説明

情報検索装置、情報検索方法、情報検索プログラム、情報検索システム、情報検索サーバ、および情報検索端末

【課題】文字列を基にした情報検索において、検索処理負荷およびユーザの操作負担を軽減する。
【解決手段】情報検索装置10は、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識部11と、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別部12と、検索語が含まれる情報を検索する情報検索部13と、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成部14と、情報検索の結果および生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成部15と、検索結果を出力する検索結果出力部16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤る可能性の有る不確定な情報認識の認識結果として得られた文字列を基に、情報を検索する情報検索装置、情報検索方法、情報検索プログラム、情報検索システム、情報検索サーバ、および情報検索端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音声認識した認識結果の文字列を基に、インターネット環境(Webページやコンテンツなど)から情報を検索する技術が知られている。
【0003】
一方、現在の音声認識技術は完璧なものではなく、対象を誤認識する場合がある。それを踏まえ、下記の特許文献1には、入力された音声が端末からサーバへ送られ、サーバが音声認識を行い、認識結果で得られた複数の候補文字列を用いて検索処理を実行し、得られた複数の検索結果を端末へ返信し、端末に表示された複数の検索結果からユーザにより正しい検索結果を選択させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−84829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来技術は以下の点で改善の余地があった。即ち、毎回複数の候補文字列を対象として検索処理を実行するため、認識結果第1位の候補文字列が正しい場合でも、必ず複数の検索処理が必要となり、処理量が増大してしまう。また、特許文献1には、ユーザが検索処理の実行前に複数の候補文字列から、検索対象とする1つの文字列(検索ワード)を選択する方法も示されているが、この方法では、認識結果第1位の候補文字列が正しい場合でも必ずユーザの選択操作が必要となり、操作負担の軽減が困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、文字列を基にした情報検索において、検索処理負荷およびユーザの操作負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る情報検索装置は、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、生成された検索結果を出力する検索結果出力手段と、を備える。
【0008】
上記の情報検索装置では、情報認識手段が、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力すると、検索語判別手段が、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する。そして、情報検索手段が、検索語が含まれる情報を検索するとともに、別候補リンク生成手段が、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する。さらに、検索結果生成手段が、情報検索手段による情報検索の結果および別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成し、検索結果出力手段が、生成された検索結果を出力する。
【0009】
このように、情報検索は、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列に対してのみ実行され、他の認識候補文字列については情報検索を行うための検索リンクが生成されて、上記の情報検索の結果および検索リンクを合成した検索結果が出力されるので、第1認識候補文字列が正しい場合に、複数の検索処理を必要とせず処理量の増大を回避できるとともに、ユーザの選択操作を無くし操作負担の軽減を図ることができる。また、第1認識候補文字列が正しくない場合でも、上記の検索リンクによって他の認識候補文字列について簡易な操作で情報検索を行うことができ、ユーザ操作の利便性を向上させることができる。
【0010】
なお、上記の入力情報としては、音声情報、手書き文字情報、静止画像情報、および動画像情報のうち少なくとも1つが含まれる。
【0011】
また、上記の情報検索装置に係る発明は、方法に係る発明およびプログラムに係る発明として捉えることができ、以下のように記述することができる。
【0012】
本発明の一側面に係る情報検索方法は、情報検索装置によって実行される情報検索方法であって、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識ステップと、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別ステップと、検索語が含まれる情報を検索するとともに、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する検索実行ステップと、情報検索の結果および生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成ステップと、生成された検索結果を出力する検索結果出力ステップと、を備える。
【0013】
本発明の一側面に係る情報検索プログラムは、コンピュータを、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、生成された検索結果を出力する検索結果出力手段、として機能させるための情報検索プログラムである。
【0014】
ところで、本発明は、相互に通信可能な情報検索サーバおよび情報検索端末を含んだ情報検索システムに対し適用することができる。具体的に本発明は、情報検索システムに係る発明、情報検索システムにて実行される情報検索方法に係る発明、情報検索サーバに係る発明、情報検索端末に係る発明、および情報検索プログラムに係る発明として、以下のように記述することができ、前述した情報検索装置に係る発明と同様の作用・効果を奏する。
【0015】
