説明

情報記録再生装置

【課題】ディスクの装着異常の検出には、当該ディスクに対して記録または再生動作に入る前に完了できる構成がないため、ディスクを損傷する可能性がある。
【解決手段】メインバー2を付勢するメインバー付勢ばね13の付勢力に抗してディスク9を傾けながらディスクホルダー4の下側に装着し、ディスク用位置決め窪み11に載置した後スピンドルモータ8に備えるターンテーブル7とクランパ6とで挟持する。このような正常装着に対し、ディスク9がディスクホルダ4に乗り上げて載置された場合、ディスクホルダ4が回転支点10を中心に回動するため、ターンテーブル7とクランパ6とによって挟持できるが、ディスクホルダ6にゴム5を装着することにより、回転数が低下するため異常装着が簡単に検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD等円盤状記録媒体を使用する各種情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(以下、CDと称す)プレーヤ、CDドライブ、ディジタルバーサタイルディスク(以下、DVDと称す)ROMドライブ、DVDオーディオプレーヤ、DVDレコーダ等の各種円盤状記録媒体(以下、ディスクと称す)を用いる情報記録再生装置には、ディスクを装着する為のディスクローディング装置が備えられている。このディスクローディング装置は、当該情報記録再生装置で扱うディスクを装置内より繰り出されたトレイ上に載置すると、このトレイが装置内に移動、格納され、その後ディスクを回転するターンテーブルに自動的にクランプされ、記録または再生の準備が完了する構成が主流となっている。
【0003】
一方、近年省スペースのためこの種の情報記録再生装置は、そのディスクの表面が垂直になるような状態で設置、使用される機会が増えている。このためこれらの情報記録再生装置はディスクの表面が水平な状態に設置されても、垂直な状態に設置されても使用可能なように設計されるのが普通である。ディスクの表面が水平になるように設置されている場合は、ディスクはトレイ上に安定に載置されるので何ら問題はないが、垂直に設置された場合は、そのままでは当然のことながらディスクはトレイから滑落し、トレイ上に載置することができない。このため、通常トレイのディスク外周部に相当する付近に何らかの突起を設け、使用者によるディスク装着時に、ディスクをこの突起によりトレイに対し水平の場合と概略同じ相対位置に保持できるようにしている。この状態でディスクのローディング動作を行うことにより、水平の場合とほぼ同様にローディング動作を行うようにしている。しかしながらこの構成で垂直時にディスクが安定に装着できるようにするには、この突起がディスクの外周の内側近くあるいは内側までオーバーハングした形状にならざるを得ない。
【0004】
このようにオーバーハングした形状では垂直に設置する場合は問題ないが、これを水平に設置して使用する場合は、ディスクをトレイに載置する際、ディスクをこの突起の下側に入り込ませるようにして載置しなければならないので、単純な所作で載置することができなくなる。そして、突起の下側に入り込ませることなく、オーバーハングした部分の上に誤ってディスクを置いてしまうとディスクがトレイに正常に装着されない。その結果、情報記録再生装置で正常な記録再生ができないのみならず、極端な場合にはディスクが回転した際、この突起とディスクが摺動することによりディスクを損傷し、ユーザの記録データを破壊するという情報記録再生装置として致命的な結果を招来する場合すらある。
【0005】
このため、装置の取り扱い説明書で注意を喚起したり、あるいは水平に設置して使用する際はこのオーバーハング部分を収納できる構造にしたりしている。しかし、このような対策では、前述のような致命的な結果が回避できるかどうかはひとえにユーザの行為にかかっているため、これだけでは到底十分とはいえないという問題点があった。
【0006】
従来このような問題点に対し、例えば特許文献1に記されているように、ディスクの回転開始時、回転開始から一定時間後の回転数を測定し、これによりディスクが正常に情報記録再生装置に装着されたかどうかを判別し、異常であると判別された際にしかるべき動作を行う方法が提案されている。モータのトルク、ディスク及びモータの回転子の慣性モーメントはある範囲内であるので、正常にディスクが装着された場合は回転開始から一定時間後の回転数は、ある一定の範囲内に入る。この範囲から逸脱している場合、ディスクの装着が正常に行われていないと判断し、トレイを排出する等の動作を行う。
【特許文献1】特開平7−176121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1では、ディスクの装着が正常に行われないためディスクモータが空転し、回転数が所定の値よりも高くなる場合であるが、突起に対しディスクがオーバーハングするような異常の場合、ディスクが情報記録再生装置の例えば筐体等に接触し、当該筐体等との接触に起因する摩擦力のため通常回転数は低くなる。そのような場合でも同様に異常の検出が可能であることは言うまでも無い。
