情報表示装置
【課題】複数の情報を選択的に表示するとともに汎用性を持たせる。
【解決手段】白色及び黒色のいずれかを排他的に切り替え可能に表示する表示領域２１ａ，２１ｂを具備する情報表示シート２０と、情報表示シート２０上に重ね合わせ可能に構成され、情報表示シート２０上に重ね合わされた場合に表示領域２１ａ，２１ｂに対向する領域のそれぞれに、表示領域２１ａ，２１ｂを視認可能とするとともに、白色または黒色を用いて情報を書き換え可能に構成された情報記入領域１１ａ，１１ｂを具備する重ね合わせシート１０とを有する。
【解決手段】白色及び黒色のいずれかを排他的に切り替え可能に表示する表示領域２１ａ，２１ｂを具備する情報表示シート２０と、情報表示シート２０上に重ね合わせ可能に構成され、情報表示シート２０上に重ね合わされた場合に表示領域２１ａ，２１ｂに対向する領域のそれぞれに、表示領域２１ａ，２１ｂを視認可能とするとともに、白色または黒色を用いて情報を書き換え可能に構成された情報記入領域１１ａ，１１ｂを具備する重ね合わせシート１０とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、情報を可変に表示可能な情報表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、情報を表示する表示装置として、ＣＲＴディスプレイや液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等が用いられており、これらは、テレビ受像機に用いられることによりテレビ局から送信されたテレビ映像を表示したり、パソコンのディスプレイとして用いられることにより、パソコンに保存された情報やインターネットを介して配信された情報を表示したりすることができる。これらの表示装置は、それぞれ一長一短を有しており、例えば、ＣＲＴディスプレイは、視野角が広いものの奥行きサイズが厚く、また、液晶ディスプレイは、奥行きサイズが薄いものの視野角が狭く、また、プラズマディスプレイは、視野角が広く奥行きサイズが薄いものの消費電力が多い。
【０００３】
近年、上述したような表示装置に加えて、デジタル情報を紙のように薄い表示媒体に表示する薄型の情報表示装置が普及しはじめている。薄型の情報表示装置は、紙のように薄いために携帯がしやすいとともに、消費電力が少なく、また視野角が広く、さらには、電極に印加する電圧によって表示される情報を書き換えることができるとともに、電源を切断した場合でも表示内容を保持できることから、今後のさらなる普及が予想される。
【０００４】
上記のような薄型の情報表示装置としては、対向する２つの電極間に、印加される電位差に応じて状態が変化する情報表示層を挟み込んでおき、２つの電極に電圧を印加することにより、その電位差に応じた色を視認させるものが利用されている。そこで、情報表示層上に所定のパターンを印刷しておくことにより、情報表示層による色によってそのパターンを視認可能としたり、視認困難としたりすることが考えられている（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００９−８６０２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述したように、情報表示層上に所定のパターンを印刷しておくことにより、情報表示層による色によってそのパターンを視認可能としたり、視認困難としたりするものにおいては、１つの情報を視認可能としたり視認困難としたりするだけであるため、複数の情報を選択的に表示することができず、また、汎用性が乏しいという問題点がある。
【０００７】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数の情報を選択的に表示することができるとともに汎用性を持たせることができる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、
第１及び第２の色のいずれかを切り替え可能に表示する複数の表示領域を具備し、前記第１の色を前記複数の表示領域のうち１つにて選択的に表示する情報表示装置において、
前記複数の表示領域は、その表面に情報が前記第２の色を用いて繰り返し記入／消去可能に構成されていることを特徴とする。
【０００９】
上記のように構成された本発明においては、複数の表示領域のうち１つの表示領域にて第１の色が表示され、その他の表示領域にて第２の色が表示される。この状態で、情報記入領域の表面に第２の色を用いて情報が記入されると、第１の色が表示された１つの表示領域においては、第１の色を背景として情報記入領域に記入された情報が第２の色によって視認可能となり、また、第２の色が表示されたそれ以外の表示領域においては、情報記入領域に記入された情報が表示領域に表示された第２の色と重なって視認困難となる。そして、複数の表示領域においては、第１の色と第２の色とが切り替え可能に表示されるので、複数の表示領域の表面にそれぞれ記入された情報を、第１の色を表示する表示領域を切り替えるだけで選択的に表示することができる。また、表示領域は情報が繰り返し記入／消去可能であるため、表示領域の表面に記入された情報を書き換えるだけで汎用性を持たせることができる。
【発明の効果】
【００１０】
以上説明したように本発明においては、第１及び第２の色のいずれかを切り替え可能に表示する複数の表示領域を具備し、第１の色を複数の表示領域のうち１つにて選択的に表示する情報表示装置において、複数の表示領域が、その表面に情報が第２の色を用いて繰り返し記入／消去可能に構成されている構成としたため、第１の色を表示する表示領域を切り替えるだけで複数の情報を選択的に表示することができ、また、表示領域の表面に記入された情報を書き換えるだけで汎用性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の情報表示装置の実施の一形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシートの表面図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は情報表示シートの表面図、（ｅ）は情報表示シートの内部構造を示す図、（ｆ）は（ｄ）に示したＢ−Ｂ’断面図である。
【図２】図１に示した情報表示ボードの利用方法の一例を示す図である。
【図３】図１に示した情報表示ボードの利用方法の他の例を示す図である。
【図４】本発明の情報表示装置の他の実施の形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシートの表面図、（ｃ）は情報表示シートの表面図である。
【図５】図４に示した情報表示ボードの利用方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１３】
