説明

情報提供システム、その情報提供システムにより読取可能なコード、及び、情報提供プログラム

【課題】 通信コストの低減・レスポンスの高速化・データ量の軽減が可能であり、音声出力に際しても自然なイントネーションが実現され、バーコードや二次元コード等の平面的なコードが使用された場合でも読取手段の位置決めを容易に行うことができる情報提供システムを提供する。
【解決手段】 本発明の情報提供システム1は、コードを読み取る読取手段14と、読取手段14により読み取られたコードを解読する解読手段12aと、所定の識別子と単語とを対応させる対応手段13bと、解読手段12aによりコードを解読した結果に所定の識別子が含まれていた場合、対応手段13bを参照して当該所定の識別子を対応する単語に変換する変換手段12bと、当該単語を出力する出力手段15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の情報端末により実現され、商品等についての情報を提供する情報提供システム、その情報提供システムによって読取可能なコード、及び、情報提供プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医薬品等の商品には、その商品の使用方法や効能や注意事項等を記載した説明書が添付されている。説明書はその商品に関する様々な情報が記載されており、商品を使用する際には充分に熟読して理解することが望まれる。しかし、商品の説明書は、視覚のみで認識可能であり、さらに、狭小スペースに多くの事項が記載されており、視覚障害者や高齢者等にとっては読むのが不可能又は困難である場合が多い。
【0003】
上記問題に鑑み、下記特許文献1には、商品に装着されるタグを読み取って情報を提供する商品情報提供システムが開示されている。この情報提供システムは、タグを読み取って得られる識別子をもとに、サーバに対して商品情報を要求し、その商品情報を出力するものである。
【特許文献1】特開2002−230002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術の商品情報提供システムは、タグを読み取るたびにネットワークを介してサーバに商品情報を要求するものである。このため、使用するたびに通信コストが嵩み、また、タグを読み取ってから商品情報が表示されるまでのレスポンスが遅く、使用者に経済的且つ精神的な負担が生じていた。
【0005】
また、商品情報には、例えば頭痛用の医薬品であれば「効能:頭痛」といったように、その商品の種類よって共通して使用される単語が多く含まれる。しかしながら、上記従来技術で使用されている商品情報データベースは、商品ごとに情報が蓄積されているため、かかる共通して使用される単語についても商品ごとに重複して蓄積され、商品が追加されるごとに情報量が増大し、記憶容量を圧迫するという問題が生じていた。
【0006】
さらに、上記従来技術は、上記特許文献1の段落番号0022に記載のように、タグの例としてバーコード、読取手段の例としてバーコードリーダが挙げられている。バーコードリーダでバーコードを読み取るためには、バーコードの位置を把握し、バーコードリーダを位置合わせする必要がある。しかしながら、商品に装着されるバーコードは平面的なものであるため、視覚障害者等にとってはその位置を把握することは困難である。タグとして通信タグを使用し、通信タグからの信号を受信する専用の端末を使用する例も挙げられているが、かかる通信タグはバーコード等と比較してコストが高く、専用の端末も必要であるため望ましくない。一方で、二次元コード読取機能を備えるカメラ付き携帯電話に代表されるように、コードの読取手段を備える汎用の情報端末が広く普及しており、その有効活用が期待される。
【0007】
そこで、本発明の目的は、通信コストの低減・レスポンスの高速化・データ量の軽減が可能であり、バーコードや二次元コード等の平面的なコードが使用された場合でも読取手段の位置決めを容易に行うことができる情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報提供システムは、コードを読み取る読取手段と、読取手段により読み取られたコードを解読する解読手段と、所定の識別子と単語とを対応させる対応手段と、解読手段によりコードを解読した結果に所定の識別子が含まれていた場合、対応手段を参照して当該所定の識別子を対応する単語に変換する変換手段と、当該単語を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。情報提供システムを実現する情報端末としては、カメラ内蔵型のコード読み取り機能付き携帯電話等である。
【0009】
