情報表示システム、情報表示器及び情報表示器の駆動装置
【課題】薄型でコンパクトな駆動装置を用いて情報を表示できる情報表示システム等を提供する。
【解決手段】情報表示システムは、2枚の基板11,12の間において電界で駆動する表示媒体16を備える情報表示器1Aと、画素電極34が配置されたTFT基板31及び接続部104を有する当接部100と、駆動装置30と、を備える。当接部100を介して駆動装置30と情報表示器1Aとが電気的に接続され、情報表示器1Aと駆動装置30との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて情報表示器1Aの情報表示領域に情報を表示する。
【解決手段】情報表示システムは、2枚の基板11,12の間において電界で駆動する表示媒体16を備える情報表示器1Aと、画素電極34が配置されたTFT基板31及び接続部104を有する当接部100と、駆動装置30と、を備える。当接部100を介して駆動装置30と情報表示器1Aとが電気的に接続され、情報表示器1Aと駆動装置30との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて情報表示器1Aの情報表示領域に情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板間に、電界を付与することで駆動する表示媒体を配置した情報表示器、情報表示器の駆動装置及び情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも観察側となる基板が透明な2枚の基板を対向させて形成した空間に、電界を付与することで駆動できる表示媒体を封入した構成の情報表示器が知られている。この情報表示器は、基板間に電界を発生させて、表示媒体を駆動させて情報を表示するものであった。
【0003】
上述した構成の情報表示器に対して情報を表示するために、電界で駆動できる表示媒体を2枚の基板間に挟んだ構造のパネルを大型の駆動装置にセットして、駆動装置から付与した電界で表示媒体を駆動させて画像を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の例では、情報表示器に情報を表示させる場合には大型のプリンター型駆動装置が必要である。そのような大型のプリンター型駆動装置は設置型となるため、情報表示器の表示内容を書き換えるときには設置された大型のプリンター型駆動装置まで情報表示器を持っていかなければならない問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、薄型でコンパクトな駆動装置を用いて情報を表示できる情報表示器、及び薄型でコンパクトな情報表示器の駆動装置、及び駆動装置と薄型で軽量な情報表示器とで構成される情報表示システムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の例示的な側面としての情報表示システムは、少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され、電界で駆動する表示媒体(表示媒体16)と、を備える少なくとも1枚の情報表示器(情報表示器1A)と、画素電極(画素電極34)が配置されたTFT基板(TFT基板31)及び駆動回路(駆動回路33)を有する駆動装置(駆動装置30)と、該駆動装置の該駆動回路と電気的に接続される接続部(接続部104)と、を備える。前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜(導電膜17)を有する第1基板(第1基板11)と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板(第2基板12)と、であり、前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対面対向させた状態で、前記第1基板の前記導電膜と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を駆動させて前記情報表示領域に情報を表示するように構成されている。前記接続部は、前記情報表示器の前記第1基板の外側面と当接する当接部100に設けられ、前記情報表示器は、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部(導電端子部19)を有しており、前記当接部と前記情報表示器の前記第1基板の外側面とが当接した状態において、該接続部及び前記情報表示器の前記導電端子部を介して前記駆動装置の前記駆動回路と前記情報表示器の前記導電膜とが電気的に接続される。
【0008】
本発明に係る情報表示器によれば、第1基板と駆動装置の画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。また、情報表示器は、駆動装置側の画素電極との間で電界を形成するように構成されており、情報表示器自体が一対の電極を備えないため、情報表示器を薄型で軽量にすることができる。したがって、携帯性に優れた情報表示器や壁面等へ設置しても前面に出っ張らない設置性に優れた情報表示器が得られる。
【0009】
また、本発明の情報表示システムは、駆動装置の駆動回路と電気的に接続される接続部を備えるため、接続部を介して駆動装置と情報表示器とを電気的に接続することができる。具体的には、接続部104を備えた当接部100と情報表示器1Aの第1基板の外側面とが当接した状態において、当接部の接続部104及び情報表示器1Aの導電端子部19を介して駆動装置30の駆動回路33と情報表示器1Aの導電膜17とを接続できるため、容易かつ確実に駆動装置の駆動回路33と情報表示器の導電膜17とを電気的に接続することが可能となる。
【0010】
更に、情報表示器の第2基板の外側面と駆動装置のTFT基板側の面とが対向し、かつ接続部104を備える当接部100と情報表示器の第1基板の外側面とが当接した状態において、情報表示器が、駆動装置と当接部とによって挟持されるように構成してもよい。この構成によれば、情報表示器の両面(第1基板の外側面と第2基板の外側面)を駆動装置と当接部によって挟持することができ、情報表示器と駆動装置とを密着させることが可能となる。
【0011】
また、駆動装置と当接部によって情報表示器の全面を挟持することにより、情報表示器と駆動装置とを全面に亘って均等に密着させ、情報表示器と駆動装置との距離を一定に維持することが可能となる。駆動装置と情報表示器との距離を一定に保つことにより、情報表示器の導電膜と画素電極との距離が一定になり、導電膜と画素電極との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。
【0012】
さらにまた、駆動装置と当接部によって情報表示器の全面を挟持する構造を、駆動装置と当接部とを蝶番構造で一体化して、駆動装置のTFT基板側の面と当接部の当接面とが見開きの状態から閉じた状態にすることで情報表示器を挟み込むように構成することもできる。この構成によれば、情報表示器の両面(第1基板の外側面と第2基板の外側面)を駆動装置と当接部によって容易に挟持することができ、情報表示器と駆動装置とを容易に密着させることが可能となる。
【0013】
また、本発明の他の例示的側面としての情報表示器は、少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備え、前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板と該画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が駆動されて前記情報表示領域に情報を表示する情報表示器であって、前記第1基板の外側面又は該第1基板面と直交する面には、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部が形成されている。
【0014】
また、本発明の他の例示的側面としての情報表示器の駆動装置は、情報表示器の前記面方向に導通する第1基板に当接されるとともに、該第1基板の導電膜と電気的に接続される接続部を備えた当接部と、前記面方向に導通しない第2基板と対面対向される画素電極が配置されたTFT基板とを備える駆動装置であって、前記情報表示器を、前記TFT基板と前記当接部との間に挟持した状態で、前記第1基板と前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記情報表示器の表示媒体駆動を実行する。
【発明の効果】
【0015】
このように構成された情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板と駆動装置の画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。情報表示器において、画素形状に対応してパターニングする必要がある駆動装置側の画素電極を備えないため、情報表示器を薄型でコンパクトにすることができる。更に、接続部を備えた当接部の当接面と情報表示器の第1基板の外側面とが当接した状態において、当接部の接続部及び情報表示器の導電端子部を介して駆動装置の駆動回路と情報表示器の導電膜とを接続できるため、容易かつ確実に駆動装置の駆動回路と情報表示器の導電膜とを電気的に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】情報表示システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】情報表示システムを構成する情報表示器の概略構成図である。
【図3】情報表示システムを構成する駆動装置が備えるTFT基板の概略構成図である。
【図4】情報表示器と駆動装置との接続状態を示した情報表示システムの概略構成図である。
【図5】情報表示器の要部断面図である。
【図6】駆動装置が備えるTFT基板の概略構成図である。(a)は平面図であり、(b)は、要部断面図である。
【図7】情報表示器を駆動装置が備えるTFT基板に対面対向させた状態の要部断面図である。
【図8】情報表示システムの表示原理の説明図である。
【図9】変形例1に係る情報表示器1Bの要部断面図である。
【図10】情報表示システムの他の一例の構成概略図である。
【図11】情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。
【図12】変形例3に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Dの要部断面図である。
【図13】変形例4に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Eの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る情報表示器及び情報表示システムの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)情報表示システムの概略構成、(2)情報表示器の概略構成、(3)駆動装置の概略構成、(4)情報表示システムの情報表示原理、(5)変形例、(6)その他の実施形態、(7)作用・効果について説明する。
【0018】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
(1)情報表示システムの概略構成
まず、図1から図4に基づいて情報表示システムの概略構成について説明する。図1は、情報表示システムの一例を示して全体構成を示した図であり、図2は情報表示器1A(1)を示した図である。また、図3は、駆動装置30を示した図であり、図4は、駆動装置30に情報表示器1を載置した状態を示した図である。
【0020】
情報表示システムは、複数の情報表示器1A(1)と、接続部104を備えた当接部100と、駆動装置30と、を備えている。情報表示器1は、面方向に導通する導電膜(導電膜)17を有する第1基板11と、絶縁体材料基板である第2基板12と、第1基板11と第2基板12との間に配置された表示媒体層13と、駆動装置30側と電気的に接続される導電端子部19と、を備える。表示媒体層13には、第1基板11と第2基板12との間に印加された電界に応じて駆動することで情報を表示する表示媒体16(図5参照)が封入されている。
【0021】
導電端子部19は、導電膜17と電気的に接続されており、第1基板11に形成された穴部に設けられている。導電端子部19は、情報表示器1Aにおいて接続部104を有する当接部100と当接する面に設けられている。
【0022】
当接部100が備える接続部104は、駆動装置30が備える駆動回路33と電気的に接続されており、当接部100は、駆動装置が備えるTFT基板に載置された情報表示器1Aを挟持するように情報表示器1Aに当接載置される。
【0023】
図1に示す例では、当接部100は、駆動装置30を収容した支持部102と蝶番構造103で一体化された当接部100であり、駆動装置30が備える駆動回路33との電気的な接続状態を維持したまま開閉することが可能に構成されている。
【0024】
図10に示す例では、当接部100は、駆動装置30を収容した支持部102とフレキシブルなコードで繋がっており、当接部100が備える接続部104と、駆動装置30が備える駆動回路33との電気的な接続状態を維持したまま移動することが可能に構成されている。フレキシブルなコードを、駆動装置側および当接部側から引き出した2本のコードとし、それぞれの端部を互いに接続可能にする接続端子を設ければ、駆動装置と当接部とを分離できる構成にすることもできる。
【0025】
図1、図4に示す例では、当接部100と駆動装置の支持部102とを蝶番構造で回転移動可能に接続するヒンジ部103としている。当接部100と支持部102との間に、情報表示器1Aが挟持される。当接部100の支持部102側の面は、情報表示器1Aの第1基板11側の面と当接する当接面である。
【0026】
当接面は、第1基板11の全面を覆うように配置される。当接面には、情報表示器1Aの第1基板11の外側面と接した状態において、情報表示器1Aの導電端子部19と電気的に接続する接続部104が形成されている(図4参照)。
【0027】
当接部100の接続部104は、フレキシブルケーブルを介して駆動装置30の駆動回路33と電気的に接続されている。したがって、当接部100の当接面と情報表示器1Aの第1基板11側の面とが当接した状態において、接続部104及び導電端子部19を介して、情報表示器の導電膜17と駆動装置30の駆動回路33とが電気的に接続される。
【0028】
なお、駆動装置30の駆動回路33は、当接部100の接続部104と導通可能な位置に設けられていればよく、図3(a)に示すようにTFT基板31の側方に配置されていてもよいし、図3(b)に示すようにTFT基板31と駆動装置基台32との間に配置されていてもよい。
【0029】
情報の書き換えや情報の表示を行う際には、図4に示すように、情報表示器1Aの第2基板12の外側面を、駆動装置30の画素電極34に対面対向配置させ、当接部100の当接面を情報表示器1Aの第1基板11の外側面に当接させる。このように配置することにより、情報表示器1Aの導電端子部19と当接部100の接続部104とが接続されて、情報表示器1Aの導電膜17と駆動装置30の駆動回路33とが電気的に接続される。そして、駆動回路33を作動させることにより、第1基板11と第2基板12の間に印加された電界によって表示媒体16が駆動し、情報表示領域に情報を表示したり、すでに表示されている情報を消去したりすることができる。
【0030】
駆動装置30を収容した支持部102および当接部100とは、当接部100が備える接続部104と駆動装置30が備える駆動回路33との電気的に接続状態を維持したまま互いに移動したり、分離したりすることが可能に構成された当接部100を、情報表示器1Aを挟持できるように、情報表示器1Aの上に載置する当接部100側を重くして当接部100が情報表示器1Aを押し付けるようにしたり、支持部102と当接部100とをばねやゴム材料のような弾性体で接合して当接部100が情報表示器1Aを押し付けるようにしたりすると、情報表示器1Aの第2基板12の外側面と、駆動装置30の画素電極34とが密着して表示媒体が駆動しやすくなるとともに、表示媒体駆動中に位置ズレが発生して表示情報の画像が乱れることも抑制できるので好ましい。
【0031】
図1、図4に示したヒンジ部103に上記弾性体による接合構造を採用すれば、支持部102に対して当接部100を回転移動させるとともに押し付けることができるようになるので好ましい。
【0032】
(2)情報表示器の概略構成