図１は、本発明の情報表示装置の実施の一形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシート１０の表面図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は情報表示シート２０の表面図、（ｅ）は情報表示シート２０の内部構造を示す図、（ｆ）は（ｄ）に示したＢ−Ｂ’断面図である。
【００１４】
本形態は図１（ａ）に示すように、情報表示シート２０上に重ね合わせシート１０が重ね合わされてなる情報表示ボード１である。
【００１５】
重ね合わせシート１０は図１（ｂ），（ｃ）に示すように、紙等からなるベースシート１３の一部に表裏貫通した孔部１４ａ，１４ｂが設けられ、その領域に透明フィルム１５が貼着されて構成されている。それにより、重ね合わせシート１０には、孔部１４ａ，１４ｂが設けられた領域に、表面から裏面が透視可能であるとともに情報を繰り返し記入／消去可能な情報記入領域１１ａ，１１ｂが設けられている。また、ベースシート１３の他の領域にも同様の孔部（不図示）が設けられ、その領域にフィルムシート１５が貼着されることにより、その領域に表面から裏面が透視可能な情報視認領域１２が設けられている。なお、ベースシート１３に孔部を設けてその孔部にて透明フィルム１５を用いて情報記入領域１１ａ，１１ｂ及び情報視認領域１２を構成するのではなく、重ね合わせシート１０全体を透明フィルムから構成し、情報記入領域１１ａ，１１ｂ及び情報視認領域１２以外の領域に不透明なインキを用いて印刷を施すことによって情報記入領域１１ａ，１１ｂ及び情報視認領域１２を構成することも考えられる。
【００１６】
情報表示シート２０は図１（ｄ）〜（ｆ）に示すように、一方の面に表示電極２３ａ，２３ｂ、表示電極群２３ｃ及び導体部２５ａ，２５ｂが形成されるとともに、ＩＣチップ２４及びこれに接続されたＣＰＵ２６が搭載されたベース基材３１と、ベース基材３１の表示電極２３ａ，２３ｂ、表示電極群２３ｃ及び導体部２５ａ，２５ｂが形成された面に積層された情報表示層３２と、情報表示層３２のベース基材３１とは反対側の面のうち表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃに対向する領域を含む一部の領域に積層された透明導電膜基板３５と、情報表示層３２及び透明導電膜基板３５のベース基材３１とは反対側の面のうち表示電極２３ａ，２３ｂ、並びに表示電極群２３ｃを構成する表示電極に対向しない領域の全面に積層されたマスク層３６とから構成されている。そして、表示電極２３ａ，２３ｂに対向する領域が表示領域２１ａ，２１ｂとなり、表示電極群２３ｃに対向する領域が数値表示部２２となっている。
【００１７】
ベース基材３１は、例えばＰＥＴ等からなり、情報表示層３２と対向する面に、例えば、銀ペーストやカーボンペースト等の導電ペーストや導電インキを用いたスクリーン印刷によって表示電極２３ａ，２３ｂ、表示電極群２３ｃ及び導体部２５ａ，２５ｂが形成されている。表示電極群２３ｃは、ベース基材３１上に、表示される情報に応じたパターンで形成された複数の表示電極から構成されている。本形態は、この表示電極群２３ｃを用いて数字を表示するものであって、表示電極群２３ｃを構成する複数の表示電極に対して選択的に電圧が印加され、数値表示部２２に“００”〜“９９”の数字が表示される。導体部２５ａ，２５ｂは、それぞれ二等辺三角形の形状を有し、二等辺三角形の頂点どうしが空隙を介して対向するようにベース基材３１上に形成されており、この二等辺三角形の頂点にＩＣチップ２４が接続されるように搭載されている。
【００１８】
透明導電膜基板３５は、ガラスや透明フィルム等からなる透明基板３４の一方の面に透明電極（例えば、ＩＴＯ）３３が形成されて構成されており、表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃと透明電極３３とが対向配置し、これら表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃと透明電極３３との間に情報表示層３２が挟み込まれている。
【００１９】
情報表示層３２は、表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃと透明電極３３との間の電位差に応じて情報を表示するものであって、透明電極３３に所定の電圧を印加した状態で表示電極２３ａ，２３ｂに互いに異なる電圧を選択的に印加することにより、情報表示層３２の表示電極２３ａ，２３ｂに対向する領域の状態が変化し、この状態の変化によって、表示領域２１ａ，２１ｂの色が互いに異なる色となり、この色の違いが透明導電膜基板３５側から視認されることになる。また、透明電極３３に所定の電圧を印加した状態で、数値表示部２２にて表示する情報に応じて表示電極群２３ｃを構成する複数の表示電極に２種類の電圧を選択的に印加することにより、上記同様にして数値表示部２２にて “００”〜“９９”の数字が表示されることになる。この情報表示層３２としては、例えば、電気泳動タイプや電子粉粒タイプ、エレクトロクロミック等が挙げられるが、マイクロカプセル方式の電気泳動タイプが最も好ましい。
【００２０】
このように構成された重ね合わせシート１０と情報表示シート２０とが、図１（ａ）に示すように重ね合わされると、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂと情報表示シート２０の表示領域２１ａ，２１ｂとが互いに対向し、それにより、表示領域２１ａ，２１ｂが情報記入領域１１ａ，１１ｂを介して視認可能な状態となり、また、重ね合わせシート１０の情報視認領域１２と情報表示シート２０の数値表示部２２とが互いに対向し、数値表示部２２が情報視認領域１２を介して視認可能な状態となる。
【００２１】
以下に、上記のように構成された情報表示ボード１の利用方法について説明する。
【００２２】
図２は、図１に示した情報表示ボード１の利用方法の一例を示す図である。
【００２３】
図１に示した情報表示ボード１を利用する場合は、まず、図２（ａ）に示すように、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂのそれぞれに、排他的に通知したい通知情報２ａ，２ｂを第２の色となる黒色で記入する。
【００２４】
そして、重ね合わせシート１０と情報表示シート２０とを重ね合わせる。
【００２５】
