情報管理方法、輻輳制御方法および輻輳制御装置
【課題】複数のセッション制御サーバでの輻輳を解消する。
【解決手段】#1、#2のセッション制御サーバ1が共に輻輳した場合、輻輳制御装置4は、セッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を含む輻輳制御指示を#3〜#6のセッション制御サーバ1に送信する。例えば、#4のセッション制御サーバ1は、自身に到来した呼の宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」にセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」が含まれているので、当該呼を規制する。
【解決手段】#1、#2のセッション制御サーバ1が共に輻輳した場合、輻輳制御装置4は、セッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を含む輻輳制御指示を#3〜#6のセッション制御サーバ1に送信する。例えば、#4のセッション制御サーバ1は、自身に到来した呼の宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」にセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」が含まれているので、当該呼を規制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理方法、輻輳制御方法および輻輳制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回線交換網やIP(Internet Protocol)網など、複数の網を介して電話番号により識別される加入者間での通信サービスを行う場合において、通信網・通信サーバを輻輳から守るのに輻輳制御技術が用いられる。
【0003】
図9は、従来の輻輳制御の一例を示す図である。
輻輳制御装置4Aは、#1〜#6のセッション制御サーバ1aに収容された電話回線の局番を保持している。輻輳制御装置4Aは、#1のセッション制御サーバ1aについては、局番「011210」、「011220」、「011230」などを保持している。
【0004】
#1のセッション制御サーバ1aが輻輳した場合、保守者は網管理端末401に当該セッション制御サーバ1aなどを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4Aに制御指示を通知する。
【0005】
輻輳制御装置4Aは、#1のセッション制御サーバ1aに収容された電話回線の局番ごとに、当該局番を含む輻輳制御指示を#2〜#6のセッション制御サーバ1aに送信し、各セッション制御サーバ1aは、局番を保持する。
【0006】
電話回線を収容する#2〜#4のセッション制御サーバ1aおよびネットワーク11に接続される#6のセッション制御サーバ1aのそれぞれは、例えば、#4のセッション制御サーバ1aは、到来した呼の宛先の電話番号が「0112101111」であった場合、これに局番「011210」が含まれるので、呼を宛先の#1のセッション制御サーバ1aへルーチングしないように規制を行う。
【0007】
図10は、従来の輻輳制御の別な一例を示す図である。
輻輳制御装置4Aは、#1〜#6のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDを保持している。
【0008】
#1のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にそのセッション制御サーバ1aならびにこれに隣接する#2、#5のセッション制御サーバ1aを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4Aに制御指示を通知する。
【0009】
輻輳制御装置4Aは、輻輳した#1のセッション制御サーバ1aならびに隣接するセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDの組を含む輻輳制御指示を#2〜#4、#6のセッション制御サーバ1aに送信し、各セッション制御サーバ1aは、各セッション制御サーバIDの組を保持する。
【0010】
#1のセッション制御サーバ1aに隣接する#2、#5のセッション制御サーバ1aのそれぞれは、例えば、#5のセッション制御サーバ1aは、例えば#4のセッション制御サーバ1aから転送された呼の宛先のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDならびに自身のセッション制御サーバIDの組を保持していた場合、呼を宛先の#1のセッション制御サーバ1aへルーチングしないように規制を行う。
【0011】
図11は、従来の輻輳制御のさらに別な一例を示す図である。
輻輳制御装置4Aは、#1〜#6のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDを保持している。
【0012】
#1のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にそのセッション制御サーバ1aなどを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4Aに制御指示を通知する。
【0013】
輻輳制御装置4Aは、輻輳した#1のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバID(「server1.area1.ns.co.jp」とする)を含む輻輳制御指示を#2〜#6のセッション制御サーバ1aに送信し、各セッション制御サーバ1aは、各セッション制御サーバIDを保持する。
【0014】
電話回線を収容する#2〜#4のセッション制御サーバ1aおよびネットワーク11に接続される#6のセッション制御サーバ1aのそれぞれは、例えば、#4のセッション制御サーバ1aは、到来した呼の宛先の電話番号が「0112101111」であった場合、その電話番号を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1aに収容されている場合、#4のセッション制御サーバ1aは、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1aを示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。#4のセッション制御サーバ1aは、通知されたセッション制御サーバIDが、保持したセッション制御サーバIDに一致するので、呼を宛先の#1のセッション制御サーバ1aへルーチングしないように規制を行う。
【0015】
また、複数のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合は、各セッション制御サーバ1aにつき、上記の輻輳制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2010−200029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、図9に示す輻輳制御では、#4のセッション制御サーバ1aは、到来した呼の宛先の電話番号が、ネットワーク11に接続された電話端末111に対応するものであり、局番「011210」を含む場合、ネットワーク11が輻輳していないにも拘わらず、呼をネットワーク11へルーチングしないように規制を行ってしまうこととなり、呼の疎通率が低下する。
【0018】
また、図10に示す輻輳制御では、#4のセッション制御サーバ1aから転送された呼を#5のセッション制御サーバ1aで規制できても、入り口の#4のセッション制御サーバ1aで規制できなので、入り口のセッション制御サーバ1aのリソースを無駄に消費してしまう問題がある。
【0019】
また、図11に示す輻輳制御では、#1のセッション制御サーバ1aに収容された一部の電話回線について輻輳があった場合であっても、#1のセッション制御サーバ1aを宛先とする全ての呼が規制されるので、輻輳のない電話回線に呼をルーチングしても問題ないにも拘わらず、呼を規制してしまうことになり、呼の疎通率が低下する。よって、あるセッション制御サーバ1aに収容された一部の電話回線について輻輳があっても、そうでない輻輳のない電話回線に呼をルーチングできるような、きめ細かな輻輳制御が望まれる。
【0020】
また、図11に示す輻輳制御では、複数のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合、それぞれについて、同様の輻輳制御を行わなければならないので、各セッション制御サーバ1aおよび輻輳制御装置4Aの処理負荷が大きく、保守者の作業量も多くなる。
【0021】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的とするところは、呼の疎通率低下を防止し、かつ、網の入り口で呼を規制し、かつ、複数のセッション制御サーバでの輻輳を解消するための輻輳制御装置、かかる目的達成のための情報管理方法および輻輳制御方法を提供することにある。
【0022】
また、第2の目的とするところは、呼の疎通率低下を防止し、かつ、呼の入り口で呼を規制し、かつ、あるセッション制御サーバに収容された一部の電話回線について輻輳があっても、輻輳のない電話回線に呼をルーチングできるようなきめ細かな輻輳制御を行うための輻輳制御装置、かかる目的達成のための情報管理方法および輻輳制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、前記情報管理方法は、前記輻輳制御装置が、該手段において、該セッション制御サーバIDを管理することを特徴とする。
【0024】
例えば、前記輻輳制御装置は、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する。
【0025】
例えば、前記セッション制御サーバは、呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれているか否かを判定する。
【0026】
