説明

情報更新システム、再生装置

【課題】双方向型ケーブルの規格で定義されるコマンドを利用し、表示装置の制御プログラムを簡単にバージョンアップできるようにした情報更新システム及び再生装置を提供する。
【解決手段】制御部4は、更新ファイル99を光ディスク100から読取って、更新ファイル99の内容を示すベンダーコマンドを、HDMIの規格に基づいて作成する。制御部4は、作成したベンダーコマンドをHDMIポート20からテレビ101に送信する。ベンダーコマンドを受信すると、テレビ101側の制御部104は、記憶部106に記憶されているファームウェア106Aをベンダーコマンドによってバージョンアップする。そして、バージョンアップが完了すると、この後、制御部104は、そのバージョンアップ済みのファームウェア106Aに基づいて動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向型ケーブルを介して再生装置と表示装置とが互いに接続され、表示装置の制御プログラムが更新によってバージョンアップする情報更新システム、及びそのシステムに適用される再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、制御プログラムを記憶したフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリと、その制御プログラムに基づいて動作するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)と、を備えた表示装置が提供されている。この表示装置は、例えば液晶テレビ、プラズマテレビである。
そして、上記の表示装置では、装置の不具合の修正や装置の機能の向上を行うため、ユーザが装置を購入した後でも制御プログラムを更新できるようにしている。例えば、制御プログラムをバージョンアップして、表示装置の購入後に表示装置の機能を追加することができる。
【0003】
表示装置を含む家電装置の制御プログラムを更新する場合、例えば制御プログラムの内容を更新するための更新ファイルを、家電装置の販売メーカが配布したDVD等のメディアから家電装置が読取って、更新する。これにより、家電装置に新しい機能が追加される。
一方、特許文献1では、デジタル電子装置装置が提案されている。
【特許文献1】特開2003−316596公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の表示装置単体では、更新ファイルをメディアから読取る読取機構を持たない。そのため、簡単には、表示装置の制御プログラムをバージョンアップすることができなかった。例えばバージョンアップ済みの制御プログラムが記録された新たなフラッシュメモリを装置の販売メーカから配布してもらい、表示装置に内蔵されているフラッシュメモリを取り外し、新たなフラッシュメモリに交換しなければならなかった。
従って、従来の表示装置では、ユーザが表示装置を購入した後に、表示装置の不具合の修正や表示装置の機能の向上を行うことが困難だった。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決しようとするものであり、双方向型ケーブルの規格で定義されるコマンドを利用し、表示装置の制御プログラムを簡単にバージョンアップできるようにした情報更新システム及び再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報更新システムは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0007】
(1)メディアからデータを読取って外部に出力する再生装置と、
前記データを伝送する双方向型ケーブルを介して前記再生装置と接続され、且つ前記再生装置から出力された前記データを処理して映像を表示する表示装置と、を備えた情報更新システムにおいて、
前記表示装置は、
自装置の各部を制御する動作内容が記述された制御プログラムであって、その内容を更新するための更新ファイルによってバージョンアップする制御プログラムを記憶する記憶手段と、
前記制御プログラムに基づいて動作する制御手段と、を有し、
前記再生装置は、
前記更新ファイルが記録されたメディアがセットされ、且つ前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記更新ファイルを前記メディアから読取って、前記更新ファイルの内容を示すコマンドを、前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成する読取作成手段と、
前記読取作成手段によって作成された前記コマンドを、前記双方向型ケーブルを介して前記表示装置に送信する送信手段と、を有し、
前記表示装置の前記制御手段は、前記コマンドが前記表示装置に送信されると、前記記憶手段に記憶されている前記制御プログラムを、そのコマンドの内容によってバージョンアップする。
