント)、充電池残量、センサの稼動状態)などを把握することもできる。一方、図10の搭載センサ情報テーブルは、各利用者が利用する端末と、その端末が有するセンサの種別とを示したテーブルである。
【0019】
利用者管理手段54は、無線携帯端末10の利用者の情報(利用者の属性など)を管理する。具体的には、利用者管理手段54は、図11に示す利用者管理テーブルを有している。この利用者管理テーブルは、利用者の利用者属性に関するテーブルである。このテーブルを用いれば、利用者IDから、利用者属性を取得することができる。
【0020】
環境情報管理手段56は、無線携帯端末10のセンサを用いて収集した環境情報を管理する。収集方法設定手段58は、無線端末管理手段52及び利用者管理手段54が管理する情報を用いて、無線携帯端末10の環境情報収集方法を設定する。なお、この環境情報収集方法を設定する際には、収集方法設定手段58自身が保有している、図12に示すセンサ駆動条件テーブル及び図13に示す駆動センサ優先選定順位テーブルも用いられる。
【0021】
このうち、図12のセンサ駆動条件テーブルは、各アクセスポイントAP1〜APnの配置されたエリアにおいて、複数の無線携帯端末が存在した場合に、どのような条件でセンサを設定するかを定めたテーブルである。より具体的には、図12のテーブルは、温度センサ、照度センサ、放射線センサを利用する場合の例を示しており、各アクセスポイントでの各センサの駆動台数の上限や、計測周期が定められている。図12では、温度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が2台で計測周期が1分とされている。また、照度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が3台で、計測周期が5分とされている。これに対し、放射線センサについては、アクセスポイント毎に、台数上限や計測周期が様々な値に設定されている。図12は、レントゲン室がアクセスポイントAP3のエリアに存在している場合を例示しており、当該レントゲン室を含むエリアを、放射線センサの台数を多くし、計測周期を小さくするエリアと定めている。このようにしたのは、レントゲン室を含むエリアでは、放射線の情報収集の頻度や信頼性を高めるために、その地点での情報収集台数や頻度を上げる必要があるからである。なお、このセンサ駆動条件テーブルは、施設の通信エリア、及び、着眼すべき環境情報や貸与する無線携帯端末の台数等を考慮して、事前に作成しておく必要がある。
【0022】
一方、図13の駆動センサ優先選定順位テーブルは、環境情報収集方法を設定するにあたり、どのセンサを優先的に設定するかを定めたものである。図13では、各センサ種別に対する利用者属性の関連度も示している。関連度の指標としては、「1」、「0」を用いており、関連がある場合に「1」、関連がない場合に「0」を用いることとしている。
【0023】
図2(b)に戻り、無線通信手段60は、アクセスポイントAP1〜APnを介して各無線携帯端末10と無線通信を行う。無線通信手段60は、各無線携帯端末10がどのアクセスポイントの通信エリアに存在するかを把握する機能を有している。制御手段62は、各手段の動作を統括的に制御する。
【0024】
上述した配信サーバ50では、環境情報管理手段56において管理されている環境情報を、随時、施設監視システム等に提供したり、施設監視システム等からの要求に応じて提供したりする。施設監視システムでは、提供された環境情報を分析して、病院内の状況(環境状態)を把握し、その結果を元に空調や照明などを制御して病院内の快適な環境を実現する。また、環境状態の異常を検知したときには、施設監視システムは、警報を発するなどして病院内の安全を確保する。
【0025】
次に、無線携帯端末10が利用者に情報を提供したり、環境情報を取得したりする処理について、図4のフローチャート、及び図4のフローチャートのサブルーチンを示す図5〜図8に基づいて説明する。この処理の前提として、利用者(医師や看護師、患者など)は、病院に来場した際に、施設の受付や入口等で、無線携帯端末10を貸与されるものとする。ただし、これに限らず、例えば医師や看護師などは、貸与を受けずに、個人で所有する無線携帯端末を用いることとしても良い。
【0026】
まず、図4のステップS10では、ユーザからの入力に基づいて、電源管理手段22が、無線携帯端末10の電源をONにする。ここで、無線携帯端末10に電源ボタンが設けられている場合には、当該電源ボタンへの利用者からの入力に基づいて、電源をONにする。また、無線携帯端末10へのICカード40の挿入と電源とを連動させる場合には、ICカード40の挿入に基づいて、電源をONにする。なお、ICカード40は、医師や看護師であれば、身分証明書を兼ねていても良いし、患者であれば、診察券などを兼ねていても良い。
【0027】