第2の本発明は、複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、前記情報管理方法は、前記輻輳制御装置が、該手段において、該電話番号ならびに該セッション制御サーバIDを管理することを特徴とする。
【0027】
例えば、前記輻輳制御装置は、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する。
【0028】
例えば、前記セッション制御サーバは、呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する。
【0029】
第3の本発明は、複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
第4の本発明は、複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、呼の疎通率低下を防止し、かつ、呼の入り口で呼を規制し、かつ、複数のセッション制御サーバでの輻輳を解消するための技術を提供できる。
【0032】
また、別の本発明によれば、呼の疎通率低下を防止し、かつ、呼の入り口で呼を規制し、かつ、あるセッション制御サーバに収容された一部の電話回線について輻輳があっても、輻輳のない電話回線に呼をルーチングできるようなきめ細かな輻輳制御を行うための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【図2】各セッション制御サーバ1の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】本発明に係る輻輳制御の具体例を示す図である。
【図5】本発明に係る別な輻輳制御の具体例を示す図である。
【図6】図5と同じ輻輳制御についての別な具体例を示す図である。
【図7】セッション制御サーバIDにセッション制御サーバ群情報が含まれるか否かを判定する方法を示す図である。
【図8】宛先の電話番号に電話回線群情報が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバIDが保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する方法を示す図である。
【図9】従来の輻輳制御の一例を示す図である。
【図10】従来の輻輳制御の別な一例を示す図である。
【図11】従来の輻輳制御のさらに別な一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
複数のセッション制御サーバ1Aには、それぞれ複数の電話回線が収容され、各電話回線は電話端末2で終端される。一部のセッション制御サーバ1Aは、他のセッション制御サーバ1Aに接続される。
【0036】
セッション制御サーバ1Aに接続されるセッション制御サーバ1Bは、中継ポイント10を介して、他のネットワーク11に接続される。ネットワーク11にも電話端末(電話端末2と区別し、電話端末111とする)が接続される。一部のセッション制御サーバ1Bは、他のセッション制御サーバ1Bに接続される。
【0037】
以下、セッション制御サーバ1A、1Bを区別しないときは、それぞれをセッション制御サーバ1という。
【0038】
セッション制御サーバ1は、SIP(Session Initiation Protocol)を用いた呼制御を行うサーバであり、電話端末2から呼を受信した場合に、各セッション制御サーバ1の中で呼を最後に受信するセッション制御サーバ1(呼の宛先のセッション制御サーバ1という)がどのセッション制御サーバ1かを電話番号によりロケーションサーバ3に問い合わせる機能、これに対し、ロケーションサーバ3から通知される宛先のセッション制御サーバ1の識別子(セッション制御サーバID)、または、呼とともに取得される当該宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDを基に呼を当該宛先のセッション制御サーバ1に向けてルーチングする機能を具備する。
【0039】
輻輳制御装置4は、セッション制御サーバ1の輻輳を解消すべく、各セッション制御サーバ1に輻輳制御指示を送信するサーバであり、各セッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDと各電話回線の電話番号を記憶するデータベース部41と、輻輳したセッション制御サーバ1から輻輳情報を受信したなら、または、網管理端末401からの制御指示を受信したなら、データベース部41からセッション制御サーバIDや電話番号などを読み出し、これにより輻輳制御指示を作成し、各セッション制御サーバ1に輻輳制御指示を送信する輻輳制御指示送信部42とを備える。
【0040】
各セッション制御サーバ1は、自身が輻輳した際は、輻輳制御装置4に輻輳情報を送信する。また、輻輳制御指示に基づき、輻輳したセッション制御サーバ1に向かう呼を規制する。
【0041】
ロケーションサーバ3は、電話番号に対応するセッション制御サーバIDを一元管理し、セッション制御サーバ1から、電話番号を含む問い合わせを受けた場合、該電話番号が電話端末2のものであれば、該電話番号の電話回線を収容するセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDを、問い合わせ元のセッション制御サーバ1に通知し、該電話番号が電話端末111のものなら、ネットワーク11を示す識別子を、当該問い合わせ元のセッション制御サーバ1に通知する機能を有する。
【0042】
セッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバ1を含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものである。
【0043】
例えば、#1のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」と、#2のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバID「server2.area1.ns.co.jp」は、共に「area1.ns.co.jp」を含む。つまり、「area1.ns.co.jp」は、これらのセッション制御サーバ1を含むセッション制御サーバ群を示すものである。
【0044】
また、例えば、#1〜#4のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは、共に「ns.co.jp」を含む。つまり、「ns.co.jp」は、これらのセッション制御サーバ1を含むセッション制御サーバ群を示すものである。
【0045】
つまり、共通部分の文字数が短いほど、セッション制御サーバ群におけるセッション制御サーバ数が多くなるようになっている。
【0046】
また、各電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものである。
【0047】
例えば、電話番号「0112109999」と「0112105846」は、共に「011210」を含む。つまり、「011210」は、これらの電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群を示すものである。
【0048】
また、共通部分の文字数が短いほど、電話回線群における電話回線数が多くなるようになっている。つまり、「011210」に対応する電話回線数より、「011」に対応する電話回線数の方が多いのである。
【0049】
図2は、各セッション制御サーバ1の概略構成を示すブロック図である。
セッション制御サーバ1は、受信した呼を他のセッション制御サーバ1や電話端末2に送信する呼処理部101と、自身のCPUの使用率を測定するCPU使用率測定部などを含むリソース監視部102と、リソースの使用率が所定の閾値を超えた場合などに、輻輳制御装置4に対し、輻輳情報を送信する規制要求部103と、輻輳制御指示に基づき、輻輳したセッション制御サーバ1に向かう呼を規制するルーチング規制部104とを備える。
【0050】
図3は、本実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
輻輳制御の基本的な流れは、輻輳前の事前動作と輻輳後の輻輳制御動作からなる。
【0051】
まず、事前動作について説明する。
事前動作では、各セッション制御サーバ1は、自身のセッション制御サーバIDを輻輳制御装置4に通知する(S1)。
【0052】
輻輳制御装置4は、各セッション制御サーバIDをデータベース部41に記憶させる(S3)。
【0053】
次に、輻輳制御動作について説明する。
各セッション制御サーバ1のリソース監視部102は、CPUの使用率などのリソースの使用状況を監視し、リソースの使用率が所定の閾値を超えた場合、自身が輻輳していると判断し(S5)、規制要求部103は、輻輳制御装置4に対し、輻輳情報を送信する(S7)。
【0054】
輻輳制御装置4の輻輳制御指示送信部42は、輻輳情報の送信元のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDをデータベース部41から読み出し(S9)、該セッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を他のセッション制御サーバ1に送信する(S11)。
【0055】
輻輳制御指示を受信した各セッション制御サーバ1は、輻輳制御指示からセッション制御サーバIDを取り出し保持し、自身に呼が到来した場合、呼が当該セッション制御サーバIDのセッション制御サーバ1に向かうものであれば、呼を破棄するなど、つまり、呼を規制する(S13)。
【0056】
さらに、本実施の形態では、輻輳の状況に合わせて、保守者が網管理端末401に制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知し(S21)、これにより、輻輳制御装置4が輻輳制御指示をセッション制御サーバ1に送信し(S23)、セッション制御サーバ1が輻輳制御指示に基づき、呼を規制する(S25)。
【0057】