【0008】
そこで特許文献1に開示の構成で、回転数が低くなる場合にも異常を検出しようとすると、上記文献には以下に述べるような問題点があった。
【0009】
第一に、ディスク装着の異常検出のため、ディスクを回転させなければならないが、この回転によりディスクが損傷される可能性があり、
第二に、回転数の低下は前述の突起とディスクの摩擦力によるものであるが、摩擦力のばらつきは大きく、これを考慮すると、回転数に一定の閾値を設けて正常と異常を判別することができない場合があり、
第三に、DVD−RAMドライブのようにカートリッジ入りのディスクも扱う装置の場合、カートリッジを使用する際はこの突起がトレイから突出した状態を維持するとカートリッジをトレイに載置できないため、突起はばね等の付勢手段の附勢力によりトレイから突出状態を維持することで、カートリッジが載置されていない場合にディスクを保持するための所定の位置に維持し、カートリッジが載置された際はカートリッジの自重等が付勢手段の付勢力に抗することで圧縮され、突起がトレイの表面以下に収納(すなわち、突起がトレイから陥没)される構造が多いが、このばねはカートリッジの自重等により圧縮されなければならないため、附勢力は小さくする必要がある一方、ディスクをこの上に載置する際にはこの小さな附勢力による突起の突出でディスクを保持することになり、このため突起の陥没と突出との動作の間で発生する摩擦力は小さくし、かつ当該摩擦力に陥没・突出を規制する閾値の設定が求められるが、いずれの要件をも満足するのは困難であるという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、係るディスクのローディング状態の異常の検出に関し、従来の課題を解消することができる情報記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の情報記録再生装置は、円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段の回転数を計測する回転数計測手段と、
前記回転手段の起動からの経過時間を測定する計時手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記計時手段が測定した経過時間が所定の値になった時における、前記回転手段の回転数により、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転手段の起動から前記所定時間が経過した時、前記回転数計測手段で計測した回転数と、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記回転数が小さい場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えたものである。
【0012】
本発明の別の情報記録再生装置は、円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段が前記ディスクの回転に必要な負荷トルクを計測するトルク計測手段と、
前記回転手段の起動からの経過時間を測定する計時手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記計時手段が測定した経過時間が所定の値になった時における、前記回転手段に必要とされる負荷トルクにより、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転手段の起動から前記所定時間が経過した時、前記トルク計測手段が計測した負荷トルクと、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記負荷トルクが大きい場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えたものである。
【0013】
上記構成において、前記保持具はトレイの載置面に垂直な方向にばねにより付勢され、カートリッジを前記トレイの載置面に載置することにより前記カートリッジに押されて前記トレイの前記載置面から退避可能なディスクホルダであり、前記ディスクの異常装着時に、前記保持具の当該ディスクと接触する部分に前記回転手段による前記ディスクの回転を抑制する回転抑制手段を設けたものである。
【0014】
上記構成において、前記回転抑制手段は、前記ディスクと接触時に、当該ディスクに対し吸着性を有する材質である。
【0015】
上記構成において、前記ディスクの装着動作から、当該ディスクに対し前記情報の記録または再生を行うまでの間に前記異常装着を検出する。
【0016】
上記構成において、前記トルク計測手段は、前記回転手段が発生する発生トルクもさらに計測し、前記異常装着検出時の前記トルク計測手段で計測する前記回転手段の発生トルクは、前記ディスクに対する前記情報の記録または再生する時の前記回転手段の発生トルクよりも小さい。
【0017】
