説明

情報通信装置、情報通信システム、及び情報通信方法

【課題】プレゼンスシステムにおけるプレゼンス情報の通知先が確実且つ適切に引き継がれることを可能とする情報通信システム、情報通信方法、及び情報通信装置を提供する。
【解決手段】ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の内の許可されたウォッチャのウォッチャ端末装置3aへプレゼンス情報が通知されている場合に、許可されたウォッチャがプレゼンス情報の通知を受け付けない状態であるか否かに基づいてプレゼンスサーバ装置1が自動的に通知先の変更要否を判定し、次の通知先を決定して変更し、その後は次の通知先へプレゼンス情報を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人、物、機器等のオブジェクトの在否情報、属性情報、位置情報等の各種プレゼンス情報が、中央装置から許可された端末装置へ自動的に通知される情報通信システムに関する。特に、プレゼンス情報の通知先が確実且つ適切に引き継がれることを可能とする情報通信装置、情報通信システム、及び情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信インフラストラクチャの普及が進んだことにより、通信装置のネットワークへの常時接続が可能になった。そこで、ネットワークに接続している通信装置を使用する人間の在否等、状態を示す情報を通信装置間で通知しあうことが可能なプレゼンス(presence)システムと呼ばれる情報通信システムがある。
【0003】
プレゼンスシステムでは、人、物、機器等のオブジェクトの現在の状態であるプレゼンス情報が更新された場合、プレゼンス情報が変更されたときに通知を要求する変更通知を依頼したオブジェクトであって且つ、その依頼が許可されているオブジェクトへ、プレゼンス情報がリアルタイムに通知される。なお、この場合、変更通知を許可又は拒否し、プレゼンス情報を提供する側のオブジェクトを「プレゼンティティ(presentity)」と呼ぶ。また、変更通知を依頼してプレゼンス情報が変更された場合にプレゼンス情報を受信することにより、プレゼンティティのプレゼンス情報を監視するオブジェクトを「ウォッチャ(watcher)」と呼ぶ。また、プレゼンス情報が変更されたときに通知されることをウォッチャが希望し、その通知を受け付けることを「プレゼンス情報の購読」と呼び、ウォッチャがプレゼンティティへ変更通知を依頼することを購読依頼と呼ぶ。
【0004】
近年、ネットワークを介して情報をリアルタイムに送受信する機会が増加している。例えば、人と人とが情報交換を行なう場合、またはあるシステムにおける情報を他のシステムへ送信する場合、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを利用して物を検出した時にシステムへ情報を送信する場合等がある。リアルタイムに情報を送受信することができる点を利用し、多様なシステムへのプレゼンスシステムの適用の拡大が予想される。
【0005】
従来のプレゼンスシステムでは、ウォッチャがプレゼンティティのプレゼンスを購読する場合、プレゼンス購読可否について当該プレゼンティティへ問い合わせが行なわれる。この場合、プレゼンティティはプレゼンス情報を購読するウォッチャ毎に購読の可否を判断し、購読可否の問い合わせに対して応答する。プレゼンティティがプレゼンス購読を許可したときは、その後プレゼンティティがプレゼンス情報を更新する都度、ウォッチャへプレゼンス情報が通知される。プレゼンティティがプレゼンス購読を拒否したときは、その後プレゼンティティがプレゼンス情報を更新したとしても、プレゼンス情報はウォッチャへ通知されない。
【0006】
上述のようにプレゼンスシステムでは、事前にウォッチャがプレゼンティティのプレゼンス情報の購読を依頼し、それに応じてプレゼンティティが購読を許可したウォッチャへのみプレゼンス情報が通知される。
【0007】
一方、ウォッチャが使用する通信装置が停止している場合、ウォッチャが不在である場合等はウォッチャはプレゼンス情報を受け付けない。この場合、プレゼンス情報の内容によっては、リアルタイムに確認されるべきであっても、プレゼンス情報が通知されない。したがって、このようなプレゼンス情報に対しては、確実にいずれかのウォッチャへ通知されるための仕組が必要である。
【0008】
これを解決する一つの方法として、ウォッチャがプレゼンス情報を受け付けない状態へ遷移するに際し、当該ウォッチャが使用する通信装置を通知先としていたプレゼンス情報の通知先を、他の代行通知先へ変更する技術が提案されている。
【0009】
特許文献1には、ウォッチャがプレゼンス情報を受け付けない状態となる前に、ウォッチャはプレゼンス情報の代行通知先を選択して通知先変更要求を発行し、通知先変更要求を受け付けたプレゼンスシステムが、事前に設定されてある変更可否条件に基づいて通知先変更要求の可否を判定する技術が開示されている。この場合、プレゼンスシステムが通知先変更要求に対して変更を可と判定したときには、プレゼンス情報の通知先が変更される。またこの技術では、ウォッチャは、通知先変更要求を発行するに際し変更期間を指定することが可能であり、通知先変更要求が発行された後、変更期間が経過した場合に通知先が元のウォッチャに変更される技術が開示されている。
【0010】
また、非特許文献1には、ウォッチャがプレゼンス情報を受け付けない状態である場合、ウォッチャによって指定されたメールアドレスへプレゼンス情報を転送する技術が開示されている。この場合、ウォッチャは自身がプレゼンス情報を受け付けない状態となる前に、自身又は他のウォッチャの他の通信装置へプレゼンス情報を転送するようにメールアドレスを指定する。これにより、ウォッチャがプレゼンス情報を受け付けない状態であっても、いずれかのウォッチャへプレゼンス情報が通知される。
【特許文献1】特開2006−209193号公報
【非特許文献1】富士通株式会社、“利用者の状況に応じたプッシュ型の情報配信を実現するソフトウェア「FLAIRINC(フレアリンク)(登録商標)」発売開始”、[online]、平成14年12月2日、[平成19年10月2日検索]、インターネット〈URL:http://pr.fujitsu.com/jp/news/2002/12/2.html〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、ウォッチャがプレゼンス情報を受け付けない状態へ遷移する都度、ウォッチャ自身が次の代行通知先を指定して変更要求を通知する必要があり、ウォッチャにとって操作が煩雑である。また、ウォッチャは変更期間を指定することが可能であるが、変更期間が経過した時点でウォッチャが通信可能状態へ遷移しているか否かに拘わらず、通知先が元に戻される。したがって、元の通知先であったウォッチャが未だプレゼンス情報を受け付けない状態であってもプレゼンス情報の通知先が元に変更される。
【0012】
また、非特許文献1に開示されている技術では、ウォッチャが指定する次の通知先へプレゼンス情報が転送され、次の通知先へのプレゼンス情報の通知の可否についてプレゼンティティへ問い合わせは行なわれない。電子メールを使用しているので、プレゼンス情報の内容が即時性を要求するものである場合は、リアルタイムにプレゼンス情報が通知されずに要求は満たされない。
【0013】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ウォッチャの状態に応じて変更要否を判定し、通知先(ウォッチャ)を自動的に変更する構成とすることにより、確実で適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎを可能とする情報通信装置、情報通信システム、及び情報通信方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の目的は、プレゼンス情報の通知先を変更するに際し、通知元へ変更可否の問い合わせが行なわれる構成とすることにより、通知元にとって意図しない通知先へプレゼンス情報が通知されることを回避し、適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎを可能とする情報通信装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、元のウォッチャが使用する端末装置がプレゼンス情報を受信できる状態へ遷移した場合にプレゼンス情報の通知先を元のウォッチャへ戻すことが可能な構成とすることにより、適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎを可能とする情報通信装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、通知元のプレゼンティティからの問い合わせ結果を保存しておく構成とすることにより、後に、一度許可された通知先への変更を問い合わせすることなしに行なうことができ、効率的で適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎを可能とする情報通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1発明に係る情報通信装置は、プレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段と、前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置の内、通知が許可される一又は複数の外部装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段と、プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段と、該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段と、前記受付手段により通知を受け付けたプレゼンス情報を、変更後の通知先へ通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第2発明に係る情報通信装置は、第1発明において、前記変更手段は、前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置から、一又は複数の次の通知先候補を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した次の通知先候補への変更可否についてプレゼンス情報の通知元へ問い合わせ処理を行なう問い合わせ手段とを備え、該問い合わせ手段の問い合わせに対する前記通知元からの応答が変更可を示す通知先候補を次の通知先として変更するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
第3発明に係る情報通信装置は、第2発明において、前記問い合わせ手段の問い合わせに対する前記通知元からの応答が変更不可を示す場合、前記抽出手段により他の通知先候補を抽出し、抽出した他の通知先候補への変更可否について前記問い合わせ手段により再度問い合わせるようにしてあることを特徴とする。
【0020】
第4発明に係る情報通信装置は、第1乃至第3発明において、前記変更手段は、通知先を変更するに際し、通知先に対応付けて変更前の通知先を示す情報を記憶する手段と、変更前の通知先に対応付けて変更後の通知先を示す情報を記憶する手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第5発明に係る情報通信装置は、第4発明において、通知先の変更後、変更前の通知先の状態情報に基づき前記変更要否判定手段が変更不要と判定した場合、変更後の通知先へのプレゼンス情報の通知を停止する手段を備え、前記変更手段は、変更前の通知先を通知先とするようにしてあることを特徴とする。
【0022】
第6発明に係る情報通信装置は、第2乃至第5発明において、前記問い合わせ手段に応じた通知元からの変更可否の応答に基づいて、プレゼンス情報の通知元毎に、通知先として許可/拒否される外部装置を示す変更可否情報を作成して記憶する作成手段を備え、前記変更手段は、前記変更可否情報に基づき通知先として許可される外部装置を次の通知先と決定するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
第7発明に係る情報通信システムは、プレゼンス情報を通知する手段を備える一又は複数の第1端末装置と、プレゼンス情報の通知を受け付ける手段を備える複数の第2端末装置と、前記第1及び第2端末装置間の通信を中継する中央装置とを含む情報通信システムであって、前記中央装置は、前記第1端末装置からプレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段と、前記第2端末装置の内、通知が許可される一又は複数の第2端末装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段と、該通知先記憶手段が記憶している通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段と、該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段と、プレゼンス情報が通知された場合、前記変更手段が変更した後の通知先へ前記プレゼンス情報を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
第8発明に係る情報通信方法は、プレゼンス情報を通知する手段を備える一又は複数の第1端末装置、及び、プレゼンス情報の通知を受け付ける手段を備える複数の第2端末装置間の通信を、中央装置が中継する情報通信方法であって、前記中央装置は、前記第2端末装置の内、プレゼンス情報の通知が許可される一又は複数の第2端末装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶しておき、プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得し、取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定し、変更要と判定した場合、前記状態情報に基づき次の通知先を決定して変更し、変更後の通知先を、通知先として記憶し直し、プレゼンス情報の通知を受け付けた場合、変更後の通知先へ前記プレゼンス情報を通知することを特徴とする。
【0025】
第1発明、第7発明及び第8発明では、外部装置(第1端末装置)からのプレゼンス情報の通知が許可される外部装置(第2端末装置)へプレゼンス情報が通知されるに際し、通知先の状態を示す状態情報に基づいて、通知先の変更の要否が判定される。変更要と判定された場合、次の通知先が決定される。そして、決定された次の通知先へ通知先が変更され、以降は変更後の通知先の外部装置(第2端末装置)へプレゼンス情報が通知される。また、変更後の通知先の状態に基づいて変更要と判定された場合、更に、次の通知先が決定されて変更される。これにより、許可されていた通知先がプレゼンス情報を受け付けられない状態へ遷移した場合であっても、他のいずれかの通知先の外部装置(第2端末装置)へプレゼンス情報が通知される。
【0026】
第2発明では、通知先の状態情報に基づき通知先の変更が必要であると判定された場合、一又は複数の次の通知先候補が抽出される。抽出された通知先候補についての変更可否が通知元に問い合わせられ、問い合わせへの返信が変更可とされた通知先候補が次の通知先として決定され、実際に変更される。複数の通知先候補が抽出された場合、一度に各通知先候補についての変更可否が問い合わせられてもよいし、一つずつ変更可否が問い合わせられてもよい。
【0027】
第3発明では、第2発明において通知先候補について変更可否が問い合わせられ、問い合わせへの返信が変更不可とされた場合、新たに通知先候補が抽出され、問い合わせ処理が再度行なわれる。
【0028】
第4発明では、第1乃至第3発明のいずれかにおいて通知先が変更されるに際し、変更後の通知先には変更前の通知先が対応付けて記憶され、変更前の通知先には変更後の通知先が対応付けられて記憶される。変更後の通知先に変更前の通知先を示す情報が記憶されるので、変更後の通知先が引き継がれたものであることを認識することが可能となる。
【0029】
第5発明では、第4発明で記憶されている変更前の通知先の状態情報に基づき、変更前の通知先が通知を受け付ける状態となった等、変更不要と判定される状態である場合に、変更後の通知先へのプレゼンス情報の通知が停止され、通知先が元の通知先へ戻される。
【0030】
第6発明では、第2発明乃至第5発明のいずれかにおいて通知元の端末装置へ問い合わせ処理が行なわれる場合に更に、問い合わせへの返信に基づいて変更先として許可/拒否される外部装置(第2端末装置)を示す変更可否情報が作成される。次に通知先が変更される際に、問い合わせ処理が行なわれることなしに許可される外部装置(第2端末装置)を通知先として決定することが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明による場合、許可されている通知先の状態に応じて通知先の変更要否が判定され、自動的に次の通知先が決定される。したがって、次の通知先の指定を伴う変更要求が必要ない。通知先の状態に応じて、通知を受け付ける外部装置(第2端末装置)を通知先とするように変更されるので、適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎが可能となり、プレゼンス情報はいずれかの端末装置へ確実に通知される。なお、通知先の状態に拘わらず変更要求を受け付け、当該変更要求に応じて通知先を変更する処理を併せて行なう構成としてもよい。
【0032】
本発明による場合、次の通知先を決定するに際し、次の通知先候補が抽出され、通知先候補についての変更可否が通知元へ問い合わせられる。通知元から変更可と返信された場合に限り、変更可とされた通知先候補が次の通知先として変更されるので、通知元にとって意図しない通知先へプレゼンス情報が通知されることを回避し、確実で適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎが可能となる。
【0033】
本発明による場合、次の通知先候補についての変更可否が通知元へ問い合わせられ、通知元から変更不可と返信された場合には、新たに他の通知先候補についての問い合わせが行なわれる。これにより、通知元にとって意図しない通知先へプレゼンス情報が通知されることを回避し、確実で適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎが可能となる。
【0034】
本発明による場合、変更後の通知先が、他のプレゼンス情報の通知先を引き継いでいることを認識することでき、更に変更前の通知先が対応付けられるので、変更前の通知先を認識することができる。これにより、変更前の通知先がプレゼンス情報を受け付ける状態になった場合に通知先を元に戻すことができ、確実で適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎが可能となる。
【0035】
本発明による場合、変更前の通知先が変更不要と判定される状態である場合に、通知先が元の通知先へ戻されるので、変更前の通知先が依然としてプレゼンス情報を受け付けない状態であるにも拘わらず、元の通知先へ戻されることが回避され、確実で適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎが可能となる。
【0036】
本発明による場合、一度問い合わせに対する変更可否が返信された通知先候補についての問い合わせは繰り返し行なわれないので、通知元における処理が軽減され、効率的で確実且つ適切なプレゼンス情報の通知先の引き継ぎが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
【0038】
(実施の形態1)