例えば、あるセッション制御サーバ1に収容された特定の電話回線について輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にその電話回線を示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知し、これにより、輻輳制御装置4がその電話回線の電話番号を含む輻輳制御指示をセッション制御サーバ1に送信し、セッション制御サーバ1が当該電話番号の電話回線を宛先とする呼を規制する。
【0058】
または、例えば、あるセッション制御サーバ1に輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にそのセッション制御サーバ1ならびにこれに隣接するセッション制御サーバ1を示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知し、これにより、輻輳制御装置4が輻輳したセッション制御サーバ1ならびに隣接するセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDの組を含む輻輳制御指示をセッション制御サーバ1に送信し、セッション制御サーバ1は、当該セッション制御サーバIDの組の一方が自身のものであれば、他方のセッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバ1への呼をルーチングしないように規制を行う。
【0059】
(1)または、例えば、複数のセッション制御サーバ1に輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401に当該セッション制御サーバ1などを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知する(S21)。
【0060】
輻輳制御装置4は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する(S23)。
【0061】
各セッション制御サーバ1は、輻輳制御指示からセッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバ1に呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制する(S25)。
【0062】
図4は、かかる輻輳制御の具体例を示す図である。
#1、#2のセッション制御サーバ1が共に輻輳した場合、輻輳制御装置4は、セッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を含む輻輳制御指示を#3〜#6のセッション制御サーバ1に送信する。
【0063】
例えば、#4のセッション制御サーバ1は、輻輳制御指示からセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を取り出し保持する。
【0064】
#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来した場合、Request-URIという情報を取得し、Request-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0112101111」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1に収容されている場合、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0065】
#4のセッション制御サーバ1は、当該セッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」にセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」が含まれているので、当該呼を規制する。
【0066】
また、#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0123105555」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#2のセッション制御サーバ1に収容されている場合、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#2のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server2.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0067】
#4のセッション制御サーバ1は、当該セッション制御サーバID「server2.area1.ns.co.jp」にセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」が含まれているので、当該呼を規制する。
【0068】
したがって、#4のセッション制御サーバ1は、セッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を保持しておくことで、#1、#2のセッション制御サーバ1への呼を規制することができる。つまり、#3〜#6のセッション制御サーバ1は、#1、#2のセッション制御サーバ1のそれぞれについての輻輳制御指示を受け、その内容を保持しておく必要がなく、輻輳制御指示の削減を図れる。
【0069】
図3に戻り、(2)または、同一のセッション制御サーバ1に収容された一部の電話回線群について輻輳があった場合、保守者は網管理端末401に当該セッション制御サーバ1と当該電話回線群などを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知する(S21)。
【0070】
輻輳制御装置4は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバ1に送信する(S23)。電話回線群情報は、例えば、局番である。
【0071】
各セッション制御サーバ1は、輻輳制御指示から電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバ1に呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制する(S25)。
【0072】
図5は、かかる輻輳制御の具体例を示す図である。
#1のセッション制御サーバ1に収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があり、各電話番号が「011210」で始まる場合、輻輳制御装置4は、当該部分「011210」に等しい電話回線群情報「011210」ならびに#1のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDを「server1.area1.ns.co.jp」含む輻輳制御指示を#2〜#6のセッション制御サーバ1に送信する。輻輳制御指示は、「011210@server1.area1.ns.co.jp」のような内容としてもよい。
【0073】
例えば、#4のセッション制御サーバ1は、輻輳制御指示から電話回線群情報「011210」ならびにセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を取り出し保持する。
【0074】
#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0112101111」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1に収容されているので、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0075】
#4のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「0112101111」に前記保持した電話回線群情報「011210」が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」に一致するので、当該呼を規制する。
【0076】
また、#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0112203333」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1に収容されているので、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0077】
#4のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「0112203333」に前記保持した電話回線群情報「011210」が含まれていないので、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」に一致していても、当該呼を規制しない。
【0078】
また、#4のセッション制御サーバ1は、自身に到来した呼の宛先の電話番号が「011210」で始まり、宛先のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDが、ネットワーク11に接続された#6のセッション制御サーバ1のものであり、例えば、「nt.co.jp」で終わる場合、宛先の電話番号「011220XXXX」に前記保持した電話回線群情報「011210」が含まれていても、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、前記保持したセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」に一致しないので、当該呼を規制しない。つまり、電話端末111への呼は規制の対象外となる。
【0079】
したがって、#4のセッション制御サーバ1は、電話回線群情報「011210」およびセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を保持しておくことで、#1のセッション制御サーバ1に収容された一部の電話回線への呼を規制し、#1のセッション制御サーバ1に収容されたその他の電話回線への呼を規制しないようにすることができる。
【0080】
