説明

情報記録媒体に記録された特定コンテンツの視聴管理方法

DVDプレーヤ11は、DVDメディアMに記録されているディスク制御情報を読み込み、起動メニュー画面をディスプレイ12上に表示させることにより、視聴者に認証を要求する(1)。視聴者はリモートコントローラ11aを用いて第1の視聴者認証画面を表示させると(2)、取得コードが示されるとともに暗証番号の入力が要求される。ここで、視聴者は第1の視聴者認証画面で示されるURLで示されるWebサイト(実体はサーバコンピュータ2)に携帯電話機13を用いてアクセスし、ユーザID及び取得コードを入力して、DVDメディアMのコンテンツを視聴するために必要な暗証番号を取得する((3)及び(4))。そして視聴者は第1の視聴者認証画面に対してその取得した暗証番号を入力する(5)。DVDプレーヤ11はDVDメディアMに記録されたプログラムの実行の下、入力された暗証番号について認証を行い、それが正当な暗証番号であると判断する場合には、指定されたコンテンツの再生を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、DVD等の情報記録媒体に記録された特定コンテンツの視聴管理方法に関する。
【背景技術】
DVDは、現在主流となりつつある大容量の記録媒体(メディア)であり、コンピュータプログラムや映画等の映像音声コンテンツデータの記録に利用されている。DVD−ROMは再生専用型ディスクであり、そのアプリケーションフォーマットとしてDVD−VideoやDVD−Audioが規定されている。DVD−Videoは、映像音声コンテンツの記録用途向けに規定されたビデオフォーマットである。
DVD−Videoは、実際の映像音声等のコンテンツデータを記録することに加え、視聴制限機能や特殊再生機能を実現するための制御用情報を記録することができる。例えば、視聴制限機能の一つであるパレンタル再生では、コンテンツの性質を考慮して、年齢に応じた視聴制限レベルの設定を可能にしている。また、DVD−Videoにはそのコンテンツの再生可能地域を示すリージョンコードが規定されており、ドライブ装置、映像再生装置(プレーヤ)およびメディアのリージョンコードがすべて一致した場合にのみ再生が許可されるようになっている。
【発明の開示】
上述のように、DVD−Videoには、規格上、各種の視聴制限機能が予め規定されているが、DVDメディアをユーザに供給するメディア供給者から見れば、より細かな視聴制限ないしは視聴管理(以下、単に「視聴管理」という。)を行う上では、必ずしも十分であるとはいえなかった。例えば、メディア供給者としては、コンテンツを鑑賞するための期間に制限を設けたり、再生前にユーザ認証を行うことで視聴管理できるようにしたいという要望や、このようなユーザ認証と関連づけることで課金を行えるようにするという要望があった。
このようなより細かな視聴管理を実現する技術の一つとして、例えば、出願人らが提唱している「DVDMAGIC」が知られている。このDVDMAGICは、ユーザに配布されるべきDVDメディアに対して「施錠」しておき、再生時にインターネット上のメディア供給者のサイトから鍵を入手させて解錠し、再生を可能にするというものである。このDVDMAGICによれば、再生時にユーザはメディア供給者のサイトにアクセスすることになるので、メディア供給者は、ユーザに対して本来のコンテンツ以外のコンテンツに違和感なく誘導させたり、ユーザの視聴行動を補足することができるというメリットも併せ持っている。例えば、特開平2002−218405号公報には、このようなDVDMAGICを適用した例が開示されている。
しかしながら、このようなDVDMAGICは、もともとパーソナルコンピュータをベースに開発されたものであり、現在普及している一般のDVDプレーヤには、DVDMAGICのようなより細かな視聴管理を行う機構ないしは機能が実現されていなかった。一方で、一般のDVDプレーヤ自体に視聴管理を行う新たな仕組みを組み込むことは、すでに普及した多くのDVDプレーヤとの互換性を考慮する上で現実的でなく、また、規格を最大限に考慮しなければならないという制約がある。
そこで、本発明は、既存の映像再生装置との互換性を考慮しつつ、視聴管理機能を簡易に提供することを目的とする。
本発明の要旨は、所定の再生装置によって読み取り・再生可能な情報記録媒体に記録されたコンテンツに対する視聴管理を行う視聴管理方法において、視聴管理の対象であるコンテンツの視聴を希望する視聴者に対して、前記情報記録媒体に予め記録された取得コードを提示するとともに暗証番号の入力を要求し、前記視聴者が前記提示された取得コードに基づいてサーバコンピュータから取得し入力した暗証番号について認証を行い、前記認証の結果、正当であると判断する場合に、前記視聴管理対象コンテンツの再生を開始することにある。
ここで、視聴者は、携帯電話機等の情報端末装置を用いて、サーバコンピュータに対してアクセスし、前記取得コードと引き換えに前記暗証番号を取得することが好ましい。また、前記視聴者が前記サーバコンピュータから暗証番号を取得した場合には、前記視聴者に対して前記視聴管理対象コンテンツの視聴料金を課金することが好ましい。
より具体的には、上記課題を解決するための第1の観点にしたがう本発明は、所定の再生装置によって読み取り可能な情報記録媒体に記録されたコンテンツに対する視聴管理を行う視聴管理方法であって、前記情報記録媒体の読み取りを開始した前記所定の再生装置が、視聴者に対して、所定の取得コードを提示するとともに、所定の暗証番号の入力を促す段階と、所定の位置情報にしたがい前記視聴者の情報端末装置からのアクセスを受けた所定のサーバコンピュータが、前記視聴者に対して前記所定の取得コードの入力を促す段階と、前記所定のサーバコンピュータが、前記視聴者の情報端末装置から前記所定の取得コードを受け付けた場合に、前記所定の取得コードに対応する暗証番号を前記視聴者に対して提示する段階と、前記所定の再生装置が、前記視聴者から所定の暗証番号を受け付けた場合に、前記受け付けた所定の暗証番号に基づいて認証を行う段階と、前記所定の再生装置が、前記認証の結果、前記受け付けた所定の暗証番号を正当なものであると判断した場合に、前記情報記録媒体に記録されたコンテンツの再生を開始する段階と、を備えたことを特徴とする視聴管理方法である。
ここで、前記情報記録媒体には、前記暗証番号と前記所定の取得コードとを対応付けた暗証番号管理テーブルが記録されており、前記所定の再生装置は、所定の乱数関数にしたがって生成した乱数値に対応した所定の取得コードを提示することが好ましい。
また、前記サーバコンピュータは、前記暗証番号管理テーブルに対応するテーブルを含む視聴管理データベースを備え、前記視聴管理データベースを参照して、前記視聴者の情報端末装置から受け付けた所定の取得コードに対応する所定の暗証番号を特定し、前記視聴者に対して提示することが好ましい。
さらに、前記情報記録媒体には、所定の位置情報が記録されており、前記所定の再生装置は、前記所定の取得コードとともに前記所定の位置情報を提示することが好ましい。
また、前記視聴管理方法は、前記取得コードを提示するに先立ち、前記視聴者に対して視聴管理対象コンテンツの選択を促す段階をさらに備え、前記視聴管理対象コンテンツが選択された場合に、前記選択された視聴管理対象コンテンツに対応する所定の取得コードを提示することが好ましい。
また、第2の観点にしたがう本発明は、所定の再生装置によって読み取り可能な情報記録媒体であって、前記情報記録媒体が、視聴管理対象コンテンツ、所定の暗証番号管理テーブルおよび所定の制御情報を記録するものであり、前記所定の暗証番号管理テーブルが、所定の暗証番号と所定の取得コードとが対応付けられたものであり、前記所定の制御情報が、前記視聴者に対して、前記所定の取得コードを提示するとともに、前記所定の暗証番号の入力促す機能と、前記視聴者により前記所定の暗証番号の入力が行われた場合に、前記入力された所定の暗証番号に対する認証を行う機能と、前記認証の結果にしたがい前記視聴管理対象コンテンツの再生を行う機能と、を前記所定の再生装置に実現させるものであることを特徴とする情報記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態に係る視聴管理方法を実現する視聴者管理システムを説明するための図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るDVDプレーヤ11の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