即ち、本発明の一側面に係る情報検索システムは、相互に通信可能な情報検索サーバおよび情報検索端末を含んで構成される情報検索システムであって、前記情報検索端末は、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成手段と、生成された検索リクエストを前記情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信手段と、前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信手段と、受信された検索結果を出力する検索結果出力手段と、を備え、前記情報検索サーバは、前記情報検索端末から検索リクエストを受信する検索リクエスト受信手段と、検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の一側面に係る情報検索方法は、相互に通信可能な情報検索サーバおよび情報検索端末を含んで構成される情報検索システム、にて実行される情報検索方法であって、前記情報検索端末が、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識ステップと、前記情報検索端末が、第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成ステップと、前記情報検索端末が、生成された検索リクエストを前記情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信ステップと、前記情報検索サーバが、前記情報検索端末から検索リクエストを受信する検索リクエスト受信ステップと、前記情報検索サーバが、検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別ステップと、前記情報検索サーバが、検索語が含まれる情報を検索するとともに、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する検索実行ステップと、前記情報検索サーバが、情報検索の結果および生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成ステップと、前記情報検索サーバが、生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信ステップと、前記情報検索端末が、前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信ステップと、前記情報検索端末が、受信された検索結果を出力する検索結果出力ステップと、を備える。
【0017】
本発明の一側面に係る情報検索サーバは、情報検索端末における入力情報の認識結果として得られた、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含み、第1認識候補文字列が判別可能な形式とされた検索リクエストを、前記情報検索端末から受信する検索リクエスト受信手段と、検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信手段と、を備える。
【0018】
本発明の一側面に係る情報検索端末は、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成手段と、生成された検索リクエストを情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信手段と、前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信手段と、受信された検索結果を出力する検索結果出力手段と、を備える。
【0019】
なお、上記の検索リクエストは、URLフォーマットで生成されてもよい。その場合、検索リクエスト生成手段は、予め定められたURLフォーマットの文字数上限値および1つ以上の他の認識候補文字列の文字数に基づいて、検索リクエストに含める他の認識候補文字列の数を制御してもよい。また、上記の検索リクエストは、URLフォーマットで生成する以外に、HTTPヘッダやHTTPボディで通知することとしてもよい。
【0020】
上記の情報検索サーバに係る発明は、プログラムに係る発明として捉えることができ、以下のように記述することができる。即ち、本発明の一側面に係る情報検索プログラムは、情報検索サーバが備えるコンピュータを、情報検索端末における入力情報の認識結果として得られた、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含み、第1認識候補文字列が判別可能な形式とされた検索リクエストを、前記情報検索端末から受信する検索リクエスト受信手段と、検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信手段、として機能させるための情報検索プログラムである。
【0021】
上記の情報検索端末に係る発明は、プログラムに係る発明として捉えることができ、以下のように記述することができる。即ち、本発明の一側面に係る情報検索プログラムは、情報検索端末が備えるコンピュータを、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成手段と、生成された検索リクエストを情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信手段と、前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信手段と、受信された検索結果を出力する検索結果出力手段、として機能させるための情報検索プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、文字列を基にした情報検索において、検索処理負荷およびユーザの操作負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る情報検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】情報検索装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図4】処理の流れを説明するための図である。
【図5】第2実施形態に係る情報検索システムの構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る情報検索プログラムの構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る情報検索プログラムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る第1、第2実施形態を順に説明する。第1実施形態は、情報検索装置において本発明を実施する実施形態であり、第2実施形態は、情報検索サーバと情報検索端末を含んだ情報検索システムにおいて本発明を実施する実施形態である。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における情報検索装置10の機能ブロック構成を示す。情報検索装置10としては、携帯型/据置型を問わず、入力情報の認識結果として得られた文字列を基に情報を検索するさまざまな情報処理装置を適用することができる。以下では、音声情報を入力情報として音声認識を行い、認識結果の文字列を基に情報検索を行う例を説明する。
【0026】
図1に示すように、情報検索装置10は、情報認識部11(情報認識手段)、検索語判別部12(検索語判別手段)、情報検索部13(情報検索手段)、別候補リンク生成部14(別候補リンク生成手段)、検索結果生成部15(検索結果生成手段)、および検索結果出力部16(検索結果出力手段)を備える。以下、各部の機能について説明する。
