説明

情報記録制御装置及び情報記録制御方法等

【課題】バッテリーの正確な充電状態を踏まえた上で外部から入力された入力情報の記録制御を行うことが可能な情報記録制御装置及び情報記録制御方法等を提供する。
【解決手段】移動体に搭載される情報記録制御装置であって、前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別する記録可否判別手段と、前記入力情報の記録が可である場合に、前記入力情報の記録制御を行う記録制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動体に搭載され、外部から入力された入力情報の記録制御を行う情報記録制御装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の地上アナログ放送に代わる次世代テレビジョン(TV)放送として、地上波のUHF(Ultra High Frequency)帯を利用した地上デジタル放送が行われ、そのTV受信機の普及が進んでいる。車両に搭載されるTV受信機についてもアナログ放送対応のものからデジタル放送対応のものに変わってきている。
【0003】
従来のアナログ放送では、マルチパスにより、ゴーストや映像SNが一定でないため、例えば車両の乗員が得られるリアルタイム情報としての価値が主体であり、画質が安定しない画像(映像)を録画する要求は殆どなかった。しかし、デジタル放送では、例えば車両の走行中や停車中に受信される画像の画質は一定であり、受信できるかできないかの切り分けで、受信できる場合は良好な画質を得られる。このため、受信された画像を録画する録画機能の要望が出てくる。
【0004】
ところで、車載機器は電源を車両のバッテリーの電源を使っており、バッテリーは、車両の走行中(エンジンON)に充電され、電源供給能力を維持している。車両の走行中の録画機能は、バッテリーから受電しながらの動作であるため、電源の心配はない。しかし、車両のエンジンOFF(ACC OFF)時における、例えば予約録画の場合、当該録画を開始すると消費電力が大きくなり、バッテリーの消費が増える。従って、バッテリーの充電状況によっては、録画終了後、エンジンがかからなくなったりしてしまうという問題がある。
【0005】
特許文献1には、バッテリー残量を測定し、バッテリー残量が所定の基準残量を超えている場合に、予約設定に従って外部より入力された記録対象情報を記録する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−281865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車両のエンジンOFF時における省電力(mA程度)状態では、バッテリーの電圧は降下しない。また、例えば、毎日走行する車両のバッテリーの充電状態は良好であるが、週一回程度走行する車両のバッテリーは放電量が増えるため、その充電状態は良好でないと言える。したがって、バッテリー残量の測定では、正確な充電状態を把握することが困難である。
【0007】
本願は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、バッテリーの正確な充電状態を踏まえた上で外部から入力された入力情報の記録制御を行うことが可能な情報記録制御装置及び情報記録制御方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体に搭載される情報記録制御装置であって、前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別する記録可否判別手段と、前記入力情報の記録が可である場合に、前記入力情報の記録制御を行う記録制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項10に記載の発明は、移動体に搭載される情報記録制御装置における情報記録方法であって、前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶する工程と、外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別する工程と、前記入力情報の記録が可である場合に、前記予約設定に従って前記入力情報の記録制御を行う工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項11に記載の情報記録処理プログラムの発明は、移動体に搭載されるコンピュータを、前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶し、外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別し、前記入力情報の記録が可である場合に、前記予約設定に従って前記入力情報の記録制御を行うように機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本願の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、移動体の一例としての車両に搭載される情報記録再生装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0012】
[1.情報記録再生装置の構成及び機能]