次いで、ステップS12では、利用者登録処理のサブルーチンを実行する。本サブルーチンでは、図5(a)の処理(無線携帯端末10の処理)と図5(b)の処理(配信サーバ50の処理)が同時並行的に進行する。そして、図5(b)の処理が終了した時点で、図4のステップS14に移行する。
【0028】
まず、図5(a)の処理について説明する。まず、図5(a)のステップS120では、無線携帯端末10の制御手段12が、カード挿入口30aにICカード40が挿入されたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS120を繰り返すことで、ICカードが挿入されるまで待機する。そして、ステップS120の判断が肯定されると、ステップS122に移行し、制御手段12は、利用者識別手段16を起動し、それを用いて、利用者のICカード40から利用者IDを取得する。次いで、ステップS124では、制御手段12が、無線通信手段14を用いて、利用者登録要求を配信サーバ50に対して通知する。ここで、無線通信手段14は、利用者登録要求を通知する際に、前述したステップS122において取得した利用者IDと、端末自身のID(端末ID)とを紐付けした状態で送信する。
【0029】
次に、図5(b)の処理について説明する。まず、図5(b)のステップS126では、配信サーバ50の制御手段62が、利用者登録要求を受信したか否かを判断する。すなわち、前述したステップS124が無線携帯端末10側で実行されるまで待機する。そして、ステップS126の判断が肯定されると、ステップS128において、無線端末管理手段52を起動し、これを用いて、利用者登録を実行する。この利用者登録では、図9に示す無線携帯端末管理テーブルに登録されている無線携帯端末10の端末IDに対して、利用者IDを対応付けて登録する。
【0030】
以上のようにして、図5(a)、図5(b)の利用者登録処理のサブルーチンが実行されると、図4のステップS14に戻る。ステップS14では、受信情報があるか否かを判断する。ここで、本実施形態では、受信情報には、(a)状態通知要求、(b)環境情報収集方法通知、(c)利用者への提供情報通知の3種類があるものとする。このステップS14の判断が肯定された場合には、ステップS16の受信情報解析処理サブルーチンに移行し、否定された場合には、ステップS18に直接移行する。
【0031】
ステップS16では、図6に示すフローチャートが実行される。この図6では、まずステップS160において、無線携帯端末10の制御手段12が、受信情報が状態通知要求であった否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS162において、制御手段12が、無線携帯端末10の状態を取得する。この場合における無線携帯端末10の状態とは、無線携帯端末10の充電残存量等を意味する。そして、次のステップS164では、制御手段12は、無線通信手段14を介して、状態通知の要求元である配信サーバ50に無線携帯端末10の状態を通知する。
【0032】
一方、ステップS160の判断が否定されると、ステップS166に移行し、制御手段12は、受信情報が、環境情報収集方法であるか否かを判断する。ここでの判断が肯定されると、ステップS168に移行する。ステップS168では、制御手段12は、環境情報収集方法の設定を変更する。無線携帯端末10は、それ以降は、変更後の環境情報収集方法で、環境情報収集を実施する。なお、配信サーバ50における、環境情報収集方法の設定方法の詳細な内容については、後述する。
【0033】
これに対し、ステップS166の判断が否定されると、受信情報が、利用者への提供情報通知であると判断できるので、制御手段12は、ステップS170において、表示手段18に利用者への情報提供を表示する。ここで、提供される情報としては、例えば、患者の所持する無線携帯端末であれば、病院内の案内情報や、その利用者の病院内におけるスケジュール等の情報、あるいは呼出情報等が想定される。また、医師や看護師の所持する無線携帯端末であれば、ナースコールがあった旨の情報及びその詳細な情報等が、提供される情報として想定される。
【0034】
以上、ステップS164、S168、S170のいずれかの処理を実行すると、図6の全処理を終了し、図4のステップS18に移行する。
【0035】
図4のステップS18では、無線携帯端末10の制御手段12が、環境情報を収集するか否かを判断する。ここでは、配信サーバ50から通知されている環境情報収集方法(ステップS168で設定された収集方法)を参照して、環境情報を収集するか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS20に移行し、否定された場合には、ステップS22に移行する。
【0036】
ステップS20に移行した場合には、図7に示す環境情報収集処理のサブルーチンを実行する。図7のサブルーチンでは、ステップS200において、無線携帯端末10の制御手段12は、通知された環境情報収集方法に基づき、自己が有するセンサを用いて、環境情報を収集する。次いで、ステップS202では、制御手段12は、無線通信手段14を介して、配信サーバ50に対し、収集した環境情報を通知する。その後は、図4のステップS22に戻る。