【0027】
情報認識部11は、入力情報(ここでは音声情報)を音声認識し、認識結果において認識の信頼度が最も高い認識候補文字列(以下「第1認識候補文字列」という)および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する。その際、例えば、予め定められた形式で(一例として第1認識候補文字列を先頭にして信頼度が高い順に)認識候補文字列を出力してもよいし、各認識候補文字列とそれぞれの認識の信頼度情報とを対応付けて出力してもよい。
【0028】
検索語判別部12は、上記の第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する。情報検索部13は、いわゆる検索エンジンに相当し、検索語が含まれる情報を検索する。別候補リンク生成部14は、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する。その制御の詳細は後述する。
【0029】
検索結果生成部15は、情報検索部13による情報検索の結果および別候補リンク生成部14により生成された検索リンクを合成することで、検索結果を生成する。検索結果出力部16は、検索結果生成部15により生成された検索結果を出力する。ここでは、検索結果出力部16は、ユーザが視覚的に確認できるように、検索結果を表示する。
【0030】
図2には、情報検索装置10のハードウェア構成の一例を示す。情報検索装置10は、ハードウェア構成として、CPU10Aと、RAM10Bと、ROM10Cと、操作キーや音声入力のためのマイク等から成る入力部10Dと、所定位置に挿入された記憶媒体40に記憶されたデータや後述するプログラム等を読み取る読取部10Eと、外部との通信を行う通信部10Fと、補助記憶部10Gと、検索結果などのさまざまな情報を表示する表示部10Hと、を備える。前述した情報検索装置10の各機能ブロックの機能は、RAM10B等にプログラムやデータ等を読み込ませ、CPU10Aの制御の下でプログラムを実行することで実現される。なお、後述する第2実施形態における情報検索端末20のハードウェア構成および情報検索サーバ30のハードウェア構成も、上記図2のハードウェア構成と実質的に同様である。
【0031】
図3には、情報検索装置10により実行される処理動作を示す。情報検索装置10のユーザが所定の操作を行うことで図3の処理が実行開始され、情報検索したい検索語を音声で発すると、その音声はマイク(図2の入力部10D)から情報検索装置10に入力される。すると、情報認識部11は、入力された音声を音声認識機能で認識し、認識結果において認識の信頼度が最も高い認識候補文字列(第1認識候補文字列)および1つ以上の他の認識候補文字列を検索語判別部12に出力する(図3のステップS1)。
【0032】
次に、検索語判別部12は、以下のようにして、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する(ステップS2)。例えば、情報認識部11が第1認識候補文字列を先頭にして信頼度が高い順に複数の認識候補文字列を出力した場合、検索語判別部12は、その出力形式における先頭の認識候補文字列を第1認識候補文字列と認識し、当該第1認識候補文字列を検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別すればよい。また、情報認識部11が複数の認識候補文字列とそれぞれの認識の信頼度情報とを対応付けて出力した場合、検索語判別部12は、各認識候補文字列の認識の信頼度情報を参照し、信頼度が最も高い認識候補文字列を第1認識候補文字列と認識し、当該第1認識候補文字列を検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別すればよい。なお、判別により得られた検索語は情報検索部13に、別候補語は別候補リンク生成部14に、それぞれ出力される。
【0033】
次に、情報検索部13は検索語が含まれる情報を検索し、それと同時並行で、別候補リンク生成部14は別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する(ステップS3)。ここで、別候補リンク生成部14は、例えば以下のような予め定めた規則に従い、別候補語の文字列に応じて当該別候補語による情報検索の検索リンクを生成しないといった制御を行ってもよい。
【0034】
検索リンクを生成しない規則の第1の例としては、(1)ある別候補語の文字列の「表記」が、検索語および認識の信頼度が当該ある別候補語よりも高い他の別候補語(ここでは「他の別候補語」と称する)のうち何れかと同一である場合に当該ある別候補語の検索リンクを生成しないという規則、(2)ある別候補語の文字列の「読み」が、検索語および他の別候補語のうち何れかと同一である場合に当該ある別候補語の検索リンクを生成しないという規則、(3)上記(1)と(2)の両方の条件が成立する場合に上記ある別候補語の検索リンクを生成しないという規則などが挙げられる。例えば、ある別候補語が「品川いき」、検索語が「品川駅」、他の別候補語が「品川行き」の場合、ある別候補語「品川いき」の読みが他の別候補語「品川行き」と同一であるため、上記(2)の規則によれば、ある別候補語「品川いき」の検索リンクは生成されず、別候補語「品川行き」の検索リンクのみが生成される。
【0035】
また、上記(1)-(3)などの規則が満たされた際に、上記ある別候補語の検索リンクを生成しないと同時に、以下のように上記他の別候補語の検索リンクに上記ある別候補語を追加するように検索リンクの変更を行ってもよい。検索リンクへの上記ある別候補語の追加は、検索リンクを、複数語のor条件での検索を指示するものに変更することで行う。例えば、ある別候補語が「品川いき」、検索語が「品川駅」、他の別候補語が「品川行き」の場合、ある別候補語「品川いき」の検索リンクを生成しないとともに、別候補語「品川行き」の検索リンクを、「品川行き」と「品川いき」のor条件での検索を示すように変更してもよい。
【0036】
検索リンクを生成しない規則の第2の例としては、別候補語が、公序良俗に反する語または未成年向けに表示させるのが不適切な語である場合に、当該別候補語の検索リンクを生成しないという規則などが挙げられる。例えば、第1の別候補語が「ソープランド」で、第2の別候補語が「ポーランド」の場合、第1の別候補語「ソープランド」は未成年向けに表示させるのが不適切な語であるため、この規則によれば、第1の別候補語「ソープランド」の検索リンクは生成されず、第2の別候補語「ポーランド」の検索リンクのみが生成される。
【0037】
なお、別候補語の検索リンクを生成しないという判断は、別候補リンク生成部14が予め定めた規則を参照して行ってもよいし、情報認識部11が予め定めた規則を参照し、生成しないと判断した別候補語に対し所定の識別子(検索リンクを生成しない旨のフラグ)を付すことで、別候補リンク生成部14が認識できるようにしてもよい。また、情報認識部11は、生成しないと判断した別候補語を認識結果から削除してもよい。
【0038】
