説明

情報通信端末、メール既読化方法、及びメール既読化プログラム

【課題】受信メールを受信メール一覧とともに、カーソルで選択されているメールの本文をプレビュー表示できる情報通信端末において、メール既読処理を簡易にできる情報通信端末を提供する。
【解決手段】情報通信端末に、プレビュー表示において、選択されている受信メールの本文の全てがプレビュー表示に用いられる領域内に納まるかどうかを判定する判定手段と、納まると判定した場合に、その受信メールの既読か未読かを示す情報を既読にする更新手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信端末に関し、特に、受信メールを表示する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機において、受信メールを確認する場合には、受信メールフォルダを開き、受信メールの送信者の一覧が表示され、ユーザが方向キーでカーソルを操作し、そのなかから一つのメールを選択したメールを表示させる決定ボタンを押下する操作を実行することでメール本文が表示される。このとき、そのメールはユーザに閲覧されたとして、既読メール扱いになる。既読メールになっていない未読メールがある場合には、携帯電話機には、未読メールがあることを通知するアイコン表示がなされる。
【0003】
メールの一覧表示に関する技術としては下記の特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、メールの件名が一覧表示されている際に、一覧から選択されている件名のメールの発信者情報を共に表示する携帯電話機が開示されている。
【特許文献1】特開2002−366489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の携帯電話機の中には、受信メールの一覧表示を行っている場合に、方向キーでカーソルを操作し、カーソルで選択されているメールの本文をプレビュー表示するものがある。カーソルで選択されていると、文字の白黒が逆転する反転表示になったり、あるいはカーソルは例えば単に矢印であったりする。プレビュー表示とは、カーソルで選択されている受信メールの内容をユーザに喚起させるために、そのメールの本文の先頭から、例えば2行分だけ、受信メールの一覧と共に、表示するものである。プレビュー表示により、ユーザは、メールの内容を簡単に確認できたり、その内容を察したりすることができる。プレビュー表示では、受信メールの一覧と共に表示するために、その表示領域は小さく制限されるので、プレビュー表示の段階では、メール本文全てを確認できないこともあるため、そのメールは未読のままであることが望ましい。
【0005】
しかしながら、携帯電話機のようなモバイル機器の場合には、長文のメールは打ちにくく、読みにくいという点から、短文のメールをやり取りすることも多く、その制限された表示領域でも十分な場合もある。この場合には、上述のメールを既読とするための操作は、ユーザにとって煩雑なものとなる。例えば、プレビュー表示で内容を確認したユーザは、本文表示の操作をせずに、そのまま、携帯電話機を待ち受け画面に戻した場合である。このとき、プレビュー表示でメールの内容を確認したのにもかかわらず、メールは既読扱いになっていないので、メール未読のアイコン表示がなされ、ユーザは別のメールが来ているかもしれないと思い、再度メールを確認するといった事態が発生することがある。この事態を防ぐためにはメール本文を表示する操作を行わなければならないが、プレビュー表示でメールの内容を確認できているユーザにとっては、その操作は煩わしいものとなる。
【0006】
そこで、本発明においては上記煩雑さを解消することができる情報通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、受信メールの一覧と共に、メールの本文の少なくとも一部を所定表示領域に表示する情報通信端末であって、メールを受信する受信手段と、受信メールを、当該受信メールが閲覧されたか否かを示す未読/既読情報と共に記憶する記憶手段と、受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されているかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により、受信メールの本文全てが表示されていると判定された場合に、前記記憶手段の当該受信メールに関する未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新する更新手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
上述のような構成によって、プレビュー画面において、受信メールの本文の全てが表示されたメールについては既読扱いとすることができる。これにより一度所定の領域、即ちプレビュー表示欄でメール本文の内容を確認することができたメールについては、そのメールを既読扱いとすることができ、メールを既読とするための煩雑な操作を必要としなくなる。なお、本明細書においては、表示画面の一部にあたる所定領域をプレビュー表示欄と呼称し、その受信メールの一覧と共に、プレビュー表示欄にメールの本文の少なくとも一部を表示することをプレビュー表示と呼称する。