【0008】
この構成において、再生装置は、例えば光ディスク装置、ハードディスクドライブ装置、又はSDカード再生装置である。メディアは、例えば光ディスク、ハードディスク、又はSDカード等の半導体メモリである。表示装置は、例えば液晶テレビ、プラズマテレビである。双方向型ケーブルは、双方向に通信が可能なケーブルを意味する。バージョンアップとは、制御プログラムを最新の情報に更新することを意味する。また、バージョンアップは、アップグレードとアップデートを含む概念である。
制御プログラムを更新する場合、ユーザは、表示装置の販売メーカが配布したDVD等のメディアを再生装置にセットする。このメディアには、販売メーカ側によって更新ファイルが記録されている。そして、制御プログラムのバージョンアップを指示する。これにより、読取手段は、更新ファイルの内容を上記のコマンドとして作成する。このコマンドは、双方向ケーブルの規格で定義されるコマンドである。そして、送信手段は、そのコマンドを表示装置に送信する。
表示装置の制御手段は、コマンドが送信されると、そのコマンドに基づいて記憶手段に記憶されている制御プログラムをバージョンアップする。バージョンアップが完了すると、制御手段は、そのバージョンアップ済みの制御プログラムに基づいて動作する。
以上のように、双方向型ケーブルの規格で定義されるコマンドを利用することで、読取機構を持たない表示装置でも、その制御プログラムを簡単にバージョンアップできる。そのため、表示装置においては、ユーザが表示装置を購入した後でも、不具合の修正や機能の向上を簡単に行うことができる。
【0009】
(2)前記再生装置の前記読取作成手段は、
前記更新ファイルが記録された前記メディアがセットされ、且つ前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記記憶手段に記憶されている前記制御プログラムのバージョン情報の送信を前記表示装置に前記送信手段を介して要求し、
その要求に対する応答が前記表示装置からあると、その応答結果に基づいて、前記更新ファイルのバージョンが前記制御プログラムのバージョンより新しいかどうかを判定し、
前記制御プログラムのバージョンの方が新しい場合、前記送信手段が前記コマンドを前記表示装置に送信することを禁止する。
【0010】
この構成において、送信手段から送信される要求は、双方向型ケーブルを介して表示装置に入力される。表示装置の制御手段は、記憶手段の制御プログラムを調べてバージョン情報を読み取り、双方向型ケーブルを介して再生装置に送信する。
そして、読取作成手段は、送信されたバージョン情報に基づいて、更新ファイルのバージョンが制御プログラムのバージョンより新しいかどうかを判定する。そして、更新ファイルのバージョンの方が新しい場合のみ、送信手段がコマンドを表示装置に送信することを許可する。
以上より、制御プログラムが古いバージョンに誤って更新されてしまうのを防止できる。
なお、バージョン情報は、制御プログラムに予め記述されている。同様に、更新ファイルのバージョン情報も、更新ファイルに予め記述されている。
【0011】
(3)前記双方向型ケーブルは、HDMI規格のケーブルであり、
前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成されるコマンドは、ベンダーコマンドである。
【0012】
HDMIの規格ではCEC(Consumer Electronics Control)という家電装置の制御規格が定められている。CECには、電源や入力切り替えなど制御する各社共通の汎用ベンダーコマンドと、メーカーが独自に定義できるオプションのベンダーコマンドと、がある。
この構成においては、このベンダーコマンドを利用している。
【0013】
また、本発明の再生装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0014】
(4)メディアからデータを読取って外部に出力する出力手段を備え、前記出力手段から出力された前記データを処理して映像を表示する表示装置と双方向型ケーブルを介して接続される再生装置において、
前記表示装置の各部を制御する動作内容が記述されていて前記表示装置に記憶される制御プログラムの内容を更新するための更新ファイルが記録されたメディアがセットされ、且つ前記更新ファイルによる前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記更新ファイルを前記メディアから読取って、前記更新ファイルの内容を示すコマンドを、前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成する読取作成手段と、
前記読取作成手段によって作成された前記コマンドを、前記双方向型ケーブルを介して前記表示装置に送信する送信手段と、を備え、
前記読取作成手段は、前記表示装置に記憶されている前記制御プログラムを、そのコマンドの内容によってバージョンアップするよう前記送信手段を介して前記表示装置に指示する。