本実施形態に係る情報表示器1Aの構成について、図2、図4及び図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態に係る情報表示器1Aの要部断面図である。具体的には、基板(第1基板11又は第2基板12)に対して直交する断面における断面図である。
【0033】
情報表示器1Aは、情報が表示される情報表示領域を有する。情報表示領域は、第1基板11側からの平面視において、表示媒体16が配置されている領域である。情報表示器1Aは、第1基板11と、第2基板12と、表示媒体層13と、表示媒体層13内の空間を確保する支持部14(ここでは空間を仕切る隔壁14を示す)と、接着層20と、表示媒体16と、当接部100が備える接続部104と電気的に接続される導電端子部19と、を有する。
【0034】
(2−1)基板の構成
第1基板11は、導電膜17(導電膜17)を有しており、面方向に導通するように構成されている。第2基板12は、第1基板11と対向して配置されている。第2基板12は、絶縁体材料基板であり、面方向に導通しないように構成されている。第1基板11と第2基板12との間には、電界によって駆動する表示媒体16が封入された表示媒体層13が形成されている。
【0035】
図5に示す実施形態では、第1基板11が、観察基板である。具体的には、第1基板11は、少なくとも情報表示領域が透明な基板であり、観察者は、第1基板11側から観察することによって、第1基板11と第2基板12の間に配置された表示媒体16によって表示された情報を視認できる。第1基板11は、少なくとも情報表示領域においては、可視光の透過率が高く、かつ耐熱性の良いものによって形成されている。一方、第2基板12は、非観察基板となる。
【0036】
なお、本発明における透明とは、可視光を透過させるものであればよく、半透明や有色も含む概念である。具体的には、可視光の透過率が50%以上あればよい。
【0037】
なお、本実施の形態1に係る情報表示器1A(図5に示した情報表示器1A)は、第1基板11を観察基板として、第2基板12を非観察基板としているが、第2基板12を観察基板として、第1基板11を非観察基板とする形態にしてもよい。また、第1基板11側から観察する場合と、第2基板12側から観察する場合とでは、丁度、ネガ・ポジの関係となるため、観察基板にあわせて表示媒体の駆動を行う。なお、第1基板11を観察基板とした構成では、情報表示器1を駆動装置30に取り付けた状態で、表示媒体の駆動を行って書き換えた情報を見ることができる。従って、本発明の情報表示器では、第1基板11の情報表示領域および第2基板12の情報表示領域をともに透明にして、表示させた情報を、裏表の両面からそれぞれネガ画像、ポジ画像として視認するような使い方もできる。
【0038】
導電膜17は、第1基板11の情報表示領域全面にベタ状に形成されており、電界形成用の電極として機能する。このようにベタ状の導電膜17によって構成することにより、パターニングが不要であり、また駆動用ICを駆動装置30側に搭載して情報表示器側に搭載しない構成とすることで、極めて安価な情報表示器を作製することができる。
【0039】
導電膜17は、ベタ状とするほかにもストライプ状にしたり、網目状にしたり、ドット状に形成したりしたものを電気的に連続して接続することができる。第1基板11を観察基板としない場合には、第1基板11全体を導電性材料として構成することができる。なお、この構成においては、第1基板11の外側表面に絶縁膜を配置して感電や漏電を防止することが望ましい。
【0040】
第1基板11には、面方向と直交する方向に貫通する穴部が形成されており、この穴部には、導電膜17と電気的に接続された導電端子部19が形成されている。導電端子部19は、例えば穴部の表面に設けられた導電膜によって構成することができる。導電端子部19は、情報表示器1Aの第1基板11の外側表面に到達している。この場合、当接部100側に突出した接続部104を形成しておき、この突出した接続部104を、上記穴部となっている導電端子部19に挿入して、当接部100側との電気的接続をとることができる。
【0041】
また、導電端子部19は、例えば穴部に導電材料を配置して、この導電材料を情報表示器1Aの第1基板11の外側表面に僅かに突出させておくことで構成することもできる。この場合、当接部100の接続部104を平面状にして、情報表示器1Aの第1基板11の外側表面に当接部100を当接したときに接続部104と突出した導電材料とを接触させて、当接部100の接続部104との電気的接続をとることができる。
【0042】
本発明では、情報表示器1Aの導電膜17と、後述する駆動装置30の画素電極34とが対向する電極間に形成された電界によって、表示媒体層13に配置した表示媒体16を2枚の基板間で駆動させる方式をとるため、対向電極の一方となる第1基板11の導電膜17は面方向に導通して共通電極として機能させる必要がある。一方、対向電極対の間に入り込むこととなる第2基板12は、面方向に導通しないようにして、対向電極間に発生させた電界をシールドしてしまうことがないようにする必要がある。
【0043】
第2基板12は、例えば、基板全体を絶縁体で構成したり、絶縁体材料で構成した基板表面に複数のドット状電極をそれぞれが電気的に接続されないように独立して設けて構成したりして、面方向に導通させない構造とすることができる。更に、第2基板12は、面方向に導通しない構成であればよく、その表面に導電膜が部分的に設けられていても、その導電膜が互いに電気的に接続され連続した構成となっていなければ面方向に導通しない構成とすることができる。このような構成によっても、電界をシールドすることがないため、情報の書き換え、言い換えると表示媒体の駆動の妨げとならない。
【0044】
第1基板11と第2基板12との間隔は、表示媒体16が駆動できて、表示コントラストを維持できればよく、2μm〜500μm、好ましくは5μm〜200μmに、表示媒体の種類に合わせて支持部14(隔壁14)の高さによって調整される。
【0045】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、第1基板11と第2基板12との間隔は10μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmの範囲で調整される。さらに、この場合に、基板間の気体中空間(真空中を含む)における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての粒子の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【0046】
第1基板11と第2基板12の間における外端部近傍には、シール部材10が設けられている(図5参照)。シール部材10によって表示媒体層13の内部に外部から湿分が浸入しないように構成されている。
【0047】
第1基板の厚みは、2μm〜2000μmが好ましく、さらに5μm〜1000μmが好適である。なお、第1基板の厚みが薄すぎると、強度や基板間の間隔均一性が保ちにくくなり、2000μmよりも厚いと、薄型の情報表示器とする場合に不都合がある。
【0048】
また、第1基板11の厚さよりも、第2基板12の厚さの方が薄く形成されている。例えば、第2基板12の厚さを25μm〜125μmの厚さに構成することで、駆動装置30側の画素電極34と導電膜17との間に電圧を印加して発生させる電界を、表示媒体16全体に効果的に与えることができる。具体的には、情報の書き換え等を行う際には、導電膜17と画素電極34との間に第2基板12が配置された状態で表示媒体16の駆動がなされる。したがって、第2基板12の厚みが125μmを超えると、電極対間に形成される電界で表示媒体16が駆動しにくくなる不都合があり、25μmより薄いと、情報表示器1を作製する時のハンドリングが容易でなくなる不都合がある。
【0049】
第1基板11及び第2基板12に用いられる材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂やガラスなどの透明材料製シートや、ガラス繊維で補強したエポキシ樹脂などの不透明材料製シートを絶縁体基板として用いることができる。また、情報表示器1の基板のうち導電性基板としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属シートやシート基材の表面に金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属膜をコートした導電性シートなどを用いることができる。
【0050】
導電膜17を含む導電膜に用いられる材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン鉛酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(styrene sulfonate))等の導電性高分子が挙げられる。更に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属や、これらの金属を主成分とする合金を用いることができる。
【0051】
特に、第1基板を観察基板とする際には、透明導電膜として好適なITO等の金属酸化物系材料を用いることが望ましい。ITO等の金属酸化物系材料は、金属材料に比べて可とう性が小さい。ITO等の金属酸化物系材料で導電膜を構成する場合には、透明導電膜中での断線防止のため、金属細線と併用することが好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げとならないので好ましい。情報表示領域外や背面側基板に設ける導電膜は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さく、可とう性にも優れた前記金属材料が好適に用いられる。また、観察基板の情報表示領域外や非観察基板に設ける導電膜の厚さは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01μm〜10μmに設計される。
【0052】
導電膜の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(科学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法、金属箔(例えば、圧延銅箔など)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布して成膜する方法が用いられる。
【0053】
導電膜17として設ける導電膜の厚さは、導電性や光透過性を鑑みて決定され、0.01μm〜10μm、好ましくは、0.05μm〜5μmの範囲にする。なお、第2基板12が観察側となる構成においては、導電膜の光透過性を考慮しなくてもよい。
【0054】
(2−2)表示媒体層の構成
表示媒体層13は、第1基板11、第2基板12、接着層20、及び隔壁14によって仕切られた表示区画としてのセル27を複数有する。隔壁14の代わりに基板間の距離を確保する支持部を設けた構成にしてもよい。隔壁14で形成した各セル27には、例えば、複数の粒子からなる表示媒体16が封入されている。表示媒体16は、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16Wと、正帯電正黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16Bと、である。各表示媒体16は、帯電性を有しており、電界で、すなわち電気的に駆動可能である。第2基板12の外側に配置される駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と、第1基板11の導電膜17とに印加した電圧で形成した電界により、表示媒体16を第1基板11と第2基板12間で移動させて情報を表示する。
【0055】
隔壁14は、第1基板11と第2基板12との間に形成されている。隔壁14は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、表示媒体16が封入された表示区画を仕切る機能と、を発揮する。隔壁14を設けることによって、第1基板11と第2基板とが一定の間隔で保持され、第1基板11の導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことができる。導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことにより、導電膜17と画素電極34との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。
【0056】
また、隔壁14で囲まれたセル内に、表示媒体とする粒子を収納することによって、駆動した粒子が基板間で基板の面方向にずれて偏在するようになることを抑制できる。また、隔壁14を設けることによって、上面及び下面が第1基板11及び第2基板12で形成され、側面が隔壁14で形成されたセル27が形成される。なお、セル27には、表示媒体16の他に、気体(例えば、空気)または絶縁性液体が封入されている。なお、セル内の空間は、真空であっても良い。
【0057】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
【0058】
この空隙部分とは、セル内の空間部分であり、対向する2枚の基板に挟まれる部分から、電極、表示媒体の占有部分、隔壁の占有部分、基板間のシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
【0059】
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように基板間に封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐ本発明に係るシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0060】
各セルの大きさは、表示媒体とする粒子の平均粒子径が、1μm〜20μm程度の場合、平面視にて長方形であれば、1辺の長さが50μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が望ましい。また、ハニカム(六角形)形状の場合は、向かい合う頂点の距離が100μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が好ましい。このような構成にすれば、セル内で移動を繰り返した粒子が、凝集したり、偏在したりする不都合が発生しにくい。
【0061】
また、セル27を仕切るための隔壁の配置は格子状、ハニカム状、網目状などにすることができる。セルの横断面形状は、四角形、三角形、六角形、階段型八角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合わせても良い。非表示部となる隔壁の占める割合を小さくできる点からは四角形、階段型八角形や六角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動しやすくできる点からは曲線を有する形状が好ましい。前記二つの点から角丸付きの四角形や角丸付きの六角形、角丸付きの階段型八角形が好ましく用いられる。非表示部となる隔壁の占める割合は、平面視にて情報表示領域の10%程度であり、好ましくは10%以下である。
【0062】
なお、本実施の形態に係る隔壁は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、表示媒体16が封入された表示区画を仕切る機能と、を有するが、本発明に係る隔壁は、少なくとも第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持するいわゆるスペーサーとしての機能だけを有した支持部であればよく、連続した隔壁でなく、断続した隔壁としたり、柱状スペーサーや球状スペーサーとしたりすることができる。 また、表示媒体16が封入された表示区画を仕切る機能だけを有する隔壁を、上記支持部として機能する隔壁に加えて設けることもできる。この表示領域を仕切る機能だけを有する隔壁の高さは、基板間距離以下、すなわち支持部となる隔壁の高さ以下にすることができる。
【0063】
隔壁14(上記スペーサーを含む)の材料は、レジスト材が好適であり、液状レジスト材やドライフィルムレジスト材が用いられる。ドライフィルムレジスト材の一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。これらのレジスト材は露光硬化後に透明となるので好ましく用いられる。球状スペーサーであれば同じ直径の球体を用いる。
【0064】