次に、検索結果生成部15は、情報検索部13による情報検索の結果および別候補リンク生成部14により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成し(ステップS4)、検索結果出力部16は、生成された検索結果を表示する(ステップS5)。
【0039】
ここで、図4を用いて具体例を説明する。図4の(a)に示すように、「品川駅」について情報検索したいユーザが音声で「しながわえき」と発すると、その音声入力が正しく認識され、認識結果として信頼度の高い順に「品川駅」、「品川行き」、「鬼怒川行き」の3つの認識候補文字列が得られたとする。この場合、第1認識候補文字列である「品川駅」は検索語として判別され、他の認識候補文字列(「品川行き」と「鬼怒川行き」)は別候補語として判別される。そして、検索語「品川駅」が含まれる情報が検索実行され、それと同時並行で、別候補語(「品川行き」と「鬼怒川行き」)によって情報検索を行うための検索リンクが生成される。さらに、検索語「品川駅」による検索結果と、別候補語(「品川行き」と「鬼怒川行き」)の検索リンクとが合成されて検索結果が生成され、生成された検索結果が表示される。その結果、例えば図4の(a)の[検索結果画面]に示すように、検索語「品川駅」による検索結果および別候補語の検索リンクに関連づけられたハイパーテキスト(「品川行き」と「鬼怒川行き」)が1つの画面上に表示される。ユーザは、この画面を見て、正しく認識された文字列「品川駅」による検索結果を確認することができる。このように第1認識候補文字列が正しい場合(音声入力が正しく認識された場合)、ユーザには追加的な操作負担が何ら発生することなく、ユーザは所望の検索結果を確認することができる。
【0040】
一方、図4の(b)に示すように、「品川駅」について情報検索したいユーザが音声で「しながわえき」と発すると、その音声入力が誤って認識され、認識結果として信頼度の高い順に「品川行き」、「品川駅」、「鬼怒川行き」の3つの認識候補文字列が得られたとする。この場合、第1認識候補文字列である「品川行き」は検索語として判別され、他の認識候補文字列(「品川駅」と「鬼怒川行き」)は別候補語として判別される。そして、検索語「品川行き」が含まれる情報が検索実行され、それと同時並行で、別候補語(「品川駅」と「鬼怒川行き」)によって情報検索を行うための検索リンクが生成される。さらに、検索語「品川行き」による検索結果と、別候補語(「品川駅」と「鬼怒川行き」)の検索リンクへのハイパーリンクが形成されたハイパーテキストとが合成されて検索結果が生成され、生成された検索結果が表示される。その結果、例えば図4の(b)の[検索結果画面]に示すように、検索語「品川行き」による検索結果および別候補語の検索リンクに関連づけられたハイパーテキスト(「品川駅」と「鬼怒川行き」)が1つの画面上に表示される。ユーザは、この画面を見て、音声入力が誤って「品川行き」と認識されたことを確認できるとともに、情報検索したい「品川駅」のハイパーテキストに対し所定の操作(例えばクリックなど)を行うだけで、所望の文字列「品川駅」による検索を実行し検索結果を確認することができる。このように第1認識候補文字列が正しくない場合(音声入力が誤って認識された場合)でも、ユーザは、画面上に提示された検索リンク(ここでは、画面上に表示されたハイパーテキスト)に対し所定の操作(クリックなど)を行うだけで、所望の文字列による検索を実行し検索結果を確認することができる。
【0041】
以上説明した第1実施形態によれば、情報検索は第1認識候補文字列に対してのみ実行され、他の認識候補文字列については検索リンクが生成されて、上記の情報検索の結果および検索リンクを合成した検索結果が1つの画面上に表示されるので、第1認識候補文字列が正しい場合、複数の検索処理を必要とせず処理量の増大を回避できるとともに、ユーザの選択操作を無くし操作負担の軽減を図ることができる。また、第1認識候補文字列が正しくない場合でも、画面上に提示された検索リンクによって他の認識候補文字列について簡易な操作で情報検索を行うことができ、ユーザ操作の利便性を向上させることができる。
【0042】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態として、情報検索サーバと情報検索端末を含んだ情報検索システムにおいて本発明を実施する実施形態について説明する。
【0043】
図5は、第2実施形態における情報検索システム1の機能ブロック構成を示す。図5に示すように、情報検索システム1は、相互に通信可能な情報検索端末20および情報検索サーバ30を含んで構成される。このうち情報検索端末20は、後述する情報認識部21(情報認識手段)、検索リクエスト生成部22(検索リクエスト生成手段)、検索リクエスト送信部23(検索リクエスト送信手段)、検索結果受信部24(検索結果受信手段)、および検索結果出力部25(検索結果出力手段)を備える。また、情報検索サーバ30は、検索リクエスト受信部31(検索リクエスト受信手段)、検索語判別部32(検索語判別手段)、情報検索部33(情報検索手段)、別候補リンク生成部34(別候補リンク生成手段)、検索結果生成部35(検索結果生成手段)、および検索結果送信部36(検索結果送信手段)を備える。
【0044】
まず、情報検索端末20が備える各部の機能について説明する。情報認識部21は、入力情報に対し認識処理を行う。ここでの入力情報としては、音声情報、手書き文字情報、画像情報、映像情報などのさまざまな情報を適用できるが、以下では、音声情報を入力情報として音声認識を行う例を説明する。また、情報認識部21は、認識結果において認識の信頼度が最も高い認識候補文字列(以下「第1認識候補文字列」という)および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する。その際、例えば、予め定められた形式で(一例として第1認識候補文字列を先頭にして信頼度が高い順に)認識候補文字列を出力してもよいし、各認識候補文字列とそれぞれの認識の信頼度情報とを対応付けて出力してもよい。
【0045】
検索リクエスト生成部22は、情報認識部21から出力された第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を認識し、第1認識候補文字列と他の認識候補文字列とを含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する。その詳細は、後述する処理の説明の中で述べる。
【0046】
検索リクエスト送信部23は、生成された検索リクエストを情報検索サーバ30へ送信する。検索結果受信部24は、検索リクエストに対する応答として情報検索サーバ30から送られてくる検索結果を受信する。検索結果出力部25は、検索結果受信部24により受信された検索結果を出力する。ここでは、検索結果出力部25は、ユーザが視覚的に確認できるように、検索結果を画面上に表示する。
【0047】
次に、情報検索サーバ30が備える各部の機能について説明する。検索リクエスト受信部31は、情報検索端末20から送られてくる検索リクエストを受信する。検索語判別部32は、受信された検索リクエストの形式に基づいて、当該検索リクエストに含まれた複数の認識候補文字列のうち、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する。
【0048】