【0015】
この構成において、再生装置は、上記(1)の情報更新システムで用いられる。
これにより、上記(1)と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、読取機構を持たない表示装置でも、その制御プログラムを簡単にバージョンアップできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態である情報更新システムについて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態である情報更新システムの光ディスク装置の主要な構成を示すブロック図である。光ディスク装置1は、所謂DVDプレーヤであり、装置本体1の各部の動作を制御する制御部4と、装置本体1にセットされている光ディスク100からデータを読取るピックアップヘッド2(以下、PUヘッド2と称する。)と、RFアンプなどの再生部3と、ユーザからの操作を受け付ける操作部5と、情報を表示する表示部7と、データを記憶する記憶部6と、音声信号を出力する音声処理部11と、画像信号を出力する画像処理部13と、HDMIケーブル21を差し込むHDMIポート20と、を備えている。
【0019】
また、光ディスク装置1は、HDMIポート20に差し込まれたHDMIケーブル21を介して、テレビ101に接続されている。テレビ101は、HDMI規格対応の液晶テレビである。
HDMIは、High Definition Multimedia Interfaceの略であり、DVD再生装置等の出力装置からテレビ受像機やプロジェクタ等の表示装置へディジタルA/V信号を伝送するためのインタフェースである。HDMIは、従来の規格であるDVI(Digital Visual Interface for Computer)Ver1.0を拡張したものである。具体的には、DVIは画像情報のみを送信する規格であるのに対し、HDMIは、画像情報の他、音声情報およびその他の情報も一のケーブルで送信できる規格である。さらに、HDMIは、高品質のマルチチャンネル音声と高解像度の各種フォーマットの画像信号(映像信号)の伝送が可能である。
HDMIは、DDC(Display Date Channel)により、テレビ101が光ディスク装置1に送信する情報を伝送することができる。DDCは、通信形式の名称である。
【0020】
また、制御部4は、例えばマイクロコンピュータで構成される。制御部4は、更新ファイルに記述されている更新データを伝送する制御ライン19を介してHDMIポート20と接続されている。
【0021】
PUヘッド2は、図示しないレーザダイオード(LD)、コリメータレンズ、ビームスプリッタ、対物レンズ、フォトディテクタ、スレッドモータ、及び2軸のアクチュエータを備えている。
PUヘッド2は、光ディスク100の半径方向に延びる軸に移動自在に取り付けられている。スレッドモータが、PUヘッド2を光ディスク100の半径方向に移動する。
LDは、レーザ光を出力する光源であり、フォトディテクタは、複数の受光素子で形成されており、光ディスク100からの反射光を検出する。フォトディテクタは、例えば、受光領域がほぼ均等に4分割されており、4つの受光領域を形成している。
対物レンズは、光ディスク100に対するレーザ光の照射位置を調節する。また、2軸のアクチュエータは、対物レンズを光ディスク100に接離する方向、及び光ディスク100の半径方向に移動させる。
【0022】
まず、再生時の動作について説明する。
PUヘッド2は、光ディスク100に対して読取パワーのレーザ光を照射し、光ディスク100からの反射光をフォトディテクタで検出する。これにより、光ディスク100に記録されている情報を光学的に読み出す。
【0023】
再生部3は、PUヘッド2における複数の受光素子の出力に基づいてRF信号を生成し、該RF信号を増幅する。そして、再生部3は、該RF信号を処理して画像と音声のデータを取り出し、それぞれデコードする。ここで、取り出される画像信号は、例えばMPEGでエンコードされている。また、取り出される音声信号は、例えばMPEG、AC3でエンコードされている。そして、再生部3は、音声信号を音声処理部11に、画像信号を画像処理部13に、両データの同期を取りながら、それぞれ出力する。
【0024】
音声処理部11は、伸長された音声信号をディジタルの再生音声信号として外部のテレビ101に出力する。
画像処理部13は、伸長された画像信号をディジタルの再生画像信号として外部のテレビ101に出力する。
音声処理部11及び画像処理部13は、上記のディジタル信号を、HDMIケーブル21を介して、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)方式でテレビ101に送信する。
【0025】
