説明

感光性記録媒体記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジ

【課題】シャッターを開閉する機構を表裏両面対応として簡素化することで生産性の向上を図ることができる感光性記録媒体記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジを提供すること。
【解決手段】カートリッジ本体18と、感光性記録媒体の一部を外部に露呈させる第1の開口部と、第1の開口部に対面して感光性記録媒体の一部を外部に露呈させる第2の開口部を有する遮光板20と、カートリッジ本体18と遮光板20との間に組み込まれたシャッターと、シャッターを第1の開口部及び第2の開口部の間に配置される閉位置に保持し、閉位置からの開動作を許容するロック部材38を備えたロック機構と、ロック部材38への係合により該ロック部材38をロック解除可能且つ表裏判別可能な係合部材182を一箇所に備えた感光性記録媒体用カートリッジ100に用いる感光性記録媒体記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性記録媒体を収容した感光性記録媒体用カートリッジを装填する感光性記録媒体記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の感光性記録媒体用カートリッジとして、データをホログラムによって記録するホログラム記録媒体をDVD−RAMのカートリッジに類似したカートリッジに収容したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなホログラム記録媒体は、円板形状の支持体上に感光性材料からなるホログラム記録層が層設された感光性記録媒体であり、データをレーザ光の干渉縞として多層記録することで、従来普及している記録媒体であるDVDよりも大きなデータ記録容量を得ることができる。ホログラム記録媒体は、ホログラム記録層が曝光され、または塵芥が付着することにより、その性能に悪影響が及ぶために、カートリッジが遮光機能及び防塵機能を有することを必要とする。
【0003】
このような感光性記録媒体用カートリッジで両面記録の場合、遮光用シャッターの開き方向は、カートリッジの構成をなるべく簡略化する上で、記録装置を簡略化するためにも、一方向に設定される場合がある。ところが、感光性記録媒体記録装置に対して、カートリッジの挿入時に所定面を設定していても、その通りに挿入されない場合もある。それを防ぐ手段としては、表裏判定穴や溝などを取付けるのが一般的であるが、その分だけ構造も複雑となる。また、どちらの面を装填しても記録再生可能とする構成とすることもできるが、同じ構成を2つ適用する必要があり、こちらも構造が複雑となるという問題がある。
【特許文献1】特開2004−029476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を鑑みなされたもので、その課題としては、シャッターロック構造を確実にしつつ、シャッターを開閉する機構を簡素化することで生産性の向上を図ることができる感光性記録媒体記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る上記課題は、下記構成により達成される。
(1) ディスク状の感光性記録媒体を回転自在に収容するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられ前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる第1の開口部と、前記カートリッジ本体の外側に取付けられ前記第1の開口部に対面して前記感光性記録媒体の前記中心と前記記録面とを外部に露呈させる第2の開口部を有する遮光板と、前記カートリッジ本体と前記遮光板との間に組み込まれ前記第1の開口部及び前記第2の開口部よりも大きな外形を有するシャッターと、前記シャッターを前記第1の開口部及び前記第2の開口部の間に配置される閉位置に保持するとともに、該閉位置からの開動作を許容するロック部材を備えたロック機構と、を備えた感光性記録媒体用カートリッジに用いる感光性記録媒体記録装置であって、前記ロック部材への係合により該ロック部材をロック解除可能かつ表裏判別を行う係合部材を一箇所に備えたことを特徴とする感光性記録媒体記録装置。
(2) 前記ロック部材に備えられた係合孔に前記係合部材が挿入されることで、該ロック部材をロック解除方向へ移動可能とする傾斜面を前記係合部材に有する上記(1)記載の感光性記録媒体記録装置。
(3) ディスク状の感光性記録媒体を回転自在に収容するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられ前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる第1の開口部と、前記カートリッジ本体の外側に取付けられ前記第1の開口部に対面して前記感光性記録媒体の前記中心と前記記録面とを外部に露呈させる第2の開口部を有する遮光板と、前記カートリッジ本体と前記遮光板との間に組み込まれ前記第1の開口部及び前記第2の開口部よりも大きな外形を有するシャッターと、前記シャッターを前記第1の開口部及び前記第2の開口部の間に配置される閉位置に保持するとともに、該閉位置からの開動作を許容するロック部材を備えたロック機構と、を備え、感光性記録媒体記録装置に装填される感光性記録媒体用カートリッジであって、前記感光性記録媒体記録装置に装填された際に、前記感光性記録媒体記録装置の係合部材との係合の有無によりロック解除および表裏判別を行う前記ロック部材であることを特徴とする感光性記録媒体用カートリッジ。
(4) 前記ロック部材は、前記係合孔に前記感光性記録媒体記録装置の前記係合部材が挿入された際に、該係合部材に有する傾斜面に当接することでロック解除方向に押圧される上記(3)記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【0006】
