説明

情報表示装置およびプログラム

【課題】階層構造にカテゴリ分類されたデータを上位階から下へ辿って行く際、簡単な操作で、任意の上位階に移動したり、同じ階で別の分類の選択項目に状態遷移したりする。
【解決手段】トップメニューの大分類表示画面GDに表示された大分類項目[動物]Aが選択されると、選択された大分類に属する中分類表示画面[動物]GAが表示されると共に、トップアイコン[Top]Toと選択された大分類アイコン[動物]Anが表示される。続いて中分類表示画面[動物]GAから中分類項目[魚類]Acが選択されると、選択された中分類に属する魚類表示画面GAcが表示されると共に、選択された中分類アイコン[魚類]Fiが表示される。トップアイコン[Top]Toがタッチされると大分類表示画面GDに戻り、大分類アイコン[動]Anがタッチされると中分類表示画面[動物]GAの表示に戻り、中分類アイコン[魚]Fiがタッチされると該当する中分類[魚類]の次の中分類に属する昆虫類表示画面GAdが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子化された図鑑や百科辞典等、階層構造にカテゴリ分類されたデータを上位階層から下位へ辿って検索し表示させるための情報表示装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子辞書装置において、各種の辞書情報を検索する機能としては、ユーザ入力された検索文字列と先頭一致する見出し語から検索する「見出し語検索」機能がある。
【0003】
一方、各見出し語の説明情報として絵や写真を含んでいる図鑑や百科辞典等、階層構造にカテゴリ分類された辞書情報を検索する機能として「図から検索」機能がある。
【0004】
この「図から検索」機能では、大分類→中分類→小分類→図サムネイル→図データと、カテゴリ分類された各階層の項目を順次選択的に指定することで、所望のデータに辿りつくことができる。なおこの場合、階層化された大分類、中分類、小分類のそれぞれにおける各項目も、図サムネイルにより表示され、これらの図を選択的に指定していくため、操作が簡易で使いやすい機能となっている。
【0005】
しかしながら、この「図から検索」機能は、各階層の項目を上位から下位へ順番に選択して辿っていく場合は問題ないものの、ある下位の階層から任意の上位階層の分類に戻るような場合、[ESC](エスケープ)キーを戻る階層の数だけ入力する必要がある。
【0006】
従来の情報表示装置において、各階層の項目を上位階層から下位へ順次選択して行くと、選択された階層毎の項目が順番にパス・リストにエントリされて表示される。そして、このパス・リストでエントリを選択することで、前記上位階層から下位へ辿った経路を順番に逆戻りすることが可能になる階層情報の表示を制御する方法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、上位階層の項目を選択して下位階層のメニュー表示に変更するときに、上位階層で選択された選択項目を下位階層のメニュー表示におけるタイトルの表示位置に移動させるアニメーションを実行する。そして、その後の下位階層のメニュー表示を当該タイトルの表示を伴って表示することで、ユーザが現在どの階層にいるかを把握できると共に、階層の連続性を容易に認識できるようにした階層構造メニューの表示方法が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−003247号公報
【特許文献2】特開2006−338178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の情報表示装置では、パス・リストのエントリに従って上位階層から下位へ辿った経路を順番に逆戻りしたり、ユーザが現在どの階層にいるかを容易に把握したりすることは可能であるものの、ある下位階層から複数階上位の階層へ直接戻ったり、同じ階層で別の分類の項目を続けて選択して見たりするには不便に感じることがあった。さらに、検索対象である情報の階層構造が深い場合、当該階層構造が分かり難いという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、階層構造にカテゴリ分類されたデータを上位階層から下位へ辿って行く際に、簡単な操作で、任意の上位階層に移動したり、同じ階層で別の分類の選択項目に状態遷移したりすることが可能になる情報表示装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る情報表示装置は、階層毎に分類されたデータを記憶する記憶手段と、この記憶手段により記憶された階層構造のデータを、ユーザ操作に応じて、上位階層から下位へ階層毎に該階層の分類項目を表示部に表示させながら同項目を選択してデータを検索するデータ検索手段と、最上位の階層を示すアイコンに加えて、前記データ検索手段により各階層の分類項目が選択される毎に、当該選択された項目の分類を示すアイコンを前記表示部に表示させるアイコン表示手段と、ユーザ操作に応じて、前記アイコン表示手段により表示された最上位の階層を示すアイコンが指定された場合に、前記表示部の表示を最上位の階層の分類項目の表示に戻す最上位分類戻し制御手段と、ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類よりも上位の分