また、本発明の情報提供プログラムは、コードを読み取る読取ステップと、読み取ったコードを解読する解読ステップと、解読した結果に所定の識別子が含まれていた場合、識別子と単語とを対応付ける対応手段を参照して当該所定の識別子を対応する単語に変換する変換ステップと、当該単語を出力する出力ステップとを備えるようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0010】
識別子と単語とが対応付けされた対応手段を用いれば、文章やセンテンスを識別子の組み合わせで表現でき、また、識別子の組み合わせを単語に変換することによりセンテンスや文章に戻すことができる。本発明では、この対応手段に基づいて、センテンスや文章等となるように識別子を組み合わせ、その識別子列をコード化した二次元コード等を利用する。本発明の情報提供システム・情報提供プログラムによれば、上記コードを読取手段・読取ステップにより読み取り、解読手段・解読ステップにより解読し、解読の結果に所定の識別子が含まれている場合は対応手段に従って識別子を単語に変換する。変換後の単語は画面やスピーカ等の出力手段により文字や音声として出力する。商品ごとに情報を記憶する場合は、共通して使用される単語が重複して記憶されるため記憶容量を圧迫するが、本発明の対応手段では一つの単語に一つの識別子を付して記憶すれば良いため、単語を重複して記憶する必要がなく、記憶すべきデータ量を削減することができる。また、一文字ずつ組み合わせて文章とする場合は、イントネーションが不自然になったり、平仮名や片仮名のみの表示となるが、本発明によれば、識別子に対して単語が対応付けされているため、単語ごとにまとまりの有る発音がなされ、自然なイントネーションが実現される。画面表示においても、漢字等により単語ごとにまとまりのある表示をすることが可能である。対応手段がサーバに設けられている場合は、対応手段を参照するごとにサーバにアクセスする必要があるが、本発明によれば、対応手段は情報提供システムに設けられているため、通信コストの低減とレスポンスの高速化が図られる。商品に付するコードを二次元コード等とすることにより、二次元コード読取機能付き携帯電話等のような、一般的に広く普及している情報端末を有効活用することができる。
【0011】
また、本発明の情報提供システムは、前記対応手段が複数設けられており、前記変換手段は指定された対応手段を参照することを特徴とする。この発明によれば、例えば大人用や子供用のように、対応手段がカテゴリー別に複数設けられており、変換手段は指定された対応手段を参照して識別子を単語に変換する。たとえば、カテゴリーを大人と子供に分け、大人用の対応手段と子供用の対応手段を設けることにより、子供にはアニメのキャラクターの音声により平易な単語で出力でき、大人には簡潔な単語で理路整然とした情報を出力することができる。利用者に応じた表現で情報が提供されるため、利用者にとって受け入れやすい状態となる。
【0012】
前記情報提供システムは、前記読取手段とコードとの距離を一定に維持する読取ガイドを備えることを特徴とする。この発明によれば、読取ガイドにより読取手段とコードとの距離が一定に維持されるため、読取手段とコードとの間隔を簡単に適正距離に合わせることができる。例えば読取手段がカメラである場合は、焦点を簡単に合わせることができる。
【0013】
前記読取ガイドには、表面凸に加工されたコードに嵌合する嵌合部が設けられていることを特徴とする。この発明によれば、読取ガイドの嵌合部を表面凸に加工されたコードに嵌合させるだけで、コードと読取手段との位置を簡単に合わせることができ、さらに位置合わせした後に位置ズレが防止され、コードの読み取り作業が容易になる。
【0014】
前記情報提供システムによって読取可能なコードは、触覚により位置の認識が可能であることを特徴とする。視覚障害者等にとっては、コードを読み取るに際してコードの位置を把握することは非常に困難である。本発明によれば、触覚によりコードの位置を把握可能とすることにより、視覚障害者等によっても容易に位置合わせすることが可能となる。触覚により位置の認識を可能とするためには、例えば透明樹脂によりコード表面をコーティングして凸状態としたり、コード表面をざらつかせて周囲との触感を異ならせたり、その他様々な方法が考えられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る情報提供システム・情報提供プログラムによれば、識別子と単語とが対応付けされた対応手段を用いるため、一つの単語を共有して使用することができ、記憶すべきデータ量の削減が図られる。また、単語ごとに対応付けされているため、一文字ずつ組み合わせて文章を生成する場合と比較して、自然なイントネーションが実現され、漢字等のように単語ごとにまとまりのある表示も可能である。対応手段は情報提供システムに設けられているため、サーバにアクセスする回数が少なく、通信コストの低減とレスポンスの高速化が可能となる。二次元コード等のコードを読み取るため、コード読取機能を備える携帯電話等のような一般的に普及している端末を利用することができる。
【0016】