このように感光性記録媒体記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジは、ロック部材をロック解除可能な係合部材を一箇所に備え、カートリッジが逆に入れられた場合、係合部材がロック部材に挿入されず、係合部材がその位置で停止することにより、カートリッジの挿入もできなくなり、表裏判別が可能となる。
【0007】
感光性記録媒体用カートリッジの単一のロック部材に対して感光性記録媒体記録装置の係合部材が挿入される動作だけでロック部材をロック解除するために、シャッターを開閉する機構を簡素化することができる。更に、係合部材がその先端に傾斜面を有することにより、ロック部材がその傾斜面に当接してロック解除方向に押圧される構成により、係合部材が挿入されるという一工程だけで、ロック解除が可能となる。
【0008】
また、上記カートリッジ本体は、感光性記録媒体に対する内面と、シャッタに対する外面とに、表面粗さRa:5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が施されていることが好ましい。こうすれば、カートリッジ内部や、カートリッジ本体とシャッタとの間に光が進入した場合でも、粗面によって光を拡散、減衰させることができるため、感光性記録媒体に対する影響を軽減させることができる。
【0009】
また、上記カートリッジ本体は、板形状の第1シェルと、この第1シェルに重ね合わされて溶着される第2シェルからなり、第1シェル及び第2シェルは、同一または類似の熱可塑性プラスチックで形成され、かつシャッタを含むその他の部品は、第1シェル及び第2シェルと異なる材質で形成されていることが好ましい。これにより、第1シェルと第2シェルとの溶接時に第1シェル及び第2シェルとその他の部品とが溶着してしまうのを防止することができる。
【0010】
上記カートリッジは、第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックに遮光性物質が0.01〜5.00重量%添加されていることが好ましい。また、第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにカーボンブラックを使用する場合は、カーボンブラックが0.01〜2.00重量%添加されていることが好ましい。こうすれば、カートリッジ本体とシャッタとの光透過率を小さくすることができ、カートリッジの遮光性能を向上させることができる。
【0011】
また、上記カートリッジは、第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにシリコーン系滑剤が0.1〜5.0重量%添加されていることが好ましい。こうすれば、シャッタの動作が滑らかになるため、シャッタとカートリッジ本体との間の摩擦により削り屑等が発生するのを防止することができる。
【0012】
上記カートリッジは、前記感光性記録媒体としてホログラム記録媒体に適用できる。上記構成により、ホログラム記録媒体を感光させることなく、持ち運びができ、設置位置の異なる記録装置で利用可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、簡素化されたシャッター開閉機構に対応して表裏判別可能としつつ、ロック機構を確実に動作でき、両面対応の感光性記録媒体用カートリッジと感光性記録媒体記録装置として簡素化することで生産性の向上を図ることができる感光性記録媒体記録装置及びそれに用いる感光性記録媒体用カートリッジを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、説明は感光性記録媒体用カートリッジについて先に行い、その後に感光性記録媒体記録装置について行う。
図1は本発明の実施形態による感光性記録媒体用カートリッジの一方の面を上方にした外観斜視図、図2は図1を裏返しにした外観斜視図である。
図において、感光性記録媒体用カートリッジ100は、内部に設けられたディスク収容部12(図3参照)に円板形状のホログラム記録媒体200を回転自在に収容している。
【0015】
感光性記録媒体用カートリッジ100は、この感光性記録媒体用カートリッジ100を取り扱う感光性記録媒体記録装置であるホログラム記録装置(図4参照)300に対し、図1中に示す矢印A方向から装填される。感光性記録媒体用カートリッジ100の装填方向先端部の両側面には、この感光性記録媒体用カートリッジ100がホログラム記録装置300のカートリッジ装填部(図4参照)302に装填された際に、カートリッジ装填部302に設けられた位置決め部材304,306を挿入するための一対の位置決め溝14,16がそれぞれ設けられている。
【0016】
ホログラム記録媒体200は、中心に穴部を有してディスク状にしたホログラム記録ディスクであり、両面にホログラム記録層が設けられている。ホログラム記録層には、例えば、緑色532nm〜青色405nmの波長域のレーザ光により、データがレーザ光の干渉縞として多層記録される。なお、ホログラム記録媒体200の穴部に補強材を付加しても良い。感光性記録媒体用カートリッジ100は、ホログラム記録媒体200の両面の記録面に記録を行うために、A面202またはB面204のいずれかの面を上にしてホログラム記録装置300にセットされる。
【0017】
感光性記録媒体用カートリッジ100は、ディスク収容部12が設けられたカートリッジ本体18と、このカートリッジ本体18の外側を挟み込むようにして取付けられた遮光板20と、カートリッジ本体18と遮光板20との間に組み込まれたシャッター22と、を備えている。遮光板20の上下面には、第2の開口部である略長方形の外部開口部24,26がそれぞれ形成されている。これら外部開口部24,26は、シャッター22が閉位置CLにあるときに、シャッター22に有する第1シャッター板28,第2シャッター板30によって閉成される。
【0018】
