説明

情報隠蔽システム、装置及び方法

【課題】秘密情報を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成すること。
【解決手段】送り手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキストを生成する際、カバーテキストの文字列において、秘密情報に関連する文字に挟まれたASCII文字(置換用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、秘密情報に関連しない文字に挟まれたASCII文字(非置換用検索文字列C)を全角文字列に変換している。即ち、送り手側の情報隠蔽装置では、半角文字と全角文字の変換によって、カバーテキストの変更を最小限に抑えることにより、秘密情報を隠蔽した痕跡が残らない。このように、本発明の情報隠蔽システムによれば、秘密情報を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、秘密情報を隠蔽する情報隠蔽システム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送り手側が受け手側にだけ情報を伝えて、第三者に伝わらないように、送り手側が秘密情報を隠蔽してネットワークを介して受け手側に送信する情報隠蔽方法が利用されている。これまでの情報隠蔽方法では、画像や音声などを情報埋め込み媒体(カバーデータ)とするものが多い。この方法では、テキストをカバーデータ(カバーテキスト)とするものであっても行間を調整したり、空白や不可視な文字を挿入したりする画像レベルの操作がほとんどである。また、辞書に基づき単語レベルの置き換えによって情報を埋め込む方法もある。このような方法としては、ステガノグラフィなどが挙げられる。しかし、これらの方法には次のような問題がある。
【0003】
その問題点とは、秘密情報を隠蔽している事実が露見されやすいことである。その理由としては、カバーテキストに不自然なコードが挿入されたり、単語の置き換えによって意味が変更したりすることで、秘密情報を隠蔽した痕跡が残ってしまうからである。このため、秘密情報が埋め込まれたカバーテキストが不自然になってしまい、第三者に秘密情報が隠蔽されていることを察知されやすい。送り手側において、秘密情報を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成できることが望まれる。
【0004】
情報の埋め込みに関連する技術について紹介する。
【0005】
特開2005−124137号公報には、文章処理装置が記載されている(特許文献1)。文章処理装置は、テキストデータを入力する入力手段と、正規化手段と、埋め込みデータ生成手段と、埋め込み手段と、を備えることを特徴している。入力手段は、テキストデータを入力する。正規化手段は、テキストデータを所定の正規化方式を用いて正規化する。埋め込みデータ生成手段は、正規化されたデータに基づいて、埋め込みデータを生成する。埋め込み手段は、埋め込みデータをテキストデータに対して埋め込む。
【0006】
特表2005−512166号公報(特許文献2)に記載された方法は、テキスト文書の複数の単語間間隔にある見えない文字の選択された見えない属性を変更することによって、テキスト文書の中にデータを見えないように埋め込み隠すための方法であって、第1〜5ステップを含んでいる。第1ステップでは、単語間間隔として使用されるスペース文字において見えない、少なくとも1つの属性を選択する。第2ステップでは、テキスト文書の全ての単語間間隔において、選択された属性の値を同じデフォルト値に設定することによって、テキスト文書を標準形式に変換する。第3ステップでは、選択された属性の異なる値に対応する値の順序付けセットとして、テキスト文書の中に埋め込まれ隠されるデータを符号化する。第4ステップでは、テキスト文書中の全ての単語間間隔の中からテキスト文書の中にデータを埋め込み隠すために使用されるスペース文字のセットに対応する単語間間隔のセットを選択する。第5ステップでは、スペース文字のセットの各スペース文字において、デフォルト属性値を対応する符号化されたデータによって置き換える。
【0007】
特開平11−288216号公報には、電子文書の埋込情報の符号化方法が記載されている(特許文献3)。電子文書の埋込情報の符号化方法は、句読点が全角文字と半角文字+半角空白とによって構成された電子文書の埋込情報の符号化方法であって、埋込情報をバイナリデータに変換し、変換したバイナリデータの符号を、全角文字と半角文字+半角空白とで構成される句読点に割り当て、割り当てた符号を電子文書に埋め込むことを特徴としている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−124137号公報
【特許文献2】特表2005−512166号公報
【特許文献3】特開平11−288216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、秘密情報を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成することができる情報隠蔽システム、装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報隠蔽システムは、複数の情報隠蔽装置を具備している。複数の情報隠蔽装置は、ネットワークに接続され、記憶装置と制御部とを備えている。記憶装置は、半角−全角文字記憶部と、文字種−ビット列記憶部と、ビット列記憶部と、を備えている。半角−全角文字記憶部には、ASCII(American Standard Code for Information Interchange)文字を表す半角文字と全角文字とを複数対応付ける半角−全角文字対応表が格納されている。文字種−ビット列記憶部には、漢字、かな、カタカナを表す第1及び第2文字種と、所定のビット数で構成される部分ビット列とを複数対応付ける文字種−ビット列対応表が格納されている。複数の情報隠蔽装置のうちの送り手側の情報隠蔽装置のビット列記憶部には、ビット列に変換された秘密情報が格納される。この場合、送り手側の情報隠蔽装置の制御部は、半角−全角文字対応表を参照して、カバーテキストに記載された文字列の中から、ASCII文字を表す複数の検索文字列を検索する。文字種−ビット列対応表を参照して、カバーテキストの文字列の中から、それぞれ複数の検索文字列の前後の文字を表す文字種として複数の第1及び第2候補文字種を検索する。文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、秘密情報のビット列を部分ビット列群として分割したとき、文字種−ビット列対応表を参照して、複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ秘密情報の部分ビット列群に対応する第1及び第2置換用文字種群を検索する。半角−全角文字対応表を参照して、複数の検索文字列のうちの、第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた置換用検索文字列群と、置換用検索文字列群以外の非置換用検索文字列とを検索する。カバーテキストの文字列において、置換用検索文字列群のASCII文字を半角文字に変換し、非置換用検索文字列のASCII文字を全角文字に変換して、隠蔽テキストとして生成する。隠蔽テキストを複数の情報隠蔽装置のうちの受け手側の情報隠蔽装置にネットワークを介して送信する。受け手側の情報隠蔽装置の制御部は、送り手側の情報隠蔽装置からの隠蔽テキストを受信し、隠蔽テキストから秘密情報の部分ビット列群を抽出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の情報隠蔽システムによれば、送り手側の情報隠蔽装置は、カバーテキストに不自然なコードを挿入されたり、単語の置き換えによってカバーテキストに記載された文字列(文章)の意味やレイアウトを変更したりしていない。送り手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキストを生成する際、カバーテキストの文字列において、秘密情報に関連する文字に挟まれたASCII文字(置換用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、秘密情報に関連しない文字に挟まれたASCII文字(非置換用検索文字列C)を全角文字列に変換している。即ち、送り手側の情報隠蔽装置では、半角文字と全角文字の変換によって、カバーテキストの変更を最小限に抑えることにより、秘密情報を隠蔽した痕跡が残らない。このように、本発明の情報隠蔽システムによれば、秘密情報を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態による情報隠蔽システムについて詳細に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