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類に属する項目の表示に戻す分類戻し制御手段と、ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類と同じ階層で別の分類に属する項目の表示に遷移させる分類遷移制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、階層構造にカテゴリ分類されたデータを上位階層から下位へ辿って行く際に、簡単な操作で、任意の上位階層に移動したり、同じ階層で別の分類の選択項目に状態遷移したりすることが可能になる情報表示装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の情報表示装置の実施形態に係る電子辞書装置10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記電子辞書装置10の辞書データベース22bに記憶される[百科辞典(図鑑)]22b4のデータ構造を示す図。
【図4】前記電子辞書装置10の情報表示制御プログラム22aに従い実行されるカテゴリ検索処理を示すフローチャート。
【図5】前記電子辞書装置10のカテゴリ検索処理に伴う[百科辞典(図鑑)]22b4の検索表示動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の情報表示装置の実施形態に係る電子辞書装置10の外観構成を示す正面図である。
【0016】
この電子辞書装置10は、以下に説明する電子辞書専用の携帯機器として構成されるか、辞書機能を備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成される。
【0017】
この電子辞書装置10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。この折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、文字入力キー14a、辞書指定キー14b、[訳/決定]キー14c、[戻る/リスト]キー14d、カーソルキー14e、スピーカ15などを備えたキー入力部(キーボード)14、およびタッチパネル式のサブ表示部16が備えられる。
【0018】
このサブ表示部16は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、キー入力部14の中央手前側において例えば256×64ドットのカラー液晶表示画面16dに透明タッチパネル16tを重ねて構成される。このサブ表示部16の領域は、必要に応じて、手書き文字を入力するための手書き文字(漢字)入力領域や各種機能を指定するためのキー入力領域、検索対象として指定された辞書データのデータ構造一覧GBの表示領域、あるいは当該各領域が混在する領域に切り替えられる。
【0019】
そして、前記サブ表示部16が手書き文字入力領域に切り替えられた状態での手書き入力に伴う軌跡はそのカラー液晶表示画面16dにエコーバックして表示される。
【0020】
また蓋体ケース12の表面には、そのほぼ全面を対象に例えば480×320ドットのバックライト付きのタッチパネル式のメイン表示部17が設けられる。このメイン表示部17も、前記サブ表示部16と同様に、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、カラー液晶表示画面17dに透明タッチパネル17tを重ねて構成される。
【0021】
そして、前記タッチパネル式メイン表示部17の左端には、動作モードに応じて実行可能な機能をタッチ操作により指定するための、各種のアイコンが表示されるソフトアイコン部17Aが設けられる。
【0022】
図2は、前記電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0023】
この電子辞書装置10は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
【0024】
CPU21は、記憶装置(フラッシュROM)22内に予め記憶された装置制御プログラム、あるいはROMカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読み取り部24を介して前記記憶装置22に読み込まれた装置制御プログラム、あるいはインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)30から通信部25を介して前記記憶装置22に読み込まれた装置制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0025】
前記記憶装置22に記憶された装置制御プログラムは、キー入力部14、タッチパネル式サブ表示部16、タッチパネル式メイン表示部17からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは通信部25を介して接続されるインターネットN上の各Webサーバ30…との通信信号、あるいは記録媒体読み取り部24を介して外部接続されるEEPROM,RAM,ROMなどのメモリ・カード(記録媒体)23との接続通信信号に応じて起動される。
【0026】
このように前記CPU21には、記憶装置22、記録媒体読み取り部24、通信部25、キー入力部14、タッチパネル式サブ表示部16(16d,16t)、タッチパネル式メイン表示部17(17d,17t)などが接続される。