シャッター22は、図1中に示す矢印B方向に開位置OPまで移動されることで、外部開口部24,26に対面するように相似形状にしてカートリッジ本体18に設けられた内部開口部(図3参照)32,34を開放させる。これにより、ディスク収容部12内に収容されているホログラム記録媒体200の中心部(図3参照)206と、記録面208と、が外部に露呈される。
【0019】
シャッター22は、内蔵するシャッター付勢ばね(図3参照)36によって閉方向に常時付勢されており、且つ、ロック機構(図3参照)150によって閉位置CLでロックされている。ロック機構150の解除は、ロック機構150に備えた単一のロック部材(図3参照)38にロック解除機構(図4参照)180に備えた係合ピン182,184のうちの一方が挿入されることでなされる。これにより、シャッター22は、この操作が行われなければ解除されることがないので、不用意に開放されることはない。
【0020】
図3は感光性記録媒体用カートリッジ100の構成を示す分解斜視図である。
図3に示すように、カートリッジ本体18は、板形状の第1シェル44と、この第1シェル44に接合される第2シェル46と、これら第1シェル44,第2シェル46の間に組み込まれてシャッター22のロックを司るロック機構150と、から主として構成されている。
【0021】
第1シェル44及び第2シェル46は、例えば、遮光性物質と滑剤とが添加された同一または類似の熱可塑性プラスチックを用いて、射出成形により板形状に形成されている。
【0022】
第1シェル44の内面には、ホログラム記録媒体200の外径よりも大きな径で形成された突状である不図示の一対の第1シェル側遮光壁がそれぞれ設けられており、第1シェル44には、端縁全周に設けられた第1シェル側外周突条48と、ホログラム記録媒体200のA面202において中心部206及び記録面208を外部に露呈させるための第1の開口部である内部開口部32と、が設けられている。
【0023】
第2シェル46の内面には、ホログラム記録媒体200の外径よりも大きな径で形成された突状である不図示の第2シェル側遮光壁が設けられており、この第2シェル側遮光壁が第1シェル側遮光壁の間に挿入される。また、第2シェル46には、端縁全周に設けられた第2シェル側外周突条50と、ホログラム記録媒体200のB面204において中心部206及び記録面208を外部に露呈させるための第1の開口部である内部開口部34と、が設けられている。
【0024】
ホログラム記録媒体200は、第2シェル46の第2シェル側遮光壁の内側上に載置され、この第2シェル46の上面に第1シェル44を重ね合わせることで、第2シェル側遮光壁が一対の第1シェル側遮光壁の間に組み付けられ、第2シェル側遮光壁の先端が第1シェル44の内面に当接するために、これら遮光壁により形成されたラビリンス状の遮光構造をもつディスク収容部12内に収容される。これにより、第1シェル44及び第2シェル46の各外周突状48,50の合わせ目から光や塵芥が入り込んだとしても、これらがディスク収容部12内にまで進入することはない。
【0025】
また、第2シェル46の第2シェル側遮光壁の先端部は、第1シェル44の内面に超音波溶着によって固着されているために、第1シェル44と第2シェル46とは強固に接合され、両シェル44,46の合わせ目に隙間が開くようなことはない。また、超音波溶着を行うと、プラスチック粉が周囲に飛散する場合があるが、第1シェル44の外周側の第1シェル側遮光壁と第2シェル46の第2シェル側遮光壁との間で行うことによりプラスチック粉の飛散を最小限に抑制することができるので、ホログラム記録媒体200の汚損を防止することができる。
【0026】
なお、第1シェル44と第2シェル46との接合は、カートリッジ本体18にシャッター22やロック機構150を組み込んだ後に行うと、シャッター22やロック機構150を構成する部品が一緒に溶着されることがある。これを防止するために、シャッター22やロック機構150の構成部品の材質には、第1シェル44及び第2シェル46の材質とは異なる種類のプラスチックを用いるのが好ましい。
【0027】
遮光板20は、その材質に、遮光性、耐食性、装飾性、加工性を得ることができ、且つ、軽量で強度のあるものとして、例えばアルミニウム合金等が適用される。なお、遮光板20はプラスチックで成形しても良いが、遮光性と、シャッター22の滑り性とを確保するために、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックを用いるのが好ましい。遮光板20は、アルミニウム合金の薄板の外部開口部24,26と、シャッター22の移動範囲を得るための切欠52と、を有し、断面が略コ字形状となるように屈曲させて成形されている。これにより、遮光板20には、外部開口部24が形成された第1板部54と、外部開口部26が形成された第2板部56と、第1板部54と第2板部56とを連結させる第3板部58と、を有し、第3板部58に切欠52が形成されている。
【0028】
遮光板20は、第1板部54及び第2板部56でカートリッジ本体18を挟み込み、第3板部58でカートリッジ本体18の装填方向の先端部を覆うようにカートリッジ本体18に組み付けられる。このとき、第1シェル44及び第2シェル46の外面には、遮光板20の厚み以上の深さでもって内側にオフセットされた遮光板取付面60,62が形成されているために、カートリッジ本体18に組み付けられた遮光板20の外面が感光性記録媒体用カートリッジ100の表面から突出することはない。
【0029】
遮光板20の第1板部54及び第2板部56の外縁部には、略等間隔で小さい穴64が複数並べて形成されている。また、第1シェル44及び第2シェル46の遮光板取付面60,62には、遮光板20の各穴64に対応する位置に、遮光板20の厚みよりも僅かに長い複数のピン66が一体に形成されている。これにより、遮光板20がカートリッジ本体18の外側に外嵌されることで第1シェル44及び第2シェル46の各ピン66が各穴64にそれぞれ挿入されて遮光板20の表面から突出され、各ピン66の先端部が熱で潰されることにより、遮光板20がカートリッジ本体18に分離不能に固着される。なお、遮光板20のカートリッジ本体18への固着方法としては、これ以外に、接着剤や両面テープ、ねじ止め等を用いることができる。また、遮光板20をプラスチックで成形した場合には、各種の溶着手段を用いることもできる。