実施の形態1では、介護サービスに利用され、被介護者である利用者の状態がリアルタイムにサービス提供者へ確実に通知されることが要望される介護支援システムに、本発明に係る情報通信システムを適用した場合の例を挙げて説明する。
【0039】
図1は、実施の形態1における介護支援システムの構成の概要を模式的に示す説明図である。介護支援システムは、インターネット等のネットワークNに接続されているプレゼンスサーバ装置1と、プレゼンス端末装置2,2,…と、複数のウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…とを備えてプレゼンスシステムを構成している。
【0040】
実施の形態1での介護支援システムは、介護サービスにおけるヘルパー(介護者)による被介護者の状況把握、被介護者(又はその補助者)との連絡等に利用される。介護支援システムにおけるウォッチャは各利用者へのサービスを実施するヘルパー、及び、ヘルパーを管理する管理者を含むサービス提供者である。サービス提供者となるウォッチャは夫々、ウォッチャIDが割り振られている。実施の形態1では、サービス提供者のウォッチャIDは「user1」、「user2」、「user3」、及び「user4」であり、各ウォッチャはウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3dを使用している。また、実施の形態1の介護支援システムにおけるプレゼンティティは介護サービスの利用者である被介護者である。実施の形態1では、被介護者のプレゼンティティIDは「user5」、「user6」、「user7」、「user8」、…である。なお、後述するようにサービス提供者のプレゼンス情報に応じて処理が行なわれ、ウォッチャもまたプレゼンティティである。ウォッチャのプレゼンティティ情報もウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3dからプレゼンスサーバ装置1へ通知される。プレゼンス情報としては、在否のみならず、利用者及びサービス提供者の状態、属性も含む。
【0041】
被介護者のプレゼンス情報を通知するプレゼンス端末装置2,2,…は、被介護者(又は補助者)が所有するPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機等のコンピュータ装置である。ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…は、サービス提供者に管理されるPC、PDA、携帯電話機等のコンピュータ装置であり、サービス提供者であるヘルパー、ヘルパーの管理者等によって使用される。
【0042】
プレゼンス端末装置2,2,…及びウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…はネットワークNに接続され、夫々プレゼンスサーバ装置1と通信することが可能である。プレゼンス端末装置2,2,…及びウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…が無線通信の可能な携帯型端末装置である場合、アクセスポイントAPを介してネットワークNに接続される。
【0043】
被介護者のプレゼンス情報は、まずプレゼンス端末装置2からプレゼンスサーバ装置1へ通知され、プレゼンスサーバ装置1を経由して、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ通知される。このとき、プレゼンス情報は全てのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ通知されるのではなく、一部の許可されたウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…のいずれかへ通知される。
【0044】
例えば、被介護者(プレゼンティティID「user5」)の担当ヘルパー等、被介護者の状況を把握すべきサービス提供者(ウォッチャID「user1」)は、自身が使用するウォッチャ端末装置3aから担当する被介護者のプレゼンス情報の購読依頼を行なう。プレゼンス情報の購読依頼はプレゼンスサーバ装置1で受け付けられる。そしてプレゼンスサーバ装置1により、被介護者が使用するプレゼンス端末装置2へ、購読依頼を許可するか又は拒否するかを問い合わせる処理が行なわれる。被介護者が使用するプレゼンス端末装置2から、問い合わせに対して購読許可の返信があった場合に、ウォッチャ端末装置3aのプレゼンス情報の購読依頼が許可され、以後、ウォッチャID「user1」が使用するウォッチャ端末装置3aへ、プレゼンティティID「user5」のプレゼンス情報が通知される。
【0045】
このように、被介護者のプレゼンス情報は、購読依頼が許可されたウォッチャ端末装置3bへ通知され、例えば被介護者から担当ヘルパーへ介護の依頼をリアルタイムに通知することができる介護サービスを実現することができる。
【0046】
ところで、被介護者のプレゼンス情報は確実に通知されるべきであるところ、担当ヘルパーが不在である場合、出張中である場合等により、購読依頼が許可されていたウォッチャのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…がプレゼンス情報の通知を受け付けない場合、被介護者のプレゼンス情報がいずれのウォッチャのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へも通知されない状況が生じうる。この場合、担当ヘルパーがプレゼンス情報を受け付ける状態へ復帰するまで被介護者が介護サービスを享受できない状態となり望ましくない。
【0047】
そこで、実施の形態1における介護支援システムでは、被介護者のプレゼンス情報の通知が許可されたウォッチャ端末装置3aが、プレゼンス情報の通知を受け付けられない状態にある場合、他のウォッチャ端末装置3b,3c,3d,…のいずれかへ、プレゼンス情報の通知先が適切に引き継がれるように、プレゼンスサーバ装置1が通知先を変更する処理を行なう。これにより、被介護者のプレゼンス情報が通知されない事態を回避することができる。
【0048】
以下に、ウォッチャ端末3a,3b,3c,3d,…間における通知先の適切な引き継ぎを実現するための介護支援システムの構成及び処理の詳細について説明する。
【0049】
図2は、実施の形態1における介護支援システムを構成するプレゼンスサーバ装置1、プレゼンス端末装置2、及びウォッチャ端末装置3aの内部構成を示すブロック図である。ウォッチャ端末装置3b,3c,3d,…の内部構成はウォッチャ端末装置3aの内部構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0050】
プレゼンスサーバ装置1はサーバコンピュータ装置で構成されており、各構成部を制御するCPU(Central Processing Unit)を利用した制御部10と、ハードディスクを利用した記憶部11と、制御部10の処理により発生する各種情報を一時的に記憶するDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)の一時記憶領域12と、ネットワークNを介した通信を実現するネットワークカードを利用した通信部13と、ディスクドライブを利用した補助記憶部14とを備える。
【0051】
プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、サーバコンピュータ装置が本発明に係る情報通信システム、即ちプレゼンスサーバ装置1として動作するための制御プログラム1Pが記憶されている。制御部10は、記憶部11から制御プログラム1Pを一時記憶領域12に読み出して実行することにより、サーバコンピュータ装置をプレゼンスサーバ装置1として動作させる。制御プログラム1Pは、CD−ROM、DVD−ROM等の可搬型記憶媒体15から制御部10が補助記憶部14により取得する構成としてもよいし、ネットワークNを介して他の装置から取得する構成としてもよい。
【0052】
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、通信部13により後述するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…からのプレゼンス情報の購読依頼を受け付け、受け付けた購読依頼についてプレゼンス端末装置2,2,…へ問い合わせを行なう。この問い合わせに対する応答に応じて、いずれのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…への購読依頼が許可されたか否かを記憶しておき、プレゼンス端末装置2,2,…から通知されるプレゼンス情報を通信部13により受信した場合、許可されたウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ通知するようにしてある。
【0053】
プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、ウォッチャID及びプレゼンティティIDのリストが記憶されている。また、記憶部11には、いずれのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から購読が依頼されており、いずれのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報を通知すべきかを示すバディリスト及び通知先リストが記憶されている。プレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されているバディリスト及び通知先リストについては後述する。
【0054】
また、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…からウォッチャのプレゼンス情報の通知を受け付ける。即ち、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…も、プレゼンス端末装置2として動作する。制御部10は、ウォッチャのプレゼンス情報を変更条件に照らし、通知先の変更要否を判定する。制御部10は、変更要と判定した場合に引き継ぎ先候補を決定し、問題がないと判断した場合は引き継ぎ先候補へプレゼンス情報の通知先を変更する。なお、実施の形態1では、被介護者(又は補助者)の意図しない者にプレゼンス情報が通知されないよう、制御部10は変更可否を被介護者(又は補助者)へ問い合わせるため、プレゼンス端末装置2,2,…へ問い合わせ処理を行なう構成とする。
【0055】
プレゼンス端末装置2は、各構成部を制御するCPU、MPU(Micro Processing Unit)等を利用した制御部20と、ハードディスク、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の記憶媒体を利用した記憶部21と、制御部20の処理により発生する各種情報を一時的に記憶するDRAM、SRAM、EEPROM等のメモリを利用した一時記憶領域22と、入力操作を受け付けるキーボード、マウス、操作キーを含む入力部23と、ネットワークNを介した通信を実現するネットワークカードを利用した通信部24と、各種情報を表示するディスプレイを含む表示部25とを備える。
【0056】
プレゼンス端末装置2の制御部20は、PC、PDA、携帯電話機等のコンピュータ装置がプレゼンス端末装置2として動作するように記憶部21に記憶してある被介護者用プレゼンスアプリケーションプログラムを一時記憶領域22に読み出して実行する。制御部20は、記憶部21に記憶してある被介護者プレゼンスアプリケーションプログラムを一時記憶領域22に読みだして実行することにより、被介護者(又は保護者)が各種情報を閲覧又は入力するための画面を表示部25に表示させる。
【0057】
プレゼンス端末装置2の制御部20は、被介護者(又は補助者)による被保護者のサービス依頼を含むプレゼンス情報の入力操作を入力部23で受け付ける。制御部20は、入力部23により被介護者のプレゼンス情報の入力を受け付けた場合、入力されたプレゼンス情報を通信部24によりネットワークNを介してプレゼンスサーバ装置1へ送信する。
【0058】
また、制御部20は、プレゼンスサーバ装置1から購読依頼についての購読可否の問い合わせ、又は変更可否の問い合わせ処理が行なわれた場合、被介護者(又は補助者)が確認できるように表示部25へ問い合わせ内容を表示するようにしてある。制御部20は、被介護者による問い合わせに対する応答についての入力を入力部23により受け付け、入力された情報に基づいてプレゼンスサーバ装置1へ応答するようにしてある。
【0059】
ウォッチャ端末装置3aは、各構成部を制御するCPU、MPU等を利用した制御部30と、ハードディスク、EEPROM等の記憶媒体を利用した記憶部31と、制御部30の処理により発生する各種情報を一時的に記憶するDRAM、SRAM、EEPROM等のメモリを利用した一時記憶領域32と、入力操作を受け付けるキーボード、マウス、操作キー等の入力部33と、ネットワークNを介した通信を実現するネットワークカードを利用した通信部34と、各種情報を表示するディスプレイを含む表示部35とを備える。
【0060】
ウォッチャ端末装置3aの記憶部31には、PC、PDA、携帯電話機がウォッチャ端末装置3aとして動作するためのヘルパー用プレゼンスアプリケーションプログラムが記憶されている。制御部30は、記憶部31に記憶されているヘルパー用プレゼンスアプリケーションプラグラムを一時記憶領域32に読み出して実行することにより、介護ヘルパー等のサービス提供者が、プレゼンス情報を含む各種情報を閲覧するための画面、又は購読依頼のための各種情報を入力するための画面等を表示部35に表示させる。
【0061】
ウォッチャ端末装置3aの制御部30は、プレゼンス情報の購読依頼を通信部34によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する。制御部30は、プレゼンスサーバ装置1で経由されて通知されるプレゼンス情報を通信部34により受信する。制御部30は、ウォッチャのプレゼンス情報を通信部34によりネットワークNを介してプレゼンスサーバ装置1へ送信する。ウォッチャのプレゼンス情報は、後述するように自動的に制御部30が、ヘルパー用プレゼンスアプリケーションの起動/終了に応じて通信部34により送信するプレゼンス情報以外に、サービス提供者によるプレゼンス情報の入力を入力部33により受け付けたものでもよい。
【0062】
上述のように構成される介護支援システムにおいて、まず、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から被介護者のプレゼンス情報の購読依頼がなされる場合の処理について説明する。
【0063】
図3は、実施の形態1におけるウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の表示部35に表示される画面例を示す説明図である。図3の説明図に示す画面例は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の記憶部31に記憶してあるヘルパー用プレゼンスアプリケーションプログラムを制御部30が読み出して実行することにより表示される。
【0064】
図3の説明図に示す画面例は、制御部30が表示部35にウォッチャを識別するウォッチャIDの入力画面を表示した場合に、ヘルパー又はヘルパーの管理者によってウォッチャIDが入力され、入力されたウォッチャIDをプレゼンスサーバ装置1に送信して認証されたときに表示部35に表示される画面例である。なおこのとき制御部30は、認証されたウォッチャIDを一時記憶領域32に記憶しておき、ヘルパー用プレゼンスアプリケーションが終了して画面が閉じられるまで保持しておくようにしてある。
【0065】
なお、図3の説明図に示した画面例は、ウォッチャがウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…でウォッチャIDにより介護支援システムにログインした場合に、プレゼンスサーバ装置1の動作によってウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ送信される画面データに基づいて表示部35に表示される構成でもよい。
【0066】
図3の説明図に示される画面例は、ツールバー301とプレゼンス情報表示エリア302とで構成される。プレゼンス情報表示エリア302には、ログインしたウォッチャIDに対して通知が許可されたプレゼンス情報の最新情報のリストがリアルタイムに更新されて表示される。図3の画面例では、夫々プレゼンティティIDが「user5」である被介護者「ユーザ5」及び「user6」である被介護者「ユーザ6」からの依頼内容を表す最新のプレゼンス情報が表示されている。また、各プレゼンス情報には更新された日時が対応付けられて表示されている。なお、太字で表示されているプレゼンス情報は、例えば最近24時間以内等の所定時間以内に更新されたプレゼンス情報である。
【0067】
ツールバー301には、ヘルパーによる入力操作を受け付けるボタンが表示されている。図3の説明図に示される画面例では、「登録」ボタン303、「メッセージ」ボタン304及び「終了」ボタン305が表示されている。
【0068】
図3の画面例における「登録」ボタン303は、ウォッチャであるサービス提供者が被介護者のプレゼンス情報の購読を依頼する際に使用されるボタンである。サービス提供者は、入力部33のマウス等を操作して「登録」ボタン303を押下することにより、所望の被介護者のプレゼンス情報の購読依頼のための入力操作をすることができる。
【0069】
図3の画面例の「メッセージ」ボタン304は、ウォッチャであるサービス提供者が被介護者へメッセージを送信するために使用されるボタンである。サービス使用者は、入力部33のマウス等を操作して「メッセージ」ボタン304を押下することにより、メッセージの送信先、メッセージの内容を入力することができる。
【0070】
図3の画面例の「終了」ボタン305は、プレゼンスサーバ装置1との接続を切断し、ヘルパー用プレゼンスアプリケーションの終了を制御部30に指示するためのボタンである。
【0071】
図4は、実施の形態1におけるウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の表示部35に、プレゼンス情報の購読依頼時に表示される画面例を示す説明図である。図4の説明図に示す画面例は、図3の画面例の「登録」ボタン303が入力部33によって押下されたことを制御部30が検知した場合に表示される。
【0072】
図4の画面例では、プレゼンス情報の購読を依頼する被介護者のプレゼンティティIDを入力する編集ボックス306、プレゼンス情報表示エリア302に表示する際の表示名(プレゼンティティ名)を入力する編集ボックス307、プレゼンス情報の購読依頼を制御部30に指示するための「登録」ボタン308、「登録」の処理の中止を制御部30に指示するための「キャンセル」ボタン309が表示されている。サービス提供者は、編集ボックス306にプレゼンス情報の購読を依頼する被介護者のプレゼンティティIDを入力し、編集ボックス306にプレゼンス情報を表示する際の表示名を入力し、「登録」ボタン308を押下することにより、入力したプレゼンティティIDの被介護者のプレゼンス情報について購読依頼処理を制御部30に行なわせることができる。
【0073】
制御部30は、「登録」ボタン308の押下を入力部33により検知した場合、編集ボックス306に入力されたプレゼンティティID、及び編集ボックス307に入力された表示名の文字列を取得する。制御部30は、プレゼンス購読依頼コマンドと共に、一時記憶領域32に記憶してあるウォッチャID、取得したプレゼンティティID及び表示名を通信部34によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する購読依頼処理を実行する。また、制御部30は図4の画面例を閉じ、図3の説明図に示した画面例に戻す。なお、プレゼンス購読依頼コマンドとともに送信されるウォッチャIDは、図3の説明図で前述したように、表示部35に表示された入力画面に入力され、プレゼンスサーバ装置1によって認証され、一時記憶領域32に記憶してあるサービス提供者のウォッチャIDである。
