説明

情報端末、送信端末およびサーバ

【課題】個人情報交換の標準データフォーマットに定義されていない属性の情報や、様々な地域や国に特有な表記などを、画面を複雑にすることなく、柔軟に表示および制御する方法を提供する。
【解決手段】被開示者の情報端末では表示属性をあらかじめ指定し、次に開示者が個人情報に表示属性を関連づけて被開示者の情報端末に送り、被開示者の情報端末では開示者から送られた個人情報のうちであらかじめ指定した表示属性に関連づけられた個人情報を限定的に表示装置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、情報端末間で送受信する情報の、複数の言語での情報処理方法、表示方法、制御方法およびデータベースに関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報を管理する際には、住所録や電話帳などのような、個人情報管理用のデータベースが使われる。このようなデータベースの内容は、多くの場合、他者に連絡をとるための手段(コンタクト情報)に関する情報の集合であるため、通常お互いに、このようなデータベース上にある情報をデータベースの所有者と他者との間で交換する必要がある。このようなコンタクト情報の交換の手段としては、対面や電話などにおける口頭での伝達、名刺など紙媒体の交換、あるいは電子メールなどによるインターネットを通じた情報交換などがある。
【0003】
コンタクト情報を、インターネットを通じて交換する場合、主として受領者側が受け取った情報をデータベース化した上で活用することを目的として、電子メールのような自由フォーマットではなく、何らかの標準データフォーマットを用いることが望まれてきた。このため、たとえばIMC(InternetMailConsortium)によって標準化されたvCardのような標準フォーマットが広く使われている。vCardでは、名前、住所、各種電話番号、電子メールアドレス、インターネットのURL(UniversalResourceLocator)などの基本的な個人情報だけでなく、写真、ロゴ、音声データ、公開鍵などをやりとりするためのデータフォーマットが標準化されている。このような標準データフォーマットは、各種の電子メールクライアント、コンピュータテレフォニーの住所録、スケジュール管理のグループウェアなどで、コンタクト情報交換のインフラとして広く活用されてきた。たとえば、vCardフォーマットで個人情報をやりとりする代表的なアプリケーションソフトウェアとしては、Microsoft社製のOutlook(登録商標)や、IBM社製のLotus(登録商標)Organizerなどがある。
【0004】
たとえば、非特許文献1に記載のvCardの仕様によれば、vCardで交換できる電話番号の属性として、優先番号(PREF)、会社(WORK)、自宅(HOME)、音声(VOICE)、ファクス(FAX)、メッセージサービス(MSG)、携帯電話(CELL)、ページャー(PAGER)、掲示板(BBS)、モデム(MODEM)、自動車電話(CAR)、ISDN(ISDN)およびテレビ電話(VIDEO)の13個が定義されている。これを使い、vCardの仕様に従ってたとえば「TEL;PREF;WORK;CELL:03−3456−7890」と表記することで、この電話番号が会社の携帯電話番号であり、かつ他の番号よりも優先的に使う番号であることを、通信先のコンピュータのアプリケーションソフトウェアが自動的に認識できる。
【0005】
【非特許文献1】Electronic Business Card Version 2.1, Versit Consortium Specification, Sept18, (1996)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、vCardに代表される、個人情報交換用標準データフォーマットによる個人情報交換には次の二つの問題があった。
【0007】
第一の問題は、個人情報交換用標準データフォーマットに定義されていない属性をやりとりすることができない点である。たとえばvCardを用いて電話番号をやりとりする場合、vCardバージョン1.21では、上記の13の属性しか定義されていないため、たとえば現在インターネットの無料電話として広く使われているSkype(登録商標)の連絡先であるSkype(登録商標)名を送っても、それがどのような属性の電話番号かを、コンタクト情報受領側のアプリケーションソフトウェアは認識できない。同様に、名前や住所の表記において日本では広く使われている振り仮名の属性がvCardバージョン1.21では定義されていないため、vCardを用いた振り仮名の交換はできない。このため一部で、地域ごとの言語表記に合わせたvCardの派生仕様の策定、全世界の地域の多様な表記を統一的に扱う標準フォーマットの実現は容易ではなく、現在も存在しない。
【0008】
第二の問題は、たとえ個人情報交換用標準データフォーマットに定義されている属性の個人情報を交換する場合であっても、個人情報交換用標準データフォーマットで入手したデータを利用するアプリケーションソフトウェアにおいて、これを簡潔に、利用しやすい方法でグラフィカル・ユーザ・インタフェイス(GUI)表示する方法がない点である。たとえば、図1には、現在のアプリケーションソフトウェアにおける表示方法の一例を示している。図1は世界で最も普及している電子メールクライアントである、Microsoft社製のOutlook(登録商標)の連絡先表示画面の一例であり、ここでは他者である「鈴木一郎」が、この情報端末の利用者に開示した「鈴木一郎」の連絡先などの個人情報が表示されている。個人情報の開示者が、この情報端末の利用者に対して、どの情報を開示するかは任意であるため、現実の住所録表示にあっては、図1のように多くのフィールドが空欄であるような、複雑な画面表示となる。このため、表示されたコンタクト情報利用の際の利便性を著しくそこなうという問題がある。さらに、Outlook(登録商標)がそうであるように、異なる地域や国の間でお互いに同一の住所録アプリケーションソフトウェアを利用しようとすれば、名前や住所表記の方法、郵便番号表記、国際通話におけるヘッダー番号、異なる通信手段など、アプリケーションあらかじめ定義されたフィールドでは表現できない情報が生じる。たとえば、漢字および国内独自文字を併用する韓国、日本などでは、漢字、国内独自文字およびローマ字表記の3つを併記するという要求が強いが、図1に示すようなアプリケーションソフトウェアの表示画面では不可能である。