【0027】
前記記憶装置22に記憶される装置制御プログラムとしては、当該電子辞書装置10の全体の動作を司るシステムプログラムや、通信部25を介してインターネットN上の各Webサーバ30…や図示しないユーザPC(Personal Computer)などとデータ通信するための通信プログラムが記憶される。
【0028】
また、入力された検索文字列に応じてデータを検索する見出し語検索処理、カテゴリ分類された階層構造のデータを検索するカテゴリ検索処理、検索されたデータの説明情報(訳語・語義/図・解説など)の読み出し表示処理、検索対象として指定された辞書データのデータ構造一覧表示処理など、同記憶装置22内に記憶された辞書データベース22bに基づく処理全般を制御するための各種情報表示制御プログラム22aが記憶される。
【0029】
前記辞書データベース22bとしては、[国語辞書]22b1、[英和辞書]22b2、[和英辞書]22b3、[百科辞典(図鑑)]22b4などの各種の辞書データが予めあるいはダウンロードされて記憶され、各種の辞書データには、各見出し語と当該各見出し語の説明情報とが対応付けられて記述される。
【0030】
なお、前記[百科辞典(図鑑)]22b4の辞書データは、カテゴリ分類された大分類→中分類→各データの階層構造を有し、全ての分類の項目と各データの見出しには、該当する見出しの内容に応じた図(写真、絵、線画など)が付加されている。
【0031】
例えば、前記図1における電子辞書装置10のメイン表示部17には、前記[百科辞典(図鑑)]22b4のトップメニューとして大分類の各項目の見出し図[動物]A,[植物]P,[地理・地図]T,[人物・事件]H,[道具・機器]E,[生活・風俗・芸能]Lを配列した大分類表示画面GDを表示させた具体例を示している。
【0032】
図3は、前記電子辞書装置10の辞書データベース22bに記憶される[百科辞典(図鑑)]22b4のデータ構造を示す図である。
【0033】
第1階層となる大分類の項目としては7分類([動物][植物][地理・地図][人物・事件][道具・機器][生活・風俗・芸能][科学・建築・デザイン])を有し、同大分類の各項目毎に中分類の各項目が第2階層として対応付けされる。そして、この中分類の各項目毎に当該分類に属する各データが第3階層として対応付けされる。
【0034】
このように構成された電子辞書装置10は、CPU21が前記情報表示制御プログラム22a(前記見出し語検索処理、カテゴリ検索処理、説明情報読み出し表示処理、データ構造一覧表示処理等を実行するためのプログラムを含む)に記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0035】
次に、前記構成による電子辞書装置10の動作について説明する。
【0036】
図4は、前記電子辞書装置10の情報表示制御プログラム22aに従い実行されるカテゴリ検索処理を示すフローチャートである。
【0037】
図5は、前記電子辞書装置10のカテゴリ検索処理に伴う[百科辞典(図鑑)]22b4の検索表示動作を示す図である。
【0038】
辞書指定キー14bのユーザ操作に応じて、例えば[百科辞典(図鑑)]22bが指定され、図4におけるカテゴリ検索処理が起動されると、図5(A)に示すように、メイン表示部17に対して、トップメニューとして大分類の各項目の見出し図[動物]A,[植物]P,[地理・地図]T,[人物・事件]H,[道具・機器]E,[生活・風俗・芸能]L,…を配列した大分類表示画面GDが表示される(ステップS1)。
【0039】
この大分類表示画面GDにおいて、何れかの項目(例えば[動物]A)がタッチされて選択されると(ステップS2)、図5(B)に示すように、選択された項目[動物]Aに属する中分類の各項目の見出し図[哺乳類]Aa,[鳥類]Ab,[魚類]Ac,[昆虫]Ad,[その他]Aeを配列した中分類表示画面[動物]GAがメイン表示部17に表示される(ステップS3)。
【0040】
すると、この中分類表示画面[動物]GAが表示されたメイン表示部17のソフトアイコン部17Aに対して、前記トップメニューの大分類表示画面GDに関係付けられたトップアイコン[Top]Toと前記選択された大分類の項目[動物]Aに対応する大分類アイコン[動]Anとが表示される(ステップS4)。
【0041】
そして、前記中分類表示画面[動物]GAにおいて、何れかの項目(例えば[魚類]Ac)がタッチされて選択されると(ステップS5(Yes))、図5(C)に示すように、選択された項目[魚類]Acに属する各項目の見出し図[アイナメ]Ac1,[マダイ]Ac2,[アカエイ]Ac3,[アカムツ]Ac4,[アジ]Ac5,[カマス]Ac6,…を配列した魚類表示画面GAcがメイン表示部17に表示される(ステップS6)。
【0042】
すると、この魚類表示画面GAcが表示されたメイン表示部17のソフトアイコン部17Aに対して、前記選択された中分類の項目[魚類]Acに対応する中分類アイコン[魚]Fiが追加されて表示される(ステップS7)。
【0043】
そして、前記魚類表示画面GAcにおいて、何れかの項目(例えば[アジ]Ac5)がタッチされて選択されると(ステップS8(Yes))、図5(D)に示すように、選択された項目[アジ]Ac5の画像およびその解説Ac5′を記述した説明情報表示画面[アジ]GAc5がメイン表示部17に表示される(ステップS9)。