【0030】
シャッター22は、遮光性を有する薄板を略コ字形状になるように屈曲されて成形されており、細長い板形状のスライド部材68が組み付けられている。シャッター22は、遮光板20と同様の理由により、例えば、アルミニウム合金で成形されている。なお、シャッター22もプラスチックで成形しても良いが、やはり、遮光性と滑り性とを確保するために、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックを用いるのが好ましい。スライド部材68は、遮光性物質と滑剤とが添加されたプラスチックで成形されている。
【0031】
シャッター22は、第1シェル44の外面と遮光板20の第1板部54との間に挿入される第1シャッター板28と、第2シェル46の外面と遮光板20の第2板部56との間に挿入される第2シャッター板30と、これら第1シャッター板28と第2シャッター板30とを連結するとともにスライド部材68が取り付けられる連結部70と、を有する。そして、第1シェル44と第2シェル46との外面には、遮光板取付面60,62の内側に、シャッター22の厚み以上の深さでもって内側にオフセットさせたシャッター摺動面72,74が形成されている。これにより、シャッター22は、カートリッジ本体18と遮光板20との間をスムースに移動することができるために、移動による切屑の発生を抑制することができる。なお、シャッター摺動面72,74は、入射した光を拡散するために粗面化処理を施しても良い。同様に、遮光板20の内面、シャッター22の内面及び外面を粗面にしても良い。
【0032】
スライド部材68は、上面がカートリッジ本体18の装填方向の先端面から露出されるように、第1シェル44と第2シェル46との間にスライド移動自在に組み込まれる。このスライド部材68の上面端部には、シャッター22の連結部70の内面に取り付けられる取付面76が形成されている。この取付面76には、例えば2本のピン78が一体に突出形成されており、シャッター22の連結部70に設けられた2個の穴80に挿入されて熱により先端部が潰されることでスライド部材68がシャッター22に固着される。なお、この固着にも接着剤や両面テープ等或いはねじ止めを用いても良いし、シャッター22をプラスチックで成形した場合には、各種の溶着手段を用いることもできる。
【0033】
スライド部材68の側面には、長さ方向に沿って溝82が形成されている。溝82は、第1シェル44及び第2シェル46の装填方向A先端側の内面に設けられた不図示の突状に挿入されることで、スライド部材68がカートリッジ本体18から脱落することなくスライド移動自在に支持される。
【0034】
スライド部材68の他方の上面端部には、シャッター22を開く際に操作される非操作用の突部84が一体に突出形成されている。この突部84は、シャッター22に対し、スライド部材68をシャッター閉じ方向に伸ばすように設けられているために、遮光板20の第3板部58に隠れることなく外部に露出されている。このとき、遮光板20の第3板部58に形成された切欠52は、シャッター22が開位置OPに向けて移動する際に、突部84との干渉を避けるために設けられている。
【0035】
シャッター22は、シャッター付勢ばね36により閉じ方向に付勢されている。このシャッター付勢ばね36は、例えばねじりコイルばねであり、その両端が、スライド部材68と、第1シェル44の内面と、に係止されている。
【0036】
ロック機構150は、シャッター22を閉位置CLでロックするためのロック部材38と、ロックばね88と、から構成されている。
【0037】
ロック部材38は、矩形の基部90と、この基部90の先端部に一体にして略三角形状に形成された爪部92と、を有する単一部材である。基部90の中央部には、四角形の貫通穴状の係合孔である操作穴94が形成されており、爪部92の側部には、スライド部材68に形成されたロック部材挿入孔96への係合を誘導するための斜面98が形成されている。
【0038】
基部90は、第1シェル44の内面に形成されたガイド枠102に挿入されることで、スライド部材68に対して直行する方向に移動自在に支持されており、ロックばね88は、端部が、基部90と第1シェル44とにそれぞれ係止されている。これにより、ロック部材38は、ロックばね88の弾性反発力により、スライド部材68に衝突する方向に常時付勢されている。そして、基部90の操作穴94は、第1シェル44の一方側の側部において貫通する角孔状に形成された第1シェル側誘導孔104と、第2シェル46の一方側の側部において貫通する角孔状に形成された第2シェル側誘導孔106とに対応して配置される。
【0039】
図4は感光性記録媒体用カートリッジ100を用いるホログラム記録装置300を示す外観斜視図である。
図4に示すように、ホログラム記録装置300には、カートリッジ装填部302をもち、このカートリッジ装填部302内に、一対の位置決め部材304,306と、ロック部材38を操作させるロック解除機構180と、シャッター22を閉位置CLから開位置OPへスライド移動させるシャッタースライド機構330と、を備える。
【0040】
一対の位置決め部材302,304は、感光性記録媒体用カートリッジ100がカートリッジ装填部302内に装填される際に、位置決め溝14,16にそれぞれ係合することで、挿入方向及び挿入方向に直交する方向でもって感光性記録媒体用カートリッジ100を位置決めする。
【0041】