[構成]
図1は、本発明の実施形態による情報隠蔽システムを示している。情報隠蔽システムは、ネットワークに接続された複数の情報隠蔽装置を具備している。
【0014】
複数の情報隠蔽装置の各々は、入力部1と、外部記憶装置2と、メモリ3と、制御部4と、出力部5と、を具備している。
【0015】
外部記憶装置2は、半角−全角文字対応表が格納された半角−全角文字記憶部21と、文字種−ビット列対応表が格納された文字種−ビット列記憶部22と、を備えている。
【0016】
メモリ3は、ビット列記憶部31を備えている。
【0017】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)である。記憶装置(外部記憶装置又はメモリ)には、制御部に実行させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御部4は、コンピュータ(情報隠蔽装置)が起動するときなどにコンピュータプログラムを記憶装置から読み取って実行する。そのコンピュータプログラムは、後述のビット列変換部41、情報隠蔽部42、情報復元部91、ビット列復元部92を含んでいる。
【0018】
複数の情報隠蔽装置のうちの送り手側の情報隠蔽装置は、秘密情報11をカバーテキスト12に埋め込んで隠蔽テキスト51を生成して、ネットワークを介して送信する。複数の情報隠蔽装置のうちの受け手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキスト61から秘密情報11を抽出し、抽出した秘密情報11と、送り手側でカバーテキスト12に埋め込まれた際の秘密情報11とが同一であるか否かを判断する。
【0019】
ここで、受け手側の情報隠蔽装置の構成と送り手側の情報隠蔽装置の構成との記載を区別するために、受け手側の情報隠蔽装置の入力部1、外部記憶装置2、メモリ3、制御部4、出力部5をそれぞれ入力部6、外部記憶装置7、メモリ8、制御部9、出力部10と表記する。
【0020】
また、受け手側の情報隠蔽装置における半角−全角文字記憶部21、文字種−ビット列記憶部22、ビット列記憶部31をそれぞれ半角−全角文字記憶部71、文字種−ビット列記憶部72、ビット列記憶部81と表記する。
【0021】
送り手側の情報隠蔽装置の入力部1には、カバーテキスト12と秘密情報11とが与えられる。カバーテキスト12はテキストファイルとし、埋め込み処理の対象となる半角文字を多く含む技術論文や統計資料などを想定する。秘密情報11のデータ形式はテキストデータ又はバイナリデータとする。この場合、送り手側の情報隠蔽装置のビット列記憶部31には、ビット列に変換された秘密情報11が格納される。
【0022】
図3は、半角−全角文字記憶部21、71に格納された半角−全角文字対応表を示している。半角−全角文字対応表は、ASCII(American Standard Code for Information Interchange)文字を表す半角文字と全角文字とを複数対応付けている。ASCII文字については公知なので、ASCII文字やその種類についての説明を省略する。
【0023】
図4は、文字種−ビット列記憶部22、72に格納された文字種−ビット列対応表を示している。文字種−ビット列対応表は、第1及び第2文字種A→Bと、所定のビット数で構成される部分ビット列Hと、を複数対応付けている。第1及び第2文字種A→Bは、後述の検索文字列の前後1文字の文字種であり、漢字、かな、カタカナを表している。
【0024】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「ひらがな」、「ひらがな」である場合、「かな→かな」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、検証用フラグを表している。以降、第1、第2文字種「かな→かな」を第1及び第2検証用文字種「かな→かな」と称することもある。部分ビット列Hが検証用フラグを表す場合、その部分ビット列Hを検証用部分ビット列と称することもある。
【0025】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「ひらがな」、「カタカナ」である場合、「かな→カナ」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“000”を表している。
【0026】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「ひらがな」、「漢字」である場合、「かな→漢字」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“001”を表している。
【0027】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「カタカナ」、「ひらがな」である場合、「カナ→かな」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“010”を表している。
【0028】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「カタカナ」、「カタカナ」である場合、「カナ→カナ」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“011”を表している。
【0029】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「カタカナ」、「漢字」である場合、「カナ→漢字」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“100”を表している。
【0030】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「漢字」、「ひらがな」である場合、「漢字→かな」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“101”を表している。
【0031】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「漢字」、「カタカナ」である場合、「漢字→カナ」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“110”を表している。
【0032】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「漢字」、「漢字」である場合、「漢字→漢字」として表現する。この場合、部分ビット列Hは、3ビットの情報として“111”を表している。
【0033】
送り手側の情報隠蔽装置の情報隠蔽部42は、半角−全角文字記憶部21に格納された半角−全角文字対応表を参照して、カバーテキスト12に記載された文字列の中から、ASCII文字を表す複数の検索文字列Cを検索する。
【0034】
次に、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、カバーテキスト12の文字列の中から、それぞれ複数の検索文字列Cの前後の文字を表す文字種として複数の第1及び第2候補文字種{A→B}を検索する。
【0035】
次に、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表の部分ビット列Hと同じビット数で構成されるように、秘密情報11のビット列を部分ビット列X(p)群として分割する。後述するが、実際には、部分ビット列X(p)群の各々は、1番目から最終番目まで順番に処理される。この場合、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、複数の第1及び第2候補文字種{A→B}の中から、それぞれ秘密情報11の部分ビット列X(p)群に対応する第1及び第2置換用文字種{A→B}群を検索する。
【0036】
次に、情報隠蔽部42は、半角−全角文字記憶部21に格納された半角−全角文字対応表を参照して、複数の検索文字列Cのうちの、第1及び第2置換用文字種{A→B}群が表す文字に挟まれた置換用検索文字列C群を検索する。また、第1及び第2検証用文字種「かな→かな」が表す文字に挟まれた検証用検索文字列Cを検索する。また、置換用検索文字列C群及び検証用検索文字列C以外の非置換用検索文字列Cを検索する。