この状態で、例えば、商品に添付され、商品の検品結果が記憶されたＩＣタグがこの情報表示ボード１に近接すると、導体部２５ａ，２５ｂからなるアンテナ及びＩＣチップ２４によってＩＣタグに記憶された検品結果が読み出され、ＣＰＵ２６の制御によって、読み出された検品結果に応じて表示電極２３ａ，２３ｂに電圧が印加される。検品結果が良品である場合は、例えば、表示電極２３ａにプラスの電圧が印加されるとともに、表示電極２３ｂにマイナスの電圧が印加される。すると、プラスの電圧が印加された表示電極２３ａに対向する領域においては、表示電極２３ａに対して透明電極３３側がマイナスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２３ａにて第１の色である白色が表示され、また、マイナスの電圧が印加された表示電極２３ｂに対向する領域においては、表示電極２３ｂに対して透明電極３３側がプラスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２１ｂにて第２の色である黒色が表示される。そして、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂにはそれぞれ、黒色で通知情報２ａ，２ｂが記入されているため、図２（ｂ）に示すように、白色が表示された表示領域２１ａにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ａに記入された通知情報２ａが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域２１ｂにおいては、情報記入領域１１ｂに記入された通知情報２ｂが表示領域２１ｂに表示された黒色と重なって視認困難となる。また、この際、ＣＰＵ２６の制御によって、表示電極群２３ｃに対して、上記のように検品結果が表示された商品の数に応じた電圧が印加され、情報視認領域１２にてその商品の数が表示されることになる。
【００２６】
また、検品結果が不良品である場合は、例えば、表示電極２３ａにマイナスの電圧が印加されるとともに、表示電極２３ｂにプラスの電圧が印加される。すると、マイナスの電圧が印加された表示電極２３ａに対向する領域においては、表示電極２３ａに対して透明電極３３側がプラスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２１ａにて黒色が表示され、また、プラスの電圧が印加された表示電極２３ｂに対向する領域においては、表示電極２３ｂに対して透明電極３３側がマイナスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２１ｂにて白色が表示される。そして、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂにはそれぞれ、黒色で通知情報２ａ，２ｂが記入されているため、図２（ｃ）に示すように、黒色が表示された表示領域２１ａにおいては、情報記入領域１１ａに記入された通知情報２ａが表示領域２１ａに表示された黒色と重なって視認困難となり、また、白色が表示された表示領域２１ｂにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ｂに記入された通知情報２ｂが黒色によって視認可能となる。
【００２７】
このように、情報表示シート２０の表示領域２１ａ，２１ｂにおいて黒色と白色とが排他的に切り替え可能に表示され、この黒色または白色が表示された表示領域２１ａ，２１ｂに重ね合わされた情報記入領域１１ａ，１１ｂに黒色で通知情報２ａ，２ｂが記入されることにより、情報記入領域１１ａ，１１ｂに記入された通知情報２ａ，２ｂを、表示領域２１ａ，２１ｂに表示する色を切り替えるだけで選択的に表示することができる。
【００２８】
また、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂは情報の記入／消去が繰り返し可能である。以下に、図２に示した重ね合わせシート１０に記入された通知情報２ａ，２ｂを書き換えた例について説明する。
【００２９】
図３は、図１に示した情報表示ボード１の利用方法の他の例を示す図である。
【００３０】
図１に示した情報表示ボード１においては、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂは情報の記入／消去が繰り返し可能であるため、図２に示したものとは他の用途に用いる場合、情報記入領域１１ａ，１１ｂに記入された通知情報２ａ，２ｂを消去し、図３（ａ）に示すように、排他的に新たに通知したい通知情報３ａ，３ｂを黒色で記入する。
【００３１】
そして、上記同様に、重ね合わせシート１０と情報表示シート２０とを重ね合わせ、表示電極２３ａ，２３ｂに互いに異なる電圧を印加することにより、図３（ｂ）に示すように、表示領域２１ａに白色が表示され、表示領域２１ｂに黒色が表示された場合は、白色が表示された表示領域２１ａにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ａに記入された通知情報３ａが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域２１ｂにおいては、情報記入領域１１ｂに記入された通知情報３ｂが表示領域２１ｂに表示された黒色と重なって視認困難となる。また、図３（ｃ）に示すように、表示領域２１ａに黒色が表示され、表示領域２１ｂに白色が表示された場合は、黒色が表示された表示領域２１ａにおいては、情報記入領域１１ａに記入された通知情報３ａが表示領域２１ａに表示された黒色と重なって視認困難となり、また、白色が表示された表示領域２１ｂにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ｂに記入された通知情報３ｂが黒色によって視認可能となる。
【００３２】
このように、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂに記入された情報を書き換えるだけで、他の用途に利用することができ、汎用性を持たせることができる。
【００３３】
なお、本形態においては、２つの表示領域２１ａ，２１ｂにて白色と黒色のいずれかを排他的に切り替え可能に表示する場合を例に挙げて説明したが、白色と黒色のいずれかを切り替え可能に表示する表示領域は２つに限らない。以下に、その実施の形態について説明する。
【００３４】
（他の実施の形態）
図４は、本発明の情報表示装置の他の実施の形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシート１１０の表面図、（ｃ）は情報表示シート１２０の表面図である。
【００３５】
本形態は図４に示すように、図１に示したものに対して、重ね合わせシート１１０に６つの情報記入領域１１１ａ〜１１１ｆが設けられ、情報表示シート１２０にもそれに合わせて６つの表示領域１２１ａ〜１２１ｆが設けられている点が異なるものである。なお、情報表示シート１２０の表示領域１２１ａ〜１２１ｆにおける色の表示制御等については、図１に示したものと同様である。
【００３６】
以下に、上記のように構成された情報表示ボード１０１の利用方法について説明する。