ロック解除機構180は、感光性記録媒体用カートリッジ100の第2シェル側誘導孔106を通じてロック部材38の操作穴94に挿入される係合部材である係合ピン182を備えている。このとき、ホログラム記録媒体200の遮光シャッター22は一方向のみの開口方向であるために、面を反対にして挿入された場合、係合ピン182は遮光板54の表面当たり、そこで停止することになる。そこで、それ以上のカートリッジ挿入が不可能となる。このような操作穴94と係合ピン182との対応関係を持つ構成により、表裏判定手段とすることができる。
【0042】
係合ピン182は、先端部分が四角形の軸形状に形成されており、それぞれの装填方向側に、予め定められた傾斜角度を有する押圧用傾斜面186を有する。そして、これら係合ピン182は、不図示の繰り出し機構により常時繰り出し方向に位置し、感光性記録媒体用カートリッジ100がカートリッジ装填部302に装填された際にそれぞれ引っ込められ、その後に、第2シェル側誘導孔106への繰り出されることで、押圧用傾斜面186によりロック部材38の操作穴94の端部を押圧してロックを解除する。
【0043】
シャッタースライド機構330は、スライド部材68の突部84に当接する操作片332と、この操作片332をシャッター22のスライド方向にスライド移動させる不図示のスライド機構と、を備えている。
【0044】
図5(A),(C),(E)はホログラム記録装置300における感光性記録媒体用カートリッジ100が装填される際の各部の動きを説明する一部破断断面図、図5(B),(D),(F)はホログラム記録装置300における感光性記録媒体用カートリッジ100が装填される際のロック部材と係合ピンとの断面図である。なお、図5(A),(B),(C),(D),(E),(F)では、感光性記録媒体用カートリッジ100が表面を上にして装填される場合について説明する。
【0045】
図5(A)に示すように、感光性記録媒体用カートリッジ100がホログラム記録装置300に装填される以前において、ロック部材38は、ロックばね88によりスライド部材68側に付勢されているために、ロック部材38の爪部92がスライド部材68のロック部材挿入孔96に挿入されており、スライド部材68はロック部材38によって移動不能に保持されている。スライド部材68が移動不能であるために、シャッター22は、各外部開口部24,26及び各内部開口部32,34を閉塞している。
【0046】
図5(B)に示すように、感光性記録媒体用カートリッジ100がホログラム記録装置300に装填される以前においては、ロック部材38の操作穴94に係合ピン182が挿入されてない。
【0047】
図5(C)に示すように、感光性記録媒体用カートリッジ100がホログラム記録装置300に装填され始めると、位置決め部材302が位置決め溝14に、位置決め部材304が位置決め溝16にそれぞれ挿入され、通常は突出しているロック解除機構180の係合ピン182が引っ込められ、更に挿入後、操作穴94との係合位置タイミングで係合ピン182が繰り出される。このとき、カートリッジ100が裏面であると、係合ピン182の繰り出しが不十分な位置で停止するので、挿入経路の開口も停止され、これ以上、カートリッジ100の挿入ができなくなり、表裏判別を可能とする。つまり、操作穴94と係合ピン182との構成により、ロック解除構成と表裏判別構成との両方を兼ねることとなる。
【0048】
図5(D)に示すように、係合ピン182が第1シェル側誘導孔104に向けて繰り出されることで、係合ピン182の押圧用傾斜面186の先端部がロック部材38の操作穴94の側面を押圧する。
【0049】
図5(E)に示すように、図5(C)の以後、ロック解除機構180の係合ピン182が更に繰り出されるために、ロック部材38が押圧用傾斜面186によってロック解除方向にスライド移動されることで、ロック部材38がロックばね88に抗してスライド部材68から離れる方向に変位され、シャッター22のロックが解除される。そして、シャッタースライド機構330の操作片332がスライド部材68の突部84を図5(E)中の左方向であるシャッター開方向に押圧させるために、シャッター22が開位置OPに移動して各外部開口部24,26及び各内部開口部32,34を開放する。
【0050】
図5(F)に示すように、係合ピン182の押圧用傾斜面186は、ロック部材38がスライド部材68から離れる分の変位量を確保しているために、ロック部材38は係合ピン182の挿入動作のみによってロック解除方向への移動を創生することができる。
【0051】
このように、ホログラム記録装置300は、シャッター22のロックを解除する機構が表裏判別機構を兼ね備えた係合ピン182と操作穴94との構成であるために簡素な構造となり、また、感光性記録媒体用カートリッジ100が、ロック部材38をスライド移動させない限り、ロックを解除させることができないので、シャッター22が不用意に開放されるのを効果的に防止することができる。
【0052】
なお、上記実施形態は、ロック機構を簡素化した構成を示したが、ロックの遮光安全性を高める上で、カートリッジ100内の二重のロック機構を提供することもできる。
図6は他の実施形態の二重のロック機構を示した斜視図である。
【0053】
図6において、第1のロック部材は、図5に示したロック機構150と同様の形状を有する。このロック機構150のロック部材90に対してスライド部材68のロック部材挿入孔96への出入を制限する構成を提起するものである。
【0054】
具体的には、第1のロック部材38aはスライド部材68に形成されたロック部材挿入孔96に係合してシャッター22を閉じ位置でロックするロック爪92aと、このロック爪92と一体に設けられた矩形の摺動部90aと、この摺動部90aの第2シェル46に対する面に形成された円柱形状のボス95aと、このボス95aと摺動部90aとに貫通して形成された操作穴94aとからなる。ロック爪92aには、シャッタ94aが開き位置から閉じ位置に移動する際に、ロック部材挿入孔96との係合を誘うための斜面98aが形成されている。
【0055】
第2ロック部材99は、第1ロック部材38aのボス95aの外周に回動自在に挿入される穴99aを備えたリンク部99bと、このリンク部99bと一体に設けられ、ボス95aを中心に回動する回動部99cと、この回動部99cの側面から垂直に立設された被押圧片99dと、ロックバネ88aの一端が係止されるバネ係止部99eとからなる。