音声処理部11及び画像処理部13は、HDMIポート20に差し込まれたHDMIケーブル21を介してテレビ101と繋がっている。ユーザは、テレビ101によって、画像処理部13から出力された画像信号に基づく画像、及び音声処理部11から出力された音声信号に基づく音声を視聴することができる。
【0026】
図2は、本発明の実施形態である情報更新システムのテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。テレビ101は、所謂液晶テレビであり、HDMIケーブル21を差し込むHDMIポート120と、ディジタルの再生音声信号及びディジタルの再生画像信号をD/A変換するD/A変換部103と、D/A変換された再生画像信号を処理して画像を表示する表示部113と、D/A変換された再生音声信号を処理して音声を放音するスピーカ111と、を備えている。
【0027】
ユーザは、表示部113及びスピーカ111によって、光ディスク装置1から出力された画像信号に基づく画像、及び光ディスク装置1から出力された音声信号に基づく音声を視聴することができる。
【0028】
さらに、テレビ101は、ファームウェア106Aを記憶する記憶部106と、ファームウェア106Aに基づいてテレビ101の各部の動作を制御する制御部104と、を備えている。
【0029】
記憶部106は、書換可能な不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリである。記憶部106に記憶されているファームウェア106Aには、テレビ101の各部を制御する動作内容(制御方法)が記述されている。ファームウェア106Aは、その内容を更新するための更新ファイルによってバージョンアップする。
【0030】
制御部104は、例えばマイクロコンピュータで構成される。制御部104は、ファームウェア106Aで処理されるデータを展開するためのワークフィールドとしてのRAM(不図示)を内蔵する。また、制御部104は、更新ファイルに記述されている更新データを伝送する制御ライン119を介してHDMIポート120と接続されている。
【0031】
なお、図1の光ディスク装置1と図2のテレビ101とは、この実施形態の情報更新システムを構成する。また、ファームウェア106Aが、本発明の「制御プログラム」に相当する。
【0032】
図3は、本発明の実施形態である情報更新システムにおける、光ディスク装置1とテレビ受像機101における各制御部の動作を示すフローチャートである。図4は、更新ファイル99のバージョン情報とファームウェア106Aのバージョン情報との一例を示す図である。図3の動作は、更新ファイル99が記録された光ディスク100をユーザがセットし、ファームウェア106Aのバージョンアップを操作部5で指示した時の動作である。ここで、光ディスク100は、テレビ101の不具合を修正するために、テレビ101の販売メーカが配布した光ディスクとする。また、更新ファイル99は、ファームウェア106Aの内容を更新するためのファイルである。
光ディスク100が光ディスク装置1にセットされ、且つファームウェア106Aのバージョンアップが操作部5で指示されると(S1)、光ディスク装置1側の制御部4は、テレビ101側の記憶部106に記憶されているファームウェア106Aのバージョン情報の送信をテレビ101に要求する(S2)。この要求は、制御ライン19とHDMIポート20とHDMIケーブル21とを介してテレビ101に入力される。
【0033】
HDMIケーブル21を介して要求があると、テレビ101側の制御部104は、ファームウェア106Aを更新する更新モードを実行する(S101)。ここで、この要求は、HDMIポート120で受信し、制御ライン119を介して制御部104に入力される。
【0034】
次に、制御部104は、ファームウェア106Aのバージョン情報をHDMIポート120から送信する(S102)。ここで、ファームウェア106Aには、バージョン情報が予め(前回のバージョンアップ時等に)記述される。
【0035】
ファームウェア106Aのバージョン情報を受信すると、即ち、要求に対する応答がテレビ101からあると、制御部4は、その応答結果に基づいて、更新ファイル99のバージョンがファームウェア106Aのバージョンより新しいかどうかを判定する(S3)。この判定は、制御部4が更新ファイル99のバージョン情報をPUヘッド2に読取らせ、再生部3を介して取得することにより行われる。ここで、更新ファイル99には、バージョン情報がファイル作成時に記述されている。
【0036】
更新ファイル99のバージョンがファームウェア106Aのバージョンより新しくないと判定すると、制御部4は、本処理を終了する。即ち、制御部4は、ベンダーコマンドをHDMIポート20から送信することを禁止している。S2及びS3を設けた理由は、ファームウェア106Aが古いバージョンに誤って更新されてしまうのを防止するためである。
なお、この実施形態では、S2及びS3を設けているが、実施の際は、本処理からS2及びS3を除いても構わない。
【0037】