【００３７】
図５は、図４に示した情報表示ボード１０１の利用方法の一例を示す図である。
【００３８】
図４に示した情報表示ボード１を利用する場合は、まず、図５（ａ）に示すように、重ね合わせシート１１０の情報記入領域１１１ａ〜１１ｆのそれぞれに、排他的に通知したい通知情報１０２ａ〜１０２ｆを第２の色となる黒色で記入する。
【００３９】
そして、重ね合わせシート１１０と情報表示シート１２０とを重ね合わせる。
【００４０】
この状態で、例えば、メール便に添付され、メール便の配送先情報が記憶されたＩＣタグがこの情報表示ボード１０１に近接すると、ＩＣタグに記憶された配送先情報が読み出され、読み出された配送先情報に応じて表示領域１２１ａ〜１２１ｆにて表示される色が制御される。メール便の配送先が、通知情報１０２ａによって示される場所である場合は、表示領域１２１ａのみにて白色が表示され、他の表示領域１２１ｂ〜１２１ｆにおいては黒色が表示される。すると、図５（ｂ）に示すように、白色が表示された表示領域１２１ａにおいては、白色を背景として情報記入領域１１１ａに記入された通知情報１０２ａが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域１２１ｂ〜１２１ｆにおいては、情報記入領域１１１ｂ〜１１１ｆにそれぞれ記入された通知情報１０２ｂ〜１０２ｆが表示領域１２１ｂ〜１２１ｆに表示された黒色と重なって視認困難となる。
【００４１】
また、メール便の配送先が、通知情報１０２ｂによって示される場所である場合は、表示領域１２１ｂのみにて白色が表示され、他の表示領域１２１ａ，１２１ｃ〜１２１ｆにおいては黒色が表示される。すると、図５（ｃ）に示すように、白色が表示された表示領域１２１ｂにおいては、白色を背景として情報記入領域１１１ｂに記入された通知情報１０２ｂが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域１２１ａ，１２１ｃ〜１２１ｆにおいては、情報記入領域１１１ａ，１１１ｃ〜１１１ｆにそれぞれ記入された通知情報１０２ａ，１０２ｃ〜１０２ｆが表示領域１２１ａ，１２１ｃ〜１２１ｆに表示された黒色と重なって視認困難となる。
【００４２】
このように、情報表示シート１２０の表示領域１２１ａ〜１２１ｆにおいて黒色と白色とが、表示領域１２１ａ〜１２１ｆのうち１つにて白色が表示されるように切り替え可能に表示され、この黒色または白色が表示された表示領域１２１ａ〜１２１ｆに重ね合わされた情報記入領域１１１ａ〜１１１ｆに黒色で通知情報１０２ａ〜１０２ｆが記入されることにより、情報記入領域１１１ａ〜１１１ｆに記入された通知情報１０２ａ〜１０２ｆを、表示領域１２１ａ〜１２１ｆのうち白色を表示する表示領域を切り替えるだけで選択的に表示することができる。
【００４３】
なお、上述した実施の形態においては、重ね合わせシート１０，１１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆに黒色で通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆを記入することにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆのうち白色が表示された表示領域にて通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆが視認される場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、重ね合わせシート１０，１１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆに白色で通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆを記入することにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆのうち黒色が表示された表示領域にて通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆが視認されるもの等、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆのうち、情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆに記入された通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆの色とは異なる色が表示された表示領域にて通知情報を視認可能とするものであればよい。
【００４４】
また、上述した実施の形態においては、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆを有する情報表示シート２０，１２０上に、情報の記入／消去が繰り返し可能な情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆを有する重ね合わせシート１０，１１０を重ね合わせることにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆの表面にて情報の記入／消去が繰り返し可能な構成としているが、重ね合わせシート１０，１１０を用いることなく、情報表示シート２０，１２０の表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆ上に情報を直接記入／消去可能とすることにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆの表面にて情報の記入／消去が繰り返し可能な構成としてもよい。
【符号の説明】
【００４５】
１，１０１ 情報表示ボード
２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆ 通知情報
１０，１１０ 重ね合わせシート
１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆ 情報記入領域
１２ 情報視認領域
１３ ベースシート
１４ａ，１４ｂ 孔部
１５ 透明フィルム
２０，１２０ 情報表示シート
２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆ 表示領域
２２ 数値表示部
２３ａ，２３ｂ 表示電極
２３ｃ 表示電極群
２４ ＩＣチップ
２５ａ，２５ｂ 導体部
２６ ＣＰＵ
３１ ベース基材
３２ 情報表示層
３３ 透明電極
３４ 透明基板
３５ 透明導電膜基板
３６ マスク層
【技術分野】
【０００１】
