説明

情報自動削除機能を有する情報表示装置および情報送信装置

【課題】装置の存在する場所がどこであっても通信したコンテンツ情報を自動で削除することのできる情報表示装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ情報受信手段と、受信したコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報受信手段と、自装置が存在している場所の場所検知手段と、前記受信した自動削除情報に従ってコンテンツ情報の削除手段を有し、前記コンテンツ情報削除手段は前記自動削除情報に含まれている場所または時刻に係る削除条件を抽出し、現在時刻または自情報通信装置の場所が前記抽出した削除条件に合致したならば、当該自動削除情報が指定するコンテンツ情報を自動的に削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ情報を自動で削除することのできる情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を通信する無線LANシステムにおいて、通信されるデータにエリア限定情報を付与することで、利用場所が制限された情報を管理する技術がある(例えば、特許文献1)。
例えば、会議時に機密資料をデータで配布し、会議終了後にデータの消去を行う際、特許文献1に開示されている技術では、データが保持されている通信端末が限定されたエリア外に移動した場合にデータは消去される。しかし、データの送信元が会議終了後のデータ消去を意図していたとしても、通信端末がエリア内に存在する限りデータの消去は行われずに通信端末内に残ったままとなってしまう。その状態で再度通信を行うことにより、機密資料の漏洩が発生する可能性があるという欠点があった。
【0003】
【特許文献1】特開2005−101823
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術の欠点を解決するために、装置の存在する場所がどこであっても通信したコンテンツ情報を自動で削除することのできる情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報表示装置および情報送信装置は、コンテンツ情報を自動的に削除することのできる情報表示装置であり、コンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と、前記受信したコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶手段と、前記受信したコンテンツ情報を表示する情報表示手段と、前記受信したコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報を受信する自動削除情報受信手段と、自装置が存在している場所に係る情報を検知する場所検知手段と、前記受信した自動削除情報に従ってコンテンツ情報を削除するコンテンツ情報削除手段を有し、前記受信したコンテンツ情報に係る自動削除情報を受信した場合に、前記コンテンツ情報削除手段は前記自動削除情報に含まれている場所または時刻に係る削除条件を抽出し、現在時刻または自情報通信装置が存在している場所が前記抽出した削除条件に合致したならば、当該自動削除情報が指定するコンテンツ情報を自動的に削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装置の存在する場所がどこであっても通信したコンテンツ情報を自動的に削除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の情報通信装置を含む機能ブロック図である。
【図2】本発明の情報通信装置がコンテンツ情報を受信する場合のフローチャートである。
【図3】本発明の情報通信装置がコンテンツ情報を送信する場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【実施例】
【0009】
図1は本発明の情報通信装置を含む機能ブロック図である。図1において、1は通信相手端末、2はネットワーク、3は本発明の情報通信装置、101はNW対応部、102はタイマ部、103は場所検知部、104は削除処理部、105は自動削除情報送受信部、106はコンテンツ情報送受信部、107は制御部、108は操作部、109は情報表示部、110はコンテンツ情報記憶部を示す。
【0010】
NW対応部101は、ネットワークを介した通信を行う。自動削除情報送受信部105は、コンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報や、自動削除情報に従ってコンテンツ情報を削除した旨の情報の送受信を行う。コンテンツ情報送受信部106は、通信相手端末とのコンテンツ情報の送受信を行う。
【0011】
タイマ部102は、現在時刻を削除処理部104に送信する。場所検知部103は、自端末の現在場所を検知し、削除処理部104に送信する。削除処理部104は、通信相手端末1からコンテンツ情報を受信する場合は、受信したコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報に従い、現在時刻または自端末が現在存在する場所が削除条件と合致するかどうかを判断し、制御部107にコンテンツ情報削除の指示を行う。また、自装置がコンテンツ情報を配信する場合は、制御部107からの指示に応じてコンテンツ情報の削除条件を生成し、通信相手端末1への送信を行う。尚、本実施例における削除条件とは、コンテンツ情報削除要求時刻と、コンテンツ情報記憶可能エリアを意味する。
【0012】
コンテンツ情報記憶部110は、コンテンツ情報を受信した場合に受信したコンテンツ情報を記憶する。情報表示部109は、通信相手端末1からコンテンツ情報を受信する場合は、受信したコンテンツ情報や、受信したコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報を表示する。また、自端末がコンテンツ情報を配信する場合は、配信したコンテンツ情報、通信相手端末1に送信するコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報、及び通信相手端末1から受信するコンテンツ情報の自動削除が完了した旨の情報を表示する。
【0013】
操作部108は、本発明の情報通信装置3への指示を入力するためのキー等の操作を行う。制御部107は、本発明の情報通信装置3の具体的な動作の制御を行う。
【0014】
図2は、本発明の情報通信装置3がコンテンツ情報を受信する場合のフローチャートを示し、図3は、本発明の情報通信装置3がコンテンツ情報を送信する場合のフローチャートを示す。社内の会議室にてコンテンツ情報を用いた会議をする場合を例として本フローチャートの説明を行う。