情報検索部33は、いわゆる検索エンジンに相当し、検索語が含まれる情報を検索する。別候補リンク生成部34は、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する。その制御の詳細は後述する。検索結果生成部35は、情報検索部33による情報検索の結果および別候補リンク生成部34により生成された検索リンクを合成することで、検索結果を生成する。検索結果送信部36は、生成された検索結果を情報検索端末20へ送信する。
【0049】
図6には、情報検索システム1において実行される処理動作を示す。情報検索端末20のユーザが所定の操作を行うことで図6の処理が実行開始され、情報検索したい検索語を音声で発すると、その音声はマイク(図2の入力部10D)から情報検索端末20に入力される。すると、情報認識部21は、入力された音声を音声認識機能で認識し、認識結果において認識の信頼度が最も高い認識候補文字列(第1認識候補文字列)および1つ以上の他の認識候補文字列を検索リクエスト生成部22に出力する(図6のステップS11)。
【0050】
次に、検索リクエスト生成部22は、情報認識部21から出力された第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を認識し、第1認識候補文字列と他の認識候補文字列とを含む検索リクエストを、後述する第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する(ステップS12)。例えば、第1認識候補文字列および他の認識候補文字列が、第1認識候補文字列を先頭にして信頼度が高い順に、情報認識部21から検索リクエスト生成部22へ出力されたとすると、検索リクエスト生成部22は、先頭の認識候補文字列を第1認識候補文字列として認識し、2番目以降の認識候補文字列を他の認識候補文字列として認識すればよい。
【0051】
上記の第1認識候補文字列が判別可能な形式としては、一例として、以下のようなURLフォーマットを採用することができる。例えば、「品川駅」について情報検索したいユーザが音声で「しながわえき」と発し、その音声認識の結果、信頼度が高い順に「品川駅」、「品川行き」、「鬼怒川行き」、「鬼怒川駅」、「紀ノ川行き」の5つの認識候補文字列が得られたとすると、検索リクエスト生成部22は、「http://○○○/△△.cgi&key=品川駅&other=品川行き&鬼怒川行き&鬼怒川駅&紀ノ川行き」といったURLフォーマットの検索リクエストを生成してもよい。ここでは、「key=」の後に第1認識候補文字列の「品川駅」を記載することで、第1認識候補文字列を判別可能としている。また、「other=」の後に他の認識候補文字列を、信頼度が高い順に記載している。なお、上記の例はほんの一例であって、実際には日本語の文字列はアルファベット文字列に置換される場合がある。
【0052】
ただし、上記のようなURLフォーマットの検索リクエストでは、一度に送信可能な文字数について、予め定められた上限値が存在する場合がある。かかる場合、検索リクエスト生成部22は、文字数上限値に収まるよう検索リクエストに含める他の認識候補文字列の数を動的に制御することが望ましい。例えば、信頼度が高い順に第N位(Nは2以上の整数)の認識候補文字列までならば、文字数上限値に収まるが、第(N+1)位の認識候補文字列を含めると文字数上限値を超える場合、第(N+1)位以降の認識候補文字列を割愛し、第N位の認識候補文字列までを検索リクエストに含めてもよい。
【0053】
このとき、もし第(N+2)位以降の認識候補文字列の中に、少ない文字数の認識候補文字列が存在し、当該少ない文字数の認識候補文字列を第N位の認識候補文字列の後に含めても文字数上限値以下に収まる場合には、当該少ない文字数の認識候補文字列を第N位の認識候補文字列の後に含めても良い。
【0054】
例えば、音声認識の結果、信頼度が高い順に「品川駅」、「品川行き」、「鬼怒川行き」、「鬼怒川駅」、「紀ノ川行き」の5つの認識候補文字列が得られたケースで、総文字数を文字数上限値以下に収めるために信頼度の高い方から第3位の認識候補文字列(「鬼怒川行き」)まで検索リクエストに含める場合、検索リクエスト生成部22は、「http://○○○/△△.cgi&key=品川駅&other=品川行き&鬼怒川行き」といったURLフォーマットの検索リクエストを生成すればよい。なお、ここでは、検索リクエストをURLフォーマットで生成する例を説明するが、検索リクエストはHTTPヘッダやHTTPボディで通知することとしてもよい。
【0055】
次に、検索リクエスト送信部23は、上記のようにして生成された検索リクエストを情報検索サーバ30へ送信する(ステップS13)。
【0056】
そして、情報検索サーバ30では、検索リクエスト受信部31が、情報検索端末20から送られてきた検索リクエストを受信し(ステップS14)、検索語判別部32が、受信された検索リクエストの形式に基づいて、以下に述べるように、当該検索リクエストに含まれた複数の認識候補文字列のうち、第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する(ステップS15)。なお、判別により得られた検索語は情報検索部33に、別候補語は別候補リンク生成部34に、それぞれ出力される。
【0057】
上述した第3位の認識候補文字列まで検索リクエストに含める例で説明すると、検索語判別部32は、上記URLフォーマットの検索リクエスト「http://○○○/△△.cgi&key=品川駅&other=品川行き&鬼怒川行き」を読み取り、「key=」の後の第1認識候補文字列「品川駅」を検索語として判別するとともに、「other=」の後の他の認識候補文字列「品川行き」、「鬼怒川行き」を別候補語として判別する。そして、検索語「品川駅」は情報検索部33に、別候補語「品川行き」、「鬼怒川行き」は別候補リンク生成部34に、それぞれ出力される。
【0058】
次に、情報検索部33は検索語が含まれる情報を検索し、それと同時並行で、別候補リンク生成部34は別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する(ステップS16)。上記の例では、情報検索部33は検索語「品川駅」が含まれる情報を検索し、別候補リンク生成部34は別候補語「品川行き」、「鬼怒川行き」のそれぞれによって情報検索を行うための検索リンク(一例として以下のようなURLフォーマットの検索リンク)を生成する。
「http://○○○/△△.cgi&key=品川行き」
「http://○○○/△△.cgi&key=鬼怒川行き」
【0059】
ここで、別候補リンク生成部34は、例えば以下のような予め定めた規則に従い、別候補語の文字列に応じて当該別候補語による情報検索の検索リンクを生成しないといった制御を行ってもよい。
【0060】