本発明は、情報を可変に表示可能な情報表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、情報を表示する表示装置として、ＣＲＴディスプレイや液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等が用いられており、これらは、テレビ受像機に用いられることによりテレビ局から送信されたテレビ映像を表示したり、パソコンのディスプレイとして用いられることにより、パソコンに保存された情報やインターネットを介して配信された情報を表示したりすることができる。これらの表示装置は、それぞれ一長一短を有しており、例えば、ＣＲＴディスプレイは、視野角が広いものの奥行きサイズが厚く、また、液晶ディスプレイは、奥行きサイズが薄いものの視野角が狭く、また、プラズマディスプレイは、視野角が広く奥行きサイズが薄いものの消費電力が多い。
【０００３】
近年、上述したような表示装置に加えて、デジタル情報を紙のように薄い表示媒体に表示する薄型の情報表示装置が普及しはじめている。薄型の情報表示装置は、紙のように薄いために携帯がしやすいとともに、消費電力が少なく、また視野角が広く、さらには、電極に印加する電圧によって表示される情報を書き換えることができるとともに、電源を切断した場合でも表示内容を保持できることから、今後のさらなる普及が予想される。
【０００４】
上記のような薄型の情報表示装置としては、対向する２つの電極間に、印加される電位差に応じて状態が変化する情報表示層を挟み込んでおき、２つの電極に電圧を印加することにより、その電位差に応じた色を視認させるものが利用されている。そこで、情報表示層上に所定のパターンを印刷しておくことにより、情報表示層による色によってそのパターンを視認可能としたり、視認困難としたりすることが考えられている（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００９−８６０２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述したように、情報表示層上に所定のパターンを印刷しておくことにより、情報表示層による色によってそのパターンを視認可能としたり、視認困難としたりするものにおいては、１つの情報を視認可能としたり視認困難としたりするだけであるため、複数の情報を選択的に表示することができず、また、汎用性が乏しいという問題点がある。
【０００７】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数の情報を選択的に表示することができるとともに汎用性を持たせることができる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、
第１及び第２の色のいずれかを切り替え可能に表示する複数の表示領域を具備し、前記第１の色を前記複数の表示領域のうち１つにて選択的に表示する情報表示装置において、
前記複数の表示領域は、その表面に情報が前記第２の色を用いて繰り返し記入／消去可能に構成されていることを特徴とする。
【０００９】
上記のように構成された本発明においては、複数の表示領域のうち１つの表示領域にて第１の色が表示され、その他の表示領域にて第２の色が表示される。この状態で、情報記入領域の表面に第２の色を用いて情報が記入されると、第１の色が表示された１つの表示領域においては、第１の色を背景として情報記入領域に記入された情報が第２の色によって視認可能となり、また、第２の色が表示されたそれ以外の表示領域においては、情報記入領域に記入された情報が表示領域に表示された第２の色と重なって視認困難となる。そして、複数の表示領域においては、第１の色と第２の色とが切り替え可能に表示されるので、複数の表示領域の表面にそれぞれ記入された情報を、第１の色を表示する表示領域を切り替えるだけで選択的に表示することができる。また、表示領域は情報が繰り返し記入／消去可能であるため、表示領域の表面に記入された情報を書き換えるだけで汎用性を持たせることができる。
【発明の効果】
【００１０】
以上説明したように本発明においては、第１及び第２の色のいずれかを切り替え可能に表示する複数の表示領域を具備し、第１の色を複数の表示領域のうち１つにて選択的に表示する情報表示装置において、複数の表示領域が、その表面に情報が第２の色を用いて繰り返し記入／消去可能に構成されている構成としたため、第１の色を表示する表示領域を切り替えるだけで複数の情報を選択的に表示することができ、また、表示領域の表面に記入された情報を書き換えるだけで汎用性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の情報表示装置の実施の一形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシートの表面図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は情報表示シートの表面図、（ｅ）は情報表示シートの内部構造を示す図、（ｆ）は（ｄ）に示したＢ−Ｂ’断面図である。
【図２】図１に示した情報表示ボードの利用方法の一例を示す図である。
【図３】図１に示した情報表示ボードの利用方法の他の例を示す図である。
【図４】本発明の情報表示装置の他の実施の形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシートの表面図、（ｃ）は情報表示シートの表面図である。
【図５】図４に示した情報表示ボードの利用方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１３】
図１は、本発明の情報表示装置の実施の一形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシート１０の表面図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は情報表示シート２０の表面図、（ｅ）は情報表示シート２０の内部構造を示す図、（ｆ）は（ｄ）に示したＢ−Ｂ’断面図である。
【００１４】
本形態は図１（ａ）に示すように、情報表示シート２０上に重ね合わせシート１０が重ね合わされてなる情報表示ボード１である。
【００１５】
重ね合わせシート１０は図１（ｂ），（ｃ）に示すように、紙等からなるベースシート１３の一部に表裏貫通した孔部１４ａ，１４ｂが設けられ、その領域に透明フィルム１５が貼着されて構成されている。それにより、重ね合わせシート１０には、孔部１４ａ，１４ｂが設けられた領域に、表面から裏面が透視可能であるとともに情報を繰り返し記入／消去可能な情報記入領域１１ａ，１１ｂが設けられている。また、ベースシート１３の他の領域にも同様の孔部（不図示）が設けられ、その領域にフィルムシート１５が貼着されることにより、その領域に表面から裏面が透視可能な情報視認領域１２が設けられている。なお、ベースシート１３に孔部を設けてその孔部にて透明フィルム１５を用いて情報記入領域１１ａ，１１ｂ及び情報視認領域１２を構成するのではなく、重ね合わせシート１０全体を透明フィルムから構成し、情報記入領域１１ａ，１１ｂ及び情報視認領域１２以外の領域に不透明なインキを用いて印刷を施すことによって情報記入領域１１ａ，１１ｂ及び情報視認領域１２を構成することも考えられる。