【0037】
図4のステップS22では、無線携帯端末10の制御手段12が、利用者から、施設での滞在を終了する旨の入力があったか否かを判断する。この場合における、滞在を終了する旨の入力は、電源ボタンをOFFにしたり、ICカードを引き抜いたりすることで行われる。ここでの判断が否定された場合には、ステップS14に戻るが、判断が肯定されると、ステップS24に移行する。なお、ステップS14に戻った場合には、上記ステップS14〜S22を繰り返す。
【0038】
一方、ステップS24に移行した場合には、利用者登録解除処理のサブルーチンを実行する。本サブルーチンでは、図8(a)の処理(無線携帯端末10の処理)と図8(b)の処理(配信サーバ50の処理)が同時並行的に進行する。そして、図8(b)の処理が終了した時点で、図4のステップS26に移行する。
【0039】
まず、図8(a)の処理について説明する。図8(a)のステップS240において、無線携帯端末10の制御手段12が、カード挿入口30aからICカード40が引き抜かれたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS240を繰り返すことで、ICカード40が引き抜かれるまで待機する。そして、ステップS240の判断が肯定されると、ステップS242に移行し、制御手段12は、無線通信手段14を用いて、利用者登録解除要求を配信サーバ50に対して通知する。ここで、無線通信手段14は、利用者登録解除要求を通知する際に、利用者IDも一緒に送信する。
【0040】
次に、図8(b)の処理について説明する。図8(b)のステップS244では、配信サーバ50の制御手段62が、利用者登録解除要求を受信したか否かを判断する。すなわち、前述したステップS242が無線携帯端末10側で実行されるまで待機する。そして、ステップS244の判断が肯定されると、ステップS246において、制御手段62は、無線端末管理手段52を起動し、これを用いて、利用者登録解除を実行する。ここで、配信サーバ50では、無線携帯端末管理テーブル(図9参照)から通知された利用者IDと端末IDとの紐付け情報を削除するために、通知された利用者IDについてのデータを削除する。
【0041】
図4に戻り、ステップS26では、制御手段12が電源管理手段22を用いて、電源をオフにする。これにより、図4の全工程が終了する。
【0042】
次に、図14のフローチャートに沿って、配信サーバ50の収集方法設定手段58において実行される、環境情報収集方法の設定処理について、詳細に説明する。
【0043】
まず、図14のステップS302では、収集方法設定手段58は、複数あるエリアを示すエリア番号(I)を「1」に設定し、アクセスポイントAP1のエリアに着目する。次いで、ステップS304では、収集方法設定手段58は、そのエリア(エリアID:1)で、直近の状況と比べて、無線携帯端末の台数などの状態、無線携帯端末の利用者属性等が変化したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS336に移行し、Iを1インクリメントした後、ステップS338でIがIの最大値nを超えたか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS304に戻る。一方、ステップS338の判断が肯定された場合には、全てのエリアにおいて状況が変化していないため、環境情報収集方法を変更する必要が無いので、ステップS340において、終了か否かを判断する。ここでの判断が否定される場合には、ステップS302に戻り、1番目のエリアから、状況が変化したかを再度判断する。
【0044】
なお、本実施形態では、図15に示すように、端末T5を所持する利用者が、アクセスポイントAP2のエリア(エリアID:2)からアクセスポイントAP3のエリア(エリアID:3)にハンドオーバしたものとする。この場合、エリア3の状況の変化を判断したときに、ステップS304の判断が肯定されたものとする。なお、図15では、エリアIDが3のエリア内にレントゲン室が存在している。
【0045】
図14に戻り、次のステップS306では、収集方法設定手段58が、優先選定順位(J)を1に設定する。次いで、ステップS308では、収集方法設定手段58が、優先選定順位Jと、図13に示す駆動センサ優先選定順位テーブルとに基づいて、設定対象センサ種別を設定する。この場合、優先選定順位J=1の「放射線センサ」が設定されることになる。
【0046】
次いで、ステップS310では、収集方法設定手段58が、図10の搭載センサ情報テーブルに基づいて、設定対象センサを有する端末機種を抽出する。ここでは、収集方法設定手段58は、放射線センサを有する端末種別としてC1、C2を抽出し、更に、アクセスポイントAP3のエリアに存在する端末機種C1、C2の端末を抽出する。図15では、アクセスポイントAP3のエリアには、端末T1、T2,T3,T4,T5が存在しているため、これらの中から、端末機種C1、C2を抽出する。ここでは、図9の無線携帯端末管理テーブルより、端末機種C2として、端末ID:T1、T4,T5の3台の端末が抽出されることになる。