検索リンクを生成しない規則の第1の例としては、(1)ある別候補語の文字列の「表記」が、検索語および認識の信頼度が当該ある別候補語よりも高い他の別候補語(ここでは「他の別候補語」と称する)のうち何れかと同一である場合に当該ある別候補語の検索リンクを生成しないという規則、(2)ある別候補語の文字列の「読み」が、検索語および他の別候補語のうち何れかと同一である場合に当該ある別候補語の検索リンクを生成しないという規則、(3)上記(1)と(2)の両方の条件が成立する場合に上記ある別候補語の検索リンクを生成しないという規則などが挙げられる。例えば、検索リクエストが「http://○○○/△△.cgi&key=品川駅&other=品川行き&品川いき」である場合、ある別候補語「品川いき」の読みが他の別候補語「品川行き」と同一であるため、上記(2)の規則によれば、ある別候補語「品川いき」の検索リンクは生成されず、別候補語「品川行き」の検索リンクのみが生成される。
【0061】
また、上記(1)-(3)などの規則が満たされた際に、上記ある別候補語の検索リンクを生成しないと同時に、以下のように上記他の別候補語の検索リンクに上記ある別候補語を追加するように検索リンクの変更を行ってもよい。検索リンクへの上記ある別候補語の追加は、検索リンクを、複数語のor条件での検索を指示するものに変更することで行う。例えば、ある別候補語が「品川いき」、検索語が「品川駅」、他の別候補語が「品川行き」の場合、ある別候補語「品川いき」の検索リンクを生成しないとともに、別候補語「品川行き」の検索リンクを、「品川行き」と「品川いき」のor条件での検索を示すように変更してもよい。
【0062】
検索リンクを生成しない規則の第2の例としては、別候補語が、公序良俗に反する語または未成年向けに表示させるのが不適切な語である場合に、当該別候補語の検索リンクを生成しないという規則などが挙げられる。例えば、検索リクエストが「http://○○○/△△.cgi&key=オークランド&other=ソープランド&ポーランド」である場合、第1の別候補語「ソープランド」は未成年向けに表示させるのが不適切な語であるため、この規則によれば、第1の別候補語「ソープランド」の検索リンクは生成されず、第2の別候補語「ポーランド」の検索リンクのみが生成される。
【0063】
なお、別候補語の検索リンクを生成しないという判断は、別候補リンク生成部34が予め定めた規則を参照して行ってもよいし、情報認識部21または検索リクエスト生成部22が予め定めた規則を参照し、生成しないと判断した別候補語に対し所定の識別子(検索リンクを生成しない旨のフラグ)を付すことで、別候補リンク生成部34が認識できるようにしてもよい。別の例として、情報認識部21が、生成しないと判断した別候補語を認識結果から削除してもよいし、検索リクエスト生成部22が、生成しないと判断した別候補語を検索リクエストから削除してもよい。
【0064】
そして、検索結果生成部35は、情報検索部33による情報検索の結果および別候補リンク生成部34により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成し(ステップS17)、検索結果送信部36は、生成された検索結果を情報検索端末20へ送信する(ステップS18)。例えば、ステップS17で検索結果生成部35は、別候補語「品川行き」の検索リンクに関連づけられたハイパーテキスト「品川行き」と、別候補語「鬼怒川行き」の検索リンクに関連づけられたハイパーテキスト「鬼怒川行き」とを、検索語「品川駅」によるWEB検索結果の表示画面を表すHTML文字列に対し挿入する。これにより、図4の(a)の[検索結果画面]に示すような検索語「品川駅」によるWEB検索結果およびハイパーテキスト「品川行き」、「鬼怒川行き」の表示画面、を表す1つのHTML文字列が検索結果として生成され、情報検索端末20へ送信される。
【0065】
そして、情報検索端末20では、検索結果受信部24が、検索リクエストに対する応答として情報検索サーバ30から送られてくる検索結果を受信し(ステップS19)、検索結果出力部25が、受信された検索結果を表示する(ステップS20)。上記例では、検索結果出力部25は、受信された検索結果(1つのHTML文字列)をWEB画面として表示する。これにより、図4の(a)の[検索結果画面]に示す検索語「品川駅」によるWEB検索結果およびハイパーテキスト「品川行き」、「鬼怒川行き」の表示画面が表示される。ユーザは、この画面を見て、正しく認識された文字列「品川駅」による検索結果を確認することができる。このように第1認識候補文字列が正しい場合(音声入力が正しく認識された場合)、ユーザには追加的な操作負担が何ら発生することなく、ユーザは所望の検索結果を確認することができる。
【0066】
一方、図4の(b)に示すように、「品川駅」について情報検索したいユーザが音声で「しながわえき」と発し、その音声入力が誤って認識され、第1認識候補文字列が「品川行き」となり、他の認識候補文字列として「品川駅」と「鬼怒川行き」が得られた場合には、上述した図6の処理により、図4の(b)の[検索結果画面]に示すように、検索語「品川行き」による検索結果および別候補語(「品川駅」と「鬼怒川行き」)のハイパーテキストが1つの画面上に表示される。ユーザは、この画面を見て、音声入力が誤って「品川行き」と認識されたことを確認できるとともに、情報検索したい「品川駅」のハイパーテキストに対し所定の操作(例えばクリックなど)を行うだけで、所望の文字列「品川駅」による検索を実行し検索結果を確認することができる。このように第1認識候補文字列が正しくない場合(音声入力が誤って認識された場合)でも、ユーザは、画面上に表示されたハイパーテキストに対し所定の操作(クリックなど)を行うだけで、所望の文字列による検索を実行し検索結果を確認することができる。
【0067】
以上説明した第2実施形態(情報検索サーバと情報検索端末を含んだ情報検索システムにおける実施形態)であっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。即ち、情報検索は第1認識候補文字列に対してのみ実行され、他の認識候補文字列については検索リンクが生成されて、上記の情報検索の結果および検索リンクを合成した検索結果が1つの画面上に表示されるので、第1認識候補文字列が正しい場合、複数の検索処理を必要とせず処理量の増大を回避できるとともに、ユーザの選択操作を無くし操作負担の軽減を図ることができる。また、第1認識候補文字列が正しくない場合でも、提示された検索リンク(例えば、検索リンクに関連付けられた画面上のハイパーテキスト)によって他の認識候補文字列について簡易な操作で情報検索を行うことができ、ユーザ操作の利便性を向上させることができる。
【0068】
(情報検索プログラムについて)
第1実施形態で述べた情報検索装置10に係る発明は、コンピュータを情報検索装置として機能させるための情報検索プログラムに係る発明として捉えることができる。図7は、コンピュータを図1の情報検索装置10として機能させるための情報検索プログラムP10のモジュールを示すブロック図である。図7の情報検索プログラムP10は、情報認識モジュールP11と、検索語判別モジュールP12と、情報検索モジュールP13と、別候補リンク生成モジュールP14と、検索結果生成モジュールP15と、検索結果出力モジュールP16とを備えている。各モジュールP11〜P16が実行されることにより実現される機能は、図1の各部11〜16の機能とそれぞれ同様である。
【0069】