【0044】
ここで続いて、前記説明情報表示画面[アジ]GAc5(または前記図5(C)で示した魚類表示画面GAc)のソフトアイコン部17Aに表示されているトップアイコン[Top]Toがタッチされて選択されると(ステップS11(Yes))、前記図5(A)で示したように、メイン表示部17は、トップメニューとしての大分類表示画面GDの表示に戻る(ステップS12)。
【0045】
また、前記図5(D)で示した説明情報表示画面[アジ]GAc5(または前記図5(C)で示した魚類表示画面GAc)において、ソフトアイコン部17Aに表示されている大分類アイコン[動]Anがタッチされて選択されると(ステップS13(Yes))、前記図5(B)で示したように、メイン表示部17は、前記大分類から選択された項目[動物]Aに属する中分類表示画面[動物]GAの表示に戻る(ステップS14)。
【0046】
さらに、前記図5(D)で示した説明情報表示画面[アジ]GAc5(または前記図5(C)で示した魚類表示画面GAc)において、ソフトアイコン部17Aに表示されている中分類アイコン[魚]Fiがタッチされて選択されると(ステップS15(Yes))、図5(E)に示すように、メイン表示部17は、選択された中分類[魚類]の次の中分類[昆虫]に属する各項目の見出し図[アオオサムシ]Ad1,[アオスジアゲハ]Ad2,[アオスジカミキリ]Ad3,[アオマツムシ]Ad4,[アカイエカ]Ad5,[アカタテハ]Ad6,…を配列した昆虫類表示画面GAdの表示に遷移する(ステップS16)。
【0047】
そして、ソフトアイコン部17Aに表示されている中分類アイコン[魚]Fiが、今回遷移した中分類[昆虫]に対応する中分類アイコン[昆]Inに変更される(ステップS17)。
【0048】
一方、前記図5(B)で示した中分類表示画面[動物]GAのソフトアイコン部17Aに表示されているトップアイコン[Top]Toがタッチされて選択されると(ステップS18(Yes))、前記図5(A)で示したように、メイン表示部17は、トップメニューとしての大分類表示画面GDの表示に戻る(ステップS19)。
【0049】
また、前記図5(B)で示した中分類表示画面[動物]GAにおいて、ソフトアイコン部17Aに表示されている大分類アイコン[動]Anがタッチされて選択されると(ステップS20(Yes))、図5(F)に示すように、メイン表示部17は、選択された大分類[動物]の次の大分類[植物]に属する各項目の見出し図[草花]Pa,[高木]Pb,[低木]Pc,[その他]Pdを配列した中分類表示画面[植物]GPの表示に遷移する(ステップS21)。
【0050】
そして、ソフトアイコン部17Aに表示されている大分類アイコン[動]Anが、今回遷移した大分類[植物]に対応する大分類アイコン[植]Plに変更される(ステップS22)。
【0051】
なお、前記カテゴリ分類された階層構造の辞書データを有する[百科辞典(図鑑)]22bが検索対象として指定された場合には、前記図1で示したように、当該辞書データのデータ構造一覧GBがサブ表示部16に表示され、スクロールキーCuのタッチ操作により、その階層構造の全体を簡単に確認できる。
【0052】
そして、前記サブ表示部16に表示されたデータ構造一覧GBにおいて、任意の階層の分類項目がタッチされて選択されると、メイン表示部17は、当該選択された分類に対応した表示画面に直接遷移する。
【0053】
具体的には、例えば前記図1におけるサブ表示部16に表示させた[百科辞典(図鑑)]22bのデータ構造一覧GBにおいて、第2階層の中分類に属する[昆虫]がタッチされて選択されると、メイン表示部17は、選択された中分類[昆虫]に属する各項目の見出し図[アオオサムシ]Ad1〜[アカタテハ]Ad6…を配列した昆虫類表示画面GAdの表示に直ちに遷移する(図5(E)参照)。
【0054】
この場合も、ソフトアイコン部17Aには、今回遷移した中分類[昆虫]に対応する中分類アイコン[昆]Inが追加または変更されて表示される。
【0055】
したがって、前記構成の電子辞書装置10におけるカテゴリ分類された階層構造の辞書データを対象とするカテゴリ検索機能によれば、トップメニューの大分類表示画面GDに表示された大分類項目[動物]Aが選択されると、選択された大分類に属する中分類表示画面[動物]GAが表示されると共に、トップアイコン[Top]Toと、選択された大分類[動物]のアイコン[動]Anとが表示される。続いて、中分類表示画面[動物]GAから中分類項目[魚類]Acが選択されると、選択された中分類に属する魚類表示画面GAcが表示されると共に、選択された中分類[魚類]のアイコン[魚]Fiが追加され表示される。そして、トップアイコン[Top]Toがタッチされると前記大分類表示画面GDの表示に戻り、また、大分類アイコン[動]Anがタッチされると前記中分類表示画面[動物]GAの表示に戻り、また、中分類アイコン[魚]Fiがタッチされると、該当する中分類[魚類]の次の中分類[昆虫]に属する昆虫類表示画面GAdが表示される。
【0056】
このため、ユーザは、前記各アイコンTo,An,Fiの表示により、現在表示中の分類表示画面がどの階層の分類に属しているのかを一目で確認することができる。また、第1階層の分類項目から第2階層の分類項目、第3階層の各項目へ一旦辿ってデータ検索表示させた後に、直接、第1階層の大分類表示画面GDに戻したり、第2階層の中分類表示画面GAに戻したり、別の中分類に属する該当分類表示画面に遷移して表示させることができ、他の階層への遷移操作や同階層の別の分類に次々に遷移する操作を非常に簡単に行うことができる。