【0047】
次いで、ステップS312では、収集方法設定手段58が、設定可能端末数に余剰があるか否かを判断する。ここでは、図12のセンサ駆動条件テーブルに示すように、アクセスポイントAP3では、放射線センサの駆動台数上限が2台と定められている。このため、抽出された端末台数(3台)は、駆動台数上限(2台)に対して余剰があるので、ステップS312の判断は肯定され、ステップS316に移行する。なお、ステップS312の判断が否定された場合(余剰が無かった場合)には、ステップS314において、収集方法設定手段58が、抽出された全端末を選定する。すなわち、これ以降、アクセスポイントAP3のエリアにおける、放射線センサを利用した環境情報の取得は、抽出された全端末の放射線センサを用いることとする。
【0048】
抽出された端末に余剰があった場合(ステップS312の判断が肯定された場合)には、その中から、実際に環境情報の取得に用いる端末を選択する必要がある。この選択は、充電池残量などの様々な要素を総合的に考慮して行う。具体的には、まず、ステップS316において、収集方法設定手段58は、設定端末の番号を示すKを1に設定する。そして、ステップS318では、収集方法設定手段58は、端末IDの小さいほうからK番目(ここでは、1番目)の端末の評価値F(x)を、次式(1)に基づいて算出する。
F(x)=A×[充電池残量]
+B×[対象センサに対する利用者属性の関連度]
−C×[環境情報収集設定済対象センサ種別の数] …(1)
【0049】
なお、A、B、Cは予め設定した定数(重み付け係数)である。また、充電池残量は、図9の無線携帯端末管理テーブルから取得したものであり、対象センサに対する利用者属性の関連度は、K番目の端末の利用者の属性に基づいて、図13の駆動センサ優先選定順位テーブルから取得した値である。更に、環境情報収集設定済対象センサ種別の数は、K番目の端末に設けられたセンサのうち、既に環境情報の測定に用いているセンサ数である。なお、ステップS318の後、ステップS320では、Kを1インクリメントし、ステップS322では、Kが抽出数を示す数Nを超えたか否かを判断する。そして、ここでの判断が否定された場合には、ステップS318に戻り、肯定された場合には、ステップS324に移行する。これらステップS318、S320、S322を繰り返すことにより、抽出された全端末の評価値を算出することができる。
【0050】
ここで、例えば、対象センサにおける評価値の定数Aが「10」、定数B、定数Cが「5」であるとすると、端末IDがT1の評価値F(x)は40(=10×4+5×0−5×0)となる。また、T4の評価値F(x)は55(=10×5+5×1−5×0)となり、T5の評価値F(x)は45(=10×4+5×1−5×0)となる。
【0051】
その後、ステップS324に移行すると、収集方法設定手段58は、評価値F(x)の高い順に、必要台数分(駆動台数上限分)の端末を選定する。ここでは、評価値の高い2台の端末T4、T5がそのエリア(エリアID:3)において放射線センサを用いる環境情報収集端末に選定される。図16の無線携帯端末管理テーブルのハッチング部分には、放射線センサを用いる環境情報収集端末として、端末ID:T4、T5の端末が設定された状態が示されている。
【0052】
次いで、ステップS326では、収集方法設定手段58が、選定端末のセンサ稼動条件を設定する。ここでは、図12のセンサ駆動条件テーブルに基づいて、端末ID:T4、T5の端末の放射線センサの計測周期を1(分)に設定する(図16のハッチング部分参照)。
【0053】
次いで、ステップS328では、収集方法設定手段58が、Jを1インクリメントした後、ステップS330において、JがM(Mは、優先選定順位として定められている最大数)を超えたか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS308に戻り、ステップS308〜S326を実行することで、優先順位が2番目のセンサに関する環境情報収集端末の選定を、上記と同様にして実行する。ここでは、優先順位が2番目である温度センサ(図13参照)について環境情報収集端末の選定が行われる。この場合、エリアID:3のエリアに存在する端末のうち、温度センサが搭載されている端末は、図10の搭載センサ情報テーブルより、端末ID:T1、T2、T3、T4、T5の端末である。したがって、ここでは、それらの端末に対して、温度センサにおける評価値F(x)を上式(1)を用いて算出する。この場合、端末ID:T1の端末の評価値F(x)は45(=10×4+5×1−5×0)となり、T2の端末の評価値は35(=10×3+5×1+5×0)となる。また、T3の端末の評価値は25(=10×2+5×1−5×0)となり、T4の端末の評価値は50(=10×5+5×1−5×1)となり、T5の端末の評価値は40(=10×4+5×1−5×1)となる。したがって、ここでは、評価値F(x)の高い2台の端末(端末ID:T1、T4)が、温度センサにおける環境情報収集端末に選定される(図17のハッチング部分参照)。