またインドのように国内に数百の異なる言語をもち、同じ地域内でも少なくとも3〜4の異なる言語表記が併用されている場合にも、同様の問題が生じる。このような多言語対応の住所録アプリケーションソフトウェアを作ろうとすると、様々な言語の表記に対応するGUI画面は、フィールド数が増加しさらに表示画面が複雑になる。利用者が表示するフィールドを選択肢、表示画面をカスタマイズする機能があれば、表示画面の複雑さは軽減されるが、個人情報を交換する相手すべてが同じ言語で同じ表記をするとは限らず、表示画面をカスタマイズしてGUI画面を簡略化すると、今度は逆に必要な属性の情報が表示されないという事態がおこる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の一実施形態によると、情報およびその情報に関連づけられた属性情報とからなる情報セットを複数有する認識票を受信し、前記受信した認識票およびその有する前記複数の情報セットを蓄積し、前記蓄積された認識票の有する複数の情報のなかから、ユーザが選択した属性情報を元に、この属性情報に関連づけられた情報を表示することを特徴とする情報端末が提供される。
【0010】
本願発明の一実施形態によると、個人情報およびその個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報とからなる個人情報セットを複数有する認識票を受信し、前記受信した認識票およびその有する前記複数の情報セットを蓄積し、前記蓄積された認識票の有する複数の個人情報のなかから、ユーザが選択した属性情報を元に、この属性情報に関連づけられた個人情報を表示することを特徴とする情報端末が提供される。
【0011】
本願発明の一実施形態によると、さらに、前記ユーザが選択した属性情報を保存する手段を有し、前記表示は、前記保存された属性情報を元に行われることを特徴とする情報端末が提供される。
【0012】
本願発明の一実施形態によると、個人情報およびその個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報とからなる個人情報セットを複数有する認識票を受信し、前記受信した認識票およびその有する前記複数の個人情報セットを蓄積し、前記蓄積された認識票の有する複数の個人情報のなかから、ユーザが属性情報に付した優先順位を元に、前記受信した複数の情報セット中の属性情報のなかで最も高い前記優先順位を付された属性情報に関連づけられた個人情報を表示することを特徴とする情報端末が提供される。
【0013】
本願発明の一実施形態によると、さらに、前記ユーザが属性情報に付した優先順位を保存する手段を有し、前記表示は、前記保存された優先順位を元に行われることを特徴とする情報端末が提供される。
【0014】
本願発明の一実施形態によると、前記受信した認識票に、前記ユーザによって入力された入力個人情報とその入力個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される特定属性情報とからなる特定情報セットを付加し、前記特定情報セットが付加された前記認識票を蓄積することを特徴とする情報端末が提供される。
【0015】
本願発明の一実施形態によると、個人情報を準備し、前記個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報を前記個人情報に付加することによって個人情報セットを作成し、前記個人情報セットを複数集合して、さらに前記個人情報セットの集合が付随する認識票を作成し、前記認識票および前記個人情報セットの集合を送付することを特徴とする送信端末が提供される。
【0016】
本願発明の一実施形態によると、個人情報を準備し、前記個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報を前記個人情報に付加することによって個人情報セットを作成し、前記個人情報セットを複数集合して、さらに前記個人情報セットの集合が付随する認識票を作成し、前記認識票および前記個人情報セットの集合を送付することを特徴とするサーバが提供される。
【0017】
本願発明の一実施形態によると、個人情報を準備し、前記個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報を前記個人情報に付加することによって個人情報セットを作成し、前記個人情報セットを複数集合して、さらに前記個人情報セットの集合が付随する認識票を作成し、複数の前記個人情報セット中の各々の前記属性情報に優先順位を付加し、前記認識票および前記個人情報セットの集合を送付することを特徴とする送信端末バが提供される。
【0018】
本願発明の一実施形態によると、前記属性情報は言語表示情報を含み、さらに前記言語表示情報に基づいて、前記属性情報の少なくとも一部を表示することを特徴とする情報端末が提供される。
【0019】
本願発明の一実施形態によると、ユーザが選択した前記言語表示情報をもとに前記情報を表示することを特徴とする情報端末が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、情報端末同士の個人情報を交換において、個人情報交換の標準データフォーマットに定義されていない属性の情報や、様々な地域や国に特有の表記などを、画面を複雑にすることなく、柔軟に表示および制御することができる方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明を実施するための現在考えられる最善の形態について説明する。本発明の範囲は、添付特許請求の範囲によって明確に定義されているため、この説明は限定的な意味に解釈すべきではなく、単に発明の一般原理を例示する目的で行う。
【0022】
本発明は、ネットワークに接続された様々な情報端末の間での個人情報の交換に利用できる。ここで使われる情報端末は、パーソナル・コンピュータ、携帯型情報端末、有線電話機、携帯電話機、テレビ、ビデオレコーダ、カメラ、ビデオカメラ、携帯型音楽プレーヤーなど何でもよい。また個人情報の開示者の情報端末の種類と、個人情報の被開示者の情報端末が同じ種類の情報端末である必要はない。たとえば、本発明による方法で、携帯電話機から開示した情報をパーソナル・コンピュータで受領し、その表示装置に表示してもよい。また、本発明による方法は、サーバと情報端末の間での個人情報の授受にも利用できる。また本発明による方法において授受される情報は、個人情報に限定されず、文書、静止画、動画、URL(Universal Resource Locater)、秘密鍵、公開鍵など、あらゆる情報であってよい。以下では簡単のために、情報端末間の個人情報の交換を例にとって説明するが、本発明の応用範囲はこれに限定されるものではない。