【0057】
また、前記構成の電子辞書装置10におけるカテゴリ分類された階層構造の辞書データを対象とするカテゴリ検索機能によれば、当該辞書データのデータ構造一覧GBがサブ表示部16に表示され、同データ構造一覧GB上にて任意の階層の分類項目がタッチされて選択されると、メイン表示部17は、当該選択された分類に対応した表示画面に直接遷移する。
【0058】
このため、辞書データの階層構造全体を見渡した直接的な辞書検索が可能となり、その検索操作性を大幅に向上できるようになる。
【0059】
なお、前記各実施形態において記載した電子辞書装置10による各処理の手法およびデータベース、すなわち、図4のフローチャートに示すカテゴリ検索処理などの各手法、および辞書データベース22bは、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリ・カード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体23に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、この外部記録媒体23に記憶されたプログラムを記憶装置22に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明したカテゴリ分類された階層構造の辞書データを対象とするカテゴリ検索機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0060】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークN上を伝送させることができ、このプログラムデータを、ネットワークNに接続されたコンピュータに通信部25によって取り込むことで、前述したカテゴリ分類された階層構造の辞書データを対象とするカテゴリ検索機能を実現することもできる。
【0061】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0062】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0063】
[1]
階層毎に分類されたデータを記憶する記憶手段と、
この記憶手段により記憶された階層構造のデータを、ユーザ操作に応じて、上位階層から下位へ階層毎に該階層の分類項目を表示部に表示させながら同項目を選択してデータを検索するデータ検索手段と、
最上位の階層を示すアイコンに加えて、前記データ検索手段により各階層の分類項目が選択される毎に、当該選択された項目の分類を示すアイコンを前記表示部に表示させるアイコン表示手段と、
ユーザ操作に応じて、前記アイコン表示手段により表示された最上位の階層を示すアイコンが指定された場合に、前記表示部の表示を最上位の階層の分類項目の表示に戻す最上位分類戻し制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類よりも上位の分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類に属する項目の表示に戻す分類戻し制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類と同じ階層で別の分類に属する項目の表示に遷移させる分類遷移制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【0064】
[2]
前記分類遷移制御手段により前記表示部の表示が別の分類に属する項目の表示に遷移された際に、前記指定されたアイコンを当該別の分類を示すアイコンに変更するアイコン変更手段を備えたことを特徴とする[1]に記載の情報表示装置。
【0065】
[3]
前記表示部は、メイン表示部であって、
前記記憶手段により記憶されたデータの階層構造の一覧をサブ表示部に表示させるデータ構造表示手段と、
このデータ構造表示手段により表示されたデータの階層構造のうちユーザ操作に応じて任意の階層の項目が選択された場合に、この選択された項目の分類に属する項目を前記メイン表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする[1]または[2]に記載の情報表示装置。
【0066】
[4]
表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
階層毎に分類されたデータを記憶部に記憶させる記憶手段、
この記憶手段により記憶された階層構造のデータを、ユーザ操作に応じて、上位階層から下位へ階層毎に該階層の分類項目を表示部に表示させながら同項目を選択してデータを検索するデータ検索手段、
最上位の階層を示すアイコンに加えて、前記データ検索手段により各階層の分類項目が選択される毎に、当該選択された項目の分類を示すアイコンを前記表示部に表示させるアイコン表示手段、