【0056】
第1ロック部材38aは、スライド部材68のロック部材挿入孔96にロック爪92aが係合する第一のロック位置と、下方スライドしてロック部材挿入孔96との係合を解除する第一の解除位置との間で移動する。第2ロック部材99は、ロックバネ88aに付勢されて垂直状態となり、被押圧片99dを位置決め溝14内の切欠14aから突出させて、第1シェルに設けられた規制片99fに係止される第2のロック位置と、時計方向に回動する第2の解除位置との間で移動される。
【0057】
以上の構成から、本実施態様のロック機構では、カートリッジ100が挿入されると、位置決め溝14内の切欠14aから突出している被押圧片99dが押し込まれて、第1ロック部材38aを保持している第2ロック部材99が規制片99fからずれて、第1ロック部材38aがロック部材挿入孔96方向に移動可能となる。次に、係合ピン182が操作穴94aに入り込み、ロック部材挿入孔96からロック爪92aを外す方向に移動させ、ロックを解除する。
【0058】
なお、上述した実施形態において、第1シェル44及び第2シェル46を成形するのに用いるプラスチックに添加する遮光性物質としては、様々な物質を添加することができるが、使用する遮光性物質に応じて、例えば、0.01〜5.00重量%を添加することが好ましい、また、上記遮光性物質として、例えば、カーボンブラックを用いることができる。このカーボンブラックの添加により遮光性を確保し、物理強度を向上させることができる。カーボンブラックの添加量としては、0.01〜2.00重量%が好ましい。添加量が0.01重量%を超えると、遮光性及び物理強度の向上という効果が表れるが、2.00重量%を超えると物理強度が低下するためである。
【0059】
また、滑剤として、例えば、シリコーン系滑剤を用いることができる。このシリコーン系滑剤の添加により摩擦抵抗が低減するため、シャッター22の移動による削り屑の発生を少なくすることができる。また、輸送時の衝撃でホログラム記録媒体200とカートリッジ本体18の内壁とが接触した場合の削り屑の発生も低減することができる。更に、機器への挿入性等の取り扱い性が向上する。また、流動性が向上するために、成形時の混練性、射出成形性等の加工性等も向上する。
【0060】
なお、シリコーン系滑剤の添加量としては、0.1〜3.0重量%が好ましい。0.1重量%以下では効果が少なく、3.0重量%以上では、流動性がよくなりすぎて混練、成形時にスクリューと樹脂とに滑りが生じて加工性が悪化し、製品表面にプリードアウトしてホログラム記録媒体200や使用者の手などに付着し、取り扱い性、外観性で不具合を生じることがあるためである。なお、共重合シリコーンを使用する場合には、上記不具含は生じにくくなるため、5.0重量%まで添加することが可能である。
【実施例】
【0061】
次に、本発明の実施例について説明する。
第1シェル44及び第2シェル46の成形に用いる熱可塑性プラスチックには、PC、PBT、ABS、POM、PS、PP、HDPE、PA、PET、PPS、SAN(スチレン−アクリロニトリル共重合〉、PMMA、PC等を用いることができる。また、超音波溶着による誤溶着防止のために、第1シェル44及び第2シェル46以外の部品については、上記熱可塑性プラスチックの中から、第1シェル44及び第2シェル46に使用したものと異なるものを選択するとよい。
【0062】
第1シェル44及び第2シェル46には、厚み0.2mmにおいて可視光線透過率が1.0%以下の遮光性を有するプラスチックを使用し、必要な物理的強度を得るために、その肉厚を0.2〜1.6mmの範囲で形成するのが好ましい。上記遮光特性を有するプラスチックを得るには、遮光性物質を添加するとよい。遮光性物質としては、種々のものを用いることができ、使用する遮光性物質に応じて0.01〜5.00重量%を添加するのが好ましい。遮光性物質としては、以下のようなものが考えられる。
【0063】
(1)無機化合物
A.酸化物・・・シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維等
B.水酸化物・・・水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等
C.炭酸塩・・・炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト等
D.(亜)硫酸塩・・・硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等
E.ケイ酸塩・・・タルク、クレー、マイカ、アスべスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等
F.炭素・・・カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空球等
G.その他・・・鉄粉、銅粉、鉛紛、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウムペースト、タルク等
(2)有機化合物
木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、穀繊維(アーモンド、ピーナッツ、モミ穀など)、木綿、ジュート、紙細片、非木材繊維(ワラ、ケナフ、竹、エスパルト、パガス、モロヘイヤ、煙火など)セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロビレン繊維、デンプン(変性デンプン、表面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維等
【0064】
これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比較的不活性な物質である、光吸収性のカーボンブラックと窒化チタンとグラファイト及び鉄黒が好ましい。
【0065】