図3は、本発明の一実施形態に係る起動メニュー画面の一例を示す図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る第1の視聴者認証画面の一例を示す図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る暗証番号管理テーブルを説明するための図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る暗証番号取得処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図7は、本発明の一実施形態に係る第2の視聴者認証画面の一例を示す図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る取得コード入力画面の一例を示す図である。
図9は、本発明の一実施形態に係る視聴管理データベースのデータ構造の一例を説明するための図である。
図10は、本発明の一実施形態に係る視聴確認画面の一例を示す図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る暗証番号提示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、DVDメディアに適用した例を説明するが、特にこれにこだわるものでなく、他のメディア、例えばCD−ROMや次世代メディアにも適用することができる。
図1は、本実施形態に係る視聴管理方法を実現する視聴者管理システムを説明するための図である。同図に示すように、このシステムは、DVDメディアMに記録されたコンテンツを視聴する視聴者側の視聴者システム1と、視聴者にDVDメディアMを配布・供給するメディア供給者側のサーバコンピュータ2とから構成される。DVDメディアMには、本実施形態に係る視聴管理方法を実現するための設定が施されている。
具体的には、このDVDメディアMは、視聴管理の対象であるコンテンツの直接的再生がなされないようにするため、制作・製造段階で、所定のメニューを経由してのみコンテンツの再生が可能なように予め加工されている。このような再生の制御は、例えば、DVDの規格上では、ユーザ・オペレーション・コントロール(UOP)を用いることができ、プログラムチェーン(PGC)に対して「チャプタ再生」、「スキップ再生」および「時間指定再生」等の各項目が禁止されるように設定することで可能になる。また、パソコン等からコンテンツのデータへ直接アクセスすることを禁止する。このような設定が施されたDVDメディアMは、特定のメニューを経由してのみコンテンツの再生が可能になる。
視聴者システム1は、典型的には、DVD−VideoにしたがったDVDメディアMを再生するDVDプレーヤ11と、DVDプレーヤ11により再生される信号を映像音声として出力するディスプレイ装置12と、視聴者に所有される情報端末装置13とから構成されている。
DVDプレーヤ11には、ユーザインターフェースとしてのリモートコントローラ11aが付属しており、これにより、視聴者にはインタラクティブな操作環境が提供される。視聴者は、ディスプレイ装置12に表示される映像内容等に対して、このリモートコントローラ11aを操作することで、各種の指示をDVDプレーヤ11に与えることができるようになっている。ただし、リモートコントローラ11aに代えて、DVDプレーヤ11本体に設けられた操作パネルを用いるようにしてもよい。
情報端末装置13は、典型的には、無線通信可能な携帯電話機が相当するが、他の装置を適用することも可能である。例えば、トーン信号を発することが可能な一般電話機やデジタルテレビジョンサービスにおける双方向機能を有するセットトップボックスを適用することもできる。以下では、情報端末装置13としての携帯電話機を例に説明するものとする。携帯電話機13は、通常の無線電話機能に加え、電子メール機能やインターネット接続機能を備えている。典型的には、携帯電話機13は、無線電話網からゲートウェイを介してインターネット上のノード(例えばサーバコンピュータ2)との間で電子メールをやり取りしたり、Webサイトにアクセスすることができるようになっている。
サーバコンピュータ2は、本実施形態に係る視聴者管理方法を実現する中核的な役割を担っている。サーバコンピュータ2は、DVDメディアMを利用する視聴者に対する会員認証処理や視聴管理処理を行う。このような会員認証処理や視聴管理処理を行うべく、サーバコンピュータ2は、それに応じたデータベースシステムを備え、それらを有機的に結合させている。サーバコンピュータ2の具体的な動作処理については後述する。
以上のように構成される視聴者管理システムにおいて、本実施形態に係る視聴者管理方法の処理の流れを概略的に説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態に係る視聴者管理方法に適用されるDVDメディアMには、上述したような再生制御設定が施されているとともに、暗証番号および取得コードを動的に生成するためのプログラムおよびデータがその所定の領域に予め記録されているものとする。このようなDVDメディアMに対する特殊加工は、例えば、DVDメディア製造工程のオーサリング作業により行われる。
まず、図1に示すように、視聴者がDVDプレーヤ11にDVDメディアMを挿入すると、DVDプレーヤ11は、DVDメディアMに記録されているディスク制御情報を読み込み、そのディスク制御情報にしたがって起動メニュー画面をディスプレイ装置12上に表示させる(図中(1))。この起動メニュー画面は、メディア供給者が視聴管理の対象としているコンテンツについて、視聴者に認証を要求するためのメニュー項目を含んで構成されている。
視聴者は、リモートコントローラ11aを用いて、提示された起動メニュー画面に対してインタラクティブな操作を行って、DVDプレーヤ側視聴者認証画面(以下「第1の視聴者認証画面」という。)を表示させる(図中(2))。この第1の視聴者認証画面では、視聴者には取得コードが示されるとともにそれに対応した暗証番号の入力が要求される。この取得コードは、視聴者がコンテンツ再生要求を行う毎に異なる内容のものになるように設定されている。これにより、DVDメディアMに複数の視聴管理対象コンテンツが記録されている場合であっても、それぞれのコンテンツに対して、再生要求毎に異なる取得コードを提示して、毎回異なる暗証番号の入力を要求することができるようになる。
ここで、視聴者は、携帯電話機13からサーバコンピュータ2にアクセスして、取得コードを提供することで、その引き換えに暗証番号を取得する。つまり、視聴者は、第1の視聴者認証画面で示されるURLで示されるWebサイト(実体はサーバコンピュータ2)に携帯電話機13を用いてアクセスし、ユーザIDおよびパスワード並びに第1の視聴者認証画面で示された取得コードを入力して、DVDメディアMのコンテンツを視聴するために必要な暗証番号を取得する(図中(3)および(4))。なお、ここでは、視聴者は会員としてサーバコンピュータ2に登録されており、所定のユーザIDおよびパスワードを予め取得しているものとする。
視聴者は、このようにして、サーバコンピュータ2から暗証番号を取得し、第1の視聴者認証画面に対してその取得した暗証番号を入力する(図中(5))。そして、DVDプレーヤ11は、DVDメディアMに記録されたプログラムの実行の下、入力された暗証番号について認証を行い、それが正当な暗証番号であると判断する場合には、指定されたコンテンツの再生を開始する。
なお、DVDプレーヤ11は、入力された暗証番号について認証が成功した場合には、その旨を示すフラグを内部のメモリバッファに記憶しておき、そのDVDメディアMが取り出されるまではそのフラグが有効であるように構成されることが好ましい。
このように、本実施形態では、DVDメディアMに記録された特定のコンテンツを再生するに際して、視聴者に対して、第1の視聴者認証画面に示された取得コードを用いて、携帯電話機13からインターネット上のサーバコンピュータ2にアクセスさせて暗証番号を取得させ、これを入力させるようにしているので、ネットワーク接続機能を持たないスタンドアロン型のDVDプレーヤ11であっても、コンテンツの視聴管理をすることができるようになる。
図2は、本実施形態に係るDVDプレーヤ11の動作の流れを説明するためのフローチャートである。なお、以下では、動作の流れを、便宜上、シーケンシャルに説明するが、特にこれにこだわるものではない。従って、動作に矛盾が生じない限り、処理の順序を入れ替えまたは並行動作するように構成しても良い。
同図において、視聴者がDVDプレーヤ11のディスクトレーにDVDメディアMを挿入すると、DVDプレーヤ11は、その内部のディスク再生機構にDVDメディアMをローディングして、ディスク制御情報を読み込み(STEP201)、そのディスク制御情報にしたがって起動メニュー画面をディスプレイ装置12上に表示させて、視聴者に対して再生すべきコンテンツの選択を要求する(STEP202)。