一方、図4に示すように、更新ファイル99のバージョンがファームウェア106Aのバージョンより新しいと判定すると、制御部4は、更新ファイル99を光ディスク100から読取って、更新ファイル99の内容を示すベンダーコマンドを、HDMIの規格に基づいて作成する(S4)。S4について詳述すると、HDMIの規格ではCEC(Consumer Electronics Control)という家電装置の制御規格が定められている。CECには、電源や入力切り替えなど制御する各社共通の汎用ベンダーコマンドと、メーカーが独自に定義できるオプションのベンダーコマンドと、がある。そこで、S4において制御部4は、更新ファイル99をPUヘッド2に読取らせて再生部3を介して取得し、更新ファイル99の内容をベンダーコマンドとして作成している。
【0038】
次に、制御部4は、S4で作成したベンダーコマンドをHDMIポート20からテレビ101に送信する(S5)。このベンダーコマンドは、制御ライン19とHDMIポート20とHDMIケーブル21とを介してテレビ101に入力される。S5において制御部4は、S4で作成したベンダーコマンドの送信とともに、テレビ101に記憶されている制御プログラムを、そのベンダーコマンドの内容によってバージョンアップするようHDMIポート20を介してテレビ101に指示する。この指示は、ベンダーコマンド中に記載しても構わない。この結果、テレビ101は、その指示に従って以下の動作を行う。
【0039】
HDMIポート120でベンダーコマンドを受信すると、テレビ101側の制御部104は、記憶部106に記憶されているファームウェア106Aのバージョンアップを開始する(S103)。
【0040】
そして、バージョンアップが完了すると(S104)、制御部104は、バージョンアップが完了した旨をHDMIポート120から光ディスク装置1に通知する(S105)。そして、制御部104は、本処理を終了する。この後、制御部104は、そのバージョンアップ済みのファームウェア106Aに基づいて動作する。
【0041】
また、テレビ101からの通知をHDMIポート20において受け付けると、制御部4は、バージョンアップに関するセッションを閉じて(S6)、本処理を終了する。ここで、制御部4は、テレビ101のバージョンアップが完了するまで、待機している。
【0042】
以上のように、HDMIの規格で定義されるベンダーコマンドを利用することで、読取機構を持たないテレビ101でも、その制御プログラムを簡単にバージョンアップできる。そのため、テレビ101においては、ユーザがテレビ101を購入した後でも、不具合の修正や機能の向上を簡単に行うことができる。
【0043】
なお、この実施形態では、HDMIの規格を採用しているためベンダーコマンドを利用しているが、実施の際は、これらに限定する必要はなく、それぞれのインタフェースに対応するコマンドを利用すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態である情報更新システムの光ディスク装置の主要な構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態である情報更新システムのテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態である情報更新システムにおける、光ディスク装置1とテレビ受像機101における各制御部の動作を示すフローチャート
【図4】更新ファイル99のバージョン情報とファームウェア106Aのバージョン情報との一例を示す図
【符号の説明】
【0045】
1−光ディスク装置
2−ピックアップヘッド
3−再生部
4−制御部
5−操作部
6−記憶部
7−表示部
11−音声処理部
13−画像処理部
19−制御ライン
20−HDMIポート
21−HDMIケーブル
99−更新ファイル
100−光ディスク
101−テレビ
101−テレビ受像機
103−D/A変換部
104−制御部
106A−ファームウェア
106−記憶部
111−スピーカ
113−表示部
119−制御ライン
120−HDMIポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアからデータを読取って外部に出力する再生装置と、
前記データを伝送する双方向型ケーブルを介して前記再生装置と接続され、且つ前記再生装置から出力された前記データを処理して映像を表示する表示装置と、を備えた情報更新システムにおいて、
前記表示装置は、
自装置の各部を制御する動作内容が記述された制御プログラムであって、その内容を更新するための更新ファイルによってバージョンアップする制御プログラムを記憶する記憶手段と、
前記制御プログラムに基づいて動作する制御手段と、を有し、
前記再生装置は、
前記更新ファイルが記録されたメディアがセットされ、且つ前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記記憶手段に記憶されている前記制御プログラムのバージョン情報の送信を前記表示装置に前記送信手段を介して要求する読取作成手段と、