【0009】
また、前記情報通信端末は、更に、前記受信メールの中からカーソル操作により、一のメールを選択する選択操作を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段により選択状態になっている一のメールの本文をその先頭から前記所定表示領域に表示可能なだけ表示するプレビュー表示手段とを備えることとしてよい。
これにより、情報通信端末は、ユーザによるカーソル操作で選択されたメールの本文の少なくとも一部をプレビュー表示することができる。
【0010】
また、前記更新手段は、前記選択受付手段により一のメールが選択されて、当該一のメールの本文の一部または全部が前記所定表示領域に表示されてから、所定時間経過した場合に、前記更新を実行することとしてよい。
これにより、情報通信端末は、受信メールがプレビュー表示されてから、所定の時間、例えば5秒、経過した場合に、その受信メールの本文の全てがプレビュー表示されているかどうかを判定し、未読/既読情報を既読に更新するので、カーソルが高速で移動するだけで、一瞬だけプレビュー表示されただけで、ユーザがメールの内容を確認していないのに未読のメールの未読/既読情報を既読にすることを防止できる。
【0011】
また、前記情報通信端末は、更に、前記選択受付手段により選択状態になっている一のメールの本文を、受信メールの一覧を表示せずに、表示するための表示操作を受け付ける表示受付手段と、前記表示受付手段において選択された一の受信メールの本文全文を表示する全文表示手段とを備え、前記更新手段は、前記表示受付手段において一の受信メールの選択を受け付けて一の受信メールの本文を前記表示手段が表示した場合において、前記記憶手段の当該一の受信メールの未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新することとしてよい。
【0012】
これにより、受信メールの一覧を表示せずに、メール本文を読むための操作を行った場合の未読/既読情報と、プレビュー表示を行った場合の未読/既読情報の共有化を図ることができ、いずれか一方においてメールの全文を表示した場合に、そのメールの既読化を実行できるようになる。
また、前記更新手段は、前記受信メールの前記記憶手段において記憶されている未読/既読情報が、未読を示す情報である場合にのみ、既読を示す情報に更新することとしてよい。
【0013】
これにより、情報通信端末の未読/既読情報の更新を常に行うのではなく、その未読/既読情報が未読の場合にのみ、更新する。
また、前記判定手段は、前記受信メールの本文の文字数と、前記所定表示領域で表示可能な文字数を比較し、前記本文の文字数の方が、前記表示可能な文字数以下である場合に、受信メールの本文の全てが前記所定表示領域に表示されていると判定することとしてよい。
【0014】
これにより、情報通信端末は、メール本文の文字数をカウントすることで、プレビュー表示欄にメール本文の全文が表示できるかどうかを判定できるようになる。
また、前記情報通信端末は、更に、複数の文字のフォントを各フォントの各文字のサイズと共に記憶するフォント記憶手段と、前記判定手段は、前記フォント記憶手段で記憶されているフォントのうち、前記所定表示領域に表示するのに用いる文字のフォントの各文字サイズに基づいて、受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されるかどうかを判定することとしてよい。
【0015】
これにより、情報通信端末は、記憶していて使用できるフォントに応じて、プレビュー表示欄にメール本文の全文が表示できるかどうかを判定することができるようになる。フォントによって1文字のサイズが異なることがあるが、上記構成にすることで、情報通信端末は、各種のフォントに対応してメール本文の全文を表示できるかどうかを判定できるようになる。
【0016】
また、前記判定手段は、更に、前記受信メールの本文の文字数が、前記所定表示領域に表示される文字数よりも1多い場合において、当該1多い文字が句点であるかどうかを判定し、前記判定手段により、当該1多い文字が句点であると判定された場合には、例外的に本文全てが表示されていなくても、前記記憶手段の当該受信メールに関する未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新することとしてよい。
【0017】
これにより、情報通信端末はプレビュー表示欄から句点だけはみ出してしまった場合には、メールの全文をユーザが読んだものとして、そのメールの既読かすることができるようになる。ユーザとしては句点だけを確認するために、メール本文を表示する操作を行うことは意味が薄く、煩雑になってしまうが、この構成により、当該煩雑さを解消できる。
また、前記判定手段は、更に、前記受信メールに改行コードが含まれている場合には、改行コードが含まれている位置に基づいて前記受信メールの文字数を検出することとしてよい。
【0018】
これにより、情報通信端末は改行コードも意識してメール本文の文字数をカウントすることができるようになり、文字数がプレビュー表示欄におさまる文字数であっても改行コードがあって、表示しきれていないのにもかかわらず、メールを既読化するという事態を防ぐことができる。
