説明

情報提供装置および情報提供システム

【課題】要素が移動する場合でも、情報提供の対象となる位置に応じた情報を提供できるようにする。
【解決手段】要素を撮影する位置に応じた情報を、携帯端末に提供する。たとえば、携帯端末Xを携帯して移動するユーザーは、移動先で、当該携帯端末Xを他の携帯端末のカメラで撮影し、サーバーと通信することにより、当該サーバーから、携帯端末Xを撮影した場所に応じた情報の提供を受けることができる。たとえば、サービスマンが携帯端末Xを携帯して移動する場合、当該サービスマンに対し、移動先に応じた資料や情報が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置および情報提供システムに関し、特に、画像を送信した端末に当該画像が撮影された位置情報に対応する情報を提供する情報提供装置および情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮影機能を有する端末から送信される画像および付属情報を利用して、当該端末に種々の情報を提供する技術が開示されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2008−244660号公報)には、画像解析システムにおいて、撮影機能を有する携帯端末が、サーバーに、撮影した画像データと当該画像データの撮影対象の位置情報を送信すると、当該サーバーが、当該携帯端末に、上記画像データに対応し上記位置情報に関連する情報を送信する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2008−85408号公報)には、撮影機能を有する携帯端末が、サーバーに、撮影した画像と、撮影位置と、撮影向きとを送信すると、当該サーバーが、これらの情報から撮影拠点情報を特定し、上記撮影画像に付加して記録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−244660号公報
【特許文献2】特開2008−85408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、携帯端末から送信されてくる画像と当該画像を撮影した位置の情報とに基づいて、撮影された画像に含まれると考えられる建物等の要素を特定し、当該要素に関連する情報を提供することは、ユーザーにとって有益なことである。
【0007】
しかしながら、従来の技術では、上記した要素が移動した場合、提供される情報は位置の実情にそぐわないものとなるという不都合が生じていた。
【0008】
本発明は、係る実情に鑑み考えだ出されたものであり、その目的は、要素が移動する場合でも、情報提供の対象となる位置に応じた情報を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従った情報提供装置は、要素および位置情報に関連付けられた情報を記憶する記憶手段と、端末から送信される情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に対応する情報を、記憶手段が記憶する情報から選択して、端末へ送信する送信手段とを備え、記憶手段は、要素と2以上の位置情報を関連付け、また、2以上の位置情報の少なくとも1つに関連付けられた情報を記憶し、受信手段は、端末から、画像と当該画像を撮影した装置の位置情報とを受信し、送信手段は、受信手段が受信した画像に含まれる要素を特定し、記憶手段において、特定した要素と受信手段が受信した位置情報に関連付けられた情報を、受信手段が受信した情報に対応する情報として選択する。
【0010】
好ましくは、2以上の位置情報は、要素の位置情報の履歴であり、送信手段は、受信手段が受信した画像において要素が含まれない場合には、記憶手段において受信手段が受信した位置情報に対応して記憶されている情報を、端末へ送信する。
【0011】
好ましくは、2以上の位置情報は、要素の位置情報の履歴であり、送信手段は、受信手段が受信した画像において、記憶手段において受信手段が受信した位置情報に対応して記憶されている第1の要素とは異なる第2の要素が含まれる場合に、第1の要素について、受信手段が受信した位置情報に対応して記憶されている情報を、端末へ送信する。
【0012】
本発明に従った情報提供システムは、情報提供装置と、当該情報提供装置と通信可能な端末とを備える情報提供システムであって、端末は、画像および当該画像を撮影した装置の位置情報を、情報提供装置へ送信し、情報提供装置は、要素および位置情報に関連付けられた情報を記憶する記憶手段と、端末から送信される情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報に対応する情報を、記憶手段が記憶する情報から選択して、端末へ送信する送信手段とを含み、送信手段は、受信手段が受信した画像に含まれる要素を特定し、記憶手段において、特定した要素と受信手段が受信した位置情報に関連付けられた情報を、受信手段が受信した情報に対応する情報として選択する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、要素が2以上の位置情報に関連付けられている。そして、画像から特定された要素について、受信した位置情報に応じた情報が提供される。
【0014】
したがって、情報提供の対象となる位置の実情に応じた情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる情報提供システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】サーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】サーバーのHD(ハードディスク)に格納される要素管理データベースの内容の一例を模式的に示す図である。
【図5】図4に示したような要素管理データベースをサーバーのHDに登録するために、表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】携帯端末のカメラによって撮影された画像の一例を示す図である。
【図7】携帯端末において、サーバーからタグ情報を受信したことによって表示される画面の一例を示す図である。
【図8】要素の移動を説明するための図である。
【図9】移動前の要素管理データベースの登録内容を模式的に示す図である。