図3は、本実施形態に係る起動メニュー画面の一例を示す図である。この起動メニュー画面では、視聴者は、手元のリモートコントローラ11aを操作して、DVDメディアMに記録されている複数のコンテンツのうちのいずれかをインタラクティブに選択することができるようになっている。本例では、「映像1」および「映像2」は、視聴管理の対象であるコンテンツであり、そのうち「映像1」については、そのプレビュー画面のあり/なしを選択することができるようになっている。
この起動メニュー画面に対して、視聴者が、例えば、視聴管理対象コンテンツである「映像1(プレビューなし)」の項目を選択したとすると(図2のSTEP203)、DVDプレーヤ11は、選択された項目に関連づけられた第1の視聴者認証画面を表示して、視聴者に対して暗証番号の入力を要求する(STEP204)。
図4は、本実施形態に係る第1の視聴者認証画面の一例を示す図である。この第1の視聴者認証画面には、暗証番号を取得するためにアクセスすべきWebサイトを示すURL41と、暗証番号を取得するために必要とされる取得コードが示された取得コードフィールド42と、暗証番号が入力されるべき暗証番号入力フィールド43とを含んで構成されている。つまり、DVDプレーヤ11は、DVDメディアMのディスク制御情報に基づき、そこに規定されている実行手順にしたがい、取得コードを動的に内部的に生成して、この生成した取得コードを含む第1の視聴者認証画面を表示して、取得コードに対応する暗証番号の入力を要求する。
この取得コードの生成のため、例えば、DVDメディアMには、図5に示すように、暗証番号と取得コードとが対応付けられた暗証番号管理テーブルが登録されている。一方で、サーバコンピュータ2は、この取得コードを用いた視聴管理のため、この暗証番号テーブルと同一内容のテーブルを含む視聴管理データベースを有している。
DVDプレーヤ11は、ディスク制御情報で規定される実行手順にしたがい、内部組み込み関数である乱数発生関数を用いて所定の乱数値を生成し、その乱数値に対応する取得コードを暗証番号テーブルから読み出して、図4に示すように第1の視聴者認証画面の取得コード表示フィールド42に表示する。
このような第1の視聴者認証画面が表示された状態で、視聴者は、携帯電話機13を用いて、第1の視聴者認証画面のURL41により示されるWebサイトにアクセスし、必要な視聴者認証を経て暗証番号を取得する。なお、暗証番号取得処理については後述する。
視聴者は、所定のWebサイトから所定の操作手続きを経て暗証番号を取得すると、リモートコントローラ11aを操作して、第1の視聴者認証画面の暗証番号入力フィールド43に入力し、例えば、決定ボタンを押下する(図2のSTEP205)。DVDプレーヤ11は、視聴者から暗証番号を受け付けると、暗証番号テーブルに登録されている、先に乱数値により特定した取得コードに対応する暗証番号との比較を行い、両者が一致しているか否かを判断する(STEP206)。DVDプレーヤ11は、視聴者から入力された暗証番号が暗証番号テーブルに登録されている暗証番号と一致する、つまり入力された暗証番号が正当なものであると判断する場合には、認証成功を示すフラグを内部のメモリバッファに格納するとともに、ディスク制御情報にしたがってコンテンツの再生を開始する(STEP207)。これにより、視聴者は、視聴を希望した視聴管理対象コンテンツを視聴することができるようになる。この場合、認証成功を示すフラグは、視聴管理対象コンテンツごとに視聴を管理するため、内部のメモリバッファにコンテンツ毎に保持しておくことが好ましい。
なお、DVDプレーヤ11は、入力された暗証番号が正当なものでないと判断する場合には、所定のエラー処理を行って(STEP208)、強制的に処理を終了する。この場合、強制的に処理を終了させるのでなく、起動メニュー画面に戻るようにしてもよい。
図6は、本実施形態に係る暗証番号取得処理の流れを説明するためのフローチャートである。この暗証番号取得処理は、上述したように、携帯電話機13とサーバコンピュータ2との間で行われる。
同図に示すように、視聴者が携帯電話機13のインターネット接続機能を利用して、第1の視聴者認証画面のURL41により示されるWebサイト、つまりサーバコンピュータ2にアクセスすると、これに応答するサーバコンピュータ2は、携帯電話機13のディスプレイ部上に携帯電話機側視聴者認証画面(以下「第2の視聴者認証画面」という。)を表示させる(STEP601)。図7は、本実施形態に係る第2の視聴者認証画面の一例を示す図である。ここで、視聴管理対象のコンテンツを再生する場合、視聴者は、予めそのDVDメディアMを供給したメディア供給者の会員として登録されている必要がある。したがって、視聴者はまだ会員登録していない場合には、第2の視聴者認証画面において新規ボタン71を選択することによって、会員登録手続きを行うことになる(STEP602および603)。会員登録手続きによって、視聴者には、視聴者IDおよびパスワードが割り当てられ、サーバコンピュータ2のデータベースシステムに登録される。なお、視聴者に対する課金処理を実現するため、例えば、有効なクレジットカード番号等をデポジットさせるようにしてもよい。このような会員登録手続き・課金方法に関しては、既知の各種手法を適用することができるので、ここでは説明を省略する。
第2の視聴者認証画面に対して、視聴者は自身に割り当てられているIDおよびパスワードを入力すると、携帯電話機13は、その入力された内容をサーバコンピュータ2に送信する。サーバコンピュータ2は、携帯電話機13から送信されたIDおよびパスワードに基づいて認証を行って、視聴者が登録会員であるか否かを判断する(STEP604)。サーバコンピュータ2は、視聴者が登録会員であると判断する場合には、サーバコンピュータ2は、携帯電話機13のディスプレイ部上に取得コード入力画面を表示させる(STEP605)。なお、サーバコンピュータ2は、視聴者が登録会員であることを認証できない場合には、所定のエラー処理を行って処理を終了する(STEP610)。
図8は、本実施形態に係る取得コード入力画面の一例を示す図である。この取得コード入力画面には、例えば、12桁の数字を入力するための取得コード入力フィールドが設けられている。視聴者はこの取得コード入力画面の取得コード入力フィールドに、DVDプレーヤ11により表示された第1の視聴者認証画面を参照しながらそこに示されている取得コードを入力して、OKボタンを選択すると、携帯電話機13は、その入力された内容をサーバコンピュータ2に送信する。サーバコンピュータ2は、認証した携帯電話機13から取得コードを受け付けると、視聴管理データベースシステムを参照して、その取得コードに対応する視聴管理対象コンテンツの内容、視聴条件(視聴期間、料金等)を特定し、これらを示す視聴確認画面を携帯電話機13のディスプレイ部上に表示させる(STEP606)。具体的には、サーバコンピュータ2は、視聴管理データベースを参照し、まず、視聴期間を取得する一方、クロック機能により現在日時を取得して、この現在日時が視聴期間の範囲内にあるか否かを判断する。そして、サーバコンピュータ2は、現在日時が視聴期間の範囲内にあると判断する場合には、その取得コードに対する他のフィールドの内容にしたがって視聴確認画面を生成し、携帯電話機13に送出する。
図9は、本実施形態に係るサーバコンピュータ2の視聴管理データベースのデータ構造の一例を説明するための図である。この視聴管理データベースは、サーバコンピュータ2が視聴者に対してコンテンツの視聴管理を行うためのものである。
同図に示すように、視聴管理データベースの各レコードは、例えば、取得コード91、暗証番号92、タイトル93、期間94および料金95の各フィールドから構成されている。取得コード91および暗証番号92の各フィールドは、配布・供給されるDVDメディアMに記録された暗証番号テーブルの内容と同一である。タイトルフィールド93は、コンテンツのタイトルを示すものであり、期間フィールド94および料金フィールド95は個々のコンテンツについての視聴可能な期間(例えば、いつからいつまで)および視聴料金を示すものである。つまり、メディア供給者から見れば、取得コードからどのコンテンツかが把握でき、そのコンテンツについてどのように視聴期間および視聴料金を管理するかが可能になっている。
図10は、本実施形態に係る視聴確認画面の一例を示す図である。視聴者がこの視聴確認画面に対して例えばOKボタンを選択すると(STEP607)、サーバコンピュータ2は、図11に示すような暗証番号提示画面を携帯電話機13のディスプレイ部上に表示させる(STEP608および609)。このとき、サーバコンピュータ2は、そのコンテンツに対する視聴料金をその視聴者に課金する。