【0054】
その後、全ての種別のセンサについて環境情報収集端末が選定されると、ステップS330の判断が肯定されて、ステップS332に移行する。ステップS332では、収集方法設定手段58は、エリアI=3における上記設定処理において、センサ稼動条件が変更されたか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合、すなわち、いずれかのセンサにおける環境情報収集端末が変更された場合には、ステップS334に移行する。ステップS334では、収集方法設定手段58が、変更に関わる全ての端末にセンサ稼動条件を通知し、ステップS336に移行する。なお、ステップS334の通知が行われた場合には、図4のステップS14の判断が肯定され、ステップS16において、図6のサブルーチンのステップS168が実行されることになる。
【0055】
一方、ステップS332の判断が否定された場合には、ステップS336に直接移行する。その後は、エリアを順次変更しながら、同様の処理を行い、全てのエリアにおける処理が終了し(ステップS338が肯定され)、ステップS340において、終了と判断された時点で、図14の全処理を終了する。なお、ステップS340の判断が肯定される場合とは、配信サーバ50の電源がオフにされた場合などが挙げられる。
【0056】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、無線携帯端末10が、1又は複数の種別のセンサ(24,26,28)と、利用者の利用者属性を検出する利用者識別手段16と、を有しており、配信サーバ50が、特定のエリア内に存在する無線携帯端末10から取得した利用者属性と、センサの種別とに基づいて、エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する収集方法設定手段58を有している。そして、無線携帯端末10は、収集方法設定手段58にて決定されたセンサを用いて情報収集を行う。これにより、無線携帯端末10に設けられた全センサを用いて情報収集を行わなくても、存在エリアや端末利用者の情報(利用者属性)に基づいて決定されるセンサを用いることで、適切な数の有用な情報を収集することができる。これにより、電力消費を抑えつつ有用な情報収集を行うことが可能である。
【0057】
また、本実施形態によると、収集方法設定手段58は、特定のエリアのエリア属性(レントゲン室近くのエリアか否かなどの情報)にも基づいて、情報収集に用いるセンサを決定する。したがって、各エリアの情報収集に必要なセンサを各エリアの属性に応じて適切に決定することができる。
【0058】
また、本実施形態によると、収集方法設定手段58は、無線携帯端末10の電池残量を含む状態量にも基づいて、情報収集に用いるセンサを決定する。したがって、電池残量が多い無線携帯端末10を積極的に用いるようにすることができる。これにより、各端末における電池切れを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態によると、収集方法設定手段58は、特定のエリア内に存在する無線情報端末10が変化したときに、当該エリア内で情報収集に用いるセンサを設定し直すこととしている。これにより、エリア内の状況に応じて用いるセンサを適切に設定することができる。
【0060】
また、本実施形態によると、エリアは、配信サーバ50に接続されたアクセスポイントとの通信が可能な範囲で規定されている。このため、アクセスポイントとの通信の可否に応じて、各無線携帯端末10の存在エリアを確認することが可能である。これにより、各無線携帯端末で用いるセンサを適切に設定することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、利用者識別手段16は、利用者に配布されたICカードに記録された情報を読み取ることで、利用者属性を検出するので、簡易且つ短時間に利用者属性の検出を行うことが可能である。
【0062】
なお、上記実施形態では、病院内において情報収集システム100を運用した場合について説明したが、これに限られるものではない、例えば、アミューズメント施設など、人が集まる施設においても、運用することができる。また、工場などでも運用することができる。以下に説明する第2の実施形態は、情報収集システム100を工場に運用した場合の例である。
【0063】
≪第2の実施形態≫
次に、情報収集システムの第2の実施形態について、図18〜図23に基づいて説明する。本実施形態は、有害なガスを取り扱う工場の例であり、従業員や来訪者等が無線携帯端末10を利用するものとする。なお、情報収集システムの構成は、上記第1の実施形態と同一のものであるが、各種テーブルの内容が上記第1の実施形態とは異なっている。