【0037】
次に、送り手側の情報隠蔽装置のビット列変換部41は、カバーテキスト12の文字列において、置換用検索文字列C群及び検証用検索文字列CのASCII文字を半角文字に変換し、非置換用検索文字列CのASCII文字を全角文字に変換して、隠蔽テキスト51として生成する。ビット列変換部41は、隠蔽テキスト51を受け手側の情報隠蔽装置に出力部5、ネットワークを介して送信し、受け手側の情報隠蔽装置の情報復元部91は、送り手側の情報隠蔽装置からの隠蔽テキスト51を隠蔽テキスト61として、入力部6を介して受信する。具体的には、出力部5は、隠蔽テキスト51を隠蔽テキスト61として、第三者が参照可能なWebサイトなどに登録する。入力部6は、隠蔽テキスト61をWebサイトからダウンロードする。
【0038】
次に、受け手側の情報隠蔽装置の情報復元部91は、半角−全角文字記憶部71に格納された半角−全角文字対応表を参照して、隠蔽テキスト61に記載された文字列の中から、ASCII文字であり、且つ、半角を表す半角文字列C群を抽出する。
【0039】
次に、情報復元部91は、文字種−ビット列記憶部72に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、隠蔽テキスト61に記載された文字列の中から、半角文字列C群の前後の文字を表す文字種として、上記の第1及び第2置換用文字種{A→B}群と第1及び第2検証用文字種「かな→かな」とを抽出する。
【0040】
次に、受け手側の情報隠蔽装置のビット列復元部92は、文字種−ビット列記憶部72に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ第1及び第2置換用文字種{A→B}群に対応する部分ビット列H{A→B}群を秘密情報11の部分ビット列X(p)群として抽出する。
【0041】
また、ビット列復元部92は、文字種−ビット列記憶部72に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、第1及び第2検証用文字種「かな→かな」に対応する部分ビット列H{A→B}を検証用フラグとして抽出する。ビット列復元部92は、検証用フラグを抽出することにより、受け手側で抽出した秘密情報11と、送り手側からの秘密情報11とが同一であることを確認し、その旨を出力部10に出力する。
【0042】
ビット列復元部92は、秘密情報11のビット列を、受け手側の情報隠蔽装置のビット列記憶部81に格納する。ビット列復元部92は、ビット列記憶部81に格納されたビット列を秘密情報11に復元し、秘密情報101として出力部10に出力する。
【0043】
本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、送り手側の情報隠蔽装置は、カバーテキスト12に不自然なコードを挿入されたり、単語の置き換えによってカバーテキスト12に記載された文字列(文章)の意味やレイアウトを変更したりしていない。送り手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキスト51を生成する際、カバーテキスト12の文字列において、秘密情報11に関連する文字に挟まれたASCII文字(置換用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、秘密情報11に関連しない文字に挟まれたASCII文字(非置換用検索文字列C)を全角文字列に変換している。即ち、送り手側の情報隠蔽装置では、半角文字と全角文字の変換によって、カバーテキスト12の変更を最小限に抑えることにより、秘密情報11を隠蔽した痕跡が残らない。このように、本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、秘密情報11を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成することができる。
【0044】
受け手側の情報隠蔽装置では、隠蔽テキスト61を受信して秘密情報11を抽出したとき、その秘密情報11が、送り手側の情報隠蔽装置からの隠蔽テキスト51に含まれる秘密情報11であるとは限らない。送り手側の情報隠蔽装置からの隠蔽テキスト51が改ざんされている恐れがあるからである。この場合、受け手側において、受け手側で抽出した秘密情報11と、送り手側でカバーテキスト12に埋め込まれた秘密情報11とが同一であるか否かを判断できること、即ち、秘密情報11の正当性を判断することが望まれる。
【0045】
そこで、本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、送り手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキスト51を生成する際、カバーテキスト12の文字列において、秘密情報11に関連する文字に挟まれたASCII文字(置換用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、検証用フラグに関連する文字に挟まれたASCII文字(検証用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、秘密情報11及び検証用フラグに関連しない文字に挟まれたASCII文字(非置換用検索文字列C)を全角文字列に変換している。これにより、受け手側の情報隠蔽装置では、隠蔽テキスト61を受信して秘密情報11を抽出するときに検証用フラグも抽出した場合、受け手側で抽出した秘密情報11と、送り手側でカバーテキスト12に埋め込まれた秘密情報11とが同一であることを確認することができる。このように、本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、秘密情報11の正当性を判断することができる。
【0046】
[動作]
次に、図面を参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0047】
図2は、情報隠蔽部42が実行する埋め込み処理を示している。図5は、埋め込み処理における半角−全角変換処理A3を示している。図6は、実際にカバーテキスト12に秘密情報11が埋め込まれる例を示している。
【0048】
図2において、フラグ付加処理A1は、ビット列記憶部31に格納されている秘密情報11のビット列を読み込み、情報復元部91においてビット列の開始、終了位置が判別できるよう、フラグ(01111110)を秘密情報11のビット列の前後に付加する。またフラグとの誤認を防止するため、秘密情報11のビット列で1が5回連続した場合、その直後に0を挿入する。以上の処理を行ったビット列を再びビット列記憶部31に格納する。
【0049】
続いて、置換文字検出処理A2では、カバーテキスト12を読み込み、半角−全角文字記憶部21に格納された半角−全角文字対応表の半角文字及び全角文字を検索する。半角文字又は全角文字が連続して出現した場合は、連続した文字列を1つの候補とし、前後の1文字を含めて1つの検索結果とする。カバーテキスト12全体に渡って検索することで複数の検索結果を得る。
【0050】
続いて、半角−全角変換処理A3の流れを図5で紹介する。処理の始めに、ビット列の読み込み位置であるポインタpと検証フラグを挿入するカウンタsを初期化する(A3_1)。置換文字検出処理A2によって行われた検索結果から1つの結果を取り出し(A3_2)、検索文字列Cと前後の1文字をそれぞれA、Bとして格納する(A3_3)。ビット列記憶部31に格納された秘密情報11のビット列を埋め込むに当たっては、一つの検索文字列あたり3ビットが埋め込まれ、3回埋め込みを行うごとに検証用フラグを挿入する。そこで次に置換する文字列が、3ビットの情報か検証用フラグかを判別するためにカウンタsを参照し、sが3の場合は(A3_4−YES)、検証用フラグを埋め込む処理を行い(A3_13以降)、3以外の場合は(A3_4−NO)、3ビットの情報を埋め込む処理を行う(A3_5以降)。続いてポインタpを参照し、秘密情報11のビット列が全て埋め込まれたかどうかを判別する(A3_5)、全て埋め込まれていたら(A3_5−NO)、半角−全角処理A3を終了し、文字列を半角−全角変換したカバーテキスト12を隠蔽テキスト51として出力する(A3_6)。
【0051】
