説明

情報統合処理装置

【課題】大型台風等による災害発生時に、公共団体の関連各部局が災害情報を統合処理して一元化した地図情報を共有し、時々刻々変化する災害状況に対応可能な復旧対策案の作成を容易とし、かつ、統合処理された地図情報を一般に公開表示可能とする情報統合処理システムを提供する。
【解決手段】内部端末機2の入力情報信号を表示する情報テーブル1につながる情報処理装置4内の制御部6が、前記入力情報信号が記憶部8に記憶せよの信号か、記憶部8から取得せよと信号を判別し、情報処理部7にその判別信号を送信、情報処理部7が取得した記憶データ8aは情報テーブル1に表示され、内部端末機2の入力信号により統合処理されて外部表示装置9に表示される。一方、前記記憶せよとの信号と判別すると記憶部8に記憶される。前記統合処理された情報は外部端末機11から取り出し可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報統合処理装置に関するものであって、特に、例えば地方公共団体が所有する地図情報をもとに、複数のオペレータによって操作されて統合作成された新規の地図情報を、リアルタイムに公開可能とする地図情報統合処理装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
地震や台風等による災害に対し各自治体は、迅速な救援、復旧体制の構築が必要とされる。従来、例えばA県を中心とした大規模台風によって、道路や橋梁の崩壊、土砂崩れ、家屋の倒壊等、多数の災害が発生した場合において、これらの災害情報はA県の所轄部局、例えば道路整備部、河川部など毎に収集され、各部局毎に関連各部局からの情報を基に、独自の救援、復旧計画の立案を行った後、各関連部局と整合し、救援、復旧作業を開始するという手法が多くの場合とられていた。上記のような従前の手法において、A県全体や、A県B市の総合的な災害情報がビジブル化した地図が作成されてなく、その為、救援、復旧作業に食い違いを発生するという問題や、また災害地の住民はもとより、全国の人々に対しても、前記地図情報が提供されてない状態が続くという問題もあった。
【0003】
一方、最近の情報伝達技術の進展に伴い、前記の如き災害発生時、各部局は災害情報を地図情報装置で共有するとともに、復旧対策の順位付け、意志決定などの情報を含むとともに、災害の波及や復旧に伴う情報の変化を随時更新し、一般に公開表示可能な地図情報装置の構築要請が高まってきている。
【0004】
このような要請に対して、従来の行政地図情報装置の一例として、デジタル化され公開されている行政地図情報を、他機関で作成した地図を含めて規格統合し、行政地図をインタネット経由で閲覧できるようにしているものが開示されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−076003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に示された地図情報装置は、地方公共団体の各部局が作成、管理、運用している管轄内の都市計画図、下水道図、道路図などの地図の内、ディジタル化され公開されている地図を他部局で作成した地図を含めて規格統合し、インタネット経由で閲覧できるようにしたものである。従って、規格統合前の地図情報が必ずしも最新版でなく、また単なる編集作業に基づいて統合されたものであり、このような特許文献1に示された技術では、前記災害発生時の最新情報を搭載し、かつ地図情報作成の意志決定情報も含み、また随時地図情報を更新、開示する要請に対して対応できないという問題点がある。
【0007】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、関係する複数の部門のユーザによる同時協調作業によって、意志決定を行う過程を含め随時更新可能な地図情報を、不特定多数の人々に情報公開可能とする情報統合処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る情報統合処理装置は、複数のユーザからの入力を受け付ける入力手段と、予め準備された記憶データ、および記憶データを入力手段からの入力により情報の追加または削除、または修正が行われて得られた加工記憶データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された記憶データまたは加工記憶データの読み出しと書き込みを制御する情報処理部と、入力手段からの入力に応じて記憶部から読み出された記憶データまたは加工記憶データと、入力手段により入力された情報とを統合して得られる加工記憶データである統合データを、複数のユーザに見えるように、入力手段からの入力に従って表示する表示部とを備え、入力手段からの入力に応じて、統合データを記憶部に書き込むものである。