また、#4のセッション制御サーバ1は、電話回線群情報「011210」およびセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を保持しておくことで、#1のセッション制御サーバ1に収容された一部の電話回線への呼を規制し、他のネットワーク11に接続されたセッション制御サーバ1に収容された同一の電話番号の電話回線への呼を規制しないようにすることができる。
【0081】
つまり、輻輳制御装置4、#3〜#6のセッション制御サーバ1は、きめ細かな輻輳制御を行うことができる。
【0082】
図6は、図5と同じ輻輳制御についての別な具体例を示す図である。
#10のセッション制御サーバ1には、公衆交換電話網PSTNに属する#1〜#3の交換機SWが接続され、#1の交換機SWには、「042」で始まる電話番号を有する複数の電話回線が収容され、#2の交換機SWには、「043」で始まる電話番号を有する複数の電話回線が収容され、#3の交換機SWには、「046」で始まる電話番号を有する複数の電話回線が収容されている。
【0083】
#2の交換機SWで輻輳があった場合、保守者は網管理端末401に#2の交換機SWなどを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知する 輻輳制御装置4は、電話回線群情報「043」ならびに#10のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバID(「pstn.example.ne.jp」とする)を含む輻輳制御指示を#11、#12のセッション制御サーバ1に送信する。
【0084】
#11、#12のセッション制御サーバ1は、輻輳制御指示から電話回線群情報「043」ならびにセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」を取り出し保持する。
【0085】
#11のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その宛先の電話番号(「04312345678」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#2の交換機SWに収容されているので、つまり、間接的には、#10のセッション制御サーバ1に収容されているので、#11のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、セッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0086】
#11のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「04312345678」に前記保持した電話回線群情報「043」が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」に一致するので、当該呼を規制する。
【0087】
一方、#12のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「04612345678」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1の交換機SWに収容されているので、つまり、間接的には、#10のセッション制御サーバ1に収容されているので、#11のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、セッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0088】
#12のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「04212345678」に前記保持した電話回線群情報「043」が含まれていないので、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」に一致していても、当該呼を規制しない。よって、呼は、#3の交換機SWへと送信される。
【0089】
図7は、各セッション制御サーバ1が、呼を規制する上で、呼の宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれるか否かを判定する方法を示す図である。
【0090】
セッション制御サーバ1は、呼と到来とともに、Request-URIを取得する。Request-URIは、user部(文字「@」より前の部分)とhost部(文字「@」より後の部分)とからなる。user部は、宛先の電話回線の電話番号であり、host部は、宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDである。
【0091】
セッション制御サーバ1は、セッション制御サーバ群情報とhost部を後ろから1文字づつ比較していき、セッション制御サーバ群情報の各文字がhost部の同位置の文字に一致すれば、セッション制御サーバIDにセッション制御サーバ群情報が含まれると判定する。
【0092】
なお、セッション制御サーバIDは、ロケーションサーバ3から通知される場合もあるが、この場合、通知されたセッション制御サーバIDがhost部と同様に扱われて判定が行われる。
【0093】
図8は、各セッション制御サーバ1が、呼を規制する上で、宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する方法を示す図である。
【0094】
セッション制御サーバ1は、呼と到来とともに、上記のRequest-URIを取得する。
セッション制御サーバ1は、電話回線群情報とuser部を前から1文字づつ比較していき、電話回線群情報の各文字がuser部の同位置の文字に一致すれば、宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれると判定する。
【0095】
また、セッション制御サーバ1は、保持したセッション制御サーバIDとhost部を後ろから1文字づつ比較していき、セッション制御サーバIDの各文字がhost部の同位置の文字に一致すれば、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すると判定する。
【0096】
なお、セッション制御サーバIDは、ロケーションサーバ3から通知される場合もあるが、この場合、通知されたセッション制御サーバIDがhost部と同様に扱われて判定が行われる。
【符号の説明】
【0097】
1、1A、1B…セッション制御サーバ
2…電話端末
3…ロケーションサーバ
4…輻輳制御装置
41…データベース部
42…輻輳制御指示送信部
101…呼処理部
102…リソース監視部
103…規制要求部
104…ルーチング規制部
111…電話端末
401…網管理端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理方法、輻輳制御方法および輻輳制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回線交換網やIP(Internet Protocol)網など、複数の網を介して電話番号により識別される加入者間での通信サービスを行う場合において、通信網・通信サーバを輻輳から守るのに輻輳制御技術が用いられる。
【0003】
図9は、従来の輻輳制御の一例を示す図である。
輻輳制御装置4Aは、#1〜#6のセッション制御サーバ1aに収容された電話回線の局番を保持している。輻輳制御装置4Aは、#1のセッション制御サーバ1aについては、局番「011210」、「011220」、「011230」などを保持している。
【0004】
#1のセッション制御サーバ1aが輻輳した場合、保守者は網管理端末401に当該セッション制御サーバ1aなどを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4Aに制御指示を通知する。
【0005】
輻輳制御装置4Aは、#1のセッション制御サーバ1aに収容された電話回線の局番ごとに、当該局番を含む輻輳制御指示を#2〜#6のセッション制御サーバ1aに送信し、各セッション制御サーバ1aは、局番を保持する。
【0006】
電話回線を収容する#2〜#4のセッション制御サーバ1aおよびネットワーク11に接続される#6のセッション制御サーバ1aのそれぞれは、例えば、#4のセッション制御サーバ1aは、到来した呼の宛先の電話番号が「0112101111」であった場合、これに局番「011210」が含まれるので、呼を宛先の#1のセッション制御サーバ1aへルーチングしないように規制を行う。
【0007】
図10は、従来の輻輳制御の別な一例を示す図である。
輻輳制御装置4Aは、#1〜#6のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDを保持している。
【0008】
#1のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にそのセッション制御サーバ1aならびにこれに隣接する#2、#5のセッション制御サーバ1aを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4Aに制御指示を通知する。
【0009】
輻輳制御装置4Aは、輻輳した#1のセッション制御サーバ1aならびに隣接するセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDの組を含む輻輳制御指示を#2〜#4、#6のセッション制御サーバ1aに送信し、各セッション制御サーバ1aは、各セッション制御サーバIDの組を保持する。
【0010】
#1のセッション制御サーバ1aに隣接する#2、#5のセッション制御サーバ1aのそれぞれは、例えば、#5のセッション制御サーバ1aは、例えば#4のセッション制御サーバ1aから転送された呼の宛先のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDならびに自身のセッション制御サーバIDの組を保持していた場合、呼を宛先の#1のセッション制御サーバ1aへルーチングしないように規制を行う。
【0011】
図11は、従来の輻輳制御のさらに別な一例を示す図である。