【0023】
図2を参照すると、いま利用者Aの情報端末21の記憶装置23には、「鈴木一郎」、「スズキイチロウ」、「すずきいちろう」、「Ichiro Suzuki」、および


という、同一人物の5種類の表示属性を持つ名前が記憶されている。また、すべての名前情報には、vCardのように、表示属性が関連づけられて記憶されている。たとえば、


というハングル表記25には、韓国という国名を表す「KOREA」26、およびハングル文字表記であることを表す


という表示属性が各々関連づけられている。本願発明においては、図2の一例における5種類の名前のように開示対象となる情報が情報または個人情報である。また各々の情報または個人情報と、その属性を表す属性情報との組を情報セットまたは個人情報セットと言う。特に、表示属性とは、名前を表示する際の国名、言語や表記方法などの総称である。図2で記憶装置23は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、DVDディスク、フラッシュメモリなどの所謂外部記憶装置でも、あるいは情報端末の主記憶として使われる一時的な記憶装置でもよい。また以下実施形態1、2、3および4の説明では、開示対象となる情報として利用者Aの名前を例として説明しているが、開示対象となる情報は、住所、各種電話番号、電子メールアドレス、インターネットのURL(UniversalResourceLocator)、写真、ロゴ、音声データ、公開鍵や秘密鍵など、あらゆる種類の情報であってよい。また、以下実施形態1、2、3および4の説明では表示属性を用いて説明しているが、表示属性は、本願発明における属性情報の一例であって、開示対象となる情報または個人情報に関連づけられる情報は表示属性に限定されず、たとえば開示対象となる情報のあらゆる属性、たとえば名前、種類、内容のダイジェスト、注釈などであってよい。
【0024】
(実施形態1)
図2に示した利用者Bの情報端末22の構成要素を、ブロック図で図3に示す。また、以下の説明をフローチャートとして図4に示す。図3を参照して、本実施形態1における第一のステップでは、Aから様々な言語や表記の名前がBに開示され、Bの端末22に送られる以前に、図3の外部記憶装置24に、他者から将来開示される名前情報を表示する可能性のある表示属性のリストを登録しておく(ステップS401)。たとえば、本発明を用いた住所録などの個人情報を管理するアプリケーションソフトウェア112で利用される可能性のあるすべての国の名前、言語名、および各々の言語における各種表記方法の名前、などの表示属性を、外部記憶装置24に登録しておくことが、その一例である。
【0025】
次に第二のステップでは、主記憶装置104に読み込まれたオペレーティングシステム111の上で作動する、本発明を用いた住所録などの個人情報を管理するアプリケーションソフトウェア112の指示に従い、マイクロプロセサ102が処理をおこない、その結果、表示制御装置を通じてグラフィカル・ユーザ・インタフェイス(以下GUIと称する)121が、表示装置107上に表示される。本発明の方法によれば、このGUI上に、名前の表示および入力のための窓122と、表示属性選択用窓123を有する。これらの窓は一つでも複数でもよい。利用者Bはキーボード105またはマウス106などの入力装置を使って表示属性選択用窓123を操作することで、将来Aを含む他者から開示される名前の情報を、名前の表示および入力のための窓122上に、どの表記属性で表示させるかを、第一のステップで外部記憶装置24に登録した表示属性のリストの中から選ぶ(ステップS402)。図5に示す一例では、GUI121上にある表示属性選択用窓には選択肢表示ボタン51を有し、これを利用者Bがマウス106などを操作することによって押すと、52のような前記第一のステップで外部記憶装置に登録した表示属性のリストを表示し、さらにマウス106などを操作してこれらの選択肢の中から、他者から開示された名前を名前の表示よび入力のための窓122上に表示させる表示属性を選択できる。図5に示す一例では、「ENGLAND」「JAPAN」「KOREA」「CHINA」「FRANCE」の五個の言語が選択肢として表示されている。再び図3を参照すると、この一例では、この第二のステップにおいて、将来利用者Aを含む他者が利用者Bに対して開示される名前情報を、韓国語のハングル表記で名前の表示および入力用窓122に表示させるために、利用者Bは表示属性選択用窓123aで韓国語を示す「KOREA」を選択し、また表示属性選択用窓123bでハングルを示す


を選択している。
【0026】
再び図2を参照して、第三のステップとして、利用者Aは、その端末21からインターネットワークまたはネットワークを通じて、利用者Bの情報端末22に対して送ることで、これらの情報をBに開示する(ステップS403)。図2に示す一例では、利用者Aは、漢字、カタカナ、英語、およびハングルの4種類の表記の名前と、これらの名前の各々の表示属性を関連づけた状態で、4つの個人情報セットを利用者Aの認識票とともに利用者Bの端末22に送信している。利用者Aの端末21から送られたこれらの情報は、利用者Bの端末の通信装置101により受信され、バス108を通じて外部記憶装置24に送られ、そこで、Aの認識票と関連づけられた上で記憶される(ステップS404)。以下、Aの認識票とは、アプリケーションソフトウェア112が、名前情報の開示者となるAを一意に認識するために用いる数値または文字列などである。図2に示す例では、利用者Bの端末の記憶装置24には利用者Aの端末から送られた「鈴木一郎」、「スズキイチロウ」、「Ichiro Suzuki」、および


の四種類の文字が、各々の表示属性と関連づけられ、さらにこれらすべてが一意のAの認識票と関連づけられて記憶されている。ここでは一般原理の説明のために、利用者Aが各々の名前情報に関連づける属性情報は、国名、表記方法などを例にとったが、これら名前の属性であれば何であってもよく、たとえば、利用者Aが、名前情報を送る相手で表示して欲しい優先順位が属性情報であってよい。また、前記第二のステップで利用者Bが選択した属性情報の中に、利用者Aが本第三のステップで利用者Bの情報端末に送る名前情報に関連づけられた属性情報がない場合に、利用者Bの情報端末のUGI121に表示する名前情報を示す「デフォルト指定」も属性情報であってよい。