【図10】移動後の店舗の要素管理データベースの内容を模式的に示す図である。
【図11】第1の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図12】第1の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図13】第1の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図14】第1の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図15】第2の実施の形態において要素管理データベースとして登録される内容の一例を模式的に示す図である。
【図16】第2の実施の形態において管理対象とされる要素(デバイス)の移動を説明するための図である。
【図17】第2の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図18】第2の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図19】第2の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図20】第2の実施の形態において、店舗の移動前後でサーバーから携帯端末へ提供される情報の差異を説明するための図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態において新たに設置された装置に、設定内容を送信するための操作画面の一例を示す図である。
【図22】第1の実施の形態のサーバーにおいて実行される、要素管理データベースに情報を登録するために実行される処理のフローチャートである。
【図23】第1の実施の形態の携帯端末において画像等をサーバーへ送信するために実行される処理のフローチャートである。
【図24】第1の実施の形態のサーバーにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図25】第2の実施の形態のサーバーにおいて、要素管理データベースの登録情報を更新するために実行される処理のフローチャートである。
【図26】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図27】第2の実施の形態の携帯端末およびサーバーにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図28】第2の実施の形態において、要素管理データベースに対してデバイス設定情報を登録するために、サーバーにおいて実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0017】
[第1の実施の形態]
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる情報提供システムの構成の具体例を示す図である。
【0018】
図1を参照して、本実施の形態にかかる情報提供システムは、携帯端末300と、サーバー200とを含む。携帯端末300は、撮影機能を有する。携帯端末300が、被写体100を撮影し、当該画像を撮影した時点での位置情報とともにサーバー200へ送信すると、サーバー200は、当該画像および位置情報に対応した情報を、携帯端末300へ送信する。本明細書では、サーバー200から携帯端末300へ送信される情報を、適宜「タグ」もしくは「タグ情報」とも言う。
【0019】
後述するように、本実施の形態の情報提供システムでは、携帯端末300は、画像を撮影するとともに、当該画像を撮影した時点での当該携帯端末300の向きおよび位置の情報を取得できる。そして、携帯端末300は、サーバー200に対して、撮影した画像とともに、それに対応する向きおよび位置の情報を、サーバー200へ送信する。サーバー200が、これらの情報に基づいて、携帯端末300から送られてきた向きの情報および位置の情報に基づいて、その時点での携帯端末300の撮影の対象となった範囲を特定する。そして、サーバー200は、当該特定した範囲に基づいて、当該画像を解析し、そして、当該解析結果に基づく情報を、携帯端末300へ提供する。このようなシステムは、たとえばセカイカメラなどの公知の技術が利用されて実現される。
【0020】
<サーバーの構成>
図2は、サーバー200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0021】
図2を参照して、サーバー200は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)20と、CPU20で実行されるプログラムや当該プログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)22と、液晶表示装置等により構成される表示部23と、サーバー200に対して情報を入力するための操作部25と、CPU20が実行するプログラムや上記プログラムの実行のために利用されるデータなどの種々の情報を記憶するハードディスク(HD)26と、サーバー200本体に着脱可能な記憶媒体に対して情報を読み書きするためのメディアコントローラー27と、ネットワークを介して携帯端末300等と通信するためのモデム等からなる通信装置28とを含む。
【0022】
上記記憶媒体としては、たとえば、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0023】
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0024】
図5を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、磁気センサを含んで当該携帯端末300の向きを検出するための電子コンパス33と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー34と、情報を表示したり当該携帯端末300に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル35と、カメラ36と、ネットワークを介してサーバー200と通信するためのモデム等からなる通信装置37と、CPU30で実行されるプログラムや当該プログラムの実行に利用されるデータ等の種々の情報を記憶するためメモリー39とを含む。