【0074】
制御部30は、「キャンセル」ボタン309の押下を入力部33により検知した場合、そのまま図4の画面例を閉じ、図3の説明図に示した画面例に戻す。
【0075】
ウォッチャ端末装置3の制御部30は、図3に示した画面例の「終了」ボタン305が入力部33により押下されたことを検知するまで、プレゼンスサーバ装置1との接続を維持する。また、制御部30は、プレゼンスサーバ装置1の接続を維持している間、プレゼンスサーバ装置1から許可されたプレゼンス情報の通知を通信部34により受け付け、受け付けたプレゼンス情報を図3の画面例に示したプレゼンス情報表示エリア302に表示する処理を継続する。
【0076】
図5は、実施の形態1におけるウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の表示部35に、メッセージ送信時に表示される画面例を示す説明図である。図5の説明図に示す画面例は、図3の画面例の「メッセージ」ボタン304が入力部33によって押下されたことを制御部30が検知した場合に表示される。
【0077】
図5の画面例では、メッセージの送信先とする被介護者のプレゼンティティIDを選択するためのドロップダウンメニュー310(選択ボックス)、メッセージの内容を入力するための編集ボックス311、メッセージの送信処理を実行するための「送信」ボタン312、メッセージの送信処理を中止するための「キャンセル」ボタン313が表示されている。サービス提供者は、ドロップダウンメニュー310からメッセージの送信先を選択し、編集ボックス311へメッセージの内容を入力し、「送信」ボタン312を押下することにより、入力した内容のメッセージを被介護者へ送信することが可能である。
【0078】
制御部30は、「送信」ボタン312の押下を入力部33により検知した場合、選択されたプレゼンティティID及びメッセージを取得する。制御部30は、メッセージの送信依頼コマンドと共に、一時記憶領域32に記憶してあるウォッチャID、取得したプレゼンティティID及びメッセージを通信部34によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する。そして制御部30は、図5の画面例を閉じ、図3の画面例に戻す。
【0079】
制御部30は、「キャンセル」ボタン313の押下を入力部33により検知した場合、そのまま図5の画面例を閉じ、図3の画面例に戻す。
【0080】
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…からメッセージの送信依頼コマンドを受信した場合、送信依頼コマンドと共に送信されたウォッチャID、プレゼンティティID及びメッセージを取得する。制御部10は、取得したプレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2,2,…へメッセージを送信する。なおこのとき、以下の処理によってプレゼンス購読が許可されたウォッチャからのメッセージのみ、許可したプレゼンティティが使用するプレゼンス端末装置2,2,…へメッセージの送信がされるとしてもよい。
【0081】
次に、プレゼンス端末装置2から被介護者のプレゼンス情報が通知される場合の処理について説明する。
【0082】
図6は、実施の形態1におけるプレゼンス端末装置2の表示部25に表示される画面例を示す説明図である。図6の説明図に示す画面例は、プレゼンス端末装置2の記憶部21に記憶してある被介護者用プレゼンスアプリケーションプログラムを制御部20が読み出して実行することにより表示される。なお、図3の説明図に示したウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…における画面例と同様に、制御部20が表示部25に被介護者を識別するプレゼンティティIDの入力画面を表示した場合に、被介護者(又は補助者)によってプレゼンティティIDが入力され、入力されたプレゼンティティIDをプレゼンスサーバ装置1に送信して認証されたときに表示部25に表示される構成としてもよい。また、被介護者(又は補助者)が介護サービスにログインした場合に、プレゼンスサーバ装置1から送信される画面データに基づいて表示される構成としてもよい。なおこのとき制御部20は、認証されたプレゼンティティIDを一時記憶領域22に記憶しておくようにしてある。
【0083】
図6の説明図に示される画面例は、ツールバー201とメッセージ表示エリア202とで構成される。メッセージ表示エリア202には、サービス提供者からプレゼンスサーバ装置1を介して送信されたメッセージが表示される。図6の画面例では、図5の説明図に示したメッセージが送信された場合に表示される内容が示されている。なお、メッセージ表示エリア202には、最新のメッセージのみが表示される構成としてもよいし、過去のメッセージの一覧が表示される構成としてもよい。
【0084】
ツールバー201には、被介護者(又は補助者)による入力操作を受け付けるボタンが表示されている。図6の説明図に示される画面例では、「依頼」203及び「終了」ボタン204が表示されている。
【0085】
図6の画面例における「依頼」ボタン203は、被介護者からサービス提供者に通知したいサービス依頼内容又は被介護者の状態を設定する際に使用されるボタンである。即ち、この場合、サービス依頼内容又は被介護者の状態がプレゼンス情報である。被介護者(又は補助者)は、入力部23のマウス等を操作して「依頼」ボタン203を押下することにより、依頼内容の設定のための入力操作をすることができる。
【0086】
図6の画面例における「終了」ボタン204は、プレゼンスサーバ装置1との接続を切断し、被介護者用プレゼンスアプリケーションの終了を制御部20へ指示するためのボタンである。
【0087】
図7は、実施の形態1におけるプレゼンス端末装置2の表示部25に、プレゼンス情報の通知時に表示される画面例を示す説明図である。図7の説明図に示す画面例は、図6の画面例の「依頼」ボタン203が入力部23によって押下されたことを制御部20が検知した場合に表示される。
【0088】
図7の画面例では、依頼内容についての希望日時の選択を受け付けるラジオボタン205、依頼内容の選択を受け付けるラジオボタン206、依頼内容を送信するための「依頼」ボタン207、「依頼」の処理の中止を制御部20に指示するための「キャンセル」ボタン208が表示されている。被介護者(又は補助者)は、ラジオボタン205及びラジオボタン206で、希望日時及びサービスの依頼内容を選択することが可能である。なお、ラジオボタン205及びラジオボタン206夫々に示されている選択肢の内の「その他」を選択する場合には、いずれも編集ボックスに内容を入力することが可能に構成されている。
【0089】
図7の画面例では、希望日時として「明日」、依頼内容として「入浴サービス」が選択されていることが示されている。被介護者(又は補助者)は、希望日時及び依頼内容を選択するか又は内容を入力し、「依頼」ボタン207を押下することにより、入力した依頼内容を含むプレゼンス情報を通知する処理を制御部20に行なわせることができる。
【0090】
制御部20は、「依頼」ボタン207の押下を入力部23により検知した場合、ラジオボタン205及びラジオボタン206で選択されている希望日時及び依頼内容、又は「その他」が選択されているときは編集ボックスに入力されている希望日時及び依頼内容を取得する。制御部20は、取得した希望日時及び依頼内容をプレゼンス情報とし、該プレゼンス情報をプレゼンス設定コマンド、一時記憶領域22に記憶してあるプレゼンティティIDと共に、通信部24によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する。また制御部20は、図7の画面例を閉じて図6の画面例へ戻す。
【0091】
制御部20は、「キャンセル」ボタン208の押下を入力部23により検知した場合、そのまま図7に示した画面例を閉じ、図6の画面例へ戻す。
【0092】
次に、上述のようにウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から送信されるプレゼンス購読依頼コマンド及びプレゼンス端末装置2から送信されるプレゼンス設定コマンド夫々に対し、プレゼンスサーバ装置1で行なわれる処理について説明する。
【0093】
図8は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、購読依頼を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0094】
制御部10は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…からプレゼンス購読依頼コマンドを通信部13によって受信したか否かにより、購読依頼を受信したか否かを判断する(ステップS11)。制御部10は、購読依頼を受信していないと判断した場合(S11:NO)、処理をステップS11へ戻す。
【0095】
制御部10は、購読依頼を受信したと判断した場合(S11:YES)、プレゼンス購読依頼コマンドと共に送信されているウォッチャID、プレゼンティティID及び表示名を取得する(ステップS12)。次に制御部10は、取得したウォッチャID、プレゼンティティID及び表示名を記憶部11のバディリストに記憶し(ステップS13)、プレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2へ購読可否の問い合わせ処理を実行する(ステップS14)。なお、ステップS14における購読可否の問い合わせ処理において制御部10は、プレゼンス購読可否問い合わせコマンドと共に、プレゼンス購読を依頼したウォッチャのウォッチャIDを送信する。そして制御部10は、プレゼンス購読依頼コマンドを受信した場合の処理を終了する。
【0096】
図9は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されるバディリストの内容例を示す説明図である。バディリスト(buddy list)は、ウォッチャID毎に、各ウォッチャIDで識別されるウォッチャが購読するプレゼンス情報を所有するプレゼンティティのプレゼンティティIDを記憶したリストである。
【0097】
図9の説明図に示す例では、ウォッチャID「user1」のウォッチャは、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報を購読していることが示されている。ウォッチャID「user2」のウォッチャは、プレゼンティティID「user7」及び「user8」のプレゼンス情報を購読していることが示されている。さらに、ウォッチャID「user3」のウォッチャは、プレゼンティティID「user7」のプレゼンス情報を購読していることが示されている。また、表示名として各プレゼンティティIDに対応するプレゼンティティ名が対応付けられている。
【0098】
また、図9の説明図に示すバディリストには、「引き継ぎ有」の項目が更に含まれている。「引き継ぎ有」は、後述するように、他のウォッチャがプレゼンス情報を受け付けられない状態にあることによって当該他のウォッチャから通知先を引き継いでいるか否か(yes:引き継ぎ中)を示す。なお、図9の説明図に示す内容例では、いずれのウォッチャも、他のウォッチャから通知先を引き継いでいない。
【0099】
図10は、実施の形態1におけるプレゼンス端末装置2での購読可否の問い合わせ応答時に、表示部25に表示される画面例を示す説明図である。プレゼンス端末装置2の制御部20は、プレゼンスサーバ装置1の制御部10によって送信されたプレゼンス購読可否問い合わせコマンド及びウォッチャIDを通信部24により受信した場合、図10の画面例に示すようなプレゼンス購読可否問い合わせ画面を表示部25に表示させる。
【0100】
図10の画面例では、購読可否の問い合わせに対して許可する場合に利用する「許可」ボタン209、及び、拒否する場合に利用する「拒否」ボタン210が表示されている。また、図10の画面例では、プレゼンス端末装置2の制御部20がプレゼンス購読可否問い合わせコマンドと共に受信したウォッチャID(「user1」)を示して、可否を問うメッセージが表示されている。被介護者(又は補助者)は、「許可」ボタン209又は「拒否」ボタン210を押下する操作を行なうことにより、購読可否の問い合わせに応答することが可能である。
【0101】
被介護者(又は補助者)が「許可」ボタン209を入力部23により押下した場合、制御部20がこれを検知し、プレゼンス購読応答コマンドと共に、応答の内容「許可」、プレゼンティティID及び購読依頼を許可するウォッチャのウォッチャIDを、通信部24によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する。被介護者(又は補助者)が「拒否」ボタン210を入力部23により押下した場合、制御部20がこれを検知し、プレゼンス購読応答コマンドと共に、応答の内容「拒否」、プレゼンティティID及び購読依頼を拒否するウォッチャのウォッチャIDを、通信部24によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する。「許可」ボタン209が押下された場合、及び「拒否」ボタン210が押下された場合はいずれも、図10の画面例に示したプレゼンス購読可否問い合わせ画面は閉じられる。
【0102】
図11は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、購読可否の問い合わせに対する応答を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0103】
制御部10は、プレゼンス端末装置2から送信されるプレゼンス購読応答コマンドを通信部13によって受信したか否かにより、応答を受信したか否かを判断する(ステップS21)。制御部10は、応答を受信していないと判断した場合(S21:NO)、処理をステップS21へ戻して応答を受信したと判断するまで待機する。
【0104】
制御部10は、応答を受信したと判断した場合(S21:YES)、プレゼンス購読応答コマンドと共に送信された応答の内容を取得し、購読依頼が許可されたか否かを判断する(ステップS22)。制御部10は、取得した応答の内容によって拒否されたと判断した場合(S22:NO)、購読可否の問い合わせに対する応答を受信した場合の処理を終了する。なおこのとき、制御部10は、購読依頼元のウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ購読依頼が拒否された旨を通知するようにしてもよい。
【0105】
制御部10は、取得した応答の内容によって許可されたと判断した場合(S22:YES)、プレゼンス購読応答コマンドと共に送信されたプレゼンティティID及びウォッチャIDを取得する(ステップS23)。制御部10は、取得したプレゼンティティID及びウォッチャIDを通知先リストに記憶し(ステップS24)、ステップS23で取得したウォッチャIDに対応するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報を通知し(ステップS25)、購読可否の問い合わせに対する応答を受信した場合の処理を終了する。
【0106】
図12は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶される通知先リストの内容例を示す説明図である。通知先リストは、プレゼンティティ毎に、該プレゼンティティを識別するプレゼンティティID、最新のプレゼンス情報の内容、及び当該プレゼンス情報の通知が許可されたウォッチャのウォッチャIDを記憶したリストである。図12の説明図に示す内容例では、プレゼンティティID「user5」の被介護者の最新のプレゼンス情報は「明日、入浴サービスをお願いします」という依頼内容であり、当該プレゼンス情報はウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先としていることが示されている。したがって、プレゼンティティID「user5」の被介護者のプレゼンス情報は、当該ウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3aへ通知されるべきである。同様にプレゼンティティID「user6」のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先とし、プレゼンティティID「user7」のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user2」及び「user3」のウォッチャを通知先とし、プレゼンティティID「user8」のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user2」のウォッチャを通知先としていることが示されている。
【0107】
なお、図12の説明図に示される通知先リストには、「引き継ぎ元ウォッチャID」の項目が更に含まれている。「引き継ぎ元ウォッチャID」は、後述するように、通知先が変更されて他のウォッチャに引き継がれている場合に元の通知先(引き継ぎ元)のウォッチャを識別するための情報である。「引き継ぎ元ウォッチャID」が通知先リストに対応付けられて記憶されていることにより、現在の通知先であるウォッチャが引き継ぎ中の通知先であることを示し、更に制御部10は、変更前の通知先に戻す場合に引き継ぎ元のウォッチャIDを認識することが可能である。
【0108】
次に、プレゼンス端末装置2,2,…からプレゼンス情報が通知された場合、図12の説明図に示した記憶部11の通知先リストに基づいて、いずれのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ通知すべきかを判断する処理について説明する。図13は、実施の形態1におけるプレゼンス端末装置2,2,…によりプレゼンス情報が通知された場合の、プレゼンスサーバ装置1の制御部10による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0109】
制御部10は、プレゼンス端末装置2から送信されるプレゼンス設定コマンドを通信部13によって受信したか否かにより、プレゼンス情報が通知されたか否かを判断する(ステップS31)。制御部10は、プレゼンス情報が通知されていないと判断した場合(S31:NO)、処理をステップS31へ戻し、プレゼンス情報が通知されたと判断するまで待機する。
【0110】
制御部10は、プレゼンス情報が通知されたと判断した場合(S31:YES)、プレゼンス設定コマンドと共に送信されたプレゼンス情報及びプレゼンティティIDを取得する(ステップS32)。制御部10は、取得したプレゼンス情報に基づいて通知先リストのプレゼンス情報を更新し(ステップS33)、通知先リストに記憶されているウォッチャIDに対応するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…のいずれかへプレゼンス情報を通知し(ステップS34)、プレゼンス情報が通知された場合の処理を終了する。
【0111】
このように、ウォッチャからのプレゼンス購読依頼に応じて、ウォッチャ毎に購読するプレゼンティティのプレゼンティティIDがプレゼンスサーバ装置1のバディリストに記憶され、各ウォッチャへの購読可否の問い合わせが行なわれる。また、問い合わせに対する応答に基づき、プレゼンティティ毎に許可された通知先がプレゼンスサーバ装置1の通知先リストに記憶される。プレゼンスサーバ装置1の制御部10がプレゼンス情報の通知を受け付ける都度、最新のプレゼンス情報を通知先リストに記憶すると共に、通知先リストに記憶されている許可された通知先のウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報が通知される。