【0027】
次に第四のステップでは、利用者Bがマウス106などを利用して記住所録などの個人情報を管理するアプリケーションソフトウェア112に対してAの名前の表示を指示する(ステップS405)と、このアプリケーションソフトウェア112は、前記第二のステップで表示属性選択用窓に対する操作によってあらかじめ選択された表示属性が、前記第三のステップで利用者Aから送られ、外部記憶装置24に登録されたAの認識票に関連づけられた名前の表示属性の中に存在するか否かを検索(ステップS406)した上、もし存在した場合には名前表示および入力のための窓122上に、前記第二のステップで選択された属性を持つ名前情報を表示する(ステップS410)。もし存在しない場合には、名前表示および入力のための窓122上には表示しない(ステップS408)か、または、Bの情報端末の主記憶上に呼び出された翻訳プログラム109が存在する場合には、これによってAの名前が前記第二のステップであらかじめ選択された表記の情報に翻訳(ステップS409)された上で名前表示または入力用窓122に表示する(ステップS410)。図3に示す例では、前記第一のステップにおいて、表示属性選択用窓123aで韓国語を示す「KOREA」が選択され、また表示属性選択用窓123bでハングルを示す


が選択されているため、名前の表示および入力用窓122に鈴木一郎のハングル表記


が表示されている。
【0028】
さらに第五のステップでは、前記第二のステップであらかじめBが表示属性選択用窓123で選択した属性にしたがって、前記第四のステップで名前表示または入力用窓122に表示されたAの名前の表示を、表示属性選択用窓123をマウス106などで操作することによって、第三のステップで外部記憶装置に記憶された、Aの認識票に関連づけられた名前の、他の表示属性に変更する(ステップS412)。このことにより、利用者Aを含む他者から開示された表示属性の中から利用者Bの望む表記を名前の表示または入力用窓122に表示させることができる。たとえば、図3に示す、前記第二のステップにおいて、属性選択用窓123aで韓国を示す「KOREA」が選択されている状態で、マウス106などを操作することで図5に示す選択肢表示用ボタン51を押し、選択肢52を表示させた上で、「KOREA」以外、たとえば「ENGLAND」を選択することによって、図3における名前の表示および入力用窓122に、前記第三のステップで外部記憶装置24に記憶された鈴木一郎の英語表記「Ichiro Suzuki」を表示させることができる。
【0029】
この実施形態1の効果としては、本発明を用いた住所録や電話帳などのアプリケーションソフトウェアにおいて、開示者が開示する名前の様々な表示法の中から、情報の被開示者が表示属性をあらかじめ選択しておくことができ、その結果被開示者は単純で直感的なGUIを使って開示者の名前を閲覧、利用することができる。一般にこのようなアプリケーションソフトウェアの利用者である被開示者は、開示者の開示するすべての表記を常にGUI上に表示させておく必要はほとんどない。たとえばイギリス人が韓国人に個人情報開示する場合に、韓国人の住所録または電話帳のGUIにおける名前の欄に、英語とハングルの表記が併記されている必要はほとんどない。このような場合、本発明を用いた住所録や電話帳などのアプリケーションソフトウェアの利用者であり、かつ韓国人の被開示者は、本実施形態1における第二のステップにおいてハングル表記を指定しておくことで、単純で直感的なGUIとなることを利用して住所録または電話帳としての利便性を高めることができる。
【0030】
なお、本実施形態では一例として、開示者が開示し、被開示者がGUI上に表示させる情報として名前を用いたが、これはどのような情報でもよい。
【0031】
また上に示す、本実施形態の一例では、前記第四のステップにおいて、AからBの情報端末に送られたAの名前の表示属性の中に、前記第二のステップにおいてあらかじめ利用者Bが選択した(ステップS402)、利用者Aを含む他者から利用者Bに開示される名前をGUI上に表示する表示属性が含まれなくてもよい。この場合は、前記ステップS408のように、GUI121上の、名前の表示および入力用窓122に、何も表示しなくてもよいが、一方で前記ステップS404において利用者Bの情報端末の記憶装置に記憶した、属性情報が各々関連づけられた利用者Aの名前の中から、任意のものを名前の表示および入力用窓122に表示してもよい。利用者Bの情報端末において、前記ステップS404で記憶した利用者Aの名前の中から、名前の表示および入力用窓122に表示する名前を選択する方法としては、(1)第二のステップであらかじめ選択した属性をもつ名前情報が第四のステップでAの情報端末から送られていないことを、GUI121上に表示した上で、第四のステップでAの情報端末から送られてきた名前を利用者BがGUI上で選択できるように、選択肢として表示する、(2)利用者Bの情報端末上のアプリケーションソフトウェア112によってあらかじめ決められた任意の名前を表示する、または(3)前記第三のステップにおいて、利用者Aがその情報端末を通じて利用者Bの端末に送る名前情報の各々に、前記属性情報に加えて、さらに受領者である利用者Bの情報端末における表示優先度を関連づけておき、前記第二のステップで選択した属性情報が、利用者Aの情報端末から送られた名前情報に関連づけられた情報の中にない場合には、前記Aが付けてBに送った表示優先度に基づいて名前の表示および入力用窓122にAの名前を表示する、などの方法がある。
【0032】
またさらに、図3の一例では、名前の表示および入力用窓122には一つの名前情報のみが表示されているが、ここに同時に表示される名前情報は複数でもよく、また各々の名前情報とともに、Aによって関連づけられた属性情報を関連づけてこの利用者Bの情報端末のGUI上に表示してもよい。
【0033】
加えて、本実施形態1においては、第二のステップであらかじめ利用者Bが表示属性を選択し(ステップS402)、後に利用者Aを含む他者から利用者Bに開示される名前の中から、第二のステップで指定された表示属性の関連づけられた名前をGUI上に表示する(ステップS411)が、全く同様の方法によって、第二のステップで指定された表示属性にしたがって、図3に示す一例における表示属性選択用窓123のように、表示属性を表示または制御するGUI上のコンポーネントにおける属性そのものの表示を制御することもできる。