また、前記情報通信端末は、更に、前記判定手段により、前記本文の文字数が、前記表示可能な文字数より多いと判定された場合に、前記所定表示領域で表示される文字のサイズを変更することで、受信メールの本文全文が表示可能になるかどうかを判定し、可能な場合に文字サイズを変更して前記所定表示領域に表示させる変更表示手段を備えることとしてよい。
【0019】
これにより、情報通信端末は、現在の文字サイズでメール本文の全文をプレビュー表示できなくても、文字サイズを小さくすることで表示できる場合には、その文字サイズを変更することで全文をプレビュー表示できるので、ユーザは、そのメールの本文を読むための操作をしなくてすむようになる。
また、前記情報通信端末は、更に、受信メールの未読/既読情報が未読を示す情報であった場合に、未読を示すアイコンを待ち受け画面に表示する未読アイコン表示手段を備えることとしてよい。
【0020】
これにより、情報通信端末は、未読のメールがあった場合には、アイコンなどで表示することにより未読のメールがあることをユーザに通知することができる。逆にプレビュー表示において、メールの本文全てが表示されて未読/既読情報が既読にされていた場合には、未読を示すアイコンは表示されなくなるので、ユーザは、メールを全て見たものと判断することができるようになる。
【0021】
また、受信メールの一覧と共に、当該一覧からカーソルにより選択されているメールの本文の少なくとも一部を所定表示領域に表示する携帯電話機におけるメール既読化方法であって、メールを受信する受信ステップと、受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されているかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、受信メールの本文全てが表示されていると判定された場合に、当該受信メールが閲覧されたかどうかを示す未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新する更新ステップとを含むこととしてよい。
【0022】
あるいは、受信メールの一覧と共に、当該一覧からカーソルにより選択されているメールの本文の少なくとも一部を所定表示領域に表示する携帯電話機において、当該携帯電話機のコンピュータに受信メールを既読化させるための処理手順を示したメール既読化プログラムであって、前記処理手順は、メールを受信する受信ステップと、受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されているかどうかを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、受信メールの本文全てが表示されていると判定された場合に、当該受信メールの閲覧されたかどうかを示す未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新する更新ステップとを含むこととしてよい。
【0023】
この方法を情報通信端末が実行することにより、あるいは情報通信端末に搭載されたコンピュータがこのプログラムを読み込んで実行することにより、情報通信端末は、メール本文の全てがプレビュー表示されたかどうかを判定して、メール本文の全てがプレビュー表示されていた場合には、そのメールの既読化処理を実行できるようになる。よって、ユーザは、そのメールについては本文を閲覧するためのよけいな操作をしなくて済むようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る情報通信端末の一実施形態である携帯電話機について図面を用いて説明する。
<実施の形態>
<構成>
図1は、携帯電話機100の機能構成を示した機能ブロック図である。図1に示したように、携帯電話機100は、通信部110と、操作部120と、音声処理部130と、表示部140と、記憶部150と、制御部160とを含んで構成される。
【0025】
上述の、受信手段は通信部110によって、記憶手段は記憶部150によって、判定手段は制御部160に判定手段161によって、更新手段は制御部160の更新部162によって実現される。
通信部110は、アンテナ111を含んで構成され、アンテナ111から受け取った受信信号を受話音声信号及び受信データ信号に復調し、復調した受話音声信号を音声処理部130に、受信データ信号を制御部160に出力する機能を有する。また、通信部110は、音声処理部130でA/D変換された送話音声信号、及び制御部160から与えられる電子メールなどの送信データ信号を変調し、アンテナ111から出力する機能を有する。
【0026】
操作部120は、テンキー群、オンフックキー、オフフックキー、方向キー、決定キー、メールキーなどの諸キー群を含み、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作内容を制御部160に伝達する機能を有する。本発明においては、特に、データ転送に係る指示をユーザから受け付ける。