【0064】
図18には、工場内の複数の無線エリアが模式的に示されている。この図18に示すように、本実施形態では、工場内には無線エリアが4つ(エリアID:1〜4)存在しており、各エリアには、アクセスポイントが設けられているものとする。また、エリアID:4のエリアは、ガス利用施設とされている。
【0065】
図19には、搭載センサ情報テーブルが示されている。また、図20には、駆動センサ優先選定順位テーブルが示されている。本実施形態では、駆動センサ優先選定順位テーブルの利用者属性として、危険エリア(ここでは、有害なガス利用施設のあるエリア)への立入があるか、ないかが設定されている。
【0066】
図21には、センサ駆動条件テーブルが示されている。この図21に示すように、本実施形態の工場内では、温度センサ、照度センサ、ガスセンサを用いることとしている。図21のセンサ駆動条件テーブルでは、温度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が2台で、計測周期が1分とされている。また、照度センサについては、全エリア共通で、駆動台数上限が3台で、計測周期が5分とされている。これに対し、ガスセンサについては、アクセスポイント毎に、台数上限や計測周期が様々な値に設定されている。図21では、ガスセンサの台数が多く、計測周期が小さいエリアを、ガス利用施設及びその近傍のエリアとしている。このようにしたのは、ガス利用施設を含むエリア及びその近傍のエリアでは、ガスの情報収集の頻度や信頼性を高めるために、その地点での情報収集台数や頻度を上げる必要があるからである。
【0067】
図22には、利用者管理テーブルが示されている。この利用者管理テーブルでは、利用者IDとその利用者の属性(危険エリア(ここでは、有害なガス利用施設のあるエリア)への立入があるか、ないか)を管理している。図23は、第1の実施形態の図9と同様の、無線携帯端末管理テーブルである。
【0068】
本実施形態では、収集方法設定手段58は、上記各種テーブルを参照しつつ、図14のフローチャートの処理を実行する。そして、例えば、図18に示すように、端末ID:T1の端末がアクセスポイントAP2のエリアからAP3のエリアにハンドオーバして、アクセスポイントAP3のエリアの状況が変わると(ステップS304(肯定))、アクセスポイントAP3のエリアでの環境情報収集方法の見直しを実行する。
【0069】
ここで、図20の駆動センサ優先選定順位テーブルに示すように、優先設定順位が1番のセンサは、ガスセンサであるため、本実施形態では、最初にガスセンサについての環境情報収集端末の設定を行う(ステップS308)。この場合、図19の搭載センサ情報テーブルより、ガスセンサは、端末種別C1とC3に設けられていることがわかる。したがって、収集方法設定手段58は、アクセスポイントAP3のエリアに存在している5台の端末(端末ID:T1〜T5)から、端末種別C1,C3に該当する3台の端末(端末ID:T1、T2、T3)を、図23の無線携帯端末管理テーブルに基づいて抽出する(ステップS310)。
【0070】
一方、アクセスポイントAP3のエリアにおけるガスセンサの駆動台数上限は、図21のセンサ駆動条件テーブルにおいて1台に設定されているため、設定可能端末数には余剰がある(ステップS312(肯定))。このため、各端末の評価値F(x)を算出する必要がある。なお、本実施形態においても、評価値F(x)は上式(1)を用いて算出するものとする。ここで、式(1)の定数Aを「10」、定数B及び定数Cを「5」とすると、端末ID:T1の端末の評価値は45(=10×4+5×1−5×0)、T2の端末の評価値は35(=10×3+5×1−5×0)となる。また、T3の端末の評価値は25(=10×2+5×1−5×0)となる(ステップS318)。したがって、収集方法設定手段58は、これらのうちで最も評価値の高い端末(端末ID:T1)を、アクセスポイントAP3のエリア内におけるガスセンサについての環境情報収集端末に選定する(ステップS324、図23のハッチング部分参照)。
【0071】
その後は、同様にして、他のセンサ(温度センサ、照度センサ)についても環境情報収集端末の再設定を行い、センサの駆動条件等が更新された端末に対しては、その旨を通知する(ステップS334)。
【0072】
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、情報収集システム100を工場内に設置した場合であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
なお、上記各実施形態では、評価値F(x)を、上式(1)を用いて求める場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、端末の状態量や利用者属性などを反映することが可能な別の式を用いて、F(x)を求めることとしても良い。