なお、上述したように、DVDプレーヤ11は、DVDメディアMが取り出されると、その内部のメモリバッファにコンテンツ毎に記憶した認証成功フラグをリセットしてしまうことになり、視聴者は、再度の暗証番号の取得が要求されることになる。この場合には、サーバコンピュータ2において、視聴者が視聴期間内に再度の暗証番号の取得を要求した場合には、単に暗証番号提示画面を提供し、その視聴者に対しては再度の課金処理を行わないようすることが好ましい。
このようにして、視聴者は携帯電話機13を用いて暗証番号を取得すると、上述したように、これを第1の視聴者認証画面の暗証番号入力フィールド43に入力する。これにより、DVDプレーヤ11は、指定された視聴管理対象であるコンテンツの再生を開始する。
以上のように、本実施形態によれば、DVDメディアMに記録された特定のコンテンツを再生するに際して、視聴者に対して、第1の視聴者認証画面に示された取得コードを用いて、携帯電話機13からインターネット上のサーバコンピュータ2にアクセスさせて暗証番号を取得させ、これを入力させるようにしているので、ネットワーク接続機能を持たないスタンドアロン型のDVDプレーヤ11であっても、コンテンツの視聴管理をすることができるようになる。
上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、携帯情報端末装置13としてインターネット接続機能を有する携帯電話機を例にして説明したが、特にこれにこだわるものではない。例えば、一般電話機を例にした場合には、音声応答システムとの音声ベースのインタラクティブな操作により、取得コードと暗証番号とを取り交わすようにしてもよい。また、双方向機能を有するセットトップボックスを例にした場合には、特定のデータ放送番組に対するインタラクティブな操作により、取得コードと暗証番号とを取り交わすようにしてもよい。
本発明によれば、既存の映像再生装置との互換性を考慮しつつ、視聴管理することができる仕組みが簡易に提供されることになる。
(第1実施形態)
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である情報処理システムの役割を説明するための図である。
図1に示すように、本発明に係る情報処理システム1は、サプライチェーンを構成する各フェーズ、例えば商品企画(計画)フェーズ、商品開発フェーズ、生産準備(設計)フェーズ、生産フェーズ、配送(物流)フェーズ、販売フェーズ等の各フェーズに対して参照情報を提供し、又各フェーズにおける情報を参照して、各フェーズと連携してSCMの実行を支援する役割を担う。
図2は情報処理システム1の構成をあらわすブロック図である。図2に示すように、情報処理システム1は、MDマップ記憶手段10、属性マップ記憶手段11、IF(インタフェース)手段12、制御手段13等を備える。また、情報処理システム1は、サプライチェーンに関わる各システム、例えば商品企画(計画)システム、商品開発システム、生産準備(設計9システム、生産システム、配送(物流)システム、販売システム等に対し、通信ネットワーク(LAN、インターネット、専用線、パケット通信網、それらの組合わせ等のいずれであってもよく、有線、無線の両方を含む)を介して、通信可能に構成されている。
情報処理システム1は上記の各手段を備えていれば足り、物理的には専用化したシステム、あるいは汎用の情報処理装置のいずれでもよい。例えば、処理装置と入力手段と記憶手段と出力手段とを備えた一般的な構成の情報処理装置において、本発明の情報処理方法における各処理を規定したソフトウェアを起動することにより、本発明の情報処理システムを実現することができる。 なお、前記専用化したシステム又は情報処理装置は、単一のコンピュータにより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータにより構成されるものであっても良い。
本発明において、どのような商品を対象とするかは設計に応じて定めることができるが、以下、本実施形態では衣料品を対象とした場合を例として説明を行う。
MDマップ記憶手段10は、店舗に対応づけて、該店舗における品揃えを特定する商品管理情報(以下、「MDマップ」(Merchandising Map)と呼ぶ。)を記憶している(図3(a)参照)。
MDマップを対応づける店舗は、例えば大規模、中規模、小規模のように、規模別のモデル店舗とすることができる。この場合、具体的な各店舗のMDマップは、該店舗の規模に応じて選択されるモデル店舗のMDマップに基づいて設定されることになる。以降では、MDマップ記憶手段10は、各モデル店舗についてMDマップを記憶しているものとする。
MDマップは、図3(a)に示すように、一定期間(図では、1年間)について設定され、所定期間単位に区分して管理される。所定期間単位は商品サイクルに合わせて設定すればよく、例えば衣料品を対象とする場合であれば、週単位とすることが考えられる。以下、所定期間単位に区分されたMDマップを単位MDマップと呼ぶ。
更に、MDサイクルという概念を導入することもできる(図3(b)参照)。MDサイクルは、例えば売上等の推移や販売動向、シーズン等に基づいて、1又は時間方向に連続する複数の単位MDマップを含むようにその期間が設定される。MDサイクルの期間は、商品の特性等に応じて自由に設定することができ、モデル店舗やMDサイクルごとに異なっていてもよい。
単位MDマップは、モデル店舗における品揃えを特定する情報として、その区分された期間における、モデル店舗に配置する商品の商品数、商品データを含んでいる。ただし、後述するように商品数はモデル店舗のキャパシティに応じて定まるため、同一モデル店舗に対応づけられる単位MDマップは原則として同一の商品数を含むことになる。従って、商品数についてはモデル店舗に対応づけるデータ構造としてもよい。
モデル店舗が複数の商品配置スペースを有する場合、モデル店舗の商品配置スペースごとに商品数、商品データを対応づけて単位MDマップを構成する(図4(a)参照)。商品配置スペースは、例えばラック等の什器であり、複数の什器をまとめて一つの商品配置スペースとして設定してもよい。図4(a)に示す例では、什器1〜3、什器4〜5、什器6、什器7、什器8の5つの商品配置スペースごとに、商品数、商品データを対応づけて構成している。
商品データは商品を特定するための情報であり、複数の属性から構成される。衣料品を対象とした場合、商品データの属性としては、例えばテーマ、商品種別(アイテム)、素材、カラー、サイズ等が考えられる。このうち、テーマ属性は、商品開発の方向性やコンセプトを表わす属性であり、例えばON(正装)、OFF(カジュアル)、BRIDALなどの属性値を取る。またアイテム属性は、服種を表わす属性であり、例えばプルオーバー(PO)、ジャケット(JK)などの属性値を取る。衣料品や雑貨等のようにテーマ性の高い商品を対象とする場合は、属性として少なくともテーマを設けることが望ましい。
テーマ等の属性は、属性値を決定するタイミングに応じて階層的に構成することができる。階層的とは、上位階層の属性に対して下位階層の属性が複数対応するデータ構造を言う。例えば、テーマについては第1のタイミングで決定し、素材について第1のタイミングの後、第2のタイミングで決定し、カラー、サイズについて第2のタイミングの後、第3のタイミングで決定するように仕様を定める場合、一のテーマに対し複数の素材が対応し、一の素材に対し複数のカラー、サイズが対応できるようなデータ構造となる。
なお、アイテム属性は、素材属性と同様にテーマ属性を上位階層とし、一のテーマに対し複数のアイテムが対応するデータ構造により管理されるため、素材属性と同様に第1のタイミングの後に決定することを原則とするが、後述するように利益指標の観点からアイテム比率を考慮してアイテム属性値を決定することとなるため、第1のタイミングより前に決定するように構成してもよい。
上記のような属性を設定した場合、単位MDマップのデータ構造は概念的には図4(a)〜(c)に示すようになる。図4(b)に示すマトリクスのセル(斜線部分)は衣料品におけるいわゆる「型」に該当し、同図(c)に示すマトリクスのセル(斜線部分)は衣料品におけるいわゆる「SKU(Stock Keeping Unit)」に該当する。
後述するように、本実施形態では、異なるタイミングで属性値を決定していき、段階的にMDマップ(単位MDマップ)を完成させていく点を一つの特徴としている。図4に例示するデータ構造は、前記特徴を実現するのに適した一つのデータ構造である。
なお、MDマップ記憶手段10におけるデータの管理や検索には、リレーショナルデータベース等の従来のデータベース技術を用いることができる。