【0112】
このようにプレゼンスシステムを利用した介護支援システムにより、例えばプレゼンティティID「user5」の被介護者を担当するヘルパー(ウォッチャID「user1」)は、プレゼンティティID「user5」の被介護者(プレゼンティティ)の依頼内容及び最新の状態をリアルタイムに確認することができる。
【0113】
ここで、ウォッチャID「user1」のヘルパーがプレゼンス情報を受け付けない状態となる場合がある。この場合、プレゼンティティID「user5」の被介護者の依頼内容及び状態は本来、他のヘルパー(ウォッチャID「user2」)又は管理者(ウォッチャID「user3」、「user4」)などが把握すべきである。
【0114】
次に、ウォッチャID「user1」のヘルパーがプレゼンス情報を受け付けない状態である場合に、プレゼンスサーバ装置1の制御部10が通知先を自動的に変更することによって、プレゼンティティID「user5」のプレゼンス情報の通知先が他のウォッチャへ引き継がれる処理について説明する。
【0115】
まず、プレゼンスサーバ装置1の制御部10が、通知先の変更要否を判定する基準となる情報について説明する。
【0116】
制御部10は、各ウォッチャのプレゼンス情報を受け付ける。即ち、各ウォッチャはプレゼンティティでもある。例えば、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の制御部30によりヘルパー用プレゼンスアプリケーションプログラムが実行されてプレゼンスサーバ装置1との接続が確立した場合に、制御部30によって「在席」を示すプレゼンス情報が通知される。また、図3の説明図に示した画面の「終了」ボタン305が押下され、プレゼンスサーバ装置1との接続が切断される際に、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の制御部30によって「不在」を示すプレゼンス情報が通知される。また、制御部30は、ウォッチャによる「在席」、「不在」、「出張中」、「多忙」等のプレゼンス情報の設定を受け付ける。制御部30は、ヘルパー用プレゼンスアプリケーションプログラムが起動、終了される場合、又はウォッチャによるプレゼンス情報の設定を受け付けた場合に、プレゼンス設定コマンドと共に、ウォッチャのプレゼンス情報及びウォッチャIDを通信部13によりプレゼンスサーバ装置1へ送信する。
【0117】
図14は、実施の形態1におけるウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から通知されるプレゼンス情報の内容例を示す説明図である。図14の説明図に示される内容例では、ウォッチャID「user1」のウォッチャは「在席」しており、ウォッチャID「user2」のウォッチャは「出張中」であり、ウォッチャID「user3」のウォッチャは「在席」しているが、ウォッチャID「user4」のウォッチャは「多忙」であることが示されている。実施の形態1では、これらのプレゼンス情報は、各ウォッチャをプレゼンティティとする通知先リストに記憶され、プレゼンスサーバ装置1によって各ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ通知される構成とする。これにより、ウォッチャ間で相互のプレゼンス情報を把握することが可能である。
【0118】
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、各ウォッチャのプレゼンス情報に応じた変更条件に照らし、変更要否を判定する。図15は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている変更条件の内容例を示す説明図である。
【0119】
図15の説明図に示すように、変更条件は各ウォッチャのウォッチャID(この場合は、プレゼンティティIDでもある。)毎に、通知先が変更されるべき状態を示すプレゼンス情報が対応付けられている。図15の説明図に示される内容例では、ウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報は、ウォッチャのプレゼンス情報が「不在」又は「出張中」である場合に通知先が変更されるべきであることが示されている。同様に、ウォッチャID「user2」のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報は、ウォッチャのプレゼンス情報が「不在」である場合に通知先が変更されるべきであり、ウォッチャID「user3」のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報は、ウォッチャのプレゼンス情報が「不在」、「多忙」又は「出張中」である場合に通知先が変更されるべきであり、ウォッチャID「user4」のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報は、ウォッチャのプレゼンス情報が「不在」である場合に通知先が変更されるべきであることが示されている。
【0120】
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、変更条件に照らし変更要であると判定した場合に、引き継ぎ先候補を抽出して決定する。実施の形態1では、制御部10が引き継ぎ先を抽出する基準として、各ウォッチャの属性リストを参照する。図16は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されているウォッチャの属性リストの内容例を示す説明図である。
【0121】
図16の説明図に示す内容例では、ウォッチャID「user1」のウォッチャ及びウォッチャID「user2」のウォッチャの属性は「A部1課担当」であることが示されている。また、ウォッチャID「user3」のウォッチャの属性は「A部1課課長」であり、ウォッチャID「user4」のウォッチャの属性は「A部部長」であることが示されている。
【0122】
制御部10は、各ウォッチャの属性リストを参照し、引き継ぎ先候補リストを作成する。制御部10は、作成した引き継ぎ先候補リストに基づいて、引き継ぎ先候補を決定する。制御部10は、引き継ぎ先候補リストを作成する場合、バディリストを参照して各引き継ぎ先候補のウォッチャのプレゼンス購読の数、又は他のウォッチャから通知先を引き継いでいる数に基づいてウォッチャに引き継ぎ先としての順位付けを行ない、順位が高いウォッチャが先頭となるようにリストを作成してもよい。また、制御部10は、属性リストに基づき管理者の属性を持つウォッチャに高い順位を付与してもよいし、各ウォッチャの属性リストに引き継ぎ先として決定される優先度を対応付けて記憶しておき、当該優先度に基づいて引き継ぎ先としての順位付けを行なう構成としてもよい。
【0123】
次に、プレゼンスサーバ装置1の制御部10が各ウォッチャのプレゼンス情報に応じて変更条件を参照し、通知先の変更の要否を判定し、変更が必要である場合には次の通知先候補を決定して問い合わせを行ない、通知先を変更する処理について説明する。
【0124】
図17及び図18は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、通知先の変更の要否を判定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0125】
制御部10は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…からプレゼンス設定コマンドを受信したか否かにより、ウォッチャのプレゼンス情報が通知されたか否かを判断する(ステップS401)。制御部10は、ウォッチャのプレゼンス情報が通知されていないと判断した場合(S401:NO)、処理をステップS401へ戻してウォッチャのプレゼンス情報が通知されたと判断するまで待機する。
【0126】
制御部10は、ウォッチャのプレゼンス情報が通知されたと判断した場合(S401:YES)、プレゼンス設定コマンドと共に送信されたウォッチャのプレゼンス情報及びウォッチャIDを取得する(ステップS402)。制御部10は、取得したプレゼンス情報及びウォッチャIDに基づいてウォッチャをプレゼンティティとする通知先リストを更新し(ステップS403)、他のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報を通知する(ステップS404)。
【0127】
次に制御部10は、記憶部11の変更条件を参照し(ステップS405)、取得したウォッチャのプレゼンス情報と変更条件とを照らして変更要否を判定する(ステップS406)。制御部10は、ステップS406において変更不要であると判定した場合(S406:NO)、変更の要否を判定する処理を終了する。この場合、当該ウォッチャを通知先とする被介護者のプレゼンス情報の通知は継続する。
【0128】
制御部10は、ステップS406において変更要であると判定した場合(S406:YES)、引き継ぎ先候補リストを参照して引き継ぎ先候補を決定する(ステップS407)。このとき制御部10は、属性リストを参照して作成した引き継ぎ候補リストの先頭のウォッチャを引き継ぎ先候補として決定する。なお、引き継ぎ候補リストのウォッチャを全て引き継ぎ先候補として決定し、複数の引き継ぎ先候補の内、プレゼンティティである被介護者からいずれかが選択されるように後述の問い合わせを行なうようにしてもよい。
【0129】
次に制御部10は、バディリスト及び通知先リストから、変更要であると判定されたウォッチャを通知先としているプレゼンス情報のプレゼンティティID、又は当該ウォッチャが他のウォッチャの引き継ぎ先である場合は引き継ぎ元のウォッチャを通知先とするプレゼンス情報のプレゼンティティIDを取得する(ステップS408)。
【0130】
制御部10は、変更要と判定されたウォッチャが、他のウォッチャの通知先を引き継いでいる場合は、関係する既存の引き継ぎ情報(バディリスト、通知先リスト、及び引き継ぎ完了待ちテーブルにおける該当情報)を削除する(ステップS409)。
【0131】
制御部10は、変更要と判定されたウォッチャのウォッチャID、ステップS407で決定した引き継ぎ先候補、及びステップS408で取得したプレゼンティティIDを含む引き継ぎ完了待ちテーブルを作成又は更新する(ステップS410)。引き継ぎ待ち完了テーブルは、後述の問い合わせが完了するまでの間に一時記憶領域12に記憶されるテーブルである。
【0132】
次に制御部10は、ステップS408で取得したプレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2へ、変更要と判定されたウォッチャからステップS407で決定した引き継ぎ先候補のウォッチャへの通知先の変更可否について問い合わせる(ステップS411)。ステップS411における問い合わせ処理は、制御部10が対象となるプレゼンス端末装置2へ、変更可否問い合わせコマンドと共に、引き継ぎ元のウォッチャID及びウォッチャ名、並びに引き継ぎ先候補のウォッチャID及びウォッチャ名を送信することによって実行される。なお、このときにウォッチャの属性情報を共に送信する構成としてもよい。また、複数の引き継ぎ先候補を決定し、いずれかが選択されるように問い合わせを行なう場合は、制御部10は各引き継ぎ先候補のウォッチャID及びウォッチャ名を送信する。
【0133】
制御部10は、ステップS408で取得した全プレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2へ問い合わせを完了したか否かを判断する(ステップS412)。制御部10は、全プレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2へ問い合わせを完了していないと判断した場合(S412:NO)、処理をステップS411へ戻し、他のプレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2へ問い合わせる(S411)。
【0134】
制御部10は、全プレゼンティティIDに対応するプレゼンス端末装置2へ問い合わせを完了したと判断した場合(S412:YES)、通知先の変更要否を判定する処理を終了する。
【0135】
このように、図17及び図18のフローチャートに示した処理手順により、各ウォッチャの状態に応じて変更要否が自動的に判定される。したがって、各ウォッチャがウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から引き継ぎ先のウォッチャを指定して変更要求を送信する操作を行なう必要がない。
【0136】
次に、図17及び図18のフローチャートに示した処理手順により、変更要否が判定され、変更要と判定された場合に記憶される引き継ぎ完了待ちテーブルの内容、及びプレゼンス端末装置2での問い合わせ処理について、具体例を挙げて説明する。具体例として、プレゼンティティID「user5」のプレゼンス情報の通知先であったウォッチャID「user1」のウォッチャのプレゼンス情報が「不在」となった場合を挙げて説明する。
【0137】
ウォッチャID「user1」のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3aで、ヘルパー用プレゼンスアプリケーションプログラムが終了された場合、ウォッチャ端末装置3aからプレゼンス設定コマンド、プレゼンス情報「不在」、及びウォッチャID「user1」がプレゼンスサーバ装置1へ送信される。これに対しプレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャのプレゼンス情報が通知されたと判断し(S401:YES)、取得したプレゼンス情報が「不在」であることから変更条件に合致し、変更要であると判定する(S406:YES)。プレゼンス装置1の制御部10は、ウォッチャの属性リストから引き継ぎ先候補のリストを作成する。この場合制御部10は、ウォッチャID「user1」の属性が「A部1課担当」であることから、同一の部署の管理者であるウォッチャのウォッチャID「user3」及び「user4」、並びに同僚であるウォッチャのウォッチャID「user2」を抽出し、その順序で引き継ぎ先候補リストを作成する。
【0138】
制御部10は、作成した引き継ぎ先候補リストの先頭のウォッチャID「user3」のウォッチャのプレゼンス情報を取得し、「在席」であることから変更条件「不在」、「多忙」及び「出張中」のいずれにも合致しないと判断する。したがって、制御部10は、ウォッチャID「user3」のウォッチャを引き継ぎ先候補として決定する(S407)。
【0139】
制御部10は、バディリスト及び通知先リストを参照する。制御部10は、引き継ぎ先候補として決定したウォッチャID「user3」のウォッチャに関して既存の引き継ぎ情報がないので、変更要と判定されたウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先とするプレゼンス情報のプレゼンティティID「user5」及び「user6」をバディリストから取得する(S408)。制御部10は、変更要と判定されたウォッチャのウォッチャID「user1」、引き継ぎ先候補として決定されたウォッチャのウォッチャID「user3」、及び取得したプレゼンティティID「user5」及び「user6」を含む引き継ぎ完了待ちテーブルを作成する。
【0140】
図19は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が記憶する引き継ぎ完了待ちテーブルの内容例を示す説明図である。図19の説明図に示すように、引き継ぎ完了待ちテーブルは、プレゼンスサーバ装置1の制御部10によって変更要と判定された引き継ぎ元ウォッチャのウォッチャID、引き継ぎ先候補として決定されたウォッチャのウォッチャID及び取得されたプレゼンティティIDを含む。
【0141】
制御部10は、引き継ぎ完了待ちテーブルを記憶した後、プレゼンティティID「user5」に対応するプレゼンス端末装置2へ問い合わせ処理を行なう。このとき、制御部10は、変更可否問い合わせコマンド、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID「user1」及びウォッチャ名「ユーザ1」、並びに引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャID「user3」及びウォッチャ名「ユーザ3」をプレゼンス端末装置2へ送信する。更に制御部10は、変更要と判定されたウォッチャを通知先とするもう一つのプレゼンス情報のプレゼンティティID「user6」に対応するプレゼンス端末装置2へも問い合わせ処理を行なう。
【0142】
次に、プレゼンスサーバ装置1の制御部10によって実行される問い合わせ処理に応じてプレゼンス端末装置2で応答がなされる場合の処理について説明する。
【0143】
図20は、実施の形態1におけるプレゼンス端末装置2での変更可否の問い合わせ応答時に、表示部25に表示される画面例を示す説明図である。プレゼンス端末装置2の制御部20は、プレゼンスサーバ装置1の制御部10によって送信された変更可否問い合わせコマンドを通信部23により受信した場合、以下に示すような変更可否問い合わせ画面を表示部25に表示させる。
【0144】
図20の画面例では、変更可否問い合わせに対して許可する場合に利用する「許可」ボタン211、及び、拒否する場合に利用する「拒否」ボタン212が表示されている。また、図20の画面例には、プレゼンス端末装置2の制御部20が変更可否問い合わせコマンドと共に受信した、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャ名(「ユーザ1」)及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャ名(「ユーザ3」)を示して可否を問うメッセージが表示されている。被介護者(又は補助者)は、「許可」ボタン211又は「拒否」ボタン212を押下する操作を行なうことにより、変更可否の問い合わせに応答することが可能である。
【0145】
被介護者(又は補助者)が「許可」ボタン211を入力部23により押下した場合、制御部20がこれを検知し、変更応答コマンドと共に、応答の内容「許可」、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDをプレゼンスサーバ装置1へ送信する。被介護者(又は補助者)が「拒否」ボタン212を入力部23により押下した場合、制御部20がこれを検知し、変更応答コマンドと共に、応答の内容「拒否」、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDをプレゼンスサーバ装置1へ送信する。「許可」ボタン211が押下された場合、及び「拒否」ボタン212が押下された場合はいずれも、図20の画面例に示した変更可否問い合わせ画面は閉じられる。
【0146】
なお、引き継ぎ先候補が複数抽出されて、複数の引き継ぎ候補からいずれかが選択されるように問い合わせが行なわれる場合、次の図21の説明図に示すような変更可否問い合わせ画面がプレゼンス端末装置2の表示部25に表示される。図21は、実施の形態1におけるプレゼンス端末装置2での変更可否の問い合わせ応答時に、表示部25に表示される画面例を示す説明図である。
【0147】
図21の画面例には、引き継ぎ先候補のウォッチャを選択するラジオボタン213、及び、引き継ぎ先のウォッチャを設定する場合に利用する「設定」ボタン214が表示されている。また、図21の画面例では、プレゼンス端末装置2の制御部20が変更可否問い合わせコマンドと共に受信した、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャ名及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャ名を示して変更可否を問うメッセージが表示されている。また、引き継ぎ先候補のラジオボタン213の選択肢には、引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャ名が表示され、各ウォッチャの属性が送信されている場合にこれを表示するようにしてある。各ウォッチャの属性「A部1課課長」、「A部部長」、「A部1課担当」が表示されることにより、被介護者(又は補助者)は属性を基準としていずれのウォッチャを引き継ぎ先として許可するかを判断することが可能となる。