全て埋め込まれていない場合(A3_5−YES)、A3_7以降は、秘密情報11のビット列をカバーテキスト1に埋め込む処理を行っている。まず、ビット列記憶部31に格納されている秘密情報11のビット列の位置pから3ビットを取り出しXに格納したものをX(p)とする(A3_7)。次に、検索文字列Cの前後の1文字A、Bの文字種を文字コードから判別する(A3_8)。Aの文字種とBの文字種の配置関係をH{A→B}とした場合、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表を参照してH{A→B}がX(p)と一致するか判別する(A3_9)。もし一致した場合は(A3_9−YES)、ビット列の埋め込みが可能であると判断し、検索文字列Cが全角の場合、半角−全角文字記憶部21の表に基づき半角文字に変換する(A3_10)。ビット列の埋め込みが実施されたのでポインタp及びカウンタsをカウントアップする(A3_11)。また一致しなかった際は(A3_9−NO)、検索文字列Cが半角の場合、半角−全角文字記憶部21に格納された半角−全角文字対応表に基づき全角文字に変換する(A3_12)。以上の処理を、秘密情報11のビット列が全てカバーテキスト12に埋め込まれるまで繰り返し行う。
【0052】
A3_13以降は、検証用フラグを挿入するための処理を行っている。3ビットを3回埋め込むごとに検証用フラグを挿入することで、抽出時に隠蔽テキスト51の改ざんにより秘密情報11が破壊されていないか確認する。まず、A3_8と同様に検索文字列Cの前後の1文字A、Bの文字種を文字コードから判別する(A3_13)。続いてA、Bが検証用フラグを埋め込む文字種であるひらがなかどうかを判別し(A3_14)、もしA、Bがひらがなでない場合は(A3_14−NO)、A3_12の処理を行い、A、Bがひらがなとなる検索結果にヒットするまで繰り返しA3_2からの処理を行う。もしA、Bがひらがなである場合は(A3_14−YES)、A3_10と同様に検索文字列Cを半角文字に変換する(A3_15)。検証用フラグの埋め込みが行われたので、カウンタsを0にリセットする(A3_16)。
【0053】
図7は、情報復元部91が実行する抽出処理を示している。図8は、抽出処理におけるビット列抽出処理B2を示している。
【0054】
図7において、半角文字検出処理B1では、隠蔽テキスト61を読み込み、半角−全角文字記憶部71に格納されている半角−全角文字対応表の半角文字を検索する。半角文字が連続して出現した場合は、連続した文字列を1つの候補とし、前後の1文字を含めて1つの検索結果とする。隠蔽テキスト61全体に渡って検索することで複数の検索結果を得る。
【0055】
続いて、ビット列抽出処理B2の流れを図8で紹介する。処理の始めに検証フラグの検出ポイントをカウントするカウンタsを初期化する(B2_1)。半角文字検出処理B1によって検出された文字列の結果リストから1つの結果を取り出し(B2_2)、取り出す結果がない場合は(B2_3−NO)、処理を終了する(B2_4)。それ以外の場合(B2_3−YES)は、以下の処理を繰り返し行う。まず半角文字列Cと前後の1文字をそれぞれA、Bとして格納する(B2_5)。3回埋め込みを行うごとに検証用フラグが挿入されているのでカウンタsが3の時は、B2_10以降の検証チェックを行い、3以外のときはB2_7以降のビット列の抽出処理を行う(B2_6)。
【0056】
カウンタsが3以外のときは(B2_6−NO)、検索文字列Cの前後の1文字A、Bの文字種を文字コードから判別する(B2_7)。次に、文字種−ビット列記憶部72の表を参照してH{A→B}に対応したビット列をビット列記憶部81に追加格納する(B2_8)。ビット列の抽出が実施されたのでカウンタsをカウントアップし(B2_9)、次の結果に対して同様の処理を繰り返す。また、カウンタsが3の時は(B2_6−YES)、B2_7と同様に検索文字列Cの前後の1文字A、Bの文字種を文字コードから判別する(B2_10)。カウンタsを0にリセットし(B2_11)、もしA、B双方が検証用フラグパターンであるひらがなである場合は(B2_12−YES)、問題ないものとして次の結果からビット列の抽出を行う。もしA、B双方がひらがなでない場合は(B2_12−NO)、隠蔽テキスト61の秘密情報11が含まれた文字列に何らかの改ざんが行われたものと判断する。正しいビット列が抽出できないことが判明するため、抽出処理Bを中断する(B2_13)。
【0057】
最後にフラグ除去処理B3により、ビット列記憶部81に格納されたビット列からフラグ(01111110)に挟まれた部分を抽出し、そのビット列で1が5回連続して出現した場合、その直後の0を除去する。最後に、ビット列復元部92によりビット列記憶部81のビット列を復元し、秘密情報101として出力部10に出力する。
【0058】
[効果]
以上の説明により、本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、送り手側の情報隠蔽装置は、カバーテキスト12に不自然なコードを挿入されたり、単語の置き換えによってカバーテキスト12に記載された文字列(文章)の意味やレイアウトを変更したりしていない。送り手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキスト51を生成する際、カバーテキスト12の文字列において、秘密情報11に関連する文字に挟まれたASCII文字(置換用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、秘密情報11に関連しない文字に挟まれたASCII文字(非置換用検索文字列C)を全角文字列に変換している。即ち、送り手側の情報隠蔽装置では、半角文字と全角文字の変換によって、カバーテキスト12の変更を最小限に抑えることにより、秘密情報11を隠蔽した痕跡が残らない。このように、本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、秘密情報11を隠蔽している事実が察知されない隠蔽テキストを生成することができる。
【0059】
本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、送り手側の情報隠蔽装置は、隠蔽テキスト51を生成する際、カバーテキスト12の文字列において、秘密情報11に関連する文字に挟まれたASCII文字(置換用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、検証用フラグに関連する文字に挟まれたASCII文字(検証用検索文字列C)を半角文字列Cに変換し、秘密情報11及び検証用フラグに関連しない文字に挟まれたASCII文字(非置換用検索文字列C)を全角文字列に変換している。これにより、受け手側の情報隠蔽装置では、隠蔽テキスト61を受信して秘密情報11を抽出するときに検証用フラグも抽出した場合、受け手側で抽出した秘密情報11と、送り手側でカバーテキスト12に埋め込まれた秘密情報11とが同一であることを確認することができる。このように、本発明の第1実施形態による情報隠蔽システムによれば、秘密情報11の正当性を判断することができる。
【0060】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を省略する。
【0061】
[構成]
図9は、文字種−ビット列記憶部22、72に格納された文字種−ビット列対応表を示している。文字種−ビット列対応表は、第1及び第2文字種A→Bと、所定のビット数で構成される部分ビット列Hと、を複数対応付けている。第1及び第2文字種A→Bは、後述の検索文字列の前後1文字の文字種であり、漢字、かな、カタカナを表している。
【0062】
文字種−ビット列対応表の部分ビット列Hは、文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種A→Bが表す文字に挟まれる検索文字列の文字数が奇数、偶数であることを想定した第1、第2パターンの部分ビット列Hを含んでいる。これにより、1つの文字種の配置に対して4ビットの情報を隠蔽させることができる。
【0063】
例えば、第1、第2文字種(第1及び第2検証用文字種)A→Bがそれぞれ「かな→かな」である場合、第1、第2パターンにおける部分ビット列H(検証用部分ビット列)は、検証用フラグを表している。
【0064】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「かな→カナ」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0000”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1111”を表している。