【0025】
操作パネル35は、たとえば、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0026】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0027】
また、電子コンパス33およびGPSコントローラー34は、取得した当該携帯端末300の向きや位置情報を示す信号をCPU30に入力する。CPU30は、当該入力された向きや位置の情報を、適宜、サーバー200等の他の装置に送信する。
【0028】
<要素管理データベースへの情報の登録(1)>
本実施の形態の情報提供システムでは、上記したように、携帯端末300から、画像とともに画像撮影時の向きおよび位置の情報が、サーバー200へ送信される。サーバー200は、これらに応じた情報を、携帯端末300へ提供する。
【0029】
図4は、サーバー200のHD26に格納される要素管理データベースの内容の一例を模式的に示す図である。
【0030】
図4を参照して、要素管理データベースでは、要素毎に複数の位置が関連付けられ、さらに、位置毎にタグ情報が関連付けられている。なお、図4では、要素として「携帯端末X」のみが示されている。サーバー200には、複数の要素についての要素管理データベースが登録可能であり、図4は、その少なくとも一部を示すものである。
【0031】
また、図4の「携帯端末X」とは、携帯端末300の被写体に相当するものであり、携帯端末300とは別の要素を意味する。
【0032】
図4では、携帯端末Xの位置情報として、「位置A」「位置B」「位置C」の3箇所が登録されている。これらの位置情報は、サーバー200のCPU20が、携帯端末300から送信される位置情報と同一(または、これに含まれる)か否かを判断できる態様で、格納されているものとする。
【0033】
また、図4では、「位置A」「位置B」「位置C」のそれぞれに、タグ情報「情報A」「情報B」「情報C」が関連付けられている。
【0034】
図5は、図4に示したような要素管理データベースをサーバー200のHD26に登録するために、表示部23に表示される画面の一例を示す図である。
【0035】
図5を参照して、画面210には、登録する要素名を入力する欄、登録する位置を入力する欄、および、登録するタグ情報を入力する欄が表示されている。なお、図5では、登録する要素名として携帯端末Xを特定する情報が示されている。
【0036】
サーバー200には、種々の要素について、その画像パターンに関連付けられて要素を特定することができるデータベースが登録されている。画面210の要素名(および、図4の要素管理データベースにおける要素名)は、当該データベースを利用されて特定された要素を特定するものである。
【0037】
また、画面210には、当該画面210に表示された各欄に入力された情報を、図4に示したような要素管理データベースに登録するために操作される登録ボタンが表示されている。当該ボタンが操作されることにより、登録する要素名に入力された要素について、位置情報およびタグ情報を入力する欄に入力された情報が、それぞれ、要素管理データベースにおける位置情報とタグ情報として、登録される。
【0038】
また、画面210には、当該要素についての要素管理データベースへの情報の登録を完了するために操作される完了ボタンが表示されている。当該ボタンが操作されると、CPU20は、当該要素についての要素管理データベースへの情報登録の処理を終了し、画面210のような画面の表示を終了する。
【0039】
図22は、サーバー200のCPU20が実行する、要素管理データベースに情報を登録するために実行される処理のフローチャートである。
【0040】
図22を参照して、CPU20は、ステップSA10において操作部25に対して、要素についての情報の登録の要求をするための操作がなされたか否かを判断し、そのような操作がなされたと判断するとステップSA20へ処理を進める。
【0041】
ステップSA20では、CPU20は、図5を参照して説明したような要素登録画面を表示部23に表示させて、ステップSA30へ処理を進める。
【0042】
ステップSA40では、CPU20は、図5に示したような画面に対する情報の入力を受付けて、ステップSA50へ処理を進める。
【0043】
ステップSA50では、CPU20は、画面210の登録ボタンに対する操作がなされたことを条件として、上記画面において要素名として入力された要素についての要素管理データベースにおいて、上記画面に入力された情報を位置情報およびタグ情報としてHD26に保存して、ステップSA60へ処理を進める。
【0044】
ステップSA60では、上記要素についての要素管理データベースにおける情報の登録が完了したか否か(画面210の完了ボタンが操作されたか否か)を判断し、操作されていないと判断すると、当該要素についての要素管理データベースへの情報の登録を継続させるべく、ステップSA40へ処理を戻す。一方、当該完了ボタンが操作されたと判断すると、CPU20は、ステップSA70へ処理を進める。
【0045】
ステップSA70では、操作部25に対して、別の要素についての、要素管理データベースへの情報の登録を要求する操作が操作部25に対してなされたか否かを判断し、そのような操作がなされたと判断すると、当該別の要素についての要素管理データベースへの情報の登録を開始すべく、ステップSA30へ処理を戻す。一方、そのような情報の登録を要求する操作がないと判断すると、CPU20は処理を終了する。
【0046】
以上、図22を参照して説明した処理により、サーバー200のHD26には、各要素についての要素管理データベースに情報が登録される。なお、HD26への当該情報の登録は、操作部25に対する操作だけではなく、サーバー200と通信可能な、携帯端末300等の他の装置における操作によっても、実現されてもよい。
【0047】
この場合、ステップSA10において有無が判断される情報の登録の要求は、通信装置28を介して、CPU20に入力される。CPU20は、当該要求を受信すると、ステップSA20以降の処理を実行する。そして、CPU20は、ステップSA20において、当該要求を送信した装置に対して、図5を参照して説明したような画面を表示するためのデータを送信する。これにより、当該装置において、図5を参照して説明したような画面が表示される。そして、当該装置において、図5を参照して説明したような画面に対する情報が入力され、サーバー200へ送信される。CPU20は、受信した情報に基づいて、要素管理データベースに情報を登録する。