【0148】
被介護者(又は補助者)が入力部23により、ラジオボタン213でいずれかのウォッチャを選択し、「設定」ボタン214を押下した場合、制御部20がこれを検知し、ラジオボタン213で選択されている引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDを取得する。制御部20は、変更応答コマンドと共に、応答の内容「許可」、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び取得された引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDをプレゼンスサーバ装置1へ送信する。
【0149】
なお、ラジオボタン213で何ら選択されずに「設定」ボタン214が押下された場合は、制御部20が変更応答コマンドと共に、応答の内容「拒否」、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID、及び、全引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDをプレゼンスサーバ装置1へ送信してもよい。「設定」ボタン214が押下された場合、図21の画面例で示した変更可否問い合わせ画面は閉じられる。
【0150】
次に、プレゼンスサーバ装置1の制御部10が、プレゼンス端末装置2から問い合わせへの応答を受信した場合の処理について説明する。図22は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、変更可否の問い合わせへの応答を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0151】
制御部10は、プレゼンス端末装置2から送信される変更応答コマンドを通信部13によって受信したか否かにより、変更可否の問い合わせに対する応答を受信したか否かを判断する(ステップS501)。制御部10は、変更可否の問い合わせに対する応答を受信していないと判断した場合(S501:NO)、処理をステップS501へ戻して変更可否の問い合わせに対する応答を受信したと判断するまで待機する。
【0152】
制御部10は、変更可否の問い合わせに対する応答を受信したと判断した場合(S501:YES)、変更応答コマンドと共に送信された引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDを取得する(ステップS502)。制御部10は、引き継ぎ完了待ちテーブルを参照して、ステップS502で取得した引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDが、引き継ぎ完了待ちテーブルに記憶されているか否かを判断する(ステップS503)。制御部10は、引き継ぎ完了待ちテーブルに記憶されていないと判断した場合(S503:NO)、ステップS502で取得した引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDの組については、変更する必要がないので処理を終了する。
【0153】
制御部10は、引き継ぎ完了待ちテーブルに記憶されていると判断した場合(S503:YES)、該当する引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID及び引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDの組を引き継ぎ完了待ちテーブルから削除する(ステップS504)。制御部10は、変更応答コマンドと共に送信された応答の内容が「許可」であるか否かを判断する(ステップS505)。
【0154】
制御部10は、「許可」であると判断した場合(S505:YES)、引き継ぎ先候補のウォッチャIDを引き継ぎ後の通知先としてバディリストを更新し(ステップS506)、引き継がれるプレゼンス情報のプレゼンティティIDの通知先リストを更新する(ステップS507)。これにより、プレゼンス情報の通知先が変更されて引き継がれる。
【0155】
次に制御部10は、プレゼンティティIDに対応付けられるプレゼンティティ、即ち被介護者の付加情報を取得する(ステップS508)。制御部10は、通知先リストに記憶されている最新のプレゼンス情報と共にステップS508で取得した付加情報を通知先のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…のいずれかへ通知し(ステップS509)、応答を受信した場合の処理を終了する。
【0156】
制御部10は、ステップS505において「拒否」であると判断した場合(S505:NO)、他の引き継ぎ先候補を決定する(ステップS510)。このとき制御部は、作成した引き継ぎ候補リストを参照し、リストの次のウォッチャを次の引き継ぎ先候補として決定する。制御部10は、改めて決定した引き継ぎ先候補について引き継ぎ完了待ちテーブルを更新し(ステップS511)、対応するプレゼンス端末装置2へ変更可否の問い合わせを行ない(ステップS512)、応答を受信した場合の処理を終了する。改めて決定した引き継ぎ先候補についての問い合わせへ応答が送信された場合は、図22のフローチャートに示す処理手順が制御部10により同様に行なわれる。
【0157】
図23は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11のバディリストが、通知先の変更によって更新された場合の内容例を示す説明図である。なお、図23の説明図に示す内容例は、図9の説明図に示したバディリストの内容例に対し、ウォッチャID「user1」のウォッチャが「不在」となり、ウォッチャID「user3」のウォッチャへの変更可否の問い合わせに応じて内容が「許可」である変更応答コマンドがプレゼンス端末装置2から送信されたことによって更新された例を示している。
【0158】
図23の説明図に示すように、プレゼンス情報を購読するウォッチャとして新たにウォッチャID「user3」が追加される。ウォッチャID「user3」のウォッチャは、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報の通知先を引き継ぐことが示されている。ウォッチャID「user3」については「引き継ぎ有」がいずれも「yes」となるように記憶されている。これにより、ウォッチャID「user3」のウォッチャによるプレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報の購読は、いずれかのウォッチャから通知先を引き継いでいるものであることを示している。
【0159】
図24は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11の通知先リストが、通知先の変更によって更新された場合の内容例を示す説明図である。なお、図24の説明図に示す内容例は、図12の説明図に示した通知先リストの内容例に対し、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報の通知先がウォッチャID「user1」のウォッチャからウォッチャID「user3」のウォッチャへ変更された場合の例を示している。
【0160】
図24の説明図に示すように、プレゼンティティID「user5」及び「user6」の通知先リストには、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID「user1」に加えて引き継ぎ先のウォッチャのウォッチャID「user3」が記憶される。また、引き継ぎ先のウォッチャのウォッチャID「user3」には、引き継ぎ元ウォッチャIDとして「user1」が対応付けられている。制御部10は、図24の説明図に示す内容例の通知先リストを参照することにより、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報を通知するに際し、ウォッチャID「user3」のウォッチャは通知先を引き継ぎ中であることを認識することが可能である。
【0161】
制御部10は、図24に示す内容例の通知先リストを参照し、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報を通知するに際し、通知先のウォッチャのウォッチャIDは「user1」及び「user3」であると認識する。しかしながら、制御部10は、ウォッチャID「user1」はウォッチャID「user3」のエントリに対応付けられている引き継ぎ元ウォッチャID「user1」と一致するので、ウォッチャID「user1」に対応するウォッチャ端末装置3aへはプレゼンス情報を通知しない。
【0162】
図25は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶される付加情報の内容例を示す説明図である。
【0163】
図25の説明図に示される内容例では、プレゼンティティID「user5」のプレゼンティティ、即ち被介護者についての付加情報として被介護者の状態、嗜好を示す情報が記憶されている。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、引き継ぎ先であるのウォッチャID「user3」のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3cへ、プレゼンス情報と共に付加情報を通知する。これにより、引き継ぎ先のウォッチャID「user3」のウォッチャが、被介護者の状態を適切に把握することが可能になる。
【0164】
図26は、実施の形態1における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置3cの表示部35に表示される画面例を示す説明図である。ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の制御部30は、プレゼンス情報と共に通知される付加情報を受信した場合は、当該付加情報を表示部35に表示する。図26の画面例には、プレゼンス情報表示エリア302にプレゼンス情報と共に付加情報が表示されていることが示されている。
【0165】
次に、引き継ぎ先であるウォッチャID「user3」のサービス提供者(ウォッチャ)が更に不在となるなど、プレゼンス情報の通知を受け付けない状態となった場合について説明する。
【0166】
例えば、ウォッチャID「user3」のウォッチャは、自身が使用するウォッチャ端末装置3cの表示部35に表示されている画面で、自身のプレゼンス情報を「多忙」と設定する。この場合、ウォッチャ端末装置3cの制御部30がこれを検知し、プレゼンスサーバ装置1へプレゼンス設定コマンド、プレゼンス情報「多忙」及びウォッチャIDを送信する。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、プレゼンス設定コマンドを受信することにより、ウォッチャのプレゼンスが通知されたと判断して、通知先の変更要否を判定する処理を実行する。この場合、制御部10は、変更条件を参照してウォッチャID「user3」のウォッチャが「多忙」である場合、変更要と判定する。そして引き継ぎ先候補リストの「user3」の次のウォッチャIDが「user4」であることから、制御部10は、引き継ぎ先候補をウォッチャID「user4」のウォッチャと決定する。
【0167】
制御部10は、変更要と判定されたウォッチャID「user3」のウォッチャは、他のウォッチャ(ウォッチャID「user1」)から通知先を引き継いでいるので、ウォッチャID「user3」が引き継いで購読しているプレゼンス情報のプレゼンティティID「user5」及び「user6」を取得する。制御部10は、バディリストからウォッチャID「user3」に対応するプレゼンティティの内の、「引き継ぎ有」の項目が「yes」であるエントリを削除する。図23の説明図に示したように、ウォッチャID「user3」に対応するプレゼンティティID「user5」及び「user6」のエントリはいずれも「引き継ぎ有」の項目が「yes」であるので、いずれも制御部10により削除される。
【0168】
同様に制御部10は、通知先リストから、プレゼンティティID「user5」及び「user6」における通知先とされていた、「引き継ぎ元ウォッチャID」(「user1」)が対応付けられているウォッチャID「user3」のエントリを削除する。
【0169】
次に制御部10は、変更要と判定されたウォッチャID「user3」が購読していたプレゼンス情報のプレゼンティティに対応するプレゼンス端末装置2,2,…へ、夫々変更可否の問い合わせ処理を行なう。制御部10は、問い合わせに対する応答を受信し、応答に応じてバディリスト及び通知先リストを更新することにより、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報の通知先を変更する。なおこのとき制御部10は、変更要と判定されたウォッチャID「user3」が購読していたプレゼンティティID「user7」についても問い合わせを行ない、通知先を変更する。
【0170】
図27は、実施の形態1における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置3cから、更に通知先が変更された場合のバディリストの内容例を示す説明図である。
【0171】
図27の説明図に示される内容例では、ウォッチャID「user3」について、ウォッチャID「user1」のウォッチャから引き継いでいた、プレゼンティティID「user5」及び「user6」についてのプレゼンス購読が削除されていることが示されている。さらに、ウォッチャID「user4」のウォッチャが通知先を引き継ぎ、ウォッチャID「user4」のプレゼンティティID「user5」及び「user6」についてのプレゼンス購読が追加されていることが示されている。
【0172】
また、ウォッチャID「user3」のウォッチャのプレゼンティティID「user7」についてのプレゼンス購読についても、ウォッチャID「user4」のウォッチャが通知先を引き継ぎ、ウォッチャID「user4」についてプレゼンティティID「user7」のプレゼンス購読が追加されていることが示されている。
【0173】
図28は、実施の形態1における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置3cから、更に通知先が変更された場合の通知先リストの内容例を示す説明図である。
【0174】
図28の説明図に示される内容例では、プレゼンティティID「user5」の通知先として、引き継ぎ先とされていたウォッチャのウォッチャID「user3」が削除され、改めてウォッチャID「user4」が記憶されていることが示されている。同様にプレゼンティティID「user6」の通知先として、引き継ぎ先とされていたウォッチャのウォッチャID「user3」が削除され、ウォッチャID「user4」が記憶されていることが示されている。また、図28の説明図に示される内容例では、それまでウォッチャID「user3」のウォッチャを通知先としていたプレゼンティティID「user7」のプレゼンス情報の通知先が、ウォッチャID「user4」のウォッチャへ変更されていることが示されている。
【0175】
これにより、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報は以後、ウォッチャID「user4」のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3dへ通知される。これにより、確実且つ適切にいずれかのウォッチャへ通知先が引き継がれる。
【0176】
次に、通知先が変更された後のプレゼンス情報の通知について説明する。図29は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が通知先を変更した後に、プレゼンス情報が通知された場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図29のフローチャートに示す処理手順の内、図13のフローチャートに示したプレゼンス情報が通知された場合の処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0177】
制御部10は、プレゼンス情報が通知されたと判断し(S31:YES)、プレゼンス情報及びプレゼンティティIDを取得して(S32)通知先リストのプレゼンス情報を更新した後(S33)、通知先リストを参照してプレゼンティティIDに対応する通知先のウォッチャIDが、他の通知先に対応付けられている引き継ぎ元ウォッチャIDと一致するか否かをチェックすることにより、通知先のウォッチャは引き継ぎ元のウォッチャであるか否かを判断する(ステップS61)。
【0178】
制御部10は、通知先のウォッチャが引き継ぎ元のウォッチャであると判断した場合(S61:YES)、プレゼンス情報を記憶することにより引き継ぎ先のウォッチャへの通知履歴を記憶し(ステップS62)、取得したプレゼンティティIDに対応する全通知先をチェックしたか否かを判断する(ステップS63)。
【0179】
制御部10は、通知先のウォッチャが引き継ぎ元のウォッチャでないと判断した場合(S61:NO)、当該通知先のウォッチャに対応するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報を通知し(S34)、処理をステップS63へ進める。
【0180】
制御部10は、ステップS32で取得したプレゼンティティIDに対応する全通知先をチェックしていないと判断した場合(S63:NO)、処理をステップS61へ戻して他の通知先について引き継ぎ元であるか否かをチェックする(S61)。
【0181】
制御部10は、全通知先をチェックしたと判断した場合(S63:YES)、プレゼンス情報が通知された場合の処理を終了する。
【0182】
図30は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部10に記憶される通知履歴の内容例を示す説明図である。
【0183】
図30の説明図には、ウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先とするプレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報の通知先が他のウォッチャに引き継がれている間に、通知されたプレゼンス情報の通知履歴が示されている。
【0184】
図30の説明図には、ウォッチャID「user2」を通知先とするプレゼンティティID「user7」及び「user8」のプレゼンス情報の通知履歴、並びに、ウォッチャID「user3」を通知先とするプレゼンティティID「user7」のプレゼンス情報の通知履歴の例が示されている。通知先を引き継ぎ中でない場合でも通知履歴を記憶しておくようにしてもよい。
【0185】
このように、変更後に引き継ぎ先のウォッチャに対応するウォッチャ端末装置へプレゼンス情報が通知される都度、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャIDに対応付けてプレゼンス情報の履歴を記憶しておく。これにより、後に引き継ぎ元のウォッチャがプレゼンス情報を受け付ける状態に戻った場合に、他のウォッチャへ通知されたプレゼンス情報の履歴を確認し、自身が不在であった間の状態を把握することができる。
【0186】