音声処理部130は、通信部110から出力された受話音声信号をD/A変換してスピーカ132に出力する機能と、マイク131から取得した送話音声信号をA/D変換し、生成した信号を通信部110に出力する機能を有する。
【0027】
表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display)などによって実現されるモニタを含み、制御部160の指示による画像をモニタに表示する機能を有する。具体的には、表示部140は、待ち受け画面やメールの文書、時間などを表示する。本発明においては、特に、受信メール一覧とともに、選択されている受信メールをプレビュー表示する。
記憶部150は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んで構成され、小型ハードディスクや不揮発性メモリなどによって実現され、各種データやプログラムを記憶する機能を有する。本発明においては、記憶部150は、特に受信メール151を記憶している。受信メール151は、携帯電話機100で受信した受信メールの集合であるが、その詳細は後述する。
【0028】
制御部160は、携帯電話機100の各部を制御する機能を有する。本発明においては特に、判定手段161と更新部162とを含んで構成される。
判定手段161は、受信したメールの本文の文字数を検出し、プレビュー表示する際の表示欄に表示される文字数17字以内に収まるかどうかを判定する。そして収まると判定し、かつ、当該メールがプレビュー表示された場合に、プレビュー表示欄にメール本文の全文が表示されたことを示す全文表示情報を更新部162に伝達する。全文表示情報は、メールを識別するための番号と、そのメールの本文の全てがプレビュー表示されたことを含む情報である。また、受信したメールの文字数が18文字で、18文字目が句点であった場合においても例外的に全文表示情報を更新部162に伝達する。なお、判定手段161は、メール本文の文字について、全角で記載されている文字1文字を1文字、半角で記載されている文字1文字を0.5文字として換算する。
【0029】
更新部162は、判定手段161から通知された全文表示情報に基づいて、記憶部140に記憶されている受信メールの未読/既読を示すフラグである味読/既読情報が未読を示す情報であった場合に、既読を示す情報に更新する機能を有する。また、操作部120でユーザによる選択操作により一のメールのメール本文を表示する操作がなされ、メール本文が表示部140に表示された場合において、表示されたメールの未読/既読情報が未読を示す情報であったときには、既読を示す情報に更新する機能も有する。
<データ>
図2には、記憶部150で記憶されている受信メール151を一覧表示した一例である受信メール151aを示した。同図に示すように、記憶部140では、メール番号欄201と、受信メールの送信者欄202と、メール本文欄203と、未読/既読情報欄204とが対応付けられて記憶されている。ここでは、これらの情報のみを表示したが、そのほか、メールアドレスや、受信日時などとも対応付けられていてもよい。
【0030】
メール番号欄201には、携帯電話機100が各メールを区別するために便宜的に付した番号の情報が記されている。
送信者欄202には、そのメールを送信した人物ないし企業などを示す情報が記されている。メール本文欄203には、そのメールに記されているメールの本文の情報が記されている。
【0031】
未読/既読情報欄204には、そのメールがユーザによって閲覧されたかどうかを示す情報が記されている。ここでは、理解しやすくするために「既読」若しくは「未読」で示した。実際には、携帯電話機のコンピュータ上では「既読」を「1」、未読を「0」の情報でもって記憶されている。
例えば、メール番号「001」の発信者は「塚西」であり、メール本文は、「頼まれて本買っておいたから」と、改行コードなしで13文字となっている。このメールの未読/既読情報は図2においては、未読となっている。
【0032】
また、メール番号「002」の発信者は「安岡圭吾」であり、メール本文は、「駅前に10時に。遅れるなよ?」となっており、図2においては、その未読/既読情報は未読となっている。このメールの本文は、8文字目の後に改行コードが入り、2行構成となっており、1行目は、8文字、2行目は6文字となっている。
また、メール番号「003」の発信者は「寺村晴子」であり、メール本文は、「おはよ(^o^)/元気?じゃ。後で」となっており、図2においては、その未読/既読情報は未読となっている。このメールの本文には、顔文字が含まれており、顔文字部分は、半角で記載されており、文字2つ分で全角1文字に相当する。このメールの本文では、全角換算で6文字目の後と、2行目の3文字目の後に改行コードが入り、3行構成となっており、1行目は、全角換算で6文字、2行目は3文字、3行目は5文字、合計14文字となっている。
【0033】
また、メール番号「004」及び「005」についてはその未読/既読情報は「既読」になっている。
図3は、プレビュー表示の際の表示画面例を示している。図3(a)は、図2のメール一覧に基づいて作成された一覧と共に、メール番号002のメール本文をプレビュー表示している表示画面の一例である。図3(b)は、図3(a)の状態から次にユーザ操作により、メール番号003の本文をプレビュー表示させた状態の表示画面の一例である。