【００１６】
情報表示シート２０は図１（ｄ）〜（ｆ）に示すように、一方の面に表示電極２３ａ，２３ｂ、表示電極群２３ｃ及び導体部２５ａ，２５ｂが形成されるとともに、ＩＣチップ２４及びこれに接続されたＣＰＵ２６が搭載されたベース基材３１と、ベース基材３１の表示電極２３ａ，２３ｂ、表示電極群２３ｃ及び導体部２５ａ，２５ｂが形成された面に積層された情報表示層３２と、情報表示層３２のベース基材３１とは反対側の面のうち表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃに対向する領域を含む一部の領域に積層された透明導電膜基板３５と、情報表示層３２及び透明導電膜基板３５のベース基材３１とは反対側の面のうち表示電極２３ａ，２３ｂ、並びに表示電極群２３ｃを構成する表示電極に対向しない領域の全面に積層されたマスク層３６とから構成されている。そして、表示電極２３ａ，２３ｂに対向する領域が表示領域２１ａ，２１ｂとなり、表示電極群２３ｃに対向する領域が数値表示部２２となっている。
【００１７】
ベース基材３１は、例えばＰＥＴ等からなり、情報表示層３２と対向する面に、例えば、銀ペーストやカーボンペースト等の導電ペーストや導電インキを用いたスクリーン印刷によって表示電極２３ａ，２３ｂ、表示電極群２３ｃ及び導体部２５ａ，２５ｂが形成されている。表示電極群２３ｃは、ベース基材３１上に、表示される情報に応じたパターンで形成された複数の表示電極から構成されている。本形態は、この表示電極群２３ｃを用いて数字を表示するものであって、表示電極群２３ｃを構成する複数の表示電極に対して選択的に電圧が印加され、数値表示部２２に“００”〜“９９”の数字が表示される。導体部２５ａ，２５ｂは、それぞれ二等辺三角形の形状を有し、二等辺三角形の頂点どうしが空隙を介して対向するようにベース基材３１上に形成されており、この二等辺三角形の頂点にＩＣチップ２４が接続されるように搭載されている。
【００１８】
透明導電膜基板３５は、ガラスや透明フィルム等からなる透明基板３４の一方の面に透明電極（例えば、ＩＴＯ）３３が形成されて構成されており、表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃと透明電極３３とが対向配置し、これら表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃと透明電極３３との間に情報表示層３２が挟み込まれている。
【００１９】
情報表示層３２は、表示電極２３ａ，２３ｂ及び表示電極群２３ｃと透明電極３３との間の電位差に応じて情報を表示するものであって、透明電極３３に所定の電圧を印加した状態で表示電極２３ａ，２３ｂに互いに異なる電圧を選択的に印加することにより、情報表示層３２の表示電極２３ａ，２３ｂに対向する領域の状態が変化し、この状態の変化によって、表示領域２１ａ，２１ｂの色が互いに異なる色となり、この色の違いが透明導電膜基板３５側から視認されることになる。また、透明電極３３に所定の電圧を印加した状態で、数値表示部２２にて表示する情報に応じて表示電極群２３ｃを構成する複数の表示電極に２種類の電圧を選択的に印加することにより、上記同様にして数値表示部２２にて “００”〜“９９”の数字が表示されることになる。この情報表示層３２としては、例えば、電気泳動タイプや電子粉粒タイプ、エレクトロクロミック等が挙げられるが、マイクロカプセル方式の電気泳動タイプが最も好ましい。
【００２０】
このように構成された重ね合わせシート１０と情報表示シート２０とが、図１（ａ）に示すように重ね合わされると、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂと情報表示シート２０の表示領域２１ａ，２１ｂとが互いに対向し、それにより、表示領域２１ａ，２１ｂが情報記入領域１１ａ，１１ｂを介して視認可能な状態となり、また、重ね合わせシート１０の情報視認領域１２と情報表示シート２０の数値表示部２２とが互いに対向し、数値表示部２２が情報視認領域１２を介して視認可能な状態となる。
【００２１】
以下に、上記のように構成された情報表示ボード１の利用方法について説明する。
【００２２】
図２は、図１に示した情報表示ボード１の利用方法の一例を示す図である。
【００２３】
図１に示した情報表示ボード１を利用する場合は、まず、図２（ａ）に示すように、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂのそれぞれに、排他的に通知したい通知情報２ａ，２ｂを第２の色となる黒色で記入する。
【００２４】
そして、重ね合わせシート１０と情報表示シート２０とを重ね合わせる。
【００２５】
この状態で、例えば、商品に添付され、商品の検品結果が記憶されたＩＣタグがこの情報表示ボード１に近接すると、導体部２５ａ，２５ｂからなるアンテナ及びＩＣチップ２４によってＩＣタグに記憶された検品結果が読み出され、ＣＰＵ２６の制御によって、読み出された検品結果に応じて表示電極２３ａ，２３ｂに電圧が印加される。検品結果が良品である場合は、例えば、表示電極２３ａにプラスの電圧が印加されるとともに、表示電極２３ｂにマイナスの電圧が印加される。すると、プラスの電圧が印加された表示電極２３ａに対向する領域においては、表示電極２３ａに対して透明電極３３側がマイナスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２３ａにて第１の色である白色が表示され、また、マイナスの電圧が印加された表示電極２３ｂに対向する領域においては、表示電極２３ｂに対して透明電極３３側がプラスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２１ｂにて第２の色である黒色が表示される。そして、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂにはそれぞれ、黒色で通知情報２ａ，２ｂが記入されているため、図２（ｂ）に示すように、白色が表示された表示領域２１ａにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ａに記入された通知情報２ａが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域２１ｂにおいては、情報記入領域１１ｂに記入された通知情報２ｂが表示領域２１ｂに表示された黒色と重なって視認困難となる。また、この際、ＣＰＵ２６の制御によって、表示電極群２３ｃに対して、上記のように検品結果が表示された商品の数に応じた電圧が印加され、情報視認領域１２にてその商品の数が表示されることになる。