次に、引き継ぎ元のヘルパー(ウォッチャID「user1」)が再び在席状態となり、プレゼンス情報を受け付ける状態となった場合の処理について説明する。
【0187】
ウォッチャID「user1」のヘルパーが、ウォッチャ端末装置3aでヘルパー用プレゼンスアプリケーションを起動した場合、制御部30がヘルパー用プレゼンスアプリケーションプログラムを実行することにより、プレゼンス設定コマンド、プレゼンス情報「在席」及びウォッチャID「user1」をプレゼンスサーバ装置1へ通信部13により送信する。これに対してプレゼンスサーバ装置1で実行される処理について説明する。
【0188】
図31は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10により、引き継ぎ元が変更不要な状態に戻った場合に行なわれる処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、制御部10は、図17及び図18のフローチャートに示した処理手順の内のステップS406において変更不要と判定した場合(S406:NO)、処理を終了する前に、図31のフローチャートに示す処理を行なうようにする。
【0189】
制御部10は、一時記憶領域12に記憶している引き継ぎ完了待ちテーブルを参照し、取得したウォッチャIDに基づき、当該ウォッチャIDが引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャIDとして記憶されているエントリが有るか否かにより、引き継ぎ完了待ちテーブルに情報が有るか否かを判断する(ステップS71)。
【0190】
制御部10は、引き継ぎ完了待ちテーブルに情報が無いと判断した場合(S71:NO)、バディリスト及び通知先リストを参照し、当該ウォッチャIDのウォッチャから他のウォッチャへプレゼンス購読が引き継ぎ中であるか否かを判断する(ステップS72)。制御部10は、引き継ぎ中でないと判断した場合(S72:NO)、処理を図17及び図18のフローチャートに示した処理手順へ戻し、変更の要否を判定する処理を終了する。
【0191】
制御部10は、引き継ぎ中であると判断した場合(S72:YES)、バディリストから、引き継ぎ先のウォッチャのウォッチャIDに対応付けられた、通知先が引き継がれているプレゼンス情報のプレゼンティティIDのエントリを削除し(ステップS73)、通知先が引き継がれているプレゼンス情報のプレゼンティティの通知先リストから、引き継ぎ先のウォッチャIDのエントリを削除する(ステップS74)。
【0192】
次に制御部10は、引き継ぎ元のウォッチャIDに対応付けて引き継ぎ中に記憶されていた通知履歴を取得し(ステップS75)、取得した通知履歴を、変更不要と判定された引き継ぎ元のウォッチャIDに対応するウォッチャ端末装置3aへ通知し(ステップS76)、処理を図17及び図18のフローチャートに示した処理手順へ戻す。
【0193】
また、制御部10は、ステップS71において引き継ぎ完了待ちテーブルに情報が有ると判断した場合(S71:YES)、変更する必要がないので引き継ぎ完了テーブルにおけるエントリを削除し(ステップS77)、処理を図17及び図18のフローチャートに示した処理手順へ戻し、変更の要否を判定する処理を終了する。
【0194】
これにより、引き継ぎ完了後及び引き継ぎが完了する前に、ウォッチャID「user1」のヘルパーがプレゼンス情報の通知を受け付ける状態に戻った場合、プレゼンティティID「user5」及び「user6」のプレゼンス情報の通知先が元の通知先であったウォッチャID「user1」のヘルパーへ戻される。
【0195】
なお、図31のフローチャートに示した処理手順の内のステップS76における通知履歴の送信処理では、図30の説明図に示した内容例の通知履歴が送信される。
【0196】
このように、実施の形態1における介護システムでは、プレゼンスサーバ装置1の制御部10が自動的にサービス提供者(ウォッチャ)のプレゼンス情報に基づき通知先の変更要否を判定し、更に変更可否について被介護者(プレゼンティティ)へ問い合わせ、被介護者の意図しないウォッチャへのプレゼンス情報の通知を回避することができる。実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1では更に、一度変更可否を問い合わせて応答を受信した場合、応答が示す許可/拒否を記憶しておき、同一のウォッチャについて再度通知先の変更が必要となった場合に繰り返し問い合わせを行なわないようにする。
【0197】
図32は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶される変更可否テーブルの内容例を示す説明図である。
【0198】
図32の説明図に示すように、変更可否テーブルは、プレゼンティティID毎に通知が許可されるウォッチャの許可ウォッチャID及び通知が拒否されるウォッチャの拒否ウォッチャIDが対応付けられて記憶される。図32の内容例では、プレゼンティティID「user5」のプレゼンス情報はウォッチャID「user1」及びウォッチャID「user3」のウォッチャへは通知が許可されているが、ウォッチャID「user2」のウォッチャへは通知が拒否されていることが示されている。同様に、プレゼンティティID「user6」のプレゼンス情報はウォッチャID「user1」及びウォッチャID「user2」のウォッチャへは通知が許可されおり、プレゼンティティID「user7」のプレゼンス情報はウォッチャID「user3」のウォッチャへは通知が許可されていることが示されている。
【0199】
図33及び図34は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、変更可否テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図33及び図34のフローチャートに示す処理手順の内、図17及び図18のフローチャートに示した処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0200】
制御部10は、引き継ぎ先候補を決定し(S407)、ステップS407で決定した引き継ぎ先候補のウォッチャのウォッチャIDについて、ステップS408で取得したプレゼンティティIDに対する変更可否が、変更可否テーブルに存在するか否かを判断する(ステップS81)。制御部10は、変更可否テーブルに存在しないと判断した場合(S81:NO)、変更可否を問い合わせる必要があるので引き継ぎ完了待ちテーブルを更新して問い合わせ処理を行ない(S410、S411)、変更要と判定されたウォッチャを通知先とする全プレゼンティティについて問い合わせ又は変更を完了したか否かを判断する(ステップS82)。
【0201】
制御部10は、ステップS81において、変更可否テーブルに存在すると判断した場合(S81:YES)、変更許可ウォッチャIDとして記憶されているか否かにより、変更が許可されているか否かを判断する(ステップS83)。制御部10は、変更が拒否されていると判断した場合(S83:NO)、処理をステップS407へ戻して他の引き継ぎ先候補を決定してその後の処理を行なう。
【0202】
制御部10は、ステップS83において変更が許可されていると判断した場合(S83:YES)、バディリスト及び通知先リストを更新することによって変更処理を実行し(ステップS84)、処理をステップS82へ進める。ステップS84において制御部10は、許可された通知先のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報を通知してもよい。
【0203】
制御部10は、ステップS82において全プレゼンティティについて問い合わせ又は変更を完了していないと判断した場合(S82:NO)、処理をステップS81へ戻す。制御部10は、変更要と判定されたウォッチャをプレゼンス情報の通知先とする全プレゼンティティについて問い合わせ又は変更が完了したと判断した場合(S82:YES)、変更可否テーブルに基づく変更要否の判定及び引き継ぎ先候補を決定する処理を終了する。
【0204】
次に、上述のように参照される変更不可テーブルを、変更可否の問い合わせへの応答に応じて制御部10が作成、更新する処理について説明する。図35及び図36は、実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、変更要否の問い合わせへの応答に応じて変更可否テーブルを作成、更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図35及び図36のフローチャートに示す処理手順の内、図22のフローチャートに示した変更可否の問い合わせに対する応答を受信した場合の処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0205】
制御部10は、問い合わせに対する応答を受信したと判断し(S501:YES)、引き継ぎ元のウォッチャID及び引き継ぎ候補のウォッチャIDを取得した後(S502)、応答の内容に基づき、許可される引き継ぎ候補のウォッチャID又は拒否される引き継ぎ候補のウォッチャIDを記憶する変更可否テーブルを作成、又は既に記憶されている変更可否テーブルに追加更新する(ステップS91)。
【0206】
また制御部10は、問い合わせに対する応答の内容が「拒否」であると判断した場合(S505:NO)、他の引き継ぎ先候補を決定する(S510)。制御部10は、決定した引き継ぎ先候補のウォッチャIDが、問い合わせの応答を送信してきたプレゼンス端末装置2に対応するプレゼンティティIDについての変更可否テーブルに存在するか否かを判断する(ステップS92)。
【0207】
制御部10は、変更可否テーブルに存在しないと判断した場合(S92:NO)、変更可否を問い合わせる必要があるので引き継ぎ完了待ちテーブルを更新して問い合わせ処理を行ない(S511、S512)、応答を受信した場合の処理を終了する。
【0208】
制御部10は、変更可否テーブルに存在すると判断した場合(S92:YES)、変更許可ウォッチャIDとして記憶されているか否かにより、変更が許可されているか否かを判断する(ステップS93)。制御部10は、拒否されていると判断した場合(S93:NO)、処理をステップS510へ戻して他の引き継ぎ先候補を決定して処理を進める。
【0209】
制御部10は、ステップS93において許可されていると判断した場合(S93:YES)、バディリスト及び通知先リストを更新することによって変更処理を行ない(ステップS94)、応答を受信した場合の処理を終了する。ステップS94において制御部10は、許可されている通知先のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報を通知してもよい。
【0210】
図33乃至図36のフローチャートに示す処理手順により、同一のプレゼンティティのプレゼンス端末装置2に対して同一のウォッチャへの通知先の変更可否の問い合わせ処理が繰り返し行なわれることが回避される。したがって、プレゼンティティである被介護者の操作の煩雑さが軽減される。
【0211】
このように、実施の形態1における介護システムでは、担当の被介護者についてのプレゼンス購読をしていたヘルパーがプレゼンス情報の通知を受けることができない状態となっても必ず、ヘルパー、管理者等のいずれかの他のサービス提供者(ウォッチャ)へ、被介護者(プレゼンティティ)のプレゼンス情報が確実に通知される。サービス提供者(ウォッチャ)の状態に応じて変更の要否が自動的に判定され、更にサービス提供者(ウォッチャ)が引き継ぎ先のウォッチャを指定して変更要求をすることなしに、自動的に変更処理を行なうことができる。また、自動的に決定された引き継ぎ先のウォッチャへ変更する前に、プレゼンティティへ問い合わせ処理を行なうことにより、プレゼンティティが意図しないウォッチャへプレゼンス情報が通知されることを回避し、適切なプレゼンス購読の引き継ぎを実現することができる。
【0212】
実施の形態1では、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、変更可否の問い合わせに対する応答を受信した場合に変更可否テーブルを作成、更新する構成とした。しかしながら、本発明ではこれに限らず、変更可否テーブルを、予めプレゼンティティID毎に許可ウォッチャID及び拒否ウォッチャIDを対応付けておき、記憶部11に記憶しておく構成としてもよい。
【0213】
また、実施の形態1では、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャのプレゼンス情報に基づいて変更要と判定した場合、引き継ぎ先候補への変更可否の問い合わせを行なう間、引き継ぎ完了待ちテーブルを作成、記憶する構成とした。しかしながら、本発明では、引き継ぎ完了待ちテーブルの記憶は必須ではなく、問い合わせ処理を行なわない場合は記憶しなくともよい。ただし、引き継ぎ完了待ちテーブルが記憶されることにより、問い合わせが完了するまでにいずれの通知先についての変更可否の問い合わせ中であるかを制御部10が認識することが可能である。制御部10は、変更可否についての問い合わせに対して応答を受信した場合、その応答が引き継ぎ完了待ちテーブルに記憶されているウォッチャID及びプレゼンティティIDの組に合致するときにのみ、通知先を変更する。これにより、変更要と判定されたウォッチャIDのウォッチャがプレゼンス情報を受け付ける状態に戻った場合等、変更可否の問い合わせは行なわれているが変更すべきでない場合に、実際に変更されることを回避することが可能になる。
【0214】
なお、引き継ぎ完了待ちテーブルが記憶されない構成とした場合は、引き継ぎ先候補に決定されたウォッチャへの変更(引き継ぎ)可否についてプレゼンス端末装置2へ問い合わせ処理を行なうことなしに、通知先を変更してもよい。引き継ぎ先候補リストの先頭のウォッチャがプレゼンス情報を受け付ける状態である場合、当該ウォッチャを次の通知先に変更する。このときに予め記憶しておいた変更可否テーブルを参照する構成としてもよい。これにより、いずれかのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報が確実に通知され、いずれかのウォッチャがプレゼンス情報を確実に受け付けて確認することが可能である。
【0215】
実施の形態1では、変更の要否を判定する場合に参照する変更条件は、「在席」、「不在」、「出張中」、「多忙」等の状態情報に応じた内容であった。しかしながら、本発明はこれに限らず、位置情報に応じた変更条件であってもよい。この場合、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、各ウォッチャにRFIDを使用したカードを持たせる等により位置情報を取得し、所定の範囲での存否を変更条件としてもよい。ウォッチャのプレゼンス情報の内容に応じて変更条件を設定することが可能である。
【0216】
(実施の形態2)
実施の形態2では、本発明に係る情報通信システムを、工場の設備の稼働状況を確実に管理するための稼働状況管理システムに適用した場合の例を挙げて説明する。
【0217】
図37は、実施の形態2における稼働状況管理システムの構成の概要を模式的に示す説明図である。稼働状況管理システムは、工場内LAN等のネットワークNに接続されているプレゼンスサーバ装置1と、プレゼンス端末装置2,2,…と、複数のウォッチャ端末装置3a,3b,…とを備えてプレゼンスシステムを構成している。
【0218】
実施の形態2での稼働状況管理システムは、工場の設備の保守作業員による各設備の稼働状況の把握及びメンテナンスに利用される。実施の形態2の稼働状況管理システムにおけるウォッチャは保守作業員である。実施の形態2でもウォッチャには夫々ウォッチャID「user1」、「user2」、「user3」、及び「user4」が割り振られている。各ウォッチャはウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3dを使用している。また、実施の形態2の稼働状況管理システムにおけるプレゼンティティは、稼働状況の監視対象である設備である。各設備のプレゼンティティIDは「machineA」、「machineB」、「machineC」、「machineD」、…である。実施の形態2においても、ウォッチャである保守作業員のプレゼンス情報に応じて処理が行なわれるという意味では、ウォッチャもまたプレゼンティティであり、ウォッチャのプレゼンティティ情報がウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3dからプレゼンスサーバ装置1へ通知される。
【0219】
実施の形態2における稼働状況管理システムのプレゼンスサーバ装置1、プレゼンス端末装置2,2,…、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…、及びネットワークNとを含むプレゼンスシステムとしての構成は、実施の形態1における介護支援システムと同様である。
【0220】
ただし、実施の形態2における稼働状況管理システムでは、上述のようにプレゼンティティが設備である。したがって、設備が自身でプレゼンス情報をプレゼンス端末装置2,2,…を用いて登録し、通知させることはできない。実施の形態2におけるプレゼンス端末装置2,2,…は、温度センサ、赤外線センサ等を利用したコンピュータ装置であり、設備内の特定の箇所の温度、物体の有無、動きを検知し、検知した温度、物体の有無、動きに応じてプレゼンス情報を自動的に登録するように構成されている。例えば、設備Aに設置されているプレゼンス端末装置2は、設備Aの冷却水の温度を測定する温度センサを利用し、温度センサによって測定された温度が所定値以上である場合、当該状況を知らせるプレゼンス情報をプレゼンスサーバ装置1へ通知するように構成されている。また、プレゼンス端末装置2,2,…は、センサを利用して検知した各種情報が所定の条件を満たした場合には、設備のメンテナンスを要求するプレゼンス情報を通知する機能を有していてもよい。
【0221】
また、実施の形態2における稼働状況管理システムでは、各設備のプレゼンス情報は全ての保守作業員が使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へ通知されるのではなく、各設備の担当者である保守作業員が使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…のいずれかへ通知されるように構成されている。ただし、実施の形態2における稼働状況管理システムでは、プレゼンティティが設備であるためにウォッチャである保守作業員からの購読依頼の作業は行なわれない。プレゼンティティ毎に、予め担当が割り当てられたウォッチャ(許可されたウォッチャ)が使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…へプレゼンス情報が通知されるように構成される。
【0222】
このように、各設備の稼働状況(状況、異常/正常情報、メンテナンス要求)が夫々の担当の保守作業員に通知され、各装置における状況をリアルタイムに通知することができる稼働状況管理システムを実現することができる。
【0223】
そして、実施の形態2の稼働状況管理システムにおいても、実施の形態1における介護支援システム同様に、プレゼンティティである各設備の状況は常にいずれかの保守作業員によって把握されるべきである。したがって、各設備のプレゼンス情報は、いずれかのウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3dへ確実に通知されるべきである。そこで、実施の形態2の稼働状況管理システムにも本発明に係る情報通信システムを適用する。これにより、例えば、設備Aの担当の保守作業員が使用するウォッチャ端末装置3aへプレゼンス情報が通知されていた状態が、当該担当の保守作業員が他の設備のメンテナンス作業に取り掛かる等の理由によりプレゼンス情報の通知を受け付けられない状態へ変化した場合、他の保守作業員が使用するウォッチャ端末装置3b,3c,3d,…のいずれかへプレゼンス情報の通知先が適切に引き継がれるように、プレゼンスサーバ装置1が通知先を変更する処理を行なうようにする。