本発明では、情報表示領域に配置する隔壁を、上記したレジスト材に顔料を配合してフォトリソグラフィーを実行して有色の隔壁としたり、上記したレジスト材に顔料を配合せずにフォトリソグラフィーを実行して透明な隔壁としたりできる。情報表示領域内外を問わず、すべての隔壁を同じレジスト材を用いて形成することができる。この場合には、すべての隔壁を同時に形成できるので効率の面でも好ましい。
【0065】
接着層20は、隔壁14上に形成される。接着層20の一面は、隔壁14と接している。一面に対向する接着層20の他面は、第2基板12と接している。隔壁14と接着層20を介して第1基板11と第2基板12とが固定される。
【0066】
図5に示す情報表示器1Aにおいては、接着層20は、第2基板12側に形成されている。接着層20は、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの導電性を有しない接着性材料によって形成される。なぜならば、連続した隔壁に対して導電性を有する接着層が形成されると、第2基板12が面方向に導通する用になり良好な情報表示が行えなくなるからである。図9に示す情報表示器1Bにおいては、接着層20は、第1基板11側に形成されている。この場合には、接着層20は導電性を有していても構わない。
【0067】
(2−3)表示媒体の構成
第1基板11と第2基板12との間に封入される表示媒体は、例えば、帯電性粒子を含む粒子群によって構成することができる。帯電性粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて荷電制御材剤、着色剤、無機添加物等の粒子構成材料を含ますことができる。以下に、荷電制御材料、着色料、その他添加剤を例示する。
【0068】
荷電制御材料としては、特に制限はないが、負荷電制御剤とすれば例えば、サリチル酸金属錯体、合金属アゾ染体、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ酸化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤とすれば例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0069】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
【0070】
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
【0071】
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0072】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
【0073】
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0074】
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
【0075】
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
【0076】
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0077】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0078】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0079】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。
【0080】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の帯電性粒子を作製できる。
【0081】
また、表示媒体を構成する帯電性粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1μm〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0082】
さらに、表示媒体を構成する帯電性粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
【0083】
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大き<、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)。Spanを5以下の範囲に納めることにより、表示媒体を構成する粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0084】
さらにまた、複数の粒子群を表示媒体として使用する場合には、使用した粒子群の帯電性粒子の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)に対する、最小の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)の比をl0以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに電気特性の異なる粒子群が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近い方が容易に移動できるようになるので好適であり、それがこの範囲となる。
【0085】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern lnstruments Ltd.)測定植を用いて、窒素気流中に粒子群を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0086】
第1基板11と第2基板12との間に封入される黒色表示媒体16Bとしての黒色粒子は、例えば、以下の方法による得ることができる。メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60重量部、及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部、及び、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパーF600:日本油脂製)5重量部を溶解させた後、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いることによって、平均粒子径9.2μmの正帯電性黒色粒子を得る。
【0087】
また、白色表示媒体16Wとしての白色粒子は、以下の方法で得ることができる。ポリメチルペンテンポリマー(TPX-R18;三井化学社製)100重量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90:石原産業社製)100重量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)5重量部とを2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化することによって、平均粒子径9.5μmの負帯電性の白色粒子を得る。
【0088】
このような帯電性粒子だけで構成した粒子群を表示媒体としたり、この帯電性粒子に微小粒子を付着させたまたは固定させた構成の粒子群を表示媒体としたりする。帯電性粒子と微小粒子とのサイズの関係は、帯電性粒子の平均粒子径が1μm〜20μmの範囲であるのに対して、微小粒子の平均粒子径は10nm〜500nmの範囲である。
【0089】
(2−4)散乱層の構成
散乱層18は、第1基板11の面方向と直交する方向における外側に形成されている。第1基板11の外側とは、第2基板12側とは反対側をいう。すなわち、第1基板11の観察者に近い側である。散乱層18は、光を散乱するように構成されていればよく、光を散乱すれば散乱方法は問わない。例えば、散乱層18の表面(例えば、観察者側)に凹凸(例えば、プリズム)を有することにより、光を散乱しても良い。散乱層18は、散乱層18の屈折率と異なる屈折率を持つ粒子を散乱層18内部に含むことにより、光を散乱しても良い。散乱層18と粒子との屈折率との差による内部散乱により光が散乱される。両方の方法を組み合わせても良いし、別の方法により、散乱層を形成しても良い。
【0090】
(3)駆動装置の概略構成
次いで、駆動装置30について図3及び図6を参照して詳細に説明する。
駆動装置30は、TFT基板31を駆動装置基台32上に形成して構成されている。TFT基板31は、基板36上に画素電極34を形成して構成されている。図6は、駆動装置30のTFT基板31を示しており、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。なお、説明の便宜上、図6(a)に示す平面図と(b)に示す断面図とは、必ずしも構成を一致させていない。TFT基板31の構成は、図6に示す例に限定されるものではなく、従来、TFT基板として公知の種々の構成を用いることができる。
【0091】
駆動装置30のTFT基板31は、アクティブ・マトリックス方式のTFT回路37と、各TFT回路37に接続した画素電極34を設けて構成されている。TFT回路37は、マトリックス状に配置された画素電極34に対応して設けられた半導体層38に対し、ゲート電極39とソース電極40とを直交して設けるとともに、ドレイン電極41を設けて構成されている。ドレイン電極41は、各々別々に画素電極34と接続される。TFT回路37のスイッチング機能により、画素電極34に対する電圧印加および電圧非印加を制御している。
【0092】
(4)情報表示システムの情報表示原理
次いで、このように構成された情報表示器1と駆動装置30とを用いた情報表示システムの情報表示原理を説明する。図7は、支持部102に収容された駆動装置30のTFT基板31上に情報表示器1Aを配置した状態を示した拡大断面図であり、図8は、情報表示器1Aの模式断面図であり、情報表示器1Aに情報を表示する方法を説明するための図である。図10は、他の例となる情報表示システムの全体構成を示した図である。図10に示す情報表示システムは、情報表示器1Cと、接続部104を備えた当接部100と、駆動装置30と、を備えている。当接部100と駆動装置30とは、接続用のフレキシブルコードで電気的に接続されている。駆動装置は支持部102に収容され、前記フレキシブルコードの先端は、駆動装置の駆動回路33と接続されている。
【0093】
図1、図3に示す例では、支持部102と当接部100とを蝶番構造で回転移動可能に接続するヒンジ部103としているが、図10に示す例では、当接部と駆動装置とは、フレキシブルコードで繋がって一体に構成されている。この構成によっても、駆動装置と当接部との間に情報表示器を挟持することができる。さらに、この構成においてフレキシブルコードを分断し、分断部分に互いの接続端子部を形成した構成として、当接部と駆動装置とを分離できる構成とすることもできる。
【0094】
この情報表示システムの特徴は、駆動装置30のTFT基板31の表面(画素電極配置面)と、情報表示器1Aの第2基板12とを接するように対面対向配置させて情報を書き換えて表示する点にある。なお、第2基板12とTFT基板31とは、等距離を持って対面対向配置させればよく、接していても離れていてもよい。更に、第2基板12とTFT基板31とは、少なくとも画素電極34配置領域面が接することが好ましく、全面必ずしも密着していなくてもよいが、もちろん密着させてもよい。第2基板12とTFT基板とがあまりにも離れていると、情報表示器1Aの第1基板11の面方向に導通する導電膜(導電膜17)と、TFT基板の画素電極34との対向間隔が大きくなりすぎて、表示媒体16を駆動させるために大きな電界が必要となる不具合があるので、できる限り近づけることが望ましい。本発明では、当接部を用いることで、第2基板12とTFT基板31とをできるだけ近づけられるようにしている。
【0095】
情報を書き換え表示する際の一例としては、図1(b)や図10(b)に示すように、第2基板12と駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34とを対面対向させて配置する。次いで、当接部100を、裏側の当接面に設けられた接続部104と、情報表示器1Aの第1基板11に設けた導電端子部19とが接するようにして情報表示器1Aの第1基板11の面に当接させる。そして、当接部100を下方に(情報表示器1Aを駆動装置30側に向けて)押圧して、情報表示器1Aを、駆動装置30と当接部100との間に挟持する。当接部100の当接面は、情報表示器1A全面を覆っているため、情報表示器1Aの第2基板12全面が、駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34配置領域と均等に密着する。この状態において、TFT基板31の全ての画素電極34と情報表示器1の導電膜17との間に同じ電界を形成して、表示媒体16を駆動(移動)させる。このようにして、情報表示器1の情報表示領域全面を黒色の表示又は白色の表示とする消去工程を行う。
【0096】
情報を書き換え表示する際の一例としては、図1に示すように、第2基板12と駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34とを対面対向させて配置する。次いで、当接部100を、ヒンジ部103を中心に揺動させて、当接部100の当接面を情報表示器1Aの第1基板11側の面に当接させる。このとき、当接部100裏側の当接面に設けられた接続部104と、情報表示器1Aの第1基板11に設けた導電端子部19とが接するように構成しておく。そして、当接部100を下方に(情報表示器1Aを駆動装置30側に向けて)押圧して、情報表示器1Aを、駆動装置30と当接部100との間に挟持する。ヒンジ部103に、駆動装置30側に当接部100を引張るように弾性体を配置しておくと、当接部100を、ヒンジ部103を中心に揺動させるとともに当接部100を下方に(情報表示器1Aを駆動装置30側に向けて)押圧することができ好ましい。当接部100の当接面は、情報表示器1A全面を覆っているため、情報表示器1Aの第2基板12全面が駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34配置領域と均等に密着する。この状態において、TFT基板31の全ての画素電極34と情報表示器1の導電膜17との間に同じ電界を形成して、表示媒体16を駆動(移動)させる。このようにして、情報表示器1の情報表示領域全面を黒色の表示又は白色の表示とする消去工程を行う。
【0097】
次に、表示させたい情報に応じて、駆動装置30のTFT基板31の各TFT回路を制御して、駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と情報表示器1の導電膜17との間に形成する電界を制御する。駆動装置30のTFT基板31の画素電極34配置に対応した領域にある表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。
【0098】
このようにして、画素電極34と導電膜17との間に形成した電界により、図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態に、情報表示器1Aに情報を表示することができる。図8では、情報表示器1Aの第1基板11を観察基板として書換えて表示した情報を視認している様子を示している。
【0099】
表示させたい情報を情報表示領域に表示させた後、駆動装置30から情報表示器1を取り外しても、情報表示器1の情報表示領域に表示された情報は、そのメモリー性により、そのまま消えることなく維持されるので、情報表示器1の観察基板側から観察することによって表示された情報をみることができる。
【0100】
(5)変形例
次いで、変形例に係る情報表示器及び情報表示システムについて説明する。なお、以下の変形例の説明においては、実施の形態に係る情報表示器等との相違点について主に説明する。
【0101】
図9は、変形例1に係る情報表示器1Bの断面図である。変形例1に係る情報表示器1Bは、第1基板11が導電性を有する材質によって形成されており、第1基板11の外側には、絶縁膜21が形成されている。当接部100の接続部104と接続する導電端子部19は、その一部が第1基板11と接しており、絶縁膜21上に設けられている。このような構成に係る情報表示器1Bによっても、情報表示器1Bの第2基板12の外側面と駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34とを対面対向させるように情報表示器1Bを駆動装置30に載置した状態で、当接部100を情報表示器1B上に移動させて当接部100の当接面と情報表示器1Bの第1基板11の外側面とを当接させることにより、当接部100の接続部104及び導電端子部19を介して導電膜17と駆動回路33とを電気的に接続することができる。