【0074】
上述した各実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 無線携帯端末(情報収集端末)
16 利用者識別手段(属性検出手段)
24 温度センサ(センサ)
26 照度センサ(センサ)
28 放射線センサ(センサ)
40 ICカード
58 収集方法設定手段(決定装置)
AP1〜APn アクセスポイント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の種別のセンサと、利用者の利用者属性を検出する属性検出手段と、を有する情報収集端末と、
特定のエリア内に存在する情報収集端末から取得される当該情報収集端末を利用する利用者の利用者属性と、前記情報収集端末が保持するセンサの種別の情報と、に基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する決定装置と、を備え、
前記情報収集端末は、前記決定装置にて決定されたセンサを用いて、情報収集を行うことを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
前記決定装置は、前記特定のエリアのエリア属性にも基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記決定装置は、前記情報収集端末の電池残量を含む状態量にも基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記決定装置は、前記特定のエリア内に存在する情報収集端末が変化したときに、前記エリア内での情報収集に用いるセンサを決定しなおすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記エリアは、前記決定装置に接続されたアクセスポイントとの通信が可能な範囲で規定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記属性検出手段は、前記利用者に配布されたICカードに記録された情報を読み取ることで、前記利用者属性を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記属性検出手段は、前記利用者の指紋を読み取ることで、前記利用者属性を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項1】
1又は複数の種別のセンサと、利用者の利用者属性を検出する属性検出手段と、を有する情報収集端末と、
特定のエリア内に存在する情報収集端末から取得される当該情報収集端末を利用する利用者の利用者属性と、前記情報収集端末が保持するセンサの種別の情報と、に基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定する決定装置と、を備え、
前記情報収集端末は、前記決定装置にて決定されたセンサを用いて、情報収集を行うことを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
前記決定装置は、前記特定のエリアのエリア属性にも基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記決定装置は、前記情報収集端末の電池残量を含む状態量にも基づいて、前記エリア内で情報収集に用いるセンサを決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記決定装置は、前記特定のエリア内に存在する情報収集端末が変化したときに、前記エリア内での情報収集に用いるセンサを決定しなおすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記エリアは、前記決定装置に接続されたアクセスポイントとの通信が可能な範囲で規定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記属性検出手段は、前記利用者に配布されたICカードに記録された情報を読み取ることで、前記利用者属性を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記属性検出手段は、前記利用者の指紋を読み取ることで、前記利用者属性を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−70596(P2011−70596A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223431(P2009−223431)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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