【0048】
<情報提供処理>
次に、本実施の形態の情報提供システムにおいて、携帯端末300から、画像と共に向きおよび位置の情報が送信されたことに応じてサーバー200から携帯端末300へ情報が提供される際の処理内容について、図23および図24を主に参照して説明する。以下、このような処理を、適宜、情報提供処理という。
【0049】
図23は、本実施の形態において携帯端末300において画像等をサーバー200へ送信するために実行される処理のフローチャートである。
【0050】
図23を参照して、携帯端末300では、まずステップSC10において、カメラ36で撮影が行なわれる。
【0051】
そして、処理は、ステップSC20へ進められる。
ステップSC20では、CPU30は、ステップSC10で撮影した画像、および、その時点で計測された携帯端末300の向きおよび位置の情報を、RAM32またはメモリー39に保存して、ステップSC30へ処理を進める。
【0052】
なお、携帯端末300では、ステップSC20において保存される情報は、携帯端末300に対して着脱可能な記憶媒体に保存することもできる。この場合、CPU30は、当該記憶媒体に対して情報を読み書きするためのメディアコントローラーを介して、通信する。記憶媒体としては、たとえば、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリー、メモリーカード、FD、磁気テープ、カセットテープ、MO、MD、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの、不揮発的に情報を格納する媒体が挙げられる。
【0053】
ステップSC30では、CPU30は、ステップSC20で保存した画像と、撮影時の向きおよび位置の情報を、サーバー200へ送信して、ステップSC40へ処理を進める。
【0054】
ステップSC40では、CPU30は、ステップSC30における情報の送信に応じてサーバー200から送信された、情報を取得したか否かを判断し、取得したと判断するとステップSC50へ処理を進める。なお、サーバー200からの情報の取得は、サーバー200において図24を参照して説明する処理の結果として情報が送信されることによって、実現される。
【0055】
ステップSC50では、CPU30は、サーバー200から取得した情報にタグ情報が含まれるか否かを判断し、含まれると判断するとステップSC60へ処理を進め、含まれないと判断するとステップSC70へ処理を進める。
【0056】
ステップSC60では、CPU30は、ステップSC20で保存した画像に、サーバー200から受信したタグ情報を合成して、操作パネル35に表示して、処理を終了する。
【0057】
一方、ステップSC70では、CPU30は、ステップSC20で保存した画像を、そのまま操作パネル35へ表示させて、処理を終了する。
【0058】
以上図23を参照して説明した処理は、たとえば、携帯端末300において、サーバー200から情報の提供を要求するアプリケーションが起動されたことを条件として、実行(開始)される。
【0059】
図24は、サーバー200において実行される処理のフローチャートである。
図24を参照して、サーバー200のCPU20は、ステップSD10で、ステップSC30(図24)の処理により携帯端末300から画像と向きおよび位置の情報を取得すると、ステップSD20へ処理を進める。
【0060】
ステップSD20では、CPU20は、ステップSD10で取得した向きおよび位置の情報から携帯端末300のカメラ36の撮影対象となった範囲を特定し、当該特定された範囲内に位置情報を有する要素があるか否かを判断し、そのような要素があると判断するとステップSD60へ処理を進め、そのような要素がないと判断するとステップSD30へ処理を進める。
【0061】
なお、ステップSD20の処理は、たとえば、HD26に格納された各要素の要素管理データベースを検索することにより、上記のように特定された範囲内に位置情報を有する要素があるか否かを判断することによって、実現される。
【0062】
ステップSD30では、CPU20は、上記のように特定した範囲(撮影位置)に位置の履歴を有する要素があるか否かを判断し、そのような要素があると判断するとステップSD40へ処理を進め、そのような要素はないと判断するとステップSD50へ処理を進める。
【0063】
なお、図4を参照して説明した要素管理データベースでは、要素の位置は、時間的な条件を付されることなく、登録されている。なお、本実施の形態では、図9および図15を参照して説明するように、各要素の位置情報として、時間的要素も加えた履歴を登録することもできる。そして、SD30では、CPU20は、現在の位置ではなく過去の位置として、要素管理データベースにおいて、上記のように特定された範囲に位置情報を有する要素があるか否かが判断される。
【0064】
ステップSD40では、CPU20は、ステップSD30で特定した要素についての、上記のように特定した範囲に含まれる位置情報に対応したタグ情報を携帯端末300へ送信して、処理を終了する。
【0065】
ステップSD50では、CPU20は、携帯端末300に対して、送信された情報に対応するタグ情報が登録されていないことを通知する情報を送信して、処理を終了する。
【0066】
一方、ステップSD60では、CPU20は、要素管理データベースにおいて、上記のように特定した範囲に含まれる位置情報に関連付けられたタグ情報を、携帯端末300へ送信して、処理を終了する。
【0067】
以上、図24を参照して説明した処理では、ステップSD60またはステップSD40では、サーバー200から携帯端末300に対してタグ情報が送信される。これにより、携帯端末300では、ステップSA60において、カメラ36で撮影された画像と共に、サーバー200から送信されたタグ情報が表示される。
【0068】
図6は、携帯端末300のカメラ36によって撮影された画像の一例を示す図である。
画像800には、背景と共に要素801と要素802が含まれる。要素801は、図4の要素管理データベースに情報を登録された要素(携帯端末X)であるとする。また、画像800が撮影された時点での携帯端末300の向きおよび位置によって特定される範囲には、図4の要素管理データベースに登録される位置(位置A,位置B,位置C)のいずれかが含まれるものとする。