先ず、本実施形態に係る情報記録再生装置の構成及び機能について、図1を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報記録再生装置の概要構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、情報記録再生装置1は、チューナ11、情報記録再生部12、情報出力部13、GPS(Global Positioning System)受信部14、車速情報入力部15、車両情報入力部16、操作部17、及び制御部18(情報記録制御装置の一例)等を備えて構成されている。この情報記録再生装置1は、車両に搭載されたバッテリー(バックアップ電源ともいう)2からの電源供給を受け動作する。また、情報記録再生装置1は、車両のエンジンが停止(ACCがOFF)すると、バッテリー2から供給される電力を最小限消費する(記録機能以外の機能については電源を供給しない)省電力モードに移行するようになっている。
【0015】
チューナ11は、例えば地上デジタルTV放送用の受信機であり、制御部18により指定されたチャンネルの周波数帯域に同調し、当該周波数帯域で放送局から放送された放送波(放送信号)をアンテナAT1を介して受信し、公知の復調処理等を行うことにより映像データ及び音声データ等を含むコンテンツデータ(外部から入力された入力情報の一例)を抽出して情報記録再生部12及び情報出力部13に出力する。
【0016】
情報記録再生部12は、例えばコンテンツデータを記録(録画)するHD(Hard・Disk)を含むHDD(Hard Disk Drive)等からなり、制御部18からの記録(録画)指令にしたがって、チューナ11から入力したコンテンツデータをHDに記録する。また、情報記録再生部12は、制御部18からの再生指令にしたがって、HDに記録されているコンテンツデータを再生して情報出力部13に出力する。また、HD上には、車両が走行(移動)している際に得られる走行履歴情報(移動履歴情報の一例)と、車両のエンジン(車両を移動させるための動力機関の一例)が動作(ON)している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶するためのメモリ領域(履歴情報記憶手段の一例)が確保されている。かかる履歴情報は、制御部18により取得される。走行履歴情報には、例えば、車両の走行日時(例えば、2008/1/29 9:00-11:00)及び走行距離(更に、走行速度を含めても良い)が含まれる。一方、動作履歴情報には、例えば、エンジンの動作日時(例えば、2008/1/29 9:00-11:00)が含まれる。
【0017】
情報出力部13は、表示処理部及び音声処理部等からなり、表示処理部は、チューナ11又は情報記録再生部12から入力した映像データ等に基づきディスプレイに映像を表示する表示処理を行う。また、音声処理部は、チューナ11又は情報記録再生部12から入力した音声データに基づきスピーカに音声を出力する音声処理を行う。
【0018】
GPS受信部14は、GPS衛星から出力される航法電波をアンテナAT2を介して受信し、受信した信号に基づいて測位し、測位データ(経度及び緯度データ)を制御部18に出力する。
【0019】
車速情報入力部15は、車速パルスに基づき車速を検出する車速センサに接続するための接続端子等からなり、車速センサから入力した車速情報を制御部18に出力する。
【0020】
車両情報入力部16は、車両内で得られる各種情報を入力するための接続端子等からなり、本実施形態においては、例えばエンジンのON/OFF状態を示す情報や、ACCのON/OFF状態を示す情報を入力し、制御部18に出力する。
【0021】
操作部17は、ユーザからの各種指示(例えば、予約設定指示、記録指示、再生指示等)を受け付けるための操作ボタンを有しており、ユーザにより押下された操作ボタンに対応する指示信号を制御部18へ出力する。
【0022】
制御部18は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、各種データやプログラムを記憶するROM等を備えており、当該情報記録再生装置1における構成要素全体を統括制御する。そして、制御部18のCPUが、例えばROM等に記憶されているプログラム(本願の情報記録処理プログラム等を含む)を読み出し実行することにより、本願の記録可否判別手段、記録制御手段、予約設定手段、予約設定判別手段、及び報知手段等として機能する。
【0023】
具体的には、車両のエンジン停止中の省電力モードにおいてチューナ11から出力されたコンテンツデータをHDに記録する場合、制御部18は、当該記録に先立って、上記履歴情報に基づき当該コンテンツデータの記録の可否を判別し、当該記録が可である場合に、当該コンテンツデータの記録制御を行うようになっている。例えば、制御部18は、コンテンツデータの記録開始時刻前所定時間(例えば、24時間)以内における走行履歴情報が記憶されている場合(例えば、記録開始時刻前所定時間以内に車両が走行している場合)に、コンテンツデータの記録が可であると判別する。これは、記録開始前、例えば24時間以内に車両が走行しているのであれば、バッテリー2の充電状態が良好であると推定されるためである。なお、走行履歴情報には、例えば走行日時の他、走行時間(走行距離や走行速度を含めても良い)等の情報が含まれ、これらの情報は例えば制御部18により計算されるか、或いは車載機器から得られる。
【0024】
また、上記省電力モードにおける記録は、予約設定にしたがって現時点から先(未来)の時間における予約記録(予約録画)であることが望ましい。ただし、当該記録は、ユーザが操作部17から記録指示(例えば記録ボタンの押下)を行うことより実行されるものであっても構わない。
【0025】
上記予約設定は、ユーザからの操作部17を介した予約設定指示にしたがって制御部18によりなされるものであり、かかる予約設定により、予約番号、放送チャンネル、予約記録開始時刻、予約記録終了時刻、及び記録時間(コンテンツデータの記録予定時間)等の予約情報が予約記録管理テーブル(例えば、HDに記憶)に登録される。また、予約記録管理テーブルには、各予約に係る予約情報に対して記録実行可否を示す記録実行可否情報が対応付けられて登録される。なお、この登録された記録実行可否情報は、時間の経過とともに走行履歴等に応じて更新される。例えば、予約設定時に記録実行可否情報として「否」を登録したとしても、予約記録開始時刻までの走行履歴等の変化に応じて「可」に更新される。また、この記録実行可否情報は、予約設定時に限ることなく、例えば、予約記録開始時刻前の所定時間以内に登録(または更新)されるようにしてもよい。