第2実施形態で述べた情報検索端末20に係る発明は、コンピュータを情報検索端末として機能させるための情報検索プログラムに係る発明として捉えることができる。図8の(a)は、コンピュータを図5の情報検索端末20として機能させるための情報検索プログラムP20のモジュールを示すブロック図である。図8の(a)の情報検索プログラムP20は、情報認識モジュールP21と、検索リクエスト生成モジュールP22と、検索リクエスト送信モジュールP23と、検索結果受信モジュールP24と、検索結果出力モジュールP25とを備えている。各モジュールP21〜P25が実行されることにより実現される機能は、図5の情報検索端末20が備える各部21〜25の機能とそれぞれ同様である。
【0070】
また、第2実施形態で述べた情報検索サーバ30に係る発明も、コンピュータを情報検索サーバとして機能させるための情報検索プログラムに係る発明として捉えることができる。図8の(b)は、コンピュータを図5の情報検索サーバ30として機能させるための情報検索プログラムP30のモジュールを示すブロック図である。図8の(b)の情報検索プログラムP30は、検索リクエスト受信モジュールP31と、検索語判別モジュールP32と、情報検索モジュールP33と、別候補リンク生成モジュールP34と、検索結果生成モジュールP35と、検索結果送信モジュールP36とを備えている。各モジュールP31〜P36が実行されることにより実現される機能は、図5の情報検索サーバ30が備える各部31〜36の機能とそれぞれ同様である。
【0071】
なお、上述した情報検索プログラムP10、P20、P30は、例えば、図2に示す記憶媒体40に格納されて、それぞれ情報検索装置10、情報検索端末20、情報検索サーバ30に提供される。記憶媒体40としては、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等の記憶媒体が例示される。また、情報検索プログラムP10、P20、P30は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として、有線ネットワーク又は無線ネットワークを介して提供されるものであってもよい。
【0072】
なお、第1、第2実施形態では、音声情報を入力情報として音声認識を行い、認識結果の文字列を基に情報検索を行う例を説明したが、入力情報(認識される対象)は音声情報に限定されるものではなく、手書き文字情報(ペンや指先で文字を書いた筆跡情報)、文字列またはオブジェクトをカメラで撮像して得られた静止画像情報および動画像情報などのさまざまな情報を適用できる。即ち、情報認識部は、音声認識のほか、手書き文字情報を基に文字列を出力する手書き文字認識や、静止画像情報又は動画像情報を基に文字列を出力する画像認識を行ってもよい。
【0073】
また、第1、第2実施形態における情報認識部の認識処理は、別の認識サーバで行っても良い。この場合、情報認識部は、入力情報または入力情報の加工情報を認識サーバへ送信し、認識サーバにて認識した結果を受信し、出力する。例えば音声認識の場合には、入力情報とは音声信号が該当し、入力情報の加工情報とは音声特徴量データや圧縮データ等が該当する。
【0074】
また、第1、第2実施形態では、別候補語の表示について、複数のハイパーテキストを列挙する例を示したが、これ以外の手法(例えば、プルダウンメニュー形式による表示)を採用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…情報検索システム、10…情報検索装置、10A…CPU、10B…RAM、10C…ROM、10D…入力部、10E…読取部、10F…通信部、10G…補助記憶部、10H…表示部、11…情報認識部、12…検索語判別部、13…情報検索部、14…別候補リンク生成部、15…検索結果生成部、16…検索結果出力部、20…情報検索端末、21…情報認識部、22…検索リクエスト生成部、23…検索リクエスト送信部、24…検索結果受信部、25…検索結果出力部、30…情報検索サーバ、31…検索リクエスト受信部、32…検索語判別部、33…情報検索部、34…別候補リンク生成部、35…検索結果生成部、36…検索結果送信部、40…記憶媒体、P10…情報検索プログラム、P11…情報認識モジュール、P12…検索語判別モジュール、P13…情報検索モジュール、P14…別候補リンク生成モジュール、P15…検索結果生成モジュール、P16…検索結果出力モジュール、P20…情報検索プログラム、P21…情報認識モジュール、P22…検索リクエスト生成モジュール、P23…検索リクエスト送信モジュール、P24…検索結果受信モジュール、P25…検索結果出力モジュール、P30…情報検索プログラム、P31…検索リクエスト受信モジュール、P32…検索語判別モジュール、P33…情報検索モジュール、P34…別候補リンク生成モジュール、P35…検索結果生成モジュール、P36…検索結果送信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、
第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、
検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、
別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、
前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、
生成された検索結果を出力する検索結果出力手段と、
を備える情報検索装置。
【請求項2】
前記入力情報は、音声情報、手書き文字情報、静止画像情報、および動画像情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
情報検索装置によって実行される情報検索方法であって、
入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識ステップと、
第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別ステップと、
検索語が含まれる情報を検索するとともに、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する検索実行ステップと、
情報検索の結果および生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成ステップと、
生成された検索結果を出力する検索結果出力ステップと、
を備える情報検索方法。
【請求項4】
コンピュータを、
入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、
第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、
検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、
別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、
前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、
生成された検索結果を出力する検索結果出力手段、
として機能させるための情報検索プログラム。
【請求項5】