【発明の効果】
【0009】
このような構成を備えた情報統合処理装置であるので、記憶部に記憶された記憶データまたは加工記憶データを基に、複数のユーザにより新たな情報が追加された情報を作成して記憶することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による情報統合処理装置を地図情報統合処理装置に適用した場合について説明する。
図1において、地図情報統合処理装置である情報統合処理装置200は、情報処理装置100と、ネットワーク10に接続され情報処理装置100で処理される地図情報の表示を行う例えば、大型ディスプレイパネルである外部表示装置9と、外部端末機11でもって構成される。
【0011】
前記情報処理装置100には、会議机のような形状でその上面に画像を表示する地図情報テーブル1が設けられている。この地図情報テーブル1は複数の所定のユーザによって操作される複数の入力手段2(2a〜2d)からの入力信号を受信し、後述するデータ処理装置4に発信するとともに、入力手段2からの入力信号およびデータ処理装置4の出力信号、すなわち地図情報である地図や文字、シンボル等の信号を受信して画面に表示する表示部の機能も備えている。この地図情報テーブル1(表示部)の画面は汎用的な入力デバイス、例えばマウスやタッチペン等を利用して地図の拡大、縮小や移動といった操作や地図上に点や線等を描くことができる。さらに前記データ処理装置4の出力する地図情報や入力手段2の入力内容を重ね合わせて表示することができる。
【0012】
地図情報テーブル1とは別の場所に設置されているデータ処理装置4には、地図情報テーブル1を介して所定の責任者(ユーザ)が入力する信号を受信する制御部6が設けられている。制御部6は受信した信号を分析し処理すべき内容を判別する。処理すべき内容とは、この実施の形態1においては、後述する記憶部8に記憶されている記憶データである地図情報の記憶データ(以降、地図情報と略す)の取得かあるいは地図情報テーブル1から送信される地図情報を記憶させることにある。仮に、制御部6が受信した信号が指定の地図情報の取得であると判別した場合には、後段に設けられている情報処理部7に対して、記憶部8に記憶されている記憶データである地図情報8aを取得する指令信号を発信する。情報処理部7は前記指令信号に基づき記憶部8から指定の地図情報8aを取得し、制御部6に返信、制御部6は地図情報8aを地図情報テーブル1に返信する。このようにして入力手段2からの入力を受けて地図情報8aがデータ処理装置4を介して返信された後、地図情報テーブル1に表示され、この表示に基づき入力手段2からの入力によって地図情報の追加、拡大、縮小、重ね合わせ等の情報加工による地図情報が統合処理されていく。
この実施の形態1では、地図情報テーブル1とデータ処理装置4を分けているので、それぞれの間でデータをやり取りするために地図情報テーブル1がインタフェース3を有し、データ処理装置4がインタフェース5を有する。地図情報テーブル1と処理装置4を一体にすれば、インタフェース3とインタフェース5は不要である。
【0013】
次に、制御部6が地図情報テーブル1から送信される信号に基づいて地図情報の記憶と判別した場合について述べる。
地図情報テーブル1に表示されている地図情報は、前述したように新情報が追加される。入力手段2からの入力信号により地図情報テーブル1の地図情報は必要な都度、記憶部8に地図情報8aとして記憶させる。地図情報テーブル1からの信号を制御部6が記憶させるものと判定した場合、情報処理部7を介して記憶部8に記憶させるよう指令する。この記憶部8に新たに記憶された地図情報8aは前述した取得信号によって適宜読み出される。新たに保存した地図情報8aが、予め準備された記憶データを入力手段2からの入力により情報の追加または削除または修正が行われて得られた加工記憶データになる。
【0014】
また、情報処理装置100によって統合処理される地図情報テーブル1上の地図情報は、データ処理装置4を介する入力手段2からの入力信号によって外部表示装置9に表示される。なお、外部端末機11によっても同様に、前記地図情報テーブル1上の地図情報を参照することができる。
【0015】