遮光性物質としてカーボンブラックを使用する場合には、その添加量を0.01〜2.00重量%とするのが好ましい。上述したように、遮光性及び物理強度のバランスがよいプラスチックを得るためである。
【0066】
カーボンブラックの原料による分類例をあげると、ガスブラック、ファーネスプラック、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンカーボンプラック、サーマルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマルプラック、ベジタブルブラック等がある。
【0067】
好ましいカーボンブラックの市販品の代表例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#20(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#100,#600,#950,#1000,#2200,#2400,#MA8,MA11,MA100等が挙げられる。また、電気化学製のデンカブラック、東海カーボンのシースト、旭カーボンの旭#78、昭和キャボットのショウワブラック、新日鉄化学のニテロン、三菱化学のダイヤブラック等の各種グレードのものも用いることができる。
【0068】
海外の製品としては、例えばキャボット社のBlack Pearls 2,46,70,71,74,80,81,607等、Regal300,330,400,660,991,SRF−S等、Vulcan 3,6等、Sterling10,SO,V,S,FT−FF,MT−FFが挙げられる。
【0069】
さらにアシュランドケミカル社のUnited R,BB,15,102,3001,3004,3006,3007,3008,3009,3011,3012,XC−3016,XC−3017,3020等を挙げることができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0070】
また、第1シェル44及び第2シェル46に添加する滑剤としては、シリコーン系滑剤、特に各種グレードのジメチルポリロキサンを使用することができ、東レ、ダウコーニング、シリコーン、GE東芝シリコーン、旭化成ワッカーシリコーン、信越化学等から市販されている各種グレードのものを使用することができる。なお、マスターバッチ、練り込み品のどちらでも使用可能である。なお、シリコーン系滑剤の添加量としては、0.1〜5.0重量%が好ましい。上述したように、摩捧抵抗と、製造適正、製品品質のバランスのよいプラスチックを得るためである。
【0071】
また、第1,第2シェル44,46設ける粗面としては、表面粗さRa:5μm以下だと光拡散効果が薄く、20μm以上だとホログラム記録媒体200との接触時に傷を発生させるおそれがある。そのため、表面粗さRa:5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が好ましい。
【0072】
遮光板20及びシャッター22に使用するアルミニウム合金としては、Al−Mg系合金が好ましく、例えば、JIS合金番号5052,5056等が好ましい。また、より強度を高める場合には、JIS合金番号5083,5086等がより好ましい。更に、強度を高める場合には、Al−Mg−Si系合金(例えば、JIS合金番号6063,6061)や、Al−Cu系合金(例えば、JIS合金番号2014,2017)、Al−Zn−Mg系含金(例えば、JIS合金番号7003,7N01,7075,7050)等を用いてもよい。軽量化、加工のしやすさから、遮光板20及びシャッター22の厚みは1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.15〜0.5mmである。
【0073】
また、遮光板20及びシャッター22は、プラスチックで成形してもよい。その際に使用するプラスチックとしては、例えばPOM等が適しており、上述した第1シェル44等と同様に、遮光性物質や滑剤を添加するとよい。
【0074】
シャッター付勢ばね86やロックばね88には、ばね定数、耐久性、加工性などの観点から、オーステナイト系ばね用ステンレス綱の使用が好ましく、例えば、SUS300番台を用いることができる。また、好ましい線径としては、シャッター付勢ばね86は0.2〜0.7mm、ロックばね88は0.15〜0.4mmが好ましい。
【0075】
また、第1シェル44と第2シェル46との固着に超音波溶着を用いたが、その他の溶着方法及び固着方法を用いてもよい。例えば、ねじなどで固着する場合には、ねじ穴の周囲にも遮光構造を形成するのが好ましい。また、第2シェル46及び第1シェル44を1部品で構成したが、複数の部品を組みあわせて形成してもよい、例えば、ディスク収容部12を境にして2部品で構成すれば、金型の簡易化を図ることができる。
【0076】
更に、両面に記録が可能なホログラム記録媒体200を収容する感光性記録媒体用カートリッジ100を例に説明したが、一方の面に記録されるホログラム記録媒体に対応させてもよい。この揚合には、開口部を一方の面にのみ形成し、シャッター22でこの開口部を開閉する。また、ホログラム記録媒体を収容する感光性記録媒体用カートリッジ100を例に説明したが、その他の感光佳を有する記録媒体を収容する場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態による感光性記録媒体用カートリッジの一方の面を上方にした外観斜視図である。
【図2】図1に示した感光性記録媒体用カートリッジを裏返しにした外観斜視図である。
【図3】感光性記録媒体用カートリッジの構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態によるホログラム記録装置を示す外観斜視図である。
【図5】(A),(C),(E)はホログラム記録装置における感光性記録媒体用カートリッジが装填される際の各部の動きを説明するそれぞれ一部破断断面図、(B),(D),(F)はホログラム記録装置における感光性記録媒体用カートリッジが装填される際のロック部材と係合ピンとのそれぞれ断面図である。