属性マップ記憶手段11は、各モデル店舗のMDマップに対応させて、商品データの所定属性について属性マップを記憶している。属性マップは属性の時間方向の推移を表わし、属性値を時間軸に対応づけて構成される。
属性マップは、MDマップが商品配置スペースごとに構成されている場合、同様に商品配置スペースに対応づけて構成される。また上位階層の属性がある場合、かかる上位属性の属性マップにより制約され、上位属性の属性値ごとに区分されて構成される。各属性マップの例を図5に示す。図からわかるように、素材属性マップは、上位属性であるテーマ属性の属性値ごとに区分され構成されている。
IF手段12は、キーボード等の入力装置やディスプレイやプリンタ等の出力装置に加えて、通信ネットワークを介して各システムや情報処理手段100に対し情報を入出力可能に構成されており、例えばPPPドライバ、TCP/IPドライバ等の通信モジュールを備えている。
情報処理手段100は、本情報処理システムを利用するユーザからの入力を受け付けるとともに、ユーザに対し情報を出力することができる構成となっている。情報処理手段100としては、ユーザが保有する一般的なパソコンや携帯端末を用いることができる。なお、情報処理手段100は、本情報処理システム1の一部として備えるように構成してもよいし、外部の情報処理装置として構成してもよい。
制御手段13は、情報処理手段100や各システムを通じてユーザから種々の入力を受け付け、MDマップ初期設定処理、MDマップ更新処理(テーマ設定処理、アイテム設定処理、素材設定処理、カラー/サイズ設定処理等)、MDマップチェック処理(バランスチェック処理、利益指標チェック処理等)、参照情報入出力処理等を実行する。図2では、制御手段13において実行される上記の各処理をそれぞれ機能手段としてとらえて図示している。
制御手段13は、本情報処理システム1にアクセスしてきたユーザに対し、メニュー表示用の画面情報を出力する。ユーザは、かかる画面情報に基づいて各処理を選択し、本情報処理システム1に対して実行を要求することができる。
以下、図2に示した各処理について説明する。なお、各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して実行することができる。
(MDマップ初期設定処理:図6)
MDマップ初期設定処理とは、各店舗について、店舗のキャパシティに応じて該店舗に配置する商品の商品数を決定し、かかる商品数を含むように該店舗のMDマップを初期設定する処理である。本実施形態では、MDマップ初期設定処理は、各モデル店舗についてMDマップの初期設定を行う。
まず、制御手段13は、各モデル店舗について、MDマップ記憶手段10にMDマップを記憶するための一定期間分の記憶領域を確保し、予め設定した期間単位(例えば、週単位)に基づきMDマップ記憶領域を区分して、単位MDマップの記憶領域を確保する(S100)。ここで、期間単位はユーザが設定することができ、モデル店舗やMDマップごとに個別に設定してもよい。
これにより、MDマップ記憶手段10は図3(a)に示すように構成され、制御手段13は、かかる区分した期間単位で(すなわち、単位MDマップごとに)各モデル店舗のMDマップにアクセス(管理)することができるようになる。
次に、制御手段13は、ユーザからの入力に基づいて、各MDマップについて、1又は時間方向に連続する複数の単位MDマップを含むようにMDサイクルを決定する(S101)。一つのMDマップにおいてMDサイクルはいくつ決定してもよく、またMDサイクルごとに期間が異なっていてもよい。
これにより、MDマップ記憶手段10は図3(b)に示すように構成され、制御手段13は、MDサイクルごとに各モデル店舗のMDマップにアクセス(管理)することができるようになる。
次に、制御手段13は、各モデル店舗について、外部から該モデル店舗のキャパシティを受け付ける(S102)。
店舗のキャパシティとは、店舗における商品配置スペース容量を特定する情報である。例えば衣料品を扱う店舗であれば、商品配置スペースは什器単位で特定されるため、什器の数量、各什器のサイズ等がキャパシティに該当することになる。図7(a)にキャパシティの例を示す。かかる例では、水平方向の長さによって什器サイズが規定されている。
モデル店舗のキャパシティは、ユーザが本情報処理システム1に入力するようにしても良いし、外部のデータベース、例えば店舗設計データベース等(図示せず)から取得するようにしても良い。ユーザが入力する場合は、情報処理手段100等が備える入出力手段は、例えば、表示装置に入力用画面を表示し、対話形式によってユーザに必要な情報を入力させるように構成する。
次に、制御手段13は、予め設定した商品配置ピッチに基づき、前記受け付けたキャパシティにおいて配置可能な商品数を算出する(S103)。ここで、商品配置ピッチはユーザが設定することができ、モデル店舗ごとに、更に商品配置スペースごとに個別に設定してもよい。また、複数の商品配置スペースをグループ化し、一つの商品配置スペースとして商品数を算出するように構成してもよい。
例えば図7(a)に示すようなキャパシティを受け付けた場合における、商品数の算出例を図7(b)に示す。かかる例では、什器1〜3、4〜5がそれぞれグループ化されている。また、什器サイズが水平長で規定されていることから商品配置ピッチも水平ピッチとして設定されている。図からわかるように、各商品配置スペースに配置可能な商品数は、それぞれINTEGER(グループ内の水平長の和/商品配置水平ピッチ)で求めることができる。
次に、制御手段13は、MDマップ記憶手段10を参照し、各モデル店舗のMDマップ(各単位MDマップ)に、それぞれ前記決定した商品数を商品配置スペースに対応づけて格納し、MDマップの初期設定を行う(S104)。
このように、本実施形態では、MDマップを構成する情報のうち、商品数については初期設定の段階でモデル店舗のキャパシティに応じて決定される一方、商品データについては初期設定の段階では決定されず、後述するMDマップ更新処理において段階的に決定されることになる。
(MDマップ更新処理)
MDマップ更新処理とは、各店舗について設定されたMDマップに該店舗に配置する商品の商品データを追加又は修正して、MDマップを更新する処理である。本実施形態では、MDマップ更新処理は、各モデル店舗についてMDマップを更新する。
ここで、商品データを追加するとは、商品データを構成する属性の属性値を決定してMDマップに格納することを意味する。また、商品データを修正するとは、MDマップに既に格納されている属性値を変更することを意味する。
MDマップ更新処理では、各属性の属性値を複数のタイミングで段階的に決定する。本実施形態では、サプライチェーンにおける商品企画(計画)フェーズから生産フェーズまでの任意のタイミングで、テーマ、アイテム、素材、カラー/サイズの順に、段階的に属性値を決定するように構成している。本実施形態ではテーマ性の高い衣料品を対象としているため、MDマップの更新がテーマドリブンとなるように属性値を決定するタイミング(順序)を定めている。
以下、各属性ごとにMDマップ更新処理を説明する。なお、以下の各処理を実行する際、ユーザによって更新対象のMDマップが選択されているものとする。
(MDマップ更新処理:テーマ設定処理:図8)
制御手段13は、ユーザがテーマ設定を選択した場合、情報処理手段100等を介して、テーマ属性マップの入力用画面を表示する(S200)。このとき、制御手段13は、MDマップ記憶手段10を参照して、更新対象のMDマップにおいて商品配置スペースやMDサイクルがどのように設定されているかを取得し、商品配置スペースごとに1又は複数のテーマ属性値を受け付けるように入力用画面を設定する。また、ユーザが入力する際に参照できるようにMDサイクルを表示する。
ユーザは、かかる入力用画面に基づいて、商品配置スペース、MDサイクル(市場動向や販売動向など)等とテーマとの関係を考慮しながら、時間軸上に商品配置スペースごとにテーマを割り当てることができる。なおこのとき、必ずしもMDサイクル内で閉じてテーマを割り当てる必要はなく、複数のMDサイクルにまたがってテーマを割り当ててもよい。
制御手段13は、ユーザから入力に基づいてテーマ属性マップを決定し、更新対象のMDマップに対応づけて属性マップ記憶手段11に記憶する(S201)。
次に、制御手段13は、更新対象のMDマップの時間軸と前記決定したテーマ属性マップの時間軸とのマッチングを取る(S202)。そして、更新対象のMDマップに含まれる各単位MDマップについて、商品配置スペースごとに、テーマ属性マップにおいて該単位MDマップと同じ時間軸上に設定されたテーマ属性値を選択する(S203)。そして、前記各単位MDマップに対し、商品配置スペースごとに、前記それぞれ選択したテーマ属性値を商品データの属性値として追加する(S204)。