次に、この情報統合処理装置200を、例えば大型台風によって某県の某市を中心に大きな災害が発生した場合を例として、県庁に設置された災害対策本部における災害対策会議に運用した際の前記各部構成要素の動作を説明する。
【0016】
大型台風による災害発生に伴い、県庁内の複数の関係部局、ここでは、例えば土木部、河川部、道路整備部、水道部の所定の責任者(ユーザ)が、各部局毎にその時点における最新の災害情報と共に、災害対策会議を開催して被災地の住民支援対策や復旧対策の協議を開始する。
まず、例えば土木部責任者が入力手段2aを操作し、データ処理装置4の記憶部8の地図情報8aから前記某市を中心とした、災害発生前の周辺都市や郡部市町村の地図情報を取り出し、地図情報テーブル1上に表示する。
【0017】
すなわち、土木部責任者が入力手段2aに災害発生前の地図情報を地図情報テーブル1に表示するという信号を入力する。この信号を地図情報テーブル1を介して受信するデータ処理装置4内の制御部6は、受信信号を分析して記憶部8に記憶する地図情報8aを取得せよとの信号であると判別し、情報処理部7へ災害発生前の地図情報の取得信号を発信する。情報処理部7は前記取得信号に基づき記憶部8の地図情報8aを取得し、制御部6を介して地図情報テーブル1に返信、前記災害発生前の地図が表示される。
【0018】
次に、前記地図情報テーブル1に表示された地図に、土木部責任者の操作する入力手段2aによって倒壊した家屋、浸水家屋等の災害状況の書き込みが行われる。
また、河川部責任者が入力手段2bによって河川の堤防決壊個所、それに伴う浸水や流出の恐れのある橋等の書き込みを行う。
道路整備部責任者は入力手段2cによって車輌の通行不能な道路状況の書き込みを行う。
水道部責任者は入力手段2dによって上水道の供給不可能な市街地範囲の書き込みを行う。
【0019】
このように複数の関係各部の所定の責任者によって新たな情報が地図情報テーブル1に書き込まれることによって出席者全員に共通の状況認識がなされ対策会議が進行する。
この場合、地図情報テーブル1に表示される地図情報は、入力手段2からの入力信号によって逐一データ処理装置4に入力され、制御部6は前記出力信号を分析し、記憶せよとの判別の上データ処理部7を介して記憶部8に発信し、地図情報8aとして記憶される。
【0020】
対策会議は地図情報テーブル1に表示される地図情報上に文字や点、線などの書き込みや地図の拡大、縮小、移動や、さらに記憶部8から他の地図情報を読み出し、重ね合わせなどが各責任者が操作する入力手段2からの入力信号によって繰り返しなされる。それは、例えば災害地域住民の避難経路、危険地帯への立ち入り禁止区域の設定、緊急物質を輸送する車輌進行ルートの書き込みやその修正などである。この協議中の経過も入力手段2からの入力信号を受けて、データ処理装置4は記憶部8に履歴として保存する。
加工記憶データを表示する際に、保存した履歴など関連する加工記憶データが存在することがわかるように表示し、履歴を参照できるようにする。例えば、画面の隅などに左と右の矢印を表示して、左の矢印を選択することにより前の加工記憶データを表示し、右の矢印を選択することにより後の加工記憶データを表示する。またユーザの設定により、変化個所を強調して表示するようにしてもよい。
【0021】
以上のようにして災害対策を実行する上での地図情報が、情報処理装置100によって、統合処理された情報として作成、記憶される。
この結果の地図情報は、前記入力手段2からの入力を受信する地図情報テーブル1、データ処理装置4を介して表示信号が発信され、知事室内や、市街地に設置されている外部表示装置9である大型ディスプレイに表示される。
また、各部局の担当職員は外部端末機11a〜11nを操作して前記情報処理装置100から前記災害対策の結論の地図情報や、その経過あるいは他の部局の災害情報等必要な地図情報を任意に取り出すことができ、それに基づいて関係住民への指示、情報提供が適確に実施できる。なお、外部端末機11a〜11nは、一般市民が所有する端末機であってもよい。
【0022】
以上のようにこの実施の形態1による情報統合処理装置200を用いると、複数の情報を地図情報テーブル1上に表示し、これに入力信号2によって書き込みを行って情報を統合処理を行って統合データとし、その統合結果及び統合処理過程を装置内に記憶するとともに、外部端末機によって前記記憶データを読み出すことができ、さらに前記結果が外部表示装置9に表示されるので、この情報を得る関係者は従来よりも詳細な情報を得ることができるという効果がある。
【0023】
実施の形態2.