【0069】
この場合、サーバー200は、携帯端末300から画像800と、当該画像800が撮影された時点での向きおよび位置の情報とを受信すると、上記向きおよび位置によって特定される範囲に含まれる位置に対応するタグ情報を、携帯端末300へ送信する。たとえば、上記範囲に位置Bが含まれるとすると、サーバー200は、携帯端末300に、位置Bに関連付けられている情報Bを、タグ情報として送信する。
【0070】
図7は、携帯端末300において、サーバー200からタグ情報を受信したことによって表示される画面の一例を示す図である。
【0071】
図7を参照して、画像900には、図6の要素801と要素802に加えて、表示欄903が含まれる。表示欄903は、上記のようにサーバー200から携帯端末300へ送信されたタグ情報を表示するための表示欄である。
【0072】
以上、図6および図7を参照して説明された処理により、被写体となり得る要素が移動する場合、当該要素を撮影する位置に応じた情報を、携帯端末300に提供することができる。
【0073】
たとえば、携帯端末Xを携帯して移動するユーザーは、移動先で、当該携帯端末Xを携帯端末300で撮影し、サーバー200と通信することにより、サーバー200から、携帯端末Xを撮影した場所に応じた情報の提供を受けることができる。より具体的な例としては、サービスマンが携帯端末Xを携帯して移動する場合、当該サービスマンに対し、移動先に応じた資料や情報が、タグ情報として提供される例が挙げられる。
【0074】
<要素管理データベースへの情報の登録(2)>
本実施の形態の情報提供システムでは、上記したように、要素の位置の履歴が登録される場合もある。
【0075】
図8は、要素の移動を説明するための図である。
図8(A)は、ある店舗401について、移動前の位置を示している。この店舗401が、図8(B)に示すように、移動した場合、サーバー200の要素管理データベースでは、店舗401について、位置の履歴が登録される。
【0076】
図9は、移動前の要素管理データベースの登録内容を模式的に示す図である。
図9の要素管理データベースでは、店舗の図8(A)に示す位置(位置(1))および当該位置情報に関連付けられたタグ情報が格納されている。
【0077】
図10は、移動後の店舗の要素管理データベースの内容を模式的に示す図である。
図10では、当該店舗について、図8(B)の位置情報(現在位置)と移動前の位置(図8(A)に示された位置)のそれぞれについて、タグ情報が関連付けられている。図10における「移動前の位置」は、図9の「位置(1)」に相当する。
【0078】
図10では、現在位置には、当該店舗の店舗情報およびメニュー情報が関連付けられている。一方、移動前の位置には、タグ情報として、店舗が移動されたことを示すメッセージ(店舗移動情報)と、移動後の店舗へのアクセス情報が関連付けられている。
【0079】
店舗401が図8(A)に示される位置にあるときには、携帯端末300のカメラ36では、図11(A)に示されるような画像801が撮影される。そして、当該画像と、撮影時の向きおよび位置の情報がサーバー200へ送信されることにより、サーバー200から携帯端末300へは、図9のタグ情報(店舗情報およびメニュー情報)が、ステップSD60で送信される。これに応じて、携帯端末300では、図11(B)に示す画面910が表示される。画面910では、図11(A)の画像810に含まれる店舗811に対応する店舗911と共に、サーバー200から送信されてきたタグ情報に対応する表示欄914および表示欄915が含まれる。表示欄914は、タグ情報のうち店舗情報に対応し、表示欄915は、メニュー情報に対応する。
【0080】
次に、図8(B)に示すように店舗401が移動し、要素管理データベースが図10に示したように更新された後、当該店舗が以前存在した位置(図8(B)中の破線で示される領域400)でカメラ36による撮影が行なわれた場合の処理内容を説明する。この場合、携帯端末300からサーバー200へ、撮影された画像と共に撮影時の向きおよび位置の情報(または、画像を伴わず向きおよび位置の情報のみ)が送信されると、サーバー200は、ステップSD40で、図10の移動前の位置に対応するタグ情報を、携帯端末300へ送信する。
【0081】
図12(A)は、カメラ36によって撮影された画像を示す。画像820には、画像810では写っていた店舗401に対応する店舗811が存在しない。
【0082】
図12(B)は、画像820に、サーバー200から送信されたタグ情報が合成されて、操作パネル35に表示される画面を示す図である。画面920では、画像820に加えて、表示欄924および表示欄925が含まれる。表示欄924は、図10のタグ情報のうち、店舗移動情報に対応する。また、表示欄925は、当該タグ情報のうち、アクセス情報に対応する。
【0083】
以上図11および図12を参照して説明した処理におけるサーバー200からの情報提供に際し、サーバー200において登録される要素管理データベース(図9および図10参照)には、店舗401の代わりに、携帯端末(携帯端末300とは別の端末)が、要素として登録されていてもよい。
【0084】
この場合には、携帯端末300のカメラ36に撮影される画像には、当該携帯端末が被写体として含まれる。
【0085】
この場合の処理は、図11および図12の代わりに、図13が参照されて、説明される。
【0086】
図13は、当該携帯端末が被写体として含まれる場合の、撮影される画像の一例を示す図である。
【0087】
図13の画像1810には、店舗401に対応する店舗811と、当該携帯端末812とが含まれる。なお、図13の画像1810は、図8(A)に示す、移動前の店舗401と共に上記携帯端末が撮影されたときの画像である。
【0088】
当該画像と、撮影時の向きおよび位置の情報がサーバー200へ送信されると、サーバー200から携帯端末300へは、図9の携帯端末(店員の携帯端末)について、移動前の位置(位置(1))に関連付けられたタグ情報が、ステップSD60の処理によって、送信される。
【0089】
これにより、携帯端末300では、図14に示すような画面が表示される。
図14の画面1910は、店舗811に対応する店舗911と、携帯端末812に対応する携帯端末912に加えて、図9の店舗情報に対応する表示欄914と、図9のメニュー情報に対応する表示欄915を含む。