また、素材属性マップについて、テーマ属性マップの時間軸とのマッチングを取り、素材属性マップ上にテーマ属性マップに設定されているテーマ属性値を反映させる(S205)。
(MDマップ更新処理:アイテム設定処理:図9)
制御手段13は、ユーザがアイテム設定を選択した場合、情報処理手段100等を介して、ユーザからMDサイクルごとにアイテム比率を受け付ける(S300)。アイテム比率は、例えば(PO=30%、JK=20%、・・・)のように、各アイテム属性値の占める割合により特定することができる。
ここで、各MDサイクルについてアイテム比率を受け付ける代わりに、例えば、前のMDサイクルにおいて用いたアイテム比率を基準に次のMDサイクルのアイテム比率を自動的に設定するように構成してもよい。
また、CFROI(Cash Flow Return On Investment)等の利益目標値や過去の販売実績、事業計画等に基づいてMDサイクルごとのアイテム比率を算出し、デフォルト値や参考値としてユーザに提示するように構成してもよい。
更に、受け付けたアイテム比率と、アイテムごとの平均利益とに基づき、そのアイテム比率を採用した場合に利益目標値を達成できるかどうかをチェックするように構成してもよい。
次に、制御手段13は、更新対象のMDマップを参照して商品配置スペースごとに格納されている商品数を取得し、これにMDサイクルごとのアイテム比率を乗算して、商品配置スペースごとMDサイクルごとに(アイテム属性値、該アイテム属性値ごとの商品数)={(PO、60)、(JK、40)、・・・}を求める(S301)。
そして、更新対象MDマップの各単位MDマップに対し、該単位MDマップが含まれるMDサイクルに関してS301で求めた(アイテム属性値、該アイテム属性値ごとの商品数)を、商品配置スペースごとに、商品データの属性値として追加する(S302)(図4(b)参照)。
(MDマップ更新処理:素材設定処理:図10)
制御手段13は、ユーザが素材設定を選択した場合、属性マップ記憶手段11を参照し、テーマ属性マップが設定されているかどうかを判断する(S400)。設定されていない場合は、先にテーマ属性マップを設定するようにユーザにメッセージ等を出力する。本実施形態では、素材属性を決定するタイミングは、テーマ属性を決定するタイミングよりも後のタイミングとして設定されているからである。
一方、既に設定されている場合は、情報処理手段100等に素材属性マップの入力用画面を表示する(S401)。このとき、制御手段13は、MDマップ記憶手段10を参照し、更新対象のMDマップにおいて商品配置スペース、MDサイクルがどのように設定されているかを取得し、商品配置スペースごとに1又は複数の素材属性値を受け付けるように入力用画面を設定する。また、ユーザが入力する際に参照できるようにMDサイクルを表示する。
ユーザは、かかる入力用画面に基づいて、商品配置スペース、MDサイクル、テーマ等と素材との関係を考慮しながら、時間軸上に商品配置スペースごとに素材を割り当てることができる。なおこのとき、必ずしもMDサイクル内で閉じて素材を割り当てる必要はなく、複数のMDサイクルにまたがって素材を割り当ててもよい。ただし、テーマ属性と素材属性との間には階層関係があるため、ユーザは素材属性値を各テーマ属性値内で閉じるように割り当てる必要がある。
制御手段13は、ユーザから入力に基づいて素材属性マップを決定し、更新対象のMDマップに対応づけて属性マップ記憶手段11に記憶する(S402)。
次に、制御手段13は、各更新対象のMDマップについて、更新対象のMDマップの時間軸と前記決定した素材属性マップの時間軸とのマッチングを取る(S403)。そして、各単位MDマップについて、商品配置スペースごとに、素材属性マップにおいて該単位MDマップと同じ時間軸上に設定された素材をそれぞれ選択する(S404)。そして、更新対象の各単位MDマップに対し、商品配置スペースごとに、前記それぞれ選択した素材属性値を商品データの属性値として追加する(S405)。
(MDマップ更新処理:カラー/サイズ設定処理)
制御手段13は、ユーザがカラー/サイズ設定を選択した場合、属性マップ記憶手段11を参照し、素材属性マップが設定されているかどうかを判断する。設定されていない場合は、先に素材属性マップを設定するようにユーザにメッセージ等を出力する。本実施形態では、カラー属性やサイズ属性を決定するタイミングは、素材属性を決定するタイミングよりも後のタイミングとして設定されているからである。
一方、既に設定されている場合は、MDマップ記憶手段10を参照して、更新対象MDマップに含まれる単位MDマップのうち、ユーザが選択した単位MDマップを読み出し、テーマ属性値、アイテム属性値、素材属性値の組み合わせごとに、情報処理手段100等にカラー/サイズ属性の入力用画面を表示する。
ユーザは、かかる入力用画面に基づいて、商品配置スペース、MDサイクル、テーマ、アイテム、素材等との関係を考慮して、カラーやサイズのバリエーションを決定することができる。
次に、制御手段13は、前記ユーザが選択した単位MDマップに対し、商品配置スペースごとに、ユーザが決定したカラー属性値やサイズ属性値を商品データの属性値として追加する。カラー属性及びサイズ属性の属性値が追加された段階で、単位MDマップは完成した状態となる。
なお、MDマップ更新処理は、MDマップに既に格納されている属性値を変更する修正処理(MDマップの修正)も含むが、かかる修正処理については後述する。
(MDマップチェック処理)
MDマップチェック処理とは、更新されたMDマップに対し、商品データの属性の属性値バランスを検証するバランスチェック、利益目標値を達成できるがどうかを検証する利益指標チェック等を行う処理である。
制御手段13は、MDマップが更新されたタイミングで(又は、MDマップの完成時等、予め設定したタイミングで)、アイテム、カラー、サイズの3つの属性について、その属性値のバランスを検証する。具体的には、各単位MDマップについて、該単位MDマップに含まれる商品データに基づき、アイテム属性値、カラー属性値、サイズ属性値のヒストグラムを作成し、かかるヒストグラムに基づいて偏り度を求める。そして、かかる偏り度が予め設定した基準値を超えている場合、ユーザに対しそのことを通知する。なお、偏り度の基準値はユーザが設定することができ、モデル店舗やMDマップごとに、また属性ごとに個別に設定してもよい。
また制御手段13は、MDマップにおいて商品データの属性として価格を設定するタイミング(かかるタイミングは、例えばカラー/サイズ属性を決定するタイミングと同じタイミングとすることが考えられる)で、又は、MDマップの完成時等、予め設定したタイミングで、MDマップに基づいて生産・販売等を行った場合に利益目標値を達成できるかを検証する。具体的には、所定の算定期間(例えば、四半期)において、全店舗のMDマップに基づき生産・販売等を行った場合に得られる利益額の総計値を算出し、これを基に例えばCFROIのような利益指標を求め、かかる利益指標が予め設定した基準値以下となっている場合に、ユーザに対しそのことを通知する。なお、利益指標の基準値はユーザが設定することができ、例えば経営計画支援システム等から自動的に計画目標値を受け付けて用いるようにしてもよい。
(参照情報入出力処理)
参照情報出力処理とは、サプライチェーンを構成する所定フェーズに対し、各モデル店舗について設定されたMDマップに基づき参照情報を出力する処理である。また、参照情報入力処理とは、サプライチェーンを構成する所定フェーズから、MDマップを更新するための参照情報を受け付ける処理である。
(開発フェーズに対する参照情報の入出力)
参照情報を入出力するフェーズとして、例えば開発フェーズ/生産準備(設計)フェーズが考えられる。開発フェーズ/生産準備(設計)フェーズは、本生産にいたる前工程として、デザインや型紙、サンプル等の作成業務等を実行するフェーズである。かかるフェーズにおいては、SCMを実現するためのシステムとして、サンプル完了までの各過程の進捗を管理する機能や、商品加工計画書の中身をデータ化する機能を備えた、原材料や副資材情報の一元化を図るための生産準備システム等が稼動する。
開発フェーズ/生産準備(設計)フェーズは、サプライチェーンにおいては比較的上流に位置することから、いつどのような商品を生産するのかという情報を早期に取得する必要性が高い。
かかる点を勘案し、本実施形態では、例えば第1のタイミング(テーマが確定する段階)やアイテムが確定した段階、遅くとも第2のタイミング(素材が確定する段階)において、MDマップに基づく参照情報を生産準備システム等に出力するように処理を構成する。また生産準備システム等から、決定されたデザインやサンプル、原材料や副資材等の情報を受け付けるように処理を構成する。