【0034】
図3(a)においては、メール番号002が選択されていることが分かるように、メール番号002の行が反転表示されており、その本文が、プレビュー表示欄301aに表示されている。メール番号002の場合、その本文はプレビュー表示欄301a内に収まっている。
一方、図3(b)においては、メール番号003が選択されていることが分かるようにメール番号003の行が反転表示されており、その本文の最初から2行分が、プレビュー表示欄301bに記載されている。しかし、メール番号003のメール本文の全ては表示されていない。
【0035】
図3(a)から図3(b)への変化を見て分かるように、図3(a)においては、未読であったメール002が、本文全てがプレビュー表示されたことにより、未読状態から既読状態になったために、メール未読のアイコンが図3(b)には、表示されなくなる。このアイコンの表示更新処理は、この受信メールの一覧を表示している状態では、カーソルが移動した後に行われる。
【0036】
ここでプレビュー表示欄について説明しておく。プレビュー表示欄は、メール本文を2行分だけ表示できるものであり、1行目は、全角8文字まで、2行目は、全角9文字まで表示できる。
図4には、図2に示した受信メール151aから、図3(a)、(b)に示したようなプレビュー表示を経て、変化した受信メール151bを示した。
【0037】
メール番号001、002、003のメールの本文は、図3(a)、(b)に示したように、プレビュー表示されたが、メール番号001と002とはそのメールの本文の全てがプレビュー表示欄に納まったものの、メール番号003のメールの本文は、その全てがプレビュー表示欄に納まりきらなかった。
よって、判定手段161は、メール番号001と002についてのみ、全文表示情報を更新手段162に通知することになり、更新手段162は、メール番号001と002フラグを、「未読」から「既読」に更新し、その結果受信メール151aは、受信メール151bに更新される。
【0038】
図5には、未読/既読情報を用いた表示に関する一例を示した。図5(a)は、受信メールが未読である場合の待ち受け画面の一例を示し、図5(b)は、受信メールが既読である場合の待ち受け画面の一例を示している。
図5(a)は、受信メールが未読である場合の待ち受け画面の一例を示しており、図5(a)に示すように、未読アイコン501が表示されている。これは、記憶部140において、メール一覧に未読情報がある場合に表示される。
【0039】
一方、図5(b)に示すように、未読情報がなく、全て既読になっていた場合には、図5(a)に示した未読アイコン501の表示がない。
<動作>
次に、本実施の形態においてメールを既読化するときの携帯電話機100の動作を図6に示すフローチャートを用いて説明する。携帯電話機100において、図3に示したようなメール一覧とプレビュー表示画面を表示した状態から、本動作の説明を記載する。
【0040】
携帯電話機100の制御部160は、まず反転表示されて選択されているメールの本文がプレビュー表示欄に表示されてから2秒経過したかどうかを判定する(ステップS601)。これは、携帯電話機100がプレビュー表示出力を実行してから、時間を計時し、その間ユーザからのカーソル操作がなかったかどうかに基づいて判断する。選択されているメールの本文のプレビュー表示が2秒経過していない場合には(ステップS601のNO)、2秒経過するまで待機するか、新たに別のメールが選択された場合には、最初から、計時しなおす。2秒経過したかどうかを判定するのは、単にカーソルが移動してメールが選択されただけで、メール本文を確認する間もなかったのに既読かされるのを防止するためである。
【0041】
選択されているメールの本文のプレビュー表示を開始してから2秒経過している場合には(ステップS601のYES)、メール本文の最後に改行コードがある場合には、その改行コードを除去する(ステップS603)。ただし、実際に除去するのではなく、本発明においてメール本文すべてがプレビュー表示さえているかどうかを判定するためにのみ行う。これは、メールによっては、最後に改行コードが2、3ついてるメールもあり、それらはユーザとしては、確認しなくても良い内容なので、プレビュー表示されなくてもよく、そのような場合もメールを既読化するために実行する処理である。
【0042】
メール本文の最後の改行コードを除去した状態で、判定手段161は、メール本文中に改行コードがあるかどうかを判定する(ステップS605)。改行コードの有無については、簡単に説明すると、記憶部150は予め改行コードを識別するためのコードを記憶しており、当該コードと一致するコードがメール本文の中にあるかどうかによって判定する。
【0043】
メール本文中に改行コードがある場合には(ステップS605のYES)、判定手段161は、改行コードが2個以上あるかどうかを判定する(ステップS607)。
改行コードが2個以上ない場合、つまり1個の場合には(ステップS607のNO)、判定手段161は、その改行コードがメールの9文字目以降にあるかどうかを判定する(ステップS609)。9文字目以降にない場合には(ステップS609のNO)、判定手段161は、改行コードの後に記載されている文字数が9文字以内であるかどうかを判定する(ステップS611)。