上記構成において、前記異常装着を検出時の前記トルク計測手段で計測する発生トルクは、前記ディスクを異常装着した場合に当該ディスクに傷を付けることの無いトルクである。
【0018】
上記構成において、前記異常装着を検出時の前記トルク計測手段で計測する発生トルクは、前記ディスクを異常装着した時に当該ディスクを回転させることができない値であると共に、当該ディスクを正常に装着した場合には回転させることができる値である。
【0019】
本発明の別の情報記録再生装置は、円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段の回転数を計測する回転数計測手段と、
前記回転手段の起動からの経過時間を測定する計時手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記回転手段の起動から前記回転数計測手段が計測した回転数が一定回転数に達するまで、前記計時手段が測定した経過時間により、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転手段の起動から前記回転数計測手段が計測した回転数が一定回転数に達するまで、前記計時手段が測定した経過時間と、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記経過時間が長い場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えたものである。
【0020】
本発明の別の情報記録再生装置は、円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段の回転数を計測する回転数計測手段と、
前記回転手段の回転数に対応する駆動電流を計測する駆動電流計測手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記回転数計測手段が計測した回転数が所定の回転数になるときに、前記駆動電流計測手段により計測された駆動電流により、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転数計測手段が計測した回転数が所定の回転数となるときに前記駆動電流計測手段により計測された駆動電流と、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記駆動電流が大きい場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の情報記録再生装置によれば、ディスクの異常装着状態で検出動作を行ってもディスクを損傷することがない。また、回転抑制手段により回転の負荷が大きくなるため正常に装着した場合に比べ回転数の差が大きくなり、異常装着を容易に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態の情報記録再生装置を図1から図6を用いて説明する。
【0023】
以下本発明の情報記録再生装置に係る最良の実施形態を説明するが、下記実施形態で取り上げる情報記録再生装置はDVD−RAMドライブとするが、本発明の応用はこれに限られるものではないことは言うまでもない。
【0024】
図1(a)および図1(b)は本発明の実施の形態によるローディング機構の主要部分を示す概略構成図で、図1(a)はトレイが筐体内に収容された状態、図1(b)はディスクがスピンドルモータにクランプされ、記録再生の準備が完了した状態を模式的に示している。また、図2(a)および図2(b)は本発明の実施の形態による情報記録再生装置のトレイ部分の構成図で、図2(a)は平面図、図2(b)は斜視図であり、図3はその部分拡大斜視図である。本実施形態はDVD−RAMドライブとして以下説明する。DVD−RAMドライブは、8cm、12cmのCD−A、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM、DVD−R/RW等カートリッジに入っていない記録メディアの他、カートリッジに入っているDVD−RAMディスクも装着して、記録、再生を行うことができ、通常はディスク面が水平になるよう設置されて使用されるが、使用者の必要に応じてディスク面が垂直になるように設置して使用することもできる。
【0025】
図1(a)、図1(b)、図2(a)および図2(b)に於いて、1は筐体、2はメインバー、3はトレイ、4はディスクホルダ、5はゴム、6はクランパ、7はタ−ンテーブル、8はスピンドルモータ、9はディスク、10は回動支点、11はディスク載置部となる例えばディスク用位置決め窪み、12はディスクホルダ附勢ばね、13はメインバー附勢ばねである。
【0026】
また、図4は本実施形態による情報記録再生装置の制御ブロック図である。図4において、6はクランパ、7はタ−ンテーブル、8はスピンドルモータ、9はディスクで、これらは図1、図2の同じ番号を付与されたものと同じものである。また、14は比較手段、15は制御手段、16は駆動手段、17は計時手段、18は回転数計測手段、19はデータ格納手段である。