また、大人用・子供用、日本語用・英語用などのようにカテゴリーごとに対応手段を複数設けることにより、利用者に応じた表現で情報を提供することができる。
【0017】
さらに、読取ガイドを備えることにより、読取手段とコードとの距離を簡単に合わせることができる。その読取ガイドにコードと嵌合する嵌合部が設けられることにより、読取ガイドの位置合わせが容易となり、位置合わせした後の位置ズレも防止される。視覚障害者や高齢者等にとっては、読取手段とコードとの距離や位置を適正に合わせる作業が困難であるが、この読取ガイドを使用すれば読取手段とコードとの距離や位置を簡単に合わせることができる。二次元コード等の平面的なコードは、視覚障害者にとって位置認識が困難であるが、例えばコードの表面を凸状にする等により、触覚による位置認識を可能とすれば、視覚障害者等によってもコードの位置を把握することができる。凸状に加工する場合は、コード表面を透明樹脂により被覆する等だけでよく、低コストで実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の情報提供システム1は携帯電話等の情報端末により実現される。図1は本発明の情報提供システム1を説明する説明図である。情報提供システム1は、例えば携帯電話等の情報端末であり、パケット通信網等の電話回線やインターネット等のネットワークを介してサーバ2と接続可能となっている。情報提供システム1は、商品3のパッケージや説明書に付されているコード3aを読み取ることにより、その商品3の情報を文字や音声にて出力するものである。本実施の形態では、情報量の観点からコード3aとして二次元コードを使用するが、バーコードやその他の方式のコードでも良い。
【0019】
図2は、情報提供システム1の機能を説明するブロック図である。情報提供システム1は、通信インタフェース11と、CPU等の制御部12と、メモリ等の記憶手段13と、コードを読み取る読取手段14と、画面やスピーカ等の出力手段15とを備える情報端末である。情報提供システム1を実現する情報端末としては、一般に広く普及しているものが好ましく、本実施の形態では、コード(二次元コード)3aをカメラで読み取るとともに、コード3aを解読する機能を備えるカメラ内蔵型のコード読み取り機能付き携帯電話である。
【0020】
通信インタフェース11は、情報提供システム1をパケット通信網等の電話回線やインターネット等のネットワークに接続するものであり、これにより情報提供システム1は電話回線やインターネット等のネットワークを介してサーバ2とデータの送受信が可能となっている。
【0021】
読取手段14は、例えば携帯電話に内蔵のカメラである。レーザ等によりコードを読み取るコードリーダでも良いし、他のコードリーダでも良い。出力手段15は、文字等を表示する液晶画面や音声等を出力するスピーカ等である。
【0022】
記憶手段13には、情報提供プログラム13aと対応手段13bとが記憶されている。図3(a)は、対応手段13bの内容を概念的に説明する説明図である。対応手段13aは、各識別子に対して単語の文字データと音声データが対応付けされている。たとえば、識別子「001」に対しては、単語の文字データ「商品名」と音声データ「ショウヒンメイ」が対応付けされている。識別子としては、3桁の数字を使用しているが、単語を識別可能なものであれば良く、アルファベットや他の識別子でも良い。単語としては、商品の説明等に必要となる様々な単語である。たとえば、商品が医薬品である場合は、説明書の項目に使用される「商品名」「用法」「用量」「効能」等、具体的な商品名「商品名A」「商品名B」「商品名C」等、用法の項目に使用される「一日」「一回」「食後」「食前」等、用量の項目に使用される「15才」「7才」「以上」「未満」等、効能の項目に使用される「目の疲れ」「頭痛」「胃炎」「咳」等が、各識別子に対応付けられる。
【0023】
なお、平仮名や片仮名などの所定の文字に関しては、図3(b)に示すように、識別子を用いることなく、平仮名や片仮名に対する音声データとして平仮名・片仮名用音声データ13cが記憶手段13に記憶されている。たとえば、平仮名「あ」や片仮名「ア」に対しては、音声データ「ア」が対応付けて記憶されている。
【0024】
図4は、記憶手段13における上記対応手段13bや平仮名・片仮名用音声データ13cのデータ配列を説明する図である。対応手段13bや、平仮名・片仮名用音声データ13cは、記憶手段13の所定の記憶領域(スクラッチパッド)に記憶されている。所定の記憶領域(スクラッチパッド)には、識別子・単語の文字データ(テキストファイル)・単語の音声データ(mldファイル)の組が複数配列したデータが記憶されており、これが対応手段13bとしての役割を果たしている。また、平仮名・片仮名用音声データ13cもmldファイル形式でこの記憶領域に記憶されている。本実施の形態では、この対応手段13bは、ネットワークを介してサーバ2からダウンロードされるが、別途記憶媒体から読み込まれたり、予め対応手段13に相当するデータが記録されたROMが内蔵されていても良い。