輻輳制御装置4Aは、#1〜#6のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバIDを保持している。
【0012】
#1のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にそのセッション制御サーバ1aなどを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4Aに制御指示を通知する。
【0013】
輻輳制御装置4Aは、輻輳した#1のセッション制御サーバ1aのセッション制御サーバID(「server1.area1.ns.co.jp」とする)を含む輻輳制御指示を#2〜#6のセッション制御サーバ1aに送信し、各セッション制御サーバ1aは、各セッション制御サーバIDを保持する。
【0014】
電話回線を収容する#2〜#4のセッション制御サーバ1aおよびネットワーク11に接続される#6のセッション制御サーバ1aのそれぞれは、例えば、#4のセッション制御サーバ1aは、到来した呼の宛先の電話番号が「0112101111」であった場合、その電話番号を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1aに収容されている場合、#4のセッション制御サーバ1aは、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1aを示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。#4のセッション制御サーバ1aは、通知されたセッション制御サーバIDが、保持したセッション制御サーバIDに一致するので、呼を宛先の#1のセッション制御サーバ1aへルーチングしないように規制を行う。
【0015】
また、複数のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合は、各セッション制御サーバ1aにつき、上記の輻輳制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2010−200029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、図9に示す輻輳制御では、#4のセッション制御サーバ1aは、到来した呼の宛先の電話番号が、ネットワーク11に接続された電話端末111に対応するものであり、局番「011210」を含む場合、ネットワーク11が輻輳していないにも拘わらず、呼をネットワーク11へルーチングしないように規制を行ってしまうこととなり、呼の疎通率が低下する。
【0018】
また、図10に示す輻輳制御では、#4のセッション制御サーバ1aから転送された呼を#5のセッション制御サーバ1aで規制できても、入り口の#4のセッション制御サーバ1aで規制できなので、入り口のセッション制御サーバ1aのリソースを無駄に消費してしまう問題がある。
【0019】
また、図11に示す輻輳制御では、#1のセッション制御サーバ1aに収容された一部の電話回線について輻輳があった場合であっても、#1のセッション制御サーバ1aを宛先とする全ての呼が規制されるので、輻輳のない電話回線に呼をルーチングしても問題ないにも拘わらず、呼を規制してしまうことになり、呼の疎通率が低下する。よって、あるセッション制御サーバ1aに収容された一部の電話回線について輻輳があっても、そうでない輻輳のない電話回線に呼をルーチングできるような、きめ細かな輻輳制御が望まれる。
【0020】
また、図11に示す輻輳制御では、複数のセッション制御サーバ1aに輻輳が生じた場合、それぞれについて、同様の輻輳制御を行わなければならないので、各セッション制御サーバ1aおよび輻輳制御装置4Aの処理負荷が大きく、保守者の作業量も多くなる。
【0021】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的とするところは、呼の疎通率低下を防止し、かつ、網の入り口で呼を規制し、かつ、複数のセッション制御サーバでの輻輳を解消するための輻輳制御装置、かかる目的達成のための情報管理方法および輻輳制御方法を提供することにある。
【0022】
また、第2の目的とするところは、呼の疎通率低下を防止し、かつ、呼の入り口で呼を規制し、かつ、あるセッション制御サーバに収容された一部の電話回線について輻輳があっても、輻輳のない電話回線に呼をルーチングできるようなきめ細かな輻輳制御を行うための輻輳制御装置、かかる目的達成のための情報管理方法および輻輳制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、前記情報管理方法は、前記輻輳制御装置が、該手段において、該セッション制御サーバIDを管理することを特徴とする。
【0024】
例えば、前記輻輳制御装置は、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する。
【0025】
例えば、前記セッション制御サーバは、呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれているか否かを判定する。
【0026】
第2の本発明は、複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、前記情報管理方法は、前記輻輳制御装置が、該手段において、該電話番号ならびに該セッション制御サーバIDを管理することを特徴とする。
【0027】
例えば、前記輻輳制御装置は、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する。
【0028】
例えば、前記セッション制御サーバは、呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する。
【0029】
第3の本発明は、複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
第4の本発明は、複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、前記各セッション制御サーバは、前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、前記輻輳制御装置は、前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、呼の疎通率低下を防止し、かつ、呼の入り口で呼を規制し、かつ、複数のセッション制御サーバでの輻輳を解消するための技術を提供できる。
【0032】
また、別の本発明によれば、呼の疎通率低下を防止し、かつ、呼の入り口で呼を規制し、かつ、あるセッション制御サーバに収容された一部の電話回線について輻輳があっても、輻輳のない電話回線に呼をルーチングできるようなきめ細かな輻輳制御を行うための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【図2】各セッション制御サーバ1の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】本発明に係る輻輳制御の具体例を示す図である。
【図5】本発明に係る別な輻輳制御の具体例を示す図である。
【図6】図5と同じ輻輳制御についての別な具体例を示す図である。
【図7】セッション制御サーバIDにセッション制御サーバ群情報が含まれるか否かを判定する方法を示す図である。
【図8】宛先の電話番号に電話回線群情報が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバIDが保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する方法を示す図である。
【図9】従来の輻輳制御の一例を示す図である。
【図10】従来の輻輳制御の別な一例を示す図である。
【図11】従来の輻輳制御のさらに別な一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態に係るネットワークの構成を示す図である。
複数のセッション制御サーバ1Aには、それぞれ複数の電話回線が収容され、各電話回線は電話端末2で終端される。一部のセッション制御サーバ1Aは、他のセッション制御サーバ1Aに接続される。
【0036】
セッション制御サーバ1Aに接続されるセッション制御サーバ1Bは、中継ポイント10を介して、他のネットワーク11に接続される。ネットワーク11にも電話端末(電話端末2と区別し、電話端末111とする)が接続される。一部のセッション制御サーバ1Bは、他のセッション制御サーバ1Bに接続される。
【0037】
以下、セッション制御サーバ1A、1Bを区別しないときは、それぞれをセッション制御サーバ1という。
【0038】
セッション制御サーバ1は、SIP(Session Initiation Protocol)を用いた呼制御を行うサーバであり、電話端末2から呼を受信した場合に、各セッション制御サーバ1の中で呼を最後に受信するセッション制御サーバ1(呼の宛先のセッション制御サーバ1という)がどのセッション制御サーバ1かを電話番号によりロケーションサーバ3に問い合わせる機能、これに対し、ロケーションサーバ3から通知される宛先のセッション制御サーバ1の識別子(セッション制御サーバID)、または、呼とともに取得される当該宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDを基に呼を当該宛先のセッション制御サーバ1に向けてルーチングする機能を具備する。
【0039】
輻輳制御装置4は、セッション制御サーバ1の輻輳を解消すべく、各セッション制御サーバ1に輻輳制御指示を送信するサーバであり、各セッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDと各電話回線の電話番号を記憶するデータベース部41と、輻輳したセッション制御サーバ1から輻輳情報を受信したなら、または、網管理端末401からの制御指示を受信したなら、データベース部41からセッション制御サーバIDや電話番号などを読み出し、これにより輻輳制御指示を作成し、各セッション制御サーバ1に輻輳制御指示を送信する輻輳制御指示送信部42とを備える。
【0040】