【0027】
トレイ3は、この上にディスク9が載置される。トレイ3は使用者により記録再生しようとするディスク9を情報記録再生装置に装着しようとする際は、図2に示すように図示しないローディング機構により筐体1より繰り出され、使用者がこの上に記録再生しようとするディスク9を置くことができる状態となる。使用者はCD−R等のカートリッジに入っていない裸ディスクを使用する際は、ディスクをディスク用位置決め窪み11に合わせてトレイ3に置く。
【0028】
このDVD−RAMドライブは、前述したようにディスク面が垂直になるように設置して使用することもできる。ディスク面が垂直になるように設置した際は、ディスク9をトレイ3上に置くことができない。このため、ディスクホルダ4及びメインバー2には、ディスク9が載置される範囲を示すディスク用位置決め窪み11上にオーバーハングする部分を持ち、ディスク面が垂直になるように設置した際は、この部分でディスク9がトレイ3から滑落するのを防止し、概略ディスク用位置決め窪み11の位置にディスク9を保持する。
【0029】
ディスクホルダ4及びメインバー2には、ディスク9が載置される範囲を示すディスク用位置決め窪み11上にオーバーハングする部分があるので、使用者はディスク9をトレイ3に載置する際、このオーバーハング部分の下に入れるようにして載置しなければならない。
【0030】
また、DVD−RAMディスク等、カートリッジに入ったディスクを装着する際は、このままではディスクホルダ4及びメインバー2がカートリッジと干渉する。このため、ディスクホルダ4及びメインバー2はそれぞれ、ディスクホルダ附勢ばね12及びメインバー附勢ばね13により附勢されて、所定の位置に位置している。カートリッジ入りのディスクを装着する際は、カートリッジの自重等によりディスクホルダ附勢ばね12が圧縮され、ディスクホルダ4は回動支点10を中心に回動し、トレイ3の表面より内側に退避する。同様に、カートリッジ装着時には、メインバー2をカートリッジにより押すようにしてトレイ3に載置するため、メインバー附勢ばね13が圧縮され、メインバー2はカートリッジの後方に退避する。
【0031】
ディスクホルダ附勢ばね12はカートリッジの自重等により圧縮されなければならないのでその附勢力は弱いものである。また、ディスクホルダ4はトレイと摺動する部分があるので、摺動性の良好な材質で作られている。このため、ディスク9との摩擦係数は比較的小さい。
【0032】
ディスク9が異常装着された際当接するディスクホルダ4の部分に、当該ディスク9の回転を抑制する回転抑制手段を備える。本実施形態では、回転抑制手段の一例としてゴム5がディスクホルダ4に嵌め込まれている。このゴム5はディスク9を摺動してもこれを損傷することがなく、また、ディスクホルダ4の材質と比較すると、ディスク9との摩擦係数は非常に大きい。
【0033】
図1(b)のディスク9がスピンドルモータ8にクランパ6でクランプされ、記録再生の準備が完了した状態では、図示しないローディング装置により、トレイ3はディスク9を載置した状態で筐体1内に格納され、スピンドルモータ8の回転軸に一体に取り付けられたターンテーブル7が下方より上昇し、これにより、ディスク9はターンテーブル7上に載置され、トレイ3より離れる。また同時にクランパ6が下降する。クランパ6にはマグネットが組みこまれ、これがターンテーブル7に組み込まれた鉄片を吸引することにより、ディスク9をターンテーブル7に圧着し、これがターンテーブル7と一体に回転可能な状態にする。
【0034】
スピンドルモータ8は駆動手段16(図4参照)により駆動される。駆動手段16はスピンドルモータ8の駆動電流を制御することにより、スピンドルモータ8に任意の回転数またはトルクを発生させることができる。また、回転数計測手段18によりその回転数が計測され、制御手段15に入力されている。これにより、通常の記録再生時は制御手段15はスピンドルモータ8を記録再生に必要な任意の回転数に制御することができる。これらの構成はほぼあらゆる種類の光ディスク装置に一般的に備えられているものである。なお、計時手段17は、スピンドルモータ8の起動からの時間を計測し、その値を比較手段14に出力する。
【0035】
データ格納手段19はディスク9の装着状態が正常かどうかを判別するための回転数のデータ、及びディスクの装着状態が正常かどうかを判別する際のモータのトルクが、モータ8の駆動電流値のデータとして記憶されている。回転数またはトルクのデータは比較手段14に出力されている。また、モータの駆動電流値のデータは制御手段15に出力されている。比較手段14はスピンドルモータ8の起動からある定められた時間を経過したことを計時手段17の出力により認識すると、その時点での回転数計測手段18の出力をデータ格納手段19に格納されたデータと比較し、結果を制御手段15に出力する。
【0036】