このように構成することで、生産準備システム等では、商品データが完全に確定するより前の段階でテーマやアイテム、素材といった開発/設計を行う上で重要な商品データの属性を取得することができ、いわゆる先読みをして開発フェーズ/生産準備(設計)フェーズを進行させることが可能となる。また、生産準備システム等からデザインやサンプル、原材料や副資材等の情報を受け付けることで、MDマップを更新する際の参照情報として用いることができる。
(生産フェーズに対する参照情報の入出力)
参照情報を入出力する他のフェーズとして、例えば生産フェーズが考えられる。生産フェーズは、原材料や副資材の手配、原料在庫の管理、生産指示管理、出荷指示等を実行するフェーズである。かかるフェーズにおいては、SCMを実現するためのシステムとして、原料発注数予測機能等を備えた生産指示システム等が稼動する。
従来の生産フェーズでは、担当者の経験等に基づいて生産計画が立てられ、かかる生産計画に従って原材料等の手配や生産指示等が実行されていた。しかし、生産計画において生産数を決定するための明確な基準が存在しなかったため、結果として必要以上の原材料等を手配してしまったり、必要以上の生産指示を行ってしまったりする場合が多かった。
かかる点を勘案し、本実施形態では、生産指示システム等に対し、MDマップに基づいて参照情報を出力するように処理を構成する。また、生産指示システム等から生産指示数や納期等の情報を受け付けるように処理を構成する。
この場合、生産指示システム等では、生産数を決定するための基準として店舗の品揃えを利用することができ、例えば、各店舗の品揃えを所定期間のあいだ維持するために必要な分だけ原材料等を手配する、又は生産指示を行うというように、適切に生産フェーズを進行させることが可能となる。また、生産指示数や納期等の情報を受け付けることにより、例えばMDマップの生産数を確定することが可能となる。
なお、素材等が確定する段階(第2のタイミング)以降において参照情報を出力する場合、生産指示システム等においても生産準備システム等と同様に先読みをして原材料等の手配を行うことができるようになり、結果としてリードタイムの短縮を図ることができるようになる。
(配送フェーズに対する参照情報の入出力)
参照情報を入出力する他のフェーズとして、例えば配送フェーズが考えられる。配送フェーズは、生産した商品について、DC(Distribution Center)から店舗への配送、店舗からDCへの配送、店舗間の配送等を実行するフェーズである。かかるフェーズにおいては、SCMを実現するためのシステムとして、在庫管理機能、配送指図機能等を備えた配送システム等が稼動する。
従来の配送フェーズでは、配送フェーズにおいて初めて、すなわち商品の生産が完了した段階で初めて、各店舗の規模等を考慮してどの店舗に何を配置するかといった商品分配を行われていた。そのため、配送フェーズにおいて各店舗へ商品をバランス良く分配する分配計画を立案しなければならず、生産完了から店舗に配送するまでのリードタイムを伸ばす要因となっていた。
かかる点を勘案し、本実施形態では、完成したMDマップを参照情報として配送システム等に出力するように処理を構成する。また、配送システム等から店舗ごとの商品過不足情報等を受け付けるように処理を構成する。
この場合、完成したMDマップは店舗における品揃えを確定するものであることから、配送システム等では、原則としてMDマップに基づいて各店舗へ商品分配/返送/補充を行えばよく、改めて分配計画を立案する必要はなくなる。結果として、迅速に効率よく配送フェーズを進行させることが可能となる。また、配送システム等から店舗ごとの商品過不足情報等を受け付けることで、例えば各店舗の品揃え状況を確認することができる。
(参照情報入出力処理による作用効果)
このように、本実施形態では、サプライチェーンを構成する各フェーズに対し、店舗の品揃えを特定するMDマップに基づく参照情報を出力するように構成しているため、各フェーズにおいて各店舖における品揃えを考慮しながらSCMを実行することが可能となる。
特に、MDマップは、店舗に配置する商品の商品数を含み、その商品数はMDマップの初期設定において店舗のキャパシティに応じて決定されるため、各フェーズではMDマップを参照することにより常に店舗のキャパシティという物理的制約を考慮してSCMを実行することができる。
更に、MDマップは、所定期間単位で単位MDマップに区分されており、単位MDマップごとに商品データを追加することができるように構成されているため、期間単位を商品サイクルに合わせて設定することで、商品サイクルの変動周期が短い場合でもダイナミックに店舗の品揃えを制御することができ、その結果、各フェーズにおいても単位MDマップを参照することにより商品サイクルに合わせてダイナミックにSCMを実行することが可能となる。
更に、MDマップは、初期設定された後、段階的に商品データの属性が決定されるため、各フェーズでは、上位レベルの属性(例えば、テーマ等)が定まるタイミングから、下位レベルの属性(例えば、カラー、サイズ等)が定まるタイミングまで、様々なレベル、様々なタイミングで店舗の品揃えを参照することができ、先読み等を行って効率よくSCMを実行することができる。
(MDマップの修正)
MDマップ更新処理は、各属性の属性値について、それぞれ一旦決定された後であっても、状況に応じて修正することができるように構成される。これは、例えば販売フェーズから得られる売上情報等に基づき将来の店舗の品揃えを変更する場合など、サプライチェーンを柔軟に変更できるようにするためである。
ここで、第n週の時点における販売フェーズから得られる情報、例えば第n週の売上情報等に基づき将来の店舗の品揃えを変更する、すなわち第(n+1)週以降の単位MDマップを修正することを考える。このとき、例えば第n週の売上情報等に基づき第(n+8)週の単位MDマップを修正する場合であれば、8週間という時間的な余裕があるため、テーマ等の上位階層の属性に対し修正を加えたとしても、生産フェーズ等において対応できる可能性は高い。しかし、第n週の売上情報等に基づき、翌週の第(n+1)週の単位MDマップを修正する場合、原料手配や生産等のリードタイムを考慮すると、1週間という時間内で対応できる修正内容は限られてくる。
そこで、本実施形態では、第n週の売上情報等に基づき基づき第x週の単位MDマップを修正する場合、時間間隔(x−n)に応じて修正内容を制御するようにMDマップ更新処理を構成する。具体的には、(x−n)が大きいほど、すなわち時間的に余裕があるほど、上位階層の属性を修正できるようにする。
例えば、(x−n)>t1となる場合はテーマ属性からカラー/サイズ属性まで修正できるようにし、t1≧(x−n)>t2となる場合はアイテム属性からカラー/サイズ属性まで修正できるようにし、t2≧(x−n)>t3となる場合は素材属性からカラー/サイズ属性まで修正できるようにし、t3≧(x−n)となる場合はカラー/サイズ属性のみ修正できるようにする。t1〜t3は商品の特性や生産等のリードタイムに応じて設定することができる(図11参照)。
更にこの場合、MDマップに基づく参照情報を出力する際に、各単位MDマップごとに時間間隔(x−n)に応じて参照情報を出力するフェーズを制御するように参照情報入出力処理を構成することもできる(図12参照)。
具体的には、現時点を第n週とする場合、第x週の単位MDマップに基づく参照情報について、時間間隔(x−n)が大きいほど、商品開発フェーズや生産準備(設計)フェーズといった上流フェーズに対しても出力するように処理を構成する。一方、時間間隔(x−n)が小さい場合、第x週の単位MDマップに基づく参照情報は、生産フェーズや配送フェーズ、販売フェーズといった中流〜下流フェーズに対し出力するように処理を構成する。
図12に示す例では、(x−n)>t1となる場合は、商品企画(計画)フェーズ、商品開発フェーズを選択して参照情報を出力し、t1≧(x−n)>t2となる場合は、商品開発フェーズ、生産準備(設計)フェーズを選択して出力し、t2≧(x−n)>t3となる場合は、生産準備(設計)フェーズ、生産フェーズを選択して出力し、t3≧(x−n)となる場合は、生産フェーズ、配送(物流)フェーズを選択して出力するように構成している。ただし、図12に示す構成はあくまでも例示であり、MDマップの修正内容、出力先フェーズは設計に応じて調整することができる。図13に、時間間隔、MDマップの修正内容、出力先フェーズが満たすべき関係を示す。
このように構成することで、各フェーズのシステムでは、時間的に対応が可能な修正内容を適切なタイミングで受け取ることができるようになり、需要のボラティリティが高い業態、商品のテーマ性、仮説性が高い業態においても、ダイナミックに店舗の品揃えを制御することが可能となる。
(その他)