【0090】
<実施の形態のまとめ>
以上説明した本実施の形態において、携帯端末300では、サーバー200から受信したタグ情報が、カメラ36によって撮影された画像に合成されて表示される。
【0091】
なお、タグ情報に基づいて表示される対象物(表示欄903等)の配置は、たとえば、表示対象となる画像において、被写体が存在する領域を避けて、配置される。
【0092】
また、CPU30は、たとえば、メモリー39に予め登録されている被写体のパターンに基づいて、カメラ36によって撮影された画像に対してパターン認識を行ない、被写体の位置を特定し、当該特定された被写体の位置に基づいて、表示欄903等の配置を決定する。
【0093】
[第2の実施の形態]
<システム構成>
本実施の形態の情報提供システムの構成は、たとえば、第1の実施の形態の情報提供システムと同様の構成とすることができる。
【0094】
<要素管理データベースへの情報の登録(3)>
本実施の形態の情報提供システムでは、サーバー200に要素管理データベースを登録される要素として、当該要素の位置情報を発信することができるデバイスが採用される。
【0095】
サーバー200は、各デバイスと、たとえば一定時間毎に通信することにより、各デバイスの位置情報を取得する。そして、取得した位置情報が当該デバイスについて既に登録されている位置情報と異なる場合には、位置情報およびタグ情報を更新する。
【0096】
図25は、第2の実施の形態のサーバー200において、要素管理データベースの登録情報を更新するために実行される処理のフローチャートである。なお、本実施の形態では、デバイスは、たとえば、GPS機能を有する端末によって構成される。つまり、少なくともGPS機能等を利用して当該デバイスの位置情報を取得でき、そして、当該取得した位置情報をサーバー200へ送信することができる機能を有する。
【0097】
図25を参照して、サーバー200のCPU20は、ステップSB10で、既に要素管理データベースに情報を登録されているデバイスについて、位置情報を要求し、当該要求に応じて送信された位置情報を取得し、ステップSB20へ処理を進める。
【0098】
ステップSB20では、CPU20は、ステップSB10で取得した位置情報が、要素管理データベースにおいて当該デバイスの現在位置として登録されている位置と異なるか否かを判断し、異なると判断すると、ステップSB30へ処理を進める。
【0099】
一方、登録された位置と同じ位置であると判断すると、CPU20は、そのまま処理を終了させる。
【0100】
ステップSB30では、CPU20は、表示部23に、当該デバイスのタグ情報を更新するための画面を表示させて、ステップSB40へ処理を進める。
【0101】
ステップSB40では、移動先の位置(現在の当該デバイスの位置)について、タグ情報として登録するための情報の入力を受付けて、ステップSB50へ処理を進める。
【0102】
ステップSB50では、CPU20は、移動前の位置(それまで、要素管理データベースに登録されていた「現在位置」)に関連付けて登録するためのタグ情報の入力を受付けて、ステップSB60へ処理を進める。
【0103】
ステップSB60では、CPU20は、ステップSB40およびステップSB50で入力を受付けたタグ情報を、要素管理データベースに登録して、処理を終了する。
【0104】
以上図25を参照して説明した処理により、当該デバイスの要素管理データベースとしては、たとえば図15に示される情報が、登録される。
【0105】
図15は、第2の実施の形態において要素管理データベースとして登録される内容の一例を模式的に示す図である。
【0106】
図15では、要素(デバイス)として、第1のMFP(Multi-functional Peripheral)が登録されている。なお、本明細書では、第1のMFPを、後述する第2のMFPと区別するために「MFP_A」と言う。
【0107】
図15の要素管理データベースでは、MFP_Aについて、位置情報として、「移動後の位置」と「移動前の位置」とが登録されている。そして、図15の要素管理データベースには、それぞれの位置について、タグ情報が登録されている。但し、図15では、「移動後の位置」にはタグ情報が登録されておらず(図15において「なし」と表記)、「移動前の位置」についてのみ、タグ情報が登録されている。なお、登録されているタグ情報は、MFP_Aデバイス設定情報である。
【0108】
つまり図15は、図25のステップSB40ではタグ情報は登録されず(タグ情報のして登録するための情報の入力がなされず)、ステップSB50で、MFP_Aデバイス設定情報が登録された場合の、登録例を示している。
【0109】
図16は、第2の実施の形態において管理対象とされる要素(デバイス)の移動を説明するための図である。
【0110】
本実施の形態では、まず、図16(A)に示すように、MFP_Aが所定の位置に設置されている。次に、図16(B)に示されるように、MFP_Aが移動される。次に、図16(C)に示されるように、別の装置が、MFP_Aの移動前の位置に設置される。本実施の形態では、図16(C)に示されるように新たに設置された要素(別の装置)を、第2のMFP(MFP_B)と言う。
【0111】
図26は、第2の実施の形態のサーバー200において実行される処理のフローチャートである。本実施の形態では、携帯端末300においてMFPが設置される位置が撮影されると、撮影された位置に以前設置されていたMFPの設定情報を、新たに設置された別のMFPに適用することができる。当該処理のために、ユーザーが、携帯端末300で、新たなMFPが設置される場所を撮影し、撮影画像と、撮影時の向きおよび位置の情報を、サーバー200へ送信する。
【0112】
図26を参照して、ステップSF10で、CPU20は、上記のように携帯端末300から送信された画像と撮影時の向きおよび位置の情報を取得して、ステップSF20へ処理を進める。
【0113】
ステップSF20では、CPU20は、受信した画像に要素(デバイス)が含まれているか否かを判断し、含まれていないと判断すると、ステップSF40で、携帯端末300にタグ情報なしを通知して、処理を終了する。一方、ステップSF20で要素(デバイス)が画像に含まれていると判断すると、CPU20は、ステップSF30へ処理を進める。
【0114】