以上のように構成された情報記録再生装置の動作を説明する。本実施形態は、前述したようにディスク9の面が垂直になるように設置して使用することもできる。ディスク9の面が垂直になるように設置する構成のため、ディスクホルダ4及びメインバー2には、ディスク9が載置される範囲を示すディスク用位置決め窪み11上にオーバーハングする部分があるので、使用者はディスク9をトレイ3に載置する際このディスクホルダ4及びメインバー2におけるオーバーハング部分の下に入れるようにして載置しなければならない。
【0037】
ディスク9をトレイ3に装着する際には、ディスク9の外周をメインバー2に当接し、メインバー付勢ばね13を押圧してからトレイ3のディスク用位置決め窪み11にあわせ込むため、ディスク9がメインバー2の上に載置することは極めて少ない。しかしながら、トレイ3にディスク9を装着する際に、ディスクホルダ4の上からディスク9をトレイ3に対して傾けながら装着するため、使用者が必ずこのディスクホルダ4のオーバーハングの下にディスク9を載置するとは限らず、このディスクホルダ4の上に載置してしまう場合もある。このような状態でもスピンドルモータ8に固着したターンテーブル7には斜面を備えるため、ディスク9はターンテーブル7とクランパ6とで挟持され、通常の記録再生のためスピンドルモータ8の駆動が開始される。すなわち、図5に示したように、ディスクホルダ4の上にディスク9を載置した状態で、スピンドルモータ8が回転し、記録または再生する回転数にまで回転することがある。この異常載置状態でディスク9が回転を行うと、ディスクホルダ4とディスク9の情報信号を記録再生する情報面とが当接することでディスク9の情報面が損傷される。
【0038】
この損傷を避けるためには、ディスク9が装着された際、通常の記録再生のための動作に入る前に、制御手段15がディスク9の装着状態が正常か異常かを判別する動作を行う必要がある。このため、まずデータ格納手段19に格納されたモータの回転数のデータに基づき駆動手段16によりスピンドルモータ8を駆動する。スピンドルモータ8の駆動が開始されると、計時手段17の計時が開始され、所定時間が経過するとトルク計測手段を兼ねた回転数計測手段18がその時点でのスピンドルモータ8の回転数を計測し、比較手段14がこの測定値をデータ格納手段19に格納された閾値となる一定時間後の回転数のデータと比較し、結果を制御手段15に出力する。装着異常の場合は、ディスク9の外周に接触するものがあるため、負荷トルクが大きくなり、一定時間内に到達する回転数が低くなるので、一定時間後の回転数でディスクの装着状態が正常かどうかを判別することができる。装着異常と判別された場合は、ディスク9のクランプを解除し、トレイ3を筐体1外に排出する。
【0039】
本実施形態では、メインバー2に乗り上げた場合、負荷トルクは大きく増加するので、このような方法で判別するのは比較的容易である。しかし、ディスクホルダ4の場合はディスクホルダ附勢ばね12により附勢されているので、ディスクホルダ4の上にディスク9を載置したとしても、発生する摩擦力が小さいため、回転数の減少が少なく検出が難しい。そこでディスクホルダ4の上にディスク9を異常載置した場合に、ディスク9の回転を抑制する回転抑制手段5を、ディスク9が接触するディスクホルダ4の面に備える。このように、本実施形態では所定時間スピンドルモータ8を回転させた時の回転数と、予めデータ格納手段19に格納した回転数のデータとを比較手段14で比較することにより、ディスク9の装着が正常か異常かを判定することができる。
【0040】
次に、本発明の情報記録再生装置における他の実施形態の動作を説明する。本実施形態もDVD−RAMドライブとし、先の実施形態と同様にディスク9の面が垂直になるように設置して使用することができる。ディスク9の面が垂直になるように設置する構成のためディスクホルダ4及びメインバー2には、ディスク9が載置される範囲を示すディスク用位置決め窪み11上にオーバーハングする部分があるので、使用者はディスク9をトレイ3に載置する際このディスクホルダ4及びメインバー2におけるオーバーハング部分の下に入れるようにして載置しなければならない。
【0041】
ディスク9をトレイ3に装着する際には、ディスク9の外周をメインバー2に当接し、メインバー付勢ばね13を押圧してからトレイ3のディスク用位置決め窪み11にあわせ込むため、ディスク9がメインバー2の上に載置することはない。しかしながら、トレイ3にディスク9を装着する際に、図5(a)に示すようにディスクホルダ4の上からディスク9をトレイ3に対して傾けながら装着するため、使用者が必ずこのディスクホルダ4のオーバーハングの下にディスク9を載置するとは限らず、このディスクホルダ4の上に載置してしまう場合もある。このような状態でもスピンドルモータ8に固着したターンテーブル7には斜面を備えるため、ディスク9はターンテーブル7とクランパ6とで挟持され、通常の記録再生のためスピンドルモータ8の駆動が開始される。すなわち、図5(b)に示したように、ディスクホルダ4の上にディスク9を載置した状態で、スピンドルモータ8が回転し、記録または再生する回転数にまで回転することがある。この異常載置状態でディスク9が回転を行うと、ディスクホルダ4とディスク9の情報信号を記録再生する情報面とが当接することでディスク9の情報面が損傷される。