【0224】
以下に、実施の形態2におけるウォッチャ端末3a,3b,3c,3d,…間における通知先の適切な引き継ぎを実現するための構成及び処理の詳細について以下に説明する。なお、実施の形態2における稼働状況管理システムの構成の内、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0225】
図38は、実施の形態2におけるウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の表示部35に表示される画面例を示す説明図である。図38の説明図に示す画面例は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の記憶部31に記憶してある保守作業員用プレゼンスアプリケーションプログラムを制御部30が読み出して実行することにより表示される。
【0226】
図38の説明図に示す画面例の構成は、実施の形態1における図3の説明図に示した画面例の構成と同様である。図38の画面例では、プレゼンティティIDが「machineA」である「設備A」、プレゼンティティIDが「machineC」である「設備C」、及びプレゼンティティIDが「machineD」である「設備D」の稼働状況を表わす最新のプレゼンス情報が表示されている。
【0227】
図38の画面例の「登録」ボタン303は、ウォッチャである保守作業員が自身のプレゼンス情報の登録をする際に使用されるボタンである。保守作業員は、入力部33のマウス等を操作して「登録」ボタン303を押下することにより、自身の「巡回中」、「点検中」、「作業中」又は「休暇」等の状態情報を設定し、ウォッチャのプレゼンス情報として通知させることが可能である。また、実施の形態2におけるウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…では、保守作業員が自身の状態を登録する際又は自身の状態を登録した後、プレゼンス情報の通知を受け付けられない「作業中」又は「休暇」等の状態となる場合、監視対象のプレゼンティティに対応する伝言情報を登録することができるように構成されている。具体的には、「登録」ボタン303が押下された場合に表示される画面に、状態情報の選択肢夫々に応じたラジオボタンと、プレゼンティティ毎に伝言情報を入力することが可能な編集ボックスと、制御部30に送信を指示する「登録」ボタンとが表示されるようにすればよい。
【0228】
制御部30は、「登録」ボタン303が入力部33によって押下されたことを検知した場合、設定された状態情報(プレゼンス情報)をプレゼンスサーバ装置1へ送信する。伝言情報が登録された場合、制御部30は登録された伝言情報をプレゼンスサーバ装置1に送信する。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から送信されたプレゼンス情報を受信した場合、ウォッチャIDに対応付けてプレゼンス情報を記憶しておく。また、制御部10は、伝言情報を受信した場合、対応するプレゼンティティのプレゼンティティIDと共に伝言情報を一時記憶領域12に記憶しておく。
【0229】
次に、プレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されるバディリスト及び通知先リストについて説明する。実施の形態2における稼働状況管理システムでは、プレゼンス情報の購読依頼に対する可否の処理は行なわれない。したがって、バディリスト及び通知先リストは、工場の設備の配置及び担当者の配置に応じて予め作成され、プレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている。
【0230】
図39は、実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されているバディリスト及び通知先リストの内容例を示す説明図である。図39(a)は、バディリストの内容例を示し、図39(b)は通知先リストの内容例を示している。
【0231】
図39(a)の説明図に示すバディリストの例では、ウォッチャID「user1」のウォッチャは、プレゼンティティID「machineA」、「machineC」及び「machineD」のプレゼンス情報の購読をしていることが示されている。ウォッチャID「user2」のウォッチャは、プレゼンティティID「machineB」のプレゼンス情報を購読していることが示されている。そして、図39(a)の説明図に示すバディリストの内容例では、いずれのウォッチャも他のウォッチャから通知先を引き継いでいない。
【0232】
図39(b)の説明図に示す通知先リストの例では、図39(a)のバディリストと対応して、プレゼンティティID「machineA」である「設備A」の最新のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user1」の保守作業員(ウォッチャ)を通知先としていることが示されている。同様に、プレゼンティティID「machineB」である「設備B」の最新のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user2」のウォッチャを通知先とし、プレゼンティティID「machineC」である「設備C」の最新のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先とし、プレゼンティティID「machineD」である「設備D」の最新のプレゼンス情報は、ウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先としていることが示されている。そして、図39(b)の説明図に示す通知先リストの内容例では、いずれのプレゼンス情報の通知先も引き継がれていない。
【0233】
実施の形態2における稼働状況管理システムにおいても、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、各ウォッチャのプレゼンス情報を変更条件に照らし、変更要否を判定する。そして、実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10は、変更要と判定した場合、問い合わせ処理を行なうことなしに予め通知が許可された担当者を示す担当割当テーブルを変更可否テーブルとして扱い、当該担当割当テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定し、変更処理を実行する。
【0234】
図40は、実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている変更条件及び担当割当テーブルの内容例を示す説明図である。図40(a)は、変更条件の内容例を示し、図40(b)は担当割当テーブル(変更可否テーブル)の内容例を示している。
【0235】
図40(a)の説明図では、ウォッチャID「user1」のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報は、ウォッチャのプレゼンス情報が「作業中」又は「休暇」である場合に通知先が変更されるべきであることが示されている。同様に、ウォッチャID「user2」のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報は、ウォッチャのプレゼンス情報が「作業中」である場合に通知先が変更されるべきであることが示されている。
【0236】
図40(b)の説明図に示すように、担当割当テーブルには各設備のプレゼンティティID毎に担当作業員のウォッチャID、即ちプレゼンス情報の通知が許可されているウォッチャのウォッチャIDが対応付けられて記憶されている。図40(b)の説明図に示す例では、プレゼンティティID「machineA」のプレゼンス情報についてはウォッチャID「user1」、「user2」及び「user4」のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3a,3b,3dへの通知が許可されていることが示されている。同様に、プレゼンティティID「machineB」のプレゼンス情報については、ウォッチャID「user2」のウォッチャが使用するウォッチャ端末装置3bへの通知が許可されていることが示されている。
【0237】
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、図39(a)及び(b)に示したバディリスト及び通知先リストを参照して、プレゼンス端末装置2,2,…から通知されるプレゼンス情報をウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…のいずれかへ通知する。そして、実施の形態2における稼働状況管理システムでも、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…から通知されるウォッチャのプレゼンス情報と図40(a)の説明図に示した変更条件とを照らし、変更の要否を判定し、変更が必要な場合には通知先を変更する処理を行なう。そしてプレゼンスサーバ装置1の制御部10は、通知先を変更するに際し、実施の形態1における変更可否テーブルに相当する、図40(b)の説明図に示した担当割当テーブルに基づいて引き継ぎ先を決定する。
【0238】
図41及び図42は、実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、担当割当テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図41及び図42のフローチャートに示す処理手順の内、実施の形態1における図33及び図34のフローチャートに示した処理手順と共通する処理手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0239】
制御部10は、各ウォッチャのプレゼンス情報を図40(a)の説明図に示した変更条件を参照し(S405)、変更の要否を判定する(S406)。制御部10は、変更が必要であると判定した場合(S406:YES)、担当割当テーブル(変更可否テーブル)に基づいて引き継ぎ先候補を決定する(S407)。
【0240】
具体的には、制御部10は以下のようにして引き継ぎ先候補を決定する。制御部10はバディリストを参照し、変更要と判定されたウォッチャが購読しているプレゼンス情報のプレゼンティティIDを取得する。制御部10は、担当割当テーブルを参照し、バディリストから取得したプレゼンティティIDの担当者(許可されているウォッチャ)として記憶してあるウォッチャIDをリストの順に読み出し、変更要と判定された元のウォッチャを除いて一番上位に記憶されているウォッチャIDを読み出す。読み出したウォッチャIDのプレゼンス情報を参照し、プレゼンス情報が示す状態が変更条件に照らして変更要と判定される状態でない場合、読み出したウォッチャIDのウォッチャを引き継ぎ先候補として決定する。
【0241】
次に制御部10は、バディリスト及び通知先リストを参照し、変更要と判定された元のウォッチャを通知先としているプレゼンス情報のプレゼンティティIDを取得する(S408)。そして制御部10は、変更要と判定された元のウォッチャに関係する既存の引き継ぎ情報を削除する(S409)。そして制御部10は、担当割当テーブルを参照して決定した次の引き継ぎ先候補へ、実際に通知先を変更する変更処理を実行し(S84)、変更要と判定されたウォッチャを通知先としていたプレゼンス情報の全プレゼンティティについて変更を完了したか否かを判断する(S82)。
【0242】
制御部10は、全プレゼンティティについて変更を完了していないと判断した場合(S82:NO)、処理をステップS84へ戻して次のプレゼンティティについての変更処理を実行する(S84)。制御部10は、全プレゼンティティについて変更を完了したと判断した場合(S82:YES)、変更条件及び担当割当テーブルに基づく変更要否の判定処理及び引き継ぎ先候補を決定する処理を終了する。
【0243】
図43は、実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11のバディリスト及び通知先リストが、通知先の変更によって更新された場合の内容例を示す説明図である。図43(a)は、図39(a)に示したバディリストが更新された後の内容例を示し、図43(b)は、図39(b)に示した通知先リストが更新された後の内容例を示している。なお、図43の説明図に示す内容例は、図39の説明図に示したバディリスト及び通知先リストに対し、ウォッチャID「user1」のウォッチャがメンテナンス作業に取り掛かり始め、自身のプレゼンス情報「作業中」をウォッチャ端末装置3aで登録したことに応じて変更処理が実行され、更新されたバディリスト及び通知先リストの例を示している。
【0244】
ウォッチャID「user1」のウォッチャのプレゼンス情報が「作業中」となった場合、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、当該ウォッチャを通知先とする、プレゼンティティID「machineA」、「machineC」及び「machineD」のプレゼンス情報の通知先を変更すべきと判定する。プレゼンティティID「machineA」のプレゼンス情報についての引き継ぎ先候補としては、図40(b)に示した担当割当テーブルに基づき、ウォッチャID「user1」の次に記憶されているウォッチャID「user2」が決定される。
【0245】
そして図43(a)の説明図に示すように、ウォッチャID「user2」が購読するプレゼンス情報のプレゼンティティIDに、「machineA」が制御部10による変更処理で追加される。ウォッチャID「user2」の「machineA」のエントリについては、「引き継ぎ有」が「yes」となるように対応付けられて記憶されている。図43(a)の説明図に示されるバディリストは、ウォッチャID「user2」のウォッチャによるプレゼンティティID「machineA」のプレゼンス情報の購読は、いずれかのウォッチャから通知先を引き継いでいるものであることを示している。
【0246】
また、図43(b)の説明図に示すように、プレゼンティティID「machineA」の通知先リストには、引き継ぎ元のウォッチャのウォッチャID「user1」に加えて引き継ぎ先のウォッチャのウォッチャID「user2」が記憶される。また、引き継ぎ先のウォッチャのウォッチャID「user2」には、引き継ぎ元ウォッチャIDとして「user1」が対応付けられている。同様に、ウォッチャID「user1」が通知先であったプレゼンティティID「machineC」及び「machineD」についても通知先が追加され、引き継ぎ元ウォッチャID「user1」が対応付けられている。制御部10は、図43(b)の説明図に示す内容例の通知先リストを参照することにより、プレゼンティティID「machineA」のプレゼンス情報を通知するに際し、ウォッチャID「user2」のウォッチャは通知先を引き継ぎ中であることを認識することが可能である。
【0247】
制御部10は、上述のように変更処理を行ない、引き継ぎ先のウォッチャ端末装置3bへ最初にプレゼンス情報を通知するに際し、付加情報と同様の扱いにより、当該プレゼンティティに対応付けて一時記憶領域12に記憶しておいた伝言情報を共に通知する。
【0248】
図44は、実施の形態2における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置3bの表示部35に表示される画面例を示す説明図である。ウォッチャ端末装置3a,3b,3c,3d,…の制御部30は、プレゼンス情報と共に通知される伝言情報を受信した場合、当該伝言情報を表示部35に表示する。図44の画面例では、プレゼンス情報表示エリア302に、プレゼンティティ「設備A」のプレゼンス情報と共に「設備A」の元のウォッチャからの伝言情報が表示されていることが示されている。これにより、引き継ぎ先のウォッチャ端末装置3bを使用するウォッチャである保守作業員は、引き継いだ監視対象の過去の情報及び対処の仕方を詳しく知ることができ、より正確にプレゼンティティの状況を把握することが可能となる。
【0249】
このように、工場での各設備を監視する稼働状況管理システムに本発明に係る情報通信システムを適用することにより、各設備の状況が自動的に、保守作業員全員でなく担当の保守作業員に通知されるように構成されている場合に、当該担当の保守作業員が通知を受け付けられない状態となったときでも、自動的に通知先が変更され、確実にいずれかの保守作業員が引き継ぐことによって状況を把握することができる。
【0250】
上述のように、実施の形態1では介護システムに本発明の情報通信システムを適用した例を示し、実施の形態2では稼働状況管理システムに適用する例に示して説明した。本発明に係る情報通信システムはこれに限らず、監視対象の状態を確実に監視する警報システム等のシステムに適用することが可能である。また、常時監視が必要な危険な場所での作業状態管理システム、各種警報システムへの適用が可能である。これらの場合も、プレゼンティティが「モノ」であるときには、プレゼンティティが購読可否、変更可否の問い合わせに応答することが難しいので、実施の形態2では変更可否テーブルに基づいて決定した。しかしながらこのとき、各プレゼンティティについての引き継ぎについての問い合わせが所定の管理者へまとめて送信される構成とすることによっても適用が可能である。このように本発明に係る情報通信システムを適用することにより、夫々のシステムで優れた効果を奏する。
【0251】
以上の実施の形態に関し更に、以下の付記を開示する。
【0252】
(付記1)
プレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段と、
前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置の内、通知が許可される一又は複数の外部装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段と、
プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段と、
該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段と、
前記受付手段により通知を受け付けたプレゼンス情報を、変更後の通知先へ通知する通知手段と
を備えることを特徴とする情報通信装置。
【0253】
(付記2)
前記変更手段は、
前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置から、一又は複数の次の通知先候補を抽出する抽出手段と、
該抽出手段が抽出した次の通知先候補への変更可否についてプレゼンス情報の通知元へ問い合わせ処理を行なう問い合わせ手段と
を備え、
該問い合わせ手段の問い合わせに対する前記通知元からの応答が変更可を示す通知先候補を次の通知先として変更するようにしてあること
を特徴とする付記1に記載の情報通信装置。
【0254】
(付記3)
前記問い合わせ手段の問い合わせに対する前記通知元からの応答が変更不可を示す場合、
前記抽出手段により他の通知先候補を抽出し、抽出した他の通知先候補への変更可否について前記問い合わせ手段により再度問い合わせるようにしてあること
を特徴とする付記2に記載の情報通信装置。
【0255】
(付記4)
前記問い合わせ手段は、通知先候補夫々の状態情報を共にプレゼンス情報の通知元へ送信する手段を備えること
を特徴とする付記2又は3に記載の情報通信装置。
【0256】
(付記5)
変更後の通知先へプレゼンス情報を通知するに際し、プレゼンス情報の通知元についての付加情報を共に送信する手段を備えること
を特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の情報通信装置。
【0257】
(付記6)