【0065】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「かな→漢字」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0001”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1110”を表している。
【0066】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「カナ→かな」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0010”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1101”を表している。
【0067】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「カナ→カナ」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0011”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1100”を表している。
【0068】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「カナ→漢字」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0100”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1011”を表している。
【0069】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「漢字→かな」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0101”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1010”を表している。
【0070】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「漢字→カナ」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0110”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1001”を表している。
【0071】
例えば、第1、第2文字種A→Bがそれぞれ「漢字→漢字」である場合、第1パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“0111”を表し、第2パターンにおける部分ビット列Hは、4ビットの情報として“1000”を表している。
【0072】
いま、送り手側の情報隠蔽装置のビット列記憶部31に格納された秘密情報11のビット列には第1パターンが適用されているものとする。この場合、送り手側の情報隠蔽装置の情報隠蔽部42は、前述の第1実施形態と同様に、複数の第1及び第2候補文字種{A→B}を検索する。
【0073】
次に、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表の部分ビット列Hと同じビット数で構成されるように、秘密情報11のビット列を部分ビット列X(p)群として分割する。この場合、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、複数の第1及び第2候補文字種{A→B}の中から、それぞれ第1パターンにおける秘密情報11の部分ビット列X(p)群に対応する第1及び第2置換用文字種{A→B}群を検索する。それ以降の処理は前述の第1実施形態と同様である。
【0074】
いま、送り手側の情報隠蔽装置のビット列記憶部31に格納された秘密情報11のビット列には第2パターンが適用されているものとする。この場合、送り手側の情報隠蔽装置の情報隠蔽部42は、前述の第1実施形態と同様に、複数の第1及び第2候補文字種{A→B}を検索する。
【0075】
次に、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表の部分ビット列Hと同じビット数で構成されるように、秘密情報11のビット列を部分ビット列X(p)群として分割する。この場合、情報隠蔽部42は、文字種−ビット列記憶部22に格納された文字種−ビット列対応表を参照して、複数の第1及び第2候補文字種{A→B}の中から、それぞれ第2パターンにおける秘密情報11の部分ビット列X(p)群に対応する第1及び第2置換用文字種{A→B}群を検索する。それ以降の処理は前述の第1実施形態と同様である。
【0076】
本発明の第2実施形態による情報隠蔽システムによれば、文字種−ビット列対応表の部分ビット列Hに2つのパターンの部分ビット列Hを含めることにより、仕様に応じたパターンにおける秘密情報11をカバーテキスト12に埋め込むことができる。また4ビットの情報を持つため、カバーテキスト12により多くの秘密情報11を埋め込むことができるようになる。
【0077】
[動作]
次に、図面を参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0078】
図10は、埋め込み処理における半角−全角変換処理A3を示している。図10において、図5の半角−全角変換処理との違いを中心に説明する。
【0079】
まず、A3_7に代えてA3_7’が実行される。このA3_7’においては対応表が持つ情報が4ビットになっているため、秘密情報11のビット列も4ビットずつX(p)へ格納を行う。
【0080】
A3_9に代えてA3_9’が実行される。このA3_9’においては、1つの文字種の配置に対し2パターンのビット列があるため、X(p)は2パターンのどちらか一方と一致すれば、真と判定する。
【0081】
A3_10においては以下の3つの処理が追加される。始めに検索文字列Cの文字数をカウントしZに格納する(A3_10(a))。次にZにおけるA、Bの配置関係に対応したビット列を求め、もしCの文字数が奇数となるX(p)のビット列に対してZが偶数となる場合、又はCの文字数が偶数となるX(p)のビット列に対してZが奇数となる場合は(A3_10(b))、検索文字列Cの前に半角スペースを追加することにより、Zの文字数とX(p)となるビット列の対応が取れるよう調整を行う(A3_10(c))。
【0082】
A3_11に代えてA3_11’が実行される。4ビットの埋め込みができたので、A3_11’において、ポインタpを4増加させる。ビット列抽出処理においても図8のB2_8において、H{A→B、Z}で得られたビット列を収集することにより、秘密情報11が秘密情報101として復元される。
【0083】
[効果]
本発明の第2実施形態による情報隠蔽システムによれば、文字種−ビット列対応表の部分ビット列Hに2つのパターンの部分ビット列Hを含めることにより、仕様に応じたパターンにおける秘密情報11をカバーテキスト12に埋め込むことができる。また4ビットの情報を持つため、カバーテキスト12により多くの秘密情報11を埋め込むことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態による情報隠蔽システムを示している(第1、第2実施形態)。
【図2】情報隠蔽部42が実行する埋め込み処理を示している(第1、第2実施形態)。
【図3】半角−全角文字記憶部21、71に格納された半角−全角文字対応表を示している(第1、第2実施形態)。
【図4】文字種−ビット列記憶部22、72に格納された文字種−ビット列対応表を示している(第1実施形態)。
【図5】埋め込み処理における半角−全角変換処理A3を示している(第1実施形態)。
【図6】実際にカバーテキスト12に秘密情報11が埋め込まれる例を示している(第1、第2実施形態)。
【図7】情報復元部91が実行する抽出処理を示している(第1、第2実施形態)。
【図8】抽出処理におけるビット列抽出処理B2を示している(第1、第2実施形態)。
【図9】文字種−ビット列記憶部22、72に格納された文字種−ビット列対応表を示している(第2実施形態)。
【図10】埋め込み処理における半角−全角変換処理A3を示している(第2実施形態)。
【符号の説明】
【0085】
1 入力部、
11 秘密情報、
12 カバーテキスト、
2 外部記憶装置、
21 半角−全角文字記憶部、
22 文字種−ビット列記憶部、
3 メモリ、
31 ビット列記憶部、
4 制御部、
41 ビット列変換部、
42 情報隠蔽部、
5 出力部、
51 隠蔽テキスト、
6 入力部、
61 隠蔽テキスト、
7 外部記憶装置、
71 半角−全角文字記憶部、
72 文字種−ビット列記憶部、