その要求を、前記双方向型ケーブルを介して前記表示装置に送信する送信手段と、を有し、
前記読取作成手段は、その要求に対する応答が前記表示装置からあると、その応答結果に基づいて、前記更新ファイルのバージョンが前記制御プログラムのバージョンより新しいかどうかを判定し、
(1)前記読取作成手段は、前記更新ファイルのバージョンの方が新しい場合、前記更新ファイルを前記メディアから読取って、前記更新ファイルの内容を示すコマンドを、前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成し、そのコマンドを前記表示装置に送信するよう前記送信手段に指示し、
前記表示装置の前記制御手段は、前記コマンドが前記表示装置に送信されると、前記記憶手段に記憶されている前記制御プログラムを、そのコマンドの内容によってバージョンアップし、
(2)前記読取作成手段は、前記制御プログラムのバージョンの方が新しい場合、前記送信手段が前記コマンドを前記表示装置に送信することを禁止する情報更新システム。
【請求項2】
メディアからデータを読取って外部に出力する再生装置と、
前記データを伝送する双方向型ケーブルを介して前記再生装置と接続され、且つ前記再生装置から出力された前記データを処理して映像を表示する表示装置と、を備えた情報更新システムにおいて、
前記表示装置は、
自装置の各部を制御する動作内容が記述された制御プログラムであって、その内容を更新するための更新ファイルによってバージョンアップする制御プログラムを記憶する記憶手段と、
前記制御プログラムに基づいて動作する制御手段と、を有し、
前記再生装置は、
前記更新ファイルが記録されたメディアがセットされ、且つ前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記更新ファイルを前記メディアから読取って、前記更新ファイルの内容を示すコマンドを、前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成する読取作成手段と、
前記読取作成手段によって作成された前記コマンドを、前記双方向型ケーブルを介して前記表示装置に送信する送信手段と、を有し、
前記表示装置の前記制御手段は、前記コマンドが前記表示装置に送信されると、前記記憶手段に記憶されている前記制御プログラムを、そのコマンドの内容によってバージョンアップする情報更新システム。
【請求項3】
前記再生装置の前記読取作成手段は、
前記更新ファイルが記録された前記メディアがセットされ、且つ前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記記憶手段に記憶されている前記制御プログラムのバージョン情報の送信を前記表示装置に前記送信手段を介して要求し、
その要求に対する応答が前記表示装置からあると、その応答結果に基づいて、前記更新ファイルのバージョンが前記制御プログラムのバージョンより新しいかどうかを判定し、
前記制御プログラムのバージョンの方が新しい場合、前記送信手段が前記コマンドを前記表示装置に送信することを禁止する請求項2に記載の情報更新システム。
【請求項4】
前記双方向型ケーブルは、HDMI規格のケーブルであり、
前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成されるコマンドは、ベンダーコマンドである請求項2又は3に記載の情報更新システム。
【請求項5】
メディアからデータを読取って外部に出力する出力手段を備え、前記出力手段から出力された前記データを処理して映像を表示する表示装置と双方向型ケーブルを介して接続される再生装置において、
前記表示装置の各部を制御する動作内容が記述されていて前記表示装置に記憶される制御プログラムの内容を更新するための更新ファイルが記録されたメディアがセットされ、且つ前記更新ファイルによる前記制御プログラムのバージョンアップが指示された時、前記更新ファイルを前記メディアから読取って、前記更新ファイルの内容を示すコマンドを、前記双方向型ケーブルの規格に基づいて作成する読取作成手段と、
前記読取作成手段によって作成された前記コマンドを、前記双方向型ケーブルを介して前記表示装置に送信する送信手段と、を備え、
前記読取作成手段は、前記表示装置に記憶されている前記制御プログラムを、そのコマンドの内容によってバージョンアップするよう前記送信手段を介して前記表示装置に指示する再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−165698(P2008−165698A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−404(P2007−404)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】