【0025】
制御部12は、情報提供プログラム13aが制御部12で実行されることにより、解読手段12aや、変換手段12b等の各手段を備えるように情報提供システム1を機能させる。
【0026】
解読手段12aは、読取手段14により読み取られたコード3aを解読する機能を備える。変換手段12bは、解読手段14によりコード3aを解読して得られた結果に所定の識別子(本実施の形態では3桁の数字)が含まれていた場合、対応手段13bを参照し、文字データや音声データを用いて当該所定の識別子を対応する単語に変換する機能を備える。たとえば、識別子「001」は単語「商品名」に変換される。
【0027】
出力手段15は、変換手段12bによる変換後の単語を出力する機能を備える。たとえば、識別子を文字データを利用して単語に変換した場合は、その単語を文字として画面に出力したり、音声データを利用して変換した場合は音声としてスピーカから出力する。なお、平仮名や片仮名を含むコード3aを読取手段14により読み取ると、平仮名・片仮名部分は解読手段12aにより直接文字に変換されるため、情報提供システム1は、その平仮名・片仮名を文字としてそのまま画面に表示するとともに、記憶手段13を参照して対応する音声データをスピーカに出力する。
【0028】
(動作説明)
情報提供システム1は、以下のように使用されて動作する。利用者は、初期の準備段階として、情報提供システム1からサーバ2にアクセスして、サーバ2に記憶されているプログラム13aと対応手段13bと平仮名・片仮名用音声データ13cをダウンロードする。プログラム13aは、情報提供システム1にインストールされ、対応手段13bはメモリ等の記憶手段13に記憶される。これにより、汎用の携帯電話等の情報端末が、情報提供システム1として機能することとなる。
【0029】
利用者は、商品3のパッケージ等に付されているコード3aを情報提供システム1の読取手段14であるカメラを使用して撮影する。情報提供システム1は、読取手段14によりコード3aを読み取り(読取ステップ)、読み取ったコード3aを解読手段12aにより解読する(解読ステップ)。たとえば、コード3aを解読後の情報としては、識別子列「001 101 002 201 202 203 003 301 303 305 004 402」となる。
【0030】
情報提供システム1の変換手段12bは、コード3aを解読して得られた結果に所定の識別子(本実施の形態では三桁の数字)が含まれている場合、対応手段13bを参照して当該識別子を単語に変換する(変換ステップ)。たとえば、本実施の形態の対応手段13bを用いると、上記識別子列「001 101 002 201 202 203 003 301 303 305 004 402」は「商品名 商品名A 用法 一日 一回 食後 用量 15才以上 1錠 効能 頭痛」に変換される。変換に際しては、文字データを利用して文字に変換しても良く、又、音声データを利用して音声に変換しても良い。変換された単語は、出力手段(画面)15に文字として出力されたり、出力手段(スピーカ)15に音声として出力される(出力ステップ)。
【0031】
図5(a)は、情報提供システム1によりコード3aが読み込まれた状態の一例を示す図であり、図5(b)は情報が出力されている状態の一例を示す図である。読取手段による二次元コードの読み取り中は、画面に二次元コードが表示される。読み取りが終了すると、スピーカから音声による情報が出力され、画面には文字による情報が出力される。
【0032】
利用者は、出力された音声を聴いたり、画面に表示された文字を読んだりして、その商品の情報を得ることができる。視覚障害者等は説明書を読むことが困難であるが、本発明によれば、音声出力により聴覚で商品の情報を得ることができる。また、商品の情報は説明書等の狭小スペースに小さな文字で記載されていることが多いが、本発明によれば、商品の情報を画面に大きく表示することにより、高齢者等のように小さな文字を読むのが困難な利用者にとっても便利である。とくに、医薬品等の商品は、使用に充分な注意が必要であり、説明書等に記載された情報を理解することが重要であるが、本情報提供システム1によれば、視覚障害者や高齢者等にとっても必要な情報を充分に得ることができる。
【0033】
対応手段13bは予めサーバ2からダウンロードされて記憶手段13に記憶されているため、コード3aの読み取りから出力までの過程においては通信が不要であり、通信コストの軽減・レスポンスの高速化が図られる。音声出力は単語ごとにまとまりのある発音が成されるため、自然なイントネーションが実現される。文字出力においても、漢字等により単語ごとにまとまりのある表示が可能となり、解りやすい画面表示となる。
【0034】