【0034】
また、本実施形態1の第三のステップでは、開示者である利用者Aがその情報端末21から、利用者Bの情報端末22に対して、属性情報を関連付けた名前情報を送ることで、利用者Bの情報端末22はこの情報を得たが、利用者Aの属性情報を関連付けた第三のサーバに属性情報を関連付けた名前情報をあらかじめ記憶しておき、利用者Bが情報端末22を通じてこの第三のサーバに、利用者Aの属性情報を関連付けた名前情報を要求し、このサーバがこれに応答しこの情報を利用者Bの情報端末に送ることで、利用者Bの情報端末22がこの情報を得た上、利用者Aの認識票と関連付けて利用者Bの情報端末22の記憶装置に記憶する方法でもよい。
【0035】
(実施形態2)=あらかじめ属性に優先順位をつけておく=
実施形態1では、被開示者である利用者Bは、本発明によるアプリケーションソフトウェアで表示する、開示者Aの情報の表示属性をAからの開示前に選択することで、柔軟かつ単純なGUIを利用することができた。しかし現実には、開示者Aは、被開示者Bの望む言語や属性による表記で被開示者Bに開示するとは限らない。たとえば、図2に示す一例ではAは、日本語の漢字、日本語のカタカナ、英語および韓国語のハングルの4つの言語および属性の表記による名前をBに開示している。したがってBが前記実施形態1の第二のステップで、本発明を用いた住所録や電話帳の上に日本語のひらがな表記で表示する設定をしたとしても、ひらがな表記は、前記実施形態1の第三のステップにおいて図3に示す外部記憶装置24には登録されていないため、名前の表示および入力用窓122上には、鈴木一郎のひらがな表記は表示できない。また他の一例では、本発明による住所録や電話帳のアプリケーションソフトウェアの利用者であるアメリカ人が開示者となる際、インドのグジュラート語の表記を、自分の情報端末の記憶装置23に保持した上で、他者に開示することは少ないが、このアメリカ人を知るインド人は、その住所録や電話帳のアプリケーションソフトウェア上で、グジュラート語での表記を望むかもしれない。本実施形態2は、この問題を解決する方法である。なお、以下実施形態2の説明を図6にフローチャートで示す。
【0036】
本実施形態2における第一のステップでは、前記実施形態1における第一のステップと全く同様に、図3の外部記憶装置24に、他者から将来開示される名前を表示する可能性の表示属性のリストを登録しておく(S601)。たとえば、本発明を用いた住所録などの個人情報を管理するアプリケーションソフトウェア112が利用される可能性のあるすべての国の名前、およびこれらの国における各種表記方法の名前、などを外部記憶装置24に登録しておくことが、その一例である。
【0037】
本発明では、GUI121上には名前情報表示および入力のための窓122、表示属性の優先順位設定用窓123を有する。第二のステップでは、前記実施形態1における第二のステップと同様に、利用者Bはキーボード105またはマウス106などの入力装置を使って表示属性の優先順位設定用窓を操作することで、将来Aを含む他者から開示される名前の情報を、名前の表示および入力のための窓122上に、どの言語や表示属性で表示させるかについての優先順位を、第一のステップで外部記憶装置24に登録した属性表示リストの中から決めて入力する(S602)。この優先順位の入力は、直接、表示属性の優先順設定用窓123に対しておこなってもよいし、表示属性の優先順位設定のための別の窓をアプリケーションソフトウェア112が生成し、その窓で入力をしてもよい。図7に示す一例では、GUI121上にある表示属性の優先順位設定用窓には、優先順位入力用のボタン71が付属しており、これを利用者Bがマウス106などを操作することによって押すと、本実施形態2の第一のステップで外部記憶装置24に登録した表示属性の優先順位入力および表示部72が表示される。図5に示す一例では、利用者Bは優先順位入力および表示部52に、「FRANCE」、「KOREA」、「ENGLAND」、「CHINA」、「JAPAN」の順番で入力したので、他者から開示される名前情報は、フランス語、韓国語、英語、中国語、日本語の順番で表示および入力用窓122に表示される。
【0038】
次に第三のステップでは、実施形態1における第三のステップと同様に、利用者Aは、その端末21からインターネットワークまたはネットワークを通じて、利用者Bの情報端末22に対して利用者Aの情報を送ることで、その情報を利用者Bに開示する(S603)。図2に示す一例では、漢字、カタカナ、英語、およびハングルの4種類の表記の名前を、これらの名前情報の属性情報を各々関連づけて、利用者Bの端末22に送信している。利用者Aの端末21から送られたこれらの情報は、利用者Bの端末の通信装置101により受信され、バス108を通じて外部記憶装置24に送られ、Aの認識票と関連づけられた上で、そこで記憶される(S604)。図2に示す例では、利用者Bの端末の記憶装置24には利用者Aの端末から送られた「鈴木一郎」、「スズキイチロウ」、「IchiroSuzuki」、および


の四種類の文字が、各々の文字情報の表示属性と関連づけられて記憶されている。
【0039】
次に第四のステップでは、Bが前記住所録などの個人情報を管理するアプリケーションソフトウェア112に対してAの名前の表示を指示する(S605)と、このアプリケーションソフトウェアは、本実施形態2の第三のステップで利用者Aから送られ、外部記憶装置24に登録されたAの認識票に関連づけられた名前の表示属性の中に、本実施形態2の第二のステップで属性の優先順位設定用窓123に対する操作によってあらかじめ設定された属性の情報が存在するか否かを検索する(S606)。一つだけ存在すればその表示属性に関連づけられた名前を、またもし二つ以上存在すればその中で本実施形態の第二のステップで入力した優先順位の最も高い表示属性の関連づけられた名前を、名前の表示および入力のための窓122に表示する(S610)。たとえば、図7に示す一例では、フランス語、韓国語、英語、中国語、日本語の順番で優先順位が入力されているので、図3に示す一例では、名前の表示および入力のための窓122には、利用者Bの情報端末の外部記憶装置24に登録された利用者Aの認識票に関連づけられた名前のなかで最も優先順位の高い韓国語によって、鈴木一郎名前が表示されている。もし前記第二のステップで優先順位を設定した表示属性に関連づけられた名前が外部記憶装置24に存在しない場合には、名前情報表示および入力のための窓122上には何も表示しない(S608)か、または、Bの情報端末の主記憶上に呼び出された翻訳プログラム109によって前記第二のステップであらかじめ選択された優先順位の最も高い属性の表記に翻訳(S609)された上で、その翻訳結果を名前の表示または入力用窓122に表示する(S610)。この翻訳をおこなうのは、Bの情報端末22上の主記憶装置に存在する翻訳プログラム109によっておこなっても、ネットワークまたはインターネットに接続された他の情報端末に存在する翻訳プログラムによっておこなってもよい。