各セッション制御サーバ1は、自身が輻輳した際は、輻輳制御装置4に輻輳情報を送信する。また、輻輳制御指示に基づき、輻輳したセッション制御サーバ1に向かう呼を規制する。
【0041】
ロケーションサーバ3は、電話番号に対応するセッション制御サーバIDを一元管理し、セッション制御サーバ1から、電話番号を含む問い合わせを受けた場合、該電話番号が電話端末2のものであれば、該電話番号の電話回線を収容するセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDを、問い合わせ元のセッション制御サーバ1に通知し、該電話番号が電話端末111のものなら、ネットワーク11を示す識別子を、当該問い合わせ元のセッション制御サーバ1に通知する機能を有する。
【0042】
セッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバ1を含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものである。
【0043】
例えば、#1のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」と、#2のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバID「server2.area1.ns.co.jp」は、共に「area1.ns.co.jp」を含む。つまり、「area1.ns.co.jp」は、これらのセッション制御サーバ1を含むセッション制御サーバ群を示すものである。
【0044】
また、例えば、#1〜#4のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは、共に「ns.co.jp」を含む。つまり、「ns.co.jp」は、これらのセッション制御サーバ1を含むセッション制御サーバ群を示すものである。
【0045】
つまり、共通部分の文字数が短いほど、セッション制御サーバ群におけるセッション制御サーバ数が多くなるようになっている。
【0046】
また、各電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものである。
【0047】
例えば、電話番号「0112109999」と「0112105846」は、共に「011210」を含む。つまり、「011210」は、これらの電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群を示すものである。
【0048】
また、共通部分の文字数が短いほど、電話回線群における電話回線数が多くなるようになっている。つまり、「011210」に対応する電話回線数より、「011」に対応する電話回線数の方が多いのである。
【0049】
図2は、各セッション制御サーバ1の概略構成を示すブロック図である。
セッション制御サーバ1は、受信した呼を他のセッション制御サーバ1や電話端末2に送信する呼処理部101と、自身のCPUの使用率を測定するCPU使用率測定部などを含むリソース監視部102と、リソースの使用率が所定の閾値を超えた場合などに、輻輳制御装置4に対し、輻輳情報を送信する規制要求部103と、輻輳制御指示に基づき、輻輳したセッション制御サーバ1に向かう呼を規制するルーチング規制部104とを備える。
【0050】
図3は、本実施の形態における処理の流れを示すシーケンス図である。
輻輳制御の基本的な流れは、輻輳前の事前動作と輻輳後の輻輳制御動作からなる。
【0051】
まず、事前動作について説明する。
事前動作では、各セッション制御サーバ1は、自身のセッション制御サーバIDを輻輳制御装置4に通知する(S1)。
【0052】
輻輳制御装置4は、各セッション制御サーバIDをデータベース部41に記憶させる(S3)。
【0053】
次に、輻輳制御動作について説明する。
各セッション制御サーバ1のリソース監視部102は、CPUの使用率などのリソースの使用状況を監視し、リソースの使用率が所定の閾値を超えた場合、自身が輻輳していると判断し(S5)、規制要求部103は、輻輳制御装置4に対し、輻輳情報を送信する(S7)。
【0054】
輻輳制御装置4の輻輳制御指示送信部42は、輻輳情報の送信元のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDをデータベース部41から読み出し(S9)、該セッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を他のセッション制御サーバ1に送信する(S11)。
【0055】
輻輳制御指示を受信した各セッション制御サーバ1は、輻輳制御指示からセッション制御サーバIDを取り出し保持し、自身に呼が到来した場合、呼が当該セッション制御サーバIDのセッション制御サーバ1に向かうものであれば、呼を破棄するなど、つまり、呼を規制する(S13)。
【0056】
さらに、本実施の形態では、輻輳の状況に合わせて、保守者が網管理端末401に制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知し(S21)、これにより、輻輳制御装置4が輻輳制御指示をセッション制御サーバ1に送信し(S23)、セッション制御サーバ1が輻輳制御指示に基づき、呼を規制する(S25)。
【0057】
例えば、あるセッション制御サーバ1に収容された特定の電話回線について輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にその電話回線を示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知し、これにより、輻輳制御装置4がその電話回線の電話番号を含む輻輳制御指示をセッション制御サーバ1に送信し、セッション制御サーバ1が当該電話番号の電話回線を宛先とする呼を規制する。
【0058】
または、例えば、あるセッション制御サーバ1に輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401にそのセッション制御サーバ1ならびにこれに隣接するセッション制御サーバ1を示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知し、これにより、輻輳制御装置4が輻輳したセッション制御サーバ1ならびに隣接するセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDの組を含む輻輳制御指示をセッション制御サーバ1に送信し、セッション制御サーバ1は、当該セッション制御サーバIDの組の一方が自身のものであれば、他方のセッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバ1への呼をルーチングしないように規制を行う。
【0059】
(1)または、例えば、複数のセッション制御サーバ1に輻輳が生じた場合、保守者は網管理端末401に当該セッション制御サーバ1などを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知する(S21)。
【0060】
輻輳制御装置4は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する(S23)。
【0061】
各セッション制御サーバ1は、輻輳制御指示からセッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバ1に呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制する(S25)。
【0062】
図4は、かかる輻輳制御の具体例を示す図である。
#1、#2のセッション制御サーバ1が共に輻輳した場合、輻輳制御装置4は、セッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を含む輻輳制御指示を#3〜#6のセッション制御サーバ1に送信する。
【0063】
例えば、#4のセッション制御サーバ1は、輻輳制御指示からセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を取り出し保持する。
【0064】
#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来した場合、Request-URIという情報を取得し、Request-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0112101111」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1に収容されている場合、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0065】
#4のセッション制御サーバ1は、当該セッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」にセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」が含まれているので、当該呼を規制する。
【0066】
また、#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0123105555」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#2のセッション制御サーバ1に収容されている場合、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#2のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server2.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0067】
#4のセッション制御サーバ1は、当該セッション制御サーバID「server2.area1.ns.co.jp」にセッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」が含まれているので、当該呼を規制する。
【0068】