8 メモリ、
81 ビット列記憶部、
9 制御部、
91 情報復元部、
92 ビット列復元部、
10 出力部、
101 秘密情報、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、記憶装置と制御部とを備える複数の情報隠蔽装置、
を具備し、
前記記憶装置は、
ASCII(American Standard Code for Information Interchange)文字を表す半角文字と全角文字とを複数対応付ける半角−全角文字対応表が格納された半角−全角文字記憶部と、
漢字、かな、カタカナを表す第1及び第2文字種と、所定のビット数で構成される部分ビット列とを複数対応付ける文字種−ビット列対応表が格納された文字種−ビット列記憶部と、
ビット列記憶部と、
を備え、
前記複数の情報隠蔽装置のうちの送り手側の情報隠蔽装置の前記ビット列記憶部には、ビット列に変換された秘密情報が格納され、
前記送り手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記半角−全角文字対応表を参照して、カバーテキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字を表す複数の検索文字列を検索し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記カバーテキストの文字列の中から、それぞれ前記複数の検索文字列の前後の文字を表す文字種として複数の第1及び第2候補文字種を検索し、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記秘密情報のビット列を部分ビット列群として分割したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索し、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた置換用検索文字列群と、前記置換用検索文字列群以外の非置換用検索文字列とを検索し、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、隠蔽テキストとして生成し、
前記隠蔽テキストを前記複数の情報隠蔽装置のうちの受け手側の情報隠蔽装置に前記ネットワークを介して送信し、
前記受け手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記送り手側の情報隠蔽装置からの前記隠蔽テキストを受信し、前記隠蔽テキストから前記秘密情報の部分ビット列群を抽出する、
情報隠蔽システム。
【請求項2】
前記受け手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字であり、且つ、半角を表す半角文字列群を抽出し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群を抽出し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出する、
請求項1に記載の情報隠蔽システム。
【請求項3】
前記受け手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記秘密情報の部分ビット列群を抽出したとき、前記受け手側の情報隠蔽装置の前記ビット列記憶部に格納する、
請求項2に記載の情報隠蔽システム。
【請求項4】
前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種のうちの1つの第1及び第2文字種は、第1及び第2検証用文字種を表し、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列のうちの1つの部分ビット列は、検証用フラグとして検証用部分ビット列を表し、
前記送り手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた前記置換用検索文字列群と、前記第1及び第2検証用文字種が表す文字に挟まれた検証用検索文字列と、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列以外の前記非置換用検索文字列とを検索し、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、前記隠蔽テキストとして生成し、
前記受け手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記半角文字列群を抽出したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群と前記第1及び第2検証用文字種とを抽出し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出し、前記第1及び第2検証用文字種に対応する部分ビット列を検証用フラグとして抽出する、
請求項2又は3に記載の情報隠蔽システム。
【請求項5】
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列は、前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種が表す文字に挟まれる検索文字列の文字数が奇数、偶数であることを想定した第1、第2パターンの部分ビット列を含み、
前記送り手側の情報隠蔽装置の前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第1パターンが適用され、
前記送り手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第1パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第1パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索し、
前記送り手側の情報隠蔽装置の前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第2パターンが適用され、
前記送り手側の情報隠蔽装置の前記制御部は、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第2パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第2パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索する、
請求項1〜4のいずれかに記載の情報隠蔽システム。
【請求項6】
ネットワークに接続され、記憶装置と制御部とを備え、
前記記憶装置は、
ASCII(American Standard Code for Information Interchange)文字を表す半角文字と全角文字とを複数対応付ける半角−全角文字対応表が格納された半角−全角文字記憶部と、
漢字、かな、カタカナを表す第1及び第2文字種と、所定のビット数で構成される部分ビット列とを複数対応付ける文字種−ビット列対応表が格納された文字種−ビット列記憶部と、
ビット列記憶部と、
を備え、
自身が送り手側の情報隠蔽装置である場合、
前記ビット列記憶部には、ビット列に変換された秘密情報が格納され、
前記制御部は、
前記半角−全角文字対応表を参照して、カバーテキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字を表す複数の検索文字列を検索し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記カバーテキストの文字列の中から、それぞれ前記複数の検索文字列の前後の文字を表す文字種として複数の第1及び第2候補文字種を検索し、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記秘密情報のビット列を部分ビット列群として分割したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索し、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた置換用検索文字列群と、前記置換用検索文字列群以外の非置換用検索文字列とを検索し、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、隠蔽テキストとして生成し、
前記隠蔽テキストを受け手側に前記ネットワークを介して送信し、
自身が前記受け手側の情報隠蔽装置である場合、
前記制御部は、