【0026】
図2は、予約情報と、走行履歴情報と、記録実行可否情報との対応関係の一例を示す図である。図2の例において、第1の予約については、この予約記録開始時刻(2008/2/1 8:00)前24時間以内に車両が2時間(2008/1/29 9:00-11:00)走行している履歴情報があるので、記録実行可否は「可」になっている。一方、第2及び第3の予約については、この予約記録開始時刻前24時間以内に車両が走行している履歴情報がないので、記録実行可否は「否(不可)」になっている。従って、例えば第2の予約の場合、図2より、この予約記録開始時刻(2008/2/1 20:00)前24時間以内に車両が所定時間(例えば、1時間)以上)走行した履歴情報が記憶された場合、記録実行可否は「可」に変わることになる。
【0027】
なお、図2の例において、第2及び第3の予約では、記録実行可否は「否」であるので、例えば、制御部18により記録が否であると判別された時や、ACCがOFFされた時等のタイミングで、当該記録が否であることを示す警告情報が報知(例えば、ディスプレイに表示、スピーカから音声出力による)されることになる。
【0028】
[2.情報記録再生装置の動作]
次に、本実施形態に係る情報記録再生装置の動作について、図3を用いて説明する。
【0029】
図3は、制御部18における記録実行可否判別処理を示すフローチャートであり、図4は、制御部18における警告報知処理を示すフローチャートであり、図5は、制御部18における記録制御処理を示すフローチャートである。
【0030】
図3に示す処理は、例えば、ユーザによる記録実行可否判別指示があった時、ユーザによりACCがOFFされた時、又はユーザにより予約設定がなされた(予約情報が予約記録管理テーブルに登録された)時、または予約開始時刻前の所定時間以内になった時等に開始される。当該処理が開始されると、制御部18は、先ず、走行履歴情報と、未だ記録実行可否判別がなされていない予約情報とを情報記録再生部12から読み込み、当該予約情報と走行履歴情報を比較し(ステップS1)、該予約情報に含まれる予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行日時(又は走行距離)が走行履歴情報に含まれているか否かを判別する(ステップS2)。
【0031】
そして、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行日時(又は走行距離)が走行履歴情報に含まれている場合(ステップS2:YES)、制御部18は、予約記録が「可」と判別し、予約記録可に設定(当該予約情報に対して記録実行可を示す記録実行可否情報を対応付けて予約記録管理テーブルに登録)する(ステップS3)。一方、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行日時(又は走行距離)が走行履歴情報に含まれていない場合(ステップS2:NO)、制御部18は、予約記録が「否」と判別し、予約記録否に設定(当該予約情報に対して記録実行否を示す記録実行可否情報を対応付けて予約記録管理テーブルに登録)する(ステップS4)。
【0032】
なお、上記ステップS1〜S4の処理は、未だ記録実行可否判別がなされていない予約情報全てについて行われる。
【0033】
ところで、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行履歴情報が有るとはいっても、非常に短い走行の場合、充電状態が良好であるとは言い難いので、例えば、制御部18は、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行日時(又は走行距離)が走行履歴情報に含まれている場合で、且つ、走行履歴情報に示される車両の走行時間が所定値(例えば1時間)以上(又は走行距離が所定値(例えば、40km)以上)である場合に限り、予約記録が「可」と判別することが望ましい。また、制御部18は、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行したときの走行速度が走行履歴情報に含まれている場合で、且つ、走行履歴情報に示される車両の走行速度が所定値(例えば20km/h時間)以上である場合に限り、予約記録が「可」と判別するように構成しても良い。
【0034】
また、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行履歴情報が無くても、予約記録開始時刻前例えば1週間以内において、走行時間が例えば1時間以上且つ走行回数(ACC ONからOFFまでを1回とする)が例えば5回以上(更に走行間隔が半日以上との条件を加えても良い)であれば、制御部18は、予約記録が「可」と判別するようにしても良い。これは、週一回程度走行する車両のバッテリー2の充電状態よりも、毎日走行する車両のバッテリー2の充電状態の方が良好であると言えるからである。
【0035】
また、予約記録開始時刻前例えば24時間以内において車両が走行した走行履歴情報が無くても、24〜48時間以内において車両が走行した走行履歴情報があれば、コンテンツデータの記録時間(例えば2時間)を、24時間以内に車両が走行した場合に比べて所定時間(例えば、1時間)減らすように構成しても良い。
【0036】