【0042】
この損傷を避けるためには、ディスク9が装着された際、通常の記録再生のための動作に入る前に、制御手段15がディスク9の装着状態が正常か異常かを判別する動作を行う必要がある。このため、まずデータ格納手段19に格納されたモータのトルクのデータに基づき駆動手段16によりスピンドルモータ8を駆動する。スピンドルモータ8の駆動が開始されると、計時手段17の計時が開始され、所定時間が経過すると回転数計測手段18がその時点でのスピンドルモータ8の回転数とその回転数に必要とされる負荷トルクとを計測し、比較手段14がこの測定値をデータ格納手段19に格納されたデータと比較し、結果を制御手段15に出力する。装着異常の場合は、ディスク9の外周に接触するものがあるため、負荷トルクが大きくなり、一定時間後の負荷トルクでディスクの装着状態が正常かどうかを判別することができる。装着異常と判別された場合は、ディスク9のクランプを解除し、トレイ3を筐体1外に排出する。
【0043】
本実施形態では、メインバー2に乗り上げた場合、負荷トルクは大きく増加するので、このような方法で判別するのは比較的容易である。しかし、ディスクホルダ4の場合はディスクホルダ附勢ばね12により附勢されているので、ディスクホルダ4の上にディスク9を載置したとしても、発生する摩擦力が小さいため、負荷トルクの増加が少なく検出が難しい。そこでディスクホルダ4の上にディスク9を異常載置した場合に、ディスク9の回転を抑制する回転抑制手段5を、ディスク9が接触するディスクホルダ4の面に備える。
【0044】
次に、先の実施形態における回転数を取り上げた例を説明するが、後の実施形態におけるトルクであっても原理は同様である。図6はスピンドルモータの駆動電流と、800ms後の回転数の関係を示すグラフである。図6のグラフには正常に装着された場合(同図黒塗り丸印)、装着異常として回転抑制手段であるゴム5を備えなくディスクホルダ4とディスク9とが直接接触する場合(同図黒塗り三角印)、及びディスクホルダ4とディスク9との接触部位にゴム5が存在する場合(同図黒塗り四角印)を示した。正常に装着された場合は800ms後の回転数はほとんど原点を通る直線状に増加し、30mAで約300r.p.mとなる。一方、異常装着でもディスクホルダ4とディスク9との接触部位にゴム5がない場合は、30mAでは120r.p.m程度の回転数となる。閾値を200r.p.mとし、閾値以上で正常に装着、閾値以下の回転数で異常と判別するようにすれば一応判別可能であるが、誤判別に対する余裕が殆ど無い上に、摩擦係数のばらつきが大きいことを考えると、この程度の裕度では実用的には正確な判定は無理である。一方ゴム5を備えるディスクホルダ4の場合では、ゴム5とディスク9との摩擦が増大するので、約80mAまでは回転数は0であり、150mA程度の駆動電流でようやく80r.p.mとなる。このため、例えば同図のように駆動電流を30mA、回転数の閾値を60r.p.mとすると、正常の場合はこの駆動電流で通常約300r.p.mとなるので、閾値に対して5倍以上となり正常な場合を異常と誤判定する可能性は非常に低い。また、異常装着であった場合には、実際に回転する駆動電流の半分以下の駆動電流であるので、大半の場合は回転せず、また、回転したとしても閾値の60r.p.mとなるのは30mAの4倍以上の電流で駆動した場合であるので、異常装着を正常と判定する可能性も非常に低い。また、その際の回転数も非常に低いのでディスクを損傷する可能性も非常に低い。
【0045】
スピンドルモータ8の通常の起動時には普通数百mAの駆動電流を流す。このような大電流では異常装着の場合も短時間に1000r.p.m以上の回転数となり、ディスクを損傷する可能性がある。しかしこのように小電流で駆動して判別することにより、ディスク9を損傷を防ぐことができる。また、小電流の方が、誤判別に対する裕度の上からも有利である。
【0046】
前述のように本実施形態ではメインバー2にディスク9が乗り上げた場合、負荷トルクは大きく増加するので、特にゴム5を使用しなくても判別は可能である。しかし、装置によっては、このようにディスク9に対してばね附勢されていない場合でも正常、異常の差が小さく、ゴムのような摩擦部材による回転抑制が必要になる場合があるのは言うまでも無い。
【0047】
データ格納手段19にはトルクのデータとして駆動電流値30mA、回転数のデータとして60r.p.mが格納され、計時手段17がスピンドルモータ8の起動から800ms経過した時点での回転数が60r.p.m以上かどうかで、ディスク9の装着が正常に行われたかどうかを判別する。
【0048】
結果的に本実施形態では、ディスク装着の異常の検出は、ディスク9の装着動作からディスク9に対する情報の記録または再生を目的とするスピンドルモータ8の起動を行う前に行い、装着の異常の検出時のスピンドルモータ8の発生トルクは、ディスク装着の異常状態においてもディスクに傷を付けることの無いトルクとし、ディスク9の装着の異常時に情報記録再生装置がディスクと接触する部分に、ディスク9との摩擦係数が大きくディスク9の回転を抑制する回転抑制手段であるゴム5を配置したことにより、ディスク装着異常の状態で検出動作を行ってもディスクを損傷することがなく、また、ディスクの装着の異常時にはディスク回転の摩擦負荷が大きくなるため正常に装着された場合との、回転数の差が大きくなり、異常の検出が確実な情報記録再生装置を得ることができる。