【0102】
なお、情報表示器の導電端子部19は、情報表示器の周囲のスペースを有効活用する観点より、情報表示器における駆動装置が備えるTFT基板31の画素電極34と対面対向して配置される面(第2基板側の面)以外の面に設けられていればよく、第1基板11の外側面のみならず、この第1基板面と直交する面に設けられてもよい。また、変形例1に係る情報表示器1Bの導電端子部19は、絶縁膜21上にはみ出して設けられているが、例えば、第1基板11の一部(例えば端部)に絶縁膜17を設けないように構成して、この端部を導電端子部として構成してもよいし、導電性材料で構成した第1基板11の側面を導電端子部として構成してもよい。前者では、全面に設けた絶縁膜21に孔を形成したり、第1基板11角部を折り返して導電性材料を外側面に配置したりするなどの後加工がいるが、後者では後加工は要らない。
【0103】
なお、第1基板11に設けられる絶縁膜における絶縁性は、表面抵抗率で、1.0×108Ω/sq〜1.0×1016Ω/sqである。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると十分な絶縁性が得られない。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると、情報表示器1を駆動装置30に装着して表示画像を書換える際に感電や漏電するおそれがある。また、絶縁膜の膜厚は、100nm〜5μmとする。
【0104】
なお、絶縁膜の材料としては、特に制限されないが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などの樹脂が挙げられ、2種以上混合することもできる。
【0105】
なお、本実施の形態では、予め設置された当接部100を備えた駆動装置30に情報表示器を載置し、情報の書き換え等を行うように構成したが、異なる態様によって情報の書き換えを実行するように構成してもよい。図11は、情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。図11に示す使用態様では、情報表示器を天井等から吊り下げている。例えば、電車の吊り広告として情報表示器を使用した態様である。
【0106】
このように吊り下げられた情報表示器1Aは、一方の面と対向するように駆動装置30を配置しても、駆動装置30と情報表示器1Aとの相対位置を一定に保つことが難しく、情報の書き換えが難しい場合がある。しかし、図11(b)及び(c)に示すように、情報表示器1Aの第2基板側の面に沿って駆動装置30を収納した支持部102を配置し、この状態で接続部104を備えた当接部100を蝶番構造のヒンジ部を介して移動させることにより、図11(d)に示すように当接部100と支持部102のTFT基板面とによって情報表示器1Aを挟み込んで挟持することができる。したがって、情報表示器1Aを吊り下げて配置した態様等、不安定な配置状態においても、情報表示器1Aと駆動装置30との距離を一定に保ち、情報の書き換えを実行することができる。
【0107】
(6)その他の実施形態
本実施の形態に係る情報表示器は、非観察基板と隔壁14との間に接着層20を配置しているが、観察基板と隔壁14との間に接着層20を設けてもよい。また、本実施の形態に係る情報表示器は、第1基板11又は第2基板12と隔壁14との間に接着層を設けているが、本発明に係る情報表示器は接着層を設けなくてもよい。更に、実施の形態に係る情報表示器は散乱層18を備えているが、本発明に係る情報表示器は散乱層を備えていなくてもよい。
【0108】
また、本発明に係る情報表示器は、面方向に導通しない第2基板12の外側に、帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqであることが望ましい。帯電防止層はとしては、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(styrene sulfonate))の様な透明な導電性高分子を塗布した後の透明な膜や、ITOやSnO2などの透明導電性酸化物の粒子を樹脂バインダーに分散して構成した透明膜などがある。なお、第2基板12が観察基板となる場合には、透明な帯電防止層を設ける。第2基板12が観察側とならない場合には、帯電防止層は透明でなくてもよい。
【0109】
表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである帯電防止層としての膜は、情報表示器の第2基板の全てを被覆したり、断続させて面方向の導通性をより少なくしたりするように配置する。表面抵抗率が1.0×105Ω/sqより小さいと、言い換えれば導電性が高いと、第2基板全体が絶縁性基板でなくなってしまう不都合がある。また、表面抵抗率が、1.0×1012Ω/sqを超えると、帯電防止機能を得られない不都合がある。
【0110】
なお、表面抵抗率は、二重リング法と呼ばれる方式で測定した。二重リング法では、二重リング電極(内極φ16mm、外極内径φ30mm、外極外径φ40mm)を用い、負荷5N、印加電圧10Vで測定した。測定器としては、シシド静電気製「Megaresta Model HT-301」表面抵抗計を用いた。
【0111】
また、本実施の形態におけるTFT基板31は、画素電極34が露出するように構成されているが、画素電極34の上に表面抵抗率1.0×105Ω/sq以上の膜を保護層として設けることができる。この保護層は、絶縁膜とするため1.0×105Ω/sq以上の表面抵抗率を有する必要がある。
【0112】
更に、駆動装置の画素電極34と対向する絶縁性の第2基板内面に、ドット電極を設けてもよい。ドット電極を設けることにより、情報を表示させた後の表示媒体を絶縁性の第2基板側に良好に保持でき、表示させた情報を良好に維持することができる。なお、ドット電極は、情報表示器の平面視においてドット状に配置し、面方向に導通しない構成とする。面方向に導通しないことにより、表示書き換えを行う際の電界に妨げとなることはない。
【0113】
表示媒体16は、白色表示媒体16W及び黒色表示媒体16Bに限られず、他色の表示媒体16を用いてもよい。また、表示媒体は、電界で駆動し、電源供給を切断しても表示した情報が保持できる表示メモリー性があるものであればよい。
【0114】
帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させるもののほかに、他の構成を例示することができる。例えば、図12に示す変形例3に係る情報表示器1Dのように、帯電性粒子を含んだ粒子群を絶縁液体51中で駆動させるもの(マイクロカプセル型の電気泳動方式が知られている)であってもよい。図12に示す例では、表示媒体層に、帯電性粒子を含んだ粒子群(正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16B及び負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16W)を透明な絶縁液体51と共に封入したマイクロカプセル52を配置している。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、基板間に電界を付与して白色表示媒体16Wを移動させることができる。(b)は、画素電極34に対応した位置にある白色表示媒体16Wおよび黒色表示媒体16Bが移動し、黒色粒子群(黒色表示媒体16B)および白色粒子群(白色表示媒体16W)で情報を表示した状態を示している。図12(a)、(b)に示すように、画素電極34のサイズと粒子(表示媒体)を収納しているマイクロカプセルのサイズとは異なっていてもよい。書換え駆動させた画素電極34に対応した位置にある表示媒体だけを駆動させて、表示したい情報を表示することができる。
【0115】
また、図13に示す変形例4に係る情報表示器1Eのように、帯電粒子を含んだ粒子群として構成した1種類の表示媒体(白色表示媒体16W)を有色絶縁液体とともに隔壁で形成したセル内に封入した情報表示器を例示することができる。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、基板間に電界を付与して白色表示媒体16Wを移動させることができる。(b)は、画素電極34に対応した位置にある白色表示媒体16Wが移動し、有色絶縁液体(有色表示媒体)および白色粒子群(白色表示媒体16W)で情報を表示した状態を示している。図13(a)、(b)に示すように、画素電極34のサイズと粒子(表示媒体)を収納しているセルのサイズとは異なっていてもよい。書換え駆動させた画素電極34に対応した位置にある表示媒体だけを駆動させて、表示したい情報を表示することができる。
【0116】
更に、半分ずつ2色かつ異なる帯電極性に構成した球状粒子やマイクロカプセル内で回転駆動させるもの(ツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるものなどがある。このうち、駆動応答速度が速く、表示メモリー性にも優れた、帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させる方式が好ましく採用される。
【0117】
(7)作用・効果
本発明の情報表示システムは、薄型で軽量な情報表示器とともに、コンパクトな駆動装置を提供する。情報表示器を駆動装置のTFT基板部分に載置するとともに情報表示器の上から当接部を押し当てることによって、駆動装置30と情報表示器1とを電気的に接続するとともに等間隔で対面対向配置させた後、駆動装置30を作動させることにより情報表示器1に表示したい情報を表示することができる。そして、情報表示器1に情報を表示した状態で、駆動装置30から情報表示器1を取り外して持ち歩くような使い方も可能にするものである。
【0118】
また、本発明に係る駆動装置は、接続部を有する当接部を備えるため、当接部の接続部を介して駆動装置と情報表示器とを電気的に接続することができる。当接部の当接面を情報表示器の第1基板の外側面に当接させることによって、容易かつ確実に駆動装置と情報表示器とを電気的に接続することが可能となる。
【0119】
更に、本発明の情報表示システムは、コンパクトな駆動装置と、薄型で軽量な情報表示器1とで構成するため、情報表示システム全体を携帯することが可能となる。したがって、情報表示器を、リサイクルメモ用紙、リサイクルノート、リサイクル宣伝カード、会議の配布資料等の用途にリサイクルペーパーとして好適に使用することができる。
【0120】
情報表示器の導電端子部は、第1基板の外側面又は第1基板面と直交する面に形成されている。このように導電端子部を形成することにより、情報表示器1における駆動装置30と対面対向して配置される面(第2基板側の面)以外の面の周囲スペースを有効活用することができるとともに、第1基板の外側面に対して、当接部の当接面を対面させて当接するだけで、駆動装置30の駆動回路33と、情報表示器1の導電膜(導電膜17)との電気的接続がとれるので好ましい。
【0121】
また、情報表示器の第2基板の外側面と駆動装置のTFT基板の面とが対面対向し、かつ当接部の当接面と第1基板の外側面とが当接した状態において、情報表示器は、駆動装置と当接部とによって挟持されるように構成されている。この構成によれば、情報表示器を挟持したときに情報表示器の両面(第1基板側の面と第2基板側の面)に対してそれぞれ駆動装置からの押し付け力および当接部からの押し付け力が働くので、情報表示器と駆動装置とを密着させることが可能となる。
更に、接続部104を備えた当接部100と、駆動装置30を収納した支持部102とを蝶番構造を介して一体にした構成の駆動装置とすることによって、情報表示器が不安定な配置状態であっても、駆動装置のTFT基板と情報表示器との相対位置を一定に保つことができ、情報の書き換えを実行することができる。
【0122】
また、本発明に係る情報表示器1は、当接部の当接面が基板の面方向と直交する方向において情報表示領域と重なるように配置されている。この構成によれば、少なくとも情報表示器の情報表示領域において、情報表示器と駆動装置のTFT基板とを密着させ、情報表示器と駆動装置のTFT基板との距離を一定に維持することが可能となる。駆動装置のTFT基板と情報表示器との距離を一定に保つことにより、情報表示器の導電膜17とTFT基板の画素電極34との距離が一定になり、導電膜と画素電極との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。
【0123】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0124】
1…情報表示器、 11…第1基板、 12…第2基板、 13…表示媒体層、 14…支持部(隔壁)、 16…表示媒体、 16B…黒色表示媒体、 16W…白色表示媒体、 17…導電膜、 18…散乱層、 19…導電端子部、 20…接着層、 21…絶縁層、 30…駆動装置、 31…TFT基板、 32…駆動装置基台、 33…駆動回路、 34…画素電極、 36…TFT回路を搭載した基板、 37…TFT回路、 38…半導体層、 39…ゲート電極、 40…ソース電極、 41…ドレイン電極、 43…凹部、 51…絶縁液体、 52…マイクロカプセル、 100…当接部、 102…支持部、 103…蝶番構造部、 104…接続部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板間に、電界を付与することで駆動する表示媒体を配置した情報表示器、情報表示器の駆動装置及び情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも観察側となる基板が透明な2枚の基板を対向させて形成した空間に、電界を付与することで駆動できる表示媒体を封入した構成の情報表示器が知られている。この情報表示器は、基板間に電界を発生させて、表示媒体を駆動させて情報を表示するものであった。
【0003】
上述した構成の情報表示器に対して情報を表示するために、電界で駆動できる表示媒体を2枚の基板間に挟んだ構造のパネルを大型の駆動装置にセットして、駆動装置から付与した電界で表示媒体を駆動させて画像を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の例では、情報表示器に情報を表示させる場合には大型のプリンター型駆動装置が必要である。そのような大型のプリンター型駆動装置は設置型となるため、情報表示器の表示内容を書き換えるときには設置された大型のプリンター型駆動装置まで情報表示器を持っていかなければならない問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、薄型でコンパクトな駆動装置を用いて情報を表示できる情報表示器、及び薄型でコンパクトな情報表示器の駆動装置、及び駆動装置と薄型で軽量な情報表示器とで構成される情報表示システムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の例示的な側面としての情報表示システムは、少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され、電界で駆動する表示媒体(表示媒体16)と、を備える少なくとも1枚の情報表示器(情報表示器1A)と、画素電極(画素電極34)が配置されたTFT基板(TFT基板31)及び駆動回路(駆動回路33)を有する駆動装置(駆動装置30)と、該駆動装置の該駆動回路と電気的に接続される接続部(接続部104)と、を備える。前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜(導電膜17)を有する第1基板(第1基板11)と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板(第2基板12)と、であり、前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対面対向させた状態で、前記第1基板の前記導電膜と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を駆動させて前記情報表示領域に情報を表示するように構成されている。前記接続部は、前記情報表示器の前記第1基板の外側面と当接する当接部100に設けられ、前記情報表示器は、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部(導電端子部19)を有しており、前記当接部と前記情報表示器の前記第1基板の外側面とが当接した状態において、該接続部及び前記情報表示器の前記導電端子部を介して前記駆動装置の前記駆動回路と前記情報表示器の前記導電膜とが電気的に接続される。