また、走行履歴情報に示される走行時間(又は走行距離)に応じた長さの時間範囲のみ、コンテンツデータが記録されるように構成しても良い。例えば、走行時間が2時間であれば、コンテンツデータの記録時間を2時間とし、走行時間が1時間であれば、コンテンツデータの記録時間を1時間とするように構成する。
【0037】
なお、上記した走行履歴情報における走行時間ならびに走行距離は、連続的に走行することにより得られる時間ならびに距離、または、断続的に走行することにより得られる累計時間ならびに累計距離のいずれでもよい。
【0038】
次に、図4に示す処理は、例えば、ユーザによりACCがOFFされた時(エンジンの停止に当たって)に開始される。当該処理が開始されると、制御部18は、先ず、予約記録管理テーブルに登録されている全ての予約情報を読み込み(ステップS11)、現時点から所定時間(例えば、24時間)以降に予約設定がなされているか否かを判別、つまり、現時点から所定時間(例えば、24時間)以降の予約情報があるか否かを判別する(ステップS12)。そして、制御部18は、現時点から所定時間(例えば、24時間)以降の予約情報がある場合には(ステップS12:YES)、当該予約情報に係る予約記録が否であることを示す警告情報を報知(例えば、ディスプレイに表示、スピーカから音声出力による)する(ステップS13)。
【0039】
図6(A)及び(B)は、ディスプレイ上記に表示された警告情報の一例を示す図である。図6(A)に示す警告情報により、ユーザは、予約をキャンセルするか、或いは、車両を走行させるかを選択することができる。
【0040】
また、現時点から例えば24時間以降の予約情報がある場合であって、その予約記録開始時刻前例えば48時間以内において車両が走行した走行時間(又は走行距離)に応じた時間分(時間範囲)だけ記録することを示す警告情報を報知するように構成しても良い。例えば、予約に係る記録時間が2時間であるとすると、これを短縮して例えば1時間分だけ記録することを示す警告情報を報知するように構成しても良い。図6(B)に示す警告情報により、ユーザは、予約をキャンセルする(図6(B)に示す“NO”を指定)か、或いは、2時間のうちの1時間分だけ予約記録させる(図6(B)に示す“YES”を指定)かを選択することができる。
【0041】
次に、図5に示す処理は、ACCのOFFにより省電力モードに移行した場合に開始される。当該処理が開始されると、制御部18は、先ず、予約記録開始時刻になったか否かを判別し(ステップS21)、予約記録開始時刻になった場合には(ステップS21:YES)、ステップS22に進む。
【0042】
ステップS22では、制御部18は、予約記録管理テーブルに登録された予約記録開始時刻になった予約に対応する記録実行可否情報に基づき、当該予約記録の可否を判別し、当該予約記録が可である場合には(ステップS22:可)、当該コンテンツデータのHDへの記録制御を行い(ステップS23)、予約記録終了時刻が到来するまで(ステップS24:YES)、ステップS23に示す処理が継続される。一方、当該予約記録が否である場合には(ステップS22:否)、制御部18は、記録未実行履歴を更新する(ステップS25)。
【0043】
以上説明したように、上記実施形態によれば、情報記録再生装置1は、省電力モードにおいて外部から入力されチューナ11により抽出されたコンテンツデータをHDに記録する場合、当該記録に先立って、上記走行履歴情報に基づき当該コンテンツデータの記録の可否を判別し、当該記録が可である場合に、当該コンテンツデータの記録を行うように構成したので、バッテリー2の正確な充電状態を踏まえた上で当該コンテンツデータを記録することができ、バッテリー2を保護することができる。
【0044】
また、コンテンツデータの記録開始時刻前所定時間(例えば、24時間)以内における走行履歴情報が記憶されている場合に、コンテンツデータの記録が可であると判別する構成によれば、バッテリー2の充電状態が良好であると推定されるときに当該コンテンツデータの記録を行うことができる。この場合において、更に、走行履歴情報に示される車両の走行時間が所定値(例えば1時間)以上(又は走行距離が所定値(例えば、40km)以上)である場合に限り、予約記録が「可」と判別する構成によれば、バッテリー2の充電状態がより一層、良好であると推定されるときに当該コンテンツデータの記録を行うことができる。
【0045】
また、上記記録が否であると判別された時や、ACCがOFFされた時等のタイミングで、当該記録が否であることを示す警告情報を報知する構成によれば、ユーザは当該記録が否であることを容易に把握しその対応を迅速にとることができる。
【0046】
なお、上記実施形態において、コンテンツデータの記録の可否を判別するために上記走行履歴情報を用いたが、走行履歴情報に代えて動作履歴情報を用いるように構成しても良い。この構成では、例えば、コンテンツデータの記録開始時刻前所定時間(例えば、24時間)以内における動作履歴情報が記憶されている場合(例えば、記録開始時刻前所定時間以内に所定値(例えば1時間以上)エンジンが動作(駆動)している場合)に、コンテンツデータの記録が可であると判別することになる。ただし、この場合、車両が停車している際のアイドリング中にエンジンが動作(駆動)している場合も含まれてしまう(この場合、必ずしも、バッテリー2の充電状態が良好であると言えない)ので、例えば車両が走行した履歴もAND条件に加えることが望ましい。また、このエンジンが動作(駆動)している所定値が連続して動作することにより得られるものであるか、または断続的に動作して得られる累計値であるかは問わず、そのいずれであってもよい。
【0047】
また、上記実施形態においては、情報記録再生装置1に対して本願を適用した場合を例にとって説明したが、本願は、その他の、例えばナビゲーション装置に対しても適用可能である。
【0048】