【0040】
さらに、名前の表示及び入力のための窓122に、本実施形態2による方法によって名前が表示されている状態で、いつでも優先表示および入力のための窓123から、Aの認識票に関連づけられた名前の表示属性のなかで、優先順位の変更をする(S612)ことが可能である。この優先順位の変更は、直接属性の優先順位設定用窓123に対しておこなってもよいし、別の優先順位入力用の窓をアプリケーションソフトウェア112が生成し、その窓で変更をしてもよい。さらに、本実施形態2による方法によって名前が表示されている状態で、優先順位に限定されず、実施形態1の第二のステップによる方法と同様に、表示したい属性を直接選択する方法でもよい。
【0041】
この実施形態2の効果としては、本発明を用いた住所録や電話帳などのアプリケーションソフトウェアにおいて、実施形態1の課題であった、名前情報の被開示者であるBがあらかじめ表示属性選択用窓123で指定した表示属性の名前が、開示者から開示されていない場合、これが利用者Bの外部記憶装置に存在しないために、名前の表示および入力用の窓123に何も表示されないという問題を解決することができる。
【0042】
なお、本実施形態2では一例として、開示者が開示し、被開示者がGUI上に表示させる情報として名前を用いたが、これはどのような情報でもよい。
【0043】
また上に示す、本実施形態2の一例では、前記第四のステップにおいて、AからBの情報端末に送られたAの名前の表示属性の中に、前記第二のステップにおいてあらかじめ利用者Bが選択した(ステップS602)、利用者Aを含む他者から利用者Bに開示される名前をGUI上に表示する表示属性が含まれなくてもよい。この場合は、前記ステップS608のように、GUI121上の、名前の表示および入力用窓122に、何も表示しなくてもよいが、一方で前記ステップS604において利用者Bの情報端末の記憶装置に記憶した、属性情報が各々関連づけられた利用者Aの名前の中から、任意のものを名前の表示および入力用窓122に表示してもよい。利用者Bの情報端末において、前記ステップ604で記憶した利用者Aの名前の中から、名前の表示および入力用窓122に表示する名前を選択する方法としては、たとえば(1)第二のステップであらかじめ選択した属性をもつ名前情報が第四のステップでAの情報端末から送られていないことを、GUI121上に表示した上で、第四のステップでAの情報端末から送られてきた名前を利用者BがGUI上で選択できるように、選択肢として表示した上でマウス106などを操作することで選択する、(2)利用者Bの情報端末上のアプリケーションソフトウェア112によってあらかじめ決められた任意の名前を表示する、または(3)前記第三のステップにおいて、利用者Aが、その情報端末を通じて利用者Bの端末に送る名前情報の各々に、前記属性情報に加えて、さらに受領者である利用者Bの情報端末における表示優先度を関連づけておき、前記第二のステップで利用者Bが選択した属性情報が、利用者Aの情報端末から送られた名前情報に関連づけられた情報の中にない場合には、前記Aが付けてBに送った表示優先度に基づいて名前の表示および入力用窓122にAの名前を表示する、などの方法がある。
【0044】
またさらに、図3の一例では、名前の表示および入力用窓122には一つの名前情報のみが表示されているが、ここに同時に表示される名前情報は複数でもよく、また各々の名前情報とともに、Aによって関連づけられた属性情報を関連づけてこの利用者Bの情報端末のGUI上に表示してもよい。
【0045】
加えて、本実施形態2においては、第二のステップであらかじめ利用者Bが表示属性を選択し(ステップS602)、後に利用者Aを含む他者から利用者Bに開示される名前の中から、第二のステップで指定された表示属性の関連づけられた名前をGUI上に表示する(ステップS611)が、全く同様の方法によって、第二のステップで指定された表示属性にしたがって、図3に示す一例における表示属性選択用窓123のように、表示属性を表示または制御するGUI上のコンポーネントにおける属性そのものの表示を制御することもできる。
【0046】
また、本実施形態2の第三のステップでは、開示者である利用者Aがその情報端末21から、利用者Bの情報端末22に対して、属性情報を関連付けた名前情報を送ることで、利用者Bの情報端末22はこの情報を得たが、利用者Aの属性情報を関連付けた第三のサーバに属性情報を関連付けた名前情報をあらかじめ記憶しておき、利用者Bが情報端末22を通じてこの第三のサーバに、利用者Aの属性情報を関連付けた名前情報を要求し、このサーバがこれに応答しこの情報を利用者Bの情報端末に送ることで、利用者Bの情報端末22がこの情報を得た上、利用者Aの認識票と関連付けて利用者Bの情報端末22の記憶装置に記憶する方法でもよい。
【0047】
(実施形態3)
前記実施形態1および実施形態2では、他者から開示される名前情報を表示する可能性のある表示属性を、開示に先立って被開示者Bの情報端末の外部記憶装置24に登録しておいた。しかし、現実には、このステップで登録されていない属性の情報が、開示者から送られることがある。実施形態1および2で例示した、名前という情報であれば、世界中の言語や各々で用いられる表記をすべて網羅して登録しておけば、このようなことは起こりにくい。しかしたとえば、上記実施形態1または2の第三のステップにおいて、利用者Aが特定のインターネットのURLに、そのインターネットのURLがどのような情報に関するURLなのかを属性情報として付加した状態で、利用者Bに対して開示をおこなった場合、このステップに先立つ前記実施形態1または2の第一のステップにおいて、被開示者があらかじめ開示者の意図する属性情報を、その端末の外部記憶装置24に登録している可能性は低いため、情報表示用窓に被開示者が望む情報が表示されないという問題がある。本実施形態3による方法では、この問題を解決できる。以下、本実施形態3のフローチャートを図8に示す。
【0048】