前記送り手側からの前記隠蔽テキストを受信し、前記隠蔽テキストから前記秘密情報の部分ビット列群を抽出する、
情報隠蔽装置。
【請求項7】
自身が前記受け手側の情報隠蔽装置である場合、
前記制御部は、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字であり、且つ、半角を表す半角文字列群を抽出し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群を抽出し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出する、
請求項6に記載の情報隠蔽装置。
【請求項8】
自身が前記受け手側の情報隠蔽装置である場合、
前記制御部は、
前記秘密情報の部分ビット列群を抽出したとき、前記ビット列記憶部に格納する、
請求項7に記載の情報隠蔽装置。
【請求項9】
前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種のうちの1つの第1及び第2文字種は、第1及び第2検証用文字種を表し、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列のうちの1つの部分ビット列は、検証用フラグとして検証用部分ビット列を表し、
自身が前記送り手側の情報隠蔽装置である場合、
前記制御部は、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた前記置換用検索文字列群と、前記第1及び第2検証用文字種が表す文字に挟まれた検証用検索文字列と、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列以外の前記非置換用検索文字列とを検索し、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、前記隠蔽テキストとして生成し、
自身が前記受け手側の情報隠蔽装置である場合、
前記制御部は、
前記半角文字列群を抽出したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群と前記第1及び第2検証用文字種とを抽出し、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出し、前記第1及び第2検証用文字種に対応する部分ビット列を検証用フラグとして抽出する、
請求項7又は8に記載の情報隠蔽装置。
【請求項10】
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列は、前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種が表す文字に挟まれる検索文字列の文字数が奇数、偶数であることを想定した第1、第2パターンの部分ビット列を含み、
自身が前記送り手側の情報隠蔽装置であり、前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第1パターンが適用されている場合、
前記制御部は、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第1パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第1パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索し、
前記送り手側の情報隠蔽装置であり、前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第2パターンが適用されている場合、
前記制御部は、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第2パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第2パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索する、
請求項6〜9のいずれかに記載の情報隠蔽装置。
【請求項11】
ビット列記憶部を備えたコンピュータを用いて秘密情報を隠蔽する方法であって、
前記コンピュータが送り手側のコンピュータである場合、
前記ビット列記憶部には、ビット列に変換された秘密情報が格納され、
ASCII(American Standard Code for Information Interchange)文字を表す半角文字と全角文字とを複数対応付ける半角−全角文字対応表を参照して、カバーテキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字を表す複数の検索文字列を検索するステップと、
漢字、かな、カタカナを表す第1及び第2文字種と所定のビット数で構成される部分ビット列とを複数対応付ける文字種−ビット列対応表を参照して、前記カバーテキストの文字列の中から、それぞれ前記複数の検索文字列の前後の文字を表す文字種として複数の第1及び第2候補文字種を検索するステップと、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記秘密情報のビット列を部分ビット列群として分割したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索するステップと、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた置換用検索文字列群と、前記置換用検索文字列群以外の非置換用検索文字列とを検索するステップと、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、隠蔽テキストとして生成するステップと、
前記隠蔽テキストを受け手側にネットワークを介して送信するステップと、
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記送り手側からの前記隠蔽テキストを受信し、前記隠蔽テキストから前記秘密情報の部分ビット列群を抽出するステップと、
を具備する情報隠蔽方法。
【請求項12】
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字であり、且つ、半角を表す半角文字列群を抽出するステップと、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群を抽出するステップと、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出するステップと、
を更に具備する請求項11に記載の情報隠蔽方法。
【請求項13】
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記秘密情報の部分ビット列群を抽出したとき、前記ビット列記憶部に格納するステップ、
を更に具備する請求項12に記載の情報隠蔽方法。
【請求項14】
前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種のうちの1つの第1及び第2文字種は、第1及び第2検証用文字種を表し、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列のうちの1つの部分ビット列は、検証用フラグとして検証用部分ビット列を表し、
前記コンピュータが前記送り手側のコンピュータである場合、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた前記置換用検索文字列群と、前記第1及び第2検証用文字種が表す文字に挟まれた検証用検索文字列と、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列以外の前記非置換用検索文字列とを検索するステップと、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、前記隠蔽テキストとして生成するステップと、
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記半角文字列群を抽出したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群と前記第1及び第2検証用文字種とを抽出するステップと、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出し、前記第1及び第2検証用文字種に対応する部分ビット列を検証用フラグとして抽出するステップと、
を更に具備する請求項12又は13に記載の情報隠蔽方法。