なお、出力は、スピーカによる音声出力のみでも、画面による文字出力のみでも良い。視覚障害者の利便性の観点からは音声出力が好ましく、また、小さな文字を読み難くなった高齢者等のためには画面に表示される文字を大きくして出力するのが好ましい。利用者の視力や聴力に応じた出力が可能となるように、音や文字の大きさを任意に変更可能としても良い。
【0035】
なお、読み込んだコード3aに平仮名や片仮名が含まれている場合は、解読手段12aにより直接文字に変換されるため、それを画面に表示する。音声による出力の場合は、記憶手段13の平仮名・片仮名用音声データ13cを参照し、各平仮名や片仮名に対応する音声を出力する。たとえば、解読手段12aによりコードを解読した結果が「001 は 012 です」の場合は、「商品 は 商品名B です」と変換される。単語と平仮名・片仮名を併用することにより、より自然な文章として情報を出力することができる。
【0036】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の情報提供システム1は、上記実施の形態とほぼ同様であるが、例えば男性・女性・大人・子供等のように、カテゴリーに応じた内容や表現で情報を提供することを可能とするものである。対応手段13bはカテゴリーごとに記憶手段13に記憶されており、利用者等によってカテゴリーが選択されることにより、複数の対応手段13bから一の対応手段13bが指定される。変換手段12bは、識別子を単語に変換するに際し、指定された対応手段13bを参照する。図6は、カテゴリーを大人と子供に分けたときの対応手段13bの一例である。大人用の対応手段13bは、「用法」「用量」等といった簡潔な単語を用いており、音声データは明瞭な女性等の音声を使用している。一方、子供用の対応手段13bは、用法を「使い方」、用量を「使う量」というように平易な表現を用いており、音声データはアニメのキャラクター等の音声を使用している。
【0037】
この情報提供システム1を使用する場合は、利用者は予め登録画面にて希望するカテゴリーを登録しておくか、又は、画面に表示されるカテゴリー一覧から希望するカテゴリーを選択することにより、希望のカテゴリーを指定する。その後に、読取手段14によりコード3aを読み取ると、解読手段12aによりコード3aが解読される。変換手段12bは、解読手段12aにより得られた識別子を単語に変換するに際し、利用者により指定されたカテゴリーの対応手段13bを参照する。これにより、利用者の希望に応じた表現で情報が出力される。たとえば、利用者が子供であれば、アニメのキャラクター等の親しみやすい音声により平易な単語を用いて情報を出力することにより、受け入れやすい表現で情報を提供することができる。
【0038】
さらに、情報提供システム1は、言語の種類ごとにカテゴリー分けされた各言語用の対応手段13bを記憶し、利用者に応じて言語を選択できるようにしても良い。たとえば、日本語用の対応手段は、識別子と日本語の単語が対応付けられており、英語用の対応手段は、識別子と英語の単語が対応付けられている。利用者に応じて適切な言語が選択されて出力されるため、日本人のみならず外国人にも情報を提供することが可能となる。
【0039】
(第3の実施の形態)
図7は本実施の形態の情報提供システムを説明する図である。情報提供システムは、上記実施の形態の情報提供システム1に読取ガイド4を備える。
【0040】
本実施の形態で使用される商品3には、コード3aが印刷やシールの貼着等により平面的に付されており、このコード3aの表面は、透明樹脂が塗布等されることにより凸状態に加工されている。
【0041】
情報提供システム1には、本体16に読取手段14であるカメラが内蔵されており、所定箇所にカメラのレンズ14aが設けられている。読取ガイド4は、透明なプラスチック製であり、直径約3.5cm、長さ約4cmの円筒形状の付属部材である。この読取ガイド4は、一端側を内周の内側に読取手段14(詳しくはカメラのレンズ14a)が収まるように本体14に当接させ、他端側を内周の内側にコード3aが収まるように商品3に当接させて使用される。
【0042】
読取ガイド4は、内周をコード3aに嵌合する大きさとして、商品3に当接させる側(他端側)がコード3aと嵌合する嵌合部4aとしての機能を果たすようにすることが好ましい。本実施の形態では、多角形状のコード3aの角部が円筒形状の嵌合部4aの内周に接する大きさであり、接点により嵌合するようになっている。嵌合部4aを円筒形状とすることにより、嵌合部4aとコード3aとの嵌め合わせに際して方向性が問われず、作業が簡単である。なお、コード3aと嵌合部4aは、互いに隙間無く嵌合する形状のものでも良い。また、読取ガイド4の嵌合部4aとコード3aの大きさは、読取ガイド4を商品3に当接させたときに、嵌合部4aにコード3aが収まるように、所定の規格に従って一律に設定されていることが好ましい。
【0043】