【0044】
改行コードの後に記載されている文字数が9文字以内である場合には(ステップS611のYES)、判定手段161は、更新手段162に対して、選択されているメールの本文全てがプレビュー表示されたことを通知する。当該通知を受けて、更新手段162は、記憶部150の受信メール151において、そのメールの未読/既読情報が未読であった場合に既読に更新する(ステップS613)。
【0045】
改行コードが1個で改行コードの後にある文字数が10文字で、かつ、10文字目が句点でない場合(ステップS612のNO)には、判定手段161は、改行コード以降の文字数が10文字、かつ、10文字目が句点であるかどうかを判定する(ステップS612)。10文字目が句点であった場合には(ステップS612のYES)、判定手段161は、更新手段162に対して、選択されているメールの本文全てがプレビュー表示されたことを通知する。当該通知を受けて、更新手段162は、記憶部150の受信メール151において、そのメールの未読/既読情報が未読であった場合に既読に更新する(ステップS613)。
【0046】
そしてユーザからのメール一覧表示終了指示が来たら終了する。方向キーが押下されて別のメールが選択された場合には、当該メールにつき本フローチャートに示した処理を最初から行う。
改行コードが2個以上あった場合(ステップS607のYES)、改行コードが1個で、改行コードがメール本文において先頭から9文字目以降にあった場合(ステップS609のYES)、改行コードが1個で改行コードの後にある文字数が10文字で、かつ、10文字目が句点でない場合(ステップS612のNO)には、メールの既読化処理を行わず、そのメールについては未読/既読情報は未読のままで終了する。
【0047】
ステップS605において、メール本文中に改行コードがなかった場合には(ステップS605のNO)、判定手段161は、メール本文の文字数が17文字以下であるかどうかを判定する(ステップS606)。
メール本文の文字数が17文字以下でなかった場合には(ステップS606のNO)、判定手段162は、メール本文が18文字であり、かつ18文字目が句点であるかどうかを判定する(ステップS608)。
【0048】
メール本文の文字数が17文字以内であった場合(ステップS606のYES)と、メール本文の文字数が18文字で、18文字目が句点であった場合には(ステップS608のYES)、判定手段161は、更新手段162に対して、選択されているメールの本文全てがプレビュー表示されたことを通知する。当該通知を受けて、更新手段162は、記憶部150の受信メール151において、そのメールの未読/既読情報が未読であった場合に既読に更新する(ステップS613)。
【0049】
そしてユーザからのメール一覧表示終了指示が来たら終了する。方向キーが押下されて別のメールが選択された場合には、当該メールにつき本フローチャートに示した処理を最初から行う。
メール本文が17文字以内でなかった場合で(ステップS606のNO)、かつ、本文が18文字で、18文字目が句点でなかった場合(ステップS608のNO)には、メールの既読化処理を行わず、そのメールについては未読/既読情報は未読のままで処理を終了する。
【0050】
以上が本発明に係る携帯電話機100においてプレビュー表示における既読化処理である。
<補足>
上記実施の形態に基づき、本発明に係る携帯電話機について説明してきたが、本発明の実施の形態はこれに限るものではないのは勿論である。以下その変形例について説明していく。
(1)本発明は、上記実施の形態において示した携帯電話機におけるメールの既読化方法であってもよいし、当該方法を実現させるために、携帯電話機のコンピュータに読み込ませて実行させるプログラムであってもよい。
(2)上記実施の形態においては、フォントや文字のサイズについては特に記述せず、全角表示若しくは半角表示の場合についてのみ考慮し、メール本文の全てがプレビュー表示欄に表示されるかどうかの判定を行った。しかし、プレビュー表示欄で表示される文字のフォントは、ユーザの好みによって変更されることも考えられる。
【0051】
本発明に係る携帯電話機は、そのように複数のフォントに対応し、各フォントに応じて、メールの本文がプレビュー表示欄に収まるかどうかを判定する構成にしてもよい。
この場合、携帯電話機は、予め記憶部140に各種の文字フォントのほか、図7に示したような各フォントにおいて、その文字がプレビュー表示欄において、どの程度のスペースを占有するのかを示した一覧を保持する必要がある。
【0052】
図7に示すようにフォント表700は、フォント欄701と、文字サイズ702と、プレビュー表示領域占有文字数703とを含んで構成される。
フォント欄701は、各種フォントを識別するためのフォントの名称が記載されている。
文字サイズ702は、そのフォントで表示する際の文字のサイズを示しており、ここでは文字サイズ12と8の場合を示している。ここでは示さなかったが、12と8以外の場合もあってもよい。
【0053】