次に、実施の形態2を図2に基づいて説明する。
この実施の形態2は、前述した実施の形態1の図1のデータ処理装置4の情報処理部7に、加えて記憶データである地図情報を判定する記憶データ判別機能7aを設けたものである。記憶部8に記憶される地図情報8aには、例えば個人情報や公共事業計画の予算額等、外部表示装置9によって一般に開示することにふさわしくない機密情報も含まれている。この実施の形態2は前述のような機密情報を誤って外部表示装置9で表示されることを自動的に防止した情報統合処理装置200を提供するものである。
【0024】
以下、構成と動作について説明する。
記憶データ判別機能7aには、機密とすべき情報すなわち個人情報や公共事業計画の予算額等が含まれた情報には、予め機密情報データと認証する認証符号が付与されている。従って記憶部8には、前記認証符号が付与された地図情報と、それ以外の地図情報が記憶されている。外部表示装置9に記憶部8の地図情報8aを表示する場合、入力手段2の出力信号を地図情報テーブル1を介して受信する制御部6は、地図情報の取得信号であると判別後、情報処理部7に地図情報の取得信号を発信する。この信号を受信した情報処理部7は表示指令の地図情報8aの内に、機密情報データが含まれているか否かの判別、つまり取り出す地図情報8aの内に、認証符号が付与されているかの判定を記憶データ判別機能7aにて行う。
【0025】
地図情報8aに認証符号が付与されてない地図情報が情報処理部7、制御部6を介し地図情報テーブル1に返信され、次にデータ処理装置4を介する入力手段2の信号によって外部表示装置9に表示される。一方記憶データ判定機能7aで機密情報と判別された地図情報8aがある場合には、制御部6を介して地図情報テーブル1に返信される。
このように、情報処理部7に記憶データ判別機能7aを設けているので、外部表示装置9に地図情報を表示する前に機密情報か否かの判別を自動的に行うことが可能となり誤って機密情報を外部表示装置9に表示することを未然に防止することができるという効果がある。
【0026】
実施の形態3.
実施の形態3は、図3に示すようにデータ処理装置4に、レイヤ制御部12を設けたものである。このレイヤ制御部12を設ける重要性は、情報入力がこの情報処理装置100の使用する以外の任意のフォーマットを有していたとしても、この情報処理装置100で使用するフォーマットと同じフォーマットに変換することにある。
以下、動作を説明する。
制御部6は地図情報テーブル1を介して入力手段2から入力された信号または、外部端末機11から入力された信号が、当該情報処理装置100が使用するフォーマットと同じであるか否かを判別する。異なるフォーマットを備えた入力信号を受信したとき、制御部6はレイヤ制御部12に当該情報処理装置100の使用するフォーマットと同じフォーマットに変換するよう指令信号を出力する。
レイヤ制御部12は、指令信号を受けてフォーマットの変換を実行後、制御部6に返信する。その後制御部6は前述した実施の形態1と同様に、前記地図情報テーブル1を介する入力信号を分析し、記憶データの取得か、記憶せよかの判定に移行する。これ以降は実施の形態1と同様であるので説明省略する。
【0027】
このような実施の形態3の情報統合処理装置200は、前述した実施の形態1で示した例のような台風災害発生時に、現場責任者が刻一刻変化する災害状況や指示内容を携帯電話機やPDAなどの地図表示可能な端末機を用いて、報告する場合においても、その情報が当該情報処理装置100のフォーマットと異なっていても、レイヤ制御部12でフォーマット変換するので、災害対策本部と現場のタイムラグを無くすることができ、迅速な対応をとることが可能となるという効果がある。
【0028】
実施の形態4.