【請求項15】
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列は、前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種が表す文字に挟まれる検索文字列の文字数が奇数、偶数であることを想定した第1、第2パターンの部分ビット列を含み、
前記コンピュータが前記送り手側のコンピュータであり、前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第1パターンが適用されている場合、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第1パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第1パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索するステップと、
前記送り手側のコンピュータであり、前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第2パターンが適用されている場合、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第2パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第2パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索するステップと、
を更に具備する請求項11〜14のいずれかに記載の情報隠蔽方法。
【請求項16】
ビット列記憶部を備えたコンピュータに適用されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータが送り手側のコンピュータである場合、
前記ビット列記憶部には、ビット列に変換された秘密情報が格納され、
ASCII(American Standard Code for Information Interchange)文字を表す半角文字と全角文字とを複数対応付ける半角−全角文字対応表を参照して、カバーテキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字を表す複数の検索文字列を検索するステップと、
漢字、かな、カタカナを表す第1及び第2文字種と所定のビット数で構成される部分ビット列とを複数対応付ける文字種−ビット列対応表を参照して、前記カバーテキストの文字列の中から、それぞれ前記複数の検索文字列の前後の文字を表す文字種として複数の第1及び第2候補文字種を検索するステップと、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記秘密情報のビット列を部分ビット列群として分割したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索するステップと、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた置換用検索文字列群と、前記置換用検索文字列群以外の非置換用検索文字列とを検索するステップと、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、隠蔽テキストとして生成するステップと、
前記隠蔽テキストを受け手側にネットワークを介して送信するステップと、
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記送り手側からの前記隠蔽テキストを受信し、前記隠蔽テキストから前記秘密情報の部分ビット列群を抽出するステップと、
の各ステップを前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記ASCII文字であり、且つ、半角を表す半角文字列群を抽出するステップと、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群を抽出するステップと、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出するステップと、
の各ステップを更に前記コンピュータに実行させる請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記秘密情報の部分ビット列群を抽出したとき、前記ビット列記憶部に格納するステップ、
の各ステップを更に前記コンピュータに実行させる請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種のうちの1つの第1及び第2文字種は、第1及び第2検証用文字種を表し、
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列のうちの1つの部分ビット列は、検証用フラグとして検証用部分ビット列を表し、
前記コンピュータが前記送り手側のコンピュータである場合、
前記半角−全角文字対応表を参照して、前記複数の検索文字列のうちの、前記第1及び第2置換用文字種群が表す文字に挟まれた前記置換用検索文字列群と、前記第1及び第2検証用文字種が表す文字に挟まれた検証用検索文字列と、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列以外の前記非置換用検索文字列とを検索するステップと、
前記カバーテキストの文字列において、前記置換用検索文字列群及び前記検証用検索文字列の前記ASCII文字を前記半角文字に変換し、前記非置換用検索文字列の前記ASCII文字を前記全角文字に変換して、前記隠蔽テキストとして生成するステップと、
前記コンピュータが前記受け手側のコンピュータである場合、
前記半角文字列群を抽出したとき、前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記隠蔽テキストに記載された文字列の中から、前記半角文字列群の前後の文字を表す文字種として前記第1及び第2置換用文字種群と前記第1及び第2検証用文字種とを抽出するステップと、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、それぞれ前記第1及び第2置換用文字種群に対応する部分ビット列群を前記秘密情報の部分ビット列群として抽出し、前記第1及び第2検証用文字種に対応する部分ビット列を検証用フラグとして抽出するステップと、
の各ステップを更に前記コンピュータに実行させる請求項17又は18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列は、前記文字種−ビット列対応表の第1及び第2文字種が表す文字に挟まれる検索文字列の文字数が奇数、偶数であることを想定した第1、第2パターンの部分ビット列を含み、
前記コンピュータが前記送り手側のコンピュータであり、前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第1パターンが適用されている場合、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第1パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第1パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索するステップと、
前記送り手側のコンピュータであり、前記ビット列記憶部に格納された前記秘密情報のビット列には前記第2パターンが適用されている場合、
前記複数の第1及び第2候補文字種を検索し、前記文字種−ビット列対応表の部分ビット列と同じビット数で構成されるように、前記第2パターンにおける前記秘密情報のビット列を前記部分ビット列群として分割したとき、
前記文字種−ビット列対応表を参照して、前記複数の第1及び第2候補文字種の中から、それぞれ前記第2パターンにおける前記秘密情報の部分ビット列群に対応する前記第1及び第2置換用文字種群を検索するステップと、
の各ステップを更に前記コンピュータに実行させる請求項16〜19のいずれかに記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−198816(P2009−198816A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40419(P2008−40419)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】