本実施形態3の第一のステップは、前記実施形態1および2における第三のステップと同様に、利用者Aは、その端末21からインターネットワークまたはネットワークを通じて、利用者Bの情報端末22に対して利用者Aの情報を送ることで、その情報を利用者Bに開示する(S801)。図2に示す一例では、漢字、カタカナ、英語、およびハングルの4種類の表記の名前を、これらの名前の表示属性を各々関連づけて、利用者Bの端末22に送信している。利用者Aの端末21から送られたこれらの情報は、利用者Bの端末の通信装置101により受信され、バス108を通じて外部記憶装置24に送られ、利用者Aの認識票と関連づけられた上で、そこで記憶される(S802)。図2に示す例では、利用者Bの端末の記憶装置24には利用者Aの端末から送られた「鈴木一郎」、「スズキイチロウ」、「Ichiro Suzuki」、および


の四種類の文字が、各々の表示属性とともに利用者Aの認識票と関連づけられて記憶されている。
【0049】
次に第二のステップでは、Bが住所録などの個人情報を管理するアプリケーションソフトウェア112にAの名前の表示を指示する(S803)と、このアプリケーションソフトウェアは、前記本実施形態3の第一のステップで外部記憶装置に記憶した、利用者Aの端末21より送られた情報の中で、Aの認識票に関連づけられた名前の表示属性のリストを主記憶装置104に読み出す。本発明の方法によれば、このGUI上に、名前の表示および入力のための窓122、表示属性選択用窓123を有する。これらの窓は一つでも複数でもよい。さらにBは表示属性選択用窓123を操作することで、本ステップで主記憶装置に読み出された、Aの認識票に関連づけられた名前の表示属性のリストを、GUI121上に表示する(S804)。図9に示す一例では、GUI121上にある属性選択用窓123には、言語選択肢表示ボタン91aおよび表記属性表示ボタン91bを有する。利用者Bがマウス106などを操作することによって言語選択肢表示ボタン91aを押すと、前記ステップ1で利用者Aから開示された名前に関連づけられた言語のリストとして「KOREA」、「ENGLAND」、および「JAPAN」が表示される。同様に利用者Bがマウス106などを操作することによって、表記属性表示ボタン91bを押すと、前記ステップ1で利用者Aの認識票に関連づけられた名前の表示属性のリストとして「漢字」、「カタナカ」および


が表示される。利用者Bは、図9に示すような選択肢を、マウス106やキーボード105などを操作して選択する(S805)ことで、図3に示す名前表示用窓112に表示する名前の表示属性を指定できる(S806)。たとえば、図3に示す一例では、言語選択用窓では「KOREA」が、また表記選択用窓では、ハングルを示す


が選択されているため、名前表示および入力用窓122には、鈴木一郎を示すハングル表記


が表示されている。
【0050】
この実施形態3の効果としては、開示に先立ってあらかじめ被開示者側が登録していない言語や属性でも、開示者が被開示者に開示した情報に関連づけられた言語や表記属性の情報をもとに、被開示者のGUIに表示される名前情報の言語や表記を自由に制御するこができる。また、本実施形態3は前記実施形態1または2と組み合わせて使うことできる。
【0051】
(実施形態4)
前記実施形態1、2および3では、開示者であるAが、自分の名前の様々な表記について、その言語や表記属性を自ら関連づけた状態で、被開示者であるBに開示し、被開示者であるBは、Aによって関連づけられた言語や属性情報をもとに、Bの情報端末のGUIに表示されるAの名前を制御していた。しかし一般には、開示者から開示される情報とは無関係に、被開示者が名前を付けて管理したいという要求がある。たとえば、被開示者Bが開示者Aをニックネームで呼ぶことがあるが、同じ開示者Aは被開示者B以外の他者から同じニックネームで呼ばれているとは限らない。この場合には、BがAに付けたニックネームは、B自身がAを管理するためだけにつけたものであるから、Bがその情報端末の住所録などのアプリケーションソフトウェアにおいてAを管理する場合には、Aから開示された名前表記とは無関係にBがAの名前やその名前に付けられた属性情報を書き替えることができるべきである。本実施形態によれば、このような問題を解決できる。以下本実施形態4のフローチャートを図10に示す。
【0052】
本実施形態4による方法では、前記実施形態1の第四のステップ、前記実施形態2の第四のステップまたは前記実施形態3の第二のステップを完了し、名前の表示と入力のための窓122に、Aの名前が表示されている状態(図4のS413、図6のS613、および図8のS813)を出発点とする。
【0053】
図3を参照すると、本実施形態4の第一のステップでは、出発点の状態において、利用者Bがその端末22のマウス106を操作し、名前の表示と入力のための窓122を選択すると、この窓122に対して利用者Bが任意の文字列を入力できるようになる。次にBがキーボード106などを操作して、任意の文字列を名前の表示と入力のための窓122に入力する(S1002)。ここには、たとえばAから開示された名前ではなく、BがAにつけたニックネームなどを入力する。
【0054】
さらに第二のステップでは、Bがマウスを操作し、属性選択用の窓123を選択すると、この窓123に対して利用者Bが任意の文字列を入力できるようになる。これも同様に、Bがキーボードを操作することで、上記第一のステップで入力したニックネームなどに関連づける属性情報を入力する(S1002)。ここにはたとえば言語、表記方法、あるいは自ら定義したニックネームの種類などを入力する。
【0055】
次に第三のステップでは、前記第一のステップと第二のステップでBが入力したAのニックネームなどの情報を、Aの認識票と関連づけて外部記憶装置24に記憶する(S1003)。ここでは、実施形態1の第三のステップ(S404)、実施形態2の第三のステップ(S604)または、実施形態3の第二のステップ(S802)において、Aの認識票と関連づけて外部記憶装置に記憶されている複数のAの名前および各々の表示属性のデータベースに、本実施形態4の第三のステップで記憶したニックネームなどの情報およびそれに関連づけられた表示属性を付け加え、外部記憶装置に保持する。
【0056】
次に第四のステップでは、再び図3を参照して、GUI121上の属性選択用窓123に表示される前記データベースにある表示属性を、マウスなどを操作することによって選択する(S1004)。ここで選択する表示属性は、実施形態1の第三のステップ(S404)、実施形態2の第三のステップ(S604)または、実施形態3の第二のステップ(S802)において、Aの認識票と関連づけて外部記憶装置に記憶されている名前に関連づけられた表示属性でも、本実施形態4の第二のステップで入力したニックネームなどに関連づけられた属性情報でもよい。