【００２６】
また、検品結果が不良品である場合は、例えば、表示電極２３ａにマイナスの電圧が印加されるとともに、表示電極２３ｂにプラスの電圧が印加される。すると、マイナスの電圧が印加された表示電極２３ａに対向する領域においては、表示電極２３ａに対して透明電極３３側がプラスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２１ａにて黒色が表示され、また、プラスの電圧が印加された表示電極２３ｂに対向する領域においては、表示電極２３ｂに対して透明電極３３側がマイナスとなる電位差が生じ、それにより、表示領域２１ｂにて白色が表示される。そして、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂにはそれぞれ、黒色で通知情報２ａ，２ｂが記入されているため、図２（ｃ）に示すように、黒色が表示された表示領域２１ａにおいては、情報記入領域１１ａに記入された通知情報２ａが表示領域２１ａに表示された黒色と重なって視認困難となり、また、白色が表示された表示領域２１ｂにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ｂに記入された通知情報２ｂが黒色によって視認可能となる。
【００２７】
このように、情報表示シート２０の表示領域２１ａ，２１ｂにおいて黒色と白色とが排他的に切り替え可能に表示され、この黒色または白色が表示された表示領域２１ａ，２１ｂに重ね合わされた情報記入領域１１ａ，１１ｂに黒色で通知情報２ａ，２ｂが記入されることにより、情報記入領域１１ａ，１１ｂに記入された通知情報２ａ，２ｂを、表示領域２１ａ，２１ｂに表示する色を切り替えるだけで選択的に表示することができる。
【００２８】
また、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂは情報の記入／消去が繰り返し可能である。以下に、図２に示した重ね合わせシート１０に記入された通知情報２ａ，２ｂを書き換えた例について説明する。
【００２９】
図３は、図１に示した情報表示ボード１の利用方法の他の例を示す図である。
【００３０】
図１に示した情報表示ボード１においては、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂは情報の記入／消去が繰り返し可能であるため、図２に示したものとは他の用途に用いる場合、情報記入領域１１ａ，１１ｂに記入された通知情報２ａ，２ｂを消去し、図３（ａ）に示すように、排他的に新たに通知したい通知情報３ａ，３ｂを黒色で記入する。
【００３１】
そして、上記同様に、重ね合わせシート１０と情報表示シート２０とを重ね合わせ、表示電極２３ａ，２３ｂに互いに異なる電圧を印加することにより、図３（ｂ）に示すように、表示領域２１ａに白色が表示され、表示領域２１ｂに黒色が表示された場合は、白色が表示された表示領域２１ａにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ａに記入された通知情報３ａが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域２１ｂにおいては、情報記入領域１１ｂに記入された通知情報３ｂが表示領域２１ｂに表示された黒色と重なって視認困難となる。また、図３（ｃ）に示すように、表示領域２１ａに黒色が表示され、表示領域２１ｂに白色が表示された場合は、黒色が表示された表示領域２１ａにおいては、情報記入領域１１ａに記入された通知情報３ａが表示領域２１ａに表示された黒色と重なって視認困難となり、また、白色が表示された表示領域２１ｂにおいては、白色を背景として情報記入領域１１ｂに記入された通知情報３ｂが黒色によって視認可能となる。
【００３２】
このように、重ね合わせシート１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂに記入された情報を書き換えるだけで、他の用途に利用することができ、汎用性を持たせることができる。
【００３３】
なお、本形態においては、２つの表示領域２１ａ，２１ｂにて白色と黒色のいずれかを排他的に切り替え可能に表示する場合を例に挙げて説明したが、白色と黒色のいずれかを切り替え可能に表示する表示領域は２つに限らない。以下に、その実施の形態について説明する。
【００３４】
（他の実施の形態）
図４は、本発明の情報表示装置の他の実施の形態を示す図であり、（ａ）は外観斜視図、（ｂ）は重ね合わせシート１１０の表面図、（ｃ）は情報表示シート１２０の表面図である。
【００３５】
本形態は図４に示すように、図１に示したものに対して、重ね合わせシート１１０に６つの情報記入領域１１１ａ〜１１１ｆが設けられ、情報表示シート１２０にもそれに合わせて６つの表示領域１２１ａ〜１２１ｆが設けられている点が異なるものである。なお、情報表示シート１２０の表示領域１２１ａ〜１２１ｆにおける色の表示制御等については、図１に示したものと同様である。
【００３６】
以下に、上記のように構成された情報表示ボード１０１の利用方法について説明する。
【００３７】
図５は、図４に示した情報表示ボード１０１の利用方法の一例を示す図である。
【００３８】
図４に示した情報表示ボード１を利用する場合は、まず、図５（ａ）に示すように、重ね合わせシート１１０の情報記入領域１１１ａ〜１１ｆのそれぞれに、排他的に通知したい通知情報１０２ａ〜１０２ｆを第２の色となる黒色で記入する。
【００３９】
そして、重ね合わせシート１１０と情報表示シート１２０とを重ね合わせる。
【００４０】
この状態で、例えば、メール便に添付され、メール便の配送先情報が記憶されたＩＣタグがこの情報表示ボード１０１に近接すると、ＩＣタグに記憶された配送先情報が読み出され、読み出された配送先情報に応じて表示領域１２１ａ〜１２１ｆにて表示される色が制御される。メール便の配送先が、通知情報１０２ａによって示される場所である場合は、表示領域１２１ａのみにて白色が表示され、他の表示領域１２１ｂ〜１２１ｆにおいては黒色が表示される。すると、図５（ｂ）に示すように、白色が表示された表示領域１２１ａにおいては、白色を背景として情報記入領域１１１ａに記入された通知情報１０２ａが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域１２１ｂ〜１２１ｆにおいては、情報記入領域１１１ｂ〜１１１ｆにそれぞれ記入された通知情報１０２ｂ〜１０２ｆが表示領域１２１ｂ〜１２１ｆに表示された黒色と重なって視認困難となる。
【００４１】