【0008】
本発明に係る情報表示器によれば、第1基板と駆動装置の画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。また、情報表示器は、駆動装置側の画素電極との間で電界を形成するように構成されており、情報表示器自体が一対の電極を備えないため、情報表示器を薄型で軽量にすることができる。したがって、携帯性に優れた情報表示器や壁面等へ設置しても前面に出っ張らない設置性に優れた情報表示器が得られる。
【0009】
また、本発明の情報表示システムは、駆動装置の駆動回路と電気的に接続される接続部を備えるため、接続部を介して駆動装置と情報表示器とを電気的に接続することができる。具体的には、接続部104を備えた当接部100と情報表示器1Aの第1基板の外側面とが当接した状態において、当接部の接続部104及び情報表示器1Aの導電端子部19を介して駆動装置30の駆動回路33と情報表示器1Aの導電膜17とを接続できるため、容易かつ確実に駆動装置の駆動回路33と情報表示器の導電膜17とを電気的に接続することが可能となる。
【0010】
更に、情報表示器の第2基板の外側面と駆動装置のTFT基板側の面とが対向し、かつ接続部104を備える当接部100と情報表示器の第1基板の外側面とが当接した状態において、情報表示器が、駆動装置と当接部とによって挟持されるように構成してもよい。この構成によれば、情報表示器の両面(第1基板の外側面と第2基板の外側面)を駆動装置と当接部によって挟持することができ、情報表示器と駆動装置とを密着させることが可能となる。
【0011】
また、駆動装置と当接部によって情報表示器の全面を挟持することにより、情報表示器と駆動装置とを全面に亘って均等に密着させ、情報表示器と駆動装置との距離を一定に維持することが可能となる。駆動装置と情報表示器との距離を一定に保つことにより、情報表示器の導電膜と画素電極との距離が一定になり、導電膜と画素電極との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。
【0012】
さらにまた、駆動装置と当接部によって情報表示器の全面を挟持する構造を、駆動装置と当接部とを蝶番構造で一体化して、駆動装置のTFT基板側の面と当接部の当接面とが見開きの状態から閉じた状態にすることで情報表示器を挟み込むように構成することもできる。この構成によれば、情報表示器の両面(第1基板の外側面と第2基板の外側面)を駆動装置と当接部によって容易に挟持することができ、情報表示器と駆動装置とを容易に密着させることが可能となる。
【0013】
また、本発明の他の例示的側面としての情報表示器は、少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備え、前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板と該画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が駆動されて前記情報表示領域に情報を表示する情報表示器であって、前記第1基板の外側面又は該第1基板面と直交する面には、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部が形成されている。
【0014】
また、本発明の他の例示的側面としての情報表示器の駆動装置は、情報表示器の前記面方向に導通する第1基板に当接されるとともに、該第1基板の導電膜と電気的に接続される接続部を備えた当接部と、前記面方向に導通しない第2基板と対面対向される画素電極が配置されたTFT基板とを備える駆動装置であって、前記情報表示器を、前記TFT基板と前記当接部との間に挟持した状態で、前記第1基板と前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記情報表示器の表示媒体駆動を実行する。
【発明の効果】
【0015】
このように構成された情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板と駆動装置の画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。情報表示器において、画素形状に対応してパターニングする必要がある駆動装置側の画素電極を備えないため、情報表示器を薄型でコンパクトにすることができる。更に、接続部を備えた当接部の当接面と情報表示器の第1基板の外側面とが当接した状態において、当接部の接続部及び情報表示器の導電端子部を介して駆動装置の駆動回路と情報表示器の導電膜とを接続できるため、容易かつ確実に駆動装置の駆動回路と情報表示器の導電膜とを電気的に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】情報表示システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】情報表示システムを構成する情報表示器の概略構成図である。
【図3】情報表示システムを構成する駆動装置が備えるTFT基板の概略構成図である。
【図4】情報表示器と駆動装置との接続状態を示した情報表示システムの概略構成図である。
【図5】情報表示器の要部断面図である。
【図6】駆動装置が備えるTFT基板の概略構成図である。(a)は平面図であり、(b)は、要部断面図である。
【図7】情報表示器を駆動装置が備えるTFT基板に対面対向させた状態の要部断面図である。
【図8】情報表示システムの表示原理の説明図である。
【図9】変形例1に係る情報表示器1Bの要部断面図である。
【図10】情報表示システムの他の一例の構成概略図である。
【図11】情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。
【図12】変形例3に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Dの要部断面図である。
【図13】変形例4に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Eの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る情報表示器及び情報表示システムの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)情報表示システムの概略構成、(2)情報表示器の概略構成、(3)駆動装置の概略構成、(4)情報表示システムの情報表示原理、(5)変形例、(6)その他の実施形態、(7)作用・効果について説明する。
【0018】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
(1)情報表示システムの概略構成
まず、図1から図4に基づいて情報表示システムの概略構成について説明する。図1は、情報表示システムの一例を示して全体構成を示した図であり、図2は情報表示器1A(1)を示した図である。また、図3は、駆動装置30を示した図であり、図4は、駆動装置30に情報表示器1を載置した状態を示した図である。
【0020】
情報表示システムは、複数の情報表示器1A(1)と、接続部104を備えた当接部100と、駆動装置30と、を備えている。情報表示器1は、面方向に導通する導電膜(導電膜)17を有する第1基板11と、絶縁体材料基板である第2基板12と、第1基板11と第2基板12との間に配置された表示媒体層13と、駆動装置30側と電気的に接続される導電端子部19と、を備える。表示媒体層13には、第1基板11と第2基板12との間に印加された電界に応じて駆動することで情報を表示する表示媒体16(図5参照)が封入されている。
【0021】
導電端子部19は、導電膜17と電気的に接続されており、第1基板11に形成された穴部に設けられている。導電端子部19は、情報表示器1Aにおいて接続部104を有する当接部100と当接する面に設けられている。
【0022】
当接部100が備える接続部104は、駆動装置30が備える駆動回路33と電気的に接続されており、当接部100は、駆動装置が備えるTFT基板に載置された情報表示器1Aを挟持するように情報表示器1Aに当接載置される。
【0023】
図1に示す例では、当接部100は、駆動装置30を収容した支持部102と蝶番構造103で一体化された当接部100であり、駆動装置30が備える駆動回路33との電気的な接続状態を維持したまま開閉することが可能に構成されている。
【0024】
図10に示す例では、当接部100は、駆動装置30を収容した支持部102とフレキシブルなコードで繋がっており、当接部100が備える接続部104と、駆動装置30が備える駆動回路33との電気的な接続状態を維持したまま移動することが可能に構成されている。フレキシブルなコードを、駆動装置側および当接部側から引き出した2本のコードとし、それぞれの端部を互いに接続可能にする接続端子を設ければ、駆動装置と当接部とを分離できる構成にすることもできる。
【0025】
図1、図4に示す例では、当接部100と駆動装置の支持部102とを蝶番構造で回転移動可能に接続するヒンジ部103としている。当接部100と支持部102との間に、情報表示器1Aが挟持される。当接部100の支持部102側の面は、情報表示器1Aの第1基板11側の面と当接する当接面である。
【0026】
当接面は、第1基板11の全面を覆うように配置される。当接面には、情報表示器1Aの第1基板11の外側面と接した状態において、情報表示器1Aの導電端子部19と電気的に接続する接続部104が形成されている(図4参照)。
【0027】
当接部100の接続部104は、フレキシブルケーブルを介して駆動装置30の駆動回路33と電気的に接続されている。したがって、当接部100の当接面と情報表示器1Aの第1基板11側の面とが当接した状態において、接続部104及び導電端子部19を介して、情報表示器の導電膜17と駆動装置30の駆動回路33とが電気的に接続される。
【0028】
なお、駆動装置30の駆動回路33は、当接部100の接続部104と導通可能な位置に設けられていればよく、図3(a)に示すようにTFT基板31の側方に配置されていてもよいし、図3(b)に示すようにTFT基板31と駆動装置基台32との間に配置されていてもよい。
【0029】
情報の書き換えや情報の表示を行う際には、図4に示すように、情報表示器1Aの第2基板12の外側面を、駆動装置30の画素電極34に対面対向配置させ、当接部100の当接面を情報表示器1Aの第1基板11の外側面に当接させる。このように配置することにより、情報表示器1Aの導電端子部19と当接部100の接続部104とが接続されて、情報表示器1Aの導電膜17と駆動装置30の駆動回路33とが電気的に接続される。そして、駆動回路33を作動させることにより、第1基板11と第2基板12の間に印加された電界によって表示媒体16が駆動し、情報表示領域に情報を表示したり、すでに表示されている情報を消去したりすることができる。
【0030】
駆動装置30を収容した支持部102および当接部100とは、当接部100が備える接続部104と駆動装置30が備える駆動回路33との電気的に接続状態を維持したまま互いに移動したり、分離したりすることが可能に構成された当接部100を、情報表示器1Aを挟持できるように、情報表示器1Aの上に載置する当接部100側を重くして当接部100が情報表示器1Aを押し付けるようにしたり、支持部102と当接部100とをばねやゴム材料のような弾性体で接合して当接部100が情報表示器1Aを押し付けるようにしたりすると、情報表示器1Aの第2基板12の外側面と、駆動装置30の画素電極34とが密着して表示媒体が駆動しやすくなるとともに、表示媒体駆動中に位置ズレが発生して表示情報の画像が乱れることも抑制できるので好ましい。
【0031】
図1、図4に示したヒンジ部103に上記弾性体による接合構造を採用すれば、支持部102に対して当接部100を回転移動させるとともに押し付けることができるようになるので好ましい。
【0032】
(2)情報表示器の概略構成
本実施形態に係る情報表示器1Aの構成について、図2、図4及び図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態に係る情報表示器1Aの要部断面図である。具体的には、基板(第1基板11又は第2基板12)に対して直交する断面における断面図である。
【0033】
情報表示器1Aは、情報が表示される情報表示領域を有する。情報表示領域は、第1基板11側からの平面視において、表示媒体16が配置されている領域である。情報表示器1Aは、第1基板11と、第2基板12と、表示媒体層13と、表示媒体層13内の空間を確保する支持部14(ここでは空間を仕切る隔壁14を示す)と、接着層20と、表示媒体16と、当接部100が備える接続部104と電気的に接続される導電端子部19と、を有する。
【0034】
(2−1)基板の構成
第1基板11は、導電膜17(導電膜17)を有しており、面方向に導通するように構成されている。第2基板12は、第1基板11と対向して配置されている。第2基板12は、絶縁体材料基板であり、面方向に導通しないように構成されている。第1基板11と第2基板12との間には、電界によって駆動する表示媒体16が封入された表示媒体層13が形成されている。
【0035】
図5に示す実施形態では、第1基板11が、観察基板である。具体的には、第1基板11は、少なくとも情報表示領域が透明な基板であり、観察者は、第1基板11側から観察することによって、第1基板11と第2基板12の間に配置された表示媒体16によって表示された情報を視認できる。第1基板11は、少なくとも情報表示領域においては、可視光の透過率が高く、かつ耐熱性の良いものによって形成されている。一方、第2基板12は、非観察基板となる。
【0036】
なお、本発明における透明とは、可視光を透過させるものであればよく、半透明や有色も含む概念である。具体的には、可視光の透過率が50%以上あればよい。
【0037】
なお、本実施の形態1に係る情報表示器1A(図5に示した情報表示器1A)は、第1基板11を観察基板として、第2基板12を非観察基板としているが、第2基板12を観察基板として、第1基板11を非観察基板とする形態にしてもよい。また、第1基板11側から観察する場合と、第2基板12側から観察する場合とでは、丁度、ネガ・ポジの関係となるため、観察基板にあわせて表示媒体の駆動を行う。なお、第1基板11を観察基板とした構成では、情報表示器1を駆動装置30に取り付けた状態で、表示媒体の駆動を行って書き換えた情報を見ることができる。従って、本発明の情報表示器では、第1基板11の情報表示領域および第2基板12の情報表示領域をともに透明にして、表示させた情報を、裏表の両面からそれぞれネガ画像、ポジ画像として視認するような使い方もできる。
【0038】
導電膜17は、第1基板11の情報表示領域全面にベタ状に形成されており、電界形成用の電極として機能する。このようにベタ状の導電膜17によって構成することにより、パターニングが不要であり、また駆動用ICを駆動装置30側に搭載して情報表示器側に搭載しない構成とすることで、極めて安価な情報表示器を作製することができる。
【0039】
導電膜17は、ベタ状とするほかにもストライプ状にしたり、網目状にしたり、ドット状に形成したりしたものを電気的に連続して接続することができる。第1基板11を観察基板としない場合には、第1基板11全体を導電性材料として構成することができる。なお、この構成においては、第1基板11の外側表面に絶縁膜を配置して感電や漏電を防止することが望ましい。
【0040】
第1基板11には、面方向と直交する方向に貫通する穴部が形成されており、この穴部には、導電膜17と電気的に接続された導電端子部19が形成されている。導電端子部19は、例えば穴部の表面に設けられた導電膜によって構成することができる。導電端子部19は、情報表示器1Aの第1基板11の外側表面に到達している。この場合、当接部100側に突出した接続部104を形成しておき、この突出した接続部104を、上記穴部となっている導電端子部19に挿入して、当接部100側との電気的接続をとることができる。
【0041】
また、導電端子部19は、例えば穴部に導電材料を配置して、この導電材料を情報表示器1Aの第1基板11の外側表面に僅かに突出させておくことで構成することもできる。この場合、当接部100の接続部104を平面状にして、情報表示器1Aの第1基板11の外側表面に当接部100を当接したときに接続部104と突出した導電材料とを接触させて、当接部100の接続部104との電気的接続をとることができる。
【0042】