【0057】
その後Bの情報端末に対してAの名前の表示を指示する(S1005)と、名前表示または入力用窓122上に、その表示属性と関連づけられた、本実施形態で入力したニックネームなどを含む名前が表示される(S1006)。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来の方法による住所録画面の図である。
【図2】名前情報に属性情報を関連づけて送受信する状況の説明図である。
【図3】情報端末の構成要素の説明図である。
【図4】実施形態1の説明図であり、個人情報を受信する情報端末であらかじめ表示属性を指定しておく場合の流れ図である。
【図5】実施形態1の説明図であり、個人情報を受信する情報端末であらかじめ表示属性を指定するための表示画面の説明図である。
【図6】実施形態2の説明図であり、個人情報を受信する情報端末であらかじめ表示属性の優先順位を指定しておく場合の流れ図である。
【図7】実施形態2の説明図であり、個人情報を受信する情報端末であらかじめ表示属性の優先順位を指定するための表示画面の説明図である。
【図8】実施形態3の説明図であり、個人情報を受信した後にこれを送信した情報端末で個人情報に関連づけられた属性情報を選択する場合の流れ図である。
【図9】実施形態3の説明図であり、個人情報を選択する表示画面の説明図である。
【図10】実施形態4の説明図であり、受信した個人情報に、受信した情報端末で新たにあらたな個人情報および属性情報を関連づける場合の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報およびその情報に関連づけられた属性情報とからなる情報セットを複数有する認識票を受信し、
前記受信した認識票およびその有する前記複数の情報セットを蓄積し、
前記蓄積された認識票の有する複数の情報のなかから、ユーザが選択した属性情報を元に、この属性情報に関連づけられた情報を表示することを特徴とする情報端末。
【請求項2】
個人情報およびその個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報とからなる個人情報セットを複数有する認識票を受信し、
前記受信した認識票およびその有する前記複数の情報セットを蓄積し、
前記蓄積された認識票の有する複数の個人情報のなかから、ユーザが選択した属性情報を元に、この属性情報に関連づけられた個人情報を表示することを特徴とする情報端末。
【請求項3】
請求項2記載の情報端末において、さらに、前記ユーザが選択した属性情報を保存する手段を有し、
前記表示は、前記保存された属性情報を元に行われることを特徴とする情報端末。
【請求項4】
個人情報およびその個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報とからなる個人情報セットを複数有する認識票を受信し、
前記受信した認識票およびその有する前記複数の個人情報セットを蓄積し、
前記蓄積された認識票の有する複数の個人情報のなかから、ユーザが属性情報に付した優先順位を元に、前記受信した複数の情報セット中の属性情報のなかで最も高い前記優先順位を付された属性情報に関連づけられた個人情報を表示することを特徴とする情報端末。
【請求項5】
請求項4記載の情報端末において、さらに、前記ユーザが属性情報に付した優先順位を保存する手段を有し、
前記表示は、前記保存された優先順位を元に行われることを特徴とする情報端末。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5いずれか記載の情報端末において、前記受信した認識票に、前記ユーザによって入力された入力個人情報とその入力個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される特定属性情報とからなる特定情報セットを付加し、
前記特定情報セットが付加された前記認識票を蓄積することを特徴とする情報端末。
【請求項7】
個人情報を準備し、前記個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報を前記個人情報に付加することによって個人情報セットを作成し、
前記個人情報セットを複数集合して、さらに前記個人情報セットの集合が付随する認識票を作成し、
前記認識票および前記個人情報セットの集合を送付することを特徴とする送信端末。
【請求項8】
個人情報を準備し、前記個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報を前記個人情報に付加することによって個人情報セットを作成し、
前記個人情報セットを複数集合して、さらに前記個人情報セットの集合が付随する認識票を作成し、
前記認識票および前記個人情報セットの集合を送付することを特徴とするサーバ。
【請求項9】
個人情報を準備し、前記個人情報に関連づけられ、その個人情報の表示を制御するために使用される属性情報を前記個人情報に付加することによって個人情報セットを作成し、
前記個人情報セットを複数集合して、さらに前記個人情報セットの集合が付随する認識票を作成し、
複数の前記個人情報セット中の各々の前記属性情報に優先順位を付加し、
前記認識票および前記個人情報セットの集合を送付することを特徴とする送信端末。
【請求項10】
請求項1乃至請求項6いずれか記載の情報端末において、前記属性情報は表記属性を含み、さらに前記表記属性に基づいて、前記属性情報の少なくとも一部を表示することを特徴とする情報端末。
【請求項11】
請求項10記載の情報端末において、ユーザが選択した前記表記属性をもとに前記情報を表示することを特徴とする情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−257669(P2008−257669A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131064(P2007−131064)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(506183731)リプレックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】