そしてプレビュー表示領域占有文字数703においては、そのフォントにおける1文字がプレビュー表示領域において横方向で占有する領域を数値で表しており、その占有する領域は、ここでは、MSゴシックの全角を1として、換算した値を示している。ここでは、「MSゴシック」や「MS明朝」なら全角と半角の場合、「Century」なら、大文字と小文字の場合の占有する値を示したが、更にフォントによっては文字ごとに占有する領域が異なることもあるので、その場合には、各文字ごとに占有する領域の値を記憶しておく必要がある。
【0054】
そして、制御部160が、メール本文の全てがプレビュー表示欄に収まるかどうかを判定する際に、使用しているフォントに対応する各文字の占有する領域の値に基づいて、メール本文の合計占有領域がプレビュー表示領域の領域数以下になるかどうかに基づいて判定する構成にしてもよい。
(3)上記実施の形態においては、単に判定手段は文字が現在の文字サイズでプレビュー表示欄に収まるかどうかを判定したのみであったが、更に制御部160が文字サイズを変更した場合に、プレビュー表示欄に収まるかどうかを判定してもよい。
【0055】
そして、その他の文字サイズ、つまり現在の文字サイズよりも小さい文字サイズにしてメール本文がプレビュー表示欄内に収まる場合には、文字サイズを小さくして表示してもよい。この場合には変形例(2)で示したようなフォント表に更に高さに関する占有領域の値を記憶しておく必要がある。
文字サイズを小さくすることで表示できる受信メールの一表示例を図8に示した。図3(b)において示したように文字サイズが図7でいうところの12であった場合には、メール本文の全てが記載されなかったが、そのサイズを8に変更することで、図8に示すようにプレビュー表示欄801にメール本文全てが表示されることになる。
【0056】
そして更新手段162は、メールの本文全てがプレビュー表示欄801に表示されたので、受信メール151のメール003の未読/既読情報が未読であった場合に、既読にする。
(4)上記実施の形態においては、図6に示したように改行コードを考慮した制御を行っている。この改行コードについては、その他にも、次のような構成にしてもよい。
【0057】
例えば、判定手段161は、改行コードが存在する場合に、改行コードが挿入された行において、そこまで表示されている文字数を算出し、その行で表示できたはずの残りの文字数を合計文字数に足し、合計した文字数が17文字以内に収まるかどうかを判定する構成である。
(5)上記実施の形態において、未読/既読情報の処理については、既に「既読」となっていても、全てプレビュー表示された場合に、「既読」に更新するようにしてもよいし、プレビュー表示の段階で、既に「既読」になっていた場合には、本文全てがプレビュー表示する判定を行わなくてもよい。
(6)上記実施の形態においては、情報通信端末として携帯電話機を例に説明したが、これは、メールを受信して、受信メール一覧と共に、プレビュー表示する機能を有する端末であれば、携帯電話機でなくともよい。携帯電話機の代わりとしては、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)などがある。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る携帯電話機は、簡単にメールを閲覧することができる携帯電話機として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】携帯電話機の機能構成を示した機能ブロック図である。
【図2】携帯電話機に記憶されている受信メールのデータの一例を示す図である。
【図3】(a)は、携帯電話機におけるプレビュー表示の一例を示す図である。(b)は、携帯電話機におけるプレビュー表示の一例を示す図である。
【図4】プレビュー表示された場合に図2に示した受信メールのデータの変化後のデータの一例を示した図である。
【図5】(a)は、未読のメールがない場合の待ち受け画面の表示例を示す図である。(b)は、未読のメールがある場合の待ち受け画面の表示例を示す図である。
【図6】携帯電話機におけるプレビュー表示の既読処理を示したフローチャートである。
【図7】携帯電話機が記憶している、プレビュー表示に用いるフォントと各フォントにかかるデータの一例を示す図である。
【図8】携帯電話機においてプレビュー表示の文字サイズを変形した場合の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
100 携帯電話機
110 通信部
111 アンテナ
120 操作部
130 音声処理部
131 マイク
132 スピーカ
140 表示部
150 記憶部
151 受信メール
160 制御部
161 判定手段
162 更新手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信メールの一覧と共に、メールの本文の少なくとも一部を所定表示領域に表示する情報通信端末であって、
メールを受信する受信手段と、
受信メールを、当該受信メールが閲覧されたか否かを示す未読/既読情報と共に記憶する記憶手段と、
受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、受信メールの本文全てが表示されていると判定された場合に、前記記憶手段の当該受信メールに関する未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新する更新手段と、