前記変更要否手段が変更要と判定した場合、変更要と判定された通知先に対応付けて抽出された次の通知先候補を記憶しておく手段と、
前記問い合わせ手段に応じた変更可否の応答を受け付ける前に、前記取得手段が取得した前記通知先の状態情報に基づき、前記変更要否判定手段が変更不要と判定した場合、前記通知先に対応付けて記憶された通知先候補を削除する手段と
を備え、
前記変更手段は、通知先候補の対応付けが削除された通知先については、通知先を変更しないようにしてあること
を特徴とする付記2乃至5のいずれかに記載の情報通信装置。
【0258】
(付記7)
前記変更手段は、通知先を変更するに際し、通知先に対応付けて変更前の通知先を示す情報を記憶する手段と、
変更前の通知先に対応付けて変更後の通知先を示す情報を記憶する手段と
を特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の情報通信装置。
【0259】
(付記8)
通知先の変更後、変更前の通知先の状態情報に基づき前記変更要否判定手段が変更不要と判定した場合、変更後の通知先へのプレゼンス情報の通知を停止する手段
を備え、
前記変更手段は、変更前の通知先を通知先とするようにしてあること
を特徴とする付記7に記載の情報通信装置。
【0260】
(付記9)
前記変更手段により変更された変更後の通知先を記憶する手段と、
記憶した前記変更後の通知先を変更前の予め許可されていた通知先へ通知する手段と
を特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の情報通信装置。
【0261】
(付記10)
プレゼンス情報の通知元毎に、通知先として許可/拒否される外部装置を示す変更可否情報を記憶しておき、
前記変更手段は、前記変更可否情報に基づき通知先として許可される外部装置を次の通知先として決定するようにしてあること
を特徴とする付記1、及び付記7乃至9のいずれかに記載の情報通信装置。
【0262】
(付記11)
前記問い合わせ手段に応じた通知元からの変更可否の応答に基づいて、プレゼンス情報の通知元毎に、通知先として許可/拒否される外部装置を示す変更可否情報を作成して記憶する作成手段を備え、
前記変更手段は、前記変更可否情報に基づき通知先として許可される外部装置を次の通知先と決定するようにしてあること
を特徴とする付記2乃至9のいずれかに記載の情報通信装置。
【0263】
(付記12)
プレゼンス情報を通知する手段を備える一又は複数の第1端末装置と、プレゼンス情報の通知を受け付ける手段を備える複数の第2端末装置と、前記第1及び第2端末装置間の通信を中継する中央装置とを含む情報通信システムであって、
前記中央装置は、
前記第1端末装置からプレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段と、
前記第2端末装置の内、通知が許可される一又は複数の第2端末装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段と、
該通知先記憶手段が記憶している通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段と、
該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段と、
プレゼンス情報が通知された場合、前記変更手段が変更した後の通知先へ前記プレゼンス情報を通知する通知手段と
を備えることを特徴とする情報通信システム。
【0264】
(付記13)
プレゼンス情報を通知する手段を備える一又は複数の第1端末装置、及び、プレゼンス情報の通知を受け付ける手段を備える複数の第2端末装置間の通信を、中央装置が中継する情報通信方法であって、
前記中央装置は、
前記第2端末装置の内、プレゼンス情報の通知が許可される一又は複数の第2端末装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶しておき、
プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得し、
取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定し、
変更要と判定した場合、前記状態情報に基づき次の通知先を決定して変更し、
変更後の通知先を、通知先として記憶し直し、
プレゼンス情報の通知を受け付けた場合、変更後の通知先へ前記プレゼンス情報を通知する
ことを特徴とする情報通信方法。
【0265】
(付記14)
ネットワークを介して通信する手段を備えるコンピュータを、
プレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段、
前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置の内、通知が許可される一又は複数の外部装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段、
プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段、
該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段、及び、
前記受付手段により通知を受け付けたプレゼンス情報を、変更後の通知先へ通知する通知手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0266】
【図1】実施の形態1における介護支援システムの構成の概要を模式的に示す説明図である。
【図2】実施の形態1における介護支援システムを構成するプレゼンスサーバ装置、プレゼンス端末装置、及びウォッチャ端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1におけるウォッチャ端末装置の表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図4】実施の形態1におけるウォッチャ端末装置の表示部に、プレゼンス情報の購読依頼時に表示される画面例を示す説明図である。
【図5】実施の形態1におけるウォッチャ端末装置の表示部に、メッセージ送信時に表示される画面例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1におけるプレゼンス端末装置の表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図7】実施の形態1におけるプレゼンス端末装置の表示部に、プレゼンス情報の通知時に表示される画面例を示す説明図である。
【図8】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、購読依頼を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶されるバディリストの内容例を示す説明図である。
【図10】実施の形態1におけるプレゼンス端末装置での購読可否の問い合わせ応答時に、表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図11】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、購読可否の問い合わせに対する応答を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶される通知先リストの内容例を示す説明図である。
【図13】実施の形態1におけるプレゼンス端末装置によりプレゼンス情報が通知された場合の、プレゼンスサーバ装置の制御部による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1におけるウォッチャ端末装置から通知されるプレゼンス情報の内容例を示す説明図である。
【図15】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶されている変更条件の内容例を示す説明図である。
【図16】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶されているウォッチャの属性リストの内容例を示す説明図である。
【図17】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、通知先の変更の要否を判定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、通知先の変更の要否を判定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が記憶する引き継ぎ完了待ちテーブルの内容例を示す説明図である。
【図20】実施の形態1におけるプレゼンス端末装置での変更可否の問い合わせ応答時に、表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図21】実施の形態1におけるプレゼンス端末装置での変更可否の問い合わせ応答時に、表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図22】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、変更可否の問い合わせへの応答を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部のバディリストが、通知先の変更によって更新された場合の内容例を示す説明図である。
【図24】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部の通知先リストが、通知先の変更によって更新された場合の内容例を示す説明図である。
【図25】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶される付加情報の内容例を示す説明図である。
【図26】実施の形態1における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置の表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図27】実施の形態1における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置から、更に通知先が変更された場合のバディリストの内容例を示す説明図である。
【図28】実施の形態1における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置から、更に通知先が変更された場合の通知先リストの内容例を示す説明図である。
【図29】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が通知先を変更した後に、プレゼンス情報が通知された場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図30】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶される通知履歴の内容例を示す説明図である。
【図31】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部により、引き継ぎ元が変更不要な状態に戻った場合に行なわれる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図32】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶される変更可否テーブルの内容例を示す説明図である。
【図33】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、変更可否テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図34】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、変更可否テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図35】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、変更要否の問い合わせへの応答に応じて変更可否テーブルを作成、更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図36】実施の形態1におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、変更要否の問い合わせへの応答に応じて変更可否テーブルを作成、更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】実施の形態2における稼働状況管理システムの構成の概要を模式的に示す説明図である。
【図38】実施の形態2におけるウォッチャ端末装置の表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図39】実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶されているバディリスト及び通知先リストの内容例を示す説明図である。
【図40】実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部に記憶されている変更条件及び担当割当テーブルの内容例を示す説明図である。
【図41】実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、担当割当テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図42】実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置の制御部が、担当割当テーブルに基づいて引き継ぎ先候補を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図43】実施の形態2におけるプレゼンスサーバ装置の記憶部のバディリスト及び通知先リストが、通知先の変更によって更新された場合の内容例を示す説明図である。
【図44】実施の形態2における引き継ぎ先のウォッチャ端末装置の表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0267】
1 プレゼンスサーバ装置
2,2,… プレゼンス端末装置
3a,3b,3c,3d,… ウォッチャ端末装置
10,20,30 制御部
11,21,31 記憶部
1P 制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段と、
前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置の内、通知が許可される一又は複数の外部装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段と、
プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段と、
該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段と、
前記受付手段により通知を受け付けたプレゼンス情報を、変更後の通知先へ通知する通知手段と
を備えることを特徴とする情報通信装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記プレゼンス情報の通知を受け付ける複数の外部装置から、一又は複数の次の通知先候補を抽出する抽出手段と、
該抽出手段が抽出した次の通知先候補への変更可否についてプレゼンス情報の通知元へ問い合わせ処理を行なう問い合わせ手段と
を備え、
該問い合わせ手段の問い合わせに対する前記通知元からの応答が変更可を示す通知先候補を次の通知先として変更するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の情報通信装置。
【請求項3】
前記問い合わせ手段の問い合わせに対する前記通知元からの応答が変更不可を示す場合、
前記抽出手段により他の通知先候補を抽出し、抽出した他の通知先候補への変更可否について前記問い合わせ手段により再度問い合わせるようにしてあること
を特徴とする請求項2に記載の情報通信装置。
【請求項4】
前記変更手段は、通知先を変更するに際し、通知先に対応付けて変更前の通知先を示す情報を記憶する手段と、
変更前の通知先に対応付けて変更後の通知先を示す情報を記憶する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報通信装置。
【請求項5】
通知先の変更後、変更前の通知先の状態情報に基づき前記変更要否判定手段が変更不要と判定した場合、変更後の通知先へのプレゼンス情報の通知を停止する手段
を備え、
前記変更手段は、変更前の通知先を通知先とするようにしてあること
を特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項6】
前記問い合わせ手段に応じた通知元からの変更可否の応答に基づいて、プレゼンス情報の通知元毎に、通知先として許可/拒否される外部装置を示す変更可否情報を作成して記憶する作成手段を備え、
前記変更手段は、前記変更可否情報に基づき通知先として許可される外部装置を次の通知先と決定するようにしてあること
を特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の情報通信装置。
【請求項7】
プレゼンス情報を通知する手段を備える一又は複数の第1端末装置と、プレゼンス情報の通知を受け付ける手段を備える複数の第2端末装置と、前記第1及び第2端末装置間の通信を中継する中央装置とを含む情報通信システムであって、
前記中央装置は、
前記第1端末装置からプレゼンス情報の通知を受け付ける受付手段と、
前記第2端末装置の内、通知が許可される一又は複数の第2端末装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶する通知先記憶手段と、
該通知先記憶手段が記憶している通知先の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定する変更要否判定手段と、
該変更要否判定手段が変更要と判定した場合に、前記状態情報に基づき次の通知先を決定し、通知先を変更する変更手段と、
プレゼンス情報が通知された場合、前記変更手段が変更した後の通知先へ前記プレゼンス情報を通知する通知手段と
を備えることを特徴とする情報通信システム。
【請求項8】
プレゼンス情報を通知する手段を備える一又は複数の第1端末装置、及び、プレゼンス情報の通知を受け付ける手段を備える複数の第2端末装置間の通信を、中央装置が中継する情報通信方法であって、
前記中央装置は、
前記第2端末装置の内、プレゼンス情報の通知が許可される一又は複数の第2端末装置を、前記プレゼンス情報の通知先として前記プレゼンス情報の通知元毎に対応付けて記憶しておき、
プレゼンス情報の通知先の状態を示す状態情報を取得し、
取得した状態情報に基づき、通知先の変更の要否を判定し、
変更要と判定した場合、前記状態情報に基づき次の通知先を決定して変更し、
変更後の通知先を、通知先として記憶し直し、
プレゼンス情報の通知を受け付けた場合、変更後の通知先へ前記プレゼンス情報を通知する
ことを特徴とする情報通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate


【公開番号】特開2009−146313(P2009−146313A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325217(P2007−325217)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】