また、上記実施形態においては、外部から入力された入力情報として、放送局から放送された放送信号に含まれるコンテンツデータを例にとって説明したが、外部から情報記録再生装置1に入力されるその他のデータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係る情報記録再生装置の概要構成の一例を示す図である。
【図2】予約情報と、走行履歴情報と、記録実行可否情報との対応関係の一例を示す図である。
【図3】制御部18における記録実行可否判別処理を示すフローチャートである。
【図4】制御部18における警告報知処理を示すフローチャートである。
【図5】制御部18における記録制御処理を示すフローチャートである。
【図6】ディスプレイ上記に表示された警告情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 情報記録再生装置
11 チューナ
12 情報記録再生部
13 情報出力部
14 GPS受信部
15 車速情報入力部
16 車両情報入力部
17 操作部
18 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される情報記録制御装置であって、
前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別する記録可否判別手段と、
前記入力情報の記録が可である場合に、前記入力情報の記録制御を行う記録制御手段と、
を備えることを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記録制御装置において、
前記記録可否判別手段により可否判別される記録は、前記動力機関の停止中において移動体に搭載されたバッテリーからの電力供給により行われる記録であることを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報記録制御装置において、
前記記録可否判別手段は、前記入力情報の記録開始時刻前所定時間以内における前記履歴情報が記憶されている場合に、前記入力情報の記録が可であると判別することを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報記録制御装置において、
前記記録可否判別手段は、前記移動履歴情報に示される前記移動体の移動時間又は移動距離が所定値以上である場合に、前記入力情報の記録が可であると判別することを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報記録制御装置において、
前記記録可否判別手段は、前記動作履歴情報に示される前記動力機関の動作時間が所定値以上である場合に、前記入力情報の記録が可であると判別することを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報記録制御装置において、
前記記録制御手段は、前記移動履歴情報に示される前記移動体の移動時間又は移動距離に応じた長さの時間範囲のみ前記入力情報の記録制御を行うことを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報記録制御装置において、
前記記録制御手段は、前記動作履歴情報に示される前記動力機関の動作時間に応じた長さの時間範囲のみ前記入力情報の記録制御を行うことを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報記録制御装置において、
前記記録可否判別手段により前記入力情報の記録が否であると判別された場合には、前記入力情報の記録が否であることを示す警告情報を報知する報知手段を更に備えることを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報記録制御装置において、
現時点から先の時間において前記入力情報を記録するための予約設定を行う予約設定手段と、
前記動力機関の停止に当たって、現時点から所定時間後に前記予約設定がなされているか否かを判別する予約設定判別手段と、
前記予約設定判別手段により予約設定がなされていると判別された場合には、前記入力情報の記録が否であることを示す警告情報を報知する報知手段と、
を更に備えることを特徴とする情報記録制御装置。
【請求項10】
移動体に搭載される情報記録制御装置における情報記録方法であって、
前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶する工程と、
外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別する工程と、
前記入力情報の記録が可である場合に、前記予約設定に従って前記入力情報の記録制御を行う工程と、
を備えることを特徴とする情報記録制御方法。
【請求項11】
移動体に搭載されるコンピュータを、
前記移動体が移動している際に得られる移動履歴情報と、前記移動体を移動させるための動力機関が動作している際に得られる動作履歴情報と、の少なくとも何れか一方を含む履歴情報を記憶し、
外部から入力された入力情報の記録に先立って前記履歴情報に基づき当該入力情報の記録の可否を判別し、
前記入力情報の記録が可である場合に、前記予約設定に従って前記入力情報の記録制御を行うように機能させることを特徴とする情報記録処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報記録処理プログラムが、コンピュータに読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−301636(P2009−301636A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154240(P2008−154240)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】