なお、図26のステップSF20における要素の有無の判断は、たとえば、携帯端末300から受信した画像に対して、パターン認識が行なわれることにより、実現される。つまり、サーバー200のHD26等に1以上の要素の画像パターンが予め登録される。そして、CPU20は、当該登録された画像パターンを用い、受信した画像に対してパターン認識の処理を実行する。そして、受信した画像が、上記画像パターンの少なくとも1つと特定の度合い以上の一致度を有する被写体を含む場合に、当該画像に要素が含まれると判断する。
【0115】
ステップSF30では、CPU20は、ステップSF10で取得した向きおよび位置の情報に基づいて、カメラ36の撮影対象となった範囲を特定し、当該範囲に含まれる位置を、要素管理データベースの位置情報において「移動前の位置」として有している要素(デバイス)があるか否かを判断する。そして、そのような要素(デバイス)があると判断するとステップSF50へ処理を進め、ないと判断すると、ステップSF40で、携帯端末300へタグ情報なしを通知して、処理を終了する。
【0116】
ステップSF50では、CPU20は、ステップSF30において上記範囲に含まれると判断した「移動前の位置」に関連付けられたタグ情報を、携帯端末300へ送信して、処理を終了する。
【0117】
以上図26を参照して説明した処理によれば、図16(B)に示したように、MFP_Aが移動された後、その場所にMFP_Bが設置されるまでは、MFP_Aの移動前の位置を撮影されても、サーバー200から携帯端末300へはタグ情報が送信されない(ステップSF20でNO判断時)。
【0118】
これにより、携帯端末300では、図17の画像840に示すような画像が撮影され、そして、サーバー200と通信後、操作パネル35には、図18の画面940が表示される。画面940では、タグ情報に対応するような表示欄は表示されていない。なお、図17および図18における破線は、移動前のMFP_Aの設置位置を模式的に示しており、実際には表示されない。つまり、背景の位置範囲を示すにすぎない。
【0119】
一方、図16(C)に示すように、MFP_Aの移動前の位置に、MFP_Bが設置され、当該MFP_Bが携帯端末300によって撮影され、その画像と撮影時の向きおよび位置の情報がサーバー200へ送信されると、以前当該場所に設置されていたMFP_Aの要素管理データベースに登録されているMFP_Aのデバイス設定情報が、携帯端末300へ送信される(ステップSF50)。
【0120】
つまり、携帯端末300において、図19の画像850で示すような画像が撮影され、サーバー200と通信(画像と、向きおよび位置の情報を送信)すると、携帯端末300の操作パネル35には、図20に示すような画面950が表示される。
【0121】
画像850と画面950には、新たに設置されたMFP_Bに対応するMFP851,951が含まれる。さらに、画面950には、サーバー200から携帯端末300へ送信されたタグ情報に対応する表示欄952が含まれる。
【0122】
本実施の形態の情報提供システムでは、さらに、新たに設置されたMFP_Bに対して、以前設置されたMFP_Aの設定情報を登録することができる。
【0123】
図27は、このような登録の処理を実行するために、携帯端末300およびサーバー200において実行される処理のフローチャートである。
【0124】
図20に示されたような画面950が表示された状態で、携帯端末300のCPU30は、表示欄952に対する操作を受付ける。この操作は、MFP_BにMFP_Aの設定情報を登録するための操作に相当する。
【0125】
当該操作を受付けると、CPU30は、操作パネル35に、MFP_Bに対して設定情報を送信するための情報を入力するための表示を行なう。図21は、そのような表示の一例を示す図である。
【0126】
図21の画面960には、図20の画面950に加えて、さらに、MFP_Bのデバイス名を入力するための欄963と、MFP_BのIP(Internet Protocol)アドレスを入力するための欄964が含まれる。
【0127】
そして、CPU30は、ステップSG20において、欄963,964に入力された情報(デバイス名およびIPアドレス)をサーバー200へ送信する。
【0128】
これに応じて、サーバー200のCPU20は、ステップSG30で、表示欄952に対応する設定情報を、ステップSG20で送信されたIPアドレスを宛先として送信する。これにより、新たに設置されたMFP_Bに、前に設置されていたMFP_Aの設定情報が送信される。これにより、MFP_Bにおいて、MFP_Aと同様の設定がなされる。
【0129】
次に、CPU20は、ステップSG40で、HD26で別途管理している各MFPの設定情報として、図21の欄963に入力されたデバイスに関連付けてステップSG30で送信した設定情報を登録する。
【0130】
次に、CPU20は、ステップSG50で、元の装置とは異なる装置への設定のために携帯端末へ送信した設定情報および/またはタグ情報を、設定情報を管理するデータベースおよび/または要素管理データベースから削除して、処理を終了させる。つまり、図15を参照して説明した要素管理データベースにおいて、ステップSF50において移動前の位置に対応するMFP_Aの設定情報についてのタグ情報が携帯端末300へ送信されると、当該タグ情報は削除される。また、ステップSG30において、MFP_Aの設定情報がMFP_BのIPアドレスを送信先として送信されると、当該設定情報は、MFPの設定情報を管理するデータベースから削除される。
【0131】
<要素管理データベースへの情報の登録(4)>
以上説明した本実施の形態では、要素管理データベースにおいて、直接、タグ情報として要素(デバイス)の設定情報が登録された。なお、本実施の形態では、タグ情報としては、デバイス設定情報が、別途登録されていることのみを示す情報を登録し、そして、要素管理データベースに対して位置情報とタグ情報を登録するのとは別に、デバイス設定情報の登録を受付けてもよい。
【0132】
図28は、本実施の形態における要素管理データベースに対して上記のようにデバイス設定情報を登録するために、サーバー200において実行される処理のフローチャートである。
【0133】
図28を参照して、サーバー200のCPU20は、まずステップSE10において、操作部25(または、ネットワークを通じて他の装置)から、要素管理データベースに対する情報の登録要求があったか否かを判断し、あったと判断するとステップSE20へ処理を進める。