前記判定手段により、前記本文の文字数が、前記表示可能な文字数より多いと判定された場合に、前記所定表示領域で表示される文字のサイズを変更することで、受信メールの本文全文が表示可能になるかどうかを判定し、可能な場合に文字サイズを変更して前記所定表示領域に表示させる変更表示手段とを備えることを特徴とする情報通信端末。
【請求項2】
前記情報通信端末は、更に、
前記受信メールの中からカーソル操作により、一のメールを選択する選択操作を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により選択状態になっている一のメールの本文をその先頭から前記所定表示領域に表示可能なだけ表示するプレビュー表示手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の情報通信端末。
【請求項3】
前記更新手段は、
前記選択受付手段により一のメールが選択されて、当該一のメールの本文の一部または全部が前記所定表示領域に表示されてから、所定時間経過した場合に、前記更新を実行することを特徴とする請求項2記載の情報通信端末。
【請求項4】
前記情報通信端末は、更に、
前記選択受付手段により選択状態になっている一のメールの本文を、受信メールの一覧を表示せずに、表示するための表示操作を受け付ける表示受付手段と、
前記表示受付手段において選択された一の受信メールの本文全文を表示する全文表示手段とを備え、
前記更新手段は、前記表示受付手段において一の受信メールの選択を受け付けて一の受信メールの本文を前記表示手段が表示した場合において、前記記憶手段の当該一の受信メールの未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新することを特徴とする請求項1記載の情報通信端末。
【請求項5】
前記更新手段は、前記受信メールの前記記憶手段において記憶されている未読/既読情報が、未読を示す情報である場合にのみ、既読を示す情報に更新することを特徴とする請求項4記載の情報通信端末。
【請求項6】
前記情報通信端末は、更に、
受信メールの未読/既読情報が未読を示す情報であった場合に、未読を示すアイコンを待ち受け画面に表示する未読アイコン表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報通信端末。
【請求項7】
受信メールの一覧と共に、当該一覧からカーソルにより選択されているメールの本文の少なくとも一部を所定表示領域に表示する携帯電話機におけるメール既読化方法であって、
メールを受信する受信ステップと、
受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、受信メールの本文全てが表示されていると判定された場合に、当該受信メールが閲覧されたかどうかを示す未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新する更新ステップと、
前記判定ステップにより、前記本文の文字数が、前記表示可能な文字数より多いと判定された場合に、前記所定表示領域で表示される文字のサイズを変更することで、受信メールの本文全文が表示可能になるかどうかを判定し、可能な場合に文字サイズを変更して前記所定表示領域に表示させる変更表示ステップとを備えることを特徴とするメール既読化方法。
【請求項8】
受信メールの一覧と共に、当該一覧からカーソルにより選択されているメールの本文の少なくとも一部を所定表示領域に表示する携帯電話機において、当該携帯電話機のコンピュータに受信メールを既読化させるための処理手順を示したメール既読化プログラムであって、
前記処理手順は、
メールを受信する受信ステップと、
受信メールの本文全てが前記所定表示領域に表示されているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、受信メールの本文全てが表示されていると判定された場合に、当該受信メールが閲覧されたかどうかを示す未読/既読情報を当該受信メールが閲覧されたことを示す情報に更新する更新ステップと、
前記判定ステップにより、前記本文の文字数が、前記表示可能な文字数より多いと判定された場合に、前記所定表示領域で表示される文字のサイズを変更することで、受信メールの本文全文が表示可能になるかどうかを判定し、可能な場合に文字サイズを変更して前記所定表示領域に表示させる変更表示ステップとを備えることを特徴とすることを特徴とするメール既読化プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−104622(P2009−104622A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311779(P2008−311779)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【分割の表示】特願2006−307089(P2006−307089)の分割
【原出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】