また、メール便の配送先が、通知情報１０２ｂによって示される場所である場合は、表示領域１２１ｂのみにて白色が表示され、他の表示領域１２１ａ，１２１ｃ〜１２１ｆにおいては黒色が表示される。すると、図５（ｃ）に示すように、白色が表示された表示領域１２１ｂにおいては、白色を背景として情報記入領域１１１ｂに記入された通知情報１０２ｂが黒色によって視認可能となり、また、黒色が表示された表示領域１２１ａ，１２１ｃ〜１２１ｆにおいては、情報記入領域１１１ａ，１１１ｃ〜１１１ｆにそれぞれ記入された通知情報１０２ａ，１０２ｃ〜１０２ｆが表示領域１２１ａ，１２１ｃ〜１２１ｆに表示された黒色と重なって視認困難となる。
【００４２】
このように、情報表示シート１２０の表示領域１２１ａ〜１２１ｆにおいて黒色と白色とが、表示領域１２１ａ〜１２１ｆのうち１つにて白色が表示されるように切り替え可能に表示され、この黒色または白色が表示された表示領域１２１ａ〜１２１ｆに重ね合わされた情報記入領域１１１ａ〜１１１ｆに黒色で通知情報１０２ａ〜１０２ｆが記入されることにより、情報記入領域１１１ａ〜１１１ｆに記入された通知情報１０２ａ〜１０２ｆを、表示領域１２１ａ〜１２１ｆのうち白色を表示する表示領域を切り替えるだけで選択的に表示することができる。
【００４３】
なお、上述した実施の形態においては、重ね合わせシート１０，１１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆに黒色で通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆを記入することにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆのうち白色が表示された表示領域にて通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆが視認される場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、重ね合わせシート１０，１１０の情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆに白色で通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆを記入することにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆのうち黒色が表示された表示領域にて通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆが視認されるもの等、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆのうち、情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆに記入された通知情報２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆの色とは異なる色が表示された表示領域にて通知情報を視認可能とするものであればよい。
【００４４】
また、上述した実施の形態においては、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆを有する情報表示シート２０，１２０上に、情報の記入／消去が繰り返し可能な情報記入領域１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆを有する重ね合わせシート１０，１１０を重ね合わせることにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆの表面にて情報の記入／消去が繰り返し可能な構成としているが、重ね合わせシート１０，１１０を用いることなく、情報表示シート２０，１２０の表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆ上に情報を直接記入／消去可能とすることにより、表示領域２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆの表面にて情報の記入／消去が繰り返し可能な構成としてもよい。
【符号の説明】
【００４５】
１，１０１ 情報表示ボード
２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，１０２ａ〜１０２ｆ 通知情報
１０，１１０ 重ね合わせシート
１１ａ，１１ｂ，１１１ａ〜１１１ｆ 情報記入領域
１２ 情報視認領域
１３ ベースシート
１４ａ，１４ｂ 孔部
１５ 透明フィルム
２０，１２０ 情報表示シート
２１ａ，２１ｂ，１２１ａ〜１２１ｆ 表示領域
２２ 数値表示部
２３ａ，２３ｂ 表示電極
２３ｃ 表示電極群
２４ ＩＣチップ
２５ａ，２５ｂ 導体部
２６ ＣＰＵ
３１ ベース基材
３２ 情報表示層
３３ 透明電極
３４ 透明基板
３５ 透明導電膜基板
３６ マスク層
【特許請求の範囲】
【請求項１】
第１及び第２の色のいずれかを切り替え可能に表示する複数の表示領域を具備し、前記第１の色を前記複数の表示領域のうち１つにて選択的に表示する情報表示装置において、
前記複数の表示領域は、その表面に情報が前記第２の色を用いて繰り返し記入／消去可能に構成されていることを特徴とする情報表示装置。
【請求項１】
第１及び第２の色のいずれかを切り替え可能に表示する複数の表示領域を具備し、前記第１の色を前記複数の表示領域のうち１つにて選択的に表示する情報表示装置において、
前記複数の表示領域は、その表面に情報が前記第２の色を用いて繰り返し記入／消去可能に構成されていることを特徴とする情報表示装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１２３１７２（Ｐ２０１２−１２３１７２Ａ）
【公開日】平成２４年６月２８日（２０１２．６．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２７３５５７（Ｐ２０１０−２７３５５７）
【出願日】平成２２年１２月８日（２０１０．１２．８）
【出願人】（０００１１０２１７）トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年６月２８日（２０１２．６．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月８日（２０１０．１２．８）
【出願人】（０００１１０２１７）トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Ｆターム（参考）】
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