【0049】
なお、本実施の形態ではディスクホルダはばね附勢としたが、カートリッジを使用しない装置では、ばね附勢ではなく固定としてもよい。また、回転抑制手段としてゴムを嵌め込んだ実施形態で説明したが、回転抑制手段に当接したディスク面に対し吸着性を有する材質、例えばシリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂等のゴム以外の材質であっても適用することができ、さらにディスクホルダの材質よりも柔軟性のある材質が好ましい。また、所定時間後の回転数で判別するようにしたが、一定回転数に達するまでの時間で判別するようにしてもよく、所定回転数を得るための駆動電流で判別するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では比較手段、制御手段、計時手段、回転数計測手段、データ格納手段は個別に設けた構成としたが、一般的な光ディスク装置を制御するためのソフトウェアやハードウェアの一部として設けてもよい。また、回転数計測手段は、光ディスク装置のスピンドルモータには一般的に設けられている回転数制御のためのFG(frequency generator)を共用してもよい。また、装着異常の判別は通常の起動の前に、これとは別に行うようにしたが、通常の起動の最初、スピンドルモータの駆動トルクを小さくして行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明にかかる情報記録再生装置は、ディスク装着の異常の検出はディスクの装着動作後、ディスクに対する情報の記録または再生を目的とするディスクモータの起動を行う前に行い、かつまた、装着の異常の検出時のディスクモータの発生トルクはディスク装着の異常状態においてもディスクに傷を付けることの無い、ディスクの情報の記録または再生する時の前記回転手段の発生トルクよりも小さいトルクとし、また、ディスクの装着の異常時に情報記録再生装置がディスクと接触する部分にディスクとの摩擦係数が大きくなる摩擦部材を配置したことにより、DVDレコーダ、DVD−RAM、DVD−R/RWドライブ等、ディスクの損傷を確実に避けなければならない装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(a)は本発明の情報記録再生装置における一実施形態のディスク装着前の構成を示す概略断面図、(b)は同ディスク装着後の構成を示す概略断面図である。
【図2】(a)は同実施形態によるトレイ部分の平面図、(b)は同トレイ部分の斜視図である。
【図3】は図2(b)のディスクホルダの部分拡大斜視図である。
【図4】同実施形態の制御ブロック図である。
【図5】(a)は同実施形態のディスクの異常装着直前の状態の構成を示す概略断面図、(b)はディスクの異常装着状態の構成を示す概略断面図である。
【図6】スピンドルモータの駆動電流と回転数との関係を示す相関図である。
【符号の説明】
【0053】
1 筐体
2 メインバー
3 トレイ
4 ディスクホルダ
5 ゴム
6 クランパ
7 タ−ンテーブル
8 スピンドルモータ
9 ディスク
10 回動支点
11 裸ディスク用位置決め窪み
12 ディスクホルダ附勢ばね
13 メインバー附勢ばね
14 比較手段
15 制御手段
16 駆動手段
17 計時手段
18 回転数計測手段
19 データ格納手段




【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段の回転数を計測する回転数計測手段と、
前記回転手段の起動からの経過時間を測定する計時手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記計時手段が測定した経過時間が所定の値になった時における、前記回転手段の回転数により、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転手段の起動から前記所定時間が経過した時、前記回転数計測手段で計測した回転数と、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記回転数が小さい場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えた情報記録再生装置。
【請求項2】
円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段が前記ディスクの回転に必要な負荷トルクを計測するトルク計測手段と、