【0134】
ステップSE20では、CPU20は、図5を参照して説明したような画面を表示部23(または、ステップSE10で要素の登録要求を受付けた装置)に表示させて、ステップSE30へ処理を進める。
【0135】
ステップSE30では、CPU20は、要素管理データベースにおいて、図5に示すような画面に入力された要素名に関連付けてタグ情報を登録して、ステップSE40へ処理を進める。
【0136】
ステップSE40では、CPU20は、ステップSE30で登録したタグ情報に関連付けたデバイス設定情報の登録の要求があったか否かを判断し、そのような要求がないと判断するとステップSE60へ処理を進め、要求があったと判断すると、ステップSE50へ処理を進める。
【0137】
なお、本実施の形態では、図5に示したような登録用の画面において、さらに、デバイス設定情報の登録を要求するためのボタンを表示させ、CPU20は、ステップSE40において、当該ボタンに対して操作があったか否かを判断することにより、デバイス設定情報の登録の要求があったか否かを判断する。
【0138】
ステップSE50では、CPU20は、デバイス設定情報として入力された情報(たとえば、MFPに登録されているアカウント情報など、新たな設置位置で使用するユーザー情報)の入力を受付け、当該デバイス設定情報を、HD26において、ステップSE30で登録したタグ情報に関連付けて登録して、ステップSE60へ処理を進める。
【0139】
ステップSE60では、CPU20は、位置情報の入力を受付け、要素管理データベースにおいて、ステップSE30で登録した位置情報に関連付けて登録して、ステップSE70へ処理を進める。
【0140】
ステップSE70では、CPU20は、ステップSA70(図22参照)と同様に、別の要素についての登録要求があるか否かを判断し、あると判断するとステップSE30へ処理を戻し、ないと判断すると処理を終了させる。
【0141】
[その他の変形例等]
以上説明した各実施の形態では、携帯端末300からサーバー200へ、撮影向きおよび位置の情報が送信され、サーバー200は、これらの情報に応じて、携帯端末300へ送信(提供)する情報を決定する。なお、サーバー200は、要素管理データベースに登録されている位置情報を、携帯端末300から送信された位置情報に基づいて、特定し、携帯端末300へ送信する情報を決定しても良い。この場合、携帯端末300からサーバー200へは、少なくとも撮影時の位置情報が送信されれば良い。
【0142】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0143】
10,20 CPU、23 表示部、25 操作部、27 メディアコントローラー、28,37 通信装置、21,31 ROM、22,32 RAM、33 電子コンパス、34 コントローラー、35 操作パネル、36 カメラ、39 メモリー、200 サーバー、300 携帯端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要素および位置情報に関連付けられた情報を記憶する記憶手段と、
端末から送信される情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した情報に対応する情報を、前記記憶手段が記憶する情報から選択して、前記端末へ送信する送信手段とを備え、
前記記憶手段は、前記要素と2以上の位置情報を関連付け、また、前記2以上の位置情報の少なくとも1つに関連付けられた情報を記憶し、
前記受信手段は、前記端末から、画像と当該画像を撮影した装置の位置情報とを受信し、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した画像に含まれる要素を特定し、
前記記憶手段において、前記特定した要素と前記受信手段が受信した位置情報に関連付けられた情報を、前記受信手段が受信した情報に対応する情報として選択する、情報提供装置。
【請求項2】
前記2以上の位置情報は、前記要素の位置情報の履歴であり、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した画像において要素が含まれない場合には、前記記憶手段において前記受信手段が受信した位置情報に対応して記憶されている情報を、前記端末へ送信する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記2以上の位置情報は、前記要素の位置情報の履歴であり、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した画像において、前記記憶手段において前記受信手段が受信した位置情報に対応して記憶されている第1の要素とは異なる第2の要素が含まれる場合に、前記第1の要素について、前記受信手段が受信した位置情報に対応して記憶されている情報を、前記端末へ送信する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
情報提供装置と、当該情報提供装置と通信可能な端末とを備える情報提供システムであって、
前記端末は、
画像および当該画像を撮影した装置の位置情報を、前記情報提供装置へ送信し、
前記情報提供装置は、
要素および位置情報に関連付けられた情報を記憶する記憶手段と、
前記端末から送信される情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した情報に対応する情報を、前記記憶手段が記憶する情報から選択して、前記端末へ送信する送信手段とを含み、
前記送信手段は、
前記受信手段が受信した画像に含まれる要素を特定し、
前記記憶手段において、前記特定した要素と前記受信手段が受信した位置情報に関連付けられた情報を、前記受信手段が受信した情報に対応する情報として選択する、情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−25689(P2013−25689A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162155(P2011−162155)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】