本発明では、情報表示器1Aの導電膜17と、後述する駆動装置30の画素電極34とが対向する電極間に形成された電界によって、表示媒体層13に配置した表示媒体16を2枚の基板間で駆動させる方式をとるため、対向電極の一方となる第1基板11の導電膜17は面方向に導通して共通電極として機能させる必要がある。一方、対向電極対の間に入り込むこととなる第2基板12は、面方向に導通しないようにして、対向電極間に発生させた電界をシールドしてしまうことがないようにする必要がある。
【0043】
第2基板12は、例えば、基板全体を絶縁体で構成したり、絶縁体材料で構成した基板表面に複数のドット状電極をそれぞれが電気的に接続されないように独立して設けて構成したりして、面方向に導通させない構造とすることができる。更に、第2基板12は、面方向に導通しない構成であればよく、その表面に導電膜が部分的に設けられていても、その導電膜が互いに電気的に接続され連続した構成となっていなければ面方向に導通しない構成とすることができる。このような構成によっても、電界をシールドすることがないため、情報の書き換え、言い換えると表示媒体の駆動の妨げとならない。
【0044】
第1基板11と第2基板12との間隔は、表示媒体16が駆動できて、表示コントラストを維持できればよく、2μm〜500μm、好ましくは5μm〜200μmに、表示媒体の種類に合わせて支持部14(隔壁14)の高さによって調整される。
【0045】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、第1基板11と第2基板12との間隔は10μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmの範囲で調整される。さらに、この場合に、基板間の気体中空間(真空中を含む)における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての粒子の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【0046】
第1基板11と第2基板12の間における外端部近傍には、シール部材10が設けられている(図5参照)。シール部材10によって表示媒体層13の内部に外部から湿分が浸入しないように構成されている。
【0047】
第1基板の厚みは、2μm〜2000μmが好ましく、さらに5μm〜1000μmが好適である。なお、第1基板の厚みが薄すぎると、強度や基板間の間隔均一性が保ちにくくなり、2000μmよりも厚いと、薄型の情報表示器とする場合に不都合がある。
【0048】
また、第1基板11の厚さよりも、第2基板12の厚さの方が薄く形成されている。例えば、第2基板12の厚さを25μm〜125μmの厚さに構成することで、駆動装置30側の画素電極34と導電膜17との間に電圧を印加して発生させる電界を、表示媒体16全体に効果的に与えることができる。具体的には、情報の書き換え等を行う際には、導電膜17と画素電極34との間に第2基板12が配置された状態で表示媒体16の駆動がなされる。したがって、第2基板12の厚みが125μmを超えると、電極対間に形成される電界で表示媒体16が駆動しにくくなる不都合があり、25μmより薄いと、情報表示器1を作製する時のハンドリングが容易でなくなる不都合がある。
【0049】
第1基板11及び第2基板12に用いられる材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂やガラスなどの透明材料製シートや、ガラス繊維で補強したエポキシ樹脂などの不透明材料製シートを絶縁体基板として用いることができる。また、情報表示器1の基板のうち導電性基板としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属シートやシート基材の表面に金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属膜をコートした導電性シートなどを用いることができる。
【0050】
導電膜17を含む導電膜に用いられる材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン鉛酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(styrene sulfonate))等の導電性高分子が挙げられる。更に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属や、これらの金属を主成分とする合金を用いることができる。
【0051】
特に、第1基板を観察基板とする際には、透明導電膜として好適なITO等の金属酸化物系材料を用いることが望ましい。ITO等の金属酸化物系材料は、金属材料に比べて可とう性が小さい。ITO等の金属酸化物系材料で導電膜を構成する場合には、透明導電膜中での断線防止のため、金属細線と併用することが好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げとならないので好ましい。情報表示領域外や背面側基板に設ける導電膜は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さく、可とう性にも優れた前記金属材料が好適に用いられる。また、観察基板の情報表示領域外や非観察基板に設ける導電膜の厚さは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01μm〜10μmに設計される。
【0052】
導電膜の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(科学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法、金属箔(例えば、圧延銅箔など)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布して成膜する方法が用いられる。
【0053】
導電膜17として設ける導電膜の厚さは、導電性や光透過性を鑑みて決定され、0.01μm〜10μm、好ましくは、0.05μm〜5μmの範囲にする。なお、第2基板12が観察側となる構成においては、導電膜の光透過性を考慮しなくてもよい。
【0054】
(2−2)表示媒体層の構成
表示媒体層13は、第1基板11、第2基板12、接着層20、及び隔壁14によって仕切られた表示区画としてのセル27を複数有する。隔壁14の代わりに基板間の距離を確保する支持部を設けた構成にしてもよい。隔壁14で形成した各セル27には、例えば、複数の粒子からなる表示媒体16が封入されている。表示媒体16は、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16Wと、正帯電正黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16Bと、である。各表示媒体16は、帯電性を有しており、電界で、すなわち電気的に駆動可能である。第2基板12の外側に配置される駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と、第1基板11の導電膜17とに印加した電圧で形成した電界により、表示媒体16を第1基板11と第2基板12間で移動させて情報を表示する。
【0055】
隔壁14は、第1基板11と第2基板12との間に形成されている。隔壁14は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、表示媒体16が封入された表示区画を仕切る機能と、を発揮する。隔壁14を設けることによって、第1基板11と第2基板とが一定の間隔で保持され、第1基板11の導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことができる。導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことにより、導電膜17と画素電極34との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。
【0056】
また、隔壁14で囲まれたセル内に、表示媒体とする粒子を収納することによって、駆動した粒子が基板間で基板の面方向にずれて偏在するようになることを抑制できる。また、隔壁14を設けることによって、上面及び下面が第1基板11及び第2基板12で形成され、側面が隔壁14で形成されたセル27が形成される。なお、セル27には、表示媒体16の他に、気体(例えば、空気)または絶縁性液体が封入されている。なお、セル内の空間は、真空であっても良い。
【0057】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
【0058】
この空隙部分とは、セル内の空間部分であり、対向する2枚の基板に挟まれる部分から、電極、表示媒体の占有部分、隔壁の占有部分、基板間のシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
【0059】
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように基板間に封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐ本発明に係るシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0060】
各セルの大きさは、表示媒体とする粒子の平均粒子径が、1μm〜20μm程度の場合、平面視にて長方形であれば、1辺の長さが50μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が望ましい。また、ハニカム(六角形)形状の場合は、向かい合う頂点の距離が100μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が好ましい。このような構成にすれば、セル内で移動を繰り返した粒子が、凝集したり、偏在したりする不都合が発生しにくい。
【0061】
また、セル27を仕切るための隔壁の配置は格子状、ハニカム状、網目状などにすることができる。セルの横断面形状は、四角形、三角形、六角形、階段型八角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合わせても良い。非表示部となる隔壁の占める割合を小さくできる点からは四角形、階段型八角形や六角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動しやすくできる点からは曲線を有する形状が好ましい。前記二つの点から角丸付きの四角形や角丸付きの六角形、角丸付きの階段型八角形が好ましく用いられる。非表示部となる隔壁の占める割合は、平面視にて情報表示領域の10%程度であり、好ましくは10%以下である。
【0062】
なお、本実施の形態に係る隔壁は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、表示媒体16が封入された表示区画を仕切る機能と、を有するが、本発明に係る隔壁は、少なくとも第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持するいわゆるスペーサーとしての機能だけを有した支持部であればよく、連続した隔壁でなく、断続した隔壁としたり、柱状スペーサーや球状スペーサーとしたりすることができる。 また、表示媒体16が封入された表示区画を仕切る機能だけを有する隔壁を、上記支持部として機能する隔壁に加えて設けることもできる。この表示領域を仕切る機能だけを有する隔壁の高さは、基板間距離以下、すなわち支持部となる隔壁の高さ以下にすることができる。
【0063】
隔壁14(上記スペーサーを含む)の材料は、レジスト材が好適であり、液状レジスト材やドライフィルムレジスト材が用いられる。ドライフィルムレジスト材の一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。これらのレジスト材は露光硬化後に透明となるので好ましく用いられる。球状スペーサーであれば同じ直径の球体を用いる。
【0064】
本発明では、情報表示領域に配置する隔壁を、上記したレジスト材に顔料を配合してフォトリソグラフィーを実行して有色の隔壁としたり、上記したレジスト材に顔料を配合せずにフォトリソグラフィーを実行して透明な隔壁としたりできる。情報表示領域内外を問わず、すべての隔壁を同じレジスト材を用いて形成することができる。この場合には、すべての隔壁を同時に形成できるので効率の面でも好ましい。
【0065】
接着層20は、隔壁14上に形成される。接着層20の一面は、隔壁14と接している。一面に対向する接着層20の他面は、第2基板12と接している。隔壁14と接着層20を介して第1基板11と第2基板12とが固定される。
【0066】
図5に示す情報表示器1Aにおいては、接着層20は、第2基板12側に形成されている。接着層20は、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの導電性を有しない接着性材料によって形成される。なぜならば、連続した隔壁に対して導電性を有する接着層が形成されると、第2基板12が面方向に導通する用になり良好な情報表示が行えなくなるからである。図9に示す情報表示器1Bにおいては、接着層20は、第1基板11側に形成されている。この場合には、接着層20は導電性を有していても構わない。
【0067】
(2−3)表示媒体の構成
第1基板11と第2基板12との間に封入される表示媒体は、例えば、帯電性粒子を含む粒子群によって構成することができる。帯電性粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて荷電制御材剤、着色剤、無機添加物等の粒子構成材料を含ますことができる。以下に、荷電制御材料、着色料、その他添加剤を例示する。
【0068】
荷電制御材料としては、特に制限はないが、負荷電制御剤とすれば例えば、サリチル酸金属錯体、合金属アゾ染体、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ酸化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤とすれば例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0069】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
【0070】
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
【0071】
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0072】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
【0073】
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0074】
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
【0075】
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
【0076】
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0077】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0078】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0079】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。
【0080】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の帯電性粒子を作製できる。
【0081】
また、表示媒体を構成する帯電性粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1μm〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0082】
さらに、表示媒体を構成する帯電性粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
【0083】
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大き<、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)。Spanを5以下の範囲に納めることにより、表示媒体を構成する粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0084】