前記回転手段の起動からの経過時間を測定する計時手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記計時手段が測定した経過時間が所定の値になった時における、前記回転手段に必要とされる負荷トルクにより、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転手段の起動から前記所定時間が経過した時、前記トルク計測手段が計測した負荷トルクと、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記負荷トルクが大きい場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えた情報記録再生装置。
【請求項3】
前記保持具はトレイの載置面に垂直な方向にばねにより付勢され、カートリッジを前記トレイの載置面に載置することにより前記カートリッジに押されて前記トレイの前記載置面から退避可能なディスクホルダであり、前記ディスクの異常装着時に、前記保持具の当該ディスクと接触する部分に前記回転手段による前記ディスクの回転を抑制する回転抑制手段を設けた請求項1または請求項2記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記回転抑制手段は、前記ディスクと接触時に、当該ディスクに対し吸着性を有する材質である請求項3記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記ディスクの装着動作から、当該ディスクに対し前記情報の記録または再生を行うまでの間に前記異常装着を検出する請求項3または請求項4記載の情報記録再生装置。
【請求項6】
前記トルク計測手段は、前記回転手段が発生する発生トルクもさらに計測し、前記異常装着検出時の前記トルク計測手段で計測する前記回転手段の発生トルクは、前記ディスクに対する前記情報の記録または再生する時の前記回転手段の発生トルクよりも小さい請求項2記載の情報記録再生装置。
【請求項7】
前記異常装着を検出時の前記トルク計測手段で計測する発生トルクは、前記ディスクを異常装着した場合に当該ディスクに傷を付けることの無いトルクである請求項6記載の情報記録再生装置。
【請求項8】
前記異常装着を検出時の前記トルク計測手段で計測する発生トルクは、前記ディスクを異常装着した時に当該ディスクを回転させることができない値であると共に、当該ディスクを正常に装着した場合には回転させることができる値である請求項7記載の情報記録再生装置。
【請求項9】
円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段の回転数を計測する回転数計測手段と、
前記回転手段の起動からの経過時間を測定する計時手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記回転手段の起動から前記回転数計測手段が計測した回転数が一定回転数に達するまで、前記計時手段が測定した経過時間により、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転手段の起動から前記回転数計測手段が計測した回転数が一定回転数に達するまで、前記計時手段が測定した経過時間と、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記経過時間が長い場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えた情報記録再生装置。
【請求項10】
円盤状記録媒体であるディスクを載置するディスク載置部と前記ディスク載置部の一部にオーバハングし、縦置き状態において、前記ディスクを前記ディスク載置部に保持する保持具とを設けたトレイを有し、前記トレイを前記ディスクの着脱位置と前記ディスクに対して情報の記録または再生を行う位置との間で移動させる情報記録再生装置であって、
前記ディスクを回転させる回転手段と、
前記回転手段の回転数を計測する回転数計測手段と、
前記回転手段の回転数に対応する駆動電流を計測する駆動電流計測手段と、
前記ディスクが前記保持具を介して前記ディスク載置部に載置される異常装着状態を、前記回転数計測手段が計測した回転数が所定の回転数になるときに、前記駆動電流計測手段により計測された駆動電流により、検出するための閾値を予め格納するデータ格納手段と、
前記回転数計測手段が計測した回転数が所定の回転数となるときに前記駆動電流計測手段により計測された駆動電流と、前記データ格納手段に予め格納した前記閾値とを比較して前記駆動電流が大きい場合に異常検出信号を出力する比較手段とを備えた情報記録再生装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−172689(P2006−172689A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324989(P2005−324989)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】