【図6】他の実施形態の二重のロック機構を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
18 カートリッジ本体
20 遮光板
22 シャッター
24,26 外部開口部(第2の開口部)
32,34 内部開口部(第1の開口部)
38 ロック部材
68 スライド部材
94 操作穴(係合孔)
100 感光性記録媒体用カートリッジ
150 ロック機構
180 ロック解除機構
182,184 係合ピン
186,188 傾斜面
200 ホログラム記録媒体(感光性記録媒体)
300 ホログラム記録装置(感光性記録媒体記録装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状の感光性記録媒体を回転自在に収容するカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に設けられ前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる第1の開口部と、
前記カートリッジ本体の外側に取付けられ前記第1の開口部に対面して前記感光性記録媒体の前記中心と前記記録面とを外部に露呈させる第2の開口部を有する遮光板と、
前記カートリッジ本体と前記遮光板との間に組み込まれ前記第1の開口部及び前記第2の開口部よりも大きな外形を有するシャッターと、
前記シャッターを前記第1の開口部及び前記第2の開口部の間に配置される閉位置に保持するとともに、該閉位置からの開動作を許容するロック部材を備えたロック機構と、
を備えた感光性記録媒体用カートリッジに用いる感光性記録媒体記録装置であって、
前記ロック部材への係合により該ロック部材をロック解除可能かつ表裏判別を行う係合部材を一箇所に備えたことを特徴とする感光性記録媒体記録装置。
【請求項2】
前記ロック部材に備えられた係合孔に前記係合部材が挿入されることで、該ロック部材をロック解除方向へ移動可能とする傾斜面を前記係合部材に有することを特徴とする請求項1記載の感光性記録媒体記録装置。
【請求項3】
ディスク状の感光性記録媒体を回転自在に収容するカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に設けられ前記感光性記録媒体の中心と記録面とを外部に露呈させる第1の開口部と、
前記カートリッジ本体の外側に取付けられ前記第1の開口部に対面して前記感光性記録媒体の前記中心と前記記録面とを外部に露呈させる第2の開口部を有する遮光板と、
前記カートリッジ本体と前記遮光板との間に組み込まれ前記第1の開口部及び前記第2の開口部よりも大きな外形を有するシャッターと、
前記シャッターを前記第1の開口部及び前記第2の開口部の間に配置される閉位置に保持するとともに、該閉位置からの開動作を許容するロック部材を備えたロック機構と、
を備え、感光性記録媒体記録装置に装填される感光性記録媒体用カートリッジであって、
前記感光性記録媒体記録装置に装填された際に、前記感光性記録媒体記録装置の係合部材との係合の有無によりロック解除および表裏判別を行う前記ロック部材であることを特徴とする感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項4】
前記ロック部材は、前記係合孔に前記感光性記録媒体記録装置の前記係合部材が挿入された際に、該係合部材に有する傾斜面に当接することでロック解除方向に押圧されることを特徴とする請求項3記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ本体は、前記感光性記録媒体に対する内面と、前記シャッタに対する外面とに、表面粗さRa:5〜20μmのマット加工、またはシボ加工が施されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジ本体は、略板形状の第1シェルと、この第1シェルに重ね合わされて溶着される第2シェルからなり、前記第1シェル及び第2シェルは、同一または類似の熱可塑性プラスチックで形成され、かつシャッタを含むその他の部品は、該第1シェル及び第2シェルと異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項7】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックに遮光性物質が0.01〜5.00重量%添加されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項8】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにカーボンブラックが0.01〜2.00重量%添加されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項9】
前記第1シェル及び第2シェルと、シャッタは、その成形に用いられるプラスチックにシリコーン系滑剤が0.1〜5.0重量%添加されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の感光性記録媒体用カートリッジ。
【請求項10】
前記感光性記録媒体は、ホログラム記録媒体であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の感光性記録媒体用カートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−102924(P2007−102924A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291401(P2005−291401)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】