さらにまた、複数の粒子群を表示媒体として使用する場合には、使用した粒子群の帯電性粒子の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)に対する、最小の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)の比をl0以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに電気特性の異なる粒子群が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近い方が容易に移動できるようになるので好適であり、それがこの範囲となる。
【0085】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern lnstruments Ltd.)測定植を用いて、窒素気流中に粒子群を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0086】
第1基板11と第2基板12との間に封入される黒色表示媒体16Bとしての黒色粒子は、例えば、以下の方法による得ることができる。メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60重量部、及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部、及び、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパーF600:日本油脂製)5重量部を溶解させた後、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いることによって、平均粒子径9.2μmの正帯電性黒色粒子を得る。
【0087】
また、白色表示媒体16Wとしての白色粒子は、以下の方法で得ることができる。ポリメチルペンテンポリマー(TPX-R18;三井化学社製)100重量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90:石原産業社製)100重量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)5重量部とを2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化することによって、平均粒子径9.5μmの負帯電性の白色粒子を得る。
【0088】
このような帯電性粒子だけで構成した粒子群を表示媒体としたり、この帯電性粒子に微小粒子を付着させたまたは固定させた構成の粒子群を表示媒体としたりする。帯電性粒子と微小粒子とのサイズの関係は、帯電性粒子の平均粒子径が1μm〜20μmの範囲であるのに対して、微小粒子の平均粒子径は10nm〜500nmの範囲である。
【0089】
(2−4)散乱層の構成
散乱層18は、第1基板11の面方向と直交する方向における外側に形成されている。第1基板11の外側とは、第2基板12側とは反対側をいう。すなわち、第1基板11の観察者に近い側である。散乱層18は、光を散乱するように構成されていればよく、光を散乱すれば散乱方法は問わない。例えば、散乱層18の表面(例えば、観察者側)に凹凸(例えば、プリズム)を有することにより、光を散乱しても良い。散乱層18は、散乱層18の屈折率と異なる屈折率を持つ粒子を散乱層18内部に含むことにより、光を散乱しても良い。散乱層18と粒子との屈折率との差による内部散乱により光が散乱される。両方の方法を組み合わせても良いし、別の方法により、散乱層を形成しても良い。
【0090】
(3)駆動装置の概略構成
次いで、駆動装置30について図3及び図6を参照して詳細に説明する。
駆動装置30は、TFT基板31を駆動装置基台32上に形成して構成されている。TFT基板31は、基板36上に画素電極34を形成して構成されている。図6は、駆動装置30のTFT基板31を示しており、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。なお、説明の便宜上、図6(a)に示す平面図と(b)に示す断面図とは、必ずしも構成を一致させていない。TFT基板31の構成は、図6に示す例に限定されるものではなく、従来、TFT基板として公知の種々の構成を用いることができる。
【0091】
駆動装置30のTFT基板31は、アクティブ・マトリックス方式のTFT回路37と、各TFT回路37に接続した画素電極34を設けて構成されている。TFT回路37は、マトリックス状に配置された画素電極34に対応して設けられた半導体層38に対し、ゲート電極39とソース電極40とを直交して設けるとともに、ドレイン電極41を設けて構成されている。ドレイン電極41は、各々別々に画素電極34と接続される。TFT回路37のスイッチング機能により、画素電極34に対する電圧印加および電圧非印加を制御している。
【0092】
(4)情報表示システムの情報表示原理
次いで、このように構成された情報表示器1と駆動装置30とを用いた情報表示システムの情報表示原理を説明する。図7は、支持部102に収容された駆動装置30のTFT基板31上に情報表示器1Aを配置した状態を示した拡大断面図であり、図8は、情報表示器1Aの模式断面図であり、情報表示器1Aに情報を表示する方法を説明するための図である。図10は、他の例となる情報表示システムの全体構成を示した図である。図10に示す情報表示システムは、情報表示器1Cと、接続部104を備えた当接部100と、駆動装置30と、を備えている。当接部100と駆動装置30とは、接続用のフレキシブルコードで電気的に接続されている。駆動装置は支持部102に収容され、前記フレキシブルコードの先端は、駆動装置の駆動回路33と接続されている。
【0093】
図1、図3に示す例では、支持部102と当接部100とを蝶番構造で回転移動可能に接続するヒンジ部103としているが、図10に示す例では、当接部と駆動装置とは、フレキシブルコードで繋がって一体に構成されている。この構成によっても、駆動装置と当接部との間に情報表示器を挟持することができる。さらに、この構成においてフレキシブルコードを分断し、分断部分に互いの接続端子部を形成した構成として、当接部と駆動装置とを分離できる構成とすることもできる。
【0094】
この情報表示システムの特徴は、駆動装置30のTFT基板31の表面(画素電極配置面)と、情報表示器1Aの第2基板12とを接するように対面対向配置させて情報を書き換えて表示する点にある。なお、第2基板12とTFT基板31とは、等距離を持って対面対向配置させればよく、接していても離れていてもよい。更に、第2基板12とTFT基板31とは、少なくとも画素電極34配置領域面が接することが好ましく、全面必ずしも密着していなくてもよいが、もちろん密着させてもよい。第2基板12とTFT基板とがあまりにも離れていると、情報表示器1Aの第1基板11の面方向に導通する導電膜(導電膜17)と、TFT基板の画素電極34との対向間隔が大きくなりすぎて、表示媒体16を駆動させるために大きな電界が必要となる不具合があるので、できる限り近づけることが望ましい。本発明では、当接部を用いることで、第2基板12とTFT基板31とをできるだけ近づけられるようにしている。
【0095】
情報を書き換え表示する際の一例としては、図1(b)や図10(b)に示すように、第2基板12と駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34とを対面対向させて配置する。次いで、当接部100を、裏側の当接面に設けられた接続部104と、情報表示器1Aの第1基板11に設けた導電端子部19とが接するようにして情報表示器1Aの第1基板11の面に当接させる。そして、当接部100を下方に(情報表示器1Aを駆動装置30側に向けて)押圧して、情報表示器1Aを、駆動装置30と当接部100との間に挟持する。当接部100の当接面は、情報表示器1A全面を覆っているため、情報表示器1Aの第2基板12全面が、駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34配置領域と均等に密着する。この状態において、TFT基板31の全ての画素電極34と情報表示器1の導電膜17との間に同じ電界を形成して、表示媒体16を駆動(移動)させる。このようにして、情報表示器1の情報表示領域全面を黒色の表示又は白色の表示とする消去工程を行う。
【0096】
情報を書き換え表示する際の一例としては、図1に示すように、第2基板12と駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34とを対面対向させて配置する。次いで、当接部100を、ヒンジ部103を中心に揺動させて、当接部100の当接面を情報表示器1Aの第1基板11側の面に当接させる。このとき、当接部100裏側の当接面に設けられた接続部104と、情報表示器1Aの第1基板11に設けた導電端子部19とが接するように構成しておく。そして、当接部100を下方に(情報表示器1Aを駆動装置30側に向けて)押圧して、情報表示器1Aを、駆動装置30と当接部100との間に挟持する。ヒンジ部103に、駆動装置30側に当接部100を引張るように弾性体を配置しておくと、当接部100を、ヒンジ部103を中心に揺動させるとともに当接部100を下方に(情報表示器1Aを駆動装置30側に向けて)押圧することができ好ましい。当接部100の当接面は、情報表示器1A全面を覆っているため、情報表示器1Aの第2基板12全面が駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34配置領域と均等に密着する。この状態において、TFT基板31の全ての画素電極34と情報表示器1の導電膜17との間に同じ電界を形成して、表示媒体16を駆動(移動)させる。このようにして、情報表示器1の情報表示領域全面を黒色の表示又は白色の表示とする消去工程を行う。
【0097】
次に、表示させたい情報に応じて、駆動装置30のTFT基板31の各TFT回路を制御して、駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と情報表示器1の導電膜17との間に形成する電界を制御する。駆動装置30のTFT基板31の画素電極34配置に対応した領域にある表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。
【0098】
このようにして、画素電極34と導電膜17との間に形成した電界により、図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態に、情報表示器1Aに情報を表示することができる。図8では、情報表示器1Aの第1基板11を観察基板として書換えて表示した情報を視認している様子を示している。
【0099】
表示させたい情報を情報表示領域に表示させた後、駆動装置30から情報表示器1を取り外しても、情報表示器1の情報表示領域に表示された情報は、そのメモリー性により、そのまま消えることなく維持されるので、情報表示器1の観察基板側から観察することによって表示された情報をみることができる。
【0100】
(5)変形例
次いで、変形例に係る情報表示器及び情報表示システムについて説明する。なお、以下の変形例の説明においては、実施の形態に係る情報表示器等との相違点について主に説明する。
【0101】
図9は、変形例1に係る情報表示器1Bの断面図である。変形例1に係る情報表示器1Bは、第1基板11が導電性を有する材質によって形成されており、第1基板11の外側には、絶縁膜21が形成されている。当接部100の接続部104と接続する導電端子部19は、その一部が第1基板11と接しており、絶縁膜21上に設けられている。このような構成に係る情報表示器1Bによっても、情報表示器1Bの第2基板12の外側面と駆動装置30が備えるTFT基板31の画素電極34とを対面対向させるように情報表示器1Bを駆動装置30に載置した状態で、当接部100を情報表示器1B上に移動させて当接部100の当接面と情報表示器1Bの第1基板11の外側面とを当接させることにより、当接部100の接続部104及び導電端子部19を介して導電膜17と駆動回路33とを電気的に接続することができる。
【0102】
なお、情報表示器の導電端子部19は、情報表示器の周囲のスペースを有効活用する観点より、情報表示器における駆動装置が備えるTFT基板31の画素電極34と対面対向して配置される面(第2基板側の面)以外の面に設けられていればよく、第1基板11の外側面のみならず、この第1基板面と直交する面に設けられてもよい。また、変形例1に係る情報表示器1Bの導電端子部19は、絶縁膜21上にはみ出して設けられているが、例えば、第1基板11の一部(例えば端部)に絶縁膜17を設けないように構成して、この端部を導電端子部として構成してもよいし、導電性材料で構成した第1基板11の側面を導電端子部として構成してもよい。前者では、全面に設けた絶縁膜21に孔を形成したり、第1基板11角部を折り返して導電性材料を外側面に配置したりするなどの後加工がいるが、後者では後加工は要らない。
【0103】
なお、第1基板11に設けられる絶縁膜における絶縁性は、表面抵抗率で、1.0×108Ω/sq〜1.0×1016Ω/sqである。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると十分な絶縁性が得られない。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると、情報表示器1を駆動装置30に装着して表示画像を書換える際に感電や漏電するおそれがある。また、絶縁膜の膜厚は、100nm〜5μmとする。
【0104】
なお、絶縁膜の材料としては、特に制限されないが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などの樹脂が挙げられ、2種以上混合することもできる。
【0105】
なお、本実施の形態では、予め設置された当接部100を備えた駆動装置30に情報表示器を載置し、情報の書き換え等を行うように構成したが、異なる態様によって情報の書き換えを実行するように構成してもよい。図11は、情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。図11に示す使用態様では、情報表示器を天井等から吊り下げている。例えば、電車の吊り広告として情報表示器を使用した態様である。
【0106】
このように吊り下げられた情報表示器1Aは、一方の面と対向するように駆動装置30を配置しても、駆動装置30と情報表示器1Aとの相対位置を一定に保つことが難しく、情報の書き換えが難しい場合がある。しかし、図11(b)及び(c)に示すように、情報表示器1Aの第2基板側の面に沿って駆動装置30を収納した支持部102を配置し、この状態で接続部104を備えた当接部100を蝶番構造のヒンジ部を介して移動させることにより、図11(d)に示すように当接部100と支持部102のTFT基板面とによって情報表示器1Aを挟み込んで挟持することができる。したがって、情報表示器1Aを吊り下げて配置した態様等、不安定な配置状態においても、情報表示器1Aと駆動装置30との距離を一定に保ち、情報の書き換えを実行することができる。
【0107】
(6)その他の実施形態
本実施の形態に係る情報表示器は、非観察基板と隔壁14との間に接着層20を配置しているが、観察基板と隔壁14との間に接着層20を設けてもよい。また、本実施の形態に係る情報表示器は、第1基板11又は第2基板12と隔壁14との間に接着層を設けているが、本発明に係る情報表示器は接着層を設けなくてもよい。更に、実施の形態に係る情報表示器は散乱層18を備えているが、本発明に係る情報表示器は散乱層を備えていなくてもよい。
【0108】
また、本発明に係る情報表示器は、面方向に導通しない第2基板12の外側に、帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqであることが望ましい。帯電防止層はとしては、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(styrene sulfonate))の様な透明な導電性高分子を塗布した後の透明な膜や、ITOやSnO2などの透明導電性酸化物の粒子を樹脂バインダーに分散して構成した透明膜などがある。なお、第2基板12が観察基板となる場合には、透明な帯電防止層を設ける。第2基板12が観察側とならない場合には、帯電防止層は透明でなくてもよい。
【0109】