この読取ガイド4を使用するときは、読取ガイド4の一端側を内周の内側に読取手段14(レンズ14a)が収まるように本体14に当接させ、他端側を内周の内側にコード3aが収まるように商品4に当接させ、カメラのシャッターを押してコード3aを読み取る。読取手段14(レンズ14a)とコード3aとの距離が一定に維持され、カメラの焦点を簡単に合わせることができる。コード3aの表面が凸状態に加工されている場合は、読取ガイド4の嵌合部4aをコード3aに嵌合させることにより簡単に位置合わせすることができ、位置合わせした後における位置ズレも防止される。また、視覚障害者にとっては、平面的なコード3aの位置を把握することは困難であるが、本実施の形態のコード3aは表面が凸に加工されているため触覚により位置を把握することができ、コード3aと読取手段4(レンズ14a)との位置合わせも容易となる。
【0044】
上記各実施の形態は、医薬品の情報を提供する場合を例に説明したが、本情報提供システム1は様々な商品やサービス等の情報の提供に使用可能である。たとえば、情報提供システム1の対応手段に、レストランのメニューに使用される単語と識別子との対応付けを記憶させ、レストランに設置されたコードを読み込むことにより、メニューの情報を提供可能としても良いし、雑誌の表紙に記載されている情報を提供可能としても良いし、その他、様々な商品の情報を提供する情報提供システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の情報提供システムを説明する説明図。
【図2】第1の実施の形態の情報提供システムの機能を説明するブロック図。
【図3】(a)は第1の実施の形態の情報提供システムに記憶される対応手段を概念的に説明する説明図、(b)は平仮名・片仮名用の音声データを概念的に説明する説明図。
【図4】記憶手段における対応手段や平仮名・片仮名に対する音声データのデータ配列を説明する説明図。
【図5】(a)は情報提供システムによりコードが読み込まれた状態の一例を示す図、(b)は情報が出力されている状態の一例を示す図。
【図6】第2の実施の形態の情報提供システムに使用される対応手段を説明する説明図。
【図7】第3の実施の形態の情報提供システムを示す図。
【符号の説明】
【0046】
1 情報提供システム
11 通信インタフェース
12 制御部
12a 解読手段
12b 変換手段
13 記憶手段
13a 情報提供プログラム
13b 対応手段
14 読取手段
14a カメラのレンズ
15 出力手段
2 サーバ
3 商品
3a コード(二次元コード)
4 読取ガイド
4a 嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードを読み取る読取手段と、読取手段により読み取られたコードを解読する解読手段と、所定の識別子と単語とを対応させる対応手段と、解読手段によりコードを解読した結果に所定の識別子が含まれていた場合、対応手段を参照して当該所定の識別子を対応する単語に変換する変換手段と、当該単語を出力する出力手段とを備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記対応手段は複数設けられており、前記変換手段は指定された対応手段を参照することを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記読取手段と前記コードとの距離を一定に維持する読取ガイドを備えることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記読取ガイドには、表面凸に加工された前記コードに嵌合する嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の情報提供システム。
【請求項5】
触覚により位置の認識が可能であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の情報提供システムによって読取可能なコード。
【請求項6】
コードを読み取る読取ステップと、読み取ったコードを解読する解読ステップと、解読した結果に所定の識別子が含まれていた場合、識別子と単語とを対応付ける対応手段を参照して当該所定の識別子を対応する単語に変換する変換ステップと、当該単語を出力する出力ステップとを備えるようにコンピュータを機能させることを特徴とする情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−65512(P2006−65512A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245735(P2004−245735)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(504324280)株式会社NTTデータ北陸 (2)
【出願人】(392008792)株式会社金沢シール (4)
【Fターム(参考)】