実施の形態4は、図4に示すように情報処理部7に付帯項目判別機能7bを設けたものである。記憶部8の記憶データである地図情報8aには、そのデータ作成日時や作成者各等の付帯項目が付与されている。記憶部8から取得し地図情報テーブル1に表示される地図情報8aは、前述した情報統合処理を行う場合に、そのデータ作成の日時や作成者名を参照することによって情報の経時的変化を知ることができ、また情報のグループ化等の統合処理のスピードアップ化が図れる。この実施の形態4の情報統合処理装置200は、上記目的を達成するためになされたものである。
次に動作を説明する。
前述した実施の形態1と同様に制御部6は、地図情報テーブル1を介して入力手段2からの付帯項目が付与された地図情報8aを取得せよとの入力信号を分析し、その信号が地図情報8aを取得せよと判別し、情報処理部7にデータ取得の信号を発信する。付帯項目判別機能7bは付帯項目が付与された地図情報8aを判別、取得し、制御部6を介し地図情報テーブル1に返信する。これ以外の動作は実施の形態1と同様であるので説明省略する。
【0029】
このような実施の形態4の情報統合処理装置200は、前述した実施の形態1の実施例1に示したような台風災害発生時に、某河川の増水状況が早朝7時から午後3時まで連続的に記憶データとして記憶部8に記憶されているとき、例えば危険状態となった午前10時から午前11時の時間帯のデータ、つまり付帯項目が付与されたデータを入力手段2の入力信号に基づいて選択的に取り出すことができるので、より迅速な対策立案が可能となる。
【0030】
実施の形態5.
実施の形態5は図5に示すように、データ処理装置4の地図情報テーブル1(表示部)に、ユーザの接触によるハンドジェスチャを認識する入力タッチ部14と、この入力タッチ部14が認識したハンドジェスチャを電気信号に変換する信号変換部15を設けるとともに、記憶部8にこの情報処理装置100の操作責任者(ユーザ)毎のハンドジェスチャから変換された信号のパターンと操作内容を対応付けるパターンデータを記憶するハンドジェスチャパターンデータ8bを設けたものである。
次に動作を説明する。
責任者のハンドジェスチャが入力タッチ部14を介し、信号変換部15で電気信号に変換されて地図情報テーブル1に入力され制御部6に発信される。制御部6は前述の如く記憶データ取得と判定後、情報処理部7に取得信号を発信する。情報処理部7は記憶部8から前記信号に合致したパターンデータ8bを取得し、制御部6を介し地図情報テーブル1に返信する。このような信号送信、返信によって地図情報テーブル1に表示された地図情報はハンドジェスチャ入力により地図情報の拡大、縮小、移動、重ね合わせ等の表示に関する制御や、点や線、文字等が入力される。この際、地図情報テーブル1への入力は複数、同時入力が可能である。このような構成を備えた情報統合処理装置200は、責任者の思考に合った直感的な入力が表示可能となり、処理スピードが向上する。
【0031】
以上、実施の形態1〜5では、台風災害発生時の対策会議を例として情報統合処理装置200の適用例を示したが、これ以外に一般の会議等の業務において、協議結果を議事録などの形でまとめる作業とデータ化する際、本装置を利用すると、協議結果がそのまま装置に蓄積されるため、協議結果をまとめる作業がなくなるとともに、既にデータ化されているため、直接各関係機関に対して作業指示を出して関係機関が作業に取り掛かることが可能となる。
さらに、従来業務においては、協議実施の際に協議資料をあらかじめ作成し、準備しておく必要があった。本システムの場合、前回までの協議履歴が蓄積されているため、協議の場ですぐにこれまでの協議履歴を参照することができる。このため、協議資料の準備作業を省略することが可能となる。
これより、この実施の形態1〜5による情報統合処理装置200を利用することで、従来業務でかかっていた人的コストと時間的コストの削減が可能となり、より効率的な業務の遂行が実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
この発明は、公共団体等が所有する地図情報システムや、一般企業内の会議システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1による情報統合処理装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2による情報統合処理装置の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3による情報統合処理装置の構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態4による情報統合処理装置の構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態5による情報統合処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 地図情報テーブル、2 入力手段、4 データ処理装置、6 制御部、