したがって、#4のセッション制御サーバ1は、セッション制御サーバ群情報「area1.ns.co.jp」を保持しておくことで、#1、#2のセッション制御サーバ1への呼を規制することができる。つまり、#3〜#6のセッション制御サーバ1は、#1、#2のセッション制御サーバ1のそれぞれについての輻輳制御指示を受け、その内容を保持しておく必要がなく、輻輳制御指示の削減を図れる。
【0069】
図3に戻り、(2)または、同一のセッション制御サーバ1に収容された一部の電話回線群について輻輳があった場合、保守者は網管理端末401に当該セッション制御サーバ1と当該電話回線群などを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知する(S21)。
【0070】
輻輳制御装置4は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバ1に送信する(S23)。電話回線群情報は、例えば、局番である。
【0071】
各セッション制御サーバ1は、輻輳制御指示から電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバ1に呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制する(S25)。
【0072】
図5は、かかる輻輳制御の具体例を示す図である。
#1のセッション制御サーバ1に収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があり、各電話番号が「011210」で始まる場合、輻輳制御装置4は、当該部分「011210」に等しい電話回線群情報「011210」ならびに#1のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDを「server1.area1.ns.co.jp」含む輻輳制御指示を#2〜#6のセッション制御サーバ1に送信する。輻輳制御指示は、「011210@server1.area1.ns.co.jp」のような内容としてもよい。
【0073】
例えば、#4のセッション制御サーバ1は、輻輳制御指示から電話回線群情報「011210」ならびにセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を取り出し保持する。
【0074】
#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0112101111」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1に収容されているので、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0075】
#4のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「0112101111」に前記保持した電話回線群情報「011210」が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」に一致するので、当該呼を規制する。
【0076】
また、#4のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「0112203333」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1のセッション制御サーバ1に収容されているので、#4のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、#1のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0077】
#4のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「0112203333」に前記保持した電話回線群情報「011210」が含まれていないので、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」に一致していても、当該呼を規制しない。
【0078】
また、#4のセッション制御サーバ1は、自身に到来した呼の宛先の電話番号が「011210」で始まり、宛先のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDが、ネットワーク11に接続された#6のセッション制御サーバ1のものであり、例えば、「nt.co.jp」で終わる場合、宛先の電話番号「011220XXXX」に前記保持した電話回線群情報「011210」が含まれていても、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、前記保持したセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」に一致しないので、当該呼を規制しない。つまり、電話端末111への呼は規制の対象外となる。
【0079】
したがって、#4のセッション制御サーバ1は、電話回線群情報「011210」およびセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を保持しておくことで、#1のセッション制御サーバ1に収容された一部の電話回線への呼を規制し、#1のセッション制御サーバ1に収容されたその他の電話回線への呼を規制しないようにすることができる。
【0080】
また、#4のセッション制御サーバ1は、電話回線群情報「011210」およびセッション制御サーバID「server1.area1.ns.co.jp」を保持しておくことで、#1のセッション制御サーバ1に収容された一部の電話回線への呼を規制し、他のネットワーク11に接続されたセッション制御サーバ1に収容された同一の電話番号の電話回線への呼を規制しないようにすることができる。
【0081】
つまり、輻輳制御装置4、#3〜#6のセッション制御サーバ1は、きめ細かな輻輳制御を行うことができる。
【0082】
図6は、図5と同じ輻輳制御についての別な具体例を示す図である。
#10のセッション制御サーバ1には、公衆交換電話網PSTNに属する#1〜#3の交換機SWが接続され、#1の交換機SWには、「042」で始まる電話番号を有する複数の電話回線が収容され、#2の交換機SWには、「043」で始まる電話番号を有する複数の電話回線が収容され、#3の交換機SWには、「046」で始まる電話番号を有する複数の電話回線が収容されている。
【0083】
#2の交換機SWで輻輳があった場合、保守者は網管理端末401に#2の交換機SWなどを示す制御指示を投入し、網管理端末401が輻輳制御装置4に制御指示を通知する 輻輳制御装置4は、電話回線群情報「043」ならびに#10のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバID(「pstn.example.ne.jp」とする)を含む輻輳制御指示を#11、#12のセッション制御サーバ1に送信する。
【0084】
#11、#12のセッション制御サーバ1は、輻輳制御指示から電話回線群情報「043」ならびにセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」を取り出し保持する。
【0085】
#11のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その宛先の電話番号(「04312345678」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#2の交換機SWに収容されているので、つまり、間接的には、#10のセッション制御サーバ1に収容されているので、#11のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、セッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0086】
#11のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「04312345678」に前記保持した電話回線群情報「043」が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」に一致するので、当該呼を規制する。
【0087】
一方、#12のセッション制御サーバ1は、自身に呼が到来し、取得したRequest-URIに、呼の宛先の電話回線の電話番号は含まれるが、宛先のセッション制御サーバ1のセッション制御サーバIDは含まれない場合、その電話番号(「04612345678」とする)を含む問い合わせをロケーションサーバ3に行う。当該電話番号の電話回線が#1の交換機SWに収容されているので、つまり、間接的には、#10のセッション制御サーバ1に収容されているので、#11のセッション制御サーバ1は、ロケーションサーバ3から、セッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」を通知される。Request-URIは、当該セッション制御サーバIDを含む場合もある。
【0088】
#12のセッション制御サーバ1は、宛先の電話番号「04212345678」に前記保持した電話回線群情報「043」が含まれていないので、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」が前記保持したセッション制御サーバID「pstn.example.ne.jp」に一致していても、当該呼を規制しない。よって、呼は、#3の交換機SWへと送信される。
【0089】
図7は、各セッション制御サーバ1が、呼を規制する上で、呼の宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれるか否かを判定する方法を示す図である。
【0090】
セッション制御サーバ1は、呼と到来とともに、Request-URIを取得する。Request-URIは、user部(文字「@」より前の部分)とhost部(文字「@」より後の部分)とからなる。user部は、宛先の電話回線の電話番号であり、host部は、宛先のセッション制御サーバ1を示すセッション制御サーバIDである。
【0091】