【0015】
図2において、情報通信装置3の電源が投入されることで動作を開始する(S201)。会議の主催者の指示により通信相手端末よりコンテンツ情報を受信すると(S202)、コンテンツ情報記憶部110にて受信したコンテンツ情報を記憶し(S203)、情報表示部109にて受信したコンテンツ情報を表示する(S204)。
【0016】
受信したコンテンツ情報にコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報が含まれていない場合は(S205,NO)、コンテンツ情報を保存して(S221)本フローは終了となる。
【0017】
受信したコンテンツ情報が機密文書であり、コンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報が含まれている場合は(S205,YES)、受信した自動削除情報を情報表示部109にて表示する(S206)。自動削除条件付きのコンテンツ情報を受信すると、コンテンツ情報の自動削除が完了するまで、現在自端末が存在している場所と、現在時刻を一定の間隔で確認を行う(S207、S209、S213、S216、S218)。尚、本説明での自動削除条件は、以下の通りとする。
場所:社外に出た場合に削除する。
時刻:午後三時を過ぎた場合に削除する。
【0018】
会議中、自動削除条件付きのコンテンツ情報を受信した端末の所持者が午後三時以前に社外に出た場合(S208,YES→S213→S214,NO)、例えばGPS機能により社外に出たことを検知し、受信したコンテンツ情報を一時的に削除し閲覧不能の状態とする(S215)。その後、社内に戻ってきた場合(S217,NO)、タイマ部102にて現在の時刻を確認し(S218)、午後三時以前であれば(S219,NO)、一時的に削除していたコンテンツ情報を復元し(S220)、再度閲覧可能の状態とする。社内に戻ってきた場合でも午後三時以降であれば(S219,YES)、受信したコンテンツ情報を完全に削除し(S211)、コンテンツ情報の送信元にコンテンツ情報を自動削除した旨を通知して(S212)本フローは終了となる。
【0019】
会議中、一度も社外に出ていない場合でも(S208,NO)、午後三時を過ぎた場合や(S210,YES)、社外に出たあと、午後三時を過ぎた場合は(S214,YES)、受信したコンテンツ情報を完全に削除し(S211)、コンテンツ情報の送信元にコンテンツ情報を自動削除した旨を通知して(S212)本フローは終了となる。
【0020】
図3において、情報通信装置3の電源が投入されることで動作を開始する(S301)。会議で使用する資料が機密文書ではなく、送信するコンテンツ情報に削除条件を付与しない場合は(S302,NO)、コンテンツ情報を送信して(S307)本フローは終了となる。
【0021】
会議で使用する資料が機密文書であり、送信するコンテンツ情報に削除条件を付与する場合は(S302,YES)、操作部108(例えばキー操作)にて送信するコンテンツ情報を削除する場所と時刻を設定し(S303)、削除条件を付与したコンテンツ情報を参加者に送信する(S304)。
【0022】
削除条件を付与したコンテンツ情報を送信したあと、コンテンツ情報を送信した通信相手端末からコンテンツ情報を自動削除した旨の通知を受けられない場合は(S305,NO)、コンテンツ情報を送信した相手端末からコンテンツ情報を自動削除した旨の通知を受けるまで待ち続ける。
【0023】
削除条件を付与したコンテンツ情報を送信したあと、コンテンツ情報を送信した通信相手端末より、コンテンツ情報を自動削除した旨の通知を受けると(S305,YES)、情報表示部109にて送信したコンテンツ情報の自動削除完了結果を表示し(S306)、本フローは終了となる。
【符号の説明】
【0024】
1 通信相手端末
2 ネットワーク
3 本発明の情報通信装置
101 NW対応部
102 タイマ部
103 場所検知部
104 削除処理部
105 自動削除情報送受信部
106 コンテンツ情報送受信部
107 制御部
108 操作部
109 情報表示部
110 コンテンツ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報を受信し、前記受信したコンテンツ情報を表示する情報表示装置において、
コンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と、前記受信したコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶手段と、情報を表示する情報表示手段と、前記受信したコンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報を受信する自動削除情報受信手段と、自装置が存在している場所に係る情報を検知する場所検知手段と、前記受信した自動削除情報に従って所定のコンテンツ情報を削除するコンテンツ情報削除手段と、を有し、
前記自動削除情報を受信した場合に、前記コンテンツ情報削除手段は、前記自動削除情報に含まれている場所または時刻に係る削除条件を抽出し、現在時刻または自装置が存在している場所が前記抽出した削除条件に合致したならば、当該自動削除情報が指定するコンテンツ情報を前記コンテンツ情報記憶手段から自動的に削除することを特徴とする情報自動削除機能を有する情報表示装置。

【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記受信した自動削除情報に従って所定のコンテンツ情報を削除した場合に、当該コンテンツ情報を削除した旨を所定の宛先へ通知することを特徴とする情報自動削除機能を有する情報表示装置。

【請求項3】
請求項1または2に記載の情報表示装置であって、
前記自動削除情報受信手段が前記自動削除情報を受信した場合に、前記情報表示手段は前記受信した自動削除情報に係る情報を表示することを特徴とする情報自動削除機能を有する情報表示装置。

【請求項4】
コンテンツ情報を所定の宛先へ送信する情報送信装置において、
コンテンツ情報を送信するコンテンツ情報送信手段と、前記コンテンツ情報の自動削除に係る自動削除情報を送信する自動削除情報送信手段と、自装置が存在している場所に係る情報を検知する場所検知手段と、を有し、
前記自動削除情報送信手段が送信する自動削除情報は、自装置が存在している場所に応じて生成される場所に係る情報を含むことを特徴とする情報送信装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−203476(P2012−203476A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65059(P2011−65059)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】