7 情報処理部、7a 記憶データ判別機能、7b 付帯項目判別機能、8 記憶部、
8a 地図情報データ、8b パターンデータ、9 外部表示装置、
10 ネットワーク、11 外部端末機、12 レイヤ制御部、14 入力タッチ部、
15 信号変換部、100 情報処理装置、200 情報統合処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザからの入力を受け付ける入力手段と、
予め準備された記憶データ、および前記記憶データを前記入力手段からの入力により情報の追加または削除、または修正が行われて得られた加工記憶データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された前記記憶データまたは前記加工記憶データの読み出しと書き込みを制御する情報処理部と、前記入力手段からの入力に応じて前記記憶部から読み出された前記記憶データまたは前記加工記憶データと、前記入力手段により入力された情報とを統合して得られる前記加工記憶データである統合データを、複数のユーザに見えるように、前記入力手段からの入力に従って表示する表示部とを備え、前記入力手段からの入力に応じて、前記統合データを前記記憶部に書き込むことを特徴とする情報統合処理装置。
【請求項2】
前記記憶データは地図情報データであることを特徴とする請求項1に記載の情報統合処理装置。
【請求項3】
前記記憶データまたは前記加工記憶データを、ネットワークにより接続された表示装置または端末に表示することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の情報統合処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、新たな前記加工記憶データを記憶する際に、新たな加工記憶データを記憶する前に読み出されて前記表示部に表示された前記記憶データまたは前記加工記憶データと関連付けて記憶し、前記表示部に前記加工記憶データを表示する際に、関連する前記記憶データまたは前記加工記憶データが存在することが分かるように表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の情報統合処理装置。
【請求項5】
前記記憶データまたは前記加工記憶データは、機密情報が含まれるかどうか判別可能であり、前記記憶部から読み出される前記記憶データまたは前記加工記憶データに機密情報が含まれるかどうか判別し、機密情報を含み、かつ読み出し先がネットワークにより接続された表示装置または端末である場合には、読み出しを拒否する記憶データ判別機能を備えることを特徴とする請求項3に記載の情報統合処理装置。
【請求項6】
前記入力手段により入力された情報の形式が情報統合処理装置で使用する形式と異なる場合に、情報統合処理装置で使用する形式に変換するレイヤ制御部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の情報統合処理装置。
【請求項7】
前記記憶部が記憶する前記記憶データまたは加工記憶データには付帯項目も共に記憶されており、前記入力手段は付帯項目に関する条件を入力でき、前記記憶部の記憶データまたは前記加工記憶データの付帯項目を調べ、前記入力手段により入力された条件を満足するものを読み出す付帯項目判別機能を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の情報統合処理装置。
【請求項8】
前記入力手段として、前記表示部へのユーザの接触によるハンドジェスチャを認識する入力タッチ部と、この入力タッチ部が認識したハンドジェスチャを電気信号に変換する信号変換部と、前記記憶部には前記ユーザごとのハンドジェスチャから変換された信号のパターンと操作内容を対応付けるパターンデータを記憶するハンドジェスチャパターンデータを備え、前記入力タッチ部がハンドジェスチャを認識して前記信号変換部により変換した電気信号で前記記憶部に記憶されたハンドジェスチャパターンデータを検索し、該当する前記パターンデータがある場合に、前記パターンデータの操作内容を実行することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の情報統合処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−211576(P2009−211576A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55726(P2008−55726)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】