セッション制御サーバ1は、セッション制御サーバ群情報とhost部を後ろから1文字づつ比較していき、セッション制御サーバ群情報の各文字がhost部の同位置の文字に一致すれば、セッション制御サーバIDにセッション制御サーバ群情報が含まれると判定する。
【0092】
なお、セッション制御サーバIDは、ロケーションサーバ3から通知される場合もあるが、この場合、通知されたセッション制御サーバIDがhost部と同様に扱われて判定が行われる。
【0093】
図8は、各セッション制御サーバ1が、呼を規制する上で、宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する方法を示す図である。
【0094】
セッション制御サーバ1は、呼と到来とともに、上記のRequest-URIを取得する。
セッション制御サーバ1は、電話回線群情報とuser部を前から1文字づつ比較していき、電話回線群情報の各文字がuser部の同位置の文字に一致すれば、宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれると判定する。
【0095】
また、セッション制御サーバ1は、保持したセッション制御サーバIDとhost部を後ろから1文字づつ比較していき、セッション制御サーバIDの各文字がhost部の同位置の文字に一致すれば、宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すると判定する。
【0096】
なお、セッション制御サーバIDは、ロケーションサーバ3から通知される場合もあるが、この場合、通知されたセッション制御サーバIDがhost部と同様に扱われて判定が行われる。
【符号の説明】
【0097】
1、1A、1B…セッション制御サーバ
2…電話端末
3…ロケーションサーバ
4…輻輳制御装置
41…データベース部
42…輻輳制御指示送信部
101…呼処理部
102…リソース監視部
103…規制要求部
104…ルーチング規制部
111…電話端末
401…網管理端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、
前記情報管理方法は、
前記輻輳制御装置が、該手段において、該セッション制御サーバIDを管理する
ことを特徴とする情報管理方法。
【請求項2】
請求項1記載の輻輳制御装置が行う輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置が、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信することを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項3】
請求項1記載のセッション制御サーバが行う輻輳制御方法であって、
前記セッション制御サーバが、呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項4】
複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、
前記情報管理方法は、
前記輻輳制御装置が、該手段において、該電話番号ならびに該セッション制御サーバIDを管理することを特徴とする情報管理方法。
【請求項5】
請求項4記載の輻輳制御装置が行う輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置が、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信することを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項6】
請求項5記載のセッション制御サーバが行う輻輳制御方法であって、
前記セッション制御サーバが、呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する工程を含むことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項7】
複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、
前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【請求項8】
複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、
前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【請求項1】
複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、
前記情報管理方法は、
前記輻輳制御装置が、該手段において、該セッション制御サーバIDを管理する
ことを特徴とする情報管理方法。
【請求項2】
請求項1記載の輻輳制御装置が行う輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置が、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信することを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項3】
請求項1記載のセッション制御サーバが行う輻輳制御方法であって、
前記セッション制御サーバが、呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項4】
複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置が行う情報管理方法であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段を備え、
前記情報管理方法は、
前記輻輳制御装置が、該手段において、該電話番号ならびに該セッション制御サーバIDを管理することを特徴とする情報管理方法。
【請求項5】
請求項4記載の輻輳制御装置が行う輻輳制御方法であって、
前記輻輳制御装置が、前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信することを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項6】
請求項5記載のセッション制御サーバが行う輻輳制御方法であって、
前記セッション制御サーバが、呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致するか否かを判定する工程を含むことを特徴とする輻輳制御方法。
【請求項7】
複数のセッション制御サーバに複数の電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、輻輳した複数のセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群を示す当該複数のセッション制御サーバのセッション制御サーバIDに共通な一部分であるセッション制御サーバ群情報を含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記セッション制御サーバ群情報を取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDに前記保持したセッション制御サーバ群情報が含まれていれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、
前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【請求項8】
複数のセッション制御サーバに電話回線が収容されるネットワークに使用される輻輳制御装置であって、
前記各セッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDは、該セッション制御サーバIDに対応するセッション制御サーバを含むセッション制御サーバ群が当該セッション制御サーバIDの一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該セッション制御サーバ群のセッション制御サーバ数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記各電話回線を示す電話番号は、該電話番号に対応する電話回線を含む電話回線群が当該電話番号の一部分に対応し、かつ、当該一部分の文字数が当該電話回線群の電話回線数に対応するような階層構造を有するものであり、
前記輻輳制御装置は、同一のセッション制御サーバに収容された複数の電話回線を含む電話回線群について輻輳があった場合は、当該電話回線群を示す当該複数の電話回線の電話番号に共通な一部分である電話回線群情報ならびに当該セッション制御サーバのセッション制御サーバIDを含む輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信するものであり、
前記各セッション制御サーバは、
前記輻輳制御指示から前記電話回線群情報ならびにセッション制御サーバIDを取り出し保持し、該セッション制御サーバに呼が到来した場合は、該呼の宛先の電話番号に前記保持した電話回線群情報が含まれ、かつ、該呼の宛先のセッション制御サーバを示すセッション制御サーバIDが前記保持したセッション制御サーバIDに一致すれば、当該呼を規制対象とするものであり、
前記輻輳制御装置は、
前記各電話回線の電話番号ならびに前記各セッション制御サーバのセッション制御サーバIDが予め記憶される手段と、
前記輻輳制御指示を各セッション制御サーバに送信する手段とを備えることを特徴とする輻輳制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−257174(P2012−257174A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130305(P2011−130305)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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