本発明の他の実施形態として、情報処理プログラムを記録した記録媒体が考えられる。記録媒体としてはCD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体を用いることができる。
情報処理プログラムは記録媒体からデータ処理装置に読み込まれ、データ処理装置の動作を制御する。データ処理装置は情報処理プログラムの制御により、本発明の実施形態における、MDマップ記憶手段10や、制御手段13(MDマップ初期設定処理、MDマップ更新処理、参照情報入出力処理等)による処理と同一の処理を実行する。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
例えば、本実施形態では、モデル店舗について各処理を実行するように構成しているが、個別の各店舗について各処理を実行するように構成してもよい。更に、例えばモデル店舗についてMDマップ初期設定処理、MDマップ更新処理を実行してMDマップを決定しておき、具体的な各店舗のMDマップについて、該店舗の規模に応じてモデル店舗を選択して、前記選択したモデル店舗のMDマップに基づいて設定するように構成してもよい。この場合、MDマップチェック処理や参照情報入出力処理に関し、モデル店舗のMDマップに代えて/とともに、個別店舗のMDマップに基づいて実行するように構成することも考えられる。なお、モデル店舗のMDマップに基づいて個別店舗のMDマップを設定する処理は、本情報処理システム1において実行してもよく、別のシステム(例えば配送システム等)において実行するように構成してもよい。
また例えば、販売フェーズの一つとして位置づけられるVMD(Visual Merchandising)フェーズに対し、参照情報を出力するように構成することも考えられる。VMDフェーズとは、店舗イメージ、店舗の雰囲気、商品陳列の方法、什器や備品のスペック、販促物の作成、プロモーションなどに関し、統一イメージを構築して、消費者に対し企画・演出を行うフェーズである。かかるVMDフェーズに対してMDマップに基づく参照情報を出力することで、様々なレベル、様々なタイミングで店舗の品揃えを参照してVMDを行うことができ、店舗の品揃えにダイナミックに追従させて店舗の企画・演出を行うことができる。
また、上記では衣料品に関するサプライチェーンを例として説明したが、本発明が対象とするサプライチェーンはこれに限られず、例えば雑貨等に関するサプライチェーンなど、店舗という物理的制約を受けて商品を販売する業態の種々のサプライチェーンを対象として本発明を適用することができる。また、必ずしも有体物のサプライチェーンに限られず、例えば情報コンテンツを商品と考え、雑誌やホームページ、レストランのメニューといった、情報コンテンツを掲載することができる媒体を店舗と考えて、本発明を適用する実施形態も考えられる。
なお、上記では実施形態として情報処理システムや記憶媒体について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限られず、情報処理システムにおいて実行する各処理を本発明に係るサプライチェーン管理方法として把握することもできる。
本発明の構成によれば、店舗の品揃えを特定するMDマップを基準としてサプライチェーンを管理することができるため、担当者の経験やスキルへの依存度を低減して、安定したサプライチェーンを構築することができる。
特に、MDマップを単位MDマップやMDサイクルごとに管理することで、多品種にわたる商品を多数生産する業態、取り扱う商品が短いサイクルで変動していく業態、需要のボラティリティが高い業態、商品のテーマ性、仮説性が高い業態においても、ダイナミックに店舗の品揃えを制御することが可能となる。
The entire disclosure of Japanese Patent Application No.2001−360885 filed on November 27,2001 including specification,claims,drawings and summary are incorporated herein by reference in its entirety.
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の再生装置によって読み取り可能な情報記録媒体に記録されたコンテンツに対する視聴管理を行う視聴管理方法であって、
視聴管理対象コンテンツの視聴を希望する視聴者に対して、前記情報記録媒体に予め記録された取得コードを提示して、前記視聴者が前記提示された取得コードに基づいてサーバコンピュータから取得した暗証番号を受け付けて、前記受け付けた暗証番号に基づく認証を経て前記視聴管理対象コンテンツの再生を開始することを特徴とする視聴管理方法。
【請求項2】
前記視聴者が前記サーバコンピュータから暗証番号を取得した場合に、前記視聴者に対して前記視聴管理対象コンテンツの視聴料金を課金することを特徴とする請求項1記載の視聴管理方法。
【請求項3】
所定の再生装置によって読み取り可能な情報記録媒体に記録されたコンテンツに対する視聴管理を行う視聴管理方法であって、
前記情報記録媒体の読み取りを開始した前記所定の再生装置が、視聴者に対して、所定の取得コードを提示するとともに、所定の暗証番号の入力を促す段階と、
所定の位置情報にしたがい前記視聴者の情報端末装置からのアクセスを受けた所定のサーバコンピュータが、前記視聴者に対して前記所定の取得コードの入力を促す段階と、
前記所定のサーバコンピュータが、前記視聴者の情報端末装置から前記所定の取得コードを受け付けた場合に、前記所定の取得コードに対応する暗証番号を前記視聴者に対して提示する段階と、
前記所定の再生装置が、前記視聴者から所定の暗証番号を受け付けた場合に、前記受け付けた所定の暗証番号に基づいて認証を行う段階と、
前記所定の再生装置が、前記認証の結果、前記受け付けた所定の暗証番号を正当なものであると判断した場合に、前記情報記録媒体に記録されたコンテンツの再生を開始する段階と、
を備えたことを特徴とする視聴管理方法。
【請求項4】
前記情報記録媒体には、前記暗証番号と前記所定の取得コードとを対応付けた暗証番号管理テーブルが記録されており、
前記所定の再生装置は、所定の乱数関数にしたがって生成した乱数値に対応した所定の取得コードを提示することを特徴とする請求項3記載の視聴管理方法。
【請求項5】
前記サーバコンピュータは、前記暗証番号管理テーブルに対応するテーブルを含む視聴管理データベースを備え、
前記視聴管理データベースを参照して、前記視聴者の情報端末装置から受け付けた所定の取得コードに対応する所定の暗証番号を特定し、前記視聴者に対して提示することを特徴とする請求項4記載の視聴管理方法。
【請求項6】
前記情報記録媒体には、所定の位置情報が記録されており、
前記所定の再生装置は、前記所定の取得コードとともに前記所定の位置情報を提示することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の視聴管理方法。
【請求項7】
前記視聴管理方法は、
前記視聴者に対して視聴管理対象コンテンツの選択を促す段階をさらに備え、
前記視聴管理対象コンテンツが選択された場合に、前記選択された視聴管理対象コンテンツに対応する所定の取得コードを提示することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の視聴管理方法。
【請求項8】
所定の再生装置によって読み取り可能な情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は、視聴管理対象コンテンツ、所定の暗証番号管理テーブルおよび所定の制御情報を記録するものであり、
前記所定の暗証番号管理テーブルは、所定の暗証番号と所定の取得コードとが対応付けられたものであり、
前記所定の制御情報は、
前記視聴者に対して、前記所定の取得コードを提示するとともに、前記所定の暗証番号の入力促す機能と、
前記視聴者により前記所定の暗証番号の入力が行われた場合に、前記入力された所定の暗証番号に対する認証を行う機能と、
前記認証の結果にしたがい前記視聴管理対象コンテンツの再生を行う機能と、を前記所定の再生装置に実現させるものである、
ことを特徴とする情報記録媒体。

【国際公開番号】WO2004/043066
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【発行日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549601(P2004−549601)
【国際出願番号】PCT/JP2003/014067
【国際出願日】平成15年11月4日(2003.11.4)
【出願人】(500212952)ヴィジョネア株式会社 (16)
【Fターム(参考)】