相互に通信可能な情報検索サーバおよび情報検索端末を含んで構成される情報検索システムであって、
前記情報検索端末は、
入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、
第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成手段と、
生成された検索リクエストを前記情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信手段と、
前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信手段と、
受信された検索結果を出力する検索結果出力手段と、
を備え、
前記情報検索サーバは、
前記情報検索端末から検索リクエストを受信する検索リクエスト受信手段と、
検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、
検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、
別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、
前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、
生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報検索システム。
【請求項6】
相互に通信可能な情報検索サーバおよび情報検索端末を含んで構成される情報検索システム、にて実行される情報検索方法であって、
前記情報検索端末が、入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識ステップと、
前記情報検索端末が、第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成ステップと、
前記情報検索端末が、生成された検索リクエストを前記情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信ステップと、
前記情報検索サーバが、前記情報検索端末から検索リクエストを受信する検索リクエスト受信ステップと、
前記情報検索サーバが、検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別ステップと、
前記情報検索サーバが、検索語が含まれる情報を検索するとともに、別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する検索実行ステップと、
前記情報検索サーバが、情報検索の結果および生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成ステップと、
前記情報検索サーバが、生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信ステップと、
前記情報検索端末が、前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信ステップと、
前記情報検索端末が、受信された検索結果を出力する検索結果出力ステップと、
を備える情報検索方法。
【請求項7】
情報検索端末における入力情報の認識結果として得られた、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含み、第1認識候補文字列が判別可能な形式とされた検索リクエストを、前記情報検索端末から受信する検索リクエスト受信手段と、
検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、
検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、
別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、
前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、
生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信手段と、
を備える情報検索サーバ。
【請求項8】
入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、
第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成手段と、
生成された検索リクエストを情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信手段と、
前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信手段と、
受信された検索結果を出力する検索結果出力手段と、
を備える情報検索端末。
【請求項9】
前記検索リクエストは、URLフォーマットで生成されることを特徴とする請求項8に記載の情報検索端末。
【請求項10】
前記検索リクエスト生成手段は、予め定められたURLフォーマットの文字数上限値および1つ以上の他の認識候補文字列の文字数に基づいて、検索リクエストに含める他の認識候補文字列の数を制御することを特徴とする請求項9に記載の情報検索端末。
【請求項11】
情報検索サーバが備えるコンピュータを、
情報検索端末における入力情報の認識結果として得られた、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含み、第1認識候補文字列が判別可能な形式とされた検索リクエストを、前記情報検索端末から受信する検索リクエスト受信手段と、
検索リクエストの形式に基づいて、検索リクエストに含まれる第1認識候補文字列を情報検索対象の検索語として判別し、検索リクエストに含まれる他の認識候補文字列を別候補語として判別する検索語判別手段と、
検索語が含まれる情報を検索する情報検索手段と、
別候補語によって情報検索を行うための検索リンクの生成を制御する別候補リンク生成手段と、
前記情報検索手段による情報検索の結果および前記別候補リンク生成手段により生成された検索リンクを合成することで検索結果を生成する検索結果生成手段と、
生成された検索結果を前記情報検索端末へ送信する検索結果送信手段、
として機能させるための情報検索プログラム。
【請求項12】
情報検索端末が備えるコンピュータを、
入力情報を認識し、認識の信頼度が最も高い第1認識候補文字列および1つ以上の他の認識候補文字列を出力する情報認識手段と、
第1認識候補文字列および他の認識候補文字列を含む検索リクエストを、第1認識候補文字列が判別可能な形式で生成する検索リクエスト生成手段と、
生成された検索リクエストを情報検索サーバへ送信する検索リクエスト送信手段と、
前記情報検索サーバから検索結果を受信する検索結果受信手段と、
受信された検索結果を出力する検索結果出力手段、
として機能させるための情報検索プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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