表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである帯電防止層としての膜は、情報表示器の第2基板の全てを被覆したり、断続させて面方向の導通性をより少なくしたりするように配置する。表面抵抗率が1.0×105Ω/sqより小さいと、言い換えれば導電性が高いと、第2基板全体が絶縁性基板でなくなってしまう不都合がある。また、表面抵抗率が、1.0×1012Ω/sqを超えると、帯電防止機能を得られない不都合がある。
【0110】
なお、表面抵抗率は、二重リング法と呼ばれる方式で測定した。二重リング法では、二重リング電極(内極φ16mm、外極内径φ30mm、外極外径φ40mm)を用い、負荷5N、印加電圧10Vで測定した。測定器としては、シシド静電気製「Megaresta Model HT-301」表面抵抗計を用いた。
【0111】
また、本実施の形態におけるTFT基板31は、画素電極34が露出するように構成されているが、画素電極34の上に表面抵抗率1.0×105Ω/sq以上の膜を保護層として設けることができる。この保護層は、絶縁膜とするため1.0×105Ω/sq以上の表面抵抗率を有する必要がある。
【0112】
更に、駆動装置の画素電極34と対向する絶縁性の第2基板内面に、ドット電極を設けてもよい。ドット電極を設けることにより、情報を表示させた後の表示媒体を絶縁性の第2基板側に良好に保持でき、表示させた情報を良好に維持することができる。なお、ドット電極は、情報表示器の平面視においてドット状に配置し、面方向に導通しない構成とする。面方向に導通しないことにより、表示書き換えを行う際の電界に妨げとなることはない。
【0113】
表示媒体16は、白色表示媒体16W及び黒色表示媒体16Bに限られず、他色の表示媒体16を用いてもよい。また、表示媒体は、電界で駆動し、電源供給を切断しても表示した情報が保持できる表示メモリー性があるものであればよい。
【0114】
帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させるもののほかに、他の構成を例示することができる。例えば、図12に示す変形例3に係る情報表示器1Dのように、帯電性粒子を含んだ粒子群を絶縁液体51中で駆動させるもの(マイクロカプセル型の電気泳動方式が知られている)であってもよい。図12に示す例では、表示媒体層に、帯電性粒子を含んだ粒子群(正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16B及び負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16W)を透明な絶縁液体51と共に封入したマイクロカプセル52を配置している。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、基板間に電界を付与して白色表示媒体16Wを移動させることができる。(b)は、画素電極34に対応した位置にある白色表示媒体16Wおよび黒色表示媒体16Bが移動し、黒色粒子群(黒色表示媒体16B)および白色粒子群(白色表示媒体16W)で情報を表示した状態を示している。図12(a)、(b)に示すように、画素電極34のサイズと粒子(表示媒体)を収納しているマイクロカプセルのサイズとは異なっていてもよい。書換え駆動させた画素電極34に対応した位置にある表示媒体だけを駆動させて、表示したい情報を表示することができる。
【0115】
また、図13に示す変形例4に係る情報表示器1Eのように、帯電粒子を含んだ粒子群として構成した1種類の表示媒体(白色表示媒体16W)を有色絶縁液体とともに隔壁で形成したセル内に封入した情報表示器を例示することができる。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、基板間に電界を付与して白色表示媒体16Wを移動させることができる。(b)は、画素電極34に対応した位置にある白色表示媒体16Wが移動し、有色絶縁液体(有色表示媒体)および白色粒子群(白色表示媒体16W)で情報を表示した状態を示している。図13(a)、(b)に示すように、画素電極34のサイズと粒子(表示媒体)を収納しているセルのサイズとは異なっていてもよい。書換え駆動させた画素電極34に対応した位置にある表示媒体だけを駆動させて、表示したい情報を表示することができる。
【0116】
更に、半分ずつ2色かつ異なる帯電極性に構成した球状粒子やマイクロカプセル内で回転駆動させるもの(ツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるものなどがある。このうち、駆動応答速度が速く、表示メモリー性にも優れた、帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させる方式が好ましく採用される。
【0117】
(7)作用・効果
本発明の情報表示システムは、薄型で軽量な情報表示器とともに、コンパクトな駆動装置を提供する。情報表示器を駆動装置のTFT基板部分に載置するとともに情報表示器の上から当接部を押し当てることによって、駆動装置30と情報表示器1とを電気的に接続するとともに等間隔で対面対向配置させた後、駆動装置30を作動させることにより情報表示器1に表示したい情報を表示することができる。そして、情報表示器1に情報を表示した状態で、駆動装置30から情報表示器1を取り外して持ち歩くような使い方も可能にするものである。
【0118】
また、本発明に係る駆動装置は、接続部を有する当接部を備えるため、当接部の接続部を介して駆動装置と情報表示器とを電気的に接続することができる。当接部の当接面を情報表示器の第1基板の外側面に当接させることによって、容易かつ確実に駆動装置と情報表示器とを電気的に接続することが可能となる。
【0119】
更に、本発明の情報表示システムは、コンパクトな駆動装置と、薄型で軽量な情報表示器1とで構成するため、情報表示システム全体を携帯することが可能となる。したがって、情報表示器を、リサイクルメモ用紙、リサイクルノート、リサイクル宣伝カード、会議の配布資料等の用途にリサイクルペーパーとして好適に使用することができる。
【0120】
情報表示器の導電端子部は、第1基板の外側面又は第1基板面と直交する面に形成されている。このように導電端子部を形成することにより、情報表示器1における駆動装置30と対面対向して配置される面(第2基板側の面)以外の面の周囲スペースを有効活用することができるとともに、第1基板の外側面に対して、当接部の当接面を対面させて当接するだけで、駆動装置30の駆動回路33と、情報表示器1の導電膜(導電膜17)との電気的接続がとれるので好ましい。
【0121】
また、情報表示器の第2基板の外側面と駆動装置のTFT基板の面とが対面対向し、かつ当接部の当接面と第1基板の外側面とが当接した状態において、情報表示器は、駆動装置と当接部とによって挟持されるように構成されている。この構成によれば、情報表示器を挟持したときに情報表示器の両面(第1基板側の面と第2基板側の面)に対してそれぞれ駆動装置からの押し付け力および当接部からの押し付け力が働くので、情報表示器と駆動装置とを密着させることが可能となる。
更に、接続部104を備えた当接部100と、駆動装置30を収納した支持部102とを蝶番構造を介して一体にした構成の駆動装置とすることによって、情報表示器が不安定な配置状態であっても、駆動装置のTFT基板と情報表示器との相対位置を一定に保つことができ、情報の書き換えを実行することができる。
【0122】
また、本発明に係る情報表示器1は、当接部の当接面が基板の面方向と直交する方向において情報表示領域と重なるように配置されている。この構成によれば、少なくとも情報表示器の情報表示領域において、情報表示器と駆動装置のTFT基板とを密着させ、情報表示器と駆動装置のTFT基板との距離を一定に維持することが可能となる。駆動装置のTFT基板と情報表示器との距離を一定に保つことにより、情報表示器の導電膜17とTFT基板の画素電極34との距離が一定になり、導電膜と画素電極との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。
【0123】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0124】
1…情報表示器、 11…第1基板、 12…第2基板、 13…表示媒体層、 14…支持部(隔壁)、 16…表示媒体、 16B…黒色表示媒体、 16W…白色表示媒体、 17…導電膜、 18…散乱層、 19…導電端子部、 20…接着層、 21…絶縁層、 30…駆動装置、 31…TFT基板、 32…駆動装置基台、 33…駆動回路、 34…画素電極、 36…TFT回路を搭載した基板、 37…TFT回路、 38…半導体層、 39…ゲート電極、 40…ソース電極、 41…ドレイン電極、 43…凹部、 51…絶縁液体、 52…マイクロカプセル、 100…当接部、 102…支持部、 103…蝶番構造部、 104…接続部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備える少なくとも1枚の情報表示器と、画素電極が配置されたTFT基板及び駆動回路を有する駆動装置と、該駆動装置の該駆動回路と電気的に接続される接続部と、を備える情報表示システムであって、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対向させた状態で前記第1基板の前記導電膜と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を駆動させて前記情報表示領域に情報を表示するように構成されており、
前記情報表示器の前記第1基板側の面と当接する当接部は、前記接続部を備え、
前記情報表示器は、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部を有しており、
前記当接部と前記情報表示器の前記第1基板側の面とが当接した状態において、前記接続部及び前記情報表示器の前記導電端子部を介して前記駆動回路と前記導電膜とが電気的に接続される、情報表示システム。
【請求項2】
前記情報表示器の前記導電端子部は、前記第1基板の外側の面又は該第1基板の外面と直交する方向に配置された面に配置されている、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記情報表示器は、前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とが対向し、かつ前記当接部の当接面と前記情報表示器の前記第1基板側の面とが当接した状態において、前記駆動装置のTFT基板側の面と前記当接部の面とによって挟持される、請求項1又は請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記駆動装置と前記当接部とが、前記駆動装置のTFT基板側の面と前記当接部の当接面とが見開きとなるように蝶番構造で一体になって形成されており、
前記駆動装置のTFT基板側の面と前記当接部の当接面との見開き状態から閉じた状態にすることで、前記情報表示器を、前記駆動装置と前記当接部との間に挟持する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報表示システム。
【請求項5】
少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備え、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板と該画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が駆動されて前記情報表示領域に情報を表示する情報表示器であって、
前記第1基板の外側面又は該第1基板の外側面と直交する方向に配置された面には、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部が形成されている、情報表示器。
【請求項6】
請求項5に記載する情報表示器の前記面方向に導通する第1基板に当接されるとともに、該第1基板の導電膜と電気的に接続される接続部を有する当接部と、前記面方向に導通しない第2基板と対面対向される画素電極が配置されたTFT基板とを備える駆動装置であって、
前記情報表示器を、前記TFT基板と前記当接部との間に挟持した状態で、前記情報表示器の前記第1基板の導電膜と前記駆動装置の前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記情報表示器の表示媒体駆動を実行する、情報表示器の駆動装置。
【請求項1】
少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備える少なくとも1枚の情報表示器と、画素電極が配置されたTFT基板及び駆動回路を有する駆動装置と、該駆動装置の該駆動回路と電気的に接続される接続部と、を備える情報表示システムであって、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対向させた状態で前記第1基板の前記導電膜と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を駆動させて前記情報表示領域に情報を表示するように構成されており、
前記情報表示器の前記第1基板側の面と当接する当接部は、前記接続部を備え、
前記情報表示器は、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部を有しており、
前記当接部と前記情報表示器の前記第1基板側の面とが当接した状態において、前記接続部及び前記情報表示器の前記導電端子部を介して前記駆動回路と前記導電膜とが電気的に接続される、情報表示システム。
【請求項2】
前記情報表示器の前記導電端子部は、前記第1基板の外側の面又は該第1基板の外面と直交する方向に配置された面に配置されている、請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記情報表示器は、前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とが対向し、かつ前記当接部の当接面と前記情報表示器の前記第1基板側の面とが当接した状態において、前記駆動装置のTFT基板側の面と前記当接部の面とによって挟持される、請求項1又は請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記駆動装置と前記当接部とが、前記駆動装置のTFT基板側の面と前記当接部の当接面とが見開きとなるように蝶番構造で一体になって形成されており、
前記駆動装置のTFT基板側の面と前記当接部の当接面との見開き状態から閉じた状態にすることで、前記情報表示器を、前記駆動装置と前記当接部との間に挟持する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報表示システム。
【請求項5】
少なくとも一方の情報表示領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備え、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板と該画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が駆動されて前記情報表示領域に情報を表示する情報表示器であって、
前記第1基板の外側面又は該第1基板の外側面と直交する方向に配置された面には、前記導電膜と電気的に接続された導電端子部が形成されている、情報表示器。
【請求項6】
請求項5に記載する情報表示器の前記面方向に導通する第1基板に当接されるとともに、該第1基板の導電膜と電気的に接続される接続部を有する当接部と、前記面方向に導通しない第2基板と対面対向される画素電極が配置されたTFT基板とを備える駆動装置であって、
前記情報表示器を、前記TFT基板と前記当接部との間に挟持した状態で、前記情報表示器の前記第1基板の導電膜と前記駆動装置の前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記情報表示器の表示媒体駆動を実行する、情報表示器の駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−113261(P2012−113261A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264430(P2010−264430)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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