ユーザ操作に応じて、前記アイコン表示手段により表示された最上位の階層を示すアイコンが指定された場合に、前記表示部の表示を最上位の階層の分類項目の表示に戻す最上位分類戻し制御手段、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類よりも上位の分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類に属する項目の表示に戻す分類戻し制御手段、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類と同じ階層で別の分類に属する項目の表示に遷移させる分類遷移制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0067】
10 …電子辞書装置
11 …本体ケース
12 …蓋体ケース
13 …ヒンジ部
14 …キー入力部(キーボード)
14a…文字入力キー
14b…辞書指定キー
14c…[訳/決定]キー
14d…[戻る/リスト]キー
14e…カーソルキー
15 …スピーカ
16 …サブ表示部
16d…カラー液晶表示部
16t…透明タッチパネル
17 …メイン表示部
17d…カラー液晶表示部
17t…透明タッチパネル
17A…ソフトアイコン部
To …トップアイコン[Top]
An …大分類アイコン[動物]
Pl …大分類アイコン[植物]
Fi …中分類アイコン[魚類]
In …中分類アイコン[昆虫]
21 …CPU
22 …記憶装置
22a…各種情報表示制御プログラム
22b…辞書データベース
22b4…[百科辞典(図鑑)]
23 …外部記録媒体
24 …記録媒体読み取り部
25 …通信部
GD …大分類表示画面
GA …中分類表示画面[動物]
GP …中分類表示画面[植物]
GAc…魚類表示画面
GAd…昆虫類表示画面
GAc5…説明情報表示画面[アジ]
GB …データ構造一覧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層毎に分類されたデータを記憶する記憶手段と、
この記憶手段により記憶された階層構造のデータを、ユーザ操作に応じて、上位階層から下位へ階層毎に該階層の分類項目を表示部に表示させながら同項目を選択してデータを検索するデータ検索手段と、
最上位の階層を示すアイコンに加えて、前記データ検索手段により各階層の分類項目が選択される毎に、当該選択された項目の分類を示すアイコンを前記表示部に表示させるアイコン表示手段と、
ユーザ操作に応じて、前記アイコン表示手段により表示された最上位の階層を示すアイコンが指定された場合に、前記表示部の表示を最上位の階層の分類項目の表示に戻す最上位分類戻し制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類よりも上位の分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類に属する項目の表示に戻す分類戻し制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類と同じ階層で別の分類に属する項目の表示に遷移させる分類遷移制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記分類遷移制御手段により前記表示部の表示が別の分類に属する項目の表示に遷移された際に、前記指定されたアイコンを当該別の分類を示すアイコンに変更するアイコン変更手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、メイン表示部であって、
前記記憶手段により記憶されたデータの階層構造の一覧をサブ表示部に表示させるデータ構造表示手段と、
このデータ構造表示手段により表示されたデータの階層構造のうちユーザ操作に応じて任意の階層の項目が選択された場合に、この選択された項目の分類に属する項目を前記メイン表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
階層毎に分類されたデータを記憶部に記憶させる記憶手段、
この記憶手段により記憶された階層構造のデータを、ユーザ操作に応じて、上位階層から下位へ階層毎に該階層の分類項目を表示部に表示させながら同項目を選択してデータを検索するデータ検索手段、
最上位の階層を示すアイコンに加えて、前記データ検索手段により各階層の分類項目が選択される毎に、当該選択された項目の分類を示すアイコンを前記表示部に表示させるアイコン表示手段、
ユーザ操作に応じて、前記アイコン表示手段により表示された最上位の階層を示すアイコンが指定された場合に、前記表示部の表示を最上位の階層の分類項目の表示に戻す最上位分類戻し制御手段、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類よりも上位の分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類に属する項目の表示に戻す分類戻し制御手段、
ユーザ操作に応じて、前記表示部に現在表示されている項目が属する分類を示す前記アイコン表示手段により表示されたアイコンが指定された場合に、同表示部の表示を同指定されたアイコンが示す分類と同じ階層で別の分類に属する項目の表示に遷移させる分類遷移制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−203727(P2012−203727A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68848(P2011−68848)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】